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JP2010074255A - 高周波フィルタ装置 - Google Patents

高周波フィルタ装置 Download PDF

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JP2010074255A
JP2010074255A JP2008236480A JP2008236480A JP2010074255A JP 2010074255 A JP2010074255 A JP 2010074255A JP 2008236480 A JP2008236480 A JP 2008236480A JP 2008236480 A JP2008236480 A JP 2008236480A JP 2010074255 A JP2010074255 A JP 2010074255A
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conductors
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Akira Enohara
晃 榎原
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Abstract

【課題】誘電体基板で構成された、低損失で減衰極を有する高周波フィルタ装置を提供する。
【解決手段】高周波フィルタ装置は、積層された誘電体層1,2及び導体層4,5と、導体層4,5を短絡するように形成され、かつ、互いの間隔が信号波長の1/2以下で、信号波長の1/2以上の列間隔で2列に配置された複数の遮蔽ビア導体8と、2列の遮蔽ビア導体8と終端ビア導体9とによって囲まれた導波管部分12と、誘電体層2の表面に形成されたストリップ導体6,7と、終端ビア導体9の間の導波管部分12に位置し、導体層4に形成された貫通孔11を通して、一端はストリップ導体6,7にそれぞれ接続され、他端が導波管部分12と接続された入出力結合ビア導体10とを備える。入出力結合ビア導体10と終端ビア導体9と遮蔽ビア導体8とで囲まれた2カ所の導波管部分12−2,12−3に励振される共振モードが減衰極を生じさせる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ミリ波帯などの高周波信号を用いた無線装置や、ミリ波帯などの高周波信号を処理する高周波回路に用いられるフィルタ装置に関する。
高周波通信システムにおいては、フィルタは不可欠の要素である。移動体通信システムなどにおいては、周波数帯域の有効利用のために、狭帯域なフィルタが要求される。また、移動体通信の基地局や通信衛星などにおいては、狭帯域で低損失でかつ小型で、大きな電力に耐えることのできるフィルタが強く要望されている。さらに、近年開発が進んでいるミリ波あるいは準ミリ波帯の無線通信システムにおいては、従来、空洞導波管によるフィルタが用いられてきたが、ここでも小型で低損失なフィルタが強く要求されている。
現在用いられている共振器フィルタなどの高周波回路素子として、伝送線路構造を使用したものがある。伝送線路構造を用いた高周波回路素子は、小型で、基板上に形成する2次元的な構造であり、他の回路や素子との組み合わせが容易であるので、広く利用されている。
ミリ波帯などにおいては、空洞導波管フィルタ装置を小型化することを目的に、誘電体基板の両面に形成された導体層と、導体層同士を短絡させるビア導体によって構成される誘電体導波管を用いたフィルタ装置がある(特許文献1参照)。また、誘電体導波管型のフィルタ装置においては、周波数特性に減衰極を導入する構成として、導体層にスロット線路共振器を設けたものがある(特許文献2参照)。
特開2002−026611号公報。 特開2002−026610号公報。
しかし、伝送線路構造を用いたフィルタ装置は導体損失の影響が大きく、ミリ波帯などの高い周波数信号を扱う場合には、低損失あるいは急峻な特性のフィルタ装置を実現するのは困難である。
誘電体導波管構造のフィルタ装置では、共振モードの効率的な励振方法が課題であり、そのため、特許文献1では、一方の導体層にコプレナー線路を形成し、それを用いて基本共振モードと結合する構成が述べられている。また、基本モードのみが励振される共振器を複数個結合させてフィルタ装置としているので、共振器間結合部のビア導体による損失も生じる。
また、特許文献1の構成では、入出力結合度が、導体パターンとビア導体との相対位置関係によって決まる。しかし、一般的に、積層基板の製造上の問題として、導体パターンとビア導体との間の相対位置精度は、積層基板製造の際の各層の重ね合わせ誤差の影響を受けるので、ビア導体間の相対位置精度に比べてかなり悪い。そのため、特許文献1の構成では、製造誤差の影響を受け、製造の際の歩留まりが低下するという課題がある。
さらに、導波管構造を使ったフィルタ装置では、所望の通過帯域よりも低周波数側では導波管のカットオフにより急峻な減衰特性が得られるが、高周波数側では伝搬モードが常に存在するので急峻な減衰特性を得ることが困難である。
このような問題を解決するために導体層にスロット線路共振器を設けた特許文献2の構成では、スロット線路共振器における導体損失の影響で、急峻な減衰極を得ることが困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、製造誤差の影響を受けにくく、急峻な減衰極を容易に得ることができる低損失な高周波フィルタ装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る高周波フィルタ装置によれば、複数の誘電体層を積層して構成された導波管構造内に少なくとも1つの共振器が形成された高周波フィルタ装置であって、
第1の誘電体層と、前記誘電体層の両面に形成された対向する1対の第1の導体層及び第2の導体層と、
前記第1及び第2の導体層を短絡するように形成され、かつ、互いの間隔が信号波長の1/2以下で、信号波長の1/2以上の列間隔で2列に配置された複数の遮蔽ビア導体と、
前記2列の遮蔽ビア導体と、前記2列の遮蔽ビア導体の間の2カ所に設置された終端ビア導体とによって囲まれた導波管部分と、
前記第1の導体層の表面に形成された第2の誘電体層と、
前記第2の誘電体層の表面に形成された一対のストリップ導体と、
前記2カ所に設置された終端ビア導体の間の前記導波管部分に位置し、前記第1の導体層に形成された開口部を通して、一方の端は前記一対のストリップ導体にそれぞれ接続され、他方の端が前記導波管部分と接続された入力結合ビア導体及び出力結合ビア導体と、を備え、
前記入力結合ビア導体と前記終端ビア導体と前記遮蔽ビア導体、及び、前記出力結合ビア導体と前記終端ビア導体と前記遮蔽ビア導体とで囲まれた2カ所の導波管部分に励振される共振モードが減衰極を生じさせることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る高周波フィルタ装置によれば、複数の誘電体層を積層して構成された導波管構造内に少なくとも1つの共振器が形成された高周波フィルタ装置であって、
第1の誘電体層と、前記第1の誘電体層の両面に形成された対向する1対の第1の導体層及び第2の導体層と、
前記第1及び第2の導体層を短絡するように形成され、かつ、互いの間隔が信号波長の1/2以下で、信号波長の1/2以上の列間隔で2列に配置された複数の遮蔽ビア導体と、
前記2列の遮蔽ビア導体と、前記2列の遮蔽ビア導体の間の2カ所に設置された終端ビア導体とによって囲まれた導波管部分と、
前記第1の導体層の表面に形成された第2の誘電体層と、
前記第2の誘電体層の表面に形成された第1のストリップ導体と、
前記第2の導体層の表面に形成された第3の誘電体層と、
前記第3の誘電体層の表面に形成された第2のストリップ導体と、
前記2カ所に設置された終端ビア導体の間の前記導波管部分に位置し、前記第1の導体層に形成された開口部を通して、一方の端は前記第1のストリップ導体に接続され、他方の端が前記導波管部分と接続された第1の結合ビア導体と、
前記2カ所に設置された終端ビア導体の間の前記導波管部分に位置し、前記第2の導体層に形成された開口部を通して、一方の端は前記第2のストリップ導体に接続され、他方の端が前記導波管部分と接続された第2の結合ビア導体と、を備え、
前記第1及び第2の結合ビア導体の一方を入力結合ビア導体とし、他方を出力結合ビア導体とし、
前記第1の結合ビア導体と前記終端ビア導体と前記遮蔽ビア導体、及び、前記第2の結合ビア導体と前記終端ビア導体と前記遮蔽ビア導体とで囲まれた2カ所の導波管部分に励振される共振モードが減衰極を生じさせることを特徴とする。
上記第1の態様の高周波フィルタ装置において、前記入力結合ビア導体及び前記出力結合ビア導体は共に前記導波管部分を貫通し、前記入力結合ビア導体及び前記出力結合ビア導体の他方の端はそれぞれ前記第2の導体層に接続されていることを特徴とする。
上記第2の態様の高周波フィルタ装置において、前記第1の結合ビア導体は前記導波管部分を貫通し、前記第1の結合ビア導体の他方の端は前記第2の導体層に接続されており、かつ前記第2の結合ビア導体は前記導波管部分を貫通し、前記第2の結合ビア導体の他方の端は前記第1の導体層に接続されていることを特徴とする。
また、上記第1及び第2の態様の高周波フィルタ装置において、前記遮蔽ビア導体は2列の平行な直線上に配置されていることを特徴とする。
さらに、上記第1及び第2の態様の高周波フィルタ装置において、1対の結合ビア導体の間の導波管部分を形成する2列の遮蔽ビア導体の列間隔と、前記結合ビア導体と前記終端ビア導体の間の導波管部分を構成する2列の遮蔽ビア導体の列間隔とが異なることを特徴とする。
本発明の高周波フィルタ装置によれば、従来の誘電体導波管型のフィルタ装置に対して、ビア導体の相対位置関係によってフィルタ特性が決定されるので、基板パターンの重ね合わせ誤差の影響がなく、歩留まり向上が期待できる。また、容易に減衰極を導入できるので、急峻なフィルタ特性を実現することや、所望の周波数を取り除くことが可能である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
第1の実施形態.
まず、図1乃至図3を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る高周波フィルタ装置について説明する。図1は、本実施形態の高周波フィルタ装置の構成を示す平面図であり、図2は、図1のA−A’線における断面図であり、図3は、その斜視図である。図4は、図1の高周波フィルタ装置における各ビア導体の位置関係を詳しく示した平面図である。
図1乃至図3に示すように、本実施形態の高周波フィルタ装置は、誘電体層1と誘電体層2が積層され、かつ上記誘電体層1の両面に導体層4と導体層5が形成された積層基板の構成となっている。また、誘電体層1において導体層4,5を短絡するように複数のビア導体が形成され、これらのビア導体は、それぞれ隣接するビア導体との間に所定距離を有し、さらに、誘電体層1における所定領域を包囲するようにそれぞれ配置されている。このビア導体間の距離を、誘電体層1の媒質内における所望周波数の電磁波の波長λ[mm]の1/2以下と設定することで、ビア導体は遮蔽ビア導体としての機能を発揮する。ここで、真空中の光速をc[mm/s]とし、信号周波数をf[1/s]とし、誘電体層1の比誘電率をεとするとき、波長λは、λ=c/(f√(ε))で表される。
導体層4,5と、導体層4,5を短絡するビア導体と、ビア導体によって包囲された誘電体層1内の領域とから導波管12が形成される。この導波管12は、誘電体層1において、λ/2よりも大きな幅を有して所定長さにわたって延在し、導波管12内を伝搬する伝搬波がフィルタ動作に寄与する。本明細書及び図面では、導体層4,5を短絡するビア導体のうちで、導波管12の長さ方向に沿って導波管12の両側に並ぶものを遮蔽ビア導体8と呼び、導波管12の一方の終端に位置するものを終端ビア導体9−1と呼び、導波管12の他方の終端に位置するものを終端ビア導体9−2と呼ぶ。
さらに、誘電体層1,2に挟まれた導体層4には、導波管12内に含まれるように、所定位置に貫通穴11−1,11−2が形成される。信号入出力のための入出力ポートとして、導波管12の終端ビア導体9−1の側の終端から所定距離にある導波管12内の第1の位置において、誘電体層2と、導体層4に形成された貫通穴11−1と、誘電体層1とを貫通するビア導体が入出力結合ビア導体10−1として設けられ、入出力結合ビア導体10−1の一方の端が導体層5に接続され、他方の端は誘電体層2の表面に形成されたストリップ導体6の一端に接続されている。同様に、信号入出力のためのもう1つの入出力ポートとして、導波管12の終端ビア導体9−2の側の終端から所定距離にありかつ上記第1の位置とは異なる導波管12内の第2の位置において、誘電体層2と、導体層4に形成された貫通穴11−2と、誘電体層1とを貫通するビア導体が入出力結合ビア導体10−2として設けられ、入出力結合ビア導体10−2の一方の端が導体層5に接続され、他方の端は誘電体層2の表面に形成されたストリップ導体7の一端に接続されている。このストリップ導体6,7と誘電体層2と導体層4とで、それぞれ、マイクロストリップ線路の信号線を構成する。なお、ストリップ導体6,7の他端はそれぞれ、入出力端6a,7aとして、高周波フィルタ装置への信号入出力に使用する。
導波管12の幅を決定する遮蔽ビア導体8の配置間隔を、誘電体層1の比誘電率(ε)及び使用する信号周波数をもとに適当に選ぶと、遮蔽ビア導体8の間の部分が、導波管として機能し、伝搬モードを存在させうる。導波管12は、入出力結合ビア導体10−1,10−2の位置において、導波管12の長さ方向に沿って3つの導波管部分に分割され、これらの導波管部分は、入出力結合ビア導体10−1,10−2間における導波管部分12−1と、終端ビア導体9−1及び入出力結合ビア導体10−1の間における導波管部分12−2と、終端ビア導体9−1及び入出力結合ビア導体10−2の間における導波管部分12−3とを含む。
入出力結合ビア導体10−1,10−2は、その一端でストリップ導体6,7に接続され、その他端で接地導体として機能する導体層5に接続されているので、一方のストリップ導体(例えばストリップ導体6)から信号が入力されたとき一方の入出力結合ビア導体(例えば入出力結合ビア導体10−1)に流れる高周波電流によって、当該入出力結合ビア導体の周囲に磁界が生じ、それによって導波管部分12−1内に伝搬モードを効率的に励振する。さらに、この伝搬モードは、もう一方の入出力結合ビア導体(例えば入出力結合ビア導体10−2)と結合し、対応するストリップ導体(例えばストリップ導体7)の入出力端に出力信号を生じさせる。これによって、伝搬モードが存在する周波数帯域において通過帯域を形成し、それ以外の周波数域を阻止帯域として、フィルタ動作が実現される。
また、本実施形態の構成では、入出力結合ビア導体10−1,10−2はその一端が導体層5に接地されているので、遮蔽ビア導体8と終端ビア導体9−1と入出力結合ビア導体10−1とによって囲まれた導波管部分12−2、及び/又は、遮蔽ビア導体8と終端ビア導体9−2と入出力結合ビア導体10−2とによって囲まれた導波管部分12−3には、その他の導波管部分とは独立した共振モードが励振される。また、この共振モードは、もう一方の入出力結合ビア導体とは分離されているので、1ポートの共振回路として、共振周波数において入力信号電力の一部が吸収され、その周波数において減衰極が得られる。従って、導波管部分12−2又は12−3に所望の周波数で共振する共振モードが存在するように各ビア導体の位置関係を調節することによって、高周波フィルタ装置の帯域特性への影響を最小限に抑えながら、効果的に減衰極を導入できる。
なお、本実施形態では図1乃至図3に示すように入出力結合ビア導体10−1,10−2の一端を導体層5に接地したが、この構成に限定されるものではない。入出力結合ビア導体は導波管12と電磁的に結合され、電磁波を給電できる構成であれば良い。従って、例えば、入出力結合ビア導体10−1は、導体層4,5に接触することなくストリップ導体6から導波管12内の誘電体層1に向かって形成されたものであってもよく、入出力結合ビア導体10−2は、導体層4,5に接触することなくストリップ導体7から導波管12内の誘電体層1に向かって形成されたものであってもよい。この場合、入出力結合ビア導体10−1,10−2の一端を導体層5に接地した場合と比較して、遮蔽ビア導体8と終端ビア導体9−1,9−2と入出力結合ビア導体10−1,10−2によって囲まれた導波管部分12−2あるいは12−3の共振モードと、その他の導波管部分の共振モードとの結合が発生し易くなるが、高周波フィルタ装置に求められる帯域特性によっては、入出力結合ビア導体10−1,10−2の一端を導体層5に接地する必要はない。
図4は、図1の高周波フィルタ装置における遮蔽ビア導体8と終端ビア導体9−1,9−2と入出力結合ビア導体10−1,10−2との位置関係を説明するために、誘電体層1及びビア導体8,9−1,9−2,10−1,10−2を露出させて示した平面図である。
図4において、遮蔽ビア導体8のうちで、導波管部分12−1,12−2,12−3をそれぞれ構成するものを、遮蔽ビア導体8−1,8−2,8−3として示す。また、D[mm]は、導波管部分12−1の長さ(すなわち、入出力結合ビア導体10−1,10−2間の距離)であり、D[mm]は、導波管部分12−2の長さ(すなわち、終端ビア導体9−1及び入出力結合ビア導体10−1の間の距離)であり、D[mm]は、導波管部分12−3の長さ(すなわち、終端ビア導体9−2及び入出力結合ビア導体10−2の間の距離)である。さらに、W,W,W[mm]はそれぞれ、導波管部分12−1,12−2,12−3の幅(すなわち、遮蔽ビア導体8−1,8−2,8−3の対向する部分間の距離)である。
図1乃至図3に示す構造を有する導波管12における最低次の伝搬モードは、TE01伝搬モードであり、高周波フィルタ装置としての所望の通過帯域を持ち、正常に動作するためには、使用する周波数範囲において導波管部分12−1でTE01伝搬モードがカットオフにならないことが必須である。ここで、使用する誘電体層1の比誘電率をεとすると、導波管部分12−1の望ましい幅Wの範囲は次式に示す通りである。
[数1]
λ/2<W<λ
さらに、本実施形態の構成では、図4にあるように誘電体層1内のビア導体同士の位置関係でフィルタ特性がほぼ決定される。一般的な積層誘電体基板の製造においては、誘電体層内でのパターン精度は非常に高いが、異なる誘電体層の間や、導体パターンと誘電体層との間では、位置合わせの誤差のために、パターンの精度が非常に悪くなる。従って、本実施形態の構成を有する高周波フィルタ装置は、高精度な構造を有する積層誘電体基板を設計する際における重大な問題である、層間の重ね合わせ誤差や、ビア導体と導体パターンの間の相対的な位置ズレに対して特性がほとんど影響されず、非常に再現性良く製造することができる。そのため、誘電体導波管構造を含む高周波フィルタ装置を製造する際の歩留まり向上、ならびに、製造プロセスの低コスト化が期待できる。
以下、図4を参照して、図1乃至図3の高周波フィルタ装置において減衰極の発生箇所を決定する方法を説明する。
図4において、遮蔽ビア導体8を2列の平行な直線状に配置することによって、終端ビア導体9−1,9−2の位置に基づいて、導波管部分12−2,12−3で励振される共振モードの周波数を決定し、減衰極を導入することができる。
導波管部分12−2又は12−3において共振モードが存在する共振器長D[mm](Dは、D,Dのいずれかを示す。)は、管内波長λ(導波管内の伝搬モードの波長)によって、概ねD=λ/2と決まる。ここで、管内波長λ[mm]は、次式で表せる。
[数2]
λ=1/(1/λ−1/λ 1/2
ここで、λ[mm]は導波管部分12−2又は12−3のカットオフ波長であり、導波管幅W(Wは、W,Wのいずれかを示す。)により、λ=2Wとなる。従って、この場合は、共振器長Dを変化させることで、減衰極の周波数を決定できる。
さらに、導波管部分12−2,12−3の幅W,Wを、導波管部分12−1の幅Wに対して、異なった大きさにすることによって、より効果的に減衰極を導入できる。ここで、上の式からもわかるように、管内波長λは、信号波長λが導波管のカットオフ波長λ付近である場合、導波管幅Wのわずかな変化で大きく変化する。幅WあるいはWを所望の減衰極の周波数付近においてカットオフになるよう設定すれば、幅W,Wのわずかな変化で、導波管部分12−2,12−3での管内波長λが大きく変化し、上記導波管部分での共振周波数を変えることができる。これにより、減衰極の周波数を制御性良く、また、広い範囲で調整できる。この場合、通過帯域の周波数は入出力結合ビア導体10−1,10−2間の伝搬モードの特性で決定され、それは主として、導波管部分12−1の幅(すなわち対向する遮蔽ビア導体8−1の距離)Wと長さ(すなわち入出力結合ビア導体10−1,10−2間の距離)Dとが大きな影響を与えるので、導波管部分12−2,12−3の幅W,Wを変更して減衰極の周波数を調整しても、通過帯域への影響は非常に小さいという効果もある。ただし、所望の減衰極を形成すべき周波数が導波管部分でカットオフとなると、共振モードが励振されず減衰極も形成できなくなるので、導波管部分12−2,12−3の幅W,Wの望ましい範囲は、所望の減衰極の周波数での波長λをλとするとき、次式で表される。
[数3]
>λ/2
[数4]
>λ/2
次に、本願発明をさらに良く理解するために、上述の実施形態の具体的な実施例について説明する。
まず、本実施形態の構成を用いた具体的実施例に係る、60GHz帯の高周波フィルタ装置の構成を示す。誘電体層1に比誘電率8のセラミックス材料を用い、導体層4,5は銀による導電膜とした。誘電体層1は0.2mm厚とし、さらに、直径0.1mmの遮蔽ビア導体を0.5mm間隔で、幅W=W=W=1mmの導波管部分12−1,12−2,12−3を形成するように2列に配置し、さらにその外側にも、同様の0.5mm間隔でビア導体を配置した。これは、通常、図1乃至図3のように遮蔽ビア導体8を2列に設けることで所定の効果は発揮されるが、本実施形態の高周波フィルタ装置の近くに他の内層高周波回路が形成されている場合などは、遮蔽効果をさらに高めるために、遮蔽ビア導体8の外側にさらに同様に導体層4,5を短絡する補助的な遮蔽ビア導体を形成することが有効だからである。この場合、上記補助的遮蔽ビア導体は、遮蔽ビア導体8と同様にλ/2以下の間隔で並んでいれば有効である。導波管部分12−2,12−3の長さD,Dはともに、1mmとした。さらに、同じセラミックス材料で厚さ0.1mmの誘電体層2を形成し、その上に特性インピーダンスが50Ωのマイクロストリップ線路を構成するストリップ導体6,7を,導体層4,5と同じく銀による導電膜で構成した。入出力結合ビア導体10−1,10−2は、図4のように導波管部分12−1の長さ方向の中心線上に、中心対称に配置し、入出力結合ビア導体10−1,10−2の相互の間隔Dは1.5mmとした。
図5に、電磁界解析により計算した周波数応答特性の一例を示す。60GHz付近に良好な通過帯域が実現できていることがわかる。帯域内の挿入損は2dB以下と予想され、非常に低損失な特性が得られている。また、通過帯域よりも低周波数側は、導波管12のカットオフ領域になるので急激に減衰量が増加していることがわかる。従って、図5の特性は,所望周波数の低域側に発生する漏洩波のフィルタリングなどには非常に適した特性であるといえる。また、通過帯域の高域側には極めて明瞭な減衰極が形成されている。これは、導波管部分12−2,12−3が同じ周波数の共振器として動作し、減衰極を形成しているためであり、減衰極は1つのみ観測されている。
別の実施例として、図6に示したように、導波管部分12−2,12−3の長さD ,Dを互いに異ならせた場合を説明する。図6において、一方の終端ビア導体9−1の位置のみを変化させて長さDを0.9mmとし、長さDは1.0mmのままとした。図7に、この場合の周波数応答特性を電磁界解析により計算した結果を示す。高域側の減衰極が2つに分かれていることがわかり、これにより、導波管部分12−2,12−3における各共振がそれぞれ減衰極を形成していることが実証された。また、このように、導波管部分12−2,12−3の長さD ,Dに差を設けることで、図7に示したように帯域幅を持った減衰極を形成でき、より有用なフィルタ特性が期待できる。
また、別の実施例として、図8に、終端ビア導体9−1,9−2の位置は変化させず、導波管部分12−2,12−3の長さD=D=1mmとする一方、遮蔽ビア導体8−2,8−3の位置をずらし、導波管部分12−2,12−3の幅W,Wを互いに異ならせた場合を説明する。図8では、W=0.95mm、W=0.9mmとした。図9に、この場合の周波数応答特性を電磁界解析により計算した結果を示す。図7の場合と同様に減衰極が2つ得られ、導波管部分12−2,12−3の幅W,Wを変化させることによって減衰極の周波数を調節できることがわかる。この方法では、導波管部分12−2,12−3の長さD,Dは一定に保たれており、減衰極の周波数変化が帯域特性に与える影響もより小さい。また、導波管部分12−2,12−3の幅W,Wを小さくし、導波管部分12−2,12−3のカットオフ周波数を所望の減衰極の周波数に近づけることによって、わずかな幅W,Wの変化によって管内波長が変化し、減衰極の周波数を大きく変化させることができ、また、周波数調整範囲も広がり、有効性もより大きい。
なお、本具体的実施例では、誘電体層1,2としてセラミックス材料を例にして述べたが、これに限定されることはない。誘電体層1,2として、誘電体材料であれば適用可能である。セラミックス材料や樹脂材料が比較的適してはいるが、その他にも単結晶誘電体材料や半導体材料なども適用可能である。
本実施形態の高周波フィルタ装置の利用可能な周波数範囲については、理論的には制限はないが、実質的には、通常のセラミック材料や樹脂材料とその製造プロセスを用いる場合、10GHz〜200GHzの範囲が、高周波フィルタ装置のサイズ、製造精度の関係で望ましい範囲である。
第2の実施形態.
まず、図10乃至図12を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係る高周波フィルタ装置について説明する。図10は、本実施形態の高周波フィルタ装置の構成を示す平面図であり、図11は、図10のA−A’線における断面図であり、図12は、その斜視図である。なお、遮蔽ビア導体8と終端ビア導体9−1,9−2と入出力結合ビア導体10−1,10−2との位置関係については、図4に示す第1の実施形態の場合と同様である。
図10乃至図12に示すように、本実施形態の高周波フィルタ装置は、誘電体層1と誘電体層2と誘電体層3が積層され、かつ上記誘電体層1の両面に導体層4と導体層5が形成された積層基板の構成となっている。また、誘電体層1において導体層4,5を短絡するように複数のビア導体が形成され、これらのビア導体は、それぞれ隣接するビア導体との間に所定距離を有し、さらに、誘電体層1における所定領域を包囲するようにそれぞれ配置されている。このビア導体間の距離を、誘電体層1の媒質内における所望周波数の電磁波の波長λ[mm]の1/2以下と設定することで、ビア導体は遮蔽ビア導体としての機能を発揮する。
導体層4,5と、導体層4,5を短絡するビア導体と、ビア導体によって包囲された誘電体層1内の領域とから導波管12が形成される。この導波管12は、誘電体層1において、λ/2よりも大きな幅を有して所定長さにわたって延在し、導波管12内を伝搬する伝搬波がフィルタ動作に寄与する。本明細書及び図面では、導体層4,5を短絡するビア導体のうちで、導波管12の長さ方向に沿って導波管12の両側に並ぶものを遮蔽ビア導体8と呼び、導波管12の一方の終端に位置するものを終端ビア導体9−1と呼び、導波管12の他方の終端に位置するものを終端ビア導体9−2と呼ぶ。
さらに、誘電体層1,2に挟まれた導体層4には、導波管12内に含まれるように、所定位置に貫通穴11−1が形成され、誘電体層1,3に挟まれた導体層5には、導波管12内に含まれるように、所定位置に貫通穴11−2が形成される。信号入出力のための入出力ポートとして、導波管12の終端ビア導体9−1の側の終端から所定距離にある導波管12内の第1の位置において、誘電体層2と、導体層4に形成された貫通穴11−1と、誘電体層1とを貫通するビア導体が入出力結合ビア導体10−1として設けられ、入出力結合ビア導体10−1の一方の端が導体層5に接続され、他方の端は誘電体層2の表面に形成されたストリップ導体6の一端に接続されている。ストリップ導体6と誘電体層2と導体層4とで、マイクロストリップ線路の信号線を構成する。同様に、信号入出力のためのもう1つの入出力ポートとして、導波管12の終端ビア導体9−2の側の終端から所定距離にありかつ上記第1の位置とは異なる導波管12内の第2の位置において、誘電体層3と、導体層5に形成された貫通穴11−2と、誘電体層1とを貫通するビア導体が入出力結合ビア導体10−2として設けられ、入出力結合ビア導体10−2の一方の端が導体層4に接続され、他方の端は誘電体層3の表面に形成されたストリップ導体7の一端に接続されている。ストリップ導体7と誘電体層3と導体層5とで、マイクロストリップ線路の信号線を構成する。なお、ストリップ導体6,7の他端はそれぞれ、入出力端6a,7aとして、高周波フィルタ装置への信号入出力に使用する。
導波管12の幅を決定する遮蔽ビア導体8の配置間隔を、誘電体層1の比誘電率(ε)及び使用する信号周波数をもとに適当に選ぶと、遮蔽ビア導体8の間の部分が、導波管として機能し、伝搬モードを存在させうる。導波管12は、入出力結合ビア導体10−1,10−2の位置において、導波管12の長さ方向に沿って3つの導波管部分12−1,12−2,12−3に分割される。
入出力結合ビア導体10−1は、その一端でストリップ導体6に接続され、その他端で接地導体として機能する導体層5に接続されているので、ストリップ導体6から信号が入力されたとき入出力結合ビア導体10−1に流れる高周波電流によって、入出力結合ビア導体10−1の周囲に磁界が生じ、それによって導波管部分12−1内に伝搬モードを効率的に励振する。さらに、入出力結合ビア導体10−2は、その一端でストリップ導体7に接続され、その他端で接地導体として機能する導体層4に接続されているので、入出力結合ビア導体10−1によって励振された伝搬モードは、入出力結合ビア導体10−2と結合し、ストリップ導体7の入出力端7aに出力信号を生じさせる。これによって、伝搬モードが存在する周波数帯域において通過帯域を形成し、それ以外の周波数域を阻止帯域として、フィルタ動作が実現される。
また、本実施形態の構成では、入出力結合ビア導体10−1はその一端が導体層5に接地され、入出力結合ビア導体10−2はその一端が導体層4に接地されているので、遮蔽ビア導体8と終端ビア導体9−1と入出力結合ビア導体10−1とによって囲まれた導波管部分12−2、及び/又は、遮蔽ビア導体8と終端ビア導体9−2と入出力結合ビア導体10−2とによって囲まれた導波管部分12−3には、その他の導波管部分とは独立した共振モードが励振される。また、この共振モードは、もう一方の入出力結合ビア導体とは分離されているので、1ポートの共振回路として、共振周波数において入力信号電力の一部が吸収され、その周波数において減衰極が得られる。従って、導波管部分12−2又は12−3に所望の周波数で共振する共振モードが存在するように各ビア導体の位置関係を調節することによって、高周波フィルタ装置の帯域特性への影響を最小限に抑えながら、効果的に減衰極を導入できる。
なお、本実施形態では図10乃至図12に示すように入出力結合ビア導体10−1の一端を導体層5に接地し、入出力結合ビア導体10−2の一端を導体層4に接地したが、この構成に限定されるものではない。入出力結合ビア導体は導波管12と電磁的に結合され、電磁波を給電できる構成であれば良い。従って、例えば、入出力結合ビア導体10−1は、導体層4,5に接触することなくストリップ導体6から導波管12内の誘電体層1に向かって形成されたものであってもよく、入出力結合ビア導体10−2は、導体層4,5に接触することなくストリップ導体7から導波管12内の誘電体層1に向かって形成されたものであってもよい。この場合、入出力結合ビア導体10−1,10−2の一端を導体層に接地した場合と比較して、遮蔽ビア導体8と終端ビア導体9−1,9−2と入出力結合ビア導体10−1,10−2とによって囲まれた導波管部分12−2あるいは12−3の共振モードと、その他の導波管部分の共振モードとの結合が発生し易くなるが、高周波フィルタ装置に求められる帯域特性によっては、入出力結合ビア導体10−1,10−2の一端を導体層に接地する必要はない。
また、本実施形態の構成においても、図6及び図8等を参照して説明した第1の実施形態の変形例の構成を適用することができる。すなわち、第1の実施形態の場合と同様に、導波管部分12−2,12−3のビア導体の配置によって有効に減衰極が導入できるという効果がある。第2の実施形態の構成では、フィルタ部分は基板内部に形成され、入出力端6a,7aが基板の両面に出ているので、基板の両面を使う構成にとって、基板の面積利用効率が改善し、非常に有効である。
本発明の高周波フィルタ装置の構成を利用することによって、フィルタ素子が積層基板の完全に内層のみを利用した構造となるので、積層基板の表層をアンテナやチップ実装に利用することで、基板面積の利用効率が飛躍的に向上する。また、段間結合に伴う損失がないので低損失である。さらに、入出力結合にビア導体を用いたことから、ビア導体間の相対的位置関係によってフィルタ特性が決定されるので、積層基板で常に問題となる積層に伴うパターンずれの影響を受けず、歩留まりの高い生産が可能となると言う特徴がある。また、簡便な構成によって、制御性良く減衰極を導入できるので、導波管構造を含むフィルタ装置での課題の一つである高域側での阻止域形成のための有効な手段となる。
本発明の第1の実施形態に係る高周波フィルタ装置の構成を示す平面図である。 図1のA−A’線における断面図である。 図1の高周波フィルタ装置の斜視図である。 図1の高周波フィルタ装置における遮蔽ビア導体8と終端ビア導体9−1,9−2と入出力結合ビア導体10−1,10−2との位置関係を説明する平面図である。 図1の高周波フィルタ装置について電磁界解析により計算した周波数特性を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る第1の実施例の高周波フィルタ装置を示し、当該高周波フィルタ装置における遮蔽ビア導体8と終端ビア導体9−1,9−2と入出力結合ビア導体10−1,10−2との位置関係を説明する平面図である。 図6の高周波フィルタ装置について電磁界解析により計算した周波数特性を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る第2の実施例の高周波フィルタ装置を示し、当該高周波フィルタ装置における遮蔽ビア導体8と終端ビア導体9−1,9−2と入出力結合ビア導体10−1,10−2との位置関係を説明する平面図である。 図8の高周波フィルタ装置について電磁界解析により計算した周波数特性を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る高周波フィルタ装置の構成を示す平面図である。 図10のA−A’線における断面図である。 図10の高周波フィルタ装置の斜視図である。
符号の説明
1,2,3…誘電体層、
4,5…導体層、
6,7…ストリップ導体、
6a,7a…入出力端、
8,8−1,8−2,8−3…遮蔽ビア導体、
9−1,9−2…終端ビア導体、
10−1,10−2…入出力結合ビア導体、
11−1,11−2…貫通穴、
12…導波管、
12−1,12−2,12−3…導波管部分。

Claims (6)

  1. 複数の誘電体層を積層して構成された導波管構造内に少なくとも1つの共振器が形成された高周波フィルタ装置であって、
    第1の誘電体層と、前記誘電体層の両面に形成された対向する1対の第1の導体層及び第2の導体層と、
    前記第1及び第2の導体層を短絡するように形成され、かつ、互いの間隔が信号波長の1/2以下で、信号波長の1/2以上の列間隔で2列に配置された複数の遮蔽ビア導体と、
    前記2列の遮蔽ビア導体と、前記2列の遮蔽ビア導体の間の2カ所に設置された終端ビア導体とによって囲まれた導波管部分と、
    前記第1の導体層の表面に形成された第2の誘電体層と、
    前記第2の誘電体層の表面に形成された一対のストリップ導体と、
    前記2カ所に設置された終端ビア導体の間の前記導波管部分に位置し、前記第1の導体層に形成された開口部を通して、一方の端は前記一対のストリップ導体にそれぞれ接続され、他方の端が前記導波管部分と接続された入力結合ビア導体及び出力結合ビア導体と、を備え、
    前記入力結合ビア導体と前記終端ビア導体と前記遮蔽ビア導体、及び、前記出力結合ビア導体と前記終端ビア導体と前記遮蔽ビア導体とで囲まれた2カ所の導波管部分に励振される共振モードが減衰極を生じさせることを特徴とする高周波フィルタ装置。
  2. 複数の誘電体層を積層して構成された導波管構造内に少なくとも1つの共振器が形成された高周波フィルタ装置であって、
    第1の誘電体層と、前記第1の誘電体層の両面に形成された対向する1対の第1の導体層及び第2の導体層と、
    前記第1及び第2の導体層を短絡するように形成され、かつ、互いの間隔が信号波長の1/2以下で、信号波長の1/2以上の列間隔で2列に配置された複数の遮蔽ビア導体と、
    前記2列の遮蔽ビア導体と、前記2列の遮蔽ビア導体の間の2カ所に設置された終端ビア導体とによって囲まれた導波管部分と、
    前記第1の導体層の表面に形成された第2の誘電体層と、
    前記第2の誘電体層の表面に形成された第1のストリップ導体と、
    前記第2の導体層の表面に形成された第3の誘電体層と、
    前記第3の誘電体層の表面に形成された第2のストリップ導体と、
    前記2カ所に設置された終端ビア導体の間の前記導波管部分に位置し、前記第1の導体層に形成された開口部を通して、一方の端は前記第1のストリップ導体に接続され、他方の端が前記導波管部分と接続された第1の結合ビア導体と、
    前記2カ所に設置された終端ビア導体の間の前記導波管部分に位置し、前記第2の導体層に形成された開口部を通して、一方の端は前記第2のストリップ導体に接続され、他方の端が前記導波管部分と接続された第2の結合ビア導体と、を備え、
    前記第1及び第2の結合ビア導体の一方を入力結合ビア導体とし、他方を出力結合ビア導体とし、
    前記第1の結合ビア導体と前記終端ビア導体と前記遮蔽ビア導体、及び、前記第2の結合ビア導体と前記終端ビア導体と前記遮蔽ビア導体とで囲まれた2カ所の導波管部分に励振される共振モードが減衰極を生じさせることを特徴とする高周波フィルタ装置。
  3. 前記入力結合ビア導体及び前記出力結合ビア導体は共に前記導波管部分を貫通し、前記入力結合ビア導体及び前記出力結合ビア導体の他方の端はそれぞれ前記第2の導体層に接続されていることを特徴とする請求項1記載の高周波フィルタ装置。
  4. 前記第1の結合ビア導体は前記導波管部分を貫通し、前記第1の結合ビア導体の他方の端は前記第2の導体層に接続されており、かつ前記第2の結合ビア導体は前記導波管部分を貫通し、前記第2の結合ビア導体の他方の端は前記第1の導体層に接続されていることを特徴とする請求項2記載の高周波フィルタ装置。
  5. 前記遮蔽ビア導体は2列の平行な直線上に配置されていることを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の高周波フィルタ装置。
  6. 1対の結合ビア導体の間の導波管部分を形成する2列の遮蔽ビア導体の列間隔と、前記結合ビア導体と前記終端ビア導体の間の導波管部分を構成する2列の遮蔽ビア導体の列間隔とが異なることを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の高周波フィルタ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012256867A (ja) * 2011-05-17 2012-12-27 Canon Inc 導波路、該導波路を用いた装置及び導波路の製造方法
WO2022124038A1 (ja) * 2020-12-09 2022-06-16 株式会社村田製作所 回路基板及び電子機器

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