JP2010044470A - 静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路、静電容量型センサーモジュール、静電容量型センサーデバイスの容量変化測定方法及び電子機器 - Google Patents
静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路、静電容量型センサーモジュール、静電容量型センサーデバイスの容量変化測定方法及び電子機器 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路として、(1)静電容量型センサーデバイスを構成する複数列の第1の電極パターンに、所定周期で入力パルス信号を線順次に入力する電極駆動部、(2)第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンを通じて取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存するピークホールド回路、(3)入力パルス信号の1周期以内に、容量素子の電位を初期化する電流源、(4)容量素子の保持電位と基準値を比較するコンパレータ、(5)容量素子の保持電位が基準値を交差するタイミング情報と、入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する複数の判定部を有するものを提案する。
【選択図】図7
Description
(2)容量Cref とCxの電荷が全て放電されると、全てのアナログスイッチS1、S2、S3をオフ状態に制御する。
(3)この後、アナログスイッチS1のみをオン制御する。このとき、キルヒホフの法則により、Cref とCxに等しい大きさの電荷Qがチャージされる。
(5)前述した(2)〜(4)の動作を繰り返し実行する。すると、図4に示すように、容量Cref の電圧が徐々に上昇する。やがて、図3のA点電圧が基準電位Vref を越えると、この時点でコンパレータ13の判定出力が変化する。また、この判定出力の変化を通じて、繰り返し動作が停止制御される。
(A)静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路
例えば静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路として、以下のデバイスを有するものを提案する。
(1)静電容量型センサーデバイスを構成する複数列の第1の電極パターンに、所定周期で入力パルス信号を線順次に入力する電極駆動部
(2)第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンを通じて取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存するピークホールド回路
(3)入力パルス信号の1周期以内に、容量素子の電位を初期化する電流源
(4)容量素子の保持電位と基準値を比較するコンパレータ
(5)容量素子の保持電位が基準値を交差するタイミング情報と、入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する複数の判定部
また、タイミング情報は、入力パルス信号のエッジ検出タイミングから容量素子の保持電位が基準値を交差するまでの経過時間であり、基準タイミング情報は、無操作時における経過時間であることが望ましい。
すなわち、電流量の制御を組み合わせることにより、操作入力の有無の検出に要する時間を更に短縮できる。
また、発明者は、例えば静電容量型センサーモジュールとして、以下のデバイスを有するものを提案する。
(1)所定周期の入力パルス信号が線順次に入力される複数列の第1の電極パターンと、第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンとを有する静電容量型のセンサーデバイス
(2)複数列の第2の電極パターンから取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存するピークホールド回路
(3)入力パルス信号の1周期以内に、容量素子の電位を初期化する電流源
(4)容量素子の保持電位と基準値を比較するコンパレータ
(5)容量素子の保持電位が基準値を交差するタイミング情報と、入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する複数の判定部
また、発明者は、例えば静電容量型センサーデバイスの容量変化測定方法として、以下の処理を有するものを提案する。
(1)静電容量型センサーデバイスを構成する複数列の第1の電極パターンに、所定周期で入力パルス信号を線順次に入力する処理
(2)第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンを通じて取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存する処理
(3)入力パルス信号の1周期以内に、容量素子の電位を初期化する処理
(4)容量素子の保持電位と基準値を比較する処理
(5)容量素子の保持電位が前記基準値を交差するタイミング情報と、入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する処理
また、発明者は、例えば電子機器として、以下のデバイスを有するものを提案する。
(1)表示デバイス
(2)表示デバイスの表面に配置される静電容量型のセンサーデバイスであって、所定周期の入力パルス信号が線順次に入力される複数列の第1の電極パターンと、第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンとを有する静電容量型のセンサーデバイス
(3)複数列の第2の電極パターンから取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存するピークホールド回路
(4)入力パルス信号の1周期以内に、前記容量素子の電位を初期化する電流源
(5)容量素子の保持電位と基準値を比較するコンパレータ
(6)容量素子の保持電位が基準値を交差するタイミング情報と、入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する複数の判定部
(7)システム全体の動作を制御するシステム制御部
また、発明者は、例えば電子機器として、以下のデバイスを有するものを提案する。
(1)透過性の材料で形成される静電容量型のセンサーデバイスであって、所定周期の入力パルス信号が線順次に入力される複数列の第1の電極パターンと、第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンとを有する静電容量型のセンサーデバイス
(2)複数列の第2の電極パターンから取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存するピークホールド回路
(3)入力パルス信号の1周期以内に、前記容量素子の電位を初期化する電流源
(4)容量素子の保持電位と基準値を比較するコンパレータ
(5)容量素子の保持電位が基準値を交差するタイミング情報と、入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する複数の判定部
(6)システム全体の動作を制御するシステム制御部
図5に、静電容量型センサーモジュールの外観構成例を示す。静電容量型センサーモジュール21は、静電容量型センサーデバイス23と、その引出し配線であるFPC(フレキシブルプリント配線基板)25と、容量変化測定回路27で構成される。
(B−1)検出原理
この形態例では、入力パルス信号の立ち上がりタイミングで発生する検出パルスの正極波形のピークレベルに着目する。図6に、ある測定点(閉回路)に着目した検出パルスの波形変化を示す。図中横軸は、入力パルス信号の立ち上がりタイミングからの経過時間であり、図中縦軸は検出信号に対応する電流量である。
以下、この検出原理を採用した静電容量型センサーモジュールの形態例を説明する。
図7に、この形態例に係る静電容量型センサーモジュール31のシステム構成例を示す。なお、静電容量型センサーモジュール31では、静電容量型センサーデバイス23を簡略化して表している。
静電容量型センサーモジュール31は、静電容量型センサーデバイス23と、容量変化測定回路33とで構成される。
発振器35は、予め設定された固定周波数の矩形形状の入力パルス信号を発生する回路である。もっとも、入力パルス信号の波形は矩形波に限らず、正弦波や三角波その他の形状でも良い。この形態例の場合、発振器35は、500kHzの周波数で入力パルス信号を発生する。
マルチプレクサ39は、シーケンサ41が指示する順番に検出信号が取り出される電極パターン7を切り替える回路である。
ピークホールド回路45は、検出信号の正極側のピークレベルを検出する回路である。図7に示すように、ピークホールド回路45は、ダイオードDと容量Cとで構成される。ダイオードDは、整流機能により検出信号の正極部分だけを取り出すのに用いられる。また、容量Cは、検出信号のピークレベルに対応する電位を格納するのに用いられる。
因みに、測定部51と判定部53は、CPU上で実行されるプログラム処理としても実現できるし、ロジック回路としても実現できる。
以下では、シーケンサ41の動作フロー(図10)に従って、静電容量型センサーモジュール31の処理動作を説明する。なお、図10は、上面側の電極パターン5と下面側の電極パターン7が共に4本の場合について表している。
この後、シーケンサ41は、基準経過時間T0に対応する時刻tc(max) の経過を待つ(S4)。
以上説明したように、形態例1に係る容量変化測定回路33の採用により、従来技術に比して圧倒的に高速の判定動作が可能になる。例えば10地点についての判定処理を実行する場合、従来技術では20msもの時間が必要とされたが、形態例の場合には20μsあれば済む。このため、従来技術では応用が難しかった高速入力への対応が可能になる。
また、電流入力電圧出力型アンプ43の入力段までは電流モードで動作するため、高いノイズ耐性が期待できる。すなわち、形態例に係る容量変化測定回路33は、検出精度についても実用上十分な精度が期待できる。
(C−1)検出原理
この形態例では、操作面と指との接触状態に応じてピークレベルの出現位置がずれる場合にも、経過時間Tの測定精度を高めることができる手法について説明する。
図11に、形態例1で採用した検出波形と容量Cの電位変化との関係を示す。前述したように、形態例1に係る容量変化測定回路33は、従来技術に比して高速での判定動作が可能である。
を交差する時刻よりも前に、コンパレータ47の出力レベルが反転しないように定めることが要求される。ここで、最も緩やかに変化する検出信号の減衰曲線とは、操作面と指との間に発生する容量が20pFの場合に相当する。従って、形態例1の場合には、電流源47の電流量を大きくすることができず、経過時間Tがどうしても長くなる。
以下、この検出原理を採用した静電容量型センサーモジュールの形態例を説明する。
図13に、この形態例に係る静電容量型センサーモジュール61のシステム構成例を示す。なお、図13には、形態例1に係る図7との対応部分に同一符号を付して示す。
静電容量型センサーモジュール61は、静電容量型センサーデバイス23と、容量変化測定回路63とで構成される。
以下では、シーケンサ65の動作フロー(図14)に従って、静電容量型センサーモジュール61の処理動作を説明する。なお、図14も、上面側の電極パターン5と下面側の電極パターン7が共に4本の場合について表している。
時刻tbの到来が検出されると、シーケンサ65は、電流源67を有効化し、容量Cの放電を開始させる(S15)。
以上説明したように、形態例2に係る容量変化測定回路63の採用により、形態例1の場合と同様、従来技術に比して圧倒的に高速の判定動作を実現できる。
更に、形態例2の場合には、操作面と指先との間に形成される容量の大きさによってピークレベルの出現タイミングが大きくずれるときでも、正確な経過時間Tの測定が可能となる。従って、操作入力の判定精度を高めることができる。
(D−1)検出原理
この形態例では、操作面における測定点の位置に応じて、経過時間Tの測定動作を最適化する方法について説明する。
ここでは、図16に示す電極パターン構造を有する静電容量型センサーデバイス23について、操作面上の測定位置の違いが検出信号に与える影響を説明する。
ところで、図16に示すように、計8本の電極パターンには、それぞれフレキシブルプリント配線基板25の導電線(例えばカーボン導電線)71とが接続されている。
以下では、操作面の4隅に位置する各測定点にIからIVの数字を割り当てることにより、対応する伝搬経路の特性の違いを説明する。
また、図19に、これら4つの測定点I〜IVに対応する検出信号の波形を示す。なお、図19に示す4つのグラフの縦軸は電流値μAであり、横軸は時間[ns]である。図19からも、操作面に指が接していない場合のピークレベルが最大であり、操作面と指との間に形成される容量成分が最大(20pF)のときピークレベルが最小になる関係が分かる。
そこで、この4つのグラフのスケールの違いが分かるように図20を示す。図20は、同じスケール上に4つの検出信号の波形をマッピングして表した図である。ただし、図20においては、非接触の場合(0pF)に対応する4つの検出信号のみを表している。
もっとも、このような違いがあっても、形態例1や2で説明した測定技術は有効に機能し、従来技術に比して顕著な効果が期待できる。
図21に、前図の縦軸をピークホールド電圧[mV]に変更し、かつ、横軸の時間スケールを8倍にした図を示す。また、図21は、コンパレータ49が参照する基準電圧Vref が0(ゼロ)Vである場合を示す。
以下、図22を用いて説明する。図22(A)は、ピークレベルが最大となる測定点Iの検出波形と放電完了までの関係を表している。前述したように、放電完了までには、入力パルス信号の立ち上がりエッジから1.6μsほどの時間が必要である。
これに対して、図22(B)は、測定点II、III 、IVの検出波形と放電完了までの関係を表している。前述したように、放電完了までには、入力パルス信号の立ち上がりエッジから0.8μsほどの時間が必要である。図22(B)のように、入力パルス信号が500kHzで入力される場合、時間的余裕がある。
以下では、測定領域別に入力パルス信号の周波数を最適化した静電容量型センサーモジュールの形態例を説明する。
図23に、この形態例に係る静電容量型センサーモジュール81のシステム構成例を示す。なお、図23には、形態例2に係る図13との対応部分に同一符号を付して示す。
静電容量型センサーモジュール81は、静電容量型センサーデバイス23と、容量変化測定回路83とで構成される。
前述したように、この形態例の場合には、操作面上の測定点(座標位置)毎に入力パルス信号の周波数を最適化する。この最適化された周波数と測定点(座標位置)との関係を格納するのが周波数テーブル85である。
周波数テーブル85は、シーケンサ65から新たな座標値が与えられる毎に対応する周波数を読み出し、可変型発振器87に与えるように動作する。
この形態例の場合、シーケンサ65の構成は形態例2と同じである。従って、その動作フローは、図14で説明したものと同じである。以下では、シーケンサ65の動作フローに従って、静電容量型センサーモジュール81の処理動作を説明する。
時刻tbの到来が検出されると、シーケンサ65は、電流源67を有効化し、容量Cの放電を開始させる(S15)。
以上説明したように、形態例3に係る容量変化測定回路83の場合には、操作面上の各測定点に入力される入力パルス信号の周波数を最適化することができる。すなわち、各測定点における判定動作を最短化できる。これにより、操作面の全体から見たスキャン速度を高速化できる。
(E−1)検出原理
この形態例も、操作面上の操作点の位置(より具体的には、伝搬経路長の長さ)に応じて、経過時間Tの測定動作を最適化する方法について説明する。
ただし、この形態例では、電流源の電流値を可変制御して更なるスキャン速度の高速化技術を提案する。
因みに、図26(A)は、形態例3における入力パルス信号とピークレベルの放電に要する時間との関係を表している。
図26の場合、電流源の電流値を2倍に上げることで、1.6μs必要であった放電時間が0.8μsに短縮できることが分かる。
以下では、測定領域別に入力パルス信号の周波数と電流源の電流値を最適化した静電容量型センサーモジュールの形態例を説明する。
図27に、この形態例に係る静電容量型センサーモジュール91のシステム構成例を示す。なお、図27には、形態例3に係る図23との対応部分に同一符号を付して示す。
静電容量型センサーモジュール91は、静電容量型センサーデバイス23と、容量変化測定回路93とで構成される。
前述したように、この形態例の場合には、操作面上の測定点(座標位置)毎に入力パルス信号の周波数と可変電流源97の電流値を最適化する。
このうち、最適化された電流値と測定点(座標位置)との関係を格納するのが電流値テーブル95である。
可変電流源97は、与えられた電流値を選択的に発生する定電流回路である。なお、可変電流源97は、複数の電流値を生成できる単一回路でも良い。また、前述した2種類の電流値に対応するそれぞれ独立した2個の電流源と、そのいずれか一つを容量Cに接続するスイッチとで構成しても良い。
図30に、周波数テーブル99の構成例を示す。図30に示すように、周波数テーブル99には、X座標とY座標の組み合わせについて1つの周波数が割り当てられている。図31に、周波数テーブル99の対応関係を操作面上に重ねて表示する。図31に示すように、この形態例の場合、検出信号のピークレベルが小さくなる3つの測定点については1.5MHzを対応づけ、残る13個の測定点には1MHzを対応づけている。
この形態例の場合も、シーケンサ65の構成は形態例2と同じである。従って、その動作フローは、図14で説明したものと同じである。以下では、シーケンサ65の動作フローに従って、静電容量型センサーモジュール91の処理動作を説明する。
そして、可変電流源97は、測定点に適した電流値が流れるように設定を変更する。また、可変型発振器101は、測定点に最適な周波数を有する入力パルス信号を出力する。また、入力パルス信号の入力に備えてデマルチプレクサ37とマルチプレクサ39が切替制御される。
時刻tbの到来が検出されると、シーケンサ65は、電流源67を有効化し、容量Cの放電を開始させる(S15)。
以上説明したように、形態例4に係る容量変化測定回路93の場合には、操作面上の各測定点に入力される入力パルス信号の周波数と電流源97の電流値とを最適化することができる。
これにより、形態例3では、入力パルス信号の周波数が500kHzであった測定領域についても、1MHzに高速化することができる。
このことは、入力パルス周波数の最低周波数が500kHzから1MHzに上がったことを意味し、操作面の全体から見たスキャン速度の更なる高速化を実現できる。
(F−1)検出原理
この形態例では、操作面上における測定点の位置(より具体的には、伝搬経路長の長さ)に応じて、経過時間Tの測定動作を最適化する方法について説明する。
ただし、この形態例では、コンパレータの基準電位Vref を可変制御して更なるスキャン速度の高速化技術を提案する。
因みに、図32(A)は、形態例3における入力パルス信号とピークレベルの放電に要する時間との関係を表している。この場合、操作入力の判定用には、0(ゼロ)Vに対応する基準電位Vref1が用いられる。
図32の場合、基準電位Vref1をVref2に切り替えることで、1.6μs必要であった放電時間が0.8μsに短縮できることが分かる。
そして、放電時間が0.8μsであれば、入力パルス信号の周波数を1MHzに上げても、その1周期以内に操作入力の有無を判定することが可能になる。
以下では、測定領域別に入力パルス信号の周波数とコンパレータの基準電位Vref を最適化した静電容量型センサーモジュールの形態例を説明する。
図33に、この形態例に係る静電容量型センサーモジュール111のシステム構成例を示す。なお、図33には、形態例3に係る図23との対応部分に同一符号を付して示す。
静電容量型センサーモジュール111は、静電容量型センサーデバイス23と、容量変化測定回路113とで構成される。
前述したように、この形態例の場合には、操作面上の測定点(座標位置)毎に入力パルス信号の周波数と基準電位Vref を最適化する。
このうち、最適化された基準電位Vref と測定点(座標位置)との関係を格納するのが基準電位テーブル115である。
を2段階に切り替える。
ディジタル・アナログ変換器117は、与えられたディジタル値をアナログ電位に変換する回路である。なお、ディジタル・アナログ変換器117に代えて、2種類の電圧源を用意し、そのいずれか一方をコンパレータ49に与える構成を採用しても良い。この場合、基準電位テーブル115には、2種類の電圧源の選択情報を書き込めば良い。
図36に、周波数テーブル119の構成例を示す。図36に示すように、周波数テーブル119には、X座標とY座標の組み合わせについて1つの周波数が割り当てられている。
この形態例の場合、シーケンサ65の構成は形態例2と同じである。従って、その動作フローは、図14で説明したものと同じである。以下では、シーケンサ65の動作フローに従って、静電容量型センサーモジュール111の処理動作を説明する。
時刻tbの到来が検出されると、シーケンサ65は、電流源67を有効化し、容量Cの放電を開始させる(S15)。
この後、シーケンサ65は、停止要求が存在するか否かを判定する(S19)。そして、停止要求が確認されない場合は、再びXY座標の発生動作に戻って、以上の動作を繰り返す。なお、停止要求が確認された場合、シーケンサ65は、動作を終了する。
以上説明したように、形態例5に係る容量変化測定回路113の場合には、操作面上の各測定点に入力される入力パルス信号の周波数とコンパレータ49の基準電位Vref とを最適化することができる。
これにより、形態例5では、入力パルス信号の周波数が500kHzであった測定領域についても、1MHzに高速化することができる。
このことは、入力パルス周波数の最低周波数が500kHzから1MHzに上がったことを意味し、操作面の全体から見たスキャン速度の更なる高速化を実現できる。
(G−1)検出原理
前述した形態例の場合には、入力パルス信号に対応する検出信号の正極周期のピークレベルを検出する場合について説明した。すなわち、最大値を検出し、その放電に要する経過時間Tを測定する場合について説明した。
図38に、処理イメージを示す。図38は、形態例2の変形例に対応する。図38(A)に実線で示す波形は検出信号であり、破線で示す波形は容量Cの保持電位である。また、図38(B)は入力パルス信号の波形を示している。
以下、この検出原理を採用した静電容量型センサーモジュールの形態例を説明する。
図39に、この形態例に係る静電容量型センサーモジュール131のシステム構成例を示す。なお、図39には、形態例2に係る図13との対応部分に同一符号を付して示す。
静電容量型センサーモジュール131は、静電容量型センサーデバイス23と、容量変化測定回路133とで構成される。
この形態例の場合、ピークホールド回路135を構成するダイオードDの接続方向は、形態例2の場合と逆向きになる。
以下では、シーケンサ139の動作フロー(図40)に従って、静電容量型センサーモジュール131の処理動作を説明する。なお、図40も、上面側の電極パターン5と下面側の電極パターン7が共に4本の場合について表している。
時刻tbの到来が検出されると、シーケンサ139は、電流源137を有効化し、容量Cの充電を開始させる(S25)。
以上説明したように、形態例6に係る容量変化測定回路133の採用により、従来技術に比して圧倒的に高速の判定動作を実現できる。
勿論、形態例6の場合には、操作面と指先との間に形成される容量の大きさによってピークレベルの出現タイミングが大きくずれるときでも、正確な経過時間Tの測定が可能となる。従って、操作入力の判定精度を高めることができる。
(H−1)検出原理
前述した形態例の場合には、検出信号の正極周期のピークレベル又は負極周期のピークレベルを検出する場合について説明した。
しかし、図41に示すように、ピークホールド回路のダイオードを両波整流回路に変更することで、正極周期のピークレベルと負極周期のピークレベルの両方を検出しても良い。
図41(A)に示すように、入力パルス信号の周波数は500kHzであるが、判定動作はその2倍の速度で実行することができる。勿論、入力パルス信号の立ち上がりエッジから判定終了までの時間が、入力パルス信号の半周期以内に完結することが適用できる前提である。
以下、この検出原理を採用した静電容量型センサーモジュールの形態例を説明する。
図42に、この形態例に係る静電容量型センサーモジュール141のシステム構成例を示す。なお、図42には、形態例4に係る図27との対応部分に同一符号を付して示す。
静電容量型センサーモジュール141は、静電容量型センサーデバイス23と、容量変化測定回路143とで構成される。
以下では、変更点を含むピークホールド回路145とシーケンサ147について説明する。
シーケンサ147は、入力パルス信号を供給する電極パターン5への接続順序と検出信号の取り出し元となる電極パターン7への接続順序を、入力パルス信号に同期して出力する回路である。シーケンサ147は、入力パルス信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジに基づいて、制御タイミングを管理する。
以下では、シーケンサ147の動作フロー(図43)に従って、静電容量型センサーモジュール141の処理動作を説明する。なお、図43も、上面側の電極パターン5と下面側の電極パターン7が共に4本の場合について表している。
時刻tbの到来が検出されると、シーケンサ147は、可変電流源97を有効化し、容量Cの放電を開始させる(S35)。
この後、シーケンサ147は、停止要求が存在するか否かを判定する(S39)。そして、停止要求が確認されない場合は、再びXY座標の発生動作に戻って、以上の動作を繰り返す。なお、停止要求が確認された場合、シーケンサ147は、動作を終了する。
以上説明したように、形態例7に係る容量変化測定回路143の場合には、入力パルス信号の周波数の2倍の速度で操作入力の有無を判定することができる。これにより、操作面の全体から見たスキャン速度の更なる高速化を実現できる。
前述の形態例においては、ピークレベルの検出にダイオードを用いる構成のピークホールド回路を説明した。
しかし、アナログスイッチをピークレベルの出現タイミングの近傍でオン制御する構成のピークホールド回路を用いても良い。
静電容量型センサーモジュール151は、静電容量型センサーデバイス23と、容量変化測定回路153とで構成される。
ピークホールド回路155は、アナログスイッチ159と容量Cとで構成される。アナログスイッチ159の開閉は、シーケンサ157が制御する。
前述した形態例の場合には、ピークホールド回路の前段に電流アンプを配置して検出電流を電圧に変換する回路構成について説明した。
しかし、電流アンプは用いなくても良い。
(a)システム構成
前述の説明では、静電容量型センサーモジュールの構造と動作内容について説明した。しかし、前述した静電容量型センサーモジュールは、各種の電子機器に実装した商品形態でも流通される。以下、電子機器への実装例を示す。
図45に示す電子機器161は、表示デバイス163の表面に静電容量型センサーモジュール165を積層するタイプの電子機器を想定した機能構成である。なお、電子機器161には、システム全体を制御するシステム制御部167が搭載さる。また、表示デバイス163には、例えば液晶パネル、有機ELディスプレイパネル、FEDパネル、プラズマパネルその他を使用する。
以下では、電子機器の具体的な外観例を示す。
図47に、テレビジョン受像機181の外観例を示す。テレビジョン受像機181は、筐体183の正面に表示画面185と、静電容量型センサーモジュール187を配置した構造を有している。ここでの静電容量型センサーモジュール187に、前述した各種の形態例を応用する。
デジタルカメラ191は、保護カバー193、撮像レンズ部195、表示画面197、静電容量型センサーモジュール199、コントロールスイッチ201及びシャッターボタン203で構成される。ここでの静電容量型センサーモジュール199に、前述した各種の形態例を応用する。
この他、この明細書における「電子機器」には、携帯型のオーディオ再生装置、ゲーム機、電子ブック、電子辞書、据え置き型家電機器、産業機械、事務機器等が含まれる。
前述した形態例には、発明の趣旨の範囲内で様々な変形例が考えられる。また、本明細書の記載に基づいて創作される又は組み合わせられる各種の変形例及び応用例も考えられる。
3 容量変化測定回路
21 静電容量型センサーモジュール
23 静電容量型センサーデバイス
27 容量変化測定回路
Claims (18)
- 静電容量型センサーデバイスを構成する複数列の第1の電極パターンに、所定周期で入力パルス信号を線順次に入力する電極駆動部と、
前記第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンを通じて取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存するピークホールド回路と、
前記入力パルス信号の1周期以内に、前記容量素子の電位を初期化する電流源と、
前記容量素子の保持電位と基準値を比較するコンパレータと、
前記容量素子の保持電位が前記基準値を交差するタイミング情報と基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する複数の判定部と
を有する静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。 - 前記基準タイミング情報は、前記第1及び第2の電極パターンの交点位置に対応する測定点毎に設定されている
請求項1に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。 - 前記タイミング情報は、前記入力パルス信号のエッジ検出タイミングから前記容量素子の保持電位が前記基準値を交差するまでの経過時間であり、
前記基準タイミング情報は、無操作時における前記経過時間である
請求項2に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。 - 前記電流源による放電動作の開始タイミングは、
前記検出信号について想定されるピークレベルの出現タイミング以降に定められる
請求項1に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。 - 前記第1及び第2の電極パターン上での伝搬経路長と、各電極パターンまでの伝搬経路長との組み合わせで規定される伝搬経路長に基づいて、操作領域別に、前記入力パルス信号のパルス周波数を設定する
請求項1に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。 - 前記組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より短い第1の操作領域については、前記入力パルス信号のパルス周波数を第1のパルス周波数F1に設定し、
前記組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より長い第2の操作領域については、前記入力パルス信号のパルス周波数を第2のパルス周波数F2(>F1)に設定する
請求項5に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。 - 前記第1及び第2の電極パターン上での伝搬経路長と、各電極パターンまでの伝搬経路長との組み合わせで規定される伝搬経路長に基づいて、操作領域別に、前記電流源の電流量を設定する
請求項1に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。 - 前記組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より短い第1の操作領域については、前記電流量を第1の電流量I1に設定し、
前記組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より長い第2の操作領域については、前記電流量を第2の電流量I2(<I1)に設定する
請求項7に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。 - 前記組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より短い第3の操作領域については、前記入力パルス信号のパルス周波数を第1のパルス周波数F1に設定し、
前記組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より長い第4の操作領域については、前記入力パルス信号のパルス周波数を第2のパルス周波数F2(>F1)に設定する
請求項8に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。 - 前記第1及び第2の電極パターン上での伝搬経路長と、各電極パターンまでの伝搬経路長との組み合わせで規定される伝搬経路長に基づいて、操作領域別に、前記コンパレータの基準値を設定する
請求項1に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。 - 前記組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より長い第1の操作領域については、前記基準値を第1の基準値R1に設定し、
前記組み合わせで規定される伝搬経路長が規定値より短い第2の操作領域については、前記基準値を第2の基準値R2(>R1)に設定する
請求項10に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。 - 前記ピークホールド回路は、前記検出信号の正極周期のピークレベルを保持する
請求項1に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。 - 前記ピークホールド回路は、前記検出信号の負極周期のピークレベルを保持する
請求項1に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。 - 前記ピークホールド回路は、前記検出信号の正極周期のピークレベルと負極周期のピークレベルの絶対値を保持するように動作し、
前記電流源は、前記入力パルス信号の半周期以内に、前記容量素子の電位を初期化するように動作する
請求項1に記載の静電容量型センサーデバイスの容量変化測定回路。 - 所定周期の入力パルス信号が線順次に入力される複数列の第1の電極パターンと、前記第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンとを有する静電容量型のセンサーデバイスと、
前記複数列の第2の電極パターンから取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存するピークホールド回路と、
前記入力パルス信号の1周期以内に、前記容量素子の電位を初期化する電流源と、
前記容量素子の保持電位と基準値を比較するコンパレータと、
前記容量素子の保持電位が前記基準値を交差するタイミング情報と、前記入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する複数の判定部と
を有する静電容量型センサーモジュール。 - 静電容量型センサーデバイスを構成する複数列の第1の電極パターンに、所定周期で入力パルス信号を線順次に入力する処理と、
前記第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンを通じて取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存する処理と、
前記入力パルス信号の1周期以内に、前記容量素子の電位を初期化する処理と、
前記容量素子の保持電位と基準値を比較する処理と、
前記容量素子の保持電位が前記基準値を交差するタイミング情報と、前記入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する処理と
を有する静電容量型センサーデバイスの容量変化測定方法。 - 表示デバイスと、
前記表示デバイスの表面に配置される静電容量型のセンサーデバイスであって、所定周期の入力パルス信号が線順次に入力される複数列の第1の電極パターンと、前記第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンとを有する静電容量型のセンサーデバイスと、
前記複数列の第2の電極パターンから取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存するピークホールド回路と、
前記入力パルス信号の1周期以内に、前記容量素子の電位を初期化する電流源と、
前記容量素子の保持電位と基準値を比較するコンパレータと、
前記容量素子の保持電位が前記基準値を交差するタイミング情報と、前記入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する複数の判定部と、
システム全体の動作を制御するシステム制御部と
を有する電子機器。 - 透過性の材料で形成される静電容量型のセンサーデバイスであって、所定周期の入力パルス信号が線順次に入力される複数列の第1の電極パターンと、前記第1の電極パターンと他層にて交差する複数列の第2の電極パターンとを有する静電容量型のセンサーデバイスと、
前記複数列の第2の電極パターンから取り出される検出信号のピークレベルを、それぞれ対応する電位として容量素子に保存するピークホールド回路と、
前記入力パルス信号の1周期以内に、前記容量素子の電位を初期化する電流源と、
前記容量素子の保持電位と基準値を比較するコンパレータと、
前記容量素子の保持電位が前記基準値を交差するタイミング情報と、前記入力パルス信号の伝搬経路毎に設定された基準タイミング情報とに基づいて、人体又は同等の電気特性を有する物体による操作入力の有無を判定する複数の判定部と、
システム全体の動作を制御するシステム制御部と
を有する電子機器。
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