JP2009300319A - 核医学診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検体を動かさずに両方の乳房の核医学診断が可能な核医学診断装置を提供する。
【解決手段】被検体Mを支持(載置)するガントリ2と、そのガントリ2を挟んで被検体M(の乳房)から発生したγ線を検出するPET検出器3とを備え、被検体Mから発生したγ線がPET検出器3に到達するようにガントリ2に2つの開口部2a,2bを設ける。PET検出器3は矢示する上下方向への移動手段と開口部間を往復する移動手段とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】被検体Mを支持(載置)するガントリ2と、そのガントリ2を挟んで被検体M(の乳房)から発生したγ線を検出するPET検出器3とを備え、被検体Mから発生したγ線がPET検出器3に到達するようにガントリ2に2つの開口部2a,2bを設ける。PET検出器3は矢示する上下方向への移動手段と開口部間を往復する移動手段とを備える。
【選択図】図2
Description
この発明は、放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線に基づいて被検体の核医学用データを求める核医学診断装置に係り、特に、被検体の乳房を診断するマンモ用の技術に関する。
上述した核医学診断装置、すなわちECT(Emission Computed Tomography)装置として、PET(Positron Emission Tomography)装置を例に採って説明する。PET装置は、陽電子(Positron)、すなわちポジトロンの消滅によって発生する複数本のγ線を検出して複数個の検出器でγ線を同時に検出したときのみ被検体の断層画像を再構成するように構成されている。
このPET装置では、放射性薬剤を被検体に投与した後、対象組織における薬剤蓄積の過程を経時的に測定することで、様々な生体機能の定量測定が可能である。したがって、PET装置によって得られる断層画像は機能情報を有する。
ところで、乳がん検出のためのマンモグラムに適用したマンモPET装置では、被検体の身体(乳房)と検出器とを近接させる。例えば、互いに対向した2つの検出器で被検体の両方の乳房を挟んで接離可能に構成、あるいは4個に分割した検出器を被検体の乳房を取り囲み接離可能に構成することで、被検体の乳房に検出器を近接させることができ、十分な感度で核医学診断(撮像)を行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−232685号公報(第1−8,10−12頁、図1−5,8−12)
しかしながら、従来のマンモPET装置では検出器は固定されており、被検体の両方の乳房を撮像するために被検体が動かなければならない。また、上述した特許文献1のように被検体の両方の乳房の核医学診断を一度の撮像で行う場合には感度が下がってしまう。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、被検体を動かさずに両方の乳房の核医学診断が可能な核医学診断装置を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線に基づいて被検体の核医学用データを求めるマンモ用の核医学診断装置であって、前記被検体を支持する支持手段と、その支持手段を挟んで前記被検体から発生した放射線を検出する核医学用検出手段とを備え、前記放射線が前記核医学用検出手段に到達するように、前記支持手段に複数の開口部を設けることを特徴とするものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線に基づいて被検体の核医学用データを求めるマンモ用の核医学診断装置であって、前記被検体を支持する支持手段と、その支持手段を挟んで前記被検体から発生した放射線を検出する核医学用検出手段とを備え、前記放射線が前記核医学用検出手段に到達するように、前記支持手段に複数の開口部を設けることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、被検体を支持する支持手段と、その支持手段を挟んで被検体から発生した放射線を検出する核医学用検出手段とを備え、被検体から発生した放射線が核医学用検出手段に到達するように支持手段に複数の開口部を設ける。それら開口部の1つに片方の乳房を挿入するとともに、残りの開口部の1つにもう片方の乳房を挿入する。このように挿入することで被検体を動かさずに両方の乳房の核医学診断が可能である。
上述した発明において、支持手段の支持面に沿って核医学用検出手段を、少なくとも複数の開口部間を往復移動させる往復移動手段を備えるのが好ましい(請求項2に記載の発明)。片方の乳房を撮像した後に、もう片方の乳房が挿入された開口部に核医学用検出手段を移動させて撮像を行うことで、被検体を動かさずに両方の乳房の核医学診断が可能である。
また、上述したこれらの発明において、支持手段の支持面に対して垂直方向に核医学用検出手段を移動させる垂直移動手段を備えるのが好ましい(請求項3に記載の発明)。特に、請求項2に記載の発明のように、支持手段の支持面に沿って核医学用検出手段を、少なくとも複数の開口部間を往復移動させる往復移動手段を備える場合には、垂直方向に核医学用検出手段を移動させずに、支持面に沿って核医学用検出手段を移動させると乳房と核医学用検出手段との干渉が生じる。そこで、乳房と核医学用検出手段との干渉を防止するために、請求項3に記載の発明のように、垂直方向に核医学用検出手段を移動させる垂直移動手段を備えることで、核医学用検出手段を円滑に移動させることができ、両方の乳房の核医学診断を円滑に行うことができる。
また、上述したこれらの発明において、核医学用検出手段を複数の検出器群で構成するとともに、これら検出器群を支持手段の支持面の方向に複数に互いに分割して構成し、分割されたこれら検出器群を支持面に沿って互いに接離可能に構成するのが好ましい(請求項4に記載の発明)。被検体の乳房のサイズに応じて核医学用検出手段による撮像状態は変わる。サイズが大きい乳房の撮像後に、サイズの小さい乳房の撮像を行った場合に、乳房と核医学用検出手段とに隙間ができて感度が下がる恐れがある。逆に、サイズが小さい乳房の撮像後に、サイズの大きい乳房の撮像を行った場合に、乳房に核医学用検出手段からの接触による圧力が過度にかかり被検体に肉体的、ひいては精神的に苦痛を伴う恐れがある。そこで、請求項4に記載の発明のように、核医学用検出手段を複数の検出器群で構成するとともに、これら検出器群を支持面の方向に複数に互いに分割して構成し、分割されたこれら検出器群を支持面に沿って互いに接離可能に構成することで、被検体の乳房のサイズに応じて検出器群をそれぞれ自由に動かして撮像を行うことができ、乳房のサイズの変化による感度の低下を防止することができ、乳房のサイズの変化による被検体の肉体的・精神的苦痛を低減させることができる。
かかる構成において、検出器群を支持面に沿って円状に配設し、分割されたこれら検出器群を支持面に沿って互いに接離可能に構成し、接近の際には再び1つの核医学用検出手段として結合してもよい(請求項5に記載の発明)。検出器群を支持面に沿って円状に配設することで乳房に対して検出器群を均一に近接させることができ、乳房に対して均一な感度で撮像、ひいては核医学診断を行うことができる。
また、上述したこれらの発明において、支持面が水平になるように支持手段を配設する(請求項6に記載の発明)。かかる配設は、被検体をうつ伏せ、すなわち伏臥姿勢にした場合に有用である。すなわち、被検体を伏臥姿勢にして乳房を下に向けると、被検体を支持する支持手段はその支持面が水平になる。この伏臥姿勢で乳房の核医学診断が可能である。また、伏臥状態による乳房の重力を利用して核医学診断が行いやすくなる。
かかる水平の配設においても、支持手段の支持面である水平面に沿って核医学用検出手段を、少なくとも複数の開口部間を往復移動させる往復移動手段を備えるのが好ましい(請求項7に記載の発明)。片方の乳房を撮像した後に、もう片方の乳房が挿入された開口部に核医学用検出手段を移動させて撮像を行うことで、被検体を動かさずに両方の乳房の核医学診断が可能である。
かかる水平の配設においても、支持手段の支持面である水平面に対して垂直となる上下方向に核医学用検出手段を昇降移動させる垂直移動手段を備えるのが好ましい(請求項8に記載の発明)。特に、請求項7に記載の発明のように、支持手段の支持面である水平面に沿って核医学用検出手段を、少なくとも複数の開口部間を往復移動させる往復移動手段を備える場合には、垂直となる上下方向に核医学用検出手段を移動させずに、支持面である水平方向に沿って核医学用検出手段を移動させると乳房と核医学用検出手段との干渉が生じる。そこで、乳房と核医学用検出手段との干渉を防止するために、請求項8に記載の発明のように、垂直となる上下方向に核医学用検出手段を昇降移動させる垂直移動手段を備えることで、核医学用検出手段を円滑に移動させることができ、両方の乳房の核医学診断を円滑に行うことができる。
かかる水平の配設においても、核医学用検出手段を複数の検出器群で構成するとともに、これら検出器群を支持手段の支持面である水平面の方向に複数に互いに分割して構成し、分割されたこれら検出器群を支持面である水平面に沿って互いに接離可能に構成するのが好ましい(請求項9に記載の発明)。被検体の乳房のサイズに応じて核医学用検出手段による撮像状態は変わる。サイズが大きい乳房の撮像後に、サイズの小さい乳房の撮像を行った場合に、乳房と核医学用検出手段とに隙間ができて感度が下がる恐れがある。逆に、サイズが小さい乳房の撮像後に、サイズの大きい乳房の撮像を行った場合に、乳房に核医学用検出手段からの接触による圧力が過度にかかり被検体に肉体的、ひいては精神的に苦痛を伴う恐れがある。そこで、請求項9に記載の発明のように、核医学用検出手段を複数の検出器群で構成するとともに、これら検出器群を支持面である水平面の方向に複数に互いに分割して構成し、分割されたこれら検出器群を支持面である水平面に沿って互いに接離可能に構成することで、被検体の乳房のサイズに応じて検出器群をそれぞれ自由に動かして撮像を行うことができ、乳房のサイズの変化による感度の低下を防止することができ、乳房のサイズの変化による被検体の肉体的・精神的苦痛を低減させることができる。
かかる水平の配設においても、かかる構成において、検出器群を支持面である水平面に沿って円状に配設し、分割されたこれら検出器群を支持面である水平面に沿って互いに接離可能に構成し、接近の際には再び1つの核医学用検出手段として結合してもよい(請求項10に記載の発明)。検出器群を支持面である水平面に沿って円状に配設することで乳房に対して検出器群を均一に近接させることができ、乳房に対して均一な感度で撮像、ひいては核医学診断を行うことができる。
また、上述したこれらの発明において、開口部にて位置決めされた被検体の乳房に対する核医学用検出手段からの圧力を検出する圧力検出手段を備えるのが好ましい(請求項11に記載の発明)。乳房に対して核医学用検出手段を接触させれば接触させるほど感度は上がるが、その一方で乳房に核医学用検出手段からの接触による圧力が過度にかかり被検体に肉体的、ひいては精神的に苦痛を伴う恐れがある。そこで、核医学用検出手段からの圧力を検出する圧力検出手段を備え、適度の圧力で乳房を撮像することで、核医学用検出手段からの接触による圧力が乳房に過度にかかることによる被検体の肉体的・精神的苦痛を低減させることができる。
また、上述したこれらの発明において、開口部にて位置決めされた被検体の乳房を撮像する撮像手段を備えるのが好ましい(請求項12に記載の発明)。核医学用検出手段による撮像とは別に、被検体の乳房を撮像する撮像手段を備えることで、撮像手段による乳房の撮像状況を把握しつつ核医学診断を行うことができる。例えば、核医学用検出手段の中心軸に沿って撮像手段を備え、乳房の中心に乳頭がある場合には、撮像手段による撮像画面の中心に、乳房の中心にある乳頭が位置するように核医学用検出手段を設定する(特に、請求項2、7に記載の発明のように支持手段の支持面に沿って核医学用検出手段を、少なくとも複数の開口部間を往復移動させる場合には、支持面に沿って核医学用検出手段を少し動かして設定する、あるいは請求項4、5、9、10に記載の発明のように分割された複数の検出器群を支持面に沿って互いに接離可能に構成する場合には、核医学用検出手段の検出器群を接離移動させて設定する)ことで、核医学用検出手段の中心軸が、乳頭がある乳房の中心に位置し、乳房に対して均一な感度で撮像、ひいては核医学診断を行うことができる。
また、かかる撮像手段を備えた場合には、撮像手段の撮像結果に基づいてズレを検出するズレ検出手段を備え、そのズレ検出手段で検出されたズレをなくすために核医学用検出手段を移動させるのがより好ましい(請求項13に記載の発明)。撮像手段の撮像結果に基づいてズレを検出するズレ検出手段を備え、そのズレ検出手段で検出されたズレをなくすために核医学用検出手段を移動させることで、より均一な感度で撮像、ひいては核医学診断を行うことができる。例えば、上述した核医学用検出手段の中心軸に沿って撮像手段を備えた場合で、乳頭が乳房の中心から偏った被検体を撮像する場合には、撮像手段による撮像画面の中心に、乳頭が位置するように核医学用検出手段を設定しても、核医学用検出手段の中心軸と、乳房の中心との間にズレが生じる。そこで、そのズレを検出するズレ検出手段を備え、そのズレ検出手段で検出されたズレをなくすために核医学用検出手段を移動させることで、核医学用検出手段の中心軸が乳房の中心に位置し、乳頭が乳房の中心から偏った被検体を撮像する場合でも乳房に対して均一な感度で撮像、ひいては核医学診断を行うことができる。
この発明に係る核医学診断装置によれば、被検体を支持する支持手段と、その支持手段を挟んで被検体から発生した放射線を検出する核医学用検出手段とを備え、被検体から発生した放射線が核医学用検出手段に到達するように支持手段に複数の開口部を設けることで、被検体を動かさずに両方の乳房の核医学診断が可能である。
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。
図1(a)は、実施例1に係るマンモPET装置の一部側面断面図であり、図1(b)はその平面図であり、図2は、実施例1に係るマンモPET装置の一部正面断面図であって、一連の撮像態様を示す図であり、図3は、後述する実施例2,3も含んだ実施例1に係るマンモPET装置のブロック図である。なお、後述する実施例2,3も含めて、本実施例1では、マンモ用の核医学診断装置として、マンモPET(Positron Emission Tomography) 装置を例に採って説明する。また、図2の正面断面図では、本来はPET検出器支持部の支柱部分および圧力センサが前後に重なるが、PET検出器と開口部との位置関係を明確に図示するために、便宜上、図1の方向に合わせてPET検出器支持部の支柱部分および圧力センサを図示することにする。
図1(a)は、実施例1に係るマンモPET装置の一部側面断面図であり、図1(b)はその平面図であり、図2は、実施例1に係るマンモPET装置の一部正面断面図であって、一連の撮像態様を示す図であり、図3は、後述する実施例2,3も含んだ実施例1に係るマンモPET装置のブロック図である。なお、後述する実施例2,3も含めて、本実施例1では、マンモ用の核医学診断装置として、マンモPET(Positron Emission Tomography) 装置を例に採って説明する。また、図2の正面断面図では、本来はPET検出器支持部の支柱部分および圧力センサが前後に重なるが、PET検出器と開口部との位置関係を明確に図示するために、便宜上、図1の方向に合わせてPET検出器支持部の支柱部分および圧力センサを図示することにする。
図1に示すように、本実施例1に係るマンモPET装置1は、伏臥姿勢の被検体Mを載置するガントリ2を備えている。ガントリ2の載置面には、載置面よりも下部で乳房を診断するために乳房を挿入する開口部を2つ設けている。右側の乳房を挿入する右側開口部を2aとするとともに、左側の乳房を挿入する左側開口部を2bとする。本実施例1では、載置面(すなわち支持面)が水平になるようにガントリ2を配設している。ガントリ2は、この発明における支持手段に相当する。
ガントリ2内には、被検体Mから発生したγ線を検出するPET検出器3と、そのPET検出器3を支持するPET検出器支持部4と、そのPET検出器支持部4(の支柱部分)を上下方向に昇降移動させる上下動部5(図3を参照)と、PET検出器支持部4を水平面に沿って往復移動させる水平動部6(図3を参照)と、PET検出器支持部4に設けられ、PET検出器3からの圧力を検出する圧力センサ7と、PET検出器支持部4に設けられ、PET検出器3の中心軸に沿って設けられたCCD(Charge Coupled Device) 型固体撮像素子(以下、「CCD」と略記する)8とを備えている。PET検出器3は、この発明における核医学用検出手段に相当し、上下動部5は、この発明における垂直移動手段に相当し、水平動部6は、この発明における往復移動手段に相当し、圧力センサ7は、この発明における圧力検出手段に相当し、CCD型固体撮像素子(CCD)8は、この発明における撮像手段に相当する。
PET検出器3は、複数のγ線検出器群からなり、γ線検出器群をガントリ2の載置面(すなわち支持面)に沿って円状に配設してPET検出器3を構成している。本実施例1では、支持面は水平面となっており、図1(b)に示すように、PET検出器3のγ線検出器群を支持面である水平面に沿って円状に配設しており、開口部2a,2bに挿入された乳房のうち一方を取り囲むようにPET検出器3のγ線検出器群を設置している。
PET検出器3のγ線検出器群は、シンチレータブロックとライトガイドと光電子増倍管と(いずれも図示省略)を備えている。シンチレータブロックは、複数個のシンチレータからなる。放射性薬剤が投与された被検体Mから発生したγ線をシンチレータブロックが光に変換して、変換されたその光をライトガイドが案内して、光電子増倍管が光電変換して電気信号に出力する。
PET検出器支持部4(の支柱部分)は、支持面に対して垂直方向に移動する。このように移動することで、PET検出器支持部4に支持されたPET検出器3について、支持面の回転面に対して垂直方向にPET検出器3を移動させるように構成している。本実施例1では、上述したように支持面は水平面となっており、上下動部5は、図2(a),図2(c)中の矢印に示すように、PET検出器支持部4(の支柱部分)を、支持面である水平面に対して垂直となる上下方向に昇降移動させる。したがって、水平面に対して垂直となる上下方向にPET検出器3を昇降移動させるように構成している。
本実施例1では、上下動部5としては、例えばモータ,駆動軸,ピニオン,ラックおよびガイドレール(いずれも図示省略)などを設け、モータの駆動によって駆動軸を介してピニオンを回転させ、このピニオンの回転に伴ってピニオンに嵌合されたラックをガイドレールに沿って昇降移動させ、このガイドレールの昇降移動に伴って、PET検出器支持部4を電動で昇降移動させる。なお、手動でPET検出器支持部4を動かす場合には、ガススプリング機構を採用して、上述したラックの代わりにボールネジを用いるとともに、上述したモータの代わりにガススプリング機構を用い、ガススプリング機構によってPET検出器支持部4をボールネジに沿って昇降移動させる。
一方、PET検出器支持部4は、上述したように支持面(図1、図2では水平面)に対して垂直方向(図1、図2では上下方向)に移動する他、支持面に沿って移動する。このように移動することで、PET検出器支持部4に支持されたPET検出器3について、支持面に沿ってPET検出器3を、2つの開口部2a,2b間を跨ってガントリ2内を往復移動させるように構成している。本実施例1では、上述したように支持面は水平面となっており、水平動部6は、図2(b)中の矢印に示すように、PET検出器支持部4を、支持面である水平面に沿って往復移動させる。したがって、水平面に沿ってPET検出器3を少なくとも2つの開口部2a,2bを往復移動させるように構成している。
本実施例1では、水平動部6としては、例えばモータおよびレール(いずれも図示省略)などを設ける。2つの開口部2a,2bの真下に床面に沿って上述したレール(図示省略)を敷設し、PET検出器支持部4の基台部分の底部に車輪等を配設して、レール上を移動させるように構成することで、PET検出器支持部4を水平面に沿って往復移動させる。なお、上述したモータによってPET検出器支持部4を電動で往復移動させてもよいし、手動でPET検出器支持部4を動かしてもよい。
圧力センサ7は、開口部2a,2bにて位置決めされた被検体Mの乳房がPET検出器3に接触することで乳房からかかるPET検出器3の圧力を検出する。圧力センサ7は水晶などに代表される圧電素子(ピエゾ)などで構成されている。乳房からかかるPET検出器3の圧力を検出することで、逆にPET検出器3からの接触による乳房への圧力も検出することができる。左右の乳房への圧力をそれぞれ検出するために、図1(a)に示すように、PET検出器支持部4の両支柱部分に圧力センサ7をそれぞれ設けるのが好ましい。
CCD8は、開口部2a,2bにて位置決めされた被検体Mの乳房を撮像する。図1(a)に示すように、PET検出器支持部4の基台部分の中心にCCD8を設けることで、PET検出器3の中心軸に沿ってCCD8を設ける。
続いて、マンモPET装置1のブロック図について説明する。図3に示すように、マンモPET装置1は、上述したガントリ2の他に、コンソール10を備えている。ガントリ2は、上述したPET検出器3やPET検出器支持部4や上下動部5や水平動部6や圧力センサ7やCCD8の他に、駆動制御部20およびPETデータ収集部30を備えている。コンソール10は、データ収集部11と画像再構成部12と入力部13と出力部14と撮像制御部15とを備えている。
駆動制御部20は、上下動部5や水平動部6の駆動部分(例えばモータ)を制御し、PET検出器支持部4に設けられた位置検出センサ(図示省略)や圧力センサ7やCCD8に基づいて移動終了のタイミングを受信したら上述した駆動部分に制動命令を出力したり、撮像制御部15にデータ収集の命令を出力する。駆動制御部20および撮像制御部15は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されている。なお、位置検出センサについては、フォトセンサなどに代表される非接触型センサであってもよいし、マイクロスイッチなどに代表される接触型センサであってもよい。
PETデータ収集部30は、PET検出器3で検出されたγ線に基づいてPETデータ(核医学用データ)を収集する。PETデータ収集部30は同時計数回路(図示省略)の機能等を備えている。PETデータ収集部30で収集されたPETデータをデータ収集部11に送り込む。
データ収集部11は、PETデータ収集部30で収集されたPETデータに対して各種の処理を行う。なお、外部線源(図示省略)を備えて吸収補正を行う場合には、外部線源から得られたトランスミッションデータ(吸収補正データ)をデータ収集部11はPETデータに作用させて、PETデータの吸収補正を行ってもよい。データ収集部11は、PETデータを投影データとして画像再構成部12に送り込む。画像再構成部12は、データ収集部11からの投影データを再構成して断層画像を生成する。
入力部13は、オペレータが入力したデータや命令を撮像制御部15に送り込む。入力部13は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。出力部14はモニタなどに代表される表示部やプリンタなどで構成されている。
撮像制御部15は、本実施例1に係るマンモPET装置1を構成する各部分を統括制御する。具体的には、撮像制御部15は、上下動部5や水平動部6の駆動に関しては、駆動制御部20を介して行わせる。PET検出器支持部4に設けられた位置検出センサ(図示省略)や圧力センサ7やCCD8に基づいて移動終了のタイミングを駆動制御部20が受信したら、駆動制御部20から出力されたデータ収集の命令を撮像制御部15が受信して、PETデータ収集部30やデータ収集部11に各々のデータの収集の命令を出力するとともに、画像再構成部12に投影データの再構成の命令を出力する。また、PETデータ収集部30やデータ収集部11で収集された各々のデータや画像再構成部12で再構成された断層画像を、撮像制御部15を介して出力部14に送り込んで出力する。出力部14が表示部の場合には出力表示し、出力部14がプリンタの場合には出力印刷する。
放射性薬剤が投与された被検体Mから発生したγ線をPET検出器3のγ線検出器群のうち該当するγ線検出器のシンチレータブロックが光に変換して、変換されたその光をγ線検出器の光電子増倍管が光電変換して電気信号に出力する。その電気信号を画像情報(画素値)としてPETデータ収集部30に送り込む。
具体的には、被検体Mに放射性薬剤を投与すると、ポジトロン放出型のRIのポジトロンが消滅することにより、2本のγ線が発生する。PETデータ収集部30は、γ線検出器のシンチレータブロックの位置とγ線の入射タイミングとをチェックし、被検体Mを挟んで互いに対向位置にある2つのシンチレータブロックでγ線が同時に入射したとき(すなわち同時計数したとき)のみ、送り込まれた画像情報を適正なデータと判定する。一方のシンチレータブロックのみにγ線が入射したときには、PETデータ収集部30は、ポジトロンの消滅により生じたγ線ではなくノイズとして扱い、そのときに送り込まれた画像情報もノイズと判定してそれを棄却する。
PETデータ収集部30に送り込まれた画像情報を投影データ(PETデータ)として、データ収集部11に送り込む。外部線源(図示省略)を備えて吸収補正を行う場合には、外部線源から得られたトランスミッションデータ(吸収補正データ)をデータ収集部11に送り込む。
データ収集部11は、PETデータに対して各種の処理(例えば吸収補正)を行って、画像再構成部12に送り込み、送り込まれた投影データを画像再構成部12は再構成して断層画像を生成する。
次に、一連の診断(撮像)における撮像態様について、図2を参照して説明する。図2(a)は、右側の乳房の撮像後においてPET検出器支持部およびそれに支持されたPET検出器が下降移動するときの撮像態様であって、図2(b)は、PET検出器支持部およびそれに支持されたPET検出器が水平移動するときの撮像態様であって、図2(c)は、PET検出器支持部およびそれに支持されたPET検出器が上昇移動するときの撮像態様であって、図2(d)は、左側の乳房の撮像のときの撮像態様である。
被検体Mに放射性薬剤を投与して、伏臥姿勢にして右側の乳房を右側開口部2aに挿入するとともに、左側の乳房を左側開口部2bに挿入する。一方、オペレータは、撮像条件をコンソール10(図3を参照)の入力部13(図3を参照)に入力して、入力された撮像条件を撮像制御部15(図3を参照)に送り込む。入力された撮像条件に基づいて、撮像制御部15は、データの収集の命令をPETデータ収集部30(図3を参照)やデータ収集部11(図3を参照)に、PET検出器3の設置などの駆動命令を駆動制御部20(図3を参照)にそれぞれ出力する。
先ず、図2(a)に示す態様でマンモPET装置1での診断を行う。撮像制御部15は、上下動部5や水平動部6(いずれも図3を参照)の駆動を、駆動制御部20を介して行わせる。具体的には、もしPET検出器3のγ線検出器群が右側開口部2aに挿入された右側の乳房を取り囲む位置に進出していなければ、上下動部5がPET検出器支持部4およびそれに支持されたPET検出器3を上下方向に昇降移動させるとともに、水平動部6がPET検出器支持部4およびそれに支持されたPET検出器3を水平面に沿って往復移動させるように駆動制御部20が制御することで、図2(a)に示す態様で右側開口部2aに挿入された右側の乳房を取り囲むように診断する。PET検出器支持部4に設けられた位置検出センサ(図示省略)や圧力センサ7やCCD8に基づいて移動終了のタイミングを駆動制御部20が受信したら、駆動制御部20から出力されたデータ収集の命令を撮像制御部15が受信する。圧力センサ7やCCD8に基づくPET検出器3の設定については左側の乳房のときに併せて後述する。
PET検出器3のγ線検出器は、放射性薬剤が投与された被検体Mから発生したγ線を検出し、撮像制御部15は、データの収集の命令をPETデータ収集部30に出力して、PET検出器3のγ線検出器で同時計数されたγ線の計数値とγ線の入射位置とγ線の発生位置とを画像情報としてPETデータ収集部30は収集する。そして、PETデータ収集部30に送り込まれた右側の乳房に関する画像情報を投影データ(PETデータ)として、データ収集部11に送り込む。
次に、図2(a)に示す撮像態様から図2(a)中の矢印に示すように、上下動部5がPET検出器支持部4およびそれに支持されたPET検出器3を下降移動させるように駆動制御部20が制御する。図2(b)に示すように乳房との干渉が生じない位置にまでPET検出器3を移動させたら、図2(b)中の矢印に示すように、水平動部6がPET検出器支持部4およびそれに支持されたPET検出器3を左側の乳房に向かって水平移動させるように駆動制御部20が制御する。PET検出器支持部4に設けられた位置検出センサ(図示省略)やCCD8に基づいて水平移動終了のタイミングを駆動制御部20が受信する。すなわち、位置検出センサ(図示省略)やCCD8に基づいて図2(c)に示すような左側の乳房の真下にまでPET検出器3を水平移動させた後に水平移動終了のタイミングを駆動制御部20が受信する。
次に、図2(c)に示す撮像態様から図2(c)中の矢印に示すように、上下動部5がPET検出器支持部4およびそれに支持されたPET検出器3を上昇移動させるように駆動制御部20が制御する。PET検出器支持部4に設けられた位置検出センサ(図示省略)や圧力センサ7やCCD8に基づいて上昇移動終了のタイミングを駆動制御部20が受信したら(すなわち、位置検出センサ(図示省略)や圧力センサ7やCCD8に基づいて図2(d)に示すように左側の乳房を取り囲む位置にまでPET検出器3を移動させた後に上昇移動終了のタイミングを駆動制御部20が受信したら)、駆動制御部20から出力されたデータ収集の命令を撮像制御部15が受信する。
右側の乳房のときと同様に、PET検出器3のγ線検出器は、放射性薬剤が投与された被検体Mから発生したγ線を検出し、撮像制御部15は、データの収集の命令をPETデータ収集部30に出力して、PET検出器3のγ線検出器で同時計数されたγ線の計数値とγ線の入射位置とγ線の発生位置とを画像情報としてPETデータ収集部30は収集する。そして、PETデータ収集部30に送り込まれた左側の乳房に関する画像情報を投影データ(PETデータ)として、データ収集部11に送り込む。
右側の乳房および左側の乳房の診断がそれぞれ済んだら、撮像制御部15は、データの収集の命令をデータ収集部11に出力して、データ収集部11は、PETデータに対して各種の処理を行って、画像再構成部12(図3を参照)に送り込み、送り込まれた投影データを画像再構成部12は再構成して断層画像を生成する。そして、生成された断層画像を、撮像制御部15を介して出力部14(図3を参照)に送り込んで出力する。なお、必要に応じてPETデータ収集部30で収集された投影データを、撮像制御部15を介して出力部14に送り込んで出力してもよい。
ところで、圧力センサ7やCCD8に基づくPET検出器3の水平方向に関する微調節(設定)について、図4、図5を参照して説明する。図4は、乳房の中心に乳頭がある場合でのCCDによる出力態様を示す図であり、図5は、乳房の中心に乳頭がなく、乳頭が乳房の中心から偏っている場合でのCCDによる出力態様を示す図である。先ず、乳房の中心に乳頭がある場合について説明する。
PET検出器3の中心軸に沿って設けられたCCD8からの撮像結果を出力部14(この場合にはモニタ)に出力(出力表示)する。もしも、水平方向に関して微調節が終了していない場合には、図4(a)に示すように、PET検出器3の中心軸に一致するモニタ(撮像画面)の中心Oに対して、乳頭Nとともに乳房M´がずれて出力される。そこで、図4(b)に示すように、モニタ(撮像画面)の中心Oに、乳房M´の中心にある乳頭Nが位置するようにPET検出器支持部4およびそれに支持されたPET検出器3を水平移動させて微調節を行う。
なお、このとき、CCD8からの撮像結果のみならず、圧力センサ7からの圧力結果に基づいて微調節を行うのがより好ましい。肉体的苦痛を伴わない程度に乳房にかかる圧力を予め求め、その圧力を超えない程度にPET検出器支持部4およびそれに支持されたPET検出器3を水平移動させて微調節を行う。その圧力を超えた場合には圧力が乳房に過度にかかったと認識してPET検出器支持部4およびそれに支持されたPET検出器3の水平移動を停止する。
次に、乳房の中心に乳頭がなく、乳頭が乳房の中心から偏っている場合について説明する。図5(a)に示すように、モニタ(撮像画面)の中心Oに、乳頭Nが位置するようにしても、乳房M´全体はモニタ(撮像画面)の中心Oからずれており、PET検出器3の中心軸と、乳房M´の中心N´との間にズレが生じる。そこで、そのズレを検出するズレ検出部の機能を、例えば撮像制御部15に有するあるいは撮像制御部15と独立して設ける。検出部の機能を撮像制御部15に有した場合、撮像制御部15は、この発明におけるズレ検出手段に相当する。
具体的には、乳房の周囲にマーカを複数に取り付ける。それらマーカを乳房とともに出力部14(この場合にはモニタ)に出力(出力表示)する。図5(a)に示すように、乳房の周囲に取り付けられた複数のマーカmが乳房M´とともにモニタ(撮像画面)に出力される。モニタ(撮像画面)に出力された複数のマーカmから乳房M´の中心N´を撮像制御部15は求める。すると、図5(a)に示すように、モニタ(撮像画面)の中心Oから乳房M´全体とともに乳房M´の中心N´がずれるが、乳頭Nが位置する中心Oと乳房M´の中心N´とのズレ、すなわちPET検出器3の中心軸と、乳房M´の中心N´との間に生じるズレを撮像制御部15が求めることができる。その撮像制御部15で検出されたズレをなくすために、図5(b)に示すように、PET検出器支持部4およびそれに支持されたPET検出器3を水平移動させて微調節を行う。乳房の中心に乳頭がなく、乳頭が乳房の中心から偏っている場合においても、CCD8からの撮像結果のみならず、圧力センサ7からの圧力結果に基づいて微調節を行うのがより好ましい。
上述の構成を備えた本実施例1に係るマンモPET装置1によれば、被検体Mを支持(載置)するガントリ2と、そのガントリ2を挟んで被検体M(の乳房)から発生したγ線を検出するPET検出器3とを備え、被検体Mから発生したγ線がPET検出器3に到達するようにガントリ2に複数(本実施例1では2つ)の開口部2a,2bを設ける。それら開口部2a,2bの1つに片方の乳房を挿入するとともに、残りの開口部2a,2bの1つにもう片方の乳房を挿入する。このように挿入することで被検体Mを動かさずに両方の乳房の核医学診断が可能である。
本実施例1では、好ましくは、ガントリ2の支持面(載置面)に沿ってPET検出器3を、少なくとも複数(本実施例1では2つ)の開口部2a,2b間を往復移動させる水平動部6を備えている。片方の乳房(本実施例1では右側の乳房)を撮像した後に、もう片方の乳房(本実施例1では左側の乳房)が挿入された開口部2bにPET検出器3を移動させて撮像を行うことで、被検体Mを動かさずに両方の乳房の核医学診断が可能である。
また、本実施例1では、好ましくは、ガントリ2の支持面(載置面)に対して垂直方向にPET検出器3を移動させる上下動部5を備えている。特に、上述したように、ガントリ2の支持面に沿ってPET検出器3を、少なくとも複数の開口部2a,2b間を往復移動させる水平動部6を備える場合には、垂直方向にPET検出器3を移動させずに、支持面に沿ってPET検出器3を移動させると乳房とPET検出器3との干渉が生じる。そこで、乳房とPET検出器3との干渉を防止するために、上述したように、垂直方向にPET検出器3を移動させる上下動部5を備えることで、PET検出器3を円滑に移動させることができ、両方の乳房の核医学診断を円滑に行うことができる。
また、本実施例1では、支持面が水平になるようにガントリ2を配設している。かかる配設は、被検体Mを伏臥姿勢にした場合に有用である。すなわち、被検体Mを伏臥姿勢にして乳房を下に向けると、被検体Mを支持するガントリ2はその支持面が水平になる。この伏臥姿勢で乳房の核医学診断が可能である。また、伏臥状態による乳房の重力を利用して核医学診断が行いやすくなる。
かかる水平の配設においても、好ましくは、ガントリ2の支持面である水平面に沿ってPET検出器3を、少なくとも複数の開口部2a,2b間を往復移動させる水平動部6を備えている。片方の乳房を撮像した後に、もう片方の乳房が挿入された開口部2bにPET検出器3を移動させて撮像を行うことで、被検体Mを動かさずに両方の乳房の核医学診断が可能である。
かかる水平の配設においても、好ましくは、ガントリ2の支持面である水平面に対して垂直となる上下方向にPET検出器3を昇降移動させる上下動部5を備えている。特に、上述したように、ガントリ2の支持面である水平面に沿ってPET検出器3を、少なくとも複数の開口部2a,2b間を往復移動させる水平動部6を備える場合には、垂直となる上下方向にPET検出器3を移動させずに、支持面である水平方向に沿ってPET検出器3を移動させると乳房とPET検出器3との干渉が生じる。そこで、乳房とPET検出器3との干渉を防止するために、上述したように、垂直となる上下方向にPET検出器3を昇降移動させる上下動部5を備えることで、PET検出器3を円滑に移動させることができ、両方の乳房の核医学診断を円滑に行うことができる。
また、本実施例1では、好ましくは、開口部2a,2bにて位置決めされた被検体Mの乳房に対するPET検出器3からの圧力を検出する圧力センサ7を備えている。乳房に対してPET検出出器3を接触させれば接触させるほど感度は上がるが、その一方で乳房にPET検出器3からの接触による圧力が過度にかかり被検体Mに肉体的、ひいては精神的に苦痛を伴う恐れがある。そこで、PET検出器3からの圧力を検出する圧力センサ7を備え、適度の圧力で乳房を撮像することで、PET検出器3からの接触による圧力が乳房に過度にかかることによる被検体Mの肉体的・精神的苦痛を低減させることができる。
また、本実施例1では、好ましくは、開口部2a,2bにて位置決めされた被検体Mの乳房を撮像するCCD型固体撮像素子(CCD)8を備えている。PET検出器3による撮像とは別に、被検体Mの乳房を撮像するCCD8を備えることで、CCD8による乳房の撮像状況を把握しつつ核医学診断を行うことができる。例えば、上述したようにPET検出器支持部4の基台部分の中心に(すなわちPET検出器3の中心軸に沿って)CCD8を備え、乳房の中心に乳頭がある場合には、CCD8によるモニタ(撮像画面)の中心Oに、乳房M´の中心にある乳頭Nが位置するようにPET検出器3を設定する。特に、上述したようにガントリ2の支持面に沿ってPET検出器3を、少なくとも複数の開口部2a,2b間を往復移動させる場合には、支持面に沿ってPET検出器3を少し動かして(微調節して)設定する。このように設定することで、PET検出器3の中心軸が、乳頭Nがある乳房M´の中心に位置し、乳房に対して均一な感度で撮像、ひいては核医学診断を行うことができる。
また、かかるCCD8を備えた場合には、好ましくは、CCD8の撮像結果に基づいてズレを検出するズレ検出部の機能を撮像制御部15に有し、その撮像制御部15で検出されたズレをなくすためにPET検出器3を移動させる。CCD8の撮像結果に基づいてズレを検出するズレ検出部の機能を撮像制御部15に有し、その撮像制御部15で検出されたズレをなくすためにPET検出器3を移動させることで、より均一な感度で撮像、ひいては核医学診断を行うことができる。例えば、上述したPET検出器3の中心軸に沿ってCCD8を備えた場合で、乳頭が乳房の中心から偏った被検体Mを撮像する場合には、CCD8によるモニタ(撮像画面)の中心Oに、乳頭Nが位置するようにPET検出器3を設定しても、PET検出器3の中心軸と、乳房M´の中心N´との間にズレが生じる。そこで、そのズレを検出するズレ検出部の機能を撮像制御部15に有し、その撮像制御部15で検出されたズレをなくすためにPET検出器3を移動させることで、PET検出器3の中心軸が乳房M´の中心N´に位置し、乳頭Nが乳房M´の中心N´から偏った被検体Mを撮像する場合でも乳房に対して均一な感度で撮像、ひいては核医学診断を行うことができる。
次に、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。
図6〜図9は、実施例2に係るマンモPET装置の平面図であって、一連の撮像態様を示す図である。上述した実施例1と共通する箇所については同じ符号を付してその説明を省略する。
図6〜図9は、実施例2に係るマンモPET装置の平面図であって、一連の撮像態様を示す図である。上述した実施例1と共通する箇所については同じ符号を付してその説明を省略する。
上述した実施例1では、PET検出器3を構成する複数のγ線検出器群が一体となって移動していたのに対して、本実施例2では、γ線検出器群をガントリ2の支持面である水平面に沿って円状に配設し、かつこれらγ線検出器群を水平面の方向に複数(本実施例2では2つ)に互いに分割して構成し、図6(a),図6(c)中の矢印に示すように、分割されたこれらγ線検出器群を水平面に沿って互いに接離可能に構成している。さらに、接近の際には再び1つのPET検出器3として結合している。本実施例2では、分割数として2つを例に採って以下を説明するが、分割数として2つに限定されず、3つ以上の複数であればよい。分割された一方のγ線検出器群を3Aとするとともに、他方のγ線検出器群を3Bとする。
このようにγ線検出器群3A,3Bに2つに分割することで、γ線検出器群3A,3Bの相対的な位置・向きは常に変化する。つまり、被検体Mの乳房の大きさ(サイズ)に応じて乳房とγ線検出器群3A,3Bとの相対的な位置・向きも変化する。それによって、γ線検出器群3A,3Bで検出されるγ線の量が増加してγ線検出器群3A,3Bのγ線検出感度が向上する。したがって、本実施例2では、装置の機械的原点に対するγ線検出器群3A,3Bの位置・向きが変化しながら撮影が進行することにもなる。
次に、装置の機械的原点に対するγ線検出器群3A,3Bの位置・向きが変化する時の再構成アルゴリズムについて、図10、図11を参照して説明する。図10は、両γ線検出器群3A,3Bおよび画像再構成領域の配置関係を示す模式図であり、図11は、両γ線検出器群3A,3Bおよび画像再構成領域の座標系を示すグラフである。
各γ線検出器群3A,3Bは、図10および図11に示すように、微小なγ線検出素子a,bの集合体であり、両γ線検出器群3A,3Bの間に装置の機械的原点OMを起点とするベクトルVCで規定される中心座標OCを有する画像再構成領域Sが設定される。装置の機械的原点OMから各γ線検出器群3A,3Bの中心座標OA,OBに至るベクトルVA,VBは、位置センサ(図示省略)によって検出された各γ線検出器群3A,3Bの位置データと角度センサ(図示省略)によって検出された各γ線検出器群3A,3Bの回転角度データとに基づいて求められる。
したがって、被検体Mから放出されたγ線が同時計数される現象(以下、適宜「イベント」と略記)が起こった場合、装置の機械的原点OMからγ線を同時検出したγ線検出素子a,bに至るベクトルuA,uBも次の式(1)および式(2)にしたがって求められる。
uA=VA+WA ・・・・(1)
uB=VB+WB ・・・・(2)
一方、被検体mから放出されたγ線が同時計数される現象(イベント)が起こった場合、γ線を検出したγ線検出素子a,bのアドレス対データ、および、γ線を検出したγ線検出素子a,bについてのベクトルuA,uBのアドレス対データがイベント毎にリストモード型データとして収集記憶される。他方、リストモード型データとして収集記憶されたベクトルuA,uBのアドレス対データから、γ線を同時検出したγ線検出素子a,bを結ぶ直線LOR(Line of Response)がイベント毎に求められる。ポジトロン放出種は直線LORの上に存在する。
uB=VB+WB ・・・・(2)
一方、被検体mから放出されたγ線が同時計数される現象(イベント)が起こった場合、γ線を検出したγ線検出素子a,bのアドレス対データ、および、γ線を検出したγ線検出素子a,bについてのベクトルuA,uBのアドレス対データがイベント毎にリストモード型データとして収集記憶される。他方、リストモード型データとして収集記憶されたベクトルuA,uBのアドレス対データから、γ線を同時検出したγ線検出素子a,bを結ぶ直線LOR(Line of Response)がイベント毎に求められる。ポジトロン放出種は直線LORの上に存在する。
ベクトルuAはリストモード型データとして保存されたγ線検出器群3A,3Bの位置および向きの情報と次の式(3)とにしたがって求められる。なお、γ線検出器群3A,3Bの位置および向きのデータは変化があった時だけタグ情報として保存されるようにしてもよい。
uA=RX ・RY ・RZ ・T・WA ・・・・(3)
但し、以下に示すように、RX ,RY ,RZ は装置の機械的原点OMを原点として互いに直交するX軸,Y軸,Z軸まわりのγ線検出器群3A,3Bの回転、TはX軸,Y軸,Z軸の各方向の位置(すなわちVA)である。また、ベクトルuBもベクトルuAの場合と同様にして求めることができる。
uA=RX ・RY ・RZ ・T・WA ・・・・(3)
但し、以下に示すように、RX ,RY ,RZ は装置の機械的原点OMを原点として互いに直交するX軸,Y軸,Z軸まわりのγ線検出器群3A,3Bの回転、TはX軸,Y軸,Z軸の各方向の位置(すなわちVA)である。また、ベクトルuBもベクトルuAの場合と同様にして求めることができる。
このように、γ線を同時検出したγ線検出素子a,bを結ぶ直線LOR(Line of Response)がイベントごとに求められる場合については、逐次近似型のリストモード再構成アルゴリズムが適用される〔例えばJ Reader et al 1998 Phys.Med Bial.43 835-846 (非特許文献)を参照〕。このリストモード再構成アルゴリズムの画像の更新式は(4)式の通りである。(4)式の更新式が繰り返されることでRI分布画像が求まる。
ここで、fk j はk回目の反復における画素jの画素値、aijは画素jから出たγ線がLORiに検出される確率、Mは測定されたイベントの数、Iは本撮像条件(検出器板配置)における全LORの数である。なお、実施例に適用される画像再構成アルゴリズムで用いられる更新式は(4)式に限られるものではない。
さらに実施例では、画像再構成領域Sの中心座標OCは両γ線γ線検出器群3A,3Bの中点にとられる。また、全体を束ねるPET検出器3は鉛直軸の1軸まわりに回転するだけであるので、β=0であって、γ=0であり、その結果、(3)式中のRY ,RZ は、いずれも次の式(5)となる。
次に、一連の診断(撮像)における撮像態様について、図6〜図9を参照して説明する。図6は、右側の乳房の撮像後においてPET検出器支持部およびそれに支持されたPET検出器が下降移動とともに離間移動するときの撮像態様であって、図7は、PET検出器支持部およびそれに支持されたPET検出器が水平移動するときの撮像態様であって、図8は、PET検出器支持部およびそれに支持されたPET検出器が上昇移動とともに接近移動するときの撮像態様であって、図9は、結合後において左側の乳房の撮像のときの撮像態様である。なお、図6〜図9では、乳房も含めて被検体Mの図示を省略する。
上述した実施例1と同様に、被検体Mに放射性薬剤を投与して、伏臥姿勢にして右側の乳房を右側開口部2aに挿入するとともに、左側の乳房を左側開口部2bに挿入する。オペレータから入力された撮像条件や、駆動命令については上述した実施例1と同じであるので、その説明を省略する。
先ず、図6に示す態様でマンモPET装置1での診断を行う。もしPET検出器3のγ線検出器群が右側開口部2aに挿入された右側の乳房を取り囲む位置に進出していなければ、上下動部5(図3を参照)がPET検出器支持部4およびそれに支持されたPET検出器3を上下方向に昇降移動させるとともに、水平動部6(図3を参照)がPET検出器支持部4およびそれに支持されたPET検出器3を水平面に沿って往復移動させることで、図6に示す態様で右側開口部2aに挿入された右側の乳房を取り囲むように診断する。このとき、後で撮像する左側の乳房と同様に、γ線検出器群3A,3Bに分割した状態で右側の乳房に接近して、乳房のサイズに合わせて診断するようにしてもよい。PET検出器3から得られたPETデータの流れについては上述した実施例1と同じであるので、その説明を省略する。
次に、図6に示す撮像態様から、上下動部5がPET検出器支持部4およびそれに支持されたPET検出器3を下降移動させるとともに、図6中の矢印に示すように、水平動部6がPET検出器3のγ線検出器群3A,3Bを互いに離間移動させる。図7に示すように乳房との干渉が生じない位置にまで各γ線検出器群3A,3Bをそれぞれ移動させたら、図7中の矢印に示すように、水平動部6がPET検出器支持部4およびそれに支持されたγ線検出器群3A,3Bを左側の乳房に向かって水平移動させる。本実施例2においても、上述した実施例1と同様に、位置検出センサ(図示省略)やCCD8(図2を参照)に基づいて図8に示すような左側の乳房の真下にまでγ線検出器群3A,3Bを水平移動させた後に水平移動終了となる。
次に、図8に示す撮像態様から、上下動部5がPET検出器支持部4およびそれに支持されたγ線検出器群3A,3Bを上昇移動させるとともに、図8中の矢印に示すように、水平動部6がγ線検出器群3A,3Bを互いに接近移動させる。PET検出器支持部4に設けられた位置検出センサ(図示省略)や圧力センサ7(図2を参照)やCCD8に基づいて各γ線検出器群3A,3Bが乳房を取り囲む位置にまで、各γ線検出器群3A,3Bを互いに接近させて結合する(図9を参照)。そして、右側の乳房を診断する。なお、乳房のサイズが大きい場合には、各γ線検出器群3A,3Bは必ずしも結合する必要はなく、γ線検出器群3A,3B間において多少離間した状態で乳房を診断してもよい。
圧力センサ7やCCD8に基づくPET検出器3の水平方向に関する微調節(設定)については、上述した実施例1とほぼ同じであるが、上述した実施例1では、PET検出器3を構成する複数のγ線検出器群が一体となって移動していたのに対して、本実施例2では、2つに分割されたγ線検出器群3A,3Bは互いに独立して動くこともできる。したがって、γ線検出器群3A,3Bのいずれか一方を固定して、他方のみを移動させて微調節を行ってもよい。したがって、例えば、γ線検出器群3A側の圧力センサ7またはγ線検出器群3B側の圧力センサ7のいずれか一方で、肉体的苦痛を伴わない程度に乳房にかかる圧力を超えて検出した場合には、超えて検出した方の圧力センサ7側のγ線検出器群3A,3Bのいずれかの水平移動を停止し、超えて検出していない方の圧力センサ7側のγ線検出器群3A,3Bのいずれかの水平移動を継続して行えばよい。
上述の構成を備えた本実施例2に係るマンモPET装置1によれば、上述した実施例1と同様に、被検体Mを支持(載置)するガントリ2と、そのガントリ2を挟んで被検体M(の乳房)から発生したγ線を検出するPET検出器3とを備え、被検体Mから発生したγ線がPET検出器3に到達するようにガントリ2に複数(本実施例2でも2つ)の開口部2a,2bを設けることで、被検体Mを動かさずに両方の乳房の核医学診断が可能である。
本実施例2では、上述した実施例1と同様に、好ましくは、ガントリ2の支持面(載置面)に沿ってPET検出器3を、少なくとも複数(本実施例2でも2つ)の開口部2a,2b間を往復移動させる水平動部6を備えるとともに、ガントリ2の支持面(載置面)に対して垂直方向にPET検出器3を移動させる上下動部5を備えている。上述した実施例1と同様に、乳房とPET検出器3との干渉が生じることなくPET検出器3を円滑に移動させることができ、両方の乳房の核医学診断を円滑に行うことができる。また、本実施例2では、上述した実施例1と同様に、支持面が水平になるようにガントリ2を配設しており、被検体Mを伏臥姿勢にした場合に有用である。
かかる水平の配設においても、上述した実施例1と同様に、好ましくは、ガントリ2の支持面である水平面に沿ってPET検出器3を、少なくとも複数の開口部2a,2b間を往復移動させる水平動部6を備えるとともに、ガントリ2の支持面である水平面に対して垂直となる上下方向にPET検出器3を昇降移動させる上下動部5を備えている。上述した実施例1と同様に、乳房とPET検出器3との干渉が生じることなくPET検出器3を円滑に移動させることができ、両方の乳房の核医学診断を円滑に行うことができる。
また、本実施例2では、PET検出器3を複数のγ線検出器群で構成するとともに、上述した実施例1と相違して、これらγ線検出器群をガントリ2の支持面(本実施例2では水平面)の方向に複数(本実施例2では2つ)に互いに分割して構成し、分割されたこれらγ線検出器群(本実施例ではγ線検出器群3A,3B)を支持面(水平面)に沿って互いに接離可能に構成している。被検体Mの乳房のサイズに応じてPET検出器3による撮像状態は変わる。サイズが大きい乳房の撮像後に、サイズの小さい乳房の撮像を行った場合に、乳房とPET検出器3とに隙間ができて感度が下がる恐れがある。逆に、サイズが小さい乳房の撮像後に、サイズの大きい乳房の撮像を行った場合に、乳房にPET検出器3からの接触による圧力が過度にかかり被検体Mに肉体的、ひいては精神的に苦痛を伴う恐れがある。そこで、本実施例2のように、γ線検出器群をガントリ2の支持面(水平面)の方向に複数のγ線検出器群で構成するとともに、これらγ線検出器群を支持面(水平面)の方向に複数に互いに分割して構成し、分割されたこれらγ線検出器群を支持面(水平面)に沿って互いに接離可能に構成することで、被検体Mの乳房のサイズに応じてγ線検出器群をそれぞれ自由に動かして撮像を行うことができ、乳房のサイズの変化による感度の低下を防止することができ、乳房のサイズの変化による被検体Mの肉体的・精神的苦痛を低減させることができる。
かかる構成において、γ線検出器群を支持面(本実施例2では水平面)に沿って円状に配設し、分割されたこれらγ線検出器群を支持面(水平面)に沿って互いに接離可能に構成し、接近の際には再び1つのPET検出器3として結合している。γ線検出器群を支持面(水平面)に沿って円状に配設することで乳房に対してγ線検出器群を均一に近接させることができ、乳房に対して均一な感度で撮像、ひいては核医学診断を行うことができる。
また、本実施例2では、上述した実施例1と同様に、好ましくは、開口部2a,2bにて位置決めされた被検体Mの乳房に対するPET検出器3からの圧力を検出する圧力センサ7を備えている。PET検出器3からの圧力を検出する圧力センサ7を備え、適度の圧力で乳房を撮像することで、PET検出器3からの接触による圧力が乳房に過度にかかることによる被検体Mの肉体的・精神的苦痛を低減させることができる。
また、本実施例2では、上述した実施例1と同様に、好ましくは、開口部2a,2bにて位置決めされた被検体Mの乳房を撮像するCCD型固体撮像素子(CCD)8を備えているので、CCD8による乳房の撮像状況を把握しつつ核医学診断を行うことができる。例えば、上述した実施例1と同様に、PET検出器3の中心軸に沿ってCCD8を備え、乳房の中心に乳頭がある場合には、CCD8によるモニタ(撮像画面)の中心Oに、乳房M´の中心にある乳頭Nが位置するようにPET検出器3を設定する。特に、上述したように分割された複数(本実施例2では2つ)のγ線検出器群(本実施例2ではγ線検出器群3A,3B)を支持面(水平面)に沿って互いに接離可能に構成する場合には、PET検出器3のγ線検出器群を接離移動させて設定する。このように設定することで、上述した実施例1と同様に、PET検出器3の中心軸が、乳頭Nがある乳房M´の中心に位置し、乳房に対して均一な感度で撮像、ひいては核医学診断を行うことができる。なお、上述した実施例2においても、CCD8の撮像結果に基づいてズレを検出するズレ検出部の機能を備えればよい。
次に、図面を参照してこの発明の実施例3を説明する。
図12〜図15は、実施例3に係るマンモPET装置の平面図であって、一連の撮像態様を示す図である。上述した実施例1,2と共通する箇所については同じ符号を付してその説明を省略する。なお、図12〜図15では、上述した実施例2における図6〜図9と同様に、乳房も含めて被検体Mの図示を省略する。
図12〜図15は、実施例3に係るマンモPET装置の平面図であって、一連の撮像態様を示す図である。上述した実施例1,2と共通する箇所については同じ符号を付してその説明を省略する。なお、図12〜図15では、上述した実施例2における図6〜図9と同様に、乳房も含めて被検体Mの図示を省略する。
上述した実施例1,2では、PET検出器3を構成する複数のγ線検出器群がガントリ2の支持面である水平面に沿って円状に配設されていたのに対して、本実施例3では、直方体状のγ線検出器群3A,3Bを水平面に沿って配設している。なお、上述した実施例2と同様に、PET検出器3を構成する複数のγ線検出器群を水平面の方向に複数(本実施例3でも2つ)に互いに分割して構成し、図12,図14中の矢印に示すように、分割されたこれらγ線検出器群を水平面に沿って互いに接離可能に構成している。そのように分割されたγ線検出器群を上述した直方体状のγ線検出器群3A,3Bとしている。また、上述した実施例2と相違して、接近の際には1つのPET検出器3として結合することなく、各γ線検出器群3A,3Bは分割された状態である。実施例3においても、分割数として2つに限定されず、3つ以上の複数であればよい。
γ線検出器群3A,3Bに2つに分割することで、γ線検出器群3A,3Bの相対的な位置・向きは常に変化するが、装置の機械的原点に対するγ線検出器群3A,3Bの位置・向きが変化する時の再構成アルゴリズムについては実施例2で既に述べているので、その説明を省略する。
次に、一連の診断(撮像)における撮像態様について、図12〜図15を参照して説明する。図12は、右側の乳房の撮像後においてPET検出器支持部およびそれに支持されたPET検出器が下降移動とともに離間移動するときの撮像態様であって、図13は、PET検出器支持部およびそれに支持されたPET検出器が水平移動するときの撮像態様であって、図14は、PET検出器支持部およびそれに支持されたPET検出器が上昇移動とともに接近移動するときの撮像態様であって、図15は、左側の乳房の撮像のときの撮像態様である。
上述した実施例1,2と同様に、被検体Mに放射性薬剤を投与して、伏臥姿勢にして右側の乳房を右側開口部2aに挿入するとともに、左側の乳房を左側開口部2bに挿入する。上述した実施例2では移動の対象が半円状のγ線検出器群3A,3Bであったのに対して、本実施例3では移動の対象が直方体状のγ線検出器群3A,3Bに置き換わっただけである。したがって、図12〜図14では、図6〜図9の移動と同じであるので、その説明を省略する。
ただし、上述した実施例2では、図9では各γ線検出器群3A,3Bを互いに接近させて結合していたのに対して、本実施例3では、図15に示すように、乳房を挟んだ状態でγ線検出器群3A,3Bは離間しており、その状態で乳房を診断する。
圧力センサ7やCCD8に基づくPET検出器3の水平方向に関する微調節(設定)についても、上述した実施例1,2と同じであるので、その説明を省略する。上述の構成を備えた本実施例3に係るマンモPET装置1の作用・効果についても、上述した実施例1,2に係るマンモPET装置1の作用・効果と共通する箇所については省略する。
本実施例3では、上述した実施例2と同様に、これらγ線検出器群をガントリ2の支持面(本実施例2では水平面)の方向に複数(本実施例2では2つ)に互いに分割して構成し、分割されたこれらγ線検出器群(本実施例ではγ線検出器群3A,3B)を支持面(水平面)に沿って互いに接離可能に構成している。上述した実施例2と同様に、被検体Mの乳房のサイズに応じてγ線検出器群をそれぞれ自由に動かして撮像を行うことができ、乳房のサイズの変化による感度の低下を防止することができ、乳房のサイズの変化による被検体Mの肉体的・精神的苦痛を低減させることができる。
本実施例3では、上述したように、直方体状のγ線検出器群3A,3Bを水平面に沿って配設しているので、接近の際には1つのPET検出器3として結合することなく、各γ線検出器群3A,3Bは分割された状態である。したがって、乳房を挟んだ状態でγ線検出器群3A,3Bは離間しており、その状態で乳房を診断する。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、マンモPET装置を例に採って説明したが、この発明は、単一のγ線を検出して被検体の断層画像を再構成するマンモSPECT(Single Photon Emission CT)装置などにも適用することができる。
(2)上述した各実施例では、伏臥姿勢の被検体の乳房を診断したが、被検体を仰向け、すなわち仰臥姿勢にして乳房を診断してもよい。
(3)上述した各実施例では、被検体を伏臥姿勢にして、支持面が水平になるように支持手段(各実施例ではガントリ2)を配設したが、かかる支持面に限定されない。被検体を立位姿勢にして、支持面が鉛直になるように支持手段(ガントリ2)を配設してもよい。この場合には、支持手段の支持面である鉛直面に沿って核医学用検出手段(各実施例ではPET検出器3)を、少なくとも複数の開口部間を往復昇降移動させる往復移動手段(各実施例では水平動部6)、支持面である鉛直面に対して垂直となる水平方向に核医学用検出手段(PET検出器3)を水平移動させる垂直移動手段(各実施例では上下動部5)を備えることになる。被検体を斜め姿勢にする場合も同様である。
(4)上述した各実施例では、右側開口部2aおよび左側開口部2bの2つの開口部を設けたが、2つに限定されず、3つ以上の複数の開口部を設けてもよい。そして、これら開口部から右側の乳房を挿入する開口部および左側の乳房を挿入する開口部の2つを選択すればよい。
(5)上述した各実施例では、複数の開口部(各実施例では開口部2a,2b)間を核医学用検出手段(各実施例ではPET検出器3)が往復移動する構成であったが、各々の開口部に対して核医学用検出手段(PET検出器3)をそれぞれ設け、各々の核医学用検出手段が関連する開口部付近のみ移動し、他の開口部に移動しない構成であってもよい。
(6)上述した各実施例では、被検体の肉体的・精神的苦痛を低減させるために、圧力検出手段(各実施例では圧力センサ7)を備えたが、被検体の肉体的・精神的苦痛を考慮しないのであれば、必ずしも圧力検出手段(圧力センサ7)を備える必要はない。
(7)上述した各実施例では、乳房の撮像状況を把握するために撮像手段(各実施例ではCCD型固体撮像素子(CCD)8)を備えたが、乳房の撮像状況を考慮しないのであれば、必ずしも撮像手段(CCD8)を備える必要はない。また、撮像手段は、CCD8に限定されず、通常の乳房を撮像するものであればよい。例えば、撮像手段は、乳房の温度分布を撮像するためのサーミスタであってもよい。
(8)上述した各実施例では、乳房に対して均一な感度で撮像、ひいては核医学診断を行うために、ズレ検出手段(各実施例では撮像制御部15)を備えたが、均一の感度等を考慮しないのであれば、必ずしもズレ検出手段(撮像制御部15)を備える必要はない。
(9)上述した各実施例では、乳房に対して均一な感度で撮像、ひいては核医学診断を行うために、核医学用検出手段(各実施例ではPET検出器3)の中心軸に沿って撮像手段(各実施例ではCCD型固体撮像素子(CCD)8)を備えたが、乳房の撮像状況を単に把握するためであれば、核医学用検出手段(PET検出器3)の中心軸に沿って撮像手段(CCD8)を備える必要はなく、他の箇所に撮像手段(CCD8)を備えてもよい。
1 … マンモPET装置
2 … ガントリ
2a,2b … 開口部
3 … PET検出器
5 … 上下動部
6 … 水平動部
7 … 圧力センサ
8 … CCD型固体撮像素子(CCD)
15 … 撮像制御部
M … 被検体
2 … ガントリ
2a,2b … 開口部
3 … PET検出器
5 … 上下動部
6 … 水平動部
7 … 圧力センサ
8 … CCD型固体撮像素子(CCD)
15 … 撮像制御部
M … 被検体
Claims (13)
- 放射性薬剤が投与された被検体から発生した放射線に基づいて被検体の核医学用データを求めるマンモ用の核医学診断装置であって、前記被検体を支持する支持手段と、その支持手段を挟んで前記被検体から発生した放射線を検出する核医学用検出手段とを備え、前記放射線が前記核医学用検出手段に到達するように、前記支持手段に複数の開口部を設けることを特徴とする核医学診断装置。
- 請求項1に記載の核医学診断装置において、前記支持手段の支持面に沿って前記核医学用検出手段を、少なくとも前記複数の開口部間を往復移動させる往復移動手段を備えることを特徴とする核医学診断装置。
- 請求項1または請求項2に記載の核医学診断装置において、前記支持手段の支持面に対して垂直方向に前記核医学用検出手段を移動させる垂直移動手段を備えることを特徴とする核医学診断装置。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の核医学診断装置において、前記核医学用検出手段を複数の検出器群で構成するとともに、これら検出器群を前記支持手段の支持面の方向に複数に互いに分割して構成し、分割されたこれら検出器群を支持面に沿って互いに接離可能に構成することを特徴とする核医学診断装置。
- 請求項4に記載の核医学診断装置において、前記検出器群を前記支持面に沿って円状に配設し、分割されたこれら検出器群を支持面に沿って互いに接離可能に構成し、接近の際には再び1つの核医学用検出手段として結合することを特徴とする核医学診断装置。
- 請求項1から請求項5のいずれかに記載の核医学診断装置において、支持面が水平になるように前記支持手段を配設することを特徴とする核医学診断装置。
- 請求項6に記載の核医学診断装置において、前記支持手段の支持面である水平面に沿って前記核医学用検出手段を、少なくとも前記複数の開口部間を往復移動させる往復移動手段を備えることを特徴とする核医学診断装置。
- 請求項6または請求項7に記載の核医学診断装置において、前記支持手段の支持面である水平面に対して垂直となる上下方向に前記核医学用検出手段を昇降移動させる垂直移動手段を備えることを特徴とする核医学診断装置。
- 請求項6から請求項8のいずれかに記載の核医学診断装置において、前記核医学用検出手段を複数の検出器群で構成するとともに、これら検出器群を前記支持手段の支持面である水平面の方向に複数に互いに分割して構成し、分割されたこれら検出器群を支持面である水平面に沿って互いに接離可能に構成することを特徴とする核医学診断装置。
- 請求項9に記載の核医学診断装置において、前記検出器群を前記支持面である水平面に沿って円状に配設し、分割されたこれら検出器群を支持面である水平面に沿って互いに接離可能に構成し、接近の際には再び1つの核医学用検出手段として結合することを特徴とする核医学診断装置。
- 請求項1から請求項10のいずれかに記載の核医学診断装置において、前記開口部にて位置決めされた前記被検体の乳房に対する前記核医学用検出手段からの圧力を検出する圧力検出手段を備えることを核医学診断装置。
- 請求項1から請求項11のいずれかに記載の核医学診断装置において、前記開口部にて位置決めされた前記被検体の乳房を撮像する撮像手段を備えることを特徴とする核医学診断装置。
- 請求項12に記載の核医学診断装置において、前記撮像手段の撮像結果に基づいてズレを検出するズレ検出手段を備え、そのズレ検出手段で検出されたズレをなくすために前記核医学用検出手段を移動させることを特徴とする核医学診断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008156802A JP2009300319A (ja) | 2008-06-16 | 2008-06-16 | 核医学診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Country | Link |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011125212A1 (ja) * | 2010-04-08 | 2011-10-13 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 | 近接撮影型pet装置およびシステム |
CN104856716A (zh) * | 2014-02-24 | 2015-08-26 | 苏州瑞派宁科技有限公司 | 一种局部专用的平板pet成像装置及方法、放疗机 |
US9445770B2 (en) | 2011-07-28 | 2016-09-20 | Shimadzu Corporation | Nuclear medicine diagnostic apparatus |
US9820710B2 (en) | 2011-06-08 | 2017-11-21 | Shimadzu Corporation | Radiation tomography apparatus |
JP2020173267A (ja) * | 2018-12-13 | 2020-10-22 | 株式会社島津製作所 | 画像診断装置 |
-
2008
- 2008-06-16 JP JP2008156802A patent/JP2009300319A/ja active Pending
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