JP2010071569A - 空気調和システムの情報算出装置及び制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の被調和室に配置された複数台の室内ユニット20の設定温度を取得可能に接続され、室内ユニット20が運転中の被調和室における設定温度を取得し、取得した設定温度を予め設定された推奨設定温度に基づいて点数換算した数値を被調和室毎に累積加算した値を算出するようにした。
【選択図】図1
Description
しかし、仮に、省エネ度を電力消費量で表した場合、被調和室毎の条件の違い(被調和室の広さや位置、被調和室内の人数等の違い)が電力消費量の増減に大きく影響を及ぼすので、被調和室内の人員による省エネの努力又は寄与度が十分に反映された数値とはならない。
例えば、複数の教室で同じ電力消費量であった場合でも、空調空間が広かったり、室内人数が多かったり等の空調負荷が高い教室の方が省エネ努力(省エネ寄与度)が高いはずであり、これを適正な判定可能な数値が望まれる。
また、上記構成において、前記推奨設定温度を、暦、時刻或いは外気温の少なくともいずれかに基づいて変更するようにしてもよい。この構成によれば、暦、時刻或いは外気温を影響を直接要因とする設定温度の変動による点数の変動を、推奨設定温度の変更により相殺することができ、暦、時刻或いは外気温の影響を低減した点数換算ができる。
図1は本発明の一実施形態に係る空気調和システムを示す図である。この空気調和システム1は、学校、商用ビル或いは病院といった比較的大規模な施設の各室を空気調和するものであり、本実施形態では、学校内の複数の被調和室(主に教室)を空気調和する場合を例に説明する。
この空気調和システム1は、複数(本例では3系統)の空気調和装置10と、これら空気調和装置10にメイン通信線2を介して通信可能に接続された集中制御装置としての制御コンピュータ50とを有している。
メイン通信線2には、所定台数(例えば31台)を上限として通信アダプタ5が接続され、この通信アダプタ5には、複数本(本例では3本)のサブ通信線6が接続され、各サブ通信線6には各空気調和装置10が接続される。以下、説明の便宜上、各サブ通信線6を区別して説明する場合は、第1サブ通信線6A、第2サブ通信線6B、第3サブ通信線6Cと表記し、各空気調和装置10を区別して説明する場合は、第1空気調和装置10A、第2空気調和装置10B、第3空気調和装置10Cと表記する。
また、各空気調和装置10の室外ユニット15と室内ユニット20とは、サブ通信線6を介して通信接続可能に構成され、より具体的には、室外ユニット15に設けられた室外制御装置(不図示)と、室内ユニット20に設けられた室内制御装置(不図示)とがサブ通信線6を介して通信可能に接続される。これによって、室外制御装置が室外ユニット15の各部を制御するとともに、室内制御装置に各種指示を与えて室内ユニット20の各部を制御するように構成されている。
室内機データ104には、室内ユニット20毎に、その室内ユニット20が属する空気調和装置10A、10B、10Cの種別(型式等)や、設置場所(被調和室(教室等)を特定する情報)、リモートコントロール装置30の有無、室内機アドレス(固有の識別番号)等が対応付けられており、さらに、空気調和装置10によっては室内機グループが規定されている。この室内機グループは、複数の室内ユニット20をまとめてグループ制御するためのものであり、室内機グループごとに、そのグループに属する室内ユニット20の室内アドレスが登録されている。
また、室内機データ104には、室内ユニット20に対する特定の設定(例えば、温度設定や風向設定、風量設定等)を制御コンピュータ50が制御しつつ、当該特定の設定に対するリモートコントロール装置30からの操作を禁止する集中制御情報が含まれている。この集中制御情報は、リモートコントロール装置30からの操作を禁止する特定の設定の種類に応じて複数の集中制御の態様に分類されており、集中制御対象の各室内ユニット20がどの集中制御態様に分類されているかが記録されている。
上記の構成の下、制御コンピュータ50は、この空調システム基本データ102に記述された情報を参照することによって、空調側通信部55を介して各空気調和装置10に指示を送り、各室外ユニット15及び室内ユニット20の空調運転を集中制御したり、空調側通信部55を介して各空気調和装置10から各ユニット15、20の動作状態(運転/停止、設定温度等)の情報を収集することができる。
一方、省エネ度を、被調和室の人員がリモートコントロール装置30を操作した結果として得られる室内ファンの使用度合い(平均回転数や電力消費量)で表すようにした場合、室内ファンのエネルギー消費量は全体の消費エネルギーに示す割合がほんのわずかであるので、この場合も省エネ努力を精度良く反映した数値とならない。
そこで、発明者等は、被調和室の設定温度がエネルギー消費量に大きく影響し、かつ、省エネ努力の反映度が高い情報であることに着眼し、被調和室毎の設定温度に基づいて省エネ度を示す数値(以下、評価値)を算出するようにしている。
なお、リモートコントロール装置30からの操作が禁止されている被調和室についても、以下に述べる被調和室毎の情報算出を行っても良いし、行わないようにしてもよく、これについても任意に設定可能である。
そして、本処理では、推奨設定温度TXを、設定温度T1を省エネ度を示す数値に点数換算する基準値として使用している。ここで、図4は冷房時の点数換算表の一例を示し、図5は暖房時の点数換算表の一例を示している。図4及び図5に示すように、設定温度T1が推奨設定温度TXと同一の場合を0点とし、設定温度T1が省エネ側であれば加点(正の値)とし、この加点の数値も省エネ側であるほど大きい数値としており、例えば、冷房時には設定温度T1が推奨設定温度TXより2℃高い26℃であれば+2点とし(図4参照)、暖房時に設定温度T1が推奨設定温度TXより2℃低い20℃であれば+2点としている。
また、設定温度T1がエネルギー浪費側であれば負の値、つまり、減点とし、この減点の数値もエネルギー浪費側であるほど大きい数値としており、例えば、冷房時には設定温度T1が推奨設定温度TXより2℃低い22℃であれば−2点とし(図4参照)、暖房時に設定温度T1が推奨設定温度TXより2℃高い24℃であれば−2点としている。なお、このような点数換算表のデータは、例えば、設定温度T1と推奨設定温度TXとの差と点数とを対応づけたテーブルデータ、或いは、計算式といったデータ形式で記憶部53に記憶されており、このデータを用いることによって、制御コンピュータ50の制御部51が設定温度T1を点数換算することができる。
また、ステップS2の処理で室内ユニット20が空調運転停止中の場合は、空調停止に予め割り当てた数値にし、これを累積加算するようにしている。本実施形態では、空調停止に予め割り当てた数値を、冷暖房を使用しておらず省エネ度が高いとみなして高い加点(本例では3点)としている。
上述したように、設定温度T1を省エネ側に設定して空調運転をしている教室B、Cが、つまり、省エネ努力を他よりも明らかにしている教室B、Cの得点が高く、これと反対に、設定温度T1をエネルギー浪費側に設定して空調運転している教室D、Eの得点が低く、各教室の省エネ努力を反映した得点を得ることができる。
また、空調停止中の場合は省エネ度が高いとして高い加点としているので、空調運転を殆どしていない教室Fが比較的高い得点となる。ここで、教室Fが、当該教室Fが生徒に利用されている状況の場合には、生徒の省エネ努力が極めて高いと考えられるので、上記得点は、この状況を適切に反映した値となっていることが判る。
また、制御部51は、インターネット通信部57を介してインターネット通信網に接続された外部端末(学校端末等)からの各種指示を受け付け、この指示に応じて履歴データ110を参照し、要求された被調和室(教室)の得点データの集計結果或いはグラフ化した結果を送信したり、途中結果を集計してその結果を送信し、外部端末側で結果内容を確認できるようにしている。要は、外部端末はブラウザソフトウェアを利用して制御コンピュータ50の計算結果を閲覧することができる。
また、この制御部51は、この制御コンピュータ50が直接操作された場合に、この制御コンピュータ50に接続された出力装置(表示装置、印刷装置等)に集計結果(途中経過を含む)を出力することができる。これによって、被調和室(教室)毎の得点結果を容易に取得・確認できるようになっている。
しかも、設定温度T1を予め定めた推奨設定温度に基づいて点数換算するので、設定温度T1が省エネ側か否かを精度良く判定可能な数値に換算でき、省エネ努力をより適切に反映した評価値にすることができる。これによって、この評価値により各被調和室の省エネ努力を適切に評価することが可能になり、空気調和システム1が設置された学校又は商用ビル等の各教室間又は部署間での省エネ競争に好適な評価値を算出することが可能になる。
さらに、インターネット通信網に接続された外部端末が、空気調和システム1の制御コンピュータ50の評価値の計算結果を閲覧できるので、被調和室毎の評価値を既存の設備を利用して簡易に確認でき、例えば、学校内の各教室の生徒が、学校内或いは自宅にある端末を操作して自分の教室の評価値が現在他の教室と比較して高いのか低いのかを確認するといったことが可能になる。
このため、空調運転中(空調ON)の期間が長い程、累積加算値(Score)が大きく変動する可能性が高く、言い換えれば、空調停止中(空調OFF)の期間が長いほど、累積加算値(Score)は小さい値(零に近い値)となる。このため、空調停止中(空調OFF)が長い理由が、単に屋外授業が長いためで省エネ努力をしたものではない場合でも、累積加算値が比較的小さい値に収まることになる。
このため、累積加算値の直接比較では、教室Fが,空調停止中(空調OFF)の期間が長い理由が単に教室内に人員がいなかっただけであり、空調運転時は設定温度T1を最も浪費側にして省エネ努力が少ないにも関わらず、教室Eの方が教室Fよりも得点が低くなってしまうという事態が生じる。
これによって、平均累積加算値(得点)は、教室C>教室B>教室A>教室D>教室E>教室Fという結果が得られる。すなわち、最も省エネ努力をしていない教室Fが最下位となり、実態の省エネ努力を反映した得点を得ることができる。なお、この場合、一日の得点データは、平均累積加算値(平均Score)を24倍した値にしてもよい。
例えば、暦による変更態様としては、平均気温が高い時期は冷房運転時の推奨設定温度TXを高くし、平均気温が低い時期は冷房運転時の推奨設定温度TXを低くし、暖房運転時の推奨設定温度TXについてはこれと逆にすることが好ましい。また、時刻による変更態様としては、朝、昼、夜と時間帯を分けて推奨設定温度TXを変更する態様が考えられ、外気温による変更態様としては、外気温度が高いほど冷房時の推奨設定温度TXを高くする態様が考えられる。
このように推奨設定温度TXを変更すれば、暦、時刻或いは外気温の影響を直接要因とする設定温度T1の変動による点数の変動を、推奨設定温度TXの変更により相殺することができ、暦、時刻或いは外気温の影響を低減した点数換算ができる。
また、上述の実施形態では、一日毎に累積加算値を集計する場合について説明したが、これに限らず、例えば、一ヶ月毎に集計して競争させるようにしてもよい。この場合、前日の順位が低い場合に、以後に設定温度T1を省エネ側に変更すれば順位を挽回することができる。
また、設定温度T1に対する点数換算式は、任意に設定できるようにしてもよく、また、被調和室毎に個別に設定してもよい。例えば、店舗と事務所とで別々の点数換算を行うようにしてもよい。また、点数化の間隔は、一時間に限らず、一日単位でもよく、任意に設定可能にしてもよい。
また、上述の実施形態では、上記処理を実行するための制御プログラムを装置内に予め記憶しておく場合について説明したが、この制御プログラムを磁気記録媒体、光記録媒体、半導体記録媒体等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納し、コンピュータが記録媒体からこの制御プログラムを読み取って実行するようにしてもよい。また、この制御プログラムを通信ネットワーク上の配信サーバ等からダウンロードできるようにしてもよい。
また、本発明は、学校や事務所、チェーン店などで教室等の部屋毎に点数換算して省エネ競争する等の用途に広く適用することが可能である。
10、10A、10B、10C 空気調和装置
15 室外機
20 室内機
30 リモートコントロール装置(温度設定装置)
50 制御コンピュータ(情報算出装置)
51 制御部
55 空調側通信部
57 インターネット通信部(端末通信部)
100 制御プログラム
Claims (5)
- 複数の被調和室に配置された複数台の室内ユニットと、各室内ユニットの設定温度を各々設定する温度設定装置とを備えた空気調和システムの情報算出装置であって、
前記複数台の室内ユニットの設定温度を取得可能に接続され、前記室内ユニットが運転中の前記被調和室における前記設定温度を取得し、取得した設定温度を予め設定された推奨設定温度に基づいて点数換算した数値を前記被調和室毎に累積加算した値を算出することを特徴とする情報算出装置。 - 請求項1に記載の情報算出装置において、
前記室内ユニットが運転中の場合は、その設定温度を点数換算した前記数値を加算し、前記室内ユニットが運転停止中の場合は、運転停止に予め割り当てられた数値を加算することを特徴とする情報算出装置。 - 請求項1又は2に記載の情報算出装置において、
前記推奨設定温度を、暦、時刻或いは外気温の少なくともいずれかに基づいて変更することを特徴とする情報算出装置。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の情報算出装置において、
所定の通信回線に接続された端末と前記通信回線を介して通信するための端末通信部を有し、この端末通信部は、前記通信回線を介して前記被調和室毎の累積加算結果を前記端末に出力可能に構成されることを特徴とする情報算出装置。 - 複数の被調和室に配置された複数台の室内ユニットと、各室内ユニットの設定温度を各々設定する温度設定装置とを備えた空気調和システムの制御プログラムであって、
コンピュータに、前記室内ユニットが運転中の前記被調和室における前記設定温度を取得させ、取得した設定温度を予め設定された推奨設定温度に基づいて点数換算した数値を前記被調和室毎に累積加算した値を算出させることを特徴とする制御プログラム。
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