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JP2009200683A - 画像処理装置、プロジェクタ、歪み補正方法 - Google Patents

画像処理装置、プロジェクタ、歪み補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】投写画像の歪み補正の精度向上
【解決手段】補正パターン画像データを用いて、プロジェクタに入力された画像データを処理して、スクリーンの曲面歪みに起因する投写画像の歪みを補正する。補正パターン画像202は、複数の特徴点P1、P2…Pnが、画像の縦方向よりも横方向に密となるように配置されている。比較的小さい投写面SCに対して短焦点プロジェクタが画像を投写すると、投写光が投写面SCに対してほぼ上向きに入射するため、プロジェクタにより投写面SCに投写された投写画像は、投写面SCの歪みにより上下方向に大きく歪む。よって、特徴点P1,P2…Pnが、投写面SCに上向きに入射する投写光Wに対して略垂直方向(投写面SCの水平方向)に密となるように配置されている補正パターン画像202を利用することにより、歪み量が大きいと考えられる投写画像の上下方向の歪みを細かく検出する。
【選択図】図3

Description

本発明は、プロジェクタのための画像処理に関し、特に、投写面に表示される画像の歪み補正技術に関する。
ライトバルブやデジタルミラーデバイス、ダイクロイックプリズムなど等の種々の光学素子からなる光学系と光源からの照明光とを用いて画像データに基づき画像をスクリーンに投写するプロジェクタが利用されている。プロジェクタ用のスクリーンは平面状に形成されているが、完全な平面でなく、設置環境や気温、スクリーンの材質、経年劣化に起因するしわや弛みによって微少な膨らみが生じる。特に携帯可能な巻き取り式のスクリーンでは、運搬時や保存時にスクリーンを保存するパイプがしなって、しわや弛みが生じやすい。
しわや弛みの発生しているスクリーンへの画像投写時、しわや弛みによる膨らみに起因して画像に歪みが生じることが知られている。この画像の歪みを解決する技術として、例えば、点図形がスクリーンの水平方向および垂直方向に同一間隔で配置されたパターン画像をスクリーンに投写し、スクリーン上で点図形が示される位置と元のパターン画像での点図形が示される位置とのずれに基づいて、画像に対して歪み補正を行い、歪みのない画像をスクリーンに投写する技術が開示されている。
特開2001−083949号公報 特開2004−228619号公報
しかしながら、スクリーンへの投写光の入射方向や入射角度などの入射態様の違いによって、同じ位置に入射する投写光により表される画像の歪み量は異なる。そのため、従来の技術のように同一間隔で点図形の配置されているパターン画像を用いる場合、投写光の入射態様の違いによる歪み量の違いを精度良く検出することはできず、スクリーンに投写される画像の歪みを高い精度で補正することができないという問題が生じる。また、点図形が同一間隔で密に配置されているパターン画像を用いる場合、特徴点の数だけ歪み量を算出しなければならず、プロジェクタの処理負荷が増大し、処理時間の増加を招く。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、プロジェクタの処理負荷の増大を抑制しつつ、投写画像の歪み補正の精度向上を目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
プロジェクタから射出される投写光により投写面に投写される画像の歪みを補正する画像処理装置であって、前記プロジェクタによって前記投写面に投写され、前記投写面への前記投写光の入射態様に応じて異なる密度で所定の図形が複数配置されている補正用画像に表されている前記所定の図形の表示位置を検出する検出手段と、前記検出した表示位置と前記補正用画像を表す補正用画像データに基づいて、前記投写面に投写される画像の歪み補正に用いられる歪み補正情報を生成する歪み補正情報生成手段と、前記投写面に投写する画像を表す画像データを取得する取得手段と、前記歪み補正情報を用いて、前記取得した画像データに歪み補正処理を施す歪み補正手段と、を備える画像処理装置。
適用例1の画像処理装置によれば、投写光の入射態様によって異なる密度で所定の図形が配置された補正用画像データを用いて投写画像の歪みを検出しているため、入射態様に応じて異なる歪み量を精度良く検出できる。従って、投写面に投写する画像を表す画像データに対して精度の高い歪み補正処理を施すことができる。よって、投写面に歪みのない画像を表示するための画像データを生成できる。また、適用例1の画像処理装置によれば、投写光の入射対応に応じて投写画像の歪み量が少ないと考えられる位置では、所定の図形の配置密度が低く、投写画像の歪み量が多いと考えられる位置では、所定の図形の配置密度が高くなるよう構成された補正パターン画像を用いているため、所定の図形の数を増加させることによる画像処理装置の処理負荷の増加を抑制できる。
適用例1の画像処理装置において、前記投写面上に投写される複数の前記所定の図形は、前記投写面への前記投写光の入射方向に応じて、異なる密度で配置されている。適用例1の画像処理装置によれば、投写面への投写光の入射方向の違いに応じて投写画像に異なって表れる歪みを精度よく検出できる。
適用例1の画像処理装置において、前記投写面に投写される複数の前記所定の図形は、前記投写面への前記投写光の入射方向に応じて分割された領域ごとに、異なる密度で配置されている。適用例1の画像処理装置によれば、投写面への投写光の入射方向の違いに応じて投写画像に異なって表れる歪みを精度よく検出できる。
適用例1の画像処理装置において、前記投写面に投写される複数の前記所定の図形は、前記投写面への前記投写光の入射方向に対して略平行な方向よりも略垂直な方向に高い密度で配置されている。適用例1の画像処理装置によれば、入射方向に対して略垂直な方向の歪みを精度よく検出できる。
適用例1の画像処理装置において、前記投写面に投写される複数の前記所定の図形は、前記投写面への前記投写光の入射角度に応じて、異なる密度で配置されている。適用例1の画像処理装置によれば、投写面への投写光の入射角度の違いに応じて投写画像に異なって表れる歪みを精度よく検出できる。
適用例1の画像処理装置において、前記投写面に投写される複数の前記所定の図形は、前記投写面の前記投写光の入射角度の増大に応じて、高い密度で配置されている。適用例1の画像処理装置によれば、投写光の入射角度の大きい位置の歪みを精度よく検出できる。
適用例1の画像処理装置において、前記投写光が第1の角度で入射する前記投写面上の第1の位置に投写される複数の前記所定の図形は第1の密度で配置されており、前記投写光が第1の角度よりも大きい第2の角度で入射する前記投写面上の第2の位置に投写される複数の前記所定の図形は、前記第1の密度よりも密度の高い第2の密度で配置されている。適用例1の画像処理装置によれば、投写光の入射角度の小さい位置よりも投写光の入射角度の大きい位置の歪みを精度よく検出できる。
適用例1の画像処理装置において、前記補正用画像の所定の図形は、前記プロジェクタから前記投写面までの前記投写光の投写距離に応じて、前記密度が異なるように配置されている。適用例1の画像処理装置によれば、投写光の投写距離の違いに応じて投写画像に異なって表れる歪みを精度よく検出できる。
適用例1の画像処理装置は、撮影手段によって撮影された前記投写補正用画像を表す撮影補正用画像データを取得する撮影補正用画像データ取得手段と、
前記補正用画像を表す補正用画像データを取得する補正用画像データ取得手段と、を備え、
前記歪み補正情報生成手段は、前記撮影補正用画像データにより表される撮影画像と、前記補正用画像とを比較し、前記所定の図形の投写位置のずれに基づいて、前記歪み補正情報を生成する。適用例1の画像処理装置によれば、投写面に表示された補正パターン画像が撮影された撮影画像を用いて自動的に歪み補正情報を生成できる。
適用例1の画像処理装置は、更に、前記プロジェクタの光学系の構成に応じた前記補正用画像データを予め記憶する記憶部を備える。適用例1の画像処理装置によれば、プロジェクタに適した補正画像データが予め記憶されている。従って、補正画像データを生成したり他の装置から取得したりする必要がないため、プロジェクタの処理負荷を軽減できる。
[適用例2]
適用例1のプロジェクタは、光源と、画像データに基づいて前記光源からの射出光を変調し、画像データにより表される画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により形成された画像を表す光を前記投写面に投写する投写光学系と、適用例1の画像処理装置と、を備える。適用例2のプロジェクタによれば、投写光の入射態様を考慮した歪み補正処理が施された画像データを投写面に画像を表示できる。従って、投写面に歪みのない画像を表示できる。
本発明において、上述した種々の態様は、適宜、組み合わせたり、一部を省略したりして適用することができる。また、本発明は、上述した画像処理装置としての構成の他に、画像処理装置による歪み補正方法、画像処理装置に画像処理を実行させるためのコンピュータプログラム、かかるコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体等としても構成できる。いずれの構成においても、上述した各態様を適宜適用可能である。コンピュータが読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスクや、CD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ハードディスク等種々の媒体を利用することが可能である。
A.実施例:
A1.システム構成:
図1は、第1実施例におけるプロジェクの構成を例示する説明図である。図1の円Xに投写面SCの曲面歪みにより投写画像に歪みが生じる原理について併せて示した。以下の実施例において、「投写面SCの曲面歪み」とは、投写面SCのしわや弛みに起因して投写面SC表面に生じる突状または窪み状の歪みを表す。円X内の図は、投写面SCの縦方向(図1におけるX−X方向)の断面の一部を示している。
プロジェクタ10は、図1に示すように、投写面SCのほぼ真下かつ比較的離れた位置から画像を表す光を投写面SCに対して投写する短焦点プロジェクタである。以降、実施例では、プロジェクタから投写面SCに投写された光を投写光と呼ぶ。プロジェクタ10は、他の装置から入力された入力画像データに対して歪み補正処理を施し、補正された入力画像データを投写面SCに投写する。
撮影部20は、撮影レンズ25および図示しない撮像素子を備え、利用者の操作に応じて投写面SCに投写されている画像を撮影する。第1実施例では、投写面SCの曲面歪みに起因して投写画像に表される歪みを補正するために用いられる補正パターン画像が投写面SCに投写された投写補正パターン画像220を撮影する。なお、投写面SCに投写されている画像の撮影時には、視聴者の視点位置から撮影されることが好ましく、撮影部20の光軸と投写面SCの法線とがほぼ平行であることが好ましい。
投写面SCは白い布地で形成されたつり下げ式の投写面SCであり、収納時には巻き取られて円筒状の収納容器に収納される。
プロジェクタにより投写面SCに投写される画像(以降、第1実施例では投写画像と呼ぶ)に、歪みが生じる原理について説明する。図1の円Xにおいて、理想投写位置Aは、投写面SCに歪みDが無い状態において投写面SC上に投写光Wが投写される位置を示し、現実表示位置Bは、実際に投写面SC上に投写光Wが投写される位置を示す。投写面SCには、投写面SCのしわや弛みにより表面に突状または窪み状の歪みが生じることがある。つり下げ式、巻き取り式の投写面SCでは特に歪みが生じやすい。
第1実施例では、図1の円Xに示すように、投写面SCの下方から投写面SCに対してほぼ上向きに投写光Wが入射するため、投写面SCに歪みDが生じている場合、実際には、投写光Wは、理想投写位置Aよりも距離dだけ下方の現実表示位置Bに投写される。このように、投写面SCに対してほぼ上向きに投写光Wが入射する場合、投写面SCがプロジェクタ側に突状に歪んでいると、投写光Wは理想投写位置Aより下方に表示される。一方、投写面SCがプロジェクタ10側に窪み状に歪んでいると、投写光Wは理想投写位置Aよりdだけ上部に表示される。すなわち、投写光Wが投写面SCに対して上向きに入射する場合には、投写面SCの曲面歪みに起因して投写画像は投写面SCの左右方向に対して上下方向に大きく歪む。この結果、投写面SCに表示される投写画像は上下方向に大きく歪んでしまう。なお、歪みの発生は、投写光が投写面SC面に対して上向きに入射する場合に限られるものではなく、投写光の入射方向に沿った方向に大きく歪む。
第1実施例のプロジェクタ10は、円図形により表される複数の特徴点Pが投写光の入射方向に応じて異なる密度で配置された補正パターン画像を投写面SCに表示して、撮影部20により撮影された補正パターン画像(以降、撮影補正パターン画像と呼ぶ)の特徴点Pの表示位置に基づいて投写画像の歪みを補正する。
A2.機能ブロック:
図2は、第1実施例におけるプロジェクタの構成を例示するブロック図である。プロジェクタ10は、光源ランプ11と、液晶ライトバルブ13と、投写光学系15とを備える。図2において、各光学系は簡略に示されている。また、プロジェクタ10は、光源ランプ駆動部12、液晶ライトバルブ駆動部14、投写光学系調整部16、CPU100、画像取得部102、歪み補正情報生成部104、歪み補正部106、メモリ110および操作部120を備える。CPU100は、プロジェクタ10全体の動作を制御する。なお、第1実施例において、CPU100、画像取得部102、歪み補正情報生成部104、歪み補正部106、メモリ110が、特許請求の範囲の「画像処理装置」に当たる。
光源ランプ駆動部12は、光源ランプ11を駆動する。液晶ライトバルブ駆動部14は、画像処理部50から与えられる画像データに従って、液晶ライトバルブ13を駆動する。
操作部510は、ユーザからの入力に応じて、CPU100に種々の処理を実行させる。例えば、ユーザは、操作部510を介して、画像の歪み補正処理に用いられるパラメータを変更したり、投写面SCに投写される画像のコントラストを調整したりできる。
投写光学系調整部16は、投写光学系15の位置を調整する。具体的には、投写光学系調整部16は、光源光軸LAに平行な方向に向けて、投写光学系15に含まれるレンズを移動させたり、シフト位置を調整したりする。光源光軸は光源ランプ11から射出される光の中心軸を表している。なお、投写光学系調整部を備えてなくても良く、手動で投写光学系の位置を調整できるようにしても良い。
画像処理部50は、撮影部20によって撮影された撮影補正パターン画像を表す撮影補正パターン画像データを用いて、外部からプロジェクタ10に入力された画像データを処理して、入力画像データから補正画像データを生成し、補正画像データを液晶ライトバルブ駆動部14へ受け渡す。投写面SCに曲面歪みが生じている場合、画像データにより表される画像に投写面SCの膨らみや窪みとは逆方向の歪みを与える歪み補正処理を入力画像データに対して施し、この歪みの与えられた画像をライトバルブ13に表示することにより、投写面SC上に歪みの無い画像を表示可能である。以降、実施例では、液晶ライトバルブ13に形成する歪んだ画像を「歪み画像」と呼ぶ。
メモリ110には、投写面SCの曲面歪みの検出に用いられる補正パターン画像を表す補正パターン画像データ200が予め記憶されている。補正パターン画像データ200は、予めプロジェクタの光学系の設計に応じて生成されている。なお、第1実施例では、投写面SCへの投写光の入射方向に対して略垂直な方向に密となるように特徴点が配置された補正パターン画像を用いる。
画像取得部102は、補正パターン画像データまたは外部から与えられた画像データを歪み補正情報生成部104に受け渡す機能を有しており、例えば、A/Dコンバータにより構成される。第1実施例では、画像取得部102は、投写面に投写すべき画像データをメモリカードMCから取得する。
歪み補正情報生成部104は、撮影補正パターン画像を表す撮影補正パターン画像データと、メモリ110に記憶されている補正パターン画像データ200とを用いて投写画像の歪み補正に用いられる歪み補正情報を生成する。
歪み補正部106は、歪み補正情報生成部104により生成された歪み補正情報を用いて、画像取得部102から受け渡された入力画像データに歪み補正処理を施し、入力画像データから歪み画像を表す補正画像データを生成して液晶ライトバルブ駆動部14へ受け渡す。歪み補正部106は、例えば、イメージプロセッサにより構成される。
液晶ライトバルブ駆動部14は、歪み補正部106から受け渡された補正画像データを用いて液晶ライトバルブ13を駆動する。補正画像データに従って、液晶ライトバルブ13に歪み画像が形成されると、投写面SCには曲面歪みのない画像が表示される。なお、投写面SC上に表示されている投写補正パターン画像220は、プロジェクタ10のあおりにより生じる台形歪みが予めユーザにより補正されている。
A3.補正パターン画像について:
図3は、第1実施例における補正パターン画像について説明する説明図である。図3(a)は、第1実施例における補正パターン画像データ200により表される補正パターン画像202を表しており、図3(b)は、投写面SCへの投写光Wの入射方向と補正パターン画像202の特徴点の配置密度との関係について示している。補正パターン画像202は、丸い図形で表される複数の特徴点P1、P2…Pnが、画像の縦方向よりも横方向に密となるように配置されている。第1実施例のプロジェクタ10は短焦点プロジェクタであり、また、投写面SCが比較的小さいため、図3(b)に示すように、投写光が投写面SCに対してほぼ上向きに入射する。そのため、図1において説明した通り、第1実施例のプロジェクタ10により投写面SCに投写された投写画像は、投写面SCの歪みにより上下方向に大きく歪む。よって、第1実施例では、図3(b)に示すように、特徴点P1,P2…Pnが、投写面SCに上向きに入射する投写光Wに対して略垂直方向(第1実施例では、投写面SCの水平方向)に密となるように配置されている補正パターン画像202を利用することにより、歪み量が大きいと考えられる投写画像の上下方向の歪みを細かく検出する。
A4.歪み補正処理:
図4〜図6を参照して、歪み補正処理について説明する。図4は、第1実施例における歪み補正処理を説明するフローチャートである。図5は、第1実施例における歪み補正情報生成処理について説明する説明図である。図6は、第1実施例における歪み補正処理について説明する説明図である。歪み補正処理は、操作部120を介してユーザから歪み補正処理の開始指示が入力されることにより開始され、CPU100が各機能ブロックを制御することにより実行される。
CPU100は、メモリ110から補正パターン画像データ200を取得し、ライトバルブ13に補正パターン画像210を形成して、投写面SCに投写する(ステップS10)。利用者の操作に応じて、撮影部20は、投写面SCに投写された投写補正パターン画像220を撮影し撮影補正パターン画像データを生成する。
CPU100は、撮影補正パターン画像データを取得し(ステップS12)、入力画像データに対して投写画像の歪みと逆方向の歪みを与える歪み補正情報を生成する(ステップS14)。
歪み補正情報の生成について、図5および図6を参照して説明する。図5(a)は、ライトバルブに表示されている補正パターン画像210を示しており、図5(b)は、撮影補正パターン画像230を示している。図5(a)において、特徴点P1,P2…Pnは、補正パターン画像210の特徴点を表す。また、図5(b)において、特徴点Q1,Q2…Qnは撮影補正パターン画像230の特徴点を示している。各特徴点Q1,Q2…Qnは、補正パターン画像210の各特徴点P1,P2…Pnに対応する。また、投写面SCに曲面歪みが生じていない場合に特徴点P1,P2…Pnが表示される理想投写位置の一例として、特徴点P2の理想投写位置p2を図5(b)に併せて示す。第1実施例では、ライトバルブ13に表示されている補正パターン画像210を構成する各画素の位置を2次元のXY座標系で表しており、撮影補正パターン画像230を構成する各画素の位置を2次元のxy座標系で表す。以降、所定の特徴点を表す場合に、特徴点を表す画素の座標を用いて、Pi(Xi,Yi)、Qi(xi,yi)と表す。変数iは、1以上の整数である。
図5(b)に示すように、撮影補正パターン画像230では、特徴点Q1,Q2…Qnは、投写面SCの曲面歪みによって理想投写位置からずれて表示されている。例えば、特徴点Q2は、特徴点P2の理想投写位置p2から上方にずれて表示されている。各特徴点Qiを理想投写位置piに表示させるためには、図6(a)に示すように、各特徴点Qiに対応する補正パターン画像210の各特徴点Piの位置を算出した歪み量に応じて、各特徴点Qiの歪み方向と逆方向のPi’(Xi’,Yi’)に移動させればよい。
CPU100は、撮影補正パターン画像230を解析して特徴点Qiの座標(xi、yi)を検出し、すべての特徴点Qiの位置が、それぞれの特徴点Qiに対応する特徴点Piの理想投写位置pi(ai、bi)からどの方向にどれだけずれているかを表す歪み量を算出する。歪み量は、例えば、理想投写位置piの座標と特徴点Qiの座標との差分(ai−xi、bi−yi)としてもよい。CPU100は、このように算出した全特徴点の歪み量をテーブルにまとめた歪み補正情報を生成する。
CPU100は、生成した歪み補正情報を用いて、特徴点の歪みと逆方向の歪みを与える歪み補正処理を入力画像データに施し、(ステップS16)、歪み補正処理が施された補正画像データに基づいてライトバルブ13に歪み画像を表示する。(ステップS18)。なお、歪み補正処理を行う場合には、各特徴点に対応する箇所のみに対して歪みを与えるだけでなく、各特徴点の周囲の領域についても、例えば、隣接する特徴点同士の歪み量に基づいて近似することにより歪みを補完することが好ましい。図6(b)に、一例として、歪み補正処理が施された補正画像データに基づいてライトバルブ13に表示される歪み画像を示す。図6(b)に示すように、歪み画像240の各特徴点Piは、歪み補正情報に従って、撮影補正パターン画像230の特徴点Qiの歪みと逆方向のPi’(Xi’,Yi’)に移動されている。この結果、投写面SCには歪みのない画像が表示される。
以上説明した第1実施例のプロジェクタによれば、複数の特徴点が投写光の入射態様に応じて異なる密度で配置されている補正パターン画像を用いて投写映像の歪みを検出している。従って、等間隔で特徴点が密に配置された補正パターン画像を用いる場合に比して、検出精度を維持しつつ、少ない計算量で投写画像の歪みを検出できる。よって、投写画像の歪みを精度良く補正でき、投写面に歪みのない画像を表示できる。
第1実施例では、投写面SCへの投写光の入射方向に沿った方向に疎に、投写面SCへの投写光の入射方向に対して略垂直な方向に密に特徴点が配置された補正パターン画像を用いて歪み補正処理を行っている。従って、歪みが大きいと考えられる部位の歪みを細かく検出できる。例えば、第1実施例のように、投写光が投写面SC下方から投写面SCに対してほぼ上向きに入射する場合、投写画像の歪みは上下方向に大きく歪むが、第1実施例のように特徴点が上下方向に対して左右方向に密に配置されている補正パターン画像を用いることにより、上下方向の歪みを精度良く検出できる。
また、プロジェクタとスクリーンの位置関係に応じてプロジェクタの光学系の構成(例えば、投写レンズの構成)が決定するので、プロジェクタの光学系の構成に応じた補正用パターン画像が決定される。第1実施例のプロジェクタによれば、予めプロジェクタの光学系の設計に応じた補正パターン画像を記憶しているため、補正パターン画像を他の装置から取得したり、生成したりする手間を省くことができ、処理速度を向上できる。
第1実施例の補正パターン画像は、投射面SCからプロジェクタが比較的離れている場合に使用することが好ましい。
B.第2実施例:
第2実施例では、投写光の入射角度に応じて異なる密度で配置された補正パターン画像を用いて歪み補正処理を行う。第2実施例のプロジェクタ10は短焦点プロジェクタであり、投写面SCの下方で、比較的プロジェクタに近い位置から画像を表示する。なお、第2実施例では、プロジェクタの構成や歪み補正処理のフローは、補正パターン画像が異なること以外は第1実施例と同一である。
B1.入射角度と補正パターン画像について:
図7は、第2実施例における投写光の入射角度と補正パターン画像300について例示する説明図である。図7の円Y1,Y2に、投写光W2,W3の入射角度と投写画像の歪み量との関係について併せて示している。第2実施例では、プロジェクタ10aは、投写面SCの下方であって、投写面SCから所定距離離れた位置から投写光を投写している。図7に示すように、投写面SCの下方領域Aへの投写光W1の入射角度は入射角度θ1であり、投写面SCの中央領域Bへの投写光W2の入射角度は入射角度θ2>入射角度θ1であり、投写面SCの上方領域Cへの投写光W3の入射角度は入射角度θ3>入射角度θ2である。すなわち、投写面SCの上方領域Cほど、投写光の入射角度が大きくなる。
図7の円Y1は、投写光W2が入射角度θ2で入射する投写面SCの中央領域Bの拡大図を示しており、円Y2は、投写光W3が入射角度θ3で入射する投写面SCの上方領域Cの拡大図を示している。理想投写位置P10は、投写面SCに曲面歪みが生じていない場合に投写光W2(入射角度θ2)が表示される位置であり、現実表示位置P20は、投写面SCに曲面歪みが生じている場合に投写光W2が表示される位置である。円Y2において、理想投写位置P11は、投写面SCに曲面歪みが生じていない場合に投写光W3(入射角度θ3)が表示される位置であり、現実表示位置P30は、投写面SCに曲面歪みが生じている場合に投写光W3が表示される位置である。入射角度の大きい投写光W3の現実表示位置P30の理想投写位置P10からの歪み量d2は、投写光W2の表示位置の理想投写位置P11からの歪み量d1より大きい。すなわち、投写光の入射角度が大きいほど、投写画像が大きく歪む。そして、第2実施例では、投写面SCに対して上向きに投写光が入射するため、第1実施例おいて説明したように、投写面SCの上下方向に歪みが大きくなる。
補正パターン画像300は、投写光のスクリーンへの入射方向に対して略垂直方向に、かつ、投写光の入射角度の拡大につれて密となるように特徴点が配置されている。具体的には、補正パターン画像300には、投写光の入射方向に対して略垂直方向に密となるように配置された第1実施例の補正パターン画像に配置された特徴点に加えて、投写面SCの上方領域Cに投写される領域には、投写光の入射方向に沿って特徴点が密に配置されるとともに、投写面SCの中央領域Bに投写される領域には、投写光の入射方向に沿って特徴点が、領域Cの密度より疎、かつ、投写光が投写面SC下方領域Aに投写される領域の密度より密となるように配置されている。
プロジェクタ10aは、上述のように投写光の入射角度に応じて配置密度の異なる補正パターン画像300を用いて、歪み補正情報を生成し、取得した画像データに対して歪み補正処理を施して投写面SCに入力画像を表示する。
以上説明した第2実施例のプロジェクタ10aによれば、投写画像において、投写光の投写面SCへの入射角度が大きい位置ほど歪みを細かく検出できる。第2実施例では、投写光が投写面SCの下方から上向きに入射するため、投写面SC上部ほど投写画像の歪みが大きくなるが、投写光に対して略垂直な方向に密に、かつ、投写光の投写面SCへの入射角度が大きい位置ほど密に特徴点が配置されている補正パターン画像300を用いることにより、投写画像の歪みを精度良く検出できる。従って、投写面SCに歪みのない画像を表示できる。
第2実施例おいて示した補正パターン画像は、特に、投射面SCからプロジェクタが比較的近距離にある場合(例えば、図3に示す第1実施例の投射面SCよりもプロジェクタに近い位置にある場合)に使用することが好ましい。投写面SCからプロジェクタが比較的近距離にある場合には、投写された補正パターン画像の下方と上方とで入射角度が大きくことなるため、入射角度の大きくなる上方に配置される特徴点の密度を高くすることにより、より精度良く投写画像の歪みを検出できる。
C.第3実施例:
第3実施例では、プロジェクタから投写面SCの所定の点への投写距離に応じて異なる密度で配置された補正パターン画像を用いて歪み補正処理を行う。なお、第3実施例では、プロジェクタの構成や歪み補正処理のフローは、補正パターン画像が異なること以外は第1実施例と同一である。ただし、第3実施例の投写面SCは、第1実施例の投写面SCよりも横幅が広い。なお、第3実施例のプロジェクタ10は短焦点プロジェクタであり、投写面SCに近い位置から画像を表示する。
C1.投写距離と投写画像の歪み:
図8は、第3実施例におけるプロジェクタ10bの投写距離について説明する説明図である。表示領域ARは、投写光により画像が表示される投写面SC上の領域を示している。各投写距離線400,410,420、430および440は、プロジェクタ10bから投写された投写光の投写距離が同一となる点の集合を示している。例えば、投写距離線400上の点401,302は、投写距離が同一となる点である。投写光の投写距離は投写面SCへの投写光の入射角度に比例する。第2実施例において説明したように、投写光の入射角度の拡大に応じて投写画像の歪みは増大するため、投写距離が長くなるほど投写画像の歪みも増大する。例えば、図8に示すように、投写距離に応じて、画像表示領域ARを3つの領域に分割すると、投写距離の長い領域Cでは投写距離の短い領域Aよりも投写画像の歪みが大きくなる。第3実施例では、投写距離の違いに応じて特徴点Pの配置密度の異なる補正パターン画像を利用する。
C2.補正パターン画像:
図9は、第3実施例における補正パターン画像450を例示する説明図である。補正パターン画像450は、図8に示すように投写距離に応じて分割された3つの領域D,EおよびFに対応する領域d,e,fごとに異なる密度で特徴点Pが配置されている。具体的には、補正パターン画像450には、各領域d,e,fについて、投写距離の長い順に、密度を高→中→低となるように特徴点が配置されている。すなわち、投写距離が最長となる領域fの特徴点の密度が最も高く、投写距離が最短となる領域dの密度が最も低い。
プロジェクタ10bは、上述のように投写距離に応じて配置密度の異なる補正パターン画像を用いて、歪み補正情報を生成し、入射画像データに対して歪み補正処理を施して投写面SCに入力画像を表示する。
以上説明した第3実施例のプロジェクタによれば、投写光の投写距離に応じて異なる密度で特徴点が配置された補正パターン画像を用いて歪み補正を行っている。投写光の投写距離が長いほど、投写光の入射角度が大きくなるため、投写光の投写距離が長い位置に表示される投写画像の歪みは大きくなるが、第3実施例の補正パターン画像を用いることにより、投写光の投写距離が長くなる投写面SC上の領域には高い密度で特徴点が表示されるので、投写画像の歪みを細かく検出でき、歪み補正の精度を向上できる。
第3実施例おいて示した補正パターン画像は、特に、投写面SCの幅が広い、あるいは、プロジェクタ10bから投写面SCへの投写光の打ち上げ距離が近い場合(たとえば、図3よりもプロジェクタがスクリーンに近い位置にある場合)に適している。このように、スクリーンとプロジェクタの位置関係に応じたパターンを使用することが好ましい。
D.第4実施例:
第1実施例〜第3実施例では、補正パターン画像は予めプロジェクタ内の記憶装置に記憶されている。第4実施例では、プロジェクタが、プロジェクタの傾きを検出し、傾きの角度に応じて補正パターン画像を生成する。なお、第4実施例では、プロジェクタの構成や歪み補正処理のフローは、歪み補正情報生成部104が補正パターン画像を生成する機能を更に有していること以外は第1実施例と同一である。
図10は、第4実施例におけるプロジェクタ10cのあおりについて説明する説明図である。プロジェクタ10cは、水平面におかれた状態で投写角度αとなるように投写レンズが設計されている。図10では、利用者によってプロジェクタ10cが角度βだけ傾けられた状態を表している。
図11は、第4実施例における歪み補正処理を説明するフローチャートである。プロジェクタ10のCPU100はプロジェクタの傾き角度βを検出し(ステップS200)、投写レンズの設計投写角度αと傾き角度βとに応じて、大きい入射角度で投写光が入射するスクリーンの上部に表示される特徴点の密度が密となるように補正画像データを生成する(ステップS210)。そして、CPU100は、生成した補正画像データを用いて、歪み補正処理を実行する(図4のステップS10〜)。
以上説明した第4実施例のプロジェクタ10cによれば、補正画像データを予め準備する必要がないため、プロジェクタ10cのメモリ量を節約できる。また、プロジェクタ10cが傾けられた場合にも、投写画像の歪みの検出に適切な補正画像データを生成して歪みを検出できるため、投写面SCに歪みのない画像を表示できる。なお、プロジェクタが傾けられていない場合であっても、プロジェクタの構成に適した補正画像データを生成するようにプロジェクタを構成してもよい。
E.変形例:
(1)第1実施例では、投写光が投写面SCに対してほぼ上向きに投写光が入射するため、投写光に対して略垂直方向すなわち投写面SCの水平方向に密となるように特徴点が配置されているが、例えば、投写光が投写面SCに対して左右向きに投写光が入射する場合には、投写光に対して略垂直方向すなわち投写面SCの垂直方向に密となるように特徴点が配置されていればよい。こうすれば、プロジェクタ10を投写面SC正面に配置できない場合やレンズシフトを行った場合にも、投写映像の歪みを細かく検出できる。よって、投写画像の歪みを精度よく補正できる。
(2)第1実施例では、投写角度の入射角度に応じて特徴点の密度が段階的に異なっているが、少なくとも、投写面SC上の所定の2つの位置に配置される特徴点の密度について、第1の入射角度で投写光が入射する位置に配置される特徴点の密度を、第1の入射角度より小さい第2の入射角度で投写光が入射する位置に配置される特徴点の密度より高くすればよい。例えば、入射角度が最小となる投写面SC上の位置に表示される特徴点の密度を第1の密度とし、入射角度が最大となる投写面SC上の位置に表示される特徴点の密度を第1の密度より低い密度の第2の密度としてもよい。こうすれば、補正パターン画像を簡易に作成できる。
(3)第3実施例では、補正パターン画像450は、投写光の投写距離に応じて特徴点の配置密度が異なるように構成されているが、第3実施例のプロジェクタ10bと投写面SCのように、投写面SCのほぼ真下から投写面SCへ投写光を至近距離で打ち上げる場合に、投写面SCへの投写光の入射角度に応じて分割された領域ごとに異なる密度で配置するよう補正パターン画像を構成してもよい。この場合には、補正パターン画像450と略同一のパターン画像となる。このように、補正パターン画像は、プロジェクタの光学系の構成や投写面SCとプロジェクタとの設置位置関係などに基づいて、適宜、投写画像の歪み検出に適したパターン画像を準備するようにすれば、投写画像の歪み補正精度を向上できる。
(4)第1実施例〜第3実施例では、補正パターン画像はプロジェクタ内の記憶装置に予め記憶されており、第4実施例では、プロジェクタが補正パターン画像を生成しているが、例えば、投写面上の所定の位置への投写光の入射態様に応じた補正用画像データを生成したり、前記補正用画像データが複数種類保存されている保存部から、投写面上の所定の位置へ投写光の入射態様に適した補正用画像データを取得してもよい。この場合、例えば、ネットワークを介して他の装置から、または、メモリカードなどの可搬型記憶媒体から補正パターン画像を取得してもよい。利用者がプロジェクタのレンズ設計に応じて適切な補正パターンを選択してもよいし、プロジェクタのレンズ設計やプロジェクタの光軸の傾きに応じてプロジェクタが自動的に取得してもよい。こうすれば、種々のパターン画像の中からプロジェクタの設計値だけでなく利用条件等に応じて柔軟に補正パターン画像を取得できる。
(5)第1実施例では、撮影部20は、視聴者の視点位置から投写画像を撮影しているが、撮影位置は視聴者の視点位置に限定されない。例えば、プロジェクタ本体にデジタルカメラが内蔵されていてもよい。この場合、プロジェクタ10の投写レンズと撮影部20の撮影レンズと視差を用いて三角測量を行い、投写面SCの歪みを計算して歪み補正情報を生成してもよい。こうすれば、利用者はデジタルカメラで投写画像を撮影する手間を省くことができる。また、利用者が撮影すると撮影部20の光軸が傾いてしまい撮影画像に台形歪みが生じることがあるが、本変形例によれば、撮影部20とプロジェクタ10の投写レンズとは一定の位置関係にあるため、利用者の手ぶれにより撮影画像に都度生じる台形歪みを抑制できる。よって、歪み量検出の精度を向上できる。
(6)第1実施例〜第3実施例では、補正パターン画像を撮影部20で撮影し、撮影画像を用いて、プロジェクタ10のCPU100が歪み補正情報を生成しているが、例えば、プロジェクタが、投写面に投写された補正用画像に表されている特徴点の表示位置のずれ量に関する情報を利用者に入力させるための入力補助手段を備え、入力されたずれ量に関する情報に基づいて、歪み補正情報を生成してもよい。この場合、例えば、投写面SCに表示されている補正パターン画像の各特徴点をユーザがリモコン等を用いて移動させ、この移動量に応じてプロジェクタ10のCPU100が歪み補正情報を生成してもよい。
(7)第1実施例〜第4実施例では、補正パターン画像に含まれる全ての特徴点について歪み量を算出しているが、例えば、補正パターン画像に含まれる全特徴点のうち、一部の特徴点のみを用いて歪み補正処理を行っても良い。この場合、例えば、利用者が視認して歪みが発生していると考えられる領域を切り出し、切り出した領域に含まれる特徴点を用いて歪み補正情報を生成してもよい。また、予め決められた所定の領域に含まれる特徴点を用いて歪み補正情報を生成してもよい。こうすれば、投写すべき画像を表す画像データに対して歪み補正処理を施す場合に、一部の領域に対応する画像データに対してのみ歪み補正処理を施せばよいため、画像データ全体に歪み補正処理を施す場合に比して処理負荷を軽減できる。
(8)第1実施例〜第4実施例では、投写面に表示されている投写補正パターン画像の全体を撮影し、これを用いて歪み補正処理を行っているが、例えば、投写補正パターン画像のうち一部の領域のみを撮影し、これを用いて歪み補正処理を行ってもよい。この場合、利用者が視認して歪みが発生していると考えられる領域を撮影してもよい。こうすれば、補正パターン画像に含まれる全ての特徴点について歪み量を算出する場合に比して、処理負荷を軽減でき、補正時間を短縮できる。
(9)第1実施例〜第4実施例では、特徴点をドットで示しているが、ドット以外の図形や文字など、どのような図形を用いても良い。例えば、特徴点に代えて所定の文字列を用い、入射角度の大きい位置に表示される文字列の密度を高くしてもよい。また、特徴点に文字列や絵柄を重ねて表示してもよい。
以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成をとることができる。
第1実施例におけるプロジェクの構成を例示する説明図。 第1実施例におけるプロジェクタの構成を例示するブロック図。 第1実施例における補正パターン画像について説明する説明図。 第1実施例における歪み補正処理を説明するフローチャート。 第1実施例における歪み補正情報生成処理について説明する説明図。 第1実施例における歪み補正処理について説明する説明図。 第2実施例における投写光の入射角度と補正パターン画像300について例示する説明図。 第3実施例におけるプロジェクタ10bの投写距離について説明する説明図。 第3実施例における補正パターン画像450を例示する説明図。 第4実施例におけるプロジェクタ10cのあおりについて説明する説明図。 第4実施例における歪み補正処理を説明するフローチャート。
符号の説明
10、10a、10b、10c…プロジェクタ
11…光源ランプ
12…光源ランプ駆動部
13…液晶ライトバルブ
13…ライトバルブ
14…液晶ライトバルブ駆動部
15…投写光学系
16…投写光学系調整部
20…撮影部
25…撮影レンズ
50…画像処理部
100…CPU
102…画像取得部
104…補正情報生成部
106…歪み補正部
110…メモリ
120…操作部
200…補正パターン画像データ
210…補正パターン画像
220…投写補正パターン画像
230…撮影補正パターン画像
300…補正パターン画像
350…補正パターン画像
400…投写距離線
450…補正パターン画像
510…操作部

Claims (12)

  1. プロジェクタから射出される投写光により投写面に投写される画像の歪みを補正する画像処理装置であって、
    前記プロジェクタによって前記投写面に投写され、前記投写面への前記投写光の入射態様に応じて異なる密度で所定の図形が複数配置されている補正用画像に表されている前記所定の図形の表示位置を検出する検出手段と、
    前記検出した表示位置と、前記補正用画像を表す補正用画像データとに基づいて、前記投写面に投写される画像の歪み補正に用いられる歪み補正情報を生成する歪み補正情報生成手段と、
    前記投写面に投写する画像を表す画像データを取得する取得手段と、
    前記歪み補正情報を用いて、前記取得した画像データに歪み補正処理を施す歪み補正手段と、を備える画像処理装置。
  2. 請求項1記載の画像処理装置であって、
    前記投写面上に投写される複数の前記所定の図形は、前記投写面への前記投写光の入射方向に応じて、異なる密度で配置されている、画像処理装置。
  3. 請求項2記載の画像処理装置であって、
    前記投写面に投写される複数の前記所定の図形は、前記投写面への前記投写光の入射方向に応じて分割された領域ごとに、異なる密度で配置されている、画像処理装置。
  4. 請求項2記載の画像処理装置であって、
    前記投写面に投写される複数の前記所定の図形は、前記投写面への前記投写光の入射方向に対して略平行な方向よりも略垂直な方向に高い密度で配置されている、画像処理装置。
  5. 請求項1記載の画像処理装置であって、
    前記投写面に投写される複数の前記所定の図形は、前記投写面への前記投写光の入射角度に応じて、異なる密度で配置されている、画像処理装置。
  6. 請求項2記載の画像処理装置であって、
    前記投写面に投写される複数の前記所定の図形は、前記投写面の前記投写光の入射角度の増大に応じて、高い密度で配置されている、画像処理装置。
  7. 請求項2記載の画像処理装置であって、
    前記投写光が第1の角度で入射する前記投写面上の第1の位置に投写される複数の前記所定の図形は第1の密度で配置されており、前記投写光が第1の角度よりも大きい第2の角度で入射する前記投写面上の第2の位置に投写される複数の前記所定の図形は、前記第1の密度よりも密度の高い第2の密度で配置されている、画像処理装置。
  8. 請求項1記載の画像処理装置であって、
    前記補正用画像の所定の図形は、前記プロジェクタから前記投写面までの前記投写光の投写距離に応じて、前記密度が異なるように配置されている、画像処理装置。
  9. 請求項1ないし請求項8いずれか記載の画像処理装置であって、更に、
    撮影手段によって撮影された前記投写補正用画像を表す撮影補正用画像データを取得する撮影補正用画像データ取得手段と、
    前記補正用画像を表す補正用画像データを取得する補正用画像データ取得手段と、を備え、
    前記歪み補正情報生成手段は、前記撮影補正用画像データにより表される撮影画像と、前記補正用画像とを比較し、前記所定の図形の投写位置のずれに基づいて、前記歪み補正情報を生成する、画像処理装置。
  10. 請求項1ないし請求項9いずれか記載の画像処理装置であって、更に、
    前記プロジェクタの光学系の構成に応じた前記補正用画像データを予め記憶する記憶部を備える、画像処理装置。
  11. プロジェクタであって、
    光源と、
    画像データに基づいて前記光源からの射出光を変調し、画像データにより表される画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部により形成された画像を表す光を前記投写面に投写する投写光学系と、
    請求項1ないし請求項10いずれか記載の画像処理装置と、
    を備えるプロジェクタ。
  12. プロジェクタから射出される投写光により投写面に表示される画像の歪みを補正する画像処理装置が実行する歪み補正方法であって、
    前記プロジェクタによって前記投写面に表示され、前記投写面への前記投写光の入射態様に応じて異なる密度で所定の図形が複数配置されている補正用画像に表されている前記所定の図形の表示位置を検出し、
    前記検出した表示位置と前記補正用画像を表す補正用画像データに基づいて、前記投写面に投写される画像の歪み補正に用いられる歪み補正情報を生成し、
    前記投写面に投写する画像を表す画像データを取得し、
    前記歪み補正情報を用いて、前記取得した画像データに歪み補正処理を施す、歪み補正方法。
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