JP2010016454A - 画像符号化装置および方法、画像復号装置および方法、並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】演算量を増大させることなく、圧縮効率の低下を抑制する。
【解決手段】イントラTP動き予測・補償部75は、画面並べ替えバッファ62からのイントラ予測する画像と、フレームメモリ72からの参照画像に基づき、イントラ予測動きベクトル生成部76により生成された予測動きベクトル情報を探索の中心とした所定の探索範囲での動き予測を行う。インターTP動き予測・補償部78は、画面並べ替えバッファ62からのインター符号化が行われる画像と、フレームメモリ72からの参照画像に基づいて、インター予測動きベクトル生成部79により生成された予測動きベクトル情報を探索の中心とした所定の探索範囲での動き予測を行う。本発明は、例えば、H.264/AVC方式で符号化する画像符号化装置に適用することができる。
【選択図】図1
【解決手段】イントラTP動き予測・補償部75は、画面並べ替えバッファ62からのイントラ予測する画像と、フレームメモリ72からの参照画像に基づき、イントラ予測動きベクトル生成部76により生成された予測動きベクトル情報を探索の中心とした所定の探索範囲での動き予測を行う。インターTP動き予測・補償部78は、画面並べ替えバッファ62からのインター符号化が行われる画像と、フレームメモリ72からの参照画像に基づいて、インター予測動きベクトル生成部79により生成された予測動きベクトル情報を探索の中心とした所定の探索範囲での動き予測を行う。本発明は、例えば、H.264/AVC方式で符号化する画像符号化装置に適用することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は画像符号化装置および方法、画像復号装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、演算量を増大させることなく、圧縮効率の低下を抑制するようにした画像符号化装置および方法、画像復号装置および方法、並びにプログラムに関する。
近年、MPEG(Moving Picture Experts Group)2やH.264およびMPEG−4 Part10(Advanced Video Coding)(以下H.264/AVCと記す)などの方式で画像を圧縮符号化し、パケット化して伝送し、受信側で復号する技術が普及してきた。これによりユーザは高品質の動画像を視聴することができる。
ところで、MPEG2方式においては、線形内挿処理により1/2画素精度の動き予測・補償処理が行われているが、H.264/AVC方式においては、6タップのFIR (Finite Impulse Response Filter)フィルタを用いた1/4画素精度の予測・補償処理が行われている。
また、MPEG2方式においては、フレーム動き補償モードの場合には、16×16画素を単位として動き予測・補償処理が行われ、フィールド動き補償モードの場合には、第1フィールドと第2フィールドのそれぞれに対し、16×8画素を単位として動き予測・補償処理が行われている。
これに対して、H.264/AVC方式においては、ブロックサイズを可変にして、動き予測・補償を行うことができる。すなわち、H.264/AVC方式においては、16×16画素で構成される1つのマクロブロックを、16×16、16×8、8×16、あるいは8×8のいずれかのパーティションに分割して、それぞれ独立した動きベクトル情報を持つことが可能である。また、8×8パーティションに関しては、8×8、8×4、4×8、あるいは4×4のいずれかのサブパーティションに分割し、それぞれ独立した動きベクトル情報を持つことが可能である。
しかしながら、H.264/AVC方式においては、上述した1/4画素精度、およびブロック可変の動き予測・補償処理が行われることにより、膨大な動きベクトル情報が生成されてしまい、これをこのまま符号化してしまうと、符号化効率の低下を招いていた。
そこで、符号化対象の画像の領域に対して所定の位置関係で隣接すると共に復号画像の一部であるテンプレート領域の復号画像と相関が高い画像の領域を、復号画像から探索して、探索された領域と所定の位置関係とに基づいて予測を行う方法が提案されている(特許文献1参照)。
この方法は、マッチングに復号画像を用いているため、探索範囲を予め定めておくことで、符号化装置と復号装置において同一の処理を行うことが可能である。すなわち、復号装置においても上述したような予測・補償処理を行うことにより、符号化装置からの画像圧縮情報の中に動きベクトル情報を持つ必要がないため、符号化効率の低下を抑えることが可能である。
上述したように、特許文献1の技術は、符号化装置のみならず、復号装置でも予測・補償処理を必要とする。この際、良好な符号化効率を確保するには、十分な大きさの探索範囲が必要となる。しかしながら、探索範囲の増大は、符号化装置のみならず、復号装置においても、演算量の増大を招いてしまっていた。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、演算量を増大させることなく、圧縮効率の低下を抑制するものである。
本発明の一側面の画像符号化装置は、フレームの第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成する予測動きベクトル生成部と、前記予測動きベクトル生成部により生成された前記動きベクトルの予測値の周辺の所定の探索範囲において、前記第1の対象ブロックの動きベクトルを、前記第1の対象ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに復号画像から生成される第1のテンプレートを利用して探索する第1の動き予測補償部とを備える。
前記予測動きベクトル生成部は、符号化済みのブロックであって、前記第1の対象ブロックに隣接するブロックである隣接ブロックに対する動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を0として、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレームと異なる符号化済みフレームを参照して探索された動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記符号化済みフレームの情報が所定の値より大きい場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報を用いることを禁止することができる。
前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記第1の動き予測補償部は、前記隣接ブロックの動きベクトルを、前記隣接ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに前記復号画像から生成される第2のテンプレートを利用して探索し、前記予測動きベクトル生成部は、前記第1の動き予測補償部により探索された前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記フレームの第2の対象ブロックの画素値を、前記フレーム内の前記復号画像から予測するイントラ予測部と、前記第1の動き予測補償部により探索された前記動きベクトルに基づく予測画像と、前記イントラ予測部により予測された前記画素値からなる予測画像のうちの一方を選択する画像選択部とをさらに備えることができる。
前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレームと異なる符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を0として、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記第1の動き予測補償部は、前記隣接ブロックの動きベクトルを、前記隣接ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに前記復号画像から生成される第2のテンプレートを利用して探索し、前記予測動きベクトル生成部は、前記第1の動き予測部により探索された前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記フレームの第2の対象ブロックの動きベクトルを、前記第2の対象ブロックを利用して探索する第2の動き予測補償部と、前記第1の動き予測補償部により探索された前記動きベクトルに基づく予測画像と、前記第2の動き予測補償部により探索された前記動きベクトルに基づく予測画像のうちの一方を選択する画像選択部とをさらに備えることができる。
前記予測動きベクトル生成部は、符号化済みのブロックであって、前記第1の対象ブロックに隣接するブロックである隣接ブロックに対する動きベクトルの情報、前記フレームと異なる符号化済みフレームのブロックであって、前記第1の対象ブロックに対応する位置のブロックである対応ブロックと前記対応ブロックに隣接するブロックに対する動きベクトルの情報、または、前記対応ブロックと前記隣接ブロックに対する動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対する動きベクトルの情報を0として、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記第1の動き予測補償部は、前記隣接ブロックの動きベクトルを、前記隣接ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに前記復号画像から生成される第2のテンプレートを利用して探索し、前記予測動きベクトル生成部は、前記第1の動き予測補償部により探索された前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記フレームの第2の対象ブロックの動きベクトルを、前記第2の対象ブロックを利用して探索する第2の動き予測補償部と、前記第1の動き予測補償部により探索された前記動きベクトルに基づく予測画像と、前記第2の動き予測補償部により探索された前記動きベクトルに基づく予測画像のうちの一方を選択する画像選択部とをさらに備えることができる。
本発明の一側面の画像符号化方法は、画像符号化装置が、フレームの対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成し、生成された前記動きベクトルの予測値の周辺の所定の探索範囲において、前記対象ブロックの動きベクトルを、前記対象ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに復号画像から生成されるテンプレートを利用して探索するステップを含む。
本発明の一側面のプログラムは、フレームの対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成し、生成された前記動きベクトルの予測値の周辺の所定の探索範囲において、前記対象ブロックの動きベクトルを、前記対象ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに復号画像から生成されるテンプレートを利用して探索するステップを含む処理をコンピュータに実行させて、画像符号化装置として機能させる。
本発明の他の側面の画像復号装置は、フレームの第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成する予測動きベクトル生成部と、前記予測動きベクトル生成部により生成された前記動きベクトルの予測値の周辺の所定の探索範囲において、前記第1の対象ブロックの動きベクトルを、前記第1の対象ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに復号画像から生成される第1のテンプレートを利用して探索する第1の動き予測補償部とを備える。
前記予測動きベクトル生成部は、符号化済みのブロックであって、前記第1の対象ブロックに隣接するブロックである隣接ブロックに対する動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を0として、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレームと異なる符号化済みフレームを参照して探索された動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記符号化済みフレームの情報が所定の値より大きい場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報を用いることを禁止することができる。
前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記第1の動き予測補償部は、前記隣接ブロックの動きベクトルを、前記隣接ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに前記復号画像から生成される第2のテンプレートを利用して探索し、前記予測動きベクトル生成部は、前記第1の動き予測補償部により探索された前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記フレームの第2の対象ブロックの画素値を、前記フレーム内の前記復号画像から予測するイントラ予測部をさらに備えることができる。
前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレームと異なる符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を0として、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記第1の動き予測補償部は、前記隣接ブロックの動きベクトルを、前記隣接ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに前記復号画像から生成される第2のテンプレートを利用して探索し、前記予測動きベクトル生成部は、前記第1の動き予測部により探索された前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成することができる。
符号化された動きベクトルの情報を復号する復号部と、前記復号部により復号された前記フレームの第2の対象ブロックの動きベクトルを用いて予測画像を生成する第2の動き予測補償部とをさらに備えることができる。
前記予測動きベクトル生成部は、符号化済みのブロックであって、前記第1の対象ブロックに隣接するブロックである隣接ブロックに対する動きベクトルの情報、前記フレームと異なる符号化済みフレームのブロックであって、前記第1の対象ブロックに対応する位置のブロックである対応ブロックと前記対応ブロックに隣接するブロックに対する動きベクトルの情報、または、前記対応ブロックと前記隣接ブロックに対する動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対する動きベクトルの情報を0として、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成することができる。
前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記第1の動き予測補償部は、前記隣接ブロックの動きベクトルを、前記隣接ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに前記復号画像から生成される第2のテンプレートを利用して探索し、前記予測動きベクトル生成部は、前記第1の動き予測補償部により探索された前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成することができる。
符号化された動きベクトルの情報を復号する復号部と、前記復号部により復号された前記フレームの第2の対象ブロックの動きベクトルを用いて予測画像を生成する第2の動き予測補償部とをさらに備えることができる。
本発明の他の側面の画像復号装置は、画像復号装置が、フレームの対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成し、生成された前記動きベクトルの予測値の周辺の所定の探索範囲において、前記対象ブロックの動きベクトルを、前記対象ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに復号画像から生成されるテンプレートを利用して探索するステップを含む。
本発明の他の側面のプログラムは、フレームの対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成し、生成された前記動きベクトルの予測値の周辺の所定の探索範囲において、前記対象ブロックの動きベクトルを、前記対象ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに復号画像から生成されるテンプレートを利用して探索するステップを含む処理をコンピュータに実行させて、画像復号装置として機能させる。
本発明の一側面においては、フレームの対象ブロックの動きベクトルの予測値が生成され、生成された前記動きベクトルの予測値の周辺の所定の探索範囲において、前記対象ブロックの動きベクトルが、前記対象ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに復号画像から生成されるテンプレートを利用して探索される。
本発明の他の側面においては、フレームの対象ブロックの動きベクトルの予測値が生成され、生成された前記動きベクトルの予測値の周辺の所定の探索範囲において、前記対象ブロックの動きベクトルが、前記対象ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに復号画像から生成されるテンプレートを利用して探索される。
以上のように、本発明の一側面によれば、画像を符号化することができる。また、本発明の一側面によれば、演算量を増大させることなく、圧縮効率の低下を抑制することができる。
本発明の他の側面によれば、画像を復号することができる。また、本発明の他の側面によれば、演算量を増大させることなく、圧縮効率の低下を抑制することができる。
以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の画像符号化装置の一実施の形態の構成を表している。この画像符号化装置51は、A/D変換部61、画面並べ替えバッファ62、演算部63、直交変換部64、量子化部65、可逆符号化部66、蓄積バッファ67、逆量子化部68、逆直交変換部69、演算部70、デブロックフィルタ71、フレームメモリ72、スイッチ73、イントラ予測部74、イントラテンプレート動き予測・補償部75、イントラ予測動きベクトル生成部76、動き予測・補償部77、インターテンプレート動き予測・補償部78、インター予測動きベクトル生成部79、予測画像選択部80、およびレート制御部81により構成されている。
なお、以下、イントラテンプレート動き予測・補償部75およびインターテンプレート動き予測・補償部78を、それぞれ、イントラTP動き予測・補償部75およびインターTP動き予測・補償部78と称する。
この画像符号化装置51は、例えば、H.264およびMPEG−4 Part10 (Advanced Video Coding)(以下H.264/AVCと記す)方式で画像を圧縮符号化する。
H.264/AVC方式においては、ブロックサイズを可変にして、動き予測・補償が行われる。すなわち、H.264/AVC方式においては、16×16画素で構成される1つのマクロブロックを、図2に示されるように、16×16画素、16×8画素、8×16画素、あるいは8×8画素のいずれかのパーティションに分割して、それぞれ独立した動きベクトル情報を持つことが可能である。また、8×8画素のパーティションに関しては、図2に示されるように、8×8画素、8×4画素、4×8画素、あるいは4×4画素のいずれかのサブパーティションに分割し、それぞれ独立した動きベクトル情報を持つことが可能である。
また、H.264/AVC方式においては、6タップのFIR (Finite Impulse Response Filter)フィルタを用いた1/4画素精度の予測・補償処理が行われている。図3を参照して、H.264/AVC方式における小数画素精度の予測・補償処理について説明する。
図3の例において、位置Aは、整数精度画素の位置、位置b,c,dは、1/2画素精度の位置、位置e1,e2,e3は、1/4画素精度の位置を示している。まず、以下においては、Clip()を次の式(1)のように定義する。
位置cにおける画素値は、水平方向および垂直方向に6タップのFIRフィルタを適用し、次の式(3)のように生成される。
なお、Clip処理は、水平方向および垂直方向の積和処理の両方を行った後、最後に1度のみ実行される。
図1に戻って、A/D変換部61は、入力された画像をA/D変換し、画面並べ替えバッファ62に出力し、記憶させる。画面並べ替えバッファ62は、記憶した表示の順番のフレームの画像を、GOP(Group of Picture)に応じて、符号化のためのフレームの順番に並べ替える。
演算部63は、画面並べ替えバッファ62から読み出された画像から、予測画像選択部80により選択されたイントラ予測部74からの予測画像または動き予測・補償部77からの予測画像を減算し、その差分情報を直交変換部64に出力する。直交変換部64は、演算部63からの差分情報に対して、離散コサイン変換、カルーネン・レーベ変換等の直交変換を施し、その変換係数を出力する。量子化部65は直交変換部64が出力する変換係数を量子化する。
量子化部65の出力となる、量子化された変換係数は、可逆符号化部66に入力され、ここで可変長符号化、算術符号化等の可逆符号化が施され、圧縮される。なお、圧縮画像は、蓄積バッファ67に蓄積された後、出力される。レート制御部81は、蓄積バッファ67に蓄積された圧縮画像に基づいて、量子化部65の量子化動作を制御する。
また、量子化部65より出力された、量子化された変換係数は、逆量子化部68にも入力され、逆量子化された後、さらに逆直交変換部69において逆直交変換される。逆直交変換された出力は演算部70により予測画像選択部80から供給される予測画像と加算されて、局部的に復号された画像となる。デブロックフィルタ71は、復号された画像のブロック歪を除去した後、フレームメモリ72に供給し、蓄積させる。フレームメモリ72には、デブロックフィルタ71によりデブロックフィルタ処理される前の画像も供給され、蓄積される。
スイッチ73はフレームメモリ72に蓄積された参照画像を動き予測・補償部77またはイントラ予測部74に出力する。
この画像符号化装置51においては、例えば、画面並べ替えバッファ62からのIピクチャ、Bピクチャ、およびPピクチャが、イントラ予測(イントラ処理とも称する)する画像として、イントラ予測部74に供給される。また、画面並べ替えバッファ62から読み出されたBピクチャ、およびPピクチャが、インター予測(インター処理とも称する)する画像として、動き予測・補償部77に供給される。
イントラ予測部74は、画面並べ替えバッファ62から読み出されたイントラ予測する画像とフレームメモリ72から供給された参照画像に基づいて、候補となる全てのイントラ予測モードのイントラ予測処理を行い、予測画像を生成する。
また、イントラ予測部74は、画面並べ替えバッファ62から読み出されたイントラ予測する画像と、スイッチ73を介してフレームメモリ72から供給される参照画像を、イントラTP動き予測・補償部75に供給する。
イントラ予測部74は、候補となる全てのイントラ予測モードに対してコスト関数値を算出する。イントラ予測部74は、算出したコスト関数値と、イントラTP動き予測・補償部75により算出されたイントラテンプレート予測モードに対してのコスト関数のうち、最小値を与える予測モードを、最適イントラ予測モードとして決定する。
イントラ予測部74は、最適イントラ予測モードで生成された予測画像とそのコスト関数を、予測画像選択部80に供給する。イントラ予測部74は、予測画像選択部80により最適イントラ予測モードで生成された予測画像が選択された場合、最適イントラ予測モードに関する情報を、可逆符号化部66に供給する。可逆符号化部66は、この情報を符号化し、圧縮画像におけるヘッダ情報の一部とする。
イントラTP動き予測・補償部75は、画面並べ替えバッファ62から読み出されたイントラ予測する画像と、フレームメモリ72から供給される参照画像に基づき、イントラテンプレート予測モードの動き予測と補償処理を行い、予測画像を生成する。その際、イントラTP動き予測・補償部75は、イントラ予測動きベクトル生成部76により生成された予測動きベクトル情報の周辺の所定の探索範囲での動き予測を行う。すなわち、イントラTP動き予測・補償部75においては、予測動きベクトル情報を中心とした所定の探索範囲での動き予測が行われる。
イントラテンプレート予測モードの動き予測により探索された動きベクトル情報(以下、適宜、イントラ動きベクトル情報とも称する)は、イントラTP動き予測・補償部75の内蔵メモリ(図示せぬ)に記憶される。
また、イントラTP動き予測・補償部75は、イントラテンプレート予測モードに対してコスト関数値を算出し、算出したコスト関数値と予測画像を、イントラ予測部74に供給する。
イントラ予測動きベクトル生成部76は、イントラTP動き予測・補償部75の内蔵メモリに記憶されている、符号化済みブロックのイントラ動きベクトル情報を用いて、対象ブロックに対する予測動きベクトル情報(以下、適宜、動きベクトルの予測値とも称する)を生成する。予測動きベクトル情報の生成には、例えば、対象ブロックに隣接するブロックのイントラ動きベクトル情報が用いられる。
動き予測・補償部77は、候補となる全てのインター予測モードの動き予測・補償処理を行う。すなわち、動き予測・補償部77は、画面並べ替えバッファ62から読み出されたインター予測する画像と、スイッチ73を介してフレームメモリ72から供給される参照画像に基づいて、候補となる全てのインター予測モードの動きベクトルを検出し、動きベクトルに基づいて参照画像に動き予測と補償処理を施し、予測画像を生成する。
また、動き予測・補償部77は、画面並べ替えバッファ62から読み出されたインター予測する画像と、スイッチ73を介してフレームメモリ72から供給される参照画像を、インターTP動き予測・補償部78に供給する。
動き予測・補償部77は、候補となる全てのインター予測モードに対してコスト関数値を算出する。動き予測・補償部77は、算出したインター予測モードに対してのコスト関数値と、インターTP動き予測・補償部78により算出されたインターテンプレート予測モードに対してのコスト関数値のうち、最小値を与える予測モードを、最適インター予測モードとして決定する。
動き予測・補償部77は、最適インター予測モードで生成された予測画像とそのコスト関数を、予測画像選択部80に供給する。動き予測・補償部77は、予測画像選択部80により最適インター予測モードで生成された予測画像が選択された場合、最適インター予測モードに関する情報、およびその最適インター予測モードに応じた情報(動きベクトル情報、参照フレーム情報など)を可逆符号化部66に出力する。可逆符号化部66は、動き予測・補償部77からの情報をやはり可変長符号化、算術符号化といった可逆符号化処理し、圧縮画像のヘッダ部に挿入する。
インターTP動き予測・補償部78は、画面並べ替えバッファ62から読み出されたインター予測する画像と、フレームメモリ72から供給される参照画像に基づいて、インターテンプレート予測モードの動き予測と補償処理を行い、予測画像を生成する。その際、インターTP動き予測・補償部78は、インター予測動きベクトル生成部79により生成された予測動きベクトル情報の周辺の所定の探索範囲での動き予測を行う。すなわち、インターTP動き予測・補償部78においては、予測動きベクトル情報を中心とした所定の探索範囲での動き予測が行われる。
インターテンプレート予測モードの動き予測により探索された動きベクトル情報(以下、適宜、インター動きベクトル情報とも称する)は、インターTP動き予測・補償部78の内蔵メモリ(図示せぬ)に記憶される。
また、インターTP動き予測・補償部78は、インターテンプレート予測モードに対してコスト関数値を算出し、算出したコスト関数値と予測画像を、動き予測・補償部77に供給する。
インター予測動きベクトル生成部79は、インターTP動き予測・補償部78の内蔵メモリに記憶されている、符号化済みブロックの動きベクトル情報を用いて、対象ブロックに対する予測動きベクトル情報を生成する。予測動きベクトル情報の生成には、例えば、対象ブロックに隣接するブロックのインター動きベクトル情報が用いられる。
予測画像選択部80は、イントラ予測部74または動き予測・補償部77より出力された各コスト関数値に基づいて、最適イントラ予測モードと最適インター予測モードから、最適予測モードを決定し、決定された最適予測モードの予測画像を選択し、演算部63,70に供給する。このとき、予測画像選択部80は、予測画像の選択情報を、イントラ予測部74または動き予測・補償部77に供給する。
レート制御部81は、蓄積バッファ67に蓄積された圧縮画像に基づいて、オーバーフローあるいはアンダーフローが発生しないように、量子化部65の量子化動作のレートを制御する。
次に、図4のフローチャートを参照して、図1の画像符号化装置51の符号化処理について説明する。
ステップS11において、A/D変換部61は入力された画像をA/D変換する。ステップS12において、画面並べ替えバッファ62は、A/D変換部61より供給された画像を記憶し、各ピクチャの表示する順番から符号化する順番への並べ替えを行う。
ステップS13において、演算部63は、ステップS12で並び替えられた画像と予測画像との差分を演算する。予測画像は、インター予測する場合は動き予測・補償部77から、イントラ予測する場合はイントラ予測部74から、それぞれ予測画像選択部80を介して演算部63に供給される。
差分データは元の画像データに較べてデータ量が小さくなっている。したがって、画像をそのまま符号化する場合に較べて、データ量を圧縮することができる。
ステップS14において、直交変換部64は演算部63から供給された差分情報を直交変換する。具体的には、離散コサイン変換、カルーネン・レーベ変換等の直交変換が行われ、変換係数が出力される。ステップS15において、量子化部65は変換係数を量子化する。この量子化に際しては、後述するステップS25の処理で説明されるように、レートが制御される。
以上のようにして量子化された差分情報は、次のようにして局部的に復号される。すなわち、ステップS16において、逆量子化部68は量子化部65により量子化された変換係数を量子化部65の特性に対応する特性で逆量子化する。ステップS17において、逆直交変換部69は逆量子化部68により逆量子化された変換係数を直交変換部64の特性に対応する特性で逆直交変換する。
ステップS18において、演算部70は、予測画像選択部80を介して入力される予測画像を局部的に復号された差分情報に加算し、局部的に復号された画像(演算部63への入力に対応する画像)を生成する。ステップS19においてデブロックフィルタ71は、演算部70より出力された画像をフィルタリングする。これによりブロック歪みが除去される。ステップS20においてフレームメモリ72は、フィルタリングされた画像を記憶する。なお、フレームメモリ72にはデブロックフィルタ71によりフィルタ処理されていない画像も演算部70から供給され、記憶される。
ステップS21において、イントラ予測部74、イントラTP動き予測・補償部75、動き予測・補償部77、およびインターTP動き予測・補償部78は、それぞれ画像の予測処理を行う。すなわち、ステップS21において、イントラ予測部74は、イントラ予測モードのイントラ予測処理を行い、イントラTP動き予測・補償部75は、イントラテンプレート予測モードの動き予測・補償処理を行う。また、動き予測・補償部77は、インター予測モードの動き予測・補償処理を行い、インターTP動き予測・補償部78は、インターテンプレート予測モードの動き予測・補償処理を行う。
ステップS21における予測処理の詳細は、図5を参照して後述するが、この処理により、候補となる全ての予測モードでの予測処理がそれぞれ行われ、候補となる全ての予測モードでのコスト関数がそれぞれ算出される。そして、算出されたコスト関数値に基づいて、最適イントラ予測モードが選択され、最適イントラ予測モードのイントラ予測により生成された予測画像とそのコスト関数が予測画像選択部80に供給される。また、算出されたコスト関数に基づいて、インター予測モードとインターテンプレート予測モードの中から、最適インター予測モードが決定され、最適インター予測モードで生成された予測画像とそのコスト関数が、予測画像選択部80に供給される。
ステップS22において、予測画像選択部80は、イントラ予測部74および動き予測・補償部77より出力された各コスト関数値に基づいて、最適イントラ予測モードと最適インター予測モードのうちの一方を、最適予測モードに決定し、決定された最適予測モードの予測画像を選択し、演算部63,70に供給する。この予測画像が、上述したように、ステップS13,S18の演算に利用される。
なお、この予測画像の選択情報は、イントラ予測部74または動き予測・補償部77に供給される。最適イントラ予測モードの予測画像が選択された場合、イントラ予測部74は、最適イントラ予測モードに関する情報(すなわち、イントラ予測モード情報またはイントラテンプレート予測モード情報)を、可逆符号化部66に供給する。
最適インター予測モードの予測画像が選択された場合、動き予測・補償部77は、最適インター予測モードに関する情報、およびその最適インター予測モードに応じた情報(動きベクトル情報、参照フレーム情報など)を可逆符号化部66に出力する。すなわち、最適インター予測モードとして、インター予測モードによる予測画像が選択されているときには、動き予測・補償部77は、インター予測モード情報、動きベクトル情報、参照フレーム情報を可逆符号化部66に出力する。一方、最適インター予測モードとして、インターテンプレート予測モードによる予測画像が選択されているときには、動き予測・補償部77は、インターテンプレート予測モード情報を可逆符号化部66に出力する。
ステップS23において、可逆符号化部66は量子化部65より出力された量子化された変換係数を符号化する。すなわち、差分画像が可変長符号化、算術符号化等の可逆符号化され、圧縮される。このとき、上述したステップS22において可逆符号化部66に入力された、イントラ予測部74からの最適イントラ予測モードに関する情報や、動き予測・補償部77からの最適インター予測モードに応じた情報(予測モード情報、動きベクトル情報、参照フレーム情報など)なども符号化され、ヘッダ情報に付加される。
ステップS24において蓄積バッファ67は差分画像を圧縮画像として蓄積する。蓄積バッファ67に蓄積された圧縮画像が適宜読み出され、伝送路を介して復号側に伝送される。
ステップS25においてレート制御部81は、蓄積バッファ67に蓄積された圧縮画像に基づいて、オーバーフローあるいはアンダーフローが発生しないように、量子化部65の量子化動作のレートを制御する。
次に、図5のフローチャートを参照して、図4のステップS21における予測処理を説明する。
画面並べ替えバッファ62から供給される処理対象の画像がイントラ処理されるブロックの画像である場合、参照される復号済みの画像がフレームメモリ72から読み出され、スイッチ73を介してイントラ予測部74に供給される。これらの画像に基づいて、ステップS31において、イントラ予測部74は処理対象のブロックの画素を、候補となる全てのイントラ予測モードでイントラ予測する。なお、参照される復号済みの画素としては、デブロックフィルタ71によりデブロックフィルタリングされていない画素が用いられる。
ステップS31におけるイントラ予測処理の詳細は、図16を参照して後述するが、この処理により、候補となる全てのイントラ予測モードでイントラ予測が行われ、候補となる全てのイントラ予測モードに対してコスト関数値が算出される。そして、算出されたコスト関数値に基づいて、全てのイントラ予測モードの中から、最適とされる、1つのイントラ予測モードが選択される。
画面並べ替えバッファ62から供給される処理対象の画像がインター処理される画像である場合、参照される画像がフレームメモリ72から読み出され、スイッチ73を介して動き予測・補償部77に供給される。これらの画像に基づいて、ステップS32において、動き予測・補償部77はインター動き予測処理を行う。すなわち、動き予測・補償部77は、フレームメモリ72から供給される画像を参照して、候補となる全てのインター予測モードの動き予測処理を行う。
ステップS32におけるインター動き予測処理の詳細は、図17を参照して後述するが、この処理により、候補となる全てのインター予測モードで動き予測処理が行われ、候補となる全てのインター予測モードに対してコスト関数値が算出される。
また、画面並べ替えバッファ62から供給される処理対象の画像がイントラ処理されるブロックの画像である場合、フレームメモリ72から読み出された参照される復号済みの画像は、イントラ予測部74を介してイントラTP動き予測・補償部75にも供給される。これらの画像に基づいて、ステップS33において、イントラTP動き予測・補償部75は、イントラテンプレート予測モードで、イントラテンプレート動き予測処理を行う。
ステップS33におけるイントラテンプレート動き予測処理の詳細は、図20を参照して後述するが、この処理により、イントラテンプレート予測モードで動き予測処理が行われ、イントラテンプレート予測モードに対してコスト関数値が算出される。そして、イントラテンプレート予測モードの動き予測処理により生成された予測画像とそのコスト関数がイントラ予測部74に供給される。
ステップS34において、イントラ予測部74は、ステップS31において選択されたイントラ予測モードに対してのコスト関数値と、ステップS33において算出されたイントラテンプレート予測モードに対してのコスト関数値を比較し、最小値を与える予測モードを、最適イントラ予測モードとして決定する。そして、イントラ予測部74は、最適イントラ予測モードで生成された予測画像とそのコスト関数を、予測画像選択部80に供給する。
さらに、画面並べ替えバッファ62から供給される処理対象の画像がインター処理される画像である場合、フレームメモリ72から読み出された参照される画像は、スイッチ73および動き予測・補償部77を介してインターTP動き予測・補償部78にも供給される。これらの画像に基づいて、インターTP動き予測・補償部78は、ステップS35において、インターテンプレート予測モードで、インターテンプレート動き予測処理を行う。
ステップS35におけるインターテンプレート動き予測処理の詳細は、図22を参照して後述するが、この処理により、インターテンプレート予測モードで動き予測処理が行われ、インターテンプレート予測モードに対してコスト関数値が算出される。そして、インターテンプレート予測モードの動き予測処理により生成された予測画像とそのコスト関数が動き予測・補償部77に供給される。
ステップS36において、動き予測・補償部77は、ステップS32において選択された最適なインター予測モードに対してコスト関数値と、ステップS35において算出されたインターテンプレート予測モードに対してのコスト関数値を比較し、最小値を与える予測モードを、最適インター予測モードとして決定する。そして、動き予測・補償部77は、最適インター予測モードで生成された予測画像とそのコスト関数を、予測画像選択部80に供給する。
次に、H.264/AVC方式で定められているイントラ予測の各モードについて説明する。
まず、輝度信号に対するイントラ予測モードについて説明する。輝度信号のイントラ予測モードには、9種類の4×4画素のブロック単位、並びに4種類の16×16画素のマクロブロック単位の予測モードがある。図6に示されるように、16×16画素のイントラ予測モードの場合、各ブロックの直流成分を集めて、4×4行列が生成され、これに対して、さらに、直交変換が施される。
なお、ハイプロファイルについては、8次のDCTブロックに対して、8×8画素のブロック単位の予測モードが定められているが、この方式については、次に説明する4×4画素のイントラ予測モードの方式に準じる。
図7および図8は、9種類の輝度信号の4×4画素のイントラ予測モード(Intra_4x4_pred_mode)を示す図である。平均値(DC)予測を示すモード2以外の8種類の各モードは、それぞれ、図9の番号0,1,3乃至8で示される方向に対応している。
9種類のIntra_4x4_pred_modeについて、図10を参照して説明する。図10の例において、画素a乃至pは、イントラ処理される対象ブロックの画素を表し、画素値A乃至Mは、隣接ブロックに属する画素の画素値を表している。すなわち、画素a乃至pは、画面並べ替えバッファ62から読み出された処理対象の画像であり、画素値A乃至Mは、フレームメモリ72から読み出され、参照される復号済みの画像の画素値である。
図7および図8の各イントラ予測モードの場合、画素a乃至pの予測画素値は、隣接ブロックに属する画素の画素値A乃至Mを用いて、以下のように生成される。なお、画素値が“available”であるとは、画枠の端であったり、あるいは、まだ符号化されていないなどの理由がなく、利用可能であることを表し、画素値が“unavailable”であるとは、画枠の端であったり、あるいは、まだ符号化されていないなどの理由により利用可能ではないことを表す。
モード0はVertical Predictionであり、画素値A乃至Dが “available” の場合のみ適用される。この場合、画素a乃至pの予測画素値は、次の式(5)のように生成される。
画素a, e, i, mの予測画素値 = A
画素b, f, j, nの予測画素値 = B
画素c, g, k, oの予測画素値 = C
画素d, h, l, pの予測画素値 = D ・・・(5)
画素a, e, i, mの予測画素値 = A
画素b, f, j, nの予測画素値 = B
画素c, g, k, oの予測画素値 = C
画素d, h, l, pの予測画素値 = D ・・・(5)
モード1はHorizontal Predictionであり、画素値I乃至Lが “available” の場合のみ適用される。この場合、画素a乃至pの予測画素値は、次の式(6)のように生成される。
画素a, b, c, dの予測画素値 = I
画素e, f, g, hの予測画素値 = J
画素i, j, k, lの予測画素値 = K
画素m, n, o, pの予測画素値 = L ・・・(6)
画素a, b, c, dの予測画素値 = I
画素e, f, g, hの予測画素値 = J
画素i, j, k, lの予測画素値 = K
画素m, n, o, pの予測画素値 = L ・・・(6)
モード2はDC Predictionであり、画素値A,B,C,D,I,J,K,Lが全て “available” である時、予測画素値は式(7)のように生成される。
(A+B+C+D+I+J+K+L+4) >> 3 ・・・(7)
(A+B+C+D+I+J+K+L+4) >> 3 ・・・(7)
また、画素値A,B,C,Dが全て “unavailable” である時、予測画素値は式(8)のように生成される。
(I+J+K+L+2) >> 2 ・・・(8)
(I+J+K+L+2) >> 2 ・・・(8)
また、画素値I,J,K,Lが全て “unavailable” である時、予測画素値は式(9)のように生成される。
(A+B+C+D+2) >> 2 ・・・(9)
(A+B+C+D+2) >> 2 ・・・(9)
なお、画素値A,B,C,D,I,J,K,Lが全て“unavailable” である時、128を予測画素値として用いる。
モード3はDiagonal_Down_Left Predictionであり、画素値A,B,C,D,I,J,K,L,Mが“available”の場合のみ適用される。この場合、画素a乃至pの予測画素値は、次の式(10)のように生成される。
画素aの予測画素値 = (A+2B+C+2) >> 2
画素b,eの予測画素値 = (B+2C+D+2) >> 2
画素c,f,iの予測画素値 = (C+2D+E+2) >> 2
画素d,g,j,mの予測画素値 = (D+2E+F+2) >> 2
画素h,k,nの予測画素値 = (E+2F+G+2) >> 2
画素l,oの予測画素値 = (F+2G+H+2) >> 2
画素pの予測画素値 = (G+3H+2) >> 2
・・・(10)
画素aの予測画素値 = (A+2B+C+2) >> 2
画素b,eの予測画素値 = (B+2C+D+2) >> 2
画素c,f,iの予測画素値 = (C+2D+E+2) >> 2
画素d,g,j,mの予測画素値 = (D+2E+F+2) >> 2
画素h,k,nの予測画素値 = (E+2F+G+2) >> 2
画素l,oの予測画素値 = (F+2G+H+2) >> 2
画素pの予測画素値 = (G+3H+2) >> 2
・・・(10)
モード4はDiagonal_Down_Right Predictionであり、画素値A,B,C,D,I,J,K,L,Mが “available” の場合のみ適用される。この場合、画素a乃至pの予測画素値は、次の式(11)のように生成される。
画素mの予測画素値 = (J+2K+L+2) >> 2
画素i,nの予測画素値 = (I+2J+K+2) >> 2
画素e,j,oの予測画素値 = (M+2I+J+2) >> 2
画素a,f,k,pの予測画素値 = (A+2M+I+2) >> 2
画素b,g,lの予測画素値 = (M+2A+B+2) >> 2
画素c,hの予測画素値 = (A+2B+C+2) >> 2
画素dの予測画素値 = (B+2C+D+2) >> 2
・・・(11)
画素mの予測画素値 = (J+2K+L+2) >> 2
画素i,nの予測画素値 = (I+2J+K+2) >> 2
画素e,j,oの予測画素値 = (M+2I+J+2) >> 2
画素a,f,k,pの予測画素値 = (A+2M+I+2) >> 2
画素b,g,lの予測画素値 = (M+2A+B+2) >> 2
画素c,hの予測画素値 = (A+2B+C+2) >> 2
画素dの予測画素値 = (B+2C+D+2) >> 2
・・・(11)
モード5はDiagonal_Vertical_Right Predictionであり、画素値A,B,C,D,I,J,K,L,Mが“available”の場合のみ適用される。この場合、画素a乃至pの予測画素値は、次の式(12)のように生成される。
画素a,jの予測画素値 = (M+A+1) >> 1
画素b,kの予測画素値 = (A+B+1) >> 1
画素c,lの予測画素値 = (B+C+1) >> 1
画素dの予測画素値 = (C+D+1) >> 1
画素e,nの予測画素値 = (I+2M+A+2) >> 2
画素f,oの予測画素値 = (M+2A+B+2) >> 2
画素g,pの予測画素値 = (A+2B+C+2) >> 2
画素hの予測画素値 = (B+2C+D+2) >> 2
画素iの予測画素値 = (M+2I+J+2) >> 2
画素mの予測画素値 = (I+2J+K+2) >> 2
・・・(12)
画素a,jの予測画素値 = (M+A+1) >> 1
画素b,kの予測画素値 = (A+B+1) >> 1
画素c,lの予測画素値 = (B+C+1) >> 1
画素dの予測画素値 = (C+D+1) >> 1
画素e,nの予測画素値 = (I+2M+A+2) >> 2
画素f,oの予測画素値 = (M+2A+B+2) >> 2
画素g,pの予測画素値 = (A+2B+C+2) >> 2
画素hの予測画素値 = (B+2C+D+2) >> 2
画素iの予測画素値 = (M+2I+J+2) >> 2
画素mの予測画素値 = (I+2J+K+2) >> 2
・・・(12)
モード6はHorizontal_Down Predictionであり、画素値A,B,C,D,I,J,K,L,Mが“available”の場合のみ適用される。この場合、画素a乃至pの予測画素値は、次の式(13)のように生成される。
画素a,gの予測画素値 = (M+I+1) >> 1
画素b,hの予測画素値 = (I+2M+A+2) >> 2
画素cの予測画素値 = (M+2A+B+2) >> 2
画素dの予測画素値 = (A+2B+C+2) >> 2
画素e,kの予測画素値 = (I+J+1) >> 1
画素f,lの予測画素値 = (M+2I+J+2) >> 2
画素i,oの予測画素値 = (J+K+1) >> 1
画素j,pの予測画素値 = (I+2J+K+2) >> 2
画素mの予測画素値 = (K+L+1) >> 1
画素nの予測画素値 = (J+2K+L+2) >> 2
・・・(13)
画素a,gの予測画素値 = (M+I+1) >> 1
画素b,hの予測画素値 = (I+2M+A+2) >> 2
画素cの予測画素値 = (M+2A+B+2) >> 2
画素dの予測画素値 = (A+2B+C+2) >> 2
画素e,kの予測画素値 = (I+J+1) >> 1
画素f,lの予測画素値 = (M+2I+J+2) >> 2
画素i,oの予測画素値 = (J+K+1) >> 1
画素j,pの予測画素値 = (I+2J+K+2) >> 2
画素mの予測画素値 = (K+L+1) >> 1
画素nの予測画素値 = (J+2K+L+2) >> 2
・・・(13)
モード7は、Vertical_Left Predictionであり、画素値A,B,C,D,I,J,K,L,Mが“available”の場合のみ適用される。この場合、画素a乃至pの予測画素値は、次の式(14)のように生成される。
画素aの予測画素値 = (A+B+1) >> 1
画素b,iの予測画素値 = (B+C+1) >> 1
画素c,jの予測画素値 = (C+D+1) >> 1
画素d,kの予測画素値 = (D+E+1) >> 1
画素lの予測画素値 = (E+F+1) >> 1
画素eの予測画素値 = (A+2B+C+2) >> 2
画素f,mの予測画素値 = (B+2C+D+2) >> 2
画素g,nの予測画素値 = (C+2D+E+2) >> 2
画素h,oの予測画素値 = (D+2E+F+2) >> 2
画素pの予測画素値 = (E+2F+G+2) >> 2
・・・(14)
画素aの予測画素値 = (A+B+1) >> 1
画素b,iの予測画素値 = (B+C+1) >> 1
画素c,jの予測画素値 = (C+D+1) >> 1
画素d,kの予測画素値 = (D+E+1) >> 1
画素lの予測画素値 = (E+F+1) >> 1
画素eの予測画素値 = (A+2B+C+2) >> 2
画素f,mの予測画素値 = (B+2C+D+2) >> 2
画素g,nの予測画素値 = (C+2D+E+2) >> 2
画素h,oの予測画素値 = (D+2E+F+2) >> 2
画素pの予測画素値 = (E+2F+G+2) >> 2
・・・(14)
モード8は、Horizontal_Up Predictionであり、画素値A,B,C,D,I,J,K,L,Mが“available”の場合のみ適用される。この場合、画素a乃至pの予測画素値は、次の式(15)のように生成される。
画素aの予測画素値 = (I+J+1) >> 1
画素bの予測画素値 = (I+2J+K+2) >> 2
画素c,eの予測画素値 = (J+K+1) >> 1
画素d,fの予測画素値 = (J+2K+L+2) >> 2
画素g,iの予測画素値 = (K+L+1) >> 1
画素h,jの予測画素値 = (K+3L+2) >> 2
画素k,l,m,n,o,pの予測画素値 = L
・・・(15)
画素aの予測画素値 = (I+J+1) >> 1
画素bの予測画素値 = (I+2J+K+2) >> 2
画素c,eの予測画素値 = (J+K+1) >> 1
画素d,fの予測画素値 = (J+2K+L+2) >> 2
画素g,iの予測画素値 = (K+L+1) >> 1
画素h,jの予測画素値 = (K+3L+2) >> 2
画素k,l,m,n,o,pの予測画素値 = L
・・・(15)
次に、図11を参照して、輝度信号の4×4画素のイントラ予測モード(Intra_4x4_pred_mode)の符号化方式について説明する。
図11の例において、4×4画素からなり、符号化対象となる対象ブロックCが示されており、対象ブロックCに隣接する4×4画素からなるブロックAおよびブロックBが示されている。
この場合、対象ブロックCにおけるIntra_4x4_pred_modeと、ブロックAおよびブロックBにおけるIntra_4x4_pred_modeとは高い相関があると考えられる。この相関性を用いて、次のように符号化処理を行うことにより、より高い符号化効率を実現することができる。
すなわち、図11の例において、ブロックAおよびブロックBにおけるIntra_4x4_pred_modeを、それぞれ、Intra_4x4_pred_modeAおよびIntra_4x4_pred_modeBとして、MostProbableModeを次の式(16)と定義する。
MostProbableMode=Min(Intra_4x4_pred_modeA, Intra_4x4_pred_modeB)
・・・(16)
MostProbableMode=Min(Intra_4x4_pred_modeA, Intra_4x4_pred_modeB)
・・・(16)
すなわち、ブロックAおよびブロックBのうち、より小さなmode_numberを割り当てられている方をMostProbableModeとする。
ビットストリーム中には、対象ブロックCに対するパラメータとして、prev_intra4x4_pred_mode_flag[luma4x4BlkIdx] および rem_intra4x4_pred_mode[luma4x4BlkIdx] という2つの値が定義されており、次の式(17)に示される擬似コードに基づく処理により、復号処理が行われ、対象ブロックCに対するIntra_4x4_pred_mode、Intra4x4PredMode[luma4x4BlkIdx] の値を得ることができる。
if(prev_intra4x4_pred_mode_flag[luma4x4BlkIdx])
Intra4x4PredMode[luma4x4BlkIdx] = MostProbableMode
else
if(rem_intra4x4_pred_mode[luma4x4BlkIdx] < MostProbableMode)
Intra4x4PredMode[luma4x4BlkIdx]=rem_intra4x4_pred_mode[luma4x4BlkIdx]
else
Intra4x4PredMode[luma4x4BlkIdx]=rem_intra4x4_pred_mode[luma4x4BlkIdx] + 1
・・・(17)
Intra4x4PredMode[luma4x4BlkIdx] = MostProbableMode
else
if(rem_intra4x4_pred_mode[luma4x4BlkIdx] < MostProbableMode)
Intra4x4PredMode[luma4x4BlkIdx]=rem_intra4x4_pred_mode[luma4x4BlkIdx]
else
Intra4x4PredMode[luma4x4BlkIdx]=rem_intra4x4_pred_mode[luma4x4BlkIdx] + 1
・・・(17)
次に、16×16画素のイントラ予測モードについて説明する。図12および図13は、4種類の輝度信号の16×16画素のイントラ予測モード(Intra_16x16_pred_mode)を示す図である。
4種類のイントラ予測モードについて、図14を参照して説明する。図14の例において、イントラ処理される対象マクロブロックAが示されており、P(x,y);x,y=-1,0,…,15は、対象マクロブロックAに隣接する画素の画素値を表している。
モード0は、Vertical Predictionであり、P(x,-1); x,y=-1,0,…,15が “available” である時のみ適用される。この場合、対象マクロブロックAの各画素の予測画素値Pred(x,y)は、次の式(18)のように生成される。
Pred(x,y) = P(x,-1);x,y=0,…,15
・・・(18)
Pred(x,y) = P(x,-1);x,y=0,…,15
・・・(18)
モード1はHorizontal Predictionであり、P(-1,y); x,y=-1,0,…,15が “available” である時のみ適用される。この場合、対象マクロブロックAの各画素の予測画素値Pred(x,y)は、次の式(19)のように生成される。
Pred(x,y) = P(-1,y);x,y=0,…,15
・・・(19)
Pred(x,y) = P(-1,y);x,y=0,…,15
・・・(19)
モード2はDC Predictionであり、P(x,-1)およびP(-1,y); x,y=-1,0,…,15が全て “available” である場合、対象マクロブロックAの各画素の予測画素値Pred(x,y)は、次の式(20)のように生成される。
P(x,-1)およびP(-1,y); x,y=-1,0,…,15が全て “unavailable” である場合には、予測画素値として128を用いる。
モード3はPlane Predictionであり、P(x,-1)及びP(-1,y); x,y=-1,0,…,15が全て “available” の場合のみ適用される。この場合、対象マクロブロックAの各画素の予測画素値Pred(x,y)は、次の式(23)のように生成される。
次に、色差信号に対するイントラ予測モードについて説明する。図15は、4種類の色差信号のイントラ予測モード(Intra_chroma_pred_mode)を示す図である。色差信号のイントラ予測モードは、輝度信号のイントラ予測モードと独立に設定が可能である。色差信号に対するイントラ予測モードは、上述した輝度信号の16×16画素のイントラ予測モードに順ずる。
ただし、輝度信号の16×16画素のイントラ予測モードが、16×16画素のブロックを対象としているのに対し、色差信号に対するイントラ予測モードは、8×8画素のブロックを対象としている。さらに、上述した図12と図15に示されるように、両者においてモード番号は対応していない。
図14を参照して上述した輝度信号の16×16画素のイントラ予測モードの対象マクロブロックAの画素値および隣接する画素値の定義に準じて、イントラ処理される対象マクロブロックA(色差信号の場合は、8×8画素)に隣接する画素の画素値をP(x,y);x,y=-1,0,…,7とする。
モード0はDC Predictionであり、P(x,-1)およびP(-1,y); x,y=-1,0,…,7が全て “available” である場合、対象マクロブロックAの各画素の予測画素値Pred(x,y)は、次の式(24)のように生成される。
モード1はHorizontal Predictionであり、P(-1,y) ; x,y=-1,0,…,7が “available” の場合にのみ適用される。この場合、対象マクロブロックAの各画素の予測画素値Pred(x,y)は、次の式(27)のように生成される。
Pred(x,y) = P(-1,y);x,y=0,…,7
・・・(27)
Pred(x,y) = P(-1,y);x,y=0,…,7
・・・(27)
モード2はVertical Predictionであり、P(x,-1) ; x,y=-1,0,…,7が “available” の場合にのみ適用される。この場合、対象マクロブロックAの各画素の予測画素値Pred(x,y)は、次の式(28)のように生成される。
Pred(x,y) = P(x,-1);x,y=0,…,7
・・・(28)
Pred(x,y) = P(x,-1);x,y=0,…,7
・・・(28)
モード3はPlane Predictionであり、P(x,-1)及びP(-1,y) ; x,y=-1,0,…,7 が “available” の場合にのみ適用される。この場合、対象マクロブロックAの各画素の予測画素値Pred(x,y)は、次の式(29)のように生成される。
以上のように、輝度信号のイントラ予測モードには、9種類の4×4画素および8×8画素のブロック単位、並びに4種類の16×16画素のマクロブロック単位の予測モードがあり、色差信号のイントラ予測モードには、4種類の8×8画素のブロック単位の予測モードがある。色差信号のイントラ予測モードは、輝度信号のイントラ予測モードと独立に設定が可能である。輝度信号の4×4画素および8×8画素のイントラ予測モードについては、4×4画素および8×8画素の輝度信号のブロック毎に1つのイントラ予測モードが定義される。輝度信号の16×16画素のイントラ予測モードと色差信号のイントラ予測モードについては、1つのマクロブロックに対して1つの予測モードが定義される。
なお、予測モードの種類は、上述した図9の番号0,1,3乃至8で示される方向に対応している。予測モード2は平均値予測である。
次に、これらの予測モードに対して行われる処理である、図5のステップS31におけるイントラ予測処理を図16のフローチャートを参照して説明する。なお、図16の例においては、輝度信号の場合を例として説明する。
イントラ予測部74は、ステップS41において、上述した輝度信号の4×4画素、8×8画素、および16×16画素の各イントラ予測モードに対してイントラ予測を行う。
例えば、4×4画素のイントラ予測モードの場合について、上述した図10を参照して説明する。画面並べ替えバッファ62から読み出された処理対象の画像(例えば、画素a乃至p)がイントラ処理されるブロックの画像である場合、参照される復号済みの画像(画素値A乃至Mが示される画素)がフレームメモリ72から読み出され、スイッチ73を介してイントラ予測部74に供給される。
これらの画像に基づいて、イントラ予測部74は、処理対象のブロックの画素をイントラ予測する。このイントラ予測処理が、各イントラ予測モードで行われることで、各イントラ予測モードでの予測画像が生成される。なお、参照される復号済みの画素(画素値A乃至Mが示される画素)としては、デブロックフィルタ71によりデブロックフィルタリングされていない画素が用いられる。
イントラ予測部74は、ステップS42において、4×4画素、8×8画素、および16×16画素の各イントラ予測モードに対するコスト関数値を算出する。ここで、コスト関数値としては、H.264/AVC方式における参照ソフトウエアであるJM(Joint Model)で定められているように、High Complexity モードか、Low Complexity モードのいずれかの手法に基づいて行う。
すなわち、High Complexity モードにおいては、ステップS41の処理として、候補となる全ての予測モードに対して、仮に符号化処理までを行い、次の式(30)で表わされるコスト関数を各予測モードに対して算出し、その最小値を与える予測モードを最適予測モードであるとして選択する。
Cost(Mode) = D + λ・R ・・・(30)
Dは、原画像と復号画像の差分(歪)、Rは、直交変換係数まで含んだ発生符号量、λは、量子化パラメータQPの関数として与えられるラグランジュ乗数である。
Dは、原画像と復号画像の差分(歪)、Rは、直交変換係数まで含んだ発生符号量、λは、量子化パラメータQPの関数として与えられるラグランジュ乗数である。
一方、Low Complexity モードにおいては、ステップS41の処理として、候補となる全ての予測モードに対して、予測画像の生成、および、動きベクトル情報や予測モード情報などのヘッダビットまでを算出し、次の式(31)で表わされるコスト関数を各予測モードに対して算出し、その最小値を与える予測モードを最適予測モードであるとして選択する。
Cost(Mode) = D + QPtoQuant(QP)・Header_Bit ・・・(31)
Dは、原画像と復号画像の差分(歪)、Header_Bitは、予測モードに対するヘッダビット、QPtoQuantは、量子化パラメータQPの関数として与えられる関数である。
Dは、原画像と復号画像の差分(歪)、Header_Bitは、予測モードに対するヘッダビット、QPtoQuantは、量子化パラメータQPの関数として与えられる関数である。
Low Complexity モードにおいては、全ての予測モードに対して、予測画像を生成するのみで、符号化処理および復号処理を行う必要がないため、演算量が少なくて済む。
イントラ予測部74は、ステップS43において、4×4画素、8×8画素、および16×16画素の各イントラ予測モードに対して、それぞれ最適モードを決定する。すなわち、図9を参照して上述したように、イントラ4×4予測モードおよびイントラ8×8予測モードの場合には、予測モードの種類が9種類あり、イントラ16×16予測モードの場合には、予測モードの種類が4種類ある。したがって、イントラ予測部74は、ステップS42において算出されたコスト関数に基づいて、それらの中から、最適イントラ4×4予測モード、最適イントラ8×8予測モード、最適イントラ16×16予測モードを決定する。
イントラ予測部74は、ステップS44において、4×4画素、8×8画素、および16×16画素の各イントラ予測モードに対して決定された各最適モードの中から、ステップS42において算出されたコスト関数に基づいて、1つのイントラ予測モードを選択する。すなわち、4×4画素、8×8画素、および16×16画素に対して決定された各最適モードの中から、コスト関数が最小値であるイントラ予測モードを選択する。
次に、図17のフローチャートを参照して、図5のステップS32のインター動き予測処理について説明する。
動き予測・補償部77は、ステップS51において、図2を参照して上述した16×16画素乃至4×4画素からなる8種類の各インター予測モードに対して動きベクトルと参照画像をそれぞれ決定する。すなわち、各インター予測モードの処理対象のブロックについて、動きベクトルと参照画像がそれぞれ決定される。
動き予測・補償部77は、ステップS52において、16×16画素乃至4×4画素からなる8種類の各インター予測モードについて、ステップS51で決定された動きベクトルに基づいて、参照画像に動き予測と補償処理を行う。この動き予測と補償処理により、各インター予測モードでの予測画像が生成される。
動き予測・補償部77は、ステップS53において、16×16画素乃至4×4画素からなる8種類の各インター予測モードに対して決定された動きベクトルについて、圧縮画像に付加するための動きベクトル情報を生成する。
ここで、図18を参照して、H.264/AVC方式による動きベクトル情報の生成方法について説明する。図18の例において、これから符号化される対象ブロックE(例えば、16×16画素)と、既に符号化済みであり、対象ブロックEに隣接するブロックA乃至Dが示されている。
すなわち、ブロックDは、対象ブロックEの左上に隣接しており、ブロックBは、対象ブロックEの上に隣接しており、ブロックCは、対象ブロックEの右上に隣接しており、ブロックAは、対象ブロックEの左に隣接している。なお、ブロックA乃至Dが区切られていないのは、それぞれ、図2で上述した16×16画素乃至4×4画素のうちのいずれかの構成のブロックであることを表している。
例えば、X(=A,B,C,D,E)に対する動きベクトル情報を、mvXで表す。まず、対象ブロックEに対する予測動きベクトル情報(動きベクトルの予測値)pmvEは、ブロックA,B,Cに関する動きベクトル情報を用いて、メディアン予測により次の式(32)のように生成される。
pmvE = med(mvA,mvB,mvC) ・・・(32)
ブロックCに関する動きベクトル情報が、画枠の端であったり、あるいは、まだ符号化されていないなどの理由により、利用可能でない(unavailableである)場合には、ブロックCに関する動きベクトル情報は、ブロックDに関する動きベクトル情報で代用される。
ブロックCに関する動きベクトル情報が、画枠の端であったり、あるいは、まだ符号化されていないなどの理由により、利用可能でない(unavailableである)場合には、ブロックCに関する動きベクトル情報は、ブロックDに関する動きベクトル情報で代用される。
対象ブロックEに対する動きベクトル情報として、圧縮画像のヘッダ部に付加されるデータmvdEは、pmvEを用いて、次の式(33)のように生成される。
mvdE = mvE - pmvE ・・・(33)
mvdE = mvE - pmvE ・・・(33)
なお、実際には、動きベクトル情報の水平方向、垂直方向のそれぞれの成分に対して、独立に処理が行われる。
このように、予測動きベクトル情報を生成し、隣接するブロックとの相関で生成された予測動きベクトル情報と動きベクトル情報との差分を、圧縮画像のヘッダ部に付加することにより、動きベクトル情報を低減することができる。
以上のようにして生成された動きベクトル情報は、次のステップS54におけるコスト関数算出の際にも用いられ、最終的に予測画像選択部80により対応する予測画像が選択された場合には、モード情報および参照フレーム情報とともに、可逆符号化部66へ出力される。
また、予測動きベクトル情報の他の生成方法について、図19を参照して説明する。図19の例においては、符号化対象の対象フレームであるフレームNと、動きベクトルを探索する際に参照される参照フレームであるフレームN−1が示されている。
フレームNにおいて、これから符号化される対象ブロックには、対象ブロックに対する動きベクトル情報mv、既に符号化済みであり、対象ブロックに隣接する各ブロックには、各ブロックに対する動きベクトル情報mva,mvb,mvc,mvdがそれぞれ示されている。
具体的には、対象ブロックの左上に隣接するブロックには、そのブロックに対する動きベクトル情報mvd、対象ブロックの上に隣接するブロックには、そのブロックに対する動きベクトル情報mvbが示されている。対象ブロックの右上に隣接するブロックには、そのブロックに対する動きベクトル情報mvc、対象ブロックの左に隣接するブロックには、そのブロックに対する動きベクトル情報mvaが示されている。
フレームN−1において、対象ブロックの対応ブロック(co-located block)には、対応ブロックに対する動きベクトル情報mvcolが示されている。ここで、対応ブロックとは、対象フレームとは異なる、符号化済みのフレーム(前または後に位置するフレーム)のブロックであって、対象ブロックに対応する位置のブロックである。
また、フレームN−1において、対応ブロックに隣接する各ブロックには、各ブロックに対する動きベクトル情報mvt4,mvt0,mvt7,mvt1,mvt3,mvt5,mvt2,mvt6がそれぞれ示されている。
具体的には、対応ブロックの左上に隣接するブロックには、そのブロックに対する動きベクトル情報mvt4、対応ブロックの上に隣接するブロックには、そのブロックに対する動きベクトル情報mvt0が示されている。対応ブロックの右上に隣接するブロックには、そのブロックに対する動きベクトル情報mvt7、対応ブロックの左に隣接するブロックには、そのブロックに対する動きベクトル情報mvt1が示されている。対応ブロックの右に隣接するブロックには、そのブロックに対する動きベクトル情報mvt3、対応ブロックの左下に隣接するブロックには、そのブロックに対する動きベクトル情報mvt5が示されている。対応ブロックの下に隣接するブロックには、そのブロックに対する動きベクトル情報mvt2、対応ブロックの右下に隣接するブロックには、そのブロックに対する動きベクトル情報mvt6が示されている。
上述した式(32)の予測動きベクトル情報pmvは、対象ブロックに隣接するブロックの動きベクトル情報で生成されたが、次の式(34)に示すようにして予測動きベクトル情報pmvtm5,pmvtm9,pmvcolを生成することもできる。
pmvtm5 = med(mvcol, mvt0,…,mvt3)
pmvtm9 = med(mvcol, mvt0,…,mvt7)
pmvcol = med(mvcol, mvcol, mva, mvb,mvc) ・・・(34)
式(32)および式(34)のうち、どの予測動きベクトル情報を用いるかは、R-D最適化により選択される。ここで、Rは、直交変換係数まで含んだ発生符号量であり、Dは、原画像と復号画像の差分(歪)である。すなわち、最も発生符号量と原画像と復号画像の差分が最適になる予測動きベクトル情報が選択される。
pmvtm9 = med(mvcol, mvt0,…,mvt7)
pmvcol = med(mvcol, mvcol, mva, mvb,mvc) ・・・(34)
式(32)および式(34)のうち、どの予測動きベクトル情報を用いるかは、R-D最適化により選択される。ここで、Rは、直交変換係数まで含んだ発生符号量であり、Dは、原画像と復号画像の差分(歪)である。すなわち、最も発生符号量と原画像と復号画像の差分が最適になる予測動きベクトル情報が選択される。
このように、複数の予測動きベクトル情報を生成し、その中で最適なものを選択する方式を、以下、MV Competition方式とも称する。
図17に戻って、動き予測・補償部77は、ステップS54において、16×16画素乃至4×4画素からなる8種類の各インター予測モードに対して、上述した式(30)または式(31)で示されるコスト関数値を算出する。ここで算出されたコスト関数値は、上述した図5のステップS36で最適インター予測モードを決定する際に用いられる。
なお、インター予測モードに対するコスト関数の算出には、H.264/AVC方式において定められているSkip ModeおよびDirect Modeのコスト関数の評価も含まれる。
次に、図20のフローチャートを参照して、図5のステップS33のイントラテンプレート動き予測処理について説明する。
ステップS61において、イントラ予測動きベクトル生成部76は、イントラTP動き予測・補償部75の内蔵メモリに記憶されている、対象ブロックに隣接するブロックのイントラ動きベクトル情報を用いて、対象ブロックに対する予測動きベクトル情報を生成する。
すなわち、イントラ予測動きベクトル生成部76は、図18を参照して上述したように、式(32)を用いて、対象ブロックEに対する予測動きベクトル情報pmvEを生成する。
ステップS62において、イントラTP動き予測・補償部75は、イントラテンプレート予測モードの動き予測、補償処理を行う。すなわち、イントラTP動き予測・補償部75は、イントラテンプレートマッチング方式に基づいてイントラ動きベクトルを探索し、その動きベクトルに基づいて予測画像を生成する。その際、イントラ予測動きベクトル生成部76により生成された予測動きベクトル情報を中心とした探索範囲において、イントラ動きベクトルの探索が行われる。
探索されたイントラ動きベクトル情報は、イントラTP動き予測・補償部75の内蔵メモリ(図示せぬ)に記憶される。
ここで、イントラテンプレートマッチング方式について、図21を参照して具体的に説明する。
図21の例においては、図示せぬ符号化対象の対象フレーム上に、4×4画素のブロックAと、X×Y(=縦×横)画素からなる領域のうち、すでに符号化済みの画素だけで構成される所定の探索範囲Eが示されている。
ブロックAには、これから符号化されようとしている対象サブブロックaが示されている。この対象サブブロックaは、ブロックAを構成する2×2画素のサブブロックのうち、左上に位置するサブブロックである。対象ブロックaには、すでに符号化済みの画素で構成されるテンプレート領域bが隣接している。すなわち、テンプレート領域bは、符号化処理をラスタスキャン順に行う場合には、図21に示されるように、対象サブブロックaの左および上側に位置する領域であり、フレームメモリ72に復号画像が蓄積されている領域である。
イントラTP動き予測・補償部75は、対象フレーム上の所定の探索範囲E内において、例えば、SAD(Sum of Absolute Difference) 等をコスト関数としてテンプレートマッチング処理を行い、テンプレート領域bの画素値と相関が最も高くなる領域b’を探索する。そして、イントラTP動き予測・補償部75は、探索された領域b’に対応するブロックa’を、対象サブブロックaに対する予測画像として、対象ブロックaに対する動きベクトルを探索する。
このように、イントラテンプレートマッチング方式による動きベクトル探索処理は、テンプレートマッチング処理に復号画像を用いているので、所定の探索範囲Eを予め定めておくことにより、図1の画像符号化装置51と後述する図24の画像復号装置101において同一の処理を行うことが可能である。すなわち、画像復号装置101においても、イントラTP動き予測・補償部122を構成することにより、対象サブブロックに対する動きベクトルの情報を画像復号装置101に送る必要がなくなるので、圧縮画像中における動きベクトル情報を低減することができる。
また、この所定の探索範囲Eは、イントラ予測動きベクトル生成部76により生成された予測動きベクトル情報を中心とした探索範囲である。イントラ予測動きベクトル生成部76により生成された予測動きベクトル情報は、図18を参照して上述したように、隣接ブロックとの相関で生成される。
したがって、画像復号装置101においても、イントラ予測動きベクトル生成部123を構成し、隣接ブロックとの相関により予測動きベクトル情報を求め、それを中心とした所定の探索範囲Eで動きベクトルを探索することにより、符号化効率を劣化させることなく、探索範囲を限定することができる。すなわち、演算量を増大させることなく、圧縮効率の低下を抑制することができる。
なお、図21において、対象サブブロックが2×2画素の場合を説明したが、これに限らず、任意の大きさのサブブロックに適用が可能であり、イントラテンプレート予測モードにおけるブロックおよびテンプレートのサイズは任意である。すなわち、イントラ予測部74と同様に、各イントラ予測モードのブロックサイズを候補としてイントラテンプレート予測モードを行うこともできるし、1つの予測モードのブロックサイズに固定して行うこともできる。対象となるブロックサイズに応じて、テンプレートサイズは、可変としてもよいし、固定することもできる。
ステップS63において、イントラTP動き予測・補償部75は、イントラテンプレート予測モードに対して、上述した式(30)または式(31)で示されるコスト関数を算出する。ここで算出されたコスト関数値は、上述した図5のステップS34で最適イントラ予測モードを決定する際に用いられる。
ここで、図20のステップS61においては、全ての対象ブロックについてイントラ動きベクトル情報が探索され、内蔵メモリに記憶される例を説明した。しかしながら、イントラ予測モード、イントラテンプレート処理モード、インター処理モード、およびインターテンプレート処理モードのうちの1の予測モードが処理対象とするブロックについては、その他の予測モードでの予測を行わない処理方法も考えられる。この処理方法においては、隣接ブロックが、イントラ動きベクトル情報を保持しているとは限らない。
以下、この処理方法について、対象ブロックがイントラ処理されるフレームに含まれる場合とインター処理されるフレームに含まれる場合に分けて説明する。
まず、対象ブロックがイントラ処理されるフレームに含まれる場合について説明する。この場合には、隣接ブロックがイントラ予測モードによる処理対象ブロックのときと、イントラテンプレート予測モードによる処理対象ブロックのときがある。前者の隣接ブロックがイントラテンプレート予測モードによる処理対象ブロックのとき、隣接ブロックのイントラ動きベクトル情報は存在する。
しかしながら、後者の隣接ブロックがイントラ予測モードによる処理対象ブロックのとき、隣接ブロックのイントラ動きベクトル情報は存在しない。したがって、この場合の処理方法としては、隣接ブロックのイントラ動きベクトル情報を(0,0)としてメディアン予測を行う第1の方法と、隣接ブロックのイントラ動きベクトル情報も生成してしまう第2の方法が挙げられる。
次に、対象ブロックがインター処理されるフレームに含まれる場合について説明する。この場合には、隣接ブロックがイントラ処理されるブロックのときと、インター処理されるブロックのときがある。前者の隣接ブロックがイントラ処理されるブロックの場合については、上述した対象ブロックがイントラ処理されるフレームに含まれる場合の方法に準じる。
後者の隣接ブロックがインター処理されるブロックの場合については、そのブロックが、インター動き予測モードの対象ブロックである、または、インターテンプレート動き予測モードの対象ブロックであることが考えられるが、どちらにしてもインター動きベクトル情報を有している。
したがって、この場合の処理方法としては、隣接ブロックのイントラ動きベクトル情報を(0,0)としてメディアン予測を行う第1の方法と、隣接ブロックのイントラ動きベクトル情報も生成してしまう第2の方法と、隣接ブロックに対するイントラ動きベクトル情報の代わりに、隣接ブロックに対するインター動きベクトル情報を用いてメディアン予測を行う第3の方法が挙げられる。なお、第3の方法については、処理の際、参照フレーム情報であるref_idも参照して、ref_idが所定の大きさ以内である場合のみ、インター動きベクトル情報を用い、それ以外の場合(すなわち、ref_idが所定の値より大きい(離れている)場合)には、第1または第2の方法に準じる方法で、メディアン予測を行うこともできる。
以上のように、イントラテンプレート予測モードでの動き予測を行う際に、探索に先立って、動きベクトルの予測値を生成し、動きベクトルの予測値を中心に探索処理を行うようにしたので、探索範囲を限定しても、符号化効率の劣化が抑制される。また、探索範囲を限定することで、演算量も削減される。
次に、図22のフローチャートを参照して、図5のステップS35のインターテンプレート動き予測処理について説明する。
ステップS71において、インター予測動きベクトル生成部79は、インターTP動き予測・補償部78の内蔵メモリに記憶されている、符号化済みブロックのインター動きベクトル情報を用いて、対象ブロックに対する予測動きベクトル情報を生成する。
具体的には、インター予測動きベクトル生成部79は、図18を参照して上述したように、式(32)を用いて、対象ブロックEに対する予測動きベクトル情報pmvEを生成する。あるいは、インター予測動きベクトル生成部79は、図19を参照して上述したように、式(32)および式(34)を用いて、予測動きベクトル情報を生成し、その中から、最適な予測動きベクトル情報を選択する。
なお、対象ブロックに隣接する隣接ブロックが、インター予測対象のブロックである場合、後述するステップS72のインターテンプレート予測により探索されたインター動きベクトル情報を用いてもよいし、上述した図17のステップS51でインター予測により探索されたインター動きベクトル情報を記憶しておき、それを用いてもよい。
また、対象ブロックに隣接する隣接ブロックが、イントラ予測対象のブロックまたはイントラテンプレート予測対象のブロックである可能性がある。いずれの場合も、インター予測動きベクトル生成部79は、隣接ブロックのインター動きベクトル情報を、(0,0)としてメディアン予測を行い、予測動きベクトル情報を生成する。あるいは、インター予測動きベクトル生成部79は、イントラ予測対象のブロックまたはイントラテンプレート予測対象のブロックである隣接ブロックに対して、インターテンプレートマッチング方式の動き探索を行い、探索されたインター動きベクトル情報を用いてメディアン予測を行うこともできる。
さらには、インター予測動きベクトル生成部79は、隣接ブロックがイントラテンプレート予測対象のブロックである場合には、イントラ動きベクトル情報を、インター動きベクトル情報の代わりに用いてメディアン予測を行い、予測動きベクトル情報を生成することもできる。
ステップS72において、インターTP動き予測・補償部78は、インターテンプレート予測モードの動き予測、補償処理を行う。すなわち、インターTP動き予測・補償部78は、インターテンプレートマッチング方式に基づいてインター動きベクトルを探索し、その動きベクトルに基づいて予測画像を生成する。その際、インター予測動きベクトル生成部79により生成された予測動きベクトル情報を中心とした探索範囲において、イントラ動きベクトルの探索が行われる。
探索されたインター動きベクトル情報は、インターTP動き予測・補償部78の内蔵メモリ(図示せぬ)に記憶される。
ここで、インターテンプレートマッチング方式について、図23を参照して具体的に説明する。
図23の例においては、符号化対象の対象フレームと、動きベクトルを探索する際に参照される参照フレームが示されている。対象フレームには、これから符号化されようとしている対象ブロックAと、対象ブロックAに対して隣接するとともに、すでに符号化済みの画素で構成されるテンプレート領域Bが示されている。すなわち、テンプレート領域Bは、符号化処理をラスタスキャン順に行う場合には、図23に示されるように、対象ブロックAの左および上側に位置する領域であり、フレームメモリ72に復号画像が蓄積されている領域である。
インターTP動き予測・補償部78は、参照フレーム上の所定の探索範囲E内において、例えば、SAD(Sum of Absolute Difference) 等をコスト関数としてテンプレートマッチング処理を行い、テンプレート領域Bの画素値と相関が最も高くなる領域B’を探索する。そして、インターTP動き予測・補償部78は、探索された領域B’に対応するブロックA’を、対象ブロックAに対する予測画像として、対象ブロックAに対する動きベクトルPを探索する。
このように、インターテンプレートマッチング方式による動きベクトル探索処理は、テンプレートマッチング処理に復号画像を用いているので、所定の探索範囲Eを予め定めておくことにより、図1の画像符号化装置51と後述する図24の画像復号装置101において同一の処理を行うことが可能である。すなわち、画像復号装置101においても、インターTP動き予測・補償部125を構成することにより、対象ブロックAに対する動きベクトルPの情報を画像復号装置101に送る必要がなくなるので、圧縮画像中における動きベクトル情報を低減することができる。
また、この所定の探索範囲Eは、インター予測動きベクトル生成部79により生成された予測動きベクトル情報を中心とした探索範囲である。インター予測動きベクトル生成部79により生成された予測動きベクトル情報は、図18を参照して上述したように、隣接ブロックとの相関で生成される。
したがって、画像復号装置101においても、インター予測動きベクトル生成部126を構成し、隣接ブロックとの相関により予測動きベクトル情報を求め、それを中心とした所定の探索範囲Eで動きベクトルを探索することにより、符号化効率を劣化させることなく、探索範囲を限定することができる。すなわち、演算量を増大させることなく、圧縮効率の低下を抑制することができる。
なお、インターテンプレート予測モードにおけるブロックおよびテンプレートのサイズは任意である。すなわち、動き予測・補償部77と同様に、図2で上述した16×16画素乃至4×4画素からなる8種類のブロックサイズから、1つのブロックサイズを固定して行うこともできるし、すべてのブロックサイズを候補として行うこともできる。ブロックサイズに応じて、テンプレートサイズは、可変としてもよいし、固定することもできる。
ステップS73において、インターTP動き予測・補償部78は、インターテンプレート予測モードに対して、上述した式(30)または式(31)で示されるコスト関数を算出する。ここで算出されたコスト関数値は、上述した図5のステップS36で最適インター予測モードを決定する際に用いられる。
以上のように、インターテンプレート予測モードでの動き予測を行う際にも、探索に先立って、動きベクトルの予測値を生成し、動きベクトルの予測値を中心に探索処理を行うようにしたので、探索範囲を限定しても、符号化効率の劣化が抑制される。また、探索範囲を限定することで、演算量も削減される。
符号化された圧縮画像は、所定の伝送路を介して伝送され、画像復号装置により復号される。図24は、このような画像復号装置の一実施の形態の構成を表している。
画像復号装置101は、蓄積バッファ111、可逆復号部112、逆量子化部113、逆直交変換部114、演算部115、デブロックフィルタ116、画面並べ替えバッファ117、D/A変換部118、フレームメモリ119、スイッチ120、イントラ予測部121、イントラテンプレート動き予測・補償部122、イントラ予測動きベクトル生成部123、動き予測・補償部124、インターテンプレート動き予測・補償部125、インター予測動きベクトル生成部126、およびスイッチ127により構成されている。
なお、以下、イントラテンプレート動き予測・補償部122およびインターテンプレート動き予測・補償部125を、それぞれ、イントラTP動き予測・補償部122およびインターTP動き予測・補償部125と称する。
蓄積バッファ111は伝送されてきた圧縮画像を蓄積する。可逆復号部112は、蓄積バッファ111より供給された、図1の可逆符号化部66により符号化された情報を、可逆符号化部66の符号化方式に対応する方式で復号する。逆量子化部113は可逆復号部112により復号された画像を、図1の量子化部65の量子化方式に対応する方式で逆量子化する。逆直交変換部114は、図1の直交変換部64の直交変換方式に対応する方式で逆量子化部113の出力を逆直交変換する。
逆直交変換された出力は演算部115によりスイッチ127から供給される予測画像と加算されて復号される。デブロックフィルタ116は、復号された画像のブロック歪を除去した後、フレームメモリ119に供給し、蓄積させるとともに、画面並べ替えバッファ117に出力する。
画面並べ替えバッファ117は、画像の並べ替えを行う。すなわち、図1の画面並べ替えバッファ62により符号化の順番のために並べ替えられたフレームの順番が、元の表示の順番に並べ替えられる。D/A変換部118は、画面並べ替えバッファ117から供給された画像をD/A変換し、図示せぬディスプレイに出力し、表示させる。
スイッチ120は、インター符号化が行われる画像と参照される画像をフレームメモリ119から読み出し、動き予測・補償部124に出力するとともに、イントラ予測に用いられる画像をフレームメモリ119から読み出し、イントラ予測部121に供給する。
イントラ予測部121には、ヘッダ情報を復号して得られたイントラ予測モードに関する情報が可逆復号部112から供給される。イントラ予測モードである情報が供給された場合、イントラ予測部121は、この情報に基づいて、予測画像を生成する。イントラテンプレート予測モードである情報が供給された場合、イントラ予測部121は、イントラ予測に用いられる画像をイントラTP動き予測・補償部122に供給し、イントラテンプレート予測モードでの動き予測・補償処理を行わせる。
イントラ予測部121は、生成した予測画像またはイントラTP動き予測・補償部122により生成された予測画像を、スイッチ127に出力する。
イントラTP動き予測・補償部122は、図1のイントラTP動き予測・補償部75と同様のイントラテンプレート予測モードの動き予測と補償処理を行う。すなわち、イントラTP動き予測・補償部122は、フレームメモリ119から読み出されたイントラ予測に用いられる画像に基づき、イントラテンプレート予測モードの動き予測と補償処理を行い、予測画像を生成する。その際、イントラTP動き予測・補償部122は、イントラ予測動きベクトル生成部123により生成された予測動きベクトル情報を探索の中心とした所定の探索範囲での動き予測を行う。
イントラテンプレート予測モードの動き予測・補償により生成された予測画像は、イントラ予測部121に供給される。また、イントラテンプレート予測モードの動き予測により探索されたイントラ動きベクトル情報は、イントラTP動き予測・補償部122の内蔵メモリ(図示せぬ)に記憶される。
イントラ予測動きベクトル生成部123は、図1のイントラ予測動きベクトル生成部76と同様に、予測動きベクトル情報を生成する。すなわち、イントラTP動き予測・補償部122の内蔵メモリに記憶されている、符号化済みのブロックの動きベクトル情報を用いて、対象ブロックに対する予測動きベクトル情報を生成する。予測動きベクトル情報の生成には、例えば、対象ブロックに隣接するブロックの動きベクトル情報が用いられる。
動き予測・補償部124には、ヘッダ情報を復号して得られた情報(予測モード、動きベクトル情報や参照フレーム情報)が可逆復号部112から供給される。インター予測モードである情報が供給された場合、動き予測・補償部124は、動きベクトル情報と参照フレーム情報に基づいて画像に動き予測と補償処理を施し、予測画像を生成する。インター予測モードである情報が供給された場合、動き予測・補償部124は、フレームメモリ119から読み出されたインター符号化が行われる画像と参照される画像をインターTP動き予測・補償部125に供給し、インターテンプレート予測モードでの動き予測・補償処理を行わせる。
また、動き予測・補償部124は、予測モード情報に応じて、インター予測モードにより生成された予測画像、または、インターテンプレート予測モードにより生成された予測画像のどちらか一方をスイッチ127に出力する。
インターTP動き予測・補償部125は、図1のインターTP動き予測・補償部78と同様のインターテンプレート予測モードの動き予測と補償処理を行う。すなわち、インターTP動き予測・補償部125は、フレームメモリ119から読み出されたインター符号化が行われる画像と参照される画像に基づいて、インターテンプレート予測モードの動き予測と補償処理を行い、予測画像を生成する。その際、インターTP動き予測・補償部125は、インター予測動きベクトル生成部126により生成された予測動きベクトル情報を探索の中心とした所定の探索範囲での動き予測を行う。
インターテンプレート予測モードの動き予測・補償により生成された予測画像は、動き予測・補償部124に供給される。インターテンプレート予測モードの動き予測により探索されたインター動きベクトル情報は、インターTP動き予測・補償部125の内蔵メモリ(図示せぬ)に記憶される。
インター予測動きベクトル生成部126は、図1のインター予測動きベクトル生成部79と同様に、予測動きベクトル情報を生成する。すなわち、インターTP動き予測・補償部125の内蔵メモリに記憶されている、符号化済みブロックの動きベクトル情報を用いて、対象ブロックに対する予測動きベクトル情報を生成する。予測動きベクトル情報の生成には、例えば、対象ブロックに隣接するブロック、図19を参照して上述した対応ブロック、対応ブロックに隣接するブロックなどの動きベクトル情報が用いられる。
スイッチ127は、動き予測・補償部124またはイントラ予測部121により生成された予測画像を選択し、演算部115に供給する。
次に、図25のフローチャートを参照して、画像復号装置101が実行する復号処理について説明する。
ステップS131において、蓄積バッファ111は伝送されてきた画像を蓄積する。ステップS132において、可逆復号部112は、蓄積バッファ111から供給される圧縮画像を復号する。すなわち、図1の可逆符号化部66により符号化されたIピクチャ、Pピクチャ、並びにBピクチャが復号される。
このとき、動きベクトル情報や予測モード情報(イントラ予測モード、イントラテンプレート予測モード、インター予測モード、またはインターテンプレート予測モードを表す情報)も復号される。すなわち、予測モード情報がイントラ予測モードまたはイントラテンプレート予測モードである場合、予測モード情報は、イントラ予測部121に供給される。予測モード情報がインター予測モードまたはインターテンプレート予測モードである場合、予測モード情報は、動き予測・補償部124に供給される。その際、対応する動きベクトル情報や参照フレーム情報があれば、それも、動き予測・補償部124に供給される。
ステップS133において、逆量子化部113は可逆復号部112により復号された変換係数を、図1の量子化部65の特性に対応する特性で逆量子化する。ステップS134において逆直交変換部114は逆量子化部113により逆量子化された変換係数を、図1の直交変換部64の特性に対応する特性で逆直交変換する。これにより図1の直交変換部64の入力(演算部63の出力)に対応する差分情報が復号されたことになる。
ステップS135において、演算部115は、後述するステップS139の処理で選択され、スイッチ127を介して入力される予測画像を差分情報と加算する。これにより元の画像が復号される。ステップS136においてデブロックフィルタ116は、演算部115より出力された画像をフィルタリングする。これによりブロック歪みが除去される。ステップS137においてフレームメモリ119は、フィルタリングされた画像を記憶する。
ステップS138において、イントラ予測部121、イントラTP動き予測・補償部122、動き予測・補償部124、またはインターTP動き予測・補償部125は、可逆復号部112から供給される予測モード情報に対応して、それぞれ画像の予測処理を行う。
すなわち、可逆復号部112からイントラ予測モード情報が供給された場合、イントラ予測部121は、イントラ予測モードのイントラ予測処理を行う。可逆復号部112からイントラテンプレート予測モード情報が供給された場合、イントラTP動き予測・補償部122は、インターテンプレート予測モードの動き予測・補償処理を行う。また、可逆復号部112からインター予測モード情報が供給された場合、動き予測・補償部124は、インター予測モードの動き予測・補償処理を行う。可逆復号部112からインターテンプレート予測モード情報が供給された場合、インターTP動き予測・補償部125は、インターテンプレート予測モードの動き予測・補償処理を行う。
ステップS138における予測処理の詳細は、図26を参照して後述するが、この処理により、イントラ予測部121により生成された予測画像、イントラTP動き予測・補償部122により生成された予測画像、動き予測・補償部124により生成された予測画像、またはインターTP動き予測・補償部125により生成された予測画像がスイッチ127に供給される。
ステップS139において、スイッチ127は予測画像を選択する。すなわち、イントラ予測部121により生成された予測画像、イントラTP動き予測・補償部122により生成された予測画像、動き予測・補償部124により生成された予測画像、またはインターTP動き予測・補償部125により生成された予測画像が供給されるので、供給された予測画像が選択されて演算部115に供給され、上述したように、ステップS134において逆直交変換部114の出力と加算される。
ステップS140において、画面並べ替えバッファ117は並べ替えを行う。すなわち画像符号化装置51の画面並べ替えバッファ62により符号化のために並べ替えられたフレームの順序が、元の表示の順序に並べ替えられる。
ステップS141において、D/A変換部118は、画面並べ替えバッファ117からの画像をD/A変換する。この画像が図示せぬディスプレイに出力され、画像が表示される。
次に、図26のフローチャートを参照して、図25のステップS138の予測処理について説明する。
イントラ予測部121は、ステップS171において、対象ブロックがイントラ符号化されているか否かを判定する。可逆復号部112からイントラ予測モード情報またはイントラテンプレート予測モード情報がイントラ予測部121に供給されると、イントラ予測部121は、ステップ171において、対象ブロックがイントラ符号化されていると判定し、ステップS172において、可逆復号部112からの予測モード情報が、イントラ予測モード情報であるか否かを判定する。
イントラ予測部121は、ステップS172において、イントラ予測モード情報であると判定した場合、ステップS173において、イントラ予測を行う。
すなわち、処理対象の画像がイントラ処理される画像である場合、必要な画像がフレームメモリ119から読み出され、スイッチ120を介してイントラ予測部121に供給される。ステップS173において、イントラ予測部121は、可逆復号部112から供給されるイントラ予測モード情報に従ってイントラ予測し、予測画像を生成する。
ステップS172において、イントラ予測モード情報ではないと判定された場合、処理は、ステップS174に進み、イントラテンプレート予測モードの処理が行われる。
処理対象の画像がイントラテンプレート予測処理される画像である場合、必要な画像がフレームメモリ119から読み出され、スイッチ120およびイントラ予測部121を介してイントラTP動き予測・補償部122に供給される。ステップS174において、イントラTP動き予測・補償部122は、イントラ予測動きベクトル生成部123に、対象ブロックに対する予測動きベクトル情報を生成させ、ステップS175において、フレームメモリ119から読み出された画像に基づき、イントラテンプレート予測モードで、イントラテンプレート動き予測処理を行う。
すなわち、ステップS174において、イントラ予測動きベクトル生成部123は、イントラTP動き予測・補償部122の内蔵メモリに記憶されている、対象ブロックに隣接するブロックのイントラ動きベクトル情報を用いて、対象ブロックに対する予測動きベクトル情報を生成する。
ステップ175において、イントラTP動き予測・補償部122は、イントラ予測動きベクトル生成部123により生成された予測動きベクトル情報を探索の中心とした所定の探索範囲で、イントラテンプレートマッチング方式に基づいてイントラ動きベクトルを探索し、その動きベクトルに基づいて予測画像を生成する。このとき、探索されたイントラ動きベクトル情報は、イントラTP動き予測・補償部122の内蔵メモリ(図示せぬ)に記憶される。
なお、このステップS174およびS175の処理は、上述した図20のステップS61およびS62と基本的に同様の処理を行うため、その詳細な説明は省略する。
一方、ステップS171において、イントラ符号化されていないと判定された場合、処理は、ステップS176に進む。
処理対象の画像がインター処理される画像である場合、可逆復号部112からインター予測モード情報、参照フレーム情報、動きベクトル情報が動き補償・予測部124に供給される。ステップS176において、動き予測・補償部124は、可逆復号部112からの予測モード情報が、インター予測モード情報であるか否かを判定し、インター予測モード情報であると判定した場合、ステップS177において、インター動き予測を行う。
処理対象の画像がインター予測処理される画像である場合、必要な画像がフレームメモリ119から読み出され、スイッチ120を介して動き予測・補償部124に供給される。ステップS177において動き予測・補償部124は、可逆復号部112から供給される動きベクトルに基づいて、インター予測モードの動き予測をし、予測画像を生成する。
ステップS176において、インター予測モード情報ではないと判定された場合、処理は、ステップS178に進み、インターテンプレート予測モードの処理が行われる。
処理対象の画像がインターテンプレート予測処理される画像である場合、必要な画像がフレームメモリ119から読み出され、スイッチ120および動き予測・補償部124を介してインターTP動き予測・補償部125に供給される。ステップS178において、インターTP動き予測・補償部125は、インター予測動きベクトル生成部126に、対象ブロックに対する予測動きベクトル情報を生成させ、ステップS179において、フレームメモリ119から読み出された画像に基づき、インターテンプレート予測モードで、インターテンプレート動き予測処理を行う。
すなわち、ステップS178において、インター予測動きベクトル生成部126は、インターTP動き予測・補償部125の内蔵メモリに記憶されている、符号化済みブロックのインター動きベクトル情報を用いて、対象ブロックに対する予測動きベクトル情報を生成する。
具体的には、インター予測動きベクトル生成部126は、図18を参照して上述したように、式(32)を用いて、対象ブロックEに対する予測動きベクトル情報pmvEを生成する。あるいは、インター予測動きベクトル生成部126は、図19を参照して上述したように、式(32)および式(34)を用いて、予測動きベクトル情報を生成し、その中から、最適な予測動きベクトル情報を選択する。
ステップS179において、インターTP動き予測・補償部125は、インター予測動きベクトル生成部126により生成された予測動きベクトル情報を探索の中心とした所定の探索範囲で、インターテンプレートマッチング方式に基づいてインター動きベクトルを探索し、その動きベクトルに基づいて予測画像を生成する。このとき、探索されたインター動きベクトル情報は、インターTP動き予測・補償部125の内蔵メモリ(図示せぬ)に記憶される。
なお、このステップS178およびS179の処理は、上述した図22のステップS71およびS72と基本的に同様の処理を行うため、その詳細な説明は省略する。
以上のように、画像符号化装置および画像復号装置において、復号画像を用いて動き探索を行うテンプレートマッチングに基づく動き予測を行うようにしたので、動きベクトル情報を送らずに、良質な画質を表示させることができる。
また、その際、隣接ブロックとの相関で予測動きベクトル情報を生成し、それを中心とした探索範囲を限定するようにしたので、圧縮効率を低下させることなく、動きベクトル探索に必要な演算量を削減することができる。
さらに、H.264/AVC方式による動き予測・補償処理を行う際に、テンプレートマッチングに基づく予測も行い、コスト関数のよい方を選択して符号化処理を行うようにしたので、符号化効率を向上することができる。
なお、上述した予測動きベクトルを探索の中心とする方法は、図28に示されるようなイントラ動き予測・補償にも適用することができる。図28の例においては、画像符号化装置において、同じフレーム上で、符号化対象の対象ブロックAの画素値と相関が最も高くなるブロックA’が探索されて、動きベクトルが探索される。画像復号装置においては、画像符号化装置において探索された動きベクトル情報と復号画像が用いられて、動き補償が行われる。
この画像符号化装置におけるブロックの探索の際にも、隣接ブロックとの相関でイントラ動きベクトル情報を算出しておき、イントラ動きベクトル情報を中心とした探索範囲Eを用いる。この場合も、探索に必要な演算量の増大を抑制することができる。
以上においては、符号化方式としてH.264/AVC方式を用いるようにしたが、その他の符号化方式/復号方式を用いることもできる。
なお、本発明は、例えば、MPEG、H.26x等の様に、離散コサイン変換等の直交変換と動き補償によって圧縮された画像情報(ビットストリーム)を、衛星放送、ケーブルTV(テレビジョン)、インターネット、および携帯電話機などのネットワークメディアを介して受信する際に、あるいは、光、磁気ディスク、およびフラッシュメモリのような記憶メディア上で処理する際に用いられる画像符号化装置および画像復号装置に適用することができる。
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム記録媒体は、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスクを含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア、または、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるROMやハードディスクなどにより構成される。プログラム記録媒体へのプログラムの格納は、必要に応じてルータ、モデムなどのインタフェースを介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
なお、本明細書において、プログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
51 画像符号化装置, 66 可逆符号化部, 74 イントラ予測部, 75 イントラテンプレート動き予測・補償部, 76 イントラ予測動きベクトル生成部, 77 動き予測・補償部, 78 インターテンプレート動き予測・補償部, 79 インター予測動きベクトル生成部, 80 予測画像選択部, 112 可逆復号部, 121 イントラ予測部, 122 イントラテンプレート動き予測・補償部, 123 イントラ予測動きベクトル生成部, 124 動き予測・補償部, 125 インターテンプレート動き予測・補償部, 126 インター予測動きベクトル生成部, 127 スイッチ
Claims (40)
- フレームの第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成する予測動きベクトル生成部と、
前記予測動きベクトル生成部により生成された前記動きベクトルの予測値の周辺の所定の探索範囲において、前記第1の対象ブロックの動きベクトルを、前記第1の対象ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに復号画像から生成される第1のテンプレートを利用して探索する第1の動き予測補償部と
を備える画像符号化装置。 - 前記予測動きベクトル生成部は、符号化済みのブロックであって、前記第1の対象ブロックに隣接するブロックである隣接ブロックに対する動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成する
請求項1に記載の画像符号化装置。 - 前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成する
請求項2に記載の画像符号化装置。 - 前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を0として、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成する
請求項3に記載の画像符号化装置。 - 前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレームと異なる符号化済みフレームを参照して探索された動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成する
請求項3に記載の画像符号化装置。 - 前記符号化済みフレームの情報が所定の値より大きい場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報を用いることを禁止する
請求項5に記載の画像符号化装置。 - 前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記第1の動き予測補償部は、前記隣接ブロックの動きベクトルを、前記隣接ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに前記復号画像から生成される第2のテンプレートを利用して探索し、
前記予測動きベクトル生成部は、前記第1の動き予測補償部により探索された前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成する
請求項3に記載の画像符号化装置。 - 前記フレームの第2の対象ブロックの画素値を、前記フレーム内の前記復号画像から予測するイントラ予測部と、
前記第1の動き予測補償部により探索された前記動きベクトルに基づく予測画像と、前記イントラ予測部により予測された前記画素値からなる予測画像のうちの一方を選択する画像選択部と
をさらに備える
請求項3に記載の画像符号化装置。 - 前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレームと異なる符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成する
請求項2に記載の画像符号化装置。 - 前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を0として、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成する
請求項9に記載の画像符号化装置。 - 前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成する
請求項9に記載の画像符号化装置。 - 前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記第1の動き予測補償部は、前記隣接ブロックの動きベクトルを、前記隣接ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに前記復号画像から生成される第2のテンプレートを利用して探索し、
前記予測動きベクトル生成部は、前記第1の動き予測部により探索された前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成する
請求項9に記載の画像符号化装置。 - 前記フレームの第2の対象ブロックの動きベクトルを、前記第2の対象ブロックを利用して探索する第2の動き予測補償部と、
前記第1の動き予測補償部により探索された前記動きベクトルに基づく予測画像と、前記第2の動き予測補償部により探索された前記動きベクトルに基づく予測画像のうちの一方を選択する画像選択部とをさらに備える
請求項9に記載の画像符号化装置。 - 前記予測動きベクトル生成部は、符号化済みのブロックであって、前記第1の対象ブロックに隣接するブロックである隣接ブロックに対する動きベクトルの情報、前記フレームと異なる符号化済みフレームのブロックであって、前記第1の対象ブロックに対応する位置のブロックである対応ブロックと前記対応ブロックに隣接するブロックに対する動きベクトルの情報、または、前記対応ブロックと前記隣接ブロックに対する動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成する
請求項1に記載の画像符号化装置。 - 前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対する動きベクトルの情報を0として、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成する
請求項14に記載の画像符号化装置。 - 前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成する
請求項14に記載の画像符号化装置。 - 前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記第1の動き予測補償部は、前記隣接ブロックの動きベクトルを、前記隣接ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに前記復号画像から生成される第2のテンプレートを利用して探索し、
前記予測動きベクトル生成部は、前記第1の動き予測補償部により探索された前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成する
請求項14に記載の画像符号化装置。 - 前記フレームの第2の対象ブロックの動きベクトルを、前記第2の対象ブロックを利用して探索する第2の動き予測補償部と、
前記第1の動き予測補償部により探索された前記動きベクトルに基づく予測画像と、前記第2の動き予測補償部により探索された前記動きベクトルに基づく予測画像のうちの一方を選択する画像選択部とをさらに備える
請求項14に記載の画像符号化装置。 - 画像符号化装置が、
フレームの対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成し、
生成された前記動きベクトルの予測値の周辺の所定の探索範囲において、前記対象ブロックの動きベクトルを、前記対象ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに復号画像から生成されるテンプレートを利用して探索する
ステップを含む画像符号化方法。 - フレームの対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成し、
生成された前記動きベクトルの予測値の周辺の所定の探索範囲において、前記対象ブロックの動きベクトルを、前記対象ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに復号画像から生成されるテンプレートを利用して探索する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させて、画像符号化装置として機能させるためのプログラム。 - フレームの第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成する予測動きベクトル生成部と、
前記予測動きベクトル生成部により生成された前記動きベクトルの予測値の周辺の所定の探索範囲において、前記第1の対象ブロックの動きベクトルを、前記第1の対象ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに復号画像から生成される第1のテンプレートを利用して探索する第1の動き予測補償部と
を備える画像復号装置。 - 前記予測動きベクトル生成部は、符号化済みのブロックであって、前記第1の対象ブロックに隣接するブロックである隣接ブロックに対する動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成する
請求項21に記載の画像復号装置。 - 前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成する
請求項22に記載の画像復号装置。 - 前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を0として、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成する
請求項23に記載の画像復号装置。 - 前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレームと異なる符号化済みフレームを参照して探索された動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成する
請求項23に記載の画像復号装置。 - 前記符号化済みフレームの情報が所定の値より大きい場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報を用いることを禁止する
請求項25に記載の画像復号装置。 - 前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記第1の動き予測補償部は、前記隣接ブロックの動きベクトルを、前記隣接ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに前記復号画像から生成される第2のテンプレートを利用して探索し、
前記予測動きベクトル生成部は、前記第1の動き予測補償部により探索された前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成する
請求項23に記載の画像復号装置。 - 前記フレームの第2の対象ブロックの画素値を、前記フレーム内の前記復号画像から予測するイントラ予測部をさらに備える
請求項23に記載の画像復号装置。 - 前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレームと異なる符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成する
請求項22に記載の画像復号装置。 - 前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を0として、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成する
請求項29に記載の画像復号装置。 - 前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成する
請求項29に記載の画像復号装置。 - 前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記第1の動き予測補償部は、前記隣接ブロックの動きベクトルを、前記隣接ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに前記復号画像から生成される第2のテンプレートを利用して探索し、
前記予測動きベクトル生成部は、前記第1の動き予測部により探索された前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成する
請求項29に記載の画像復号装置。 - 符号化された動きベクトルの情報を復号する復号部と、
前記復号部により復号された前記フレームの第2の対象ブロックの動きベクトルを用いて予測画像を生成する第2の動き予測補償部とをさらに備える
請求項29に記載の画像復号装置。 - 前記予測動きベクトル生成部は、符号化済みのブロックであって、前記第1の対象ブロックに隣接するブロックである隣接ブロックに対する動きベクトルの情報、前記フレームと異なる符号化済みフレームのブロックであって、前記第1の対象ブロックに対応する位置のブロックである対応ブロックと前記対応ブロックに隣接するブロックに対する動きベクトルの情報、または、前記対応ブロックと前記隣接ブロックに対する動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの前記動きベクトルの予測値を生成する
請求項21に記載の画像復号装置。 - 前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対する動きベクトルの情報を0として、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成する
請求項34に記載の画像復号装置。 - 前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記予測動きベクトル生成部は、前記隣接ブロックに対して前記フレーム内で探索された動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成する
請求項34に記載の画像復号装置。 - 前記隣接ブロックに対して前記符号化済みフレームを参照して探索された前記動きベクトルの情報がない場合、前記第1の動き予測補償部は、前記隣接ブロックの動きベクトルを、前記隣接ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに前記復号画像から生成される第2のテンプレートを利用して探索し、
前記予測動きベクトル生成部は、前記第1の動き予測補償部により探索された前記隣接ブロックに対する前記動きベクトルの情報を用いて、前記第1の対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成する
請求項34に記載の画像復号装置。 - 符号化された動きベクトルの情報を復号する復号部と、
前記復号部により復号された前記フレームの第2の対象ブロックの動きベクトルを用いて予測画像を生成する第2の動き予測補償部とをさらに備える
請求項34に記載の画像復号装置。 - 画像復号装置が、
フレームの対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成し、
生成された前記動きベクトルの予測値の周辺の所定の探索範囲において、前記対象ブロックの動きベクトルを、前記対象ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに復号画像から生成されるテンプレートを利用して探索する
ステップを含む画像復号方法。 - フレームの対象ブロックの動きベクトルの予測値を生成し、
生成された前記動きベクトルの予測値の周辺の所定の探索範囲において、前記対象ブロックの動きベクトルを、前記対象ブロックに対して所定の位置関係で隣接するとともに復号画像から生成されるテンプレートを利用して探索する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させて、画像復号装置として機能させるためのプログラム。
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