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JP2009218807A - 撮像装置及び画像再生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】デジタルカメラにおいて、芸術性の高い構図を有する画像を自動取得する。
【解決手段】撮像装置は、撮影によって自身に投影される光学像に応じた信号を出力する撮像素子と、光学像を前記撮像素子上で移動させる補正レンズと、前記撮像素子の出力信号に基づく判定用画像から被写体としての人物の顔を検出して、前記判定用画像上における前記顔の位置及び向きを検出する顔検出部と、検出された前記顔の位置及び向きに基づいて補正レンズの位置を制御する撮影制御部と、を備え、その制御後の前記撮像素子の出力信号から構図調整画像を生成する。具体的には、顔の位置に着目した黄金分割の構図調整画像が得られるように補正レンズの位置を制御する。また、顔が向いている方向の空間を広くとるように、補正レンズの位置を制御する。
【選択図】図10

Description

本発明は、デジタルスチルカメラ等の撮像装置及び画像を再生する画像再生装置に関する。
近年、デジタルスチルカメラ等の撮像装置が広く普及しており、ユーザは気軽に人物等の被写体の撮影を行うことができる。しかし、撮影時における構図の設定は、特に撮影の初心者にとって難しく、ユーザが決めた撮影条件(構図を含む)では、良好な構図を有する画像(例えば、芸術性の高い画像)が得られないことも多い。被写体の状態に応じた良好な構図を有する画像を自動取得することができれば、ユーザにとって有益である。
尚、CCDより得た入力画像から人物の特徴部位(鼻など)の位置を検出し、画像上において該特徴部位が目標位置に配置されるようにCCDの位置を駆動制御した後、本撮影を行う手法が提案されている(下記特許文献1参照)。この手法は、顔認証用の画像を得ることを目的とした手法である。この手法によれば、例えば顔を中心に配置した画像を得ることができ、顔認証用の技術としては有益かもしれない。しかし、一般ユーザによる人物撮影において、そのような画像の構図が優れているとは言い難い。
また、顔の特徴部分がフレーム内の基準領域内に位置し且つフレーム内における顔の大きさが所定の大きさとなるように、カメラをパン及び/又はチルトさせると共にカメラのズーム制御を行う手法が提案されている(下記特許文献2参照)。この手法も、顔認証用の画像を得ることを目的とした手法である。この手法によれば、例えば顔が中心に配置され且つ顔の大きさが一定となる画像を得ることができ、顔認証用の技術としては有益かもしれない。しかし、一般ユーザによる人物撮影において、そのような画像の構図が優れているとは言い難い。また、カメラをパン及びチルトさせる機構が必要となるため、一般ユーザ用の撮像装置に適用し難い。
また、シャッタボタンが押下された際、ユーザの設定画角よりも広画角となるようにズームレンズを駆動制御した後、CCDによって広角画像を撮影し、広角画像から複数の画像を切り出す手法も提案されている(下記特許文献3参照)。但し、この手法では、被写体の状態に関係なく切り出し位置が設定されるため、被写体の状態に応じた構図を有する画像は得られない。
特開2007−36436号公報 特開2005−117316号公報 特開2004−109247号公報
そこで、本発明は、被写体の状態に応じた良好な構図を有する画像の取得に寄与する撮像装置を提供することを目的とする。また本発明は、入力画像中に含まれる被写体の状態に応じた良好な構図を有する画像の再生に寄与する画像再生装置を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の撮像装置は、撮影によって自身に投影される光学像に応じた信号を出力する撮像素子と、前記光学像を前記撮像素子上で移動させる像移動手段と、前記撮像素子の出力信号に基づく判定用画像から被写体としての人物の顔を検出して、前記判定用画像上における前記顔の位置及び向きを検出する顔検出手段と、検出された前記顔の位置及び向きに基づいて前記像移動手段を制御し、その制御後の前記撮像素子の出力信号から構図調整画像を生成する構図制御手段と、を備えたことを特徴とする。
これにより、顔の位置及び向きに応じて構図が調整された、良好な構図を有する構図調整画像の生成が期待される。
具体的には例えば、前記構図制御手段は、検出された前記顔の位置に応じた対象点が前記構図調整画像上の特定位置に配置されるように前記像移動手段を制御し、検出された前記顔の向きに基づいて前記特定位置を設定する。
本発明に係る第2の撮像装置は、撮影によって自身に投影される光学像に応じた信号を出力する撮像素子と、前記撮像素子の出力信号に基づく判定用画像から被写体としての人物の顔を検出して、前記判定用画像上における前記顔の位置及び向きを検出する顔検出手段と、前記判定用画像又は前記撮像素子の出力信号から得られる前記判定用画像と異なる画像を基本画像として取り扱い、前記基本画像の一部を切り出すことにより構図調整画像を生成する構図制御手段と、を備え、前記構図制御手段は、検出された前記顔の位置及び向きに基づいて前記構図調整画像の切り出し位置を制御することを特徴とする。
これにより、顔の位置及び向きに応じて構図が調整された、良好な構図を有する構図調整画像の生成が期待される。
具体的には例えば、前記構図制御手段は、検出された前記顔の位置に応じた対象点が前記構図調整画像上の特定位置に配置されるように前記切り出し位置を制御するとともに、検出された前記顔の向きに基づいて前記特定位置を設定する。
また具体的には例えば、前記構図制御手段は、前記構図調整画像の中心を基準として、前記顔が向いている方向の反対側よりに前記特定位置を設定する。
一般に、写真撮影では、顔が向いている方向の空間を広くとった構図が良いとされている。これを考慮し、構図調整画像の中心を基準として、顔が向いている方向の反対側よりに前記特定位置を設定する。これにより、良好な構図を有すると思われる構図調整画像を取得可能となる。
また具体的には例えば、前記特定位置は、前記構図調整画像を水平方向に3等分する2本の線と、前記構図調整画像を垂直方向に3等分する2本の線と、によって形成される4交点の位置の何れかである。
これにより、いわゆる黄金分割の画像を自動的に取得することが可能となる。
また例えば、前記構図制御手段は、前記構図調整画像として1枚以上の構図調整画像を生成し、検出された前記顔の向きに基づいて、生成する前記構図調整画像の枚数を決定する。
より具体的には例えば、mを2以上の整数とし、nを2以上であって且つm未満の整数とした場合、前記構図制御手段は、検出された前記顔の向きが正面向きであるとき、互いに異なるm個の特定位置を設定して前記m個の特定位置に対応する合計m枚の構図調整画像を生成する一方、検出された前記顔の向きが横向きであるとき、1つの特定位置を設定して1枚の構図調整画像を生成する、或いは、互いに異なるn個の特定位置を設定して前記n個の特定位置に対応する合計n枚の構図調整画像を生成する。
これは、必要処理時間等に低減に寄与する。
また例えば、第1の撮像装置は、外部から撮影指示を受け付ける撮影指示受付手段と、前記撮像素子の出力信号に基づく画像データを記録媒体に記録するための記録制御を行う記録制御手段と、を更に備え、前記構図制御手段は、前記撮影指示に従って前記構図調整画像を生成するとともに、前記撮像素子の出力信号から前記構図調整画像と異なる基本画像を生成し、前記記録制御手段は、前記構図調整画像及び前記基本画像の画像データを互いに関連付けて前記記録媒体に記録させる。
また例えば、第2の撮像装置は、外部から撮影指示を受け付ける撮影指示受付手段と、前記撮像素子の出力信号に基づく画像データを記録媒体に記録するための記録制御を行う記録制御手段と、を更に備え、前記構図制御手段は、前記撮影指示に従って前記基本画像及び前記構図調整画像を生成し、前記記録制御手段は、前記構図調整画像及び前記基本画像の画像データを互いに関連付けて前記記録媒体に記録させる。
本発明に係る画像再生装置は、入力画像から人物の顔を検出して、前記入力画像上における前記顔の位置及び向きを検出する顔検出手段と、前記入力画像の一部を切り出すことによって得た構図調整画像の画像データを出力する構図制御手段と、を備え、前記構図制御手段は、検出された前記顔の位置及び向きに基づいて前記構図調整画像の切り出し位置を制御することを特徴とする。
本発明によれば、被写体の状態に応じた良好な構図を有する画像の取得に寄与する撮像装置を提供することができる。また、入力画像中に含まれる被写体の状態に応じた良好な構図を有する画像の再生に寄与する画像再生装置を提供することが可能となる。
本発明の意義ないし効果は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置1の全体ブロック図である。撮像装置1は、例えば、デジタルビデオカメラである。撮像装置1は、動画及び静止画を撮影可能となっていると共に、動画撮影中に静止画を同時に撮影することも可能となっている。尚、動画撮影機能を省略し、撮像装置1を静止画のみを撮影可能なデジタルスチルカメラとすることも可能である。
[基本的な構成の説明]
撮像装置1は、撮像部11と、AFE(Analog Front End)12と、映像信号処理部13と、マイク14と、音声信号処理部15と、圧縮処理部16と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)などの内部メモリ17と、SD(Secure Digital)カードや磁気ディスクなどの外部メモリ18と、伸張処理部19と、映像出力回路20と、音声出力回路21と、TG(タイミングジェネレータ)22と、CPU(Central Processing Unit)23と、バス24と、バス25と、操作部26と、表示部27と、スピーカ28と、を備えている。操作部26は、録画ボタン26a、シャッタボタン26b及び操作キー26c等を有している。撮像装置1内の各部位は、バス24又は25を介して、各部位間の信号(データ)のやり取りを行う。
TG22は、撮像装置1全体における各動作のタイミングを制御するためのタイミング制御信号を生成し、生成したタイミング制御信号を撮像装置1内の各部に与える。タイミング制御信号は、垂直同期信号Vsyncと水平同期信号Hsyncを含む。CPU23は、撮像装置1内の各部の動作を統括的に制御する。操作部26は、ユーザによる操作を受け付ける。操作部26に与えられた操作内容は、CPU23に伝達される。撮像装置1内の各部は、必要に応じ、信号処理時に一時的に各種のデータ(デジタル信号)を内部メモリ17に記録する。
図2は、図1の撮像部11の内部構成図である。撮像部11にカラーフィルタなどを用いることにより、撮像装置1は、撮影によってカラー画像を生成可能なように構成されている。
撮像部11は、光学系35と、絞り32と、撮像素子33と、ドライバ34を有している。光学系35は、ズームレンズ30、フォーカスレンズ31及び補正レンズ36を含む複数枚のレンズを備えて構成される。ズームレンズ30及びフォーカスレンズ31は光軸方向に移動可能であり、補正レンズ36は光軸に対して傾きを持った方向に移動可能である。具体的には、補正レンズ36は、光軸に直交する2次元平面上を移動可能なように光学系35内に設置される。
ドライバ34は、CPU23からの制御信号に基づいて、ズームレンズ30及びフォーカスレンズ31の各位置並びに絞り32の開度を駆動制御することにより、撮像部11の焦点距離(画角)及び焦点位置並びに撮像素子33への入射光量を制御する。被写体からの入射光は、光学系35を構成する各レンズ及び絞り32を介して、撮像素子33に入射する。光学系35を構成する各レンズは、被写体の光学像を撮像素子33上に結像させる。TG22は、上記タイミング制御信号に同期した、撮像素子33を駆動するための駆動パルスを生成し、該駆動パルスを撮像素子33に与える。
撮像素子33は、例えばCCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等からなる。撮像素子33は、光学系35及び絞り32を介して入射した光学像を光電変換し、該光電変換によって得られた電気信号をAFE12に出力する。より具体的には、撮像素子33は、マトリクス状に二次元配列された複数の受光画素を備え、各撮影において、各受光画素は露光時間に応じた電荷量の信号電荷を蓄える。蓄えた信号電荷の電荷量に比例した大きさを有する各受光画素からの電気信号は、TG22からの駆動パルスに従って、後段のAFE12に順次出力される。光学系35に入射する光学像が同じであり且つ絞り32の開度が同じである場合、撮像素子33からの電気信号の大きさ(強度)は上記露光時間に比例して増大する。
AFE12は、撮像素子33から出力されるアナログ信号を増幅し、増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換してから映像信号処理部13に出力する。AFE12における信号増幅の増幅度はCPU23によって制御される。映像信号処理部13は、AFE12の出力信号によって表される画像に対して各種画像処理を施し、画像処理後の画像についての映像信号を生成する。映像信号は、画像の輝度を表す輝度信号Yと、画像の色を表す色差信号U及びVと、から構成される。
マイク14は撮像装置1の周辺音をアナログの音声信号に変換し、音声信号処理部15は、このアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換する。
圧縮処理部16は、映像信号処理部13からの映像信号を、所定の圧縮方式を用いて圧縮する。動画または静止画の撮影及び記録時において、圧縮された映像信号は外部メモリ18に記録される。また、圧縮処理部16は、音声信号処理部15からの音声信号を、所定の圧縮方式を用いて圧縮する。動画の撮影及び記録時において、映像信号処理部13からの映像信号と音声信号処理部15からの音声信号は、圧縮処理部16にて時間的に互いに関連付けられつつ圧縮され、圧縮後のそれらは外部メモリ18に記録される。
録画ボタン26aは、動画の撮影及び記録の開始/終了を指示するための押しボタンスイッチであり、シャッタボタン26bは、静止画の撮影及び記録を指示するための押しボタンスイッチである。
撮像装置1の動作モードには、動画及び静止画の撮影が可能な撮影モードと、外部メモリ18に格納された動画及び静止画を表示部27に再生表示する再生モードと、が含まれる。操作キー26cに対する操作に応じて、各モード間の遷移は実施される。撮影モードでは、所定のフレーム周期にて順次撮影が行われ、撮像素子33から時系列で並ぶ画像列が取得される。この画像列を形成する各画像を「フレーム画像」と呼ぶ。
撮影モードにおいて、ユーザが録画ボタン26aを押下すると、CPU23の制御の下、その押下後に得られる各フレーム画像の映像信号及びそれに対応する音声信号が、順次、圧縮処理部16を介して外部メモリ18に記録される。動画撮影の開始後、再度ユーザが録画ボタン26aを押下すると、映像信号及び音声信号の外部メモリ18への記録は終了し、1つの動画の撮影は完了する。また、撮影モードにおいて、ユーザがシャッタボタン26bを押下すると、静止画の撮影及び記録が行われる。
再生モードにおいて、ユーザが操作キー26cに所定の操作を施すと、外部メモリ18に記録された動画又は静止画を表す圧縮された映像信号は、伸張処理部19にて伸張されてから映像出力回路20に送られる。尚、撮影モードにおいては、通常、録画ボタン26a及びシャッタボタン26bに対する操作内容に関係なく、映像信号処理部13による映像信号の生成が逐次行われており、その映像信号は映像出力回路20に送られる。
映像出力回路20は、与えられたデジタルの映像信号を表示部27で表示可能な形式の映像信号(例えば、アナログの映像信号)に変換して出力する。表示部27は、液晶ディスプレイパネル及びそれを駆動する集積回路などを含む表示装置であり、映像出力回路20から出力された映像信号に応じた画像を表示する。
また、再生モードにおいて動画を再生する際、外部メモリ18に記録された動画に対応する圧縮された音声信号も、伸張処理部19に送られる。伸張処理部19は、受け取った音声信号を伸張して音声出力回路21に送る。音声出力回路21は、与えられたデジタルの音声信号をスピーカ28にて出力可能な形式の音声信号(例えば、アナログの音声信号)に変換してスピーカ28に出力する。スピーカ28は、音声出力回路21からの音声信号を音として外部に出力する。
尚、映像出力回路20からの映像信号及び音声出力回路21からの音声信号を、撮像装置1に設けられた外部出力端子(不図示)を介して外部機器(外部の表示装置など)に供給することも可能である。
また、シャッタボタン26bは、2段階の押下操作が可能となっており、撮影者がシャッタボタン26bを軽く押し込むと、シャッタボタン26bは半押しの状態となり、その状態から更にシャッタボタン26bを押し込むとシャッタボタン26bは全押しの状態となる。
上述したように、補正レンズ36は、光軸に直交する2次元平面上を移動可能なように光学系35内に設置されている。このため、補正レンズ36の移動によって、撮像素子33に投影される光学像は、撮像素子33上で、撮像素子33の撮像面に平行な2次元方向に移動する。撮像面とは、撮像素子33の各受光画素が配置された、光学像が投影される面である。CPU23が、補正レンズ36の位置を変更するためのレンズシフト信号をドライバ34に出力し、ドライバ34が、そのレンズシフト信号に従って補正レンズ36を移動させる。補正レンズ36の移動によって光軸は変化するため、補正レンズ36を移動させるための制御を光軸シフト制御と呼ぶ。
図3(a)及び(b)に、補正レンズ36の移動による光学像の移動の様子を示す。実空間上で静止している点200からの光は補正レンズ36を介して撮像素子33に入射し、点200の光学像が撮像素子33上の或る点に結像する。図3(a)の状態では、その光学像は撮像素子33上の点201に結像しているが、図3(a)の状態から図3(b)の状態の如く補正レンズ36の位置を変更すると、その光学像は点201と異なる、撮像素子33上の点202に結像する。
また、本明細書にて述べられる画像に関し、図4に示すように、上下左右を定義する(この定義は、全ての画像に対して共通である)。特に述べない限り、画像は、外形が矩形の二次元画像である。互いに直交するX軸及びY軸を座標軸とする二次元直交座標面を想定し、その座標面における原点Oに、画像の一頂点を配置して考える。原点Oを基点として、X軸の正の方向及びY軸の正の方向に画像が配置される。画像の中心から見て、X軸の負の方向へ向かう側を左側、X軸の正の方向へ向かう側を右側、Y軸の負の方向へ向かう側を上側、Y軸の正の方向へ向かう側を下側とする。左右方向は画像の水平方向と合致し、上下方向は画像の垂直方向と合致する。
撮影モードにおいて、撮像装置1は特徴的な動作を実行可能である。この特徴的な動作を構図調整撮影動作という。構図調整撮影動作の例として、以下に、第1〜第3の構図調整撮影動作を個別に説明する。矛盾が生じないのであれば、或る構図調整撮影動作に記載した事項を、他の構図調整撮影動作に適用することも可能である。
尚、本明細書では、或る画像の画像データに対して何らかの処理(記録、保存、読み出し等)を行うことを説明する文章において、記述の簡略化上、画像データの記述を省略することがある。例えば、静止画の画像データの記録という表現と、静止画の記録という表現は同義である。
[第1の構図調整撮影動作]
まず、第1の構図調整撮影動作を説明する。図5は、第1の構図調整撮影動作に関与する、撮像装置1の一部機能ブロック図である。顔検出部51及び画像取得部53の機能は主として図1の映像信号処理部13によって実現され、撮影制御部52の機能は主として図1のCPU23によって実現され、記録制御部54の機能は主としてCPU23及び圧縮制御部16によって実現される。勿論、図1に示される他の部位(例えば内部メモリ17)も、必要に応じて、符号51〜54にて参照される部位の機能の実現に関与する。
顔検出部51は、自身に与えられた入力画像の画像データに基づき、入力画像中から人物の顔を検出し、検出された顔を含む顔領域を抽出する。画像中に含まれる顔を検出する手法として様々な手法が知られており、顔検出部51は何れの手法をも採用可能である。例えば、特開2000−105819号公報に記載の手法のように入力画像から肌色領域を抽出することによって顔(顔領域)を検出しても良いし、特開2006−211139号公報又は特開2006−72770号公報に記載の手法を用いて顔(顔領域)を検出しても良い。
典型的には例えば、入力画像内に設定された着目領域の画像と所定の画像サイズを有する基準顔画像とを対比して両画像の類似度を判定し、その類似度に基づいて着目領域に顔が含まれているか否か(着目領域が顔領域であるか否か)を検出する。入力画像において着目領域は一画素ずつ左右方向又は上下方向にずらされる。そして、ずらされた後の着目領域の画像と基準顔画像とが対比されて、再度、両画像の類似度が判定され、同様の検出が行われる。このように、着目領域は、例えば入力画像の左上から右下方向に向けて1画素ずつずらされながら、更新設定される。また、入力画像を一定割合で縮小し、縮小後の画像に対して、同様の顔検出処理を行う。このような処理を繰り返すことにより、入力画像中から任意の大きさの顔を検出することができる。
顔検出部51は、入力画像における顔の向きも併せて検出する。即ち、顔検出部51は、入力画像において検出された顔の向きが、正面向き、左向き及び右向きの何れであるのかを区別して検出可能である。左向きと右向きは横向きに属する。図6(a)に示す如く、画像中における顔が正面から見た顔として表れている時、その顔の向きは正面向きであると検出され、図6(b)に示す如く、画像中における顔が左方向を向いている顔として表れている時、その顔の向きは左向きであると検出され、図6(c)に示す如く、画像中における顔が右方向を向いている顔として表れている時、その顔の向きは右向きであると検出される。尚、画像中において、正面向きの顔はX軸及びY軸の双方に直交する方向を向いており、左向きの顔はX軸の負の方向を向いており、右向きの顔はX軸の正の方向を向いている(図4参照)。
顔の向きを検出する手法として様々な手法が提案されており、顔検出部51は何れの手法をも採用可能である。例えば、特開平10−307923号公報に記載の手法のように、入力画像の中から、目、鼻、口等の顔部品を順番に見つけていって画像中の顔の位置を検出し、顔部品の投影データに基づいて顔の向きを検出する。
或いは例えば、特開2006−72770号公報に記載の手法を用いてもよい。この手法では、1つの正面向きの顔を左側半分(以下、左顔という)と右側半分(以下、右顔という)とに分けて考え、学習処理を介して左顔に関するパラメータと右顔に関するパラメータを事前に生成しておく。顔検出時には、入力画像内の着目領域を左右に分割し、各分割領域と、上記2つのパラメータの内の対応するパラメータとの類似度を算出する。そして、一方又は双方の類似度が閾値以上の時に、着目領域が顔領域であると判別する。更に、各分割領域に対する類似度の大小関係から顔の向きを検出する。
顔検出部51は、自身による顔検出の結果を表す顔検出情報を出力する。顔検出部51により或る入力画像から顔が検出された場合、該入力画像に対する顔検出情報は、該入力画像上における「顔の位置、顔の向き及び顔の大きさ」を特定する。実際には例えば、顔検出部51は、顔を含む矩形領域を顔領域として抽出し、入力画像上における該顔領域の位置及び画像サイズによって顔の位置及び大きさを表現する。また、顔の位置とは、例えば、その顔についての顔領域の中心位置を示す。入力画像に対する顔検出情報は、図5の撮影制御部52に与えられる。尚、顔検出部51において顔が検出されなかった場合は、顔検出情報は生成及び出力されず、代わりに、その旨を表す情報が撮影制御部52に伝達される。
撮影制御部52は、顔検出情報に基づいて、構図調整画像を得るためのレンズシフト信号を図2のドライバ34に出力する。画像取得部53は、撮像素子33の出力信号から基本画像及び構図調整画像を生成する(換言すれば、それらの画像の画像データを取得する)。基本画像及び構図調整画像の意義は後述の説明から明らかとなる。記録制御部54は、基本画像及び構図調整画像の画像データを互いに関連付けて外部メモリ18に記録する。
図7は、第1の構図調整撮影動作の流れを表すフローチャートである。このフローチャートに沿って、第1の構図調整撮影動作を説明する。
まず、撮像装置1が起動して撮像装置1の動作モードが撮影モードとなると、以下のステップS1〜S6の処理が実行される。即ち、ステップS1において、撮像素子33の駆動モードが自動的にプレビューモードに設定される。プレビューモードでは、所定のフレーム周期で撮像素子33からフレーム画像が得られ、得られたフレーム画像列が表示部27で更新表示される。ステップS2では、操作部26に対する操作に従ってズームレンズ30を駆動することにより、撮像部11の画角を調整する。また、ステップS3において、撮像素子33の出力信号に基づき、撮像素子33の露光量を最適とするためのAE(Automatic Exposure)制御及び撮像部11の焦点位置を最適とするためのAF(Automatic Focus)制御が実行される。ステップS4において、CPU23は、シャッタボタン26bが半押しの状態となっているかを確認し、それが半押しの状態となっていると、ステップS5に移行して、再度、上記の露光量及び焦点位置の最適化処理を行う。その後、ステップS6において、CPU23は、シャッタボタン26bが全押しの状態となっているかを確認し、それが全押しの状態となっていると、ステップS10に移行する。
ステップS10において、図5の撮影制御部52は、判定用画像から所定の大きさ以上の顔が検出されたか否かを確認する。ここにおける判定用画像とは、例えば、シャッタボタン26bが全押しの状態となっていることが確認された直後或いは直前に得られたフレーム画像である。顔検出部51は判定用画像を入力画像として受け取る。そして、顔検出処理によって得た判定用画像に対する顔検出情報に基づいて、撮影制御部52が、ステップS10の確認を行う。
判定用画像から所定の大きさ以上の顔が検出された場合、ステップS10からステップS11に移行し、撮像素子33の駆動モードが、静止画の撮影に適した静止画撮影モードに設定され、その後、ステップS12〜S15の処理が実行される。ステップS12では、画像取得部53が、シャッタボタン26bが全押し状態となった後におけるAFE12の出力信号より基本画像を取得する。より具体的には、ステップ12において、フレーム画像1枚分の、AFE12の出力信号そのもの(以下、Rawデータという)を、一旦、内部メモリ17に書き込む。ここで書き込まれる信号によって表されるフレーム画像が基本画像である。ステップS6にてシャッタボタン26bの全押し状態が確認されてから基本画像が取得される過程において、補正レンズ36の位置は固定されている(但し、光学式手ぶれ補正を実現するための補正レンズ36の移動は実行されうる)。従って、基本画像は、撮影者が設定した撮影範囲そのものの画像である。
基本画像が取得された後、ステップS13に移行する。そして、ステップS13及びS14において、撮影制御部52による光軸シフト制御と、該光軸シフト制御後の静止画撮影による構図調整画像の取得と、が必要回数実行される。具体的には例えば、それらを4回繰り返すことによって、第1〜第4の構図調整画像を取得する。
図8、図9及び図10(a)〜(e)を参照して、ステップS12〜S14の動作を詳説する。説明の便宜上、撮像装置1の全ての被写体は実空間上で静止しており且つ撮像装置1の筐体も固定されているものとする。
図8の符号300は撮像装置1の被写体の平面図を表している。符合301は判定用画像を撮影する際の撮影範囲であり、符号302は判定用画像を表している。図8、後述の図10(a)〜(e)、図11(a)及び(b)並びに図13(a)及び(b)において、一点鎖線で囲まれた矩形領域内が撮影範囲内である。顔検出部51によって判定用画像302から2つの顔領域303及び304が抽出されたとする。この場合、顔領域303及び304の夫々についての顔検出情報が生成される。点305は、判定用画像302における顔領域303の中心と顔領域304の中心との中間点である。撮影制御部52は、その中間点を顔対象点として取り扱う。撮影制御部52は、顔領域303及び304の顔検出情報に基づいて顔対象点の座標値を検出する。この座標値は、図4の座標面上における顔対象点の位置を特定する。
一般に、写真撮影では、主要被写体の中心を、画像を上下及び左右に各々3等分する線の交点に配置することが良いとされている。このような配置による構図は、黄金分割の構図とも呼ばれる。図9に、或る着目した画像と、その画像を上下方向に3等分する2本の線と、その画像を左右方向に3等分する2本の線と、それらの線によって形成される4つの交点GA1〜GA4と、を示す。交点GA1、GA2、GA3及びGA4は、夫々、着目した画像の中心から見て、左上側、左下側、右下側及び右上側に位置する交点である。撮影制御部52は、判定用画像における顔対象点の座標値に基づき、第iの構図調整画像における顔対象点が第iの構図調整画像上の交点GAiに位置するように、光軸シフト制御を行う(ここで、iは1、2、3又は4)。
図10(a)における符号340は基本画像を表し、図10(b)〜(e)における符号341〜344は夫々第1〜第4の構図調整画像を表している。図10(a)〜(e)の左側に、夫々、基本画像の撮影時における撮影範囲320、第1の構図調整画像の撮影時における撮影範囲321、第2の構図調整画像の撮影時における撮影範囲322、第3の構図調整画像の撮影時における撮影範囲323、及び、第4の構図調整画像の撮影時における撮影範囲324を、被写体の平面図300に重畳して示す。また、図10(a)〜(e)の夫々には、撮影範囲を上下方向に3等分する2本の線と撮影範囲を左右方向に3等分する2本の線とが示されている。図10(b)〜(e)には、夫々、交点GA1〜GA4に対応する交点に符号331〜334が付されている。
シャッタボタン26bの全押し状態が確認されてから基本画像が取得される過程において補正レンズ36の位置は固定されているため、基本画像340の撮影時における撮影範囲320は判定用画像302の撮影時における撮影範囲301と同じとなり、画質等の相違を無視すれば、基本画像340と判定用画像302は同じものとなる。
他方、撮影制御部52は、第1の構図調整画像の撮影を行うに先立って、撮像部11の撮影範囲が図10(b)の撮影範囲321となるように、即ち交点331に顔対象点が位置するように光軸シフト制御を行い、その後、フレーム画像1枚分のRawデータを内部メモリ17に書き込む。ここで書き込まれる信号によって表されるフレーム画像が第1の構図調整画像である。この結果、第1の構図調整画像における顔対象点は第1の構図調整画像上の交点GA1に位置する。
撮影制御部52は、第1の構図調整画像の取得後、第2の構図調整画像の撮影を行うに先立って、撮像部11の撮影範囲が図10(c)の撮影範囲322となるように、即ち交点332に顔対象点が位置するように光軸シフト制御を行い、その後、フレーム画像1枚分のRawデータを内部メモリ17に書き込む。ここで書き込まれる信号によって表されるフレーム画像が第2の構図調整画像である。この結果、第2の構図調整画像における顔対象点は第2の構図調整画像上の交点GA2に位置する。この後、同様にして第3及び第4の構図調整画像が取得される。この結果、第3の構図調整画像における顔対象点は第3の構図調整画像上の交点GA3に位置し、第4の構図調整画像における顔対象点は第4の構図調整画像上の交点GA4に位置する。
上述の如くして基本画像及び第1〜第4の構図調整画像が取得された後、ステップS15に移行する(図7参照)。ステップS15において、図5の記録制御部54は、それらの画像データを互いに関連付けて外部メモリ18に記録し、その後、ステップS1に戻る。画像データは、YUV形式の映像信号によって表現される。より具体的には、記録制御部54は、内部メモリ17に一時的に記録された基本画像及び第1〜第4の構図調整画像のRawデータを読み込み、そのRawデータから得た、それらの画像の映像信号(YUV信号)をJPEG圧縮する。そして、圧縮後の信号を互いに関連付けて外部メモリ18に記録する。JPEG圧縮とは、JPEG(Joint Photographic Experts Group)の規格に沿った信号圧縮処理を意味する。尚、JPEG圧縮を行うことなく、Rawデータそのものを外部メモリ18に記録することも可能である。
ステップS10において、判定用画像から所定の大きさ以上の顔が検出されなかった場合は、ステップS10からステップS21に移行し、撮像素子33の駆動モードが、静止画の撮影に適した静止画撮影モードに設定され、その後、ステップS22及びS23の処理が実行される。ステップS22の処理は、ステップS12の処理と同じものであり、これによって基本画像が取得される。この基本画像の画像データはステップS23にて外部メモリ18に記録され、この後、ステップS1に戻る。
上述のように処理することにより、静止画撮影指示を行うだけで自動的に黄金分割の構図を有する画像が記録され、芸術性の高い画像をユーザに提供することが可能となる。
尚、判定用画像から複数の顔が検出された場合を例示したが、判定用画像から検出された顔の個数が1である場合は、その顔を含む顔領域の中心を顔対象点として取り扱えばよい(これは、後述する第2及び第3の構図調整撮影動作並びに自動トリミング再生動作にも当てはまる)。
また、判定用画像から複数の顔が検出された場合、各顔の大きさを判定用画像の顔検出情報から取得し、その複数の顔の内、最も大きな顔が主要被写体の顔であると捉えて、その主要被写体の顔を含む顔領域の中心を顔対象点として取り扱うようにしてもよい。(これは、後述する第2及び第3の構図調整撮影動作並びに自動トリミング再生動作にも当てはまる)
また、上述の例では、判定用画像の撮影後に基本画像が撮影される。即ち、判定用画像と基本画像が異なっているが、1枚のフレーム画像を判定用画像及び基本画像として共用することも可能である。この場合は、ステップS6にてシャッタボタン26bの全押し状態が確認された後、撮影画撮影モードにて1枚のフレーム画像を取得し、そのフレーム画像を基本画像として取り扱うと共に判定用画像としても取り扱う。そして、その判定用画像から所定の大きさ以上の顔が検出された場合に、上述のステップS13〜S15の処理を行うようにし、それが検出されなかった場合に上述のステップS23の処理を行うようにする。
[第2の構図調整撮影動作]
次に、第2の構図調整撮影動作を説明する。第1の構図調整撮影動作では、図7のステップS10からステップS11に至った際、4枚の構図調整画像を取得及び記録するようにしているが、第2の構図調整撮影動作では、顔の向きを考慮することにより、取得及び記録する構図調整画像の枚数を3枚以下にする。第2の構図調整撮影動作は、第1の構図調整撮影動作の一部を変形したものであり、特に記述しない動作及び構成は、第1の構図調整撮影動作で示したものと同じである。以下、判定用画像から所定の大きさ以上の顔が検出された場合を想定する。
第2の構図調整撮影動作でも、図7のステップS1〜S6の処理後、ステップS10にて判定用画像から所定の大きさ以上の顔が検出された場合、まず、基本画像の撮影が行われ(ステップS11及びS12)、その後ステップS13に移行する。そして、ステップS13及びS14において、撮影制御部52による光軸シフト制御と、該光軸シフト制御後の静止画撮影による構図調整画像の取得と、が必要回数実行される。撮影制御部52は、この実行回数及び取得すべき構図調整画像を、判定用画像内における顔の向きに応じて決定する。
一般に、写真撮影では、顔が向いている方向の空間を広くとった構図が良いとされている。従って、基本画像の撮影後、そのような構図の画像のみが取得されるように、光軸シフト制御を行う。
具体的には、まず、撮影制御部52は、判定用画像内における顔の向きが、正面向き、左向き及び右向きの何れであるのかを、判定用画像の顔検出情報から特定する。ここで特定された顔の向きを着目顔向きと呼ぶ。判定用画像から複数の顔が検出された場合は、各顔の大きさを判定用画像の顔検出情報から取得し、その複数の顔の内、最も大きな顔が主要被写体の顔であると捉えて、その主要被写体の顔の向きを着目顔向きとして取り扱う。
着目顔向きが正面向きである場合は、第1の構図調整撮影動作と同様にして、第1〜第4の構図調整画像を取得及び記録するようにする。一方、着目顔向きが左向きである場合、撮影制御部52は、判定用画像における顔対象点(図8の例の場合は、点305)の座標値に基づき、顔対象点が交点GA3に配置された構図調整画像、又は、顔対象点が交点GA4に配置された構図調整画像が取得されるように光軸シフト制御を行う(図9参照)。着目顔向きが右向きである場合、撮影制御部52は、判定用画像における顔対象点の座標値に基づき、顔対象点が交点GA1に配置された構図調整画像、又は、顔対象点が交点GA2に配置された構図調整画像が取得されるように光軸シフト制御を行う。
具体例を挙げる。今、第1の構図調整撮影動作で示したものと同じ被写体を想定し、判定用画像が図8の判定用画像302であって、それから2つの顔領域303及び304が抽出された場合を考える。また、顔領域303に対応する顔の大きさの方が顔領域304のそれよりも大きく、且つ、顔領域303に対応する顔の向き(即ち、着目顔向き)が左向きであるとする。
そうすると、撮影制御部52は、顔対象点が交点GA3に配置された構図調整画像、又は、顔対象点が交点GA4に配置された構図調整画像が取得されるように光軸シフト制御を行う。また、ここでは、最も大きな顔が主要被写体の顔であると捉えて、その主要被写体の顔を含む顔領域の中心を顔対象点として取り扱う場合を例示する。
撮影制御部52は、顔領域303及び304の位置関係に基づいて、顔対象点が交点GA3に配置された構図調整画像の構図と顔対象点が交点GA4に配置された構図調整画像の構図の内、どちらの構図が優れているかを判断する。この際、顔の大きさも考慮されうる。図11(a)及び(b)に、夫々、前者の構図調整画像を取得するための撮影範囲361、図11(b)に後者の構図調整画像を取得するための撮影範囲362を、被写体の平面図300に重畳して示す。今の例の場合、顔領域303の上方に顔領域304が存在しているため、撮影範囲362を用いたのでは顔領域304が撮影範囲の上方に位置しすぎるし、顔領域304に対応する顔の一部又は頭部が撮影範囲からはみ出す惧れがある。そこで、顔対象点が交点GA3に配置された構図調整画像の構図の方が優れていると判断して、その構図調整画像を取得するようにする。
即ち、今の例の場合、基本画像の取得の後、構図調整画像の撮影を行うに先立って、判定用画像の顔対象点の座標値に基づき、撮像部11の撮影範囲が図11(a)の撮影範囲361となるように光軸シフト制御を行い、その後、フレーム画像1枚分のRawデータを内部メモリ17に書き込む。ここで書き込まれる信号によって表されるフレーム画像がステップS14にて取得されるべき、1枚の構図調整画像である。この構図調整画像における顔対象点は構図調整画像上の交点GA3に位置する。図12に、得られた構図調整画像を示す。
そして、ステップS15に移行し、図5の記録制御部54が、ステップS12にて得られた基本画像及びステップS14にて得られた構図調整画像の画像データ(合計2枚分の画像データ)を互いに関連付けて外部メモリ18に記録し、その後、ステップS1に戻る。この記録の具体的手法は、第1の構図調整撮影動作で示した通りである。
図13(a)及び(b)を参照して、他の具体例を挙げる。図13(a)において、符号400は撮像装置1の被写体の平面図を表しており、符号420は判定用画像及び基本画像の撮影時における撮影範囲であり、符号440はステップS12にて取得される基本画像を表している。この場合、判定用画像から1つの顔領域が抽出されるため、その顔領域の中心が顔対象点とされる。また、図13(a)に示す如く、抽出された顔領域の顔向きは左向きである。従って、基本画像の取得後、撮影制御部52は、顔向きが左向きであることに基づき、顔対象点が交点GA3に配置された構図調整画像、又は、顔対象点が交点GA4に配置された構図調整画像が取得されるように光軸シフト制御を行う。
この際、撮影制御部52は、顔領域の位置に基づいて、顔対象点が交点GA3に配置された構図調整画像の構図と顔対象点が交点GA4に配置された構図調整画像の構図の内、どちらの構図が優れているかを判断する。この際、顔の大きさも考慮されうる。図13(a)に示す例の場合、被写体としての人物が1人であるため、その人物の全体像がなるだけ撮影範囲内に収まった方が構図が優れているといえる。そこで、撮影制御部52は、顔検出結果に基づいて、その人物の胴体が位置する方向を推定し、その胴体がより撮影範囲内に収まる構図を、より優れている構図と判断する。図13(a)示す例の場合、顔を基点として画像の下方側に胴体が位置するため、顔対象点が交点GA4に配置された構図調整画像を取得するようにする。図13(b)に、この構図調整画像を取得する際の撮影範囲421と、得られた構図調整画像441を示す。そして、基本画像及び構図調整画像の、合計2枚分の画像データを互いに関連付けて外部メモリ18に記録して、1回の撮影動作を完了する。
また、図13(a)に対応する例において、顔の大きさが比較的大きい場合は、顔対象点が交点GA4に配置された構図調整画像の代わりに、顔対象点が交点GA3に配置された構図調整画像を取得するようにしてもよい。
上述のように処理することにより、第1の構図調整撮影動作と同様の効果を得ることができる。また、顔の向きに応じて、より構図の優れた構図調整画像(即ち、最適な構図調整画像)が選択的に取得及び記録されるため、第1の構図調整撮影動作と比べて、必要処理時間及び必要記録容量が低減される。
尚、上述の例では、顔の向きが横向きである場合、構図調整画像を1枚だけ取得するようにしているが、2枚又は3枚の構図調整画像を取得するようにしても構わない。例えば、図11(a)に対応する例、又は、図13(a)に対応する例において、基本画像の取得後、光軸シフト制御及び該光軸シフト制御後の静止画撮影を2回繰り返すことにより、顔対象点が交点GA3に配置された構図調整画像と顔対象点が交点GA4に配置された構図調整画像の双方を取得するようにしてもよい。この場合、2枚の構図調整画像と基本画像の画像データが互いに関連付けられて外部メモリ18に記録される。
[第3の構図調整撮影動作]
次に、第3の構図調整撮影動作を説明する。第3の構図調整撮影動作では、光軸シフト制御を用いて構図調整画像を得るのではなく、画像の切り出し処理を利用して構図調整画像を得る。図14は、第3の構図調整撮影動作に関与する、撮像装置1の一部機能ブロック図である。顔検出部61及び切り出し部63の機能は主として図1の映像信号処理部13によって実現され、切り出し領域設定部62の機能は主として図1のCPU23(及び/又は映像信号処理部13)によって実現され、記録制御部64の機能は主としてCPU23及び圧縮制御部16によって実現される。勿論、図1に示される他の部位(例えば内部メモリ17)も、必要に応じて、符号61〜64にて参照される部位の機能の実現に関与する。
顔検出部61は、第1の構図調整撮影動作で示した顔検出部51(図5参照)と同じ機能を有し、入力画像(判定用画像)に対する顔検出情報を切り出し領域設定部62に伝達する。撮影者が指定した構図による基本画像の画像データは、切り出し部63に与えられる。切り出し領域設定部62は、顔検出情報に基づいて、その基本画像から構図調整画像を切り出すための切り出し領域を設定し、基本画像上における切り出し領域の位置及び大きさを特定する切り出し領域情報を切り出し部63に伝達する。切り出し部63は、その切り出し領域情報に従って基本画像の一部画像を切り出し、切り出しによって得られた画像(以下、切り出し画像という)を構図調整画像として生成する。記録制御部64は、生成された構図調整画像と基本画像の画像データを互いに関連付けて外部メモリ18に記録する。
図15は、第3の構図調整撮影動作の流れを表すフローチャートである。このフローチャートに沿って、第3の構図調整撮影動作を説明する。この動作中、常に補正レンズ36の位置は固定されているものとする(但し、光学式手ぶれ補正を実現するための補正レンズ36の移動は実行されうる)。
まず、撮像装置1が起動すると、ステップS1〜S6の処理が実行される。ステップS1〜S6の処理は、第1の構図調整撮影動作におけるそれらと同じである(図7参照)。但し、ステップS6においてシャッタボタン26bが全押しの状態となっていることが確認されると、ステップS31に移行し、撮像素子33の駆動モードが静止画の撮影に適した静止画撮影モードに設定される。そして、続くステップS32において、切り出し部63が、シャッタボタン26bの全押し状態の確認後におけるAFE12の出力信号より基本画像を取得する。より具体的には、ステップ32において、フレーム画像1枚分のRawデータを、一旦、内部メモリ17に書き込む。ここで書き込まれる信号によって表されるフレーム画像が基本画像である。基本画像は、撮影者が設定した撮影範囲そのものの画像である。
その後、ステップS33において、切り出し領域設定部62は、顔検出部61から与えられる判定用画像の顔検出情報に基づき、判定用画像から所定の大きさ以上の顔が検出されたか否かを確認する。本例では、基本画像が判定用画像として流用される。但し、基本画像と判定用画像を異ならせることも可能である。例えば、基本画像の撮影の直前若しくは数フレーム前、又は、基本画像の撮影の直後若しくは数フレーム後の撮影によって得られたフレーム画像を判定用画像として取り扱うことも可能である。
そして、判定用画像から所定の大きさ以上の顔が検出されなかった場合は、ステップS33からステップS34に移行し、基本画像の画像データを外部メモリ18に記録した後、ステップS1に戻る。
一方、判定用画像から所定の大きさ以上の顔が検出された場合は、ステップS33からステップS35に移行し、ステップS35及びS36の処理が実行される。ステップS35では、基本画像から1枚以上の切り出し画像が切り出される。図16(a)〜(e)を参照して、ステップS35の処理内容を説明する。
図16(a)において、符号500が付された画像は、ステップS32にて取得された基本画像である。顔検出部61は、この基本画像500を判定用画像として取り扱って顔検出処理を行うことにより、判定用画像の顔検出情報を生成する。顔検出部61によって判定用画像から2つの顔領域503及び504が抽出されたとする。この場合、顔領域503及び504の夫々についての顔検出情報が生成される。点505は、判定用画像における顔領域503の中心と顔領域504の中心との中間点である。切り出し領域設定部62は、その中間点を顔対象点として取り扱う。切り出し領域設定部62は、顔領域503及び504の顔検出情報に基づいて顔対象点の座標値を検出する。その座標値は、図4の座標面上における顔対象点の位置を特定する。
切り出し領域設定部62は、判定用画像における顔対象点の座標値に基づき、図16(b)〜(e)に示される第1〜第4の切り出し画像521〜524の全部又は何れかが基本画像500から切り出されるように切り出し位置及び大きさを設定し、設定した切り出し位置及び大きさを表す切り出し領域情報を切り出し部63に送る。この際、第iの切り出し画像における顔対象点が第iの切り出し画像上の交点GAiに位置するように(図9参照)、切り出し領域情報を生成する(ここで、iは1、2、3又は4)。また更に、切り出し画像の画像サイズが、可能な限り大きくなるように切り出し領域情報を生成する。切り出し部63は、この切り出し領域情報に従って、基本画像500から第1〜第4の切り出し画像521〜524の全部又は何れかを生成する。第1〜第4の切り出し画像は、夫々、第1〜第4の構図調整画像として取り扱われる。
上述の如くして基本画像及び1枚以上の構図調整画像が取得された後、ステップS35からステップS36に移行する(図15参照)。ステップS36において、図14の記録制御部64は、ステップS32にて得られた基本画像の画像データと、ステップS35にて得られた1枚以上の構図調整画像の画像データと、を互いに関連付けて外部メモリ18に記録し、その後、ステップS1に戻る。ここでは、最大5枚分の画像データが外部メモリ18に記録されることになる。
より具体的には、内部メモリ17に一時的に記録された基本画像のRawデータを読み込み、そのRawデータから、基本画像及び構図調整画像の映像信号(YUV信号)を生成する。この後、その映像信号をJPEG圧縮して外部メモリ18に記録する。JPEG圧縮を行わないことも可能である。
構図調整画像は基本画像の一部画像であるため、原則として、記録される構図調整画像の画像サイズ(即ち、水平方向及び垂直方向の画素数)は基本画像のそれよりも小さい。但し、補間処理を用いて両者間の画像サイズの相違がなるように構図調整画像の画像サイズを増大させ、画像サイズ増大後の構図調整画像の画像データ(映像信号)を外部メモリ18に記録するようにしてもよい。
生成及び記録する構図調整画像を切り出し画像521〜524の何れにするかは、第2の構図調整撮影動作にて示した方法により決定される。即ち、第2の構図調整撮影動作にて説明した方法に従い、判定用画像の顔検出情報に基づいて着目顔向きを検出する。そして、着目顔向きが正面向きである場合は、切り出し画像521〜524の全てを生成及び記録する。
一方、着目顔向きが左向きである場合は、切り出し画像523及び524の何れか一方を生成及び記録する。即ち、第2の構図調整撮影動作にて説明した方法に従い、判定用画像中における、顔の個数、顔の位置、向き及び大きさに基づいて、切り出し画像523及び524の内、どちらが優れた構図を有しているかを判断し、構図が優れていると判断した方の切り出し画像を生成及び記録する。但し、切り出し画像523及び524の双方を生成及び記録するようにしてもよい。
着目顔向きが右向きである場合は、切り出し画像521及び522の何れか一方を生成及び記録する。即ち、第2の構図調整撮影動作にて説明した方法に従い、判定用画像中における、顔の個数、顔の位置、向き及び大きさに基づいて、切り出し画像521及び522の内、どちらが優れた構図を有しているかを判断し、構図が優れていると判断した方の切り出し画像を生成及び記録する。但し、切り出し画像521及び522の双方を生成及び記録するようにしてもよい。
上述のように処理することにより、静止画撮影指示を行うだけで自動的に黄金分割の構図を有する画像が記録され、芸術性の高い画像をユーザに提供することが可能となる。また。顔の向きに応じて記録する構図調整画像を選択するようにすれば、必要処理時間及び必要記録容量が低減される。
[記録フォーマット]
次に、第1〜第3の構図調整撮影動作の何れかを用いて記録されるべき画像データの記録フォーマットを説明する。基本画像とそれに関連して得られた1枚以上の構図調整画像は、画像ファイルに格納されて外部メモリ18に記録される。図17に、1つの画像ファイルの構造を示す。画像ファイルは、本体領域とヘッダ領域から形成されている。ヘッダ領域には、対応する画像に対する付加情報(撮影時の焦点距離、撮影日時など)が格納される。Exif(Exchangeable image file format)のファイルフォーマットに準拠する場合、ヘッダ領域はExifタグ又はExif領域とも呼ばれる。画像ファイルのファイルフォーマットを任意の規格に準拠させることが可能である。尚、以下の説明おいて、特に記述なき限り、画像ファイルとは、外部メモリ18内に記録された画像ファイルを指す。画像ファイルの生成及び記録は、図5の記録制御部54又は図14の記録制御部64によって実行される。
説明の具体化のため、第1の構図調整撮影動作にて示した撮影及び記録動作により基本画像と第1〜4の構図調整画像が取得され、それらが互いに関連付けられて外部メモリ18に記録される場合を例にとる。以下の説明において、「5枚の画像」といった場合、それは、基本画像と第1〜4の構図調整画像とから成る5枚の画像を意味するものとする。
まず、図18を参照して、採用可能な第1の記録フォーマットを説明する。第1の記録フォーマットを採用する場合、5枚の画像を個別に格納するための5つの画像ファイルFL1〜FL5を生成して外部メモリ18に記録する。画像ファイルFL1の本体領域には基本画像の画像データが格納され、画像ファイルFL2〜FL5の本体領域には、夫々、第1〜第4の構図調整画像の画像データが格納される。そして、画像ファイルFL1のヘッダ領域にのみ関連画像情報を格納しておく。この関連画像情報は、画像ファイルFL2〜FL5を指定するための情報であり、この情報によって画像ファイルFL1と画像ファイルFL2〜FL5が関連付けられる。
再生モードにおいて、ユーザは、通常、基本画像しか閲覧することができず、特殊な操作を撮像装置1に与えた時にのみ、第1〜第4の構図調整画像が表示部27上で再生されて閲覧可能となる。構図調整画像の閲覧時において、撮像装置1に所定の操作を施せば画像ファイルFL2〜FL5の全部を一括して又は何れかを個別に外部メモリ18から消去することが可能である。また、画像ファイルFL1〜FL5を1つの関連ファイル群として一括管理し、画像ファイルFL1に対するファイル操作を画像ファイルFL1〜FL5の全てに適用するようにしてもよい。ファイル操作とは、画像ファイルの消去、ファイル名の変更などを指示する操作である。尚、上述の再生モードにおける動作は、外部メモリ18の記録データを受け取った、撮像装置1と異なる画像再生装置(不図示)においても適用される。
次に、図19を参照して、採用可能な第2の記録フォーマットを説明する。第2の記録フォーマットを採用する場合、1つの画像ファイルFL6のみが生成されて外部メモリ18に記録される。画像ファイルFL6の本体領域に基本画像の画像データを格納し、画像ファイルFL6のヘッダ領域に第1〜第4の構図調整画像の画像データを格納することにより、5枚の画像を互いに関連付ける。また、画像ファイルFL6のヘッダ領域内に、第1〜第4の構図調整画像に対応する第1〜第4内部ヘッダ領域を設けておく。
再生モードにおいて、ユーザは、通常、基本画像しか閲覧することができず、特殊な操作を撮像装置1に与えた時にのみ、第1〜第4の構図調整画像が表示部27上で再生されて閲覧可能となる。構図調整画像の閲覧時において、撮像装置1に所定の操作を施せば、第1〜第4の構図調整画像の全部を一括して又は何れかを個別に画像ファイルFL6から消去することが可能である。また、気に入った構図調整画像があれば、所定操作によって、その構図調整画像を別の画像ファイルに抽出することが可能である(即ち、画像ファイルFL6以外の画像ファイルに、指定した構図調整画像を保存することも可能である)。また、画像ファイルFL6を外部メモリ18から消去するための指示を与えると、当然、5枚の画像が全て外部メモリ18から消去される。尚、上述の再生モードにおける動作は、外部メモリ18の記録データを受け取った、撮像装置1と異なる画像再生装置(不図示)においても適用される。
基本画像と4枚の構図調整画像を関連付けて記録するための記録フォーマットを説明したが、構図調整画像の枚数が3枚以下でも同様である。
[自動トリミング再生動作]
次に、再生モードにおいて撮像装置1が実行可能な特徴的な再生動作を説明する。この再生動作を、自動トリミング再生動作という。自動トリミング再生動作では、外部メモリ18又は撮像装置1の外部から供給される入力画像より構図調整画像が切り出され、該構図調整画像が再生表示される。以下の説明では、撮像装置1に設けられた表示部27にて構図調整画像が表示されるが、撮像装置1の外部の表示装置(不図示)上で構図調整画像を表示するようにしてもよい。
図20は、自動トリミング再生動作に関与する、撮像装置1の一部機能ブロック図である。顔検出部71、切り出し領域設定部72及び切り出し部73は、夫々、図14の顔検出部61、切り出し領域設定部62及び切り出し部63と同等の機能を有し、顔検出部61、切り出し領域設定部62及び切り出し部63をそのまま流用することもできる。
顔検出部71及び切り出し部73には、外部メモリ18又は撮像装置1の外部から入力画像の画像データが与えられる。以下の説明では、外部メモリ18から入力画像の画像データが与えられることを想定する。この入力画像は、例えば、上述の構図調整撮影動作を行うことなく撮影及び記録された画像である。
顔検出部71は、入力画像に対する顔検出情報を切り出し領域設定部72に伝達する。切り出し領域設定部72は、顔検出情報に基づいて、その入力画像から構図調整画像を切り出すための切り出し領域を設定し、入力画像上における切り出し領域の位置及び大きさを特定する切り出し領域情報を切り出し部73に伝達する。切り出し部73は、その切り出し領域情報に従って入力画像の一部画像を切り出し、切り出し画像を構図調整画像として生成する。この切り出し画像としての構図調整画像は、表示部27にて再生表示される。
図21は、自動トリミング再生動作の流れを表すフローチャートである。このフローチャートに沿って、自動トリミング再生動作を説明する。撮像装置1に対する後述の各種指示(自動トリミング指示など)は、例えば、操作部26に対する操作によって撮像装置1に与えられ、CPU23が指示の有無を判断する。
まず、撮像装置1が起動して撮像装置1の動作モードが再生モードとなると、ステップS51において、ユーザの指示に従った、外部メモリ18に記録された静止画が表示部27上で再生表示される。ここにおける静止画を再生基本画像という。この再生基本画像に関し、ユーザが自動トリミング指示を与えると、ステップS52を介してステップS53に移行する。自動トリミング指示が与えられない場合は、ステップ51の処理が繰り返される。
ステップS53では、ステップS51における再生基本画像が入力画像として顔検出部71及び切り出し部73に与えられ、顔検出部71が、この再生基本画像に対して顔検出処理を実行して顔検出情報を作成する。その顔検出情報に基づき、続くステップS54において、切り出し領域設定部72は、再生基本画像から所定の大きさ以上の顔が検出されたか否かを確認する。それが検出された場合はステップS55に移行する一方、検出されなかった場合はステップS51に戻る。
ステップS55では、切り出し領域設定部72及び切り出し部73により、再生基本画像から最適な1枚の構図調整画像が切り出されて表示される。切り出し領域設定部72及び切り出し部73による再生基本画像から1枚の構図調整画像を生成する方法は、第3の構図調整撮影動作で述べた基本画像から1枚の構図調整画像を生成する方法と同じである。
例えば、ステップS51における再生基本画像が図16(a)に示す基本画像500と同じである場合を考える。この場合、顔領域503及び504の夫々についての顔検出情報が生成され、切り出し領域設定部72は、再生基本画像における顔領域503の中心と顔領域504の中心との中間点505を顔対象点として取り扱った上で、顔領域503及び504の顔検出情報に基づいて顔対象点の座標値を検出する。その座標値は、図4の座標面上における顔対象点の位置を特定する。尚、顔領域503及び504の内、大きい方の顔に対応する顔領域の中心点を顔対象点として取り扱うことも可能である。
そして、切り出し領域設定部72は、再生基本画像における顔対象点の座標値に基づき、図16(b)〜(e)に示される第1〜第4の切り出し画像521〜524の内の何れか1つが再生基本画像から切り出されるように切り出し位置及び大きさを設定し、設定した切り出し位置及び大きさを表す切り出し領域情報を切り出し部73に送る。この際、第iの切り出し画像における顔対象点が第iの切り出し画像上の交点GAiに位置するように(図9参照)、切り出し領域情報を生成する(ここで、iは1、2、3又は4)。また更に、切り出し画像の画像サイズが、可能な限り大きくなるように切り出し領域情報を生成する。切り出し部73は、この切り出し領域情報に従って、再生基本画像から切り出し画像521、522、523又は524を切り出して生成し、生成した1枚の切り出し画像を最適な構図調整画像として表示部27に出力する。
第2又は第3の構図調整撮影動作において、第1〜第4の構図調整画像の内の何れか1つを選択して撮影又は切り出しを行うことを説明したが、その選択方法と同じ方法を用いて選択した構図調整画像を最適な構図調整画像として取り扱う。即ち、再生基本画像から検出された顔の個数、顔の位置、向き及び大きさに基づいて、第1〜第4の構図調整画像から最適な構図調整画像を選択する。尚、再生基本画像から検出された顔の向きが正面向きである場合は、最適な構図調整画像を1枚に絞りきれないため、その旨を表示部27に表示してステップS51に戻る。或いは、絞りきれない複数の構図調整画像を表示部27の表示画面上に並べて表示するようにしてもよい。
ステップS55における最適な構図調整画像の表示後、ステップS56において、記録画像の入れ替え指示がなされたかが確認される。入れ替え指示がなされた場合、CPU23の制御の下、ステップS57にて再生基本画像を外部メモリ18から消去した後、ステップS59にて最適な構図調整画像を外部メモリ18に記録し、ステップS51に戻る。入れ替え指示がなかった場合は、ステップS58に移行し、最適な構図調整画像の別途記録を指示する記録指示がなされたかが確認される。記録指示がなされた場合、CPU23の制御の下、再生基本画像の記録を保持したままステップS59にて最適な構図調整画像を外部メモリ18に記録し、ステップS51に戻る。記録指示がなかった場合は、最適な構図調整画像の記録を実行することなくステップS51に戻る。尚、最適な構図調整画像を記録する際、その構図調整画像の画像サイズが再生基本画像のそれと同じとなるように構図調整画像の画像サイズを増大させてもよい。
パーソナルコンピュータ等にて画像加工用のソフトウェアを実行し、そのソフトウェア上でトリミング作業を行えば、上述の最適な構図調整画像と同等の画像を得ることもできるが、その作業は煩雑である。上述の自動トリミング再生動作によれば、非常に簡単な作業にて最適な構図調整画像(芸術性の高い画像)を閲覧及び記録することができる。
<<変形等>>
上述した説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。上述の実施形態の変形例または注釈事項として、以下に、注釈1〜注釈4を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
[注釈1]
上述の実施形態では、撮像素子33に投影される光学像を撮像素子33上で移動させるための光学部材として補正レンズ36を用いているが、補正レンズ36の代わりにバリアングルプリズム(不図示)を用いて、この光学像の移動を実現してもよい。また、補正レンズ36又はバリアングルプリズムを用いず、光軸に直交する面に沿って撮像素子33を移動させることにより、上記の光学像の移動を実現してもよい。
[注釈2]
自動トリミング再生動作を、撮像装置1と異なる、外部の画像再生装置(不図示)にて実現するようにしても構わない。この場合、外部の画像再生装置に顔検出部71、切り出し領域設定部72及び切り出し部73を設けて、再生基本画像の画像データを該画像再生装置に与えればよい。その画像再生装置に設けられた切り出し部73からの構図調整画像は、その画像再生装置に設けられた、表示部27と同等の表示部、又は、外部の表示装置上で表示される(全て不図示)。
[注釈3]
図1の撮像装置1は、ハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現可能である。特に、構図調整撮影動作及び自動トリミング再生動作を行うために必要な演算処理は、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現可能である。ソフトウェアを用いて撮像装置1を構成する場合、ソフトウェアにて実現される部位についてのブロック図は、その部位の機能ブロック図を表すことになる。構図調整撮影動作及び自動トリミング再生動作を行うために必要な演算処理の全部または一部を、プログラムとして記述し、該プログラムをプログラム実行装置(例えばコンピュータ)上で実行することによって、その演算処理の全部または一部を実現するようにしてもよい。
[注釈4]
例えば、以下のように考えることができる。撮像素子33に投影される光学像を撮像素子33上で移動させるための像移動手段は、上述の実施形態では、補正レンズ36及びドライバ34によって実現される。上述の第1又は第2の構図調整撮影動作を実行する際、図5の撮影制御部52及び画像取得部53を含む部位は、構図調整画像を生成する構図制御手段として機能する。上述の第3の構図調整撮影動作を実行する際、図14の切り出し領域設定部62及び切り出し部63を含む部位は、構図調整画像を生成する構図制御手段として機能する。上述の自動トリミング生成動作を実行する際、図20の切り出し領域設定部72及び切り出し部73を含む部位は、構図調整画像を生成する構図制御手段として機能する。また、図20の符号71〜73にて参照される部位は画像再生装置として機能する。この画像再生装置に、更に表示部27が含まれていると考えても構わない。
本発明の実施形態に係る撮像装置の全体ブロック図である。 図1の撮像部の内部構成図である。 図2の補正レンズの移動による、撮像素子上の光学像の移動の様子を示す図である。 画像に関し、上下左右を定義するための図である。 第1の構図調整撮影動作に関与する、図1の撮像装置の一部機能ブロック図である。 画像中における、正面向きの顔、左向きの顔及び右向きの顔を示す図である。 第1の構図調整撮影動作の流れを表すフローチャートである。 第1の構図調整撮影動作に係り、撮像装置の撮影範囲が重畳された被写体の平面図と、顔検出処理が実行される判定用画像と、を示す図である。 或る着目した画像と、その画像を上下方向に3等分する2本の線と、その画像を左右方向に3等分する2本の線と、それらの線によって形成される4つの交点と、を示す図である。 第1の構図調整撮影動作によって生成される基本画像及び第1〜第4の構図調整画像を示す図である。 第2の構図調整撮影動作によって生成されうる2枚の構図調整画像の例を示す図である。 第2の構図調整撮影動作によって生成される1枚の構図調整画像の例を示す図である。 第2の構図調整撮影動作によって生成される基本画像及び構図調整画像の例を示す図である。 第3の構図調整撮影動作に関与する、図1の撮像装置の一部機能ブロック図である。 第3の構図調整撮影動作の流れを表すフローチャートである。 第3の構図調整撮影動作によって生成される基本画像及び生成可能な第1〜第4の切り出し画像を示す図である。 図1の外部メモリに記録される画像ファイルの構造を示す図である。 第1の記録フォーマットに従って作成される画像ファイルを示す図である。 第2の記録フォーマットに従って作成される画像ファイルを示す図である。 自動トリミング再生動作に関与する、図1の撮像装置の一部機能ブロック図である。 自動トリミング再生動作の流れを表すフローチャートである。
符号の説明
1 撮像装置
11 撮像部
33 撮像素子
36 補正レンズ
51、61、71 顔検出部
52 撮影制御部
53 画像取得部
54、64 記録制御部
62、72 切り出し領域設定部
63、73 切り出し部

Claims (11)

  1. 撮影によって自身に投影される光学像に応じた信号を出力する撮像素子と、
    前記光学像を前記撮像素子上で移動させる像移動手段と、
    前記撮像素子の出力信号に基づく判定用画像から被写体としての人物の顔を検出して、前記判定用画像上における前記顔の位置及び向きを検出する顔検出手段と、
    検出された前記顔の位置及び向きに基づいて前記像移動手段を制御し、その制御後の前記撮像素子の出力信号から構図調整画像を生成する構図制御手段と、を備えた
    ことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記構図制御手段は、検出された前記顔の位置に応じた対象点が前記構図調整画像上の特定位置に配置されるように前記像移動手段を制御し、検出された前記顔の向きに基づいて前記特定位置を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 撮影によって自身に投影される光学像に応じた信号を出力する撮像素子と、
    前記撮像素子の出力信号に基づく判定用画像から被写体としての人物の顔を検出して、前記判定用画像上における前記顔の位置及び向きを検出する顔検出手段と、
    前記判定用画像又は前記撮像素子の出力信号から得られる前記判定用画像と異なる画像を基本画像として取り扱い、前記基本画像の一部を切り出すことにより構図調整画像を生成する構図制御手段と、を備え、
    前記構図制御手段は、検出された前記顔の位置及び向きに基づいて前記構図調整画像の切り出し位置を制御する
    ことを特徴とする撮像装置。
  4. 前記構図制御手段は、検出された前記顔の位置に応じた対象点が前記構図調整画像上の特定位置に配置されるように前記切り出し位置を制御するとともに、検出された前記顔の向きに基づいて前記特定位置を設定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記構図制御手段は、前記構図調整画像の中心を基準として、前記顔が向いている方向の反対側よりに前記特定位置を設定する
    ことを特徴とする請求項2または請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記特定位置は、前記構図調整画像を水平方向に3等分する2本の線と、前記構図調整画像を垂直方向に3等分する2本の線と、によって形成される4交点の位置の何れかである
    ことを特徴とする請求項2、請求項4または請求項5に記載の撮像装置。
  7. 前記構図制御手段は、前記構図調整画像として1枚以上の構図調整画像を生成し、検出された前記顔の向きに基づいて、生成する前記構図調整画像の枚数を決定する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の撮像装置。
  8. mを2以上の整数とし、nを2以上であって且つm未満の整数とした場合、
    前記構図制御手段は、
    検出された前記顔の向きが正面向きであるとき、互いに異なるm個の特定位置を設定して前記m個の特定位置に対応する合計m枚の構図調整画像を生成する一方、
    検出された前記顔の向きが横向きであるとき、1つの特定位置を設定して1枚の構図調整画像を生成する、或いは、互いに異なるn個の特定位置を設定して前記n個の特定位置に対応する合計n枚の構図調整画像を生成する
    ことを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  9. 外部から撮影指示を受け付ける撮影指示受付手段と、
    前記撮像素子の出力信号に基づく画像データを記録媒体に記録するための記録制御を行う記録制御手段と、を更に備え、
    前記構図制御手段は、前記撮影指示に従って前記構図調整画像を生成するとともに、前記撮像素子の出力信号から前記構図調整画像と異なる基本画像を生成し、
    前記記録制御手段は、前記構図調整画像及び前記基本画像の画像データを互いに関連付けて前記記録媒体に記録させる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
  10. 外部から撮影指示を受け付ける撮影指示受付手段と、
    前記撮像素子の出力信号に基づく画像データを記録媒体に記録するための記録制御を行う記録制御手段と、を更に備え、
    前記構図制御手段は、前記撮影指示に従って前記基本画像及び前記構図調整画像を生成し、
    前記記録制御手段は、前記構図調整画像及び前記基本画像の画像データを互いに関連付けて前記記録媒体に記録させる
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の撮像装置。
  11. 入力画像から人物の顔を検出して、前記入力画像上における前記顔の位置及び向きを検出する顔検出手段と、
    前記入力画像の一部を切り出すことによって得た構図調整画像の画像データを出力する構図制御手段と、を備え、
    前記構図制御手段は、検出された前記顔の位置及び向きに基づいて前記構図調整画像の切り出し位置を制御する
    ことを特徴とする画像再生装置。
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