JP2009215451A - 表面保護フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】他の粘着物性に悪影響を及ぼすことなく簡便な設備および処理で十分な離型性を得らることができる表面保護フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基材層と粘着剤層とを共押出法により積層し、前記基材層背面を前記粘着剤層表面に一旦接触させ、次いで前記基材層背面及び前記粘着剤層表面を離間させた後、ロール状に巻き取る表面保護フィルムの製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】基材層と粘着剤層とを共押出法により積層し、前記基材層背面を前記粘着剤層表面に一旦接触させ、次いで前記基材層背面及び前記粘着剤層表面を離間させた後、ロール状に巻き取る表面保護フィルムの製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、表面保護フィルムの製造方法に関し、より詳細には、主に共押出で製造する表面保護フィルムの製造方法に関する。
従来より、光学デバイス、金属板、塗装鋼板、樹脂板、ガラス板等の種々の物品や部材を、運搬、加工又は養生する際に、これらの表面への汚れの付着や表面の傷つきを防止するために表面保護フィルムが用いられている。
この種の表面保護フィルムは、例えば、合成樹脂等からなる基材層に、エラストマー等を含む粘着剤溶液を塗布したり、基材層と粘着剤層とを共押出するなどして製造された積層構造を有している。
特に、近年、液晶ディスプレイ用の光学部材に使用されている表面保護フィルムは、プリズムシートや拡散フィルムなど表面が凹凸形状になっている光学部材に貼り付ける場合、接触面積が稼げないために、粘着力の強い粘着剤層が要求されている。
特に、近年、液晶ディスプレイ用の光学部材に使用されている表面保護フィルムは、プリズムシートや拡散フィルムなど表面が凹凸形状になっている光学部材に貼り付ける場合、接触面積が稼げないために、粘着力の強い粘着剤層が要求されている。
一般に、表面保護フィルムは、例えば、長尺状のフィルムをロール状に巻回した巻回体として工業的に製造されている。このような巻回体とした表面保護フィルムでは、巻回体を展開する際に、外層の表面保護フィルムを内層の表面保護フィルムから容易に剥離することができる、すなわち巻回体の巻戻しを容易にできることが強く求められている。ところが、強粘着力を有する粘着剤層は、巻き内側の表面保護フィルムの基材層の背面(基材層の粘着剤層積層側に対する反対面、以下同じ)に対しても強く接着するため、このような表面保護フィルムの基材層の背面には、通常よりも高い離型性を発揮する離型処理が必要になる。
これに対して従来から、離型処理された表面保護フィルムとして、ポリオレフィン系樹脂からなる基材層と、粘着剤層とが積層され、基材層の背面が固体によって摩擦処理されている表面保護フィルムが提案されている(例えば、特許文献1)。
また、基材層と粘着剤層とが共押出された後、長鎖アルキル系離型剤が基材層背面に塗布されている表面保護フィルムが提案されている(例えば、特許文献2)。
さらに、ポリオレフィン系樹脂の背面に離型性材料を練り込んで離型層を形成した表面保護フィルムが開示されている(例えば、特許文献3)。
また、基材層と粘着剤層とが共押出された後、長鎖アルキル系離型剤が基材層背面に塗布されている表面保護フィルムが提案されている(例えば、特許文献2)。
さらに、ポリオレフィン系樹脂の背面に離型性材料を練り込んで離型層を形成した表面保護フィルムが開示されている(例えば、特許文献3)。
特許文献1では、基材層の背面が固体によって摩擦処理されており、この摩擦処理はインラインで比較的簡便に行うことができる。しかし、基材層を構成する素材により摩擦処理の効果に差が生じることがあり、摩擦処理をするのみでは、強粘着力を有する表面保護フィルムに対して巻き戻しが困難になり、巻き戻し時にフィルムの変形などの不具合が起きることがあった。
また、特許文献2の離型剤を用いた場合には、比較的高い離型性が得れるが、溶剤を乾燥させる際にフィルムに温度をかけねばならず、フィルムの変形などが問題になる。さらに押出機の後方に塗工乾燥装置を設置させるなど、設備面積及び設備費用が大きくなるなどの問題がある。
特許文献3のような、基材背面に離型性材料を練り込んで離型層を形成する方法では、離型材料を基材に固定することが困難であるために離型材料が相対する粘着面に移行して粘着力を変化させる問題が避けられない。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、他の粘着物性に悪影響を及ぼすことなく簡便な設備および処理で十分な離型性を得ることができる表面保護フィルムの製造方法を提供することである。
本発明の表面保護フィルムの製造方法は、基材層と粘着剤層とを共押出法により積層し、前記基材層背面を前記粘着剤層表面に一旦接触させ、次いで前記基材層背面及び前記粘着剤層表面を離間させた後、ロール状に巻き取ることを特徴とする。
このような表面保護フィルムの製造方法では、前記接触を、押し出されて下流側にある前記粘着剤層の表面を、インラインで、上流側基材層背面に接触させることにより行うことができる。
さらに、前記接触の後、アウトラインで巻き戻しにより離間させながら、再度巻き取ることができる。
このような表面保護フィルムの製造方法では、前記接触を、押し出されて下流側にある前記粘着剤層の表面を、インラインで、上流側基材層背面に接触させることにより行うことができる。
さらに、前記接触の後、アウトラインで巻き戻しにより離間させながら、再度巻き取ることができる。
本発明の表面保護フィルムの製造方法によれば、基材に離型剤を塗ったり、混ぜたりすることなく簡便な処理方法で、かつ、簡便な製造設備を利用して、他の粘着物性に悪影響を及ぼすことなく、十分な離型性を得ることができ、それによって、容易に巻き戻しすることが可能となる。
本発明の表面保護フィルムの製造方法では、まず、基材層と粘着剤層とを共押出法により積層する。
ここで用いる基材層の材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリオレフィン系、ポリシクロオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体系等の熱可塑性樹脂を用いることができるが、コスト及び成形性の点からポリオレフィンが好ましく用いられる。
ここで用いる基材層の材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリオレフィン系、ポリシクロオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体系等の熱可塑性樹脂を用いることができるが、コスト及び成形性の点からポリオレフィンが好ましく用いられる。
ポリオレフィンとしては特に制限されないが、例えば、ホモポリプロピレン又はプロピレン成分とエチレン成分とからなるブロック系、ランダム系等のプロピレン系ポリマー;低密度、高密度、リニア低密度ポリエチレン等のエチレン系ポリマー;エチレン−α−オレフィン共重合体等のオレフィン系ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン成分と他モノマーとのオレフィン系ポリマー等が挙げられる。これらのポリオレフィンは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリプロピレン系ポリマーはホモポリマー、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーいずれを用いてもよいが、ホモポリマーを使用すると離型性が上がり、巻き戻しをスムーズに行えるようになるので好ましい。
基材層は、単層又は2層以上の積層構造のいずれでもよい。ただし、2層以上の積層構造の場合には、表面層、つまり、後述する粘着剤層が積層される面と反対側の面(背面)において、ポリオレフィン、特に、ポリプロピレンを含有していることが好ましい。なお、基材層が積層構造の場合、背面以外の層はどのような材料で形成されていてもよいが、背面に位置する基材層との密着性等を考慮して、ポリオレフィンからなるものが好ましい。特に、背面層に用いたものと同様のポリオレフィンがより好ましい。
ポリオレフィンの含有量は基材層(又はその表面層)の全重量に対して、通常、10重量%以上、好ましくは30重量%以上が挙げられる。
ポリオレフィンの含有量は基材層(又はその表面層)の全重量に対して、通常、10重量%以上、好ましくは30重量%以上が挙げられる。
上述した基材層には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で、必要に応じて、他の添加剤を用いてもよい。このような添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤、帯電防止剤等の公知のものが挙げられる。さらに、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン等の充填剤、顔料、目ヤニ防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤等の公知のものを、添加剤として適宜配合することができる。
粘着剤層を構成する材料としては、共押出法が採用できるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ゴム系樹脂成分、アクリル系、EVA系等を主成分とする粘着剤組成物が挙げられる。なかでも、ゴム系樹脂成分を主成分とする粘着剤組成物が好ましい。
ゴム系樹脂成分としては、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、オレフィン系エラストマーなどの粘着剤のベースポリマーとして用いられているものを特に制限なく使用することができる。なかでも、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマーを用いると、表面保護フィルムを共押出により容易に形成することができ、被着体に対して良好な仮着性を有する表面保護フィルムを提供することができる。
スチレン系エラストマーとしては、具体的には、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)、スチレン−イソブチレン−スチレン(SIBS)等のA−B−A型ブロックポリマー;スチレン−ブタジエン(SB)、スチレン−イソプレン(SI)、スチレン−エチレン−ブチレン(SEB)、スチレン−エチレン−プロピレン(SEP)、スチレン−イソブチレン(SIB)等のA−B型ブロックポリマー;スチレン−ブタジエンラバー(SBR)等のスチレン系ランダム;スチレン−エチレン−ブチレン−オレフィン結晶(SEBC)等のA−B−C型のスチレン−オレフィン結晶系ブロックポリマー等が挙げられる。
また、オレフィン系エラストマーとしては、オレフィン結晶−エチレン−ブチレン−オレフィン結晶(CEBC)等のC−B−C型のオレフィン結晶系ブロックポリマー、エチレン−α−オレフィン、エチレン−プロピレン−α−オレフィン、プロピレン−α−オレフィン等が挙げられる。
これらのゴム系樹脂成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのゴム系樹脂成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム系樹脂成分がオレフィン又は共役ジエンに由来する不飽和二重結合を有する場合には、この不飽和二重結合は、耐熱性、耐候性を高める観点から、少ないほうが好ましく、必要に応じて水素添加されていることが好ましい。例えば、スチレン系エラストマーにおいて、オレフィン系重合体ブロックである共役ジエン重合体ブロック中、またはスチレンと、オレフィンである共役ジエンとのランダム共重合体ブロック中の共役ジエン部分の二重結合の少なくとも80%が、水素添加により飽和されていることが好ましく、90%以上、さらに95〜100%が飽和されていることが好ましい。
スチレン系エラストマーのGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量は、30000〜400000の範囲が好ましく、より好ましくは50000〜200000の範囲である。粘着剤層の凝集力を確保するとともに、表面保護フィルムを剥離する際の被着体への糊残りを防止するためである。また、適当な粘着力を確保し、粘着剤組成物の調製又は表面保護フィルムの製造時に、溶液粘度又は溶融粘度の増大を防止するためである。
粘着剤層を構成する材料として粘着付与剤を用いることにより、粘着剤層の粘着力を効果的に高めることができる。この場合には、表面保護フィルムを被着体から剥離する際の糊残りが生じない使用量で使用することが好ましい。例えば、粘着付与剤の配合割合は、ゴム系樹脂成分100重量部に対し、40重量部以下が好ましく、より好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。
粘着剤層は、通常、単層であることが好ましいが、2層以上の積層構造であってもよい。
粘着剤層は、通常、単層であることが好ましいが、2層以上の積層構造であってもよい。
粘着付与剤としては、例えば、脂肪族系共重合体、芳香族系共重合体、脂肪族・芳香族系共重合体系や脂環式系共重合体等の石油系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、テルぺン系樹脂、テルぺンフェノール系樹脂、プロセスオイル、ひまし油、トール油、天然油、液体ポリイソブチレン樹脂、ポリブテン、重合ロジン等のロジン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹脂、キシレン系樹脂またはこれらの水添物などの、一般的に粘着剤に使用されるものを特に制限なく使用することができる。これら粘着付与剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、剥離性及び耐候性などを高めるために、水添系の粘着付与剤を用いることがより好ましい。また、オレフィン樹脂とのブレンド物として市販されている粘着付与剤を用いてもよい。
粘着剤層には、粘着力の制御等を目的に、必要に応じて、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、接着昂進防止剤等の公知の添加剤を適宜に配合することができる。
接着昂進防止剤としては、脂肪酸アミド、ポリエチレンイミンの長鎖アルキルグラフト物、大豆油変性アルキド樹脂(例えば、荒川化学社製、商品名「アラキード251」等)、トール油変性アルキド樹脂(例えば、荒川化学社製、商品名「アラキード6300」等)などが挙げられる。
その他の添加剤は、上述した基材層に配合されるものと同様のものを用いることができる。
接着昂進防止剤としては、脂肪酸アミド、ポリエチレンイミンの長鎖アルキルグラフト物、大豆油変性アルキド樹脂(例えば、荒川化学社製、商品名「アラキード251」等)、トール油変性アルキド樹脂(例えば、荒川化学社製、商品名「アラキード6300」等)などが挙げられる。
その他の添加剤は、上述した基材層に配合されるものと同様のものを用いることができる。
本発明の表面保護フィルムは、基材層及び粘着剤層を、インフレーション法、Tダイ法等の公知の方法で共押出することにより積層一体化して製造することができる。
表面保護フィルムの総膜厚は、10〜200μm程度が適当であり、20〜150μm、さらに30〜100μmがより好ましい。
基材層の厚さは、特に制限されないが、ハンドリング性、コスト、成形性を考慮すると5〜180μm程度が適当であり、10〜130μm程度、20〜100μm程度がより好ましい。
粘着剤層の厚みは、特に制限されないが、0.5〜30μm程度であり、好ましくは1〜20μmであり、さらに好ましくは2〜10μmである。
基材層の厚さは、特に制限されないが、ハンドリング性、コスト、成形性を考慮すると5〜180μm程度が適当であり、10〜130μm程度、20〜100μm程度がより好ましい。
粘着剤層の厚みは、特に制限されないが、0.5〜30μm程度であり、好ましくは1〜20μmであり、さらに好ましくは2〜10μmである。
本発明では、共押出により得られた表面保護フィルムにおける基材層背面に、摩擦処理及び/又は電子線を照射等を行ってもよい。基材層の背面の摩擦処理は、例えば、特開平2−252777号に記載された方法又はこれに準じた方法等の公知の方法によって行うことができる。具体的には、金属ロール等の回転物、ガーゼ等の布を用いた摩擦処理が例示される。これにより、基材層の表面に存在する樹脂の何らかの変化に起因する離型効果を付与することができ、展開力をさらに小さくすることができる。
続いて、基材層背面を粘着剤層表面に一旦接触させ、次いで基材層背面及び粘着剤層表面を離間させる。つまり、この工程は、共押出しにより、基材層と粘着剤層とを積層した後、製品として供給するための巻回体とする前に行う。
このような接触は、例えば、共押出しの直後に下流側にある積層体における粘着剤層の表面を、上流側基材層背面に接触させることにより行うことができる。あるいは、一旦ロール状に巻回することによっても行うことができる。
また、離間は、前者の場合には、接触直後に行い、後者の場合にはロール状に巻回された接触体を巻き戻すことにより、行うことができる。
これらの接触及び離間は、前者をインラインで、後者をアウトラインで行うことができる。
このような接触は、例えば、共押出しの直後に下流側にある積層体における粘着剤層の表面を、上流側基材層背面に接触させることにより行うことができる。あるいは、一旦ロール状に巻回することによっても行うことができる。
また、離間は、前者の場合には、接触直後に行い、後者の場合にはロール状に巻回された接触体を巻き戻すことにより、行うことができる。
これらの接触及び離間は、前者をインラインで、後者をアウトラインで行うことができる。
例えば、前者の場合、これらの接触及び離間は、例えば、図1に示す設備を用いて行うことができる。
つまり、共押出法により金型1を通して成膜された表面保護フィルムの基材背面3を、インラインにおいて、任意に、冷却ロール2に接触させて冷却させ、一対の一方のシリコーンロール5aに粘着剤層表面4を接触させながら進めると同時に、先にラインを進んでいる表面保護フィルムの粘着剤層表面4を、一対の他方のシリコーンロール5bを利用して、一方のシリコーンロール5aの表面保護フィルムの基材背面3に接触させる。その後、巻取りロール6を利用して、表面保護フィルムの進行ラインとは異なるラインを進めて巻き取り、巻回体とする。
つまり、共押出法により金型1を通して成膜された表面保護フィルムの基材背面3を、インラインにおいて、任意に、冷却ロール2に接触させて冷却させ、一対の一方のシリコーンロール5aに粘着剤層表面4を接触させながら進めると同時に、先にラインを進んでいる表面保護フィルムの粘着剤層表面4を、一対の他方のシリコーンロール5bを利用して、一方のシリコーンロール5aの表面保護フィルムの基材背面3に接触させる。その後、巻取りロール6を利用して、表面保護フィルムの進行ラインとは異なるラインを進めて巻き取り、巻回体とする。
この際の接触及び離間の条件、例えば、温度、基材層背面と粘着剤層表面との間に負荷する圧力、離間速度等は、適宜調整することができる。
一般に、基材を構成する樹脂中には、滑剤、各種安定剤等の低分子量の添加剤成分が配合されており、共押出後に、これらの成分が、多かれ少なかれ、基材の表面にブリードアウトすると考えられる。本発明のように、上述した粘着剤層表面への基材層の接触及び離間を行うことで、最終製品としての巻回体とする前に、基材層を形成する樹脂の低分子成分を、強制的に粘着剤層表面に移行させることができ、この低分子成分が粘着阻害作用をもたらす結果、離型効果を発揮させることができると考えられる。
以下、本発明の表面保護フィルムの製造方法の実施例を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
基材層を形成する材料として、ブロックPPを100重量部用いた。
粘着剤層を構成する材料として、スチレン−ブタジエン系共重合体の水素添加物からなるスチレン系エラストマー(SEBS、クレイトンポリマー社製、品番:G1657)100重量部に、粘着付与剤として、アルコンP−125(荒川化学工業社製)5重量部を配合した粘着剤組成物を、2軸押出機で混練し、ペレタイズしたものを用いた。
粘着剤層を構成する材料として、スチレン−ブタジエン系共重合体の水素添加物からなるスチレン系エラストマー(SEBS、クレイトンポリマー社製、品番:G1657)100重量部に、粘着付与剤として、アルコンP−125(荒川化学工業社製)5重量部を配合した粘着剤組成物を、2軸押出機で混練し、ペレタイズしたものを用いた。
これら材料を押出機に投入し、Tダイ法により共押出して、基材層(厚さ34μm)/粘着剤層(厚さ6μm)の表面保護フィルム(幅700mm)を成膜し、図1に示すような製造工程で、巻取り前に基材層の背面と粘着剤層の表面とを1回接触、離間させてから巻取り、巻き長さ100mの巻回体を得た。
比較例として、同じ材料を用いて、Tダイ法により共押出し、基材層(厚さ34μm)/粘着剤層(厚さ6μm)の表面保護フィルム(幅700mm)を成膜し、接触/離間を行わずに、直接巻取り、巻回体を得た。
(評価法)
(1)展開力
豊和自動機(株)製の丸刃カッターTS-300を用いて、実施例及び比較例の各表面保護フィルムの巻回体のセンターから50mm幅を切り出し、室温で1日静置させた。この50mm幅の巻回体を展開力測定機を用いて、展開力を測定し、その平均値を展開力とした。
(1)展開力
豊和自動機(株)製の丸刃カッターTS-300を用いて、実施例及び比較例の各表面保護フィルムの巻回体のセンターから50mm幅を切り出し、室温で1日静置させた。この50mm幅の巻回体を展開力測定機を用いて、展開力を測定し、その平均値を展開力とした。
(2)対プリズムシート粘着力
実施例及び比較例の各表面保護フィルムを幅25mm×長さ150mmの大きさに切り出したものを用意した。切り出した実施例及び比較例の各表面保護フィルムを、粘着剤層側から、2kgのゴムローラーを用いて、2m/minの速度でプリズムシート(住友スリーエム社、BEFII)に貼り付けた。これを60℃の室内に3時間静置した後、常温に戻し、JIS Z 0237に準拠し、180度剥離強度を速度20m/minで測定し、対プリズムシート粘着力とした。
これらの結果を表1に示す。
実施例及び比較例の各表面保護フィルムを幅25mm×長さ150mmの大きさに切り出したものを用意した。切り出した実施例及び比較例の各表面保護フィルムを、粘着剤層側から、2kgのゴムローラーを用いて、2m/minの速度でプリズムシート(住友スリーエム社、BEFII)に貼り付けた。これを60℃の室内に3時間静置した後、常温に戻し、JIS Z 0237に準拠し、180度剥離強度を速度20m/minで測定し、対プリズムシート粘着力とした。
これらの結果を表1に示す。
本発明の表面保護フィルムの製造方法は、表面保護フィルム自体の用途、大きさ等にかかわらず、基材層と粘着剤層とを共押出しによって形成することができるものであり、種々の用途に用いることができるものの製造に利用することができる。
1 金型
2 冷却ロール
3 基材層背面
4 粘着剤層表面
5a、5b シリコーンロール
6 巻取りロール
2 冷却ロール
3 基材層背面
4 粘着剤層表面
5a、5b シリコーンロール
6 巻取りロール
Claims (3)
- 基材層と粘着剤層とを共押出法により積層し、前記基材層背面を前記粘着剤層表面に一旦接触させ、次いで前記基材層背面及び前記粘着剤層表面を離間させた後、ロール状に巻き取ることを特徴とする表面保護フィルムの製造方法。
- 前記接触を、押し出されて下流側にある前記粘着剤層の表面を、インラインで、上流側基材層背面に接触させることにより行う請求項1に記載の表面保護フィルムの製造方法。
- 前記接触の後、アウトラインで巻き戻しにより離間させながら、再度巻き取る請求項1に記載の表面保護フィルムの製造方法。
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