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JP2009294109A - キャリブレーション装置 - Google Patents

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JP2009294109A
JP2009294109A JP2008148474A JP2008148474A JP2009294109A JP 2009294109 A JP2009294109 A JP 2009294109A JP 2008148474 A JP2008148474 A JP 2008148474A JP 2008148474 A JP2008148474 A JP 2008148474A JP 2009294109 A JP2009294109 A JP 2009294109A
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Seiya Shimizu
誠也 清水
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Fujitsu Ltd
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Abstract

【課題】容易にカメラのキャリブレーションを実施すること。
【解決手段】キャリブレーション装置100は、各マーカ間の距離が既知(例えば、D)である複数のマーカを備えた冶具を、カメラ20〜23を用いて撮影し、フレームバッファ110に記憶する。そして、キャリブレーション装置100は、マーカ抽出部120が、マーカの画像座標を特定し、第1、第2パラメータ推定部130,140がカメラのパラメータ(ψ、θ、φ、x、y、z)を算出する。
【選択図】 図10

Description

この発明は、カメラのキャリブレーションを実行するキャリブレーション装置に関するものである。
近年、車両に単数または複数のカメラを設置して、車外を撮影した画像を運転手等へ提供する技術が実用化されている(例えば、アラウンドビューモニタ)。このようなカメラにおいては、カメラの設置方法によって撮影範囲にずれが生じるため、カメラのキャリブレーション(カメラの座標、俯角、回転角、カメラパン角度などを求めること)を行い、キャリブレーションの実行結果によって求められるカメラのパラメータに基づいて撮影範囲のずれを補正している。
従来、カメラのキャリブレーションを実行する場合には、例えば、格子状のターゲット装置を車両に対して支持具により固定し、車両とターゲット装置との間隔を所定の状態に保つことでカメラのキャリブレーションを実現している(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−285681号公報
しかしながら、上述した従来の技術では、カメラのキャリブレーションを実行する場合に、ターゲット装置の取り付け位置に厳密性が要求されるので、ユーザにかかる負担が大きいという問題があった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、容易にカメラのキャリブレーションを実施することができるキャリブレーション装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、このキャリブレーション装置は、各マーカ間の距離が既知である複数のマーカを備えた冶具の画像を、キャリブレーション対象とするカメラを用いて取得する画像取得手段と、前記画像内のマーカの位置に基づいて、前記カメラの設置位置および角度を算出する算出手段と、を備えたことを要件とする。
このキャリブレーション装置によれば、厳密性を要しない条件で設置された冶具の画像を撮影し、画像中のマーカの位置からカメラの設定位置および角度を算出するので、容易にカメラのキャリブレーションを実行することを可能とし、ユーザの負担を軽減することができる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係るキャリブレーション装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
まず、本実施例1にかかるキャリブレーション装置の概要および特徴について説明する。本実施例1にかかるキャリブレーション装置は、各マーカ間の距離が既知である複数のマーカを備えた冶具を、キャリブレーション対象となるカメラを用いて撮影する(ただし、各冶具は、水平面上に配置さており、かつ、となり合うカメラの撮影範囲に含まれる領域に配置されているものとする)。そして、キャリブレーション装置は、カメラに撮影された画像中のマーカの位置に基づいて、カメラの設定位置および角度を算出する。
このように、本実施例1にかかるキャリブレーション装置は、従来技術のような厳密性を要しない条件で設置された冶具の画像を撮影し、画像中のマーカの位置からカメラの設定位置および角度を算出するので、容易にカメラのキャリブレーションを実行することを可能とし、ユーザの負担を軽減することができる。なお、本実施例1では一例として、車両に設置された複数のカメラのキャリブレーションを実行するキャリブレーション装置について説明する。
次に、キャリブレーション装置が利用する冶具の構成について説明する。図1は、本実施例1にかかる冶具の構成を示す図である。同図に示すように、この冶具10は、マーカP〜Pを有しており、各マーカ間の距離がDに設定されている。
次に、車両に設置されたカメラと冶具との関係について説明する。図2は、車両に設置されたカメラと冶具との関係を示す図である。同図に示すように、車両5には、カメラ20〜23を備えている。そして、カメラ20の撮影範囲とカメラ21の撮影範囲とが重なる領域に冶具11が設置されており、カメラ21の撮影範囲とカメラ22の撮影範囲とが重なる領域に冶具12が設置されている。
また、カメラ22の撮影範囲とカメラ23の撮影範囲とが重なる領域に冶具13が配置されており、カメラ23の撮影範囲とカメラ20の撮影範囲とが重なる領域に冶具10が配置されている。なお、冶具11〜13の構造は、図1に示した冶具10の構造と同様である。ただし、冶具11のマーカをそれぞれP〜Pとし、冶具12のマーカをそれぞれP〜Pとし、冶具13のマーカをそれぞれP10〜P12とする。
次に、キャリブレーション装置が算出するカメラのパラメータについて説明する。図3および図4は、カメラのパラメータを説明するための図である。図3および図4に示すように、カメラのパラメータは、カメラ座標軸系におけるカメラの俯角ψ、カメラの回転角φ、カメラパン角度θと、車両全体座標軸系におけるカメラの3次元座標(x、y、z)を有する。ここで、カメラ座標軸系は、各カメラを基準とした座標軸系とし、車両全体軸座標系は、車両5を基準とした座標軸系とする。
次に、本実施例1にかかるキャリブレーション装置が、各カメラのパラメータ(ψ、θ、φ、x、y、z)を算出する手法について説明する。キャリブレーション装置は、パラメータ(ψ、φ、z)を算出した後に、パラメータ(θ、x、y)を算出する。以下において、パラメータ(ψ、φ、z)の算出法を説明した後に、パラメータ(θ、x、y)の算出法について説明する。
<パラメータ(ψ、φ、z)の算出法について>
キャリブレーション装置は、各カメラが撮影した画像を取得し、取得した画像中に含まれる冶具のマーカの位置(画像上の座標;以下、画像座標と表記する)を特定する。図5は、カメラが撮影した画像の一例を示す図であり、図6は、マーカの画像座標の特定結果を示す図である。
キャリブレーション装置は、マーカの画像座標を特定した後に、かかる画像座標をカメラ座標軸系の視線ベクトルに変換する。ここで、視線ベクトルとは、カメラの光学中心と冶具上のマーカとを結んだ線分の方向ベクトルである。視線ベクトルの方向については、光学中心からマーカへの方向を正の方向とする。
ユーザは、予め、画像座標と視線ベクトルとの関係を示す変換テーブルを作成しておき、キャリブレーション装置は、変換テーブルを利用して、画像座標を視線ベクトルに変換する。
マーカP(n=1〜6)のカメラ座標系における位置をPCAM と表記すると、PCAM はカメラ座標系の原点から視線ベクトル方向にあるので次の関係が成り立つ。ただし、冶具10,11上のマーカをP〜Pとし(図6参照)、各マーカの視線ベクトルをv〜vとする。また、kは正の定数値である。
Figure 2009294109
冶具を配置した平面Rの法線ベクトルをn(npx、npy、npz)とし、カメラの設置高さをHとすると、カメラ座標軸系の原点から平面Rに下ろした垂線と平面Rの交点PCAM は、次式で表すことができる。
Figure 2009294109
また、平面Rの方程式は、次式となる。
Figure 2009294109
ここで、式(1)〜式(3)の関係を図示すると、図7のように表すことができる。図7は、式1〜3の関係を示す図である。
なお、式(1)と式(3)とを用いると、kを次式で表すことができる。
Figure 2009294109
そして、式(4)を式(1)に代入すると、カメラ座標軸系におけるマーカの位置PCAM を次式で表すことができる。
Figure 2009294109
上述した式(2)および式(3)より、各冶具のマーカの位置(カメラ座標系の位置)は、カメラの設置高さHと法線ベクトルnとを引数とする評価関数E(H,n)は次式となる。
Figure 2009294109
式(6)(評価関数E)は、Hおよびnが正しい値をとる場合に、0となる。従って、式(6)の値を最小化するHとnとを求めることでカメラ座標系における平面Rを決定することができる。式(6)を最小化する適切な初期値(例えば、初期値は予めユーザが特定しておく)からの最急降下法などの数値解析を用いることでHとnとを求めることができる。カメラのパラメータのうち「z」は、平面Rとカメラ座標系の原点との距離であるからHそのものとなる。
カメラのパラメータのうち「ψ」、「φ」は、平面Rの法線ベクトルnとカメラ座標系各軸とのなす角度から算出する。図8は、カメラのパラメータψの算出方法を説明するための図である。
図8に示すように、カメラ座標系のz軸を延長した平面R上の点をQとすると、カメラ座標系の原点と、Qと、PCAM とを結んだ三角形の法線ベクトルとカメラ座標系のx軸との成す角がφである。従って、カメラのパラメータ「φ」は次式で表すことができる。
Figure 2009294109
式(7)において、VCAM はカメラ座標軸系上のz軸方向の法線ベクトル(0、0、1)である。VCAM はカメラ座標軸系上のx軸方向の法線ベクトル(1、0、0)である。Unit()は、ベクトルを単位ベクトルに変換する関数である。
また、カメラ座標系上のz軸まわりに−φだけカメラ座標軸系を回転させると、ψは、回転後のy軸方向(カメラ座標軸系上のy座標方向)の法線ベクトルとnとの成す角度となる。従って、カメラのパラメータ「ψ」は次式で表すことができる。
Figure 2009294109
式(8)において、VCAM は、y軸方向の法線ベクトル(0、1、0)である。
以上のように、キャリブレーション装置は、式(1)〜(8)を用いることにより、カメラのパラメータ(ψ、φ、z)を算出することができる。
<パラメータ(θ、x、y)の算出法について>
上記のカメラのパラメータ(ψ、φ、z)は、カメラ毎に算出されるため、以下の説明において、カメラm(m=1〜M;Mは自然数)のパラメータをψ、φ、θ、x、y、zと表記する。
また、カメラmの平面R上のマーカの位置(カメラ座標軸系のマーカの位置)をP CAM−mとする。また、カメラmの原点を平面Rに落とした位置(カメラ座標軸系の位置)をP CAM−mとする。各冶具のマーカnは、となり合うカメラによって撮影されているため(図2参照)、異なるmをもち、同一のnとなるP CAM−mが少なくとも一つ存在する。
まず、キャリブレーション装置は、カメラ座標軸系の各位置を車両ローカル座標軸系に変換する。この車両ローカル座標系は、カメラ毎に設定されたP CAM−mを原点に持つ直交座標系である。図9は、カメラ座標軸系と車両ローカル座標軸系との関係を示す図である。車両ローカル座標系において、法線ベクトルnをz軸ベクトル、P CAM−mからQ(カメラmのカメラ座標系のz軸を延長した平面R上の点をQとする)に向かう軸をy軸ベクトルとする。
以上の条件のもと、カメラmが撮影したマーカPの車両ローカル座標軸系における座標値P CAM−mは、次式で表すことができる。
Figure 2009294109
式(9)において、v m、n=(v m、nX、v m、nY、v m、nZ)は、v m、nをカメラmにおけるPの視線ベクトルとした場合に、次式で定義させるベクトルである。
Figure 2009294109
一方、マーカPの車両全体座標軸系における座標値P CARは、全体座標軸系に対する車両ローカル座標軸系の移動量x,yと回転角θによって次式のように定義される。
Figure 2009294109
式(11)において、P CAR−mは、カメラmから算出されたP CARであることを示している。撮影したカメラが異なっていても、各マーカの位置は車両全体座標軸系において単一の値であるから、全てのmに対して次式が成立する。
Figure 2009294109
従って、次の評価関数Fを最小化する移動量x,yと回転角θが正しいカメラのパラメータとなる。評価関数Fは、次式で表すことができる。
Figure 2009294109
式(13)において、Exist(n,m)は、カメラmにより撮影されたP CAR−mが算出済みであるか否かを示す関数であり、算出済みであるならばExist(n,m)の値は「1」となる。未算出の場合には、Exist(n,m)の値は「0」となる。
式(13)(評価関数F)は、未知のパラメータ(θ、x、y)により値が変化するため、未知のパラメータ(θ、x、y)を適宜変更しながら、評価値が最小となる組み合わせを求めることで適切なパラメータを求めることができる。式(13)の最小値を求める解法としては、最急降下法などの数値解析手法を用いても良いし、その他の拘束条件を導入してパラメータを導出しても良い。
次に、本実施例1にかかるキャリブレーション装置の構成について説明する。図10は、本実施例1にかかるキャリブレーション装置100の構成を示す図である。同図に示すように、このキャリブレーション装置100は、カメラ20〜23に接続されており、フレームバッファ110と、マーカ抽出部120と、第1パラメータ推定部130と、パラメータ記憶部150とを有する。
図10に示すカメラ20〜23および冶具10〜13は、図2に示したカメラ20〜23および冶具10〜13に対応する。なお、キャリブレーション装置100は、その他のカメラに接続されていてもよいし、その他の冶具を用いても良い。
フレームバッファ110は、カメラ20〜23が撮影した画像(図5参照)のデータをそれぞれ記憶する記憶手段である。このフレームバッファ110は、カメラ毎に画像データを記憶しているものとする。
マーカ抽出部120は、フレームバッファ110から画像データを取得し、周知の画像処理技術を利用して、画像データ上のマーカの画像座標を特定する手段である。マーカ抽出部120は、特定した画像座標のデータを各カメラの画像データごとに分類して、第1パラメータ推定部130に出力する。
なお、マーカ抽出部120は、タッチパネルなどのポインティングデバイス(図示略)に画像を表示し、ユーザによるタッチペンの接触位置を検出することにより、マーカの画像座標を特定しても良い。
また、冶具上のマーカの検出を容易にするために、発光・点滅するLED(Light Emitting Diode)などを冶具のマーカとして配置しておき、マーカ検出部120は、近傍に同一発光パターンとなる点滅画像集合をまとめてマーカとして検出し、各マーカの画像座標を特定しても良い。
第1パラメータ推定部130は、カメラ毎にパラメータ(ψ、φ、z)を算出する手段である。具体的に、第1パラメータ推定部130は、マーカ抽出部120から各マーカの画像座標のデータを取得した場合に、変換テーブルを用いて、各画像座標を視線ベクトルvに変換する。
そして、第1パラメータ推定部130は、最急降下法などを用いて式(6)に示した評価関数Eの値が最小値をとなるH(z)とnとを求め、求めたnと式(7)および式(8)とを用いることにより、カメラのパラメータ(ψ、φ、z)を算出する。第1パラメータ推定部130は、カメラ毎に算出したパラメータ(ψ、φ、z)のデータおよび視線ベクトルのデータを第2パラメータ推定部140に出力する。
第2パラメータ推定部140は、カメラ毎にパラメータ(θ、x、y)を算出する手段である。具体的に、第2パラメータ推定部140は、最急降下法などを用いて式(13)に示した評価関数Fの値が最小値となるθ、x、yを求めることで、カメラパラメータ(θ、x、y)を算出する。第2パラメータ推定部140は、カメラ毎のパラメータ(ψ、θ、φ、x、y、z)のデータをパラメータ記憶部150に記憶する。
パラメータ記憶部150は、カメラ毎にパラメータ(ψ、θ、φ、x、y、z)を記憶する記憶手段である。パラメータ記憶部150に記憶されたカメラのパラメータは、各種のアプリケーションによって利用される。
次に、図10に示したキャリブレーション装置100の処理手順について説明する。図11は、本実施例1にかかるキャリブレーション装置100の処理手順を示すフローチャートである。
図11に示すように、キャリブレーション装置100は、カメラ20〜23が画像を撮影し(ステップS101)、フレームバッファ110が画像データを記憶する(ステップS102)。
続いて、マーカ抽出部120が、画像データからマーカの画像座標を特定し(ステップS103)、第1パラメータ推定部130が、カメラのパラメータ(ψ、φ、z)を算出する(ステップS104)。
そして、第2パラメータ推定部140が、カメラのパラメータ(θ、x、y)を算出し(ステップS105)、パラメータ記憶部150が、カメラのパラメータ(ψ、θ、φ、x、y、z)を記憶する(ステップS106)。
上述してきたように、本実施例1にかかるキャリブレーション装置100は、各マーカ間の距離が既知(例えば、D)である複数のマーカを備えた冶具を、カメラ20〜23を用いて撮影し、第1、第2パラメータ推定部130,140がカメラのパラメータ(ψ、θ、φ、x、y、z)を算出するので、従来技術のように、冶具とカメラとの配置位置に厳密性が要求されず、容易にカメラのキャリブレーションを実行することができ、ユーザの負担を軽減することができる。
なお、カメラ20〜23、冶具10〜13の配置関係は図2に限定されるものではない。具体的には、各カメラが撮影する1画面内に複数の冶具が撮影されており、かつ、画面中の冶具は、少なくとも2つのマーカを含む1冶具と、少なくとも3つのマーカを含む1冶具とを含むという条件、および同一の冶具が複数のカメラに撮影されるという条件を満たせば、カメラ20〜23、冶具10〜13の配置を変更しても良い。
すなわち、少なくとも2つのマーカを含む1冶具と、少なくとも3つのマーカを含む1冶具とを含むという条件、および同一の冶具が複数のカメラに撮影されるという条件を満たしさえすれば、カメラのキャリブレーションを正確に実行することができる。
次に、本実施例2にかかるキャリブレーション装置について説明する。本実施例2にかかるキャリブレーション装置は、単一のカメラを用いて複数の冶具を撮影し、カメラに撮影された画像中のマーカの位置に基づいて、カメラのパラメータ(ψ、φ、z)を算出する。
このように、本実施例2にかかるキャリブレーション装置は、従来技術のような厳密性を要しない条件で設置された冶具の画像を撮影し、画像中のマーカの位置からカメラのパラメータ(ψ、φ、z)を算出するので、容易にカメラのキャリブレーションを実行することを可能とし、ユーザの負担を軽減することができる。
なお、本実施例2における冶具の構成は、図1に示した冶具10の構成と同様であり、カメラパラメータ(ψ、φ、z)の算出手法は、実施例1のキャリブレーション装置100と同様である。
カメラと冶具との配置関係は、カメラが撮影する1画面内に複数の冶具が撮影されており、かつ、画面中の冶具は、少なくとも2つのマーカを含む1冶具と、少なくとも3つのマーカを含む1冶具とを含むという条件を満たせばどのように配置してもよい。なお、各冶具は所定値以上離れていることが望ましい。
次に、本実施例2にかかるキャリブレーション装置の構成について説明する。図12は、本実施例2にかかるキャリブレーション装置200の構成を示す図である。同図に示すように、このキャリブレーション装置200は、カメラ20に接続されており、フレームバッファ210と、マーカ抽出部220と、パラメータ推定部230と、パラメータ記憶部240とを有する。
フレームバッファ210は、カメラ20が撮影した画像(図5参照)のデータを記憶する記憶手段である。
マーカ抽出部220は、フレームバッファ210から画像データを取得し、周知の画像処理技術を利用して、画像データ上のマーカの画像座標を特定する手段である。マーカ抽出部220は、特定した画像座標のデータをパラメータ推定部230に出力する。
なお、マーカ抽出部220は、タッチパネルなどのポインティングデバイス(図示略)に画像を表示し、ユーザによるタッチペンの接触位置を検出することにより、マーカの画像座標を特定しても良い。
また、冶具上のマーカの検出を容易にするために、発光・点滅するLED(Light Emitting Diode)などを冶具のマーカとして配置しておき、マーカ抽出部220は、近傍に同一発光パターンとなる点滅画像集合をまとめてマーカとして検出し、各マーカの画像座標を特定しても良い。
パラメータ推定部230は、カメラ20のパラメータ(ψ、φ、z)を算出する手段である。具体的に、パラメータ推定部230は、マーカ抽出部220から各マーカの画像座標のデータを取得した場合に、変換テーブルを用いて、各画像座標を視線ベクトルvに変換する。
そして、パラメータ推定部230は、最急降下法などを用いて式(6)に示した評価関数Eの値が最小値をとなるH(z)とnとを求め、求めたnと式(7)および式(8)とを用いることにより、カメラのパラメータ(ψ、φ、z)を算出する。パラメータ推定部230は、パラメータ(ψ、φ、z)のデータをパラメータ記憶部240に出力する。
パラメータ記憶部240は、カメラ20のパラメータ(ψ、φ、z)を記憶する記憶手段である。パラメータ記憶部240に記憶されたカメラ20のパラメータは、各種のアプリケーションによって利用される。
次に、図12に示したキャリブレーション装置200の処理手順について説明する。図13は、本実施例2にかかるキャリブレーション装置200の処理手順を示すフローチャートである。
図13に示すように、キャリブレーション装置200は、カメラ20が画像を撮影し(ステップS201)、フレームバッファ210が画像データを記憶する(ステップS202)。
続いて、マーカ抽出部220が、画像データからマーカの画像座標を特定し(ステップS203)、パラメータ推定部230が、カメラのパラメータ(ψ、φ、z)を算出し(ステップS204)、パラメータ記憶部240が、カメラのパラメータ(ψ、φ、z)を記憶する(ステップS205)。
上述してきたように、本実施例2にかかるキャリブレーション装置200は、各マーカ間の距離が既知(例えば、D)である複数のマーカを備えた冶具を、カメラ20を用いて撮影し、パラメータ推定部230がカメラのパラメータ(ψ、φ、z)を算出するので、従来技術のように、冶具とカメラとの配置位置に厳密性が要求されず、容易にカメラのキャリブレーションを実行することができ、ユーザの負担を軽減することができる。
なお、本実施例1、2に示したキャリブレーション装置100,200によるキャリブレーションは、カメラの設置時に1回行っても良いし、車両走行時の震動によるカメラのずれを正すため、任意のタイミングで実行しても良い。
ところで、本実施例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部あるいは一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図10、図12に示したキャリブレーション装置100,200の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部がCPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
図14は、実施例1にかかるキャリブレーション装置100(実施例2にかかるキャリブレーション装置200)を構成するコンピュータ300のハードウェア構成を示す図である。図14に示すように、このコンピュータ(キャリブレーション装置)300は、入力装置301、モニタ302、RAM(Random Access Memory)303、ROM(Read Only Memory)304、画像(冶具を含んだ画像)を撮影するカメラ305、CPU(Central Processing Unit)306、HDD(Hard Disk Drive)307をバス308で接続して構成される。
そして、HDD307には、上述したキャリブレーション装置100の機能と同様の機能を発揮するキャリブレーションプログラム307aが記憶されている。CPU306が、キャリブレーションプログラム307aを読み出して実行することにより、キャリブレーションプロセス306aが起動される。ここで、キャリブレーションプロセス306aは、図10に示したマーカ抽出部120、第1パラメータ推定部130、第2パラメータ推定部140に対応する。
なお、RAM303には、各カメラが撮影した画像データや、キャリブレーションプロセス306aによって利用されるデータを含んだ各種データ303aを記憶している。CPU306は、各種データ303aに含まれる画像データからマーカの画像座標を特定し、カメラ305のパラメータを算出する。
ところで、図14に示したキャリブレーションプログラム307aは、必ずしも最初からHDD307に記憶させておく必要はない。たとえば、コンピュータに挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」、または、コンピュータの内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などの「固定用の物理媒体」、さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータに接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などにキャリブレーションプログラム307aを記憶しておき、コンピュータがこれらからキャリブレーションプログラム307aを読み出して実行するようにしてもよい。
以上の実施例1,2を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)各マーカ間の距離が既知である複数のマーカを備えた冶具の画像を、キャリブレーション対象とするカメラを用いて取得する画像取得手段と、
前記画像内のマーカの位置に基づいて、前記カメラの設置位置および角度を算出する算出手段と、
を備えたことを特徴とするキャリブレーション装置。
(付記2)前記画像取得手段は、少なくとも2つのマーカを有する第1の冶具と、少なくとも3つのマーカを有する第2の冶具とを含んだ複数の冶具の画像を取得することを特徴とする付記1に記載のキャリブレーション装置。
(付記3)前記画像取得手段は、複数のカメラのキャリブレーションを実行する場合に、複数のカメラで同一の冶具を撮影した画像を取得することを特徴する付記1または2に記載のキャリブレーション装置。
(付記4)前記算出手段は、前記画像上の各マーカの座標を特定し、当該画像上の各マーカ間の距離と規定値との差分を求める第1の評価式を定義し、第1の評価式に基づいてカメラの俯角、回転角、z軸座標を算出することを特徴とする付記1、2または3に記載のキャリブレーション装置。
(付記5)前記算出手段は、前記カメラの俯角、回転角、z軸座標を基にして、カメラパン角度、x軸座標、y軸座標を引数とする各マーカの位置を各カメラの画像毎に定義し、画像毎に定義した同一のマーカの位置同士の差分を求める第2の評価式を定義し、第2の評価式に基づいて前記カメラのカメラパン角度、x軸座標、y軸座標を算出することを特徴とする付記4に記載のキャリブレーション装置。
(付記6)キャリブレーション装置が、
各マーカ間の距離が既知である複数のマーカを備えた冶具の画像を、キャリブレーション対象とするカメラを用いて取得するステップと、
前記画像内のマーカの位置に基づいて、前記カメラの設置位置および角度を算出するステップと、
を含んでいることを特徴とするキャリブレーション方法。
(付記7)前記カメラによって撮影する画像は、少なくとも2つのマーカを有する第1の冶具と、少なくとも3つのマーカを有する第2の冶具とを含んだ複数の冶具の画像であることを特徴とする付記6に記載のキャリブレーション方法。
(付記8)複数のカメラのキャリブレーションを実行する場合には、複数のカメラで同一の冶具を撮影した画像を取得することを特徴する付記6または7に記載のキャリブレーション方法。
(付記9)前記画像上の各マーカの座標を特定し、当該画像上の各マーカ間の距離と規定値との差分を求める第1の評価式を定義し、第1の評価式に基づいてカメラの俯角、回転角、z軸座標を算出することを特徴とする付記6、7または8に記載のキャリブレーション方法。
(付記10)前記カメラの俯角、回転角、z軸座標を基にして、カメラパン角度、x軸座標、y軸座標を引数とする各マーカの位置を各カメラの画像毎に定義し、画像毎に定義した同一のマーカの位置同士の差分を求める第2の評価式を定義し、第2の評価式に基づいて前記カメラのカメラパン角度、x軸座標、y軸座標を算出することを特徴とする付記9に記載のキャリブレーション方法。
本実施例1にかかる冶具の構成を示す図である。 車両に設置されたカメラと冶具との関係を示す図である。 カメラのパラメータを説明するための図(1)である。 カメラのパラメータを説明するための図(2)である。 カメラが撮影した画像の一例を示す図である。 マーカの画像座標の特定結果を示す図である。 式1〜3の関係を示す図である。 カメラのパラメータψの算出方法を説明するための図である。 カメラ座標軸系と車両ローカル座標軸系との関係を示す図である。 本実施例1にかかるキャリブレーション装置の構成を示す図である。 本実施例1にかかるキャリブレーション装置の処理手順を示すフローチャートである。 本実施例2にかかるキャリブレーション装置の構成を示す図である。 本実施例2にかかるキャリブレーション装置の処理手順を示すフローチャートである。 実施例1にかかるキャリブレーション装置を構成するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。
符号の説明
5 車両
10,11,12,13 冶具
20,21,22,23,305 カメラ
100,200 キャリブレーション装置
110,210 フレームバッファ
120,220 マーカ抽出部
130 第1パラメータ推定部
140 第2パラメータ推定部
150,240 パラメータ記憶部
230 パラメータ推定部
300 コンピュータ
301 入力装置
302 モニタ
303 RAM
303a 各種データ
304 ROM
306 CPU
306a キャリブレーションプロセス
307 HDD
307a キャリブレーションプログラム
308 バス

Claims (5)

  1. 各マーカ間の距離が既知である複数のマーカを備えた冶具の画像を、キャリブレーション対象とするカメラを用いて取得する画像取得手段と、
    前記画像内のマーカの位置に基づいて、前記カメラの設置位置および角度を算出する算出手段と、
    を備えたことを特徴とするキャリブレーション装置。
  2. 前記画像取得手段は、少なくとも2つのマーカを有する第1の冶具と、少なくとも3つのマーカを有する第2の冶具とを含んだ複数の冶具の画像を取得することを特徴とする請求項1に記載のキャリブレーション装置。
  3. 前記画像取得手段は、複数のカメラのキャリブレーションを実行する場合に、複数のカメラで同一の冶具を撮影した画像を取得することを特徴する請求項1または2に記載のキャリブレーション装置。
  4. 前記算出手段は、前記画像上の各マーカの座標を特定し、当該画像上の各マーカ間の距離と規定値との差分を求める第1の評価式を定義し、第1の評価式に基づいてカメラの俯角、回転角、z軸座標を算出することを特徴とする請求項1、2または3に記載のキャリブレーション装置。
  5. 前記算出手段は、前記カメラの俯角、回転角、z軸座標を基にして、カメラパン角度、x軸座標、y軸座標を引数とする各マーカの位置を各カメラの画像毎に定義し、画像毎に定義した同一のマーカの位置同士の差分を求める第2の評価式を定義し、第2の評価式に基づいて前記カメラのカメラパン角度、x軸座標、y軸座標を算出することを特徴とする請求項4に記載のキャリブレーション装置。
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