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JP2010060280A - ヒートポンプ給湯機 - Google Patents

ヒートポンプ給湯機 Download PDF

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JP2010060280A JP2009282365A JP2009282365A JP2010060280A JP 2010060280 A JP2010060280 A JP 2010060280A JP 2009282365 A JP2009282365 A JP 2009282365A JP 2009282365 A JP2009282365 A JP 2009282365A JP 2010060280 A JP2010060280 A JP 2010060280A
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Abstract

【課題】小型軽量な給湯機を提供する。
【解決手段】圧縮機と、圧縮機から吐出された冷媒と給水管に接続された水配管から導入された水とを熱交換する第1熱交換器と、減圧装置と、減圧装置と圧縮機の間に設けられた第2熱交換器とを有するヒートポンプ回路と、水を第1熱交換器によって昇温して、蛇口またはシャワーに給湯する瞬間直接給湯回路と、瞬間直接給湯回路が立ち上がる間、蛇口またはシャワーへの給湯を補助する給湯タンクと、第1熱交換器を介して加熱された湯水と給湯タンクに貯められた湯とを混合する混合手段とを備え、蛇口及びシャワーへ向かう配管と分岐して浴槽へ向かう配管には注湯電磁弁が設けられ、注湯電磁弁を開くことにより浴槽に湯を張る際、給湯タンクの湯を使用せずにヒートポンプ回路を運転し、給水管から導入された水を、第1熱交換器によって昇温して、浴槽に注湯する機能を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明はヒートポンプ回路を利用した給湯機に関する。
従来の給湯機には貯湯槽を持たずにガス等を燃焼させて、その強力な燃焼熱で瞬間的に水を沸き上げて湯を供給する燃焼式給湯機や、大容量の貯湯槽を持ち夜間割引の安い深夜電力を利用して、夜の間に電気ヒータで加熱した大量の湯を貯湯槽に貯蔵し、日中に貯湯槽に貯蔵した湯を使う電気温水器等があった。
しかし、最近では電気温水器に比較してエネルギー効率が300〜500%も良いと云われるヒートポンプ給湯機が普及し始めてきた。ヒートポンプ給湯機は熱源に冷媒の状態変化を利用しているので、電気ヒータ加熱の数倍エネルギー効率が良く、またガス等を燃焼しないのでCO2を排出せず環境にやさしい給湯機と云われている。しかし、ガス等を燃焼したときのように強力な熱量がないため、電気温水器と同様に大容量の貯湯槽を設け、夜間の安価な電力を使って夜中にヒートポンプ回路で湯を沸き上げて貯湯槽に貯蔵し、日中は貯蔵した湯を使うと云う方法が一般的であった。したがって、従来のヒートポンプ給湯機ではヒートポンプ回路と、ヒートポンプ回路で沸かした湯を大量に貯蔵しておく貯湯槽をそれぞれ別個の装置として設け、配管等で接続して給湯機として機能させていた。
この例として特許文献1に記載されたヒートポンプ給湯機が知られている。圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器から構成されたヒートポンプ回路と、大容量の貯湯槽を備え、貯湯槽の下部から循環ポンプを介してヒートポンプ回路の凝縮器となる水熱交換器に水配管を接続し、水熱交換器の出口と貯湯槽の上部に温水配管を接続して沸上げ回路を設けている。
そして、夜間の安価な電力を利用してエネルギー効率の良いヒートポンプ回路を運転し、貯湯槽内の水を循環ポンプで循環させながら水熱交換器で所定の湯温になるまで徐々に温め、所定の湯温に達したことを温度検知器で検知してヒートポンプ回路の運転を停止している。
日中、使用端末で湯を使用する際には貯湯槽上部から取り出した湯と水道水とをミキシングバルブで混合することで適当な温度にして供給する。
なお、貯湯槽の湯温が低下したときは、出湯経路については詳細記載されていないが、貯湯槽の湯を水熱交換器及びヒータで再加熱して使用端末に供給することが記載されている。
特開平9−126547号公報
しかしながら、貯湯槽に貯蔵した湯で浴槽に湯を満たすことを考えると貯湯槽の容量は浴槽と同様200L近くになり、さらにその他の湯の使用に対してある程度余裕を見ると500L必要となるケースもある。貯湯槽の容量一杯に湯をためた場合、その質量は200kg乃至500kgを超えることになる。したがってヒートポンプ給湯機は地盤を堅固なものとするために基礎工事を行い、しかも十分な広さの設置スペースでなければ設置することができなかった。
さらに、大量の湯を沸き上げるためには大量のエネルギーが必要になり、また、高温の湯として貯蔵することは外気温度との差が大きくなり、放熱による熱損失が大きくなるため更に余分なエネルギーを使用することになっていた。
このため、アパートやマンションのベランダのような狭い場所や強度の不十分な場所には据え付けることができなかった。
また、従来のヒートポンプ給湯機は夜間の安い電気料金を利用して、夜中にヒートポンプ回路を運転して高温の湯にして貯湯槽に貯え、日中はヒートポンプ回路を運転しないで貯湯槽に貯まっている湯を使用するという使い方を基本的に行っているため、時には貯湯槽の湯を使いきってしまい、直ぐに沸き上げることができず湯切れを起こすことがあった。上記特開平9−126547号公報に記載のヒートポンプ給湯機においても、電気温水器と同様夜間電力を利用して貯湯し、湯が不足したときに追焚き運転を行うもので、この追焚き運転は補助的なものである。
また、外気温度より温度の高い大量の湯を貯蔵するため貯湯槽の表面から熱が放射されてエネルギーの無駄使いになり、それによって温度が下がる分、夜の間に余裕を持って温めておく必要があった。
本発明の目的は、設置に必要なスペースや質量が小さいエネルギー効率の良い給湯機を提供するものである。
本発明の第2の目的は、設置に必要なスペースや質量が小さい給湯機とした場合に発生する給湯した際に湯温が安定するまでの時間を短縮可能な給湯機を提供することにある。
本発明の第3の目的は、設置に必要なスペースや質量が小さい給湯機であって、浴槽の湯を追い焚き可能な給湯機を提供することにある。
本発明に係るヒートポンプ給湯機は、圧縮機と、この圧縮機から吐出された冷媒と給水管に接続された水配管から導入された水とを熱交換する第1熱交換器と、この第1熱交換器からの冷媒を減圧する減圧装置と、この減圧装置と前記圧縮機の間に設けられた第2熱交換器とを有するヒートポンプ回路と、前記給水管から導入された水を、前記第1熱交換器によって昇温して、蛇口またはシャワーに給湯することができる瞬間直接給湯回路と、前記瞬間直接給湯回路が立ち上がる間、前記蛇口またはシャワーへの給湯を補助する給湯タンクと、前記第1熱交換器を介して加熱された湯水と前記給湯タンクに貯められた湯とを混合する混合手段とを備え、前記蛇口及びシャワーへ向かう配管と分岐して浴槽へ向かう配管には注湯電磁弁が設けられ、前記注湯電磁弁を開くことにより浴槽に湯を張る際、前記給湯タンクの湯を使用せずに前記ヒートポンプ回路を運転し、前記給水管から導入された水を、前記第1熱交換器によって昇温して、前記浴槽に注湯する機能を備える。
また、上記ヒートポンプ給湯機は、前記浴槽への注湯が前記ヒートポンプ回路の運転初期であっても、前記給湯タンクの湯を使用せずに前記第1熱交換器からの湯水を前記浴槽に注湯するようにしたものであってもよい。
本発明によれば、設置に必要なスペースや質量が小さいエネルギー効率の良い給湯機を提供することができる。
また、本発明によれば、設置に必要なスペースや質量が小さい給湯機とした場合に発生する給湯した際に湯温が安定するまでの時間を短縮可能な給湯機を提供することができる。
また、本発明によれば、設置に必要なスペースや質量が小さい給湯機であって、浴槽の湯を追い焚き可能な給湯機を提供することができる。
本発明のヒートポンプ給湯機のヒートポンプ回路及び水回路の一実施例を示す図。 ヒートポンプ回路運転開始後の水の温度と時間の特性曲線。 給湯タンクをヒートポンプ回路の下部に組込んだ構成図。 給湯タンクをヒートポンプ回路の上部に組込んだ構成図。 給湯タンクをヒートポンプ回路の横に組込んだ構成図。 給湯タンクをヒートポンプ回路本体の外に設けた構成図。
以下、本発明の実施例を図によって説明する。図1は本発明のヒートポンプ給湯機の1実施例である。
まず、冷凍サイクルから説明する。それぞれの機器は冷媒配管で接続されていて、その中に冷媒を封入して密封し、ヒートポンプ回路10を構成しており、給湯に必要な大能力を実現させるため、さらにもう1つのヒートポンプ回路10aを追加した2つのヒートポンプ回路からなる。なお、本実施例においては、2つのヒートポンプ回路により給湯器を構成したが、圧縮機や熱交換器の性能、給湯能力によって1つの回路でも3つ以上の回路を用いても良い。
圧縮機1及び圧縮機1aにより圧縮された冷媒(二酸化炭素)は、熱交換器2に流入される。熱交換器2は、冷媒を凝縮させる凝縮器3、3aと湯水を沸き上げる水熱交換器11さらに浴槽水熱交換器44が一体に組込まれている。熱交換器2から流れ出た冷媒は減圧装置5、減圧装置5aの作用によって減圧され低温低圧の冷媒となる。そして、蒸発器6、蒸発器6aにおいて、送風機9及び送風機9aによって送風される外気から熱を吸収して、アキュムレーター7、アキュムレーター7aを介して再び圧縮機1及び圧縮機1aに吸入される。
8及び8aはバイパス弁で、これを開くことによって圧縮機1及び圧縮機1aから吐出される高温高圧の冷媒を蒸発器6及び6aに通流させることで、蒸発器6及び6aに付着した霜を融解させる(除霜制御)。この除霜制御のタイミングは、2つの冷媒回路同時であっても良いし、ずらしても良い。ずらした場合は、能力が多少低下するが間断無く給湯ができるという効果がある。
次に、水道管16から水を取り入れ、熱交換器2を介して直接利用側に給湯し、または後述するように内部で水を循環させることで所定の温度に沸かし上げる水循環回路22の給湯回路について説明する。
この水循環回路22には、熱交換器2、減圧逆止弁17、流量センサー21、逆止弁48、49、給湯タンク13、循環ポンプ15、給湯タンク13からの湯と水熱交換器11からの出湯を混合するミキシングバルブ61、ミキシングバルブ61からの湯と水を混合するミキシングバルブ62、湯の流量を調整する流量調整弁63を水配管で接続して構成している。
また、浴槽水回路は熱交換器2と、注湯電磁弁51、逆止弁50、水位センサー60、浴槽用の循環ポンプ46で構成されている。
本実施例に係るヒートポンプ給湯機は、従来のように大型の貯湯槽を用いることなく小型軽量な給湯機とする。すなわち、ヒートポンプ回路10の高温の冷媒と水循環回路22の水を水熱交換器11にて熱交換することで湯を沸かす給湯機において、給水管16から導入された水を水熱交換器11によって昇温してそのまま使用端末27に給湯する瞬間式とすることで、従来の大型の貯湯タンクを不要とすることができる。また、ヒートポンプ回路10の運転開始直後の圧力条件が安定するまでは水を温めるのに充分な凝縮熱を発生させることができないので、その立ち上がりの短時間は給湯タンク13に貯蔵している湯と水熱交換器11からの水を混合して給湯することで、設定温度を保ちつつ給湯タンク13の小型化を図ることができる。そして、ヒートポンプ回路10の運転が安定し、設定温度の湯を沸かし上げる状態になったとき、給湯タンク13に貯湯されている湯の使用を止めて直接給湯するようにした。以下、詳細に説明する。
ヒートポンプ給湯機への水の供給を説明する。給水管16から供給された水は、減圧逆止弁17に流入し、この先一方は給水管19を介して給湯タンク13に、もう一方は水熱交換器11との間に接続された水配管を介して熱交換器2に分流する。また、使用端末27への給湯はミキシングバルブ61、62、流量調整弁63を通り設定温度にされ供給される。
本実施例に示すヒートポンプ給湯機は、基本的に給水管16から供給された水を熱交換器2によって使用者が設定した温度に上昇させ、使用端末27に給湯する瞬間湯沸し器を想定している。このため、冷凍サイクルの能力が高い場合や水熱交換器11の性能が高ければ、給湯タンク13を設ける必要がない。このため、重量や設置スペースを取っていた従来の電気温水器よりも飛躍的にコンパクトな給湯機になる可能性がある。
しかし、給水される水の温度が低い、冷凍サイクルが安定してなく熱交換器2が十分に温まっていないといった理由から、給湯温度が設定温度に達しない場合がある。
そこで、本実施例では、必要最小限の給湯タンク13を設置し、熱交換器2から出力される水の温度が設定温度に達するまで、補助的に給湯タンク13に貯められた湯を使用して使用端末27における給湯温度を確保するものである。
場合によってはいつまでも熱交換器2から出力される湯の温度が上昇しない場合も考えられる。この場合、使用端末27での湯の使用が中断したときに、給湯タンク13内に所定の高い温度の湯を貯湯することで、次の湯の使用時に設定温度の湯の給湯を確保することができる。各部の動作については、以下の説明により次第に明らかになる。
ミキシングバルブ61は、前述したようにヒートポンプ回路運転開始直後、熱交換器2(水熱交換器11)から出てくる湯の温度が充分に上がりきらないときに、補助的に給湯タンク13の湯を混合して設定温度となった湯を使用端末27に供給するためのバルブである。なお、ミキシングバルブ61と給湯タンク13とは給湯管20によって接続されている。
また、ミキシングバルブ62は、ミキシングバルブ61から供給される湯の温度が設定温度よりも高い場合、給水管16から供給される水と混合することで湯温を低下させ設定温度にする機能を有している。
さらに、流量調整弁63は、給湯量が予定の総量を超えないように流量を規制する機能を有する弁である。
また各部には、給水温度センサー52、水熱交換器出口水温センサー53、混合された給湯タンクの湯と水熱交換器出口水の温度を測る水温センサー54、最終的な出湯水温を測定する出湯温度センサー55、給湯タンク13の残湯量を測定するためのタンク温度センサー56(a、b、c)が、また冷凍サイクル側には、蒸発器6、6aの中間温度を測定する蒸発器温度センサー58、58aが、圧縮機1の吸込み温度を感知する吸込み温度センサー59、59aが配置されている。
そしてヒートポンプ回路10、10a、給湯タンク13を含めた水循環回路22およびその他の機器が後述する箱体23の中に収納されている。
使用端末27として、キッチン等の蛇口24、浴室のシャワー25、また注湯電磁弁51と逆止弁50で区切られた浴槽26等が設けられている。この逆止弁50は、給水管16から供給された湯水に浴槽26の湯水が衛生上混ざらないようにするための弁である。なお、本実施例では特に明記していないが必要に応じて水用の端末がそれぞれの端末に付設されることになる。
本実施例に係るヒートポンプ給湯機はこのような構成を備え、以下説明するような動作を行う。ヒートポンプ給湯機は電気温水器に比較してエネルギー効率が300〜500%良いと云われている。このヒートポンプ回路10を利用して、瞬間湯沸器のように直接、使用端末に湯を供給しようとするものである。しかし、前にも説明したようにヒートポンプ回路10は運転開始直後からヒートポンプ回路が安定するまでの間は、水熱交換器11で水を温めるのに必要な凝縮熱を充分に供給することができず、使用端末27に温かな湯を直接供給することができない。本実施例のヒートポンプ給湯機ではその立ち上がりの数分間を、小容量の給湯タンク13内に貯蔵している高温の湯を補助的に供給して使用するものである。
まず、給湯タンク13の容量について説明する。極端な場合は除くとして、一般家庭でのシャワーの水量は11.8リットル/分であり、台所が8.5リットル/分であり、洗面所が7.5リットル/分であり、連続使用時間が、シャワーが9.7分、台所が13.4分である。同時に使う場合を考慮しないとすると、必要な連続した湯の供給量は約114リットルである。給湯温度を40℃とし、給湯タンク13に貯湯されている湯温をサルモレナ菌等が死滅する温度といわれている60℃とし、熱交換器2から供給される水の温度を最悪の状態を考えて8℃と仮定する。この条件で、給湯タンク13に貯湯しなければならない湯量を計算すると、約70リットルである。しかし、熱交換器2から供給される水の温度が常に8℃は考えることができないので、これよりも10℃高いおよそ18℃になっていれば給湯タンク13の容量は60リットルで済む。
また、現在市販されているパッケージエアコンの室外機の大きさを家庭用給湯機として許容される大きさとすると、高さ1.4m、幅0.9m、奥行き0.3m位であり、給湯タンク13の形状を円筒形状とし、給湯タンク13を室外機の箱体内に収納するとした場合、許容し得る最大の大きさは、給湯タンク13の直径が0.3mであり、高さが1.4mである。この容量は0.1立方メートル(100リットル)である。
以上を纏めると、給湯タンク13の貯湯容量として60リットルから100リットルの範囲が望ましい。この範囲に給湯タンク13の貯油容量を収めると、上記したように湯の使用に支障を来たさない範囲で、パッケージエアコンやルームエアコンのように室外機を一つの箱の中に収納することができる。すなわち、給湯タンク13を、主な構成要素である圧縮機1、室外熱交換器6、水熱交換器11及び減圧装置5と共に一つの筐体内に収納することができる。
ところで、CFC系フロン冷媒を用いた冷凍サイクルでは、60℃がほぼ最高に沸き上げた場合の温度となるが、冷媒として二酸化炭素(CO2)を用いるとさらに湯温を上昇させることができ、これを上昇させた分だけ、給湯タンク13の貯湯容量を少なくしても良い。
さて、風呂26以外の使用端末が利用された場合、流量センサー21が端末の使用を感知し、圧縮機1を起動してヒートポンプ回路10の運転を開始する。運転初期の段階では、ヒートポンプ回路10は、まだ立ち上がり状態であるため、給湯タンク10を利用した給湯運転となる。給水管16から導水された水は、減圧弁17、給水管19を介して給湯タンク13の下部に至る。給湯タンク13では、その下部から水が供給され、その水圧により給湯タンク13の上部に貯まっていた高温の湯は給湯管20に押し出される。
一方、給水管16からの水は冷凍サイクル10により水を加熱するため水熱交換器11に流れる水回路に分かれる。給湯タンク13からの湯と水熱交換器11からの出湯を混合するミキシングバルブ61で設定された温度になるように温度センサー54で温度を感知し、貯湯タンク13からの湯と、冷凍サイクル10より加熱された水熱交換器11からの水の量で調整する。この運転初期の場合、水熱交換器11を通過してくる水は十分に温められていないため給湯タンク13からの湯の量が多く、水熱交換器11を流れる水の量は少なくなる(混合運転モード)。ここで運転初期段階において、水熱交換器11を流れる水の量を少なくした場合、少量の水のため温度を急激に上昇させる事ができる。
なお、この混合運転モードにて、使用端末27の湯の温度が高すぎる(設定値以上となる場合)、ミキシングバルブ62が開かれ給水管16からの水が混合され湯温が調節される。
運転が継続するとヒートポンプ回路10は徐々に安定し始め、水熱交換器11から出湯される湯の温度も高温となり、給湯タンク13からの湯と水熱交換器11からの出湯を混合するミキシングバルブ61は、徐々に給湯タンク13からの出湯を絞り込んでゆき、水冷媒熱交換器11からの出湯温度が設定温度となった場合に、給湯タンク13からの出湯を全閉しヒートポンプ回路10より加熱された水熱交換器11を通過した湯のみで端末に湯を供給できるようになる(瞬間湯沸しモード)。
この時設定された温度で端末に湯を供給するために、温度センサー55で温度を感知し、水熱交換器11から出湯しミキシングバルブ61を通過した湯と、バイパスされた水を混合するミキシングバルブ62で、設定された湯を端末に供給する。特に夏場など給水管16から供給される水の温度が高い場合、水熱交換器11から出力される油の温度が設定温度より高くなる。このとき設定温度になるようにミキシングバルブ61を調節することで適宜水を混合して端末に湯を供給する(水混合モード)。
なお、冷凍サイクル10を圧縮機1の回転数を制御できるインバータ制御とすれば、水熱交換器11の出湯温度を温度センサー53で感知し、圧縮機1の回転数を制御し設定された水温になるようにすることができる。
さらに、冷凍サイクル10自身は、蒸発器6の中間に配置された温度センサー58と圧縮機吸込み温度センサーの差が一定になるように膨張弁5が調整される。
そして使用端末が閉められた場合、流量センサー21がそれを感知し、給湯タンク13の湯温が設定値以下である場合、給湯タンク13の追焚き運転に移行する。
給湯タンクの追焚き運転は、冷凍サイクル10を運転させたまま、水熱交換器出口温度が高温(貯湯温度)になるのを待ち、ポンプ15を運転させる。これにより給湯タンク13の下部にたまった水は、水熱交換器11に至り高温の湯となり、逆止弁49を介して給湯タンク13の上部に戻される。この逆止弁49は上記通常給湯時でタンクよりの出湯がミキシングバルブ61で全閉となった時の給湯タンク13からの出湯を防ぐ役割を果たす。
また、この時の水熱交換器出口温度は圧縮機1の回転数、循環ポンプ15の流量を変化させることにより行い、タンク温度センサー56により給湯タンク沸上げ完了を感知し、給湯タンク13の追焚きを終了し、待機状態となる。
なお、給湯タンク13から端末への出湯は、給水管16からの水の供給により行われるため、満タン状態が保たれ、給油タンク13内の湯量が減少することは原則的にない。据付完了時や長期間使用しないときに給湯タンク13内の湯を抜いた後の使用開始時は給湯タンク13内に湯がないので給水(給湯)する必要がある。この場合、使用端末27のシャワー25や蛇口24を開放すると、給水管16からの水は、水熱交換器11を介して使用端末11に流れる。このとき、出湯温度センサー55の検出値は低温を検出するため、ミキシングバルブ62は、湯側のみとなる(給水管16からの水は混合されない)。また、出湯温度センサー54の検出値も低温となるため、ミキシングバルブ61は水熱交換器11からの湯と給湯タンク20からの水とが混合されるように開く。しかし、給湯タンク13内には未だ水が張られていないので水がミキシングバルブ61を介して給湯タンク13から出力されない。そして、ミキシングバルブ61が給湯タンク13側も開いたことにより、空気が抜けるようになったため、給水管16からの水は水熱交換器11に流れると共に給湯タンク13にも流れ込む。そして、満タンになったときに使用側端末27の栓を止めると先に説明した給湯タンク13の追焚きが開始される。
ところで、冷凍サイクル10の圧縮機1をインバータ化したとしても冷凍サイクルには、最低能力と最高能力が存在してしまう。給湯に必要とされる能力は、給水温度センサー52、流量センサー21、設定出湯温度で推測することができる。
もし、必要給湯能力が冷凍サイクルの最低能力以下の場合、冷凍サイクル10は運転することなく、通常給湯時と同様の回路(水熱交換器11からの湯(水)と給湯タンク13からの湯とを混合する運転回路)を使用し給湯タンク13のみで設定温度で出湯させる。タンク内の残湯量(湯温が低くなった)が少なくなった場合にタンク追焚き運転を行いタンクに湯を補給する運転とする。
ガス給湯機のような瞬間湯沸し機は、補助タンクを持ち合わせていないため、最低能力以下では給湯することができない(使用側端末の混合栓で温度調整する)が、本実施例では、給湯タンク13を持っているためこのような場合でも端末に設定温度で給湯することができる。
また、給湯能力が、冷凍サイクル10の最大能力を超えてしまった場合は、流量調整弁63を絞り流量を調整することで設定出湯温度にして出湯させる構造とする。
通常ヒートポンプ式の給湯機は深夜電力を利用し、300リットル以上の大型タンクに70℃〜90℃に水を沸上げ貯湯することになり、高温で沸き上げなくてはいけないため熱効率は低下するが、本発明によれば、端末で必要とする湯の温度(例えば一般に使用される42℃)で湯を沸き上げるため、他のヒートポンプ式給湯機と比較し熱効率は非常に良くなる。
浴槽26に給湯、お湯張りをする場合、上記同様の給湯運転をし、注湯電磁弁51を開くことにより、浴槽26に湯を張る。また浴槽26への注湯が途切れた場合浴槽26の湯が逆流してしまうことが考えられるので、衛生面を考慮して、逆止弁50によりこれを防いでいる。
また、浴槽27への注湯、お湯張りは180リットル以上ものお湯を張るため、上記の給湯運転の場合と変え、運転初期では、給湯タンク13の湯を使用せずに、ヒートポンプ回路10を運転し、直接水熱交換器11の水を注湯する運転としても良い。これは浴槽26に湯を張るためには180リットル以上の湯が必要であり、冷凍サイクル10の立ち上がり時間は、全体に対してわずかであるためである。浴槽26の水位は水位センサー60で監視しているため、設定水位となった場合に浴槽への注湯、お湯張り運転を中止する。
次に風呂の追焚きについて説明する。従来の風呂釜と同様に既に浴槽26に、水が張ってあり、これを沸かそうとした場合、大きなタンクに貯湯してある電気温水器等では浴槽に張ってある水を沸かすことができなかった。
しかし、本実施例では、冷媒を凝縮させる凝縮器3と湯水を沸き上げる水熱交換器11さらに浴槽水熱交換器44が一体に組込まれている熱交換器2としているため、ヒートポンプ回路10を運転し、循環ポンプ46を運転させ浴槽26に張られた水を循環させることにより、浴槽内の水を沸き上げることができる。即ち、浴槽26に張られた水は、循環ポンプ46によって浴槽水熱交換器に送られ昇温され、再び浴槽26に戻される。そして、浴槽水熱交換器44の上流側に設けられ、浴槽内の水温を検出する風呂温度センサー57の検出値が、設定温度になったとき、ヒートポンプ回路(主に圧縮機1)及び循環ポンプ46の運転を止める機能を有している。すなわち、自動的に浴槽内の湯温を設定値に保つ自動機能を持たせている。
上記の様に、浴槽26に対して注湯、お湯張り、またお湯沸しができることから、浴槽26の湯が少なくなった場合のお湯足し、お湯がぬるくなった場合の追焚き等多彩な風呂自動機能を有する。
また運転初期の過渡時期の時間と水の温度の関係を実験した特性曲線を図2に示す。
一般家庭における使用端末27で使用する湯の温度や湯の量は約40〜42℃で6〜8リットル/分と云われている。これを元に冬季の外気条件を加味して実験では、供給する水の温度を8℃にしている。
グラフは、ヒートポンプ回路10を運転すると同時に水熱交換器11に水を供給した時、水熱交換器11出口の水温の変化を表わしたものである。水熱交換器11の入口に8℃の水を供給して、水熱交換器11の出口の湯温が42℃になるまで約7分間を要することが分かる。
キッチンの蛇口24やシャワー25で湯温が上がるまでの7分間を、待ち続けることは我慢できない。
本実施例ではこの実験を元に、約30リットルの小容量の給湯タンク13(現実的には、余裕をもって90リットル)を設け、約60℃の湯を貯蔵している。
使用端末では60℃の湯に、初期値として8℃の水熱交換器11からの水道水を加えて42℃に薄めて使用することになるので、例え水熱交換器11からの水温が、8℃のまま変化しなくても60℃の湯が30リットルあれば約5分間を補償することができる。また、この程度の大きさの給湯タンクならばヒートポンプ回路箱体の中に一体に収納できるので、従来のヒートポンプ給湯機のように広い設置スペースを必要とすることもなく、また質量も小さいので強固な地盤をも必要としないので、アパートやマンションのベランダ等にも設置が可能になる。
次に給湯タンク13の組込み位置について説明する。給湯タンク13の組込み位置は図3のようにヒートポンプ回路10の下部に設ける構造、図4のようにヒートポンプ回路10の上部に設ける構造、あるいは図5のようにヒートポンプ回路10の横に設ける構造等が考えられる。
図3のようにヒートポンプ回路10の下部に設けた場合には湯の入った給湯タンク13が箱体の下部にあるためヒートポンプ給湯機の安定性が良くなり、また、製造工程においても給湯タンク13の上に順々に組み立てることができるので作業性が良く、サービスにおいても箱体23を外すだけで内部の機器を簡単に点検できるのでサービス性が向上する。なお、30は制御回路であって、圧縮機1、減圧装置5、各種ミキシングバルブ、ファン9等を各種センサー等の出力に基づいて制御するものである。以下の図についても同様である。
しかし、箱体の下部に設けた場合には、高温の湯を貯蔵した給湯タンク13が地面に近いため、給湯タンク13の表面から放熱量が多くなり余分なエネルギーを浪費することになる。これを避けるため、組立て性、サービス性を多少犠牲にして給湯タンク13を図4に示すようにヒートポンプ回路10の上部に設けることが考えられる。この場合には、ヒートポンプ回路10で発生した熱が給湯タンク13を包むようになるため、給湯タンク13からの余分な放熱を減らすことができる。
また、図5に示すように、ヒートポンプ回路10の横に設置して組立て性、サービス性を確保したまま、給湯タンク13からの無駄な放熱量を押さえることも可能である。
あるいは図6のように、箱体の中に一体に収納することを止め、ヒートポンプ回路10を納めた箱体の脇に給湯タンク13を設置することも考えられる。この場合、冷媒に関するヒートポンプ回路10と給湯に関する水廻り部分が別個になり、それぞれ平行して製品を生産することができので、製品の生産性が良くなり、据付けにおいてもそれぞれ別個に作業ができるので据付け工事が容易となり、サービスにおいてはサービスの作業性をより改善することができる。
1…圧縮機、2…熱交換器、3…凝縮器、5…減圧装置、6…蒸発器(室外熱交換器)、7…アキュムレータ、8…バイパス弁、9…送風機、10…ヒートポンプ回路、11…水熱交換器、13…給湯タンク、15…循環ポンプ、16…給水管、17…減圧弁、19…給水管、20…給湯管、21…流量計、22…水循環回路、23…外箱、24…蛇口、25…シャワー、26…浴槽、27…使用端末、30…制御回路、53…水熱交換器出口温度センサ、56…給湯タンク温度センサー、61、62、63…ミキシングバルブ

Claims (2)

  1. 圧縮機と、この圧縮機から吐出された冷媒と給水管に接続された水配管から導入された水とを熱交換する第1熱交換器と、この第1熱交換器からの冷媒を減圧する減圧装置と、この減圧装置と前記圧縮機の間に設けられた第2熱交換器とを有するヒートポンプ回路と、
    前記給水管から導入された水を、前記第1熱交換器によって昇温して、蛇口またはシャワーに給湯することができる瞬間直接給湯回路と、
    前記瞬間直接給湯回路が立ち上がる間、前記蛇口またはシャワーへの給湯を補助する給湯タンクと、
    前記第1熱交換器を介して加熱された湯水と前記給湯タンクに貯められた湯とを混合する混合手段とを備え、
    前記蛇口及びシャワーへ向かう配管と分岐して浴槽へ向かう配管には注湯電磁弁が設けられ、
    前記注湯電磁弁を開くことにより浴槽に湯を張る際、前記給湯タンクの湯を使用せずに前記ヒートポンプ回路を運転し、前記給水管から導入された水を、前記第1熱交換器によって昇温して、前記浴槽に注湯する機能を備えた
    ヒートポンプ給湯機。
  2. 請求項1において、前記浴槽への注湯が前記ヒートポンプ回路の運転初期であっても、前記給湯タンクの湯を使用せずに前記第1熱交換器からの湯水を前記浴槽に注湯するようにしたヒートポンプ給湯機。
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