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JP2010052183A - 液体吐出ヘッドのメンテナンス方法、及び液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドのメンテナンス方法、及び液体吐出装置 Download PDF

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JP2010052183A JP2008217122A JP2008217122A JP2010052183A JP 2010052183 A JP2010052183 A JP 2010052183A JP 2008217122 A JP2008217122 A JP 2008217122A JP 2008217122 A JP2008217122 A JP 2008217122A JP 2010052183 A JP2010052183 A JP 2010052183A
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Abstract

【課題】混液を防止する。
【解決手段】ワイパーを、4つのインクジェットヘッドのうちワイパーによる払拭動作の対象である対象ヘッドのノズル面と対向させつつ、待機位置から初期位置まで移動させると同時に、インクジェットヘッドのノズルからインクを吐出するフラッシング動作を行う。これにより、ワイパーに対象ヘッドが排出するインクを付着させる(S12)。その後、ワイパーをノズル面に接触させて、初期位置から待機位置まで移動させることで、ノズル面のワイピングを行う(S14)。
【選択図】図8

Description

本発明は、互いに異なる種類の液体を吐出する複数の液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置における液体吐出ヘッドのメンテナンス方法、及び液体吐出装置に関する。
液体吐出装置の一例として、互いに異なる色のインクを吐出する複数のインクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタがある。このようなインクジェットプリンタにおいては、インクジェットヘッドのメンテナンス時に、ワイパーを、複数のノズルが配置されたノズル面に接触させつつインクジェットヘッドの長手方向に沿って移動させることによって、ノズル面に付着したインクや紙粉等の異物を払拭するワイピングが行われる(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−212863号公報
しかしながら、上述のようなメンテナンスを行う際に、ワイパーによる払拭動作を施す対象である対象ヘッドが吐出するインクとは異なる色のインクがワイパーに付着していると、例えば、複数の対象ヘッド間で1つのワイパーを共用するような場合には、かかる対象ヘッドのノズル面において混色が生じる。
そこで、本発明の目的は、混液を防止できる液体吐出ヘッドのメンテナンス方法、及び液体吐出装置を提供することである。
本発明の液体吐出ヘッドのメンテナンス方法は、複数のノズルが配置されたノズル面をそれぞれ有しており、互いに異なる種類の液体を吐出する複数の液体吐出ヘッドと、前記ノズル面に付着した異物を払拭するワイパーとを備えた液体吐出装置における液体吐出ヘッドのメンテナンス方法であって、複数の前記液体吐出ヘッドのうちの前記ワイパーによる払拭動作を施す対象である対象ヘッドの前記ノズル面と離隔して対向している前記ワイパーに対して、前記対象ヘッドが排出する液体を付着させる液体付着ステップと、前記液体付着ステップの後に、前記ワイパーの一部分が前記ノズル面に対して前記対象ヘッド側に位置している状態及び前記ワイパーが前記ノズル面に接触する状態のうちいずれか一方の状態となるように、前記対象ヘッド及び前記ワイパーを相対移動させるとともに、前記ワイパーと前記対象ヘッドの前記ノズル面とを対向させつつ、前記対象ヘッド及び前記ワイパーを前記対象ヘッドの長手方向に沿って相対移動させることによって、この前記ノズル面に付着した異物を拭き取るワイピングステップとを備えている。
また、本発明の液体吐装置は、複数のノズルが配置されたノズル面をそれぞれ有しており、互いに異なる種類の液体を吐出する複数の液体吐出ヘッドと、前記ノズル面に付着した異物を払拭するワイパーと、前記液体吐出ヘッド及び前記ワイパーを前記ノズル面に直交する方向に関して相対移動させる第1移動機構と、前記ワイパー及び前記ノズル面を対向させつつ、前記液体吐出ヘッド及び前記ワイパーを前記液体吐出ヘッドの長手方向に沿って相対移動させる第2移動機構と、前記ワイパーが前記ノズル面に対して前記液体吐出ヘッドとは反対側に離隔する状態から、前記ワイパーの一部分が前記ノズル面に対して前記液体吐出ヘッド側に位置している状態及び前記ワイパーが前記ノズル面に接触する状態のうちいずれか一方の状態となるように、前記第1移動機構の駆動を制御する第1移動制御手段と、前記第2移動機構を駆動させる第2移動制御手段とを備えている。そして、前記第1移動制御手段による制御が行われる前に、複数の前記液体吐出ヘッドのうちの前記ワイパーによる払拭動作を施す対象である対象ヘッドの前記ノズル面と離隔して対向するように前記ワイパーを配置し、前記対象ヘッドが排出した液体を前記ワイパーに付着させる。
これらの構成によると、ワイパーをノズル面に接触させて対象ヘッドのノズル面のワイピングを行う前に、ワイパーに対象ヘッドが排出する液体を付着させることができる。したがって、ワイパーに対象ヘッドが吐出する液体とは異なる種類の液体が付着していた場合でも、その液体を洗い流し、又は薄めるとこができる。よって、ワイピングを行う際に、対象ヘッドのノズル面に、対象ヘッドが吐出する液体とは別の種類の液体が付着し混液するのを防ぐことができる。
本発明の液体吐出ヘッドのメンテナンス方法では、前記ワイピングステップの後に、前記ワイパーに付着した液体を液体吸収材で吸収してもよい。この構成によると、次にワイピングを行う際に混液が生じるのを防ぐことができる。
本発明の液体吐出ヘッドのメンテナンス方法では、複数の前記液体吐出ヘッドを順番に前記対象ヘッドとして、前記液体付着ステップ、及び前記ワイピングステップを前記液体吐出ヘッドの数だけ繰り返すことが好ましい。この構成によると、全ての液体吐出ヘッドのノズル面をワイピングできる。
本発明の液体吐出ヘッドのメンテナンス方法では、前記液体付着ステップにおいて、前記液体吐出ヘッド及び前記ワイパーを前記ワイピングステップ時の移動方向とは反対の方向に相対移動させてもよい。この構成によると、ワイパーを一往復させる動作中に液体付着ステップ及びワイピングステップを行うことができるので、ワイパーの動きに無駄がない。
本発明の液体吐出ヘッドのメンテナンス方法では、前記液体付着ステップにおいて、前記ノズルから液体を吐出するための吐出エネルギーを発生させるアクチュエータの駆動によりフラッシング動作を行い、前記フラッシング動作により前記ノズルから吐出された液体を前記ワイパーに付着させてもよい。この構成によると、ワイパーに液体を付着させるための特別な機構を必要とせず、容易にワイパーに液体を付着させることができる。
本発明の液体吐出ヘッドのメンテナンス方法では、前記液体付着ステップにおいて、前記アクチュエータの駆動により、前記ノズル面において前記ワイパーに対向する領域に位置する前記ノズルのみから液体を吐出させてもよい。この構成によると、ワイパーに液体を付着させるために全てのノズルから液体を吐出する必要がないので、液体の消費を抑えることができる。
本発明の液体吐出ヘッドのメンテナンス方法では、前記液体吐出ヘッド内の液体に外部から圧力を加えて、全ての前記ノズルから液体を排出させるパージ動作を行う圧力印加機構を駆動して、前記対象ヘッドに対して前記パージ動作を行うパージステップをさらに備えており、前記液体付着ステップにおいて、前記パージ動作を行った後に、前記ワイパーを前記対象ヘッドの前記ノズル面と所定の間隔を介して離隔させることで、前記対象ヘッドが排出した液体を前記ワイパーに付着させてもよい。この構成によると、ワイパーに付着する液体が、パージ動作により排出された液体であるので、無駄な液体を使うことがない。
さらに、本発明の液体吐出装置は、複数の前記液体吐出ヘッドが前記長手方向と直交する幅方向に沿って配列されており、前記ワイパーを前記幅方向に沿って移動させる第3移動機構と、複数の前記液体吐出ヘッドが順番に前記対象ヘッドとなるように、前記ワイパーによって前記ノズル面が払拭された後に、前記第3移動機構を駆動させる第3移動制御手段とをさらに備えていることが好ましい。この構成によると、ワイパーが、1つの液体吐出ヘッドの幅に対応する長さを有していれば、第3の移動機構によって移動させつつ、全ての液体吐出ヘッドのノズル面をワイピングすることができる。したがって、装置を小型化することができる。
本発明の液体吐出装置では、前記第1移動機構は、前記液体吐出ヘッドを移動させることが好ましい。この構成によると、ワイパーをノズル面に直交する方向に移動させる機構が不要であるので、装置構成を簡素化できる。
本発明の液体吐出装置では、前記液体吐出ヘッドが、前記ノズルから液体を吐出するための吐出エネルギーを発生させるアクチュエータを有しており、前記第1移動制御手段による制御が行われる前に、前記アクチュエータを駆動して複数の前記ノズルから液体を吐出するフラッシング動作によって前記対象ヘッドから吐出される液体を前記ワイパーに付着させてもよい。この構成によると、ワイパーに液体を付着させるための特別な機構を必要とせず、容易にワイパーに液体を付着させることができる。
本発明の液体吐出装置では、前記第2移動制御手段による制御によって、前記ワイパーを前記ノズル面と離隔しつつ前記対象ヘッドの長手方向に沿って移動させるとともに、前記対象ヘッドが排出する液体を前記ワイパーに付着させてもよい。この構成によると、ワイパーへ液体を付着させる動作から、ノズル面の払拭動作への変換をスムーズに行うことができる。
本発明の液体吐出装置では、移動する前記ワイパーが対向する前記ノズル面の領域に対応する前記アクチュエータのみを駆動して前記フラッシング動作を行ってもよい。この構成によると、ワイパーへの液体付着が、ワイパーが対向する領域からのみ液体が排出される状態で行われるので、液体の消費を抑えることができる。
本発明の液体吐出装置では、前記第2移動制御手段による制御によって、前記ワイパーを前記ノズル面と対向する所定の位置に静止状態に配置し、前記対象ヘッドが排出する液体を前記ワイパーに付着させてもよい。この構成によると、ワイパーへの液体付着が、ワイパーが対向する領域からのみ液体が排出される状態で行われるので、液体の消費を抑えることができる。また、ワイパーへの液体付着が、ワイパーが静止した状態で行われるので、移動を伴う場合に比べて短時間で付着処理が完了する。
本発明の液体吐出装置では、前記液体吐出ヘッド内の液体に外部から圧力を加えて、全ての前記ノズルから液体を排出させるパージ動作を行う圧力印加機構と、前記パージ動作を行うように前記圧力印加機構の駆動を制御する圧力印加制御手段とを備えており、前記圧力印加制御手段が前記圧力印加機構を駆動して前記パージ動作を行った後に、前記第2移動制御手段による制御によって、前記ワイパーを前記ノズル面と所定の間隔を介して離隔しつつ前記長手方向に沿って移動させることで、前記対象ヘッドが排出する液体を前記ワイパーに付着させた後に、前記第1移動制御手段及び前記第2移動制御手段を制御して前記ワイパーに前記ノズル面を払拭させてもよい。この構成によると、ワイパーに付着する液体が、パージ動作により排出された液体であるので、無駄な液体を使うことがない。
上述のように、液体吐出ヘッドのメンテナンス方法及び液体吐出装置は、ワイパーをノズル面に接触させて対象ヘッドのノズル面のワイピングを行う前に、ワイパーに対象ヘッドが排出する液体を付着させることができる。したがって、ワイパーに対象ヘッドが吐出する液体とは異なる種類の液体が付着していた場合でも、その液体を洗い流し、又は薄めるとこができる。よって、ワイピングを行う際に、対象ヘッドのノズル面に、対象ヘッドが吐出する液体とは別の種類の液体が付着し混液するのを防ぐことができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるインクジェットプリンタの全体的な構成を示す概略側面図である。図2は、図1に示すインクジェットプリンタの要部の概略平面図である。
図1に示すように、本実施の形態のインクジェットプリンタ(以降、単に「プリンタ」と称する)1は、4つのインクジェットヘッド2を備えたカラーインクジェットプリンタである。プリンタ1の図1中左方及び右方には、給紙トレイ11及び排紙トレイ12がそれぞれ設けられている。さらに、用紙Pをインクジェットヘッド2の下面であるノズル面2aと対向させつつ、用紙搬送方向(図1中左方から右方に向かう方向)に搬送する搬送機構13を備えている。また、図2に示すように、プリンタ1には、インクジェットヘッド2に対してメンテナンスを行うためのメンテナンスユニット30が設けられている。さらに、図1に示すように、プリンタ1には、プリンタ1の動作を制御する制御装置70が備えられている。
給紙トレイ11の近傍には、給紙トレイ11に載置された用紙Pを挟持し図1中右方に送り出す送りローラ対5が設けられている。そして、送りローラ対5によって送り出された用紙Pは、搬送機構13に供給される。
搬送機構13は、2つのベルトローラ6、7と、ベルトローラ6、7間に架け渡されたエンドレスの搬送ベルト8とを備えている。図1に示すように、ベルトローラ6、7のうち搬送方向の下流側、すなわち図中右方に位置するベルトローラ6は、駆動モータ6aにより、図中時計回りに回転駆動される。搬送ベルト8によって囲まれた領域内には、搬送ベルト8を内周面側から支持する略直方体形状のプラテン15が配置されている。また、ベルトローラ7と対向する位置には、給紙トレイ11から送りローラ対5によって送り出された用紙Pを搬送ベルト8の外周面である搬送面8aに押さえ付けるニップローラ4が配置されている。
また、搬送ベルト8と排紙トレイ12との間には、剥離部材14が設けられている。剥離部材14は、搬送ベルト8の搬送面8aに保持されている用紙Pを搬送面8aから剥離して、排紙トレイ12へ向けて導くように構成されている。
図1に示すように、インクジェットヘッド2の下面は多数のノズル10(図4及び図5参照)が形成されたノズル面2aとなっており、搬送ベルト8の搬送面8aに対向している。また、4つのインクジェットヘッド2は、4色のインク(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック)にそれぞれ対応しており、互いに異なる色のインクを吐出するものである。各インクジェットヘッド2は、平面視で用紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に長尺な直方体形状を有している。そして、4つのインクジェットヘッド2は、これらが用紙搬送方向に沿って並ぶように、平面視で略正方形形状のフレーム3に固定されている。つまり、このプリンタ1は、ライン式プリンタである。
フレーム3は、フレーム移動機構51により、上下に移動可能に支持されている。フレーム移動機構51は、図2に示すように、用紙搬送方向(図中上下方向)に沿ってフレーム3の両側にそれぞれ配設されている。各フレーム移動機構51は、上下移動の駆動源である駆動モータ52と、各駆動モータ52の軸に固定されたピニオンギア53と、各ピニオンギア53と噛合されたラックギア54と、ピニオンギア53とでラックギア54を挟む位置に配置されたガイド55とを含んでいる。このうち、駆動モータ52とガイド55とは、プリンタ1の本体フレーム1aに固定され、ラックギア54はフレーム3に立設されている。
この構成において、2つの駆動モータ52を同調させて各ピニオンギア53を正及び逆方向に回転させると、ラックギア54が上下方向に移動する。このラックギア54の上下動に伴ってフレーム3及び4つのインクジェットヘッド2が上下方向に移動する。
通常、フレーム3は、4つのインクジェットヘッド2が用紙Pに対してインクを吐出し印刷する印刷位置(図1に示す位置)に配置される。このとき、インクジェットヘッド2のノズル面2aと搬送ベルト8の搬送面8aとの間には、用紙搬送経路の一部となる僅かなすきまが形成される。そして、搬送ベルト8で搬送される用紙Pがノズル面2aのすぐ下方側を順に通過する際に、この用紙Pの上面に向けてノズル10から各色のインク滴が吐出されることで、用紙P上に所望のカラー画像が形成される。フレーム3は、インクジェットヘッド2の後述するメンテナンス時には、フレーム移動機構51によって移動され、印刷位置よりも上方に配置される。
また、図2に示すように、フレーム3には、用紙搬送方向に延在するインク吸収体19が取り付けられている。より詳細には、インク吸収体19は、フレーム3における図2中左方の用紙搬送方向に延びる部分の側面に取り付けられている。インク吸収体19は、後述するワイパー45に付着したインクを吸収するためのものであり、フレーム移動機構51の駆動により、インクジェットヘッド2と共に上下に移動する。
次に、図3〜図6を参照しつつ、インクジェットヘッド2の構成についてより詳細に説明する。図3は、インクジェットヘッド2の平面図である。図4は、図3の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。なお、図4では説明の都合上、後述するアクチュエータユニット21の下方にあって破線で描くべきもの(後述するアパーチャ92、圧力室91及びノズル10)を実線で描いている。図5は、インクジェットヘッド2の部分断面図である。
図3に示すように、インクジェットヘッド2は、平面視において主走査方向に細長な略矩形状を有する流路ユニット9と、流路ユニット9の上面に千鳥状に固定された4つの台形形状のアクチュエータユニット21とを含んでいる。より詳細には、4つのアクチュエータユニット21は、流路ユニット9の上面において、その上辺(台形の上底)及び下辺(台形の下底)が流路ユニット9の長手方向に一致すると共に、互いに隣接するアクチュエータユニット21の斜辺同士が平行で且つ流路ユニット9の長手方向に関する位置が同じになるように配置されている。
なお、インクジェットヘッド2は、上述のようにアクチュエータユニット21が固定された流路ユニット9に、インクを供給するリザーバユニット(不図示)やアクチュエータユニット21を駆動させる駆動信号を生成するドライバIC16(図7参照)が組み付けられることによって形成される。
図4に示すように、流路ユニット9の下面におけるアクチュエータユニット21にそれぞれ対向する領域には、マトリクス状に多数配列されたノズル10が開口している。流路ユニット9の上面には、各ノズル10に連通していると共に、マトリクス状に多数配列された圧力室91が開口している。圧力室91は、平面視で角部が丸められた略菱形形状を有している。そして、1つのアクチュエータユニット21は多数の圧力室91を覆うように配置されている。ここで、アクチュエータユニット21は、各圧力室91に対応した複数のアクチュエータを含んでおり、圧力室91内のインクに選択的に吐出エネルギーを付与する機能を有する。
さらに、図3に示すように、流路ユニット9の上面には、リザーバユニットのインク流出流路(不図示)に対応して、計10個のインク供給口80が開口している。インク供給口80は、いずれもアクチュエータユニット21の接着領域を避けるように形成されている。
流路ユニット9の内部には、図3に示すように、インク供給口80に連通するマニホールド流路81、及びマニホールド流路81から分岐してアクチュエータユニット21と対向する領域において流路ユニット9の長手方向に延びる複数の副マニホールド流路81aが形成されている。さらに、流路ユニット9の内部には、図5に示すように、副マニホールド流路81aから絞りとして機能するアパーチャ92及び圧力室91を経てノズル10に至る個別インク流路95が形成されている。すなわち、個別インク流路95は、各ノズル10(圧力室91)に対応するように、ノズル10と同じ数だけ形成されている。
これにより、リザーバユニットからのインクは、インク供給口80を介してマニホールド流路81に供給され、さらに各圧力室91に分配される。そして、アクチュエータユニット21により圧力室91に選択的に吐出エネルギーが付与されると、圧力室91内のインクの圧力が上昇し、この圧力室91に連通するノズル10からインクが吐出される。
図5に示すように、流路ユニット9は、ステンレス鋼など金属材料からなる9枚のプレート82〜90から構成されている。これらプレート82〜90を互いに位置合わせしつつ積層することによって、プレート82〜90に形成された貫通孔が連結され、流路ユニット9内に、マニホールド流路81、副マニホールド流路81a、及び副マニホールド流路81aの出口から、アパーチャ92及び圧力室91を経てノズル10に至る多数の個別インク流路95が形成される。
また、インクジェットヘッド2は、ポンプ17(図7参照)を介して、図1に示すように、搬送機構13の下方において用紙搬送方向に並設された4つのインクカートリッジ18とそれぞれチューブ(不図示)で接続されている。この4つのインクカートリッジ18は、4色のインク(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック)にそれぞれ対応しており、ポンプ17は、インクカートリッジ18内のインクを対応する色を吐出するインクジェットヘッド2内に強制的に送るためのものである。したがって、ポンプ17を駆動することによって、マニホールド流路81、副マニホールド流路81a、及び個別インク流路95内のインクを加圧し、インクジェットヘッド2内に混入したエア、塵、及び劣化したインク等の異物を、インクと共に外部に強制的に排出するパージ動作を行うことができる。なお、ポンプ17は、用紙Pに対する画像形成中は停止している。停止中のポンプ17は、インクカートリッジ18とインクジェットヘッド2とが連通するように、内部にインク流路が形成されている。
次に、図6をさらに参照しつつ、メンテナンスユニット30について説明する。図6は、メンテナンスユニット30の概略側面図である。図2及び図6に示すように、メンテナンスユニット30は、主走査方向(X方向)に移動可能なXステージ31と、Xステージ31の上面において用紙搬送方向(Y方向)に移動可能なワイピングユニット40と、Xステージ31の図2、6中左方側の面に固定された移動トレイ61とを有している。
Xステージ31は、用紙搬送方向に沿って延在していると共に、用紙搬送方向に関する両端近傍において主走査方向に延在する一対のガイドレール32に摺動自在に支持されている。Xステージ31の用紙搬送方向に関する伸延長さは、用紙搬送方向に沿って並べられた4つのインクジェットヘッド2に跨る長さ以上である。また、Xステージ31は、その下部において、ガイドレール32と平行に、すなわち主走査方向に延在するボールネジ33と螺合している。ボールネジ33の端部に接続された駆動モータ34が、ボールネジ33を回転させることによって、Xステージ31が主走査方向に移動可能となっている。
Xステージ31に固定された移動トレイ61は、平面視において矩形状の板部材であり、廃インクトレイ62を支持している。したがって、廃インクトレイ62は、Xステージ31の移動に伴って、主走査方向に移動可能となっている。廃インクトレイ62は、後述するように、インク受け位置に配置されたとき(図9(c)参照)、4つのインクジェットヘッド2と対向し得る広さの底面を有している。
ワイピングユニット40は、Yステージ41と、ワイパー45と、ホルダ46と、排出トレイ47とを有している。Yステージ41は、Xステージ31の上面に用紙搬送方向に延在するように敷設された一対のガイドレール42に摺動自在に支持されている。また、Yステージ41は、その内部においてガイドレール42と平行に、すなわち用紙搬送方向に延在するボールネジ43と螺合している。ボールネジ43の端部に接続された駆動モータ44が、ボールネジ43を回転させることによって、Yステージ41が用紙搬送方向に移動可能となっている。なお、図6に示すように、Yステージ41の上面は、廃インクトレイ62よりも上方に位置している。
ワイパー45は、ノズル面2aに付着したインクや紙粉等の異物を払拭するものであり、ゴムや樹脂などの弾性材料からなる矩形状の板部材である。ホルダ46は、Yステージ41の上面に固定されており、ワイパー45がノズル面2aに対して所定の角度で傾斜するように、ワイパー45を支持している。排出トレイ47は、ホルダ46と共にYステージ41の上面に固定されており、ワイパー45の下方端部近傍から廃インクトレイ62に向かって傾斜する傾斜面を有している。図2に示すように、ワイパー45の払拭部(ノズル面2aと当接して払拭する部分)は、インクジェットヘッド2の幅(用紙搬送方向に沿う長さ)より少し長く形成されている。ワイパー45によって拭き取られたインクは、排出トレイ47を介して廃インクトレイ62に移動することになる。
このように、ワイパー45を支持するホルダ46が、用紙搬送方向に移動可能なYステージ41に固定されており、また、Yステージ41が主走査方向に移動可能なXステージ31に支持されているため、ワイパー45は、用紙搬送方向及び主走査方向に関して移動可能になっている。
ここで、制御装置70について説明する。制御装置70は、例えば汎用のパーソナルコンピュータによって構成されている。かかるコンピュータは、CPU、ROM、RAM、ハードディスクなどのハードウェアが収納されており、ハードディスクには、プリンタ1の全体の動作を制御する為のプログラムを含む各種のソフトウェアが記憶されている。そして、これらのハードウェア及びソフトウェアが組み合わされることによって、後述の各部71〜78(図7参照)が構築されている。
制御装置70の概略構成を示すブロック図である図7に示すように、制御装置70は、用紙搬送制御部71と、インク吐出制御部73及びパージ制御部74を含むヘッド制御部72と、フレーム位置制御部75と、X方向移動制御部77及びY方向移動制御部78を含むワイパー制御部76とを備えている。
用紙搬送制御部71は、搬送機構13のベルトローラ6を駆動する駆動モータ6aを制御することによって、搬送機構13による用紙Pの搬送を制御する。
ヘッド制御部72のインク吐出制御部73は、アクチュエータユニット21への駆動信号を生成するドライバIC16を制御することによって、インクジェットヘッド2の複数のノズル10からのインクの吐出を個別に制御する。インク吐出制御部73が、外部から供給される画像データに基づいてインク滴をノズル10から吐出することで、用紙Pに画像が形成される。また、インク吐出制御部73が、用紙Pへの画像形成とは別にインク滴をノズル10から吐出することで、後述のフラッシング動作が行われることになる。
また、ヘッド制御部72のパージ制御部74は、パージ動作を実行すべくポンプ17の駆動を制御する。ポンプ17が駆動されると、インクジェットヘッド2内のインクに圧力が加わり、全てのノズル10からインクが強制的に排出されることになる。
フレーム位置制御部75は、フレーム移動機構51の駆動モータ52を制御することで、フレーム3に固定されているインクジェットヘッド2及びインク吸収体19の高さ位置を制御する。本実施の形態では、フレーム位置制御部75による制御によって、退避位置、ワイプ位置、パージ位置及び印刷位置の4つの異なる高さ位置に、フレーム3が配置される。
ワイパー制御部76は、インクジェットヘッド2に対向するワイピングユニット40の相対移動を行う部位であって、X方向移動制御部77は、メンテナンスユニット30の主走査方向に延在するボールネジ33を駆動する駆動モータ34を制御することで、Xステージ31の移動を制御する。これにより、廃インクトレイ62及びワイピングユニット40の主走査方向に関する位置を制御できる。また、Y方向移動制御部78は、メンテナンスユニット30の用紙搬送方向に延在するボールネジ43を駆動する駆動モータ44を制御することで、Yステージの移動を制御する。これにより、ワイピングユニット40の用紙搬送方向に関する位置を制御できる。
次に、図8〜図10を参照しつつ、プリンタ1で行われるメンテナンス方法について説明する。図8は、メンテナンス時におけるプリンタ1の動作を示すフローチャートである。図9、10は、メンテナンス時におけるインクジェットヘッド2及びメンテナンスユニット30の動きを説明するための図である。
ここで、インクジェットヘッド2のメンテナンスには、ノズル10内のインクを排出するパージ動作と、パージ動作によってノズル面2aに付着したインクを払拭するワイプ動作とが含まれる。パージ動作を行うことによって、インクジェットヘッド2内の異物が排出される。また、ワイプ動作を行うことによって、ノズル面2aから異物が除去されて清浄な面が得られると共に吐出特性が回復する。インクジェットヘッド2のメンテナンスは、インクジェットプリンタ1の電源投入時、電源投入して所定時間が経過した後、印刷開始前、ユーザからの指示があったときなどに開始される。
なお、メンテナンス開始前、すなわちメンテナンスが行われていない際には、メンテナンスユニット30は、廃インクトレイ62及びワイピングユニット40が、4つのインクジェットヘッド2のノズル面2aと対向しない待機位置に配置されている。待機位置は、インクジェットヘッド2の並びの側方で、図2に示すように、主走査方向に関して左方に隣接した位置である。また、このとき、ワイピングユニット40は、図2に示すように、用紙搬送方向の最も上流側に位置するインクジェットヘッド2の近傍に位置する状態となっている。
プリンタ1においてメンテナンスを行う際には、まず、フレーム位置制御部75の制御により、図9(a)に示すように、印刷位置(図中破線で示す位置)に位置するインクジェットヘッド2を上方に移動させる(S11)。より詳細には、このとき、インクジェットヘッド2は、そのノズル面2aの高さ位置が、ワイパー45の先端の高さ位置よりも高くなる退避位置まで移動する。
続いて、X方向移動制御部77の制御により、図9(b)に示すように、Xステージ31を図9中右方に向かって移動させると同時に、インク吐出制御部73の制御によりノズル10からインクを吐出するフラッシング動作を行い、ワイパー45にインクを付着させる(S12:液体付着ステップ)。すなわち、このとき、廃インクトレイ62及びワイピングユニット40は、待機位置から廃インクトレイ62が4つのインクジェットヘッド2のノズル面2aと対向する初期位置に向かって移動する。そして、ワイパー45には、4つのインクジェットヘッド2のうち、このとき対向するインクジェットヘッド2である対象ヘッドから吐出されたインクが付着する。
また、S12において、インク吐出制御部73は、ノズル面2aにおいてワイパー45と対向する領域に配置されたノズル10のみからインクが吐出されるように制御する。すなわち、インク吐出制御部73は、待機位置から初期位置に移動するワイパー45と対向する対象ヘッドのドライバIC16を制御する。そして、対象ヘッドのノズル面2aにおいて、インクが吐出されるフラッシング領域が、ワイパー45の移動と共に移動するように制御する。なお、このとき、インクジェットヘッド2が退避位置に配置されているため、ワイパー45の先端が、対象ヘッドのノズル面2aに接触することがない。このとき、ワイパー45に付着するインク量が多ければ、余剰のインクはワイパー45から排出トレイ47を介して廃インクトレイ62に移動する。また、ワイパー45に別の色のインクが付着していても、フラッシング動作で排出されたインクによって薄められたり、置き換えられたりするので、後述のワイピングステップにおいてインクの混色を防ぐことができる。
その後、図9(c)に示すように、フレーム位置制御部75の制御により、インクジェットヘッド2を退避位置よりも下方のパージ位置に移動させ、パージ制御部74の制御により、ポンプ17を駆動してパージ動作を実行する(S13:パージステップ)。このとき、ノズル10から排出されたインクは、廃インクトレイ62に落下し、廃インクトレイ62に落下したインクは、図示しないポンプによって吸引されて廃インクタンクに貯溜される。
次いで、フレーム位置制御部75の制御により、ノズル面2aの高さ位置がワイパー45の先端の高さ位置よりも僅かに低いワイプ位置にインクジェットヘッド2を移動させる。さらに、X方向移動制御部77の制御により、図10(d)に示すように、Xステージ31を図中左方に向かって移動させる。このとき、ワイパー45は、対象ヘッドのノズル面2aに接触しつつ初期位置から待機位置まで移動し、ノズル面2aに付着した異物を拭き取る(S14:ワイピングステップ)。
さらに、フレーム位置制御部75の制御により、図10(e)に示すように、フレーム3に取り付けられたインク吸収体19が、ワイパー45に接触する位置までフレーム3を降下させ、ワイパー45に付着したインクをインク吸収体19によって吸収する(S15)。
続いて、全てのインクジェットヘッド2のワイピングが終了したか否かの判断が行われる(S16)。ここで、まだ全てのインクジェットヘッド2のワイピングが終了していないと判断された場合には(S16:NO)、Y方向移動制御部78の制御により、Yステージ41を用紙搬送方向に移動させる(S17)。より詳細には、図2に示すように、用紙搬送方向に関して最も上流側に位置するインクジェットヘッド2の近傍に位置していたワイピングユニット40が、用紙搬送方向に関して上流側から2番目に位置するインクジェットヘッド2の近傍まで移動するように、Yステージ41を移動させる。その後、ステップS12に戻って、再度、廃インクトレイ62及びワイピングユニット40を待機位置から初期位置に移動させつつ、フラッシング動作を行う。
一方、全てのインクジェットヘッド2のワイピングが終了したと判断された場合には(S16:YES)、フレーム位置制御部75の制御により、インクジェットヘッド2を印刷位置に戻して、メンテナンスを終了する。
すなわち、本実施の形態においては、用紙搬送方向に関して上流側に位置するインクジェットヘッド2から順番に対象ヘッドとされ、ステップS12〜S15の動作が4回繰り返して行われ、全てのインクジェットヘッド2のメンテナンスが行われる。
以上のように、本実施の形態のインクジェットヘッド2のメンテナンス方法では、ワイパー45によって対象ヘッドのノズル面2aを払拭するワイピングステップが行われる前に、ワイパー45に対象ヘッドが排出するインクを付着させる液体付着ステップが行われる。したがって、対象ヘッドが排出するインクとは異なる色のインクがワイパー45に付着していた場合でも、そのインクを洗い流し、又は薄めるとこができる。よって、ワイピングを行う際に、対象ヘッドのノズル面2aに、対象ヘッドが排出するインクとは別の色のインクが付着し混色するのを防ぐことができる。
また、本実施の形態のインクジェットヘッド2のメンテナンス方法では、ワイピングステップが行われた後、ワイパー45に付着したインクをインク吸収体19によって吸収する。したがって、次にワイピングを行う際に混色が生じるのを防ぐことができる。
さらに、本実施の形態のインクジェットヘッド2のメンテナンス方法では、用紙搬送方向に関して上流側に位置するインクジェットヘッド2から順番に対象ヘッドとなるように、ワイパー45を用紙搬送方向に移動させつつ、液体付着ステップ及びワイピングステップを4回繰り返して行う。したがって、ワイパー45が、1つのインクジェットヘッド2の幅(用紙搬送方向に沿う長さ)に対応する長さを有していれば、全てのインクジェットヘッド2のノズル面2aをワイピングすることができる。よって、プリンタ1を小型化することができる。
また、本実施の形態のインクジェットヘッド2のメンテナンス方法では、液体付着ステップは、ワイパー45を待機位置から初期位置に移動させつつ行い、ワイピングステップは、ワイパー45を初期位置から待機位置に移動させつつ行う。すなわち、ワイパー45を一往復させる動作中に液体付着ステップ及びワイピングステップが行われる。したがって、液体付着ステップからワイピングステップへの動作の変換がスムーズにできる。
また、本実施の形態のインクジェットヘッド2のメンテナンス方法では、液体付着ステップにおいて、インク吐出制御部73の制御によりアクチュエータユニット21を駆動させてフラッシング動作を行い、フラッシング動作によりノズル10から排出されたインクをワイパー45に付着させる。したがって、ワイパー45にインクを付着させるための特別な機構を必要とせず、容易にワイパー45にインクを付着させることができる。
加えて、本実施の形態のインクジェットヘッド2のメンテナンス方法では、液体付着ステップにおいて、ノズル面2aのワイパー45と対向する領域に配置されたノズル10のみからインクが吐出されるようにフラッシング動作を行う。したがって、全てのノズル10からインクが吐出されるようにフラッシング動作を行う場合に比べて、インクの消費を抑えることができる。
さらに、本実施の形態のインクジェットプリンタ1においては、フレーム位置制御部75の制御により、インクジェットヘッド2の高さ位置を変更できる。したがって、ワイパー45をノズル面2aに直交する方向に移動させる機構がなくとも、インクジェットヘッド2及びワイパー45をノズル面2aに直交する方向に相対移動させることができる。よって、プリンタ1の構成を簡素化できる。
ここで、上述の第1の実施の形態の一変形例について説明する。本変形例は、第1の実施の形態のメンテナンス方法のみを変更したものであり、プリンタ1の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、同じ符号を付してその説明を省略する。
すなわち、第1の実施の形態のメンテナンス方法における液体付着ステップでは、X方向移動制御部77の制御によりワイパー45を移動させつつ、ワイパー45へのインクの付着動作が行われるが、本変形例の液体付着ステップにおいては、X方向移動制御部77は、ワイパー45がノズル面2aと対向する位置にある状態で、ワイパー45を静止させるように制御する。そして、インク吐出制御部73の制御により、ノズル面2aにおいてワイパー45と対向する領域に配置されたノズル10のみからインクが吐出される。
以上のように、本変形例では、第1の実施の形態と同様に、ワイピングを行う前にワイパー45に対象ヘッドが排出するインクを付着させることができるので、混色を防止することができる。
また、本変形例では、ワイパー45を移動させる場合に比べて、短時間でインクの付着処理が完了する。さらに、ワイパー45にインクを付着させるためにフラッシングで排出されるインクの量を最小限に抑えることができる。
<第2の実施の形態>
次に、図11〜13を参照しつつ、本発明の第2の実施の形態について説明する。図11は、本実施の形態のメンテナンス時におけるプリンタ1の動作を示すフローチャートである。図12、13は、本実施の形態のメンテナンス時におけるインクジェットヘッド2及びメンテナンスユニット30の動きを説明するための図である。
本実施の形態のメンテナンス方法が第1の実施の形態のメンテナンス方法と主に異なる点は、第1の実施の形態では、ワイピングステップの前にフラッシング動作によってノズル10から排出されたインクをワイパー45に付着させるが、本実施の形態においては、パージ動作によってノズル面2aに付着したインクをワイパーに45に付着させる点である。プリンタ1の構成については、第1の実施の形態と同様であるので、同じ符号を付してその説明を省略することとし、以下メンテナンス方法について説明する。
まず、図12(a)に示すように、印刷位置(図中破線で示す位置)に位置するインクジェットヘッドを退避位置まで移動させる(S21)。さらに、図12(b)に示すように、廃インクトレイ62及びワイピングユニット40を、待機位置から初期位置に向かって移動させる(S22)。その後、図12(c)に示すように、インクジェットヘッド2を退避位置からパージ位置に移動させ、パージを実行する(S23:パージステップ)。
続いて、図13(d)に示すように、フレーム位置制御部75の制御によって、ノズル面2aの高さ位置がワイパー45の先端の高さ位置よりも僅かに高いインク付着位置にインクジェットヘッド2を移動させてから、X方向移動制御部77の制御により、Xステージ31を待機位置まで移動させる(S24:液体付着ステップ)。なお、インク付着位置にあるインクジェットヘッド2のノズル面2aの高さ位置とワイパー45の先端の高さ位置との差は、ワイパー45の先端がノズル面2aと離隔しつつ、パージ動作によってノズル面2aに付着したインクに接触する程度である。すなわち、具体的には、0.5mm程度である。したがって、ステップS24によって、ワイパー45に対象ヘッドのノズル10から排出されたインクを付着させることができる。
さらに、図13(e)に示すように、X方向移動制御部77の制御によりXステージ31を初期位置まで移動させる(S25)。このとき、先の液体付着ステップにおいて、大部分がワイパーに付着(移動)仕切れないインク滴が有っても、初期位置までの再移動によって、ワイパー45に付着することになる。これによって、ワイパー45上の別の色のインクが、確実に薄められたり置き換えられたりする。次いで、インクジェットヘッド2をワイプ位置に移動させた後、図13(f)に示すように、ワイピングユニット40を初期位置から待機位置に向かって移動させる。これにより、対象ヘッドのノズル面2aに付着した異物が、ワイパー45によって拭き取られる(S26:ワイピングステップ)。そして、図13(g)に示すように、インク吸収体19をワイパー45に接触する位置まで降下させて、ワイパー45に付着したインクを吸収する(S27)。
続いて、全てのインクジェットヘッド2のワイピングが終了したか否かの判断を行い(S28)、全てのインクジェットヘッド2のワイピングが終了していないと判断した場合には(S28:NO)、Yステージ41を用紙搬送方向に移動させ、ワイピングユニット40を隣接するインクジェットヘッド2の近傍へと移動させる(S29)。その後、ステップS22に戻って、再度、廃インクトレイ62及びワイピングユニット40を待機位置から初期位置に移動させる。一方、全てのインクジェットヘッド2のワイピングが終了したと判断した場合には(S28:YES)、インクジェットヘッド2を印刷位置に戻してメンテナンスを終了する。
以上のように、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、ワイピングを行う前にワイパー45に対象ヘッドが排出するインクを付着させることができるので、混色を防止することができる。
また、本実施の形態では、インクジェットヘッド2内に混入したエア、塵、及び劣化したインク等の異物を、インクと共に外部に強制的に排出するパージ動作により排出されたインクを、液体付着ステップにおいてワイパー45に付着させるので、無駄なインクを使うことがない。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。
例えば、上述の第1及び第2の実施の形態では、フレーム移動機構51によりフレーム3に固定されているインクジェットヘッド2の高さ位置を変更することで、インクジェットヘッド2及びワイパー45をノズル面2aと直交する方向に関して相対移動させる場合について説明したが、これに限らず、ワイパー45を有するワイピングユニット40をノズル面2aと直交する方向に移動可能な構成としてもよい。
また、上述の第1及び第2の実施の形態では、ワイパー45に付着したインクを吸収するためのインク吸収体19を備えている場合について説明したが、インク吸収体19はなくてもよい。
また、上述の第1の実施の形態では、液体付着ステップは、ワイパー45を待機位置から初期位置に移動させつつ行い、ワイピングステップは、ワイパー45を初期位置から待機位置に移動させつつ行う場合について説明したが、これは限定されない。例えば、液体付着ステップにおいても、ワイピングステップと同様にワイパー45を初期位置から待機位置に移動させつつ行ってもよい。
加えて、上述の第1の実施の形態では、液体付着ステップにおいて、ノズル面2aのワイパー45と対向する領域に配置されたノズル10のみからインクが吐出されるようにフラッシング動作を行う場合について説明したが、全てのノズル10からインクを吐出させるようにしてもよい。
また、上述の第2の実施の形態では、液体付着ステップにおいて、ワイパー45を主走査方向に移動させつつ、ワイパー45へのインクの付着動作が行われる場合について説明したが、これには限定されない。すなわち、ワイパー45がノズル面2aと対向する位置にある状態で主走査方向への移動を停止させ、ワイパー45の先端がノズル面2aに付着するインクに接触するまで近づけることによって、ワイパー45へのインクの付着動作を行ってもよい。
また、上述の第1及び第2の実施の形態においては、インクジェットヘッド2及びワイパー45をインクジェットヘッド2の長手方向に沿って相対移動させることを、インクジェットヘッド2を長手方向に静止(固定)し、ワイパー45を移動することで実現していたが、この移動と静止の関係を逆にしてもよい。
さらに、上述の第1の実施の形態では、ワイパー45への液体付着ステップにおいて、ワイパー45のノズル面2aに対する傾きは、ワイピングステップ時の傾きを同じであったが、より短時間に多量の液体を付着させるという観点から、ワイピングステップ時の傾きよりもさらに傾斜させても良い。
また、上述の第1及び第2の実施の形態では、ワイパー45のインクジェットヘッド2に対する相対移動の方向は、インクジェットヘッド2の長手方向に沿う方向であったが、短手方向に沿う方向であっても良い。
本発明の実施の形態にかかるインクジェットプリンタの全体的な構成を示す概略側面図である。 図1に示すインクジェットプリンタの要部の概略平面図である。 図1に示すインクジェットヘッドの平面図である。 図3の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。 図3に示すインクジェットヘッドの部分断面図である。 図2に示すメンテナンスユニットの概略側面図である。 図1に示す制御装置の概略構成を示すブロック図である。 図1に示すインクジェットプリンタにおいてメンテナンスが行われる際のプリンタの動作を示すフローチャートである。 図1に示すインクジェットプリンタにおけるメンテナンス時(前半)のインクジェットヘッド及びメンテナンスユニットの動きを説明するための図である。 図1に示すインクジェットプリンタにおけるメンテナンス時(後半)のインクジェットヘッド及びメンテナンスユニットの動きを説明するための図である。 第2の実施の形態のメンテナンス時におけるプリンタの動作を示すフローチャートである。 第2の実施の形態のメンテナンス時(前半)におけるインクジェットヘッド及びメンテナンスユニットの動きを説明するための図である。 第2の実施の形態のメンテナンス時(後半)におけるインクジェットヘッド及びメンテナンスユニットの動きを説明するための図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ(液体吐出装置)
2 インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)
2a ノズル面
10 ノズル
17 ポンプ(圧力印加機構)
21 アクチュエータユニット
33 ボールネジ(第2移動機構)
34 駆動モータ(第2移動機構)
43 ボールネジ(第3移動機構)
44 駆動モータ(第3移動機構)
45 ワイパー
51 フレーム移動機構(第1移動機構)
74 パージ制御部(圧力印加制御手段)
75 フレーム位置制御部(第1移動制御手段)
77 X方向移動制御部(第2移動制御手段)
78 Y方向移動制御部(第3移動制御手段)

Claims (15)

  1. 複数のノズルが配置されたノズル面をそれぞれ有しており、互いに異なる種類の液体を吐出する複数の液体吐出ヘッドと、前記ノズル面に付着した異物を払拭するワイパーとを備えた液体吐出装置における液体吐出ヘッドのメンテナンス方法であって、
    複数の前記液体吐出ヘッドのうちの前記ワイパーによる払拭動作を施す対象である対象ヘッドの前記ノズル面と離隔して対向している前記ワイパーに対して、前記対象ヘッドが排出する液体を付着させる液体付着ステップと、
    前記液体付着ステップの後に、前記ワイパーの一部分が前記ノズル面に対して前記対象ヘッド側に位置している状態及び前記ワイパーが前記ノズル面に接触する状態のうちいずれか一方の状態となるように、前記対象ヘッド及び前記ワイパーを相対移動させるとともに、前記ワイパーと前記対象ヘッドの前記ノズル面とを対向させつつ、前記対象ヘッド及び前記ワイパーを前記対象ヘッドの長手方向に沿って相対移動させることによって、この前記ノズル面に付着した異物を拭き取るワイピングステップとを備えていることを特徴とする液体吐出ヘッドのメンテナンス方法。
  2. 前記ワイピングステップの後に、前記ワイパーに付着した液体を液体吸収材で吸収することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドのメンテナンス方法。
  3. 複数の前記液体吐出ヘッドを順番に前記対象ヘッドとして、前記液体付着ステップ、及び前記ワイピングステップを前記液体吐出ヘッドの数だけ繰り返すことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッドのメンテナンス方法。
  4. 前記液体付着ステップにおいて、前記液体吐出ヘッド及び前記ワイパーを前記ワイピングステップ時の移動方向とは反対の方向に相対移動させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドのメンテナンス方法。
  5. 前記液体付着ステップにおいて、前記ノズルから液体を吐出するための吐出エネルギーを発生させるアクチュエータの駆動によりフラッシング動作を行い、前記フラッシング動作により前記ノズルから吐出された液体を前記ワイパーに付着させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドのメンテナンス方法。
  6. 前記液体付着ステップにおいて、前記アクチュエータの駆動により、前記ノズル面において前記ワイパーに対向する領域に位置する前記ノズルのみから液体を吐出させることを特徴とする請求項5に記載の液体吐出ヘッドのメンテナンス方法。
  7. 前記液体吐出ヘッド内の液体に外部から圧力を加えて、全ての前記ノズルから液体を排出させるパージ動作を行う圧力印加機構を駆動して、前記対象ヘッドに対して前記パージ動作を行うパージステップをさらに備えており、
    前記液体付着ステップにおいて、前記パージ動作を行った後に、前記ワイパーを前記対象ヘッドの前記ノズル面と所定の間隔を介して離隔させることで、前記対象ヘッドが排出した液体を前記ワイパーに付着させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドのメンテナンス方法。
  8. 複数のノズルが配置されたノズル面をそれぞれ有しており、互いに異なる種類の液体を吐出する複数の液体吐出ヘッドと、
    前記ノズル面に付着した異物を払拭するワイパーと、
    前記液体吐出ヘッド及び前記ワイパーを前記ノズル面に直交する方向に関して相対移動させる第1移動機構と、
    前記ワイパー及び前記ノズル面を対向させつつ、前記液体吐出ヘッド及び前記ワイパーを前記液体吐出ヘッドの長手方向に沿って相対移動させる第2移動機構と、
    前記ワイパーが前記ノズル面に対して前記液体吐出ヘッドとは反対側に離隔する状態から、前記ワイパーの一部分が前記ノズル面に対して前記液体吐出ヘッド側に位置している状態及び前記ワイパーが前記ノズル面に接触する状態のうちいずれか一方の状態となるように、前記第1移動機構の駆動を制御する第1移動制御手段と、
    前記第2移動機構を駆動させる第2移動制御手段とを備えており、
    前記第1移動制御手段による制御が行われる前に、複数の前記液体吐出ヘッドのうちの前記ワイパーによる払拭動作を施す対象である対象ヘッドの前記ノズル面と離隔して対向するように前記ワイパーを配置し、前記対象ヘッドが排出した液体を前記ワイパーに付着させることを特徴とする液体吐出装置。
  9. 複数の前記液体吐出ヘッドが前記長手方向と直交する幅方向に沿って配列されており、
    前記ワイパーを前記幅方向に沿って移動させる第3移動機構と、
    複数の前記液体吐出ヘッドが順番に前記対象ヘッドとなるように、前記ワイパーによって前記ノズル面が払拭された後に、前記第3移動機構を駆動させる第3移動制御手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。
  10. 前記第1移動機構は、前記液体吐出ヘッドを移動させることを特徴とする請求項8又は9に記載の液体吐出装置。
  11. 前記液体吐出ヘッドが、前記ノズルから液体を吐出するための吐出エネルギーを発生させるアクチュエータを有しており、
    前記第1移動制御手段による制御が行われる前に、前記アクチュエータを駆動して複数の前記ノズルから液体を吐出するフラッシング動作によって前記対象ヘッドから吐出される液体を前記ワイパーに付着させることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  12. 前記第2移動制御手段による制御によって、前記ワイパーを前記ノズル面と離隔しつつ前記対象ヘッドの長手方向に沿って移動させるとともに、前記対象ヘッドが排出する液体を前記ワイパーに付着させることを特徴とする請求項11に記載の液体吐出装置。
  13. 移動する前記ワイパーが対向する前記ノズル面の領域に対応する前記アクチュエータのみを駆動して前記フラッシング動作を行うことを特徴とする請求項12に記載の液体吐出装置。
  14. 前記第2移動制御手段による制御によって、前記ワイパーを前記ノズル面と対向する所定の位置に静止状態に配置し、前記対象ヘッドが排出する液体を前記ワイパーに付着させることを特徴とする請求項11に記載の液体吐出装置。
  15. 前記液体吐出ヘッド内の液体に外部から圧力を加えて、全ての前記ノズルから液体を排出させるパージ動作を行う圧力印加機構と、
    前記パージ動作を行うように前記圧力印加機構の駆動を制御する圧力印加制御手段とを備えており、
    前記圧力印加制御手段が前記圧力印加機構を駆動して前記パージ動作を行った後に、前記第2移動制御手段による制御によって、前記ワイパーを前記ノズル面と所定の間隔を介して離隔しつつ前記長手方向に沿って移動させることで、前記対象ヘッドが排出する液体を前記ワイパーに付着させた後に、前記第1移動制御手段及び前記第2移動制御手段を制御して前記ワイパーに前記ノズル面を払拭させることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
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