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JP2009299690A - 脈動発生装置および流体噴射装置 - Google Patents

脈動発生装置および流体噴射装置 Download PDF

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JP2009299690A JP2009216719A JP2009216719A JP2009299690A JP 2009299690 A JP2009299690 A JP 2009299690A JP 2009216719 A JP2009216719 A JP 2009216719A JP 2009216719 A JP2009216719 A JP 2009216719A JP 2009299690 A JP2009299690 A JP 2009299690A
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毅 瀬戸
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Abstract

【課題】簡単な構造で高い信頼性を有する流体噴射装置を提供する。
【解決手段】流体噴射装置1は、容積が変更可能な流体室501と、流体室501に連通する入口流路503及び出口流路511と、を備える脈動発生部100と、出口流路511に一方の端部が連通され、他方の端部が出口流路511の直径よりも縮小された流体噴射開口部212が設けられた接続流路201と、接続流路201が穿設され、前記流体室から流動される流体の脈動を流体噴射開口部212に伝達し得る剛性を有する接続流路管200と、入口流路503に流体を供給するポンプ20と、が備えられている。そして、入口流路503のイナータンスが、出口流路511のイナータンスよりも大きく設定されている。また、入口流路503が、流体室501内に旋回流を発生する旋回流発生部を構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、流体噴射装置に関する。詳しくは、簡単な構造で、安定して強い脈動で流体を噴射する流体噴射装置に関する。
従来、生体組織を切開または切除する流体噴射装置として、ポンプ室の容積を変更して流体の吐出動作を行うマイクロポンプと、マイクロポンプの出口流路に一方の端部が接続され、他方の端部が出口流路の直径よりも縮小された開口部(ノズル)が設けられた接続流路と、接続流路が穿設されマイクロポンプから流動される流体の脈動を前記開口部に伝達し得る剛性を有する接続管と、が備えられ、流体は脈動波群と休止部との繰り返しで流動され、高速で開口部から噴射される流体噴射装置というものが知られている(例えば、特許文献1)。
また、上述のように構成されるマイクロポンプの出口流路側にポンプ呼び水装置としてのピストンポンプを配設し、流体がマイクロポンプ内に入っていない起動時に呼び水動作を行い、また起動後においては、ポンプ室内の気体を圧縮して排除するマイクロポンプというものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−152127号公報(第7,8頁、図1) 特開2005−307743号公報(第4,5頁、図2)
本発明者らが出願した特許文献1によれば、脈動する流体を高速で噴射することが可能であり、その制御も容易である。また、脈動する流体の噴射は手術等において組織の切開能力が高い一方、流体量が少なくてすむため、術野に流体が滞留することが少ない。従って、視認性が向上し、組織の飛散を防ぐ効果があった。
このマイクロポンプは、その駆動の特性から起動時にはポンプ室内の呼び水動作と気泡の排除を必要とし、上述した特許文献2に示すようなポンプ呼び水装置を設置する構造が提案された。しかしながら、ポンプ呼び水装置を設置しても、起動後においては呼び水装置は離脱されるため、ポンプ室内に気泡が発生すると駆動動作が不安定になることが予測される。
また、特許文献1及び特許文献2によるマイクロポンプは、入口流路側のイナータンスよりも出口流路側のイナータンスを大きく設定しているため、入口流路側には流体の逆流を防ぐための逆止弁を設けている。この逆止弁は非常に小型なものであり、洗浄性が悪く、また逆止弁の繰り返し使用や長期間の使用に対して必ずしも十分な性能を維持でないことが考えられる。
本発明の目的は、上述した課題を解決することを要旨とし、呼び水装置を必要とせず、駆動中に気泡が滞留することによる性能低下を排除し、簡単な構造で高い信頼性を有する流体噴射装置を提供することである。
本発明の流体噴射装置は、容積が変更可能な流体室と、前記流体室に連通する入口流路及び出口流路と、を備える脈動発生部と、前記出口流路に一方の端部が連通され、他方の端部が前記出口流路の直径よりも縮小された流体噴射開口部が設けられた接続流路と、前記接続流路が穿設され、前記流体室から流動される流体の脈動を前記流体噴射開口部に伝達し得る剛性を有する接続流路管と、前記入口流路に流体を供給する圧力発生部と、が備えられていることを特徴とする。
ここで、圧力発生部としては、例えば、一定圧力で流体を吐出するポンプを採用することができる。
この発明によれば、圧力発生部により一定圧力で入口流路に流体を供給するため、脈動発生部の駆動を停止した状態においても入口流路及び流体室に流体を供給するため、呼び水動作を必要とせず、初期動作を開始することができる。
また、出口流路の直径よりも縮小された流体噴射開口部から流体を噴出するため、高速の流体噴射を可能にする。
さらに、接続流路管が、流体室から流動される流体の脈動を前記開口部に伝達し得る剛性を有しているので、脈動発生部からの流体の圧力伝播を妨げず、所望の脈動流を噴射することができるという効果を有する。
また、前記入口流路のイナータンスが、前記出口流路のイナータンスよりも大きく設定されていることが好ましい。
このようにすれば、脈動発生部を駆動することで、入口流路から流体室への流体の流入量よりも大きい脈動流が出口流路に発生し、接続流路管内にパルス状の流体吐出を行うことができる。従って、前述した特許文献1のように入口流路側に逆止弁を設けなくてもよく、脈動発生部の構造を簡素化できるとともに、内部の洗浄が容易になる他、逆止弁を用いることに起因する耐久性の不安を排除することができるという効果がある。
なお、入口流路及び出口流路双方のイナータンスを十分大きく設定し、流体室の容積を急激に縮小すれば、流体室内の圧力が急激に上昇する。このことにより、出口流路により大きな脈動流を発生できる。
また、前記脈動発生部が、前記流体室の容積変更手段を備え、前記容積変更手段が前記流体室に対して伸張または収縮する圧電素子と、ダイアフラムと、を備えていることが好ましい。
容積変更手段として圧電素子を採用すれば、構造の簡素化とそれに伴う小型化を実現できる。また、流体室の容積変化の最大周波数を1KHz以上の高い周波数にすることができ、高速かつ短い繰り返し周期での脈動流の噴射に最適である。
また、前記流体室が略回転体形状であって、内周側壁と前記内周側壁の一方の端部を封止する封止面と他方の端部を封止する前記ダイアフラムからなり、前記略回転体形状の軸を中心とする流体の旋回流を発生する旋回流発生部をさらに備え、前記出口流路が、前記略回転体形状の軸の近傍に設けられていることが好ましい。
ここで、回転体形状とは、例えば、円柱形状、円錐形状や半球形状等を選択できる。
旋回流発生部により流体室内の流体に旋回流を発生させることで、流体を遠心力により流体室の外周方向に押しやり、旋回流の中心部、つまり、略回転体形状の軸近傍に流体に含まれる気泡が集中し、略回転体形状の軸の近傍に設けられる出口流路から気泡を排除することができる。このことから、流体室内に気泡が存在することによる圧力振幅の低下を防止することができ、脈動発生部の安定した駆動を継続することができる。
また、前記旋回流発生部が、前記流体室の内周側壁に対して略接線方向に連通する前記入口流路により形成されていることが好ましい。
このように、旋回流発生部を入口流路により形成していることから、専用の旋回流発生部を用いることなく旋回流を発生させることができる。
なお、流体室の内周側壁とは、略回転体形状の外周に相当する。
また、前記流体室の外周縁部に、前記入口流路が形成されていることが望ましい。
このような入口流路を形成する形態としては、例えば、流体室の外周縁部に入口流路としての溝等を形成することで実現できる。従って、部品数を増やすことなく旋回流発生部としての入口流路を形成することができる。
また、前記旋回流発生部が、前記入口流路と流体室の内周側壁とを含む旋回流発生板にて形成されていることが好ましい。
このように旋回流発生部を旋回流発生板にて形成することにより、入口流路と内周側壁とをプレス加工、エッチング加工等で容易に形成することができる。
さらに、入口流路の断面積と流路長を有する複数種類の旋回流発生板を用意しておけば、所望の入口流路側のイナータンスを選択的に設定することができるという効果がある。
また、前記旋回流発生板と前記ダイアフラムとが、積層され一体に密接固着されていることが望ましい。
旋回流発生板は薄板にて形成され、入口流路と流体室の内周側壁を有する開口部とが設けられている。そのために、流体室内の高圧付加に対して構造的強度が不十分になることが考えられるが、ダイアフラムと一体化することにより十分な構造的強度を得ることができる。また、組立時において取り扱いが容易になる利点もある。
また、本発明では、前記入口流路が形成される封止面または前記旋回流発生板と前記ダイアフラムとの間に、前記流体室の直径と略等しい開口部を有する補強板が備えられていることを特徴とする。
旋回流発生板には、入口流路と流体室の内周側壁を形成する開口部とが形成される。この際、この開口部と入口流路との合流部を有し、合流部は切欠き形状となる。ダイアフラムは開口部外周が駆動の支点となるので、駆動するとき、合流部に応力集中が発生する。しかし、補強板を備えることにより、ダイアフラムは補強板の開口部外周を支点とするため、応力集中は発生しにくくダイアフラムの耐久性を向上させることができる。
また、前記旋回流発生板と前記補強板とが、積層され一体に密接固着されていることが望ましい。
このようにすることで、旋回流発生板を補強できるとともに、組立時において取り扱いが容易になる。
また、前記ダイアフラムと前記補強板とが、積層され一体に固着されていることが望ましい。
このようにすれば、旋回流発生板を間接的に補強できるとともに、組立時において取り扱いが容易になる。
また、前記圧力発生部から入口流路に流体を供給する入口側の接続流路と前記入口流路との接続部に、流体を滞留する流体溜りを設けていることが望ましい。
入口側の接続流路と入口流路との接続部においては、流体の流動方向の変化、流路の断面積の変化があり、入口側の接続流路の特性が入口流路の特性に影響を与えることが考えられる。そこで、この接続部に流体溜りを設けることにより、入口側の接続流路における速度ヘッドが極小になるので、入口側の接続流路による入口流路への影響を抑制することができる。
また、前記入口流路が、前記流体室と前記脈動発生部の外部とを貫通する管状部材から形成されていることが好ましい。
入口流路を管状部材で形成すれば、流路の断面形状を円形にすることができ、流路内の抵抗要素を減ずることができる。
また、管状部材の内径、長さの設定が容易で、入口流路側のイナータンスの設定にあわせて入口流路の断面積や流路長の設定がし易いという効果がある。
また、前記ダイアフラムの外周方向に離間した位置にリング状のパッキンがさらに備えられていることが望ましい。
ダイアフラムは、流体室の一方を封止する部材でもある。前述したように流体室内は高圧となるので、ダイアフラムの接合部において流体が漏洩することが考えられる。流体室から流体の漏洩があると所定の圧力に上昇しない。そこで、パッキンを設けることにより、流体の漏洩を防止することができ、流体室内の圧力上昇を妨げない。
本発明の実施形態1に係る流体噴射装置の概略構成を示す説明図。 本発明の実施形態1に係る脈動発生部の構造を示す断面図。 本発明の実施形態1に係る入口流路の形態を示す平面図。 本発明の実施形態2に係る旋回流発生板を示す平面図。 本発明の実施形態2に係る旋回流発生板を組み込んだ脈動発生部の部分断面図。 本発明の実施形態3に係る旋回流発生板と接合されたダイアフラムを示す平面図。 図6のA−A切断面を示す断面図。 本発明の実施形態4に係る旋回流発生板と補強板が接合された状態を示し、(a)は平面図、(b)は断面図。 本発明の実施形態4に係る脈動発生部を示す部分断面図。 本発明の実施形態5に係る脈動発生部を示す部分断面図。 本発明の実施形態5に係る上ケースを下ケース側から視認した状態を示す平面図。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜図3は実施形態1に係る流体噴射装置及び脈動発生部を示し、図4,5は実施形態2、図6,7は実施形態3、図8,9は実施形態4、図10,11は実施形態5に係る脈動発生部を示している。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。また、以下の説明で参照する図は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
また、本発明による流体噴射装置は、インク等を用いた描画、細密な物体及び構造物の洗浄、手術用メス等様々に採用可能であるが、以下に説明する実施の形態では、生体組織を切開または切除することに好適な流体噴射装置を例示して説明する。従って、実施の形態にて用いる流体は、水または生理食塩水である。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る流体噴射装置の概略構成を示す説明図である。図1において、流体噴射装置1は、基本構成として流体を収容する流体容器10と、圧力発生部としてのポンプ20と、ポンプ20から供給される流体を脈動流動する脈動発生部100と、から構成されている。
脈動発生部100には、細いパイプ状の接続流路管200が接続され、接続流路管200の先端部には流路が縮小されたノズル211が挿着されている。
この流体噴射装置1における流体の流動を簡単に説明する。流体容器10に収容された流体は、接続チューブ15を介してポンプ20によって吸引され、一定の圧力で接続チューブ25を介して脈動発生部100に供給する。脈動発生部100には流体室501(図2、参照)と、この流体室501の容積変更手段とを備えており、容積変更手段を駆動して脈動を発生して、接続流路管200、ノズル211を通して流体を高速で噴射する。脈動発生部100の詳しい説明については、図2、図3を参照して後述する。
なお、圧力発生部としてはポンプ20に限らず、輸液バッグをスタンド等によって脈動発生部100よりも高い位置に保持するようにしてもよい。従って、ポンプ20は不要となり、構成を簡素化することができる他、消毒等が容易になる利点がある。
ポンプ20の吐出圧力は概ね0.3気圧(0.03MPa)以下に設定する。また、輸液バッグを用いる場合には、脈動発生部100と輸液バッグの液上面との高度差が圧力となる。輸液バックを用いるときには0.1〜0.15気圧(0.01〜0.15MPa)程度になるように高度差を設定することが望ましい。
なお、この流体噴射装置1を用いて手術をする際には、術者が把持する部位は脈動発生部100である。従って、脈動発生部100までの接続チューブ25はできるだけ柔軟であることが好ましい。そのためには、柔軟で薄いチューブで、流体を脈動発生部100に送液可能な範囲で低圧にすることが好ましい。
また、特に、脳手術のときのように、機器の故障が重大な事故を引き起こす恐れがある場合には、接続チューブ25の切断等において高圧な流体が噴出することは避けなければならず、このことからも低圧にしておくことが要求される。
次に、本実施形態による脈動発生部100の構造について説明する。
図2は、本実施形態に係る脈動発生部100の構造を示す断面図である。図2において、脈動発生部100には、流体の脈動を発生する脈動発生手段を含み、流体を吐出する流路としての接続流路201を有する接続流路管200が接続されている。
脈動発生部100は、上ケース500と下ケース301とをそれぞれ対向する面において接合され、4本の固定螺子600(図示は省略)によって螺着されている。下ケース301は、鍔部を有する筒状部材であって、一方の端部は底板311で密閉されている。この下ケース301の内部空間に圧電素子401が配設される。
圧電素子401は、積層型圧電素子であってアクチュエータを構成する。圧電素子401の一方の端部は上板411を介してダイアフラム400に、他方の端部は底板311の上面312に固着されている。
また、ダイアフラム400は、円盤状の金属薄板からなり、下ケース301の凹部303内において周縁部が凹部303の底面に密着固着されている。容積変更手段としての圧電素子401に駆動信号を入力することで、圧電素子401の伸張、収縮に伴いダイアフラム400を介して流体室501の容積を変更する。
ダイアフラム400の上面には、中心部に開口部を有する円盤状の金属薄板からなる補強板410が積層配設される。
上ケース500は、下ケース301と対向する面の中心部に凹部が形成され、この凹部とダイアフラム400とから構成され流体が充填された状態の回転体形状が流体室501である。つまり、流体室501は、上ケース500の凹部の封止面505と内周側壁501aとダイアフラム400によって囲まれた空間である。流体室501の略中央部には出口流路511が穿設されている。
出口流路511は、流体室501から上ケース500の一方の端面から突設された出口流路管510の端部まで貫通されている。出口流路511の流体室501の封止面505との接続部は、流体抵抗を減ずるために滑らかに丸められている。
なお、以上説明した流体室501の形状は、本実施形態(図2、参照)では、両端が封止された略円筒形状としているが、側面視して円錐形や台形、あるいは半球形状等でもよく限定されない。例えば、出口流路511と封止面505との接続部を漏斗のような形状にすれば、後述する流体室501内の気泡を排出しやすくなる。
出口流路管510には接続流路管200が接続されている。接続流路管200には接続流路201が穿設されており、接続流路201の直径は出口流路511の直径より大きい。また、接続流路管200の管部の厚さは、流体の圧力脈動を吸収しない剛性を有する範囲に形成されている。
接続流路管200の先端部には、ノズル211が挿着されている。このノズル211には流体噴射開口部212が穿設されている。流体噴射開口部212の直径は、接続流路201の直径より小さい。
上ケース500の側面には、ポンプ20から流体を供給する接続チューブ25を挿着する入口流路管502が突設されており、入口流路管502に入口流路側の接続流路504が穿たれている。接続流路504は入口流路503に連通されている。入口流路503は、流体室501の封止面505の周縁部に溝状に形成され、流体室501に連通している。
上ケース500と下ケース301との接合面において、ダイアフラム400の外周方向の離間した位置には、下ケース301側にパッキンボックス304、上ケース500側にパッキンボックス506が形成されており、パッキンボックス304,506にて形成される空間にリング状のパッキン450が装着されている。
ここで、上ケース500と下ケース301とを組立てたとき、ダイアフラム400の周縁部と補強板410の周縁部とは、上ケース500の封止面505の周縁部と下ケース301の凹部303の底面によって密接されている。この際、パッキン450は上ケース500と下ケース301によって押し圧されて、流体室501からの流体漏洩を防止している。
流体室501内は、流体吐出の際に30気圧(3MPa)以上の高圧状態となり、ダイアフラム400、補強板410、上ケース500、下ケース301それぞれの接合部において流体が僅かに漏洩することが考えられるが、パッキン450によって漏洩を阻止している。
図2に示すようにパッキン450を配設すると、流体室501から高圧で漏洩してくる流体の圧力によってパッキン450が圧縮され、パッキンボックス304,506内の壁にさらに強く押し圧するので、流体の漏洩を一層確実に阻止することができる。このことから、駆動時において流体室501内の高い圧力上昇を維持することができる。
続いて、上ケース500に形成される入口流路503について図面を参照してさらに詳しく説明する。
図3は、入口流路503の形態を示す平面図であり、上ケース500を下ケース301との接合面側から視認した状態を表している。
図3において、入口流路503は、上ケース500の封止面505の周縁部溝状に形成されている。
入口流路503は、一方の端部が流体室501に連通し、他方の端部が接続流路504に連通している。入口流路503と接続流路504との接続部には、流体溜り507が形成されている。そして、流体溜り507と入口流路503との接続部は滑らかに丸めることによって流体抵抗を減じている。
また、入口流路503は、流体室501の内周側壁501aに対して略接線方向に向かって連通している。ポンプ20(図1、参照)から一定の圧力で供給される流体は、内周側壁501aに沿って(図中、矢印で示す方向)流動して流体室501に旋回流を発生する。旋回流は、旋回することによる遠心力で内周側壁501a側に押し付けられるとともに、流体室501内に含まれる気泡は旋回流の中心部に集中する。
そして、中心部に集められた気泡は、出口流路511から排除される。このことから、出口流路511は旋回流の中心近傍、つまり回転形状体の軸中心部に設けられることがより好ましい。従って、本実施形態において、入口流路503は旋回流発生部である。図3では、入口流路503は平面形状が湾曲されている。入口流路503は、直線で流体室501に連通させてもよいが、狭いスペースの中で所望のイナータンスを得るために、入口流路503の流路長を長くする必要性から湾曲させている。
なお、図2に示したように、ダイアフラム400と入口流路503が形成されている封止面505の周縁部との間には、補強板410が配設されている。補強板410を設ける意味は、ダイアフラム400の耐久性を向上することである。入口流路503の流体室501との接続部には切欠き状の接続開口部509が形成されるので、ダイアフラム400が高い周波数で駆動されたときに、接続開口部509近傍において応力集中が生じて疲労破壊を発生することが考えられる。そこで、切欠き部がない連続した開口部を有している補強板410を配設することで、ダイアフラム400に応力集中が発生しないようにしている。
また、上ケース500の外周隅部には、4箇所の螺子孔500aが開設されており、この螺子孔位置において、上ケース500と下ケース301とが螺合接合される。
なお、図示は省略するが、補強板410とダイアフラム400とを接合し、一体に積層固着することができる。固着手段としては、接着剤を用いる貼着としても、固層拡散接合、溶接等を採用することが可能であるが、補強板410とダイアフラム400とが、接合面において密着されていることがより好ましい。
次に、本実施形態における動作について図1〜図3を参照して説明する。本実施形態の脈動発生部100の流体吐出は、入口流路側のイナータンスL1(合成イナータンスL1と呼ぶことがある)と出口流路側のイナータンスL2(合成イナータンスL2と呼ぶことがある)の差によって行われる。
まず、イナータンスについて説明する。
イナータンスLは、流体の密度をρ、流路の断面積をS、流路の長さをhとしたとき、L=ρ×h/Sで表される。流路の圧力差をΔP、流路を流れる流体の流量をQとした場合に、イナータンスLを用いて流路内の運動方程式を変形することで、ΔP=L×dQ/dtという関係が導き出される。
つまり、イナータンスLは、流量の時間変化に与える影響度合いを示しており、イナータンスLが大きいほど流量の時間変化が少なく、イナータンスLが小さいほど流量の時間変化が大きくなる。
また、複数の流路の並列接続や、複数の形状が異なる流路の直列接続に関する合成イナータンスは、個々の流路のイナータンスを電気回路におけるインダクタンスの並列接続、または直列接続と同様に合成して算出することができる。
なお、入口流路側のイナータンスL1は、接続流路504が入口流路503に対して直径が十分大きく設定されているので、イナータンスL1は、入口流路503の範囲において算出される。この際、ポンプ20と入口流路を接続する接続チューブは柔軟性を有するため、イナータンスL1の算出から削除してもよい。
また、出口流路側のイナータンスL2は、接続流路201の直径が出口流路よりもはるかに大きく、接続流路管200の管部(管壁)の厚さが薄いためイナータンスL2への影響は軽微である。従って、出口流路側のイナータンスL2は出口流路511のイナータンスに置き換えてもよい。
なお、接続流路管200の管壁の厚さは、流体の圧力伝播には十分な剛性を有している。
そして、本実施形態では、入口流路側のイナータンスL1が出口流路側のイナータンスL2よりも大きくなるように、入口流路503の流路長及び断面積、出口流路511の流路長及び断面積を設定する。
次に、脈動発生部100の動作について説明する。
ポンプ20によって入口流路503には、常に一定圧力の液圧で流体が供給されている。その結果、圧電素子401が動作を行わない場合、ポンプ20の吐出力と入口流路側全体の流体抵抗値の差によって流体は流体室501内に流動する。
ここで、圧電素子401に駆動信号が入力され、急激に圧電素子401が伸張したとすると、流体室501内の圧力は、入口流路側及び出口流路側のイナータンスL1,L2が十分な大きさを有していれば急速に上昇して数十気圧に達する。
この圧力は、入口流路503に加えられていたポンプ20による圧力よりはるかに大きいため、入口流路側から流体室501内への流体の流入はその圧力によって減少し、出口流路511からの流出は増加する。従って、前述した特許文献1による流体噴射装置のような、入口流路側に設けられる逆止弁は必要ない。
しかし、入口流路503のイナータンスL1は、出口流路511のイナータンスL2よりも大きいため、入口流路503から流体が流体室501へ流入する流量の減少量よりも、出口流路から吐出される流体の増加量のほうが大きいため、接続流路201にパルス状の流体吐出、つまり、脈動流が発生する。この吐出の際の圧力変動が、接続流路管200内を伝播して、先端のノズル211の流体噴射開口部212から流体が噴射される。
ここで、ノズル211の流体噴射開口部212の直径は、出口流路511の直径よりも小さいので、流体は、さらに高圧、高速のパルス状の液滴として噴射される。
一方、流体室501内は、入口流路503からの流体流入量の減少と出口流路511からの流体流出の増加との相互作用で、圧力上昇直後に真空状態となる。その結果、ポンプ20の圧力と、流体室501内の真空状態の双方によって一定時間経過後、入口流路503の流体は圧電素子401の動作前と同様な速度で流体室501内に向かう流れが復帰する。
入口流路503内の流体の流動が復帰した後、圧電素子401の伸張があれば、ノズル211からの脈動流を継続して噴射することができる。
続いて、流体室501内の気泡の排除動作について説明する。
上述した脈動発生部100の動作において、流体室501が、略回転体形状を有し旋回流発生部としての入口流路503を備えていることと、出口流路511が略回転体形状の回転軸近傍に開設されていることから、流体室501内において旋回流が発生し、流体内に含まれる気泡は速やかに出口流路511から外部に排出される。
従って、圧電素子401による流体室501の微小な容積変化においても、気泡によって圧力変動が阻害されることなく、十分な圧力上昇が得られる。
従って、前述した実施形態1によれば、ポンプ20により一定圧力で入口流路503に流体を供給するため、脈動発生部100の駆動を停止した状態においても入口流路503及び流体室501に流体を供給するため、呼び水動作をしなくても初期動作を開始することができる。
また、出口流路511の直径よりも縮小された流体噴射開口部212から流体を噴出するため、液圧を出口流路511内よりも高めることから、高速の流体噴射を可能にする。
さらに、接続流路管200が、流体室501から流動される流体の脈動を流体噴射開口部212に伝達し得る剛性を有しているので、脈動発生部100からの流体の圧力伝播を妨げず、所望の脈動流を噴射することができるという効果を有する。
また、入口流路503のイナータンスを、出口流路511のイナータンスよりも大きく設定していることから、入口流路503から流体室501への流体の流入量の減少よりも大きい流出量の増加が出口流路511に発生し、接続流路管200内にパルス状の流体吐出を行うことができる。従って、前述した特許文献1のように入口流路503側に逆止弁を設けなくてもよく、脈動発生部100の構造を簡素化できるとともに、内部の洗浄が容易になる他、逆止弁を用いることに起因する耐久性の不安を排除することができるという効果がある。
なお、入口流路503及び出口流路511双方のイナータンスを十分大きく設定することにより、流体室501の容積を急激に縮小すれば、流体室501内の圧力を急激に上昇させることができる。
また、容積変更手段として圧電素子401とダイアフラム400とを採用する構造にすることにより構造の簡素化と、それに伴う小型化を実現できる。また、流体室501の容積変化の最大周波数を1KHz以上の高い周波数にすることができ、高速脈動流の噴射に最適である。
また、旋回流発生部により流体室501内の流体に旋回流を発生させることで、流体を遠心力により流体室の外周方向に押しやり、旋回流の中心部、つまり、略回転体形状の軸近傍に流体に含まれる気泡が集中し、略回転体形状の軸の近傍に設けられる出口流路511から気泡を排除することができる。このことから、流体室501内に気泡が滞留することによる圧力振幅の低下を防止することができ、脈動発生部100の安定した駆動を継続することができる。
さらに、旋回流発生部を入口流路503により形成していることから、専用の旋回流発生部を用いることなく旋回流を発生させることができる。
また、流体室501の封止面505の外周縁部に、溝形状の入口流路503を形成しているので、部品数を増やすことなく旋回流発生部としての入口流路503を形成することができる。
また、ダイアフラム400の上面に補強板410を備えていることにより、ダイアフラム400は補強板410の開口部外周を支点として駆動するため、応力集中が発生しにくく、ダイアフラム400の耐久性を向上させることができる。
なお、補強板410のダイアフラム400との接合面の角部を丸めておけば、一層、ダイアフラム400の応力集中を緩和することができる。
また、補強板410とダイアフラム400とを積層し、一体に固着すれば、脈動発生部100の組立性を向上させることができる他、ダイアフラム400の外周縁部の補強効果もある。
また、ポンプ20から流体を供給する入口側の接続流路504と入口流路503との接続部に、流体を滞留する流体溜り507を設けているために、接続流路504のイナータンスが入口流路503に与える影響を抑制することができる。
さらに、上ケース500と下ケース301との接合面において、ダイアフラム400の外周方向離間した位置にリング状のパッキン450を備えているために、流体室501からの流体の漏洩を防止し、流体室501内の圧力低下を防止することができる。
(実施形態2)
続いて、本発明の実施形態2に係る脈動発生部について図面を参照して説明する。実施形態2は、旋回流発生部として入口流路と流体室の内周側壁とを含む旋回流発生板を設けていることに特徴を有している。旋回流発生部以外は、前述した実施形態1と同じ構造であるので説明を省略し、同じ機能部位には実施形態1と同じ符号を附して説明する。
図4は旋回流発生板550を示す平面図、図5は旋回流発生板550を組み込んだ状態を示す脈動発生部100の部分断面図である。
図4において、旋回流発生板550は、中央部に開口部を開設しているが、この開口部の外周部が流体室551の内周側壁551aを形成している。そして、流体室551に旋回流発生部としての入口流路558が形成され、入口側の接続流路504との連通部には、流体溜り557が設けられている。入口流路558、流体溜り557及び内周側壁551aの形状は、前述した実施形態1にて説明した入口流路503、内周側壁501a、流体溜り507の形状(図3、参照)に準ずる。
旋回流発生板550は、金型を用いたプレス加工、エッチング加工、または放電加工等の加工手段により形成することが可能である。
図5に示すように、旋回流発生板550は、ダイアフラム400の上面に積層配設され、上ケース500の封止面505の周縁面と下ケース301によって圧接されている。
従って、上述した実施形態2によれば、旋回流発生部が旋回流発生板550にて形成されていることにより、入口流路558と内周側壁551aと流体溜り557とを同じ加工工程で形成することができるので、相互の位置精度を高めることができる。
また、旋回流発生板550は単体で、プレス加工、エッチング加工や放電加工等で形成でき、流路長、幅、厚さなど、所望のサイズ、形状の条件に合わせて製造方法を任意に選択することができる。
さらに、複数種類の入口流路の断面積、流路長を有する旋回流発生板を用意しておけば、旋回流発生板を選択することで、所望の入口流路側のイナータンスを容易に得ることができるという効果がある。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について図面を参照して説明する。実施形態3は、旋回流発生板とダイアフラムとが、積層され一体に密接固着されていることを特徴としている。旋回流発生部以外は、前述した実施形態2と同じ構造であるので説明を省略し、同じ機能部位には実施形態2と同じ符号を附して説明する。
図6は実施形態3に係る旋回流発生板550と接合されたダイアフラム400を示す平面図、図7は図6のA−A切断面を示す断面図である。
図6,7において、旋回流発生板550は、ダイアフラム400に密接固着され一体化されている。旋回流発生板550とダイアフラム400とは、接着剤を用いる貼着、固層拡散接合、溶接等の固着手段を採用することが可能であるが、接合面において密着されていることがより好ましい。
このような実施形態3によれば、旋回流発生板550は薄板にて形成され、入口流路558と流体室551の内周側壁551aを形成する開口部とが設けられている。この開口部と入口流路558との接続部559には細い半島状の部位が形成される。流体室551内は高圧状態と真空状態を繰り返すため、先述した細い半島状の部位の構造的強度が不十分になることが考えられる。しかしダイアフラムと一体化することにより十分な構造的強度を得ることができる。また、組立時において取り扱いが容易になるという利点もある。
(実施形態4)
続いて、本発明の実施形態4について図面を参照して説明する。実施形態4は、前述した実施形態2の構造に補強板をさらに設けたことを特徴としている。旋回流発生部に補強板を付加した構造以外は、前述した実施形態2と同じ構造であるので説明を省略し、同じ機能部位には実施形態2と同じ符号を附して説明する。
図8(a)は実施形態4に係る旋回流発生板550と補強板410が接合された状態を示す平面図、図8(b)は、(a)のB−B切断面を示す断面図である。
図8(a)、(b)において、旋回流発生板550は前述した実施形態2,3と同様な形状、補強板410は前述した実施形態1と同様な形状を有しており、両者は積層され、接合面において接着剤による貼着、固層拡散接合、溶接等の固着手段にて一体に密接固着される。
なお、旋回流発生板550と補強板410とは、密接固着された状態で、脈動発生部100内に組み込まれる。
図9は、接合された旋回流発生板550と補強板410が脈動発生部100に組み込まれた状態を示す部分断面図である。図9において、旋回流発生板550と補強板410とは一体化された状態で、ダイアフラム400の上面に配設される。そして、上ケース500の封止面505の周縁面と下ケース301によって圧接されている。
なお、旋回流発生板550と補強板410とを板部材状態で接合した後、旋回流発生板550の入口流路558、流体溜り557、内周側壁551aをハーフエッチング、補強板410の内周側壁410aをエッチングにより形成してもよい。
また、ダイアフラム400と補強板410とを接合し、旋回流発生板550を単体にて組み込む構造としても、ダイアフラム400、補強板410、旋回流発生板550の3枚を積層して密接固着する構造とすることもできる。
従って、上述した実施形態4によれば、旋回流発生板550と補強板410とを一体に積層し密接固着することで、旋回流発生板550を補強できるとともに、組立時において取り扱いが容易になる。
また、ダイアフラム400と補強板410とを一体に積層固着する構造、ダイアフラム400、補強板410、旋回流発生板550の3枚を積層して密接固着する構造としても、上述した発明の効果を奏することができる。
(実施形態5)
続いて、本発明の実施形態5に係る脈動発生装置について図面を参照して説明する。実施形態5は、流体室と脈動発生部の外部とを貫通する管状部材によって入口流路が形成されていることに特徴を有しているので、入口流路の構造を中心に説明する。他の機能部位については、前述した実施形態1と同じ符号を附して説明する。
図10は、実施形態5に係る脈動発生部100を示す部分断面図(図11のC−C切断面を表す)であり、図11は、下ケース301側から視認した上ケース500を表す平面図である。
図10,11において、入口流路管520が流体室501に向かって上ケース500に挿着されている。入口流路管520は金属製の管状部材からなり、上ケース500の外部から流体室501まで貫通している。従って、入口流路管520に穿設された入口流路521は流体室501内に連通している。
入口流路521は、前述した実施形態1において示した脈動発生部100と入口側のイナータンスL1を同条件で構成するときには、断面積及び流路長を入口流路503(図3、参照)と同じに設定される。
ここで、入口流路管520の挿着構造について説明を加える。入口流路管520が挿着される上ケース500には、外周端部の一部をカットした入口流路管挿入孔案内部514が形成され、この入口流路管挿入孔案内部514の面から略垂直に流体室501に向かって、入口流路管挿着孔512,513が開設される。
入口流路管520には、低融点銀蝋メッキが施されており、入口流路管挿着孔513に挿着した後、加熱して銀蝋によって溶着され、入口流路管520と上ケース500とは、密着固着され、流体室501からの流体漏洩を防止している。また、入口流路管520の先端部は、流体室501に突出しないようにカットされる。
入口流路管520の固着方法としては、接着剤を用いるもの、圧入によるもの等があるが、流体室501内部の圧力に耐えることができ、流体の漏洩が発生しない方法を選択する。
流体室501は、上ケース500の下ケース301との接合部に形成された凹部から構成され、略回転体形状をなしている。
入口流路503は、図11に示すように流体室501の内周側壁501aに対して略接線方向に設けられる。従って、流体室501内において旋回流を発生させることができる。
入口流路管520の外側方向端部には、ポンプ20(図1、参照)に接続する接続チューブ25が連結されている。接続チューブ25の端部25aは、入口流路管挿着孔512の内部まで延在されており、端部25aと入口流路管挿着孔512との径方向の間隙を最小にしておくことで、入口流路管520を補強することができる。
なお、図示は省略するが、入口流路管520の上ケース500から外側に突出した部分を曲げておくことにより、接続チューブ25の接続方向を任意に設定することが可能で、脈動発生部100の操作性を向上させることができる。
従って、上述した実施形態5によれば、入口流路521を入口流路管520で形成すれば、入口流路521の断面形状を円形にすることができ、流路内の抵抗要素を減ずることができる。
また、管状部材は断面積、長さの設定が容易で、予め複数種類の管状部材を用意しておけば、入口流路521側のイナータンスの設定にあわせて入口流路521の断面積や流路長の設定がし易いという効果がある。
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
従って、前述した実施形態1〜実施形態5によれば、呼び水装置(呼び水動作)を必要とせず、駆動中に流体室内に気体が滞留することによる性能低下を排除し、逆止弁がない簡単な構造で高い信頼性を有する流体噴射装置を提供することができる。
1…流体噴射装置、20…圧力発生部としてのポンプ、100…脈動発生部、200…接続流路管、201…接続流路、501…流体室、212…流体噴射開口部、503…入口流路、511…出口流路。

Claims (14)

  1. 容積が変更可能な流体室と、前記流体室に連通する入口流路及び出口流路と、を備える脈動発生部と、
    前記出口流路に一方の端部が連通され、他方の端部が前記出口流路の直径よりも縮小された流体噴射開口部が設けられた接続流路と、
    前記接続流路が穿設され、前記流体室から流動される流体の脈動を前記流体噴射開口部に伝達し得る剛性を有する接続流路管と、
    前記入口流路に流体を供給する圧力発生部と、が備えられていることを特徴とする流体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の流体噴射装置において、
    前記入口流路のイナータンスが、前記出口流路のイナータンスよりも大きく設定されていることを特徴とする流体噴射装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の流体噴射装置において、
    前記脈動発生部が、前記流体室の容積変更手段を備え、
    前記容積変更手段が前記流体室に対して伸張または収縮する圧電素子と、ダイアフラムと、を備えていることを特徴とする流体噴射装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の流体噴射装置において、
    前記流体室が略回転体形状であって、内周側壁と前記内周側壁の一方の端部を封止する封止面と他方の端部を封止する前記ダイアフラムからなり、
    前記略回転体形状の軸を中心とする流体の旋回流を発生する旋回流発生部をさらに備え、
    前記出口流路が、前記略回転体形状の軸の近傍に設けられていることを特徴とする流体噴射装置。
  5. 請求項4に記載の流体噴射装置において、
    前記旋回流発生部が、前記流体室の内周側壁に対して略接線方向に連通する前記入口流路により形成されていることを特徴とする流体噴射装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の流体噴射装置において、
    前記流体室の外周縁部に、前記入口流路が形成されていることを特徴とする流体噴射装置。
  7. 請求項4または請求項5に記載の流体噴射装置において、
    前記旋回流発生部が、前記入口流路と流体室の内周側壁とを含む旋回流発生板にて形成されていることを特徴とする流体噴射装置。
  8. 請求項4、請求項5または請求項7のいずれか一項に記載の流体噴射装置において、
    前記旋回流発生板と前記ダイアフラムとが、積層され一体に密接固着されていることを特徴とする流体噴射装置。
  9. 請求項4ないし請求項7のいずれか一項に記載の流体噴射装置において、
    前記入口流路が形成される封止面または前記旋回流発生板と前記ダイアフラムとの間に、前記流体室の直径と略等しい開口部を有する補強板が備えられていることを特徴とする流体噴射装置。
  10. 請求項7または請求項9に記載の流体噴射装置において、
    前記旋回流発板と前記補強板とが、積層され一体に密接固着されていることを特徴とする流体噴射装置。
  11. 請求項9に記載の流体噴射装置において、
    前記ダイアフラムと前記補強板とが、積層され一体に固着されていることを特徴とする流体噴射装置。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の流体噴射装置において、
    前記圧力発生部から入口流路に流体を供給する入口側の接続流路と前記入口流路との接続部に、流体を滞留する流体溜りを設けていることを特徴とする流体噴射装置。
  13. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の流体噴射装置において、
    前記入口流路が、前記流体室と前記脈動発生部の外部とを貫通する管状部材から形成されていることを特徴とする流体噴射装置。
  14. 請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載の流体噴射装置において、
    前記ダイアフラムの外周方向に離間した位置にリング状のパッキンがさらに備えられていることを特徴とする流体噴射装置。
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