JP2009210916A - 表示媒体、及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で、目的とする粒子を選択的に移動させることにより発色性の低下を抑制可能な表示媒体及び表示装置を提供する。
【解決手段】表示媒体12及び表示媒体12を備えた表示装置10においては、表示媒体12の表示基板20と背面基板22の対向する基板面側に、該対向する基板側に向かって開口された凹部52が複数設けられており、この凹部52を、複数種類の粒子群37の内の、少なくとも体積平均一次粒子径の異なる2種類の粒子群(粒子群34及び粒子群36)の内の一方の粒子群が、この凹部52の内壁に接触する接触部を複数形成しうる又は該内壁に面接触するように存在しうると共に、他方の粒子群が該凹部52の内壁に点接触しうる又は該他方の粒子群の体積平均一次粒子径より小さい開口径を有する形状及び大きさとなるように設けた。
【選択図】図5
【解決手段】表示媒体12及び表示媒体12を備えた表示装置10においては、表示媒体12の表示基板20と背面基板22の対向する基板面側に、該対向する基板側に向かって開口された凹部52が複数設けられており、この凹部52を、複数種類の粒子群37の内の、少なくとも体積平均一次粒子径の異なる2種類の粒子群(粒子群34及び粒子群36)の内の一方の粒子群が、この凹部52の内壁に接触する接触部を複数形成しうる又は該内壁に面接触するように存在しうると共に、他方の粒子群が該凹部52の内壁に点接触しうる又は該他方の粒子群の体積平均一次粒子径より小さい開口径を有する形状及び大きさとなるように設けた。
【選択図】図5
Description
本発明は、表示媒体、及び表示装置に関する。
従来、繰り返し書き換えが可能な画像表示媒体として、着色粒子を用いた表示媒体が知られている。
これらの表示媒体は、例えば一対の基板と、一対の基板間に形成された電界に応じて基板間を移動可能に該基板間に封入された粒子群と、を含んで構成されている。
これらの表示媒体は、例えば一対の基板と、一対の基板間に形成された電界に応じて基板間を移動可能に該基板間に封入された粒子群と、を含んで構成されている。
この表示媒体では、一対の基板間に電圧を印加することにより封入されている粒子を移動させることで、何れか一方の基板側に移動した粒子の色に応じた色の画像を表示させており、複数色の粒子の混色によるコントラスト比の低下や、表示対象色とは異なる色が表示されることを抑制するための様々な技術が知られている(例えば、特許文献1〜5参照)。
特許文献1では、電極上に帯電粒子とは逆極性に帯電したイオン性ポリマーを形成し、電気泳動する粒子と電極上のイオン性ポリマーの静電気力による粒子と電極間の付着力を増加させることで、粒子と電極との間の静電引力を変化させて特定の粒子を選択的に移動させて色表示を行っている。
特許文献2では、電気泳動現象と誘電泳動現象との双方を用い、粒子間の誘電泳動力の差に応じて特定の粒子を選択的に移動させて色表示を行っている。
特許文献3では、基板上または基板内に磁性体を配置して、電気泳動粒子と基板との間のクーロン力により、特定の粒子を選択的に移動させて色表示を行っている。
更に特許文献4及び特許文献5では、基板間における各色粒子群の移動度の差によって、特定の色の粒子を選択的に移動させて色表示を行っている。
特定の色の粒子を選択的に移動させることで、目的とする色の表示が可能であるが、目的とする色の粒子を移動させるときに、目的の色とは異なる色の粒子が移動する場合があり、対象色が表示されず発色性の低下が発生する場合があった。また、基板に各種調整を施す方法や電圧印加方法を調整することで目的とする色の発色性向上を図ろうとすると、粒子駆動方法や表示媒体の構成が複雑化する場合があった。
本発明は、簡易な構成で、目的とする粒子を選択的に移動させることにより発色性の低下を抑制可能な表示媒体及び表示装置を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって配置され、少なくとも一方が互いに向かい合う面側に開口した複数の第1の凹部を有する一対の基板と、前記一対の基板間に封入された分散媒と、前記分散媒中に分散されると共に前記基板間に形成された電界に応じて移動し、互いに色及び移動するために必要な移動電圧の異なる複数種類の粒子群と、を備え、前記第1の凹部は、前記複数種類の粒子群の内の互いに体積平均一次粒子径の異なる少なくとも2種類の内の一方が少なくとも該第1の凹部の内壁に接触する接触部を複数形成しうる又は該内壁に面接触するように存在しうると共に、他方が該第1の凹部の内壁に点接触しうる又は該他方の粒子群の体積平均一次粒子径より小さい開口径を有することを特徴とする表示媒体である。
請求項1に係る発明は、少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって配置され、少なくとも一方が互いに向かい合う面側に開口した複数の第1の凹部を有する一対の基板と、前記一対の基板間に封入された分散媒と、前記分散媒中に分散されると共に前記基板間に形成された電界に応じて移動し、互いに色及び移動するために必要な移動電圧の異なる複数種類の粒子群と、を備え、前記第1の凹部は、前記複数種類の粒子群の内の互いに体積平均一次粒子径の異なる少なくとも2種類の内の一方が少なくとも該第1の凹部の内壁に接触する接触部を複数形成しうる又は該内壁に面接触するように存在しうると共に、他方が該第1の凹部の内壁に点接触しうる又は該他方の粒子群の体積平均一次粒子径より小さい開口径を有することを特徴とする表示媒体である。
請求項2に係る発明は、前記複数種類の粒子群の内の少なくとも2種類は予め同極性に帯電されており、該2種類の内の、他方より体積平均一次粒子径の大きい一方の粒子群は、表面に、他方の粒子群が少なくとも複数存在しうる複数の第2の凹部を有することを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項3に係る発明は、少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって配置され、少なくとも一方が互いに向かい合う面側に開口した複数の第1の凹部を有する一対の基板と、前記一対の基板間に封入された分散媒と、前記分散媒中に分散されると共に前記基板間に形成された電界に応じて移動し、互いに色及び移動するために必要な移動電圧の異なる複数種類の粒子群と、を備え、前記第1の凹部は、前記複数種類の粒子群の内の互いに体積平均一次粒子径の異なる少なくとも2種類の内の一方が少なくとも該第1の凹部の内壁に接触する接触部を複数形成しうる又は該内壁に面接触するように存在しうると共に、他方が該第1の凹部の内壁に点接触しうる又は該他方の粒子群の体積平均一次粒子径より小さい開口径を有する表示媒体と、前記一対の基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、を備えたことを特徴とする表示装置である。
請求項1に係る発明によれば、一対の基板の少なくとも一方に第1の凹部の設けられていない構成である場合に比べて、体積平均一次粒子径の異なる複数種類の粒子群の基板に対する接触面積に差が生じて粒子群間の移動電圧の差が広がり、目的とする粒子を選択的に移動させることにより発色性の低下が抑制される、という効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、更に発色性の低下が抑制される、という効果を奏する。
請求項3に係る発明によれば、目的とする粒子を選択的に移動させることにより発色性の低下が抑制される、という効果を奏する。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、作用・機能が同様の働きを担う部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を省略する場合がある。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本実施形態に係る表示媒体12は、画像表示面とされる表示基板20、表示基板20に間隙をもって対向する背面基板22、これらの基板間を所定間隔に保持すると共に、表示基板20と背面基板22との基板間を複数のセルに区画する間隙部材24、及び各セル内に封入された粒子群37を含んで構成されている。
図1に示すように、本実施形態に係る表示媒体12は、画像表示面とされる表示基板20、表示基板20に間隙をもって対向する背面基板22、これらの基板間を所定間隔に保持すると共に、表示基板20と背面基板22との基板間を複数のセルに区画する間隙部材24、及び各セル内に封入された粒子群37を含んで構成されている。
上記セルとは、表示基板20と、背面基板22と、間隙部材24と、によって囲まれた領域を示している。このセル中には、分散媒50が封入されている。粒子群37(詳細後述)は、複数の粒子から構成されており、この分散媒50中に分散され、セル内に形成された電界強度に応じて表示基板20と背面基板22との基板間を移動する。
なお、この表示媒体12に画像を表示したときの各画素に対応するように間隙部材24を設け、各画素に対応するようにセルを形成することで、例えば、表示媒体12は、セル毎に1画素の表示がなされる。なお、複数画素に対応してセルを設けても良く、すなわち、1セルで複数画素の表示を行ってもよい。
また、本実施の形態では、説明を簡易化するために、1つのセルに注目した図を用いて本実施の形態を説明する。以下、各構成について詳細に説明する。
表示基板20は、支持基板38上に、表示電極40、及び表面層27を順に積層した構成となっている。背面基板22は、支持基板44上に、背面電極46、及び表面層29を積層した構成となっている。この表示基板20と背面基板22の対向面(本実施形態では表示電極40及び背面電極46の対向面)には、各々、対向する基板側(表示基板20側または背面基板22側)に開口した凹部52が複数設けられている(詳細後述)。
表示基板20、又は表示基板20と背面基板22との双方は、透光性を有している。
ここで、本実施の形態における透光性とは、可視光の透過率が60%以上であることを示している。
ここで、本実施の形態における透光性とは、可視光の透過率が60%以上であることを示している。
支持基板38及び支持基板44としては、ガラスや、プラスチック、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂等が挙げられる。
表示電極40及び背面電極46には、インジウム、スズ、カドミウム、アンチモン等の酸化物、ITO等の複合酸化物、金、銀、銅、ニッケル等の金属、ポリピロールやポリチオフェン等の有機材料等を使用することができる。これらは単層膜、混合膜あるいは複合膜として使用でき、蒸着法、スパッタリング法、塗布法等で形成できる。また、その厚さは、蒸着法、スパッタリング法によれば、通常100〜2000Åである。背面電極46及び表示電極40は、従来の液晶表示媒体あるいはプリント基板のエッチング等従来公知の手段により、所望のパターン、例えば、マトリックス状、あるいはパッシブマトリックス駆動を可能とするストライプ状に形成することができる。
また、表示電極40を支持基板38に埋め込んでもよい。また、背面電極46を支持基板44に埋め込んでもよい。この場合、支持基板38及び支持基板44の材料を粒子群37の各粒子の組成等に応じて選択する。
なお、背面電極46及び表示電極40各々を表示基板20及び背面基板22と分離させ、表示媒体12の外部に配置してもよい。
なお、上記では、表示基板20と背面基板22の双方に電極(表示電極40及び背面電極46)を備える場合を説明したが、何れか一方にだけ設けるようにして、アクティブマトリクス駆動させるようにしてもよい。
また、アクティブマトリクス駆動を可能にするために、支持基板38及び支持基板44は、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)を備えていてもよい。配線の積層化及び部品実装が容易であることから、TFTは表示基板ではなく背面基板22に形成することが望ましい。
上記表示電極40及び背面電極46が、各々支持基板38及び支持基板44上に形成されている場合、表示電極40及び背面電極46の破損や、粒子群37の固着を招く電極間のリークの発生を防止するため、必要に応じて表示電極40及び背面電極46各々上に、誘電体膜として、表面層27及び表面層29を形成することが好ましい。
この表面層27及び表面層29を形成する材料としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、エポキシ、ポリイソシアネート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、共重合ナイロン、紫外線硬化アクリル樹脂、フッ素樹脂等を用いることができる。
また、上記した絶縁材料の他に、絶縁性(体積低効率が109Ω・cm以上)材料中に電荷輸送物質を含有させたものも、表面層27及び表面層29を構成する材料として使用される。電荷輸送物質を表面層27及び表面層29を構成する材料に含有させることにより、粒子群37への電荷注入による粒子帯電性の向上や、粒子群37の帯電量が極度に大きくなった場合に粒子群37の電荷を漏洩させ、粒子群37の帯電量を安定させる。
電荷輸送物質としては、例えば、正孔輸送物質であるヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、アリールアミン化合物等が挙げられる。また、電子輸送物質であるフルオレノン化合物、ジフェノキノン誘導体、ピラン化合物、酸化亜鉛等も使用できる。さらに、電荷輸送性を有する自己支持性の樹脂を用いることもできる。
具体的には、ポリビニルカルバゾール、米国特許第4806443号に記載の特定のジヒドロキシアリールアミンとビスクロロホルメートとの重合によるポリカーボネート等が挙げられる。誘電体膜は、粒子の帯電特性や流動性に影響を及ぼすことがあるので、粒子の組成等に応じて選択する。基板の一方である表示基板は光を透過する必要があるので、上記各材料のうち透明のものを使用することが好ましい。
具体的には、ポリビニルカルバゾール、米国特許第4806443号に記載の特定のジヒドロキシアリールアミンとビスクロロホルメートとの重合によるポリカーボネート等が挙げられる。誘電体膜は、粒子の帯電特性や流動性に影響を及ぼすことがあるので、粒子の組成等に応じて選択する。基板の一方である表示基板は光を透過する必要があるので、上記各材料のうち透明のものを使用することが好ましい。
粒子群37は、互いに色及び移動するために必要な移動電圧の異なる複数種類の粒子群から構成されている。また、この複数種類の粒子群の内の少なくとも2種類は、互いに体積平均一次粒子径が異なっている。
本実施の形態では、粒子群37は、粒子群34と、粒子群34と同極性であると共に異なる色であり且つ粒子群34より体積平均一次粒子径の大きい粒子群36と、から構成されているとして説明するが、該2種類の粒子群は、逆極性に帯電されていてもよく、また、分散媒50中に分散されている複数種類の粒子群37は、上記条件を満たしていれば、3種類以上で構成されていてもよく、2種類に限られない。
本実施の形態では、粒子群37は、粒子群34と、粒子群34と同極性であると共に異なる色であり且つ粒子群34より体積平均一次粒子径の大きい粒子群36と、から構成されているとして説明するが、該2種類の粒子群は、逆極性に帯電されていてもよく、また、分散媒50中に分散されている複数種類の粒子群37は、上記条件を満たしていれば、3種類以上で構成されていてもよく、2種類に限られない。
この粒子群37を構成する粒子群34及び粒子群36は、基板間を電気泳動する粒子群であり、各々、電界に応じて移動するために必要な移動電圧及び色が異なる。すなわち、粒子群37を構成する粒子群34及び粒子群36は、各々、移動させるために必要な電圧範囲を有し、この電圧範囲が互いに異なっている(詳細後述)。
ここで、「移動電圧の範囲」とは、粒子群34または粒子群36を構成する各粒子を、表示基板20又は背面基板22側へ寄せた状態から、表示基板20と背面基板22との基板間に印加する電圧の電圧値を連続的に変化させたときに、前記粒子が対向基板側へ移動を開始する電圧から、表示基板20と背面基板22との基板間に印加する電圧の電圧値を連続的に変化させて、前記粒子が対向基板側へ移動を終了する電圧までの範囲を示している。すなわち、粒子群34または粒子群36の移動電圧の範囲内の電圧を印加することによって、粒子群37を構成する粒子群34または粒子群36を選択的に移動させることが可能となる。
なお、この粒子群37を構成する粒子が移動を開始するために必要な移動電圧とは、表示基板20と背面基板22との基板間に印加する電圧の電圧値を連続的に変化させたときに、各種類の粒子群37を構成する粒子の移動によっても表示媒体12の表示濃度に変化が現れない状態から表示濃度に変化が現れた状態へと移行したときに基板間に印加している電圧の電圧値を示している。
この「表示濃度に変化が現れた」状態とは、表示媒体12の表示電極40と背面電極46とに電圧を印加して、この電圧の電圧値を0Vから増加または減少させたときの表示基板20の濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)によって測定し、電圧印加前の濃度に対する濃度変化が、0.1未満である状態から、0.1以上となり始めたときの境界の状態を示している。
次に、本実施の形態の表示媒体12で用いる複数種類の粒子群37における、基板間に印加する電圧の電圧値と、各種類の粒子群37の基板間の移動による表示濃度の変化との関係を、図2を用いて具体的に説明する。
なお、本実施の形態では、表示媒体12の同一セル内に封入されている粒子群37として、図1に示すように、同極性に帯電され、互いに移動電圧、体積平均一次粒子径、及び色の異なる、粒子群34及び粒子群36が封入されている。
なお、以下で説明する電圧値-mV、-tV、+tV、+mVは、-mV<-tV<+tV<+mVの関係であるとして説明する。
また、本実施の形態では、粒子群34及び粒子群36は、共にマイナスに帯電されているものとして説明するが、後述する凹部52に対して該凹部52の設けられた基板側に接触したときの接触面積が互いに異なる2種類の粒子群同士が同極性であればよく、例えば、これらの2種類の粒子群が双方ともプラスに帯電されていてもよい。
また、本実施の形態では、粒子群34及び粒子群36は、共にマイナスに帯電されているものとして説明するが、後述する凹部52に対して該凹部52の設けられた基板側に接触したときの接触面積が互いに異なる2種類の粒子群同士が同極性であればよく、例えば、これらの2種類の粒子群が双方ともプラスに帯電されていてもよい。
また、本実施の形態では、移動電圧及び色の異なる複数種類の粒子群37として、粒子群36が移動を開始するときの移動電圧が+tV、または-tVであり、粒子群34が移動を開始するときの移動電圧が+mV、または-mVであるとして説明する。
図2に示すように、表示基板20と背面基板22との基板間に0Vから電圧を印加して除々に印加電圧の電圧値を上昇させて、基板間に+tVをプラス側に超える電圧が印加されると、表示媒体12において粒子群36の移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに、電圧値を上昇させると、表示媒体12において粒子群36の移動による表示濃度の変化がとまる。
そして、さらに印加電圧を上昇させて、表示基板20と背面基板22との基板間に+mVをプラス側に超える電圧を印加すると、表示媒体12において粒子群34の移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値を上昇させると、表示媒体12において粒子群34の移動による表示濃度の変化が止まる。
反対に、表示基板20と背面基板22との基板間に0Vからマイナス極の電圧を印加して除々に電圧の絶対値を上昇させ、基板間に電圧値−tVの絶対値を超える電圧が印加されると、表示媒体12において粒子群36の基板間の移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに、電圧値の絶対値を上昇させると、表示媒体12において粒子群34の移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値の絶対値を上昇させてマイナス極の電圧を印加し、表示基板20と背面基板22との基板間に電圧値−mVの絶対値を超える電圧が印加されると、表示媒体12において粒子群36の移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値の絶対値を上昇させると、表示媒体12において粒子群34の移動による表示濃度の変化が止まる。
すなわち、本実施の形態では、図2に示すように、基板間の電位差が−tVから+tVの範囲内となるような電圧が表示基板20と背面基板22との基板間に印加された場合には、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度の粒子群36の粒子の移動は生じていないといえる。そして、基板間に、電圧値+tVを超える電圧、または−tV以下の電圧が印加されると、粒子群36の対向基板側への移動が生じる。
また、同様に、基板間の電位差が−mVから+mVの範囲内となるような電圧が表示基板20と背面基板22との基板間に印加された場合には、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度の粒子群34の粒子の移動は生じていないといえる。そして、基板間に、電圧値+mVを超える電圧、または−mV以下の電圧が印加されると、粒子群34の対向基板側への移動が生じる。
また、同様に、基板間の電位差が−mVから+mVの範囲内となるような電圧が表示基板20と背面基板22との基板間に印加された場合には、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度の粒子群34の粒子の移動は生じていないといえる。そして、基板間に、電圧値+mVを超える電圧、または−mV以下の電圧が印加されると、粒子群34の対向基板側への移動が生じる。
このように、表示媒体12の分散媒50に分散されている複数種類の粒子群37は、色が異なるとともに表示基板20と背面基板22との間を移動するにあたって、種類毎に移動するために必要な移動電圧が互いに異なっている。
このような、電界に応じて移動するために必要な移動電圧が異なる複数種の粒子群37の各粒子としては、後述する粒子群37を構成する材料の内の、例えば、帯電制御剤や磁性粉の量、粒子を構成する樹脂の種類や濃度、及び粒子の大きさ等を換える等して、帯電量の異なる粒子を含む粒子分散液をそれぞれ作製し、これを混合することで得られる。
この粒子群37の各粒子としては、ガラスビーズ、アルミナ、酸化チタン等の絶縁性の金属酸化物粒子等、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂粒子、これらの樹脂粒子の表面に着色剤を固定したもの、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂中に着色剤を含有する粒子、及びプラズモン発色機能を有する金属コロイド粒子等が挙げられる。
粒子の製造に使用される熱可塑性樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体あるいは共重合体を例示することができる。
また、粒子の製造に使用される熱硬化性樹脂としては、ジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体や架橋ポリメチルメタクリレート等の架橋樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が挙げられる。
着色剤としては、有機若しくは無機の顔料や、油溶性染料等を使用することができ、マグネタイト、フェライト等の磁性紛、カーボンブラック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、フタロシアニン銅系シアン色材、アゾ系イエロー色材、アゾ系マゼンタ色材、キナクリドン系マゼンタ色材、レッド色材、グリーン色材、ブルー色材等の公知の着色剤を挙げることができる。具体的には、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、等が代表的なものとして例示される。
粒子の樹脂には、必要に応じて、帯電制御剤を混合してもよい。帯電制御剤としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用でき、例えば、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRON E−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属粒子、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属粒子が挙げられる。
粒子の内部や表面には、必要に応じて、磁性材料を混合してもよい。磁性材料は必要に応じてカラーコートした無機磁性材料や有機磁性材料を使用する。また、透明な磁性材料、特に、透明有機磁性材料は着色顔料の発色を阻害せず、比重も無機磁性材料に比べて小さく、より望ましい。
着色した磁性粉として、例えば、特開2003−131420公報記載の小径着色磁性粉を用いることができる。核となる磁性粒子と該磁性粒子表面上に積層された着色層とを備えたものが用いられる。そして、着色層としては、顔料等により磁性粉を不透過に着色する等選定して差し支えないが、例えば光干渉薄膜を用いるのが望ましい。この光干渉薄膜とは、SiO2やTiO2等の無彩色材料を光の波長と同等な厚みを有する薄膜にしたものであり、薄膜内の光干渉により光を波長選択的に反射するものである。
着色した磁性粉として、例えば、特開2003−131420公報記載の小径着色磁性粉を用いることができる。核となる磁性粒子と該磁性粒子表面上に積層された着色層とを備えたものが用いられる。そして、着色層としては、顔料等により磁性粉を不透過に着色する等選定して差し支えないが、例えば光干渉薄膜を用いるのが望ましい。この光干渉薄膜とは、SiO2やTiO2等の無彩色材料を光の波長と同等な厚みを有する薄膜にしたものであり、薄膜内の光干渉により光を波長選択的に反射するものである。
粒子の表面には、必要に応じて、外添剤を付着させてもよい。外添剤の色は、粒子の色に影響を与えないように、透明であることが望ましい。
外添剤としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、アルミナ等の金属酸化物等の無機粒子が用いられる。粒子の帯電性、流動性、及び環境依存性等を調整するために、これらをカップリング剤やシリコーンオイルで表面処理してもよい。
カップリング剤には、アミノシラン系カップリング剤、アミノチタン系カップリング剤、ニトリル系カップリング剤等の正帯電性のものと、窒素原子を含まない(窒素以外の原子で構成される)シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、エポキシシランカップリング剤、アクリルシランカップリング剤等の負帯電性のものがある。また、シリコーンオイルには、アミノ変性シリコーンオイル等の正帯電性のものと、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスルホン変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の負帯電性のものが挙げられる。これらは外添剤の所望の抵抗に応じて選択される。
上記外添剤の中では、よく知られている疎水性シリカや疎水性酸化チタンが望ましく、特に特開平10−3177記載のTiO(OH)2と、シランカップリング剤等のシラン化合物との反応で得られるチタン化合物が好適である。シラン化合物としてはクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用することも可能である。このチタン化合物は、湿式工程の中で作製されるTiO(OH)2にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを反応、乾燥させて作製される。数百度という焼成工程を通らないため、Ti同士の強い結合が形成されず、凝集が全くなく、粒子は一次粒子の状態である。さらに、TiO(OH)2にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを直接反応させるため、シラン化合物やシリコーンオイルの処理量を多くすることができて、シラン化合物の処理量等を調整することにより帯電特性が制御され、且つ付与できる帯電能も従来の酸化チタンのそれより顕著に改善される。
外添剤の一次粒子は、一般的には1nm以上100nm以下であり、5nm以上50nm以下であることがより良いが、これに限定されない。
外添剤と粒子の配合比は粒子の粒径と外添剤の粒径の兼ね合いから調整される。外添剤の添加量が多すぎると粒子表面から該外添剤の少なくとも一部が遊離し、これが他方の粒子の表面に付着して、所望の帯電特性が得られなくなる。一般的には、外添剤の量は、粒子100質量部に対して、0.01質量部以上3質量部以下、また0.05質量部以上1質量部以下であることがより良い。
外添剤は、複数種類の粒子の何れか1種にだけ添加してもよいし、複数種又は全種類の粒子へ添加してもよい。全粒子の表面に外添剤を添加する場合は、粒子表面に外添剤を衝撃力で打込んだり、粒子表面を加熱して外添剤を粒子表面に強固に固着したりすることが望ましい。これにより、外添剤が粒子から遊離し、異極性の外添剤が強固に凝集して、電界で解離させることが困難な外添剤の凝集体を形成することが防止され、ひいては画質劣化が防止される。
粒子群37を作製する方法としては、従来公知のどの方法を用いてもよい。例えば、特開平7−325434公報記載のように、樹脂、顔料及び帯電制御剤を所定の混合比になるように計量し、樹脂を加熱溶融させた後に顔料を添加して混合、分散させ、冷却した後、ジェットミル、ハンマーミル、ターボミル等の粉砕機を用いて粒子を調製し、得られた粒子をその後分散媒に分散する方法が使用される。また、懸濁重合、乳化重合、分散重合等の重合法やコアセルベーション、メルトディスパージョン、エマルジョン凝集法で帯電制御剤を粒子中に含有させた粒子を調製し、その後分散媒に分散して粒子分散媒を作製してもよい。さらにまた、樹脂が可塑化可能で、分散媒が沸騰せず、かつ、樹脂、帯電制御剤及び/又は着色剤の分解点よりも低温で、前記の樹脂、着色剤、帯電制御剤及び分散媒の原材料を分散及び混錬される適当な装置を用いる方法がある。具体的には、流星型ミキサー、ニーダー等で顔料と樹脂、帯電制御剤を分散媒中で加熱溶融し、樹脂の溶媒溶解度の温度依存性を利用して、溶融混合物を撹拌しながら冷却し、凝固/析出させて粒子を作製すればよい。
さらにまた、分散及び混練のための粒状メデイアを装備した適当な容器、例えばアトライター、加熱したボールミル等の加熱された振動ミル中に上記の原材料を投入し、この容器を望ましい温度範囲、例えば80℃以上160℃以下で分散及び混練する方法が使用できる。粒状メデイアとしては、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼、アルミナ、ジルコニア、シリカ等が望ましく用いられる。この方法によって粒子を作製するには、あらかじめ流動状態にした原材料をさらに粒状メデイアによって容器内に分散させた後、分散媒を冷却して分散媒から着色剤を含む樹脂を沈殿させる。粒状メデイアは冷却中及び冷却後にも引き続き運動状態を保ちながら、剪断及び衝撃の少なくとも一方を発生させ粒子径を小さくする。
粒子群37の体積充填率は、所望の色相が得られる濃度であれば特に限定されるものではなく、セルの厚さ(すなわち、表示基板20と背面基板との基板間の距離)により充填率を調整することが、表示媒体12としては有効である。即ち、所望の色相を得るために、セルが厚くなるほど充填率は低くなり、セルが薄くなるほど充填率は高くなる。一般的には、1%以上60%以下である。
粒子群37を構成する各粒子の体積平均一次粒径は、後述する凹部52の開口径に応じて定められればよい。
なお、本実施の形態では、体積平均一次粒径の測定方法としては、各種類すなわち各色の粒子群37にレーザ光を照射し、そこから発せられる回折、散乱光の強度分布パターンから体積平均一次粒子径を測定する、レーザ回折散乱法を採用する。なお、測定は動的光散乱式粒径分布測定装置(LB−550、(株)堀場製作所)を用い、25℃で測定を行った。
なお、本実施の形態では、体積平均一次粒径の測定方法としては、各種類すなわち各色の粒子群37にレーザ光を照射し、そこから発せられる回折、散乱光の強度分布パターンから体積平均一次粒子径を測定する、レーザ回折散乱法を採用する。なお、測定は動的光散乱式粒径分布測定装置(LB−550、(株)堀場製作所)を用い、25℃で測定を行った。
ここで、上述のように、表示媒体12表示媒体12の分散媒50に分散されている粒子群37は、各種類毎に、表示基板20と背面基板22との間を移動するにあたって、移動するために必要な移動電圧が異なっている。
このため、基板間に粒子群37の中の特定の種類の粒子群のみを移動させるための電圧を選択的に印加すれば、選択的に目的とする色の粒子群が移動される。しかし、この移動電圧が各種類の粒子間で近い値となるほど、特定の粒子群を移動させるための電圧を基板間に印加した場合であっても、移動対象外の粒子群までも同時に基板間を移動する場合がある。
この傾向は、各種類間の移動電圧の値の差が小さいほど顕著である。例えば、図3に示すように、粒子群34の移動電圧が、図2に示す+mVより小さく且つ+tVより大きい値である+sV、及び−mVより大きく且つ−tVより小さい−sVである場合には、粒子群36のみを移動させるために+tV以上の電圧を印加したときに、粒子群36のみではなく粒子群34までも同時に移動される場合がある。
このため、基板間に粒子群37の中の特定の種類の粒子群のみを移動させるための電圧を選択的に印加すれば、選択的に目的とする色の粒子群が移動される。しかし、この移動電圧が各種類の粒子間で近い値となるほど、特定の粒子群を移動させるための電圧を基板間に印加した場合であっても、移動対象外の粒子群までも同時に基板間を移動する場合がある。
この傾向は、各種類間の移動電圧の値の差が小さいほど顕著である。例えば、図3に示すように、粒子群34の移動電圧が、図2に示す+mVより小さく且つ+tVより大きい値である+sV、及び−mVより大きく且つ−tVより小さい−sVである場合には、粒子群36のみを移動させるために+tV以上の電圧を印加したときに、粒子群36のみではなく粒子群34までも同時に移動される場合がある。
そこで、本実施の形態の表示媒体12においては、表示基板20及び背面基板22の対向面に複数の凹部52が設けられている。
詳細には、図4及び図5に示すように、表示基板20と背面基板22の対向面(本実施形態では表示電極40及び背面電極46の対向面)には、各々、対向する基板側(表示基板20側または背面基板22側)に開口した凹部52が複数設けられている。
なお、本実施の形態では、表示基板20及び背面基板22の双方の対向面に複数の凹部52が設けられている場合を説明するが、何れか一方の基板のみに設けた形態であってもよい。なお、発色性低下を抑制する観点からは、少なくとも表示基板20側に凹部52が設けられていることが好ましく、双方の基板に凹部52が設けられていることがより好ましい。
なお、本実施の形態では、表示基板20及び背面基板22の双方の対向面に複数の凹部52が設けられている場合を説明するが、何れか一方の基板のみに設けた形態であってもよい。なお、発色性低下を抑制する観点からは、少なくとも表示基板20側に凹部52が設けられていることが好ましく、双方の基板に凹部52が設けられていることがより好ましい。
凹部52は、表示媒体12において、より発色性を向上させるという観点からは、一対の基板(表示基板20と背面基板22)の対向面の全領域に渡って設けられていることが好ましいが、一部の領域にのみ設けられた構成であってよい
なお、この凹部52が、本発明の表示媒体の第1の凹部に相当する。
この凹部52においては、複数種類の粒子群37の内の、上述の体積平均一次粒子径の異なる2種類の粒子群(粒子群34及び粒子群36)の内の、一方の粒子群が、この凹部52の内壁に接触する接触部を複数形成しうる又は該内壁に面接触するように存在しうると共に、他方の粒子群が該凹部52の内壁に点接触しうる又は該他方の粒子群の体積平均一次粒子径より小さい開口径を有する形状及び大きさとなるように、形成されている。
上記「凹部52の内壁に接触する接触部を複数形成しうる」とは、該一方の粒子群を構成する粒子が、分散媒50中を移動して表示基板20または背面基板22に設けられた凹部52内に入り込んだときに、凹部52内において点接触する位置が複数存在する状態になりうることを示している。
また、上記「該内壁に面接触するように存在しうる」とは、一方の粒子群を構成する粒子が、分散媒50中を移動して表示基板20または背面基板22に設けられた凹部52内に入り込んだときに、該粒子群の外表面が凹部52の内壁に沿った形状であって面接触するように存在しうる状態になりうることを示している。
また、上記「該内壁に面接触するように存在しうる」とは、一方の粒子群を構成する粒子が、分散媒50中を移動して表示基板20または背面基板22に設けられた凹部52内に入り込んだときに、該粒子群の外表面が凹部52の内壁に沿った形状であって面接触するように存在しうる状態になりうることを示している。
本実施の形態では、図4及び図5に示すように、凹部52においては、粒子群34が、凹部52内に入り込んだときに少なくとも凹部52の壁面に接触する接触部を複数形成するように形成されているとして説明する。また、凹部52においては、開口径が粒子群36の体積平均一次粒子径以下となるように構成されており、粒子群36が凹部52の内部には入り込めないように形成されているとする。なお、この凹部52の大きさ及び形状は、上記の条件を満たす構成であればよく、このような形態に限られない。
本実施の形態においては、表示基板20と背面基板22との間に電界が形成されることで表示基板20側または背面基板22側に到達した粒子群34及び粒子群36の内、粒子群34は、凹部52の内部に入り込んで凹部52の内壁面に接触部を複数形成するように位置され、粒子群36は、凹部52の外部に接触するように位置される。
このため、表示基板20側または背面基板22側に到達した粒子群37の内の、粒子群34の表示基板20または背面基板22へ接触する接触面積は、粒子群36の表示基板20または背面基板22へ接触する接触面積より大きくなる。従って、表示基板20及び背面基板22の双方に凹部52が設けられていない構成である場合に比べて、粒子群34と粒子群36との移動電圧の差が大きくなる。
このため、移動対象となる粒子群を選択的に移動させることができると共に、該粒子群を移動させるときに移動対象外の粒子群の移動が抑制され、発色性の低下が抑制される。
この粒子群34と粒子群36との体積平均一次粒子径の差は、発色性の低下の効果的な抑制の観点から、5倍以上異なることが好ましく、10倍以上異なることがより好ましい。
なお、本実施の形態では、図4及び図5に示すように、粒子群34が、凹部52の内部に入り込んで凹部52の内壁面に接触部を複数形成するように位置され、粒子群36は、凹部52の外部に接触するように位置される場合を説明するが、粒子群36が凹部52の開口径より小さい体積平均一次粒子径である構成であってもよい。この場合には、図6に示すように凹部52の内壁に粒子群34が点接触し、粒子群36が凹部52の内壁に面接触または凹部52の内壁面に接触部を複数形成する構成であればよい。
上記凹部52は、表示基板20及び背面基板22各々が、上述のように、対向面に表面層27及び表面層29を各々設けた構成である場合には、この表面層27及び表面層29各々に形成してもよいが、凹部52は、表示基板20及び背面基板22の対向面に形成されていればよく、表示基板20及び背面基板22の対向面に各々支持基板38及び支持基板44が位置された構成である場合には、これらの支持基板38及び支持基板44の対向面に凹部52を設けた構成とすればよい。
この凹部52の形成方法としては、レーザー加工、例えば、高周波短パルス法等により凹部52を形成する方法や、スクリーン印刷法、凸版印刷法や、凹版印刷(グラビア印刷)法等を用いることにより凹部52を形成する方法が挙げられる。
また、エッチング法や、インプリント法により形成してもよい。
また、エッチング法や、インプリント法により形成してもよい。
表示基板20と背面基板22との基板間の隙を保持するための間隙部材24は、表示基板20の透光性を損なわないように形成され、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、光硬化樹脂、ゴム、金属等で形成される。
間隙部材24は表示基板20及び背面基板22の何れか一方と一体化されてもよい。この場合には、支持基板38又は支持基板44をエッチングするエッチング処理、レーザー加工処理、予め作製した型を使用してプレス加工処理又は印刷処理等を行うことによって作製することができる。
この場合、間隙部材24は、表示基板20側、背面基板22側のいずれか、又は双方に作製することができる。
この場合、間隙部材24は、表示基板20側、背面基板22側のいずれか、又は双方に作製することができる。
間隙部材24は有色でも無色でもよいが、表示媒体12に表示される表示画像に悪影響を及ぼさないように無色透明であることが望ましく、その場合には、例えば、ポリスチレンやポリエステルやアクリルなどの透明樹脂等を使用することができる。
また、粒子状の間隙部材24もまた透明であることが望ましく、ポリスチレン、ポリエステル又はアクリル等の透明樹脂粒子の他、ガラス粒子も使用できる。
なお、「透明」とは、可視光に対して、透過率60%以上有することを示している。
粒子群37が分散される分散媒50としては、絶縁性液体であることが望ましい。ここで、「絶縁性」とは、体積固有抵抗が1011Ωcm以上であることを示している。以下同様である。
上記絶縁性液体として具体的には、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、デカン、ヘキサデカン、ケロセン、パラフィン、イソパラフィン、シリコーンオイル、ジククロロエチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、高純度石油、エチレングリコール、アルコール類、エーテル類、エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、N−メチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ベンジン、ジイソプロピルナフタレン、オリーブ油、イソプロパノール、トリクロロトリフルオロエタン、テトラクロロエタン、ジブロモテトラフルオロエタンなどや、それらの混合物が好適に使用される。
また、下記体積抵抗値となるよう不純物を除去することで、水(所謂、純水)も、分散媒50として好適に使用することができる。該体積抵抗値としては、103Ωcm以上であることが望ましく、107Ωcm以上1019Ωcm以下であることがより好適であり、さらに1010Ωcm以上1019Ωcm以下であることがより良い。この範囲の体積抵抗値とすることで、より効果的に、粒子群に電界を印加することが可能となり、かつ、電極反応に起因する液体の電気分解による気泡の発生が抑制され、通電毎に粒子の電気泳動特性が損なわれることがなく、優れた繰り返し安定性が付与される。
なお、絶縁性液体には、必要に応じて、酸、アルカリ、塩、分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収などを目的とした安定剤、抗菌剤、防腐剤などを添加することができるが、上記で示した特定の体積抵抗値の範囲となるように添加することが望ましい。
また、絶縁性液体には、帯電制御剤として、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、金属石鹸、アルキルリン酸エステル類、コハク酸イミド類等を添加して使用される。
イオン性及び非イオン性の界面活性剤としては、より具体的には以下があげられる。ノニオン活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸等がある。カチオン界面活性剤としては、第一級ないし第三級のアミン塩、第四級アンモニウム塩等があげられる。これら帯電制御剤は、粒子固形分に対して0.01質量%以上、20質量%以下が望ましく、特に0.05〜10質量%の範囲が望ましい。0.01質量%を下回ると、希望とする帯電制御効果が不充分であることがあり、また20質量%を越えると、現像液の過度な電導度の上昇を引き起こすことがあり、使い難くなるからである。
なお、表示媒体12に封入される上記粒子群37は、分散媒50として高分子樹脂に分散されていることも望ましい。この高分子樹脂としては、高分子ゲル、高分子ポリマー等であることも望ましい。
この高分子樹脂としては、アガロース、アガロペクチン、アミロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、イソリケナン、インスリン、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カードラン、カゼイン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、カロース、寒天、キチン、キトサン、絹フィブロイン、クアーガム、クインスシード、クラウンゴール多糖、グリコーゲン、グルコマンナン、ケラタン硫酸、ケラチン蛋白質、コラーゲン、酢酸セルロース、ジェランガム、シゾフィラン、ゼラチン、ゾウゲヤシマンナン、ツニシン、デキストラン、デルマタン硫酸、デンプン、トラガカントゴム、ニゲラン、ヒアルロン酸、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プスツラン、フノラン、分解キシログルカン、ペクチン、ポルフィラン、メチルセルロース、メチルデンプン、ラミナラン、リケナン、レンチナン、ローカストビーンガム等の天然高分子由来の高分子ゲルが挙げられる他、合成高分子の場合にはほとんどすべての高分子ゲルが挙げられる。
更に、アルコール、ケトン、エーテル、エステル、及びアミドの官能基を繰り返し単位中に含む高分子等が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミドやその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシドやこれら高分子を含む共重合体が挙げられる。
これら中でも、製造安定性、電気泳動特性等の観点から、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミド等が望ましく用いられる。
これら高分子樹脂は、前記絶縁性液体と共に分散媒50として用いることが望ましい。
また、この分散媒50に下記着色剤を混合することで、表示媒体12に粒子群37の色とは異なる色を表示させることも可能となる。
この分散媒50に混合する着色剤としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、フタロシアニン銅系シアン色材、アゾ系イエロー色材、アゾ系マゼンタ色材、キナクリドン系マゼンタ色材、レッド色材、グリーン色材、ブルー色材等の公知の着色剤が挙げられる。
分散媒50の粘度は、温度20℃の環境下において、0.1mPa・s以上100mPa・s以下であることが粒子の移動速度、すなわち、表示速度の観点から必須であり、0.1mPa・s以上50mPa・s以下であることが望ましく、0.1mPa・s以上20mPa・s以下であることが更に望ましい。
分散媒50の粘度の調整は、分散媒の分子量、構造、組成等を調整することによって可能である。なお、この粘度の測定には、東京計器製B−8L型粘度計が用いられる。
上記表示基板20及び背面基板22を、間隙部材24を介して互いに固定するには、ボルトとナットの組み合わせ、クランプ、クリップ、基板固定用の枠等の固定手段を使用することができる。また、接着剤、熱溶融、超音波接合等の固定手段も使用される。
このように構成される表示媒体12は、画像の保存及び書換えが可能な掲示板、回覧版、電子黒板、広告、看板、点滅標識、電子ペーパー、電子新聞、電子書籍、及び複写機・プリンタと共用できるドキュメントシート等に使用される。
上記説明した表示媒体12においては、表示基板20と背面基板22とに印加する電圧の電圧値を変えることによって、異なる色が表示される。
表示媒体12では、表示基板20と背面基板22との間に形成された電界に応じて各種類の粒子群37が移動することによって、表示媒体12の各画素に対応する領域毎に、画像データの各画素に応じた色が表示される。このような移動電圧の選択的な印加による表示は、表示媒体12を、表示装置10に設けた構成とすることによって実現される。
本実施形態に係る表示装置10は、図1に示すように、表示媒体12と、表示媒体12に電圧を印加する電圧印加部16と、制御部18と、を含んで構成されている。
電圧印加部16は、表示電極40及び背面電極46に電気的に接続されている。なお、本実施の形態では、表示電極40及び背面電極46の双方が、電圧印加部16に電気的に接続されている場合を説明するが、表示電極40及び背面電極46の一方が、接地されており、他方が電圧印加部16に接続された構成であってもよい。
電圧印加部16は、制御部18に信号授受可能に接続されている。
制御部18は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)と、各種データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、装置全体を制御する制御プログラム等の各種プログラムが予め記憶されたROM(Read Only Memory)と、を含むマイクロコンピュータとして構成されている。
電圧印加部16は、表示電極40及び背面電極46に電圧を印加するための電圧印加装置であり、制御部18の制御に応じた電圧を表示電極40及び背面電極46間に印加する。
表示媒体12を、このような表示装置10に設けて、制御部18の制御によって表示基板20と背面基板22との間に、複数種類の粒子群37としての粒子群34及び粒子群36各々の移動電圧に応じて、選択的に所定の極性及び電圧値の電圧を印加することによって、表示対象となる色表示がなされる。
例えば、制御部18による電圧印加部16の制御によって、表示電極40と背面電極46との間に−mV以下の電圧が印加されると、図7(A)に示すように、粒子群34及び粒子群36の双方が背面基板22側に移動する。
次に、表示電極40と背面電極46との間に、+tV以上+mV未満の範囲内(図4参照)の電圧値の電圧が印加されると、粒子群34と粒子群36の内、該電圧値の範囲の絶対値未満の移動電圧を示す粒子群である粒子群36が、表示基板20側に移動する。このとき、背面基板22の表示基板20との対向面には凹部52が設けられていることから、接触面積の差によって移動電圧の差が凹部52の設けられていない場合に比べて大きくなり、粒子群36と粒子群34の内の、より基板との接触面積が小さい粒子群36のみが対向する基板側(図7(B)では表示基板20側)へ向かって移動し、粒子群34の移動は抑制される。
次に、表示電極40と背面電極46との間に、+tV以上+mV未満の範囲内(図4参照)の電圧値の電圧が印加されると、粒子群34と粒子群36の内、該電圧値の範囲の絶対値未満の移動電圧を示す粒子群である粒子群36が、表示基板20側に移動する。このとき、背面基板22の表示基板20との対向面には凹部52が設けられていることから、接触面積の差によって移動電圧の差が凹部52の設けられていない場合に比べて大きくなり、粒子群36と粒子群34の内の、より基板との接触面積が小さい粒子群36のみが対向する基板側(図7(B)では表示基板20側)へ向かって移動し、粒子群34の移動は抑制される。
そして、更に、表示電極40と背面電極46との間に、+mVを超える電圧が印加されると、図7(C)に示すように、背面基板22側に位置していた粒子群34もまた表示基板20側へと移動する。
一方、表示基板20側に粒子群34及び粒子群36の双方が位置している状態で、−tV以下で且つ−mVを超える電圧が印加されると、粒子群34及び粒子群36の内、粒子群36のみが背面基板22側へと移動する。同様に、表示基板20の背面基板22との対向面には、凹部52が設けられていることから、接触面積の差によって移動電圧の差が凹部52の設けられていない場合に比べて大きくなり、粒子群34及び粒子群36の内の、より基板との接触面積の小さい粒子群36のみが対向する基板側(図7(D)では背面基板22側)へ向かって移動し、粒子群34の移動は抑制される。
以上説明したように、本実施の形態の表示媒体12及び表示媒体12を備えた表示装置10においては、表示媒体12の表示基板20と背面基板22の対向する基板面側に、該対向する基板側に向かって開口された凹部52が複数設けられており、この凹部52を、複数種類の粒子群37の内の、上述の体積平均一次粒子径の異なる2種類の粒子群(粒子群34及び粒子群36)の内の、一方の粒子群が、この凹部52の内壁に接触する接触部を複数形成しうる又は該内壁に面接触するように存在しうると共に、他方の粒子群が該凹部52の内壁に点接触しうる又は該他方の粒子群の体積平均一次粒子径より小さい開口径を有する形状及び大きさとなるように設けたので、これらの2種類の粒子群が各基板側に位置しているときの基板との接触面積に差が生じることとなり、表示媒体12に含まれている該2種類の粒子各々の移動電圧の差が、基板の対向面に凹部52の設けられていない場合に比べて大きくなる。このため、表示媒体12に分散されている複数種類の粒子群37の内の、特定の色の粒子群を移動させるための移動電圧の差が、凹部52の設けられていない場合に比べて広がり、移動対象の粒子群が選択的に移動される。従って、発色性の低下が抑制される。
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、表示基板20と背面基板22の対向面に凹部52が設けられている場合を説明したが、本実施の形態では、さらに、粒子群37の内の少なくとも1種類の粒子群を構成する粒子の表面に凹部が設けられている場合を説明する。
上記第1の実施の形態では、表示基板20と背面基板22の対向面に凹部52が設けられている場合を説明したが、本実施の形態では、さらに、粒子群37の内の少なくとも1種類の粒子群を構成する粒子の表面に凹部が設けられている場合を説明する。
なお、本実施の形態における表示装置11及び表示媒体13は、第1の実施の形態で説明した表示装置10及び表示媒体12と、粒子群37の内の少なくとも1種類が表面に凹部の設けられた粒子群である以外は同一構成であるため、同一部分には同じ符号を付与して詳細な説明を省略する。
表示媒体13は、表示基板20、背面基板22、間隙部材24、及び各セル内に封入された粒子群37を含んで構成されている。このセル中には、分散媒50が封入されている。粒子群37は、複数の粒子から構成されており、この分散媒50中に分散され、セル内に形成された電界強度に応じて表示基板20と背面基板22との基板間を移動する。
第1の実施の形態で説明したように、表示基板20は、支持基板38上に、表示電極40、及び表面層27を順に積層した構成となっている。背面基板22は、支持基板44上に、背面電極46、及び表面層29を積層した構成となっている。この表示基板20と背面基板22の対向面(本実施形態では表示電極40及び背面電極46の対向面)には、各々、対向する基板側(表示基板20側または背面基板22側)に開口した凹部52が複数設けられている。
粒子群37は、第1の実施の形態で説明したように、互いに色及び移動するために必要な移動電圧の異なる複数種類の粒子群から構成されている。そして、表示基板20及び背面基板22の少なくとも一方に設けられた凹部52は、これらの複数種類の粒子群の内の互いに体積平均一次粒子径の異なる少なくとも2種類の内の一方が少なくとも表示基板20及び背面基板22の少なくとも一方に設けられた凹部52の内壁に接触する接触部を複数形成しうる又は該内壁に面接触するように存在しうると共に、他方が該凹部52の内壁に点接触しうる又は該他方の粒子群の体積平均一次粒子径より小さい開口径を有するように設けられている。
本実施の形態においては、この複数種類の粒子群の内の、上記少なくとも2種類は予め同極性に帯電されており、且つ該2種類の内の、他方より体積平均一次粒子径の大きい一方の粒子群が、表面に、他方の粒子群が少なくとも複数存在しうる複数の凹部39(詳細後述)を有している。なお、この凹部39が、本発明の表示媒体の第2の凹部に相当する。
本実施の形態では、粒子群37は、粒子群36と、粒子群36より小さい体積平均一次粒子径であり且つ移動電圧の異なる粒子群34と、から構成されている。さらに、本実施の形態では、粒子群36は、粒子群34より大きい体積平均一次粒子径であり、互いに色及び移動電圧が異なると共に基板間に電界が形成されたときに互いに反対方向へと移動する粒子群36A及び粒子群36Bを含んで構成されている。
さらに、本実施の形態では、図6に示すように、粒子群36は凹部52の内壁に面接触しうる構成であり、粒子群36より体積平均一次粒子径の小さい粒子群34が凹部52の内壁に点接触する構成であるとして説明する。
また、本実施の形態では、この粒子群36は、互いに逆極性に帯電された粒子群36A及び粒子群36Bから構成されているとして説明する。
この粒子群34の体積平均一次粒子径は、粒子群36A及び粒子群36Bの隙間を移動可能な大きさとされている。このため、粒子群34の体積平均一次粒子径は、粒子群36A及び粒子群36Bの体積平均一次粒子径の10倍以上であることが望ましい。また、粒子群34の大きさは、小さいほうが高解像度の画像表示が可能であるが、移動速度が低下して表示切り替え速度が低下することや、表示のメモリ性と分散安定性の両立が難しくなることから、20nm以上10μm以下であることが望ましい。
なお、粒子群36A及び粒子群36Bは、表示基板20と背面基板22との間にそれぞれ1層並べる程度の充填量としてもよいが、複数層配置可能な充填量した方がより高い隠蔽性が得られるため好ましい。この場合、粒子群36A及び粒子群36Bの大きさが大きくなると、基板間距離が大きくなり、表示駆動電圧の増大や、表示切替速度の低下が発生するため、粒子群36A及び粒子群36Bの大きさは、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。
また、本実施形態の粒子群36A及び粒子群36Bは、予め定めた特定レベルの電圧を基板間に予め定めた特定時間印加して電界を与えた場合にそれぞれ異なる基板側に移動されるようになっており、本実施形態では、粒子群36Aが負に帯電され、粒子群36Bが正に帯電しているものとして説明するが、正負がそれぞれ逆としてもよい。また、何れか一方のみ帯電するものとしても帯電している方の着色粒子の移動によって他方の着色粒子を反対側の基板側に移動させることができるので、何れか一方のみを正または負に帯電するようにしてもよい。
粒子群36A及び粒子群36Bは、それぞれ基板間の移動と表示濃度を確保するために、セル内の空間を100%とした場合に、体積充填率が10%〜60%とされており、好ましくは、30〜50%とされている。そして、粒子群36A及び粒子群36Bが凝集した状態(基板間に電界を印加して各基板方向に移動して集まった状態)の場合に、粒子群34は、上述したように、粒子群36A及び粒子群36B間を通過可能とされている。
この複数種類の粒子群37は、第1の実施の形態で説明したように、基板間を電気泳動する粒子群であり、電界に応じて移動するために必要な移動電圧が各色の粒子群でそれぞれ異なる。
次に、本実施の形態の表示媒体13で用いる複数種類の粒子群37における、基板間に印加する電圧の電圧値と、各色の粒子群37の基板間の移動による表示濃度の変化との関係を、図9及び図10を用いて具体的に説明する。
なお、以下で説明する電圧値-mV、-tV、+tV、+mVは、-mV<-tV<+tV<+mVの関係であるとして説明する。
また、本実施の形態では、粒子群34及び粒子群36Aは、共にマイナスに帯電されており、粒子群36Bはプラスに帯電されているものとして説明するが、第1の実施の形態で説明したように、表示基板20及び背面基板22の凹部52に対して該凹部52の設けられた基板側に接触したときの接触面積が互いに異なる2種類の粒子群同士が同極性であればよい。
また、本実施の形態では、粒子群34及び粒子群36Aは、共にマイナスに帯電されており、粒子群36Bはプラスに帯電されているものとして説明するが、第1の実施の形態で説明したように、表示基板20及び背面基板22の凹部52に対して該凹部52の設けられた基板側に接触したときの接触面積が互いに異なる2種類の粒子群同士が同極性であればよい。
また、本実施の形態では、粒子群34が背面基板22側から表示基板20側へ移動を開始するときの移動電圧が+mV、表示基板20側から背面基板22側へ移動を開始するときの移動電圧が-mVであるとして説明する。また、粒子群36Aが背面基板22側から表示基板20側へ移動を開始するときの移動電圧が+tV、表示基板20側から背面基板22側へ移動を開始するときの移動電圧が−tVであるとして説明する。さらに、粒子群36Bが背面基板22側から表示基板20側へ移動を開始するときの移動電圧が−tV、表示基板20側から背面基板22側へと移動を開始するときの移動電圧が+tVであるとして説明する。
粒子群34及び粒子群36Aが背面基板22側に位置し、粒子群36Bが表示基板20側に位置されている状態(図10(A)参照)から、表示基板20と背面基板22との基板間に0Vから電圧を印加して除々に印加電圧の電圧値を上昇させて、基板間に+tVを超える電圧が印加されると、表示媒体13においては、粒子群36Aの背面基板22側から表示基板20側への移動が開始されると共に、粒子群36Bの表示基板20側から背面基板22側への移動が開始されて、表示濃度に変化が現れ始める。さらに、電圧値を上昇させると、表示媒体13における粒子群36A及び粒子群36Bの互いに逆方向への基板への移動による表示濃度の変化が止まる(図10(B)参照)。
このとき、視認方向側(図10中、矢印X方向)から視認されると、粒子群36Aの色が表示媒体13の色として視認される。
そして、さらに印加電圧を上昇させて、表示基板20と背面基板22との基板間に+mVを超える電圧を印加すると、表示媒体13において粒子群34の背面基板22側から表示基板20側への移動が開始されて該粒子群34の移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値を上昇させると、粒子群34の移動による表示濃度の変化が止まる(図10(C)参照)。
このとき、視認方向側(図10中、矢印X方向)から視認されると、粒子群34による色が表示媒体13の色として視認される。
反対に、表示基板20と背面基板22との基板間に0Vからマイナス極の電圧を印加して除々に電圧の絶対値を上昇させ、基板間に電圧値−tVの絶対値を超える電圧が印加されると、表示媒体13においては、粒子群36Aの表示基板20側から背面基板22側への移動が開始されると共に、粒子群36Bの背面基板22側から表示基板20側への移動が開始されて、表示濃度に変化が現れ始める。さらに、電圧値を上昇させると、表示媒体13における粒子群36A及び粒子群36Bの互いに逆方向への基板への移動による表示濃度の変化が止まる(図10(D)参照)。
このとき、視認方向側(図10中、矢印X方向)から視認されると、粒子群34による色が表示媒体13の色として視認される。
そして、電圧値の絶対値を上昇させてマイナス極の電圧を印加し、表示基板20と背面基板22との基板間に−mVの絶対値を超える電圧を印加すると、表示媒体13において粒子群34の表示基板20側から背面基板22側への移動が開始されて該粒子群34の移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値の絶対値を上昇させてマイナス極の電圧を印加すると、粒子群34の移動による表示濃度の変化が止まる(図10(A)参照)。
このとき、視認方向側(図10中、矢印X方向)から視認されると、粒子群36Bによる色が表示媒体13の色として視認される。
このように、表示媒体12の分散媒50に分散されている粒子群37は、各色毎に、表示基板20と背面基板22との間を移動するにあたって、移動するために必要な移動電圧が異なっており、また、第1の実施の形態で説明したように、表示基板20及び背面基板22の対向面には、凹部52が設けられていることから、図6に示すように、粒子群36と基板との間の接触面積は粒子群34に比べて大きい。このため、表示基板20及び背面基板22の対向面に凹部52が設けられた構成では無い場合に比べて、粒子群34と粒子群36との間の移動電圧の差が広がり、より選択的に各種類の粒子群が移動され、色再現性の向上が図れる。
ここで、分散媒50中に、大きさ(体積平均一次粒子径)の異なる粒子群(粒子群34及び粒子群36)を分散させた表示媒体13においては、体積平均一次粒子径の小さい粒子群34に比べて体積平均一次粒子径の大きい粒子群36の占有面積が大きくなり、より体積平均一次粒子径の小さい粒子群34による発色性が劣る場合がある。また、表示基板20側または背面基板22側に体積平均一次粒子径のより小さい粒子群34が存在している状態で、更に該粒子群34の存在している基板側に、より体積平均一次粒子径の大きい粒子群36が到達すると、粒子群36の該基板側への到達により該基板側に位置していた粒子群34が分散媒50中に分散されて発色性の低下が発生する場合がある。
そこで、本実施の形態の表示媒体13においては、図11に示すように、より体積平均一次粒子径の大きい粒子群36を構成する粒子の表面には複数の凹部39が設けられている。
なお、本実施の形態では、
なお、本実施の形態では、
粒子群36としては、図11に示すように、母粒子62の表面に複数の凹部39が設けられた形態であってもよいし、図12に示すように、母粒子62の表面に複数の第3の粒子64が付着することにより凹部39の形成された形態であってもよい。なお、本実施の形態では、粒子群36A及び粒子群36Bの双方に凹部39が形成されている場合を説明するが、粒子群37を構成する複数種類の粒子群の内の、基板間に電界が形成されたときに同じ方向へ移動する(例えば、同極性に帯電)複数種類の粒子群の内の、少なくとも最も体積平均一次粒子径の小さい粒子群より体積平均一次粒子径の大きい種類の粒子群の表面に、凹部39が設けられた構成であればよい。例えば、粒子群36A及び粒子群36Bの何れか一方のみに凹部39の形成された構成であってもよい。
粒子群36(粒子群36A及び粒子群36B)の表面における凹部39の形成された領域の割合は、粒子群36より体積平均一次粒子径の小さい粒子群34の発色性の低下抑制の観点から、母粒子62の表面の少なくとも50%以上を占める領域であればよく、好ましくは、70%以上、さらに好ましくは、80%以上である。
この粒子群36の表面における凹部39の開口、深さ、及び形状は、凹部39の内部に粒子群34を構成する粒子が複数存在しうる開口、深さ、及び形状であればよい。
このように、粒子群36の表面に凹部39が形成されていることで、例えば、図13に示すように、表示基板20または背面基板22側に粒子群36が到達したときには、既に基板側に到達していた粒子群34は該基板側に位置されたまま粒子群36の凹部39内に位置されることになる。このため、何れか一方の基板側に位置していた粒子群34が、分散媒50中を移動してきた粒子群36によって位置されている基板側から剥離されたり位置を変更されたりすることが抑制され、粒子群34の発色性の低下が抑制される。
このような表面に凹部39の形成された粒子群36を構成する粒子各々を構成する母粒子62としては、粒子群36が電気泳動しない粒子である場合には、例えば、酸化チタンや酸化ケイ素、酸化亜鉛などの白色顔料を、ポリスチレンやポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ホルムアルデヒド縮合物などに分散した粒子が使用される。また、粒子群36を白色以外の粒子とする場合、例えば、所望の色の顔料、あるいは染料を内包した前記した樹脂粒子を使用することができる。顔料や染料は、例えばRGBやYMC色であれば、印刷インキやカラートナーに使用されている一般的な顔料あるいは染料を使用できる。
この母粒子62の表面自体に複数の凹部68を設けることで、凹部39を有する粒子群36を調整する場合には、下記方法を用いればよい。
詳細には、懸濁重合法において、モノマーに、炭酸塩、たとえば、炭酸カルシウム微粒子を分散させ、水相中で懸濁、重合し、その後、酸などで、炭酸カルシウムを分解、溶出させる。もしくは、モノマー中にモノマーと貧溶媒である溶媒を含有させ、懸濁、重合させ、加熱させ、貧溶媒を除去する方法で作製することができる。
また、その他の方法としては、懸濁重合法や液中乾燥法を用いて球形の粒子を高温短時間で処理することにより作製する方法が挙げられる。この高温短時間で処理する方法としては、熱風ドライヤーにより80℃から150℃の熱風を数分あてる方法や、3kV〜10kVの電子ビームを数分照射する方法や、シリコンオイル中に粒子を分散させた分散液を80℃から150℃に加熱して数分間保持する方法等が挙げられる。
また、この母粒子62に凹部39を設ける方法として、母粒子62の表面に複数の第3の粒子64を付着させることによって凹部39(図12参照)を構成する場合には、下記方法を用いればよい。
なお、この第3の粒子64としては、母粒子62の1/1000倍以上1/10倍以下の体積平均一次粒径であることが好ましく、1/5000倍以上1/100倍以下の体積平均一次粒径であることが好ましい。第3の粒子64の体積平均一次粒径が母粒子62の1/1000倍未満であると、凸凹の寄与がすくなく、凝集制御が不安定と言う問題が生じる場合があり、1/10倍を超えると、安定した付着ができず、第3の粒子64がはずれやすいと言う問題が生じる場合がある。
具体的には、母粒子62の体積平均一次粒径は、2μm以上50μm以下の範囲内であることが好ましく、5μm以上20以下の範囲内であることが特に好ましい。そして、第3の粒子64の体積平均一次粒径は、母粒子62の体積平均一次粒径に対して上記比率の大きさの範囲内であり、且つ、具体的には、0.01μm以上2μm以下の範囲内であることが好ましく、0.05μm以上1μm以下の範囲内であることが特に好ましい。
第3の粒子64としては、母粒子62の色に影響を与えないように、透明もしくは、無着色であることが好ましい。
このような第3の粒子64としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、アルミナ等の金属酸化物等の無機粒子が用いられる。これらの中でも、溶媒の劣化回避の理由から、無機酸化物を用いることが好ましい。
なお、これらの第3の粒子64は、分散媒50との親和性を調整するために、カップリング剤や界面活性剤で表面処理された形態であることが好ましい。第3の粒子64をカップリング剤や界面活性剤で表面処理された形態とすることによって、第3の粒子64の表面が帯電処理、付着防止処理されることから、粒子群36が分散媒50中に分散されたときに、付着防止、母粒子からの離脱防止という効果を奏する。
カップリング剤には、アミノシラン系カップリング剤、アミノチタン系カップリング剤、ニトリル系カップリング剤等の正帯電性のものと、窒素原子を含まない(窒素以外の原子で構成される)シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、エポキシシランカップリング剤、アクリルシランカップリング剤等の負帯電性のものがある。また、シリコーンオイルには、アミノ変性シリコーンオイル等の正帯電性のものと、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスルホン変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の負帯電性のものが挙げられる。これらは第3の粒子64の所望の抵抗に応じて選択される。
上記第3の粒子64の中では、よく知られている疎水性シリカや疎水性酸化チタンが望ましく、特に特開平10−3177記載のTiO(OH)2と、シランカップリング剤等のシラン化合物との反応で得られるチタン化合物が好適である。シラン化合物としてはクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用することも可能である。このチタン化合物は、湿式工程の中で作製されるTiO(OH)2にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを反応、乾燥させて作製される。数百度という焼成工程を通らないため、Ti同士の強い結合が形成されず、凝集が全くなく、粒子は一次粒子の状態である。さらに、TiO(OH)2にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを直接反応させるため、シラン化合物やシリコーンオイルの処理量を多くすることができて、シラン化合物の処理量等を調整することにより帯電特性を制御でき、且つ付与できる帯電能も従来の酸化チタンのそれより顕著に改善することができる。
この第3の粒子64と母粒子62との配合比は、母粒子62の表面における第3の粒子64の被覆率が上記範囲内となるように、母粒子62の粒径と第3の粒子64の粒径との兼ね合いから調整される。第3の粒子64の添加量が多すぎると、母粒子62の表面から該第3の粒子64の少なくとも一部が遊離して、表示駆動の不安定化、コントラストの不安定という問題が生じる場合がある。具体的には、第3の粒子64の量は、母粒子100質量部に対して0.1質量部〜220質量部、また0.5質量部〜10質量部であることがより良い。
この第3の粒子64を母粒子62上に外添(付着)させる方法としては、母粒子62表面に第3の粒子64を衝撃力で打込んだり、母粒子62を加熱して第3の粒子64を母粒子62表面に強固に固着したりすることが望ましい。これにより、第3の粒子64が母粒子62から遊離し、第3の粒子64同士が強固に凝集して、電界で解離させることが困難な第3の粒子64の凝集体を形成することが防止され、ひいては画質劣化が防止される。
上述のように構成される表示媒体13は、画像の保存及び書換えが可能な掲示板、回覧版、電子黒板、広告、看板、点滅標識、電子ペーパー、電子新聞、電子書籍、及び複写機・プリンタと共用できるドキュメントシート等に使用される。
上記説明した表示媒体13においては、表示基板20と背面基板22とに印加する電圧の電圧値を変えることによって、異なる色が表示される。
表示媒体13では、表示基板20と背面基板22との間に形成された電界に応じて各種類の粒子群37が移動することによって、表示媒体13の各画素に対応する領域毎に、画像データの各画素に応じた色が表示される。このような移動電圧の選択的な印加による表示は、表示媒体13を、表示装置11に設けた構成とすることによって実現される。
本実施形態に係る表示装置11は、図8に示すように、表示媒体13と、表示媒体13に電圧を印加する電圧印加部16と、制御部18と、を含んで構成されている。なお、表示装置11の構成は、第1の実施の形態で示した表示装置10の構成と略同一であるので、同一部分には同一符号を付与して詳細な説明を省略する。
表示媒体13を、このような表示装置11に設けて、制御部18の制御によって表示基板20と背面基板22との間に、複数種類の粒子群37としての粒子群34及び粒子群36各々の移動電圧に応じて、選択的に所定の極性及び電圧値の電圧を印加することによって、表示対象となる色表示がなされる。
例えば、表示媒体13における各粒子群37が図10に示すように、粒子群34及び粒子群36Aが背面基板22側に位置し、粒子群36Bが表示基板20側に位置されているとすると、制御部18による電圧印加部16の制御によって表示電極40と背面電極46との間に+tV以上+mV未満の電圧が印加されると、図10(B)に示すように、粒子群36Aが表示基板20側に移動すると共に粒子群36Bが背面基板22側へと移動する。
さらに、制御部18による電圧印加部16の制御によって表示電極40と背面電極46との間に+mV以上の電圧が印加されると、図10(C)に示すように、粒子群34が粒子群36A及び粒子群36Bの間を通って表示基板20側へ移動する。
そして更に、制御部18による電圧印加部16の制御によって表示電極40と背面電極46との間に−tV以下で且つ−mVを超える電圧値の電圧が印加されると、図10(C)に示すように、粒子群36Aが背面基板22側へと移動すると共に粒子群36Bが表示基板20側へ移動する。
このとき、粒子群36A及び粒子群36Bの表面には、凹部39が設けられていることから、例えば、図13に示すように、表示基板20側へ移動した粒子群36Aが表示基板20へと到達した場合であっても、表示基板20に位置されていた粒子群34は粒子群36Aの凹部39内に位置されることとなる。このため、粒子群36の移動による粒子群34の基板面からの除去が抑制されて、発色性の低下が抑制される。
このとき、粒子群36A及び粒子群36Bの表面には、凹部39が設けられていることから、例えば、図13に示すように、表示基板20側へ移動した粒子群36Aが表示基板20へと到達した場合であっても、表示基板20に位置されていた粒子群34は粒子群36Aの凹部39内に位置されることとなる。このため、粒子群36の移動による粒子群34の基板面からの除去が抑制されて、発色性の低下が抑制される。
また、表示基板20及び背面基板22には、凹部52が設けられていることから、表示基板20と背面基板22との間に電界が形成されて粒子群36または粒子群34を選択的に移動させる場合においても、凹部52が設けられていない場合に比べて移動電圧の差が広がり、移動対象外の粒子群が移動されることが抑制される。このため、発色性の低下が抑制される。
以下に本発明を、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
―粒子の作製―
表示基板20及び背面基板22の何れか一方側に位置した状態から他方側へと移動を開始するときに必要な移動電圧が、シアン色、マゼンタ色の各色間で異なる2種類の粒子群37で構成した。
―粒子の作製―
表示基板20及び背面基板22の何れか一方側に位置した状態から他方側へと移動を開始するときに必要な移動電圧が、シアン色、マゼンタ色の各色間で異なる2種類の粒子群37で構成した。
−マゼンタ粒子群の作製−
マゼンタ粒子群として、マゼンタ色の粒子を以下のような手順で調整した。
スチレンモノマ:53質量部、マゼンタ顔料(カーミン6B;大日精化社製)3質量部、帯電制御剤(SBT−5−0016;オリエント工業社製)1.5質量部を直径10mmのジルコニアボールを使用し、ボールミル粉砕を20時間実施することにより、分散液Aを作成した。
次に、炭酸カルシウム:40質量部および水:60質量部をボールミルにて微粉砕することにより、炭酸カルシウム分散液Bを作成した。2%セロゲン水溶液:4.3g、炭酸カルシウム分散液Bを8.5g、および20%食塩水:50gを混合し、超音波機で脱気を10分間行い、乳化機で攪拌することにより、混合液Cを作成した。
上記分散液A35gとジビニルベンゼン1g、重合開始剤AIBN:0.35gを充分混合し、超音波機で脱気を10分行った。これを上記混合液Cの中にいれ、乳化機で乳化を実施した。
マゼンタ粒子群として、マゼンタ色の粒子を以下のような手順で調整した。
スチレンモノマ:53質量部、マゼンタ顔料(カーミン6B;大日精化社製)3質量部、帯電制御剤(SBT−5−0016;オリエント工業社製)1.5質量部を直径10mmのジルコニアボールを使用し、ボールミル粉砕を20時間実施することにより、分散液Aを作成した。
次に、炭酸カルシウム:40質量部および水:60質量部をボールミルにて微粉砕することにより、炭酸カルシウム分散液Bを作成した。2%セロゲン水溶液:4.3g、炭酸カルシウム分散液Bを8.5g、および20%食塩水:50gを混合し、超音波機で脱気を10分間行い、乳化機で攪拌することにより、混合液Cを作成した。
上記分散液A35gとジビニルベンゼン1g、重合開始剤AIBN:0.35gを充分混合し、超音波機で脱気を10分行った。これを上記混合液Cの中にいれ、乳化機で乳化を実施した。
次にこの乳化液をビンにいれ、シリコン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。次に60℃で10時間反応させ粒子を作成した。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。その後充分な蒸留水で洗浄し、粒度を揃え、これを乾燥させる。得られた粒子2質量部をノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2質量部と共にシリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98質量部に投入し、攪拌分散して混合液を得た。得られた混合液に含まれるマゼンタ粒子群の極性を、平行電極版を用いて測定したところ正極性であった。
得られたマゼンタ色の粒子(マゼンタ粒子群)の体積平均一次粒子径は、450nmであった。
得られたマゼンタ色の粒子(マゼンタ粒子群)の体積平均一次粒子径は、450nmであった。
−白色粒子群の作製−
白粒子群として、白色の粒子を以下のような手順で調整した。
メタクリル酸メチルモノマ:80質量部、酸化チタン(石原産業社製、タイペークCR63)17質量部、中空粒子(JSR社製、SX866(A))3質量部、からなる混合物を、直径10mmのジルコニアボールを使用し、ボールミル粉砕を20時間実施することにより、分散液Dを作成した。
次に、炭酸カルシウム:40質量部および水:60質量部からなる混合物にボールミルにて微粉砕することにより、炭酸カルシウム分散液Eを作成した。
炭酸カルシウム分散液Eを8.5質量部と20%食塩水50質量部を混合し、超音波機で脱気を10分間行い、乳化機で攪拌することにより、混合液Fを作成した。
分散液Dを35質量部、ジメタクリル酸エチレングリコール:1質量部、及び、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル):0.35質量部を充分混合し、混合液Fを加えて乳化し、得られた乳化液を窒素気流下で65℃に加熱し、15時間攪拌することで固形粒子Gを得た。
得られた固形粒子Gに、35%塩酸15質量部を加えて攪拌し、炭酸カルシウムを溶解した後、吸引ろ過・水洗を5回繰り返して白色粒子H得た。得られた白色粒子Hは目開き:15μm、10μmの篩により分級した。
得られた粒子10質量部をシリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)90質量部に投入し、攪拌分散して混合液を得た。得られた混合液に含まれる白色粒子群の極性を、平行電極版を用いて測定したところ正極性であった。
得られた白色の粒子(白粒子群)の体積平均一次粒子径は、13μmであった。
白粒子群として、白色の粒子を以下のような手順で調整した。
メタクリル酸メチルモノマ:80質量部、酸化チタン(石原産業社製、タイペークCR63)17質量部、中空粒子(JSR社製、SX866(A))3質量部、からなる混合物を、直径10mmのジルコニアボールを使用し、ボールミル粉砕を20時間実施することにより、分散液Dを作成した。
次に、炭酸カルシウム:40質量部および水:60質量部からなる混合物にボールミルにて微粉砕することにより、炭酸カルシウム分散液Eを作成した。
炭酸カルシウム分散液Eを8.5質量部と20%食塩水50質量部を混合し、超音波機で脱気を10分間行い、乳化機で攪拌することにより、混合液Fを作成した。
分散液Dを35質量部、ジメタクリル酸エチレングリコール:1質量部、及び、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル):0.35質量部を充分混合し、混合液Fを加えて乳化し、得られた乳化液を窒素気流下で65℃に加熱し、15時間攪拌することで固形粒子Gを得た。
得られた固形粒子Gに、35%塩酸15質量部を加えて攪拌し、炭酸カルシウムを溶解した後、吸引ろ過・水洗を5回繰り返して白色粒子H得た。得られた白色粒子Hは目開き:15μm、10μmの篩により分級した。
得られた粒子10質量部をシリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)90質量部に投入し、攪拌分散して混合液を得た。得られた混合液に含まれる白色粒子群の極性を、平行電極版を用いて測定したところ正極性であった。
得られた白色の粒子(白粒子群)の体積平均一次粒子径は、13μmであった。
なお、上記体積平均一次粒子径は、下記測定方法で測定した。
<体積平均一次粒子径の測定方法>
上記体積平均一次粒子径の測定は、測定する粒子直径が2μm以上の場合、測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用して、粒径を測定した。
上記体積平均一次粒子径の測定は、測定する粒子直径が2μm以上の場合、測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用して、粒径を測定した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5〜50mg加え、これを前記電解液100ml以上150ml以下中に添加した。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0〜60μmの範囲の粒子の粒度分布を測定した。測定する粒子数は50,000であった。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、数それぞれについて小径側から累積分布を描き、体積で累積16%となる粒径を体積平均一次粒子径D16v、数で累積16%となる累積個数粒径をD16pと定義する。同様に、体積で累積50%となる粒径を体積平均一次粒子径D50v、数で累積50%となる粒径を個数体積平均一次粒子径D50pと定義する。また、同様に、体積で累積84%となる粒径を体積平均一次粒子径D84v、数で累積84%となる累積個数粒径をD84pと定義する。体積平均一次粒子径は該D50vである。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2より算出され、数平均粒度指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2より算出され、小径側個数平均粒度指標(下GSDp)は{(D50p)/(D16p)}により算出される。
一方、測定する粒子直径が2μm未満の場合、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定した。測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40Mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、約2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均一次粒子径を、体積平均一次粒子径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均一次粒子径とした。
なお、分散しにくい場合は、界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液50ml中に測定試料を2g加え、超音波分散機(1,000Hz)にて2分間分散して、試料を作製し、前述の分散液と同様の方法で、測定した。
―表示媒体の作製―
支持基板38として、本実施例では70mm×50mm×1.1mmの透明な導電性のITO支持基板を使用し、エッチングによってこの支持基板38上に幅0.234mm、間隔1mmのライン状の表示電極40を複数作成した。
この表示電極40上に、3μmの厚みの表面層を形成した後に、この表面層に凹部52を下記のようにして形成した。
この表示電極40上に、3μmの厚みの表面層を形成した後に、この表面層に凹部52を下記のようにして形成した。
(表示基板への凹部の形成)
表面層27としては、まず、表面層27を構成する樹脂として、UVナノインプリント用感光性樹脂(旭硝子社製、NIF−A−1)を用意すると共に、凹部52を設けるための型(モールド)として直径1.0μmφ、高さ3.0μm、中心間隔2.0μmの円柱状の構造体(石英製)を用意し、インプリント法により凹部52を有する表面層27を形成した。
詳細には、上記背面電極46及び表示電極40各々上に、上記表面層27を構成する樹脂を700rpmでスピンコート製膜し、厚さ約3μmの薄膜を得た。この薄膜に、上記石英モールドを密着させ、紫外線ランプを60秒照射して該薄膜を硬化させた後、該石英モールドを除去することで、凹部52が表面の全領域に渡って規則正しく配列されて形成された表面層27を形成した。これによって、表示基板20に凹部52を形成した。
表面層27としては、まず、表面層27を構成する樹脂として、UVナノインプリント用感光性樹脂(旭硝子社製、NIF−A−1)を用意すると共に、凹部52を設けるための型(モールド)として直径1.0μmφ、高さ3.0μm、中心間隔2.0μmの円柱状の構造体(石英製)を用意し、インプリント法により凹部52を有する表面層27を形成した。
詳細には、上記背面電極46及び表示電極40各々上に、上記表面層27を構成する樹脂を700rpmでスピンコート製膜し、厚さ約3μmの薄膜を得た。この薄膜に、上記石英モールドを密着させ、紫外線ランプを60秒照射して該薄膜を硬化させた後、該石英モールドを除去することで、凹部52が表面の全領域に渡って規則正しく配列されて形成された表面層27を形成した。これによって、表示基板20に凹部52を形成した。
この凹部52の深さをSEM観測から見積ったところ、3μmであった。また、この凹部52の底面の長径は、1μmであり、隣接する凹部52間の距離(底面の中心間の距離)は2μmであった。また、凹部52の形状を、SEMを用いて確認したところ、円柱状であった。
背面基板22としては、上記作製した表示基板20と同じ材料及び同じ方法により作製した。
次に、上記のように形成した表面層27上に、間隙部材24を設け、高さ50μmとなるように形成した。この間隙部材24は、表示媒体12に画像を表示したときの各画素に対応するセル(間隙部材24と表示基板20と背面基板22とによって囲まれた領域)が設けられるように形成した。
なお、間隙部材24は、背面基板22にエポキシ樹脂(MicroChem Corp.製SU−8)を塗布した後、露光及びウエットエッチングを行うことにより形成した。この間隙部材24は20mm×20mm、高さ50μm、幅2mmとした。
ここで、分散媒50としては、信越化学社製シリコーンオイル(KF−96)を用いた。
上述のようにして作製したマゼンタ粒子群、及び白色粒子群を、各粒子群の体積比が1対30の割合で、信越化学社製シリコーンオイル(KF−96)に31体積%で分散した分散液を、上記間隙部材24が形成された表示基板20上に充填することにより、各セル内(間隙部材24によって区画化された各領域)に混合粒子の分散液を充填した。
さらに、間隙部材24上に、上記背面基板22を、表面層29が表面層27と向かい合うように配置して、周囲を紫外線硬化型接着剤(Norland社製)で封止固定した後に紫外線を照射することにより表示媒体12を製造した。
(評価)
実施例1で作製した表示媒体の表示基板側の電極がマイナスとなり、背面基板側の電極がプラスとなるように、電圧値を0.1Vずつ上昇させて各電圧値毎に0.5秒間の電圧を印加したところ、電極間に5Vの電圧を0.5秒間印加したところ、マゼンタ粒子群及び白色粒子群の内の、白色粒子群が表示基板20側へ移動を開始し、表示濃度に変化が現れた。さらに、該表示媒体の表示基板側の電極をマイナスとし、背面基板側の電極をプラスとしたまま電圧値を0.1Vずつ上昇させて、電極間に7Vの電圧を0.5秒間印加したところ、白色粒子群の表示基板20側への移動が終了し、表示媒体には白色が表示された。
実施例1で作製した表示媒体の表示基板側の電極がマイナスとなり、背面基板側の電極がプラスとなるように、電圧値を0.1Vずつ上昇させて各電圧値毎に0.5秒間の電圧を印加したところ、電極間に5Vの電圧を0.5秒間印加したところ、マゼンタ粒子群及び白色粒子群の内の、白色粒子群が表示基板20側へ移動を開始し、表示濃度に変化が現れた。さらに、該表示媒体の表示基板側の電極をマイナスとし、背面基板側の電極をプラスとしたまま電圧値を0.1Vずつ上昇させて、電極間に7Vの電圧を0.5秒間印加したところ、白色粒子群の表示基板20側への移動が終了し、表示媒体には白色が表示された。
この白色の表示された表示媒体について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、マゼンタ光学濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)により測定し、この測定結果の濃度平均値を算出したところ、0.4であった。
さらに、該表示媒体の表示基板側の電極をマイナスとし、背面基板側の電極をプラスとしたまま電圧値を0.1Vずつ上昇させて各電圧値毎に0.5秒間の電圧を印加したところ、電極間に11Vの電圧を0.5秒間印加したときに、マゼンタ粒子群が表示基板20側へ移動を開始し、表示濃度に変化が現れた。
さらに、該表示媒体の表示基板側の電極をマイナスとし、背面基板側の電極をプラスとしたまま電圧値を0.1Vずつ上昇させて、電極間に15Vの電圧を0.5秒間印加したところ、マゼンタ粒子群の表示基板20側への移動が終了し、表示媒体にはマゼンタ色が表示された。
さらに、該表示媒体の表示基板側の電極をマイナスとし、背面基板側の電極をプラスとしたまま電圧値を0.1Vずつ上昇させて、電極間に15Vの電圧を0.5秒間印加したところ、マゼンタ粒子群の表示基板20側への移動が終了し、表示媒体にはマゼンタ色が表示された。
このマゼンタ色の表示された表示媒体について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、マゼンタ光学濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)により測定し、この測定結果の濃度平均値を算出したところ、1.6であった。
次に、表示基板側の電極をプラスとし、背面基板側の電極をマイナスとして、電圧値を0.1Vずつマイナス側へ上昇させて各電圧値毎に0.5秒間の電圧を印加したところ、電極間に15Vの電圧を0.5秒間印加したときに、マゼンタ粒子群及び白色粒子群の双方の背面基板側への移動が確認された。この後に、上記処理を1サイクルとして、100サイクル同じ処理を行ったところ、濃度平均値としては同じ結果が得られた。このため、発色性低下の抑制が観察された。
(比較例1)
上記実施例1では、表示基板に凹部52を設けた場合を説明したが、本比較例1では、表示基板と背面基板の双方に凹部52を設けない構成とした以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製し、実施例1と同じ評価を行った。
上記実施例1では、表示基板に凹部52を設けた場合を説明したが、本比較例1では、表示基板と背面基板の双方に凹部52を設けない構成とした以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製し、実施例1と同じ評価を行った。
すなわち、本比較例1では、上記実施例1における表示媒体の作製において、凹部52を設ける処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製した。
(評価)
本比較例1で作製した表示媒体の表示基板側の電極がマイナスとなり、背面基板側の電極がプラスとなるように、電圧値を0.1Vずつ上昇させて各電圧値毎に0.5秒間の電圧を印加したところ、電極間に5Vの電圧を0.5秒間印加したときに、
マゼンタ粒子群及び白色粒子群の内の、白色粒子群が表示基板20側へ移動を開始し、表示濃度に変化が現れた。さらに、該表示媒体の表示基板側の電極をマイナスとし、背面基板側の電極をプラスとしたまま電圧値を0.1Vずつ上昇させて、電極間に7Vの電圧を0.5秒間印加したところ、白色粒子群の表示基板20側への移動が終了し、表示媒体には白色が表示された。
本比較例1で作製した表示媒体の表示基板側の電極がマイナスとなり、背面基板側の電極がプラスとなるように、電圧値を0.1Vずつ上昇させて各電圧値毎に0.5秒間の電圧を印加したところ、電極間に5Vの電圧を0.5秒間印加したときに、
マゼンタ粒子群及び白色粒子群の内の、白色粒子群が表示基板20側へ移動を開始し、表示濃度に変化が現れた。さらに、該表示媒体の表示基板側の電極をマイナスとし、背面基板側の電極をプラスとしたまま電圧値を0.1Vずつ上昇させて、電極間に7Vの電圧を0.5秒間印加したところ、白色粒子群の表示基板20側への移動が終了し、表示媒体には白色が表示された。
この白色の表示された表示媒体について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、マゼンタ光学濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)により測定し、この測定結果の濃度平均値を算出したところ、0.5であった。
さらに、該表示媒体の表示基板側の電極をマイナスとし、背面基板側の電極をプラスとしたまま電圧値を0.1Vずつ上昇させて各電圧値毎に0.5秒間の電圧を印加したところ、実施例1より低い電圧値である8Vの電圧を0.5秒間印加したときに、マゼンタ粒子群が表示基板20側へ移動を開始し、表示濃度に変化が現れた。さらに、該表示媒体の表示基板側の電極をマイナスとし、背面基板側の電極をプラスとしたまま電圧値を0.1Vずつ上昇させて、電極間に11Vの電圧を0.5秒間印加したところ、マゼンタ粒子群の表示基板20側への移動が終了し、表示媒体にはマゼンタ色が表示された。
このマゼンタ色の表示された表示媒体について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、マゼンタ光学濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)により測定し、この測定結果の濃度平均値を算出したところ、1.6であった。
次に、表示基板側の電極をプラスとし、背面基板側の電極をマイナスとして、電圧値を0.1Vずつマイナス側へ上昇させて各電圧値毎に0.5秒間の電圧を印加したところ、電極間に11Vの電圧を0.5秒間印加したときに、マゼンタ粒子群及び白色粒子群の双方の背面基板側への移動が確認された。この後に、再度表示媒体の表示基板側の電極をマイナスとし、背面基板側の電極をプラスとして、上記処理を1サイクルとして、100サイクル同じ処理を行ったところ、濃度平均値は、一定ではなく、実施例1と比較して濃度平均値の標準偏差が大きくなり、毎に濃度のばらつきが大きくなり、実施例1に比べて発色性の低下がみられた。
これは、比較例1で作製した表示媒体においては、実施例1で作製した表示媒体のように表示基板に凹部が設けられていない事から、同一構成の粒子群を用いているにも拘わらず、実施例1に比べて色の異なる2種類の粒子群の移動電圧の差が小さく、何れか一方の種類の粒子群のみを移動させる場合にも他方の粒子群の移動が生じたためと考えられる。
(実施例2)
本実施例2では、上記実施例1で作製した表示媒体に、実施例1で用いたマゼンタ粒子群を用いると共に、さらに凹部を有する粒子群を分散させ、実施例1と同様にして表示媒体を作製し、評価を行った。
本実施例2では、上記実施例1で作製した表示媒体に、実施例1で用いたマゼンタ粒子群を用いると共に、さらに凹部を有する粒子群を分散させ、実施例1と同様にして表示媒体を作製し、評価を行った。
―凹部を有する粒子群の作製:凹状黄色粒子の作製方法(プラス帯電)―
−分散液BAの調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液BAを調製した。
−分散液BAの調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液BAを調製した。
<組成>
・メタクリル酸メチル 53質量部
・黄色顔料 (FY7416:山陽色素社製) 1.5質量部
・メタクリル酸メチル 53質量部
・黄色顔料 (FY7416:山陽色素社製) 1.5質量部
−炭酸カルシウム分散液BBの調製−
下記成分を混合し、上記と同様にボールミルにて微粉砕して炭酸カルシウム分散液BBを調製した。
<組成>
・炭酸カルシウム 40質量部
・水 60質量部
下記成分を混合し、上記と同様にボールミルにて微粉砕して炭酸カルシウム分散液BBを調製した。
<組成>
・炭酸カルシウム 40質量部
・水 60質量部
−混合液BCの調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液BCを調製した。
<組成>
・炭酸カルシウム分散液BB 60g
・20%食塩水 4g
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液BCを調製した。
<組成>
・炭酸カルシウム分散液BB 60g
・20%食塩水 4g
分散液BA20gとジメタクリル酸エチレングリコール0.6g、重合開始剤V601:0.2gをはかりとり、充分混合し、超音波機で脱気を10分おこなった。これを前記混合液BCに加え、乳化機で乳化を実施した。次にこの乳化液をフラスコにいれ、シリコーン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。次に65℃で15時間反応させ粒子を調製した。冷却後、粒子を濾過し、得られた微粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。その後充分な蒸留水で洗浄し、目開き:15μm、10μmのナイロン篩にかけ、粒度を揃えた。得られた粒子は、体積平均一次粒子径13μmであった。また、正極に帯電されていた。さらに、10kvの電子ビームを20秒照射することによって、表面に凹部を形成した。
また、この調整した粒子の表面を、電子顕微鏡により観察したところ、図14に示す結果が得られた。この粒子の凹部の開口の最大値をSII(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社社製SPM(走査型プローブ顕微鏡)で観察し、表面の起伏状況を測定したところ、700nmであった。また、この凹部の深さを同様の装置により測定したところ700nmであった。このため、この凹部を有する粒子の表面における凹部の開口及び深さは、実施例1で調整したマゼンタ色の粒子群及びシアン色の粒子群各々の体積平均一次粒子径より大きく、これらの粒子が凹部の内部に複数存在しうる大きさであった。
(評価)
実施例2で作製した表示媒体の表示基板側の電極がマイナスとなり、背面基板側の電極がプラスとなるように、電圧値を0.1Vずつ上昇させて各電圧値毎に0.5秒間の電圧を印加したところ、電極間に5Vの電圧を0.5秒間印加したところ、マゼンタ粒子群、及び凹部を有する黄色粒子群の内の、黄色粒子群のみが表示基板20側へ移動し、表示媒体には黄色が表示された。
実施例2で作製した表示媒体の表示基板側の電極がマイナスとなり、背面基板側の電極がプラスとなるように、電圧値を0.1Vずつ上昇させて各電圧値毎に0.5秒間の電圧を印加したところ、電極間に5Vの電圧を0.5秒間印加したところ、マゼンタ粒子群、及び凹部を有する黄色粒子群の内の、黄色粒子群のみが表示基板20側へ移動し、表示媒体には黄色が表示された。
この黄色の表示された表示媒体について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、色彩(L*a*b*)を分光濃度計(X−Rite社製、X−Rite520)により測定したところ,L=71.3,a*=−7.4,b*=90.5であった。
さらに、該表示媒体の表示基板側の電極をマイナスとし、背面基板側の電極をプラスとしたまま電圧値を0.1Vずつ上昇させて各電圧値毎に0.5秒間の電圧を印加したところ、電極間に10Vの電圧を0.5秒間印加したときに、マゼンタ粒子群が表示基板20側へ移動することが確認され、表示媒体には赤色が表示された。
この赤色の表示された表示媒体について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、色彩(L*a*b*)を分光濃度計(X−Rite社製、X−Rite520)により測定したところ、L=46.5,a*=68.1,b*=48.2であった。なお、本実施例で用いた凹状黄色粒子に換えて、凹みを有さない点以外は同一構成の黄色粒子を用いて本実施例と同じ評価を行ったところ、このような従来構成では、L=58.1,a*=39.0,b*=71.2であり、この場合の見た目はオレンジ色であった.
次に、表示基板側の電極をプラスとし、背面基板側の電極をマイナスとして、電圧値を0.1Vずつマイナス側へ上昇させて各電圧値毎に0.5秒間の電圧を印加したところ、電極間に5Vの電圧を0.5秒間印加したときに、マゼンタ粒子群、及び表面に凹部を有する凹状黄色粒子群の背面基板側への移動が確認された。この後に、再度表示媒体の表示基板側の電極をマイナスとし、背面基板側の電極をプラスとして、上記と同様にして5Vの電圧の0.5秒間印加、及び10Vの電圧の0.5秒間印加を行う処理を1サイクルとして、10サイクル同じ処理を行ったところ、色彩(L*a*b*)測定結果としては同じ結果が得られた。
(実施例3)
本実施例3では、上記実施例2で作製した表示媒体に、さらに以下のシアン粒子群および白粒子群を追加して用いると共に、実施例2と同様にして表示媒体を作製し、評価を行った。
本実施例3では、上記実施例2で作製した表示媒体に、さらに以下のシアン粒子群および白粒子群を追加して用いると共に、実施例2と同様にして表示媒体を作製し、評価を行った。
−シアン粒子群の作製−
シアン粒子群として、シアン色の粒子を以下のような手順で調整した。シアン顔料(シアニンブルー4933M;大日精化社製))を,ポリアクリル酸トリエチルアミン塩で被覆した粒子を作製した。
シアン粒子群として、シアン色の粒子を以下のような手順で調整した。シアン顔料(シアニンブルー4933M;大日精化社製))を,ポリアクリル酸トリエチルアミン塩で被覆した粒子を作製した。
得られたシアン色の粒子(シアン粒子群)の体積平均一次粒子径は200nmであった。また、上記マゼンタ粒子群と同様にして極性を測定したところ、シアン粒子群の極性は、負極性であった。
―凹状白色粒子の作製(マイナス帯電)―
−分散液CAの調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液CAを調製した。
−分散液CAの調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液CAを調製した。
<組成>
・メタクリル酸メチル 53質量部
・酸化チタン1(白色顔料) (一次粒子径0.3μm、タイペークCR63:石原産業社製) 45質量部
・シクロヘキサン 5質量部
・メタクリル酸メチル 53質量部
・酸化チタン1(白色顔料) (一次粒子径0.3μm、タイペークCR63:石原産業社製) 45質量部
・シクロヘキサン 5質量部
−炭酸カルシウム分散液CBの調製−
下記成分を混合し、上記と同様にボールミルにて微粉砕して炭酸カルシウム分散液CBを調製した。
下記成分を混合し、上記と同様にボールミルにて微粉砕して炭酸カルシウム分散液CBを調製した。
<組成>
・炭酸カルシウム 40質量部
・水 60質量部
・炭酸カルシウム 40質量部
・水 60質量部
−混合液CCの調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液CCを調製した。
<組成>
・2%セロゲン(第一工業製薬社製) 4.3g
・炭酸カルシウム分散液CB 8.5g
・20質量%食塩水 50g
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液CCを調製した。
<組成>
・2%セロゲン(第一工業製薬社製) 4.3g
・炭酸カルシウム分散液CB 8.5g
・20質量%食塩水 50g
分散液CA35gとジビニルベンゼン1g、重合開始剤AIBN:0.35gをはかりとり、充分混合し、超音波機で脱気を10分おこなった。これを前記混合液CCに加え、乳化機で乳化を実施した。次にこの乳化液をビンにいれ、シリコーン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。次に65℃で15時間反応させ粒子を調製した。冷却後、この分散液を凍結乾燥機により−35℃、0.1Paの下で2日間でシクロヘキサンを除去した。得られた微粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。その後充分な蒸留水で洗浄し、目開き:15μm、10μmのナイロン篩にかけ、粒度を揃えた。これを乾燥させ、平均粒子径13μmの白色粒子群を得た。得られた白色粒子群に10kvの電子ビームを20秒照射することによって、表面に凹部を形成した。
また、この調整した粒子の表面を、電子顕微鏡により観察したところ、図14に示す結果が得られた。この粒子の凹部の開口の最大値をSII(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社社製SPM(走査型プローブ顕微鏡)で観察し、表面の起伏状況を測定したところ、700nmであった。また、この凹部の深さを同様の装置により測定したところ、700nmであった。
このため、この凹部を有する粒子の表面における凹部の開口及び深さは、実施例1で調整したマゼンタ色の粒子群及び上記シアン色の粒子群各々の体積平均一次粒子径より大きく、これらの粒子が凹部の内部に複数存在しうる大きさであった。
このため、この凹部を有する粒子の表面における凹部の開口及び深さは、実施例1で調整したマゼンタ色の粒子群及び上記シアン色の粒子群各々の体積平均一次粒子径より大きく、これらの粒子が凹部の内部に複数存在しうる大きさであった。
(評価)
実施例3で作製した上記シアン粒子及び白色粒子と、上記実施例2で作製した黄色粒子、及び実施例1で作製したマゼンタ粒子を用いた。なお、これらの黄色粒子、マゼンタ粒子、白色粒子、及びシアン粒子の各々について、予め、閾値電圧を以下のように設定してた。ここで、閾値電圧とは基板から剥離する電圧のことである。
実施例3で作製した上記シアン粒子及び白色粒子と、上記実施例2で作製した黄色粒子、及び実施例1で作製したマゼンタ粒子を用いた。なお、これらの黄色粒子、マゼンタ粒子、白色粒子、及びシアン粒子の各々について、予め、閾値電圧を以下のように設定してた。ここで、閾値電圧とは基板から剥離する電圧のことである。
・黄色粒子 : +5V
・白粒子 : −5V
・マゼンタ粒子: +10V
・シアン粒子 : −15V
・白粒子 : −5V
・マゼンタ粒子: +10V
・シアン粒子 : −15V
まず、実施例3で作製した表示媒体の表示基板側の電極に−15Vの電圧を印加したところ、表示基板側には黄色粒子とマゼンタ粒子が移動し、背面基板側には白粒子とシアン粒子が移動した。そのとき基板表面は、赤色となった。
この赤色の表示された表示媒体について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、色彩(L*a*b*)を分光濃度計(X−Rite社製、X−Rite520)により測定したところ、L=46.5,a*=68.1,b*=48.2であった。
この赤色の表示された表示媒体について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、色彩(L*a*b*)を分光濃度計(X−Rite社製、X−Rite520)により測定したところ、L=46.5,a*=68.1,b*=48.2であった。
次に表示基板側の電極に+10Vの電圧を印加したところ、表示基板側には白色粒子が移動し、背面基板側には、黄色粒子、マゼンタ粒子、及びシアン粒子が移動した。
そのとき基板表面は白色であり、この白色の表示された表示媒体について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、色彩(L*a*b*)を分光濃度計(X−Rite社製、X−Rite520)により測定したところ、L=74.3,a*=−1.0,b*=2.0であった。
そのとき基板表面は白色であり、この白色の表示された表示媒体について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、色彩(L*a*b*)を分光濃度計(X−Rite社製、X−Rite520)により測定したところ、L=74.3,a*=−1.0,b*=2.0であった。
さらに表示基板側の電極に−5Vの電圧を印加したところ、表示基板側には黄色粒子が移動し、背面基板側には白色粒子、マゼンタ粒子、及びシアン粒子が移動した。
そのとき基板表面は黄色となり、この黄色の表示された表示媒体について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、L*a*b*を測定したところ、L=71.3,a*=−7.4,b*=90.5であった.
そのとき基板表面は黄色となり、この黄色の表示された表示媒体について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、L*a*b*を測定したところ、L=71.3,a*=−7.4,b*=90.5であった.
次に表示基板側の電極に−15Vの電圧を印加したところ、表示基板側には白色粒子とシアン粒子が移動し、背面基板側には黄色粒子とマゼンタ粒子が移動した。
そのとき基板表面は,シアン色となった。
このシアン色の表示された表示媒体について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、色彩(L*a*b*)を分光濃度計(X−Rite社製、X−Rite520)により測定したところ、L=52.5,a*=−38.6,b*=−50.5であった。
そのとき基板表面は,シアン色となった。
このシアン色の表示された表示媒体について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、色彩(L*a*b*)を分光濃度計(X−Rite社製、X−Rite520)により測定したところ、L=52.5,a*=−38.6,b*=−50.5であった。
以上の結果より、各色の色純度は改善され、凹部を有する粒子群の移動による発色性の低下が抑制されたという結果が得られた。
10 表示装置
11 表示装置
12 表示媒体
13 表示媒体
16 電圧印加部
18 制御部
20 表示基板
22 背面基板
24 間隙部材
27 表面層
29 表面層
36 粒子群
36A 粒子群
36B 粒子群
37 粒子群
39 凹部
50 分散媒
52 凹部
11 表示装置
12 表示媒体
13 表示媒体
16 電圧印加部
18 制御部
20 表示基板
22 背面基板
24 間隙部材
27 表面層
29 表面層
36 粒子群
36A 粒子群
36B 粒子群
37 粒子群
39 凹部
50 分散媒
52 凹部
Claims (3)
- 少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって配置され、少なくとも一方が互いに向かい合う面側に開口した複数の第1の凹部を有する一対の基板と、
前記一対の基板間に封入された分散媒と、
前記分散媒中に分散されると共に前記基板間に形成された電界に応じて移動し、互いに色及び移動するために必要な移動電圧の異なる複数種類の粒子群と、
を備え、
前記第1の凹部は、前記複数種類の粒子群の内の互いに体積平均一次粒子径の異なる少なくとも2種類の内の一方が少なくとも該第1の凹部の内壁に接触する接触部を複数形成しうる又は該内壁に面接触するように存在しうると共に、他方が該第1の凹部の内壁に点接触しうる又は該他方の粒子群の体積平均一次粒子径より小さい開口径を有することを特徴とする表示媒体。 - 前記複数種類の粒子群の内の少なくとも2種類は予め同極性に帯電されており、該2種類の内の、他方より体積平均一次粒子径の大きい一方の粒子群は、表面に、他方の粒子群が少なくとも複数存在しうる複数の第2の凹部を有することを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
- 少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって配置され、少なくとも一方が互いに向かい合う面側に開口した複数の第1の凹部を有する一対の基板と、前記一対の基板間に封入された分散媒と、前記分散媒中に分散されると共に前記基板間に形成された電界に応じて移動し、互いに色及び移動するために必要な移動電圧の異なる複数種類の粒子群と、を備え、前記第1の凹部は、前記複数種類の粒子群の内の互いに体積平均一次粒子径の異なる少なくとも2種類の内の一方が少なくとも該第1の凹部の内壁に接触する接触部を複数形成しうる又は該内壁に面接触するように存在しうると共に、他方が該第1の凹部の内壁に点接触しうる又は該他方の粒子群の体積平均一次粒子径より小さい開口径を有する表示媒体と、
前記一対の基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008055239A JP2009210916A (ja) | 2008-03-05 | 2008-03-05 | 表示媒体、及び表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008055239A JP2009210916A (ja) | 2008-03-05 | 2008-03-05 | 表示媒体、及び表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009210916A true JP2009210916A (ja) | 2009-09-17 |
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ID=41184117
Family Applications (1)
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JP2008055239A Pending JP2009210916A (ja) | 2008-03-05 | 2008-03-05 | 表示媒体、及び表示装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2009210916A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013250540A (ja) * | 2012-06-04 | 2013-12-12 | Fuji Xerox Co Ltd | 表示用粒子分散液、表示媒体、及び表示装置 |
-
2008
- 2008-03-05 JP JP2008055239A patent/JP2009210916A/ja active Pending
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