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JP2009298363A - 車両の前部車体構造 - Google Patents

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JP2009298363A JP2008157608A JP2008157608A JP2009298363A JP 2009298363 A JP2009298363 A JP 2009298363A JP 2008157608 A JP2008157608 A JP 2008157608A JP 2008157608 A JP2008157608 A JP 2008157608A JP 2009298363 A JP2009298363 A JP 2009298363A
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Tetsuro Fukuhara
哲朗 福原
Tsutomu Hamabe
勉 浜辺
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】車両衝突によって車両前方側から荷重を受けた場合にキャビン側への負担を軽減することができる車両の前部車体構造を得る。
【解決手段】サスメン取付部材40に後孔40Dが形成されると共に締結ブラケット50に前孔60が形成されることで、サスペンションメンバ26の後側マウント部30Aがサスメン取付部材40から車両下方側に離脱する際の荷重が抑えられる。また、ブレース62のフロントサイドメンバ20への第二締結部66Bには、切欠形成部70が形成され、切欠形成部70の脆弱部69がサスペンションメンバ26の車両後方側への移動時に破断することによって、切欠形成部70は、第二締結部66Bの第一締結部64B回りの方向(矢印R方向)へのフロントサイドメンバ20に対する相対変位を許容するので、フロントサイドメンバ20側への曲げ負荷が低減される。
【選択図】図1

Description

本発明は、サスペンションメンバを備えた車両の前部車体構造に関する。
車両の前部車体構造においては、車両衝突によって車両前方側から荷重を受けた場合に、エンジンルーム内のクラッシュストロークを確保するために、サスペンションメンバの車両後方側への移動に伴ってサスペンションメンバの後側連結部を車両下方側に脱落(離脱)させるようにした構造がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−131290公報
しかしながら、このような構造では、サスペンションメンバを車両下方側に離脱させる際の荷重が大きいとキャビン側への負担が増加する。
本発明は、上記事実を考慮して、車両衝突によって車両前方側から荷重を受けた場合にキャビン側への負担を軽減することができる車両の前部車体構造を得ることが目的である。
請求項1に記載する本発明の車両の前部車体構造は、車体前部の両サイドに車両前後方向に延在する左右一対のフロントサイドメンバと、前記一対のフロントサイドメンバに前側取付部が取り付けられて車両幅方向に延在し、サスペンションを支持するサスペンションメンバと、ダッシュパネルの下部のエンジンルーム側に取り付けられ、前記一対のフロントサイドメンバの車両幅方向内側に配置されて前記サスペンションメンバの後側取付部が下面側に取り付けられる取付部材と、前記取付部材の上面側に配置され、前記取付部材及び前記後側取付部に締結荷重を作用させる締結手段の構成部を備えた締結ブラケットと、前記後側取付部に締結されると共に、前記フロントサイドメンバに少なくとも二点で締結されたブレースと、前記後側取付部が取り付けられる側に設けられ、車両衝突による前記サスペンションメンバの車両後方側への移動時に前記取付部材から車両下方側への前記後側取付部の離脱を許容する離脱許容手段と、前記ブレースの前記フロントサイドメンバへの締結部のうち特定のかつ単一の第一締結部以外とされた第二締結部に設けられ、前記サスペンションメンバの車両後方側への移動時に前記第二締結部の前記第一締結部回りの方向への前記フロントサイドメンバに対する相対変位を許容する変位許容手段と、を有する。
請求項1に記載する本発明の車両の前部車体構造によれば、ダッシュパネルの下部のエンジンルーム側に取り付けられる取付部材には、その下面側にサスペンションメンバの後側取付部が取り付けられ、その上面側に締結手段の構成部を備えた締結ブラケットが配置されており、取付部材及び後側取付部は、締結手段による締結荷重を受ける。ここで、サスペンションメンバの後側取付部が取り付けられる側には、離脱許容手段が設けられており、この離脱許容手段は、車両衝突によるサスペンションメンバの車両後方側への移動時に、サスペンションメンバの後側取付部が取付部材から車両下方側へ離脱するのを許容する。このため、サスペンションメンバの後側取付部が取付部材から車両下方側に離脱する際の荷重が抑えられる。
また、サスペンションメンバの後側取付部にブレースが締結され、このブレースはフロントサイドメンバに少なくとも二点で締結されているので、通常時においてはサスペンションメンバの後側取付部は、ブレースによっても安定的に支持される。ここで、ブレースのフロントサイドメンバへの締結部のうち特定のかつ単一の第一締結部以外とされた第二締結部には、変位許容手段が設けられ、変位許容手段は、サスペンションメンバの車両後方側への移動時に第二締結部の第一締結部回りの方向へのフロントサイドメンバに対する相対変位を許容する。このため、車両衝突時にはブレースが第一締結部回りの方向に回転するので、例えば、ブレースが曲げ変形されるような場合に比べて、フロントサイドメンバ側への曲げ負荷が低減される。
請求項2に記載する本発明の車両の前部車体構造は、請求項1記載の構成において、前記離脱許容手段は、前記締結ブラケットに形成され、前記サスペンションメンバの車両後方側への移動時に前記後側取付部側から前記締結ブラケット側への荷重による前記締結ブラケットの変形を促進する変形促進手段と、前記取付部材に形成され、前記後側取付部の締結用とされる前記取付部材の締結孔よりも車両後方側に配置され、前記締結ブラケットに設けられた前記締結手段の構成部の外径よりも車両幅方向の寸法が大きい後孔と、を含んで構成されている。
請求項2に記載する本発明の車両の前部車体構造によれば、締結ブラケットに形成された変形促進手段は、サスペンションメンバの車両後方側への移動時に後側取付部側から締結ブラケット側への荷重による締結ブラケットの変形を促進するので、サスペンションメンバが車両後方側へ移動すると、締結ブラケットが変形しながら取付部材の締結孔側を貫通しようとする。
また、取付部材に形成された後孔は、後側取付部の締結用とされる取付部材の締結孔よりも車両後方側に配置され、締結ブラケットに設けられた締結手段の構成部の外径よりも車両幅方向の寸法が大きいので、サスペンションメンバが車両後方側へ移動すると、締結ブラケットに設けられた締結手段の構成部は、比較的低荷重で取付部材の後孔側を貫通する。すなわち、車両衝突によるサスペンションメンバの車両後方側への移動時には、締結ブラケットが取付部材の締結孔や後孔から引き抜かれ、サスペンションメンバの後側取付部が取付部材から車両下方側へ離脱する。
請求項3に記載する本発明の車両の前部車体構造は、請求項2記載の構成において、前記変形促進手段は、前記後側取付部の締結用とされる前記締結ブラケットの締結孔よりも車両前方側に形成された前孔を含んで構成されている。
請求項3に記載する本発明の車両の前部車体構造によれば、変形促進手段は、締結ブラケットの締結孔よりも車両前方側に形成された前孔を含んで構成されているので、車両衝突によるサスペンションメンバの車両後方側への移動時には、前孔によって締結ブラケットが折り畳まれるように曲げ変形しながら、締結ブラケットが取付部材の締結孔や後孔から引き抜かれ、サスペンションメンバの後側取付部が取付部材から車両下方側へ比較的低荷重で離脱する。
請求項4に記載する本発明の車両の前部車体構造は、請求項2記載の構成において、前記変形促進手段は、前記締結ブラケットに形成されたビードを含んで構成されており、前記ビードの中心線は、前記後側取付部の締結用とされる前記締結ブラケットの締結孔の中心線で交わっている。
請求項4に記載する本発明の車両の前部車体構造によれば、変形促進手段は、締結ブラケットに形成されたビードを含んで構成されており、ビードの中心線は、締結ブラケットの締結孔の中心線で交わっているので、車両衝突によるサスペンションメンバの車両後方側への移動時には、ビードを曲げ起点として締結ブラケットが折り畳まれるように曲げ変形しながら、締結ブラケットが取付部材の締結孔や後孔から引き抜かれ、サスペンションメンバの後側取付部が取付部材から車両下方側へ比較的低荷重で離脱する。
請求項5に記載する本発明の車両の前部車体構造は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の構成において、前記ダッシュパネルの下端部側の下面又はその近傍に設けられたクロス部材を有し、前記クロス部材は、前記サスペンションメンバが前記取付部材から車両下方側に離脱した場合の当該サスペンションメンバと車両上下方向の位置が重なる位置に設定され、かつ、前記取付部材に取り付けられた前記サスペンションメンバとの車両前後方向の距離を、前記フロントサイドメンバに固定されるパワーユニットと前記ダッシュパネルとの車両前後方向の距離に合わせて設定している。
請求項5に記載する本発明の車両の前部車体構造によれば、ダッシュパネルの下端部側の下面又はその近傍に設けられたクロス部材は、サスペンションメンバが取付部材から車両下方側に離脱した場合の当該サスペンションメンバと車両上下方向の位置が重なる位置に設定されているので、サスペンションメンバが取付部材から車両下方側に離脱して車両後方側へ移動すると、サスペンションメンバはクロス部材に当接する。また、クロス部材は、取付部材に取り付けられたサスペンションメンバとの車両前後方向の距離を、フロントサイドメンバに固定されるパワーユニットとダッシュパネルとの車両前後方向の距離に合わせて設定しているので、サスペンションメンバがクロス部材に当接する前に、エンジンルーム内のクラッシュストロークが確保される。
すなわち、エンジンルーム内のクラッシュストロークが確保された後、サスペンションメンバがクロス部材に当接し、衝突後半における荷重が確保される。ここで、クロス部材側から荷重を受けたフロントサイドメンバには、ダッシュパネルに沿う部位を起こそうとする方向の通常モードの荷重に対してこれを打ち消す方向のキャンセルモーメントが発生するので、フロントサイドメンバへの負担、ひいてはキャビン側への負担が軽減される。
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の車両の前部車体構造によれば、車両衝突によって車両前方側から荷重を受けた場合にキャビン側への負担を軽減することができるという優れた効果を有する。
請求項2に記載の車両の前部車体構造によれば、車両衝突によるサスペンションメンバの車両後方側への移動時には、締結ブラケットを取付部材の締結孔や後孔から引き抜いて、サスペンションメンバの後側取付部を取付部材から車両下方側へ比較的低荷重で離脱させることができるという優れた効果を有する。
請求項3に記載の車両の前部車体構造によれば、車両衝突によるサスペンションメンバの車両後方側への移動時には、前孔によって締結ブラケットを折り畳むように曲げ変形させながら、締結ブラケットを取付部材の締結孔や後孔から引き抜いて、サスペンションメンバの後側取付部を取付部材から車両下方側へ比較的低荷重で離脱させることができるという優れた効果を有する。
請求項4に記載の車両の前部車体構造によれば、車両衝突によるサスペンションメンバの車両後方側への移動時には、ビードを曲げ起点として締結ブラケットを折り畳むように曲げ変形させながら、締結ブラケットを取付部材の締結孔や後孔から引き抜いて、サスペンションメンバの後側取付部を取付部材から車両下方側へ比較的低荷重で離脱させることができるという優れた効果を有する。
請求項5に記載の車両の前部車体構造によれば、エンジンルーム内のクラッシュストロークを確保した後に衝突後半における荷重を確保することができ、かつサスペンションメンバのクロス部材への当接時にキャンセルモーメントを発生させることによってキャビン側への負担を軽減することができるという優れた効果を有する。
[第1実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る車両の前部車体構造について図1〜図7を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
図1には、車両の前部車体構造の要部構成を一部模式化した平面図が示され(図1では車両幅方向の左側半分のみを示す)、図2には、車両の前部車体構造の要部構成の一部を車両側面視で見た場合の縦断面図(図1の2−2線に沿った拡大断面図)が示されている。これらの図に示されるように、エンジンルーム10とキャビン12とは、ダッシュパネル14によって隔成されて(仕切られて)いる。
ダッシュパネル14の上部は、略垂直板状に形成された垂直板部14A(図1参照)となっており、ダッシュパネル14の下部は、この垂直板部14Aと一体的に設けられて傾斜板状に形成されたトーボード部14Bとなっている。図2に示されるように、トーボード部14Bは、車両後方下側へ(車両後方に向けて車両斜め下方側に)傾斜している。なお、図1に示されるように、トーボード部14Bの下端部は、フロアパネル(車体フロア)16の前端部にスポット溶接等で結合されて一体化されており、フロアパネル16は、キャビン12の底部を構成している。
車体前部18の両サイドには、左右一対のフロントサイドメンバ20が略車両前後方向に延在している。このフロントサイドメンバ20は、矩形閉断面構造かつ長尺状に形成されている。左右一対のフロントサイドメンバ20の前端部同士は、車両幅方向を長手方向として配置された図示しないフロントバンパリインフォースによって相互に連結されている。なお、前記フロントバンパリインフォースはフロントバンパ(図示省略)の一部を構成する高強度の長尺状の部材である。
図6(A)に二点鎖線で示されるように、フロントサイドメンバ20は、側面視で、ダッシュパネル14から車両前方側に位置するサイドメンバ前部20Aと、このサイドメンバ前部20Aの後端部からダッシュパネル14の下部(トーボード部14B)の側面形状に沿って車両後方下側へ傾斜するキックアップ部20B(キック部)と、このキックアップ部20Bの後端部からフロアパネル16の下面に沿って車両後方側へ延在するサイドメンバ後部20Cと、を備えている。
すなわち、キックアップ部20Bは、車体上下方向にオフセットしたサイドメンバ前部20Aとサイドメンバ後部20Cとを繋いでいる。このキックアップ部20Bは、断面逆ハット形状に形成されて左右フランジ部がダッシュパネル14にスポット溶接等により結合され、ダッシュパネル14とで矩形閉断面構造を形成している。また、サイドメンバ後部20Cは、断面逆ハット形状に形成されて左右フランジ部がフロアパネル16にスポット溶接等により結合され、フロアパネル16とで矩形閉断面構造を形成している。
図1に示されるように、エンジンルーム10内には、パワーユニット22が配設されている。パワーユニット22は、エンジン及びトランスミッションを備えており、弾性マウント部材24によって左右一対のフロントサイドメンバ20に固定されている。
パワーユニット22の概ね車両後下方側には、サスペンションメンバ26(フロントサスペンションメンバ)が配設されている。サスペンションメンバ26は、車両幅方向に延在し、サスペンション32(フロントサスペンション)を支持する部材である。サスペンションメンバ26の車両幅方向両端部は、それぞれ車両前方側斜め上方側に延設された前側脚部28と車両後方側へ延設された後側脚部30とに分岐されている。このサスペンションメンバ26の前側脚部28及び後側脚部30の所定部位には、サスペンション32のサスペンションロアアーム32A(フロントサスペンションロアアーム)が取り付けられている。なお、サスペンションロアアーム32Aは、サスペンションメンバ26の車両幅方向両端側に配設されている。
また、前側脚部28には、前側取付部としての前側マウント部28Aが設けられている。前側マウント部28Aは、略円筒形状に形成されており、左右一対のフロントサイドメンバ20のサイドメンバ前部20Aの後端部寄りに締結具34(ボルト及びナット)によって取り付けられている。
また、後側脚部30には、後側取付部としての後側マウント部30Aが設けられている。図2に示されるように、後側マウント部30Aは、略円筒形状に形成されると共に取付部材としてのサスメン取付部材40(「サスメンクロス」、「ダッシュロアクロス」ともいう)の下面側に取り付けるための取付け用とされている。後側マウント部30Aの軸芯部には、締結手段の一部を構成するボルト36を挿通するためのボルト挿通孔130Aが形成されている。
サスメン取付部材40は、ダッシュパネル14の下部(トーボード部14B)のエンジンルーム10側に取り付けられており、図1に示されるように、左右一対のフロントサイドメンバ20の車両幅方向内側に配置されてサスペンションメンバ26の後側マウント部30Aが下面側に取り付けられている(図2参照)。図2及び図3に示されるように、サスメン取付部材40は、側面視で略L字状(より正確には二辺のなす屈曲角度が直角よりもやや大きい屈曲形状)に形成され、車両前方側に配置される縦板部40Aを備えると共に、縦板部40Aの下端部から車両後方側へ屈曲された横板部40Bを備えている。
このサスメン取付部材40は、図4に示されるサスメン取付本体42の車両上方側から補強ブラケット44が重ね合わせられてこれらが互いに溶接されることで形成されている。サスメン取付本体42及び補強ブラケット44は、ともに屈曲板状とされ、側面視で略L字状(より正確には二辺のなす屈曲角度が直角よりもやや大きい屈曲形状)に形成されている。
すなわち、サスメン取付本体42は、車両前方側に配置される縦板部42Aを備えると共に、縦板部42Aの下端部から屈曲された横板部42Bを備えており、同様に、補強ブラケット44は、車両前方側に配置される縦板部44Aを備えると共に、縦板部44Aの下端部から屈曲された横板部44Bを備えている。つまり、図3に示されるサスメン取付部材40の縦板部40Aは、サスメン取付本体42の縦板部42Aと補強ブラケット44の縦板部44Aとで構成され、サスメン取付部材40の横板部40Bは、サスメン取付本体42の横板部42Bと補強ブラケット44の横板部44Bとで構成されている。
サスメン取付本体42の縦板部42Aの上端縁には、サスメン取付本体42と補強ブラケット44とが接合された状態で、補強ブラケット44の上端縁よりも車両上方側に配置された上端フランジ部142Aが設けられている。図2に示されるように、この上端フランジ部142Aは、トーボード部14Bへ溶接等により結合されている。また、図3に示されるように、補強ブラケット44の横板部44Bの後端縁には、後端フランジ部144Bが設けられている。図2に示されるように、この後端フランジ部144Bは、トーボード部14Bへ溶接等により結合されている。
図3に示されるように、サスメン取付部材40における横板部40Bには、二つの円形が結合されたような形状の貫通孔41が貫通形成されている。貫通孔41の車両前方側となる一部は、締結孔40Cとされて後側マウント部30Aの締結用とされている。また、貫通孔41の車両後方側となる他部、すなわち、締結孔40Cよりも車両後方側には、締結孔40Cに連続(連通)した後孔40Dが形成(配置)されている。この後孔40Dは、締結孔40Cよりも大径とされている。
横板部40Bの貫通孔41は、図4に示されるように、サスメン取付本体42の貫通孔43及び補強ブラケット44の貫通孔45で構成されており、締結孔40C(図3参照)は、貫通孔43の締結孔部142B及び貫通孔45の締結孔部144Bで構成され、後孔40D(図3参照)は、貫通孔43の後孔部242B及び貫通孔45の後孔部244Bで構成されている。また、サスメン取付本体42の貫通孔43と補強ブラケット44の貫通孔45とは同一形状に形成されており、締結孔部142Bと締結孔部144Bとは同一形状、後孔部242Bと後孔部244Bとは同一形状とされている。
図3に示されるように、サスメン取付部材40の横板部40Bの上面側には、締結ブラケット50が配置されている。締結ブラケット50は、サスメン取付部材40よりも小さいブラケット部52を備えている。ブラケット部52には、サスメン取付部材40の横板部40Bに重ね合わせられる合わせ部52Aに、後側マウント部30Aの締結用とされる締結孔54(図2参照)が貫通形成されると共に、合わせ部52Aの上面側には、締結孔54の外周部に締結手段の構成部としてのウエルドナット56が予め固着されている。このウエルドナット56は、締結ブラケット50の一部を構成している。
図2に示されるように、ウエルドナット56には、後側マウント部30Aのボルト挿通孔130A及びサスメン取付部材40の締結孔40Cを貫通したボルト36が螺合されている。ボルト36及びウエルドナット56は、サスメン取付部材40及びサスペンションメンバ26の後側マウント部30Aに締結荷重を作用させるための締結手段を構成している。また、図3に示されるように、既述したサスメン取付部材40の後孔40Dは、締結ブラケット50に設けられたウエルドナット56の外径Cよりも車両幅方向の寸法Aが大きく設定されている。
締結ブラケット50は、合わせ部52Aの前端(車両前方側の端部)から略車両上方側へ屈曲されて縦板部40Aに沿う前壁部52Bを備えると共に、合わせ部52Aの左右両端(車両幅方向の両側の端部)から略車両上方側へ屈曲された側壁部52Cを備えている。また、前壁部52Bの両端部と側壁部52Cの前端部とは一体に繋がっており、コーナを形成している。これらにより、締結ブラケット50には、所定の剛性が確保されている。
また、締結ブラケット50には、締結孔54(図2参照)よりも車両前方側に変形促進手段としての前孔60が貫通形成されている。この前孔60は、合わせ部52Aと前壁部52Bとの接続部位である前側稜線部58にかかるように設定されており、車両幅方向を長手方向とする長孔とされている。ここで、前孔60の車両幅方向の寸法は、前側稜線部58の車両幅方向の両端間において前孔60が形成されていない部分における車両幅方向の寸法の合計(図中ではB1+B2)が、サスメン取付部材40の後孔40Dの車両幅方向の寸法Aよりも小さくなるように設定されている。このように形成された前孔60は、車両衝突の際におけるサスペンションメンバ26の車両後方側への移動時に後側マウント部30A側から締結ブラケット50側への荷重による締結ブラケット50の変形(折り畳むような曲げ変形)を促進するようになっている。
このように、本実施形態では、後側マウント部30Aが取り付けられる側において、サスメン取付部材40に後孔40Dが設けられると共に締結ブラケット50に前孔60が設けられており、後孔40D及び前孔60が離脱許容手段を構成している。すなわち、後孔40D及び前孔60は、車両衝突によるサスペンションメンバ26の車両後方側への移動時に、締結ブラケット50によるサスメン取付部材40の車両下方側への貫通を可能にすることによってサスメン取付部材40から車両下方側への後側マウント部30Aの離脱を許容するための形状となっている。
サスペンションメンバ26の車両下方側には、ブレース62(サスメンブレース)が配設されている。ブレース62は、車両平面視に見て略車両幅方向に略直線状とされた連結主部64を備えると共に、連結主部64の長手方向中間部から略車両前方側へ延設された延設部66を備えている。
連結主部64の車両幅方向内側の端部は、後側マウント部30Aへの締結部となる内側締結部64Aとされている。図4に示されるように、内側締結部64Aには、ボルト挿通孔164Aが貫通形成されており、図2に示されるように、このボルト挿通孔164Aを貫通したボルト36がウエルドナット56に螺合されることによって、内側締結部64Aは、サスメン取付部材40の横板部40Bとサスペンションメンバ26の後側マウント部30Aとの取付部に共締めされて(後側マウント部30Aに締結されて)いる。
図1に示されるように、ブレース62は、内側締結部64Aよりも車両幅方向外側でフロントサイドメンバ20に前後二点で締結されている。より具体的に説明すると、連結主部64の略車両幅方向外側の端部は、フロントサイドメンバ20への第一締結部64Bとされている。第一締結部64Bには、ボルト挿通孔164B(図3参照)が貫通形成されており、締結具72A(ボルト及びナット)によってフロントサイドメンバ20に第一締結部64Bが締結されている。また、延設部66の略車両前方側の端部は、フロントサイドメンバ20への第二締結部66Bとされている。この第二締結部66Bは、第一締結部64Bに対し車両前方側に位置している。第二締結部66Bには、ボルト挿通孔166B(図3参照)が貫通形成されており、締結具72B(ボルト及びナット)によってフロントサイドメンバ20に第二締結部66Bが締結されている。
図3に示されるように、第二締結部66Bには、ボルト挿通孔166Bの車両前方側から車両幅方向外側にかけて切欠68が形成されて車両平面視で凹状にえぐられるように切り欠かれている。この切欠68は、第一締結部64Bの締結線172A(ボルト軸)を回転支点として内側締結部64Aを車両後方側へ回転移動させた場合の前記回転移動の方向の反対側に設定、つまり、前記場合における締結具72B(図1参照、ボルト軸)の第二締結部66Bに対する相対移動軌跡の一部を含む範囲に設定されている。
これにより、第二締結部66Bにおいてボルト挿通孔166Bの車両前方側から車両幅方向外側にかけての範囲は、切欠68及びこの切欠68によってボルト挿通孔166Bとの間が薄肉化された脆弱部69を含む変位許容手段としての切欠形成部70とされている。切欠形成部70の脆弱部69がサスペンションメンバ26の車両後方側への移動時に所定値以上の荷重を受けて破断することによって、切欠形成部70が第二締結部66Bの第一締結部64Bの締結線172A回りの方向(図1の矢印R方向参照)へのフロントサイドメンバ20に対する相対変位を許容するように設定されている。
図1に示されるように、ダッシュパネル14(トーボード部14B)の下端部側の下面には、クロス部材74(クロスメンバ)が車両幅方向を長手方向としてフロントサイドメンバ20間に掛け渡されるように配置されている。図6(A)に示されるように、クロス部材74は、側断面視で逆ハット形状に形成され、前後フランジ部がトーボード部14Bの下端部側の下面に接合されることによりトーボード部14Bとで閉断面構造を構成している。
また、図6(B)に示されるように、クロス部材74は、サスペンションメンバ26がサスメン取付部材40から車両下方側に離脱した場合のサスペンションメンバ26と車両上下方向の位置が概ね重なる位置に設定されている。また、図6(A)に示されるように、クロス部材74は、サスメン取付部材40に取り付けられたサスペンションメンバ26(後側マウント部30A)との車両前後方向の距離L1を、フロントサイドメンバ20に固定されるパワーユニット22とダッシュパネル14との車両前後方向の距離L2(隙)に合わせて(距離L2と同じ距離になるように)設定している。
(作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
図2に示されるように、ダッシュパネル14の下部のエンジンルーム10側に取り付けられるサスメン取付部材40には、その横板部40Bの下面側にサスペンションメンバ26の後側マウント部30Aが取り付けられ、横板部40Bの上面側には、ウエルドナット56を備えた締結ブラケット50が配置されており、サスメン取付部材40及び後側マウント部30Aは、ボルト36及びウエルドナット56による締結荷重を受けて締結されている。
ここで、図3に示されるように、サスメン取付部材40に形成された後孔40Dは、後側マウント部30Aの締結用とされるサスメン取付部材40の締結孔40Cよりも車両後方側に配置され、締結ブラケット50に設けられたウエルドナット56の外径Cよりも車両幅方向の寸法Aが大きく設定されている。このため、サスペンションメンバ26が車両後方側へ移動すると、締結ブラケット50に設けられたウエルドナット56は、車両後方側へスライドするように移動してから比較的低荷重でサスメン取付部材40の後孔40D側を貫通する。
また、締結ブラケット50には、締結ブラケット50の締結孔54よりも車両前方側に前孔60が形成されている。このため、車両衝突(例えば、車両前面衝突)によって車両前方側から荷重を受けた場合、車両衝突によるサスペンションメンバ26の車両後方側への移動時には、前孔60によって、後側マウント部30A側から締結ブラケット50側への荷重による締結ブラケット50の変形が促進され、締結ブラケット50が折り畳まれて車両幅方向の寸法を縮めるように曲げ変形する。これにより、締結ブラケット50がサスメン取付部材40の締結孔40Cや後孔40Dから引き抜かれる。特に、本実施形態では、前側稜線部58の車両幅方向の両端間において前孔60が形成されていない部分における車両幅方向の寸法の合計(図中ではB1+B2)が、サスメン取付部材40の後孔40Dの車両幅方向の寸法Aよりも小さくなるように設定されているので、締結ブラケット50は、比較的低荷重でサスメン取付部材40を車両下方側に貫通する。その結果、サスペンションメンバ26の後側マウント部30Aがサスメン取付部材40から車両下方側へ比較的低荷重で離脱する(離脱荷重の低減)。
このように、サスペンションメンバ26の後側マウント部30Aが取り付けられる側には、サスメン取付部材40に後孔40Dが形成されると共に締結ブラケット50に前孔60が形成されることで、車両衝突によるサスペンションメンバ26の車両後方側への移動時に、サスペンションメンバ26の後側マウント部30Aにおけるサスメン取付部材40から車両下方側への離脱が後孔40D及び前孔60によって許容される。このため、サスペンションメンバ26の後側マウント部30Aがサスメン取付部材40から車両下方側に離脱する際の荷重が抑えられる(サスメン離脱構造による前突性能の向上)。
また、図1に示されるように、本実施形態に係る車両の前部車体構造では、サスペンションメンバ26の後側マウント部30Aにブレース62が締結され、このブレース62は、フロントサイドメンバ20に第一締結部64B及び第二締結部66Bで(二点で)締結されている。このため、通常時においてはサスペンションメンバ26の後側マウント部30Aは、ブレース62によっても安定的に支持される。
ここで、ブレース62のフロントサイドメンバ20への第二締結部66Bには、切欠形成部70が設けられ、切欠形成部70の脆弱部69がサスペンションメンバ26の車両後方側への移動時に破断することによって、図5に示されるように、切欠形成部70は、第二締結部66Bの第一締結部64B(締結線172A(図3参照))回りの方向(矢印R方向参照)へのフロントサイドメンバ20に対する相対変位を許容する。このため、車両衝突時(車両前方側から荷重を受けた場合)にはブレース62が第一締結部64B(締結線172A(図3参照))回りの方向に回転するので、例えば、ブレース62が曲げ変形されるような場合に比べて、フロントサイドメンバ20側(キャビン12側)への曲げ負荷が低減される。
また、図6に示されるように、本実施形態に係る車両の前部車体構造では、ダッシュパネル14の下端部側の下面に設けられたクロス部材74は、サスペンションメンバ26がサスメン取付部材40から車両下方側に離脱した場合のサスペンションメンバ26と車両上下方向の位置が重なる位置(図6(B)参照)に設定されている。このため、図6(B)に示されるように、サスペンションメンバ26がサスメン取付部材40から車両下方側に離脱して車両後方側へ移動すると、サスペンションメンバ26はクロス部材74に当接(接触)する。
また、図6(A)に示されるように、クロス部材74は、サスメン取付部材40に取り付けられたサスペンションメンバ26(後側マウント部30A)との車両前後方向の距離L1を、フロントサイドメンバ20に固定されるパワーユニット22とダッシュパネル14との車両前後方向の距離L2に合わせて設定しているので、サスペンションメンバ26がクロス部材74に当接する前に、エンジンルーム10内のクラッシュストローク(エンコパストローク)が確保される。
すなわち、エンジンルーム10内のクラッシュストロークが確保された後、図6(B)に示されるように、サスペンションメンバ26(後側マウント部30A)がクロス部材74に当接し、衝突後半における荷重(反力)が確保される。ここで、クロス部材74側からキックアップ部20Bの車両後方側にて荷重fを受けたフロントサイドメンバ20には、通常モードの荷重F(パワーユニット22のダッシュパネル14への当接に伴ってキックアップ部20Bを起こそうとする方向の荷重)に対し、これを打ち消す方向のキャンセルモーメントMが発生するので、フロントサイドメンバ20(特にキックアップ部20B)への負担、ひいてはキャビン12側への負担が軽減される。すなわち、キャビン12側への負担が抑えられながら荷重が伝達される。
ここで、エンジンルーム10内のクラッシュストロークを確保している点、及びキャビン12側への負担を抑えながら衝突後半における荷重(反力)を確保している点に関して、図7のグラフ(F−S線図)を参照しながら説明する。図7には、車両をバリアに前面衝突させたときのF−S線図、すなわち、荷重Fと車両ストロークSとの関係を示すグラフが示されている。
図7において、二点鎖線の線図は、バリアのF−S線図を示し、一点鎖線の線図は、ボデーがバリアから受けた荷重(バリアの荷重からパワーユニットの慣性力分を引いた荷重)をFとするF−S線図を示し、太実線の線図は、本実施形態に係る車両の前部車体構造のF−S線図を示す。グラフ中の符号Xのポイントは、サスペンションメンバ(26)の離脱時のデータ、グラフ中の符号Yのポイントは、サスペンションメンバ(26)がクロス部材(74)に当接した時点のデータをそれぞれ示す。
図7に示されるように、サスペンションメンバ(26)をサスメン取付部材(40)から離脱させることによって、エンジンルーム(12)内のクラッシュストロークが確保でき(ストロークS1、S2間参照)、サスペンションメンバ(26)がクロス部材(74)に当接(符号Y参照)してから荷重(反力)が立ち上がって目標荷重F1(理想とする荷重)が確保されている。
ここで、補足説明すると、最終的な車両ストロークを目標とするストロークS3にするためには、衝突終盤で目標荷重F1を確保する必要があるが、仮に、図6(B)に示されるクロス部材74を設けないような対比構造では、目標荷重F1を確保するために、フロントサイドメンバ(20)のキックアップ部(20B)やダッシュパネル(14)を補強する等のような補強構造(及びそれに伴う質量増加)が必要になる。なぜなら、衝突終盤は、サスペンションメンバ(26)がサスメン取付部材(40)から離脱した構造となっているので、前記のような補強構造を設けないと目標荷重F1を期待できないためである。しかし、本実施形態では、前述の所定位置にクロス部材74を設けることによって、キックアップ部20B等を補強することなく、衝突終盤で目標荷重F1を確保することができ、かつ、キャンセルモーメントMを発生させて、キックアップ部20B(キャビン12側)への負担を軽減することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る車両の前部車体構造によれば、車両衝突によって車両前方側から荷重を受けた場合にキャビン12側への負担を軽減することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る車両の前部車体構造について、図8を用いて説明する。本発明の第2の実施形態に係る車両の前部車体構造における締結ブラケット80は、前孔60(図3参照)に代えて、変形促進手段としてのビード82A、82Bを備える点で、第1の実施形態に係る車両の前部車体構造における締結ブラケット50(図3参照)とは異なる。他の構成は、第1の実施形態とほぼ同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
図8(A)に示されるように、締結ブラケット80は、第1の実施形態と同様にブラケット部52にウエルドナット56が固着されることで形成されている。締結ブラケット80のブラケット部52には、ビード82A、82Bが形成されている。ビード82A、82Bは、ブラケット部52において締結孔54より車両前方側及び車両幅方向両側の計三箇所に設けられている。前側のビード82Aは、合わせ部52Aと前壁部52Bとの接続部位である前側稜線部58にかかるように設定されており、両サイド側のビード82Bは、合わせ部52Aと側壁部52Cとの接続部位であるサイド側稜線部59にかかるように設定されている。これらのビード82A、82Bは、ウエルドナット56から離れるに従って合わせ部52Aからの車両上方側への高さが高く設定された三角ビード形状に形成されており、各ビード82A、82Bの中心線(本実施形態では、稜線182A、182Bの図示しない方向線(延長線))は、締結ブラケット50の締結孔54の中心線CLで交わっている。なお、本実施形態では、ビード82A、82Bが後孔40Dと共に離脱許容手段を構成している。
このような構成によれば、車両衝突によるサスペンションメンバ26(図6参照)の車両後方側への移動時にウエルドナット56が車両下方側へ引っ張られると、図8(B)に示されるように、ビード82A、82Bを曲げ起点として(一旦ビード82A、82Bの稜線182A、182B(折れ線)が互いに接近しながら車両上方側へ変位するように折り曲げられて)締結ブラケット80が折り畳まれるように曲げ変形する。このため、締結ブラケット80は、比較的低い荷重で図8(A)に示されるサスメン取付部材40の締結孔40Cや後孔40Dから引き抜かれ、前述した第1の実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
[実施形態の補足説明]
なお、上記第1、第2の実施形態では、サスメン取付部材40における横板部40Bに形成された後孔40Dは、締結孔40Cに連続し、締結孔40Cと共に二つの円形が結合されたような形状の貫通孔41を形成しているが、離脱許容手段の一部を構成する後孔は、例えば、締結孔40Cに連続した略錨状の後孔40E(図9(A)参照)や、また、締結孔40Cから若干離れた円形状の後孔40F(図9(B)参照)等のような他の後孔としてもよい。
また、上記第1の実施形態では、図3に示されるように、締結ブラケット50に貫通形成された前孔60は、前側稜線部58にかかって車両幅方向を長手方向とする長孔とされているが、締結ブラケットに貫通形成される前孔は、例えば、前側稜線部(58)を交差する複数のスリット等のような他の前孔であってもよい。
また、上記第2の実施形態では、図8に示されるように、締結ブラケット80には締結孔54から見て三方向にビード82A、82Bが形成されているが、ビードは、例えば、締結孔(54)から見て四方向等(三方向以外)に形成されたビードであってもよい。上記第2の実施形態では、ビード82A、82Bは、三角ビード形状のビードとされているが、ビードは、例えば、断面を円弧形状とした所謂丸ビード形状等のような他の形状のビードとしてもよい。
また、上記第2の実施形態におけるビード82A、82Bに代えて、変形促進手段としての折れ線を締結ブラケット80に予め形成してもよい。前記折れ線の方向線は、締結ブラケット80の締結孔54の中心線CLで交わるように設定するのが好ましい。
また、上記実施形態では、締結ブラケット50、80には、ブラケット部52の合わせ部52Aの上面側にウエルドナット56が予め固着されているが、締結ブラケットは、例えば、ブラケット部(52)の合わせ部(52A)を上面側からボルト軸部が貫通すると共に締結手段の構成部としてのボルト頭部が合わせ部(52A)の上面側に固着されたウエルドボルトを備えた構成の締結ブラケットとしてもよい。
さらに、上記実施形態では、図1に示されるように、ブレース62の第二締結部66Bには、切欠68及び脆弱部69を備えた切欠形成部70が設けられているが、変位許容手段は、上記実施形態における切欠68に代えて、第一締結部64Bの締結線172A(図3参照)回りの方向(矢印R方向)を長手方向とする長孔を形成し、この長孔及び該長孔によってボルト挿通孔(166B)側で薄肉化された脆弱部を備えた長孔形成部や、第二締結部に設けられると共にサスペンションメンバの車両後方側への移動時に所定値以上の荷重を受けて弾性変形することにより第二締結部での締結状態を解除する締結解除手段等のような他の変位許容手段としてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、ブレース62はフロントサイドメンバ20に対し第二締結部66B及び第一締結部64Bの前後二点で締結されているが、ブレースは、フロントサイドメンバに対し略車両幅方向に並ぶ二点で締結されてもよく、また、第二締結部を二以上設けることによってフロントサイドメンバに対し三点以上で締結されてもよい。さらに、ブレースの第二締結部が第一締結部よりも車両後方側に配置される構成としてもよい。
なお、上記実施形態では、クロス部材74は、ダッシュパネル14の下端部側の下面に設けられているが、車両の構造等によっては、クロス部材は、フロアパネル(16)の前端部側の下面(すなわち、ダッシュパネル(14)の下端部側の下面の近傍)に設けられてもよい。
また、請求項5に記載する「パワーユニットと前記ダッシュパネルとの車両前後方向の距離に合わせて設定」の概念には、上記実施形態のように、図6(A)に示されるパワーユニット22とダッシュパネル14との車両前後方向の距離L2に合わせて、距離L2と同じ距離になるように設定するものが含まれる他、パワーユニットとダッシュパネルとの車両前後方向の距離に合わせて、前記距離と略等しい(上記実施形態と実質的に同様の作用効果が得られて実質的に等しい距離と把握されるような)距離に設定するものも含まれる。
本発明の第1の実施形態に係る車両の前部車体構造の要部構成を一部模式化した状態で示す平面図である(車両幅方向の左側半分のみを示す。)。 本発明の第1の実施形態に係る車両の前部車体構造の要部構成の一部を車両側面視で見た状態で示す縦断面図(図1の2−2線に沿った拡大断面図)である。 本発明の第1の実施形態に係る車両の前部車体構造のサスメン取付部材及びその周辺構造を示す斜視図である(サスペンションメンバは後側マウント部のみを二点鎖線で示す。)。 本発明の第1の実施形態に係る車両の前部車体構造のサスメン取付部材及びその周辺構造を分解した状態で示す分解斜視図である 車両衝突時の状態を一部模式化した状態で示す平面図(車両幅方向の左側半分のみを示す。)。 本発明の第1の実施形態に係る車両の前部車体構造の要部構成を一部模式化した状態で示す側断面図である。図6(A)は衝突前の状態を示す。図6(B)は衝突後の状態を示す。 車両をバリアに前面衝突させたときのF−S線図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両の前部車体構造の締結ブラケットを示す斜視図である。図8(A)は締結ブラケットの変形前の状態を示す。図8(B)は締結ブラケットの変形途中の状態を示す。 サスメン取付部材の変形例を示す平面図である。
符号の説明
10 エンジンルーム
14 ダッシュパネル
14B トーボード部(ダッシュパネルの下部)
18 車体前部
20 フロントサイドメンバ
26 サスペンションメンバ
28A 前側マウント部(前側取付部)
30A 後側マウント部(後側取付部)
36 ボルト(締結手段)
40 サスメン取付部材(取付部材)
40C サスメン取付部材の締結孔(取付部材の締結孔)
40D 後孔(離脱許容手段)
40E 後孔(離脱許容手段)
40F 後孔(離脱許容手段)
50 締結ブラケット
54 締結ブラケットの締結孔
56 ウエルドナット(締結手段、締結手段の構成部)
60 前孔(変形促進手段(離脱許容手段))
62 ブレース
64B 第一締結部
66B 第二締結部
70 切欠形成部(変位許容手段)
74 クロス部材
80 締結ブラケット
82A ビード(変形促進手段(離脱許容手段))
82B ビード(変形促進手段(離脱許容手段))
A 後孔の車両幅方向の寸法
C ウエルドナットの外径(締結手段の構成部の外径)
CL 締結ブラケットの締結孔の中心線
L1 クロス部材とサスペンションメンバとの車両前後方向の距離
L2 パワーユニットとダッシュパネルとの車両前後方向の距離
R 第一締結部回りの方向

Claims (5)

  1. 車体前部の両サイドに車両前後方向に延在する左右一対のフロントサイドメンバと、
    前記一対のフロントサイドメンバに前側取付部が取り付けられて車両幅方向に延在し、サスペンションを支持するサスペンションメンバと、
    ダッシュパネルの下部のエンジンルーム側に取り付けられ、前記一対のフロントサイドメンバの車両幅方向内側に配置されて前記サスペンションメンバの後側取付部が下面側に取り付けられる取付部材と、
    前記取付部材の上面側に配置され、前記取付部材及び前記後側取付部に締結荷重を作用させる締結手段の構成部を備えた締結ブラケットと、
    前記後側取付部に締結されると共に、前記フロントサイドメンバに少なくとも二点で締結されたブレースと、
    前記後側取付部が取り付けられる側に設けられ、車両衝突による前記サスペンションメンバの車両後方側への移動時に前記取付部材から車両下方側への前記後側取付部の離脱を許容する離脱許容手段と、
    前記ブレースの前記フロントサイドメンバへの締結部のうち特定のかつ単一の第一締結部以外とされた第二締結部に設けられ、前記サスペンションメンバの車両後方側への移動時に前記第二締結部の前記第一締結部回りの方向への前記フロントサイドメンバに対する相対変位を許容する変位許容手段と、
    を有する車両の前部車体構造。
  2. 前記離脱許容手段は、
    前記締結ブラケットに形成され、前記サスペンションメンバの車両後方側への移動時に前記後側取付部側から前記締結ブラケット側への荷重による前記締結ブラケットの変形を促進する変形促進手段と、
    前記取付部材に形成され、前記後側取付部の締結用とされる前記取付部材の締結孔よりも車両後方側に配置され、前記締結ブラケットに設けられた前記締結手段の構成部の外径よりも車両幅方向の寸法が大きい後孔と、
    を含んで構成されている請求項1記載の車両の前部車体構造。
  3. 前記変形促進手段は、前記後側取付部の締結用とされる前記締結ブラケットの締結孔よりも車両前方側に形成された前孔を含んで構成されている請求項2記載の車両の前部車体構造。
  4. 前記変形促進手段は、前記締結ブラケットに形成されたビードを含んで構成されており、前記ビードの中心線は、前記後側取付部の締結用とされる前記締結ブラケットの締結孔の中心線で交わっている請求項2記載の車両の前部車体構造。
  5. 前記ダッシュパネルの下端部側の下面又はその近傍に設けられたクロス部材を有し、
    前記クロス部材は、
    前記サスペンションメンバが前記取付部材から車両下方側に離脱した場合の当該サスペンションメンバと車両上下方向の位置が重なる位置に設定され、
    かつ、前記取付部材に取り付けられた前記サスペンションメンバとの車両前後方向の距離を、前記フロントサイドメンバに固定されるパワーユニットと前記ダッシュパネルとの車両前後方向の距離に合わせて設定している請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両の前部車体構造。
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