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JP2009295940A - 太陽電池セルおよび太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池セルおよび太陽電池モジュール Download PDF

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JP2009295940A JP2008150993A JP2008150993A JP2009295940A JP 2009295940 A JP2009295940 A JP 2009295940A JP 2008150993 A JP2008150993 A JP 2008150993A JP 2008150993 A JP2008150993 A JP 2008150993A JP 2009295940 A JP2009295940 A JP 2009295940A
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Abstract

【課題】リード線を導電性接着剤により太陽電池セルに接着することで複数の太陽電池セルを電気的に接続して太陽電池モジュールを形成する際の太陽電池セルとリード線との接着強度に優れ、耐久性および信頼性の高い太陽電池セルおよびこの太陽電池セルを複数個接続してなる太陽電池モジュールを得ること。
【解決手段】受光面およびその裏面に、リード線を導電性接着剤により電気的に接続するためのリード接続電極を有する太陽電池セルであって、前記リード接続電極が、前記リード線を接続する面に複数の突出部を備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、太陽電池セルと、その太陽電池セルを複数個接続してなる太陽電池モジュールに関するものである。
太陽電池は、所定の電圧および電流を得るために、複数の太陽電池セルを電気的に接続して構成されている。複数の太陽電池セルを電気的に接続する方法としては、太陽電池セルの受光面側に形成された表面電極および反受光面側に形成された裏面電極へ、はんだで被覆された銅線をはんだ付けする方法が一般的である。
しかしながら、リード線と太陽電池セルとでは熱膨張率の差があるため、はんだ付け時の加熱によりリード線接合後の太陽電池セルに残留応力が発生する。そして、この残留応力により太陽電池セルに反りが生じたりマイクロクラックが入ったりすることで、製造工程内での生産性および歩留りの悪化や太陽電池の信頼性低下に繋がる、という問題がある。この問題は、特に太陽電池セルが薄型になるほど顕著に表れる。
このため、太陽電池セルにリード線をはんだ付けする際の上記の問題に対して、はんだ付けではなく、導電性接着剤を使用する方法が検討されている。たとえば特許文献1では、可塑性基板上に非晶質シリコンなどの薄膜よりなる光電変換層を形成するフレキシブル薄膜太陽電池モジュールにおいて、太陽電池セルの電極とリード線とを導電性接着剤により接続し、この導電性接着剤の硬化を結着樹脂による封止と同一の加熱工程で行うことにより、はんだ付け時の加熱による可塑性基板の変形、変色や特性変化を生じない方法を開示している。
また、特許文献2では、バスバー電極を持たない複数の太陽電池セルとリード線とを熱硬化性導電性接着剤を使用して接続することで、リード線のはんだ付け工程を省略し、太陽電池セルの反りが無く、生産性や歩留りおよび長期信頼性の向上を狙った方法を開示している。
特開平8−213643号公報 特開2005−243935号公報
しかしながら、上記従来の技術のような太陽電池セルとリード線の接続に導電性接着剤を使用する方法は、加熱温度を低くしてリード線接合後の太陽電池セルへの残留応力を低減するというものであるが、太陽電池セルと導電性接着剤との接着強度、およびリード線と導電性接着剤との接着強度が低く、リード線が剥がれる、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、リード線を導電性接着剤により太陽電池セルに接着することで複数の太陽電池セルを電気的に接続して太陽電池モジュールを形成する際の太陽電池セルとリード線との接着強度に優れ、耐久性および信頼性の高い太陽電池セルおよびこの太陽電池セルを複数個接続してなる太陽電池モジュールを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる太陽電池セルは、受光面およびその裏面に、リード線を導電性接着剤により電気的に接続するためのリード接続電極を有する太陽電池セルであって、前記リード接続電極が、前記リード線を接続する面に複数の突出部を備えること、を特徴とする。
この発明によれば、リード接続電極が有する突出部により、リード接続電極とリード線を導電性接着剤により電気的に接続する際の太陽電池セルに対する導電性接着剤のアンカー効果(投錨効果)を高め、また接着面積を増加させることで、太陽電池セルとリード線の接続強度を向上させることができる。これにより、太陽電池セルとリード線との接着強度に優れ、耐久性および信頼性の高い太陽電池セルを得ることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかる太陽電池セルおよび太陽電池モジュールの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
図1および図2は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セル10の概略構成を示す図であり、図1は太陽電池セル10の受光面側の平面図、図2は図1の線分A−Aにおける断面図である。実施の形態1にかかる太陽電池セル10においては、たとえば半導体基板1であるp型多結晶シリコン基板の受光面側にリン拡散によって不純物拡散層が形成されているとともにシリコン窒化膜よりなる反射防止膜が形成されている。なお、不純物拡散層および反射防止膜については、本発明と直接関係がないため図示および詳細な説明を省略する。
太陽電池セル10の受光面側には、受光面積を極力広く確保しながら太陽電池セル10の全面より集電して変換効率の向上を図るための複数の細線電極であるセル受光面グリッド電極2が、図1に示すように太陽電池セル10の幅方向のほぼ全幅に渡って略平行に配設される。
また、太陽電池セル10の受光面側には、リード接続電極として、セル受光面グリッド電極2と導通する2本のリード接続電極3が、図1に示すように受光面の面内方向においてセル受光面グリッド電極2と略直交するように太陽電池セル10の長さ方向のほぼ全長に渡って設けられている。ここでは、セル受光面グリッド電極2の長手方向を太陽電池セル10の幅方向とし、リード接続電極3の長手方向を太陽電池セル10の長さ方向としている。
なお、本実施の形態においては、リード接続電極3の本数を2本としているが、リード接続電極3は3本以上の本数が形成される場合もある。このリード接続電極3には、後述する太陽電池の製造の後工程でリード線5が導電性接着剤4により、電気的に接続(接合)される。
リード接続電極3におけるリード線5と接続される側の表面(上面)3bには、導電性接着剤4との接着力を向上させるために、リード接続電極3の長手方向と略直交する方向(セル受光面グリッド電極2の長手方向と略平行な方向)に延在する複数の細い突出部(凸部)3aのパターンが形成されている。
また、太陽電池セル10の反受光面側には、裏面電極(図示せず)と、リード線5を接続するためのリード接続電極13と、が形成されている。そして、反受光面側のリード接続電極13におけるリード線5と接続される側の表面(上面)13bにも受光面側のリード接続電極3と同様に導電性接着剤4との接着力を向上させるために、複数の細い凸部13aが形成されている。
凸部3aおよび凸部13aの寸法は、リード接続電極3の上面3bまたはリード接続電極13の上面13bからの高さが10μm〜100μm、幅が10μm〜5mmとすることが好ましい。このような凸部3aおよび凸部13aは、リード接続電極3またはリード接続電極13の長手方向において等間隔で配置されてもよく、またリード線5の接続後の太陽電池セル10の残留応力を緩和するためにリード接続電極3またはリード接続電極13の長手方向において外側ほどピッチ間を狭くするなど不等間隔で配置されてもよい。
図3は、図1および図2に示した太陽電池セル10を複数接続して構成した太陽電池モジュールの要部断面図であり、導電性接着剤4を使用して太陽電池セル10のリード接続電極3およびリード接続電極13にリード線5を接続した状態を示す要部断面図である。図3は、図1の線分A−Aにおける断面図に対応している。また、ガラスや樹脂シートなどによる封止材は図示を省略している。
導電性接着剤4は、熱硬化性の樹脂接着剤に導電性のフィラーを混合させることで導電性を発現させる接着剤である。接着剤としてはエポキシ樹脂やアクリル樹脂などが用いられ、硬化温度は200℃以下のものが好ましい。導電性のフィラーは、導電性の良い銀(Ag)粒子を用いることが多いが、銅(Cu)粒子やニッケル(Ni)めっき樹脂粒子などを用いることもでき、球状、イガ栗状、フレーク状など様々な形状の導電性フィラーを用いることができる。
凸部3aを備えたリード接続電極3に導電性接着剤4を用いてリード線5を接続することで、図3に示すように導電性接着剤4へリード接続電極3の凸部3aが食い込むため、導電性接着剤4のアンカー効果(投錨効果)が高まり、また凸部3aの存在によりリード接続電極3と導電性接着剤4との接着面積が増加することによって、導電性接着剤4とリード接続電極3との接着強度が向上する。これにより、リード接続電極3とリード線5との接着強度を向上させることができる。また、リード接続電極3と導電性接着剤4との接着面積増加の効果として、導電性接着剤4とリード接続電極3との接着強度向上の他に、太陽電池セル10−リード線5間の抵抗の低減を図り、特性を向上させることもできる。
同様に凸部13aを備えたリード接続電極13に導電性接着剤4を用いてリード線5を接続することで、図3に示すように導電性接着剤4へリード接続電極13の凸部13aが食い込むため、導電性接着剤4のアンカー効果(投錨効果)が高まり、また凸部13aの存在によりリード接続電極13と導電性接着剤4との接着面積が増加することによって、導電性接着剤4とリード接続電極13との接着強度が向上する。これにより、リード接続電極13とリード線5との接着強度を向上させることができる。また、リード接続電極13と導電性接着剤4との接着面積増加の効果として、導電性接着剤4とリード接続電極13との接着強度向上の他に、太陽電池セル10−リード線5間の抵抗の低減を図り、特性を向上させることもできる。
さらに図4に示すように、リード線5の表面に突出部を形成して凹凸形状5aを設けることで、導電性接着剤4のアンカー効果と、リード線5と導電性接着剤4との接着面積の増加とにより、受光面側、反受光面側ともに導電性接着剤4とリード線5の接着強度を向上させることができる。図4は、リード線5の表面に凹凸形状5aを設けた場合の太陽電池モジュールの要部断面図である。
このように構成された実施の形態1にかかる太陽電池セル10は以下のようにして作製される。まず、半導体基板1として、たとえば基板の一面側の表面にリン拡散によって不純物拡散層が形成されたp型多結晶シリコン基板を用意する。この半導体基板1上に、たとえばプラズマ支援化学蒸気堆積(PECVD:Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法などにより、反射防止膜としてシリコン窒素化膜を形成する。
つぎに、半導体基板1の受光面側にスクリーン印刷によってセル受光面グリッド電極2と凸部3aの無いリード接続電極3の形状に銀の導電性ペーストを塗布した後、導電性ペーストを仮乾燥させる。その後、凸部3aの部分が開口されているマスクパターンを用いて同じく二度目のスクリーン印刷を行うことで、一度目の印刷で形成されたリード接続電極3の銀の導電性ペーストの上に凸部3aの形状に銀の導電性ペーストを塗布し、仮乾燥させる。これにより、略平坦なリード接続電極3上に凸部3aの形状が形成される。
つぎに、半導体基板1の反受光面側に、裏面電極の形状にアルミニウムペーストを塗布し、リード接続電極13の形状に銀の導電性ペーストを塗布した後、仮乾燥させる。その後、凸部13aの部分が開口されているマスクパターンを用いて同じく二度目のスクリーン印刷を行うことで、一度目の印刷で形成されたリード接続電極13の銀の導電性ペーストの上に凸部13aの形状に銀の導電性ペーストを塗布し、乾燥後、ペーストを焼成することで、セル受光面グリッド電極2、リード接続電極3、裏面電極、リード接続電極13を形成する。以上により実施の形態1にかかる太陽電池セル10が得られる。
なお、太陽電池セル10の電極の形成に用いるペーストは、上記銀ペースト以外に金ペーストや他の導電性ペーストを用いてもよい。また、めっきやインクジェット印刷法等によって太陽電池セル10の電極を形成することも可能である。
つぎに、導電性接着剤4を用いて太陽電池セル10とリード線5とを接続する方法について説明する。一つの方法として、太陽電池セル10のリード接続電極3上に導電性接着剤4を塗布した後、導電性接着剤4上にリード線5を配置し、導電性接着剤4を加熱硬化する方法がある。リード接続電極13についても同様である。また、他の方法として、リード線5に導電性接着剤4を塗布した後、該リード線5をリード接続電極3上に配置し、導電性接着剤4を加熱硬化する方法がある。リード接続電極13についても同様である。これらの方法は、導電性接着剤4の特性や製造工程の設計等の諸条件により適宜選択される。
そして、上記の方法によりリード線5を接続した太陽電池セル10を複数個接続し、ガラスや樹脂シートなどの封止材により封止することで太陽電池モジュールを作製することができる。これにより、リード接続電極3上に形成された凸部3aにより導電性接着剤4とリード接続電極3との接着強度の向上が図られ、またリード接続電極13上に形成された凸部13aにより導電性接着剤4とリード接続電極13との接着強度の向上が図られ、特性や長期信頼性に優れた太陽電池モジュールを得ることができる。
上述したように、実施の形態1にかかる太陽電池セルによれば、リード接続電極3が有する凸部3aおよびリード接続電極13が有する凸部13aにより、太陽電池セル10に対する導電性接着剤4のアンカー効果(投錨効果)が高まる。また、凸部3aおよび凸部13aにより、リード接続電極3と導電性接着剤4との接着面積およびリード接続電極13と導電性接着剤4との接着面積が増加することによって、導電性接着剤4とリード接続電極3および導電性接着剤4とリード接続電極13との接着強度が向上する。したがって、実施の形態1にかかる太陽電池セルにおいては、導電性接着剤4とリード線5とにより複数の太陽電池セル10を電気的に接続して太陽電池モジュールを形成する際に、リード接続電極3とリード線5との接着強度およびリード接続電極13とリード線5との接着強度を向上させることができ、太陽電池セル10とリード線5との接着強度を向上させることができる。
また、接着面積増加の効果として、接着強度向上の他に、太陽電池セル10−リード線5間の抵抗の低減を図り、特性を向上させることもできる。
また、本実施の形態にかかる太陽電池モジュールによれば、上述した実施の形態1にかかる太陽電池セル10同士を導電性接着剤4とリード線5とにより電気的に接続して構成されるため、特性や長期信頼性に優れた太陽電池モジュールが実現される。
本実施の形態にかかる太陽電池モジュールによれば、リード接続電極3とリード線5とをはんだ付けではなく導電性接着剤4により接合しているため、はんだ付け時の加熱に起因した太陽電池セルに残留応力の発生がない。これにより、この残留応力による太陽電池セルの反りやマイクロクラックの発生がなく、製造工程内での生産性および歩留りの悪化が防止された太陽電池モジュールが実現される。
実施の形態2.
実施の形態1においては、リード接続電極3の表面に、セル受光面グリッド電極2の長手方向と略平行な方向に延在する複数の細い凸部3aのパターンを備える場合について説明したが、実施の形態2では、凸部3aの他のパターンについて説明する。
図5は、実施の形態2にかかる太陽電池セルの概略構成を示す図であり、受光面側の平面図である。実施の形態2にかかる太陽電池セルは、リード接続電極3の表面に設けられた凸部3aのパターン以外は、実施の形態1にかかる太陽電池セルと同じ構成を有する。
実施の形態2にかかる太陽電池セルにおいては、図5に示すようにリード接続電極3におけるリード線5と接続される側の表面(上面)3bにおいてセル受光面グリッド電極2と0°より大きく、90°より小さい所定の角度をなして「く字型」または「逆く字型」に設けられた凸部3cのパターンが、リード接続電極3の長手方向に配列されている。凸部3cの寸法は、リード接続電極3の上面3bからの高さが10μm〜100μmとすることが好ましい。このような凸部3cは、リード接続電極3の長手方向において等間隔で配置されてもよく、またリード線5の接続後の太陽電池セル10の残留応力を緩和するためにリード接続電極3の長手方向において外側ほどピッチ間を狭くするなど不等間隔で配置されてもよい。
リード線5をリード接続電極3へ接合するために導電性接着剤4を硬化させると、導電性接着剤4は収縮を起こす。ここで、凸部3cに角度をつけておくことにより、導電性接着剤4が凸部3cへ楔のように食い込み、また凸部3cの長さを長くして凸部3cの表面積を増やすことでリード接続電極3と導電性接着剤4との接着面積が増加し、導電性接着剤4とリード接続電極3との接着強度が向上する。これにより、リード接続電極3とリード線5との接着強度を向上させることができる。また、リード接続電極3と導電性接着剤4との接着面積増加の効果として、導電性接着剤4とリード接続電極3との接着強度向上の他に、太陽電池セル10−リード線5間の抵抗の低減を図ることもできる。さらに、導電性接着剤4の長手方向の収縮を短手方向へ逃がすことで、残留応力を緩和して接着信頼性をより高めることができる。
図5に示した凸部3cと同様の効果が得られる凸部の他の例として、たとえば図6に示すようなリード接続電極3の凸部3d、図7に示すようなリード接続電極の凸部3eのパターンを用いることもできる。図6は、凸部の他の例である凸部3dを、リード接続電極3におけるリード線5と接続される側の表面(上面)3bに有する太陽電池セル10の受光面側の平面図である。図7は、凸部の他の例である凸部3eを、リード接続電極3におけるリード線5と接続される側の表面(上面)3bに有する太陽電池セル10の受光面側の平面図である。
図6に示す太陽電池セル10では、図1に示した凸部3aのパターンと図5に示した凸部3cのパターンとを組み合わせて構成した「コ字型」または「逆コ字型」の形状を呈する凸部3dのパターンが、リード接続電極3におけるリード線5と接続される側の表面(上面)3bに設けられている。また図7に示す太陽電池セル10では、リード接続電極3の長手方向に曲線部を有する略半円リング状の形状を呈する凸部3eのパターンが、リード接続電極3におけるリード線5と接続される側の表面(上面)3bに設けられている。
このような凸部3dのパターンまたは凸部3eのパターンをリード接続電極3におけるリード線5と接続される側の表面(上面)3bに設けることによっても、凸部3cと同様の効果が得られる。すなわち、リード線5をリード接続電極3へ接合するために導電性接着剤4を硬化させる際に、導電性接着剤4が凸部3dまたは凸部3eへ楔のように食い込み、また凸部3dまたは凸部3eの表面積が広くなることでリード接続電極3と導電性接着剤4との接着面積が増加し、導電性接着剤4とリード接続電極3との接着強度が向上する。また、リード接続電極3と導電性接着剤4との接着面積増加の効果として、導電性接着剤4とリード接続電極3との接着強度向上の他に、太陽電池セル10−リード線5間の抵抗の低減を図ることもできる。さらに、導電性接着剤4の長手方向の収縮を短手方向へ逃がすことで、残留応力を緩和して接着信頼性をより高めることができる。
また、図8に示すように「く字型」または「逆く字型」に設けられた凸部3cのパターンが、リード接続電極3の長手方向において2列に形成された構成とすることもできる。図8は、リード接続電極3の長手方向において2列に延在するパターンに形成された凸部3cを、リード接続電極3におけるリード線5と接続される側の表面(上面)3bに有する太陽電池セル10の受光面側の平面図である。
このような2列の凸部3cのパターンをリード接続電極3におけるリード線5と接続される側の表面(上面)3bに設けることによっても、凸部3cを1列で形成したときと同様の効果が得られる。すなわち、リード線5をリード接続電極3へ接合するために導電性接着剤4を硬化させる際に、導電性接着剤4が2列の凸部3cへ楔のように食い込み、また凸部3cの表面積が広くなることでリード接続電極3と導電性接着剤4との接着面積が増加し、導電性接着剤4とリード接続電極3との接着強度が向上する。
さらに、2列に凸部3cのパターンを形成することで、導電性接着剤4の塗布位置やリード線5の位置がリード接続電極3の短手方向においてずれてしまった場合でも、硬化時の収縮の際に導電性接着剤4が、リード接続電極3に2列に形成された凸部3cのパターンへ楔のように食い込み、導電性接着剤4とリード接続電極3との接着強度を高める効果がある。
図8では「く字型」または「逆く字型」に設けられた凸部3cのパターンが、リード接続電極3の長手方向において2列に形成された場合を示しているが、図9に示すように上記の凸部3dのパターンをリード接続電極3の長手方向において2列に形成してもよい。また、図10に示すように上記の凸部3eのパターンをリード接続電極3の長手方向において2列に形成してもよい。これらの場合においても、図8に示すように凸部3cのパターンがリード接続電極3の長手方向において2列に形成された場合と同様の効果を得ることができる。また、凸部3c等のパターンの列数は2列に限るものではなく、3列以上とすることもできる。
また、図11に示すように、リード接続電極3におけるリード線5と接続される側の表面(上面)3bにおいてリード接続電極3の長手方向において中心から端部方向に行くにしたがって、凸部3cのセル受光面グリッド電極2となす角度が大きくなる構成としても良い。すなわち、リード接続電極3の長手方向において端部方向に行くほど「くの字」の角度が急に、リード接続電極3の長手方向における中心に行くほど「くの字」の角度が浅くなる構成としても良い。
リード線5をリード接続電極3へ接合するために導電性接着剤4を硬化させた際に導電性接着剤4は収縮を起こすが、リード接続電極3の長手方向における中心から離れるほど収縮による移動量が大きくなる。長手方向における中心の部分は長手方向には収縮せず、短手方向の収縮のみが起こるため、「くの字」の角度を浅くする。また、長手方向における端部は短手方向の収縮に比べて長手方向の収縮が大きいため、「くの字」の角度を急にする。このような構成とすることにより、導電性接着剤4が収縮した際にリード接続電極3に設けられた凸部3cのパターンへ楔のように食い込み易くなり、導電性接着剤4とリード接続電極3との接着強度を高めることができる。
なお、上記においては凸部3cのパターンを例に説明したが、凸部3dのパターンおよび凸部3eのパターンについても、リード接続電極3の長手方向における中心から離れるほど、セル受光面グリッド電極2となす角度が大きくなる構成としても良い。さらに、図8〜図10に示すように凸部3c、凸部3d、凸部3eをそれぞれ複数列に配置する場合に適用しても良い。
実施の形態3.
図12、図13は、実施の形態3にかかる太陽電池セルの受光面側の要部平面図であり、凸部3aのさらに他のパターンを示す図である。図12は、リード接続電極3におけるリード線5と接続される側の表面(上面)3bに、略円柱形状を呈する微細な凸部3fが所定の配列パターンで配置された状態を示している。図13は、リード接続電極3におけるリード線5と接続される側の表面(上面)3bに、略直方体形状を呈する微細な凸部3gが所定の配列パターンで配置された状態を示している。
このような凸部3fまたは凸部3gを備えたリード接続電極3に導電性接着剤4を用いてリード線5を接続することで、凸部3aの場合と同様に導電性接着剤4へリード接続電極3の凸部3fまたは凸部3gが食い込むため、導電性接着剤4のアンカー効果(投錨効果)が高まり、また凸部3fまたは凸部3gの存在によりリード接続電極3と導電性接着剤4との接着面積が増加することによって、導電性接着剤4とリード接続電極3との接着強度が向上する。これにより、凸部3aの場合と同様に、リード接続電極3とリード線5との接着強度を向上させることができる。また、リード接続電極3と導電性接着剤4との接着面積増加の効果として、導電性接着剤4とリード接続電極3との接着強度向上の他に、太陽電池セル10−リード線5間の抵抗の低減を図り、特性を向上させることもできる。
なお、上記においては受光面側について説明したが、反受光面側について適用した場合も同様の効果を得ることができる。
上述したように、実施の形態2にかかる太陽電池セルによれば、リード接続電極3が有する凸部3c、3d、3eにより、太陽電池セル10に対する導電性接着剤4のアンカー効果(投錨効果)が高まる。また、凸部3c、3d、3eにより、リード接続電極3と導電性接着剤4との接着面積が増加することによって、導電性接着剤4とリード接続電極3との接着強度が向上する。
したがって、実施の形態2にかかる太陽電池セルにおいては、実施の形態1の場合と同様に、導電性接着剤4とリード線5とにより複数の太陽電池セル10を電気的に接続して太陽電池モジュールを形成する際に、リード接続電極3とリード線5との接着強度を向上させることができ、太陽電池セル10とリード線5との接着強度を向上させることができる。
また、接着面積増加の効果として、接着強度向上の他に、太陽電池セル10−リード線5間の抵抗の低減を図り、特性を向上させることもできる。さらに、導電性接着剤4の長手方向の収縮を短手方向へ逃がすことで、残留応力を緩和して接着信頼性をより高めることができる。
以上のように、本発明にかかる太陽電池セルは、導電性接着剤とリード線とにより複数の太陽電池セルを電気的に接続して太陽電池モジュールを製造する場合に有用である。
本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの受光面側の平面図である。 図1の線分A−Aにおける断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルを複数接続して構成した太陽電池モジュールの要部断面図である。 リード線の表面に凹凸形状を設けた場合の太陽電池モジュールの要部断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる太陽電池セルの受光面側の平面図である。 本発明の実施の形態2にかかる他の太陽電池セルの受光面側の平面図である。 本発明の実施の形態2にかかる他の太陽電池セルの受光面側の平面図である。 本発明の実施の形態2にかかる他の太陽電池セルの受光面側の平面図である。 本発明の実施の形態2にかかる他の太陽電池セルの受光面側の平面図である。 本発明の実施の形態2にかかる他の太陽電池セルの受光面側の平面図である。 本発明の実施の形態2にかかる他の太陽電池セルの受光面側の平面図である。 本発明の実施の形態3にかかる太陽電池セルの受光面側の要部平面図である。 本発明の実施の形態3にかかる太陽電池セルの受光面側の要部平面図である。
符号の説明
1 半導体基板
2 セル受光面グリッド電極
3 リード接続電極
3a 凸部
3b 受光面側のリード接続電極におけるリード線と接続される側の表面(上面)
3c 凸部
3d 凸部
3e 凸部
3f 凸部
3g 凸部
4 導電性接着剤
5 リード線
5a 凹凸形状
10 太陽電池セル
13 リード接続電極
13a 凸部
13b 反受光面側のリード接続電極におけるリード線と接続される側の表面(上面)

Claims (9)

  1. 受光面およびその裏面に、リード線を導電性接着剤により電気的に接続するためのリード接続電極を有する太陽電池セルであって、
    前記リード接続電極が、前記リード線を接続する面に複数の突出部を備えること、
    を特徴とする太陽電池セル。
  2. 前記突出部は、前記リード接続電極の長手方向と略直交する方向と略平行な方向に延在して設けられること、
    を特徴とする請求項1に記載の太陽電池セル。
  3. 前記突出部は、前記リード接続電極の長手方向と略直交する方向と所定の角度をなした、く字型の形状を呈すること、
    を特徴とする請求項1に記載の太陽電池セル。
  4. 前記突出部は、前記リード接続電極の長手方向と略直交する方向と略平行な方向に延在する部分と、前記リード接続電極の長手方向と略直交する方向と所定の角度をなした部分とを備えたコ字型の形状を呈すること、
    を特徴とする請求項1に記載の太陽電池セル。
  5. 前記突出部は、前記リード接続電極の長手方向に、前記リード接続電極の長手方向と略直交する方向と所定の角度をなした曲線部を有する形状を呈すること、
    を特徴とする請求項1に記載の太陽電池セル。
  6. 前記突出部は、前記リード接続電極の長手方向に延在する複数列にパターン形成されていること、
    を特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の太陽電池セル。
  7. 前記突出部は、前記リード接続電極の長手方向において中心から端部方向に離れるにしたがって、前記リード接続電極の長手方向と略直交する方向となす角度が大きくなること、
    を特徴とする請求項3〜6のいずれか1つに記載の太陽電池セル。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載された太陽電池セルが複数個配列され、前記導電性接着剤により前記リード線と前記リード接続電極とが電気的に接続されるとともに隣接する前記太陽電池セル同士が前記リード線で電気的に接続されてなること、
    を特徴とする太陽電池モジュール。
  9. 前記リード線は、前記リード接続電極との接続面に突出部を備えること、
    を特徴とする請求項8に記載の太陽電池モジュール。
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