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JP2010018448A - セラミックス接合体およびその製造方法 - Google Patents

セラミックス接合体およびその製造方法 Download PDF

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JP2010018448A JP2008177973A JP2008177973A JP2010018448A JP 2010018448 A JP2010018448 A JP 2010018448A JP 2008177973 A JP2008177973 A JP 2008177973A JP 2008177973 A JP2008177973 A JP 2008177973A JP 2010018448 A JP2010018448 A JP 2010018448A
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優 横山
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Abstract

【課題】高い接合強度を有し、接合部の耐食性に優れており、半導体製造用部材として好適に適用することができるセラミックス接合体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】界面活性剤を含む純水のみで構成された分散媒に、セラミックス焼結体12a,12bと同一組成であり、純度99.9%以上、平均粒径400nm以上600nm以下のセラミックス粒子のみを固形分として分散させたスラリーまたはペーストを調製し、前記スラリーまたはペーストを前記セラミックス焼結体12a,12bの接合面に塗布し、これらの接合面同士を合わせた後、1300℃以上1600℃以下で焼結させて、前記セラミックス焼結体12a,12b同士を接合する。
【選択図】図1

Description

本発明は、セラミックス焼結体同士を接合したセラミックス接合体およびその製造方法に関する。
エンジニアリングセラミックスは、耐熱性や耐食性、耐摩耗性に優れ、高硬度、高強度である等の特性を有しているものであり、エンジン、切削工具等の産業用構造部材として広く利用されている。
しかしながら、エンジニアリングセラミックスの多くは、硬くて脆いため、難加工性であり、複雑な形状の部材を製造するためには、加工コストが高くなるという課題を有していた。
このため、複雑な形状のセラミックス部材の製造においては、この部材を構成する部品を組み合わせて接合する方法が知られている。
その一例として、セラミックス部品同士を、セラミックス系スラリー接着剤を用いて接着し、焼成して接合する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−128473号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されているようなセラミックス系スラリー接着剤は、該接着剤中に含まれるセラミックス粒子の純度が低く、セラミックス部品同士の接合強度が弱い。また、セラミックス粒子成分以外の他の不純物成分が多く含まれているため、接合部の耐食性に劣るという課題有していた。
さらに、該接着剤により接合したセラミックス接合体を半導体製造用部材として用いる場合には、該接着剤に含まれるセラミックス粒子成分以外の他の不純物成分により被処理ウエハが汚染される可能性がある。そのため、上述したようなセラミックス系スラリー接着剤を用いた接合方法は、半導体製造用部材の製造には不向きである。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、高い接合強度を有し、接合部の耐食性に優れており、半導体製造用部材としても好適に適用することができるセラミックス接合体およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係るセラミックス接合体は、同一組成からなるセラミックス焼結体同士が接合部を介して接合されたセラミックス接合体であって、前記接合部が、前記セラミックス焼結体と同一組成からなる平均粒径600nm以上2μm以下のセラミックス粒子の焼結体で構成され、前記組成を構成する金属元素以外の不純物金属元素の濃度が合計で10ppm以下であることを特徴とする。
このような構成のセラミックス接合体は、高い接合強度を有し、接合部の耐食性に優れており、半導体製造用部材としても好適に適用することができる。
前記セラミックス接合体は、特に、前記組成がアルミナである場合に好適に適用することができる。
また、本発明に係るセラミックス接合体の製造方法は、同一組成からなるセラミックス焼結体同士を接合するセラミックス接合体の製造方法であって、界面活性剤を含む純水のみで構成された分散媒に、前記セラミックス焼結体と同一組成であり、純度99.9%以上、平均粒径400nm以上600nm以下のセラミックス粒子のみを固形分として分散させたスラリーまたはペーストを調製し、前記スラリーまたはペーストを前記セラミックス焼結体の接合面に塗布し、これらの接合面同士を合わせた後、1300℃以上1600℃以下で焼結させて、前記セラミックス焼結体同士を接合することを特徴とする。
このような固形分および分散媒によるスラリーまたはペーストを用いて焼結して接合させると、粒子の粒成長により、平均粒径が600nm以上2μm以下の前記セラミックス焼結体と同一組成のセラミックス粒子の焼結体が形成され、上記のようなセラミックス接合体を得ることができる。
また、本発明に係る他の態様のセラミックス接合体の製造方法は、同一組成からなるセラミックス焼結体同士を接合するセラミックス接合体の製造方法であって、界面活性剤を含む純水のみで構成された分散媒に、前記セラミックス焼結体と同一組成であり、純度99.9%以上、平均粒径400nm以上600nm以下の第1のセラミックス粒子と、前記セラミックス焼結体と同一組成であり、純度が99.9%以上、平均粒径30nm以上100nm以下の第2のセラミックス粒子のみを固形分として分散させたスラリーまたはペーストを調製し、前記スラリーまたはペーストを前記セラミックス焼結体の接合面に塗布し、これらの接合面同士を合わせた後、1300℃以上1600℃以下で焼結させて、前記セラミックス焼結体同士を接合することを特徴とする。
このように、平均粒径が異なるセラミックス粒子を用いて接合部を形成することにより、接合強度がより高められたセラミックス接合体を得ることができる。
上記製造方法においては、特に、前記組成がアルミナである場合に好適に適用することができる。
本発明に係るセラミックス接合体は、高い接合強度を有し、接合部の耐食性に優れており、各種構造部材に広く適用することができ、特に、高い耐食性や高純度材料からなることが要求される半導体製造用部材やFPD(Flat Panel Display)製造用部材等にも好適に適用することができる。
例えば、本発明に係るセラミックス接合体を、腐食性流体やプラズマ雰囲気等に曝される部材に適用した場合、接合部の腐食が抑制され、パーティクル発生が抑制されるため、該部材に起因した被処理ウエハ等の汚染防止が図られる。また、該部材の長寿命化が図られ、装置のメンテナンス頻度が低減し、装置のランニングコストの低下、ひいては、ウエハ等の生産効率の向上にも寄与し得る。
以下、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明のセラミックス接合体の一例を示す概略断面図である。図1に示すセラミックス接合体10は、同一組成からなるセラミックス焼結体12a,12bが、接合部14を介して接合されたセラミックス接合体である。この接合は焼結により行われる。
前記セラミックス焼結体12a,12bは、接合の際、焼結時における熱的挙動が同じとなるように、同一組成であることが好ましい。
さらに、同一の製造方法により製造された同一材料で構成されていることがより好ましい。このように、セラミックス焼結体12a,12bの製造方法の違いによる熱的挙動の差をも考慮して、接合の際の焼結時における熱的挙動をより近いものとすることが好ましい。
また、接合部14も、セラミックス焼結体12a,12bとの接合の際、加熱時における熱的挙動が同じとなるように、セラミックス焼結体12a,12bと同一組成とすることが好ましい。
なお、本発明に係るセラミック接合体は、図1に示すような2個のセラミックス焼結体の接合体に限定されるものではなく、3個以上の同一組成からなるセラミックス焼結体がそれぞれ、接合部を介して接合されたものであってもよい。
また、接合させるセラミックス焼結体の形状は、特に限定されるものではなく、接合面の形状も、平面に限定されず、曲面や凹凸面であってもよい。
セラミックス接合体10を構成するセラミックス焼結体12a,12bおよび接合部14には、アルミナ(Al23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化セリウム(CeO2)、酸化ホルミウム(Ho23)、酸化チタン(TiO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化イットリウム(Y23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)等が用いられる。これらのうち、特に、アルミナ(Al23)が、界面活性剤を含む純水に流動性がある状態で高濃度に混合させることができるため、優れた接合特性を得ることができる。また、アルミナは、高純度(純度99.9%以上)な微粒子を容易に入手することができる点で有利である。
図2に、本発明に係るセラミックス接合体の断面のSEM写真を示す。
図2の写真に示すように、接合部14は、平均粒径600nm以上2μm以下のセラミックス粒子20a,20b,20c,…の焼結体からなる。
このようなセラミックス粒子の焼結体により接合部が構成されているため、本発明に係るセラミックス接合体は、高い接合強度を備えている。
なお、本発明でいう平均粒径とは、図2に示すようなSEM写真等の画像において確認される複数のセラミックス粒子(例えば、20a,20b,20c,…)のそれぞれの相当円(粒子の投影面積と同じ面積の円)の直径の平均値を意味する。
前記セラミックス粒子の平均粒径が600nm未満である場合は、接合強度が低下するため好ましくない。一方、前記平均粒径が2μmを超える場合も、接合強度が低下するため好ましくない。
また、接合部14においては、その組成(例えば、アルミナ)を構成する金属元素(例えば、アルミニウム)以外の不純物金属元素の濃度が合計で10ppm以下であることが好ましい。より好ましくは、該不純物金属元素の濃度が合計で5ppm以下であることがより好ましい。
すなわち、「前記組成を構成する金属元素以外の不純物金属元素」とは、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)により測定することができる金属(例えば、Na,K,Al等)のうち、接合部14の組成を構成する金属元素(例えば、Al)を除外したものを言う。
このように、接合部14の不純物金属元素の濃度が合計で10ppm以下であるため、セラミックス焼結体12a,12bと接合部14との熱膨張係数差による剥離や破損等が防止され、耐食性に優れ、半導体製造用部材としても好適に用いることができるセラミックス接合体を得ることができる。
セラミックス焼結体12a,12bも、接合時に、セラミックス焼結体12a,12bから接合部14へ不純物が拡散しないように、高純度であることが好ましい。
例えば、セラミックス接合体10が半導体製造装置用部材として用いられる場合には、セラミックス焼結体12a,12bは、高耐食性を維持する観点から、純度99.9%以上であることが好ましい。
なお、前記接合部14の厚さは、通常、薄すぎると、セラミックス焼結体12a,12b同士が接合されず、一方、厚すぎると、セラミックス接合体10の接合部14における強度が低下する。十分な接合強度が得られる接合部14の厚さは、セラミックス焼結体12a,12bの接合面の表面粗さに依存して変化するため、前記接合面の表面粗さを考慮して、適宜決定される。
前記セラミックス接合体10は、具体的には、以下のような本発明に係る製造方法により得ることができる。
まず、周知の方法により、同一組成からなるセラミックス焼結体12a,12bを製造する。
次に、前記セラミックス焼結体12a,12bと同一組成であり、純度99.9%以上、平均粒径400nm以上600nm以下のセラミックス粒子のみを固形分として、界面活性剤を含む純水のみで構成された分散媒に分散させて混合し、スラリーまたはペーストを調製する。スラリーまたはペーストの調製は、例えば、撹拌機を用いて行う。
ここで、固形分とは、後の焼結処理後に残留する成分をいう。また、分散媒とは、前記固形分と混合させてスラリーまたはペーストを構成し、焼結処理時に蒸発する成分である。
前記スラリーまたはペースト中の固形分は、接合部の純度を高めるため、焼結助剤等を含まず、平均粒径が400nm以上600nm以下のセラミックス粒子のみで構成することが好ましい。
固形分として焼結助剤等を添加すると、接合部14内に不純物が残留し、耐食性の悪化や、汚染等を引き起こすことになるため好ましくない。
また、分散媒は、焼結処理後に残留成分が生じない液体であることが好ましい。前記分散媒は、セラミックス粒子の材料に応じた分散性、スラリーまたはペーストの粘性等を考慮して、適宜選択される。一般に、水、アルコール等が用いられる。
前記セラミックス粒子として、アルミナを用いる場合には、前記分散媒は、界面活性剤を含む純水のみで構成し、バインダ等を含まないものであることが好ましい。これにより、スラリーまたはペーストに、アルミナ粒子を流動性がある状態で高濃度に混合させることができるため、接合強度をより高めることができる。また、界面活性剤を含む純水のみで構成することは、スラリーまたはペースト中の不純物含有量の低減化の観点からも好ましい。
純水に界面活性剤を添加しない場合には、流動性がある状態で高濃度にアルミナ粒子をより多く混合させることが難しく、高い接合強度を有する接合部を得ることが難しい。
なお、ここでいう「流動性がある状態」とは、次の工程において、セラミックス焼結体の接合面に対して、塗布可能な流動状態であればよい。
また、ここでいう純水とは、半導体製造の分野で一般的に使用されており、一般に、工業用水、水道水等を原水として、その中の不純物を高純度イオン交換樹脂、高機能膜、脱気装置等を用いて分離精製したものであり、例えば、一般家庭に用いられる水道水の比抵抗値が0.01〜0.05MΩ・cmであるのに対して、例えば、1MΩ・cm以上に精製されているものである。
次に、調製したスラリーまたはペーストを、前記セラミックス焼結体の接合面に塗布し、これらの接合面同士を合わせて仮接合する。
前記スラリーまたはペーストの塗布は、例えば、刷毛等を用いて行う。塗布は、接合するセラミックス焼結体12a,12bの各接合面の一方または両方に対して行う。
また、仮接合は、前記接合面同士を合わせた後、一定の荷重をかけて接着させてもよく、自重のみで接着させてもよい。
最後に、上記により得られた仮接合体を、例えば、大気雰囲気中で、所定時間、焼結処理することにより、前記セラミックス焼結体12a,12bを接合する。
前記焼結処理により、スラリーまたはペーストの塗布層が焼結し、前記接合部14が形成されるとともに、セラミックス焼結体12a,12bが接合されて、セラミックス接合体10が得られる。
なお、焼結処理前に、必要に応じて、スラリーまたはペーストに含まれる分散媒を蒸発させるために、前記仮接合体を100℃前後で乾燥させてもよい。
前記焼結処理温度は、セラミックス接合体の組成に応じて、適宜設定されるが、例えば、アルミナセラミックスの場合には、1300℃以上1600℃以下であることが好ましい。
前記処理温度が1300℃未満である場合には、スラリーまたはペーストの塗布層におけるセラミックス粒子の粒成長が十分に進行せず、接合部において、十分な接合強度が得られない。
一方、前記処理温度が1600℃を超える場合には、着色等の問題を生じるため好ましくない。
また、前記固形分を、前記セラミックス焼結体12a,12bと同一組成であり、純度99.9%以上、平均粒径400nm以上600nm以下のセラミックス粒子(第1のセラミックス粒子)に、前記セラミックス焼結体12a,12bと同一組成であり、純度が99.9%以上、平均粒径30nm以上100nm以下のセラミックス粒子(第2のセラミックス粒子)をさらに加えた2種のセラミックス粒子で構成することが好ましい。
このように、平均粒径が異なるセラミックス粒子を用いて接合部を形成することにより、接合強度がより高められたセラミックス接合体を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
JIS−R1624(ファインセラミックス接合の曲げ強さ試験方法)に則して、同一工程で製造した純度99.9%以上のアルミナセラミックスを、6mm×6mm×18mm、表面粗さRa=0.2μm以下に加工した焼結体2個を準備した。なお、このアルミナセラミックス焼結体は、1500℃に加熱しても焼結が進行しないように作製されているものである。
一方、純度99.9%以上、平均粒径500nm(最小粒径400nm、最大粒径600nm)、比表面積4.7m2/gのアルミナ粒子に、前記アルミナ粒子に対して1.5重量%の界面活性剤A−30SL(ポリアクリル酸アンモニウム;東亞合成株式会社製)と、前記アルミニウム粒子に対して20重量%の純水を加え、撹拌機で分散混合し、スラリーを調製した。
次に、前記アルミナセラミックス焼結体のうちの一方の6mm×6mmの面全体に、前記作製したスラリーを塗布して、接合面同士を合わせ、自重による荷重で仮接合させた。
この仮接合させたアルミナセラミックス仮接合体を1500℃で1時間焼成し、アルミナセラミックス接合体を得た。
[実施例2]
実施例1と同様のアルミナ粒子に、さらに、純度99.9%以上、平均粒径30nm(最小粒径10nm、最大粒径50nm)、比表面積52m2/gのアルミナ超微粒子を前記アルミナ粒子に対して20重量%混合し、前記アルミナ粒子に対して1.5重量%の界面活性剤A−30SL(ポリアクリル酸アンモニウム;東亞合成株式会社製)と、前記アルミニウム粒子に対して30重量%の純水を加え、撹拌機で分散混合し、スラリーを調製した。
それ以外については、実施例1と同様にして、アルミナセラミックス接合体を得た。
[比較例1]
純度99.9%以上、平均粒径30nm(最小粒径10nm、最大粒径50nm)、比表面積52m2/gのアルミナ超微粒子のみを用い、純水のみを分散媒として、撹拌機で分散混合し、スラリーを調製した。
それ以外については、実施例1と同様にして、アルミナセラミックス接合体を得た。
[比較例2]
実施例1と同様のアルミナセラミックス焼結体を、市販のアルミナ接着剤(セラマボンド503(アレムコプロダクツ社製))を用いて、300℃焼成にて接合し、アルミナセラミックス接合体を作製した。
[比較例3]
比較例1において、分散媒として界面活性剤A−30SLと純水とを、実施例1と同様な条件で加えてスラリーを調製した。
それ以外については、比較例1と同様にして、アルミナセラミックス接合体を得た。
[比較例4]
実施例1において、界面活性剤A−30SLを用いず、それ以外については、実施例1と同様にして、アルミナセラミックス接合体を得た。
[比較例5]
実施例2において、界面活性剤A−30SLを用いず、それ以外については、実施例2と同様にして、アルミナセラミックス接合体を得た。
上記実施例および比較例において作製したアルミナセラミックス接合体の接合部の厚さは、いずれも0.5μmであった。
これらのアルミナセラミックス接合体の接合強度を四点曲げ強度により評価した。これらの測定結果をグラフとして図3に示す。
図3のグラフに示した四点曲げ強度の測定結果から分かるように、平均粒径30nmのアルミナ超微粒子のみのスラリーで接合した場合(比較例1)よりも、平均粒径500nmのアルミナ粒子のスラリーで接合した場合(実施例1)の方が、曲げ強度が6倍近く高いことが認められた。
さらに、平均粒径30nmのアルミナ超微粒子と平均粒径500nmのアルミナ粒子とを混合したスラリーにより接合させた場合(実施例2)は、実施例1よりも、さらに、曲げ強度が1.5倍程度高くなっていることが認められた。
なお、アルミナ超微粒子のみの場合(比較例1)、分散媒に界面活性剤を加えたても(比較例3)、曲げ強度の大きな向上は認められなかった。
また、実施例1と比較例4の比較、実施例2と比較例5の比較から、界面活性剤を用いない場合(比較例4,5)も、曲げ強度の大きな向上は認められなかった。
また、上記実施例および比較例において作製したアルミナセラミックス接合体について、ICP−MS(サンプル分解条件:HF:HNO3:H2O=4:1:5)により不純物評価を行ったところ、比較例2以外のアルミナセラミックス接合体は、例えば、Na:0.47ppm、Mg:0.21ppm、K:0.22ppm、Ti:0.02ppm、Cr:0.01ppm、Fe:3.4ppm、Ni:0.03ppm、Cu:0.03ppm、B:016ppmと、不純物濃度が合計で5ppm以下と非常に高純度であった。
このことから、アルミナセラミックス接合体全体として、不純物金属元素が合計で10ppm以下と非常に高純度であり、実施例1,2に係るアルミナセラミックス接合体は、強度面のみならず、純度の面からも、半導体製造用部材として好適に使用できることが確認された。
一方、市販のアルミナ接着剤を用いた場合(比較例2)は、Pが5.8%以上検出され、不純物としてP(リン)が非常に多いことが確認された。
このことから、比較例2に係るアルミナセラミックス接合体は、強度の面からも、純度の面からも、半導体製造用部材に適しているとは言えないものであった。
本発明に係るセラミックス接合体の概略構造を示す断面図である。 本発明に係るセラミックス接合体の断面のSEM写真である。 実施例および比較例における四点曲げ強度を表したグラフである。
符号の説明
10 セラミックス接合体
12a,12b セラミックス焼結体
14 接合部
20a,20b,20c,… セラミックス粒子

Claims (5)

  1. 同一組成からなるセラミックス焼結体同士が接合部を介して接合されたセラミックス接合体であって、
    前記接合部が、前記セラミックス焼結体と同一組成からなる平均粒径600nm以上2μm以下のセラミックス粒子の焼結体で構成され、前記組成を構成する金属元素以外の不純物金属元素の濃度が合計で10ppm以下であることを特徴とするセラミックス接合体。
  2. 前記組成がアルミナであることを特徴とする請求項1記載のセラミックス接合体。
  3. 同一組成からなるセラミックス焼結体同士を接合するセラミックス接合体の製造方法であって、
    界面活性剤を含む純水のみで構成された分散媒に、前記セラミックス焼結体と同一組成であり、純度99.9%以上、平均粒径400nm以上600nm以下のセラミックス粒子のみを固形分として分散させたスラリーまたはペーストを調製し、前記スラリーまたはペーストを前記セラミックス焼結体の接合面に塗布し、これらの接合面同士を合わせた後、1300℃以上1600℃以下で焼結させて、前記セラミックス焼結体同士を接合することを特徴とするセラミックス接合体の製造方法。
  4. 同一組成からなるセラミックス焼結体同士を接合するセラミックス接合体の製造方法であって、
    界面活性剤を含む純水のみで構成された分散媒に、前記セラミックス焼結体と同一組成であり、純度99.9%以上、平均粒径400nm以上600nm以下の第1のセラミックス粒子と、前記セラミックス焼結体と同一組成であり、純度が99.9%以上、平均粒径30nm以上100nm以下の第2のセラミックス粒子のみを固形分として分散させたスラリーまたはペーストを調製し、前記スラリーまたはペーストを前記セラミックス焼結体の接合面に塗布し、これらの接合面同士を合わせた後、1300℃以上1600℃以下で焼結させて、前記セラミックス焼結体同士を接合することを特徴とするセラミックス接合体の製造方法。
  5. 前記組成がアルミナであることを特徴とする請求項3または4記載のセラミックス接合体の製造方法。
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