JP2010093759A - 撮像センサ及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光漏れが発生したことを検出する際の検出精度を向上しながら、撮像センサのチップサイズを低減する。
【解決手段】撮像センサは、遮光されていない有効画素が行方向及び列方向に複数配列された有効領域と、前記有効領域に対して少なくとも行方向に隣接した領域であって遮光されたOB画素が複数配列されたOB領域とを有する画素配列を備え、前記OB領域には、光電変換部を含み光電変換部で蓄積された信号を出力する第1のOB画素と、光電変換部を含まない、又は、光電変換部を含み光電変換部で蓄積された信号を出力しない第2のOB画素とが列方向に予め決められた周期で交互に繰り返し配列されている。
【選択図】図2
【解決手段】撮像センサは、遮光されていない有効画素が行方向及び列方向に複数配列された有効領域と、前記有効領域に対して少なくとも行方向に隣接した領域であって遮光されたOB画素が複数配列されたOB領域とを有する画素配列を備え、前記OB領域には、光電変換部を含み光電変換部で蓄積された信号を出力する第1のOB画素と、光電変換部を含まない、又は、光電変換部を含み光電変換部で蓄積された信号を出力しない第2のOB画素とが列方向に予め決められた周期で交互に繰り返し配列されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、撮像センサ及び撮像装置に関する。
電子カメラに用いられるCCD、CMOS等の撮像センサには、遮光されたOB(Optical Black)画素が配列されたOB領域と遮光されていない有効画素が配列された有効領域とを有した画素配列を備えたものがある。このような撮像センサでは、OB画素から出力された信号をダークレベル(黒レベルの基準)として、有効領域から出力された信号の黒レベルを略一定に調整させるクランプ動作を行なう。
OB画素から出力された信号を用いたクランプ動作によるダークレベル調整(以後、OBクランプと称する)を行った場合、得られる画像における一部分の画素信号のダークレベルが不適切なレベルに調整されることがある。
例えば、有効領域とOB領域との境界付近の部分に高輝度の被写体の像が形成された場合、その部分における有効画素からOB画素へ光漏れやブルーミングが起こる。これにより、OB画素から出力される信号のレベルが有効画素の本来のダークレベルからずれてしまうという現象が発生する。
OB画素から出力される信号のレベルが有効画素の本来のダークレベルからずれると、入射光が無いダーク状態の値が不適切な値へずれてしまい、入射光量に対する出力信号のリニアリティが保てなくなる。その結果、得られる画像における一部分の画素信号のダークレベルが不適切なレベルに調整され、ホワイトバランス処理後の色がおかしくなってしまう等の問題が発生する。
図13は、OB領域と有効領域との境界付近に高輝度の被写体の像が形成された場合に、OB浮きが生じている様子を示す図である。図13(a)は水平OBクランプを行う前におけるOB領域及び有効領域からの出力信号レベルを示し、図13(b)は水平OBクランプを行った後におけるOB領域及び有効領域からの出力信号レベルを示す。ここで、水平OBクランプとは、各行の有効画素の信号のダークレベルを水平OB部における同じ行のOB画素の信号のレベルにクランプすることをいう。
水平OBクランプを行う前では、図13(a)に示すように、高輝度の被写体像によって水平OB部から出力される信号のレベルが一部持ち上がる。このOB領域から出力される信号を用いて水平OBクランプを行うと、図13(b)のように、信号レベルが持ち上がったOB画素と同じ行の有効画素のダークレベルが引き下げられて、沈んだ部分が横帯状に発生してしまう。
このようなOB領域への光漏れに対する対策として、特許文献1及び特許文献2に示されたような提案がなされている。
特許文献1には、特許文献1の図1に示すように、CCD固体撮像素子における遮光画素部から出力された信号をCDS回路201が処理して第1のクランプ回路101及び第2のクランプ回路102へ供給することが記載されている。第2のクランプ回路102は、供給された信号を基準電圧Vcでクランプしてコンパレータ104へ出力している。コンパレータ104は、第2のクランプ回路102から受けた信号と比較基準電圧Vc’とを比較する。
特許文献1の図1(a)に示すように、コンパレータ104が受けた信号がVc’より小さいときにコンパレータ出力Vsがローレベルになり、光漏れが発生してないとして、スイッチ回路106がタイミング信号Stを第1のクランプパルスCP1に切り替える。これにより、第1のクランプ回路101は、第1のクランプパルスCP1に応じて、通常のOB期間の信号レベルをクランプする。
特許文献1の図1(b)に示すように、コンパレータ104が受けた信号がVc’より大きいときにコンパレータ出力Vsがハイレベルになり、光漏れが発生したとして、スイッチ回路106がタイミング信号Stを第2のクランプパルスCP2に切り替える。これにより、第1のクランプ回路101は、第2のクランプパルスCP2に応じて、水平ブランキング期間の信号レベルをクランプする。
特許文献2には、特許文献2の図7に示すように、アナログ信号処理回路15が、撮像素子14における水平OB部の平均出力値が所定範囲内に収まっているか否かを判定することが記載されている。このアナログ信号処理回路15は、水平OB部の平均出力値が所定範囲内に収まっていないと判定した場合、水平OB部への光漏れが発生していると判断する。この場合、アナログ信号処理回路15は、特許文献2の図7に示すように、有効画素部から離れているブロック(1)、(2)の領域の平均出力値をもってダークレベルとして水平OBクランプを行う。
特開平9−247552号公報
特開2007−158830号公報
特許文献1の技術では、コンパレータ104が受けた信号がVc’より大きいか否かにより光漏れが発生したか否かを判断しているので、光漏れが発生したことを正確に検出できない可能性がある。例えば、シェーディングなど他の原因で遮光画素部から出力された信号レベルが変化する場合にも、光漏れが発生していると判断してしまう可能性がある。
特許文献2の技術では、水平OB部における出力レベルが有効画素部からの距離に応じて変化していることを検出し、その検出結果に応じて、有効画素部から水平OB部への光漏れが発生しているか否かを判断している。この場合、水平OB部における水平方向に配列されるOB画素の数を多くする必要がある。これにより、チップサイズが必要以上に大きくなるので、撮像素子の製造コストが増大する可能性がある。
本発明の目的は、光漏れが発生したことを検出する際の検出精度を向上しながら、撮像センサのチップサイズを低減することにある。
本発明の第1側面に係る撮像センサは、遮光されていない有効画素が行方向及び列方向に複数配列された有効領域と、前記有効領域に対して少なくとも行方向に隣接した領域であって遮光されたOB画素が複数配列されたOB領域とを有する画素配列を備え、前記OB領域には、光電変換部を含む第1のOB画素と、光電変換部を含まない、又は、光電変換部を含み光電変換部で蓄積された信号を出力しない第2のOB画素とが列方向に予め決められた周期で交互に繰り返し配列されていることを特徴とする。
本発明の第2側面に係る撮像装置は、本発明の第1側面に係る撮像センサと、前記有効領域における複数の前記有効画素から出力された信号を補正する補正手段と、列方向に隣接する前記第1のOB画素及び前記第2のOB画素からそれぞれ出力された第1のOB信号及び第2のOB信号を受けて、前記第1のOB信号のレベルと前記第2のOB信号のレベルとの差の絶対値が閾値より大きいか否かを判定し、判定した結果に応じて、前記補正手段による補正方法を変更するように前記補正手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、光漏れが発生したことを検出する際の検出精度を向上でき、撮像センサのチップサイズを低減することができる。
本発明者は、OB領域に、光電変換部を含む第1のOB画素が用いられる場合と、光電変換部を含まない第2のOB画素が用いられる場合とがあることに着目した。光電変換部は、例えば、フォトダイオードである。
第1のOB画素は、OB領域の構成画素として一般に多く用いられている。
第2のOB画素は、その信号出力に、光電変換部において発生する暗電流成分が含まれない。
ここで、第1のOB画素の出力と第2のOB画素の出力とを比較することで、撮影した環境下での暗電流量を見積もることができると考えられる。また、第2のOB画素の出力では、暗電流起因のキズが存在せず、ノイズ成分も含まれない。このため、第2のOB画素の出力は、画素以外が発生源のノイズ成分の補正に有効に使用できると考えられる。
但し、第2のOB画素の出力と、有効画素及び第1のOB画素の暗電流を含む出力とには、差が発生する。このため、暗電流の増加が考えられる高温等の環境下では、第2のOB画素の出力によるOBクランプ動作を有効画素のダークレベルの基準として使用するのは困難である。このことから、OB領域に、第1のOB画素のみを配することが考えられる。
あるいは、図14に示すように、OB領域において、有効領域に隣接した位置に第1のOB画素が配列された第1のOB部を配し、有効領域に対して第1のOB部の外周に第2のOB画素が配列された第2のOB部を配することも考えられる。水平OB部は、図14に破線で示すように、第1のOB部における有効領域に対して行方向に隣接した部分である。
図14に示すように第1のOB部及び第2のOB部を設けた場合、OB領域の幅が広くなる。これにより、チップサイズが必要以上に大きくなるので、撮像素子の製造コストが増大する可能性がある。
次に、本発明の第1実施形態に係る撮像装置100を、図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置100の構成を示す図である。
101は、レンズおよび絞りからなる光学系である。102は、メカニカルシャッタ(以後、メカシャッタと称する)である。
103は、入射光を電気信号に変換する撮像センサである。撮像センサ103は、画素配列(撮像面)に形成された被写体の像を画像信号に変換して出力する。画素配列には、後述するように、複数の画素が配列されている。複数の画素のそれぞれは、所定の蓄積時間で電荷(信号)の蓄積動作を行う。
104は、撮像センサ103から出力される画像信号に対して、相関二重積分サンプリング(CDS)処理、信号増幅処理、及びA/D変換処理などのアナログ信号処理を行うアナログ信号処理回路である。
110は、撮像センサ103およびアナログ信号処理回路104を動作させる信号を発生するタイミング信号発生回路である。111は、光学系101およびメカニカルシャッタ102および撮像センサ103を駆動させる為の駆動回路である。112は、撮影した画像データに対して、後述するOBクランプ処理(OB補正処理)などのデジタル信号処理を行うデジタル信号処理回路である。113は、信号処理された画像データを記憶する画像メモリである。114は、撮像装置から取り外し可能な画像記録媒体(記録媒体と図示する)である。115は、信号処理された画像データを画像記録媒体114に記録する記録回路である。116は、信号処理された画像データを表示する画像表示装置である。117は、画像表示装置116に画像を表示する表示回路である。118は、撮像装置全体を制御するシステム制御部である。119は、不揮発性メモリ(ROM)であり、システム制御部118で実行される制御方法を記載したプログラムやプログラムを実行する際に使用されるパラメータやテーブル等の制御データおよびキズアドレス等の補正データを記憶するものである。120は、揮発性メモリ(RAM)であり、不揮発性メモリ119に記憶されたプログラム、制御データおよび補正データを転送して記憶しておき、システム制御部118は、撮像装置を制御する際に使用するように構成されている。
また、121は、撮像センサ103あるいはその周辺回路の温度を検出する温度検出回路である。122は、撮像センサ103の蓄積時間を設定する蓄積時間設定部である。123は、撮影モード設定部であり、ISO感度設定などの撮影条件設定や、静止画撮影と動画撮影の切り替えなどを行うものである。
次に、撮像装置100を用いた撮影動作について説明する。
撮影動作に先立ち、システム制御部118は、撮像装置の電源投入時等の動作開始時において、不揮発性メモリ119から必要なプログラム、制御データおよび補正データを揮発性メモリ120に転送して記憶しておく。システム制御部118は、これらのプログラムやデータを、撮像装置を制御する際に使用する。また、システム制御部118は、追加のプログラムやデータを、必要に応じて、不揮発性メモリ119から揮発性メモリ120に転送したり、直接不揮発性メモリ119内のデータを読み出して使用したりする。
システム制御部118が撮影動作を開始すると、光学系101は、システム制御部118からの制御信号により、絞りとレンズを駆動して、適切な明るさに設定された被写体像を撮像センサ103上に結像させる。
メカニカルシャッタ102は、静止画像撮影時において、システム制御部118からの制御信号により、必要な露光時間となるように撮像センサ103の動作に合わせて撮像センサ103を遮光するように駆動される。メカニカルシャッタ102は、動画像撮影時において、システム制御部118からの制御信号により、撮影中常に撮像センサ103を露光するように、開放状態に維持される。撮像センサ103は、システム制御部118により制御されるタイミング信号発生回路110が発生する動作パルスをもとにした駆動パルスで駆動され、被写体像を光電変換により電気信号に変換してアナログ画像信号として出力する。アナログ信号処理回路104は、撮像センサ103から出力されたアナログの画像信号に対して、相関二重サンプリングでクロック同期性ノイズを除去し、信号増幅を行い、A/D変換してデジタル画像信号へ変換する。
システム制御部118により制御されるデジタル信号処理回路112は、アナログ信号処理回路104からのデジタル画像信号を受けて、後述する図4〜図8のシーケンスに従ったOBクランプ処理(OB補正処理)を行う。デジタル信号処理回路112は、画像信号にデジタル的に基準レベル(基準信号)のクランプをかけ、クランプされたデジタル画像信号に対して、色変換、ホワイトバランス、ガンマ補正等の画像処理、解像度変換処理、画像圧縮処理等を行う。
画像メモリ113は、信号処理中のデジタル画像信号を一時的に記憶したり、信号処理されたデジタル画像信号である画像データを記憶したりするために用いられる。
記録回路115は、デジタル信号処理回路112で信号処理された画像データや画像メモリ113に記憶されている画像データを、画像記録媒体114に適したデータ(例えば階層構造を持つファイルシステムデータ)に変換して画像記録媒体114に記録する。
表示回路117は、デジタル信号処理回路112で信号処理された画像データや画像メモリ113に記憶されている画像データに対して、デジタル信号処理回路112で解像度変換処理を実施させる。表示回路117は、デジタル信号処理回路112で解像度変換処理を実施された画像データを、画像表示装置116に適した信号(例えばNTSC方式のアナログ信号等)に変換して画像表示装置116に表示する。
ここで、デジタル信号処理回路112は、システム制御部118からの制御信号により信号処理をせずにデジタル画像信号をそのまま画像データとして、画像メモリ113や記録回路115に出力してもよい。また、デジタル信号処理回路112は、システム制御部118から要求があった場合に、信号処理の過程で生じたデジタル画像信号や画像データの情報をシステム制御部118に出力する。画像データの情報は、例えば、画像の空間周波数、指定領域の平均値、圧縮画像のデータ量等の情報、あるいは、それらから抽出された情報である。さらに、記録回路115は、システム制御部118から要求があった場合に、画像記録媒体114の種類や空き容量等の情報をシステム制御部118に出力する。
次に、撮像装置100を用いた、画像記録媒体114に記録された画像の再生動作について説明する。
システム制御部118からの制御信号により記録回路115は、画像記録媒体114から画像データを読み出す。
システム制御部118からの制御信号によりデジタル信号処理回路112は、画像データが圧縮画像であった場合、画像伸長処理を行い、画像メモリ113に記憶する。画像メモリ113に記憶されている画像データは、デジタル信号処理回路112で解像度変換処理を実施された後、表示回路117において画像表示装置116に適した信号に変換されて、画像表示装置116に表示される。
次に、本発明の第1実施形態における撮像センサ103を、図2を用いて説明する。図2は、本発明の第1実施形態における撮像センサ103の構成を示す図である。
撮像センサ103は、画素配列PA、垂直走査回路77(図8参照)、S−N回路ブロック75(図8参照)、水平走査回路76、及び出力アンプ74を備える。画素配列PAは、有効領域205及びOB領域207を含む。
有効領域205には、遮光されていない有効画素が行方向及び列方向に複数配列されている。
OB領域207は、有効領域205に対して少なくとも行方向に隣接した領域である。すなわち、OB領域207は、水平OBクランプを行うための水平クランプ領域206を含む領域である。OB領域207には、アルミニウムを主成分とする遮光膜により遮光されたOB画素が複数配列されている。
OB領域207は、第1の垂直OB部201、第2の垂直OB部202、第1の水平OB部203、及び第2の水平OB部204を含む。
第1の垂直OB部201及び第1の水平OB部203には、第1のOB画素が配されている。第1のOB画素は、光電変換部を含む。光電変換部は、例えば、フォトダイオードである。第1のOB画素は、有効領域205に配された有効画素と同様の構造をしている。
また、第1の垂直OB部201及び第1の水平OB部203は、行方向に延びている。すなわち、OB領域207には、複数の第1のOB画素が行方向に配列されている。
第2の垂直OB部202及び第2の水平OB部204には、第2のOB画素が配されている。第2のOB画素は、光電変換部を含まない。又は、第2のOB画素は、光電変換部で蓄積された信号を後述する列信号線へ出力しないように構成されている。
また、第2の垂直OB部202及び第2の水平OB部204は、行方向に延びている。すなわち、OB領域207には、複数の第2のOB画素が行方向に配列されている。
第1の水平OB部203および第2の水平OB部204は、列方向に所定周期毎に交互に配置されている。すなわち、OB領域207には、第1のOB画素と第2のOB画素とが列方向に予め決められた周期で交互に繰り返し配列されている。(本実施形態においては、1行毎に交互に配置されているものとする。)
垂直走査回路77は、画素配列PAを垂直方向(列方向)に走査することにより、画素配列PAにおける読み出し行を選択するとともに、その読み出し行の各画素を駆動する。
垂直走査回路77は、画素配列PAを垂直方向(列方向)に走査することにより、画素配列PAにおける読み出し行を選択するとともに、その読み出し行の各画素を駆動する。
S−N回路ブロック75は、読み出し行から出力された信号を一時的に保持し、水平走査回路76による走査に応じて保持した信号を出力アンプ74へ転送する。
水平走査回路76は、S−N回路ブロック75におけるS−N回路75(1)〜75(M)を水平方向(行方向)に走査することにより、S−N回路ブロック75に保持された各列の信号が順次に出力アンプ74へ転送されるようにする。
出力アンプ74は、転送された信号に基づいて画像信号を生成してアナログ信号処理回路104(図1参照)へ出力する。
次に、有効画素及び第1のOB画素の構成を、図3を用いて説明する。図3は、有効画素及び第1のOB画素の構成を示す図である。以下では、有効画素及び第1のOB画素を単に画素60として説明する。
画素60は、光電変換部61、転送部65、電荷電圧変換部64、リセット部68、出力部69、及び選択部66を含む。
光電変換部61は、光に応じた電荷(信号)を発生させて蓄積する蓄積動作を行う。光電変換部61は、例えば、フォトダイオードである。有効画素では、光電変換部61が遮光されていない。第1のOB画素では、光電変換部61が遮光されている。
転送部65は、光電変換部61の電荷を電荷電圧変換部64へ転送する。転送部65は、例えば、転送トランジスタ(転送スイッチ)であり、垂直走査回路77からアクティブな転送制御信号φTXがゲートに供給された際にオンすることにより、光電変換部61の電荷を電荷電圧変換部64へ転送する。
電荷電圧変換部64は、転送された電荷を電圧に変換する。電荷電圧変換部64は、例えば、フローティングディフュージョンである。
リセット部68は、電荷電圧変換部64をリセットする。リセット部68は、例えば、リセットトランジスタであり、垂直走査回路77からアクティブなリセット制御信号φRESがゲートに供給された際にオンすることにより、電荷電圧変換部64をリセットする。
出力部69は、電荷電圧変換部64の電圧に応じた信号を列信号線67へ出力する。出力部69は、例えば、増幅トランジスタであり、列信号線67に接続された定電流源(図示せず)とともにソースフォロワ動作を行うことにより、電荷電圧変換部64の電圧に応じた信号を列信号線67へ出力する。すなわち、出力部69は、リセット部68により電荷電圧変換部64がリセットされた状態で、電荷電圧変換部64の電圧に応じたノイズ信号を列信号線67へ出力する。出力部69は、転送部65により光電変換部61の電荷が電荷電圧変換部64へ転送された状態で、電荷電圧変換部64の電圧に応じた光信号を列信号線67へ出力する。
選択部66は、画素60を選択状態/非選択状態にする。選択部66は、例えば、選択トランジスタであり、垂直走査回路77からアクティブな選択制御信号φSELがゲートに供給された際にオンすることにより、画素60を選択状態にする。選択部66は、垂直走査回路77からノンアクティブな選択制御信号φSELがゲートに供給された際にオフすることにより、画素60を非選択状態にする。
次に、第2のOB画素の構成を、図3を用いて説明する。
第2のOB画素は、光電変換部を含まない場合、図3における光電変換部61が省かれた構成になる。
第2のOB画素は、光電変換部で蓄積された信号を後述する列信号線へ出力しないように構成されている場合、図3における転送部65が省かれた構成であっても良い。あるいは、第2のOB画素は、図3における転送部(転送トランジスタ)65が常にオフするようにゲートが固定電位に接続されていても良い。
次に、本発明の第1実施形態に係る撮像装置100の動作を、図4〜図6を用いて説明する。図4〜図6は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置100の動作を示すフローチャートである。
図4は、本実施形態において、水平OBクランプを用いて黒階調の基準レベル(ダークレベル、基準信号)へのクランプを行う構成の撮像装置における撮像シーケンスを示すフローチャートである。
ステップS101において、システム制御部118は、ユーザから入力部(図示せず)を介して撮影開始を指示する指令を受け、タイミング信号発生回路110を介して撮像センサ103の有効領域における各画素の信号の蓄積動作を開始させる。具体的には、各画素において、リセット部による光電変換部のリセット動作を完了させる。
ステップS102において、システム制御部118は、メカニカルシャッタ102を所定の蓄積時間だけ開いた後閉じる。これによって撮像センサ103の画素配列PAは、を所定の蓄積時間だけ露光する。
ステップS103において、撮像センサ103の有効領域における各画素の信号の蓄積動作を終了させる。具体的には、第2のOB画素を除く各画素において、転送部により光電変換部の電荷(信号)を電荷電圧変換部へ転送させる。
ステップS104において、デジタル信号処理回路112は、撮像センサ103におけるOB領域207(特に、水平クランプ領域206)の各行から読み出されて撮像センサ103から出力された信号を受ける。すなわち、デジタル信号処理回路112は、列方向に隣接する第1のOB画素及び第2のOB画素からそれぞれ出力された第1のOB信号及び第2のOB信号を受ける。
ステップS105において、デジタル信号処理回路112における制御部(図示せず)は、第1のOB信号のレベルと第2のOB信号のレベルとの差が閾値より大きいか否かを判定する。デジタル信号処理回路112は、判定した結果に応じて、有効領域からOB領域(水平クランプ領域)への光漏れを検出する。
ステップS106において、デジタル信号処理回路112における補正部(図示せず)は、ステップS105においての検出結果に基づいて、水平OBクランプに使用する基準レベル(基準信号)を設定する。すなわち、制御部は、判定した結果に応じて、補正部によるOB補正方法を変更するように補正部を制御する。
ステップS107において、デジタル信号処理回路112は、撮像センサ103における有効領域の各行から読み出されて撮像センサ103から出力された信号(画像信号)を受けて、受けた信号に対して所定のデジタル信号処理を行う。例えば、デジタル信号処理回路112(における補正部)は、受けた画像信号に対して、補正部により設定された基準レベル(基準信号)を用いてOBクランプ処理を行う。すなわち、デジタル信号処理回路112は、撮像センサ103の有効領域205における複数の有効画素から出力された信号を補正するOB補正処理を行う。
ステップS108において、デジタル信号処理回路112は、アナログ信号処理が完了したら、その行の信号が撮像センサ103の有効領域における最終行の信号であるかを判定する。デジタル信号処理回路112は、この判定の結果、最終行であると判定した場合、一連の撮像シーケンスを終了し、最終行でないと判定した場合、処理をステップS104に戻す。
図5は、図4のステップS105における水平OB部への光漏れの有無を検出するシーケンスのフローチャートである。
ステップS201において、デジタル信号処理回路112は、OB領域における設定行(水平クランプ領域)のOB画素から出力された信号のサンプリング動作を行う。
ステップS202において、デジタル信号処理回路112は、サンプリング行が第1の水平OB部203であるか第2の水平OB部204(図2参照)であるか否かを判断する。デジタル信号処理回路112は、サンプリング行が第1の水平OB部であると判断した場合、処理をステップS203へ進め、サンプリング行が第1の水平OB部でない(第2の水平OB部である)と判断した場合、処理をステップS204へ進める。
ステップS203において、デジタル信号処理回路112は、第1の水平OB部のサンプリング結果hob1(第1のOB信号)を記憶する。
ステップS204において、デジタル信号処理回路112は、第2の水平OB部のサンプリング結果hob2(第2のOB信号)を記憶する。
ステップS205において、デジタル信号処理回路112は、ステップS203において記憶された第1のOB信号hob1とステップS204において記憶された第2のOB信号hob2との差の絶対値を比較する。制御部は、その差の絶対値が閾値THより大きいと判定した場合、処理をステップS206へ進め、その差の絶対値が閾値TH以下(閾値以下)であると判定した場合、処理をステップS207へ進める。
ステップS206において、デジタル信号処理回路112は、有効領域からOB領域への光漏れがあると判断し、OB光漏れフラグに“1”を設定する。
ステップS207において、デジタル信号処理回路112は、有効領域からOB領域への光漏れがない(影響ないレベル)と判断し、OB光漏れフラグに“0”を設定する。
本設定(OB光漏れフラグの設定)終了後、図4のシーケンスに戻る。
図6は、図4のステップS106におけるOBクランプレベルの設定手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS401において、デジタル信号処理回路112は、OBクランプレベル設定ルーチンの開始に伴い、まず図5ステップS206もしくはステップS207において設定したOB光漏れフラグの状態を確認する。制御部は、光漏れフラグが“0”だった場合、光漏れがないとして処理をステップS402へ進め、光漏れフラグが“1”だった場合、光漏れがあるとして処理をステップS403へ進める。
ステップS402において、デジタル信号処理回路112は、クランプ値clump1をクランプ値として補正部に設定する。クランプ値clump1は、同一行の第1のOB領域で求められた(観測行が第2のOB領域である場合は直前の第1のOB領域で求められた)クランプ制御電圧である。その後、制御部は、OBクランプレベル設定ルーチンを終了する。
ステップS403において、デジタル信号処理回路112は、クランプ値clump2をクランプ値として補正部に設定する。クランプ値clump2は、一つ前に設定されていたクランプ制御電圧(直前に受けた第1のOB信号)、又は、予め設定した固定値(参照信号)である。その後、制御部は、OBクランプレベル設定ルーチンを終了する。
図7は、図5及び図6の光漏れ検出ならびにクランプレベル(クランプ制御電圧)設定の一例を示す図である。
図7(a)に示す高輝度部HIにおいて、有効領域からOB領域への光漏れが発生している場合を考える。
この場合、第1の水平OB部のサンプリング結果(第1のOB信号)hob1のレベルと、第2の水平OB部のサンプリング結果(第2のOB信号)hob2のレベルとは、図7(b)の「OB領域のサンプリング結果」として示したようになる。図7(b)において、高輝度部HIに対応した高輝度領域をRHIで示してある。図7(b)に示すように、高輝度領域RHIでは、第1のOB信号hob1のレベルが持ち上がっているのに対して、第2のOB信号hob2のレベルが持ち上がっていない。これにより、光漏れが発生した場合、第1の水平OB部のサンプリング結果(第1のOB信号)hob1のみに光漏れの影響が生じることが分かる。
高輝度領域RHIの近傍における第1のOB信号hob1のレベルと第2のOB信号hob2のレベルとの差の絶対値を示したものが図7(c)である。図7(c)に示すように、高輝度領域RHIでは、その差の絶対値が閾値THより大きいのに対し、高輝度領域RHIの周辺では、その差の絶対値が閾値TH以下になっている。これにより、光漏れが発生した場合、第1の水平OB部のサンプリング結果(第1のOB信号)hob1のみに光漏れの影響が生じるため、第2の水平OB部のサンプリング結果(第2のOB信号)hob2との出力差が大きくなることが分かる。すなわち、第1のOB信号hob1のレベルと第2のOB信号hob2のレベルとの差の絶対値が閾値THより大きいか否かを判定することにより、有効領域からOB領域への光漏れが発生しているか否かを判断できることが分かる。
第1のOB信号hob1のレベルと第2のOB信号hob2のレベルとの差の絶対値が閾値THより大きくなった場合に、一つ前に設定されていたクランプ制御電圧であるクランプ値を代用して、有効画素の信号に対してOB補正を行う。このOB補正により、図7(d)の示す有効画素の信号が得られる。
従来であれば、図7(d)に破線で示されるように、有効領域からOB領域への光漏れが発生して、OB領域の出力が浮いた分を無理に基準レベル(基準信号)としてOB補正を行うため、高輝度領域RHIにおいて有効画素の信号の沈みが発生する。
本実施形態によれば、図7(d)に実線で示されるように、有効領域からOB領域への光漏れが発生した場合に、直前に受けた第1のOB信号hob1又は参照信号を基準信号として有効画素から出力された信号をOB補正する。これにより、高輝度領域RHIにおいて有効画素の信号の沈みが発生することを回避でき、OB補正の精度を向上できる。
なお、第2の水平OB部でサンプリングする行のクランプ制御電圧を一つ前に設定されたクランプ制御電圧に設定するのは、正常動作における隣接行間でシェーディング量が極端に変化することは極めて少ないためである。このため、一つ前に設定されたクランプ制御電圧を使用することによって極端に画質劣化することはない。
このように、第1のOB画素と第2のOB画素とが列方向に所定の周期(例えば、1列)で交互に繰り返し配列されたOB領域において列方向に隣接する第1のOB画素及び第2のOB画素からそれぞれ出力された第1のOB信号及び第2のOB信号を得る。そして、その第1のOB信号及び第2のOB信号の差の絶対値が閾値より大きいか否かを判定することにより、有効領域からOB領域への光漏れが発生したことを正確に検出することができる。また、このような検出を、水平クランプ処理を行うための水平クランプ領域の幅を狭くした場合にもおこなうことができる。すなわち、光漏れが発生したことを検出する際の検出精度を向上でき、撮像センサのチップサイズを低減することができる。
なお、上記の実施形態では、第1のOB信号hob1と第2のOB信号hob2との差の絶対値を直接、閾値THと比較し、すぐにクランプ設定を変更しているが、本発明はそれに特化したものではない。例えば、数回(数行)のデータ比較によるフィルタリングを含んだ切り替えや、変更に対するヒステリシスを持たせる等を行なうことも何ら問題ではない。
また、図5のステップS205において用いる閾値THはひとつの値として説明しているが、本発明はそれに特化したものではなく、実際には、温度等に応じて閾値THを変更することは何ら問題ない。
さらに、上記の実施形態のシーケンスでは、常に第1の水平OB部のサンプリング結果(第1のOB信号)と第2の水平OB部のサンプリング結果(第2のOB信号)との比較を行なうように説明しているが、本発明はそれに特化したものではない。例えば、撮像センサ103の温度が所定温度よりも高温であった場合等、暗電流の影響を受け、正確な比較を行なうことが困難な為、比較を行なわない等のシーケンスがあったとしても何ら問題ない。
本発明の第2実施形態に係る撮像装置100iにおける撮像センサ103iを、図8を用いて説明する。図8は、本発明の第2実施形態における撮像センサ103iの構成を示す図である。以下では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
撮像センサ103iは、画素配列PAi及び垂直走査回路(駆動部)77iを備える。画素配列PAiは、OB領域207iを有する。
OB領域207iでは、第1の水平OB部203と第2の水平OB部204iとが列方向に所定の周期で交互に繰り返し配列されている。
第1の水平OB部203には、複数の第1のOB画素が配列されている。この点は、第1実施形態と同様である。第1のOB画素は、光電変換部61(図3参照)を含み、光電変換部61で蓄積された信号を出力するように垂直走査回路77iにより駆動される。この点も、第1実施形態と同様である。
第2の水平OB部204iには、複数の第2のOB画素が配列されている。第2のOB画素は、光電変換部61(図3参照)を含み、光電変換部61で蓄積された信号を出力しないように垂直走査回路77iにより駆動される。
すなわち、第1のOB画素と第2のOB画素とは、画素構造的な差異がなく、制御として光の影響を受けないようにされる。画素配列PAiでは、図3で説明済みの単位画素(1画素)60がマトリックス上に配置〔画素60(1−1)〜60(n−m)〕される構成となっている。
垂直走査回路77iの基準となる信号はタイミング信号発生回路110より送られてくるTGsig信号である。垂直走査回路77iは、第1のOB画素の転送部65へ転送制御信号TX1を供給して、光電変換部で蓄積された信号を出力するように第1のOB画素を駆動する。垂直走査回路77iは、第2のOB画素の転送部65へ転送制御信号TX2を供給して、光電変換部で蓄積された信号を出力しないように第2のOB画素を駆動する。
また、本発明の第2実施形態における撮像センサ103iの動作が、図9に示すように、次の点で第1実施形態と異なる。図9は、図8の撮像センサの動作を示すタイミングチャートである。図9では、本来異なる行である第1のOB画素及び第2のOB画素へそれぞれ供給する転送制御信号TX1及びTX2を、説明の便宜上、同じn行目の画素へ供給するための信号TX1(n)及びTX2(n)としている。以下では、本来異なる行である第1のOB画素及び第2のOB画素を、説明の便宜上、同じn行目(n行目は例えば1行目)の画素であるとして説明する。
T0において、垂直走査回路77iは、φRES(n)、φTX1(n)、φTX2(n)をアクティブにして、第1のOB画素及び第2のOB画素へ供給する。これにより、第1のOB画素及び第2のOB画素において、光電変換部61および電荷電圧変換部64がリセットされる。
T1において、垂直走査回路77iは、φRES(n)、φTX1(n)、φTX2(n)をノンアクティブにして、第1のOB画素及び第2のOB画素へ供給する。これにより、第1のOB画素及び第2のOB画素において、光電変換部61および電荷電圧変換部64のリセットが完了する。このタイミングから、第1のOB画素及び第2のOB画素において、光電変換部61が信号の蓄積動作を開始する。
T2において、垂直走査回路77iは、φRES(n)をアクティブにして、第1のOB画素及び第2のOB画素へ供給する。これにより、第1のOB画素及び第2のOB画素において、電荷電圧変換部64が再びリセットされる。
T3において、垂直走査回路77iは、φRES(n)をノンアクティブにして、第1のOB画素及び第2のOB画素へ供給する。これにより、第1のOB画素及び第2のOB画素において、電荷電圧変換部64のリセットが完了する。すなわち、T2−T3間において、蓄積動作中に電荷電圧変換部64に残留していた暗電流電荷をリセットした状態とする。
T4において、垂直走査回路77iは、φSEL(n)をアクティブにして、第1のOB画素及び第2のOB画素へ供給する。これにより、第1のOB画素及び第2のOB画素が選択状態になる。第1のOB画素及び第2のOB画素において、出力部69が、電荷電圧変換部64の電圧に応じたノイズ信号を列信号線67へ出力しはじめる。
T5−T6間において、垂直走査回路77iは、φPTN(n)をアクティブにして、S−N回路ブロック75へ供給する。これにより、S−N回路ブロック75は、列信号線67へ出力されたノイズ信号を受けて保持する。
T7−T8間において、垂直走査回路77iは、φTX1(n)をアクティブにして、第1のOB画素へ供給する。これにより、第1のOB画素において、光電変換部61に蓄積された信号が電荷電圧変換部64へ転送される。すなわち、T1−T7間が第1のOB画素が信号を蓄積するための蓄積期間となる。そして、第1のOB画素における出力部69が、電荷電圧変換部64の電圧に応じた光信号を列信号線67へ出力しはじめる。
一方、垂直走査回路77iは、φTX2は(n)をノンアクティブにしたまま第2のOB画素へ供給する。これにより、第2のOB画素において、光電変換部61に蓄積された信号が電荷電圧変換部64へ転送されない。このように、垂直走査回路77iは、第2のOB画素の転送部65へ転送制御信号TX2を供給して、光電変換部で蓄積された信号を出力しないように第2のOB画素を駆動する。
T8−T9間において、垂直走査回路77iは、φPTS(n)をアクティブにして、S−N回路ブロック75へ供給する。これにより、S−N回路ブロック75は、第1のOB画素から列信号線67へ出力された光信号を受けて保持する。
一方、第2のOB画素から列信号線67へ光信号は出力されないので、S−N回路ブロック75は、第2のOB画素の信号を受けない。
つまり、第1のOB画素と第2のOB画素とは、T7−T8間において異なる制御が行なわれることにより、T8−T9間においてS−N回路ブロック75へ読み出される信号が異なることになる。
T10において、垂直走査回路77iは、φSELa(n)をノンアクティブにして、第1のOB画素及び第2のOB画素へ供給する。これにより、第1のOB画素及び第2のOB画素が非選択状態になる。
以上が第1の出力に対する水平方向一列分の蓄積−読み出し動作の一例であり、同様に、次の対象行がφRES(n+1)、φTX1(n+1)、φTX2(n+1)、φSEL(n+1)、φPTN(n+1)、φPTS(n+1)のように行なわれる。
このように、第2のOB画素から光信号が出力されないように制御するので、第2のOB画素を第1実施形態における第2のOB画素と同様に機能させることができる。
なお、本発明の第1実施形態又は第2実施形態では、OB領域において、第1のOB画素と第2のOB画素(又は第2のOB画素)とが列方向に交互に繰り返し配列される周期が、同一である場合を説明している。しかし、全て同様の周期で配列することが理想的でない部分も存在することがある。
そこで、図10に示すように、撮像センサのOB領域内の第1のOB画素と第2のOB画素(又は第2のOB画素)との列方向における配置周期を、OB領域内での位置に応じて変更してもよい。
図10に示すように、垂直OB部VOBにおける一部の領域に、第2のOB画素が配される第2の垂直OB部202を配し、垂直OB部VOBにおける残りの大部分の領域に、第1のOB画素が配される第1の垂直OB部201を配している。
これは、垂直OB部VOBを走査している期間では、水平OB部HOBにおける開始行(有効領域の開始行)を走査するまでにクランプした基準レベル(基準信号)を安定させる為に、多くの行数でクランプ動作を行ないたいとの要求がある。この要求を満たすため、垂直OB部VOBでは、実質的にクランプ制御電圧を変化させない第2のOB画素の行を少なくし、クランプ制御電圧を変化させるための第1のOB画素の行を多く確保している。これにより、垂直OB部VOBを走査している期間において、クランプ処理の基準レベル(基準信号)を安定しやすくしている。
すなわち、水平OB部HOBと垂直OB部VOBとで、第1のOB画素と第2のOB画素(又は第2のOB画素)との列方向で交互に配列する周期を異ならせているものである。
あるいは、図11に示すように、光漏れの影響は、基本的に、有効領域からの光がOB領域との境界からOB領域へ漏れこむため、影響低減を考え、光信号を抑止する画素である第2のOB画素を有効領域に隣接する境界部分に配置してもよい。
例えば、垂直OB部VOBにおける有効領域205に近接する境界部分に第2の垂直OB部202を配する。例えば、水平OB部HOBにおける水平クランプ領域206外であって水平OB部HOBにおける有効領域205に近接する境界部分に第2の水平OB部204を配する。
また、本発明の第1実施形態又は第2実施形態では、デジタル信号処理回路112内におけるデジタル信号処理によるクランプ動作を例に挙げているが、本発明はそれに特化したものではない。例えば、前段のアナログ信号処理回路104に水平OBクランプ回路を備え、フィードバックを加える方法も可能である。図12は、本発明の第1実施形態又は第2実施形態の変形例におけるアナログ信号処理回路104の内部構成を示す図である。
アナログ信号処理回路104は、図12に示すように、CDS回路105、信号増幅器(以後PGAと称する)106、コンデンサ301、クランプ回路107、A/D変換器108、判定部303、及びクランプ電圧生成回路302を含む。
CDS回路105は、撮像センサ103から出力された画像信号(アナログ信号)を受けて、受けた画像信号に対して相関二重サンプリングを行う。
PGA106は、CDS回路105から出力された画像信号を受けて、受けた画像信号(アナログ信号)に対して増幅処理を行う。
クランプ回路107は、PGA106から出力されコンデンサ301を介して伝達された画像信号を受ける。クランプ回路107は、受けた画像信号に対して、クランプ電圧生成回路302により設定された基準レベル(基準信号)を用いて、水平OBクランプ処理をおこなう。
A/D変換器108は、クランプ回路107から出力された画像信号に対して、A/D変換処理を行う。A/D変換器108は、処理後の画像信号(デジタル信号)をデジタル信号処理回路112(図1参照)及び判定部303へ出力する。
判定部(制御手段)303は、A/D変換器108から出力された信号を受けて、有効領域からOB領域への光漏れが発生しているか否かを判定する。判定部303は、メモリ304及び比較回路305を含む。
具体的には、メモリ304は、列方向に隣接する第1のOB画素及び第2のOB画素からそれぞれ出力された第1のOB信号及び第2のOB信号を受けて一時的に記憶する。比較回路305は、第1のOB信号のレベルと第2のOB信号のレベルとの差の絶対値が閾値より大きいか否かを判定する。比較回路305は、その判定した結果に応じて、クランプ電圧生成回路(補正手段)302及びクランプ回路(補正手段)107による補正方法を変更するようにクランプ電圧生成回路302を制御する。
さらに具体的には、比較回路305は、第1のOB信号のレベルと第2のOB信号のレベルとの差の絶対値が閾値以下であると判定した場合、第1のOB信号を基準信号として有効画素から出力された信号を補正するようにクランプ電圧生成回路302を制御する。比較回路305は、第1のOB信号のレベルと第2のOB信号のレベルとの差の絶対値が閾値より大きいと判定した場合、直前に受けた第1のOB信号を基準信号として有効画素から出力された信号を補正するようにクランプ電圧生成回路302を制御する。あるいは、比較回路305は、第1のOB信号のレベルと第2のOB信号のレベルとの差の絶対値が閾値より大きいと判定した場合、参照信号を基準信号として有効画素から出力された信号を補正するようにクランプ電圧生成回路302を制御する。
次に、図12を用いて、アナログ垂直シェーディング補正動作であるところの水平OBクランプ動作について説明する。
撮像センサ103より出力された画像信号は、アナログ信号処理回路104に入力される。アナログ信号処理回路104に入力された画像信号は、CDS回路105にてサンプルホールドされ、PGA106にて所定のゲインがかけられる。そしてPGA106から出力された画像信号は、コンデンサ301を通すことによって直流分が除去された交流的な画像信号になってクランプ回路107に入力される。
クランプ回路107に入力された画像信号はクランプ回路107において、クランプ電圧生成回路302から出力されたクランプ制御電圧でクランプされる。
クランプされた画像信号は、A/D変換器108に入力されてデジタル信号に変換され、その後、画像信号の一方に対してはアナログ信号処理回路104の出力信号として出力され、他方は判定部303のメモリ304へ入力される。
メモリ304は送られたデジタル信号を記憶し、所定の比較タイミングで観測行と比較行(1行前のデータ)を比較回路305へ送る。比較回路305はメモリ304に記憶されている1行前のデジタル信号レベルと観測行のデジタル信号レベルを比較し、判定結果により、クランプ電圧生成回路302へ所望のクランプ制御電圧値を送る。
(なお、判定部303の判定完了までのクランプ電圧については、比較する為に所定値が設定されているものとする。また、第2の水平OB部の行においては、基本的に、直前の第1のOB領域時に設定されたクランプ制御電圧を記憶して使用する。)
判定部303から送られたクランプ制御電圧値に基づいて、クランプ電圧生成回路302がクランプ電圧を生成し、クランプ回路107へのクランプレベルのフィードバックをかけることが出来る。
判定部303から送られたクランプ制御電圧値に基づいて、クランプ電圧生成回路302がクランプ電圧を生成し、クランプ回路107へのクランプレベルのフィードバックをかけることが出来る。
以上のように、アナログ信号処理回路104に判定機能をもたせることで、デジタル処理回路によるクランプを行なわなくても、同様の効果を得ることができる。
100、100i 撮像装置
103、103i 撮像センサ
103、103i 撮像センサ
Claims (8)
- 遮光されていない有効画素が行方向及び列方向に複数配列された有効領域と、前記有効領域に対して少なくとも行方向に隣接した領域であって遮光されたOB画素が複数配列されたOB領域とを有する画素配列を備え、
前記OB領域には、
光電変換部を含み光電変換部で蓄積された信号を出力する第1のOB画素と、
光電変換部を含まない、又は、光電変換部を含み光電変換部で蓄積された信号を出力しない第2のOB画素と、
が列方向に予め決められた周期で交互に繰り返し配列されている
ことを特徴とする撮像センサ。 - 前記第2のOB画素は、光電変換部で蓄積された信号を出力しないように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像センサ。 - 前記画素配列における複数の前記OB画素のそれぞれを駆動する駆動部をさらに備え、
前記駆動部は、光電変換部で蓄積された信号を出力するように前記第1のOB画素を駆動し、光電変換部で蓄積された信号を出力しないように前記第2のOB画素を駆動する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像センサ。 - 前記OB領域には、複数の前記第1のOB画素と複数の前記第2のOB画素とがそれぞれ行方向に配列されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像センサ。 - 前記予め決められた周期は、前記OB領域における位置に応じて異なっている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像センサ。 - 前記OB領域における前記有効領域に隣接した部分には、前記第2のOB画素が配されている
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像センサ。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像センサと、
前記有効領域における複数の前記有効画素から出力された信号を補正する補正手段と、
列方向に隣接する前記第1のOB画素及び前記第2のOB画素からそれぞれ出力された第1のOB信号及び第2のOB信号を受けて、前記第1のOB信号のレベルと前記第2のOB信号のレベルとの差の絶対値が閾値より大きいか否かを判定し、判定した結果に応じて、前記補正手段による補正方法を変更するように前記補正手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。 - 前記制御手段は、前記第1のOB信号のレベルと前記第2のOB信号のレベルとの差の絶対値が閾値以下であると判定した場合、前記第1のOB信号を基準信号として前記有効画素から出力された信号を補正するように前記補正手段を制御し、前記第1のOB信号のレベルと前記第2のOB信号のレベルとの差の絶対値が閾値より大きいと判定した場合、直前に受けた前記第1のOB信号又は参照信号を基準信号として前記有効画素から出力された信号を補正するように前記補正手段を制御する
ことを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
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JP2019080360A (ja) * | 2019-02-18 | 2019-05-23 | キヤノン株式会社 | Ad変換器、ad変換装置、光電変換装置、撮像システム、およびad変換方法 |
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2008
- 2008-10-10 JP JP2008264631A patent/JP2010093759A/ja not_active Withdrawn
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