JP2010089807A - 合成樹脂製キャップ - Google Patents
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Abstract
【課題】操作部の操作が行い易く、操作部が邪魔になったり、操作部に物が引っ掛かったりして、不用意に蓋体が開いてしまうことがなく、キャップ本体と蓋体との密着性をよくし、製造し易くした合成樹脂製キャップを提供する。
【解決手段】キャップ本体1と蓋体2を、ヒンジ3を介して一体成形すると共に、キャップ本体と蓋体を、ヒンジ部分において伸縮性開放部材4により連結し、伸縮性開放部材の収縮の作用により蓋体がヒンジを中心として自開するようにし、キャップ本体の周壁1aに、上側から両側にかけてスリット10a、10bを形成し、下端が周壁に片持ち支持され、外側からの押し込みにより弾性変形させることができるようにした弾性操作部11を設け、弾性操作部の上端に設けた係合部12を、蓋体の周壁2a内面に設けた係合部13と係合自在とし、弾性操作部を押し込むことにより、係合部と係合部との係合が解除されるようにした。
【選択図】 図8
【解決手段】キャップ本体1と蓋体2を、ヒンジ3を介して一体成形すると共に、キャップ本体と蓋体を、ヒンジ部分において伸縮性開放部材4により連結し、伸縮性開放部材の収縮の作用により蓋体がヒンジを中心として自開するようにし、キャップ本体の周壁1aに、上側から両側にかけてスリット10a、10bを形成し、下端が周壁に片持ち支持され、外側からの押し込みにより弾性変形させることができるようにした弾性操作部11を設け、弾性操作部の上端に設けた係合部12を、蓋体の周壁2a内面に設けた係合部13と係合自在とし、弾性操作部を押し込むことにより、係合部と係合部との係合が解除されるようにした。
【選択図】 図8
Description
この発明は、ヒンジを介して蓋体の開閉が行われる合成樹脂製キャップであって、閉じている蓋体の係合を解除すると、蓋体が独りでに開放する合成樹脂製キャップに関するものである。
従来、この種の合成樹脂製キャップは、例えば図14〜16に示したように、キャップ本体21にヒンジ22を介して蓋体23を一体成形すると共に、キャップ本体21と蓋体23をヒンジ22部分において伸縮性開放部材24を用いて連結し、この伸縮性開放部材24の収縮の作用により蓋体23がヒンジ22を中心として自開するようにしたものが存在する(特許文献1)。
そして、前記合成樹脂製キャップは、図15において、蓋体23に設けた爪25を矢印a方向に押して下げると、蓋体23のロックが解除され、伸縮性開放部材24の収縮力により、蓋体23は図16に示すようにヒンジ22を中心に90度以上自開するとしている。
また、前記合成樹脂製キャップは、閉蓋時においては、キャップ本体21のノズル口26を蓋体23の内面のシール部(図示せず)で押圧することにより、この合成樹脂製キャップが取り付けられる容器B等の内容物が漏れないようにしている。
さらに、この種の合成樹脂製キャップは、例えば図17、18に示したように、キャップ本体31にメインヒンジ32を介して上蓋33を一体成形して、この上蓋33が開閉自在に配設され、キャップ本体31及び上蓋33に形成された係止機構により上蓋33が閉蓋位置に保持されるようにしている。そして、ゴム状弾性体からなるサブヒンジ34をメインヒンジ32の外回りに延在させ、サブヒンジ34の一端はキャップ本体31に固定し、サブヒンジ34の他端は上蓋33に固定し、上蓋33の閉蓋時にサブヒンジ34がメインヒンジ32の外回りで弾性引張変形されるように構成してなるものが存在する(特許文献2)。
そして、前記合成樹脂製キャップは、上蓋33の開蓋時、容器本体を片手で握り、例えば親指が加える開蓋操作力により上蓋33の開蓋操作部35を押上げる。これにより、上蓋33の係止部36とキャップ本体31の係止面37との嵌合による閉蓋係止機構が解除されると同時に、弾性引張変形状態にあったサブヒンジ34の弾性復元力がメインヒンジ32回りで上蓋33の開き力として作用し、上蓋33を開くとしている。
また、前記合成樹脂製キャップは、閉蓋時においては、キャップ本体31の天面38の膨出部39の中央部分に開口されたノズル口40に、上蓋33の中央部分に形成されたインナーシール41を嵌合させることにより、この合成樹脂製キャップが取り付けられる容器等(図示せず)の内容物が漏れないようにしている。
特開2004−67185号公報(図1〜図3)
特開平8−113260号公報(図1、図2)
しかしながら、上記図14〜16に示した合成樹脂製キャップでは、蓋体23に設けた爪25を矢印a方向に押して下げると、蓋体23のロックが解除され、伸縮性開放部材24の収縮力により、蓋体23はヒンジ22を中心に自開するとしているが、使用者は親指等で前記したような押して下げるという操作をしなければならず、この操作がしにくかったり面倒であるという課題を有していた。
さらに、上記合成樹脂製キャップでは、蓋体23に設けた爪25が、蓋体23の胴回りから突出しているので、この爪25が邪魔になったり、この爪25に物が引っ掛かったりして、不用意に蓋体23が開いてしまったりすることがあるという課題を有していた。
また、上記合成樹脂製キャップでは、閉蓋時においては、キャップ本体21のノズル口26を蓋体23のシール部(図示せず)で押圧することにより、この合成樹脂製キャップが取り付けられる容器B等の内容物が漏れないようにしているが、キャップ本体21と蓋体23とは一体成形されているため、これらの材質は同一のものにしており、キャップ本体21や蓋体23の保形性を維持するため、一方または双方をゴム弾性を有するような密閉性のよいものにすることはできない。そのため、容器B等の内容物が漏れないようにしているといっても、密閉性がよいとはいえない。
そして、上記図17、18に示した合成樹脂製キャップでは、上蓋33の開蓋時、容器本体を片手で握り、例えば親指が加える開蓋操作力により上蓋33の開蓋操作部35を押上げるとしているが、使用者は親指の爪を立てる等してこのような操作をしなければならず、その操作がしにくかったり面倒であるという課題を有していた。
さらに、上記合成樹脂製キャップでも、前記図14〜16に示した合成樹脂製キャップと同様に、上蓋33の開蓋操作部35が、上蓋33の周囲から突出しているので、この開蓋操作部35が邪魔になったり、この開蓋操作部35に物が引っ掛かったりして、不用意に上蓋33が開いてしまったりすることがあるという課題を有していた。
また、上記合成樹脂製キャップでも、前記図14〜16に示した合成樹脂製キャップと同様に、キャップ本体31と上蓋33とは一体成形されているため、これらの材質は同一のものにしており、キャップ本体31や上蓋33の保形性を維持するため、一方または双方をゴム弾性を有するような密閉性のよいものにすることはできない。そのため、この合成樹脂製キャップが取り付けられる容器等の内容物が漏れないようにするには、上記したように、閉蓋時においては、キャップ本体31のノズル口40に、上蓋33のインナーシール41を嵌合させるような構造にしているが、このような嵌合構造は上蓋33を開閉しにくくするという課題を有していた。
そこで、この発明は、上記従来の課題を解決するものであり、爪や開蓋操作部のような操作部の操作が行い易く、さらに操作部が突出しないようにして、その操作部が邪魔になったり、操作部に物が引っ掛かったりして、不用意に蓋体が開いてしまったりすることがなく、また容器等の内容物が漏れないように、キャップ本体と蓋体との密着性をよくし、しかも製造し易くした合成樹脂製キャップを提供することを目的としてなされたものである。
そのため、この発明は、キャップ本体1と蓋体2を、ヒンジ3を介して一体成形すると共に、前記キャップ本体1と蓋体2を、ヒンジ3部分において伸縮性開放部材4により連結し、この伸縮性開放部材4の収縮の作用により前記蓋体2がヒンジ3を中心として自開するようにした合成樹脂製キャップにおいて、前記キャップ本体1の周壁1aに、上側から両側にかけてスリット10a、10bを形成し、下端が周壁1aに片持ち支持され、外側からの押し込みにより弾性変形させることができるようにした弾性操作部11を設け、この弾性操作部11の上端に設けた係合部12を、前記蓋体2の周壁2a内面に設けた係合部13と係合自在とし、前記弾性操作部11を押し込むことにより、前記係合部12と係合部13との係合が解除されるようにしている。
そして、この発明の合成樹脂製キャップは、前記キャップ本体1の周壁1aに、手指の腹の一部に合わせるような形状とした凹部9を形成し、この凹部9に前記弾性操作部11を設けたものとしている。
さらに、この発明の合成樹脂製キャップは、前記弾性操作部11にゴム状弾性体からなる被覆部材14を密着させたものとすると共に、前記スリット10a、10bをこの被覆部材14で密閉したものとしている。
また、この発明の合成樹脂製キャップは、前記キャップ本体1を、天面6のノズル口8の回りを包囲するようにして、ゴム状弾性体からなるシール部材15を密着させたものとし、前記蓋体2を、天面16の内面にリング状突起17を設けたものとし、閉蓋時において、このリング状突起17で前記キャップ本体1のノズル口8の周囲のシール部材15を押圧するようにしている。
さらに、この発明の合成樹脂製キャップは、前記伸縮性開放部材4、被覆部材14およびシール部材15を一体成形したものとしている。
また、この発明の合成樹脂製キャップは、前記一体成形した伸縮性開放部材4、被覆部材14およびシール部材15を、キャップ本体1および蓋体2に二色成形により密着したものとしている。
この発明の合成樹脂製キャップは、以上に述べたように構成されているので、操作部の操作が行い易く、さらに操作部が突出しないものとなり、その操作部が邪魔になったりすることがなく、操作部に物が引っ掛かることがなく、不用意に蓋体が開いてしまったりすることがなく、またキャップ本体と蓋体との密着性がよくなり、容器等の内容物が漏れないようになり、しかも製造し易いものとなる。
以下、この発明の合成樹脂製キャップを実施するための最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
この発明の合成樹脂製キャップは、図1〜12に示すように、キャップ本体1と蓋体2とを、二本のヒンジ3を介して一体成形しており、これら二本のヒンジ3により蓋体2を開閉自在に構成している。キャップ本体1と蓋体2は、二本ヒンジ3の間に位置するようにしたゴム状弾性体からなる伸縮性開放部材4により連結され、この伸縮性開放部材4の収縮の作用により蓋体2が前記ヒンジ3を中心として自開するようにしている。
キャップ本体1は、上端に周溝5を形成し、天面6を有した略円筒形状にしており、この略円筒の内面に取付部7が形成されており、この取付部7を容器B等の口頸部Bnに取り付けるようにしている。このキャップ本体1の天面6には、中央部分にノズル口8が開口されており、前記容器B等を搾ったり、押し付けるなどすることにより、このノズル口8から容器B等の内容物が吐出されるようにしている。
前記キャップ本体1の周壁1aには、手指の腹の一部に合わせるような形状とした凹部9が形成されており、この凹部9には、上側から両側にかけてスリット10a、10bを形成し、下端が周壁1aに片持ち支持され、外側からの押し込みにより弾性変形させることができるようにした弾性操作部11を設けている。この弾性操作部11の上端には、係合部12を設けたものとし、この係合部12を後に述べる蓋体2の周壁2a内面の下端部に設けた係合部13と係合自在としている。そして、前記弾性操作部11を押し込むことにより、キャップ本体1側の係合部12と蓋体2側の係合部13との係合が解除されるようにしている。さらに、前記弾性操作部11には、ゴム状弾性体からなる被覆部材14を密着させたものとしており、前記スリット10a、10bもこの被覆部材14で密閉したものとしている。
前記キャップ本体1の天面6には、ノズル口8の回りを包囲するようにして、ゴム状弾性体からなるシール部材15を密着させたものとしている。このシール部材15は、前記伸縮性開放部材4および被覆部材14と一体成形したものとしており、またこれらの部材は、キャップ本体1および蓋体2に二色成形によって密着したものとしている。このような成形方法によれば、この発明の合成樹脂製キャップは、非常に製造し易いものとなる。
蓋体2は、天面16を有する略円筒形状にしており、前記キャップ本体1より平坦なものにすると共に、下部内周がキャップ本体1の上端に形成した周溝5に嵌合するようにしている。この蓋体2の天面16の内面の中央部分には、キャップ本体1のノズル口8を密閉するためのリング状突起17が設けられており、閉蓋時において、このリング状突起17でキャップ本体1のノズル口8の周囲のシール部材15を押圧することにより、このキャップ本体1のノズル口7を密閉し、容器B等の内容物が漏れないようにしている。
前記蓋体2の周壁2aには、手指の腹の一部に合わせるような形状とした凹部18が形成されている。この凹部18の内面の下端部には、前記したように弾性操作部11の上端に設けた係合部12との係合部13を設けたものとしている。
そして、前記キャップ本体1、蓋体2および二本のヒンジ3は、弾性変形可能なポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂が一般に用いられ、前記伸縮性開放部材4、被覆部材14およびシール部材15は、ゴムまたはエラストマーなどのうち、前記キャップ本体1および蓋体2との密着性に優れたものが用いられる。
以上のように構成されたこの発明の合成樹脂製キャップは、開蓋するには、図13の(a)に示したように、容器B等の胴部を片手で握り、親指でキャップ本体1の弾性操作部11を押し込む。この場合、前記弾性操作部11は、凹部9に設けられており、ゴム状弾性体からなる被覆部材14を密着させたものとしているので、親指が滑ることがなく操作がし易いものとなる。また、スリット10a、10bをこの被覆部材14で密閉したものとしているので、弾性操作部11がへたることなく、耐久性に優れたものとなる。さらに、弾性操作部11は、キャップ本体1の周壁1aから突出していないので、この弾性操作部11が邪魔になったりすることがなく、物が引っ掛かるなどして、不用意に蓋体が開いてしまったりすることはない。
前記弾性操作部11を押し込むと、キャップ本体1の係合部12と蓋体2の係合部13との係合が解除され、キャップ本体1と蓋体2を連結した伸縮性開放部材4の収縮力が働き、図13の(b)に示したように、蓋体2が撥ね上げられ、この伸縮性開放部材4の収縮の作用により、蓋体2が前記ヒンジ3を中心として図12に示したように完全に開蓋される。
この発明の合成樹脂製キャップは、閉蓋するには、容器B等の胴部を片手で握ったまま、図12に示したように完全に開蓋された蓋体2に人差指を掛けて、キャップ本体1側に蓋体2を戻して、蓋体2をその人差指で押さえると、蓋体2はキャップ本体1の周溝5に嵌まり込み、キャップ本体1の係合部12と蓋体2の係合部13とが係合し、閉蓋状態が維持されることになる。
そして、この発明の合成樹脂製キャップは、前記閉蓋時において、キャップ本体1のノズル口8の周囲のシール部材15が、蓋体2の天面16の内面に設けられたリング状突起17で押圧されることになるので、キャップ本体1のノズル口8の密閉性は良くなり、容器B等の内容物が漏れるようなことはない。
1 キャップ本体
1a 周壁
2 蓋体
2a 周壁
3 ヒンジ
4 伸縮性開放部材
6 天面
8 ノズル口
9 凹部
10a スリット
10b スリット
11 弾性操作部
12 係合部
13 係合部
14 被覆部材
15 シール部材
16 天面
17 リング状突起
1a 周壁
2 蓋体
2a 周壁
3 ヒンジ
4 伸縮性開放部材
6 天面
8 ノズル口
9 凹部
10a スリット
10b スリット
11 弾性操作部
12 係合部
13 係合部
14 被覆部材
15 シール部材
16 天面
17 リング状突起
Claims (6)
- キャップ本体(1)と蓋体(2)を、ヒンジ(3)を介して一体成形すると共に、前記キャップ本体(1)と蓋体(2)を、ヒンジ(3)部分において伸縮性開放部材(4)により連結し、この伸縮性開放部材(4)の収縮の作用により前記蓋体(2)がヒンジ(3)を中心として自開するようにした合成樹脂製キャップにおいて、前記キャップ本体(1)の周壁(1a)に、上側から両側にかけてスリット(10a、10b)を形成し、下端が周壁(1a)に片持ち支持され、外側からの押し込みにより弾性変形させることができるようにした弾性操作部(11)を設け、この弾性操作部(11)の上端に設けた係合部(12)を、前記蓋体(2)の周壁(2a)内面に設けた係合部(13)と係合自在とし、前記弾性操作部(11)を押し込むことにより、前記係合部(12)と係合部(13)との係合が解除されるようにしたことを特徴とする合成樹脂製キャップ。
- 前記キャップ本体(1)の周壁(1a)に、手指の腹の一部に合わせるような形状とした凹部(9)を形成し、この凹部(9)に前記弾性操作部(11)を設けたことを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製キャップ。
- 前記弾性操作部(11)にゴム状弾性体からなる被覆部材(14)を密着させたものとすると共に、前記スリット(10a、10b)をこの被覆部材(14)で密閉したことを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製キャップ。
- 前記キャップ本体(1)を、天面(6)のノズル口(8)の回りを包囲するようにして、ゴム状弾性体からなるシール部材(15)を密着させたものとし、前記蓋体(2)を、天面(16)の内面にリング状突起(17)を設けたものとし、閉蓋時において、このリング状突起(17)で前記キャップ本体(1)のノズル口(8)の周囲のシール部材(15)を押圧するようにしたことを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製キャップ。
- 前記伸縮性開放部材(4)、被覆部材(14)およびシール部材(15)を一体成形したものとしたことを特徴とする請求項4記載の合成樹脂製キャップ。
- 前記伸縮性開放部材(4)、被覆部材(14)およびシール部材(15)を、キャップ本体(1)および蓋体(2)に二色成形により密着したものとしたことを特徴とする請求項5記載の合成樹脂製
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