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JP2010092435A - 硬貨の真偽判定方法および装置 - Google Patents

硬貨の真偽判定方法および装置 Download PDF

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Takashi Terachi
隆 寺地
Yoshihiko Yokose
仁彦 横瀬
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Abstract

【課題】硬貨固有の情報である硬貨の模様(パターン)を見ることによって、硬貨の真偽判定を高精度に行う。
【解決手段】硬貨表面模様のエッジ画像を生成し(S2)、該エッジ画像が形成する空白領域7、即ち硬貨の表面領域であって、硬貨を特徴づける主要なエッジを除いた領域に、凸の単純閉領域でなる成長図形(例えば円)を発生し、該成長図形をエッジ画像の中で成長させ(S3)、該成長図形が安定であるか否かを判定し、安定した成長図形の配置により硬貨の真偽判定を行う(S11)。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像を使って硬貨(メダルを含む)の真偽判定を短時間かつ高精度に行う方法および装置に関するものである。
カメラにより硬貨の表面または裏面を撮像し、画像を使って硬貨の真偽判定を行う方法が広く行われている。
図1は硬貨の画像例として500円硬貨の裏側を示したものである(桐の刻印が表側である)。一般に、どの硬貨でも外周1は不鮮明である。500円硬貨では縁2には玉模様が敷き詰められているが省略して、その縁を抽象化して円3で示している。四角5の部分には年号がある。数字の内部6は複雑で画像は不鮮明である。
画像を使って硬貨の真偽判定を行う場合、硬貨の回転が問題である。即ち、撮像した画像は正立(図1)とは限らず、一般に回転した状態の画像(図2)である。回転した画像でも真偽判定するために従来より多くの技術が産まれているが、その殆どは硬貨が円形であることに着目して、回転不変の特徴を得ようとするものである。
例えば特許文献1は、硬貨の円中心を求めて画像のリング分割を行うものである。即ち、図1においてリング8を硬貨の全域に渡って生成する。各リングでは一定角度ごとに分けてデータ化する。次に原本データと照合して、一致度が最も高い角度位置を仮に求める。そこで、その位置からわざと角度をずらしたときのマッチング度を求め、その値により先の角度位置の信頼性を確かめ、あるいは、その角度位置を変更することを大きな特徴としている。
又、特許文献2は、硬貨の表面と裏面の両方を同期して撮像することが特徴である。画像のリング分割を行い、リングごとに画素明度などの特徴量を求め、更に全体の合計値を求める。表と裏の特徴量を総合して判定することを大きな特徴としている。
又、特許文献3は、画像のリング分割に加えて扇型分割を行うことが特徴である。即ち、図1において扇型9を全域に渡って生成する。画像のエッジ抽出を行い、エッジ部を1、その他を0とする2値画像を生成する。リング/扇型ごとに、その内部の1の個数を数え、その数列を信号とみなしてフーリエ変換することが特徴であり、そのフーリエ係数列を硬貨の特徴としている。
特許第3718613号公報 特開2003−196657号公報 特開2006−164192号公報
従来方法に共通であるリング分割の方法は、着目した何らかのデータについて、各リング内で総和を求め、その値をリングの代表値とするものである。この方法は、角度の問題が原理的に解決されるので確かに良い方法である。しかし完全ではないことが明らかである。
即ち、図1において偽の硬貨が来た場合、例えばリング8の内部の模様が完全に異なるが、リング内部を総和すると同じ値をとることがありうる。従って、このリングでは偽であると識別できない。更に、もし他の何箇所かのリングでも同じことが起これば、全体として曖昧となり、結果として、その硬貨を真と判定してしまうおそれがある。
同じく従来方法である扇型分割の方法は、扇型内のデータの総和を、その扇型の代表値とするものである。この方法は、入力硬貨の扇型の値の列を得れば、それを真値の値の列と順にずらしながら照合することによって簡単に真偽が判定できるので良い方法である。
しかし、これも完全ではないことが明らかである。即ち、図1において偽の硬貨が来た場合、ある扇型9の内部の模様が完全に異なるが、扇型内部を総和すると同じ値をとることがありうる。従って、この扇型では偽であると識別できない。以下はリングの場合と同様であって根本的な危うさがある。
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、硬貨固有の情報である硬貨の模様(パターン)を見ることによって、硬貨の真偽判定を高精度に行うことを課題とする。
発明者は模様の空白部分に着目した。即ち硬貨の表面には空白領域、即ち模様の輪郭線が全く走らないような領域(図1の7)が各所に存在する。この空白領域は、硬貨の模様の別の見方であり、硬貨に固有のものである。そこで、本発明では、空白領域に多数の成長図形(例えば円)を発生させ、該成長図形の分布を使って真偽判定を行うようにしている。
即ち、本発明は、硬貨表面模様のエッジ画像を生成し、該エッジ画像が形成する空白領域、即ち硬貨の表面領域であって、硬貨を特徴づける主要なエッジを除いた領域に、凸の単純閉領域でなる成長図形を発生し、該成長図形をエッジ画像の中で成長させ、該成長図形が安定であるか否かを判定し、安定した成長図形の配置により硬貨の真偽判定を行うようにして、前記課題を解決したものである。
ここで、前記エッジ画像の座標系において、硬貨表面領域に成長図形の原点となる座標群である種座標を発生し、該種座標から成長図形を成長させることができる。
又、前記成長図形の中心座標が一定の大きさの領域に留まったまま外に出ないときや、成長図形の大きさが一定の大きさの領域に留まったまま振動するとき、安定と判定することができる。
又、前記成長図形として円を使うことができる。
本発明は、又、硬貨表面模様のエッジ画像を生成する手段と、該エッジ画像が形成する空白領域、即ち硬貨の表面領域であって、硬貨を特徴づける主要なエッジを除いた領域に、凸の単純閉領域でなる成長図形を発生する手段と、該成長図形をエッジ画像の中で成長させる手段と、該成長図形が安定であるか否かを判定する手段と、安定した成長図形の配置により硬貨の真偽判定を行う手段と、を備えた硬貨の真偽判定装置を提供するものである。
なお、画像で硬貨の真偽判定を行う従来の出願は、いずれも硬貨表面の明度を使うか、あるいは表面模様(エッジ座標/明度勾配ベクトル)そのものを使うか、であり、空白領域を使った先行出願は無かった。
本発明によれば、従来のリング分割/扇型分割で問題となったところの、リング/扇型の代表値が不完全であるという問題が原理的に解決されているので、真偽判定精度が高い。何故ならば、硬貨の入力画像から成長図形の分布を得ることが出来、成長図形の分布は硬貨の模様に固有である。つまり硬貨の模様固有のデータを使うので当然判定精度は高い。
又、真偽の判定速度が速い。即ち、2値画像であるエッジ画像を得るための時間は長くはない。また成長図形の生成は、エッジ画像における画素の移動であり早い。例えば成長図形の個数Nが20付近とするならば、ある程度重い照合処理を高々数千回繰り返すだけで済む。これは現在のCPUならば、短時間で処理できる。
更に、真偽判定で真と判定したとき、位置決めデータ(入力硬貨の倍率、回転角度、平行移動)を出力することにより、硬貨の位置決めを行うことができる。これは、成長図形の分布が硬貨の模様に固有であるから、パターンマッチングを行うことができるためである。これに対して、従来のリング分割/扇型分割では、角度情報が消えているため、位置決めは難しい。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図3は、本発明に係る硬貨真偽判定装置の実施形態の重要部の構成を示すブロック図である。
本実施形態は、照明装置50と、硬貨Cを撮影するカメラ52と、画像入力部54と、硬貨データベース56と、全体を制御するための、硬貨を撮像し、画像から硬貨の図形特徴データを抽出し、硬貨データベースにアクセスして真偽判定を行う硬貨真偽判定装置制御部60と、硬貨の入力画像からエッジを検出し、エッジ位置を示すところのエッジ画像を生成するエッジ画像生成部62と、エッジ画像の中で多数の円を発生させ、位置を移動し、その半径を成長させる円発生・成長部64と、発生した円の組み合わせから組み合わせ固有の特徴データを計算する図形特徴データ生成部66とを主に含む。
図4は硬貨真偽判定の全体流れ図であり、以下この流れに従って作用を順に説明する。
ステップS1で、硬貨を撮像して画像を入力する。
ステップS2で、硬貨のエッジ画像を作る。ここでエッジ画像とは模様の輪郭線集合(=エッジ集合)を高速にアクセスするために設けた2値画像(1または0)であり、入力画像とは別の場所に作る。
図1の場所10に対応するエッジ画像を図5に示す。
図5において、エッジ画像の各画素の値を作るには、入力画像の対応する画素12における明度勾配ベクトル13を求め、その大きさが一定の値以上ならば1(黒点14で示す)、そうでないならば0(無印で示す)とすればよい。このときの定数は適当な値で良い。
このとき、画素15のように黒点が周囲と重複することは一向に構わない。画素16のように欠けることも構わないが、できれば補間処理で黒点を埋めたほうが良い。一方、画素17のように雑音としての黒点は問題がある。そのため、このように隔離した黒点は0にしておく必要がある。
ステップS3で、空白領域に成長図形を発生する。成長図形とは、凸の単純閉領域を表す線図形である。本実施形態では、成長図形として円を使ったが、円以外の4角形や6角形、8角形等を用いても良い。
ここでは、エッジ画像の中で円を次々と成長させて、安定なものと不安定なものに分ける。今回入力した硬貨のエッジ画像を図2とする。
硬貨の中心Gに半径Hの仮想円20を引く。Hは硬貨ごとに決まっている定数であり、硬貨の真の大きさよりも小さくして不安定な外周部を避けると良い。
中心Gから水平および垂直方向に等間隔Δに仮想の直線を走らせ、それらの交点が作る格子点21が、仮想円20の内部に入るならば、上段から下段の順に、各段は左から右の順に、中心をその格子座標に置くところの円23を発生させる。各格子座標を種座標と呼ぶことにする。Δについては後に説明する。
発生する円の初期半径はR0である。R0については後に説明する。この円は仮想円20の中に入る必要がある。従って中心Gと種座標の距離をhとすれば、h+R0<Hを満たすことが必要である。黒点22は、最初にこの条件を満たした種座標として表示している。
円の初期半径R0は重要な値である。即ち、硬貨の模様(=空白領域)をどこまで細かく捕らえるかが、この値によって決まる。R0を小さくすればするほど、空白領域を表現する円の総数Nは多くなり、Nが大きいほど演算時間が大きくなる。しかし必ずしもNが大きいほど判定能力が高くなるとは限らないことにも注意する。それは細かい円、即ち、不正確な情報が相対的に増えるためである。そこで本実施形態では、Nが20付近に収まるようにR0を決めた。なおこのN=20は硬貨判定では十分な値と思われる。
次にΔは適当で良いが、R0≦Δ≦2×R0の範囲に決めると良い。当然ながらΔが小さいほど消費時間が大きくなるが、逆に精度は良くなる。実施例ではΔ=2×R0とした。
図6は、エッジ画像の中での円の発生方法を示す。予め半径Rごとに半径Rの仮想円を近似するベクトル列をメモリに記憶しておくとよい。
図7は円の成長過程を示す。今仮に種座標S1、初期半径R0=3であったとする。
R=3の円はエッジ25、26のいずれにも接触せずに1周した。Rを1つ上げる(R←R+1)。
R=4の円はエッジ25、26のいずれにも接触せずに1周した。Rを更に1つ上げる(R←R+1)。
R=5の円はエッジ25に接触した(Q1)。ここでエッジと接触したかどうかは、図8において、円の経路28上の画素の値が1(黒点)であるときに接触したと判定する。
円の中心Sから接触画素Qに向かうベクトル29の成分(a,b)を求める。そのベクトル(a,b)の方向を図9の角度分類表に従って分類する。
図9では、入力ベクトル(a,b)の方向について、絶対0°(右方向)から±22.5°の方向にあれば、出力として左方向(−1,0)を出すことを示している。以下45°ずつ同様である。
図7に戻って、Q1で接触したのでベクトル(a1,b1)を角度分類表に入力すれば、左方向(−1,0)が返るはずである。従って円の中心を1画素左のS2に移動し、Rを1つ下げる(R←R−1)。
破線で示すところのS2を中心とするR=4の円はエッジ26に接触した(Q2)。
Q2で接触したのでベクトル(a2,b2)を角度分類表に入力すれば、右下方向(1,−1)が返るはずである。従って円の中心を右に1画素、下に1画素移動したS3に移動し、Rを更に1つ下げる(R←R−1)。
次はS3を中心とするR=3の円を発生することになる。
以下は同様の処理を繰り返す。但し、この過程において、Rを1つ下げる(R←R−1)ときに、Rが初期半径R0を下回ることがないようにする。即ち常にR≧R0である。
また種座標における最初の円(R=R0)が1周できなかったとき、即ちエッジと接触したときは、その円の成長を中止し、次の種座標の発生に行く。
以上記述した成長円の規則のもとに実行すると、必ずそれ以上進展しない状況、言い換えれば、成長円の中心がある小さい領域に入ったままで、かつ円の半径がわずかに増減しながら無限に繰り返す状態(安定状態)に入る。何故ならば、もしそのような状態が起きないとするならば、成長円の中心が広い範囲を動き続けるか、または円の半径が大きく増減しながら振動するか、のいずれかが起きなければならない。これらを検証する。
まず前者はありえない。なぜならば広い範囲を無限に動き続けるためには、ドーナツのような閉路を循環しなければならない。しかし、そのような閉路は両岸が平行であり、角度分類表によると成長円が平行な境界のいずれに接触しても平行線に直角な方向しか出力しない。従って閉路を循環させる方向はないので矛盾する。
次に後者もありえない。なぜならば半径が大きく振動するためには、最大の円に近い空白の領域が存在し、最小の円に近い空白の領域が存在し、それらは連続した領域である。即ち、例えば細長い三角形のような領域の中で中心も半径も振動している。従って、あるときは三角形のひとつの角に向かって、細くなりながら進む局面が必要となるが、それはありえない。なぜならば三角形の中では、辺との接触点における角度分類表の出力方向は辺と直角方向しかない。接触する両岸が共にその問題の角に向かう移動方向を出力することはない。つまり狭い角に向かって進むことはありえない。
上記により存在が保証されたところの安定状態を検出する。安定状態の検出は、成長円の中心座標を監視しても良いし、成長円の半径を監視しても良いことになる。
本実施形態では成長円の中心座標を監視することにする。即ち、過去の中心座標の履歴をFIFOバッファに保持する。今回の座標とFIFOバッファの最近の座標を加えた一定個数の座標が、一定の範囲に入っているかどうかを検査する。このときの一定個数としては8個で十分である(8個は角度分類表の分類個数である)。また一定の範囲は3×3画素で十分である。
図10に典型的な2つの安定状態を示す。(a)は空白確定状態、(b)は空白未確定状態、である。(a)も(b)も成長円の中心座標は安定状態を満たすところのそれぞれ領域30、31の中にある。
しかし両者は、中心座標の移動に使われた動きM1、M2、..の角度構成が異なる。即ち、(a)は180°未満の開き角度だけで構成されており、言わば2次元的にも安定な状態であると言える。これに反して、(b)は180°で対向する2つの方向だけで構成されており、言わば2次元的には不安定な状態であると言える(上下方向に滑った位置でも振動する)。
処理では(a)の空白確定状態を採用し、(b)の空白未確定状態は捨てる。即ち(a)の状態を確認したら領域30に含まれる成長円の平均中心(Z)と平均半径(r)を求めて、出力バッファに書き込む。(a)(b)いずれも次の種座標の発生に行く。
以上の処理を各種座標で行う。
図11にステップS3が終了したときの成長円の分布を示す。(a)は硬貨裏側の場合、(b)は同表側の場合である。円の分布が硬貨固有の表面模様を適当な粗さで表していることが分かる。(b)で領域37の付近に出力されていないが、これは実際の硬貨では非常に複雑な領域であり、エッジが込み入っていて円が成長できないことによる。
以下これら成長円の分布を使って硬貨の真偽判定を行う。本実施形態では、異なる3個の成長円の組み合わせ35に着目することにした。ここで、硬貨が回転しても、円中心が形成する3角形の形も、円の半径も変わらないことに注意する。
図形特徴データとは、円中心が形成する3角形形状と、3角形の頂点に張り付いた円の大きさについて、それらの大きさを比率で、即ち相対的に表現したデータである。
もし異なる円3個の組み合わせを数多く抽出し、従って図形特徴データを数多く作成して真の硬貨の図形特徴データと照合すれば、入力硬貨が真であれば一致度が高く、入力硬貨が偽であれば一致度は低いであろう。
本実施形態では一致度を測る方法として、図形特徴データが一致した回数を測り、単純に一致回数が多いほど良いとする方法をとった。以下その方法を詳述する。
ステップS4で、ループの初期化を行う。
図11の(a)においては、成長円N個の集合がある(N=19)。
異なるN個のものから3個を取り出す組み合わせの数は公式によりC(N,3)=N(N−1)(N−2)/6である。
この場合、C(19,3)=969であるが、毎回の処理時間も短く、この程度の回数は処理時間で問題にはなりにくいと思われる。
ループの初期化では、入力硬貨が偽の硬貨であると仮定する。硬貨表側の特徴の一致個数k1を0にし、同裏側のk2を0にする。円バッファに入っている成長円の先頭の3個が選び出される状態にしておく。
ステップS5で、円の異なる3個の組み合わせがある限り続ける。
ステップS6で、3個の異なる円から図形特徴データを生成する。即ち図12(a)において、円中心が作る三角形38について最も長い辺(長さd1)があるから、この辺を基準辺とし、反時計方向に回る方向に辺長比、d2/d1、d3/d1、および半径比r1/d1、r2/d1、r3/d1、の5個の実数を得る。
これらは実数であるから照合しやすいように量子化する。すなわち適当な乗数たとえば100を乗じ、その数を整数化する。
得られた5個の整数が図形特徴データである。
なお最も長い辺が2つある場合は2等辺三角形、同3つの場合は正三角形となるが、どちらも適当にどれかの辺を基準辺と定義し、上述とおなじやり方で辺比および半径比を求めれば良い(同じ値の数が並ぶので出力整数の個数は少なくする)。
ステップS7で、この図形特徴データが真偽判定すべき硬貨のデータベースの中に登録されたものであるかどうかを調べる。すなわち硬貨のデータベース内には硬貨の表側の図形特徴データの単純な表があるとすれば、その表を先頭から順に、毎回整数列同士の照合を行う。
表側に登録されていなければ、次に硬貨の裏側についても同様に行う。
硬貨の表側または裏側に登録されたものであったならば次のステップS8に行く。
ステップS8で、今回の3角形の基準辺の長さと、表側または裏側で登録されている3角形の基準辺の長さが等しいかどうかを比べる。このとき実数同士の比較であるから適当な誤差で一致を判定する。
両者が等しいときに初めて図形特徴データとして一致したと言える。これは異なる場所から得た大きな三角形と小さな三角形が相似で、かつ円の大きさの相対比率も同じときを除外するための処置である。両者が等しいときは次のステップS9に行く。
ステップS9で、表側の一致個数k1または裏側の一致個数k2を1増やす。
ステップS10で、k1とk2の値を見る。ただしK1、K2は硬貨のそれぞれ表側、裏側で定めている定数である。
k1≧K1、またはk2≧K2のときステップS11に行く。
ステップS11で、真の硬貨であると判定する。S5のループを脱出してステップS12に行く。
ステップS12で、判定結果を出力する。ただしステップS11を実行しないかぎり偽の硬貨である。
本実施形態では種座標に円を成長させた。しかし成長図形は円に限るものではなく、形状が凸形状なら何でもよい。たとえば正方形(図2の24)でも良い。その場合でも効果は殆ど変わらない。
又、本実施形態では種座標を格子点に発生した。しかし種座標の発生点は格子点に限るものではなく、硬貨表面を覆えば何でも良い。たとえば、同心の円周上に発生しても良いし、あるいはランダム座標でも良い。その場合でも効果は殆ど変わらない。
又、本実施形態では成長円の移動方向を8個の方向とした(図9)。しかし8個の方向に限るものではなく、それより多い何個でも良い。その場合でも効果は殆ど変わらない。
又、本実施形態では図形特徴データを異なる3個の成長円から生成した。しかし3個に限るものではなく何個でも良い。たとえば異なる2個の成長円から生成しても良い(図11(a)の36)。その場合の図形特徴データを図12の(b)に示す。2個の場合、たとえば半径が大きい方の円から出発すると定めればよい。あるいは3個から得た図形特徴データと2個から得た図形特徴データを両方使っても良い。その場合でも効果は殆ど変わらない。
硬貨の画像例を示す図 同じく回転した状態の画像例を示す図 本発明に係る硬貨真偽判定装置の実施形態の構成を示すブロック図 本発明による硬貨真偽判定の手順を示す流れ図 図1の場所10に対応するエッジ画像を示す図 エッジ画像の中での円の発生方法を示す図 円の成長過程を示す図 接触判定方法を示す図 接触時のベクトル方向の角度分類表を示す図 典型的な2つの安定状態を示す図 図4のステップS3が終了した時の成長円の分布を示す図 図形特徴データの例を示す図
符号の説明
C…硬貨
50…照明装置
52…カメラ
54…画像入力部
56…硬貨データベース
60…硬貨真偽判定装置制御部
62…エッジ画像生成部
64…円発生・成長部
66…図形特徴データ生成部

Claims (5)

  1. 硬貨表面模様のエッジ画像を生成し、
    該エッジ画像が形成する空白領域、即ち硬貨の表面領域であって、硬貨を特徴づける主要なエッジを除いた領域に、凸の単純閉領域でなる成長図形を発生し、
    該成長図形をエッジ画像の中で成長させ、
    該成長図形が安定であるか否かを判定し、
    安定した成長図形の配置により硬貨の真偽判定を行うことを特徴とする硬貨の真偽判定方法。
  2. 前記エッジ画像の座標系において、硬貨表面領域に成長図形の原点となる座標群である種座標を発生し、該種座標から成長図形を成長させることを特徴とする請求項1に記載の硬貨の真偽判定方法。
  3. 前記成長図形の中心座標が一定の大きさの領域に留まったまま外に出ないときや、成長図形の大きさが一定の大きさの領域に留まったまま振動するとき、安定と判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の硬貨の真偽判定方法。
  4. 前記成長図形として円を使うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の硬貨の真偽判定方法。
  5. 硬貨表面模様のエッジ画像を生成する手段と、
    該エッジ画像が形成する空白領域、即ち硬貨の表面領域であって、硬貨を特徴づける主要なエッジを除いた領域に、凸の単純閉領域でなる成長図形を発生する手段と、
    該成長図形をエッジ画像の中で成長させる手段と、
    該成長図形が安定であるか否かを判定する手段と、
    安定した成長図形の配置により硬貨の真偽判定を行う手段と、
    を備えたことを特徴とする硬貨の真偽判定装置。
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