JP2009208589A - 電動ダンパ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御部210Aは、車速センサ104からの車速VSを示す信号にもとづいて、アンバランス車輪振動に対応する周波数帯に対して、バンドストップフィルタ用のカットオフ周波数をローパスカットオフ付周波数設定部203A、ハイパスカットオフ付周波数設定部n204Aで設定し、ダンパ制御部202の微分演算部202aで算出した車輪の上下振動の変位速度Svに対して、ローパスフィルタ演算部202b、ハイパスフィルタ演算部202c、加算部202dでバンドストップフィルタとしての機能の演算処理をする。算出されたフィルタード変位速度にもとづいて、ダンパ制御量演算部202eが電動ダンパ用の電動モータを制御する制御量を演算し、駆動回路出力部207を介してモータ駆動部106に制御信号を出力する。
【選択図】図8
Description
前記アンバランス車輪振動は、高周波領域の減衰力を低く設定すれば、車体側に伝わるのを低減することが可能であるが、一般的に乗り心地を硬い特性に設定する車両は、スポーティ車であり、路面からの振動等で路面情報を得るなどし、操縦性に重きをおいて運転をしたいために乗り心地を硬くするのであって、車輪の上下振動の減衰力を低くすることは望まれない。アンバランス車輪振動は、路面情報を伝えるものではなく、むしろ、路面情報を分かりにくくするため、スポーティ車においても望まれない。
本発明は、前記問題を解決するためになされ、アンバランス車輪振動を車体側に伝えない快適な電動ダンパ装置を提供することを目的とする。
《第1の実施形態》
先ず、図1から図3を参照して、適宜図5を参照しながら本実施形態に係る電動ダンパ装置の主要な構成について説明する。
図1では、直接にはリアサスペンションを示しているが、フロントサスペンションは、図1における車輪支持部材13がステアリングナックルに置き換わるだけであり、基本的にリアサスペンションと同じ構成である。図1において( )内にフロントサスペンションにおける符号を示してある。ここで、左右前輪に係る構成で、説明上区別するときには数字符号の後に左前輪を示すFL、右前輪を示すFRを付し、例えば、単に車輪1と表示せず車輪1FL,1FRと表示し、左右後輪に係る構成で、説明上区別するときには数字符号の後に左後輪を示すRL、右後輪を示すRRを付し、例えば、単に車輪1と表示せず車輪1RL,1RRと表示する。他の各車輪1に係るサスペンション装置14及びその構成についても同様である。
従って、以下では、特別に断らない限り、代表的に車輪1RLに係る部分のみを説明する。
また、車速センサ104から車速VSを示す信号が制御ECU200Aに入力される。エンジン回転速度センサ107からのエンジン回転速度を示す信号を制御ECU200Aに入力しても良い。
(サスペンション装置)
図1に示すように、車両2は車体6に左右一対の車両用サスペンション装置(以下、単にサスペンション装置と称する)14FL,14FR、及びサスペンション装置14RL,14RRを備えている。車体6は、前後左右の上部にサスペンション取付部6a,6a,6a,6aを有している。サスペンション装置14FL,14FR,14RL,14RRは、車両2のフロントサスペンション、又はリヤサスペンションとして採用され、車体6には左右の車輪1FL,1FR,1RL,1RRを懸架する。
図1に示すように、コイルスプリング36は、車輪1RLに作用した車体重量を支えつつ、上下方向の振動や衝撃力を吸収する緩衝装置である。図2に示すように、このコイルスプリング36は、電動ダンパ変換機構30RLの下部側に配置され、電動モータ35RLに対してロッド32により下方向に離れた位置に、ロッド32と同軸に、つまり、後記するダンパハウジング31のロッド部42をコイルスプリング36のコイル内径内方に収容して配置されている。このコイルスプリング36の上端部36aはロッド部42の上方側に固定されたばね座71(図2参照)に、下端部36bはロッド32の下方側の端部32aに固定されたばね座72(図2参照)にそれぞれ、個別に取り付けられている。このコイルスプリング36は、ばね座71とばね座72の間に介在することにより、ダンパハウジング31のロッド部42とロッド32とを、上下軸方向に互いに離反する方向へ付勢する。
(電動ダンパ変換機構)
図2に示すように、電動ダンパ変換機構30RLは、主にダンパハウジング31と、ロッド32と、ラックアンドピニオン機構33と、電動モータ35RLからなる。
ここで、本実施形態におけるラックアンドピニオン機構33が請求項に記載の変換機構に対応する。
なお、連結部47は、ロアアーム12にスイング可能に接続されていても良い。
図3に示すように、電動ダンパ変換機構30RLの上部には、そのモータ軸35aが、ロッド32の上部の外周面に設けられたラックギア51の軸方向と略直角をなすように取り付けられている。モータ軸35aにはピニオン軸53が接続され、ピニオン軸53に設けられたピニオンギア52と、前記したラックギア51が、噛み合いラックアンドピニオン機構33を構成している。ラックアンドピニオン機構33は、ラックピニオン部41の内部に収納され、ピニオン軸53はその両端部を、ラックピニオン部41に固定された軸受54,55により回転可能に支持されている。
電動モータ35RLは、フランジによりラックピニオン部41に固定されている。
電動モータ35RLは、例えば、ブラシ付き直流モータからなり、ラックピニオン部41のフランジ部に取り付けられている。電動モータ35RLのモータ軸35aとピニオン軸53の連結方法としては、例えば、図3に示すようにセレーションによる連結でも良いし、又は、図示せぬカップリングによる弾性的連結でも良い。
次に図4を参照しながら適宜図1を参照して電動ダンパ装置の変位量検出センサの詳細な構成を説明する。図4は変位量検出センサの模式図である。
変位量検出センサ80を個別に区別する必要がある場合は、前記したように数字の符号80の後に符号FL,FR,RL,RRを付加するが、その必要がないときは単に変位量検出センサ80と称する。
サスペンション装置14は、コイルスプリング36のコイル内径の内方側に、同軸に電動ダンパ変換機構30のロッド32及びそれを収納するダンパハウジング31の下部側のロッド部42を収容し、コイルスプリング36の上端部36aを固定するロッド部42に固定されたばね座71よりも上側にラックアンドピニオン機構33や電動モータ35が配置されている。
つまり、電動ダンパ変換機構30の構成部品のうちロッド32のみがコイルスプリング36の「ばね下荷重」に含まれる極めて軽量な構造になっている。
しかも、従来の油圧式ダンパ装置のように、コイルスプリング36のコイル径内方に大径の油圧用ピストンを設ける必要は無いので、コイルスプリング36のコイル径を小さく設定することができ、コイルスプリング36の設計の自由度が高まるとともに、小型化、軽量化を図ることができるとともに車両2の車室を大きくとることができる。
次に、電動ダンパ装置303の制御回路と電動モータ駆動回路について、図5を参照しながら適宜図1、図2、図5、図6、図7を参照して説明する。
図5は、電動ダンパ装置の制御回路と電動モータ駆動回路のブロック構成図であり、図6は電動ダンパ装置の電動モータの駆動回路を構成するブリッジ回路の例としてHブリッジ回路を示す図である。
図5に示すように、電動ダンパ装置300の制御回路と電動モータの駆動回路とは、バッテリ101と、メインスイッチ102と、メインリレー103と、車速センサ104と、各車輪の変位量検出センサ80(図5中、80FL,80FR,80RL,80RRと表示)と、制御ECU200A、各電動ダンパ装置303(図5中、303FL,303FR,303RL,303RRと表示)のモータ駆動部106(図5中、106FL,106FR,106RL,106RRと表示)とを含んで構成される。
制御ECU200Aは、各変位量検出センサ80からの信号にもとづき各電動ダンパ変換機構30の電動モータ35(図5中、35FL,35FR,35RL,35RRと表示)を駆動して、各車輪1(図1参照)の上下動の減衰制御機能を有する部分である。制御ECU200Aは、その他にワンパルス発生回路111、マイクロコンピュータ113、その入力信号用の入力インタフェース回路112、マイクロコンピュータ113からの出力信号用の出力インタフェース回路114、マイクロコンピュータ113の故障検出のためのウォッチドックタイマ回路115、リレー駆動回路116等を含んでいる。
入力インタフェース回路112は、変位量検出センサ80のスイング角変化に対応する抵抗変化を電圧に変換するハーフブリッジ回路とアンプ回路やローパスフィルタや車速センサ104からのパルス信号を波形整形するシュミットトリガ回路や後記するモータ電流センサ124(図5中、124FL,124FR,124RL,124RRと表示)からの信号を増幅するアンプ回路や、それぞれの信号のノイズを除去するローパスフィルタ等から構成される。これらの電圧変換、又は増幅されたアナログ信号は、図示しないAD変換器でデジタル信号に変換されてマイクロコンピュータ113の入力ポートに接続される。又、車速信号のようなパルス状の波形整形された信号は、直接、入力ポートに接続される。
なお、入力インタフェース回路112で電圧変換、又は増幅されたアナログ信号はマイクロコンピュータ113の各ADポートへ入力しても良い。
ウォッチドックタイマ回路115は、マイクロコンピュータ113が正常のときは、マイクロコンピュータ113がリレー駆動回路116に制御信号を出してリレー駆動回路116を駆動し、メインリレー103をオンにする。
また、マイクロコンピュータ113は、その他にも自身の故障診断制御フローにより異常状態を検出したときは、リレー駆動回路116を介してメインリレー103をオフにする。
ブリッジ回路122は、図6に示すように、電動モータ35がブラシ付き直流モータの場合は、例えば、4個のNチャンネルエンハンスメント型のFET(Fieid Effect Transistor:電界効果型トランジスタ)91A,91B,91C,91Dのスイッチング素子をH字状に結線した、いわゆるHブリッジ回路である。
ここで、FET91A,91B,91C,91Dの寄生ダイオードを符号91a,91b,91c,91dで示してある。
図7はダンパ用のHブリッジ回路における4つのFETの制御状態を説明する図であり、(a)は伸び側の回生発電の場合の各FETの制御状態を説明する図であり、(b)は縮み側の回生発電の場合の各FETの制御状態を説明する図である。
本実施形態では、電動モータ35を伸び側、つまり、ロッド32(図2参照)が下方に移動するときに回生発電するモータ電流を「正」、縮み側、つまり、ロッド32が上方に移動するときに回生発電するモータ電流を「負」と定義する。
なお、このオン、オフ制御の中には、PWM(Pulse Width Modulation)制御も含まれる。
伸び側回生発電の場合、(a)に示すように、FET91A,91B,91Cはオフ状態に保たれ、FET91Dは昇圧回路123を介してPWM制御のオン、オフ動作の制御を受ける。PWM制御のオン状態では、実線のように、電動モータ35で発電された電流は、FET91Aの寄生ダイオード91aによりソース側からドレイン側に流れ、FET91Dのドレイン側からソース側に戻り、電動モータ35に戻り、電動モータ35は減衰力を発揮する。PWM制御のオフ状態では、電動モータ35自身のインダクタンスをL、電動モータ35を流れる電流をiとすると、V=Ldi/dtの式にもとづいて、バッテリ電圧よりも充分に高い電圧Vを発生させることにより、アースから入った電流iは、FET91Cの寄生ダイオード91cによりソース側からドレイン側に流れ、電動モータ35を経て、FET91Aの寄生ダイオード91aによりソース側からドレイン側に流れ、最後にバッテリ側に流れ、バッテリ101(図5参照)を充電する。
ここで、前記di/dtのdtが小さければ、即ち、PWMのキャリア周波数を高くすれば、電圧Vはiが小さくてもバッテリ電圧よりも大きくでき、点線のような回生を行うことができる。
図7の(a)により伸び側の回生発電の場合の回生電流と減衰力の制御を説明したが、図7の(b)に示す縮み側の回生発電の場合の回生電流と減衰力の制御も同様である。
ここで、前記di/dtのdtが小さければ、即ち、PWMのキャリア周波数を高くすれば、Vはiが小さくてもバッテリ電圧よりも大きくでき、点線のような回生を行うことができる。
次に図8から図15を参照しながら適宜図5を参照してマイクロコンピュータにおける制御機能について説明する。
図8は、電動ダンパ装置の制御機能ブロック図である。
マイクロコンピュータ113(図5参照)は、図示しないROM,RAM,フラッシュメモリ等のメモリ、CPU、AD変換器等から構成されており、電動ダンパ装置303FL,303FR,303RL,303RRそれぞれに含まれる電動ダンパ変換機構30FL,30FR,30RL,30RRの制御は、前記ROMに格納されたプログラムや、フラッシュメモリに格納された各種データを用いてCPUにおいて図8の制御部(減衰手段)210Aとして示した機能が実行される。
故障診断部201における車速センサ104や変位量検出センサ80の故障判定は、例えば、正常時には検出電圧信号が所定の範囲に入るように設定しておいて、車速センサ104、変位量検出センサ80からの信号が所定の範囲に入らない場合を故障と判定する。
ダンパ制御部202は、具体的には個々の電動モータ35FL,35FR,35RL,35RRを制御するために設けられている4つのダンパ制御部202A,202B,202C,202Dに対する総称であり、同様に駆動回路出力部207も個々の電動モータ35FL,35FR,35RL,35RRのモータ駆動部106FL,106FR,106RL,106RRへそれぞれのゲート制御信号を出力する4つの駆動回路出力部207A,207B,207C,207Dの総称である。
次に図9を参照しながら、適宜図1、図5、図6、図8を参照して、電動ダンパ装置における全体の制御フローについてに説明する。
図9は電動ダンパ装置における全体制御のメインフローチャートである。
車両2(図1参照)の、例えば、メインスイッチ102(図5参照)、例えば、キースイッチを回してオンにすると、制御ECU200A(図5参照)にバッテリ101からの電源電圧が供給される。そうするとこの電源投入を制御ECU200A内のワンパルス発生回路111(図5参照)が検出してマイクロコンピュータ113(図5参照)をリセットして、このマイクロコンピュータ113に予め設定されたプログラムが、図示しない水晶発振器からのクロック信号に同期して動作を始める。
先ずステップS01(各センサ信号読込)では、変位量検出センサ80(図8中、80FL,80FR,80RL,80RRと表示)、車速センサ104、モータ電流センサ124(図8中、124FL,124FR,124RL,124RRと表示)からの信号等が読み込まれる。
なお、このメインフローチャートでは、個々の電動モータ35FL,35FR,35RL,35RR(図5参照)を並行して制御する構成としており、ダンパ制御は高速性が要求されるので、マイクロコンピュータ113(図5参照)はマルチコアタイプのCPUを用いると良い。
ここで、図11の(a)は、デジタル・ローパスフィルタ用のカットオフ周波数(以下、ローパスカットオフ周波数と称する)を設定する関数を示しており、横軸は車速VS[km/h]を示し、縦軸はローパスカットオフ周波数[Hz]を示す。
この関数の曲線m1は、例えば、原点を通る所定の傾きの破線で示す直線L1を基本に設定されたものであり、車速VSの値がVa未満では一定のローパスカットオフ周波数Faであり、車速VSの値がVa以上でVb未満では直線L1であり、車速VSの値がVb以上でVc未満では一定のローパスカットオフ周波数Fbであり、車速VSの値がVc以上でVd未満では直線L1より傾きの大きい(Vc,Fb)と(Vd,Fc)を結ぶ直線であり、車速VSの値がVd以上では直線L1である。
ここで、図11の(b)は、デジタル・ハイパスフィルタ用のカットオフ周波数(以下、ハイパスカットオフ周波数と称する)を設定する関数を示しており、横軸は車速VS[km/h]を示し、縦軸はハイパスカットオフ周波数[Hz]を示す。
この関数の曲線m2は、例えば、原点を通る所定の傾きの破線で示す直線L1を基本に設定されたものであり、車速VSの値がVa未満では一定のハイパスカットオフ周波数Faであり、車速VSの値がVa以上でVe未満では直線L1より傾きの大きい(Va,Fa)と(Ve,Fd)を結ぶ直線であり、車速VSの値がVe以上では(Ve,Fd)を通る直線L1と同じ傾きで、値がΔFだけ大きい直線である。
また、車速VSの値がVb〜Vdの範囲は、アンバランス車輪振動が、例えば、車両2(図1参照)と共振した車輪1の上下振動を生じさせる場合に、その周波数における電動ダンパ装置303(図5参照、図5中では303FL,303FR,303RL,303RRと表示)の減衰力をより小さく弱めて、車体6(図1参照)にアンバランス車輪振動が伝わらないようにするものである。
ちなみに、このような設定は、ローパスカットオフ周波数F1の側で行なう代わりに、ハイパスカットオフ周波数F2の側で行なっても良いし、両方で行なっても良い。
なお、前記したアンバランス車輪振動が車両2の共振を伴う車輪1の上下振動を生じない場合は、車速VSの値のVb〜Vd区間のような、ローパスカットオフ周波数F1の設定は不要である。
ステップS13の後、全体制御のフローチャートのステップS03に戻る。
図12は電動ダンパ装置の減衰力制御の流れを示すフローチャートである。ここでは代表的に一つの電動モータ35に対する、ダンパ制御部202(図8参照)及び駆動回路出力部207(図8参照)における減衰力の制御について説明する。
図13の(a)は、フィルタード変位速度S3Fの絶対値とダンパ用の電動モータの制御目標値である伸び側減衰力Deとの関係図であり、図13の(b)は、フィルタード変位速度S3Fの絶対値とダンパ用の電動モータの制御目標値である縮み側減衰力Dcとの関係図であり、図13の(c)は、伸び側減衰力De及び縮み側減衰力Dcに乗じる車速係数Kdvの関数を示す図である。
図13の(a)から分かるように伸び側のフィルタード変位速度S3Fの絶対値の増大に応じて、電動モータ35の伸び側減衰力Deのを増大させるが、フィルタード変位速度S3Fの絶対値の増加に対する伸び側減衰力Deの増加の割合(傾き)は、フィルタード変位速度S3Fの絶対値によって変化させ、フィルタード変位速度S3Fの絶対値が大きい側の傾きを、0を含む所定のフィルタード変位速度S3Fの絶対値の範囲における傾きよりも小さくするように設定している。
ここで、図13の(a),(b)において「伸び側減衰力De」、「縮み側減衰力Dc」と表示しているが、具体的には電動モータ35に回生発電させて発生させる電流値の目標値のことであり、伸び側も縮み側の場合もまとめて回生発電時に発生させる目標電流値のことを「目標減衰力Dt」と表記する。
ちなみに、図13の(a),(b),(c)のデータは、マイクロコンピュータ113のROMに予め書き込まれている。
図14の(a)におけるパラメータV1,V2,V3,V4(その大小関係はV1<V2<V3<V4)は、図11の(a)に示したローパスカットオフ周波数F1を例示的に設定したときの車速VSの値であり、それに対応したデジタル・ローパスフィルタとしての周波数特性が、4本の曲線で示されている。車速VSの値が大きいほどローパスカットオフ周波数F1の値が増加し、ローパスカットオフ周波数F1以下の周波数領域ではゲインが一定であり、ローパスカットオフ周波数F1を超える周波数領域では遷移領域を伴うが、周波数が増加するにつれゲインが低下する特性を示している。
図14の(b)におけるパラメータV1,V2,V3,V4(その大小関係はV1<V2<V3<V4)は、図11の(b)に示したハイパスカットオフ周波数F2を例示的に設定したときの車速VSの値であり、それに対応したデジタル・ハイパスフィルタとしての周波数特性が、4本の曲線で示されている。車速VSの値が大きいほどハイパスカットオフ周波数F2の値が増加し、ハイパスカットオフ周波数F2以上の周波数領域ではゲインが一定であり、ハイパスカットオフ周波数F2未満の周波数領域では遷移領域を伴うが周波数が低下するにつれゲインが低下する特性を示している。
ここで図14の(c)を参照しながら加算部202dで加算された結果のフィルタード変位速度S3Fの段階での周波数特性、つまり、ローパスカットオフ周波数設定部203A、ハイパスカットオフ周波数設定部204A、ローパスフィルタ演算部202b、ハイパスフィルタ演算部202c、及び加算部202dを一つのデジタル・バンドストップフィルタと見た場合のデジタル・バンドストップフィルタの周波数特性を説明する。図14の(c)は、加算部で加算された結果のフィルタード変位速度S3Fの段階での周波数特性を説明する図であり、横軸は周波数[Hz]を示し、縦軸はゲイン[dB]を示す。
図14の(c)において、車速VSの値がV1の場合、Va未満なので、図11の(a)、(b)に示すようにローパスカットオフ周波数F1とハイパスカットオフ周波数F2との値が同一値であり、加算部202dで加算されたフィルタード変位速度S3Fの段階での周波数特性は、略一定のゲインを示し、図示省略してある。車速VSが図11に示したVe〜Vbの区間にあるV2の値の場合、ローパスカットオフ周波数F1とハイパスカットオフ周波数F2の差はΔFであるので、図14の(c)に示すパラメータV2の曲線のように、周波数(F1+F2)/2の位置にゲイン低下量の最大値ΔG1が位置するようなバンドストップフィルタの周波数特性となる。これに対し、車速VSが図11に示したVb〜Vdの区間にあるV3の値の場合、ローパスカットオフ周波数F1とハイパスカットオフ周波数F2の差はΔFより大きいので、図14の(c)に示すパラメータV3の曲線のように、周波数(F1+F2)/2の位置にゲイン低下量の最大値ΔG2(ΔG1<ΔG2)が位置するようなバンドストップフィルタの周波数特性となる。車速VSが図11に示したVd以上の区間にあるV4の値の場合、ローパスカットオフ周波数F1とハイパスカットオフ周波数F2の差はΔFであるので、図14の(c)に示すパラメータV4の曲線のように、周波数(F1+F2)/2の位置にゲイン低下量の最大値ΔG1が位置するようなバンドストップフィルタの周波数特性にもどる。
ちなみに、フィルタード変位速度S3Fが正の場合は変位方向が伸び側と判定され、フィルタード変位速度S3Fが負の場合は変位方向が縮み側と判定される。
ステップS26では、ダンパ制御量演算部202eは、図13の(a)に示すようなデータを参照してフィルタード変位速度|S3F|にもとづいて伸び側減衰力Deを検索する。次いで、ステップS27では、ダンパ制御量演算部202eは、目標減衰力Dt=Deとする。
ステップS28では、ダンパ制御量演算部202eは、図13の(b)に示すようなデータを参照してフィルタード変位速度|S3F|にもとづいて縮み側減衰力Deを検索する。次いで、ステップS29では、ダンパ制御量演算部202eは、目標減衰力Dt=−Dcとする。
ここで、ステップS27では、目標減衰力Dtを正値とし、ステップS29では目標減衰力Dtを負値とするのは、後段のステップS32において伸び側減衰力と縮み側減衰力との判定を可能とするためである。
ステップS32では、駆動回路出力部207は、目標減衰力Dtが0以上か否かチェックする。目標減衰力Dtが0以上の場合(Yes)は、伸び側の回生発電と判定してステップS33へ進み、目標減衰力Dtが0未満の場合(No)は、縮み側の回生発電と判定してステップS34へ進む。
ステップS33,又はステップS35の処理後、図10に示すメインフローチャートのステップS03に戻る。
特に、スポーティ車において好ましい、電動ダンパ装置303を硬い乗り心地特性に設定しても、アンバランス車輪振動が車体6に伝わらないようにできる。
アンバランス車輪振動に関係しない所定の低周波数領域、例えば、3Hz〜8Hzの領域のゲインを大きくして電動ダンパ装置303の減衰力を大きくするようにしても良い。
次に、図15から図20を参照して適宜図1を参照しながら第2の実施形態に係る電動ダンパ装置について説明する。
本実施形態は、第1の実施形態の電動ダンパ装置の制御ECU200Aに電動パワーステアリング装置の制御機能を組み合わせた制御ECU200Bとし、後記するトルクセンサ(操舵トルクセンサ)17からの出力信号(操舵トルク検出信号)を電動ダンパ装置の減衰力制御にも利用するものである。
制御ECU200Bは、請求項に記載の「電動パワーステアリング装置用の電動モータを制御する制御装置」も兼ねている。
図15は、本実施形態に係る電動ダンパ装置に電動パワーステアリング装置を組み合わせた車両の主要な構成の配置図である。
第1の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図15に示すように、左右の前輪(車輪)1FL,1FRを転舵するラックギア8aにピニオンギア7aが噛み合い、ラックギア8aのラック軸8に操向ハンドル(ハンドル)3のハンドル軸が、図示省略の自在継ぎ手を介して接続されている。操向ハンドル3とピニオンギア7aとの間にはトルクセンサ17とピニオン軸7に操舵補助力を付与するパワーステアリング用の電動モータ4から駆動力を伝達されるウォームホイールギア5bが設けられ、電動パワーステアリング装置のうちの機械的構成部分である電動パワーステアリング機構25を構成している。
図1及び図15に示すように本実施形態では、トルクセンサ17からの出力信号は制御ECU200Bに入力されている。図15に示すように電動モータ4は、車速センサ104、トルクセンサ17等からの信号により制御ECU200Bにより制御される。
電動パワーステアリング機構25の詳細な構成は公知のものであり、説明は省略する。
電動ダンパ変換機構30FL,30FR,30RL,30RRの詳細な構成は第1の実施形態と同じである。
本実施形態はこのようなアンバランス車輪振動の度合いの変化に対処してダンパ特性を制御することが特徴である。
制御ECU200Bは、電動モータ4を駆動するモータ駆動部(駆動回路)206をも制御する。電動モータ4は、例えば、ブラシ付き直流モータであり、モータ駆動部206はゲート駆動回路221、ブリッジ回路222、昇圧回路223、モータ電流センサ224を含み、本質的にモータ駆動部106と同じ構成である。
バンドパスカットオフ周波数設定部211は、トルクセンサ17から出力される操舵トルク検出信号STの振動周波数に含まれるアンバランス車輪振動の成分をバンドパスフィルタ演算部215で抽出するための下限側のカットオフ周波数(以下、バンドパスカットオフ周波数(下限側)と称する)F3を図18の(a)に示すように車速VSに応じて設定する。
バンドパスカットオフ周波数設定部211は、マイクロコンピュータ113(図16参照)の前記したフラッシュメモリに予め記憶された車速をパラメータとしたバンドパスカットオフ周波数(下限側)設定用の、例えば、ルックアップテーブル又は関数(図18の(a)参照)にもとづき、車速VSを参照してバンドパスカットオフ周波数(下限側)F3を設定する。
バンドパスカットオフ周波数設定部213は、マイクロコンピュータ113(図16参照)の前記したフラッシュメモリに予め記憶された車速をパラメータとしたバンドパスカットオフ周波数(上限側)設定用の、例えば、ルックアップテーブル又は関数(図18の(b)参照)にもとづき、車速VSを参照してバンドパスカットオフ周波数(上限側)F4を設定する。
ここで、図18の(a)は、デジタル・バンドスフィルタ用のバンドパスカットオフ周波数(下限側)を設定する関数を示しており、横軸は車速VS[km/h]を示し、縦軸はローパスカットオフ周波数[Hz]を示す。
この関数の曲線m3は、例えば、原点を通る所定の傾きの破線で示す直線L1を基本に設定されたものであり、車速Va未満では一定のバンドパスカットオフ周波数(下限側)Faであり、車速VSの値がVa以上では直線L1である。
この関数の曲線は、例えば、図11の(b)と同じものであり、詳細な説明は省略する。
このとき、ローパスカットオフ周波数設定部203Bは、ローパスカットオフ周波数F1をΔFOSだけ低い側に、ハイパスカットオフ周波数設定部204Bは、ハイパスカットオフ周波数F2をΔFOSだけ高い側にずらして設定する。
そして、車体6にアンバランス車輪振動が伝わりにくくなる。
ここで、前記オーバオールパワーOPTが、請求項に記載の振動の大きさに対応する。
次に、図21から図24を参照しながら第3の実施形態に係る電動ダンパ装置について説明する。
本実施形態は、第2の実施形態をベースとしたものであり、第2の実施形態と異なる点は、アンバランス車輪振動の周波数とその振動の大きさの両方をトルクセンサ17から出力される操舵トルク検出信号STに含まれるアンバランス車輪振動成分から取得する点である。
そのため制御部(減衰手段)210Cは、第2の実施形態におけるバンドパスカットオフ周波数設定部211,213、バンドパスフィルタ演算部215、パワースペクトル演算部217、周波数オフセット量演算部219の変わりに、図21に示すようにパワースペクトル演算部(パワースペクトル演算手段)212、アンバランス車輪振動検出部(アンバランス車輪振動周波数取得手段)214を有している。そして、第2の実施形態におけるローパスカットオフ周波数設定部203B及びハイパスカットオフ周波数設定部204Bの代わりに1次振動バンドストップ周波数設定部203C及び2次振動バンドストップ周波数設定部204Cを有している。
その構成は、本質的に第2の実施形態におけるダンパ制御部202と変わらないが、第2の実施形態では、ローパスフィルタ演算部202b、ハイパスフィルタ演算部202c及び加算部202dで1つの周波数帯に対するバンドストップ機能を表現していたが、本実施形態では一つのバンドストップフィルタ演算部202fで表している。ただし、このバンドストップフィルタ演算部202fでは、2つの周波数帯に対するバンドストップ機能を有している点が第2の実施形態と異なる。
なお、ダンパ制御部202’は、具体的には個々の電動モータ35FL,35FR,35RL,35RRを制御するために設けられている4つのダンパ制御部202A’,202B’,202C’,202D’に対する総称である。
図23は本実施形態における電動ダンパのモータ制御量の計算とFET駆動の制御のメインフローチャートである。
ステップS52では、アンバランス車輪振動検出部214は、車速VSにもとづいてアンバランス車輪振動の1次振動周波数及び2次振動周波数を推定する。アンバランス車輪振動は、車輪の外径と車速VSから1次振動周波数が推定でき、その2次振動周波数は1次振動周波数の2倍ということで容易に推定できる。
ステップS54では、アンバランス車輪振動検出部214は、所定の閾値以上の1次振動のパワー値が有るかどうかチェックする。所定の閾値以上の1次振動のパワー値が有る場合(Yes)は、ステップS55へ進み、無い場合(No)は、ステップS58へ進む。
ステップS55では、アンバランス車輪振動検出部214は、1次振動のパワーピークの周波数FV1を検出し、所定の周波数窓内でのオーバオールパワーOPT1を算出する。次いで、アンバランス車輪振動検出部214は、マイクロコンピュータ113(図16参照)の前記したフラッシュメモリに予め記憶されたオーバオールパワーOPT1をパラメータとした周波数オフセットΔFOS1設定用の、例えば、図22の(a)に示すようなルックアップテーブル又は関数にもとづき、オーバオールパワーOPT1を参照して周波数オフセットΔFOS1を取得し(ステップS56)、1次振動のバンドストップのカットオフ周波数F1L,F1Uを設定する(F1L=FV1―ΔFOS1 , F1U=FV1+ΔFOS1)。そして、ステップS57の後にステップS59へ進む。
ちなみに、F1L=F1U=Faの場合は、バンドストップフィルタ演算部202fにおいて、この周波数Faにたいしてはバンドストップフィルタとしての演算を行なわない。
ステップS59では、アンバランス車輪振動検出部214は、所定の閾値以上の2次振動のパワー値が有るかどうかチェックする。所定の閾値以上の2次振動のパワー値が有る場合(Yes)は、ステップS60へ進み、無い場合(No)は、ステップS63へ進む。
ステップS59からステップS63へ進んだ場合は、アンバランス車輪振動検出部214は、F2L=F2U=Fa2(ここで、Fa2≫Faである)とし、ステップS64へ進む。
ちなみに、F2L=F2U=Fa2の場合は、バンドストップフィルタ演算部202fにおいて、この周波数Fa2にたいしてはバンドストップフィルタとしての演算を行なわない。
このステップ202’における制御の流れは図12に示したフローチャートと略同じである。ただし、ステップS22,S23,S24は、本実施形態では、バンドストップフィルタ演算部202fで処理される「変位速度Svの信号を必要に応じて1次振動の周波数FV1、2次振動の周波数FV2に対して、カットオフ周波数F1L,F1U又はカットオフ周波数F2L,F2Uを用いてバンドストップフィルタ演算してフィルタード変位速度S3Fを算出」という1つのステップに読み替える。
以上のように本実施形態によれば、アンバランス車輪振動の2次振動についても、車体6に振動が伝わりにくいようにダンパ特性を制御することができる。
また、操舵トルク検出信号STに含まれる、アンバランス車輪振動の1次振動、2次振動それぞれの周波数FV1,FV2を検出して、ダンパの減衰力を弱く設定する周波数及び、減衰力を弱める度合いを第2の実施形態とよりも柔軟に設定することが可能である。
なお次数は必要に応じて増やしても良い。
特に、スポーティ車において好ましい、電動ダンパ装置303を硬い乗り心地特性に設定しても、アンバランス車輪振動が車体に伝わらないようにできる。
1RL,1RR 車輪
2 車両
3 操向ハンドル(ハンドル)
4 電動モータ(電動パワーステアリング装置用の電動モータ)
5b ウォームホイールギア
6 車体
7 ピニオン軸
7a ピニオンギア
8 ラック軸
8a ラックギア
11 アッパーアーム
12 ロアアーム
13 車輪支持部材
14FL,14FR,14RL,14RR サスペンション装置
17 トルクセンサ(操舵トルクセンサ)
30,30FL,30FR,30RL,30RR 電動ダンパ変換機構(変換機構)
31 ダンパハウジング
32 ロッド
33 ラックアンドピニオン機構
35,35FL,35FR,35RL、35RR 電動モータ
36 コイルスプリング(バネ機構)
80,80FL,80FR,80RL,80RR 変位量検出センサ(車輪上下動検出センサ)
81 センサハウジング
82 スイングロッド
85 ポテンショメータ
85a 抵抗素子
85b 摺動素子
85c 出力端子
86 抵抗器
87 定電圧電源
88 抵抗器
91A,91B,91C,91D、291A,291B,291C,291D FET
104 車速センサ
106,106FL,106FR,106RL,106RR,206 モータ駆動部(ダンパモータ駆動手段)
107 エンジン回転速度センサ
112 入力インタフェース回路
112a 入力インタフェース部
112b AD変換器
113 マイクロコンピュータ
114 出力インタフェース回路
124,124FL,124FR,124RL,124RR,224 モータ電流センサ
200A,200B 制御ECU
201 故障診断部
202,202A,202B,202C,202D,202’,202A’,202B’,202C’,202D’ ダンパ制御部
202a 微分演算部
202b ローパスフィルタ演算部
202c ハイパスフィルタ演算部
202d 加算部
202e ダンパ制御量演算部
202f バンドストップフィルタ演算部
203A,203B ローパスカットオフ周波数設定部
203C 1次振動バンドストップ周波数設定部
204A,204B ローパスカットオフ周波数設定部
204C 2次振動バンドストップ周波数設定部
205 電動パワーステアリング制御部
206 モータ駆動部(駆動回路)
207,207A,207B,207C,207D 駆動回路出力部(
209 駆動回路出力部(
210A、210B、210C 制御部(減衰手段)
211 バンドパスカットオフ周波数設定部
212 パワースペクトル演算部(パワースペクトル演算手段)
213 バンドパスカットオフ周波数設定部
214 アンバランス車輪振動検出部(アンバランス車輪振動周波数取得手段)
215 バンドパスフィルタ演算部
217 パワースペクトル演算部
219 周波数オフセット量演算部部
221 ゲート駆動回路
222 ブリッジ回路
223 昇圧回路
231 変換回路
233 差動増幅回路
301 電動パワーステアリング装置
303FL,303FR,303RL,303RR 電動ダンパ装置
Claims (5)
- 車輪の上下動を電動モータの回転に変換する変換機構と、前記車輪の上下動を検出する車輪上下動検出センサからの信号にもとづいて前記電動モータを制御して車輪に入力される上下動を減衰させる減衰手段と、を有する電動ダンパ装置であって、
前記減衰手段は、車速に応じて、前記減衰させる上下動の周波数領域を可変、又は前記周波数領域における前記車輪の上下動の減衰力を可変、とすることを特徴とする電動ダンパ装置。 - 車輪の上下動を電動モータの回転に変換する変換機構と、前記車輪の上下動を検出する車輪上下動検出センサからの信号にもとづいて前記電動モータを制御して車輪に入力される所定の周波数帯の上下動の振動に対する減衰力を変更できる減衰手段と、を有する電動ダンパ装置であって、
前記減衰手段は、前記減衰力を変更する所定の周波数帯が車速に応じて、移動可能、又は前記所定の周波数帯における前記車輪の上下動の減衰力が可変であることを特徴とする電動ダンパ装置。 - 前記電動ダンパ装置が適用される車両は電動パワーステアリング装置を備え、
前記電動パワーステアリング装置用の操舵トルクセンサからの操舵トルク検出信号にもとづいて、前記所定の周波数帯に対応する振動の大きさを検出し、前記減衰手段における減衰力を変更することを特徴とする請求項2に記載の電動ダンパ装置。 - 前記電動ダンパ装置が適用される車両は電動パワーステアリング装置を備え、
前記電動パワーステアリング装置用の操舵トルクセンサからの操舵トルク検出信号にもとづいて、車輪のアンバランスによる振動成分の周波数を検出し、前記検出された周波数にもとづいて前記減衰手段による減衰力を変更することを特徴とする請求項2に記載の電動ダンパ装置。 - 前記電動ダンパ装置が適用される車両は電動パワーステアリング装置を備え、
前記電動パワーステアリング装置用の操舵トルクセンサからの操舵トルク検出信号のパワースペクトルを演算するパワースペクトル演算手段と、
該パワースペクトル演算手段の演算値のうち、車速に応じた車輪のアンバランスによる振動成分の周波数とその振動の大きさを取得するアンバランス車輪振動周波数取得手段と、を有し、
前記アンバランス車輪振動周波数取得定手段により取得された、前記車輪のアンバランスによる振動成分の周波数にもとづいて前記所定の周波数帯を設定し、前記車輪のアンバランスによる振動成分の振動の大きさにもとづいて、前記所定の周波数帯における前記減衰手段による減衰力を変更することを特徴とする請求項2に記載の電動ダンパ装置。
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