JP2010072678A - 入力装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 指先を使った片手による入力も可能でモバイルという小型化にも対応でき、キーの押し下げとった操作回数の増加を可能な限り生じさせず、スムーズな操作性で確実な入力を行える入力装置を提供する。
【解決手段】 入力装置1において、操作部3には複数の押圧感度点51、…、5Nが形成されており、各押圧感度点は、2つのグループに分類されたアルファベットのうち一方のグループに割り当てられ、ユーザが押圧感度点を操作することにより割り当てられたグループのアルファベットの1つが候補情報として選択され、表示部7により表示され、ユーザは、確定させて各押圧感度点に割り当てられた情報を入力する。2つのグループのアルファベットは、第1グループのアルファベットを確定したときには第1グループのものを確定可能な状態とされ、第2グループのアルファベットを確定したときには第1グループのアルファベットを確定可能な状態とされる。
【選択図】 図1
【解決手段】 入力装置1において、操作部3には複数の押圧感度点51、…、5Nが形成されており、各押圧感度点は、2つのグループに分類されたアルファベットのうち一方のグループに割り当てられ、ユーザが押圧感度点を操作することにより割り当てられたグループのアルファベットの1つが候補情報として選択され、表示部7により表示され、ユーザは、確定させて各押圧感度点に割り当てられた情報を入力する。2つのグループのアルファベットは、第1グループのアルファベットを確定したときには第1グループのものを確定可能な状態とされ、第2グループのアルファベットを確定したときには第1グループのアルファベットを確定可能な状態とされる。
【選択図】 図1
Description
本願発明は、入力装置に関し、特にそれぞれが押圧に所定の感度で応答して信号出力を可能とする複数の押圧感度点が形成された操作部と、操作部からの信号出力により各押圧感度点に割り当てられた情報を候補情報として画面表示する表示部と、表示部に画面表示された候補情報を確定させて各押圧感度点に割り当てられた情報を入力する確定部とを備えた入力装置に関する。
まず、モバイル環境下での英字・英文入力は、例えば携帯電話で代表される3×4(12個)の独立した1つのキーボタンにアルファベットと記号等の英字キャラクターの3〜4種類を割り振ってキーの打鍵数によりその機能を確定して行う入力の方式が普及している(参考:特許文献1)。また、パソコンの小型化が進む中、携帯電話との融合も進み、携帯電話というモバイル環境下でも通常のフルキーボードを装備させ、そのキーによって入力することも行われている。さらに、タッチパネル上に文字を表示してその表示を直接タップして入力する方式もある。なお、本願発明者によって、特許文献2に開示されているように、第1の指先の触覚を利用して表示内容と関係付けて入力することができ、第2の指先で入力内容を確定できる入力装置のほか、特許文献3に開示されているように、指先の移動による触覚で認識可能なサイズで各種入力が行える指先触覚入力装置も提案されている。
しかしながら、上記のように打鍵数により機能を確定させる方式では、キーボタンを押す回数が多くなり、操作性が不十分であった。また、押す回数が多くなるということはそれだけ指への負担が加わることでもあり、回数が増えすぎたことによりキーボタンの自体の感度が低下して確定処理がスムーズに行えない場合も起こりえた。このような不具合の一つの解決策として、曖昧な入力を行っても一つのキーに割り当てられた複数の文字を区別せずに入力を行い、内蔵された辞書を用いて曖昧性を解消することにより単語を入力してキー入力数を減らすことも考えられている。しかし、依然としてキーを押す回数は多いという問題は残っており、辞書を用いることにより単語の選択・決定という処理が必要になった点で一文字一文字の入力と比べて文章の推敲が途切れてしまうという不具合も生じている。
また、通常のフルキーボードを装備させる場合には、モバイルでの小型化が要求されるためにフルキーボードのサイズが極めて小さいサイズとなるが、その場合、指で一つ一つのキーを操作するのは難しく、隣のキーを誤って操作してしまうといった誤入力が生じてしまうこともあった。さらに、フルキーボードは、通常のパソコンで分かる通り、ブラインドタッチで入力が可能な利点があるはずであるが、モバイルでの小型化ではキーと画面との対比しながら入力することに陥らざるを得ないという状況にあった。
さらに、静電容量方式によるタッチパネルの場合には、指先が画面に触れる形になり、画面が指先や指で隠れてしまうという問題があった。また、指が触れることにより皮脂がついてしまう一方、それを拭こうとするとタッチパネルが感度してしまうという問題もあった。さらに、入力を確定させる機構を装備させる点で難しさがあった。特に、指先や指により画面が隠れるという点が不具合とならないようにするには画面が大きいことが要求される一方、モバイルでの小型化という要求もあり、相反する要求に応える必要があるという問題があった。
ゆえに、本願発明は、指先を使った片手による入力も可能でモバイルという小型化にも対応でき、キーの押し下げ操作回数の増加を可能な限り生じさせず、スムーズな操作性で確実な入力を行える入力装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、それぞれが押圧に所定の感度で応答して信号出力を可能とする複数の押圧感度点が形成された操作部と、前記操作部からの信号出力により前記各押圧感度点に割り当てられた情報を候補情報として画面表示する表示部と、前記表示部に画面表示された候補情報を確定させて前記各押圧感度点に割り当てられた情報を入力する確定部とを備え、前記押圧感度点に割り当てられた情報には26文字のアルファベットを表す文字情報が対応して含まれ、前記26文字のアルファベットを表す文字情報が二つのグループに区別され、前記表示部により第1グループ内のアルファベットを表す文字情報が全て画面表示されるとともに当該第1グループ内から候補情報も画面表示されて確定可能な場合には第2グループ内のアルファベットを表す文字情報の確定は不可とし、前記表示部により第2グループ内のアルファベットを表す文字情報が全て画面表示されるとともに当該第2グループ内から候補情報も画面表示されて確定可能な場合には前記第1グループ内のアルファベットを表す文字情報の確定は不可とし、グループ単位で確定できる状態であるか否かが定まっており、前記第1グループ内のアルファベットを表す文字情報が確定した後には前記第1グループ内のアルファベットを表す文字情報を確定できる状態とし、前記第2グループ内のアルファベットを表す文字情報が確定した後には前記第1グループ内のアルファベットを表す文字情報を確定できる状態とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記複数の押圧感度点が、少なくとも12個の凸部で構成され、前記第1グループ内のアルファベットを表す文字情報には少なくともA、B、E、H、I、N、O、R、S、Tの10個の文字情報が含まれ、前記第2グループ内のアルファベットを表す文字情報には前記第1グループに含まれない残余のものが含まれるものである。
請求項3に係る発明は、請求項1において、前記複数の押圧感度点が、少なくとも16個の凸部で構成され、前記第1グループ内のアルファベットを表す文字情報には少なくともA、B、D、E、H、I、L、N、O、R、S、Tの12個の文字情報が含まれ、前記第2グループ内のアルファベットを表す文字情報には前記第1グループに含まれない残余のものが含まれるものである。
本願請求項1に係る発明によれば、上記のような操作部と表示部と確定部とを備えることにより、指先を使った片手による入力も可能でモバイルという小型化にも対応でき、操作回数の増加を抑えることができる。また、26文字のアルファベットを表す文字情報が2つのグループに区別され、一方で確定できる場合には他方が確定不可であり、誤った確定の防止という工夫もなされているため、確実な入力を行える。さらに、第1グループ内のアルファベットの確定が続けて行え、第2グループ内のアルファベットの確定後は第1グループの確定を行えるようにしているので、第1グループ内のアルファベットに入力頻度が高いものを集めることにより、操作性が高く、ユーザにとってはスムーズな入力作業と感じることができる。よって、指先を使った片手による入力も可能でモバイルという小型化にも対応でき、キーの押し下げといった操作回数の増加を可能な限り生じさせず、スムーズな操作性で確実な入力を行えるものが得られる。
本願請求項2に係る発明によれば、アルファベットの中でも10個の文字は出現頻度が高く(後に説明するように、これらを含む11個の文字で約7割超)、その第1グループが画面表示された状態で大半を入力できるばかりか、上記第2グループから第1グループへの確定のための切り替えと相まって操作性が高いものが得られる。また、複数の押圧感度点が少なくとも12個の凸部からなり、同じキーのサイズであっても106個のキーからなるフルキーボードの場合に比べて約8分の1に近いものであるという省スペースが実現できてモバイルでの小型化に対する要求にも添うものとすることができる。
本願請求項3に係る発明によれば、請求項2の場合には携帯電話の配列(3列4行)を可能としているが、ここでは4×4という正方形での配列を可能とし、より第1グループにアルファベットを含ませることができ、請求項2の場合に比べて操作性をより向上させたものとすることができる。
以下、図面を用いて本願発明の実施例を示す。なお、本願発明の実施の形態は下記のものに限定されない。
図1は、本願発明の実施の形態に係る入力装置1の概略ブロック図である。入力装置1は、例えば携帯電話などの携帯情報端末である。ユーザは、入力装置1を、片手で手首を固定(挟持)して操作する。入力装置1は、ユーザが1本の指の移動による指先の操作を行う操作部3を備える。操作部3には、それぞれが押圧に所定の感度で応答して信号出力を可能とする複数の押圧感度点51、…、5Nが形成されている。また、入力装置1は、各押圧感度点51、…、5Nに割り当てられた情報を画面表示する表示部7を備える。表示部7は、ユーザによる操作部3の操作により生成された操作部3からの信号出力により、各押圧感度点51、…、5Nに割り当てられた情報を候補情報として画面表示する。さらに、入力装置1は、表示部7に画面表示された候補情報を確定させて各押圧感度点51、…、5Nに割り当てられた情報を入力する確定部9を備える。
押圧感度点51、…、5Nに割り当てられた情報には、26文字のアルファベットを表す文字情報が対応して含まれる。これらの26文字のアルファベットを表す文字情報は、第1グループと第2グループという二つのグループに区別されている。
表示部7において、第1グループ内のアルファベットを表す文字情報が全て画面表示されるとともに、第1グループ内から候補情報も画面表示されて確定可能な場合には第2グループ内のアルファベットを表す文字情報の確定はされない。また、表示部7において、第2グループ内のアルファベットを表す文字情報が全て画面表示されるとともに、第2グループ内から候補情報も画面表示されて確定可能な場合には第1グループ内のアルファベットを表す文字情報の確定はされない。このように、グループ単位で確定できる状態であるか否かが定まっている。
さらに、入力装置1は、第1グループ内のアルファベットを表す文字情報が確定した後には、第1グループ内のアルファベットを表す文字情報を確定できる状態とする。また、入力装置1は、第2グループ内のアルファベットを表す文字情報が確定した後には、前記第1グループ内のアルファベットを表す文字情報を確定できる状態とする。
図2は、図1の入力装置1の具体例である携帯電話11を示す図である。(a)は正面図、(b)は背面図、(c)はユーザの使用状況を示す図である。
図2(a)にあるように、携帯電話11の正面には、表示部13(図1の表示部7に対応)を備える。また、図2(b)にあるように、携帯電話11の背面には、操作部15(図1の操作部3に対応)を備える。操作部15には、複数の押圧感度点17(図1の押圧感度点51、…、5Nに対応)が設けられており、また、他に2点の押圧感度点19及び21も設けられている。さらに、ユーザは、操作部15の押圧感度点17を操作することにより、表示部13に表示されたアルファベットのうち、候補情報として表示されたものの確定処理を指示する(そのため、図2の押圧感度点17は、図1の確定部9にも対応する。)。ユーザは、図2(c)にあるように、携帯電話11を、片手で手首を固定して保持し、1本の指の移動による指先で操作部15を操作する。
図2(b)の操作部15は、狭いスペースに12個の凸部の押圧感度点17が形成された操作パネルである。本実施例では、文字入力キーを12個に規定することから、通常の106フルキーボードに比べて8分の1以下のキー数で構成される。そのため、省スペースを実現可能となる。ユーザは、操作の際に1本の指先の微小な動きによって凸部を触覚認識しつつ、表示部13において、その触覚認識を視覚によってリアルタイムに確認して確定信号の入力可否を決定する。
また、図2(a)にあるように、少なくとも第1グループ内のアルファベットを表す文字情報は、狭いスペースで明瞭に認識でき、しかも視覚的に煩雑感がなく、入力操作も分りやすい「1キーに1機能」の表示とする。これは、一般的な1つのキーに複数の文字入力機能を搭載し打鍵数によりキーを確定する方式とは異なるものである。さらに、一度に表示されるキー表示が12と限定されているので、希望する表示キーを探しやすく、1つの画面に表示されるキー表示やその位置を覚えることも容易である。
図3は、図2の携帯電話11のハードウェア構成の一例を示す図である。携帯電話31は、キーパッド33(図2の操作部15に対応)とディスプレイ35(図2の表示部13に対応)を備える。また、通信装置37の制御等を含め、ソフトウェアの制御の下で動作するCPU39を備える。CPU39には、ユーザがキーパッド33を操作して生成された信号出力(刺激情報)が伝達される。さらに、携帯電話31は、文字テーブル辞書41を備え、CPU37は、必要に応じてこれらの保持する情報を参照して処理を行う。CPU37は、ドライバ3を介してディスプレイ35の表示制御を行う。
本実施例では、英語の入力は、26文字のアルファベットと、各種の記号、スペース及びカーソルの移動等の機能とを使い分けて入力する。さらに、入力操作の便利のため、26文字のアルファベットは、2つのグループに分けられている。CPU39は、ディスプレイ35に対して、第1グループのアルファベットの表示処理を行い、ユーザのキーパッド33の操作により第1グループのアルファベットの候補情報の表示処理を行い、さらに、その候補情報の確定処理を行う。また、ユーザのキーパッド33の操作により、第2グループのアルファベットの表示処理を行い、第2グループのアルファベットの候補情報を表示し、さらに、その候補情報の確定処理を行う。
まず、図4を参照して、図3のキーパッド33の具体的な一例について説明する。図4は、要部断面図である。図4に示されるように、キーパッド33の12個の押圧感度点をなす凸部は、例えば縦横の各ピッチは約4.8mm、平面形状のφは約1.6mm、高さは約0.5mm以下としている。これにより、縦横約16mmのスペースで指の移動を行ない、片手による文字入力を実行することが可能になっている。
キーパッド33は、ユーザが筺体表面に配置された操作パネルに指先が触れたときに、その位置をx−y座標上の位置として検出することができるデジタイザと、このデジタイザの下方に設けられて確定的な入力を行うための確定スイッチを備えたものである。デジタイザは、所定のキーに対応付けられたエリア(キー対応エリア)が複数個マトリクス状に分割された構成になっている。このキーはアルファベットや数字、機能等の情報に対応する。デジタイザは、図示を省略するが、2枚のITO(Indium Tin Oxide)等の素材から構成された抵抗膜を備えたもので、絶縁性のレジスト及びスペーサを介して2枚の抵抗膜がある空間を持って対向されている。この抵抗膜の一方はx座標を特定するためのものであり、対向する1組の辺に一対の電極が設けられている。また、抵抗膜の他方はy座標を特定するためのものであって、対向する1組の辺に一対の電極が設けられている。この各電極にそれぞれ電圧を印加し、デジタイザが押圧されると、x座標の抵抗膜とy座標の抵抗膜が接触して導通し、x座標はy座標側を通じて検出し、y座標はx座標側を通じて検出し、分圧によりそれぞれの座標を割り出す。デジタイザは上面シートによって被覆され、剛性を有するステンレス製のアクチュエータ板に固定されている。
上面シートの表面には、ユーザがキー対応エリアを指先で探って入力しやすいように、例えば高さ0.3mm程度に膨出した凸部が形成されている。なお、上面シートは例えば0.2mm程度、アクチュエータ板は例えば0.2mm程度の厚さを有している。
デジタイザの下方の確定スイッチは、アクチュエータ板の下面(デジタイザとは反対側)に設けられた突起状の作用部と、図示を省略するが確定信号を出力するためのスイッチ回路パターンが形成されたフィルム基板と、クリック感を与えるために弾発力が付与された金属製のドームスプリングから構成される。ドームスプリングは、上面シートの凸部が所定の重さより強く押圧されてアクチュエータ板が押し下げられ、突起状の作用部によって押圧されると、フィルム基板の接点パターンを導通させる。この信号はフラットケーブル(FPC等)を通してCPUとドライバを介して表示部に出力される。凸部を押圧して確定スイッチがオンされる強さは、接触したことが検知できる約10g/cm2より大きい押し圧約70g/cm2でドームスプリングが押し下げられる強さである。
続いて、図5を用いて、図2の表示部13における表示の一例について説明する。ここで、A,B,E,H,I,L,N,O,R,S,Tの11文字を第1グループとし、その他のアルファベットを第2グループとする。図5は、図2の表示部13における(a)第1グループ及び(b)第2グループのアルファベットの配置の具体例を示す図である。以下、図5(a)を「表示画面1」といい、図5(b)を「表示画面2」という。
図5(a)の表示画面1では、図2の押圧感度点17のそれぞれに対して、第1グループのアルファベット11文字及び記号「,.」が、記号「,.」を最下段中央に割り付け、アルファベット11文字をその他の押圧感度点に左上からアルファベット順に1文字ずつ割り付けて表示される。記号「,.」は、1クリックで「,」、2クリックで「.」が入力される。押圧感度点17は、どの点でも所定の時間以上(例えば1秒以上)連続して押される(以下、「長押し」という。)と、図5(b)の表示へ切り替えられる。また、表示画面1の押圧感度点19及び21には、それぞれ、スペース及びデリート(クリア)が割り付けられて表示される。
図5(b)の表示画面2では、図2の押圧感度点17のそれぞれに対して、第2グループのアルファベット15文字並びに数字、機能及びmenuを入力するための画面に切り替える3つの画面切替キーについて、画面切替キーを最下段の3点にそれぞれ割り付け、アルファベット15文字をその他の押圧感度点に割り付けて表示される。また、押圧感度点19及び21には、それぞれ、表示画面1への画面切替キー及び改行(リターン)が割り付けられて表示される。
本実施例において、押圧感度点17の個数は12個に制限され、さらに、ユーザは、機器を挟持(手首を固定)して、1本の指を移動して、指先の操作により入力する。そのため、デスクトップ型のキーボード等のように手首を固定せずに入力する方式と比較して指の動く操作範囲は一定の制限が生じる。併せて、隣接する目的のキー(凸部)ヘの指先の移動は容易に行えるが、目的のキーが目的外のキーを飛び越えた位置にある場合は、隣接するキーの操作に較べて少なくとも指先の触覚によるスピーディーな位置認識と指先による確定操作において難度が増すことになる。そのため、各押圧感度点に対応するキーの表示方法は、指操作の面からもユーザインタフェース(UI)の向上を実現するために非常に重要である。
続いて、図6を参照して、図2の携帯電話11及び図3の携帯電話31の具体的な動作の一例を示す。ユーザが英語入力モードを設定すると、図2の表示部13に図5(a)の表示画面1が表示される(ステップST1)。CPU39は、ユーザが図2の押圧感度点19又は21を入力したか否かを判断する(ステップST2)。CPU39は、ユーザが押圧感度点19を入力した場合はデリートの入力処理を行い(ステップST3)、ユーザが押圧感度点21を入力した場合はスペースの入力処理を行い(ステップST4)、その後、ステップST2の処理に戻る。ユーザが図2の押圧感度点19も21も入力していない場合、CPU39は、押圧感度点17を入力したか否かを判断する(ステップST5)。入力していない場合には、ステップST2の処理に戻る。入力した場合には、その押圧感度点に対応する文字又は記号(以下、「候補情報」という。)について、例えば当該押圧感度点を強く押圧するなどにより確定を入力しているか否かを判断する(ステップST6)。弱い押圧に留まり、確定を入力していない場合には、CPU39は、その押圧されている押圧感度点に対応するキーの色を変更して表示する等により候補情報を表示する(ステップST8)。そして、ユーザが、表示画面1で入力が完了しなかったり、表示画面1に目的の文字表示がなかったりする場合は、その押圧感度点を長押しして表示画面切替を入力する。CPU39は、表示画面切替が入力されている場合には表示画面2の表示処理を行い(ステップST10)、表示画面切替の入力がなされていない場合には、ステップST2の処理に戻る。ステップST6において、確定が入力されている場合には、候補情報に対応するアルファベット又は記号を確定して入力する確定処理を行い(ステップST7)、ステップST2の処理に戻る。
CPU39は、ステップST10の表示画面2の表示処理に続き、ユーザが図2の押圧感度点19又は21を入力したか否かを判断する(ステップST11)。CPU39は、ユーザが押圧感度点19を入力した場合はステップST1の表示画面1の表示処理に戻る。また、CPU39は、ユーザが押圧感度点21を入力した場合はリターン(改行)の入力処理を行い(ステップST12)、ステップST1の表示画面1の表示処理に戻る。ユーザが図2の押圧感度点19も21も入力していない場合、CPU39は、押圧感度点17を入力したか否かを判断する(ステップST13)。入力していない場合には、ステップST11の処理に戻る。入力した場合には、ユーザが確定を入力しているか否かを判断する(ステップST14)。確定が入力されていない場合には、CPU39は、その押圧されている押圧感度点に対応して候補情報を表示して(ステップST16)、ステップST11の処理に戻る。また、確定が入力されている場合には、候補情報に対応するアルファベット又は記号を確定して入力する確定処理を行う(ステップST15)。このとき、CPU39は、ユーザが押圧感度点17を所定の時間内に連続して確定を入力したことを感知した場合(例えば、ユーザが押圧感度点をダブルクリックした場合)、第2グループのアルファベットの複数の文字の確定処理を行う。また、例えば「PQZ」のように1つのキーに複数の文字が割り当てられている場合には、連続して確定が入力した回数に応じて、1回であればP、2回であればQ、3回であればZのように、文字の確定処理を行う。また、数字入力画面キー、機能入力画面切替キー及びmenu入力画面切替キーであれば、それぞれ、数字画面を表示して数字の入力処理をし、カーソル移動、コピー&ペースト等のための機能画面を表示して機能の入力処理をし、及び、入力方式の選択画面等のための文字入力に関する一覧を表示して入力処理を行う。そして、ステップST1の処理に戻る。
以下では、「CALL.」と入力する場合を例として、図6における具体的な文字入力の工程を説明する。
表示画面1にCがないので、ユーザは、押圧感度点17の1つのキーを長押し(約1秒)して表示画面2に画面を切り替える(ステップST10)。ユーザは、表示画面2のCの位置に対応する押圧感度点を指先で触覚認識しその位置をタッチイベントとして確認する。CPU39は、これを候補情報として識別する(ステップST8)。ユーザは、この押圧感度点をさらに強く押すと、CPU39は、Cの入力処理を行い、図2の表示部13にCを入力表示する(ステップST7)。入力処理が終わると、表示部13には表示画面1が表示される(ステップST1)。表示画面2のCと同じ位置にAが表示されており、指のタッチイベントとして表示される。ユーザがそのまま同じ位置を強く押すと、CPU39は、Aの入力処理を行う(ステップST7)。次に、タッチイベントでLの指位置を確認し(ステップST5)、その凸部を続けて2度押すとLLと表示部13に入力表示される(ステップST7)。次に、ユーザは、「,.」キーを2度押すことで「.」が入力表示され入力が完了する(ステップST7)。
なお、図5の入力表示例における表示画面1と表示画面2のアルファベット等のキーの割り付け位置は一例であり、適宜変更可能である。例えば、表示画面1において、A,B,D,E,H,I,N,O,R,S,Tの11文字を割り当てる(Lに代えてDを割り当てる)ようにしてもよい。この場合、Lは、表示画面2に割り当てられることになる。ユーザは、例えば「CALL.」における「LL」を入力する場合、表示画面1にはLがないために表示画面2に切り替える(図6のステップST9)。その際、ユーザは、表示画面2のLのキー表示位置を覚えておいて表示画面1の同じ位置の凸部に指先を移動してその凸部を長押しし、表示画面2に表示画面を切り替えてタッチイベントでLの指位置を確認し(図6のステップST13)、その凸部を早く2度押す。これにより、LLと表示部13に入力表示され(図6のステップST15)、表示部13には表示画面1が表示される(図6のステップST1)。ここで、表示画面2のアルファベット入力について、同じ位置の凸部が所定の時間内に連続して操作された場合のみ同じ文字が入力表示され、異なる位置の場合には入力表示されないようにしてもよく、また、同じ位置だけでなく、異なる位置の凸部が所定の時間内に連続して操作された場合にも、各位置に対応する文字が連続して入力表示されるようにしてもよい。
また、本実施例にあるように、例えば表示画面1から表示画面2へ切り替えて入力操作を続行しようとする場合のように、入力操作の連動を伴うモードの違う2つの入力画面を有する場合、第1の画面から第2の画面への画面切替を確定入力し第2の画面が表示された際、第1の画面に位置する画面切替を指示したキーと同じ位置に指先の位置を確認できるタッチイベントが表示されているようにしてもよい。これにより、表示画面1から表示画面2に画面が切り替わった指先の位置から、表示画面2の操作実行において指先の移動を極力少なくしてスピーディーな操作性を実現することができる。そのため、表示画面2におけるキー表示の割り付け位置を工夫することができる。連続して押し操作を行う場合などブラインドタッチができない場合、キートップに表示されている目的のキー表示を探す際には、通常は一旦、押し操作を完了後に指を離して次の目的のキーを探すのが一般的である。キー表示が指と手で隠れ手元が見えないのがその理由だが、本装置はキー表示が指や手で隠れないのでこのような操作スタイルが創案される。
さらに、入力操作の連動を伴うモードの違う2つの入力画面を有する場合、表示画面1と表示画面2とを明瞭に区別できるように表示するようにすることで、UIの向上を図ることができる。ユーザが急いで入力をしている際にも、表示画面の認識に対して混乱することなく操作中の画面を理解し、目的のキー表示を探すのが容易になるからである。
さらに、入力操作の連動を伴うモードの違う2つの入力画面を有する場合、表示画面1で操作をしている状態のまま表示画面2に割り付けてある目的キーの割り付け位置や割り付け内容を予め確認するようにしてもよい。例えば、図7にあるように、例えば大型の携帯情報端末やPDAなどの大型の表示部を有する情報端末機器の場合には、表示画面1と表示画面2を同時に表示してもよい。左側に入力操作を実行中の表示画面1を表示し、右側に入力待機中の表示画面2を斜線処理を施して表示している。前記斜線処理部については表示画面1に較べ表示を薄くしたりして、実行中の表示画面1の表示の方が明瞭に認識できるようになっていることが望ましい。このように同時に表示して、入力待機中の表示画面2は表示画面1から画面を切り替えたときに表示画面1と例えば位置を入れ替えて表示することにより、ユーザは表示内容を明瞭に確認して入力操作を続けることができる。
さらに、表示画面2に割り付けている数字キーやmenuキーを軽く押したときにタッチイベントとして表示画面2が表示画面1の位置に表示されるようにしてもよく、表示画面の位置はそのままで実行中の表示画面2の表示の方が明瞭に認識できるようになるとしてもよい。
さらに、表示部7により表示される情報は、図2(a)では、表示部13と操作部15が一体となった機器を例に説明しているが、例えば、入力装置1がデスクトップ型コンピュータ等の大型装置に対するリモコンである場合のように、入力装置1とは独立した表示装置において、入力装置1と無線やUSBで結線されたものに表示されるものでもよい。
さらに、例えばアルファベット文字を入力する際、指先を操作パネルの凸部を押したまま目的のキー表示の位置に移動しその箇所をさらに強く押しこむ操作を繰り返してアルファベット文字の第1の入力をし、いったん操作パネルから指先を離し、所定の時間の経過の後、再度、同様のアルファベット文字の第2の入力をすると、第1の入力によるアルファベット文字と第2の入力によるアルファベット文字との間にスペースが入力されるようにしてもよい。これにより「スペース」については確定操作を不要とすることができる。
本実施例では、操作部3の押圧感度点51、…、5Nが16個である場合について説明する。実施例1は、歴史のある携帯電話等の3列4行の慣例を踏襲したものである。本実施例では、スムーズな指の移動範囲、指先触覚で目的の凸部を認識しやすい凸部の配置寸法を基に、一例として4列4行の16個の凸部を形成している。
本実施例では、第1グループのアルファベットはA,B,D,E,H,I,N,O,R,S,T,U,L及びMの14文字であり、その他のアルファベットが第2グループとする。図8は、表示部7により表示される(a)第1グループ及び(b)第2グループのアルファベットの配置の具体例を示す図である。図8の(a)及び(b)は、それぞれ、図5(a)及び(b)に対応し、入力画面1及び入力画面2という。入力装置1の動作も図6と同様のものであるが、押圧感度点19及び21に関する処理について、図8(a)の最下段左から2番目のスペースの入力処理が図6のステップST4に対応して同様のものとなる。
図8(a)では、最下段の押圧感度点の中央左側にスペースが、中央右側に記号「,.」が割り当てられる。記号「,.」は、1クリックで「,」、2クリックで「.」が入力される。その他の押圧感度点のそれぞれに対して、第1グループのアルファベットが左上からA,B,D,E,H,I,N,O,R,S,T,U,L及びMの順に割り当てられる。押圧感度点17は、少なくともアルファベットが割り当てられた点で長押しされると、図8(b)の表示へ切り替えられる。
図8(b)の表示画面2では、最下段の4つの押圧感度点に対して、左から、表示画面1への画面切替キー、数字入力画面切替キー、機能入力画面キー及び大文字・小文字切替キーが割り当てられている。表示画面1への画面切替キー、数字入力切替キー及び機能入力画面キーについては、図5に示されるものと同様のものであり、大文字・小文字切替キーは、大文字入力画面を小文字入力画面に切り替え、また、小文字入力画面を大文字入力画面に切り替えるものである。その他の押圧感度点には、第2グループのアルファベットが、アルファベット順に割り当てられている。
本願発明において、キー入力操作が多いアルファベットを第1グループとし、キー入力操作が少ないアルファベットを第2グループとすることにより、アルファベットを入力するための連続したキー操作は極めて少ないものとなる。さらに、表示画面の切替処理を省略し、操作の簡略化による操作性の向上を実現するものである。
さらに、実施例2では、実施例1に比べて押圧感度点を16個に増やしたことにより、アルファベット26文字のうち、図8(a)のみで文字入力操作を完結できる確率を上げ、図8(b)においては各々の入力キーには1つのアルファベットを割り付けて表示を見やすくし、入力処理を容易化している。
図9を参照して、実施例1及び実施例2において、アルファベットを2つのグループに分けて表示した成果について説明する。図9は、実施例1及び実施例2における入力画面別の文字の出現頻度を示した図である。図9における英文は、出現頻度に関する本願発明の優位性を示すために自然科学ジャンルの雑誌から無作為に選んだ3つの文例を比較している。
実施例1の表示画面1に表示される文字は、3つの文例において全文字数に対する出現頻度が76%〜82.6%と高いものであった。さらに、実施例1においては、入力したい文字を表示させるために複数回の打鍵は不要である。そのため、従来の携帯電話の連打式文字入力で入力した場合と比較して、実施例1による打鍵数は50%〜62%の打鍵数で同じ入力が実現される。すなわち、(a)では、連打式文字入力の押し数が518であるのに対し、実施例1では296であり57%となり、(b)では、連打式文字入力の押し数が466であるのに対し、実施例1では288であり62%となり、(c)では、連打式文字入力の押し数が518であるのに対し、実施例1では260であり50%となる。
また、実施例2の図8(a)に表示される文字は、3つの文例において全文字数に対する出現頻度が83%〜86%と実施例1の場合よりもさらに高いものであった。さらに、実施例1と同じく入力したい文字を表示させるために複数回の打鍵は不要であるため、従来の携帯電話の連打式文字入力で入力した場合と比較して、実施例2による打鍵数は下記のように46%〜54%と実施例1よりも少ない打鍵数で同じ入力が実現された。すなわち、(a)では、連打式文字入力の押し数が518であるのに対し、実施例2では281であり54%となり、(b)では、連打式文字入力の押し数が466であるのに対し、実施例2では251であり54%となり、(c)では、連打式文字入力の押し数が518であるのに対し、実施例2では239であり46%となる。
このように、本願発明により、英語において出現頻度の高いキー表示文字を表示画面1に割り付けることで文字入力の殆どの操作を表示画面1のみで行うことができ、画面の切替が少ないシンプル操作のUIを実現できる。さらに、従来の携帯電話の連打式文字入力と比較して圧倒的な打鍵数の優位性が実証され、あたかもQWERTYキーを片手で入力するような快適なユーザインターフェース(UI)が実現できる。
なお、図8の入力表示例におけるアルファベット等のキーの割り付け位置は一例であり、適宜変更可能である。
1 入力装置、3 操作部、51,…,5N 押圧感度点、7 表示部、9 確定部、11 携帯電話、13 表示部、15 操作部、17,19,21 押圧感度点、31 携帯電話、33 キーパッド、35 ディスプレイ、39 CPU
Claims (3)
- それぞれが押圧に所定の感度で応答して信号出力を可能とする複数の押圧感度点が形成された操作部と、
前記操作部からの信号出力により前記各押圧感度点に割り当てられた情報を候補情報として画面表示する表示部と、
前記表示部に画面表示された候補情報を確定させて前記各押圧感度点に割り当てられた情報を入力する確定部とを備え、
前記押圧感度点に割り当てられた情報には26文字のアルファベットを表す文字情報が対応して含まれ、前記26文字のアルファベットを表す文字情報が二つのグループに区別され、
前記表示部により第1グループ内のアルファベットを表す文字情報が全て画面表示されるとともに当該第1グループ内から候補情報も画面表示されて確定可能な場合には第2グループ内のアルファベットを表す文字情報の確定は不可とし、前記表示部により第2グループ内のアルファベットを表す文字情報が全て画面表示されるとともに当該第2グループ内から候補情報も画面表示されて確定可能な場合には前記第1グループ内のアルファベットを表す文字情報の確定は不可とし、グループ単位で確定できる状態であるか否かが定まっており、
前記第1グループ内のアルファベットを表す文字情報が確定した後には前記第1グループ内のアルファベットを表す文字情報を確定できる状態とし、前記第2グループ内のアルファベットを表す文字情報が確定した後には前記第1グループ内のアルファベットを表す文字情報を確定できる状態とする、入力装置。 - 前記複数の押圧感度点は、少なくとも12個の凸部で構成され、前記第1グループ内のアルファベットを表す文字情報には少なくともA、B、E、H、I、N、O、R、S、Tの10個の文字情報が含まれ、前記第2グループ内のアルファベットを表す文字情報には前記第1グループに含まれない残余のものが含まれる、請求項1記載の入力装置。
- 前記複数の押圧感度点は、少なくとも16個の凸部で構成され、前記第1グループ内のアルファベットを表す文字情報には少なくともA、B、D、E、H、I、L、N、O、R、S、Tの12個の文字情報が含まれ、前記第2グループ内のアルファベットを表す文字情報には前記第1グループに含まれない残余のものが含まれる、請求項1記載の入力装置。
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