本発明の実施の一形態を図1ないし図29に基づいて説明する。本実施の形態では、次に示す目次項目に沿って説明を進める。
―目 次―
1.基本構成
2.コーディネート情報閲覧フェーズ
3.在庫確認フェーズ
4.決済フェーズ
5.データ送受信フェーズ
6.本実施の形態の店舗システムの作用効果
7.別の実施の一例(その一)
8.別の実施の一例(その二)
1.基本構成
図1は、システム全体の構成を示すブロック図である。本実施の形態のシステムは、本部HOに設置されるホストコンピュータ11と個々の店舗Sに設置される店舗システム51とが通信回線網301を介してデータ送受信自在に接続されて構築されている。そのために、本部HOには通信回線網301に接続してデータ通信を司る本部WEBサーバ12が設置され、この本部WEBサーバ12とホストコンピュータ11とが構内ネットワーク13を介して相互にデータ送受信自在に接続されている。また、店舗Sには通信回線網301に接続してデータ通信を司る店舗WEBサーバ152が設置され、この店舗WEBサーバ152と店舗システム51を構築する各種機器とが構内ネットワーク153を介して相互にデータ送受信自在に接続されている。店舗システム51を構築する各種機器としては、情報提供装置としての情報端末101及び商品販売データ処理装置としてのPOS端末151とが設けられている。
店舗Sは、情報端末101及びPOS端末151が設置された売場S1に倉庫S2が併設された形態を有している。このような店舗Sには、複数個のRFIDリーダとしてのRFIDリーダライタが設置されている。これらのRFIDリーダライタは、倉庫S2の入口61(図3参照)に設置されている入口リーダ71、出入口62(図3、図4参照)に設置されている出口リーダ72、売場S1に設けられている複数個の陳列棚63(図3、図4参照)の各所に配置されている複数個の売場リーダ73、情報端末101に接続されているRFIDリーダライタ210(図6参照)である。
図2は、コーディネート情報登録フェーズ、コーディネート情報閲覧フェーズ及びデータ送受信フェーズでの基本的な処理内容を模式的に示す模式図である。コーディネート情報登録フェーズ及びコーディネート情報閲覧フェーズは、個々の店舗Sで実行される。データ送受信フェーズは、個々の店舗Sと本部HOとの間のデータ通信によって実行される。
まず、コーディネート情報登録フェーズでは、情報端末101を利用した店員によるコーディネート情報の登録を受け付ける。つまり、情報端末101は、コーディネート情報の登録支援のための表示及び情報入力を可能とし、店員によって入力されたコーディネート情報を登録する。この場合のコーディネート情報は、その店舗Sや別の店舗Sで販売している衣類を店員がコーディネートして撮像されたコーディネート画像、そのモデルとなっている店員を特定する店員ID及びコーディネートして試着している衣類を特定する商品コード等である。
次いで、コーディネート情報閲覧フェーズでは、情報端末101を利用した顧客へのコーディネート情報の閲覧を許容する。つまり、情報端末101は、コーディネート情報登録フェーズで登録されたコーディネート情報を顧客に提供する。この際のコーディネート情報の提供の中心をなすのは、コーディネート画像である。より詳細には、情報端末101は、顧客によるコーディネート画像の閲覧を可能とする。
コーディネート情報閲覧フェーズでは、顧客によるコーディネート画像の閲覧に伴い、コーディネート画像中でコーディネートされている衣類の在庫の閲覧も可能である。
次いで、データ送受信フェーズでは、コーディネート情報登録フェーズで店員によって登録されたコーディネート情報を個々の店舗Sと本部HOとの間で送受信する。一例として、個々の店舗Sからは、当該店舗Sで発生した上記コーディネート情報を本部HOのホストコンピュータ11に送信する。ホストコンピュータ11は、個々の店舗Sから集めた上記コーディネート情報を記憶保存して管理すると共に、その情報を他の店舗Sに配信する。これにより、ある店舗Sで発生した上記コーディネート情報が本部HOのホストコンピュータ11で管理可能となると共に、そのようなコーディネート情報を他の全ての店舗Sでも共有可能となる。一例として、データ送受信フェーズでのコーディネート情報に関するデータ送受信処理は、個々の店舗Sでの営業が終了した夜間等にバッチ処理によってなされる。別の一例として、データ送受信フェーズでのデータ送受信処理は、リアルタイムで実行される。
また、データ送受信フェーズでは、個々の店舗SのPOS端末151によって発生した売上データを、店舗WEBサーバ152を介して本部HOのホストコンピュータ11に送信する。本部HOのホストコンピュータ11では、個々の店舗Sから集めた上記売上データを記憶保存して管理すると共に、その売上データに基づいて各店舗Sの在庫情報を生成する。そして、生成した在庫情報を個々の店舗Sの情報端末101に送信する。これにより、各店舗Sの在庫情報を他の全ての店舗Sでも共有可能となる。このようなデータ送受信フェーズでの売上データ及び在庫情報に関するデータ送受信処理は、リアルタイムで実行することが望ましい。もっとも、リアルタイム処理に限られるわけではなく、別の一例としては、個々の店舗Sでの営業が終了した夜間等にバッチ処理によってなされてもよい。
図3は、店舗Sにおける入口リーダ71、出口リーダ72及び売場リーダ73の設置位置を示す店舗Sの模式図である。店舗Sには、前述したように、売場S1に倉庫S2が併設されている。商品ATLは、最初に倉庫S2に搬入され、倉庫S2に保管される。そして、必要に応じて、倉庫S2から売場S1に移される。売場S1では、倉庫S2から移した商品ATLを陳列棚63の陳列領域63aに陳列したり、陳列棚63の下部に設けられたドロワ63bに収納したりする。
入口リーダ71は、倉庫S2の入口61に設置されている。そして、入口61から搬入されてきた商品ATLに付されている無線タグとしての商品タグATとの間で近距離無線通信を実行する。つまり、商品ATLには、その商品ATLを特定する商品ID(商品コード)を記憶するRFIDチップを内蔵する商品タグATが付されている。そこで、入口リーダ71は、商品タグATとの間で近距離無線通信を実行し、商品コードを得る。この場合、入口リーダ71は、例えば13.56MHz帯を使用する電磁誘導方式による近距離無線通信を商品タグATとの間で実行する。13.56MHz帯を使用する電磁誘導方式による近距離無線通信は、その最大通信可能距離が1m程度である。そこで、入口61から商品ATLを搬入するに際しては、そのような入口リーダ71に対して1m以内の領域を商品ATLが通過するようにしておく。
別の一例として、UHF帯を使用する近距離無線通信を商品タグATとの間で実行する入口リーダ71を用いてもよい。この場合には、最大通信可能距離がより長くなるので、入口61から商品ATLを搬入するに際しては、入口リーダ71に対する商品ATLの通過可能領域をより長くすることが可能となる。
出口リーダ72は、倉庫S2の出口、つまり売場S1と倉庫S2との間の出入口62に設置されている。そして、出入口62から売場S1に移される商品ATLに付されている商品タグATとの間で近距離無線通信を実行し、その商品の商品コードを得る。この場合、出口リーダ72は、入口リーダ71と同様に、例えば13.56MHz帯を使用する電磁誘導方式による近距離無線通信を商品タグATとの間で実行する。13.56MHz帯を使用する電磁誘導方式による近距離無線通信は、その最大通信可能距離が1m程度であるので、出入口62から商品ATLを売場S1に移すに際しては、出口リーダ72に対して1m以内の領域を商品ATLが通過するようにしておく。
別の一例として、UHF帯を使用する近距離無線通信を商品タグATとの間で実行する出口リーダ72を用いてもよい。この場合には、最大通信可能距離がより長くなるので、出入口62から商品ATLを売場S1に移すに際しては、出口リーダ72に対する商品ATLの通過可能領域をより長くすることが可能となる。
売場リーダ73は、陳列棚63の陳列領域63a及びドロワ63b内における複数個所に設置されている。そして、陳列棚63の陳列領域63aに陳列され、ドロワ63b内に収納されている商品ATLに付されている商品タグATとの間で近距離無線通信を実行し、その商品の商品コードを得る。この場合、売場リーダ73は、入口リーダ71及び出口リーダ72と同様に、例えば13.56MHz帯を使用する電磁誘導方式による近距離無線通信を商品タグATとの間で実行する。13.56MHz帯を使用する電磁誘導方式による近距離無線通信は、その最大通信可能距離が1m程度であるので、その範囲が売場リーダ73の商品コード取得可能領域となる。そこで、陳列棚63の陳列領域63aに配置される複数個の売場リーダ73は、2m程度の間隔で配列され、陳列領域63aに陳列されている商品ATLから必ずどれか一つの売場リーダ73によって商品コードが読み取られるように構成されている。また、陳列棚63のドロワ63bは、その幅が1mに満たないので、一つのドロワ63bについて一つの売場リーダ73が設置されている。
別の一例として、UHF帯を使用する近距離無線通信を商品タグATとの間で実行する売場リーダ73を用いてもよい。この場合には、最大通信可能距離がより長くなる。
図4は、店舗Sに設けられている売場S1の斜視図である。エントランス64を入ると、左右に陳列棚63が設置されている。陳列棚63は、エントランス64を入って左側に一例、右側に四列配列されている。左側の陳列棚63は、ハンガーラックHRと棚板SBとの組合せ構成になっており、ドロワ63bは有していない。右側の四列の陳列棚63は、一対の陳列棚63が背中合わせに接合されたユニットが二列配列された形態となっている。こちらの陳列棚63には、ドロワ63bが設けられている。
エントランス64を入って正面にあるのは、二段重ねの円柱形をした陳列ブース65である。そして、エントランス64から陳列ブース65を通り抜けた先には、左手にチェックアウトカウンタ66が配置され、右手に二つの試着室67とコーディネート閲覧コーナー68とが配置されている。コーディネート閲覧コーナー68には、閲覧カウンタ69に二台の情報端末101が設置されている。チェックアウトカウンタ66には、POS端末151が設置されている。更に、チェックアウトカウンタ66の背後には、倉庫S2との間の出入口62を開閉するドア70が設けられている。
図5は、情報端末101を示す外観斜視図である。情報端末101は、各部を収納する平べったい本体部102の上面に表示部としての液晶ディスプレイ103が載置されて構成されている。液晶ディスプレイ103には、その表示面104の上に操作入力部としてのタッチパネル105が積層配置されている。液晶ディスプレイ103には、そのフレーム106の上部にカメラ107も取り付けられている。
図6は、情報端末101の電気的接続のブロック図である。図6に示すように、情報端末101には、マイクロコンピュータ201が備えられており、このマイクロコンピュータ201が各部を駆動制御する。マイクロコンピュータ201は、各部を集中的に制御するCPU202に、バスライン203を介して制御プログラム等の固定的情報を予め記憶するROM204と、各種情報を書き換え自在に記憶してワークエリア等として機能するRAM205とが接続されて構成されている。したがって、マイクロコンピュータ201は、情報処理を実行する情報処理部を構成する。なお、図6では、CPU202、ROM204及びRAM205を単一構成物として表示しているが、これらのCPU202、ROM204及びRAM205は、複数の固体に分割されて構成されていてもよい。特に、RAM205として表示している構成物は、少なくとも、ワークエリアとして用いられるチップと画像メモリを構成するチップとを含んでいる。
マイクロコンピュータ201には、バスライン203を介してI/OインターフェースIFが接続されている。そして、I/OインターフェースIFには、タッチパネルコントローラ206、ビデオコントローラ207、HDD208、及びシリアルポート209が接続されている。I/OインターフェースIFに接続されているシリアルポート209には、無線通信部としてのRFIDリーダライタ210、カメラ107及びネットワークカード211が接続されている。このようなシリアルポート209には、例えば外部カメラ212(デジタルカメラ)等の外部機器を接続することもできる。
タッチパネルコントローラ206には、タッチパネル105が接続されている。タッチパネルコントローラ206は、タッチパネル105からの入力信号をマイクロコンピュータ201に取り込む。
ビデオコントローラ207には、液晶ディスプレイ103が接続されている。ビデオコントローラ207は、画像データに基づいて液晶ディスプレイ103を駆動制御し、画像データに応じた画像を液晶ディスプレイ103に表示させる。
HDD208には、プログラムエリアPA、商品マスタエリア221、店員マスタエリア222、顧客マスタエリア223、利用範囲マスタエリア224、メタ画像蓄積エリア225、コーディネート情報エリア226、在庫管理マスタエリア227、陳列位置管理エリア228及び陳列位置画像エリア229が設けられている。プログラムエリアPAには、OS及びコンピュータプログラム等がインストールされている。これらのOS及びコンピュータプログラム等は、情報端末101の起動時にその全部又は一部がRAM205にコピーされてCPU202にアクセスされる。CPU202は、こうしてコピーされたOS及びコンピュータプログラムに従った処理を実行する。したがって、RAM205及びHDD208は、記憶部としての機能を提供することになる。
HDD208のその他のエリアに記憶保存されているデータについては、後述する。つまり、商品マスタエリア221の詳細については、図7に基づいて後述する。店員マスタエリア222の詳細については、図8に基づいて後述する。顧客マスタエリア223の詳細については、図9に基づいて後述する。利用範囲マスタエリア224の詳細については、図10に基づいて後述する。メタ画像蓄積エリア225の詳細については図11に基づいて、コーディネート情報エリア226の詳細については図12に基づいて、それぞれ後述する。在庫管理マスタエリア227の詳細については図13に基づいて、陳列位置管理エリア228の詳細については図14に基づいて、陳列位置画像エリア229の詳細については図15に基づいて、それぞれ後述する。
シリアルポート209に接続されているRFIDリーダライタ210は、例えば電磁誘導結合による近距離無線通信をRFIDチップとの間で実行する。本実施の形態においては、被写体となる店員、商品ATL及び顧客にRFIDチップが付帯している。つまり、被写体となる店員は、自己(店員)を特定するユーザIDである店員IDを記憶するRFIDチップを内蔵するIDカード(図示せず)を所持する。商品ATLには、その商品ATLを特定する商品コードを記憶するRFIDチップを内蔵する商品タグATが付されている。そして、顧客は、自己(顧客)を特定するユーザIDである顧客IDを記憶するRFIDチップを内蔵する会員カード(図示せず)を所持する。したがって、RFIDリーダライタ210は、被写体となる店員が所持するIDカードからその店員を特定する店員IDを受信し、商品ATLに付された商品タグATからはその商品ATLを特定する商品コードを受信し、顧客が所持する会員カードからその顧客を特定する顧客IDを受信し、これらの受信した店員ID、商品コード及び顧客IDを出力する。マイクロコンピュータ201は、RFIDリーダライタ210が出力した店員ID、商品コード及び顧客IDをシリアルポート209からI/OインターフェースIFを介して取り込む。
別の一例として、被写体となる店員を特定する店員ID、商品ATLを特定する商品コード、顧客を特定する顧客IDは、別の機器で読み取られたり入力されたりして、マイクロコンピュータ201に取り込まれる構成であっても良い。一例として、液晶ディスプレイ103にテンキーを表示しておき、表示されているテンキーに従ったタッチパネル105での入力によって店員ID、商品コード、顧客IDを入力するようにしても良い。別の一例として、バーコードや2次元コード等のコードシンボルとして表現された店員ID、商品コード、顧客IDを用意しておき、これらのコードシンボルをコードリーダによって光学的に読み取ることで入力するようにしても良い。
シリアルポート209に接続されているカメラ107は、レンズ108から取り込んだ画像を2次元CCDアレイ(図示せず)に結像させ、CCDアレイの出力を増幅、A/D変換、フィルタリング等して出力するデジタルカメラである。外部カメラ212も、基本的には同様な構造を有するデジタルカメラである。マイクロコンピュータ201は、カメラ107や外部カメラ212が出力した撮像データをシリアルポート209からI/OインターフェースIFを介して取り込む。
シリアルポート209に接続されているネットワークカード211は、マイクロコンピュータ201を構内ネットワーク153へ接続させ、POS端末151及び店舗WEBサーバ152と情報端末101との間の相互のデータ通信を可能とする。この意味で、ネットワークカード211は、情報端末101と外部機器との間でデータを送受信するデータ送受信部としての機能を提供する。
図7は、情報端末101のHDD208に記録されている商品マスタエリア221(商品データベース)の記録データを示す模式図である。商品マスタエリア221は、個々の商品ATLを特定する商品ID(商品コード)に商品名称を対応付けて記憶している。商品ID(商品コード)は、同一の商品ATLであってもサイズ違い及び色違いの場合には、異なるコードで管理している。但し、同一の商品ATLのサイズ違い及び色違いに関しては、商品ID(商品コード)上で同一の商品ATLであることが識別できるよう、コードが体系化されている。つまり、同一の商品ATLであってもサイズ違い及び色違いの場合には異なる商品ID(商品コード)が付されているが、そのコード中の一部は共通化されており、サイズ違い又は色違いではあるが同一の商品ATLであることが分かるようなコード体系が採用されている。
図8は、情報端末101のHDD208に記録されている店員マスタエリア222の記録データを示す模式図である。店員マスタエリア222は、被写体となる店員を特定する店員IDに対応付けて、被写体の氏名(テキストデータ)、所属店舗(テキストデータ)、ポイント(英数字データ)、及び画像利用の許諾ステータスを記憶している。店員IDは、情報端末101に対するログインに際して特定される。
図9は、情報端末101のHDD208に記録されている顧客マスタエリア223の記録データを示す模式図である。顧客マスタエリア223は、顧客を特定する顧客IDに対応付けて、顧客の氏名(テキストデータ)、購入履歴(テキストデータ)及びポイント(英数字データ)を記憶している。顧客IDは、情報端末101に対するログインに際して特定される。
ここで、店員IDは、それ自体、店員のコードであることを示す全ての店員IDに共通するコードを含んでいる。また、顧客IDは、それ自体、顧客のコードであることを示す全ての顧客IDに共通するコードを含んでいる。これにより、図8に示す店員マスタエリア222及び図9に示す顧客マスタエリア223は、ログイン可能な2種類のコード体系に基づくユーザID(店員ID及び顧客ID)を定義するログインテーブルとして機能する。この場合、店員IDは、高い権限でのログインを可能とする特定のユーザIDとして体系付けられ、顧客IDは、通常権限でのログインを可能とする一般のユーザIDとして体系付けられる。
図10は、情報端末101のHDD208に記録されている利用範囲マスタエリア224の記録データを示す模式図である。利用範囲マスタエリア224は、利用範囲を特定する利用範囲IDに利用範囲を対応付けて記憶している。利用範囲というのは、カメラ107や外部カメラ212による撮像画像の利用範囲を意味している。例えば、店員が所属する自店舗でのみ利用、自店舗に加えて自店舗以外の店舗での利用(公開利用)、自他店舗に加えてWEBでの利用(WEB利用)等が利用範囲として規定されている。一例として、利用範囲IDがAである場合の利用範囲は、店員が所属する自店舗でのみ利用と定義され、利用範囲IDがBである場合の利用範囲は、公開利用と定義され、利用範囲IDがCである場合の利用範囲は、WEB利用と定義されている。
図11は、情報端末101のHDD208に記録されているメタ画像蓄積エリア225の記録データを示す模式図である。メタ画像蓄積エリア225は、カメラ107や外部カメラ212によって撮像されてマイクロコンピュータ201に取り込まれた画像を特定する画像IDに、カメラ107や外部カメラ212による撮像画像であるコーディネート画像のデータであるバイナリデータとそのパス名とを対応付けて記憶している。パス名には、バイナリデータのデータ形式が含まれている。そこで、別の実施の形態として、バイナリデータそのものはメタ画像蓄積エリア225には蓄積せずにいずれかの記憶領域に記憶させておき、メタ画像蓄積エリア225にはパス名のみを記憶させておくことも可能である。このようなデータ構造を採用した場合、パス名をキーとしてメタ画像を検索することが可能である。
図12は、情報端末101のHDD208に記録されているコーディネート情報エリア226の記録データを示す模式図である。コーディネート情報エリア226は、店員による個々のコーディネートを特定するコーディネートIDに対応付けて、画像ID、商品ID(商品コード)、アイテム情報(テキストデータ)、店員ID(テキストコード)、店員情報(氏名及び所属店舗のテキストデータ)、コメント(テキストデータ)、及び利用範囲IDを対応付けて記憶している。したがって、コーディネート情報エリア226を参照することで、例えばコーディネートIDをキーとして対応する一連のデータを検索することができる。検索によって店員IDが判明すれば、メタ画像蓄積エリア225からバイナリデータを取得することができ、また、検索によって利用範囲IDが判明すれば、利用範囲マスタエリア224から利用範囲を取得することができる。
したがって、メタ画像蓄積エリア225及びコーディネート情報エリア226は、商品ATLである衣類をコーディネートして撮像されたコーディネート画像(バイナリデータ)とこのコーディネート画像中でコーディネートされている衣類の商品ID(商品コード)とを紐付けして記憶保存するコーディネートデータベースを構築している。
図13は、情報端末101のHDD208に記録されている在庫管理マスタエリア227の記録データを示す模式図である。在庫管理マスタエリア227は、商品ID(商品コード)に対応付けて、倉庫内在庫数、売場内陳列数及び他店舗在庫情報を記憶している。倉庫内在個数は、倉庫S2に収納されている対応する商品ATLの在庫数である。この在庫数は、入口リーダ71からその商品ATLの商品コードが情報端末101に送信されると一つ増加(インクリメント)させ、出口リーダ72からその商品ATLの商品コードが情報端末101に送信されると一つ減少(デクリメント)させて得られる数値である。売場内陳列数は、出口リーダ72からその商品ATLの商品コードが情報端末101に送信されると一つ増加(インクリメント)させ、POS端末151からその商品の決済報告が送信されると一つ減少(デクリメント)させて得られる数値である。他店舗在庫情報は、その商品ATLについての他店舗における在庫情報、例えば在庫がある店舗名や在庫数等の情報である。
ここで、前述したように、入口リーダ71は、倉庫S2の入口61から商品ATLである衣類が搬入されると、搬入された衣類に付されている商品タグATに内蔵されているRFIDチップと近距離無線通信を実行する。そして、入口リーダ71は、RFIDチップが記憶する商品コードを取得し、構内ネットワーク153を介して、取得した商品コードに自機を特定する一意のIPアドレスを付して情報端末101に送信する。入口リーダ71は、このような処理を実行するためのシーケンスを記憶部(図示せず)に記憶している。情報端末101のマイクロコンピュータ201は、IPアドレスによって特定される入口リーダ71からの商品コードを受信すると、在庫管理マスタエリア227の倉庫内在庫数を一つ増加(インクリメント)させる。その商品ATLの倉庫S2内の在庫が一つ増えたからである。
また、出口リーダ72は、倉庫S2に在庫している商品ATLである衣類が出入口62を介して倉庫S2から売場S1に移されると、移送される衣類に付されている商品タグATに内蔵されているRFIDチップと近距離無線通信を実行する。そして、出口リーダ72は、RFIDチップが記憶する商品コードを取得し、構内ネットワーク153を介して、取得した商品コードに自機を特定する一意のIPアドレスを付して情報端末101に送信する。出口リーダ72は、このような処理を実行するためのシーケンスを記憶部(図示せず)に記憶している。情報端末101のマイクロコンピュータ201は、IPアドレスによって特定される出口リーダ72からの商品コードを受信すると、在庫管理マスタエリア227の倉庫内在庫数を一つ減少(デクリメント)させ、売場内陳列数を一つ増加(インクリメント)させる。その商品ATLの倉庫S2内の在庫数が一つ減り、店舗S内の陳列数が一つ増えたからである。
更に、POS端末151のマイクロコンピュータ251(図16参照)は、決済処理を実行すると、構内ネットワーク153を介して、決済処理した商品ATLの商品コードを決済報告として情報端末101に送信する。POS端末151は、そのHDD258のプログラムエリアPAに(図16参照)、そのような処理を実行するためのコンピュータプログラムをインストールしている。情報端末101のマイクロコンピュータ201は、POS端末151からの決済報告を受信すると、在庫管理マスタエリア227の売場内陳列数を一つ減少(デクリメント)させる。その商品ATLの店舗S内の陳列数(在庫数)が一つ減ったからである。
このように、在庫管理マスタエリア227において、商品ID(商品コード)に対応付けて記憶保存しているデータのうち、倉庫内在庫数及び売場内陳列数については店舗システム51内での処理によって生成される。これに対して、他店舗在庫情報については、図2に基づいて前述したデータ送受信フェーズによってホストコンピュータ11から送信された在庫情報に基づいている。このような在庫管理マスタエリア227は、個々の商品ATLの商品コードである商品IDとその商品ATLの倉庫S2内の在庫状況及び売場S1内の陳列状況とを紐付けして記憶保存する在庫データベースを構築している。
図14は、情報端末101のHDD208に記録されている陳列位置管理エリア228の記録データを示す模式図である。陳列位置管理エリア228は、売場S1に配置されている複数個の売場リーダ73を特定する売場リーダIDに、表示エリア(画像ID)を対応付けて記憶保存している。店舗システム51は、商品ID(商品コード)によって特定されるある商品ATLが売場S1内に設置されている陳列棚63中のどのエリアに置かれているのかを陳列位置画面Jによって視覚表示可能である(図29参照)。この仕組みは、その商品ID(商品コード)を読み取った売場リーダ73の配置位置に基づいてその商品ATLが置かれている位置を特定し、この位置を陳列位置画面J中に画像表示するというものである。そこで、図14に示す陳列位置管理エリア228は、売場リーダ73を特定する売場リーダIDにその表示エリア(画像ID)を対応付けて記憶保存することで、個々の売場リーダ73と個々の売場リーダ73による商品タグATの読み取りエリアとの対応関係を定義している。
図15は、情報端末101のHDD208に記録されている陳列位置画像エリア229の記録データを示す模式図である。陳列位置画像エリア229は、売場S1を表現する写真やイラスト等の画像を特定する画像IDに、それらの画像の画像データそのものであるバイナリデータと、そのパス名とを対応付けて記憶している。
画像データは、個々の売場リーダ73による商品タグATの読み取りエリアを示す陳列位置画像であり、それらの売場リーダ73の設置箇所分だけ用意されている。これにより、図14に示す陳列位置管理エリア228からの検索処理により、特定の売場リーダ73を示す売場リーダIDから表示エリア(画像ID)が検索されると、図15に示す陳列位置画像エリア229からの検索処理により、その検索された画像IDに対応付けられているバイナリデータ、つまり画像データが検索される。これにより、個々の売場リーダ73から商品ATLが置かれている位置を特定する画像に辿り着くことができる。
パス名には、バイナリデータのデータ形式が含まれている。
ここで、陳列位置管理エリア228(図14参照)は、売場リーダ73を特定する売場リーダIDと表示エリア(画像ID)とを紐付けし、陳列位置画像エリア229(図15参照)は、表示エリア(画像ID)と陳列位置を示す陳列位置画像であるバイナリデータとを紐付けしている。したがって、図14に示す陳列位置管理エリア228と図15に示す陳列位置画像エリア229とは、個々の売場リーダ73と陳列位置とを紐付けして記憶する陳列位置定義を構築する。
図16は、POS端末151の電気的接続のブロック図である。図16に示すように、POS端末151には、情報処理部としてのマイクロコンピュータ251が備えられており、このマイクロコンピュータ251が各部を駆動制御する。マイクロコンピュータ251は、各部を集中的に制御するCPU252に、バスライン253を介してBIOS等の固定的情報を予め記憶するROM254と、各種情報を書き換え自在に記憶してワークエリア等として機能するRAM255とが接続されて構成されている。したがって、マイクロコンピュータ251は、情報処理を実行する情報処理部を構成する。なお、図16では、CPU252、ROM254及びRAM255を単一構成物として表示しているが、これらのCPU252、ROM254及びRAM255は、複数の固体に分割されて構成されていてもよい。特に、RAM255として表示している構成物は、少なくとも、ワークエリアとして用いられるチップと画像メモリを構成するチップとを含んでいる。
マイクロコンピュータ251には、バスライン253を介してI/OインターフェースIFが接続されている。そして、I/OインターフェースIFには、入力コントローラ256、ビデオコントローラ257、HDD258、及びシリアルポート259が接続されている。
I/OインターフェースIFに接続されている入力コントローラ256には、キーボードKBが接続されている。入力コントローラ256は、キーボードKBからの入力信号をマイクロコンピュータ251に取り込む。
I/OインターフェースIFに接続されているビデオコントローラ257には、店員用ディスプレイODISと顧客用ディスプレイCDISとが接続されている。ビデオコントローラ257は、画像データに基づいて店員用ディスプレイODIS及び顧客用ディスプレイCDISを駆動制御し、画像データに応じた画像を店員用ディスプレイODIS及び顧客用ディスプレイCDISに表示させる。
I/OインターフェースIFに接続されているHDD258には、プログラムエリアPAが設けられている。プログラムエリアPAには、OS及びコンピュータプログラム等がインストールされている。POS端末151がHDD258のプログラムエリアPAにインストールしているコンピュータプログラムは、商品販売データ処理用のプログラムである。この商品販売データ処理用のプログラムは、バーコードリーダ260が読み取り出力した商品コードの入力を受け付け、入力した商品コードに基づく決済処理を含む商品販売データ処理をマイクロコンピュータ251に実行させる。また、前述したように、POS端末151がインストールする商品販売データ処理用のプログラムは、構内ネットワーク153を介して、決済処理をした商品の商品コードを決済報告として情報端末101に送信出力する処理をマイクロコンピュータ251に実行させる。
POS端末151がHDD258のプログラムエリアPAにインストールしているOS及びコンピュータプログラム等は、POS端末151の起動時にその全部又は一部がRAM255にコピーされてCPU252にアクセスされる。CPU252は、RAM255をワークエリアとして使用しつつ、コピーされたOS及びコンピュータプログラムに従った処理を実行する。したがって、RAM255及びHDD258は、記憶部としての機能を提供することになる。
POS端末151では、HDD258のプログラムエリアPAに商品販売データ処理用のコンピュータプログラムがインストールされている。このコンピュータプログラムは、POS端末151のマイクロコンピュータ251に、決済処理を含む商品販売データ処理を実行させる。
I/OインターフェースIFに接続されているシリアルポート259には、バーコードリーダ260、磁気カードリーダ261、レシートプリンタ262及びネットワークカード263が接続されている。
シリアルポート259に接続されているバーコードリーダ260は、個々の商品ATLに付されている商品タグATに印刷されているバーコード等のコードシンボル(図示せず)を光学的に読み取り、これをデコードして商品コードとして出力する。この場合のコードシンボルは、商品ATLを特定する商品コードをシンボル化している。マイクロコンピュータ251は、バーコードリーダ260が出力した商品コードのデータをシリアルポート259からI/OインターフェースIFを介して取り込む。
シリアルポート259に接続されている磁気カードリーダ261は、例えばクレジットカード等の磁気カードを走査読み取りし、コードとして出力する。マイクロコンピュータ251は、磁気カードリーダ261が出力した磁気カードの読み取りデータをシリアルポート259からI/OインターフェースIFを介して取り込む。
シリアルポート259に接続されているレシートプリンタ262は、レシートを印字発行する。マイクロコンピュータ251は、RAM255の画像メモリに生成した画像データに従った印字データを印字制御信号と共にシリアルポート259からI/OインターフェースIFを介してレシートプリンタ262に送信出力し、レシートプリンタ262にその印字データに応じた印字動作を実行させる。
シリアルポート259に接続されているネットワークカード263は、マイクロコンピュータ251を構内ネットワーク153へ接続させ、情報端末101及び店舗WEBサーバ152とPOS端末151との間の相互のデータ通信を可能とする。この意味で、ネットワークカード263は、POS端末151と外部機器との間でデータを送受信するデータ送受信部としての機能を提供する。
2.コーディネート情報閲覧フェーズ
図17は、コーディネート情報閲覧処理の流れを示すフローチャートである。HDD208のプログラムエリアPAにインストールされているコンピュータプログラムには、メタ画像蓄積エリア225及びコーディネート情報エリア226に蓄積登録されているコーディネート情報を閲覧するためのコーディネート情報閲覧処理用のプログラムが含まれている。このコーディネート情報閲覧処理用のプログラムは、その起動時にRAM205にコピーされて使用される。図17に示すフローチャートの処理は、こうしてRAM205にコピーされたコーディネート情報登録処理用のプログラムに従いCPU202が実行する処理内容を示している。
店舗Sを訪れた顧客がコーディネート画像の閲覧を希望する場合、情報端末101でのログインが必要となる。情報端末101でログインをするには、顧客が所持する会員カード(図示せず)に内蔵されているRFIDチップに記憶されている顧客IDをRFIDリーダライタ210によって読み取らせる。もっとも、コーディネート画像の閲覧を希望する場合に情報端末101でのログインを必要とするのは、顧客ばかりでなく、店員も同様である。つまり、店員が情報端末101でログインをするには、店員が所持するIDカード(図示せず)に内蔵されているRFIDチップに記憶されている店員IDをRFIDリーダライタ210によって読み取らせる。IDカード(図示せず)に内蔵されているRFIDチップに記憶されている顧客ID又は店員IDをRFIDリーダライタ210によって読み取らせると、情報端末101のマイクロコンピュータ201は、ログイン処理を開始する。
図18は、ログイン処理の流れを示すフローチャートである。情報端末101のマイクロコンピュータ201は、RFIDリーダライタ210が出力した顧客IDをシリアルポート209からI/OインターフェースIFを介して取り込み、それが顧客IDかどうかを判定する(ステップS201−1)。ユーザIDが顧客IDであった場合(ステップS201−1のY)、HDD208に記憶保存されている顧客マスタエリア223を検索し(ステップS201−2)、取り込んだ顧客IDと同一の顧客IDの有無を判定する(ステップS201−3)。同一の顧客IDがあれば(ステップS201−3のY)、RAM205のワークエリアにフラグ領域を確保し、フラグF=1を設定する(ステップS201−4)。そして、ログインを許可し(ステップS201−5)、処理を終了する。顧客マスタエリア223に同一の顧客IDがなれば(ステップS201−3のN)、エラー処理を実行し(ステップS201−6)、処理を終了する。これに対して、ユーザIDが顧客IDでなかった場合(ステップS201−1のN)、HDD208に記憶保存されている店員マスタエリア222を検索し(ステップS201−7)、取り込んだ店員IDと同一の店員IDの有無を判定する(ステップS201−8)。同一の店員IDがあれば(ステップS201−8のY)、RAM205のワークエリアにフラグ領域を確保し、フラグF=0を設定する(ステップS201−9)。そして、ログインを許可し(ステップS201−5)、処理を終了する。店員マスタエリア222に同一の店員IDがなれば(ステップS201−8のN)、エラー処理を実行し(ステップS201−10)、処理を終了する。以上がログイン処理である(図17のステップS201)。ここに、情報処理部である情報端末101のマイクロコンピュータ201が、表示部である液晶ディスプレイ103にログイン画面(図示せず)を表示し、特定のユーザIDの入力に基づく高い権限でのログインと特定のユーザIDの入力に基づかない通常権限でのログインとを許容する手段、機能、処理が実行される。
図17に示すフローチャートの説明に戻る。マイクロコンピュータ201は、ステップS201でログイン処理を実行した後、コーディネート一覧画面Dを液晶ディスプレイ103に表示出力する(ステップS202)。
図19は、情報端末101の液晶ディスプレイ103に表示されるコーディネート一覧画面Dの一例を示す模式図である。コーディネート一覧画面Dは、10個のコーディネート写真が一覧表示される一覧表示欄D1を主体に構成されている。一覧表示欄D1に表示される10個のコーディネート写真は、スクロール表示が可能である。コーディネート一覧画面D中の右下側に位置する三角印は、コーディネート写真のスクロールを指定するスクロールボタンD2である。図19は、上位10個のコーディネート写真が表示されている状態を示しているので、スクロールボタンD2は「送り側」の一つしか示されていないが、先頭のコーディネート写真がスクロールされて非表示になると、「戻し側」のスクロールボタン(図示せず)も表示されることになる。
ここで、コーディネート一覧画面Dの一覧表示欄D1に表示されるコーディネート写真は、図12に示すコーディネート情報エリア226の利用範囲に記録されている定義に従って表示される。例えば、コーディネート情報エリア226中のコーディネートIDによって特定されるコーディネートの利用範囲IDがB又はCとして定義されている場合には、その利用範囲は自他いずれの店舗Sでも良いとの定義なので(図10参照)、一覧表示欄D1には、自他いずれの店舗Sにおいてもコーディネート写真が表示されることになる。これに対して、コーディネートIDによって特定されるコーディネートの利用範囲IDがAとして定義されている場合には、その利用範囲は自店舗内での利用との定義なので(図10参照)、一覧表示欄D1には、コーディネートIDに紐付けされている店員の自店舗Sでのみコーディネート写真が表示されることになる。
コーディネート一覧画面Dには、「商品タグで検索」と表示されている商品タグ選択ボタンD3及び「カテゴリで検索」と表示されているカテゴリ選択ボタンD4が表示されている。また、コーディネート一覧画面Dには、更に、戻るボタンD5及びログアウトボタンD6も表示されている。
ここで、コーディネート一覧画面Dは、特定のコーディネート画像を表示するコーディネート画面G(図22参照)を検索するためのフロント画面としての機能を果たしている。コーディネート一覧画面Dから所望のコーディネート画像を検索するために、情報端末101は、三通りの検索の仕方を提供する。以下、三通りの検索の仕方を図17のフローチャートに戻り説明する。
一つ目の検索の仕方は、一覧表示欄D1に表示されているコーディネート写真のタッチ指定による選択である。情報端末101のマイクロコンピュータ201は、ステップS202に続く処理として、画像選択の有無の判定に待機している(ステップS203)。この場合の画像選択は、一覧表示欄D1に一覧表示されているコーディネート写真のタッチ指定によってなされる。つまり、一覧表示欄D1に一覧表示されているコーディネート写真は、図11に示すメタ画像蓄積エリア225のバイナリデータに基づくものであるので、メタ画像蓄積エリア225を参照することで、そのバイナリデータと対応付けられている画像IDが分かり、画像IDが分かれば、図12に示すコーディネート情報エリア226を参照することでコーディネートIDが分かる。したがって、一覧表示欄D1に表示されている特定のコーディネート写真がタッチ指定されると、これに紐付けられているコーディネートIDが判明する。そこで、情報端末101のマイクロコンピュータ201は、判明したコーディネートIDに対応するコーディネート画像を含むコーディネート画面G(図22参照)を液晶ディスプレイ103に表示する(ステップS206)。
二つ目の検索の仕方は、商品タグ選択ボタンD3をタッチ指定することで開始される商品タグATに基づく検索である。情報端末101のマイクロコンピュータ201は、画像選択がなされることなく(ステップS203のN)、商品タグ選択ボタンD3がタッチ指定されると(ステップS204のY)、タグ情報待機画面Eを液晶ディスプレイ103に表示する(ステップS207)。
図20は、情報端末101の液晶ディスプレイ103に表示されるタグ情報待機画面Eの一例を示す模式図である。タグ情報待機画面Eには、「商品タグをかざしてね!」というメッセージE1が表示され、商品名を表示するための商品名表示欄E2が表示されている。そして、タグ情報待機画面Eには、図19に示すコーディネート一覧画面Dの表示を指示するための「すべて表示」と表示されている全表示ボタンE3と、後述する三つ目の検索の仕方であるカテゴリ検索を指示するための「カテゴリで検索」と表示されているカテゴリ選択ボタンE4とが表示されている。タグ情報待機画面Eには、更に、戻るボタンE5とログアウトボタンE6とが表示されている。
図17に示すフローチャートの説明に戻る。情報端末101のマイクロコンピュータ201は、タグ情報待機画面Eの表示処理(ステップS207)の後、タグ情報の受信判定に待機する(ステップS208)。つまり、商品ATLである衣類には、その商品ATLを特定する商品コードを記憶するRFIDチップを内蔵する商品タグATが付されている。そこで、RFIDリーダライタ210が商品タグATから商品コードを読み取って出力すると、CPU202は、タグ情報の受信を判定する(ステップS208のY)。続いて、CPU202は、受信した商品コードと同一の商品IDを図12に示すコーディネート情報エリア226から検索し(ステップS209)、商品別コーディネート一覧画面F(図21参照)を液晶ディスプレイ103に表示出力する(ステップS210)。つまり、ステップS209でコーディネート情報エリア226から検索された商品IDが記録されている全てのコーディネートIDを図12に示すコーディネート情報エリア226から検索取得し、これらのコーディネートIDによって特定される商品別コーディネート一覧画面F(図21参照)を表示する。
図21は、情報端末101の液晶ディスプレイ103に表示される商品別コーディネート一覧画面Fの一例を示す模式図である。商品別コーディネート一覧画面Fは、タグ情報待機画面Eを基礎として、商品名表示欄E2にステップS208で受信判定した商品コードに基づいて図7に示す商品マスタエリア221から検索される商品名称が表示されている。図21に示す一例では、商品名表示欄E2に表示されている商品名から、「ブラックジーンズ」という商品ATLが選択されていることが分かる。また、タグ情報待機画面EのメッセージE1に換えて商品別コーディネート一覧画像F1が表示されている。更に、「商品タグで検索」と表示されている商品タグ選択ボタンF2が表示され、「在庫確認」と表示されている在庫確認ボタンF3が表示されている。その他の部分は、タグ情報待機画面Eの表示と同一なので、図21の商品別コーディネート一覧画面F中、タグ情報待機画面Eと同一部分は同一の表示符号をそのまま用い、説明も省略する。
ここで、商品別コーディネート一覧画面Fの商品別コーディネート一覧画像F1として表示されるコーディネート写真は、図12に示すコーディネート情報エリア226の利用範囲に記録されている定義に従って表示される。例えば、コーディネート情報エリア226中のコーディネートIDによって特定されるコーディネートの利用範囲IDがB又はCとして定義されている場合には、その利用範囲は自他いずれの店舗Sでも良いとの定義なので(図10参照)、自他いずれの店舗Sにおいても商品別コーディネート一覧画像F1としてコーディネート写真が表示されることになる。これに対して、コーディネートIDによって特定されるコーディネートの利用範囲IDがAとして定義されている場合には、その利用範囲は自店舗内での利用との定義なので(図10参照)、コーディネートIDに紐付けされている店員の自店舗Sでのみ商品別コーディネート一覧画像F1としてコーディネート写真が表示されることになる。
図17に示すフローチャートの説明に戻る。情報端末101のマイクロコンピュータ201は、商品別コーディネート一覧画面Fの表示処理(ステップS210)の後、コーディネート選択の有無判定(ステップS211)、在庫確認指定の有無判定(ステップS212)に待機する。
コーディネート選択は、商品別コーディネート一覧画面Fに表示されているコーディネート写真のタッチ指定によってなされる。つまり、商品別コーディネート一覧画像F1に一覧表示されているコーディネート写真は、図11に示すメタ画像蓄積エリア225のバイナリデータに基づくものであるので、メタ画像蓄積エリア225を参照することで、そのバイナリデータと対応付けられている画像IDが分かり、画像IDが分かれば、図12に示すコーディネート情報エリア226を参照することでコーディネートIDが分かる。したがって、商品別コーディネート一覧画像F1に表示されている特定のコーディネート写真がタッチ指定されると、これに紐付けられているコーディネートIDが判明する。そこで、情報端末101のマイクロコンピュータ201は、判明したコーディネートIDに対応するコーディネート画像を含むコーディネート画面Gを液晶ディスプレイ103に表示する(ステップS206)。
在庫確認指定は、在庫確認ボタンF3のタッチ指定によってなされる。つまり、在庫確認ボタンF3は指定コマンドのオブジェクトとして表示されており、タッチパネル105上で在庫確認ボタンF3がタッチ指定されると、在庫確認処理が実行される(ステップS213)。在庫確認処理については、図23ないし図29に基づいて後述する。
三つ目の検索の仕方は、カテゴリ選択ボタンD4をタッチ指定することで開始される商品ATLである衣類のカテゴリに基づく検索である。情報端末101のマイクロコンピュータ201は、画像選択を判定せず(ステップS203のN)、かつ、商品タグ検索の指定を判定しない間に(ステップS204のN)、カテゴリ検索の指定を判定すると(ステップS205のY)、カテゴリ選択処理を実行する(ステップS214)。カテゴリ選択処理は、コーディネート一覧画面D中のカテゴリ選択ボタンD4、又は、タグ情報待機画面E若しくは商品別コーディネート一覧画面F中のカテゴリ選択ボタンE4のタッチ指定によって開始され、図7に示す商品マスタエリア221で定義されているカテゴリに従い、カテゴリ別にコーディネート一覧画像(図示せず)を表示し、このコーディネート一覧画像中のコーディネート写真から特定のコーディネート画像を選択する処理である。カテゴリ選択処理については、その詳細説明を省略する。
図22は、情報端末101の液晶ディスプレイ103に表示されるコーディネート画面Gの一例を示す模式図である。コーディネート画面Gには、コーディネート画像を表示するコーディネート画像表示エリアG1、店員情報表示エリアG2、コメント表示エリアG3、商品情報表示エリアG4という表示領域が確保されている。これらの表示領域には、図12に示すコーディネート情報エリア226から検索される情報が表示される。つまり、コーディネート画像表示エリアG1には、コーディネート情報エリア226の画像IDに基づいて図11に示すメタ画像蓄積エリア225から検索されるバイナリデータに基づく画像表示がなされる。また、店員情報表示エリアG2には、コーディネート情報エリア226の店員情報に記録されている店員名及び店舗名(テキストデータ)が表示される。コメント表示エリアG3には、コーディネート情報エリア226のコメントに記録されているテキスト情報が表示される。商品情報表示エリアG4には、コーディネート情報エリア226のアイテム情報に記録されている商品名等(テキストデータ)が表示される。
コーディネート画面Gには、在庫確認ボタンG5、戻るボタンG6、及びログアウトボタンG7も表示されている。
ここで、コーディネート画面Gのコーディネート画像表示エリアG1に表示されるコーディネート写真は、図12に示すコーディネート情報エリア226の利用範囲に記録されている定義に従って表示される。例えば、コーディネート情報エリア226中のコーディネートIDによって特定されるコーディネートの利用範囲IDがB又はCとして定義されている場合には、その利用範囲は自他いずれの店舗Sでも良いとの定義なので(図10参照)、コーディネート画像表示エリアG1には、自他いずれの店舗Sにおいてもコーディネート写真が表示されることになる。これに対して、コーディネートIDによって特定されるコーディネートの利用範囲IDがAとして定義されている場合には、その利用範囲は自店舗内での利用との定義なので(図10参照)、コーディネート画像表示エリアG1には、コーディネートIDに紐付けされている店員の自店舗Sでのみコーディネート写真が表示されることになる。
また、コーディネート画面Gの商品情報表示エリアG4に表示されている商品名等(テキストデータ)は、個々に、タッチパネル105によってタッチ指定可能なオブジェクトとして表示されている。つまり、図22に示す一例では、「SURF BEAT ZIP パーカー」という品名の商品ATLと「Tシャツ」という品名の商品ATLとが表示されている。これらの品名表示は、個々にタッチパネル105によってタッチ指定可能なオブジェクトである。したがって、「SURF BEAT ZIP パーカー」と「Tシャツ」とを独立して選択指定することができる。
図17に示すフローチャートの説明に戻る。情報端末101のマイクロコンピュータ201は、コーディネート画面Gを液晶ディスプレイ103に表示する処理(ステップS206)の実行後、在庫確認指定の有無判定に待機する(ステップS215)。在庫確認指定は、コーディネート画面Gの商品情報表示エリアG4に商品名等が表示されている商品ATLをタッチパネル105でのタッチ指定によって選択指定した後の在庫確認ボタンG5のタッチ指定によってなされる。つまり、在庫確認ボタンG5は指定コマンドのオブジェクトとして表示されており、タッチパネル105上で在庫確認ボタンG5がタッチ指定されると、在庫確認処理が実行される(ステップS216)。在庫確認処理については、図23ないし図29に基づいて後述する。
情報端末101のマイクロコンピュータ201は、図17のフローチャートに示す処理とは別ルーチンで、イベント監視ルーチンをマルチタスク処理によって実行している。このイベント監視ルーチンでは、図19に示すコーディネート一覧画面D中の戻るボタンD5又はログアウトボタンD6、図20に示すタグ情報待機画面E及び図21に示す商品別コーディネート一覧画面F中の戻るボタンE5又はログアウトボタンE6、図22に示すコーディネート画面G中の戻るボタンG6又はログアウトボタンG7のタッチ指定の有無というイベントを監視している。そして、CPU202は、それらのイベントを判定すると、対応する処理を実行する。したがって、図17に示すフローチャートの処理は、ログアウトボタンD6、E6、G7のタッチ指定によって終了する。
3.在庫確認フェーズ
図23は、在庫確認処理の流れを示すフローチャートである。図23に示すフローチャートの処理は、図17のフローチャート中のステップS213及びステップS216の在庫確認処理の詳細を示している。
情報端末101のマイクロコンピュータ201は、在庫確認処理として、まず、在庫画面表示処理ルーチンを起動させる(ステップS251)。このルーチンは、HDD208のプログラムエリアPAにインストールされているプログラムに記述されている。在庫画面表示処理ルーチンの起動により、情報端末101のマイクロコンピュータ201は、在庫画面Hのフレームを液晶ディスプレイ103に表示する。そして、在庫管理マスタエリア227(図13参照)にアクセスし、対応する商品の売場内陳列数及び倉庫内在庫数のデータを取得し、在庫画面H(簡略在庫画面Hs)に商品在庫一覧H1という形態で在庫情報を表示する(ステップS252)。商品在庫一覧H1は、図17のステップS201でのログイン処理が顧客IDに基づくログインである場合(図18のステップS201−1のY)と店員IDに基づくログインである場合(図18のステップS201−1のN)とで異なる。
顧客IDに基づくログインが行われた場合の商品在庫一覧H1では、商品ATLである衣類のアイテムとサイズとをマトリクス表示している。図26に示す一例では、「商品A」、「商品B」、「商品C」及び「商品D」の4アイテムと、「S」、「M」及び「L」の3サイズとが縦横マトリクス表示されている。4アイテムは、同一衣類の色違いを別アイテムとしている。そして、商品在庫一覧H1においては、在庫数を「○」、「△」及び「×」に変換して表示している。このような商品在庫一覧H1を表示する在庫画面Hを、ここでは簡略在庫画面Hsという。
店員IDに基づくログインが行われた場合の商品在庫一覧H1では、商品ATLである衣類のアイテムとその配置場所毎の在庫数とをマトリクス表示している。図27に示す一例では、「商品A」、「商品B」、「商品C」及び「商品D」の4アイテムについての「S」、「M」及び「L」の3サイズと、「売場」、「倉庫」及び「他店舗」という配置位置毎の在庫数とが縦横マトリクス表示されている。4アイテムは、同一衣類の色違いを別アイテムとしている。このような商品在庫一覧H1を表示する在庫画面Hは、簡略在庫画面Hsと区別される。
ここで、売場内陳列数及び倉庫内在庫数のデータを取得する「対応する商品」というのは、図17のフローチャート中のステップS203又はステップS211の処理によって選択指定されたコーディネート画像に基づきコーディネート画面G(図22参照)に表示されているコーディネート画像でコーディネートされている衣類を意味する。そして、この場合の衣類は、コーディネート画像で実際にコーディネートされている衣類だけでなく、同一の衣類のサイズ違い及び色違いも意味する。このような衣類である商品ATLの商品ID(商品コード)は、図17に示すフローチャート中のステップS203又はステップS211によって判定されたコーディネート画像の選択指定によって取得されるコーディネートIDを検索キーとして、コーディネート情報エリア226(図12参照)から検索される。コーディネート情報エリア226には、前述したように、同一衣類のサイズ違い及び色違いが異なる商品ID(商品コード)として登録されている。ここに、情報処理部である情報端末101のマイクロコンピュータ201が、操作入力部であるタッチパネル105による一の商品の選択指定を許容する手段、機能、処理が実行される。
情報端末101のマイクロコンピュータ201は、検索された商品ID(商品コード)を検索キーとして、在庫管理マスタエリア227(図13参照)から売場内陳列数、倉庫内在庫数、及び他店舗在庫情報のデータを取得する。ここに、情報処理部である情報端末101のマイクロコンピュータ201が、在庫データベースを構成する在庫管理マスタエリア227から、ステップS203又はステップS211の処理に基づき取得した商品ID(商品コード)に紐付けされている倉庫内の在庫状況のデータ(倉庫内在庫数)と売場内の陳列状況のデータ(売場内陳列数)とを取得する手段、機能、処理が実行される。
そして、情報端末101のマイクロコンピュータ201は、それらの取得したデータに基づき、個々の商品がある場所を在庫画面H(簡略在庫画面Hs)中に商品在庫一覧H1として表示して報知するわけである(ステップS252)。この際、在庫画面Hに表示される商品在庫一覧H1には、売場内陳列数、倉庫内在庫数、及び個々の他店舗毎の在庫数(他店舗在庫情報)をそのまま表示する(図27参照)。ここに、情報処理部である情報端末101のマイクロコンピュータ201が、高い権限でログインしたユーザに対して、取得した在庫情報をそのまま報知する在庫画面Hを表示部である液晶ディスプレイ103に表示する手段、機能、処理が実行される。これに対して、簡略在庫画面Hsに表示される商品在庫一覧H1には、売場内陳列数、倉庫内在庫数、及び個々の他店舗毎の在庫数を「○」、「△」及び「×」で簡略化して表示する(図26参照)。ここに、通常権限でログインしたユーザに対して、取得した在庫情報を簡略化情報に変換して報知する簡略在庫画面Hsを表示部である液晶ディスプレイ103に表示する手段、機能、処理が実行される。
図24は、商品在庫一覧H1の表示処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、図23のフローチャート中のステップS252における商品在庫一覧H1の表示処理の詳細を示している。情報端末101のマイクロコンピュータ201は、ログイン処理(図17のステップS201)の際に設定したフラグFの値を参照する(ステップS252−1)。フラグF=1であれば顧客IDによるログイン(図18のステップS201−1のY)なので、ステップS252−2に進む。これに対して、フラグF=0であれば店員IDによるログイン(図18のステップS201−1のN)なので、ステップS252−11に進む。
情報端末101のマイクロコンピュータ201は、フラグF=1の場合(ステップS252−1のY)、商品数をnと置く(ステップS252−2)。この場合の商品数は、ステップS251の処理によってコーディネート情報エリア226(図12参照)から取得したサイズ違い及び色違いを異なる商品ID(商品コード)として管理する衣類の数を意味する。例えば、コーディネート画面G(図22参照)に表示されているコーディネート画像で実際にコーディネートされている衣類が「商品A」、「商品B」、「商品C」及び「商品D」の4アイテムであり、それぞれ「S」、「M」、「L」サイズの商品ID(商品コード)がコーディネート情報エリア226に登録されているとすると、ステップS252−2でnと置かれる商品数は12個となる。別の一例として、コーディネート画像で実際にコーディネートされている衣類が3アイテムで、そのうち1アイテムについては1色の色違いがあるとすると、アイテム数は「商品A」、「商品B」、「商品C」及び「商品D」の4アイテムとなる。そして、これらの4アイテムのそれぞれに「S」、「M」、「L」サイズの商品ID(商品コード)がコーディネート情報エリア226に登録されているとすると、ステップS252−2でnと置かれる商品数は12個となる。
続いて、情報端末101のマイクロコンピュータ201は、m=1と置く(ステップS252−3)。mは、上記一例で説明すると、12個の商品の順番を意味する。
そして、情報端末101のマイクロコンピュータ201は、m番目の商品ATLの売場S1内の陳列数が0かどうかを判定し(ステップS252−4)、m番目の商品ATLの倉庫S2内の在庫数が0かどうかを判定する(ステップS252−5)。この判定は、ステップS252の処理で在庫管理マスタエリア227(図13参照)にアクセスして既に取得済みである商品の売場内陳列数及び倉庫内在庫数のデータを参照して実行される。
CPU202は、m番目の商品ATLの売場S1内の陳列数が0ではないと判定した場合(ステップS252−4のN)、簡略在庫画面Hsの商品在庫一覧H1中における対応アイテムの対応サイズの欄に「○」を表示する(ステップS252−6)。
CPU202は、m番目の商品ATLの倉庫S2内の在庫数が0ではないと判定した場合(ステップS252−5のN)、簡略在庫画面Hsの商品在庫一覧H1中における対応アイテムの対応サイズの欄に「△」を表示する(ステップS252−7)。
CPU202は、m番目の商品ATLの倉庫S2内の在庫数が0であると判定した場合(ステップS252−5のY)、簡略在庫画面Hsの商品在庫一覧H1中における対応アイテムの対応サイズの欄に「×」を表示する(ステップS252−8)。
その後、情報端末101のマイクロコンピュータ201は、mを1つインクリメントし(ステップS252−9)、n<mを判定する(ステップS252−10)。この判定は、ステップS252−2で設定した商品数nの全てについて、簡略在庫画面Hsの商品在庫一覧H1中における対応アイテムの対応サイズ欄への在庫情報表示を終了したかどうかの判定である。
情報端末101のマイクロコンピュータ201は、n<mでないと判定すると(ステップS252−10のN)、ステップS252−3の処理にリターンする。これに対して、n<mであると判定すると(ステップS252−10のY)、ステップS252−2で設定した商品数nの全てについて、簡略在庫画面Hsの商品在庫一覧H1中における対応アイテムの対応サイズ欄への在庫情報表示を終了したことになるので、図24に示すフローチャートの処理を終了する。
情報端末101のマイクロコンピュータ201は、フラグF=0の場合(ステップS252−1のN)、在庫数をそのまま、つまり、在庫数のテキスト表示処理を実行する(ステップS252−11)。
図26は、簡略在庫画面Hsの一例を示す模式図である。図26中、商品在庫一覧H1中に「商品A」、「商品B」、「商品C」、「商品D」と表記されているのは、図17に示すフローチャート中のステップS203又はステップS211によって選択指定が判定されたコーディネート画像でコーディネートされている衣類を示している。この場合、「商品A」、「商品B」、「商品C」、「商品D」は、それぞれ別の衣類であったり、あるいは、同一商品の色違いであったりしている。また、「S」、「M」、「L」と表記されているのは、同一商品ATLについてのサイズ違いを示している。商品マスタエリア221(図7参照)は、同一商品であっても、色違いやサイズ違いを異なる商品ID(商品コード)で管理している。これにより、色違いの同一商品を例えば「商品A」、「商品B」というように区別して表示することができ、サイズ違いを「S」、「M」、「L」と区別して表示することができる。そして、「○」は売場S1内に陳列等されていて在庫があることを、「△」は売場S1内には陳列等されてなく在庫がないが倉庫S2内に在庫があることを、「×」は倉庫S2内にも在庫がないことを、それぞれ示している。
簡略在庫画面Hs中には、商品在庫一覧H1の他に、終了ボタンH2、在庫詳細ボタンH3、及び戻るボタンH4がタッチパネル105によってタッチ指定可能なコマンドオブジェクトとして表示されている。
図27は、在庫画面Hの一例を示す模式図である。図27中、商品在庫一覧H1中に「商品A」、「商品B」、「商品C」、「商品D」と表記されているのは、図17に示すフローチャート中のステップS203又はステップS211によって選択指定が判定されたコーディネート画像でコーディネートされている衣類を示している。この場合、「商品A」、「商品B」、「商品C」、「商品D」は、それぞれ別の衣類であったり、あるいは、同一商品の色違いであったりしている。また、「S」、「M」、「L」と表記されているのは、同一商品ATLについてのサイズ違いを示している。商品マスタエリア221(図7参照)は、同一商品であっても、色違いやサイズ違いを異なる商品ID(商品コード)で管理している。これにより、色違いの同一商品を例えば「商品A」、「商品B」というように区別して表示することができ、サイズ違いを「S」、「M」、「L」と区別して表示することができる。そして、在庫画面Hでは、「売場」、「倉庫」、「他店舗」の別に、個々の商品の個々のサイズ毎の在庫数が表示されている。図27に示す一例では、「他店舗」として、「原宿」、「六本木」及び「銀座」という各店舗での在庫数が示されている。これらの在庫数の値は、図13に示す在庫管理マスタエリア227に記憶保存されている在庫数の値をそのまま返した値である。
在庫画面H中には、商品在庫一覧H1の他に、終了ボタンH2及び戻るボタンH4がタッチパネル105によってタッチ指定可能なコマンドオブジェクトとして表示されている。
図23に示すフローチャートの説明に戻る。情報端末101のマイクロコンピュータ201は、ステップS252の処理に続き、イベント発生の有無の判定処理に待機している(ステップS253)。そして、CPU202は、イベント発生を判定すると(ステップS253のY)、発生したイベントが、商品ATLの在庫詳細I1(図28参照)の表示指示か(ステップS254)、商品ATLの陳列位置表示か(ステップS255)、店員IDの読み取りか(ステップS256)、戻る指定か(ステップS257)、終了指定か(ステップS258)を判定する。以下、これらの各イベント発生後の処理について説明する。
まず、ステップS254の判定処理(商品ATLの在庫詳細I1(図28参照)の表示指示)について説明する。情報端末101のマイクロコンピュータ201は、簡略在庫画面Hs中で在庫詳細ボタンH3がタッチ指定されると、商品ATLの在庫詳細I1(図28参照)の表示指示ありを判定する(ステップS254のY)。この場合、タッチパネル105による在庫詳細ボタンH3のタッチ指定に先立ち、商品在庫一覧H1中から一の商品の選択が要求される。一の商品の選択は、タッチパネル105によるタッチ指定によってなされる。図26では、「商品A」が選択指定されている状態が例示されている。このような一の商品のタッチ指定がなされ、これに続く在庫詳細ボタンH3のタッチ指定があると、CPU202は、在庫詳細ボタンH3のタッチ指定ありを判定する(ステップS254のY)。
情報端末101のマイクロコンピュータ201は、在庫詳細ボタンH3のタッチ指定ありを判定すると(ステップS254のY)、在庫詳細画面表示処理ルーチンを起動させる(ステップS259)。このルーチンは、HDD208のプログラムエリアPAにインストールされているプログラムに記述されている。在庫詳細画面表示処理ルーチンの起動により、情報端末101のマイクロコンピュータ201は、在庫詳細画面Iのフレームを液晶ディスプレイ103に表示する。そして、CPU202は、ステップS252の処理によって在庫管理マスタエリア227(図13参照)から取得した売場内陳列数及び倉庫内在庫数のデータに基づいて、ステップS254の判定処理に先立ち選択指定されている商品ATLについてその在庫詳細I1(図28参照)を在庫詳細画面I中に表示する。
図25は、在庫詳細I1の表示処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、図23のフローチャート中のステップS260における在庫詳細I1の表示処理の詳細を示している。情報端末101のマイクロコンピュータ201は、商品数をnと置く(ステップS260−1)。この場合の商品数は、在庫詳細ボタンH3のタッチ指定に先立ち選択が要求される商品在庫一覧H1に表示されている一の商品のサイズ違いの数である。色違いについては、商品在庫一覧H1中、別商品と表示されるので、在庫詳細ボタンH3のタッチ指定に先立ち選択される商品は、同一アイテムに色違い商品ATLがある場合でも、必ずある特定の色の商品ATLということになる。したがって、サイズが「S」、「M」、「L」の3サイズであるとするなら、ステップS260−1でnと置かれる商品数は3個となる。
続いて、情報端末101のマイクロコンピュータ201は、m=1と置く(ステップS260−2)。mは、上記一例で説明すると、3個の商品の順番を意味する。
そして、情報端末101のマイクロコンピュータ201は、m番目の商品ATLの売場S1内の陳列数が0かどうかを判定し(ステップS260−3)、m番目の商品ATLの倉庫S2内の在庫数が0かどうかを判定する(ステップS260−4)。この判定は、ステップS252の処理で在庫管理マスタエリア227(図13参照)にアクセスして既に取得済みである商品の売場内陳列数及び倉庫内在庫数のデータを参照して実行される。
CPU202は、m番目の商品ATLの売場S1内の陳列数が0ではないと判定した場合(ステップS260−3のN)、在庫詳細I1中における対応サイズの欄に「売場に陳列されています。」を表示する(ステップS260−5)。
CPU202は、m番目の商品ATLの倉庫S2内の在庫数が0ではないと判定した場合(ステップS260−4のN)、在庫詳細I1中における対応サイズの欄に「倉庫にありますので店員にお問い合わせ下さい。」を表示する(ステップS260−6)。
CPU202は、m番目の商品ATLの倉庫S2内の在庫数が0であると判定した場合(ステップS260−4のY)、商品在庫一覧H1中における対応アイテムの対応サイズの欄に「ごめんなさい。品切れです。」を表示する(ステップS260−7)。
その後、情報端末101のマイクロコンピュータ201は、mを1つインクリメントし(ステップS260−8)、その後、n<mを判定する(ステップS260−9)。この判定は、ステップS260−1で設定した商品数nの全てについて、在庫詳細I1中における対応サイズ欄への在庫情報表示を終了したかどうかの判定である。
情報端末101のマイクロコンピュータ201は、n<mでないと判定すると(ステップS260−9のN)、ステップS260−2の処理にリターンする。これに対して、n<mであると判定すると(ステップS260−9のY)、ステップS260−1で設定した商品数nの全てについて、在庫詳細I1中における対応サイズ欄への在庫情報表示を終了したことになるので、図25に示すフローチャートの処理を終了する。
図28は、在庫詳細画面Iの一例を示す模式図である。図28では「商品A」についての在庫詳細I1の表示例を例示している。つまり、在庫詳細I1は、「商品A」の各サイズである「S」、「M」、「L」毎に、在庫情報を言葉で表現している。「S」サイズの在庫情報は、「ごめんなさい、品切れです。」である。これは、図26に示す簡略在庫画面Hsに表示されている商品在庫一覧H1中の「×」に対応し、売場S1にも倉庫S2内にも在庫がないことを示している。「M」サイズの在庫情報は、「倉庫にありますので店員にお問い合わせ下さい。」である。これは、図26に示す簡略在庫画面Hsに表示されている商品在庫一覧H1中の「△」に対応し、売場S1内には陳列等されてなく在庫がないが倉庫S2内に在庫があることを示している。「L」サイズの在庫情報は、「売場に陳列されています。」である。これは、図26に示す簡略在庫画面Hsに表示されている商品在庫一覧H1中の「○」に対応し、売場S1内に陳列等されていて在庫があることを示している。
在庫詳細画面I中には、在庫詳細I1の他に、終了ボタンI2、位置情報ボタンI3、及び戻るボタンI4がタッチパネル105によってタッチ指定可能なコマンドオブジェクトとして表示されている。
次いで、図23に示すフローチャートに戻り、ステップS255の判定処理(商品ATLの陳列位置表示)について説明する。情報端末101のマイクロコンピュータ201は、在庫詳細画面Iに表示されている位置情報ボタンI3(図28参照)がタッチ指定されることによって商品ATLの陳列位置表示の指示を判定する(ステップS255のY)。つまり、CPU202は、在庫詳細画面I中の位置情報ボタンI3(図28参照)のタッチ指定があると、位置情報表示処理ルーチンを起動させる(ステップS261)。ここに、情報端末101の情報処理部であるマイクロコンピュータ201が、操作入力部であるタッチパネル105による選択指定された衣類の陳列位置の表示指示を許容する手段、機能、処理が実行される。
位置情報表示処理ルーチンは、HDD208のプログラムエリアPAにインストールされているプログラムに記述されている。位置情報表示処理ルーチンの起動により、情報端末101のマイクロコンピュータ201は、陳列位置画面J(図29参照)のフレームを液晶ディスプレイ103に表示する。そして、情報端末101のマイクロコンピュータ201は、売場S1に設置されている陳列棚63に配置されている全ての売場リーダ73に対して、商品ID(商品コード)の送信を求める司令を出力する(ステップS262)。ここに、情報処理部であるマイクロコンピュータ201が、陳列位置を表示すべき指示に従い、複数個のRFIDリーダである売場リーダ73に向けて商品コードの送信を求める司令を出力する手段、機能、処理が実行される。
位置情報表示処理ルーチンの起動に応じて、個々の売場リーダ73は、その読み取り可能領域内に配置されている商品ATLに付されている商品タグATに内蔵されているRFIDチップと近距離無線通信を実行し、このRFIDチップが記憶している当該商品ATLを特定する商品コードを取得する。そして、構内ネットワーク153を介して、自機を特定する一意のIPアドレス(売場リーダID)に取得した全ての商品コードを付して情報端末101に送信する。
そこで、情報端末101のマイクロコンピュータ201は、在庫画面Hから選択指定されて在庫詳細画面Iとして在庫詳細I1を表示し、その陳列位置画面Jの表示が求められている商品ATLの商品ID(商品コード)と、個々の売場リーダ73から受信した商品ID(商品コード)とを照合する(ステップS263)。つまり、このステップS263の処理では、陳列位置画面Jの表示が求められている商品ATLの商品ID(商品コード)と同一の商品ID(商品コード)を送信してきた売場リーダ73のIPアドレス(売場リーダID)を検索する。これにより、陳列位置画面Jの表示が求められている商品ATLに付されている商品タグATに内蔵されているRFIDチップを読み取っている売場リーダ73が特定される。
そこで、情報端末101は、その特定された売場リーダ73の配置位置を検索する処理を実行する。つまり、陳列位置管理エリア228(図14)にアクセスし、ステップS263の処理で検索し取得したIPアドレス(売場リーダID)をキーとして、これに紐付けられている表示エリア(画像ID)を取得する(ステップS264)。続いて、陳列位置画像エリア229(図15)にアクセスし、ステップS263の処理で検索し取得した表示エリア(画像ID)をキーとして、これに紐付けられているバイナリデータを取得する(ステップS265)。このような処理の結果、上記特定された売場リーダ73の配置位置という現実世界そのものが検索されるわけではないが、陳列位置画像エリア229(図15)に記憶保存されている陳列位置画像であるバイナリデータが検索されて取得される。この陳列位置画像は、前述したように、売場S1を表現する写真やイラスト等の画像であり、個々の売場リーダ73による商品タグATの読み取りエリアを示す表示を含んでいる。したがって、上記特定された売場リーダ73の配置位置を示す仮想世界を検索によって取得することができる。したがって、ステップS265の処理では、陳列位置画面Jにそのような仮想世界である陳列位置表示J1を表示する。その結果、情報端末101の閲覧者に自分が選んだ商品ATLの位置を視覚的に報知することが可能となる。ここに、情報処理部であるマイクロコンピュータ201が、陳列位置定義を構成する陳列位置管理エリア228(図14参照)及び陳列位置画像エリア229(図15参照)を検索し、選択指定された商品タグATの商品ID(商品コード)を送信してきた売場リーダ73に紐付けされている陳列位置である陳列位置表示J1を取得し、取得した陳列位置表示J1を液晶ディスプレイ103に表示する手段、機能、処理が実行される。
図29は、陳列位置画面Jの一例を示す模式図である。陳列位置画面Jには、陳列位置表示J1が表示されている。図29に示す一例では、売場S1という現実世界(図4参照)を仮想的に表現している。つまり、現実世界の売場S1を売場画像S1vとして表示している。そして、合計5列の陳列棚63を陳列棚画像63vとして表示し、エントランス64をエントランス画像64vとして表示し、陳列ブース65を陳列ブース画像65vとして表示している。更に、チェックアウトカウンタ66をチェックアウトカウンタ66vとして表示し、試着室67を試着室画像67vとして表示、コーディネート閲覧コーナー68をコーディネート閲覧コーナー画像68vとして表示している。
図29に例示する陳列位置表示J1では、右から3列目の陳列棚画像63vの一部領域に目印J2が表示され、この目印J2から「2段目の棚」にあります。」と表記された吹出J3が表示されている。これにより、情報端末101において陳列位置画面Jを閲覧する閲覧者は、目印J2で示され吹出J3で指示されている場所に自分が選んだ商品ATLが置かれていることを知ることができる。
陳列位置画面J中には、陳列位置表示J1の他に、終了ボタンJ4及び戻るボタンJ5がタッチパネル105によってタッチ指定可能なコマンドオブジェクトとして表示されている。
図23に示すフローチャートに戻り、ステップS256の判定処理(店員IDの読み取り)について説明する。情報端末101のマイクロコンピュータ201は、店員IDの読み取りを判定すると(ステップS256のY)、ログイン処理(図17のステップS201)の際に設定したフラグFの値を参照する(ステップS266)。フラグFの値は、フラグF=1であれば顧客IDによるログイン(図18のステップS201−1のY)、フラグF=0であれば店員IDによるログイン(図18のステップS201−1のN)として設定されている。したがって、フラグF=1である場合(ステップS266のY)、ステップS252の処理によって液晶ディスプレイ103に表示されている画面は、簡略在庫画面Hs(図26参照)である。この簡略在庫画面Hsからは、在庫詳細ボタンH3のタッチ指定によって在庫詳細画面I(図28参照)に入ることができ(ステップS254のY)、在庫詳細画面Iからは、位置情報ボタンI3のタッチ指定によって陳列位置画面J(図29参照)に入ることができる(ステップS255のY)。このため、フラグF=1である場合(ステップS266のY)、液晶ディスプレイ103の画面表示は、簡略在庫画面Hs(図26参照)か、在庫詳細画面I(図28参照)か、あるいは陳列位置画面J(図29参照)かのいずれかである。これに対して、フラグF=0である場合(ステップS266のN)、ステップS252の処理によって液晶ディスプレイ103に表示されている画面は、在庫画面H(図27参照)である。在庫画面Hからは、直接的又は間接的に、在庫詳細画面I(図28参照)、陳列位置画面J(図29参照)に入ることができない。
ここで、簡略在庫画面Hsは、図26に示すように、個々の商品ATLの在庫情報として在庫の有無のみを示し、在庫数までは示さない。例えば、「商品A」の「M」サイズの在庫は、簡略在庫画面Hsの商品在庫一覧H1において、「△」として示されている。これは、前述したように、売場に陳列されていないが倉庫S2にあることを示している。これに対して、商品在庫一覧H1に在庫数まで表示する在庫画面H(図27参照)によって明らかなように、「商品A」の「M」サイズは、倉庫S2に37個あり、更に、原宿店に80個、六本木店に20個、銀座店に30個ある。もしも、顧客に閲覧させる簡略在庫画面Hsにそのような実際の在庫数を表示したならば、顧客の購買意欲が失われてしまったり、その顧客を他店舗にとられてしまったりする可能性があるので、簡略在庫画面Hsにおける在庫情報の簡略表示は、そのような不都合を回避するのに一役買っている。
ところが、顧客が簡略在庫画面Hsを閲覧している情報端末101において、店員が実際の在庫数を知りたいと思う状況が生ずることがある。例えば、その情報端末101で簡略在庫画面Hsを閲覧している顧客から呼び止められ、ある商品ATLの在庫が倉庫S2内にどの程度あるのかを尋ねられたり、売場S1での陳列も倉庫S2内の在庫もない商品ATLの入荷予定を尋ねられたりした場合である。前者の事例では、店員は倉庫S2内の実際の在庫数を知る必要があるし、後者の事例では、店員は他店舗での在庫数を知る必要がある。このような場合、例えば店舗WEBサーバ152やPOS端末151の場所まで赴いて必要な情報を取得するよりは、その場で情報端末101から情報を取得する方が、円滑な接客に資することになり、顧客サービスの向上を期待することできる。
そこで、このような場合、情報端末101の液晶ディスプレイ103に簡略在庫画面Hs(図26参照)、在庫詳細画面I(図28参照)、又は陳列位置画面J(図29参照)が表示されている状態で、店員は、所持するIDカード(図示せず)を情報端末101のRFIDリーダライタ210のアンテナ(図示せず)にかざす。これにより、RFIDリーダライタ210は、そのIDカードに内蔵されているRFIDチップに記憶されている店員IDを読み取って出力する。すると、情報端末101のマイクロコンピュータ201は、フラグF=1を判定するはずであるので(ステップS266のY)、図24中のステップS252−11への割り込み処理を実行する(ステップS267)。これにより、簡略在庫画面Hsが在庫画面Hに切り替わり、その商品在庫一覧H1には在庫数がテキスト表示される。
情報端末101のマイクロコンピュータ201は、フラグF=1を判定した場合には(ステップS266のY)、図24中のステップS252−11への割り込み処理を実行した後(ステップS267)、フラグF=0を判定した場合には(ステップS266のN)、ステップS267を経ることなく、ステップS253のイベント発生の有無判定にリターンする。
図23に示すフローチャートに戻り、ステップS257の判定処理(戻る指定)について説明する。情報端末101のマイクロコンピュータ201は、簡略在庫画面Hs(図26参照)又は在庫画面H(図27参照)での戻るボタンH4、在庫詳細画面I(図28参照)での戻るボタンI4、又は陳列位置画面J(図29参照)での戻るボタンJ5のタッチ指定を判定すると(ステップS257のY)、一画面前への戻る処理を実行する(ステップS268)。そして、ステップS253のイベント発生の有無判定にリターンする。
一例として、ステップS256で店員IDの読み取りが判定され(ステップS256のY)、図24中のステップS252−11への割り込み処理が実行された結果(ステップS267)、簡略在庫画面Hsが在庫画面Hに切り替わっている状態で戻る指定が判定されると(ステップS257のY)、液晶ディスプレイ103の画面表示は直ちに簡略在庫画面Hsに復帰する。このことから、ステップS256で店員IDの読み取り判定(ステップS256のY)は、ログインのし直しを意味しているわけではなく、単なる画面表示の切り替えであることが分かる。
図23に示すフローチャートに戻り、ステップS258の判定処理(終了指定)について説明する。情報端末101のマイクロコンピュータ201は、簡略在庫画面Hs(図26参照)又は在庫画面H(図27参照)での終了ボタンH2、在庫詳細画面I(図28参照)での終了ボタンI2、又は陳列位置画面J(図29参照)での終了ボタンJ4のタッチ指定を判定すると(ステップS258のY)、在庫画面表示処理ルーチン(ステップS251)を終了する。
4.決済フェーズ
決済フェーズについて簡単に説明する。
POS端末151のマイクロコンピュータ251は、そのHDD258のプログラムエリアPA(図16参照)に決済処理を含む商品販売データ処理用のコンピュータプログラムをインストールしている。このコンピュータプログラムの全部又は一部は、POS端末151の起動時にRAM255に移される。POS端末151のマイクロコンピュータ251は、RAM255に移された商品販売データ処理用のコンピュータプログラムに従い、商品販売データ処理を実行する。つまり、商品ATLに付された商品タグATに印刷されているバーコードや2次元コード等のコードシンボルがバーコードリーダ260に読み取られると、バーコードリーダ260は読み取ったコードシンボルをデコードして商品コードを生成し、これをPOS端末151に送信する。POS端末151のCPU252は、キーボードKBによる締め操作があるまで、バーコードリーダ260から送信されてきた商品コードを取り込んでRAM255のワークエリアに仮登録し、締め操作があると、これをHDD258に本登録する。そして、レシートプリンタ262によるレシート発行等を含む決済処理を実行する。
POS端末151のCPU252は、決済処理を実行すると、構内ネットワーク153を介して、決済処理した商品ATLの商品コードを決済報告として情報端末101に送信する。
情報端末101のマイクロコンピュータ201は、POS端末151からの決済報告を受信すると、在庫管理マスタエリア227における決済処理された商品ATLの売場内陳列数を一つ減少(デクリメント)させる。売上によってその商品ATLの店舗S内の陳列数(在庫数)が一つ減ったからである。
5.データ送受信フェーズ
データ送受信フェーズについて簡単に説明する。
前述したように、データ送受信フェーズでは、コーディネート情報登録フェーズで店員によって登録されたコーディネート情報を個々の店舗Sと本部HOとの間で送受信する。これにより、本部HOに設置されているホストコンピュータ11には、全ての店舗Sにおいて情報端末101で生成された各種の情報が集積され、情報管理が可能となる。
また、データ送受信フェーズでは、個々の店舗SのPOS端末151によって発生した売上データを本部HOのホストコンピュータ11に送信する。本部HOのホストコンピュータ11では、個々の店舗Sから集めた上記売上データを記憶保存して管理すると共に、その売上データに基づいて各店舗Sの在庫情報を生成する。そして、生成した在庫情報を個々の店舗Sの情報端末101に送信する。これにより、各店舗Sの在庫情報を他の全ての店舗Sでも共有可能となる。
6.本実施の形態の店舗システムの作用効果
情報端末101のマイクロコンピュータ201は、
(1)表示部である液晶ディスプレイ103にログイン画面(図示せず)を表示し、特定のユーザID(店員ID)の入力に基づく高い権限でのログインと特定のユーザIDではない顧客IDの入力に基づく通常権限でのログインとを許容する処理
(2)操作入力部であるタッチパネル105による一の商品ATLの選択指定を許容する処理
(3)在庫データベースである在庫管理マスタエリア227から、選択指定された商品ATLの商品コードに紐付けされている在庫情報を取得する処理
(4)高い権限でログインしたユーザ(店員)に対して、取得した在庫情報をそのまま報知する在庫画面Hを液晶ディスプレイ103に表示する処理
(5)通常権限でログインしたユーザ(顧客)に対して、取得した在庫情報を簡略化情報に変換して報知する簡略在庫画面Hsを液晶ディスプレイ103に表示する処理
(6)簡略在庫画面Hsの表示中に、ログイン画面(図示せず)でのログインを経ることなく特定のユーザID(店員ID)の入力を許容し、当該特定のユーザIDの入力があった場合には簡略在庫画面Hsを在庫画面Hに切り替える処理
を実行する。したがって、同一の情報端末101において、ログインし直すという煩わしい操作を要求することなく、顧客用の簡略化された簡略在庫画面Hsの表示中に店員用の簡略化しない在庫画面Hを表示することができる。これにより、店員による在庫確認作業を煩雑な操作なく円滑に実現させることができ、顧客に対するスピーディな在庫情報の提供が可能となって顧客に対するサービスの質の向上に資することができる。
また、情報端末101のマイクロコンピュータ201は、タッチパネル105での戻る指定の操作に応じて、在庫画面Hに切り替えた簡略在庫画面Hsを元の簡略在庫画面Hsに復帰させるようにしたので、極めて簡単な操作によって在庫画面Hから簡略在庫画面Hsへの復帰を実現させることができる。この面でも、顧客に対する円滑かつスピーディな接客が可能となり、顧客に対するサービスの質の向上に資することができる。
情報端末101のマイクロコンピュータ201は、上記(5)の簡略在庫画面Hsを液晶ディスプレイ103に表示するに際して、特有の表示手法を実行する。つまり、在庫管理マスタエリア227の売場内陳列数に1以上の整数が登録されて陳列ありを示す場合には、倉庫S2内の在庫情報を示すことなく売場S1内の陳列情報のみを表示する。また、在庫管理マスタエリア227の売場内陳列数が0であるが倉庫内在庫数に1以上の整数が登録されて在庫ありを示す場合には、売場S1内の陳列情報を表示することなく倉庫S2内の在庫情報のみを表示する。しかも、在庫管理マスタエリア227が売場内陳列数及び倉庫内在庫数で管理している数量は表示せず、ありかなしか等の簡略情報のみを表示する。これにより、顧客には必要最小限の情報のみを提供することができ、例えば膨大な在庫数量があることが判明して購入意欲が薄れる等の弊害の発生を防止することができる。
更に、情報端末101のマイクロコンピュータ201は、
(7)陳列位置定義(陳列位置管理エリア228、陳列位置画像エリア229)を検索し、商品コードを送信してきた売場リーダ73に紐付けされている陳列位置を取得し、取得した陳列位置を陳列位置画面J中の陳列位置表示J1として液晶ディスプレイ103に表示する処理
を実行する。したがって、目的とする所望の商品ATLが売場S1内のどの当たりにあるのかを、陳列位置画面Jを閲覧する閲覧者に視覚的に示すことができる。これにより、顧客に対して、その顧客が目的とする商品ATLが売場S1内のどこにあるのかを容易に報知することができ、販売の促進、店員の労力軽減等を図ることができる。
7.別の実施の一例(その一)
本実施の形態では、目的とする所望の商品ATLが売場S1内のどの当たりにあるのかを取得するために、売場S1内に設置されている陳列棚63の各所に複数個の売場リーダ73を配備している。これに対して、同一の目的を達成するためには、近年実用化されているスマートシェルフを用いることも可能である。スマートシェルフは、衣類を陳列する一又は複数段の陳列棚、あるいは衣類を収納するドロワを備え、これらの陳列棚又はドロワの複数位置に近距離無線通信用のアンテナを配置している。そして、例えばUHF帯を用いた近距離無線通信を実行するRFIDリーダを内蔵する。このRFIDリーダは、複数のアンテナを介して、陳列棚に陳列されていたりドロワに収納されていたりする商品ATLに付された商品タグATが内蔵するRFIDチップと近距離無線通信を実行し、個々の商品タグATから商品コードを取得する。
そこで、別の実施の形態としては、スマートシェルフのRFIDリーダを、近距離無線通信によって読み取った商品コードを個々のアンテナ単位でそのアンテナIDと共に送信出力するように構成する。そして、個々のアンテナと陳列位置とを紐付けして記憶するような陳列位置定義を用意しておく。その一例としては、本実施の形態の陳列位置管理エリア228の表示エリア(画像ID)に紐付けされる対象を売場IDではなくアンテナIDとしたものを、システム内の何処かの記憶領域に設けておく。陳列位置画像エリア229はそのまま用いることができる。このような構成を前提として、情報端末101のHDD208のプログラムエリアPAにインストールされているコンピュータプログラムは、マイクロコンピュータ201に、閲覧者が予め選択指定した商品コードと同一の商品コードを含むスマートシェルフのRFIDリーダから送信されたデータ列に含まれているアンテナIDを検索させる。この検索の結果、アンテナIDが判明すれば、陳列位置管理エリア228(図14参照)から表示エリア(画像ID)を取得することができる。その後は、前記本実施の形体と同様に、陳列位置画像エリア229(図15参照)から、目的とする商品ATLの配置位置を含むバイナリデータを取得することができる。そこで、取得したバイナリデータを陳列位置画面Jに陳列位置表示J1として表示すれば(図29参照)、目的とする所望の商品ATLが売場S1内のどの当たりにあるのかを、陳列位置画面Jを閲覧する閲覧者に視覚的に示すことができる。
8.別の実施の一例(その二)
本実施の形態では、商品マスタエリア221、店員マスタエリア222、顧客マスタエリア223、利用範囲マスタエリア224、メタ画像蓄積エリア225、コーディネート情報エリア226、在庫管理マスタエリア227、陳列位置管理エリア228及び陳列位置画像エリア229を、全て情報端末101のHDD208にインストールしている構成を例示している。これに対して、これらの各種エリア(221〜229)の全部又は一部は、例えばPOS端末151のHDD258に設けられていても良い。あるいは、店舗Sにサーバ(図示せず)を設置し、このサーバに上記各種エリア(221〜229)の全部又は一部を設けても良い。さらには、本部HOに設置されているホストコンピュータ11に、上記各種エリアの全部又は一部を設けても良い。これらの変形例では、情報端末101は自らのHDD208以外の場所に配置されている上記各種エリア(221〜229)にアクセスし、必要な処理を実行する。
また、情報端末101を分散型コンピュータとして構築しても良い。この場合には、情報端末101のHDD208のプログラムエリアPAにインストールされているコンピュータプログラムの一部を、分散配備される各種コンピュータにインストールする。
73…売場リーダ(RFIDリーダ)、101…情報端末(情報提供装置)、103…液晶ディスプレイ(表示部)、105…タッチパネル(操作入力部)、201…マイクロコンピュータ(情報処理部)、210…RFIDリーダライタ(RFIDリーダ)、227…在庫管理マスタエリア(在庫データベース)、228…陳列位置管理エリア(陳列位置定義)、AT…商品タグ(無線タグ)、ATL…商品、H…在庫画面、Hs…簡略在庫画面、S1…売場、S2…倉庫