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JP2010049050A - 透明樹脂積層体及びその製造方法 - Google Patents

透明樹脂積層体及びその製造方法 Download PDF

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JP2010049050A JP2008213618A JP2008213618A JP2010049050A JP 2010049050 A JP2010049050 A JP 2010049050A JP 2008213618 A JP2008213618 A JP 2008213618A JP 2008213618 A JP2008213618 A JP 2008213618A JP 2010049050 A JP2010049050 A JP 2010049050A
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Abstract

【課題】透明性、耐摩耗性及び耐食性に優れた透明樹脂積層体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】透明樹脂基材と、該透明樹脂基材上の少なくとも片面に形成される、少なくとも1層のシリカ膜層と、該シリカ膜層上に形成されるDLC膜層を最外層として有する透明樹脂積層体とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明樹脂積層体及びその製造方法に関する。より詳しくは、透明樹脂基材に各種の薄膜が多層に形成された透明樹脂積層体において、耐摩耗性及び耐食性且つ透明性を付与した透明樹脂積層体とその製造方法を提供するものである。
近年、プラスチック材料の軽量性、安全性を生かし、無機ガラス代替として透明樹脂基材を適用しようとする動きがある。その用途は車両、自動車、窓、床、その他エレクトロ二クス材料用透明樹脂パネル等様々であり、透明樹脂基材を適用する場合、傷付き防止の為に表面を保護する必要がある。用途によって、機能及び要求性能は様々であり、その水準も様々ではあるが、高水準な硬度や耐摩耗性が要求されることが多い。
かかる要求を満足するべく透明樹脂基材の表面に耐摩耗性被膜、特にオルガノシロキサン結合を有するハードコートが優れた性能を有する被膜として広く知られており、実用的な製品が上市されている。また、特定のオルガノシロキサン結合を有するハードコートが自動車窓等の被膜に好適であると提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
しかしながら、これら湿式の加熱乾燥型オルガノシロキサンハードコートは硬さ不足である。更に2コート2ベーク方式が一般的であり、加熱硬化にかかるエネルギーが大きく、時間がかかるため、より効率の良い被覆構造を開発することが望まれている。さらに溶媒として有機溶剤を多量に使用しており、加熱硬化の際に大量のVOCが放出されることも問題となっている。
硬さ不足を改善する対策として、UV硬化ハードコート表面にさらにポリシラザンを表面に塗布したものが報告されている(例えば、特許文献3参照)。ポリシラザンによるシリカ膜層を樹脂上に塗布した場合、硬度が高くても、膜厚が1μm以上、より好ましくは3μm以上でないと耐摩耗性が向上しない。しかし、ポリシラザンによるシリカ膜層は応力の問題があり、厚膜にすることが困難である。また、ポリシラザンが高価であること、およびVOCの排出に問題があることから改善が必要である。
以上の問題を解決する手段として、プラズマCVDを用いてSiO膜層を形成する方法が報告されている(例えば、特許文献4参照)。また、プラズマCVDを用いて成膜したSiO膜層は、成膜条件によって硬さを調整することが可能であり、特に膜の硬度を高める条件下で3μm以上成膜するとガラス並みの耐摩耗性を得ることができる。
しかし、SiOはpH9以上のアルカリに可溶であることが知られており、アルカリ成分を有する薬品の使用環境に適しない。これはガラス中のSi−O−Si結合がOHにより切断され、HSiO やSiO −2として溶解するためである。通常、無機ガラスはこの性質を改善するのにNaO−ZrO−SiO系、NaO−TiO−SiO系等ケイ酸塩ガラスにZrOやTiOを添加した耐アルカリガラスが用いられている。しかし、プラズマCVDでは、金属酸化物を原料に含ませ、シリカ膜層に耐アルカリ性を付与するのは困難である。
一方で、工具などの表面の耐スクラッチ性をあげる目的で、ダイヤモンドライクカーボン(以下、「DLC」ともいう)膜が近年利用されている(例えば、特許文献5及び特許文献6参照)。
特開2002−36870号公報 特開2001−354781号公報 特許第003921829号公報 US20060029764公報 特開2005−271495号公報 特開2006−176865号公報
本発明は、透明樹脂基材に各種の薄膜が多層に形成された透明樹脂積層体の表面保護の問題に鑑みなされたものであって、耐摩耗性及び耐食性に優れた透明樹脂積層体とその製造方法を提供することにある。
DLC膜層は、超硬度、耐摩耗性、耐食性に優れているが、その下層となる層の影響を小さくして、DLC膜層自体である程度の硬度及び耐摩耗性を有するには、膜厚を厚くする必要がある。しかし、膜厚を厚くすると透明性に劣り、有機ガラスとして用いるには問題がある。
本発明者等はかかる課題を解決するため鋭意検討した結果、透明樹脂基材に各種の薄膜が多層に形成された透明樹脂積層体において、耐摩耗性、硬度、透明性のあるシリカ膜層の上に、耐食性のあるDLC膜層を最外層として設けることで、上記課題を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)透明樹脂基材と、該透明樹脂基材上の少なくとも片面に形成される、少なくとも1層のシリカ膜層と、該シリカ膜層上に形成されるDLC膜層を最外層として有することを特徴とする透明樹脂積層体。
(2)前記シリカ膜層は、酸化性ガスにO、O、NO、NO、CO、COのいずれか又は2種以上の組み合わせで用いたプラズマCVDにより形成されたことを特徴とする上記(1)に記載の透明樹脂積層体。
(3)前記透明樹脂基材と前記シリカ膜層との間に、活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂層をさらに有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の透明樹脂積層体。
(4)前記活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂層は、UV(紫外線)吸収剤を含むことを特徴とする上記(3)に記載の透明樹脂積層体。
(5)前記シリカ膜層の膜厚は1〜20μmであり、前記DLC膜層の膜厚は1nm〜2μmであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の透明樹脂積層体。
(6)前記シリカ膜層の膜厚は1〜20μmであり、前記DLC膜層の膜厚は3nm〜1μmであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の透明樹脂積層体。
(7)透明樹脂基材上の少なくとも片面に、有機ケイ素化合物を含む原料を用いた乾式成膜工法によりシリカ膜層を形成する工程、炭化水素系化合物を用いた乾式成膜工法により前記シリカ膜層上にDLC膜層を形成する工程と、を少なくとも有する透明樹脂積層体の製造方法。
(8)前記シリカ膜層及び/又はDLC膜層を形成する乾式成膜工法は、プラズマCVDである上記(7)に記載の透明樹脂積層体の製造方法。
(9)前記シリカ膜層を形成する工程は、前記有機ケイ素化合物を気体状態で、酸化性ガスとともに0.05Pa以上500Pa以下の圧力下で導入し、高周波電源に接続された電極上に、前記透明樹脂基材を前記シリカ膜層が形成される側が表となるように置き、前記電極に0.1W/cm以上の電力密度を用いて成膜することを特徴とする上記(7)又は(8)に記載の透明樹脂積層体の製造方法。
(10)前記酸化性ガスは、O、O、NO、NO、CO、COのいずれか又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする上記(9)に記載の透明樹脂積層体の製造方法。
(11)前記DLC膜層を形成する工程は、前記炭化水素化合物を気体状態で0.05Pa以上500Pa以下の圧力下で導入し、高周波電源に接続された電極上に、前記透明樹脂基材上に形成された前記シリカ膜層が表となるように置き、前記電極に0.05〜5.0W/cm以上の電力密度を用いて成膜することを特徴とする上記(7)〜(10)のいずれか一つに記載の透明樹脂積層体の製造方法。
(12)前記シリカ膜層形成の工程前に、活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂層を活性エネルギー線硬化により形成する工程をさらに有することを特徴とする上記(7)〜(11)のいずれか一つに記載の透明樹脂積層体の製造方法。
本発明により、透明性、耐摩耗性及び耐食性に優れた透明樹脂積層体及びその製造方法を提供することが可能である。また、本発明により、透明性、耐摩耗性、耐食性及び耐候性に優れた透明樹脂積層体及びその製造方法を提供することが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の透明樹脂積層体は、透明樹脂基材と、該透明樹脂基材上の少なくとも片面に形成される、少なくとも1層のシリカ膜層と、該シリカ膜層上に形成されるDLC膜層を最外層として有することを特徴とする。
透明樹脂積層体に無機ガラス並みの耐摩耗性を付与するためには、硬質な膜を1μm以上、より好ましくは3μm以上形成する必要がある。シリカ膜層を形成することにより、ガラス並みの耐摩耗性が得られるが、アルカリに可溶であり、耐食性に問題がある。一方、DLC膜層は非常に硬質である膜であることが知られているが、膜厚を厚くすると薄茶色で透明、更に厚くすると黒色を呈し、可視光線透過率を考慮した際にμm単位で成膜することは好ましくない。本発明の透明樹脂積層体は、シリカ膜層とDLC膜層を併用することにより、耐摩耗性、耐食性に優れ、且つ透明性に優れる。
本発明において「シリカ膜」とは、−(SiO)−の膜組成だけでなく、Si:H、Si:C等のSiOを基本骨格とした膜組成を有するものであればよい。
DLC膜層は、炭素間のSP結合を主体としたアモルファスな炭素で、非常に硬く、低摩擦係数、耐摩耗性、耐食性、ガスバリア性を有し、絶縁性に優れたダイヤモンド状炭素膜である。DLC膜層は、シリカ膜層よりも潤滑性に優れるため、動摩擦係数の小さい均一な薄膜作製が可能であり、更に、耐食性、硬度、ガスバリア性に優れているため、保護膜としてシリカ膜層の外側に設けることがより効果的である。
前記透明樹脂基材は、芳香族ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアリレート樹脂等の透明合成樹脂を基材の材料として使用し、目的により、耐候性膜、熱線遮蔽膜等の保護膜、あるいは機能性膜を付与したものを基材として用い、これら基材に導電回路を描いたものも用いることができる。
本発明における透明樹脂基材は成形されたものであることが好ましく、例えば平板や波板等のシート状基材、フィルム状基材、各種形状に成形された基材等がある。本発明においては、透明樹脂基材の可視光線透過率が70%以上、より好ましくは85%以上であることが好ましい。なお、可視光線透過率は、JIS R3106として測定できる。
本発明の透明樹脂積層体は、透明樹脂基材とシリカ膜層との間に耐候性膜を有していることも好ましい。耐候性膜としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、レベリング剤等の充填材を含有したアクリル樹脂層が挙げられる。アクリル樹脂層に含有される充填材は、硬化に悪影響を与えず、透明性に悪影響を与えないものが好ましい。アクリル樹脂層としてより好ましくは、活性エネルギー線で硬化する活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂層が、VOC低減及びタクトタイムの短縮の点から好ましい。また、アクリル樹脂層は応力緩和作用も有する。
入手可能な活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂層の原料としては、特に制限はないが、具体的には、例えば、藤倉化成社製のフジハード(アクリル樹脂用モノマー、オリゴマーにUV吸収剤、光安定剤、UV重合開始剤等の活性エネルギー線重合開始剤等が含有されたアクリル樹脂原料)、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製のUVHC3000(アクリル樹脂用モノマー、オリゴマーに、コロイダルシリカ、UV吸収剤、光安定剤、界面活性剤、UV重合開始剤等の活性エネルギー線重合開始剤等が含有されたアクリル樹脂原料)等が挙げられる。
上記のアクリル樹脂層の原料を用いると、プラズマCVDにより形成されるシリカ膜層との密着性が向上することから好ましい。
活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂層に含まれる前記紫外線吸収剤としては、通常用いられる紫外線吸収剤を用いることができる。例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−(5’−メチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5′−メチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール類;エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート類;フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリシレート類;ジエチル−p−メトキシベンジリデンマロネート、ビス(2−エチルヘキシル)ベンジリデンマロネート等のベンジリデンマロネート類;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(メチル)オキシ〕−フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(エチル)オキシ〕−フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(プロピル)オキシ〕−フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ブチル)オキシ〕−フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕−フェノール等のトリアジン類;2−(2’−ヒドロキシ−5−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールと該モノマーと共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体;2−(2’―ヒドロキシ−5−アクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールと該モノマーと共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体;酸化チタン酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステン、硫化亜鉛、硫化カドミウム等の金属酸化物微粒子;類を挙げることができる。これらは単独使用又は2種以上を併用してもよい。
本発明において、アクリル樹脂層には、耐候性を改良する目的として、紫外線吸収剤に加えて、酸化防止剤、光安定剤を含有していることも好ましい。
前記酸化防止剤としては、一般的なものが使用でき、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミノ系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。
前記光安定剤としては、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−オクタノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ジフェニルメタン−p,p’−ジカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3−ジスルホネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)フェニルホスファイト等のヒンダードアミン類;ニッケルビス(オクチルフェニルサルファイド、ニッケルコンプレクス−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸モノエチラート、ニッケルジブチルジチオカーバメート等のニッケル錯体;等を挙げることができる。これらは単独使用又は2種以上を併用してもよい。
本発明におけるレベリング剤としては、表面張力を低下させる目的でアクリル樹脂に一般的に用いられるものが使用でき、例えば、シリコンオイル、フッ素化ポリオレフィン、ポリアクリル酸エステル等が挙げられる。
活性エネルギー線重合開始剤としては、一般的に光重合開始剤が用いられ、公知の一般に入手可能なものがいずれも使用可能であるが、特に可視領域における透明性を確保するために、光吸収の最大波長ピークが400nm以下のもの、もしくは光照射によって速やかに吸収強度が減衰するものが望ましい。
重合開始剤として、アセトフェノン系の1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−オン、フォスフィンオキシド系の2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、さらにはベンゾフェノンと重合促進剤のエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエートといった組み合わせのものも使用できる。これらは単独で用いられてもよいし、複数を組み合わせて光硬化時の光源に合わせて硬化条件の最適化を図ることもできる。
本発明におけるアクリル樹脂層の塗工液を透明樹脂基材へ塗工する手段としては特に制限されず、公知又は周知の方法を採用できる。例えば、ディップ法、フローコート法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、スリットコート法、マイクログラビアコート法等の方法を採用できる。アクリル樹脂層の塗工液の塗工後、被覆された組成物が溶剤を含んでいる場合は、乾燥して溶剤を除き、次いで、紫外線等の活性エネルギー線を照射して硬化させ、アクリル樹脂層を形成する。
硬化方法についても、公知又は周知の活性エネルギー線硬化方法を採用できる。
本発明の透明樹脂積層体は、透明樹脂基材とシリカ膜層との間に下記の熱線遮蔽膜や機能性膜を有していることも好ましい。上述した耐候性膜(アクリル樹脂層)、下記熱線遮蔽膜、機能性膜の積層順は特に制限はない。
熱線遮蔽膜としては、Zn、Sn、Ta、Al、Ga、In、Si、Ti、Zr、SUS、In、Ce、Bi、Sb、Bのうち少なくとも1種を含む金属酸化物からなる膜が挙げられる。金属酸化物膜は、物理気相成長法(以下、「PVD」ともいう)や、化学気相成長法(以下、「CVD」ともいう)によって形成可能である。
また、機能性膜としては、MgF2等の金属薄膜をZnO、ZnO、TiO、Biなどの金属酸化物によりサンドイッチ状に挟み、干渉を利用して金属薄膜による反射を低減させる反射防止膜が挙げられる。反射防止膜は、膜厚0.1μm程度のMgF2等の金属薄膜や金属酸化物の蒸着膜を直接設ける方法、ゾルゲル法によるコーティング液を用いた方法等で形成可能である。
シリカ膜層の形成方法としては、以下の通りである。上記の透明樹脂基材、または透明樹脂基材上にアクリル樹脂層等の耐候性膜、熱線遮蔽膜、機能性膜のいずれか、又はこれらの2層以上が形成されたものを基盤として用い、シリカ膜層を形成する。シリカ膜層の形成は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、分子線エピタキシー法、イオンビームデポジション、イオンプレーティング、スパッタリング等の物理気相成長法(以下、「PVD」ともいう)や、熱CVD、プラズマCVD、光CVD、エピタキシャルCVD、アトミックレイヤーCVD、catCVD等の化学気相成長法(以下、「CVD」ともいう)等の乾式成膜工法があるが、特にこの中でも、成膜温度や成膜速度の点からプラズマCVDが好ましい。
シリカ膜層をプラズマCVDで形成する際には、原料として有機ケイ素化合物を用いる。具体的な例としては、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、1,1,3,3,テトラメチルジシロキサン、テトラメトキシシラン、メトキシトリメチルシラン、テトラメチルシラン、ヘキサメチルトリシロキサン、テトラクロロシラン、トリクロロメチルシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン等を挙げることができる。また、硬度を高めることを目的とし、酸素を用いることも好ましい。
前記シリカ膜層をプラズマCVDで形成する際に、原料の有機ケイ素化合物の他に酸化性ガスを用いることが好ましい。酸化性ガスとしてはO、O、NO、NO、CO、CO等のいずれか又は2種以上の組み合わせが挙げられる。
前記シリカ膜層の形成は、前記有機ケイ素化合物を気体状態で、酸化性ガスとともに0.05Pa以上500Pa以下の圧力下で導入し、高周波電源に接続された電極上に前記透明樹脂基材を前記シリカ膜層が形成される側が表となるように置き、前記電極に0.1W/cm以上の電力密度を用いて成膜することが好ましい。
シリカ膜層の膜厚は1〜20μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましい。シリカ膜層の膜厚が20μm超では、クラックが発生しやすく、耐熱性が低下しやすい。耐摩耗性や生産性の面から10μm以下がより好ましい。一方、シリカ膜層の膜厚が1μm未満では、十分な耐摩耗性を発現させることができないことがある。プラズマCVDにおいて、処理時間等を調整すればよい。
DLC膜層の形成方法としては、上記シリカ膜層が形成された透明樹脂基材を基盤として用い、シリカ膜層上にDLC膜層を形成する。DLC膜層は、炭素間のSP結合を主体としたアモルファスな炭素で、非常に硬く、低摩擦係数、耐摩耗性、耐食性、ガスバリア性を有し、絶縁性に優れたダイヤモンド状炭素膜である。
DLC膜層の膜厚は、1nm〜2μmであることが好ましく、3nm〜1μmがより好ましく、10nm〜200nmであることがさらに好ましい。DLC膜層の膜厚が1μm超では、透明性の低下が著しく、1nm未満で均一な膜厚をコントロールするのは極めて困難である。DLC膜層の膜厚は、プラズマCVDにおいて処理時間等を調整すればよい。
DLC膜層の形成は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、分子線エピタキシー法、イオンビームデポジション、イオンプレーティング、スパッタリング等の物理気相成長法(以下、「PVD」ともいう)や、熱CVD、プラズマCVD、光CVD、エピタキシャルCVD、アトミックレイヤーCVD、catCVD等の化学気相成長法(以下、「CVD」ともいう)があるが、特にこの中でも、成膜温度や成膜速度の点からプラズマCVDが好ましい。
DLC膜層をプラズマCVDで形成する際には、原料として炭化水素系化合物を用いる。具体的な例としては、トルエン、アセチレン、メタン、ヘキサン等が挙げられる。また、表面清浄化作用を目的とし、水素を用いることも好ましい。
前記DLC膜層の形成は、前記炭化水素系化合物を気体状態で、必要により水素とともに、0.05Pa以上500Pa以下の圧力下で導入し、高周波電源に接続された電極上に前記透明樹脂基材に形成された前記シリカ膜層が表となるように置き、前記電極に0.05〜5.0W/cmの電力密度を用いて成膜することが好ましい。
本発明の透明樹脂積層体は、透明樹脂基材の両方の面にシリカ膜層とDLC膜層が形成されることも、アルカリ性洗浄剤等を用いる場合等、より耐食性を高めたいときは好ましい。
本発明の透明樹脂積層体は、可視光線透過率が70%以上、より好ましくは85%以上であることが好ましい。また、耐摩耗性としては、テーバー磨耗試験1000回転後のΔヘイズ値が5%以下、より好ましくは2%以下が好ましい。
耐摩耗性の測定は、ASTM D1044に準じて、摩耗輪はCalibrase社製CS−10Fを用い、荷重500gで1000回転テーバー摩耗試験を行い、テーバー摩耗した後のヘーズと、テーバー摩耗試験前のヘーズとの差ΔHを測定して評価する。摩耗輪のリフェースはST−11 Refacing stoneを用いて25回転で行う。各ヘーズ値は下記式で算出できる。
(ヘーズ=Td/Tt×100、Td:散乱光線透過率、Tt:可視光線透過率)
本発明の透明樹脂積層体は、耐摩耗性、耐食性に優れるだけでなく、透明性にも優れ、車両、自動車、窓、床、その他エレクトロ二クス材料用透明樹脂シートの実用性及び信頼性を飛躍的に向上出来る。更に、ガスバリア性に優れるDLC膜層に被服されているため、酸化の問題等も回避でき、また、シリカ膜層やDLC膜層は組成中に強い化学結合を有するために紫外線等により分解しないので、透明樹脂基材にさらにアクリル樹脂層等の耐候性膜を付与すれば外装部材にも適用が可能である。
なお、本発明は、透明樹脂積層体の製造方法も範囲内とする。すなわち、本発明は、透明樹脂基材上の少なくとも片面に、有機ケイ素化合物を含む原料を用い、プラズマCVDによりシリカ膜層を形成する工程、前記シリカ膜層上に、炭化水素系化合物を用い、プラズマCVDによりDLC膜層を形成する工程と、を少なくとも有する透明樹脂積層体の製造方法である。必要により、前記シリカ膜層の形成工程前に、活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂層等の耐候性膜、熱線遮蔽膜、機能性膜のいずれか、又はこれらの2層以上を形成することも可能である。
本発明の透明樹脂積層体の製造方法におけるアクリル樹脂層等の形成方法、シリカ膜層、DLC膜層の形成方法は、上述した各々の層の形成方法により行えばよい。
また、透明樹脂基材の両面に積層させる場合は、一方の面を積層させた後に他方の面を積層させる、又は両面に同じ膜層を順次形成させていってもどちらでもよい。
以下、実施例により本発明を詳述するが本発明はもとよりこれに限定されるものではない。
<透明樹脂積層体の物性評価>
得られた透明樹脂積層体は以下の方法によって評価した。
(1)外観評価
目視にて、色、最外層の外観(異物の有無)、ひび割れ(クラック)の有無を確認した。
(2)可視光線透過率
JIS R3106準拠して測定した。
(3)密着性
最外層にカッターナイフで1mm間隔の100個の碁盤目を作りニチバン製粘着テープ(ニチバン株式会社製、商品名セロテープ(登録商標))を圧着し、約60°の角度ですばやく引き剥がして、最外層の下層上に残った碁盤目の数で評価した(JIS K5600−5−6に準拠)。
(4)耐摩耗性
ASTM D1044に準じて行う。まず、サンプルとして100mm角、3〜5mm程度の板厚の透明樹脂積層体を用意し、摩耗輪はCalibrase社製CS−10Fを用い、荷重500gで1000回転テーバー摩耗試験を行い、テーバー摩耗した後のヘーズと、テーバー摩耗試験前のヘーズとの差ΔHを測定して評価した。摩耗輪のリフェースはST−11 Refacing stoneを用いて25回転で行った。各ヘーズ値は、下記式で算出できる。
(ヘーズ=Td/Tt×100、Td:散乱光線透過率、Tt:可視光線透過率)
なお、可視光線透過率Ttは、上記(2)で測定したものである。
(5)耐食性
アセトン、トルエン、2−プロパノール(IPA)、3wt%水酸化ナトリウム、3wt%硫酸及び3wt%アルブミンに対して試験を行った。それぞれ滴下後4時間静置後、溶液を水道水で洗い流し、滴下面を拭き取り、外観異常がないか確認した。評価基準は以下の通りとした。
○:外観に変化なし
×:溶解、剥離、クラック、曇り等あり
(6)耐候性
試験片をIPA及び純水で洗浄後、照射面の反対側をアルミテープで覆い、次に、スガ試験機製強エネルギーキセノンウェザーメーターXEL−1WNに試験片を投入し、照射強度180W/m2、散水18分・散水なし102分のサイクルに設定し、一定時間毎に取り出して、密着性、外観変化の確認等を行った。
耐候性の評価は、外観変化(基材や塗膜の黄変、塗膜のクラック、曇化等)が起こった時間で評価した。なお、外観変化が起こった時間における密着性についても、上記(3)と同様に測定し、耐候性の指標とした。
<透明樹脂積層体の作製>
(実施例1)
100mm角ポリカーボネートシート(サビック社製、製品名Lexan LS2−111、厚さ3mm)に応力緩和、耐候性付与の為に紫外線吸収剤を含むUV硬化アクリル系樹脂(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、製品名:UVHC3000)をディップコートにより塗工した。80℃で5分乾燥後、UVランプを用いUV−A照射量2J/cmとなるように紫外線を照射し、活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂層を8μm被覆したシートを得た。その後プラズマCVDによって3μmのシリカ膜層、更にその上に10nmのDLC膜層を形成した。活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂層、シリカ膜層、DLC膜層が形成された透明樹脂積層体を得た。構成を図1に示す。
シリカ膜層とDLC膜層の形成条件は以下に示す通りである。
(シリカ膜層形成条件)
装置:2周波プラズマCVD(放電周波数27.12MHz+380kHz)
高周波電力:100〜1000W
圧力:30Pa
原料ガス:HMDS−O、O
(DLC膜層形成条件)
装置:平行平板型プラズマCVD(放電周波数13.56MHz)
高周波電力:50〜1000W
圧力:0.4Pa
原料ガス:トルエン
(比較例1)
100mm角ポリカーボネートシート(帝人化成社製、製品名パンライト、厚さ3mm)に塗布し、加熱硬化型アクリル系プライマー(帝人化成社製、製品名CL−KW21)をディップコートにより塗工した。室温で20分間静置後、熱風循環式オーブンを用いて125℃の雰囲気で一時間加熱硬化し、加熱硬化型アクリル樹脂層を被覆した透明樹脂積層体を得た。膜厚は3.0μmだった。次いで、加熱硬化型オルガノシロキサン系ハードコート(帝人化成社製、製品名CL−EX21)をディップコートにより塗工した。室温で20分静置後、熱風循環式オーブンを用いて122℃の雰囲気で一時間加熱硬化し、加熱硬化型アクリル樹脂層、オルガノシロキサン膜層が積層された透明樹脂積層体を得た。膜厚は4.1μmだった。構成を図2に示す。
(比較例2)
100mm角ポリカーボネートシート(帝人化成社製、製品名パンライト、厚さ3mm)に塗布し、UV硬化型アクリル系プライマー(藤倉化成社製、製品名フジハード)をディップコートにより塗工した。熱風循環式オーブンを用いて温度75℃の雰囲気で10分間加熱乾燥を行った後、UVランプを用いUV−A照射量2J/cmとなるように紫外線を照射し、活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂層を被覆した透明樹脂積層体を得た。膜厚は7.9μmだった。次いでポリシラザン(10%ジブチルエーテル溶液)(AZエレクトロマテリアルズ社製、製品名NL120A)をスプレーコートにより塗布し、25℃で2分間静置後、熱風循環式オーブンを用いて130℃の雰囲気で120分加熱硬化させ、活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂層、ポリシラザン膜層が形成された透明樹脂積層体を得た。膜厚は4.2μmとなった。構成を図3に示す。
(比較例3)
100mm角ポリカーボネートシート(サビック社製、製品名Lexan LS2−111、厚さ3mm)に応力緩和、耐候性付与の為に紫外線吸収剤を含むUV硬化アクリル系樹脂(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製社、製品名UVHC3000)をディップコートにより塗工した。80℃で5分乾燥後、UVランプを用いUV−A照射量2J/cmとなるように紫外線を照射し、活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂層を8μm被覆したシートを得た。その後プラズマCVDによって3μmのシリカ膜層を形成し、活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂層、シリカ膜層が形成された透明樹脂積層体を得た。構成を図4に示す。なお、プラズマCVDによるシリカ膜層の形成条件は、実施例1と同じとする。
(比較例4)
100mm角ポリカーボネートシート(サビック社製、製品名Lexan LS2−111、厚さ3mm)に応力緩和、耐候性付与の為に紫外線吸収剤を含むUV硬化アクリル系樹脂(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、製品名UVHC3000)をディップコートにより塗工した。80℃で5分乾燥後、UVランプを用いUV−A照射量2J/cmとなるように紫外線を照射し、活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂層8μmを被覆したシートを得た。その後プラズマCVDによって3μmのDLC膜層を形成した。なお、プラズマCVDによるDLC膜層の形成条件は、実施例1と同じとする。構成を図5に示す。
(比較例5)
100mm角ポリカーボネートシート(サビック社製、製品名Lexan LS2−111、厚さ3mm)に応力緩和、耐候性付与の為に紫外線吸収剤を含むUV硬化アクリル系樹脂(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、製品名UVHC3000)をディップコートにより塗工した。80℃で5分乾燥後、UVランプを用いUV−A照射量2J/cmとなるように紫外線を照射し、活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂層8μmを被覆したシートを得た。その後プラズマCVDによって1μmのDLC膜層を形成した。なお、プラズマCVDによるDLC膜層の形成条件は、実施例1と同じとする。
実施例から明らかなように、透明樹脂基材にシリカ膜層、更にその上にDLC膜層を形成することにより、透明性に優れ、且つ耐摩耗性、耐食性にも優れた透明樹脂積層体が得られる。また、透明樹脂積層体に、耐候性膜として紫外線吸収剤を含有したアクリル樹脂層を設けることで、耐候性に優れた透明樹脂積層体を提供することができる。
本発明の透明樹脂積層体の一つの実施の形態(実施例1)の断面図である。 従来の透明樹脂積層体の一つの実施の形態(比較例1)の断面図である。 従来の透明樹脂積層体の一つの実施の形態(比較例2)の断面図である。 透明樹脂積層体の一つの実施の形態(比較例3)の断面図である。 透明樹脂積層体の一つの実施の形態(比較例4)の断面図である。
符号の説明
1 透明樹脂基材
2a 活性エネルギ線硬化型アクリル樹脂層
2b 加熱硬化型アクリル樹脂層
3a シリカ膜層
3b オルガノシロキサン膜層
3c ポリシラザン膜層
4 DLC膜層

Claims (12)

  1. 透明樹脂基材と、該透明樹脂基材上の少なくとも片面に形成される、少なくとも1層のシリカ膜層と、該シリカ膜層上に形成されるDLC膜層を最外層として有することを特徴とする透明樹脂積層体。
  2. 前記シリカ膜層は、酸化性ガスにO、O、NO、NO、CO、COのいずれか又は2種以上の組み合わせで用いたプラズマCVDにより形成されたことを特徴とする請求項1に記載の透明樹脂積層体。
  3. 前記透明樹脂基材と前記シリカ膜層との間に、活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂層をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の透明樹脂積層体。
  4. 前記活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂層は、UV(紫外線)吸収剤を含むことを特徴とする請求項3に記載の透明樹脂積層体。
  5. 前記シリカ膜層の膜厚は1〜20μmであり、前記DLC膜層の膜厚は1nm〜2μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明樹脂積層体。
  6. 前記シリカ膜層の膜厚は1〜20μmであり、前記DLC膜層の膜厚は3nm〜1μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明樹脂積層体。
  7. 透明樹脂基材上の少なくとも片面に、有機ケイ素化合物を含む原料を用いた乾式成膜工法によりシリカ膜層を形成する工程、炭化水素系化合物を用いた乾式成膜工法により前記シリカ膜層上にDLC膜層を形成する工程と、を少なくとも有する透明樹脂積層体の製造方法。
  8. 前記シリカ膜層及び/又はDLC膜層を形成する乾式成膜工法は、プラズマCVDである請求項7に記載の透明樹脂積層体の製造方法。
  9. 前記シリカ膜層を形成する工程は、前記有機ケイ素化合物を気体状態で、酸化性ガスとともに0.05Pa以上500Pa以下の圧力下で導入し、高周波電源に接続された電極上に、前記透明樹脂基材を前記シリカ膜層が形成される側が表となるように置き、前記電極に0.1W/cm以上の電力密度を用いて成膜することを特徴とする請求項7又は8に記載の透明樹脂積層体の製造方法。
  10. 前記酸化性ガスは、O、O、NO、NO、CO、COのいずれか又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項9に記載の透明樹脂積層体の製造方法。
  11. 前記DLC膜層を形成する工程は、前記炭化水素化合物を気体状態で0.05Pa以上500Pa以下の圧力下で導入し、高周波電源に接続された電極上に、前記透明樹脂基材上に形成された前記シリカ膜層が表となるように置き、前記電極に0.05〜5.0W/cm以上の電力密度を用いて成膜することを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の透明樹脂積層体の製造方法。
  12. 前記シリカ膜層形成の工程前に、活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂層を活性エネルギー線硬化により形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項に記載の透明樹脂積層体の製造方法。
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