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JP2010044470A - 静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路、静電容量型センサーモジュール、静電容量型センサーデバイスの容量変化測定方法及び電子機器 - Google Patents

静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路、静電容量型センサーモジュール、静電容量型センサーデバイスの容量変化測定方法及び電子機器 Download PDF

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JP2010044470A JP2008206443A JP2008206443A JP2010044470A JP 2010044470 A JP2010044470 A JP 2010044470A JP 2008206443 A JP2008206443 A JP 2008206443A JP 2008206443 A JP2008206443 A JP 2008206443A JP 2010044470 A JP2010044470 A JP 2010044470A
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Abstract

【課題】スキャン速度の高速化技術を提案する。
【解決手段】静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路として、(1)静電容量型センサーデバイスを構成する複数列の第1の電極パターンに、所定周期で入力パルス信号を線順次に入力する電極駆動部、(2)第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンを通じて取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存するピークホールド回路、(3)入力パルス信号の1周期以内に、容量素子の電位を初期化する電流源、(4)容量素子の保持電位と基準値を比較するコンパレータ、(5)容量素子の保持電位が基準値を交差するタイミング情報と、入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する複数の判定部を有するものを提案する。
【選択図】図7

Description

この明細書で説明する発明は、静電容量型センサーデバイスに対する操作入力又は位置入力の検出技術に関する。なお、この明細書で提案する発明は、静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路、静電容量型センサーモジュール、静電容量型センサーデバイスの容量変化測定方法及び電子機器としての側面を有する。
今日、様々な種類の位置入力装置が存在する。その一つに、指や指と同等の電気特性を有する専用のポインティングデバイスを用いるセンサーデバイスがある。この種のセンサーデバイスは用途に応じて様々な方式が存在する。以下では、静電容量型センサーデバイスとその駆動回路(容量変化測定回路)で構成される静電容量型センサーモジュールについて検討する。
図1及び図2に、静電容量型センサーモジュールの概略構成例を示す。静電容量型センサーモジュールは、静電容量型センサーデバイス1とその容量変化を検出する回路(以下、「容量変化測定回路」という。)11とで構成される。センサーデバイス1は、平板状の基材3の片面に複数本の電極パターン5を配線し、基材3の他面に複数本の電極パターン7を配線した構造を有している。
例えば上面側の電極パターン5はY軸方向に延びるように配線され、下面側の電極パターン7はX軸方向に延びるように配線される。なお、上面側の電極パターン5の表面は不図示の保護膜で覆われている。また、電極パターン5及び7の交点部分には微小な容量が形成され、当該容量を通じて上面側の電極パターン5と下面側の電極パターンとが電気的に接続されている。
なお、表示デバイスの表面に配置してタッチパネルとして使用される静電容量型センサーデバイス1の場合には、基材3及び電極パターン5、7のそれぞれが、表示画面を視認できるように透過性の高い材質で構成される。例えば基材3には、ガラス基板やプラスチックフィルムが用いられる。また例えば、電極パターン5及び7には、ITO電極が用いられる。
一方、容量変化測定回路11は、静電容量型センサーデバイス1との間に閉回路を形成し、閉回路に発生する電気特性の変化の検出を通じて操作の有無と操作位置を検出できるように構成されている。因みに、閉回路は、引き出し配線パターン、電極パターン5、電極パターンの交点に形成される容量、電極パターン7、引き出し配線パターン及び容量変化測定回路11によって構成される。等価回路の詳細については後述する。
図3に、静電容量型センサーモジュールの従来回路例を示す。なお、この従来回路例は、特許文献1に開示された発明に対応するものである。また、図3に示す静電容量型センサーデバイス1の構成は、各処理タイミングにおいて測定対象となる閉回路の容量成分を表している。因みに、Ctpは、電源パターン5及び7の交点部分に静的に形成される容量成分である。
また、Cbulkは、電極パターン5及び7の容量成分と、電極パターン5及び7と静電容量変化測定回路11とを接続する引き出し配線の容量成分と、基材3の容量成分と、ICピンの容量成分との総和で与えられる静的な容量成分である。また、Cfは、指又は指と同等の電気特性を有するデバイスと電極パターン5及び7との間に発生する動的な容量成分である。図3では、測定経路(閉回路)上に存在する全ての容量成分をCxで表している。
また、図3に示す容量変化測定回路11は、電圧源Vrと、容量Cref と、3つのアナログスイッチS1、S2、S3と、コンパレータ13と、回数カウンタ15とで構成される。この回路構成において、容量変化測定回路11は、以下の動作を順に実行し、操作入力の有無を判定する。
(1)まず、全てのアナログスイッチS1、S2、S3をオン状態に制御する。この動作により、容量Cref とCxの電荷を放電する。
(2)容量Cref とCxの電荷が全て放電されると、全てのアナログスイッチS1、S2、S3をオフ状態に制御する。
(3)この後、アナログスイッチS1のみをオン制御する。このとき、キルヒホフの法則により、Cref とCxに等しい大きさの電荷Qがチャージされる。
(4)次に、全てのアナログスイッチS1、S2、S3をオフ状態に制御する。その後、アナログスイッチS2だけをオン制御する。これにより、測定経路上の容量Cxだけが放電される。
(5)前述した(2)〜(4)の動作を繰り返し実行する。すると、図4に示すように、容量Cref の電圧が徐々に上昇する。やがて、図3のA点電圧が基準電位Vref を越えると、この時点でコンパレータ13の判定出力が変化する。また、この判定出力の変化を通じて、繰り返し動作が停止制御される。
(6)前述したように、コンパレータ13の判定出力が変化するまでの間、計数された回数カウンタ15のカウント値が出力される。なお、このカウント値が、測定経路上の容量Cxの測定値となる。なお、測定経路上に指がある場合と指がない場合とでは、測定経路上の容量Cxの大きさが異なる。すなわち、Cf分だけ異なる。従って、測定されたカウント値と、指が存在しない場合のカウント値とを比較することで指の有無を判定することができる。
特表2002−530680号公報
ところで、特許文献1に示す発明は、アナログスイッチS1のオン期間が一瞬であるのに加え、オン期間中の動作モードは電流モードである。このため、特許文献1に示す容量変化測定回路11は、ノイズ耐性が高いと言われている。
その一方で、アナログスイッチS1、S2、S3の切替制御は、約500kHzの周期で実行される。このため、A点電圧が基準電位Vref に達するまでには、約1000回の切り替え動作が必要とされる。すなわち、特許文献1に示す容量変化測定回路11は、検出精度が高いが検出動作に時間がかかり、高速入力には適しないという問題がある。
例えば500kHzで駆動する場合、1パルス周期は2μsである。従って、1ラインの測定経路について必要な測定時間は、2ms(=2μs×1000回)である。従って、電極パターン5が10本ある場合、全ラインに入力パルス信号が走査入力されるのに必要な時間は、20msにもなる。
そこで、発明者は、高速入力に対応可能な技術を提案する。
(A)静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路
例えば静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路として、以下のデバイスを有するものを提案する。
(1)静電容量型センサーデバイスを構成する複数列の第1の電極パターンに、所定周期で入力パルス信号を線順次に入力する電極駆動部
(2)第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンを通じて取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存するピークホールド回路
(3)入力パルス信号の1周期以内に、容量素子の電位を初期化する電流源
(4)容量素子の保持電位と基準値を比較するコンパレータ
(5)容量素子の保持電位が基準値を交差するタイミング情報と、入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する複数の判定部
なお、基準タイミング情報は、第1及び第2の電極パターンの交点位置に対応する測定点毎に設定されていることが望ましい。
また、タイミング情報は、入力パルス信号のエッジ検出タイミングから容量素子の保持電位が基準値を交差するまでの経過時間であり、基準タイミング情報は、無操作時における経過時間であることが望ましい。
また、電流源による放電動作の開始タイミングは、検出信号について想定されるピークレベルの出現タイミング以降に定められることが望ましい。この場合、ピークレベルの出現タイミングのバラツキの影響を受けずに、ピークレベルの変化のみを正確に測定することができる。
また、第1及び第2の電極パターン上での伝搬経路長と、各電極パターンまでの伝搬経路長との組み合わせで規定される伝搬経路長に基づいて、操作領域別に、入力パルス信号のパルス周波数を設定することが望ましい。この際、組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より短い第1の操作領域については、入力パルス信号のパルス周波数を第1のパルス周波数F1に設定し、組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より長い第2の操作領域については、入力パルス信号のパルス周波数を第2のパルス周波数F2(>F1)に設定することが望ましい。
一般的に、第1の操作領域から得られる検出信号のピークレベルは高く、第2の操作領域から得られる検出信号のピークレベルは低くなる。このため、操作入力の有無の検出に要する時間は、第2の操作領域の方が相対的に短く済む。従って、第2の操作領域に入力するパルス周波数を高くすることにより、検出速度を速めることができる。
その一方で、前述した(1)〜(5)に示すデバイスを有する容量変化測定回路では、第1及び第2の電極パターン上での伝搬経路長と、各電極パターンまでの伝搬経路長との組み合わせで規定される伝搬経路長に基づいて、操作領域別に、電流源の電流量を設定することが望ましい。
この際、組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より短い第1の操作領域については、電流量を第1の電流量I1に設定し、組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より長い第2の操作領域については、電流量を第2の電流量I2(<I1)に設定することが望ましい。すなわち、ピークレベルが高い操作領域の電流量を高くすることが望ましい。結果的に、操作入力の有無の検出に要する時間を短縮することが可能になる。
従って、組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より短い第3の操作領域については、入力パルス信号のパルス周波数を第1のパルス周波数F1に設定し、組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より長い第4の操作領域については、入力パルス信号のパルス周波数を第2のパルス周波数F2(>F1)に設定することができる。
すなわち、電流量の制御を組み合わせることにより、操作入力の有無の検出に要する時間を更に短縮できる。
また、前述した(1)〜(5)に示すデバイスを有する容量変化測定回路では、第1及び第2の電極パターン上での伝搬経路長と、各電極パターンまでの伝搬経路長との組み合わせで規定される伝搬経路長に基づいて、操作領域別に、コンパレータの基準値を設定することが望ましい。この場合、コンパレータの基準値を固定する場合に比して、各操作領域に入力するパルス周波数を高速化できる。
この際、組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より長い第1の操作領域については、基準値を第1の基準値R1に設定し、組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より短い第2の操作領域については、前記基準値を第2の基準値R2(>R1)に設定することが望ましい。
また、前述した(1)〜(5)に示すデバイスを有する容量変化測定回路におけるピークホールド回路は、正極周期のピークレベルだけを保持しても良いし、反対に負極周期のピークレベルだけを保持しても良い。
また、正極周期と負極周期の両方についてピークレベルの絶対値を検出する場合には、電流源の電流駆動能力が、入力パルス信号の半周期以内に、容量素子の電位を初期化できるように設定することにより、入力パルス信号のパルス周波数を高速化しなくても判定動作の高速化を実現できる。
(B)静電容量型センサーモジュール
また、発明者は、例えば静電容量型センサーモジュールとして、以下のデバイスを有するものを提案する。
(1)所定周期の入力パルス信号が線順次に入力される複数列の第1の電極パターンと、第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンとを有する静電容量型のセンサーデバイス
(2)複数列の第2の電極パターンから取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存するピークホールド回路
(3)入力パルス信号の1周期以内に、容量素子の電位を初期化する電流源
(4)容量素子の保持電位と基準値を比較するコンパレータ
(5)容量素子の保持電位が基準値を交差するタイミング情報と、入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する複数の判定部
(C)静電容量型センサーデバイスの容量変化測定方法
また、発明者は、例えば静電容量型センサーデバイスの容量変化測定方法として、以下の処理を有するものを提案する。
(1)静電容量型センサーデバイスを構成する複数列の第1の電極パターンに、所定周期で入力パルス信号を線順次に入力する処理
(2)第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンを通じて取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存する処理
(3)入力パルス信号の1周期以内に、容量素子の電位を初期化する処理
(4)容量素子の保持電位と基準値を比較する処理
(5)容量素子の保持電位が前記基準値を交差するタイミング情報と、入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する処理
(D)電子機器
また、発明者は、例えば電子機器として、以下のデバイスを有するものを提案する。
(1)表示デバイス
(2)表示デバイスの表面に配置される静電容量型のセンサーデバイスであって、所定周期の入力パルス信号が線順次に入力される複数列の第1の電極パターンと、第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンとを有する静電容量型のセンサーデバイス
(3)複数列の第2の電極パターンから取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存するピークホールド回路
(4)入力パルス信号の1周期以内に、前記容量素子の電位を初期化する電流源
(5)容量素子の保持電位と基準値を比較するコンパレータ
(6)容量素子の保持電位が基準値を交差するタイミング情報と、入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する複数の判定部
(7)システム全体の動作を制御するシステム制御部
(E)電子機器
また、発明者は、例えば電子機器として、以下のデバイスを有するものを提案する。
(1)透過性の材料で形成される静電容量型のセンサーデバイスであって、所定周期の入力パルス信号が線順次に入力される複数列の第1の電極パターンと、第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンとを有する静電容量型のセンサーデバイス
(2)複数列の第2の電極パターンから取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存するピークホールド回路
(3)入力パルス信号の1周期以内に、前記容量素子の電位を初期化する電流源
(4)容量素子の保持電位と基準値を比較するコンパレータ
(5)容量素子の保持電位が基準値を交差するタイミング情報と、入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する複数の判定部
(6)システム全体の動作を制御するシステム制御部
発明者の提案する発明の場合、電流モードで動作するのでノード耐性が高い。加えて、ピークホールド回路によるピークレベルの保持及び操作入力の判定動作が入力パルス信号の1周期以内に完了する。このため、従来技術に比して格段に高速なスキャン動作が可能になる。
以下、発明の最良の形態を説明する。なお、本明細書で特に図示又は記載されない部分には、当該技術分野の周知又は公知技術を適用する。また以下に説明する形態例は、発明の一つの形態例であって、これらに限定されるものではない。
(A)静電容量型センサーモジュールの外観構成
図5に、静電容量型センサーモジュールの外観構成例を示す。静電容量型センサーモジュール21は、静電容量型センサーデバイス23と、その引出し配線であるFPC(フレキシブルプリント配線基板)25と、容量変化測定回路27で構成される。
静電容量型センサーデバイス23は、前述したように基材の両面に電極パターンを格子状に形成した構造を有している。また、容量変化測定回路27は、前述したように線順次に閉回路を選択して入力パルス信号を印加し、その検出信号に基づいて静電容量の変化の有無を測定する回路機能を有している。
なお、容量変化測定回路27は、半導体集積回路として形成される場合だけでなく、FPC上に回路パターンとして形成される場合も含まれる。また、容量変化測定回路27の一部処理は、コンピュータによるアプリケーション処理を通じて実現されるようにしても良い。
(B)形態例1
(B−1)検出原理
この形態例では、入力パルス信号の立ち上がりタイミングで発生する検出パルスの正極波形のピークレベルに着目する。図6に、ある測定点(閉回路)に着目した検出パルスの波形変化を示す。図中横軸は、入力パルス信号の立ち上がりタイミングからの経過時間であり、図中縦軸は検出信号に対応する電流量である。
図6に示すように、操作面に指が触れていない場合のピークレベルが最も高く、指と操作面との間に形成される容量成分が大きいほどピークレベルが小さくなる。すなわち、指と操作面との接触面積が増えるほどピークレベルが低下する。なお、このピークレベルの振幅と変化幅の大きさは、後述するように操作面上の位置に応じて異なる。ただし、いずれの位置においても図6に示すようなピークレベルの変化が認められる。
そこで、発明者は、このピークレベルの変化に着目し、測定対象である各閉回路のピークレベルの変化を検出することにより、指の接触の有無と接触位置を検出する技術を提案する。また、発明者は、ピークレベルの変化を、ピークホールド回路を構成する容量Cの電位が所定レベルまで低下するのに要する時間長の変化として検出する技術を提案する。この際、低下速度を決定する電流源の速度を入力パルス信号の1周期以内に設定することで、1つの閉経路に対する操作入力の判定動作を1周期以内に完了できるようにする。
以下、この検出原理を採用した静電容量型センサーモジュールの形態例を説明する。
(B−2)システム構成
図7に、この形態例に係る静電容量型センサーモジュール31のシステム構成例を示す。なお、静電容量型センサーモジュール31では、静電容量型センサーデバイス23を簡略化して表している。
静電容量型センサーモジュール31は、静電容量型センサーデバイス23と、容量変化測定回路33とで構成される。
容量変化測定回路33は、発振器35、デマルチプレクサ37、マルチプレクサ39、シーケンサ41、電流入力電圧出力型アンプ43、ピークホールド回路45、電流源47、コンパレータ49、測定部51、判定部53で構成される。
発振器35は、予め設定された固定周波数の矩形形状の入力パルス信号を発生する回路である。もっとも、入力パルス信号の波形は矩形波に限らず、正弦波や三角波その他の形状でも良い。この形態例の場合、発振器35は、500kHzの周波数で入力パルス信号を発生する。
デマルチプレクサ37は、シーケンサ41が指示する順番に入力パルス信号の供給先を切り替える回路である。入力パルス信号の供給先は、複数本の電極パターン5のうちいずれか1つである。
マルチプレクサ39は、シーケンサ41が指示する順番に検出信号が取り出される電極パターン7を切り替える回路である。
シーケンサ41は、入力パルス信号を供給する電極パターン5への接続順序と検出信号の取り出し元となる電極パターン7への接続順序を、入力パルス信号に同期して出力する回路である。なお、シーケンサ41は、入力パルス信号の立ち上がりエッジに基づいて、制御タイミングを管理する。
電流入力電圧出力型アンプ43は、検出信号に当たる検出信号を増幅する回路である。この電流入力電圧出力型アンプ43において、検出信号が電流形式から電圧形式に変換される。
ピークホールド回路45は、検出信号の正極側のピークレベルを検出する回路である。図7に示すように、ピークホールド回路45は、ダイオードDと容量Cとで構成される。ダイオードDは、整流機能により検出信号の正極部分だけを取り出すのに用いられる。また、容量Cは、検出信号のピークレベルに対応する電位を格納するのに用いられる。
電流源47は定電流回路であり、容量Cの電荷を放電するのに用いられる。なお、電流源47の電流値の大きさは、容量Cに現れる最大電圧を入力パルス信号の印加開始から1周期以内に判定動作を終了できるように設定する。具体的には、次の入力パルス信号が供給されるまでの間に、測定対象である容量Cの電位が基準電位Vref 以下に放電されるように設定する。この明細書では、この放電動作を「初期化動作」と呼ぶことにする。
コンパレータ49は、容量Cの電位と基準電位Vref とを比較する回路である。従って、コンパレータ49の出力レベルは、容量Cの電位が基準電位Vref を交差するタイミングで変化する。なお、基準電位Vref は、図8に示すように、想定されるピークレベルの最小値よりも小さい値に設定する。以下では、容量Cの電位が基準電位Vref 以下に低下したタイミングを、「放電完了タイミング」という。
測定部51は、入力パルス信号の立ち上がりタイミングtaから放電完了タイミングtcまでの経過時間T(=tc−ta)を測定する回路である。なお、タイミングtaは、シーケンサ41から与えられる。また、タイミングtcは、コンパレータ49の出力レベルの変化から与えられる。
図9に、測定部51が測定対象とする経過時間Tと各タイミングとの関係を示す。図9(A)は、検出信号と容量Cの電位変化の関係を説明する図である。また、図9(B)は、入力パルス信号の位相関係を示す図である。
判定部53は、測定された経過時間Tと基準経過時間T0(測定点毎に設定されている。)とを比較し、両時間の間に測定誤差以上の違いが存在する場合に、測定点に指が触れていると判定する回路である。なお、図8に示したように、操作面と指との接触面積が増えるほど(容量が増えるほど)、経過時間Tは基準経過時間T0よりも短くなる。ここで、基準経過時間T0は、操作面に指が触れていない状態で事前に測定された値が使用される。
なお、ここでは経過時間同士を比較しているが、容量Cの電位が基準電位Vref を交差したタイミングと、基準タイミング同士を比較しても良い。勿論、基準タイミングは、操作面に指が触れていない場合の経過時間のことである。
因みに、測定部51と判定部53は、CPU上で実行されるプログラム処理としても実現できるし、ロジック回路としても実現できる。
(B−3)処理動作の内容
以下では、シーケンサ41の動作フロー(図10)に従って、静電容量型センサーモジュール31の処理動作を説明する。なお、図10は、上面側の電極パターン5と下面側の電極パターン7が共に4本の場合について表している。
まず、シーケンサ41は、測定対象とする操作面上の位置を指定する座標を発生する(S1)。ここで、シーケンサ41は、入力パルス信号の1周期毎に、上面側の電極パターン5の座標値Xを“1”だけ増加させる。因みに、図10の場合、増加後の座標値Xが“5”に達すると座標値Xを“1”に戻すと共に、下面側の電極パターンの座標値Yを“1”だけ増加させる。なお、増加後の座標値Yが“5”に達すると座標値Yを“1”に戻す。
このように発生された座標値XとYが、デマルチプレクサ37と、マルチプレクサ39と、判定部53に与えられる。なお、入力パルス信号の周波数が500kHzの場合(1周期は2μs)、4本の電極パターン5と4本の電極パターン7とで規定される16箇所の座標点の判定動作は、32μsの間に実行することができる。
次に、シーケンサ41は、入力パルス信号の立ち上がりエッジの検出を待つ(S2)。エッジが検出されると、シーケンサ41は、イネーブル信号を測定部51に出力する(S3)。このイネーブル信号の出力タイミングが、前述した立ち上がりタイミングtaに対応する。このイネーブル信号の入力により、測定部51の測定機能が有効化される。すなわち、経過時間Tの測定が開始される。
この後、シーケンサ41は、基準経過時間T0に対応する時刻tc(max) の経過を待つ(S4)。
ここで、時刻tc(max) の経過が検出されると、シーケンサ41は、ディゼーブル信号を測定部51に出力する(S5)。このディゼーブル信号の入力により、測定部51の測定機能は無効化される。経過時間Tが採り得る最大値を超えてまで測定動作を継続する必要がないためである。勿論、測定機能の無効化後も、測定機能が有効な間に測定された経過時間Tは保持される。
この後、シーケンサ41は、判定部53に割り込み要求を出力する(S6)。この割り込み要求が入力された判定部53は、検出された経過時間Tと基準経過時間T0(測定点毎に設定される。)との比較結果に基づいて、シーケンサ41から与えられる座標位置に指が触れているか否かを判定する。なお、比較処理には、シーケンサ41から与えられる測定点のXY座標値に対応する基準経過時間T0が使用される。
この後、シーケンサ41は、停止要求が存在するか否かを判定する(S7)。そして、停止要求が確認されない場合は、再びXY座標の発生動作に戻って、以上の動作を繰り返す。なお、停止要求が確認された場合、シーケンサ41は、動作を終了する。
(B−4)まとめ
以上説明したように、形態例1に係る容量変化測定回路33の採用により、従来技術に比して圧倒的に高速の判定動作が可能になる。例えば10地点についての判定処理を実行する場合、従来技術では20msもの時間が必要とされたが、形態例の場合には20μsあれば済む。このため、従来技術では応用が難しかった高速入力への対応が可能になる。
勿論、形態例に係る容量変化測定回路33は、多地点検出にも利用できる。
また、電流入力電圧出力型アンプ43の入力段までは電流モードで動作するため、高いノイズ耐性が期待できる。すなわち、形態例に係る容量変化測定回路33は、検出精度についても実用上十分な精度が期待できる。
(C)形態例2
(C−1)検出原理
この形態例では、操作面と指との接触状態に応じてピークレベルの出現位置がずれる場合にも、経過時間Tの測定精度を高めることができる手法について説明する。
図11に、形態例1で採用した検出波形と容量Cの電位変化との関係を示す。前述したように、形態例1に係る容量変化測定回路33は、従来技術に比して高速での判定動作が可能である。
ただし、図11に示すように、ピークレベルの出現位置は、操作面と指との接触状態により時間軸方向にずれる特性がある。勿論、このずれ量が小さければ、測定精度に問題は生じない。しかし図11のように、容量Cfが0pFの場合と20pFの場合とでピーク位置の時間差が10ns以上もある場合には、経過時間Tの測定上、無視できない大きさになる。
また、容量Cの放電速度には、最も緩やかに変化する検出信号の減衰曲線が基準電位Vref
を交差する時刻よりも前に、コンパレータ47の出力レベルが反転しないように定めることが要求される。ここで、最も緩やかに変化する検出信号の減衰曲線とは、操作面と指との間に発生する容量が20pFの場合に相当する。従って、形態例1の場合には、電流源47の電流量を大きくすることができず、経過時間Tがどうしても長くなる。
図12に、この形態例で採用するピークホールド回路の放電動作を示す。図12に示すように、この形態例の場合には、想定される全てのピークレベルの出現タイミングを待って電流源47による放電動作を開始する。図12においては、この放電開始のタイミングをtbで示している。図12の場合、放電開始後の時間は、ピークレベルにのみ依存することが分かる。このため、経過時間Tの測定精度を上げることができる。
また、放電開始時点は、想定される全てのピークレベルの出現タイミング以降であるので、電流源47の電流量を大きくして放電速度を上げることが可能になる。図12に示すように、放電速度が上がれば、全てのピークレベルについて経過時間Tの測定時間を短縮することが可能になる。
以下、この検出原理を採用した静電容量型センサーモジュールの形態例を説明する。
(C−2)システム構成
図13に、この形態例に係る静電容量型センサーモジュール61のシステム構成例を示す。なお、図13には、形態例1に係る図7との対応部分に同一符号を付して示す。
静電容量型センサーモジュール61は、静電容量型センサーデバイス23と、容量変化測定回路63とで構成される。
容量変化測定回路63は、発振器35、デマルチプレクサ37、マルチプレクサ39、電流入力電圧出力型アンプ43、ピークホールド回路45、コンパレータ49、測定部51、判定部53、シーケンサ65、電流源67で構成される。
以下では、変更点を含むシーケンサ65と電流源67について説明する。このシーケンサ65も、入力パルス信号を供給する電極パターン5への接続順序と検出信号の取り出し元となる電極パターン7への接続順序を、入力パルス信号に同期して出力する機能を備えている。なお、このシーケンサ65は、電流源67による放電動作の実行開始タイミングも管理する機能も備える。このタイミングの管理は、入力パルス信号の立ち上がりタイミングの検出に基づいて実行される。
電流源67は定電流回路であり、容量Cの電荷を放電するのに用いられる。この形態例の場合、コンデンサCから電流を引き出す経路上にはスイッチ素子(例えばトランジスタ)が配置されており、当該スイッチの開閉により放電動作の実行と停止を切り替えられるように構成されている。なお、同機能は、電流源67に対する駆動電源の供給と停止を切り替えるスイッチ素子によっても実現することができる。
この形態例の場合も、電流源67の電流値の大きさは、入力パルス信号の立ち上がりエッジから1周期以内に判定動作が終了するように設定する。ただし、前述したように、その電流値は、形態例1よりも大きな値に設定される。これにより、放電開始後は、容量Cの電位をピークレベルから基準電位Vref 以下に速やかに電位を下げることができるように構成されている。
(C−3)処理動作の内容
以下では、シーケンサ65の動作フロー(図14)に従って、静電容量型センサーモジュール61の処理動作を説明する。なお、図14も、上面側の電極パターン5と下面側の電極パターン7が共に4本の場合について表している。
まず、シーケンサ65は、測定対象とする操作面上の位置を指定する座標を発生する(S11)。ここでの動作は、形態例1で説明したシーケンサ41の処理S1と同じである。このように発生された座標値XとYが、デマルチプレクサ37と、マルチプレクサ39と、判定部53に与えられる。
次に、シーケンサ65は、入力パルス信号の立ち上がりエッジの検出を待つ(S12)。エッジが検出されると、シーケンサ65は、イネーブル信号を測定部51に出力する(S13)。このイネーブル信号の出力タイミングが、前述した立ち上がりタイミングtaに対応する。このイネーブル信号の入力により、測定部51の測定機能が有効化される。すなわち、経過時間Tの測定が開始される。
この後、シーケンサ65は、電流源67による放電を開始する時刻tbの到来を待つ(S14)。
時刻tbの到来が検出されると、シーケンサ65は、電流源67を有効化し、容量Cの放電を開始させる(S15)。
次に、シーケンサ65は、基準経過時間T0に対応する時刻tc(max) の経過を待つ(S16)。なお、時刻tc(max) は、操作面と指先との間に形成される容量が0(ゼロ)の場合の検出信号について検出されたピークレベルを、時刻tbのタイミングから放電したときに基準電位Vref を交差するタイミングとして与えられる。
この形態例の場合も、時刻tc(max) の経過が検出されると、シーケンサ65は、ディゼーブル信号を測定部51に出力する(S17)。このディゼーブル信号の入力により、測定部51の測定機能は無効化される。経過時間Tが採り得る最大値を超えてまで測定動作を継続する必要がないためである。勿論、測定機能の無効化後も、測定機能が有効な間に測定された経過時間Tは保持される。
図15に、測定部51が測定対象とする経過時間Tと各タイミングとの関係を示す。図15(A)は、検出信号と容量Cの電位変化の関係を説明する図である。また、図15(B)は、入力パルス信号の位相関係を示す図である。
この後、シーケンサ65は、判定部53に割り込み要求を出力する(S18)。この割り込み要求が入力された判定部53は、検出された経過時間Tと基準経過時間T0(測定点毎に設定されている。)との比較結果に基づいて、シーケンサ65から与えられる座標位置に指が触れているか否かを判定する。なお、比較処理には、シーケンサ65から与えられる測定点に対応する基準経過時間T0が使用される。
この後、シーケンサ65は、停止要求が存在するか否かを判定する(S19)。そして、停止要求が確認されない場合は、再びXY座標の発生動作に戻って、以上の動作を繰り返す。なお、停止要求が確認された場合、シーケンサ65は、動作を終了する。
(C−4)まとめ
以上説明したように、形態例2に係る容量変化測定回路63の採用により、形態例1の場合と同様、従来技術に比して圧倒的に高速の判定動作を実現できる。
更に、形態例2の場合には、操作面と指先との間に形成される容量の大きさによってピークレベルの出現タイミングが大きくずれるときでも、正確な経過時間Tの測定が可能となる。従って、操作入力の判定精度を高めることができる。
(D)形態例3
(D−1)検出原理
この形態例では、操作面における測定点の位置に応じて、経過時間Tの測定動作を最適化する方法について説明する。
ここでは、図16に示す電極パターン構造を有する静電容量型センサーデバイス23について、操作面上の測定位置の違いが検出信号に与える影響を説明する。
図16は、基材3の上面側に4本の電極パターン5を形成すると共に、下面側に4本の電極パターン7を形成した静電容量型センサーデバイス23の平面構造である。従って、操作面上には16個の測定点が形成されることになる。
ところで、図16に示すように、計8本の電極パターンには、それぞれフレキシブルプリント配線基板25の導電線(例えばカーボン導電線)71とが接続されている。
図16に示すように、各測定点を通る伝搬経路は、これら導電線71の長さと電極パターン5及び7の長さの組み合わせによって規定される。このことから、測定点毎に伝搬経路の長さが異なることが分かる。
以下では、操作面の4隅に位置する各測定点にIからIVの数字を割り当てることにより、対応する伝搬経路の特性の違いを説明する。
図17に、各測定点に対応する伝搬経路の等価回路を示す。図17に示すように、伝搬経路が短い導電線71の抵抗成分は約100Ω、伝搬経路が長い導電線71の抵抗成分は約1kΩである。また、伝搬経路が短い電極パターン5及び7は、約100Ωの抵抗成分と約4.7pFの容量成分とで構成される分布定数的なローパスフィルタと考えることができる。
なお、図中に実線で示す直列容量(約2pF)は、電極パターン5と電極パターン7の間に静的に形成される容量成分である。また、図中に破線で示す並列容量73は、電極パターン5と指との間に形成される容量成分と電極パターン7と指との間に形成される容量成分をそれぞれ表している。図17では、上面側の容量成分と下面側の容量成分の和が、0pFから20pFの間で変化することを表している。
図18に、これら4つの測定点I〜IVに対応する伝搬経路の電気的な特性の組み合わせ状態の概要を示す。
また、図19に、これら4つの測定点I〜IVに対応する検出信号の波形を示す。なお、図19に示す4つのグラフの縦軸は電流値μAであり、横軸は時間[ns]である。図19からも、操作面に指が接していない場合のピークレベルが最大であり、操作面と指との間に形成される容量成分が最大(20pF)のときピークレベルが最小になる関係が分かる。
ところで、図19の4つのグラフを比較すると、縦軸のスケールと横軸のスケールが大きく違うことが分かる。
そこで、この4つのグラフのスケールの違いが分かるように図20を示す。図20は、同じスケール上に4つの検出信号の波形をマッピングして表した図である。ただし、図20においては、非接触の場合(0pF)に対応する4つの検出信号のみを表している。
図20に示すように、操作面上の位置が異なると(伝搬経路長が異なると)、ピークレベルの振幅及び出現位置が大きく異なることが分かる。
もっとも、このような違いがあっても、形態例1や2で説明した測定技術は有効に機能し、従来技術に比して顕著な効果が期待できる。
ただし、このピークレベルの違いとピークレベルが出現するタイミングの違いから、判定動作に必要な時間にかなりの差があることが分かる。この形態例は、この時間差に着目する。
図21に、前図の縦軸をピークホールド電圧[mV]に変更し、かつ、横軸の時間スケールを8倍にした図を示す。また、図21は、コンパレータ49が参照する基準電圧Vref が0(ゼロ)Vである場合を示す。
なお、図21では、入力パルス信号の立ち上がりエッジから0.2μs後に、電流源67による容量Cの放電動作を開始する。この場合、図中に破線で示すような放電時間の差が確認された。例えばピークレベルが最大となる測定点Iでは、入力パルス信号の立ち上がりエッジから約1.6μs後に放電動作が完了することが分かる。一方、ピークレベルが小さい測定点II、III 、IVでは、入力パルス信号の立ち上がりエッジから約0.3μsから0.5μs後に放電動作が完了することが分かる。
このことは、全ての測定点に同じ駆動条件を適用する形態例1や形態例2の方法は、測定点Iに比して測定点II、III 、IVに時間の無駄が生じることを意味する。
以下、図22を用いて説明する。図22(A)は、ピークレベルが最大となる測定点Iの検出波形と放電完了までの関係を表している。前述したように、放電完了までには、入力パルス信号の立ち上がりエッジから1.6μsほどの時間が必要である。
従って、図22(A)に示すように、入力パルス信号の周波数を高速化しても500kHzが上限であることが分かる。
これに対して、図22(B)は、測定点II、III 、IVの検出波形と放電完了までの関係を表している。前述したように、放電完了までには、入力パルス信号の立ち上がりエッジから0.8μsほどの時間が必要である。図22(B)のように、入力パルス信号が500kHzで入力される場合、時間的余裕がある。
そこで、図22(C)に示すように、測定点II、III 、IVに対する入力パルス信号の周波数を1MHzに高めることを検討する。図22(C)では、入力パルス信号が1MHzであっても、1周期以内に放電が完了することが分かる。
以下では、測定領域別に入力パルス信号の周波数を最適化した静電容量型センサーモジュールの形態例を説明する。
(D−2)システム構成
図23に、この形態例に係る静電容量型センサーモジュール81のシステム構成例を示す。なお、図23には、形態例2に係る図13との対応部分に同一符号を付して示す。
静電容量型センサーモジュール81は、静電容量型センサーデバイス23と、容量変化測定回路83とで構成される。
容量変化測定回路83は、デマルチプレクサ37、マルチプレクサ39、電流アンプ43、ピークホールド回路45、コンパレータ49、測定部51、判定部53、シーケンサ65、電流源67、周波数テーブル85、可変型発振器87で構成される。
以下では、変更点を含む周波数テーブル85と可変型発振器87について説明する。
前述したように、この形態例の場合には、操作面上の測定点(座標位置)毎に入力パルス信号の周波数を最適化する。この最適化された周波数と測定点(座標位置)との関係を格納するのが周波数テーブル85である。
図24に、周波数テーブル85の構成例を示す。図24に示すように、X座標とY座標の組み合わせについて1つの周波数が割り当てられている。図25に、周波数テーブル85の対応関係を操作面上に重ねて表示する。図25に示すように、この形態例の場合、検出信号のピークレベルが大きくなる3つの測定点については500kHzを対応づけている。
また、検出信号のピークレベルが中間レベルの10個の測定点については1MHzを対応づけている。また、検出信号のピークレベルが小さい3つの測定点については1.5MHzを対応づけている。
周波数テーブル85は、シーケンサ65から新たな座標値が与えられる毎に対応する周波数を読み出し、可変型発振器87に与えるように動作する。
可変型発振器87は、与えられた周波数の入力パルス信号を発生する回路である。なお、可変型発振器87は、複数の発振周波数を生成できる単一回路でも良い。また、前述した3種類の発振周波数に対応するそれぞれ独立した3個の発振器と、そのいずれか一つを選択的に出力するスイッチとで構成しても良い。
(D−3)処理動作の内容
この形態例の場合、シーケンサ65の構成は形態例2と同じである。従って、その動作フローは、図14で説明したものと同じである。以下では、シーケンサ65の動作フローに従って、静電容量型センサーモジュール81の処理動作を説明する。
まず、シーケンサ65は、測定対象とする操作面上の位置を指定する座標を発生する(S11)。このように発生された座標値XとYが、デマルチプレクサ37と、マルチプレクサ39と、判定部53と、周波数テーブル85とに与えられる。
これにより、周波数テーブル85から可変型発振器87には、次の測定点に適した周波数が与えられる。そして、可変型発振器87は、測定点に最適な周波数を有する入力パルス信号を出力する。また、入力パルス信号の入力に備えてデマルチプレクサ37とマルチプレクサ39が切替制御される。
一方、シーケンサ65は、入力パルス信号の立ち上がりエッジの検出を待つ(S12)。エッジが検出されると、シーケンサ65は、イネーブル信号を測定部51に出力する(S13)。このイネーブル信号の出力タイミングが、前述した立ち上がりタイミングtaに対応する。このイネーブル信号の入力により、測定部51の測定機能が有効化される。すなわち、経過時間Tの測定が開始される。
この後、シーケンサ65は、電流源67による放電動作を開始する時刻tbの到来を待つ(S14)。
時刻tbの到来が検出されると、シーケンサ65は、電流源67を有効化し、容量Cの放電を開始させる(S15)。
次に、シーケンサ65は、基準経過時間T0に対応する時刻tc(max) の経過を待つ(S16)。なお、時刻tc(max) は、操作面と指先との間に形成される容量が0(ゼロ)の場合の検出信号について検出されたピークレベルを、時刻tbのタイミングから放電したときに基準電位Vref を交差するタイミングとして与えられる。
この形態例の場合も、時刻tc(max) の経過が検出されると、シーケンサ65は、ディゼーブル信号を測定部51に出力する(S17)。このディゼーブル信号の入力により、測定部51の測定機能は無効化される。経過時間Tが採り得る最大値を超えてまで測定動作を継続する必要がないためである。勿論、測定機能の無効化後も、測定機能が有効な間に測定された経過時間Tは保持される。
この後、シーケンサ65は、判定部53に割り込み要求を出力する(S18)。この割り込み要求が入力された判定部53は、検出された経過時間Tと基準経過時間T0(測定点毎に設定される。)との比較結果に基づいて、シーケンサ65から与えられる座標位置に指が触れているか否かを判定する。なお、比較処理には、シーケンサ65から与えられる測定点に対応する基準経過時間T0が使用される。
この後、シーケンサ65は、停止要求が存在するか否かを判定する(S19)。そして、停止要求が確認されない場合は、再びXY座標の発生動作に戻って、以上の動作を繰り返す。なお、停止要求が確認された場合、シーケンサ65は、動作を終了する。
(D−4)まとめ
以上説明したように、形態例3に係る容量変化測定回路83の場合には、操作面上の各測定点に入力される入力パルス信号の周波数を最適化することができる。すなわち、各測定点における判定動作を最短化できる。これにより、操作面の全体から見たスキャン速度を高速化できる。
(E)形態例4
(E−1)検出原理
この形態例も、操作面上の操作点の位置(より具体的には、伝搬経路長の長さ)に応じて、経過時間Tの測定動作を最適化する方法について説明する。
ただし、この形態例では、電流源の電流値を可変制御して更なるスキャン速度の高速化技術を提案する。
ここでは、図26を用いて電流源の電流値を可変制御することの効果を説明する。なお、図26は、測定点Iに対応する入力パルス信号とピークレベルの放電に要する時間との関係を表している。
因みに、図26(A)は、形態例3における入力パルス信号とピークレベルの放電に要する時間との関係を表している。
これに対し、図26(B)は、電流源の電流値を図26(A)の2倍に設定する場合における入力パルス信号とピークレベルの放電に要する時間との関係を表している。
図26の場合、電流源の電流値を2倍に上げることで、1.6μs必要であった放電時間が0.8μsに短縮できることが分かる。
そして、放電時間が0.8μsであれば、入力パルス信号の周波数を1MHzに上げても、その1周期以内に操作入力の有無を判定することが可能になる。
以下では、測定領域別に入力パルス信号の周波数と電流源の電流値を最適化した静電容量型センサーモジュールの形態例を説明する。
(E−2)システム構成
図27に、この形態例に係る静電容量型センサーモジュール91のシステム構成例を示す。なお、図27には、形態例3に係る図23との対応部分に同一符号を付して示す。
静電容量型センサーモジュール91は、静電容量型センサーデバイス23と、容量変化測定回路93とで構成される。
容量変化測定回路93は、デマルチプレクサ37、マルチプレクサ39、シーケンサ65、電流アンプ43、ピークホールド回路45、コンパレータ49、測定部51、判定部53、電流値テーブル95、可変電流源97、周波数テーブル99、可変型発振器101で構成される。
以下では、変更点を含む電流値テーブル95、可変電流源97、周波数テーブル99、可変型発振器101について説明する。
前述したように、この形態例の場合には、操作面上の測定点(座標位置)毎に入力パルス信号の周波数と可変電流源97の電流値を最適化する。
このうち、最適化された電流値と測定点(座標位置)との関係を格納するのが電流値テーブル95である。
図28に、電流値テーブル95の構成例を示す。図28に示すように、電流値テーブル95には、X座標とY座標の組み合わせについて1つの電流値が割り当てられている。図29に、電流値テーブル95の対応関係を操作面上に重ねて表示する。図29に示すように、この形態例の場合、検出信号のピークレベルが大きい3つの測定点に20μAを対応づけ、残る13個の測定点に10μAを対応づける。すなわち、この形態例の場合には、可変電流源97の電流値を2段階に切り替える。
この電流値テーブル95は、シーケンサ65から新たな座標値が与えられる毎に対応する電流値を読み出し、可変電流源97に与えるように動作する。
可変電流源97は、与えられた電流値を選択的に発生する定電流回路である。なお、可変電流源97は、複数の電流値を生成できる単一回路でも良い。また、前述した2種類の電流値に対応するそれぞれ独立した2個の電流源と、そのいずれか一つを容量Cに接続するスイッチとで構成しても良い。
一方、周波数テーブル99は、最適化された周波数と測定点(座標位置)との関係を格納する記憶領域である。
図30に、周波数テーブル99の構成例を示す。図30に示すように、周波数テーブル99には、X座標とY座標の組み合わせについて1つの周波数が割り当てられている。図31に、周波数テーブル99の対応関係を操作面上に重ねて表示する。図31に示すように、この形態例の場合、検出信号のピークレベルが小さくなる3つの測定点については1.5MHzを対応づけ、残る13個の測定点には1MHzを対応づけている。
図31(形態例4)と図25(形態例3)との違いは、ピークレベルが大きい3つの点に対応づけられる入力パルス信号の周波数が500kHzから1MHzに高速化されている点である。すなわち、この形態例の場合には、可変型発振器101の周波数を2段階に切り替えることができるように設定されている。なお、周波数テーブル99は、シーケンサ65から新たな座標値が与えられる毎に対応する周波数を読み出し、可変型発振器101に与えるように動作する。
可変型発振器101は、与えられた周波数の入力パルス信号を発生する回路である。なお、可変型発振器101は、2種類の発振周波数を生成できる単一回路でも良い。また、前述した2種類の発振周波数に対応するそれぞれ独立した2個の発振器と、そのいずれか一つを選択的に出力するスイッチとで構成しても良い。
(E−3)処理動作の内容
この形態例の場合も、シーケンサ65の構成は形態例2と同じである。従って、その動作フローは、図14で説明したものと同じである。以下では、シーケンサ65の動作フローに従って、静電容量型センサーモジュール91の処理動作を説明する。
まず、シーケンサ65は、測定対象とする操作面上の位置を指定する座標を発生する(S11)。このように発生された座標値XとYが、デマルチプレクサ37と、マルチプレクサ39と、判定部53と、電流値テーブル95と、周波数テーブル99とに与えられる。
これにより、電流値テーブル95から可変電流源97には、次の測定点に適した電流値が与えられる。同時に、周波数テーブル99から可変型発振器101には、次の測定点に適した周波数が与えられる。
そして、可変電流源97は、測定点に適した電流値が流れるように設定を変更する。また、可変型発振器101は、測定点に最適な周波数を有する入力パルス信号を出力する。また、入力パルス信号の入力に備えてデマルチプレクサ37とマルチプレクサ39が切替制御される。
一方、シーケンサ65は、入力パルス信号の立ち上がりエッジの検出を待つ(S12)。エッジが検出されると、シーケンサ65は、イネーブル信号を測定部51に出力する(S13)。このイネーブル信号の出力タイミングが、前述した立ち上がりタイミングtaに対応する。このイネーブル信号の入力により、測定部51の測定機能が有効化される。すなわち、経過時間Tの測定が開始される。
この後、シーケンサ65は、電流源67による放電動作を開始する時刻tbの到来を待つ(S14)。
時刻tbの到来が検出されると、シーケンサ65は、電流源67を有効化し、容量Cの放電を開始させる(S15)。
次に、シーケンサ65は、基準経過時間T0に対応する時刻tc(max) の経過を待つ(S16)。なお、時刻tc(max) は、操作面と指先との間に形成される容量が0(ゼロ)の場合の検出信号について検出されたピークレベルを、時刻tbのタイミングから放電したときに基準電位Vref を交差するタイミングとして与えられる。
この形態例の場合も、時刻tc(max) の経過が検出されると、シーケンサ65は、ディゼーブル信号を測定部51に出力する(S17)。このディゼーブル信号の入力により、測定部51の測定機能は無効化される。経過時間Tが採り得る最大値を超えてまで測定動作を継続する必要がないためである。勿論、測定機能の無効化後も、測定機能が有効な間に測定された経過時間Tは保持される。
この後、シーケンサ65は、判定部53に割り込み要求を出力する(S18)。この割り込み要求が入力された判定部53は、検出された経過時間Tと基準経過時間T0(測定点毎に設定される。)との比較結果に基づいて、シーケンサ65から与えられる座標位置に指が触れているか否かを判定する。なお、比較処理には、シーケンサ65から与えられる測定点に対応する基準経過時間T0が使用される。
この後、シーケンサ65は、停止要求が存在するか否かを判定する(S19)。そして、停止要求が確認されない場合は、再びXY座標の発生動作に戻って、以上の動作を繰り返す。なお、停止要求が確認された場合、シーケンサ65は、動作を終了する。
(E−4)まとめ
以上説明したように、形態例4に係る容量変化測定回路93の場合には、操作面上の各測定点に入力される入力パルス信号の周波数と電流源97の電流値とを最適化することができる。
これにより、形態例3では、入力パルス信号の周波数が500kHzであった測定領域についても、1MHzに高速化することができる。
このことは、入力パルス周波数の最低周波数が500kHzから1MHzに上がったことを意味し、操作面の全体から見たスキャン速度の更なる高速化を実現できる。
(F)形態例5
(F−1)検出原理
この形態例では、操作面上における測定点の位置(より具体的には、伝搬経路長の長さ)に応じて、経過時間Tの測定動作を最適化する方法について説明する。
ただし、この形態例では、コンパレータの基準電位Vref を可変制御して更なるスキャン速度の高速化技術を提案する。
ここでは、図32を用いてコンパレータの基準電位Vref を可変制御することの効果を説明する。なお、図32は、測定点Iに対応する入力パルス信号と判定に要する時間との関係を表している。
因みに、図32(A)は、形態例3における入力パルス信号とピークレベルの放電に要する時間との関係を表している。この場合、操作入力の判定用には、0(ゼロ)Vに対応する基準電位Vref1が用いられる。
これに対し、図32(B)は、コンパレータの基準電位Vref2(>Vref1)を用いる場合における入力パルス信号と判定に要する時間との関係を表している。
図32の場合、基準電位Vref1をVref2に切り替えることで、1.6μs必要であった放電時間が0.8μsに短縮できることが分かる。
そして、放電時間が0.8μsであれば、入力パルス信号の周波数を1MHzに上げても、その1周期以内に操作入力の有無を判定することが可能になる。
以下では、測定領域別に入力パルス信号の周波数とコンパレータの基準電位Vref を最適化した静電容量型センサーモジュールの形態例を説明する。
(F−2)システム構成
図33に、この形態例に係る静電容量型センサーモジュール111のシステム構成例を示す。なお、図33には、形態例3に係る図23との対応部分に同一符号を付して示す。
静電容量型センサーモジュール111は、静電容量型センサーデバイス23と、容量変化測定回路113とで構成される。
容量変化測定回路113は、デマルチプレクサ37、マルチプレクサ39、シーケンサ65、電流アンプ43、ピークホールド回路45、コンパレータ49、測定部51、判定部53、基準電位テーブル115、ディジタル・アナログ変換器117、周波数テーブル119、可変型発振器121で構成される。
以下では、変更点を含む基準電位テーブル115、ディジタル・アナログ変換器117、周波数テーブル119、可変型発振器121について説明する。
前述したように、この形態例の場合には、操作面上の測定点(座標位置)毎に入力パルス信号の周波数と基準電位Vref を最適化する。
このうち、最適化された基準電位Vref と測定点(座標位置)との関係を格納するのが基準電位テーブル115である。
図34に、基準電位テーブル115の構成例を示す。図34に示すように、基準電位テーブル115には、X座標とY座標の組み合わせについて1つのVref が割り当てられている。図35に、基準電位テーブル115の対応関係を操作面上に重ねて表示する。図35に示すように、この形態例の場合、検出信号のピークレベルが大きい3つの測定点に高位の基準電位Vref2(>Vref1)を対応づけ、残る13個の測定点に低位の基準電位Vref1を対応づける。すなわち、この形態例の場合には、コンパレータ49に与える基準電位Vref
を2段階に切り替える。
この基準電位テーブル115は、シーケンサ65から新たな座標値が与えられる毎に対応する基準電位を読み出し、ディジタル・アナログ変換器117に与えるように動作する。なお、基準電位の読み出しは、ディジタル値で行われる。
ディジタル・アナログ変換器117は、与えられたディジタル値をアナログ電位に変換する回路である。なお、ディジタル・アナログ変換器117に代えて、2種類の電圧源を用意し、そのいずれか一方をコンパレータ49に与える構成を採用しても良い。この場合、基準電位テーブル115には、2種類の電圧源の選択情報を書き込めば良い。
一方、周波数テーブル119は、最適化された周波数と測定点(座標位置)との関係を格納する記憶領域である。
図36に、周波数テーブル119の構成例を示す。図36に示すように、周波数テーブル119には、X座標とY座標の組み合わせについて1つの周波数が割り当てられている。
図37に、周波数テーブル119の対応関係を操作面上に重ねて表示する。図37に示すように、この形態例の場合、検出信号のピークレベルが小さくなる3つの測定点については1.5MHzを対応づけ、残る13個の測定点には1MHzを対応づけている。
図37(形態例4)と図25(形態例3)との違いは、ピークレベルが大きい3つの点に対応づけられる入力パルス信号の周波数が500kHzから1MHzに高速化されている点である。すなわち、この形態例の場合には、可変型発振器121の周波数を2段階に切り替えることができるように設定されている。なお、周波数テーブル119は、シーケンサ65から新たな座標値が与えられる毎に対応する周波数を読み出し、可変型発振器121に与えるように動作する。
可変型発振器121は、与えられた周波数の入力パルス信号を発生する回路である。なお、可変型発振器121は、2種類の発振周波数を生成できる単一回路でも良い。また、前述した2種類の発振周波数に対応するそれぞれ独立した2個の発振器と、そのいずれか一つを選択的に出力するスイッチとで構成しても良い。
(F−3)処理動作の内容
この形態例の場合、シーケンサ65の構成は形態例2と同じである。従って、その動作フローは、図14で説明したものと同じである。以下では、シーケンサ65の動作フローに従って、静電容量型センサーモジュール111の処理動作を説明する。
まず、シーケンサ65は、測定対象とする操作面上の位置を指定する座標を発生する(S11)。このように発生された座標値XとYが、デマルチプレクサ37と、マルチプレクサ39と、判定部53と、基準電位テーブル115と、周波数テーブル119とに与えられる。
これにより、基準電位テーブル115からディジタル・アナログ変換器117には、次の測定点に適した基準電位のディジタル値が与えられる。同時に、周波数テーブル119から可変型発振器121には、次の測定点に適した周波数が与えられる。
そして、コンパレータ49には、測定点に最適な基準電位Vref がアナログ電位の形式で与えられる。また、可変型発振器121は、出力周波数を測定点に最適な周波数に設定する。また、入力パルス信号の入力に備えてデマルチプレクサ37とマルチプレクサ39が切替制御される。
一方、シーケンサ65は、入力パルス信号の立ち上がりエッジの検出を待つ(S12)。エッジが検出されると、シーケンサ65は、イネーブル信号を測定部51に出力する(S13)。このイネーブル信号の出力タイミングが、前述した立ち上がりタイミングtaに対応する。このイネーブル信号の入力により、測定部51の測定機能が有効化される。すなわち、経過時間Tの測定が開始される。
この後、シーケンサ65は、電流源67による放電動作を開始する時刻tbの到来を待つ(S14)。
時刻tbの到来が検出されると、シーケンサ65は、電流源67を有効化し、容量Cの放電を開始させる(S15)。
次に、シーケンサ65は、基準経過時間T0に対応する時刻tc(max) の経過を待つ(S16)。なお、時刻tc(max) は、操作面と指先との間に形成される容量が0(ゼロ)の場合の検出信号について検出されたピークレベルを、時刻tbのタイミングから放電したときに基準電位Vref を交差するタイミングとして与えられる。
この形態例の場合も、時刻tc(max) の経過が検出されると、シーケンサ65は、ディゼーブル信号を測定部51に出力する(S17)。このディゼーブル信号の入力により、測定部51の測定機能は無効化される。経過時間Tが採り得る最大値を超えてまで測定動作を継続する必要がないためである。勿論、測定機能の無効化後も、測定機能が有効な間に測定された経過時間Tは保持される。
この後、シーケンサ65は、判定部53に割り込み要求を出力する(S18)。この割り込み要求が入力された判定部53は、検出された経過時間Tと基準経過時間T0との比較結果に基づいて、シーケンサ65から与えられる座標位置に指が触れているか否かを判定する。
なお、比較処理には、シーケンサ65から与えられる測定点に対応する基準経過時間T0が使用される。勿論、基準経過時間T0には、適用する基準電位Vref の大きさを判定した値が用意されている。
この後、シーケンサ65は、停止要求が存在するか否かを判定する(S19)。そして、停止要求が確認されない場合は、再びXY座標の発生動作に戻って、以上の動作を繰り返す。なお、停止要求が確認された場合、シーケンサ65は、動作を終了する。
(F−4)まとめ
以上説明したように、形態例5に係る容量変化測定回路113の場合には、操作面上の各測定点に入力される入力パルス信号の周波数とコンパレータ49の基準電位Vref とを最適化することができる。
これにより、形態例5では、入力パルス信号の周波数が500kHzであった測定領域についても、1MHzに高速化することができる。
このことは、入力パルス周波数の最低周波数が500kHzから1MHzに上がったことを意味し、操作面の全体から見たスキャン速度の更なる高速化を実現できる。
(G)形態例6
(G−1)検出原理
前述した形態例の場合には、入力パルス信号に対応する検出信号の正極周期のピークレベルを検出する場合について説明した。すなわち、最大値を検出し、その放電に要する経過時間Tを測定する場合について説明した。
もっとも、前述した検出手法は、入力パルス信号に対応する負極周期のピークレベルを検出する場合にも応用することができる。すなわち、最小値を検出し、その充電に要する経過時間Tを測定する場合にも応用できる。
図38に、処理イメージを示す。図38は、形態例2の変形例に対応する。図38(A)に実線で示す波形は検出信号であり、破線で示す波形は容量Cの保持電位である。また、図38(B)は入力パルス信号の波形を示している。
図38の場合、検出信号は、入力パルス信号の立ち下がりエッジに同期して立ち下がる。一方、容量Cの保持電位は、形態例2の場合とは反対に最小値をピークホールドする。なお、図38(A)の場合、電流源からの充電電流の供給は、想定される全てのピークレベルが出現するタイミング以降に設定された時点tbの後に開始される。従って、容量Cの保持電位も時点tbの経過後に一定の速度で増加し、予め設定された基準電位Vref を越えるように増加する。
勿論、充電電流の電流値は、操作面上の全ての測定点について、入力パルス信号の1周期以内に容量Cの電位を基準電位Vref 以上に遷移できる大きさに設定する。
以下、この検出原理を採用した静電容量型センサーモジュールの形態例を説明する。
(G−2)システム構成
図39に、この形態例に係る静電容量型センサーモジュール131のシステム構成例を示す。なお、図39には、形態例2に係る図13との対応部分に同一符号を付して示す。
静電容量型センサーモジュール131は、静電容量型センサーデバイス23と、容量変化測定回路133とで構成される。
容量変化測定回路133は、発振器35、デマルチプレクサ37、マルチプレクサ39、電流アンプ43、コンパレータ49、測定部51、判定部53、ピークホールド回路135、電流源137、シーケンサ139で構成される。
以下では、変更点を含むピークホールド回路135、電流源137、シーケンサ139について説明する。
この形態例の場合、ピークホールド回路135を構成するダイオードDの接続方向は、形態例2の場合と逆向きになる。
電流源137は、充電型の定電流回路であり、容量Cの電荷を充電するのに用いられる。この電流源137の場合も、コンデンサCに電流を流し込む経路上にはスイッチ素子(例えばトランジスタ)が配置されており、当該スイッチの開閉により放電動作の実行と停止を切り替えられるように構成されている。なお、同機能は、電流源137に対する駆動電源の供給と停止を切り替えるスイッチ素子によって実現することもできる。
この形態例の場合も、電流源137の電流値の大きさは、入力パルス信号の印加開始から1周期以内に判定動作を終了できるように設定する。ただし、前述したように、その電流値は、形態例1よりも大きな値に設定される。これにより、充電開始後は、容量Cの電位をピークレベルから基準電位Vref 以上に速やかに上昇できるように構成されている。
シーケンサ139は、入力パルス信号を供給する電極パターン5への接続順序と検出信号の取り出し元となる電極パターン7への接続順序を、入力パルス信号に同期して出力する機能を備えている。なお、このシーケンサ139は、電流源137による充電動作の実行を切りタイミングも管理する機能も備える。このタイミングの管理は、入力パルス信号の立ち下がりタイミングの検出に基づいて実行される。
(G−3)処理動作の内容
以下では、シーケンサ139の動作フロー(図40)に従って、静電容量型センサーモジュール131の処理動作を説明する。なお、図40も、上面側の電極パターン5と下面側の電極パターン7が共に4本の場合について表している。
まず、シーケンサ139は、測定対象とする操作面上の位置を指定する座標を発生する(S21)。ここでの動作は、形態例1で説明したシーケンサ37の処理S1と同じである。このように発生された座標値XとYが、デマルチプレクサ37と、マルチプレクサ39と、判定部53に与えられる。
次に、シーケンサ139は、入力パルス信号の立ち下がりエッジの検出を待つ(S42)。エッジが検出されると、シーケンサ139は、イネーブル信号を測定部51に出力する(S23)。このイネーブル信号の出力タイミングが、前述した立ち下がりタイミングtaに対応する。このイネーブル信号の入力により、測定部51の測定機能が有効化される。すなわち、経過時間Tの測定が開始される。
この後、シーケンサ139は、電流源137による充電を開始する時刻tbの到来を待つ(S24)。
時刻tbの到来が検出されると、シーケンサ139は、電流源137を有効化し、容量Cの充電を開始させる(S25)。
次に、シーケンサ139は、基準経過時間T0に対応する時刻tc(max) の経過を待つ(S26)。なお、時刻tc(max) は、操作面と指先との間に形成される容量が0(ゼロ)の場合の検出信号について検出されたピークレベルを、時刻tbのタイミングから充電したときに基準電位Vref を交差するタイミングとして与えられる。
この形態例の場合も、時刻tc(max) の経過が検出されると、シーケンサ139は、ディゼーブル信号を測定部51に出力する(S27)。このディゼーブル信号の入力により、測定部51の測定機能は無効化される。経過時間Tが採り得る最大値を超えてまで測定動作を継続する必要がないためである。勿論、測定機能の無効化後も、測定機能が有効な間に測定された経過時間Tは保持される。
この後、シーケンサ139は、判定部53に割り込み要求を出力する(S28)。この割り込み要求が入力された判定部53は、検出された経過時間Tと基準経過時間T0(測定点毎に設定されている。)との比較結果に基づいて、シーケンサ139から与えられる座標位置に指が触れているか否かを判定する。なお、比較処理には、シーケンサ139から与えられる測定点に対応する基準経過時間T0が使用される。
この後、シーケンサ139は、停止要求が存在するか否かを判定する(S29)。そして、停止要求が確認されない場合は、再びXY座標の発生動作に戻って、以上の動作を繰り返す。なお、停止要求が確認された場合、シーケンサ139は、動作を終了する。
(G−4)まとめ
以上説明したように、形態例6に係る容量変化測定回路133の採用により、従来技術に比して圧倒的に高速の判定動作を実現できる。
勿論、形態例6の場合には、操作面と指先との間に形成される容量の大きさによってピークレベルの出現タイミングが大きくずれるときでも、正確な経過時間Tの測定が可能となる。従って、操作入力の判定精度を高めることができる。
(H)形態例7
(H−1)検出原理
前述した形態例の場合には、検出信号の正極周期のピークレベル又は負極周期のピークレベルを検出する場合について説明した。
しかし、図41に示すように、ピークホールド回路のダイオードを両波整流回路に変更することで、正極周期のピークレベルと負極周期のピークレベルの両方を検出しても良い。
図41(A)に実線で示す波形は検出信号であり、破線で示す波形は容量Cの保持電位である。また、図41(B)は入力パルス信号の波形を示している。
図41(A)に示すように、入力パルス信号の周波数は500kHzであるが、判定動作はその2倍の速度で実行することができる。勿論、入力パルス信号の立ち上がりエッジから判定終了までの時間が、入力パルス信号の半周期以内に完結することが適用できる前提である。
従って、前述した形態例4の場合のように、電流源の電流値を増加して、判定に要する時間を短縮化できることが望ましい。
以下、この検出原理を採用した静電容量型センサーモジュールの形態例を説明する。
(H−2)システム構成
図42に、この形態例に係る静電容量型センサーモジュール141のシステム構成例を示す。なお、図42には、形態例4に係る図27との対応部分に同一符号を付して示す。
静電容量型センサーモジュール141は、静電容量型センサーデバイス23と、容量変化測定回路143とで構成される。
容量変化測定回路143は、デマルチプレクサ37、マルチプレクサ39、電流アンプ43、コンパレータ49、測定部51、判定部53、電流値テーブル95、可変電流源97、周波数テーブル99、可変型発振器101、ピークホールド回路145、シーケンサ147で構成される。
以下では、変更点を含むピークホールド回路145とシーケンサ147について説明する。
ピークホールド回路145は、両波整流回路149と容量Cとで構成される。両波整流回路149は、絶対値回路とも呼ばれる既知の回路である。
シーケンサ147は、入力パルス信号を供給する電極パターン5への接続順序と検出信号の取り出し元となる電極パターン7への接続順序を、入力パルス信号に同期して出力する回路である。シーケンサ147は、入力パルス信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジに基づいて、制御タイミングを管理する。
(H−3)処理動作の内容
以下では、シーケンサ147の動作フロー(図43)に従って、静電容量型センサーモジュール141の処理動作を説明する。なお、図43も、上面側の電極パターン5と下面側の電極パターン7が共に4本の場合について表している。
まず、シーケンサ147は、測定対象とする操作面上の位置を指定する座標を発生する(S31)。このように発生された座標値XとYが、デマルチプレクサ37と、マルチプレクサ39と、判定部53と、電流値テーブル95と、周波数テーブル97に与えられる。
これにより、電流値テーブル95からから可変電流源97には、次の測定点に適した電流値が与えられる。同時に、周波数テーブル99から可変型発振器101には、次の測定点に適した周波数が与えられる。
そして、可変電流源97は、測定点に適した電流値が流れるように設定を変更する。また、可変型発振器101は、測定点に最適な周波数を有する入力パルス信号を出力する。また、入力パルス信号の入力に備えてデマルチプレクサ37とマルチプレクサ39が切替制御される。
一方、シーケンサ147は、入力パルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジの検出を待つ(S32)。いずれかのエッジが検出されると、シーケンサ147は、イネーブル信号を測定部51に出力する(S33)。このイネーブル信号の出力タイミングが、前述した立ち上がりタイミングtaに対応する。このイネーブル信号の入力により、測定部51の測定機能が有効化される。すなわち、経過時間Tの測定が開始される。
この後、シーケンサ147は、可変電流源97による放電動作を開始する時刻tbの到来を待つ(S34)。
時刻tbの到来が検出されると、シーケンサ147は、可変電流源97を有効化し、容量Cの放電を開始させる(S35)。
次に、シーケンサ147は、基準経過時間T0に対応する時刻tc(max) の経過を待つ(S36)。なお、時刻tc(max) は、操作面と指先との間に形成される容量が0(ゼロ)の場合の検出信号について検出されたピークレベルを、時刻tbのタイミングから放電したときに基準電位Vref を交差するタイミングとして与えられる。
この形態例の場合も、時刻tc(max) の経過が検出されると、シーケンサ147は、ディゼーブル信号を測定部51に出力する(S37)。このディゼーブル信号の入力により、測定部51の測定機能は無効化される。経過時間Tが採り得る最大値を超えてまで測定動作を継続する必要がないためである。勿論、測定機能の無効化後も、測定機能が有効な間に測定された経過時間Tは保持される。
この後、シーケンサ147は、判定部53に割り込み要求を出力する(S38)。この割り込み要求が入力された判定部53は、検出された経過時間Tと基準経過時間T0との比較結果に基づいて、シーケンサ147から与えられる座標位置に指が触れているか否かを判定する。
なお、比較処理には、シーケンサ147から与えられる測定点に対応する基準経過時間T0が使用される。勿論、基準経過時間T0には、適用する基準電位Vref の大きさを判定した値が用意されている。
この後、シーケンサ147は、停止要求が存在するか否かを判定する(S39)。そして、停止要求が確認されない場合は、再びXY座標の発生動作に戻って、以上の動作を繰り返す。なお、停止要求が確認された場合、シーケンサ147は、動作を終了する。
(H−4)まとめ
以上説明したように、形態例7に係る容量変化測定回路143の場合には、入力パルス信号の周波数の2倍の速度で操作入力の有無を判定することができる。これにより、操作面の全体から見たスキャン速度の更なる高速化を実現できる。
(I)他の形態例
(I−1)他の形態例1
前述の形態例においては、ピークレベルの検出にダイオードを用いる構成のピークホールド回路を説明した。
しかし、アナログスイッチをピークレベルの出現タイミングの近傍でオン制御する構成のピークホールド回路を用いても良い。
図44に、変形例に係る静電容量型センサーモジュール151のシステム構成例を示す。なお、図44には、図7との対応部分に同一符号を付して表している。
静電容量型センサーモジュール151は、静電容量型センサーデバイス23と、容量変化測定回路153とで構成される。
容量変化測定回路153は、デマルチプレクサ37、マルチプレクサ39、電流アンプ43、電流源47、測定部51、判定部53、ピークホールド回路155、シーケンサ157で構成される。
ピークホールド回路155は、アナログスイッチ159と容量Cとで構成される。アナログスイッチ159の開閉は、シーケンサ157が制御する。
(I−2)他の形態例2
前述した形態例の場合には、ピークホールド回路の前段に電流アンプを配置して検出電流を電圧に変換する回路構成について説明した。
しかし、電流アンプは用いなくても良い。
(I−3)製品例
(a)システム構成
前述の説明では、静電容量型センサーモジュールの構造と動作内容について説明した。しかし、前述した静電容量型センサーモジュールは、各種の電子機器に実装した商品形態でも流通される。以下、電子機器への実装例を示す。
図45及び図46に、電子機器の機能構成例を示す。
図45に示す電子機器161は、表示デバイス163の表面に静電容量型センサーモジュール165を積層するタイプの電子機器を想定した機能構成である。なお、電子機器161には、システム全体を制御するシステム制御部167が搭載さる。また、表示デバイス163には、例えば液晶パネル、有機ELディスプレイパネル、FEDパネル、プラズマパネルその他を使用する。
図46に示す電子機器171は、表示デバイスを用いない電位機器を想定した機能構成である。例えば取り込み範囲を、静電容量型センサーモジュール173を透過して視認しながら指定するスキャナ等を想定した機能構成である。勿論、電子機器171には、システム全体を制御するシステム制御部175が搭載される。
(b)具体例
以下では、電子機器の具体的な外観例を示す。
図47に、テレビジョン受像機181の外観例を示す。テレビジョン受像機181は、筐体183の正面に表示画面185と、静電容量型センサーモジュール187を配置した構造を有している。ここでの静電容量型センサーモジュール187に、前述した各種の形態例を応用する。
図48に、デジタルカメラ191の外観例を示す。図48(A)が正面側(被写体側)の外観例であり、図48(B)が背面側(撮影者側)の外観例である。
デジタルカメラ191は、保護カバー193、撮像レンズ部195、表示画面197、静電容量型センサーモジュール199、コントロールスイッチ201及びシャッターボタン203で構成される。ここでの静電容量型センサーモジュール199に、前述した各種の形態例を応用する。
図49に、ビデオカメラ211の外観例を示す。ビデオカメラ211は、本体213の前方に被写体を撮像する撮像レンズ215、撮影のスタート/ストップスイッチ217及び表示画面219、静電容量型センサーモジュール221で構成される。ここでの静電容量型センサーモジュール221に、前述した各種の形態例を応用する。
図50に、携帯端末装置としての携帯電話機231の外観例を示す。図50に示す携帯電話機231は折りたたみ式であり、図50(A)が筐体を開いた状態の外観例であり、図50(B)が筐体を折りたたんだ状態の外観例である。
携帯電話機231は、上側筐体233、下側筐体235、連結部(この例ではヒンジ部)237、主表示画面239、静電容量型センサーモジュール241、補助表示画面243、静電容量型センサーモジュール245、ピクチャーライト247及び撮像レンズ249で構成される。ここでの静電容量型センサーモジュール241と245に、前述した各種の形態例を応用する。
図51に、ノート型コンピュータ251の外観例を示す。図51に示すノート型コンピュータ251は、下側筐体253、上側筐体255、キーボード257及び表示画面259、静電容量型センサーモジュール261で構成される。ここでの静電容量型センサーモジュール261に、前述した各種の形態例を応用する。
この他、この明細書における「電子機器」には、携帯型のオーディオ再生装置、ゲーム機、電子ブック、電子辞書、据え置き型家電機器、産業機械、事務機器等が含まれる。
(I−4)その他
前述した形態例には、発明の趣旨の範囲内で様々な変形例が考えられる。また、本明細書の記載に基づいて創作される又は組み合わせられる各種の変形例及び応用例も考えられる。
静電容量型センサーモジュールの概略平面構成を示す図である。 静電容量型センサーモジュールの概略断面構成を示す図である。 静電容量変化測定回路の従来構成を示す図である。 従来回路の動作を説明する図である。 静電容量型センサーモジュールの外観構成例を示す図である。 検出パルスの波形変化を説明する図である 静電容量型センサーモジュールのシステム例を説明する図である。 放電による電位変化と基準電位との関係を説明する図である。 放電による電位変化と判定に要する経過時間との関係を説明する図である。 シーケンサの動作例を説明する図である。 放電による電位変化と基準電位との関係を説明する図である。 放電による電位変化と基準電位との関係を説明する図である。 静電容量型センサーモジュールのシステム例を説明する図である。 シーケンサの動作例を説明する図である。 放電による電位変化と判定に要する経過時間との関係を説明する図である。 伝搬経路長の長短を説明する図である。 伝搬経路の等価回路を示す図である。 伝搬経路の概略特性を示す図である。 操作面上の位置に応じた検出信号の出現例を示す図である。 操作面上の位置に応じた検出信号の振幅の違いを説明する図である。 放電による電位変化と判定に要する経過時間との関係を説明する図である。 入力パルス信号の高速化技術を説明する図である。 静電容量型センサーモジュールのシステム例を説明する図である。 周波数テーブル例を示す図である。 周波数と測定点との対応関係を示す図である。 入力パルス信号の高速化技術を説明する図である。 静電容量型センサーモジュールのシステム例を説明する図である。 電流値テーブル例を示す図である。 電流値と測定点との対応関係を示す図である。 周波数テーブル例を示す図である。 周波数と測定点との対応関係を示す図である。 入力パルス信号の高速化技術を説明する図である。 静電容量型センサーモジュールのシステム例を説明する図である。 基準電位テーブルと測定点との対応関係を示す図である。 基準電位と測定点との対応関係を示す図である。 周波数テーブル例を示す図である。 周波数と測定点との対応関係を示す図である。 ピークレベルの他の検出動作例を説明する図である。 静電容量型センサーモジュールのシステム例を説明する図である。 シーケンサの動作例を説明する図である。 ピークレベルの他の検出動作例を示す図である。 静電容量型センサーモジュールのシステム例を説明する図である。 シーケンサの動作例を説明する図である。 静電容量型センサーモジュールのシステム例を説明する図である。 電子機器の概念構成例を示す図である。 電子機器の概念構成例を示す図である。 電子機器の商品例を示す図である。 電子機器の商品例を示す図である。 電子機器の商品例を示す図である。 電子機器の商品例を示す図である。 電子機器の商品例を示す図である。
符号の説明
1 静電容量型センサーデバイス
3 容量変化測定回路
21 静電容量型センサーモジュール
23 静電容量型センサーデバイス
27 容量変化測定回路

Claims (18)

  1. 静電容量型センサーデバイスを構成する複数列の第1の電極パターンに、所定周期で入力パルス信号を線順次に入力する電極駆動部と、
    前記第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンを通じて取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存するピークホールド回路と、
    前記入力パルス信号の1周期以内に、前記容量素子の電位を初期化する電流源と、
    前記容量素子の保持電位と基準値を比較するコンパレータと、
    前記容量素子の保持電位が前記基準値を交差するタイミング情報と基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する複数の判定部と
    を有する静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。
  2. 前記基準タイミング情報は、前記第1及び第2の電極パターンの交点位置に対応する測定点毎に設定されている
    請求項1に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。
  3. 前記タイミング情報は、前記入力パルス信号のエッジ検出タイミングから前記容量素子の保持電位が前記基準値を交差するまでの経過時間であり、
    前記基準タイミング情報は、無操作時における前記経過時間である
    請求項2に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。
  4. 前記電流源による放電動作の開始タイミングは、
    前記検出信号について想定されるピークレベルの出現タイミング以降に定められる
    請求項1に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。
  5. 前記第1及び第2の電極パターン上での伝搬経路長と、各電極パターンまでの伝搬経路長との組み合わせで規定される伝搬経路長に基づいて、操作領域別に、前記入力パルス信号のパルス周波数を設定する
    請求項1に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。
  6. 前記組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より短い第1の操作領域については、前記入力パルス信号のパルス周波数を第1のパルス周波数F1に設定し、
    前記組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より長い第2の操作領域については、前記入力パルス信号のパルス周波数を第2のパルス周波数F2(>F1)に設定する
    請求項5に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。
  7. 前記第1及び第2の電極パターン上での伝搬経路長と、各電極パターンまでの伝搬経路長との組み合わせで規定される伝搬経路長に基づいて、操作領域別に、前記電流源の電流量を設定する
    請求項1に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。
  8. 前記組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より短い第1の操作領域については、前記電流量を第1の電流量I1に設定し、
    前記組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より長い第2の操作領域については、前記電流量を第2の電流量I2(<I1)に設定する
    請求項7に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。
  9. 前記組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より短い第3の操作領域については、前記入力パルス信号のパルス周波数を第1のパルス周波数F1に設定し、
    前記組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より長い第4の操作領域については、前記入力パルス信号のパルス周波数を第2のパルス周波数F2(>F1)に設定する
    請求項8に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。
  10. 前記第1及び第2の電極パターン上での伝搬経路長と、各電極パターンまでの伝搬経路長との組み合わせで規定される伝搬経路長に基づいて、操作領域別に、前記コンパレータの基準値を設定する
    請求項1に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。
  11. 前記組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より長い第1の操作領域については、前記基準値を第1の基準値R1に設定し、
    前記組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より短い第2の操作領域については、前記基準値を第2の基準値R2(>R1)に設定する
    請求項10に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。
  12. 前記ピークホールド回路は、前記検出信号の正極周期のピークレベルを保持する
    請求項1に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。
  13. 前記ピークホールド回路は、前記検出信号の負極周期のピークレベルを保持する
    請求項1に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。
  14. 前記ピークホールド回路は、前記検出信号の正極周期のピークレベルと負極周期のピークレベルの絶対値を保持するように動作し、
    前記電流源は、前記入力パルス信号の半周期以内に、前記容量素子の電位を初期化するように動作する
    請求項1に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。
  15. 所定周期の入力パルス信号が線順次に入力される複数列の第1の電極パターンと、前記第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンとを有する静電容量型のセンサーデバイスと、
    前記複数列の第2の電極パターンから取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存するピークホールド回路と、
    前記入力パルス信号の1周期以内に、前記容量素子の電位を初期化する電流源と、
    前記容量素子の保持電位と基準値を比較するコンパレータと、
    前記容量素子の保持電位が前記基準値を交差するタイミング情報と、前記入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する複数の判定部と
    を有する静電容量型センサーモジュール。
  16. 静電容量型センサーデバイスを構成する複数列の第1の電極パターンに、所定周期で入力パルス信号を線順次に入力する処理と、
    前記第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンを通じて取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存する処理と、
    前記入力パルス信号の1周期以内に、前記容量素子の電位を初期化する処理と、
    前記容量素子の保持電位と基準値を比較する処理と、
    前記容量素子の保持電位が前記基準値を交差するタイミング情報と、前記入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する処理と
    を有する静電容量型センサーデバイスの容量変化測定方法。
  17. 表示デバイスと、
    前記表示デバイスの表面に配置される静電容量型のセンサーデバイスであって、所定周期の入力パルス信号が線順次に入力される複数列の第1の電極パターンと、前記第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンとを有する静電容量型のセンサーデバイスと、
    前記複数列の第2の電極パターンから取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存するピークホールド回路と、
    前記入力パルス信号の1周期以内に、前記容量素子の電位を初期化する電流源と、
    前記容量素子の保持電位と基準値を比較するコンパレータと、
    前記容量素子の保持電位が前記基準値を交差するタイミング情報と、前記入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する複数の判定部と、
    システム全体の動作を制御するシステム制御部と
    を有する電子機器。
  18. 透過性の材料で形成される静電容量型のセンサーデバイスであって、所定周期の入力パルス信号が線順次に入力される複数列の第1の電極パターンと、前記第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンとを有する静電容量型のセンサーデバイスと、
    前記複数列の第2の電極パターンから取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存するピークホールド回路と、
    前記入力パルス信号の1周期以内に、前記容量素子の電位を初期化する電流源と、
    前記容量素子の保持電位と基準値を比較するコンパレータと、
    前記容量素子の保持電位が前記基準値を交差するタイミング情報と、前記入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する複数の判定部と、
    システム全体の動作を制御するシステム制御部と
    を有する電子機器。
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