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JP2009210404A - 障害物検出システム - Google Patents

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Abstract

【課題】障害物との距離が大きいときでも、小さいときでも、障害物を検出することができる障害物検出システムを提供すること。
【解決手段】本発明の障害物検出システムは、送信波を送信するとともに、前記送信波が障害物で反射してなる受信波を受信することで前記障害物を検出する障害物検出手段と、 前記障害物までの距離を算出する距離算出手段と、前記距離算出手段が算出した前記距離が、所定の基準距離以下であるときは、前記送信波の指向性を、前記距離が前記基準距離を超える場合よりも広くする指向性制御手段と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば、車両に搭載され、障害物を検出するために用いられる障害物検出システムに関する。
従来、車両に障害物検出システムが搭載されている。障害物検出システムは、クリアランスソナーセンサにより、超音波の送信波を送信するとともに、送信波が障害物で反射してなる受信波を受信することで障害物を検出する(特許文献1参照)。
特開2005−72771号公報
従来の障害物検出システムは、車両と障害物との距離によっては、以下に示すように、障害物を検出することが困難であった。
障害物検出システムは、通常、送信波を送信している期間は、受信波を受信しないようにする(いわゆる、マスクをかける)。これは、送信波と受信波とを切り分け、送信波を誤って受信波として判断してしまうことを防止するためである。図7に、障害物検出システムのクリアランスソナーセンサが送信する送信波と、送信波が障害物で反射してなる受信波との時間上の関係を表す。同図に示すように、送信波を送信している期間は、マスクをかける。マスクがかけられている期間は、受信波を受信できないから、障害物を検出できない。よって、車両の近傍には、マスクをかけられている期間に対応する範囲であって、障害物を検出できない領域(不感帯)が生じてしまう。
車両から遠い障害物を検出するためには、送信波の指向性を狭くするとともに、送信波のエネルギーを高くする必要がある。この場合、必然的に、送信波を送出する時間が長くなる。すると、マスクをかける期間が長くなり、不感帯も広くなる。すなわち、車両から遠い障害物を検出しようとすると、必然的に、車両の近傍における不感帯が広がってしまう。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、障害物との距離が大きいときでも、小さいときでも、障害物を検出することができる障害物検出システムを提供することを目的とする。
本発明の障害物検出システムにおける障害物検出手段は、送信波を送信するとともに、送信波が障害物で反射してなる受信波を受信することで障害物を検出する。また、距離算出手段は、障害物までの距離を算出する。そして、指向性制御手段は、距離算出手段が算出した距離が、所定の基準距離以下であるときは、送信波の指向性を、距離算出手段が算出した距離が基準距離を超える場合よりも広くする。
このことにより、本発明の障害物検出システムは、障害物との距離が大きいときでも、小さいときでも、障害物を検出することができる。すなわち、図3に示すように、障害物35との距離が大きいとき、仮に、送信波28の指向性が広い状態であるならば、障害物35を検出できないことがある。それは、送信波28が広範囲に広がるため、十分なエネルギーを持った送信波28が遠距離まで届かないためであり、また、送信波28の指向性が広いときは、送信波28が広範囲に広がることで、本来は検出する必要がないものまで検出してしまわないように、障害物を検出する範囲を制限することが一般的だからである。しかしながら、本発明の障害物検出システムは、障害物との距離に応じて、送信波の指向性を狭く設定するので、遠距離にある障害物を検出可能である。
また、図3に示すように、障害物37との距離が小さいとき、仮に、送信波28の指向性が狭い状態であるならば、障害物37が不感帯に入り、障害物37を検出できないことがあるが、本発明の障害物検出システムは、障害物との距離に応じて、送信波の指向性を広く設定することで、近距離にある障害物を検出可能である。
本発明において、送信波の指向性を広くするには、送信波の振動数を小さくすればよい。送信波の指向性を広くする場合における送信波の振動数としては、例えば、40.0〜45.7kHzの範囲が好適である。また、送信波の指向性を狭くするには、送信波の振動数を大きくすればよい。送信波の指向性を狭くする場合における送信波の振動数としては、例えば、58.8〜66.7kHzの範囲が好適である。
本発明の障害物検出システムは、距離算出手段により算出した、障害物との距離が所定の基準距離以下であるとき、報知を行う報知手段を備えていてもよい。この場合、障害物の接近をドライバーに認識させることができる。
距離算出手段による距離の算出は、例えば、障害物検出手段が送信波を送信してから、送信波が障害物で反射してなる受信波を受信するまでの時間に基づいて行うことができる。
本発明の障害物検出システムは、例えば、障害物検出手段を、車両の前部、側面、後部のうちのいずれかに取り付けることができる。こうすることにより、車両の前部、側面、後部等における障害物を検出することができる。障害物検出手段としては、例えば、超音波センサが挙げられる。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
1.障害物検出システム1の構成
図1に示すように、障害物検出システム1は、車両101に搭載されるシステムであり、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13と、クリアランスソナーECU15と、表示器17と、ブザー19と、ハーネス20とから構成される。
クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13はそれぞれ、車両101の後部右端、後部中央、後部中央、後部左端、前部右端、前部左端に取り付けられている。クリアランスソナーセンサ3、5、7、9は、車両の後方における障害物を検出可能な超音波センサである。クリアランスソナーセンサ11、13は、車両の前方における障害物を検出可能な超音波センサである。クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13は実質的に同一の構成を有しており、ここではクリアランスソナーセンサ3を例にとって説明する。
クリアランスソナーセンサ3は、図2に示すように、マイクロフォン21、センサIC23、電源回路25、及び通信回路27から構成される。マイクロフォン21は、クリアランスソナーECU15から送られる通信信号に基づき、超音波である送信波を送信することができる。また、クリアランスソナーセンサ3は、送信波が障害物で反射してなる受信波を受信することができる。センサIC23は、クリアランスソナーECU15から送られる通信信号に基づき、マイクロフォン21が送信する送信波の振動数を設定する。設定される送信波の振動数には、f1とf2とがあり、それらの大小関係は、f1>f2である。送信波の振動数としてf1が設定されたとき、図3に示すように、送信波28の指向性が狭く(強く)なる。一方、送信波の振動数としてf2が設定されたとき、図3に示すように、送信波28の指向性が広く(弱く)なる。
図2に戻り、電源回路25は、センサIC23、マイクロフォン21、及び通信回路27に電源を供給する。通信回路27は、クリアランスソナーセンサ3とクリアランスソナーECU15との間の各種通信を仲介する。その通信には、クリアランスソナーセンサ3を制御するために、クリアランスソナーECU15からクリアランスソナーセンサ3へ送信される通信信号が含まれる。また、上記通信には、クリアランスソナーセンサ3が受信波を受信したときに、クリアランスソナーセンサ3からクリアランスソナーECU15へ送信される、受信波の検出信号が含まれる。
図1に戻り、クリアランスソナーECU15は、通信信号をクリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13に送信し、それらの動作を制御する。その制御には、上述したように、マイクロフォン21が送信する送信波の振動数を設定する制御が含まれる。また、クリアランスソナーECU15は、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13から送信される受信波の検出信号に基づき、障害物の存在を認識する。また、クリアランスソナーECU15は、車両101と障害物との距離を算出する。距離の算出は、クリアランスソナーECU15がクリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13に対し、送信波の送出を指示した時刻(以下、時刻Aとする)から、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13から送られる受信波の検出信号を受信した時刻(以下、時刻Bとする)までの時間に基づいて行う。
クリアランスソナーECU15は、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13の指向性が狭いときは、時刻Aから所定の期間は、受信波の検出信号を受信しないようにする(マスクをかける)。このことにより、送信波と受信波とを切り分けることができ、送信波を誤って受信波として判断してしまうことを防止できる。ただし、上記のようにマスクをかけることにより、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13の指向性が狭いときは、図5に示すように、車両101からの距離がD1までの領域は、障害物を検出できない領域(以下、不感帯29)となり、障害物を検出可能な領域31は、車両101からの距離がD1以上の領域となる。
また、クリアランスソナーECU15は、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13の指向性が広いときは、時刻Aから一定時間が経過した後は、受信波の検出信号を無視する。その結果、指向性が広いときは、図6に示すように、車両101から一定距離D2以上離れた物体103は障害物として検出せず、障害物を検出可能な領域33は、車両101からの距離がD2までの領域33となる。指向性が広い場合、時刻Aから時間が経過するにつれて、送信波は広範囲に広がり、本来は検出する必要がない物体103にまで到達するが、上記のように、障害物を検出可能な領域を領域33に制限することにより、検出する必要がない物体103を障害物として検出することを防止できる。なお、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13の指向性が広いときは、基本的に遠くの検知対象物を検知する必要が無く、その為の送信エネルギーを多く必要としない為、送信時間を短くすることができ、それによりマスク時間を短くできるとの理由により、不感帯は狭くなり、車両101の近傍の障害物を検出できる。
表示器17は、車両101の車室内に設置された液晶表示装置であり、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13の検出結果を表示する。ブザー19は、クリアランスソナーECU15が算出した、車両101と障害物との距離が基準距離L以下であるとき、警報音を発し、車両101のドライバーに警告する。ハーネス20は、障害物検出システム1の各構成間を接続し、それらの間の通信を媒介する。
2.障害物検出システム1が実行する処理
障害物検出システム1(特にクリアランスソナーECU15)が実行する処理を図4のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、車両101のエンジンが始動し、障害物検出システム1の電源がONになったときに開始される。
ステップ100では、障害物を検出したか否かを判断する。障害物の検出の有無は、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13からクリアランスソナーECU15に送信される受信波の検出信号に基づき判断する。障害物を検出した場合はステップ110に進む。一方、障害物を検出しない場合はステップ120に進む。なお、ステップ120では、後述するように、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13の指向性は狭く設定されるから、障害物を検出しないとき、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13の指向性は狭く設定されることになる。
ステップ110では、障害物と車両101との距離lが、所定の基準距離Lを超えるか、基準距離L以下であるかを判断する。障害物と車両101との距離lは、上述したように、時刻Aから、時刻Bまでの時間に基づいて算出する。距離lが基準距離Lを超える場合はステップ120に進み、距離lが基準距離L以下である場合はステップ130に進む。なお、基準距離Lと、上述した距離D1、D2との大小関係は、D1<L<D2である。
ステップ120では、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13の指向性を狭くする。すなわち、送信波の振動数としてf1を設定する。その後、ステップ100に戻る。
ステップ130では、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13のうち、障害物を検出したものの指向性を広くする。すなわち、送信波の振動数としてf2を設定する。その後、ステップ100に戻る。また、ブザー19により警報音を発する。
3.障害物検出システム1が奏する効果
(i)障害物検出システム1は、障害物と車両101との距離が大きいときでも、小さいときでも、車両の後部、又は前部にある障害物を検出することができる。すなわち、図3に示すように、車両101と障害物35との距離がD2より大きいとき、仮に、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13の指向性が広い状態であるならば障害物35を検出できないが、障害物検出システム1は、車両101と障害物35との距離に応じて、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13の指向性を狭く設定することで、障害物35の検出を可能にする。また、車両101と障害物37との距離がD1より小さいとき、仮に、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13の指向性が狭い状態であるならば、障害物37を検出できないが、障害物検出システム1は、車両101と障害物37との距離に応じて、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13の指向性を広く設定することで、障害物37の検出を可能にする。
例えば、障害物が遠距離から、次第に車両101に接近する状況を想定する。障害物を検出し始めるまで、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13の指向性は狭く設定され(前記ステップ100〜120の処理)、障害物を検出可能な範囲は遠距離まで広がっているので、早期に障害物を検出することができる。障害物が次第に車両101に接近し、基準距離Lより近くなったとき、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13の指向性は広く設定されるので(前記ステップ100、110、130の処理)、障害物がさらに車両101に接近しても、障害物が不感帯に入ってしまうことがなく、障害物を検出し続けることができる。すなわち、障害物検出システム1は、遠距離から近距離まで、車両101に接近してくる障害物を検出し続けることができる。
(ii) 障害物検出システム1は、障害物と車両101との距離が近いとき、警報音を発する。そのことにより、障害物の接近をドライバーに認識させることができる。
尚、本発明は前記実施形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、障害物検出システム1は、前記ステップ110の処理(図4参照)において、車両101と障害物との距離ではなく、送受頻度に基づき、クリアランスソナーセンサ3、5、7、9、11、13の指向性を設定しても良い。なお、送受頻度とは、定期的に送受信されるセンサの検知区間に入ってくる検知情報である。例えば、ある一定速度で車両に接近する、もしくは車両側から近づく障害物があるとすると、その速度が速い場合は検知周期に入ってくる障害物の間隔が広く、また、遅い場合は狭くなる。上記の場合、速度が速いときは、車両にとって危険度が高い障害物として判定し、指向性の設定を広くする。またその逆の場合は狭くする。
障害物検出システム1の全体構成を表すブロック図である。 クリアランスソナーセンサ3の構成を表すブロック図である。 クリアランスソナーセンサ3が送信する送信波の指向性を表す説明図である。 障害物検出システム1が実行する処理を表すフローチャートである。 送信波の指向性が狭いときに生じる不感帯を表す説明図である。 送信波の指向性が広いときにおいて、障害物を検出可能な範囲を表す説明図である。 送信波と受信波とを切り分けるための処理を表す説明図である。
符号の説明
1・・・障害物検出システム、3、5、7、9、11・・・クリアランスソナーセンサ、
15・・・クリアランスソナーECU、17・・・表示器、19・・・ブザー、
20・・・ハーネス、21・・・マイクロフォン、23・・・センサIC、
25・・・電源回路、27・・・通信回路、28・・・送信波、29・・・不感帯、
31、33・・・領域、35、37・・・障害物、101・・・車両、
103・・・物体

Claims (5)

  1. 送信波を送信するとともに、前記送信波が障害物で反射してなる受信波を受信することで前記障害物を検出する障害物検出手段と、
    前記障害物までの距離を算出する距離算出手段と、
    前記距離算出手段が算出した前記距離が、所定の基準距離以下であるときは、前記送信波の指向性を、前記距離が前記基準距離を超える場合よりも広くする指向性制御手段と、
    を備えることを特徴とする障害物検出システム。
  2. 前記指向性制御手段は、前記送信波の振動数を小さくすることにより、前記送信波の指向性を広くすることを特徴とする請求項1記載の障害物検出システム。
  3. 前記距離算出手段が算出した前記距離が前記基準距離以下であるとき、報知を行う報知手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の障害物検出システム。
  4. 前記距離算出手段は、前記障害物検出手段が前記送信波を送信してから、前記受信波を受信するまでの時間に基づいて前記距離を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の障害物検出システム。
  5. 前記障害物検出手段が車両の前部、側面、後部のうちのいずれかに取り付けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の障害物検出システム。
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