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JP2009206747A - 車両用周囲状況監視装置及び映像表示方法 - Google Patents

車両用周囲状況監視装置及び映像表示方法 Download PDF

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JP2009206747A JP2008046246A JP2008046246A JP2009206747A JP 2009206747 A JP2009206747 A JP 2009206747A JP 2008046246 A JP2008046246 A JP 2008046246A JP 2008046246 A JP2008046246 A JP 2008046246A JP 2009206747 A JP2009206747 A JP 2009206747A
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柳  拓良
Satoshi Chinomi
聡 知野見
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Abstract

【課題】自車両の後方に後続車両が接近し且つその接近によって発生する死角領域があるような状況であっても、当該自車両の運転者が後方の状況を瞬時に認識することができる車両用周囲状況監視装置を提供する。
【解決手段】車両用周囲状況監視装置は、後方カメラ101a、右後側方カメラ101b、及び、左後側方カメラ101cのそれぞれによって撮像された映像に基づいて表示映像を生成する際に、演算部105により、後方カメラ101aによって撮像された画像の消失線に基づいて表示領域を分割し、分割した表示領域に、後方カメラ101aによって撮像されて視点変換していない画像と、右後側方カメラ101b及び/又は左後側方カメラ101cによって撮像されて視点変換された画像と後方カメラ101aによって撮像された画像とを重ね合わせて生成された合成画像とを表示するように、表示映像を生成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両後方や車両後側方の映像を表示して車両運転者に提示する車両用周辺監視装置及び映像表示方法に関する。
従来、車両のルームミラーやドアミラーの死角となる領域の視界を確保しつつ、少ない視線移動で車両後方や車両後側方の状況を車両運転者が的確に把握できるようにするために、車両後方や車両後側方の映像を車載カメラによって撮像し、その映像を車両内部に設置したディスプレイに表示させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
具体的には、特許文献1には、自車両後端部に設置した後方カメラと車両の左右ドアミラーに設置した2台の側方カメラとを用いて自車両後方及び自車両後側方の映像を撮像し、これら後方カメラと2台の側方カメラによって撮像した映像をそれぞれ自車両内部の1つのディスプレイの表示画面上で分割した状態で表示し、自車両周囲を監視するようにした車両用周辺監視装置が開示されている。
特開2003−81014号公報
しかしながら、車両内部のディスプレイは表示領域の大きさが限られており、特許文献1に記載された車両用周辺監視装置のように複数の映像を1つのディスプレイで分割して表示すると、各カメラの映像の表示サイズが相対的に小さくなる。このため、例えば後方カメラで後続車両を撮影しているときに、ディスプレイに表示されている映像中の後続車両の大きさが、車両運転者が普段から見慣れているルームミラーで確認する場合と比べて小さくなる可能性がある。したがって、車両運転者がこの後続車両との距離感を正しく認識できず、自車両の後方に後続車両が接近し且つその接近によって発生する死角領域があるような場合には、後方の状況を瞬時に認識することができない場合がある。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、運転者が後方の状況を瞬時に認識することができる車両用周囲状況監視装置及び映像表示方法を提供することを目的とする。
本発明は、車両後方及び車両後側方を撮影可能な映像撮像手段で撮像した映像を車両内部の映像表示手段に表示するに際し、視点変換されていない後方撮像画像の消失線に基づいて表示手段の表示領域を分割し、分割した表示領域に、後方撮像画像と、視点変換された右後側方視点変換画像又は左後側方視点変換画像と後方撮像画像とを合成した合成画像とを表示するように、表示映像を生成する。
本発明にかかる車両用周囲状況監視装置及び映像表示方法によれば、表示映像に基づいて後続車両との距離感を正確に認識することができるようになることから、自車両の後方に後続車両が接近し且つその接近によって発生する死角領域があるような状況であっても、当該自車両の運転者が後方の状況を瞬時に認識することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態としての車両用周囲状況監視装置について具体的に説明する。
[車両用周囲状況監視装置の構成]
本発明の実施形態として示す車両用周囲状況監視装置は、自車両に搭載された3つの車載カメラによって映像を撮像する構成の適用例である。車両用周囲状況監視装置は、図1に示すように、自車両周囲の映像を撮像するカメラ装置101を備える。
カメラ装置101は、自車両後部と左右側面とに設置された少なくとも3台以上の車載カメラモジュールからなる。図1においては、車両用周囲状況監視装置は、自車両後部に設置された後方カメラ101aと、自車両の右側面に設置された右後側方カメラ101bと、自車両の左側面に設置された左後側方カメラ101cとを備える。
図2に示すように、後方カメラ101aは、例えばルーフスポイラー等の自車両後部の所定位置に設置されている。後方カメラ101aは、図2中A1で示す自車両後方及び自車両後側方の比較的広い領域の映像を撮像することが可能とされている。
また、右後側方カメラ101bは、例えば右側ドアミラー等の自車両右側部における後方カメラ101aと概ね同じ高さの所定位置に設置されている。この右後側方カメラ101bは、図2中A2で示す自車両右側から自車両後側方にかけての比較的広い領域の映像を、後方カメラ101aとは異なる視点位置から撮像することが可能とされている。
さらに、左後側方カメラ101cは、例えば左側ドアミラー等の自車両左側部における後方カメラ101aと概ね同じ高さの所定位置に設置されている。左後側方カメラ101cは、図2中A3で示す自車両左側から自車両後側方にかけての比較的広い領域の映像を、後方カメラ101aとは異なる視点位置から撮像することが可能とされている。
ここで、車両後方の領域とは、自車両の前後軸を当該自車両後方に伸ばした延長線を中心とした所定範囲の領域である。例えば、車両後方の領域とは、自車両の運転者がルームミラーで確認できる範囲の領域である。また、自車両後側方の領域とは、車両後方の領域よりも左右外側に位置する領域である。例えば、後側方の領域とは、自車両の運転者がドアミラーで確認できる範囲の領域である。
例えば図3に示すように、自車両V1の後方の近い距離に後続車両V2が存在し、且つ、後続車両V2の後方から自車両V1の右側の追越車線を走行する追越車両V3が存在する状況において、左後側方カメラ101c、後方カメラ101a、右後側方カメラ101bによって撮像される映像の具体例を、図4(a)、(b)、(c)に示す。図4(a)が右後側方カメラ101bによって撮像される映像であり、図4(b)が後方カメラ101aによって撮像される映像であり、図4(c)が左後側方カメラ101cによって撮像される映像である。なお、この図3に示すような状況においては、これら3つの映像のいずれであっても単独では後方の全ての状況を把握することはできない。
このような後方カメラ101a、右後側方カメラ101b、左後側方カメラ101cは、それぞれ、レンズ及び受光素子から構成される光学系を有し、レンズを通して入射した光をCCD(Charge-Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の受光素子によって受光してディジタル信号又はアナログ信号からなる電気信号に変換し、撮像した映像を画素毎に数値化した映像信号として出力する。このような後方カメラ101a、右後側方カメラ101b、左後側方カメラ101cから出力された映像信号は、それぞれ、当該後方カメラ101a、右後側方カメラ101b、左後側方カメラ101cのそれぞれに対応する映像入力部103a,103b,103cに入力される。
また、車両用周囲状況監視装置は、カメラ装置101によって撮像された自車両V1の周囲の映像を処理して表示映像を生成する映像処理部102と、この映像処理部102によって生成された表示映像を表示するディスプレイ108とを備える。
映像処理部102は、後方カメラ101a、右後側方カメラ101b、左後側方カメラ101cのそれぞれから出力された映像信号を入力する映像入力部103a,103b,103cと、これら映像入力部103a,103b,103cのそれぞれを介して入力された映像信号をフレーム毎に格納する入力映像フレームメモリ104a,104b,104cと、ディスプレイ108に表示する表示映像を生成するための所定の演算処理を行う演算部105と、この演算部105によって演算処理されて生成された映像信号をフレーム毎に格納する出力映像フレームメモリ106と、この出力映像フレームメモリ106から読み出した映像信号を表示映像として出力する映像出力部107とを有する。
映像入力部103a,103b,103cは、それぞれ、後方カメラ101a、右後側方カメラ101b、左後側方カメラ101cに対応して設けられ、これら後方カメラ101a、右後側方カメラ101b、左後側方カメラ101cのそれぞれから出力された映像信号を入力する。これら映像入力部103a,103b,103cを介して入力された映像信号は、それぞれ、入力映像フレームメモリ104a,104b,104cに入力される。
入力映像フレームメモリ104a,104b,104cは、それぞれ、映像入力部103a,103b,103cに対応して設けられたRAM(Random Access Memory)から構成され、これら映像入力部103a,103b,103cのそれぞれを介して入力された映像信号をフレーム毎に格納する。映像信号は、これら入力映像フレームメモリ104a,104b,104cのサイズに合わせてディジタル化される。これら入力映像フレームメモリ104a,104b,104cに格納された映像信号は、それぞれ、演算部105によって読み出される。
演算部105は、入力映像フレームメモリ104a,104b,104cのそれぞれから読み出した映像信号に基づいて、ディスプレイ108に表示する表示映像を生成するための所定の演算処理を行う。そして、演算部105によって生成された表示映像は、出力映像フレームメモリ106、映像出力部107を介してディスプレイ108に供給される。
その際、演算部105は、センサ110によって検出された後続車両V2の存在や位置等の情報を通信部111を介して受信し、その情報を用いて演算処理を行うようにしてもよい。具体的には、演算部105は、基本的な処理として、図5に示すように、後方カメラ101a、右後側方カメラ101b、左後側方カメラ101cのそれぞれによって撮像された映像に対して、視点変換・左右反転処理部120a,120b,120cにより、映像の視点を変換する視点変換処理と映像の左右を反転させる左右反転処理とを行い、得られた映像を合成処理部121によって1つの映像に合成し、その映像を出力する処理を行う。演算部105は、生成した表示映像を出力映像フレームメモリ106に格納させる。なお、この演算部105による具体的な処理については、後に詳述するものとする。
出力映像フレームメモリ106は、RAMから構成され、演算部105によって演算処理されて生成された映像信号をフレーム毎に格納する。この出力映像フレームメモリ106に格納された映像信号は、映像出力部107によって読み出される。
映像出力部107は、出力映像フレームメモリ106から読み出した映像信号を、ディスプレイ108に表示可能な表示映像として出力する。
このような各部を有する映像処理部102は、生成した表示映像を自車両V1の内部に設置されたディスプレイ108に表示させる。
ディスプレイ108は、自車両V1の内部に設置され、映像出力部107から出力された表示映像を表示画面上に表示することにより、自車両V1の周囲状況を運転者に提示する。
[車両用周囲状況監視装置の動作]
このような各部を備える車両用周囲状況監視装置は、演算部105によって演算処理されて生成された映像を、出力映像フレームメモリ106及び映像出力部107を介してディスプレイ108に表示させる。このとき、車両用周囲状況監視装置は、上述したように、演算部105によって視点変換処理と左右反転処理とを行う。
ここで、視点変換処理とは、従来から知られている視点変換処理と同様のものであり、1つの仮想的なカメラと、立体物が存在しない平坦な地面とを想定し、後方カメラ101a、右後側方カメラ101b、左後側方カメラ101cのそれぞれによって撮像された映像を、その仮想的なカメラによって撮像されるであろう映像に変換するものである。具体的には、演算部105は、例えば図4に示した映像を処理対象とする場合には、図6の網掛け領域Pa,Pb,Pcの画像情報を、それぞれ、図7の網掛け領域Pa’,Pb’,Pc’に視点変換する。
そして、演算部105は、これら網掛け領域Pa’,Pb’,Pc’を合成することにより、図8(a)に示す映像を生成する。この映像は、1つの仮想的な視点から見たときの映像であるという意味では認識しやすいものである。しかし、特に真後ろの後続車両V2を表す画像が視点変換によって歪曲し、後方カメラ101a、右後側方カメラ101b、左後側方カメラ101cのそれぞれによって撮像された、視認性が悪い映像のつなぎ目との影響により、つなぎ目と重複しており且つ当該つなぎ目の内側に位置する後続車両V2を認識しにくくなってしまっているという問題がある。また、仮に図8(b)に示す映像のように真後ろの後続車両V2が歪曲していない映像に変換できたとしても、その映像は、後続車両V2と追越車両V3とが重複したものとなってしまうため、追越車両V3と後続車両V2とを同時に視認させることができない映像となる。
これに対し、車両用周囲状況監視装置は、先に図5に示したような構成に加えて、後続車両検出部122によって後続車両V2を検出するとともに、クロップ・左右反転処理部123により、後方カメラ101aによって撮像された映像から視点変換を行っていない部分画像をクロップして左右反転し、得られた視点変換されていない映像と、視点変換及び左右反転処理部120a,120b,120cによって視点変換された映像とを、合成処理部121によって1つの映像に合成する。
ここで、クロップ・左右反転処理部123によってクロップする視点変換を行っていない部分画像は、後方カメラ101aのレンズによる画像の歪曲を補正してあるものであってもよい。また、後続車両検出部122は、後方カメラ101a(又は右後側方カメラ101b若しくは左後側方カメラ101c)によって撮像された映像を画像認識処理することによって後続車両V2の存在及び位置を認識するものであってもよく、また、ミリ波レーダーやレーザーレーダ等の任意のセンサを用いて後続車両V2の存在及び位置を検出するものであってもよい。
車両用周囲状況監視装置は、これら後続車両検出部122及びクロップ・左右反転処理部123を設けることにより、状況に応じて以下のような各種処理を行う。
[視点変換されていない画像を利用した映像置換]
まず、車両用周囲状況監視装置は、クロップ・左右反転処理部123を設けることにより、図9に示すように、自車両V1の後方カメラ101aによって撮像された後方撮像画像の消失線に基づいて表示領域を分割し、分割した表示領域に、後方カメラ101aによって撮像されて視点変換されていない後方撮像画像と、右後側方カメラ101b又は左後側方カメラ101cによって撮像されて視点変換された右後側方視点変換画像又は左後側方視点変換画像画像と後方カメラ101aによって撮像されて視点変換されていない後方撮像画像とを合成された合成画像とを表示する。換言すれば、車両用周囲状況監視装置は、視点変換された映像及び視点変換されていない映像を、視点変換処理によって生成された仮想的な視点からの画像VMの地平線(消失線)Gと重なる矩形領域Aに置換する。
具体的には、矩形領域Aには、後方カメラ101aによって撮像されて視点変換されていない画像(後方撮像画像:領域C)と、左後側方カメラ101cによって撮像されて視点変換された画像(左後側方視点変換画像)と後方撮像画像とを重ね合わせて生成された合成画像(領域L)との2つの画像が表示される。また、矩形領域Aには、後方撮像画像(領域C)と、右後側方カメラ101bによって撮像されて視点変換された画像(右後側方視点変換画像)と後方撮像画像とのを重ね合わせて生成された合成画像(領域R)との2つの画像を表示して良い。更に、矩形領域Aには、後方撮像画像(領域C)と、左後側方視点変換画像及び後方撮像画像(領域L)と、右後側方視点変換画像及び後方撮像画像(領域R)との3つの画像を表示しても良い。
これにより、後続車両V2は、領域Cとして表示された後方撮像画像、領域Lとして表示された左後側方視点変換画像及び後方撮像画像、及び、領域Rとして表示された右後側方視点変換画像及び後方撮像画像の全てにおいて視認することができる。また、追越車両V3は、領域Lとして表示された左後側方視点変換画像及び後方撮像画像又は領域Rとして表示された右後側方視点変換画像及び後方撮像画像において視認することができる。
そのため、車両用周囲状況監視装置は、演算部105により、このような矩形領域Aに相当する映像を生成し、図10(a)に示すように、その映像をディスプレイ108に表示することにより、自車両V1の後方に後続車両V2が接近し且つその接近によって発生する死角領域があるような状況であっても、当該自車両V1の運転者が後方の状況を瞬時且つ確実に認識することができる。
[ピクセルの水平方向への圧縮]
また、車両用周囲状況監視装置は、図11に示すように、画像VMが、後方カメラ101aによって撮像されて視点変換された後方視点変換画像201aと、右後側方カメラ101bによって撮像されて視点変換された右後側方視点変換画像201bと、左後側方カメラ101cによって撮像されて視点変換された左後側方視点変換画像201cとを含み、図11中破線で示す矩形領域Aが、これら画像201a,201b,201cの全てと重複しているような場合には、以下のような処理を行う。なお、ここでは、左後側方カメラ101cによって撮像されて視点変換された左後側方視点変換画像201cについての処理を例として採りあげて説明を行うものとする。
画像VMに現れている左後側方視点変換画像201cは、図11に示すように、5角形の領域からなり、当該左後側方視点変換画像201cのうち領域202におけるピクセル行が矩形領域Aと重複している。
そこで、車両用周囲状況監視装置は、図12に示すように、演算部105により、左後側方視点変換画像201cのうちで矩形領域Aと重複した領域202におけるピクセル行を画像VMの左端に向かって水平方向に圧縮し、矩形領域Aと重複しなくなるように歪ませる。具体的には、車両用周囲状況監視装置は、図13(a)における網掛け領域Pcで示すように、図12の左後側方視点変換画像201cにおける矩形領域Aとの重複した領域202に相当するピクセル行を画像の左端に向かって水平方向に圧縮する。これにより、車両用周囲状況監視装置においては、図14に示すように、後続車両V2を含む矩形領域Aと、左後側方カメラ101cによって撮像されて視点変換された画像201cを歪曲させた領域202’とが重複しなくなる。
したがって、車両用周囲状況監視装置は、演算部105により、右後側方視点変換画像201b,左後側方視点変換画像201cについては矩形領域Aと重複する部分がなくなるように、視点変換後に水平方向に圧縮した画像に置換し、図13(b)に示すように、その映像をディスプレイ108に表示する。これにより、車両用周囲状況監視装置は、後続車両V2と追越車両V3とを同時に視認させることができる画像VMを提示することができる。
[自車両と後続車両との縦方向距離を利用した最適化]
さらに、車両用周囲状況監視装置は、後続車両検出部122によって自車両V1の後端Bと後続車両V2との縦方向の距離を検出して、矩形領域Aの最適化を図っても良い。
車両用周囲状況監視装置は、自車両V1の後端Bと後続車両V2との縦方向の距離に基づいて、図15に示すように、後方カメラ101aによって撮像されて視点変換された後方視点変換画像201aと、右後側方カメラ101bによって撮像されて視点変換された右後側方視点変換画像201bと、左後側方カメラ101cによって撮像されて視点変換された左後側方視点変換画像201cとを含む画像VMにおける矩形領域Aを最適に配置する。
すなわち、車両用周囲状況監視装置は、後続車両検出部122によって自車両V1の後端Bと後続車両V2との縦方向の距離dを検出すると、演算部105により、当該自車両V1の後端Bを距離dだけ後方へ移動した直線が矩形領域Aの底辺となるように、表示映像内における当該矩形領域Aの位置を設定する。さらに、車両用周囲状況監視装置は、演算部105により、矩形領域Aの底辺と消失点Dとによって定義される三角形の後方撮像画像(領域C)と、消失点Dを垂直に上方へ伸ばした直線を境に左側の領域L(左後側方視点変換画像+後方撮像画像)と、右側の領域R(右後側方視点変換画像+後方撮像画像)との3つの領域に、矩形領域Aを分割する。
これにより、車両用周囲状況監視装置は、死角領域が最も少ない映像を生成することができる。
[自車両と後続車両との横方向の距離を利用した最適化]
さらにまた、車両用周囲状況監視装置は、自車両V1と後続車両V2との縦方向の距離のみではなく、自車両V1に対する横方向の位置も検出できる後続車両検出部122を有する場合には、運転者の視点に対する死角領域を最小限にし且つ後続車両V2の認識しやすさに優れる画像の合成を実現することができる。
すなわち、車両用周囲状況監視装置は、図16(a)及び図17(a)に示すような各後方カメラ101a、右後側方カメラ101b、左後側方カメラ101cのそれぞれによって撮像されて視点変換された画像201a,201b,201cを合成した画像において、図16(b)及び図17(b)に示すような後続車両V2の先端部分を地面に投影したときの位置Pに壁面等の垂直の物体が存在したとした場合に、当該物体が画像VM内において占める領域と、後続車両V2の画像VM内における位置Pを底辺とする矩形領域との両方に属する領域とを、矩形領域Aとする。そして、車両用周囲状況監視装置は、演算部105により、物体が画面VM内において占める領域の部分を後方撮像画像(領域C)とし、矩形領域Aから後方撮像画像(領域C)を除いた左右の領域をそれぞれ左後側方視点変換画像及び後方撮像画像(領域L),右後側方視点変換画像及び後方撮像画像(領域R)とする。
これにより、車両用周囲状況監視装置は、死角領域が最も少なく且つ後続車両V2の認識しやすさに優れる映像を生成することができる。特に、夜間に撮像された映像によっては後続車両V2のヘッドライトを視認可能であるが、後続車両V2のそれ以外の部分については暗くて視認性が高いので、このような手法は、夜間での使用に有効である。
[後続車両の映像の鮮明度の最適化]
また、車両用周囲状況監視装置は、運転者の視点に対する死角領域を最小限とすると共に、後続車両V2の視認性をさらに向上させるために、当該後続車両V2の映像の鮮明度を変化させても良い。
すなわち、人間の視覚認知の研究により人間が特に顔の認識に優れていることが知られているが、自動車のデザインにおいては、左右のヘッドライトとグリルがいわば自動車の顔であると考えるのが一般的である。そのため、かかる原理に基づいて、後続車両V2の視認性を向上させるために、略ヘッドライト上端の高さまでは、後続車両V2の映像をなるべく鮮明に提示することが有効であると考えられる。
そこで、車両用周囲状況監視装置は、演算部105により、例えば図10(b)に示すように後方撮像画像を表示する。また、車両用周囲状況監視装置は、図18に示すように、矩形領域A内における後続車両V2の略ヘッドライト上端の高さまでは、後方視点変換画像201aではく後方撮像画像(領域C)を表示しても良い。
これにより、車両用周囲状況監視装置は、後続車両V2の映像を鮮明にするような映像を生成し、その映像をディスプレイ108に表示する。
ここで、車両用周囲状況監視装置は、ヘッドライト上端の高さとして、例えば市販車両のヘッドライトの高さの80%を含む地上高として定義し、当該地上高を車幅毎にメモリ等に記憶しておく。そして、車両用周囲状況監視装置は、実際に検出した後続車両V2の車幅に応じて該当する地上高を求めても良く、さらには、画像に対してパターンマッチング等の手法を適用してヘッドライトの実際の高さを求めても良い。
これにより、車両用周囲状況監視装置は、画像VM内における後続車両V2の視認性を大幅に向上させることができる。
[後続車両の領域拡大]
さらに、車両用周囲状況監視装置は、後続車両V2の映像において、視認性にそれほど影響しない部分の割合を低減することにより、当該後続車両V2の視認性を向上させても良い。
すなわち、車両用周囲状況監視装置は、例えば図19に示すように、演算部105により、矩形領域Aのうち、視認性にそれほど影響しない後続車両V2のアッパーボディの部分、より具体的には、後続車両V2の略ヘッドライト上端位置又は略ルーフ上端位置よりも上方であり且つ右後側方カメラ101b及び左後側方カメラ101cの撮像範囲内の領域については、右後側方カメラ101b及び左後側方カメラ101cによって撮像されて視点変換された右後側方視点変換画像201b,左後側方視点変換画像201cの合成比率を上げる。これにより、車両用周囲状況監視装置は、後続車両V2の後方の状況を提示する領域を拡大する。
これにより、車両用周囲状況監視装置は、後方状況の全体的な視認性を大幅に向上させることができる。
[追越車両の視認性向上]
さらにまた、車両用周囲状況監視装置は、自車両が走行する車線に対する隣接車線に存在する追越車両V3を検出した場合には、当該追越車両V3の視認性を向上させることもできる。
すなわち、車両用周囲状況監視装置は、例えば図20に示すように、画像VMにおいて追越車両V3を検出した場合には、演算部105により、画像VM内において追越車両V3が占める領域については、右後側方カメラ101b及び左後側方カメラ101cによって撮像されて視点変換された映像に対する、後方カメラ101aによって撮像されて視点変換されていない映像の合成比率を下げる。
これにより、車両用周囲状況監視装置は、追越車両V3の視認性を向上させることができる。
[車線変更の推測]
また、車両用周囲状況監視装置は、自車両V1が車線変更を行う可能性を推測し、その推測結果に応じて、後続車両V2の視認性を向上させるような映像を生成するか、隣接車線に存在する追越車両V3やすり抜け車両の視認性を向上させるような映像を生成するかを決定する。
具体的には、車両用周囲状況監視装置は、演算部105により、例えば、道路の形状に関するカーナビゲーションシステムの地図データや、カーナビゲーションシステムに設定されている案内経路の情報等に基づいて、自車両V1が車線変更を行う可能性を推測する。
なお、自車両V1が車線変更を行う可能性を推測するために、道路の形状に関するカーナビゲーションシステムの地図データを用いるのは、自車両V1の進行方向の車線数が1車線であるときは車線変更を行う可能性が低いが、例えば高速道路のインターチェンジにおいて本線に合流する場合等、車線数が複数あるときは車線変更を行う可能性が高いことに基づくものである。また、自車両V1が車線変更を行う可能性を推測するために、カーナビゲーションシステムに設定されている案内経路の情報を用いるのは、設定されている経路の右左折ポイントが近付いている場合には、右左折のため又はその準備としての車線変更のために、後方の追越車両V3やすり抜け車両を確認したいという要求に基づくものである。
そして、車両用周囲状況監視装置は、自車両V1が車線変更を行う可能性を推測すると、車線変更の可能性が所定割合以上である場合には、演算部105により、右後側方カメラ101b及び左後側方カメラ101cによって撮像されて視点変換された映像の合成比率を上げ、先に図20を用いて説明したように、追越車両V3やすり抜け車両の視認性を向上させるような映像を生成する。一方、車両用周囲状況監視装置は、車線変更の可能性が所定割合未満である場合には、演算部105により、先に図15乃至図19を用いて説明したように、後続車両V2の視認性を向上させるような映像を生成する。
これにより、車両用周囲状況監視装置は、単純であり且つそれが故に運転者にとって状況を把握しやすい映像を提示することができる。
[矩形領域の制限]
さて、車両用周囲状況監視装置において、上述したような後続車両V2が検出された場合における処理は、いずれも、複数の後続車両V2が検出された場合には、検出された全ての後続車両V2に対して適用することができる。しかしながら、車両用周囲状況監視装置においては、複数の矩形領域Aを設けると、演算部105による画像処理が複雑になり、また、ディスプレイ108に表示する映像においても、分割された異なる矩形領域Aが複数存在することに起因してわかりにくくなる、といった問題が生じる。
そこで、車両用周囲状況監視装置は、複数の後続車両V2が検出された場合には、自車両V1との距離や自車両V1に対する位置、後続車両V2の車幅等、所定の条件を満たす一部の後続車両V2を選択し、その後続車両V2に対してのみ矩形領域Aを算出し、当該条件を満たさない後続車両V2に対しては処理を行わないようにする。
これにより、車両用周囲状況監視装置は、必要な画像処理を簡易化して処理の高速化を図ることができ、また、ディスプレイ108に表示する映像自体も、より簡便でわかりやすいものとすることができる。
なお、矩形領域Aを設ける理由は、視点変換された映像において視認しにくい後続車両V2の視認性を向上させることであるが、後続車両V2のうち最も視認性が求められる車両は、自車両V1から最も近い位置に存在する後続車両V2である。また、ある程度以上の距離が離れている後続車両V2については、その検出精度も低下するのが一般的である。
そのため、車両用周囲状況監視装置は、複数の矩形領域Aを設けて映像を分割し、複雑化してしまうよりも、演算部105により、自車両V1の後端からの距離が所定の閾値以下の車両を後続車両V2として選択して処理を行い、自車両V1との距離が離れているような重要度が低い後続車両V2については処理を行わない方が有益であることが多いといえる。
また、視点変換された映像において、乗用車やトラック等、ある程度の車幅がある後続車両V2の視認性が悪いのは、後続車両V2が自車両V1の真後ろに存在する場合ともいえる。これは、後続車両V2が自車両V1に対して左右のいずれかにずれて位置している場合には、右後側方カメラ101b及び左後側方カメラ101cによって撮像されて視点変換された映像によって視認することが可能となるからである。したがって、矩形領域Aを設けるのがよいのは後続車両V2が自車両V1の真後ろに存在する場合である。
そこで、車両用周囲状況監視装置は、演算部105により、後続車両V2が自車両V1の真後ろに存在する旨を検出した場合には、その後続車両V2に対してのみ矩形領域Aを算出するようにする。後続車両V2が自車両V1の真後ろに存在する旨を検出するための条件としては、後続車両V2が自車両V1の車幅方向中央と消失点Dとを結ぶ直線上に位置する車両であることや、右後側方カメラ101b及び左後側方カメラ101cによって撮像されて視点変換された映像領域内に後続車両V2がはみ出している距離が所定の閾値以下であること、として定義することができる。
さらに、車両用周囲状況監視装置は、後続車両V2が二輪車等の車幅が狭い車両である場合には、そのような後続車両V2を優先的に表示するような映像を生成する。これは、二輪車等は、乗用車やトラック等の大きな車両として比較して正面面積が小さいため、視点変換されて合成された画像においては、乗用車やトラック等よりもさらに視認性が悪くなることが多いためである。
そこで、車両用周囲状況監視装置は、同じ画像VM内に、後続車両V2として二輪車等の車幅が狭い車両と四輪車等の車幅が広い車両とが混在する場合には、車幅が所定の閾値以下の車両を優先するように、演算部105によって映像を生成する。
このように、車両用周囲状況監視装置は、複数の後続車両V2が検出された場合には、自車両V1との距離や自車両V1に対する位置、後続車両V2の車幅といった所定の条件を満たす一部の後続車両V2を選択し、その後続車両V2に対してのみ矩形領域Aを算出することにより、処理の高速化を図ることができるとともに、ディスプレイ108に表示する映像を簡便でわかりやすいものとすることができる。
なお、車両走行中においては、自車両V1の周囲に存在する後続車両V2も時々刻々と変化することから、後続車両V2の選択に用いる上述した条件による判断結果も頻繁に変化することになる。
そこで、車両用周囲状況監視装置は、後続車両V2の選択に用いる上述した条件に基づいて、一度処理対象として認めた車両又は認めなかった車両については、検出ミスや一時的な相対位置の変化等に起因して条件が変化してしまったとしても、所定時間内はその前の判断を保持する。
これにより、車両用周囲状況監視装置は、画像が頻繁に変化して運転者に煩わしい感を与えてしまうのを防止することができる。
[実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明の実施形態として示した車両用周囲状況監視装置は、後方カメラ101a、右後側方カメラ101b、及び、左後側方カメラ101cのそれぞれによって撮像された映像に基づいて、ディスプレイ108に表示する表示映像を生成する際に、演算部105により、後方カメラ101aによって撮像された画像の消失線に基づいて表示領域を分割し、分割した表示領域に、当該後方カメラ101aによって撮像されて視点変換していない画像と、右後側方カメラ101b及び/又は左後側方カメラ101cによって撮像されて視点変換された画像と後方カメラ101aによって撮像されて視点変換されていない画像とを重ね合わせて生成された合成画像とを表示するように、表示映像を生成する。
これにより、この車両用周囲状況監視装置においては、表示映像に基づいて後続車両V2との距離感を正確に認識することができるようになる。したがって、この車両用周囲状況監視装置においては、自車両V1の後方に後続車両V2が接近し且つその接近によって発生する死角領域があるような状況であっても、当該自車両V1の運転者が後方の状況を瞬時且つ確実に認識することが可能となる。
具体的には、この車両用周囲状況監視装置においては、表示領域として、後方カメラ101aによって撮像されて視点変換していない画像を表示する後方撮像画像(領域C)と、右後側方視点変換画像及び後方撮像画像(領域R)と、左後側方視点変換画像及び後方撮像画像(領域L)とのうち、後方撮像画像(領域C)と右後側方視点変換画像及び後方撮像画像(領域R)との2つの領域、後方撮像画像(領域C)と左後側方視点変換画像及び後方撮像画像(領域L)との2つの領域、又は、後方撮像画像(領域C)と右後側方視点変換画像及び後方撮像画像(領域R)と左後側方視点変換画像及び後方撮像画像(領域L)との3つの領域からなり、消失線を含む矩形領域Aを含むものとすればよい。これにより、この車両用周囲状況監視装置においては、分かりやすい単一視点の映像でありながら、自車両V1の後方に発生する後続車両V2によるその左右の死角領域が少ない映像を提示し、自車両V1の運転者が後方の状況を瞬時且つ確実に認識することが可能となる。
さらに、この車両用周囲状況監視装置において、演算部105は、右後側方カメラ101bによって撮像されて視点変換した画像と、左後側方カメラ101cによって撮像されて視点変換した画像とについて、矩形領域Aと重複する部分がなくなるように、視点変換後に水平方向に圧縮した画像に置換する。これにより、この車両用周囲状況監視装置は、映像の半透明処理を行うことができない安価な画像処理装置であっても、死角領域が少ない映像を提示することができ、後続車両V2と追越車両V3とを同時に視認することができる画像を提示することができる。
さらにまた、この車両用周囲状況監視装置において、演算部105は、自車両V1の後端と後続車両V2との縦方向の距離を検出する後続車両検出部122によって検出された距離dだけ自車両V1の後端を後方へ移動した直線が矩形領域Aの底辺となるように、表示映像内における当該矩形領域Aの位置を設定し、さらに、矩形領域Aの底辺と消失点Dとに基づいて、後方撮像画像(領域C),左後側方視点変換画像及び後方撮像画像(領域L),右後側方視点変換画像及び後方撮像画像(領域R)の3つの領域に当該矩形領域Aを分割する。これにより、この車両用周囲状況監視装置は、後続車両V2との車間距離のみを検出する安価なシステムにより、死角領域が最も少ない映像を生成することができる。
また、この車両用周囲状況監視装置において、演算部105は、自車両V1と後続車両V2との横方向の距離を検出する後続車両検出部122によって検出された後続車両V2の先端を地面に投影したときの位置Pに垂直の物体が存在したとした場合に当該物体が画像VM内において占める領域と、当該後続車両V2の画像VM内における位置Pを底辺とする領域との両方に属する領域を、矩形領域Aとして設定し、物体が画面VM内において占める領域の部分領域を後方撮像画像(領域C)とし、矩形領域Aから後方撮像画像(領域C)を除いた左右の領域をそれぞれ左後側方視点変換画像及び後方撮像画像(領域L)、右後側方視点変換画像及び後方撮像画像(領域R)とする。
これにより、この車両用周囲状況監視装置は、後続車両V2が2重に見えてしまうような可能性を低減し、死角領域が最も少なく且つ後続車両V2の認識しやすさに優れる映像を生成することができる。
さらに、この車両用周囲状況監視装置において、演算部105は、矩形領域A内における後続車両V2の略ヘッドライト上端の高さまでは当該後続車両V2の映像を鮮明にするような映像を生成することにより、後続車両V2の視認性を大幅に向上させながらも、その後続車両V2による死角領域を最小化することができる。
さらにまた、この車両用周囲状況監視装置において、演算部105は、矩形領域Aのうち、後続車両V2の略ヘッドライト上端位置又は略ルーフ上端位置よりも上方であり且つ右後側方カメラ101b及び左後側方カメラ101cの撮像範囲内の領域については、右後側方カメラ101b及び左後側方カメラ101cによって撮像されて視点変換した画像の合成比率を上げる。これにより、車両用周囲状況監視装置は、後続車両V2の後方の状況を提示する領域を拡大することができるため、当該後続車両V2の視認性を殆ど低下させることなく、後方状況の全体的な視認性を大幅に向上させることができる。
また、この車両用周囲状況監視装置において、演算部105は、隣接車線に存在する他車両を検出した場合には、画像VM内において当該他車両が占める領域については、右後側方カメラ101b及び左後側方カメラ101cによって撮像されて視点変換された映像に対する、後方カメラ101aによって撮像されて視点変換されていない映像の合成比率を下げることにより、後続車両V2の死角領域に位置するような、隣接車線に存在する他車両の視認性を向上させることができる。
さらに、この車両用周囲状況監視装置において、演算部105は、自車両V1が車線変更を行う可能性を推測し、その推測結果に応じて、右後側方カメラ101b及び左後側方カメラ101cによって撮像されて視点変換した映像の合成比率を変化させることにより、追越車両V3等を把握する必要が少ない場合には後続車両V2の視認性を向上させることができ、単純であり且つそれが故に運転者にとって状況を把握しやすい映像を提示することができる。
さらにまた、この車両用周囲状況監視装置において、演算部105は、複数の後続車両V2を検出した場合には、自車両V1の後端からの距離が所定の閾値以下の車両に対してのみ処理を行うことにより、最も死角領域が大きい後続車両V2を処理対象として優先し、自車両V1との距離が離れているような重要度が低い後続車両V2については処理を行う必要がなく、必要な画像処理を簡易化して処理の高速化を図ることができ、また、ディスプレイ108に表示する映像自体も、より簡便でわかりやすいものとすることができる。
また、この車両用周囲状況監視装置において、演算部105は、複数の後続車両V2を検出した場合には、自車両V1の車幅方向中央と消失点Dとを結ぶ直線上に位置する車両に対してのみ処理を行うことにより、後続車両V2が自車両V1の真後ろに存在することによる当該後続車両V2の視認性の悪化を低減しつつ、自車両V1との距離が離れているような重要度が低い後続車両V2については処理を行う必要がないことから、必要な画像処理を簡易化して処理の高速化を図ることができ、また、ディスプレイ108に表示する映像自体も、より簡便でわかりやすいものとすることができる。
さらに、この車両用周囲状況監視装置において、演算部105は、複数の後続車両V2を検出した場合には、右後側方カメラ101b及び左後側方カメラ101cによって撮像されて視点変換された映像領域内に後続車両V2がはみ出している距離が所定の閾値以下である車両に対してのみ処理を行うことにより、後続車両V2が自車両V1の真後ろに存在することによる当該後続車両V2の視認性の悪化を低減しつつ、自車両V1との距離が離れているような重要度が低い後続車両V2については処理を行う必要がないことから、必要な画像処理を簡易化して処理の高速化を図ることができ、また、ディスプレイ108に表示する映像自体も、より簡便でわかりやすいものとすることができる。
さらにまた、この車両用周囲状況監視装置において、演算部105は、複数の後続車両V2を検出した場合には、視点変換画像において見落としやすい車幅が所定の閾値以下の車両を優先して処理を行うことにより、視認性が良好な車幅が広い後続車両V2については処理を行う必要がなく、必要な画像処理を簡易化して処理の高速化を図ることができ、また、ディスプレイ108に表示する映像自体も、より簡便でわかりやすいものとすることができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施の形態に限定されることはなく、この実施の形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明の実施形態として示す車両用周囲状況監視装置の構成について示すブロック図である。 後方カメラ、右後側方カメラ、及び、左後側方カメラの車両に対する取り付け位置について示す平面図である。 自車両の後方の近い距離に後続車両が存在し、且つ、後続車両の後方から自車両の右側の追越車線を走行する追越車両が存在する状況について示す俯瞰図である。 図3に示す状況において、後方カメラ、右後側方カメラ、及び、左後側方カメラによって撮像される映像の具体例を示す図である。 演算部の機能的な構成について示すブロック図である。 図3に示す状況において、後方カメラ、右後側方カメラ、及び、左後側方カメラによって撮像される映像の具体例を示す図であり、演算部が図4に示す映像を処理対象とする場合について説明するための図である。 図6の網掛け領域の画像情報を視点変換した映像の具体例を示す図である。 図7の網掛け領域を合成して生成された映像の具体例を示す図である。 演算部が後方カメラによって撮像された画像の消失線に基づいて表示領域を分割し、分割した表示領域に、所定の画像を表示させる様子を説明するための図である。 演算部によって生成された映像の具体例を示す図である。 演算部の処理対象となる映像について示す図であり、矩形領域が全ての画像と重複している様子を説明するための図である。 演算部の処理対象となる映像について示す図であり、左側の画像が矩形領域と重複しなくなるように、当該画像領域におけるピクセル行を水平方向に圧縮する様子を説明するための図である。 演算部によって図12に示す圧縮を行って生成された映像の具体例を示す図である。 演算部の処理対象となる映像について示す図であり、図12に示す圧縮を行って生成された映像の具体例を示す図である。 演算部の処理対象となる映像について示す図であり、自車両と後続車両との縦方向の距離を利用して矩形領域を最適に配置した様子を説明するための図である。 演算部の処理対象となる映像と、演算部によって生成された映像の具体例とを示す図であり、自車両と後続車両との横方向の距離を利用して矩形領域を最適に配置した様子を説明するための図である。 演算部の処理対象となる映像と、演算部によって生成された映像の具体例とを示す図であり、自車両と後続車両との横方向の距離を利用して矩形領域を最適に配置した他の様子を説明するための図である。 演算部の処理対象となる映像について示す図であり、矩形領域内における後続車両の略ヘッドライト上端の高さまでは後方カメラによって撮像されて視点変換されていない映像を表示する様子を説明するための図である。 演算部の処理対象となる映像について示す図であり、矩形領域のうち、視認性にそれほど影響しない領域については、右後側方カメラ及び左後側方カメラによって撮像されて視点変換された画像の合成比率を上げた様子を説明するための図である。 演算部の処理対象となる映像について示す図であり、画像内において追越車両が占める領域については、右後側方カメラ及び左後側方カメラによって撮像されて視点変換された映像に対する、後方カメラによって撮像されて視点変換されていない映像の合成比率を下げた様子を説明するための図である。
符号の説明
101 カメラ装置
101a 後方カメラ
101b 右後側方カメラ
101c 左後側方カメラ
102 映像処理部
103a,103b,103c 映像入力部
104a,104b,104c 入力映像フレームメモリ
105 演算部
106 出力映像フレームメモリ
107 映像出力部
108 ディスプレイ
110 センサ
111 通信部
120a,120b,120c 視点変換及び左右反転処理部
121 合成処理部
122 後続車両検出部
123 クロップ・左右反転処理部
V1 自車両
V2 後続車両
V3 追越車両

Claims (14)

  1. 自車両後方及び自車両後側方を撮像可能な後方映像撮像手段と、
    自車両右側及び自車両後側方を撮像可能な右後側方映像撮像手段と、
    自車両左側及び自車両後側方を撮像可能な左後側方映像撮像手段と、
    前記後方映像撮像手段、前記右後側方映像撮像手段、及び前記左後側方映像撮像手段のそれぞれによって撮像された映像に基づいて、自車両内部に設置された表示手段に表示する表示映像を生成する演算処理手段とを備え、
    前記演算処理手段は、前記後方映像撮像手段によって撮像された後方撮像画像の消失線に基づいて前記表示手段の表示領域を分割し、分割した表示領域に、当該後方映像撮像手段によって撮像されて視点変換されていない後方撮像画像と、前記右後側方映像撮像手段又は前記左後側方映像撮像手段によって撮像されて視点変換された右後側方視点変換画像又は左後側方視点変換画像と前記後方映像撮像手段によって撮像されて視点変換されていない後方撮像画像とを合成した合成画像とを表示するように、前記表示映像を生成することを特徴とする車両用周囲状況監視装置。
  2. 前記表示領域には、前記後方映像撮像手段によって撮像されて視点変換していない後方撮像画像を表示する第1領域と、前記右後側方映像撮像手段によって撮像されて視点変換された右後側方視点変換画像と前記後方映像撮像手段によって撮像されて視点変換されていない後方撮像画像とを合成した合成画像を表示する第2領域と、前記左後側方映像撮像手段によって撮像されて視点変換された左後側方視点変換画像と前記後方映像撮像手段によって撮像されて視点変換されていない後方撮像画像とを合成した合成画像を表示する第3領域とのうち、前記後方領域と前記第2領域との2つの領域、前記後方領域と前記第3領域との2つの領域、又は、前記第1領域と前記第2領域と前記第3領域との3つの領域からなり、前記消失線を含む矩形領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用周囲状況監視装置。
  3. 前記演算処理手段は、前記右後側方映像撮像手段によって撮像されて視点変換された右後側方視点変換画像と、前記左後側方映像撮像手段によって撮像されて視点変換された左後側方視点変換画像とについて、前記矩形領域と重複する部分がなくなるように、視点変換後に水平方向に圧縮した画像に置換することを特徴とする請求項2に記載の車両用周囲状況監視装置。
  4. 前記自車両の後端と後続車両との縦方向の距離を検出する後続車両検出手段を備え、
    前記演算処理手段は、前記後続車両検出手段によって検出された距離だけ前記自車両の後端を後方へ移動した直線が前記矩形領域の底辺となるように、前記表示映像内における当該矩形領域の位置を設定し、前記矩形領域の底辺と消失点とに基づいて、前記第1領域、前記第2領域、及び、前記第3領域の3つの領域に当該矩形領域を分割することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両用周囲状況監視装置。
  5. 前記自車両と後続車両との横方向の距離を検出する後続車両検出手段を備え、
    前記演算処理手段は、前記後続車両検出手段によって検出された前記後続車両の先端を地面に投影したときの位置に垂直の物体が存在したとした場合に当該物体が画像内において占める領域と、当該後続車両の画像内における前記位置を底辺とする領域との両方に属する領域を、前記矩形領域として設定し、前記物体が画面内において占める領域の部分を前記第1領域とし、前記矩形領域から前記第1領域を除いた左右の領域をそれぞれ前記第2領域及び前記第3領域とすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両用周囲状況監視装置。
  6. 前記演算処理手段は、前記矩形領域内における前記後続車両の略ヘッドライト上端の高さまでは当該後続車両の映像を鮮明にするような映像を生成することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の車両用周囲状況監視装置。
  7. 前記演算処理手段は、前記矩形領域のうち、前記後続車両の略ヘッドライト上端位置又は略ルーフ上端位置よりも上方であり且つ前記右後側方映像撮像手段及び前記左後側方映像撮像手段の撮像範囲内の領域については、前記右後側方映像撮像手段及び前記左後側方映像撮像手段によって撮像されて視点変換された右後側方視点変換画像及び左後側方視点変換画像の合成比率を上げることを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか一項に記載の車両用周囲状況監視装置。
  8. 前記演算処理手段は、自車両が走行する車線に対する隣接車線に存在する他車両を検出した場合には、画像内において当該他車両が占める領域については、前記右後側方映像撮像手段及び前記左後側方映像撮像手段によって撮像されて視点変換された右後側方視点変換画像及び左後側方視点変換画像に対する、前記後方映像撮像手段によって撮像されて視点変換されていない後方撮像画像の合成比率を下げることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の車両用周囲状況監視装置。
  9. 前記演算処理手段は、前記自車両が車線変更を行う可能性を推測し、その推測結果に応じて、前記右後側方映像撮像手段及び前記左後側方映像撮像手段によって撮像されて視点変換された右後側方視点変換画像及び左後側方視点変換画像の合成比率を変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の車両用周囲状況監視装置。
  10. 前記演算処理手段は、複数の後続車両を検出した場合には、前記自車両の後端からの距離が所定の閾値以下の車両に対してのみ処理を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の車両用周囲状況監視装置。
  11. 前記演算処理手段は、複数の後続車両を検出した場合には、前記自車両の車幅方向中央と消失点とを結ぶ直線上に位置する車両に対してのみ処理を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の車両用周囲状況監視装置。
  12. 前記演算処理手段は、複数の後続車両を検出した場合には、前記右後側方映像撮像手段及び前記左後側方映像撮像手段によって撮像されて視点変換された右後側方視点変換画像及び左後側方視点変換画像に後続車両がはみ出している距離が所定の閾値以下である車両に対してのみ処理を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の車両用周囲状況監視装置。
  13. 前記演算処理手段は、複数の後続車両を検出した場合には、車幅が所定の閾値以下の車両を優先して処理を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか一項に記載の車両用周囲状況監視装置。
  14. 車両後方及び車両後側方を撮影可能な映像撮像手段で撮像した映像を車両内部の映像表示手段に表示するに際し、視点変換されていない後方撮像画像の消失線に基づいて前記表示手段の表示領域を分割し、分割した表示領域に、前記後方撮像画像と、視点変換された右後側方視点変換画像又は左後側方視点変換画像と前記後方撮像画像とを合成した合成画像とを表示するように、表示映像を生成することを特徴とする映像表示方法。
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