JP2010047496A - 生体関連物質計測デバイス、人工臓器用表面修飾材料 - Google Patents
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Abstract
Description
タンパク質の非特異吸着を抑制する修飾表面を構築できるチオール化合物として、ホスホコリンを直接アルキルチオールに導入したホスホコリン−アルキルチオール化合物が開発された(非特許文献1)。血液凝固に対する抑制効果は期待できるが、タンパク質の非特異的な吸着の抑制が不十分であったため、より高感度、高性能な生体関連物質計測デバイスや人工透析機材を始めとする人工臓器などの表面を修飾するための材料として、さらにタンパク質吸着性を押さえた材料の開発が望まれていた。
R. E. Holmlin, X. Chen, R. G. Chapman, S. Takayama, and G. M. Whitesides, Langmuir, 2001, 17, 2841-2850
〔1〕 下記(式1)で表されるホスホコリン−オリゴエチレングリコールアルキルチオール化合物;
(式1)
(式中、m=0,1、n=1〜10、Rは炭素数5〜20のアルキル鎖)。
〔2〕 下記(式2)で表される、前記〔1〕に記載のホスホコリン−オリゴエチレングリコールアルキルチオール化合物;
(式2)
(式中、n=1〜10、Rは炭素数5〜20のアルキル鎖)。
〔3〕 下記(式3)で表される、前記〔1〕に記載のホスホコリン−オリゴエチレングリコールアルキルチオール化合物;
(式3)
(式中、n=1〜10、Rは炭素数5〜20のアルキル鎖)。
〔4〕 下記の工程(a)〜(e)を含む工程により製造されることを特徴とする、前記〔1〕又は〔2〕に記載のホスホコリン−オリゴエチレングリコールアルキルチオール化合物の製造方法;
(a)
(式中、n=1〜10、Rは炭素数5〜20のアルキル鎖、Xはハロゲン)
(b)
(式中、n=1〜10、Rは炭素数5〜20のアルキル鎖、Xはハロゲン)
(c)
(式中、n=1〜10、Rは炭素数5〜20のアルキル鎖、Trはトリチル基)
(d)
(式中、n=1〜10、Rは炭素数5〜20のアルキル鎖、Trはトリチル基、Tsはトシル基)
(e)
(式中、n=1〜10、Rは炭素数5〜20のアルキル鎖、Trはトリチル基)。
〔5〕 下記の工程(a)〜(e)を含む工程により製造されることを特徴とする、前記〔1〕又は〔3〕に記載のホスホコリン−オリゴエチレングリコールアルキルチオール化合物の製造方法;
(a)
(式中、n=1〜10、Rは炭素数5〜20のアルキル鎖、Xはハロゲン)
(b)
(式中、n=1〜10、Rは炭素数5〜20のアルキル鎖)
(c)
(式中、n=1〜10、Rは炭素数5〜20のアルキル鎖、Trはトリチル基)
(d)
(式中、n=1〜10、Rは炭素数5〜20のアルキル鎖、Trはトリチル基、Tsはトシル基)
(e)
(式中、n=1〜10、Rは炭素数5〜20のアルキル鎖、Trはトリチル基)。
〔6〕 前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のホスホコリン−オリゴエチレングリコールアルキルチオール化合物からなる薄膜により表面がコートされた装置又はその基材。
〔7〕 前記装置又はその基材が、あらかじめ金属薄膜又は金属コロイドでコートされていることを特徴とする、前記〔6〕に記載の装置又はその基材。
〔8〕 前記装置又はその基材が、生体関連物質計測デバイス又は人工臓器の1部として用いられるものである、前記〔6〕又は〔7〕に記載の装置又はその基材。
上記一般式1で表される化合物において、n=1〜10、好ましくはn=2〜4である。また、Rは炭素数5〜20個、好ましくは8〜15個、より好ましくは10〜14個のアルキル基であり、分岐してもよいが直鎖アルキル基が好ましい。
この反応は、触媒として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、金属ナトリウム、カリウム−t−ブトキシド等の塩基性化合物を用いて行うことができる。好ましくはカリウム−t−ブトキシドが使用される。ハライドとしては、塩化物、臭化物、ヨウ化物を用いて行うことができ、好ましくは臭化物が使用される。使用される溶媒としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、t−ブタノール、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランが使用される。α、ω−アルキルジハライドに対するオリゴエチレングリコールの反応割合は、前者1モルに対して後者を1モル以上、好ましくは5〜12モル程度とすればよい。触媒の使用量は、α、ω−アルキルジハライド1モルに対して0.5〜3モル、好ましくは1モル程度とすればよい。反応温度は、0〜120℃程度、好ましくは70〜80℃とすればよい。反応時間は2〜24時間程度とすればよい。
この反応に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等の有機溶媒、好ましくはエタノールが使用される。オリゴエチレングリコールアルキルハライドに対するチオ尿素の反応割合は、前者1モルに対して後者を1モル以上、好ましくは3モル程度とすればよい。続くエチレンジアミンの反応割合は、オリゴエチレングリコールアルキルハライド1モルに対して1モル以上、好ましくは10〜25モル程度とすればよい。チオ尿素を用いる段階の反応温度は0〜120℃程度、好ましくは70〜90℃とすればよい。反応時間は6〜48時間程度とすればよい。エチレンジアミンを用いる段階の反応温度は−40〜60℃程度、好ましくは0℃程度とすればよい。反応時間は6〜24時間程度とすればよい。
この反応は、触媒として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基性化合物を用いて行うことができる。好ましくは炭酸カリウムが使用される。使用される溶媒としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒、好ましくはアセトニトリルが使用される。オリゴエチレングリコールアルキルチオールに対するトリチルクロライドの反応割合は、前者1モルに対して後者を0.5〜1.5モル、好ましくは1モル程度とすればよい。触媒及の使用量は、オリゴエチレングリコールアルキルチオール1モルに対して1モル以上、好ましくは1.5モル程度とすればよい。反応温度は、0〜120℃程度、好ましくは70〜80℃とすればよい。反応時間は6〜24時間程度とすればよい。
この反応は、塩化ホスホリルとの反応、コリントシラートとの反応、加水分解の三段階からなる。第一段階では、触媒としてピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン等の塩基性化合物を用いて行うことができる。好ましくはトリエチルアミンが使用される。この反応に使用される溶媒としては、ベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン等の有機溶媒、好ましくはクロロホルムが使用される。(オリゴエチレングリコールアルキル)(トリチル)チオエーテルに対する塩化ホスホリルの反応割合は、前者1モルに対して後者を2モル以上、好ましくは10モル程度とすればよい。触媒の使用量は、(オリゴエチレングリコールアルキル)(トリチル)チオエーテル1モルに対して0.5〜2モル程度、好ましくは等モル程度とすればよい。反応温度は、0〜50℃程度、好ましくは室温とすればよい。反応時間は1〜4時間程度とすればよい。第二段階では、この反応に使用される溶媒としては、ピリジン、トリエチルアミン、クロロホルム、ジクロロメタン等の有機溶媒、好ましくはピリジンが使用される。(オリゴエチレングリコールアルキル)(トリチル)チオエーテルに対するコリントシラートの反応割合は、前者1モルに対して後者を2モル以上、好ましくは5モル程度とすればよい。反応温度は、−20〜50℃程度、好ましくは0℃程度とすればよい。反応時間は12〜72時間程度とすればよい。第三段階は、反応液に水を加えることによって行うことができる。加える水の量は、第二段階で溶媒として用いたピリジンの半分程度とすればよい。反応温度は、0〜80℃程度、好ましくは室温とすればよい。反応時間は3〜12時間程度とすればよい。
この反応は、トリエチルシラン、鉱酸等を用いて行うことができる。好ましくはトリエチルシランが使用される。使用される溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン等の有機溶媒とトリフルオロ酢酸の混合物、好ましくはジクロロメタンとの混合物が使用される。ホスホコリン−オリゴエチレングリコールアルキル(トリチル)チオエーテルに対するトリエチルシランの反応割合は、前者1モルに対して後者を1モル以上、好ましくは1〜2モル程度とすればよい。反応温度は、0〜50℃程度、好ましくは室温とすればよい。反応時間は30分〜1時間程度とすればよい。このようにして得られる本発明化合物は、通常のチオール化合物の精製方法が適用でき、例えばHPLC法、カラムクロマトグラフィー法などにより反応混合物から容易に単離、精製できる。
また、本発明の目的物が合成できたことは、NMRや質量分析等により確認できる。
この反応は、触媒として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基性化合物を用いて行うことができる。好ましくは炭酸カリウムが使用される。使用される溶媒としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒、好ましくはアセトニトリルが使用される。オリゴエチレングリコールアルキルハライドに対するN−メチルベンジルアミンの反応割合は、前者1モルに対して後者を1モル以上、好ましくは3〜6モル程度とすればよい。触媒の使用量は、オリゴエチレングリコールアルキルハライド1モルに対して1モル以上、好ましくは3〜6モル程度とすればよい。反応温度は、0〜120℃程度、好ましくは70〜90℃とすればよい。反応時間は6〜48時間程度とすればよい。
この反応は、触媒としてパラジウムカーボン、白金粉末等の金属触媒を用いて行うことができる。好ましくはパラジウムカーボンが使用される。この反応に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、トルエン等の有機溶媒、好ましくはエタノールが使用される。使用する水素の圧力は1気圧以上、好ましくは5〜10気圧程度とすればよい。触媒の使用量は、オリゴエチレングリコールアルキルメチルベンジルアミン1モルに対して5wt%パラジウムカーボン10〜100g、好ましくは50g程度とすればよい。反応温度は、50〜150℃程度、好ましくは100〜120℃とすればよい。反応時間は6〜48時間程度とすればよい。
この反応は、触媒としてピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン等の塩基性化合物を用いて行うことができる。好ましくはトリエチルアミンが使用される。この反応に使用される溶媒としては、ベンゼン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン等の有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランが使用される。オリゴエチレングリコールアルキルメチルアミンに対するトリチルメルカプトエトキシ酢酸クロライドの反応割合は、前者1モルに対して後者を0.5〜1.5モル程度、好ましくは等モル程度とすればよい。触媒の使用量は、オリゴエチレングリコールアルキルメチルアミン1モルに対して1モル以上、好ましくは3〜5モル程度とすればよい。反応温度は、0〜50℃程度、好ましくは0〜室温(27℃)とすればよい。反応時間は6〜24時間程度とすればよい。
この反応は、塩化ホスホリルとの反応、コリントシラートとの反応、加水分解の三段階からなる。第一段階では、触媒としてピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン等の塩基性化合物を用いて行うことができる。好ましくはトリエチルアミンが使用される。この反応に使用される溶媒としては、ベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン等の有機溶媒、好ましくはクロロホルムが使用される。オリゴエチレングリコールアルキル(トリチルメルカプトエトキシ酢酸)アミドに対する塩化ホスホリルの反応割合は、前者1モルに対して後者を2モル以上、好ましくは10モル程度とすればよい。触媒の使用量は、トリチルメルカプトエトキシ酢酸アミド1モルに対して0.5〜2モル程度、好ましくは等モル程度とすればよい。反応温度は、0〜50℃程度、好ましくは室温とすればよい。反応時間は1〜4時間程度とすればよい。第二段階では、この反応に使用される溶媒としては、ピリジン、トリエチルアミン、クロロホルム、ジクロロメタン等の有機溶媒、好ましくはピリジンが使用される。オリゴエチレングリコールアルキル(トリチルメルカプトエトキシ酢酸)アミドに対するコリントシラートの反応割合は、前者1モルに対して後者を2モル以上、好ましくは5モル程度とすればよい。反応温度は、−20〜50℃程度、好ましくは0℃程度とすればよい。反応時間は12〜72時間程度とすればよい。第三段階は、反応液に水を加えることによって行うことができる。加える水の量は、第二段階で溶媒として用いたピリジンの半分程度とすればよい。反応温度は、0〜80℃程度、好ましくは室温とすればよい。反応時間は3〜12時間程度とすればよい。
この反応は、トリエチルシラン、鉱酸等を用いて行うことができる。好ましくはトリエチルシランが使用される。使用される溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン等の有機溶媒とトリフルオロ酢酸の混合物、好ましくはジクロロメタンとの混合物が使用される。ホスホコリン−オリゴエチレングリコールアルキル(トリチル)チオエーテルに対するトリエチルシランの反応割合は、前者1モルに対して後者を1モル以上、好ましくは1.5〜2モル程度とすればよい。反応温度は、0〜50℃程度、好ましくは室温とすればよい。反応時間は30分〜1時間程度とすればよい。このようにして得られる本発明化合物は、通常のチオール化合物の精製方法が適用でき、例えばHPLC法、カラムクロマトグラフィー法などにより反応混合物から容易に単離、精製できる。
また、本発明の目的物が合成できたことは、NMRや質量分析等により確認できる。
本発明の化合物を用いて自己組織化膜を構築するための手法は、化合物の溶液を調整し、その溶液に修飾したい基材を浸積するといった公知の方法が適用できる。具体的には、化合物10μM、PBS緩衝剤10mM、塩化ナトリウム0.1Mを含む20%エタノール水溶液を調整し、その溶液に30分間基材の金属表面を浸積することによって目的とする自己組織化膜を構築した。金属コロイドの場合も同様な手法で金属コロイド表面に自己組織化膜を構築できる。または、調整した溶液を装置又はその基材の表面に、塗布又は噴霧してもよい。
ここで、本発明の対象とする装置又はその基材としては、その1部に血液や蛋白質含有溶液と接する表面を有するものであり、典型的には、各種病態検出用マーカーなどの検出用キット、検出センサーなどを備えた各種生体関連物質計測デバイス装置の信号検出部位である金属表面、あるいは人工臓器などの血液、体液など蛋白質含有溶液が直接接触する基材の金属表面部位である。
その際の、金属としては金、銀などを用いることができ、金が好ましく、単結晶の金は特に好ましい。本発明の装置又は基材自体をこれらの金属製とすることもできるが、プラスチックまたは他の金属で製造し、その血液や蛋白質含有溶液と接する部位表面を、あらかじめこれら金属薄膜でコートしておいてもよい。
(実施例1)ホスホコリンモノエチレングリコールドデシルチオールの合成(P1E)
(1)エチレングリコールドデシルブロマイドの合成
三口フラスコ(1L)に1,12−ジブロモドデカン13.1g(40mmol)、エチレングリコール24.8g(400mmol)、THF800mLを入れ、室温で撹拌した。カリウム−t−ブトキシド4.48g(40mol)を加え、48時間加熱還流した。放冷後THFを留去し、5wt%塩酸200mLを加え、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルムを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒クロロホルム)にて目的物を精製した。
無色液体
収率37%
三口フラスコ(300mL)に窒素雰囲気下エチレングリコールドデシルブロマイド3.09g(10mmol)とエタノール200mLを入れ、室温で撹拌した。チオ尿素2.28g(30mol)を加え、窒素雰囲気下24時間加熱還流した。
反応液を冷却し、窒素雰囲気下0℃で撹拌した。エチレンジアミン15.0g(250mol)のエタノール溶液50mLを加え、窒素雰囲気下12時間室温で撹拌した。反応液を氷上に注ぎ、濃塩酸で中和して水200mLを加え、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルム、エタノールを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒クロロホルム)にて目的物を精製した。
無色固体
収率95%
三口フラスコ(500mL)に窒素雰囲気下エチレングリコールドデシルチオール2.62g(10mmol)、トリチルクロライド2.79g(10mmol)、アセトニトリル350mLとTHF100mLを入れ、室温で撹拌した。炭酸カリウム2.07g(15mol)を加え、窒素雰囲気下12時間加熱還流した。放冷後アセトニトリルとTHFを留去し、えられた残渣に5wt%塩酸200mLを加え、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルムを留去し、GPCにて目的物を精製した。
無色液体
収率75%
三口フラスコ(300mL)にジメチルアミノエタノール4.46g(50mmol)とTHF200mLを入れ、室温で撹拌した。メチルトシラート10.2g(55mol)のTHF溶液50mLを滴下し、24時間室温で撹拌した。THFを留去し、アセトン200mLで再結晶にて目的物を精製した。
無色固体
収率95%
ナスフラスコ(200mL)にオキシ塩化リン3.06g(20mmol)とクロロホルム40mLを入れ、室温で撹拌した。(エチレングリコールドデシル)(トリチル)チオエーテル1.01g(2mmol)とトリエチルアミン202mg(2mmol)の混合クロロホルム溶液20mLを滴下し、さらに室温で3時間撹拌した。過剰のオキシ塩化リンとクロロホルムを留去し、減圧乾燥した。得られた粗生成物にピリジン40mLを加え、0℃で撹拌した。コリントシラート2.76g(10mmol)をよく撹拌しながら加え、室温で48時間撹拌した。反応液に水20mLを加え、さらに6時間室温で撹拌した。ピリジンを留去して5wt%塩酸100mLを加えてクロロホルム200mLで抽出し、もう一度クロロホルム100mLで抽出した。クロロホルムを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒メタノール:クロロホルム=100:100→0)で目的物を精製した。
ワックス状無色固体
収率35%
ナスフラスコ(200mL)に(ホスホコリンエチレングリコールドデシル)(トリチル)チオエーテル1.34g(2mmol)、トリフルオロ酢酸20mL、ジクロロメタン20mLを入れ、室温で撹拌した。トリエチルシラン279mg(2.4mmol)のジクロロメタン溶液30mLを加え、室温で30分撹拌した。トリフルオロ酢酸、ジクロロメタンを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒メタノール:クロロホルム=100:100→0)で目的物を精製した。
ワックス状無色固体
収率40%
1H−NMR;(CDCl3、500MHz)δ:1.19〜1.38(17H、m)、1.45〜1.62(4H、m)、2.46〜2.52(2H、m)、3.32〜3.41(11H、m)、3.54(2H、t、J=5.03Hz)、3.76〜3.83(2H、m)、3.92(2H、q、J=5.48Hz)、4.23〜4.30(2H、m)
(1)ジエチレングリコールドデシルブロマイドの合成
三口フラスコ(1L)に1,12−ジブロモドデカン13.1g(40mmol)、ジエチレングリコール42.4g(400mmol)、THF800mLを入れ、室温で撹拌した。カリウム−t−ブトキシド4.48g(40mol)を加え、6時間加熱還流した。放冷後THFを留去し、5wt%塩酸200mLを加え、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルムを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒クロロホルム)にて目的物を精製した。
無色液体
収率44%
三口フラスコ(300mL)に窒素雰囲気下ジエチレングリコールドデシルブロマイド3.53g(10mmol)とエタノール200mLを入れ、室温で撹拌した。チオ尿素2.28g(30mol)を加え、窒素雰囲気下24時間加熱還流した。
反応液を冷却し、窒素雰囲気下0℃で撹拌した。エチレンジアミン15.0g(250mol)のエタノール溶液50mLを加え、窒素雰囲気下12時間室温で撹拌した。反応液を氷上に注ぎ、濃塩酸で中和して水200mLを加え、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルム、エタノールを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒クロロホルム)にて目的物を精製した。
無色固体
収率73%
三口フラスコ(300mL)に窒素雰囲気下粗ジエチレングリコールドデシルチオール3.07g(10mmol)、トリチルクロライド2.79g(10mmol)、アセトニトリル200mLを入れ、室温で撹拌した。炭酸カリウム2.07g(15mol)を加え、窒素雰囲気下12時間加熱還流した。放冷後アセトニトリルを留去し、えられた残渣に5wt%塩酸200mLを加え、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルムを留去し、GPCにて目的物を精製した。
無色液体
収率79%
ナスフラスコ(200mL)にオキシ塩化リン3.06g(20mmol)とクロロホルム40mLを入れ、室温で撹拌した。(ジエチレングリコールドデシル)(トリチル)チオエーテル1.10g(2mmol)とトリエチルアミン202mg(2mmol)の混合クロロホルム溶液20mLを滴下し、さらに室温で3時間撹拌した。過剰のオキシ塩化リンとクロロホルムを留去し、減圧乾燥した。得られた粗生成物にピリジン40mLを加え、0℃で撹拌した。コリントシラート2.76g(10mmol)をよく撹拌しながら加え、室温で48時間撹拌した。反応液に水20mLを加え、さらに6時間室温で撹拌した。ピリジンを留去して5wt%塩酸100mLを加えてクロロホルム200mLで抽出し、もう一度クロロホルム100mLで抽出した。クロロホルムを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒メタノール:クロロホルム=100:100→0)で目的物を精製した。
ワックス状無色固体
収率30%
ナスフラスコ(200mL)に(ホスホコリンジエチレングリコールドデシル)(トリチル)チオエーテル1.43g(2mmol)、トリフルオロ酢酸20mL、ジクロロメタン20mLを入れ、室温で撹拌した。トリエチルシラン279mg(2.4mmol)のジクロロメタン溶液30mLを加え、室温で30分撹拌した。トリフルオロ酢酸、ジクロロメタンを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒メタノール:クロロホルム=100:100→0)で目的物を精製した。
ワックス状無色固体
収率57%
1H−NMR;(CDCl3、500MHz)δ:1.20〜1.38(17H、m)、1.49〜1.63(4H、m)、2.51(2H、q、J=7.32Hz)、3.33〜3.42(11H、m)、3.51〜3.54(2H、m)、3.58〜3.62(2H、m)、3.64(2H、t、J=4.80Hz)、3.79〜3.85(2H、m)、3.99(2H、q、J=5.50Hz)、4.28〜4.36(2H、m)
(1)トリエチレングリコールドデシルブロマイドの合成
三口フラスコ(1L)に1,12−ジブロモドデカン13.1g(40mmol)、トリエチレングリコール60.1g(400mmol)、THF800mLを入れ、室温で撹拌した。カリウム−t−ブトキシド4.48g(40mol)を加え、6時間加熱還流した。放冷後THFを留去し、5wt%塩酸200mLを加え、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルムを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒クロロホルム:ヘキサン=100:100→0)にて目的物を精製した。
無色液体
収率43%
三口フラスコ(300mL)に窒素雰囲気下トリエチレングリコールドデシルブロマイド3.97g(10mmol)とエタノール200mLを入れ、室温で撹拌した。チオ尿素2.28g(30mol)を加え、窒素雰囲気下24時間加熱還流した。
反応液を冷却し、窒素雰囲気下0℃で撹拌した。エチレンジアミン15.0g(250mol)のエタノール溶液50mLを加え、窒素雰囲気下12時間室温で撹拌した。反応液を氷上に注ぎ、濃塩酸で中和して水200mLを加え、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルム、エタノールを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒クロロホルム)にて目的物を精製した。
無色固体
収率79%
三口フラスコ(300mL)に窒素雰囲気下トリエチレングリコールドデシルチオール3.51g(10mmol)、トリチルクロライド2.79g(10mmol)、アセトニトリル200mLを入れ、室温で撹拌した。炭酸カリウム2.07g(15mol)を加え、窒素雰囲気下12時間加熱還流した。放冷後アセトニトリルを留去し、えられた残渣に5wt%塩酸200mLを加え、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルムを留去し、GPCにて目的物を精製した。
無色液体
収率73%
ナスフラスコ(200mL)にオキシ塩化リン3.06g(20mmol)とクロロホルム40mLを入れ、室温で撹拌した。(トリエチレングリコールドデシル)(トリチル)チオエーテル1.19g(2mmol)とトリエチルアミン202mg(2mmol)の混合クロロホルム溶液20mLを滴下し、さらに室温で3時間撹拌した。過剰のオキシ塩化リンとクロロホルムを留去し、減圧乾燥した。得られた粗生成物にピリジン40mLを加え、0℃で撹拌した。コリントシラート2.76g(10mmol)をよく撹拌しながら加え、室温で48時間撹拌した。反応液に水20mLを加え、さらに6時間室温で撹拌した。ピリジンを留去して5wt%塩酸100mLを加えてクロロホルム200mLで抽出し、もう一度クロロホルム100mLで抽出した。クロロホルムを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒メタノール:クロロホルム=100:100→0)で目的物を精製した。
ワックス状無色固体
収率43%
ナスフラスコ(200mL)に(ホスホコリントリエチレングリコールドデシル)(トリチル)チオエーテル1.52g(2mmol)、トリフルオロ酢酸20mL、ジクロロメタン20mLを入れ、室温で撹拌した。トリエチルシラン279mg(2.4mmol)のジクロロメタン溶液30mLを加え、室温で30分撹拌した。トリフルオロ酢酸、ジクロロメタンを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒メタノール:クロロホルム=100:100→0)で目的物を精製した。
ワックス状無色固体
収率40%
1H−NMR;(CDCl3、500MHz)δ:1.19〜1.38(17H、m)、1.48〜1.62(4H、m)、2.50(2H、q、J=7.33Hz)、3.36(9H、s)、3.40(2H、t、J=7.10Hz)、3.51〜3.64(10H、m)、3.78〜3.84(2H、m)、3.96(2H、q、J=5.35Hz)、4.27〜4.33(2H、m)
(1)テトラエチレングリコールドデシルブロマイドの合成
三口フラスコ(1L)に1,12−ジブロモドデカン13.1g(40mmol)、テトラエチレングリコール77.7g(400mmol)、THF800mLを入れ、室温で撹拌した。カリウム−t−ブトキシド4.48g(40mol)を加え、6時間加熱還流した。放冷後THFを留去し、5wt%塩酸200mLを加え、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルムを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒クロロホルム:ヘキサン=100:100→0)にて目的物を精製した。
無色液体
収率43%
三口フラスコ(300mL)に窒素雰囲気下テトラエチレングリコールドデシルブロマイド4.41g(10mmol)とエタノール200mLを入れ、室温で撹拌した。チオ尿素2.28g(30mol)を加え、窒素雰囲気下24時間加熱還流した。
反応液を冷却し、窒素雰囲気下0℃で撹拌した。エチレンジアミン15.0g(250mol)のエタノール溶液50mLを加え、窒素雰囲気下12時間室温で撹拌した。反応液を氷上に注ぎ、濃塩酸で中和して水200mLを加え、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルム、エタノールを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒クロロホルム)にて目的物を精製した。
無色固体
収率78%
三口フラスコ(300mL)に窒素雰囲気下テトラエチレングリコールドデシルチオール3.94g(10mmol)、トリチルクロライド2.79g(10mmol)、アセトニトリル200mLを入れ、室温で撹拌した。炭酸カリウム2.07g(15mol)を加え、窒素雰囲気下12時間加熱還流した。放冷後アセトニトリルを留去し、えられた残渣に5wt%塩酸200mLを加え、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルムを留去し、GPCにて目的物を精製した。
無色液体
収率77%
ナスフラスコ(200mL)にオキシ塩化リン3.06g(20mmol)とクロロホルム40mLを入れ、室温で撹拌した。(テトラエチレングリコールドデシル)(トリチル)チオエーテル1.27g(2mmol)とトリエチルアミン202mg(2mmol)の混合クロロホルム溶液20mLを滴下し、さらに室温で3時間撹拌した。過剰のオキシ塩化リンとクロロホルムを留去し、減圧乾燥した。得られた粗生成物にピリジン40mLを加え、室温で撹拌した。コリントシラート2.76g(10mmol)をよく撹拌しながら加え、室温で48時間撹拌した。反応液に水20mLを加え、さらに6時間室温で撹拌した。ピリジンを留去して5wt%塩酸100mLを加えてクロロホルム200mLで抽出し、もう一度クロロホルム100mLで抽出した。クロロホルムを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒メタノール:クロロホルム=100:100→0)で目的物を精製した。
ワックス状無色固体
収率13%
ナスフラスコ(200mL)に(ホスホコリンテトラエチレングリコールドデシル)(トリチル)チオエーテル1.60g(2mmol)、トリフルオロ酢酸20mL、ジクロロメタン20mLを入れ、室温で撹拌した。トリエチルシラン279mg(2.4mmol)のジクロロメタン溶液30mLを加え、室温で30分撹拌した。トリフルオロ酢酸、ジクロロメタンを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒メタノール:クロロホルム=100:100→0)で目的物を精製した。
ワックス状無色固体
収率61%
1H−NMR;(CDCl3、500MHz)δ:1.19〜1.39(17H、m)、1.50〜1.62(4H、m)、2.50(2H、q、J=7.32Hz)、3.34(9H、s)、3.41(2H、t、J=6.88Hz)、3.51〜3.64(14H、m)、3.76〜3.83(2H、m)、3.96(2H、q、J=5.35Hz)、4.27〜4.34(2H、m)
(1)ジエチレングリコールドデシルブロマイドの合成
三口フラスコ(1L)に1,12−ジブロモドデカン13.1g(40mmol)、ジエチレングリコール42.4g(400mmol)、THF800mLを入れ、室温で撹拌した。カリウム−t−ブトキシド4.48g(40mol)を加え、6時間加熱還流した。放冷後THFを留去し、5wt%塩酸200mLを加え、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルムを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒クロロホルム)にて目的物を精製した。
無色液体
収率44%
三口フラスコ(1L)に窒素雰囲気下ジエチレングリコールドデシルブロマイド7.07g(20mmol)、メチルベンジルアミン12.1g(100mmol)、アセトニトリル800mLを入れ、室温で撹拌した。炭酸カリウム13.8g(100mol)を加え、窒素雰囲気下24時間加熱還流した。放冷後アセトニトリルを留去し、水200mLを加え、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルムを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒クロロホルム:メタノール=100:0→2)にて目的物を精製した。
無色液体
収率99%
オートクレーブ(300mL)にジエチレングリコールドデシルメチルベンジルアミン7.63g(20mmol)、5wt%パラジウムカーボン1.00g、エタノール150mLを入れ、蓋をした。8気圧の水素で置換を4回行い、100℃で24時間撹拌した。水素圧が減少した場合には水素を補充した。放冷後脱圧し、蓋を開けた。パラジウムカーボンを濾別し、エタノールを留去した。ベンゼン100mLを加え、不溶物を濾別した。ベンゼンを留去し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
無色固体
粗収率95%
三口フラスコ(1l)に亜硝酸ナトリウム38.1g(0.55mol)、グリシンエチルエステル塩酸塩68.4g(0.49mol)、酢酸ナトリウム1.36g、水250mlを入れ、溶かした後に0℃に冷却する一方で、10wt%硫酸水溶液200ml、10wt%炭酸ナトリウム水溶液500mlを調製し、同様に0℃に冷却した。冷却したジクロロメタン80mlと10wt%硫酸水溶液3mlを加え、0℃で5分間撹拌した後に分液ロートにてジクロロメタン層を分離し、水溶液は三口フラスコに、ジクロロメタン層は直ちに冷却した炭酸ナトリウム水溶液50mlで洗浄した後0℃で保存した。再び冷却したジクロロメタン80mlを加え、10wt%硫酸水溶液15mlを3分かけて滴下し、0℃で3分間撹拌した後に分液ロートにてジクロロメタン層を分離し、水溶液は三口フラスコに、ジクロロメタン層は直ちに冷却した炭酸ナトリウム水溶液50mlで洗浄した後0℃で保存した。この操作をジクロロメタン層に黄色い着色がなくなるまで繰り返した(7〜8回)。集めたジクロロメタン層をまとめて等量の水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて一晩脱水し、溶液のまま次の反応に用いた。
黄色液体
粗収率80%
三口フラスコ(1L)にエチレンクロロヒドリン47.3g(588mmol)、粗ジアゾ酢酸エチルエステル22.6g(196mmol、ジクロロメタン溶液)、ジクロロメタン合計600mLを入れ、加熱還流した。三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体エーテル溶液0.75mLのジクロロメタン溶液20mLを20分かけてゆっくり滴下し、3時間加熱還流した。放冷後反応液を5wt%塩酸1Lに注ぎ、ジクロロメタン層を分離した。ジクロロメタンを留去し、減圧蒸留にて目的物を精製した。
無色液体、b.p.51〜52℃/0.15mmHg
収率84%
三口フラスコ(300mL)に窒素雰囲気下クロロエトキシ酢酸エチルエステル8.33g(50mmol)とDMF200mLを入れ、室温で撹拌した。チオ酢酸カリウム8.57g(75mmol)を加え、窒素雰囲気下室温で12時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸200mLに注ぎ、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルム、DMFを留去し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
淡黄色液体
粗収率100%
三口フラスコ(1L)に窒素雰囲気下粗アセチルメルカプトエトキシ酢酸エチルエステル10.3g(50mmol)とエタノール300mLを入れ、室温で撹拌した。水酸化ナトリウム20.0g(500mmol)の水溶液300mLを加え、窒素雰囲気下室温で12時間撹拌した。反応液に濃塩酸を加えて中和し、エタノール、水を留去した。得られた残渣にクロロホルム200mLを加え、可溶成分を分離した。クロロホルムを留去し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
無色液体
粗収率77%
三口フラスコ(100mL)に窒素雰囲気下粗メルカプトエトキシ酢酸1.70g(12.5mmol)、トリフェニルメタノール2.60g(10mmol)、酢酸40mLを入れ、室温で撹拌した。三フッ化ホウ素エーテル錯体溶液4.53g(47%、15mmol)を加え、窒素雰囲気下室温で12時間撹拌した。反応液を5wt%塩酸100mLに注ぎ、クロロホルム100mLで抽出した。クロロホルム層は、5wt%塩酸100mLで洗浄した。クロロホルムを留去し、ヘキサン:酢酸エチル=200:4mLを用いて再結晶を行い目的物を精製した。
淡黄色固体
収率46%
ナスフラスコ(200mL)にトリチルメルカプトエトキシ酢酸3.78g(10mmol)、オキザリルクロライド1.90g(15mmol)、ベンゼン50mLを入れ、室温で撹拌した。DMFを3滴加え、室温で6時間撹拌した。ベンゼン、オキザリルクロライドを留去し、減圧乾燥してそのまま次の反応に用いた。
淡褐色液体
粗収率100%
三口フラスコ(300mL)に窒素雰囲気下ジエチレングリコールドデシルメチルアミン3.03g(10mmol)、トリエチルアミン5.05g(50mmol)、THF150mLを入れ、0℃で撹拌した。粗トリチルメルカプトエトキシ酢酸クロライド3.98g(10mmol)のTHF溶液40mLを滴下し、窒素雰囲気下室温で12時間撹拌した。THFを留去し、5wt%塩酸150mLを加え、クロロホルム150mLで抽出した。クロロホルムを留去し、GPCにて目的物を精製した。
淡黄色液体
収率66%
ナスフラスコ(200mL)にオキシ塩化リン3.06g(20mmol)とクロロホルム40mLを入れ、室温で撹拌した。(ジエチレングリコールドデシル)(メチル)(トリチルメルカプトエトキシ酢酸)アミド1.33g(2mmol)とトリエチルアミン202mg(2mmol)の混合クロロホルム溶液20mLを滴下し、さらに室温で3時間撹拌した。過剰のオキシ塩化リンとクロロホルムを留去し、減圧乾燥した。得られた粗生成物にピリジン40mLを加え、0℃で撹拌した。コリントシラート2.76g(10mmol)をよく撹拌しながら加え、室温で48時間撹拌した。反応液に水20mLを加え、さらに6時間室温で撹拌した。ピリジンを留去して5wt%塩酸100mLを加えてクロロホルム200mLで抽出した。水層はクロロホルム100mLでもう一度抽出した。クロロホルムを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒メタノール:クロロホルム=100:100→0)で目的物を精製した。
ワックス状無色固体
収率40%
ナスフラスコ(200mL)に(ホスホコリンジエチレングリコールドデシル)(メチル)(トリチルメルカプトエトキシ酢酸)アミド1.66g(2mmol)、トリフルオロ酢酸20mL、ジクロロメタン20mLを入れ、室温で撹拌した。トリエチルシラン279mg(2.4mmol)のジクロロメタン溶液20mLを加え、室温で30分撹拌した。トリフルオロ酢酸、ジクロロメタンを留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒メタノール:クロロホルム=100:100→0)で目的物を精製した。
ワックス状無色固体
収率38%
1H−NMR;(CDCl3、500MHz)δ:1.19〜1.34(16H、m)、1.47〜1.58(4H、m)、1.59〜1.64(1H、m)、2.70〜2.76(2H、m)、2.93(3H、d、J=25.2Hz)、3.23(1H、t、J=7.58Hz)、3.31〜3.43(12H、m)、3.50〜3.54(2H、m)、3.62〜3.68(2H、m)、3.78〜3.85(2H、m)、3.98(2H、q、J=5.33Hz)、4.17(2H、d、J=9.70Hz)、4.27〜4.36(2H、m)
実施例1〜5のようにして合成したホスホコリン−オリゴエチレングリコールアルキルチオールを用いて金表面上に自己集合膜を構築した。比較のために、前記非特許文献1に記載されたホスホコリン−アルキルチオール(下記式:P0E)も合成し、同様に自己集合膜を構築した。(なお、文献ではアルキル鎖の長さはC11であるが、本発明におけるホスホコリン−オリゴエチレングリコールアルキルチオールとより正確に比較するために下記式のアルキル鎖がC12であるホスホコリン−アルキルチオールを合成して用いた。)
式:P0E
金表面上に構築した自己集合膜構造を検討するため、膜の表面濃度測定を行った。さらにタンパク質非特異吸着抑制機能を評価するため、糖鎖に結合することが知られているタンパク質の中でも代表的なタンパク質であるコンカナバリンAを指標として用いた。構築した自己集合膜表面への吸着量測定は、ビアコアを用いて行った。それらの結果を表1に示した。
金表面上に単分子膜を形成することが知られている長鎖アルキルチオール膜の理論的表面濃度は7.7×10−10mol/cm2であることから、構築した自己集合膜はいずれも金表面に吸着し、分子のかさ高さや柔軟性を反映した単分子膜を形成していることが明らかになった。ホスホコリンを導入した修飾表面は、未修飾金表面と比較していずれもコンカナバリンAの吸着を効果的に抑制することを見いだした。特記すべき特徴は、オリゴエチレングリコール鎖ユニット数が0又は1(式1においてnが0又は1)であるP0EやP1Eと比較して、オリゴエチレングリコール鎖ユニット数が2以上(式1においてnが2以上)の場合はコンカナバリンAの吸着量が約半分以下と、さらに顕著にコンカナバリンAの吸着が抑制されることである。これより導入するオリゴエチレングリコール鎖が長い方がより効果的にタンパク質の非特異吸着を抑制し、構築した自己集合膜はオリゴエチレングリコール鎖ユニット数が2以上(式1においてnが2以上)において顕著なタンパク質非特異吸着抑制機能を発揮することが明らかになった。
<表1>
フィブリノーゲンは血液凝固因子として知られ、その吸着量は血液凝固抑制評価指標として用いられている。そこで構築した自己集合膜の血液凝固抑制機能を評価するため、実施例6と同様にビアコアを用いて自己集合膜へのフィブリノーゲン吸着量を測定した。その結果を表2に示した。
ホスホコリンを導入した修飾表面は、未修飾金表面と比較してフィブリノーゲンの吸着を効果的に抑制し、オリゴエチレングリコール鎖長に関係なくいずれも優れた血液凝固抑制機能を持つ表面を与えることが明らかになった。
<表2>
以上の結果より、本発明のホスホコリン−オリゴエチレングリコールアルキルチオール化合物は自己組織化膜を形成し、血液凝固抑制機能を有する点で従来公知のチオール化合物と同様に人工臓器など血液と接触する可能性のある器具表面の修飾材料としての有用性があることと共に、修飾表面に、公知チオール化合物以上の高いタンパク質非特異吸着抑制機能を与えることができることが確認できた。特にオリゴエチレングリコール鎖ユニット数が2以上(式1においてnが2以上)の化合物は、タンパク質非特異吸着抑制機能が顕著であることから、より多様な生体関連物質計測デバイスや人工臓器の開発に資する修飾表面を提供することができるバイオコンパチブル表面修飾材料として期待される。
Claims (8)
- 請求項1〜3のいずれかに記載のホスホコリン−オリゴエチレングリコールアルキルチオール化合物からなる薄膜により表面がコートされた装置又はその基材。
- 前記装置又はその基材が、あらかじめ金属薄膜又は金属コロイドでコートされていることを特徴とする、請求項6に記載の装置又はその基材。
- 前記装置又はその基材が、生体関連物質計測デバイス又は人工臓器の1部として用いられるものである、請求項6又は7に記載の装置又はその基材。
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