JP2009227421A - エレベータ - Google Patents
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Abstract
【課題】エレベータにおいて、別の構成により敷居間隙から昇降路への物の落下防止の対策を行うことである。
【解決手段】エレベータ10において、乗りかごの走行時は乗りかご敷居45の端面に沿って収納される拾得板50であって、乗りかごの停止時は乗りかご敷居45と乗場敷居30との間の間隙を塞ぐように一端を回動軸51として回動する拾得板50と、拾得板50を回動させる回動駆動部54と、エレベータ10の全般の制御を行うエレベータ制御部4と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】エレベータ10において、乗りかごの走行時は乗りかご敷居45の端面に沿って収納される拾得板50であって、乗りかごの停止時は乗りかご敷居45と乗場敷居30との間の間隙を塞ぐように一端を回動軸51として回動する拾得板50と、拾得板50を回動させる回動駆動部54と、エレベータ10の全般の制御を行うエレベータ制御部4と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、エレベータに係り、特に、エレベータの停止時は乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙が形成されるエレベータに関する。
エレベータの乗りかご敷居と乗場敷居との間には、所定の間隙が確保されている。この間隙は、例えば、乗りかごと乗場との不干渉領域として機能することのほかに、乗場扉とかご扉とが連動して動くように構成されていて、その連動がこの敷居間隙を利用してなされる。このため、この敷居間隙を減少させるには自ずと限界があり、この敷居間隙から昇降路へ物を落としてしまうといった物の落下防止の対策をする必要がある。
例えば、特許文献1として、各階の乗場に対応した位置に昇降自在な乗りかごを停止するエレベータにおいて、乗りかご敷居に設けられ、その上面がほぼ水平な閉塞手段と、閉塞手段の上面に配設されたブラシ状部材と、から構成される敷居間隙閉塞装置とを備え、乗場に対応した位置に昇降自在な乗りかごを停止した場合に、敷居間隙閉塞装置が乗場敷居と乗りかご敷居との間を閉塞するものが開示されている。
また、特許文献2として、乗りかごのかご床の下に設けられた第1の駆動部と、この第1の駆動部に設けられ第1の駆動部の駆動により横方向に往復移動する第1の可動部と、この第1の可動部に設けられた第2の駆動部と、この第2の駆動部に設けられ第2の駆動部の駆動により縦方向に往復移動する第2の可動部と、この第2の可動部の先端部に取り付けられ乗場扉およびかご扉が開かれたときに第2の可動部の上動により乗場敷居とかご敷居との間の間隙を塞ぐ塞ぎ部とを備えたものが開示されている。
また、特許文献3として、エレベータの敷居隙間閉塞装置として、閉塞帯は取付板に蝶番を介して回動自在に取り付けられ、さらに戻りバネの付勢力により閉塞状態方向に回動するように付勢されており、また、押し下げレバーは、ドアシューに固定されたレバー作動片が駆動腕に係合し、かご扉の開閉動作に連動してピンまわりに回動できるようになっており、引きバネが従動腕の第2のストッパに当接するように押し下げレバーを付勢している。このように、かご扉の開閉動作に連動して、閉塞帯は閉塞状態と開放状態とをとることが開示されている。ここでは、取付板の一端側には、L字状の第1のストッパが取り付けられ、蝶番の回転軸まわりに回動する閉塞帯に当接して、閉塞帯の開放状態(垂下状態)から閉塞状態(水平状態)を超えての回動動作を阻止していることが述べられている。
上記特許文献1の構成を用いることで、敷居間隙から昇降路内への物の落下防止の対策をすることができる。しかし、特許文献1の構成では、閉塞手段の上面が乗場床とほぼ水平に設けられているため、落下物の落下位置によっては、落下物が閉塞手段の上面と乗場の敷居との間に挟まって乗りかごが走行状態に移行する際の邪魔になることがある。
また、上記特許文献2の構成を用いることで、乗りかごが乗場に停止したときに第1の可動部と第2の可動部が可動することができ、敷居間隙から昇降路内への物の落下防止の対策をすることができる。しかし、特許文献2の構成では、横方向に移動する第1の可動部と、縦方向に移動する第2の可動部を備えるといった大掛りな装置が必要となる。
また、上記特許文献3の構成を用いることで、敷居間隙から昇降路内への物の落下防止の対策をすることができる。しかし、特許文献3の構成では、L字状の第1のストッパが取り付けられ、蝶番の回転軸まわりに回動する閉塞帯に当接して、閉塞帯の開放状態(垂下状態)から閉塞状態(水平状態)を超えての回動動作を阻止しているため、落とし主が落下物に気づかずに拾わない場合には、閉塞帯がピット側に倒れて物を落下させることが必要な場合にもそのような対応ができず、例えば、比較的サイズの大きい落下物の場合には、乗りかごが走行状態に移行する際の邪魔になることがある。
本発明の目的は、別の構成により敷居間隙から昇降路内への物の落下防止の対策を行うことができるエレベータを提供することである。
本発明に係るエレベータは、乗りかごの走行時は乗りかご敷居の端面に沿って収納される拾得板であって、乗りかごの停止時は乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を塞ぐように一端を回動軸として回動する拾得板と、拾得板を回動させる回動駆動部と、エレベータの全般の制御を行うエレベータ制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るエレベータにおいて、拾得板は、磁石を含んで構成されることが好ましい。
また、本発明に係るエレベータにおいて、拾得板が乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を形成する乗りかご敷居の端面のうち回動軸よりも上部の端面に沿って収納されているか否かを判定する上部側収納判定部を備え、回動駆動部は、乗りかごの停止状態から乗りかごの走行状態に移行しようとする際に、上部側収納判定部によって拾得板が収納されていないと判定された場合に、拾得板を乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を形成する乗りかご敷居の端面のうち回動軸よりも下部の端面に向けて回動させることが好ましい。
また、本発明に係るエレベータにおいて、拾得板が乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を形成する乗りかご敷居の端面のうち回動軸よりも上部の端面に沿って収納されているか否かを判定する上部側収納判定部を備え、エレベータ制御部は、乗りかごの停止状態から乗りかごの走行状態に移行しようとする際に、上部側収納判定部によって拾得板が収納されていないと判定された場合に扉を開放し報知する注意喚起処理を行うことが好ましい。
また、本発明に係るエレベータにおいて、注意喚起処理が予め任意に定められた回数以上繰り返されるときに回動駆動部に対して回動駆動制御指令を行い、回動駆動部は、回動駆動制御指令を受けたときに、拾得板を乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を形成する乗りかご敷居の端面のうち回動軸よりも下部の端面に向けて回動させることが好ましい。
また、本発明に係るエレベータにおいて、拾得板が乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を形成する乗りかご敷居の端面のうち回動軸よりも下部の端面に沿って収納されているか否かを判定する下部側収納判定部を備え、エレベータ制御部は、乗りかごの停止状態から乗りかごの走行状態に移行しようとする際に、上部側収納判定部あるいは下部側収納判定部によって拾得板が収納されていると判定された場合に乗りかごの走行を開始する制御を行うことが好ましい。
また、本発明に係るエレベータにおいて、上部側収納判定部と下部側収納判定部の少なくとも一方は、マイクロスイッチを含んで構成されることが好ましい。
また、本発明に係るエレベータにおいて、回動駆動部の回動角度を算出し拾得板が乗りかご敷居の端面に沿って収納されているか否かを判定する角度収納判定部を備え、エレベータ制御部は、乗りかごの停止状態から乗りかごの走行状態に移行しようとする際に、角度収納判定部によって拾得板が乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を形成する乗りかご敷居の端面のうち回動軸よりも上部の端面に沿って収納されていないと判定された場合に、扉を開放し報知する注意喚起処理を行うことが好ましい。
また、本発明に係るエレベータにおいて、注意喚起処理が予め任意に定められた回数以上繰り返されるときに回動駆動部に対して回動駆動制御指令を行い、回動駆動部は、回動駆動制御指令を受けたときに、拾得板を乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を形成する乗りかご敷居の端面のうち回動軸よりも下部の端面に向けて回動させることが好ましい。
また、本発明に係るエレベータにおいて、回動駆動部は、ステッピングモータを含んで構成されることが好ましい。
また、本発明に係るエレベータにおいて、乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を形成する乗りかご敷居の端面のうち回動軸よりも下部の端面は、斜め下方向に向くように設けられることが好ましい。
上記構成のエレベータによれば、拾得板は、乗りかごの走行時は乗りかご敷居の端面に沿って収納され、乗りかごの停止時は乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を塞ぐように一端を回動軸として回動する。これにより、乗りかごの停止時に乗客が乗りかごに対して出入りする際に、敷居間隙から昇降路内へ物を落としてしまう場合の対策を行うことができる。
また、上記構成の上部側収納判定部を備えたエレベータによれば、拾得板が乗りかご敷居の上部の端面に収納されているか否かを判定することができる。したがって、例えば、回動駆動部は、乗りかごの停止状態から乗りかごの走行状態に移行しようとする際に、拾得板が乗りかご敷居の上部の端面に収納されていない場合に、拾得板を乗りかご敷居の下部の端面に向けて回動させることができる。これにより、乗りかごに対しての乗降時に乗客が敷居間隙から昇降路への落下物があるにもかかわらず、乗客が落下物の存在に気づかない場合には、乗りかご敷居の下部の端面に向けて回動させ、落下物を昇降路内に落として乗りかごの走行の妨げとならないようにすることができる。なお、この場合は、エレベータの保守作業員が定期点検等において、ピット等への落下物を回収する。
さらに、拾得板が磁石を含んで構成されるものとすることで、拾得板を乗りかご敷居の下部の端面に向けて回動させても、落下物も磁性を有する物であれば拾得板にくっついたままでピットに落とさずにエレベータの走行の妨げとならないようにすることができる。
また、上記構成の上部側収納判定部と下部側収納判定部とを備えたエレベータによれば、上部側収納判定部あるいは下部側収納判定部によって拾得板が収納されていると判定された場合に乗りかごの走行を開始する制御を行うことできる。これにより、より安全に乗りかごを停止状態から走行状態に移行することができる。
また、上記構成の上部側収納判定部と下部側収納判定部とを備えたエレベータによれば、乗りかごの停止状態から乗りかごの走行状態に移行しようとする際に上部側収納判定部によって拾得板が収納されていないと判定された場合に、扉を開放して報知することができる。これにより、乗客に対し落下物が存在することについての注意喚起をすることができる。
さらに、注意喚起が所定の回数以上繰り返される場合には、拾得板を乗りかご敷居の下部の端面に向けて回動させて乗りかごを走行状態に移行させる。これにより、乗客が落下物を拾い損ねてもすぐに乗りかごは走行しないので、拾いやすくなるとともに、注意喚起が所定の回数以上繰り返される場合に、乗りかごを走行状態とするため、他の乗客の利便も考慮することができる。
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では回動駆動部は、エレベータ制御部の制御に基づいて拾得板を回動駆動するものとしているが、専用の制御回路を含んで構成され、その制御回路に基づいて拾得板を回動駆動するものとしてもよい。また、以下では拾得板は磁石を含んで構成されるものとして説明するが、磁石を含まずに構成されてもよい。また、以下では、巻上機とエレベータ制御部はいわゆる機械室に設置されるものとして説明するが、機械室を特別に設けないいわゆる機械室レスエレベータであってもよい。また、この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。
図1は、本発明の第1実施形態であるエレベータ10を示す図である。エレベータ10は、乗りかご12を移動させるために主ロープ8を巻き上げる巻上機6とエレベータ制御部4とがいわゆる機械室2に設置されている。主ロープ8の一端側には、乗りかご12が接続され、他端側には乗りかご12とのつり合い用錘であるカウンタウエート14が接続されている。乗りかご12は、昇降路16内を昇降走行し、乗客3が希望する行き先階の乗場26まで案内する。乗客3が、乗りかご12に対して出入りする際に乗場扉24とかご扉22が開放されるが、この際、乗場敷居と乗りかご敷居との間に形成される間隙から乗客3の所有物である鍵7が昇降路16内に落ちてしまうことがある。昇降路16内に入った鍵7は、昇降路16の下部に位置するいわゆるピット部18に落ちてしまう恐れがあるが、エレベータ10は、このような鍵7に対して後述する対策が施されている。報知部5は、エレベータ制御部4の制御に基づいて音声による報知を行う機能を有するが、エレベータ制御部4と報知部5の詳細な説明は後述する。
図2は、エレベータ10の乗りかご12近辺の拡大図であり、乗場床261の端部には溝を有する乗場敷居30が設けられている。乗場敷居30の上部には溝に沿って往復移動する乗場扉24が設けられている。一方、乗りかご12が各階に停止する際には、乗場床261と同じ高さの位置に乗りかご床121が位置する。乗りかご床121の端部には溝を有する乗りかご敷居45が設けられている。乗りかご敷居45の上部には溝に沿って往復移動するかご扉22が設けられている。乗りかご敷居45は、乗りかご敷居上部42と乗りかご敷居下部46とを含んで構成される。乗りかご敷居上部42は、乗りかご敷居45と乗場敷居30との間の間隙を形成する乗りかご敷居45の端面のうち回動軸51よりも上部の端面44が、乗りかご床121の面と垂直になるように設けられている。乗りかご敷居下部46は、乗りかご敷居45と乗場敷居30との間の間隙を形成する乗りかご敷居45の端面のうち回動軸51よりも下部の端面48が、斜め下方向に向くように設けられている。
拾得板50は、磁石を含んで構成され、拾得板50の一方端にある回動軸51を軸として回動する。拾得板50は、エレベータ10の乗りかご12が走行しているときは、乗りかご敷居45の端面44に沿って収納されている。図2では、乗りかご敷居上部42の端面44に沿って、乗りかご床121に対して垂直方向に収納されている。また、拾得板50は、乗りかご12が各階の乗場26に到着して停止するときは、乗りかご床121に対して水平方向で乗りかご敷居45と乗場敷居30との敷居間隙を出入口全長にわたって閉塞するように回動する。なお、拾得板50が、乗りかご床121に対して水平方向で乗りかご敷居45と乗場敷居30との敷居間隙を出入口全長にわたって閉塞するように回動した後にかご扉22と乗場扉24が開く。
回動駆動部54は、ステッピングモータを含んで構成され、エレベータ制御部4による制御に基づいて拾得板50を回動駆動する機能を有する。具体的には、乗りかご12の走行状態から乗りかご12の停止状態に移行するときには、乗りかご床121に対して垂直方向に乗りかご敷居上部42の端面44に沿って収納されている拾得板50を乗りかご床121に対して水平方向に回動駆動を行う。一方、乗りかご12の停止状態から乗りかご12の走行状態に移行するときには、ふたたび乗りかご敷居上部42の端面44に沿って収納されるように回動駆動を行う。ここで、後述する上部側収納判定部52によって拾得板50が収納されていないと判定された場合は注意喚起処理が行われ、そして注意喚起処理が所定の回数繰り返された後は、拾得板50を乗りかご敷居下部46の端面48に沿って収納されるように回動駆動を行う。
上部側収納判定部52は、乗りかご敷居上部42の端面44に沿って設けられ、マイクロスイッチを含んで構成される。また、上部側収納判定部52は、乗りかご12の停止状態から走行状態に移行する際に拾得板50が乗りかご敷居上部42の端面44に沿って収納されているか否かを判定する。マイクロスイッチは、規定された動きと規定された力で開閉動作する接点機構がケースで覆われて、その外部にアクチュエータを備える。上部側収納判定部52は、アクチュエータが押圧された場合には、マイクロスイッチがオンの状態となり、アクチュエータが押圧されていない場合には、マイクロスイッチがオフの状態となる。したがって、上部側収納判定部52は、拾得板50が乗りかご敷居上部42の端面44に沿って乗りかご床121に対して垂直方向に収納される場合には、アクチュエータが押圧されてマイクロスイッチがオンの状態となり収納状態であると判定され、それら以外の場合には、アクチュエータが押圧されずマイクロスイッチがオフの状態となり収納状態でないと判定される。また、上部側収納判定部52は、エレベータ制御部4と電気的に接続されている。
下部側収納判定部48は、乗りかご敷居下部46の端面48に沿って設けられ、上部側収納判定部52と同様にマイクロスイッチを含んで構成され、拾得板50が乗りかご敷居下部46の端面48に沿って収納されるように回動開始した後に、拾得板50が乗りかご敷居下部46の端面48に沿って収納されているか否かを判定する。したがって、下部側収納判定部48は、拾得板50が乗りかご敷居下部46の端面48に沿って収納される場合には、アクチュエータが押圧されてマイクロスイッチがオンの状態となり収納状態であると判定され、それら以外の場合には、アクチュエータが押圧されずにマイクロスイッチがオフの状態となり収納状態でないと判定される。また、下部側収納判定部48は、エレベータ制御部4と電気的に接続されている。
エレベータ制御部4は、エレベータ10の全般の制御に関する制御回路を含んで構成される。エレベータ制御部4は、乗りかご12が走行状態から停止状態へと移行するときに、回動駆動部54が乗りかご床121に対して垂直方向に収納されている拾得板50を乗りかご床121に対して水平方向に回動駆動するように回動駆動部54に対して制御指令を与える。なお、拾得板50を乗りかご床121に対して水平方向に回動駆動させた後にかご扉22と乗場扉24とを開く。また、エレベータ制御部4は、乗りかご12が停止状態から走行状態へと移行するときに、乗りかご敷居上部42の端面44に沿って収納されるように回動駆動させるために回動駆動部54に対して制御指令を与える。
また、エレベータ制御部4は、乗りかご12が停止状態から走行状態へと移行するときに、上部側収納判定部52によって拾得板50が収納されていないと判定されたときに、かご扉22と乗場扉24の開放を行い、報知部5に対して報知処理の指令を行う、といった注意喚起処理を行う。また、エレベータ制御部4は、注意喚起処理が所定の回数繰り返されたときに、乗りかご敷居下部46の端面48に沿って収納されるように回動駆動させるために回動駆動部54に対して制御指令を与える。また、エレベータ制御部4は、乗りかご12が停止状態から走行状態に移行しようとする際に、上部側収納判定部52あるいは下部側収納判定部56によって拾得板50が収納されていると判定された場合に、かご扉22と乗場扉24を閉じて乗りかご12の走行を開始する制御を行う。
報知部5は、マイク等の音声発生装置を含んで構成され、乗りかご12内におけるかご扉22の上方と各階の乗場扉24の上方に設けられる。報知部5は、エレベータ制御部4からの報知処理の指令に基づいて、例えば「物が落ちています。落とした人は拾ってください」といったアナウンスを流す機能を有する。
続いて、上記構成からなるエレベータ10の動作について図1〜図6等を参照して説明する。図3は、乗りかご敷居45と乗場敷居30との間の間隙からの落下物である乗客3の所有物の鍵7を拾得した場合の拾得板50の動きを示すフローチャートである。図4は、拾得板50が乗りかご敷居45と乗場敷居30との敷居間隙を出入口全長にわたって閉塞し、落下物である鍵7を拾得した様子を示す図である。図5は、鍵7を拾得した後であって、乗りかご12が停止状態から走行状態へと移行する際に乗りかご敷居上部42の端面44に沿って収納されるように拾得板50を回動した様子を示す図である。図6は、上部側収納判定部52によって収納されていないと判定された場合であって、その後に乗りかご敷居下部46の端面48に沿って収納されるように回動した様子を示す図である。
エレベータ10は、乗りかご12について昇降路16内を昇降走行させて乗客3を所望の階に移動させるが、乗りかご12が所望の階に到着するときに、乗りかご12が走行状態から停止状態へと移行する(S2)。そして、エレベータ制御部4の制御に基づいて、回動駆動部54が乗りかご敷居上部42の端面44に沿って乗りかご床121に対して垂直方向に収納されている拾得板50を乗りかご床121に対して水平方向となるように回動駆動する(S4)。ここで、乗客3による落下物の鍵7がある場合には、図4に示されるように拾得される。
その後、乗りかご12が停止状態から走行状態へと移行するが、エレベータ制御部4の制御に基づいて、回動駆動部54が拾得板50を乗りかご敷居上部42の端面44に沿って収納されるように回動駆動を行う(S6)。次に、上部側収納判定部52は、拾得板50が乗りかご敷居上部42の端面44に沿って収納されているか否かを判定する(S8)。拾得板50が乗りかご敷居上部42の端面44に沿って収納されていると判定された場合には、S18に進みエレベータ制御部4による制御によって乗りかご12は走行状態に移行する。一方、落下物である鍵7の存在により図5に示されるような状態となり、この場合には、マイクロスイッチはオン状態とならず上部側収納判定部52によって、拾得板50が乗りかご敷居上部42の端面44に沿って収納されていないと判定されるため、エレベータ制御部4の制御に基づいて、かご扉22と乗場扉24の開放を行い、報知部5は「物が落ちています。落とした人は拾ってください」との内容のアナウンスが流されるといった注意喚起処理が行われる(S10)。これにより、乗客3は、落下物である鍵7の存在に気づいて拾うことができる。
次に、注意喚起処理が予め定められた所定の回数を超えている否かを判断する(S12)。注意喚起処理が所定の回数を超えていないと判定された場合には、S8に戻る。これにより、一度乗客3が拾い損ねても乗りかご12は走行状態に移行しないため拾い易くなる。一方、注意喚起処理が所定の回数を超えていると判定された場合には、エレベータ制御部4の制御に基づいて、回動駆動部54が拾得板50を乗りかご敷居下部46の端面48に沿って収納されるように回動駆動を行う(S14)。
そして、下部側収納判定部56は、拾得板50が乗りかご敷居下部46の端面48に沿って収納されているか否かを判定する(S16)。拾得板50が乗りかご敷居下部46の端面48に沿って収納されていないと判定された場合には、所定の時間を経過させた後再びS14に戻る。一方、拾得板50が乗りかご敷居上部42の端面44に沿って収納されていると判定された場合には、エレベータ制御部4による制御によって、乗りかご12が走行状態となる(S18)。なお、このとき鍵7の存在によって拾得板50が乗りかご敷居上部42の端面44に沿って収納されていない場合には、図6に示されるように、乗りかご敷居下部46の端面48に沿って収納されている状態となっている。
ここで、拾得板50は磁石を含んで構成されており、落下物である鍵7も磁性を有する場合には、乗りかご敷居下部46の端面48に沿って収納されても昇降路16内に落ちず、さらに、乗りかご敷居下部46の端面48は斜め下方向に向くように設けられるので、その部分に沿って拾得板50が収納されることで落下物である鍵7が乗りかご12の走行の邪魔とならない。また、上部側収納判定部52あるいは下部側収納判定部56によって拾得板50が収納されていると判定された場合に乗りかご12の走行を開始する制御を行っているため、より安全に乗りかご12を停止状態から走行状態へと移行することができる。
次に、図7を参照して本発明の第2実施形態であるエレベータ11について説明する。図7は、本発明の第2実施形態であるエレベータ11の乗りかご12近辺の拡大図である。ここで、エレベータ11は、上記第1実施形態のエレベータ10とほぼ同様の構成を有するため、同一構成要素には同一符号を付して重複することとなる説明を援用によって省略し、異なる構成およびその作用について説明する。エレベータ11は、角度収納判定部58を有する点についてエレベータ10と相違し、以下では、特に、その内容について詳細な説明を行う。
角度収納判定部58は、回動駆動部54の回動角度を演算によって算出し、その演算結果によって拾得板50が乗りかご敷居上部42の端面44あるいは乗りかご敷居下部46の端面48に収納されているか否かを判定する。具体的な判定としては、演算によって算出された回動角度が、乗りかご敷居上部42の端面44に収納された状態での回動角度、あるいは乗りかご敷居下部46の端面48に収納された状態での回動角度と一致するか否かで判定する。角度収納判定部58は、エレベータ10における上部側収納判定部52と下部側収納判定部56の双方の判定を行う機能を有する。また、角度収納判定部58は、エレベータ制御部4と電気的に接続されている。
上記のように、エレベータ11は、エレベータ10の上部側収納判定部52と下部側収納判定部56の代わりとして角度収納判定部58を有しており、角度収納判定部58によって拾得板50が乗りかご敷居上部42の端面44、あるいは乗りかご敷居下部46の端面48に収納されているか否かを判定できる。したがって、上部側収納判定部52と下部側収納判定部56の代わりとして角度収納判定部58を用い、図3のフローチャートに示された手順と同様の手順を行うことで、上述したエレベータ10と同様の効果を有することができる。
2 機械室、3 乗客、4 エレベータ制御部、5 報知部、6 巻上機、7 鍵、8 主ロープ、10,11 エレベータ、12 乗りかご、14 カウンタウエート、16 昇降路、18 ピット部、22 かご扉、24 乗場扉、26 乗場、30 乗場敷居、42 乗りかご敷居上部、44 端面、45 乗りかご敷居、46 乗りかご敷居下部、48 下部側収納判定部、48 端面、50 拾得板、51 回動軸、52 上部側収納判定部、54 回動駆動部、56 下部側収納判定部、58 角度収納判定部、121 乗りかご床、261 乗場床。
Claims (11)
- 乗りかごの走行時は乗りかご敷居の端面に沿って収納される拾得板であって、乗りかごの停止時は乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を塞ぐように一端を回動軸として回動する拾得板と、
拾得板を回動させる回動駆動部と、
エレベータの全般の制御を行うエレベータ制御部と、
を備えることを特徴とするエレベータ。 - 請求項1に記載のエレベータにおいて、
拾得板は、磁石を含んで構成されることを特徴とするエレベータ。 - 請求項1または請求項2に記載のエレベータにおいて、
拾得板が乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を形成する乗りかご敷居の端面のうち回動軸よりも上部の端面に沿って収納されているか否かを判定する上部側収納判定部を備え、
回動駆動部は、
乗りかごの停止状態から乗りかごの走行状態に移行しようとする際に、上部側収納判定部によって拾得板が収納されていないと判定された場合に、拾得板を乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を形成する乗りかご敷居の端面のうち回動軸よりも下部の端面に向けて回動させることを特徴とするエレベータ。 - 請求項1または請求項2に記載のエレベータにおいて、
拾得板が乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を形成する乗りかご敷居の端面のうち回動軸よりも上部の端面に沿って収納されているか否かを判定する上部側収納判定部を備え、
エレベータ制御部は、
乗りかごの停止状態から乗りかごの走行状態に移行しようとする際に、上部側収納判定部によって拾得板が収納されていないと判定された場合に扉を開放し報知する注意喚起処理を行うことを特徴とするエレベータ。 - 請求項4に記載のエレベータにおいて、
注意喚起処理が予め任意に定められた回数以上繰り返されるときに回動駆動部に対して回動駆動制御指令を行い、
回動駆動部は、
回動駆動制御指令を受けたときに、拾得板を乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を形成する乗りかご敷居の端面のうち回動軸よりも下部の端面に向けて回動させることを特徴とするエレベータ。 - 請求項3から請求項5のいずれか1に記載のエレベータにおいて、
拾得板が乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を形成する乗りかご敷居の端面のうち回動軸よりも下部の端面に沿って収納されているか否かを判定する下部側収納判定部を備え、
エレベータ制御部は、
乗りかごの停止状態から乗りかごの走行状態に移行しようとする際に、上部側収納判定部あるいは下部側収納判定部によって拾得板が収納されていると判定された場合に乗りかごの走行を開始する制御を行うことを特徴とするエレベータ。 - 請求項3から請求項6のいずれか1に記載のエレベータにおいて、
上部側収納判定部と下部側収納判定部の少なくとも一方は、マイクロスイッチを含んで構成されることを特徴とするエレベータ。 - 請求項1または請求項2に記載のエレベータにおいて、
回動駆動部の回動角度を算出し拾得板が乗りかご敷居の端面に沿って収納されているか否かを判定する角度収納判定部を備え、
エレベータ制御部は、
乗りかごの停止状態から乗りかごの走行状態に移行しようとする際に、角度収納判定部によって拾得板が乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を形成する乗りかご敷居の端面のうち回動軸よりも上部の端面に沿って収納されていないと判定された場合に、扉を開放し報知する注意喚起処理を行うことを特徴とするエレベータ。 - 請求項8に記載のエレベータにおいて、
注意喚起処理が予め任意に定められた回数以上繰り返されるときに回動駆動部に対して回動駆動制御指令を行い、
回動駆動部は、
回動駆動制御指令を受けたときに、拾得板を乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を形成する乗りかご敷居の端面のうち回動軸よりも下部の端面に向けて回動させることを特徴とするエレベータ。 - 請求項1から請求項9のいずれか1に記載のエレベータにおいて、
回動駆動部は、ステッピングモータを含んで構成されることを特徴とするエレベータ。 - 請求項3から請求項10のいずれか1に記載のエレベータにおいて、
乗りかご敷居と乗場敷居との間の間隙を形成する乗りかご敷居の端面のうち回動軸よりも下部の端面は、斜め下方向に向くように設けられることを特徴とするエレベータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008076309A JP2009227421A (ja) | 2008-03-24 | 2008-03-24 | エレベータ |
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JP2008076309A JP2009227421A (ja) | 2008-03-24 | 2008-03-24 | エレベータ |
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JP2009227421A true JP2009227421A (ja) | 2009-10-08 |
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ID=41243278
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2008076309A Pending JP2009227421A (ja) | 2008-03-24 | 2008-03-24 | エレベータ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2009227421A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104843570A (zh) * | 2015-04-14 | 2015-08-19 | 胡毅 | 电梯轿厢底部自动保护装置及电梯 |
CN109292577A (zh) * | 2018-10-12 | 2019-02-01 | 佛山市高明区安承升降装备研究院 | 一种垂直升降电梯出入口防护装置 |
CN110395648A (zh) * | 2018-04-25 | 2019-11-01 | 奥的斯电梯公司 | 用于电梯轿厢的减小间隙的门槛组件 |
US11066277B2 (en) * | 2018-04-25 | 2021-07-20 | Otis Elevator Company | Gap-reducing sill assembly for an elevator car |
-
2008
- 2008-03-24 JP JP2008076309A patent/JP2009227421A/ja active Pending
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