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JP2009292991A - 加工顔料、並びに、それを用いた顔料分散組成物、着色感光性組成物、カラーフィルタ、液晶表示素子、及び固体撮像素子 - Google Patents

加工顔料、並びに、それを用いた顔料分散組成物、着色感光性組成物、カラーフィルタ、液晶表示素子、及び固体撮像素子 Download PDF

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JP2009292991A
JP2009292991A JP2008150402A JP2008150402A JP2009292991A JP 2009292991 A JP2009292991 A JP 2009292991A JP 2008150402 A JP2008150402 A JP 2008150402A JP 2008150402 A JP2008150402 A JP 2008150402A JP 2009292991 A JP2009292991 A JP 2009292991A
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JP
Japan
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pigment
meth
acid
color filter
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Application number
JP2008150402A
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English (en)
Inventor
Wataru Kikuchi
渉 菊池
Kazuhiro Fujimaki
一広 藤牧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】微細化された顔料においても、2次凝集体の形成が抑制され、1次粒子の状態で分散させることができる分散性が向上された加工顔料、さらには、分散させた1次粒子が安定的に維持される分散安定性に優れた加工顔料を提供すること。顔料の分散性及び分散安定性に優れた顔料分散組成物、硬化性に優れた着色感光性組成物を提供すること。コントラストが高い、カラーフィルタを提供すること。このようなカラーフィルタを備える液晶表示素子、及び固体撮像素子を提供する。
【解決手段】側鎖に少なくとも1つのオニウム塩基を有する重量平均分子量1,000以上の高分子化合物で顔料を被覆してなることを特徴とする加工顔料。そして、当該加工顔料を用いた顔料分散組成物、着色感光性組成物、カラーフィルター、液晶表示素子、固体撮像素子である。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗料、印刷インキ、カラー表示板等の広い範囲で好適に使用し得る加工顔料、顔料分散組成物、それを含む着色感光性組成物、該着色感光性組成物を用いて製造されたカラーフィルタに関する。また、本発明は、当該カラーフィルタを備える液晶表示素子、及び固体撮像素子に関する。
カラーフィルタは、有機顔料や無機顔料を分散させた顔料分散組成物と、多官能モノマー、光重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂及びその他の成分とを含有して着色感光性組成物とし、これを用いてフォトリソ法などにより着色パターンを形成することで製造されている。
近年、カラーフィルタは、液晶表示素子(LCD)用途においてモニターのみならずテレビ(TV)へと用途が拡大する傾向にある。この用途拡大の傾向に伴い、カラーフィルタには、色度、コントラストなどにおいて高度の色特性が要求されるに至っている。また、イメージセンサ(固体撮像素子)用途のカラーフィルタにおいても、同様に色特性の高いものが求められるようになっている。
上記のような要求に対して、着色感光性組成物に含有される顔料を、より微細な状態で分散させること(良好な分散性)、安定な状態で分散させること(良好な分散安定性)が求められている。顔料の分散性が不充分である場合には、形成された着色レジスト膜にフリンジ(エッジ部のギザギザ)や表面凹凸が生じ、製造されたカラーフィルタの色度や寸法精度が低下したり、コントラストが著しく劣化したりするという問題がある。
また、顔料の分散安定性が不充分である場合には、カラーフィルタの製造工程において、特に、着色感光性組成物の塗布工程での膜厚の均一性が低下したり、露光工程での感光感度が低下したり、現像工程でのアルカリ溶解性が低下したりするという問題が生じ易い。さらに、顔料の分散安定性が悪い場合には、時間の経過に伴い、着色感光性組成物の構成成分が凝集を起こして粘度が上昇し、ポットライフが極めて短くなるという問題もある。しかしながら、顔料の粒子径を微細化すると顔料粒子の表面積が大きくなるため、顔料粒子間の凝集力が強くなり、高度なレベルでの分散性と分散安定性を両立することは、困難であることが多い。
また、鮮明な色調や高い着色力を示すことから実用上重要となる顔料は、微細な粒子からなるものが多い。一般に、顔料1次粒子の微細化は、顔料、水溶性の無機塩、該無機塩を実質的に溶解しない水溶性有機溶剤をニーダー等で機械的に混練する方法がよく知られている(ソルトミリング法)。続いて、得られた微細顔料1次粒子の混合物を水中に投入し、ミキサー等で撹拌しスラリー状とする。次に、このスラリーをろ過、水洗して乾燥することにより、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体として微細顔料が得られる。サンドミル、ボールミル等の通常の分散機での分散工程は、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体をほぐして1次粒子に近い状態の分散体を得る工程である。
しかしながら一般に、顔料1次粒子を微細化していくと、凝集しやすくなり、スラリーあるいは乾燥時に凝集体(2次凝集体)が生成しやすくなる。また、顔料1次粒子が微細になるにしたがって、強い2次凝集が起こりやすくなる。そのため、1次粒子まで再分散するのは、一般に非常に困難である。2次凝集体が多く存在する分散体を用いて形成されたカラーフィルターは、コントラストを著しく低下させるため、顔料分散組成物としては、凝集することなく1次粒子まで安定に分散された微細粒子であり、かつ取り扱いが容易な性状であることが望まれる。
この微細顔料の強い2次凝集を抑制するのを目的に、特許文献1又は2では、それぞれソルトミリング工程時に、ロジン又はロジン誘導体あるいは非水溶性モノマー又はオリゴマーを添加して顔料を処理し、該顔料の分散体を用いてコントラストの高いカラーフィルターが得られることが記載されている。しかしながら、これらの方法により得られた顔料は、分散性及び分散安定性が不十分であり、カラーフィルタを作成したときのコントラストにも改良の余地があり、実用上充分とはいえなかった。
特許第3130217号公報 特開2004−233727号公報
そこで、本発明の目的は、微細化された顔料においても、2次凝集体の形成が抑制され、1次粒子の状態で分散させることができる分散性が向上された加工顔料、さらには、分散させた1次粒子が安定的に維持される分散安定性に優れた加工顔料を提供することにある。
本発明の他の目的は、このような加工顔料を用いた、顔料の分散性及び分散安定性に優れた顔料分散組成物、そのような顔料分散剤を含んでなる硬化性に優れた着色感光性組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、このような着色感光性組成物を用いた、コントラストが高い、カラーフィルタを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、このようなカラーフィルタを備える液晶表示素子、及び固体撮像素子を提供することである。
上記課題は以下の方法で達成できることを見出し、本発明に至った。
<1> 側鎖に少なくとも1つのオニウム塩を有する重量平均分子量1,000以上100,000以下の高分子化合物で顔料を被覆してなる加工顔料である。
<2> 前記顔料が、アゾ顔料、及び多環式顔料の群から選択される少なくとも1種である<1>に記載の加工顔料である。
<3> 前記顔料が、不溶性アゾ系、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、及びペリレン系顔料の群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする<1>に記載の加工顔料である。
<4> 前記高分子化合物が、下記一般式(1)及び下記一般式(2)で表される構造単位から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする<1>から<3>のいずれか1つに記載の加工顔料である。
(一般式(1)中、Rは、水素原子、又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。Rは、単結合、又は2価の有機連結基を表す。Yは、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、または−OC(=O)−を表す。Z11はオニウム塩基を表す。一般式(2)中、Rは、水素原子、又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。Rは、単結合、又は2価の有機連結基を表す。Arは2価の芳香族基を表し、Z22はオニウム塩基を表す。)
<5> 前記高分子化合物が、カルボキシル基を50〜300mgKOH/gの範囲で有することを特徴とする<1>から<4>のいずれか1つに記載の加工顔料である。
<6> 平均1次粒子径が、5〜25nmであることを特徴とする<1>から<5>のいずれか1つに記載の加工顔料である。
<7> 前記加工顔料を1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄したときの被覆樹脂の遊離量が、30質量%以下である<1>から<3>のいずれか1つに記載の加工顔料である。
<8> 前記高分子化合物を、顔料の微細化工程で添加して製造したことを特徴とする<1>から<7>のいずれか1つに記載の加工顔料である。
<9> <1>から<8>のいずれか1つに記載の加工顔料を、有機溶剤中に分散してなる顔料分散組成物である。
<10> さらに顔料分散剤を含む<9>に記載の顔料分散組成物である。
<11> カラーフィルタにおける着色領域の形成に用いられることを特徴とする<9>又は<10>に記載の顔料分散組成物である。
<12> <9>から<11>のいずれか1項に記載の顔料分散組成物と、光重合性化合物、及び光重合開始剤を含有する着色感光性組成物である。
<13> 基板上に、<12>に記載の着色感光性組成物により形成された着色領域を有するカラーフィルタである。
<14> <13>に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示素子である。
<15> <13>に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子である。
本発明は、少なくとも1つのオニウム塩を有する重量平均分子量1,000以上100,000以下の高分子化合物(以下、特定高分子化合物と称することがある)を被覆処理した加工顔料と、その応用に関し、この加工顔料は分散性に優れ、この加工顔料を用いることにより、従来のものより、顔料が良好に分散された顔料分散組成物、及び良好な分散状態の顔料を有する着色感光性組成物が得られる。そして、当該着色感光性組成物を用いることで、コントラストが高い、カラーフィルタ、並びに、それを備えた液晶表示素子及び固体撮像素子が提供される。
即ち、特定高分子化合物を顔料処理に使用すると、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、あるいは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めることができると考えられる。そのため分散工程において、1次粒子に近い状態の分散体を得ることができる。
この作用は明確ではないが、側鎖に少なくとも1つのオニウム塩を有する特定高分子化合物を顔料処理に使用すると、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、あるいは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めることができる。そのため分散工程において、1次粒子に近い状態の分散体を得ることができると考えられる。
それは、特定高分子化合物が側鎖に少なくとも1つのオニウム塩構造を有することで、該構造と顔料とが適度な静電的相互作用を持つこと、及び特定高分子化合物による強い分子間力により、顔料1次粒子に強力に吸着し、スラリー、ろ過、水洗時にも脱着することないため、顔料1次粒子同士の凝集を効果的に抑制しているからだと考えられる。このため、分散性に優れた加工顔料となる。
また、本発明の加工顔料を用いることで、高温・高湿度下でカラーフィルターが濁る、カラーフィルターの作製時に濁るといった問題も解決できる。これらの問題は、カラーフィルター中の微細顔料粒子が凝集して結晶成長して起こる現象であると考えられ、顔料1次粒子が微細であるほど起きやすい。したがって、上記問題が解決できるのは、本発明の加工顔料が先と同様の理由で、特定高分子化合物が微細顔料に強く吸着しているため、カラーフィルター中においても顔料粒子同士の凝集を効果的に抑制しているからだと考えられる。
また、本発明の加工顔料を用いることで、カラーフィルターは電圧保持率に優れる。電圧保持率の低下は、カラーフィルター中の金属イオン濃度が高い場合におきやすい。特にソルトミリング法を用いて微細顔料を作成した場合、起きやすい問題であるが、それは、顔料粒子に吸着したソルトミリングに使う無機塩(イオン)が顔料粒子から溶出してくるためである。顔料1次粒子が微細であるほど、イオン性化合物を包含しやすくなり、水洗・ろ過での除去が難しくなる。したがって、優れた電圧保持率が得られるのは、本発明の加工顔料が先と同様の理由で、特定高分子化合物が微細顔料に強く吸着しているため、分散工程あるいはカラーフィルター中でのイオンの溶出を効果的に抑制できるからだと考えられる。
また、本発明の加工顔料を用いることで、カラーフィルター製造工程時、現像液中に析出物が発生しにくいという利点を有している。析出物は顔料粒子の凝集体であることが多い。析出は、分散剤により分散された顔料分散体がアルカリ現像液により、分散剤が脱着してしまい、微細顔料粒子が凝集して結晶成長して析出する現象であると考えられる。したがって、本発明の加工顔料が先と同様の理由で、特定高分子化合物が微細顔料に強く吸着しているため、アルカリ現像液によっても高分子化合物が脱着することがなく、アルカリ現像液中でも安定的に分散されているため、現像液中に析出物が発生しにくくなると考えられる。
本発明によれば、微細化された顔料においても、2次凝集体の形成が抑制され、1次粒子の状態で分散させることができる分散性が向上された加工顔料、さらには、分散させた1次粒子が安定的に維持される分散安定性に優れた加工顔料を提供することができる。
また、本発明によれば、このような加工顔料を用いた、顔料の分散性及び分散安定性に優れた顔料分散組成物、そのような顔料分散剤を含んでなる硬化性に優れた着色感光性組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、このような着色感光性組成物を用いた、コントラストが高い、カラーフィルタを提供することができる。
また、本発明によれば、このようなカラーフィルタを備える液晶表示素子、及び固体撮像素子を提供することである。
以下、本発明を詳細に説明する。
<加工顔料>
本発明の加工顔料は、側鎖に少なくとも1つのオニウム塩を有する重量平均分子量1,000以上100,000以下の高分子化合物(特定高分子化合物)で被覆処理したことを特徴とする。
このような微細加工顔料の製造は、i)顔料と、ii)水溶性の無機塩と、iii)実質的にii)を溶解しない少量の水溶性の有機溶剤、及びiv)特定高分子化合物を混合し、ニーダー等で機械的に混練する工程(この顔料の微細化工程をソルトミリングと称する)、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする工程、及び、このスラリーを濾過、水洗して必要により乾燥する工程を経て実施される。このような製造方法により、微細でかつ乾燥時の顔料の凝集が少ない本発明の加工顔料が得られる。
上記したソルトミリングについて、さらに具体的に説明する。まず、i)有機顔料とii)水溶性の無機塩の混合物に、湿潤剤として少量のiii)水溶性の有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に、このスラリーを濾過、水洗して必要により乾燥することにより、微細化された顔料が得られる。なお、油性のワニスに分散して用いる場合には、乾燥前の処理顔料(濾過ケーキと呼ぶ)を一般にフラッシングと呼ばれる方法で、水を除去しながら油性のワニスに分散することも可能である。また水系のワニスに分散する場合は、処理顔料は乾燥する必要がなく、濾過ケーキをそのままワニスに分散することができる。
本発明においては、ソルトミリング時に上記iii)有機溶剤にiv)少なくとも一部可溶な樹脂を併用することにより、さらに微細で、表面がiv)少なくとも一部可溶な樹脂による被覆された、乾燥時の顔料の凝集が少ない加工顔料が得られる。
乾燥凝集を防ぐ方法として、上記スラリー中にアルカリ水溶液に溶解したアルカリ可溶性樹脂を添加し、充分攪拌混合した後に塩酸又は硫酸等の酸性水溶液で中和して樹脂を顔料に沈着させるか、塩化カルシウム又は塩化バリウム等の水溶性の多価金属塩の水溶液を添加して樹脂を析出させて顔料に沈着さることにより、乾燥凝集を防ぐことも可能である。
なお、iv)特定高分子化合物樹脂を加えるタイミングは、ソルトミリング工程の初期にすべてを添加してもよく、分割して添加してもよい。
〔i)顔料〕
本発明で用いる顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を適宜選択して用いることができる。顔料の粒子サイズとしては、本発明の顔料分散組成物が好適に用いられるカラーフィルタが、高透過率であることが好ましいこと等を考慮すると、有機顔料が好ましく、また、なるべく粒子サイズの小さいものを使用することが好ましい。顔料分散組成物及びこれを含有する光硬化性組成物のハンドリング性を考慮すると、顔料の平均1次粒子径としては、100nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましく、5〜25nmが最も好ましい。該粒径が前記範囲内であると、透過率が高く、色特性が良好であると共に、高いコントラストのカラーフィルタを形成するのに有効である。平均1次粒子径は、SEMあるいはTEMで観察し、粒子が凝集していない部分で粒子サイズを100個計測し、平均値を算出することによって求める。
前記無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
前記有機顔料としては、例えば、
C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、224、226、242、246、254、255、264、270、272、279、
C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214
C.I. Pigment Orange 2、5、13、16、17:1、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、71、73
C.I. Pigment Green 7、10、36、37
C.I.Pigment Blue 1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66、79、79のCl置換基をOHに変更したもの、80
C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、32、37、42
C.I.Pigment Brown 25、28
C.I.Pigment Black 1、7 等を挙げることができる。
これらの中で好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185,
C.I.Pigment Orange 36,71,
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264,
C.I.Pigment Violet 19,23,32,
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66,
C.I.Pigment Green 7,36,37;
C.I.Pigment Black 1、7
これら有機顔料は、単独もしくは色純度を上げるため種々の組合せて用いることができる。上記の組合せの具体例を以下に示す。例えば、赤の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独又はそれらの少なくとも1種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料又はペリレン系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料、ジケトピロロピロール系赤色顔料と、の混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド155、C.I.ピグメント・レッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー139又はC.I.ピグメント・レッド177との混合が好ましい。また、赤色顔料と他顔料との質量比は、100:5〜100:80が好ましい。100:4以下では400nmから500nmの光透過率を抑えることが困難で色純度を上げることができない場合がある。また100:81以上では発色力が下がる場合がある。特に、上記質量比としては、100:10〜100:65の範囲が最適である。尚、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
また、緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を1種単独で又は、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができる。例えば、このような例としては、C.I.ピグメント・グリーン7、36、37とC.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー180又はC.I.ピグメント・イエロー185との混合が好ましい。緑顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:200が好ましい。上記質量比が100:5未満では400〜450nmの光透過率を抑えることが困難となり色純度を上げることができない場合がある。また100:200を越えると主波長が長波長寄りになりNTSC目標色相からのずれが大きくなる場合がある。上記質量比としては100:20〜100:150の範囲が特に好ましい。
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料を1種単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。特に好適な例として、C.I.ピグメント・ブルー15:6とC.I.ピグメント・バイオレット23との混合を挙げることができる。
青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:100が好ましく、より好ましくは100:70以下である。
また、ブラックマトリックス用途に好適な顔料としては、カーボンブラック、グラファイト、チタンブラック、酸化鉄、酸化チタン単独又は混合を用いることができ、カーボンブラックとチタンブラックとの組合せが好ましい。また、カーボンブラックとチタンブラックとの質量比は、100:0〜100:60の範囲が好ましい。100:61以上では、分散安定性が低下する場合がある。
上記挙げられた顔料の中でも、アゾ顔料、及び多環式顔料が好ましく、より好ましくは、不溶性アゾ系、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、及びペリレン系顔料である。これは分子同士が結合するためのファンデルワールス力、双極子相互作用、水素結合のうちいずれかによる結合が可能かつ強い点で有利である。また、フタロシアニン顔料(例えばPG36、PB15:6等)やアゾメチン顔料(例えばPY150)等の金属錯体の顔料は、特定高分子化合物の側鎖が持つ窒素原子又は酸素原子が当該金属錯体への配位結合による相互作用も働き、顔料1次粒子に強力に吸着すると考えられることから、好適である。
〔ii)水溶性の無機塩〕
本発明に用いられる水溶性の無機塩は、水に溶解するものであれば特に限定されず、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム又は硫酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
ソルトミリングする際に用いる無機塩の量は、処理効率と生産効率の両面から、有機顔料の1〜30質量倍、特に5〜25質量倍であることが好ましい。有機顔料に対する無機塩の量比が大きいほど微細化効率が高いが、1回の顔料の処理量が少なくなるためである。
〔iii)実質的にii)を溶解しない少量の水溶性の有機溶剤〕
水溶性有機溶剤は、有機顔料、無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。但し、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。水溶性有機溶剤としては、例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。
水溶性有機溶剤の添加量としては、無機塩に対して5質量%〜50質量%が好ましい。より好ましくは無機塩に対して10質量%〜40質量%であり、最適には無機塩に対して15質量%〜35質量%である。添加量が5質量%未満であると、均一な混練が難しくなり、粒子サイズの分布が大きくなって好ましくない。添加量が50質量%以上であると、混練組成物がやわらかくなりすぎ、混練組成物にシェアがかかりにくくなる為に、十分な微細化効果が得られなくなる。
iii)水溶性有機溶剤はソルトミリング初期に全てを添加しても良いし、分割して添加しても良い。水溶性有機溶剤は単独で使用しても良いし、2種以上を併用することもできる。
〔iv〕特定高分子化合物〕
特定高分子化合物は、側鎖に少なくとも1つのオニウム塩を有する重量平均分子量1,000以上100,000以下の高分子化合物である。特定高分子化合物は、このようなものであれば特に制限はないが、オニウム塩(以下、特定官能基と称する場合がある)を有する側鎖は、脂肪族基に連結されていることが好ましく、芳香族炭化水素基に連結されていることが最も好ましい。
本発明の特定高分子化合物は、下記一般式(1)及び下記一般式(2)で表される構造単位から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
(一般式(1)中、Rは、水素原子、又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。Rは、単結合、又は2価の有機連結基を表す。Yは、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、または−OC(=O)−を表す。Z11はオニウム塩基を表す。一般式(2)中、Rは、水素原子、又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。Rは、単結合、又は2価の有機連結基を表す。Arは2価の芳香族基を表し、Z22はオニウム塩基を表す。)
一般式(1)中、Rは、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表す。該アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3がより好ましい。)、メトキシ基、エトキシ基、シクロヘキシロキシ基等が挙げられる。Rが表す好ましいアルキル基として具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基が挙げられる。
上記の中でも、Rとしては、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
一般式(1)中、Rは、単結合又は2価の連結基を表す。該2価の連結基としては、アルキレン基、フェニレン基が挙げられるが、置換若しくは無置換のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜12のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基が更に好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基が特に好ましい。
を表すアルキレン基は、ヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子)を介して2以上連結したものであってもよい。
を表す好ましいアルキレン基として具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキシレン基が挙げられる。
を表す好ましいアルキレン基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、等が挙げられる。
一般式(1)中、Rを表す2価の連結基としては、上記のアルキレン基の末端において、−O−、−S−、−C(=O)O−、−CONH−、−C(=O)S−、−NHCONH−、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)S−、−OC(=O)−、−OCONH−、及び−NHCO−から選ばれるヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造を有し、該ヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造を介してZ11と連結するものであってもよい。
中でも、Rを表す2価の連結基としては、−O−、−S−、−C(=O)O−、−CONH−、−NHCONH−、−OC(=O)−、及び−NHCO−から選ばれるヘテロ原子、又はメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ヘキシレン基が好ましい。
一般式(1)中、Z11は有機オニウム塩構造であるが、好適なオニウム塩構造としては、入手性等の観点からは、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、及びホスホニウム塩であることが好ましく、保存安定性(熱安定性)を考慮すると、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、及びスルホニウム塩であることがより好ましく、オニウム塩構造のカチオン中心上の置換基としては、アルキル基、アリール基等の炭化水素基が挙げられ、安定性の観点からアルキル基が好ましい。これらの炭化水素基はさらに置換基を有してもよいが無置換のアルキル基であることが好ましい。また、複数の炭化水素基が互いに結合して環構造を形成していても良い。
上記炭化水素基に導入可能な置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、エテニル基等のアルケニル基、アセチル基、エチルカルボニル基等のアシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、カルボキシ基、及び、水酸基等、から選択される置換基が挙げられる。該置換基としては、中でも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、およびフェニル基が特に好ましい。
なお、一般式(1)中、Z11は、電荷を中和するのに必要な対アニオンを有することが好ましい。対アニオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオン、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸イオン、及び種々の鉱酸イオンが好ましい。合成適性や安定性の点からは、ハロゲン化物イオン及びスルホン酸イオンが好ましく、ハロゲン化物イオンが最も好ましい。対アニオンがスルホン酸イオン等の有機酸イオンである場合は、特定高分子化合物中に有機酸イオンが共有結合し、分子内塩を形成していてもよい。
一般式(1)中、Yは、上述のように、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、または−OC(=O)−を表すが、中でも、重合性、入手性の理由から、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、であることが好ましく、−C(=O)O−、−CONH−であることが特に好ましい。
一般式(2)中、Rは一般式(1)のRと、一般式(2)中Rは一般式(1)のRと同義である。一般式(2)中のArは2価の芳香族基であり、原料入手性等の観点からは、フェニレン基又はナフチレン基であることが好ましく、フェニレン基であることが特に好ましい。さらに、一般式(2)中のZ22は一般式(1)のZ11と同義であり、好ましいものも同じである。
以下、一般式(1)及び一般式(2)で示されるオニウム塩基を有する構造単位として、特に好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
上記具体例(M−1)〜(M−23)中、A−は、オニウム塩の対アニオンを表し、Cl−,Br−,I−,CHSO−,CFSO−,CHPhSO−,ClO−,BF−、及びPF−から選択される。
特定高分子化合物は、上記一般式(1)〜一般式(2)で表される構造単位から選ばれる少なくとも1種を有し、該構造単位を1種単独で含むものであってもよいし、2種以上含むものであってもよい。
特定高分子化合物において、上記一般式(1)〜一般式(2)で表される構造単位の総含有量は、特に制限はないが、特定高分子化合物に含有される全構造単位を100質量%とした場合に、上記一般式(1)〜一般式(2)で表される構造単位の総含有量は、5質量%以上であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましい。
即ち、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、あるいは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めるためには、上記一般式(1)〜(2)で表される構造単位の総含有量は5質量%以上であることが好ましい。また、顔料分散組成物を含有する光硬化性組成物によりカラーフィルタを製造する際の現像性の観点からは、上記一般式(1)〜(2)で表される構造単位の総含有量は50質量%以下であることが好ましい。
特定高分子化合物は、更に、酸基を有する単量体に由来する共重合単位を含むことが好ましい。特定高分子化合物がさらに酸基を有する単量体に由来する共重合単位を含むことで、顔料分散組成物を光硬化性組成物に適用した場合において、未露光部の現像除去性に優れる。
酸基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸又はその無水物類;こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノメタクリレート等の両末端カルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等を挙げられる。
特定高分子化合物は、酸基を有する単量体に由来する共重合単位を、1種のみ含むものであってもよいし、2種以上を含んでもよい。
特定高分子化合物は、その効果を損なわない範囲において、更に、共重合可能なビニルモノマーに由来する共重合単位を含んでいてもよい。
ここで使用可能なビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。このようなビニルモノマーの具体例としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。なお、本明細書において「アクリル、メタクリル」のいずれか或いは双方を示す場合「(メタ)アクリル」と記載することがある。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
特定高分子化合物の分子量は、重量平均分子量(Mw)で1000〜100000の範囲であり、数平均分子量(Mn)で400〜50000の範囲であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)で5000〜50000の範囲、数平均分子量(Mn)で2000〜30000の範囲であることがより好ましい。
特に、重量平均分子量(Mw)で8000〜30000の範囲、数平均分子量(Mn)で4000〜12000の範囲であることが最も好ましい。
即ち、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、あるいは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めるための観点からは、特定重合体の重量平均分子量(Mw)は1000以上であることが好ましい。また、顔料分散組成物を含有する光硬化性組成物によりカラーフィルタを製造する際の現像性の観点からは、特定高分子化合物の重量平均分子量(Mw)は30000以下であることが好ましい。
特定高分子化合物は、例えば、上記一般式(1)〜(2)で表される構造単位を形成しうるモノマーと、重合性オリゴマー(マクロモノマー)と、共重合成分として他のラジカル重合性化合物と用い、通常のラジカル重合法によって製造することができる。一般的には、懸濁重合法あるいは溶液重合法などを用いる。このような特定高分子化合物を合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。これらの溶媒は単独あるいは2種以上混合してもよい。
ラジカル重合の際、ラジカル重合開始剤を使用することができ、また、さらに連鎖移動剤(例、2−メルカプトエタノール及びドデシルメルカプタン)を使用することができる。
特定高分子化合物の含有量としては質量比で、顔料:特定高分子化合物=1:0.1〜1:2が好ましく、より好ましくは、1:0.2〜1:1であり、さらに好ましくは、1:0.4〜1:0.7である。
特定高分子化合物は、その化合物中にカルボキシル基を50mgKOH/g以上の範囲で有することが望ましく、特に好ましくは50〜300mgKOH/gである。即ち、現像液中での析出物の生成抑制という点では、カルボキシル基の含有量は50mgKOH/g以上であることが好ましい。顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、あるいは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めるためには、カルボキシル基の含有量は50〜300mgKOH/gであることが好ましい。このカルボキシル基は、例えば、上記酸基を有する単量体中の酸基として、特定高分子化合物に含まれる。
ここで、本発明の加工顔料は、有機顔料などのi)顔料粒子がiv)特定高分子化合物で被覆されていることを特徴とし、該特定高分子化合物が顔料粒子表面の一部或いは全部に強固に被覆されることで本発明の効果を奏するものであり、一般的な高分子分散剤が顔料に吸着してなるものとは異なるものである。この被覆状態は以下に示す有機溶剤による洗浄で特定高分子化合物の遊離量(遊離率)を測定することにより確認できる。即ち、単に吸着してなる特定高分子化合物は有機溶剤による洗浄によりその殆ど、具体的には、65%以上が遊離、除去されるが、本発明の如く表面被覆された加工顔料の場合には遊離率は極めて少なく、30%以下である。
本発明の加工顔料を1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄して、遊離量を算出する。その方法は、加工顔料10gを1−メトキシ−2−プロパノール100ml中に投入し、振とう機で室温で3時間、振とうさせた。その後遠心分離機で80,000rpmで8時間かけて顔料を沈降させ、上澄み液部分の固形分を乾燥法から求めた。顔料から遊離した特定高分子化合物の質量を求め、初期の処理に使用した特定高分子化合物の質量との比から、遊離率(%)を算出した。
加工顔料における分散樹脂及び被覆樹脂の遊離率は、以下の方法で測定できる。即ち、顔料を溶解する溶剤(例えばジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、蟻酸、硫酸など)で、加工顔料全体を溶解した後に、特定高分子化合物と顔料とに、溶解性の差を利用して有機溶剤で分離して、「初期の処理に使用した特定高分子化合物の質量」として算出する。別途、加工顔料を1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄して、得られた上記の遊離量を、この「初期の処理に使用した特定高分子化合物の質量」で除して遊離率(%)を求める。
遊離率は小さいほど顔料への被覆率が高く、分散性、分散安定性が良好である。遊離率の好ましい範囲は30%以下、より好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下である。理想的には0%である。
また必要に応じて、上記特定高分子化合物の他に、他の化合物を同時に使用してもよい。好ましくは室温において固体であり、水不溶性で、かつソルトミリング時の湿潤剤に用いる水溶性有機溶剤に少なくとも一部可溶である必要があり、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等が用いられる。
乾燥した処理顔料を用いる場合には、用いる化合物は室温で固体であることが好ましい。天然樹脂としてはロジンが代表的であり、変性天然樹脂としては、ロジン誘導体、繊維素誘導体、ゴム誘導体、タンパク誘導体及びそれらのオリゴマーが挙げられる。合成樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。天然樹脂で変性された合成樹脂としては、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。
合成樹脂としては、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物が挙げられる。
このようにして得られた本発明の加工顔料は、顔料表面が特定高分子化合物により強固に被覆され、分散性に優れた加工顔料となり、その応用範囲は広く、特に、顔料分散組成物の調製に有用である。
<顔料分散組成物>
次に、前記本発明の加工顔料を用いた本発明の顔料分散組成物について説明する。
本発明の顔料分散組成物は、上記本発明の加工顔料を有機溶剤中に分散してなる。
また、本発明の加工顔料を有機溶剤中に分散する際、(A)顔料誘導体、(B)顔料分散剤を必要に応じて使用することも好ましい態様である。
〔有機溶剤〕
本発明の顔料分散組成物における溶剤としては、有機溶剤であれば特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル及びこれらの酢酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルキレングリコールモノアルキルエーテル類、及びその酢酸エステル類、酢酸エステル類、メチルエチルケトン、などが好ましい。
顔料分散組成物における溶剤の含有量は、顔料分散組成物の用途などに応じて適宜選択される。顔料分散組成物が後述する光硬化性組成物の調製に用いられる場合には、取り扱い性の観点から、顔料及び顔料分散剤を含む固形分濃度が5〜50質量%となるように含有することができる。
〔(A)顔料誘導体〕
本発明の顔料分散組成物は、必要に応じて、顔料誘導体が添加される。分散剤と親和性のある部分、あるいは極性基を導入した顔料誘導体を加工顔料表面に吸着させ、これを分散剤の吸着点として用いることで、顔料を微細な粒子として光硬化性組成物中に分散させ、その再凝集を防止することができ、コントラストが高く、透明性に優れたカラーフィルタを構成するのに有効である。
顔料誘導体は、具体的には有機顔料と同じまたは類似の母体骨格を有し、側鎖に酸性基や塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。有機顔料は、具体的には、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノリン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンゾイミダゾロン顔料等が挙げられる。一般に、色素と呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系、トリアジン系、キノリン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開平11−49974号公報、特開平11−189732号公報、特開平10−245501号公報、特開2006−265528号公報、特開平8−295810号公報、特開平11−199796号公報、特開2005−234478号公報、特開2003−240938号公報、特開2001−356210号公報等に記載されているものを使用できる。
本発明に係る顔料誘導体の顔料分散組成物中における含有量としては、加工顔料の質量に対して、1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。該含有量が前記範囲内であると、粘度を低く抑えながら、分散を良好に行なえると共に分散後の分散安定性を向上させることができ、透過率が高く優れた色特性が得られ、カラーフィルタを作製するときには良好な色特性を有する高コントラストに構成することができる。
分散の方法は、例えば、顔料と分散剤を予め混合してホモジナイザー等で予め分散しておいたものを、ジルコニアビーズ等を用いたビーズ分散機(例えばGETZMANN社製のディスパーマット)等を用いて微分散させることによって行なえる。分散時間としては、3〜6時間程度が好適である。
〔(B)顔料分散剤〕
顔料の分散性をより向上させる目的で、従来から公知の顔料分散剤や界面活性剤等の分散剤、その他成分を加えることもできる。
公知の分散剤(顔料分散剤)としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造からさらに直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
高分子分散剤は顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
前記、高分子分散剤は、分散工程において、顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有するブロック型高分子、グラフト型高分子、末端変性型高分子が好ましい構造として挙げることができる。一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
(ブロック型高分子)ブロック型高分子としては、特に限定されないが、顔料吸着ブロックと、顔料に吸着しないブロックとからなるブロック型高分子が挙げられる。
顔料吸着ブロックを構成する単量体としては、特に制限されないが、例えば、顔料に吸着し得る官能基を有するモノマーが挙げられる。具体的には、有機色素構造あるいは複素環構造を有するモノマー、酸性基を有するモノマー、塩基性窒素原子を有するモノマーなどを挙げることができる。
有機色素構造あるいは複素環構造を有するモノマーとしては、例えば、フタロシアニン系、不溶性アゾ系、アゾレーキ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、アントラピリジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系の色素構造や、例えば、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノン等の複素環構造を有するモノマーを挙げることができる。より具体的には、特に制限されないが、以下のような構造のモノマーを挙げることができる。
酸性基を有するモノマーの例としては、カルボキシル基を有するビニルモノマーやスルホン酸基を有するビニルモノマー、リン酸基を有するビニルモノマー、塩基性窒素原子を有するモノマー、その他モノマーが挙げられる。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
また、スルホン酸基を有するビニルモノマーとして、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられ、また、リン酸基を有するビニルモノマーとして、リン酸モノ(2−アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−2−アクリロイルオキシエチルエステル)などが挙げられる。
塩基性窒素原子を有するモノマーとして、複素環を有するモノマーとして、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾールなどが挙げられ、(メタ)アクリル酸エステルとして、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸1−(N,N−ジメチルアミノ)−1,1−ジメチルメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノヘキシル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジイソプロピルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−n−ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−i−ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モルホリノエチル、(メタ)アクリル酸ピペリジノエチル、(メタ)アクリル酸1−ピロリジノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−メチル−2−ピロリジルアミノエチル及び(メタ)アクリル酸N,N−メチルフェニルアミノエチルなどが挙げられ、(メタ)アクリルアミド類として、N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミド、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、1−(N,N−ジメチルアミノ)−1,1−ジメチルメチル(メタ)アクリルアミド及び6−(N,N−ジエチルアミノ)ヘキシル(メタ)アクリルアミド、モルホリノ(メタ)アクリルアミド、ピペリジノ(メタ)アクリルアミド、N−メチル−2−ピロリジル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられ、スチレン類として、N,N−ジメチルアミノスチレン、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン等、が挙げられる。
また、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、水酸基を有するモノマーを用いることも可能である。具体的には、例えば、以下の構造のモノマーを挙げることができる。
更に、イオン性官能基を含有するモノマーを利用することができる。イオン性ビニルモノマー(アニオン性ビニルモノマー、カチオン性ビニルモノマー)の例としては、アニオン性ビニルモノマーとして、前記酸性基を有するビニルモノマーのアルカリ金属塩や、有機アミン(例えば、トリエチルアミン、ジメチルアミノエタノール等の3級アミン)との塩などが挙げられ、カチオン性ビニルモノマーとしては、前記含窒素ビニルモノマーを、ハロゲン化アルキル(アルキル基:C1〜18、ハロゲン原子:塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子);塩化ベンジル、臭化ベンジル等のハロゲン化ベンジル;メタンスルホン酸等のアルキルスルホン酸エステル(アルキル基:C1〜18);ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等のアリールスルホン酸アルキルエステル(アルキル基:C1〜18);硫酸ジアルキル(アルキル基:C1〜4)等で4級化させたもの、ジアルキルジアリルアンモニウム塩などが挙げられる。
顔料に吸着し得る官能基を有するモノマーは、分散する顔料の種類に応じて、適宜選択することができ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
顔料に吸着しないブロックを構成する単量体としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、オレフィン類、マレイミド類、(メタ)アクリロニトリルなどを挙げることができる。これらの単量体は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。アルカリ現像処理が必要な顔料分散組成物(着色感光性素組成物)に適用する場合には、上記の顔料に吸着しないブロックを構成する単量体と、酸性基を有するビニルモノマーを併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸2−フェニルビニル、(メタ)アクリル酸1−プロペニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2−アリロキシエチル、(メタ)アクリル酸プロパルギル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ビニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N−アリル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル及びフェニルビニルエーテルなどが挙げられる。
ビニルケトン類の例としては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどが挙げられる。
オレフィン類の例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
マレイミド類の例としては、マレイミド、ブチルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミドなどが挙げられる。
(メタ)アクリロニトリルの例としては、メタクリロニトリル、アクリロニトリルなどが挙げられる。
前記酸性基を有するビニルモノマーの例としては、カルボキシル基を有するビニルモノマーやスルホン酸基を有するビニルモノマー、リン酸基を有するビニルモノマー等が挙げられる。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
また、スルホン酸基を有するビニルモノマーとして、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられ、リン酸基を有するビニルモノマーとして、リン酸モノ(2−アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−2−アクリロイルオキシエチルエステル)などが挙げられる。
更に、酸性基を有するビニルモノマーとして、フェノール性ヒドロキシル基を含有するビニルモノマーやスルホンアミド基を含有するビニルモノマーなども利用することができる。
本発明におけるブロック型高分子を得る方法としては、従来公知の方法が利用して得ることができる。例えば、リビング重合、イニファータ法等が知られており、更に他の方法として、顔料吸着基を有する単量体又は顔料吸着基を有しない単量体をラジカル重合する際に、チオールカルボン酸又は2−アセチルチオエチルエーテル、10−アセチルチオデカンチオール等の分子内にチオエステルとチオール基とを含有する化合物を共存させて重合して得られた重合体を水酸化ナトリウムやアンモニア等のアルカリで処理して、片末端にチオール基を有する重合体とし、得られた片末端にチオール基を有する重合体の存在下でもう一方のブロックの単量体成分をラジカル重合する方法も知られている。これらの中でも、リビング重合が好適である。
ブロック型高分子の重量平均分子量は、特に制限されないが、好ましくは3,000〜100,000の範囲とすることが好ましく、5,000〜50,000の範囲がより好ましい。重量平均分子量が3,000以上であると、安定化効果をより効果的に得ることができ、また、重量平均分子量が100,000以下であると、より効果的に吸着して良好な分散性を発揮することができる。
ブロック型高分子としては、市販品を利用することも可能である。具体的な例としては、Disperbyk−2000、同−2001(以上BYK Chemie社製 )、EFKA4330、同4340(以上EFKA社製)等を挙げることができる。
(グラフト型高分子)グラフト型高分子については、特に制限されないが、特開昭54−37082号公報、特開昭61−174939号公報などに記載のポリアルキレンイミンとポリエステル化合物を反応させた化合物、特開平9−169821号公報に記載のポリアリルアミンの側鎖のアミノ基をポリエステルで修飾した化合物、特開昭60−166318号公報に記載のポリエステルポリオール付加ポリウレタン等が好適に挙げられ、更に、特開平9−171253号公報や、マクロモノマーの化学と工業(アイピーシー出版部、1989年)などにあるように、重合性オリゴマー(以下、マクロモノマーと称する)を共重合成分とするグラフト型高分子も好適に挙げることができる。
グラフト型高分子の枝部は、ポリスチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリカプロラクトン等が好適に挙げられるが、下記一般式(3)で表される構成単位を枝部に少なくとも有するグラフト型高分子がより好ましい。

一般式(3)中、R74は、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、Qはシアノ基、炭素原子数6〜30のアリール基、又は、−COOR75(ここで、R75は水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基、又は炭素原子数6〜30のアリール基を表す)を表す。
一般式(3)中、R74で表されるアルキル基は置換基を有していてもよく、炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。アルキル基の置換基としてはハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、等が挙げられる。このようなアルキル基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、ヘキシル基、オクチル基、トリフルオロメチル基、カルボキシメチル基、メトキシカルボニルメチル基などが挙げられる。このようなR74のうち、水素原子、メチル基が好ましい。
一般式(3)中、Qで表されるアリール基は置換基を有していてもよく、炭素原子数6〜20のアリール基が好ましく、特に炭素原子数6〜12のアリール基が好ましい。アリール基の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基等が挙げられる。このようなアリール基の具体的な例としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、等が挙げられる。このようなアリール基のうち、無置換アリール基、又は、ハロゲン原子、アルキル基、若しくはアルコキシ基で置換されたアリール基が好ましく、特に無置換アリール基、又は、アルキル基で置換されたアリール基が好ましい。
一般式(3)のQで表される−COOR75中の、R75で表されるアルキル基は置換基を有していてもよく、炭素原子数1〜12のアルキル基が好ましく、特に炭素原子数1〜8のアルキル基が好ましい。アルキル基の置換基としてはハロゲン原子、アルケニル基、アリール基、水酸基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイル基等が挙げられる。このようなアルキル基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、2−ブロモプロピル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル基、ビシクロ〔3.2.1〕オクト−2−イル基、1−アダマンチル基、ジメチルアミノプロピル基、アセチルアミノエチル基、N,N−ジブチルアミノカルバモイルメチル基などが挙げられる。このようなアルキル基のうち、無置換アルキル基、又は、ハロゲン原子、アリール基、若しくは水酸基で置換されたアルキル基が好ましく、特に無置換アルキル基が好ましい。
一般式(3)のQで表される−COOR75中の、R75で表されるアリール基は置換基を有していてもよく、炭素原子数6〜20のアリール基が好ましく、特に炭素原子数6〜12のアリール基が好ましい。アリール基の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基等が挙げられる。このようなアリール基の具体的な例としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プロピオアミドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル基、等が挙げられる。このようなアリール基のうち、無置換アリール基、又は、ハロゲン原子、アルキル基、若しくはアルコキシ基で置換されたアリール基が好ましく、特にアルキル基で置換されたアリール基が好ましい。
このようなR75のうち、水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基が好ましく、特に、水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基が好ましい。
このような一般式(3)で表される構成単位を枝部に少なくとも有するグラフト型高分子の枝部の具体的な例としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリ−i−ブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレートとベンジル(メタ)アクリレートとの共重合体、メチル(メタ)アクリレートとスチレンとの共重合体、メチル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体、メチル(メタ)アクリレートとアクリロニトリルとの共重合体などが挙げられる。
一般式(3)で表される構成単位を枝部に少なくとも有するグラフト型高分子の合成には、公知のいずれの方法を用いてもよい。
具体的には、一般式(3)で表される構成単位を少なくとも有するマクロモノマーと、該マクロモノマーと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーと、の共重合が挙げられる。
一般式(3)で表される構成単位を少なくとも有するマクロモノマーのうち、好ましいものは下記一般式(4)で表されるものである。

一般式(4)中、R76は、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、Wは、単結合、又は、以下に示す連結基、若しくは以下に示す2価の基の任意の組合せで構成された連結基を表し、Aは、前記した一般式(3)で表される構成単位を有する基を表す。
上記連結基において、Z及びZは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、シアノ基、又はヒドロキシル基を表し、Zは水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、又は炭素原子数6〜20のアリール基を表す。
このような一般式(4)で表されるマクロモノマーの具体的な例としては、以下に示すものが挙げられる。
前記構造におけるAは、前記一般式(4)におけるAと同義である。
市販品として入手できるこのようなマクロモノマーとしては、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー(Mn=6,000、商品名:AA−6、東亜合成化学工業(株)製)及び片末端メタクリロイル化ポリ−n−ブチルアクリレートオリゴマー(Mn=6,000、商品名:AB−6、東亜合成化学工業(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー(Mn=6,000、商品名:AS−6、東亜合成化学工業(株)製)を挙げることができる。
上記マクロモノマーの分子量としては、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1,000〜20,000であるのが好ましく、2,000〜15,000であるのがより好ましい。上記数平均分子量が上記範囲内であると、顔料分散剤としての立体反発効果をより効果的に得ることができる。
上記に記載したマクロモノマーと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとしては、顔料の分散性、分散安定性を向上させるために、前記「顔料吸着ブロックを構成する単量体」を用いることが好ましい。また、その他の共重合成分として、前記「顔料に吸着しないブロックを構成する単量体」を共重合させてもよい。
上記グラフト型高分子の重量平均分子量は、特に制限されないが、好ましくは3,000〜100,000の範囲とすることが好ましく、5,000〜50,000の範囲がより好ましい。重量平均分子量が3,000以上であると、安定化効果をより効果的に得ることができ、また、重量平均分子量が100,000以下であると、より効果的に吸着して良好な分散性を発揮することができる。
前記グラフト型高分子の市販品としては、ソルスパース24000、同28000、同32000、同38500、同39000、同55000(以上ルーブリゾール社製)、Disperbyk−161、同−171、同−174(以上BYK Chemie社製)等が挙げられる。
(末端変性型高分子)
末端変性型高分子としては、例えば、特開平9−77994号公報や、特開2002−273191号公報などに記載されているポリマーの末端に官能基を有する高分子を挙げることができる。
ポリマーの末端に官能基を有する高分子を合成する方法は、特に限定されないが、例えば、以下の方法及びこれらを組み合わせた方法などを挙げることができる。
1.官能基含有の重合開始剤を用いて重合(例えば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合など)で合成する方法
2.官能基含有の連鎖移動剤を用いてラジカル重合で合成する方法
ここで導入する官能基は、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、水酸基及びイオン性官能基から選択される部位などが挙げられる。また、これらの吸着部位に誘導できる官能基であっても構わない。
ポリマー末端に官能基を導入できる連鎖移動剤としては、例えば、メルカプト化合物(例えばチオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、2−メルカプトニコチン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチル)カルバモイル〕プロピオン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチル)アミノ〕プロピオン酸、N−(3−メルカプトプロピオニル)アラニン、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−メカルプトプロパンスルホン酸、4−メルカプトブタンスルホン酸、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノール、メルカプトフェノール、2−メルカプトエチルアミン、2−メカルプルイミダゾール、2−メルカプト−3−ピリジノール、ベンゼンチオール、トルエンチオール、メルカプトアセトフェノン、ナフタレンチオール、ナフタレンメタンチオール等)又はこれらメルカプト化合物の酸化体であるジスルフィド化合物、及びハロゲン化合物(例えば、2−ヨードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパンスルホン酸など)が挙げられる。
また、ポリマー末端に官能基を導入できる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2−シアノプロパノール)、2,2’−アゾビス(2−シアノペンタノール)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸クロライド)、2,2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕、2,2’−アゾビス〔2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン〕、2,2’−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル〕プロパン}、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕等又はこれらの誘導体等が挙げられる。
重合に用いられるモノマーとしては、例えば、ラジカル重合性モノマーとしては、前記「顔料に吸着しないブロックを構成する単量体」を用いることができる。
上記の末端変性型高分子の分子量としては、重量平均分子量1,000〜50,000であることが好ましい。上記数平均分子量が1,000以上であると、顔料分散剤としての立体反発効果をより効果的に得ることができ、50,000以下であると、より効果的に立体効果を抑制し、顔料への吸着の時間をより短縮できる。
前記末端変性型高分子の市販品としては、ソルスパース3000、同17000、同27000(以上ルーブリゾール社製)等を挙げることができる。
分散剤としては、特定高分子化合物、グラフト型高分子、末端変性型高分子が好ましく、中でも有機色素構造あるいは複素環構造を有する単量体に由来する共重合単位を含有するグラフト型高分子、末端基として有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、又はウレタン基を有する末端変性型高分子が特に好ましい。
分散剤の添加量は、高分子分散剤の場合は、加工顔料に対して、0.5〜100質量%となるように添加することが好ましく、3〜100質量%がより好ましく、5〜80質量%が特に好ましい。顔料分散剤の量が前記範囲内であると、十分な顔料分散効果が得られる。ただし、分散剤の最適な添加量は、使用する顔料の種類、溶剤の種類などの組み合わせ等により適宜調整される。
顔料を被覆した特定高分子化合物と分散剤の比率は、特に制限されないが、分散剤が高分子分散剤である場合は(特定高分子化合物/分散剤)、10/90〜90/10質量比が好ましく、特に20/80〜80/20質量比が好ましい。
−顔料分散組成物の調製−
本発明の好ましい態様は、樹脂で被覆処理した加工顔料と溶剤とを、さらに必要によって、顔料誘導体、もしくは分散剤を分散してなる顔料分散組成物である。
本発明の加工顔料と溶剤とさらに必要によって分散剤、もしくはアルカリ可溶性樹脂を加えて混練、分散を行なう。分散は主として縦型もしくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等を使用し、0.01〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズで微分散処理し、顔料分散組成物を得る。ビーズ分散を行なう前に、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸もしくは2軸の押出機等を用いて、強い剪断力を与えながら混練分散処理を行なうことも可能である。
なお、混練、分散についての詳細は、T.C.Patton著”Paint Flow and Pigment Dispersion”(1964年 John Wiley and Sons社刊)等に記載されている。
本発明の顔料分散物は、カラーフィルタの製造に用いられる着色光硬化性組成物に好適に用いられる。
<着色感光性組成物>
本発明の着色感光性組成物は、既述の本発明の顔料分散組成物と、光重合性化合物と、光重合開始剤とを含んでなり、必要に応じてアルカリ可溶性樹脂を含んでいてもよい。なお、本発明の顔料分散組成物の詳細については既述の通りである。以下、各成分を詳述する。
本発明の感光性組成物は、例えば、既述の特定高分子化合物で被覆処理した加工顔料に光重合性化合物、及び光重合開始剤を(好ましくは溶剤と共に)含有させ、これに必要に応じて、アルカリ可溶性樹脂等の添加剤を混合し、各種の混合機、分散機を使用して混合分散する混合分散工程を経ることによって調製することができる。
〈光重合性化合物〉
光重合性化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましく、中でも4官能以上のアクリレート化合物がより好ましい。
前記少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号公報に記載のウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号公報に記載のポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートを挙げることができる。
更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の、前記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も用いることができる。
中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びこれらのアクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
光重合性化合物は、1種単独で用いる以外に、2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合性化合物の光硬化性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分100質量部に対して、3〜55質量部が好ましく、より好ましくは10〜50質量部である。光重合性化合物の含有量が前記範囲内であると、硬化反応が充分に行なえる。
〔光重合開始剤〕
本発明の着色感光性組成物を構成する光重合開始剤としては、例えば、特開平57−6096号公報に記載のハロメチルオキサジアゾール、特公昭59−1281号公報、特開昭53−133428号公報等に記載のハロメチル−s−トリアジン等活性ハロゲン化合物、米国特許第4318791号、欧州特許出願公開第88050等の各明細書に記載のケタール、アセタール、又はベンゾインアルキルエーテル類等の芳香族カルボニル化合物、米国特許第4199420号明細書に記載のベンゾフェノン類等の芳香族ケトン化合物、仏国特許発明第2456741号明細書に記載の(チオ)キサントン類又はアクリジン類化合物、特開平10−62986号公報に記載のクマリン類又はロフィンダイマー類等の化合物、特開平8−015521号公報等のスルホニウム有機硼素錯体等、等を挙げることができる。
本発明における光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾイル系、キサントン系、活性ハロゲン化合物(トリアジン系、オキサジアゾール系、クマリン系)、アクリジン系、ビイミダゾール系、オキシムエステル系等が好ましい。
前記アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン,1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−トリル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1などを好適に挙げることができる。
前記ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタールなどを好適に挙げることができる。
前記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノンを好適に挙げることができる。
前記ベンゾイン系又はベンゾイル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソプロピルエーテル、ゼンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベゾエート等を好適に挙げることができる。
前記キサントン系光重合開始剤としては、例えば、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、モノイソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン等を好適に挙げることができる。
前記活性ハロゲン化合物(トリアジン系,オキサジアゾール系,クマリン系)としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ビフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メチルビフェニル)−s−トリアジン、p−ヒドロキシエトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル−s−トリアジン、3,4−ジメトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−ベンズオキソラン−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン,2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾール,3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を好適に挙げることができる。
前記アクリジン系光重合開始剤としては、例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン等を好適に挙げることができる。
前記ビイミダゾール系光重合開始剤としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等を好適に挙げることができる。
上記以外に、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、O−ベンゾイル−4’−(ベンズメルカプト)ベンゾイル−ヘキシル−ケトキシム、2,4,6−トリメチルフェニルカルボニル−ジフェニルフォスフォニルオキサイド、ヘキサフルオロフォスフォロ−トリアルキルフェニルホスホニウム塩等が挙げられる。
本発明では、以上の光重合開始剤に限定されるものではなく、他の公知のものも使用することができる。例えば、米国特許第2,367,660号明細書に記載のビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に記載のα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に記載のアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に記載のトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物、J.C.S.Perkin II(1979)1653−1660、J.C.S.PerkinII(1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報記載のオキシムエステル化合物等が挙げられる。
また、これらの光重合開始剤を併用することもできる。
光重合開始剤の着色感光性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、0.1〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5.0質量%である。光重合開始剤の含有量がこの範囲内であると、重合反応を良好に進行させて強度の良好な膜形成が可能である。
〔アルカリ可溶性樹脂〕
本発明の着色感光性組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含有することが好ましい。着色感光性組成物にアルカリ可溶性樹脂を含有することで、該着色感光性組成物をフォトリソ法によるパターン形成に適用した際において、パターン形成性をより向上させることができる。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。このうち、更に好ましくは、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものである。
アルカリ可溶性樹脂の製造には、例えば、公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めるようにすることもできる。
線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましい。例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等であり、更に側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。
これらの中では、特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
この他、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合したもの等も有用なものとして挙げられる。
上記以外に、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の好適なものとしては、特に、(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が挙げられる。ここで(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸とを合わせた総称であり、以下も同様に(メタ)アクリレートはアクリレートとメタクリレートの総称である。
(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、前記ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、CH=CR、CH=C(R)(COOR)〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕等を挙げることができる。
これら共重合可能な他の単量体は、1種単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
好ましい共重合可能な他の単量体は、CH=CR、CH=C(R)(COOR)、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びスチレンから選択される少なくとも1種であり、特に好ましくは、CH=CR、及び/又は、CH=C(R)(COOR)である。
アルカリ可溶性樹脂の着色感光性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、1〜30質量%が好ましく、より好ましくは、1〜25質量%であり、特に好ましくは、2〜20質量%である。
〔溶剤〕
本発明の着色感光性組成物は、一般に、前述の各成分と共に溶剤を用いることで、好適に調製することができる。
用いられる溶剤としては、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル;3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン;等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が好適である。
溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
〔その他成分〕
本発明の着色感光性組成物には、必要に応じて、増感色素、エポキシ樹脂、フッ素系有機化合物、熱重合開始剤、熱重合成分、熱重合防止剤、充填剤、上記アルカリ可溶性樹脂以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの各種添加物を含有することができる。
〔増感色素〕
本発明の着色感光性組成物は、必要に応じて増感色素を添加してもよい。増感色素は、この増感色素が吸収しうる波長の露光により上記光重合開始剤のラジカル発生反応等や、それによる前記重合性化合物の重合反応が促進させることができる。
このような増感色素としては、公知の分光増感色素又は染料、又は光を吸収して光重合開始剤と相互作用する染料又は顔料が挙げられる。
(分光増感色素又は染料)
本発明に用いられる増感色素として好ましい分光増感色素又は染料は、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、フタロシアニン類(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)、ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)、クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)、金属錯体(例えば、下記化合物)、アントラキノン類、(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、等が挙げられる。

より好ましい分光増感色素又は染料の例を以下に例示する。
特公平37−13034号公報に記載のスチリル系色素;特開昭62−143044号公報に記載の陽イオン染料;特公昭59−24147号公報記載のキノキサリニウム塩;特開昭64−33104号公報記載の新メチレンブルー化合物;特開昭64−56767号公報記載のアントラキノン類;特開平2−1714号公報記載のベンゾキサンテン染料;特開平2−226148号公報及び特開平2−226149号公報記載のアクリジン類;特公昭40−28499号公報記載のピリリウム塩類;特公昭46−42363号公報記載のシアニン類;特開平2−63053号記載のベンゾフラン色素;特開平2−85858号公報、特開平2−216154号公報の共役ケトン色素;特開昭57−10605号公報記載の色素;特公平2−30321号公報記載のアゾシンナミリデン誘導体;特開平1−287105号公報記載のシアニン系色素;特開昭62−31844号公報、特開昭62−31848号公報、特開昭62−143043号公報記載のキサンテン系色素;特公昭59−28325号公報記載のアミノスチリルケトン;特開平2−179643号公報記載の色素;特開平2−244050号公報記載のメロシアニン色素;特公昭59−28326号公報記載のメロシアニン色素;特開昭59−89303号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−129257号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−334897号公報記載のベンゾピラン系色素が挙げられる。
(350〜450nmに極大吸収波長を有する色素)
増感色素の他の好ましい態様として、以下の化合物群に属しており、かつ、350〜450nmに極大吸収波長を有する色素が挙げられる。
例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)が挙げられる。
更に好ましい増感色素の例としては、下記一般式(XIV)〜(XVIII)で表される化合物が挙げられる。
(一般式(XIV)中、Aは硫黄原子又は−NR60−を表し、R60はアルキル基又はアリール基を表し、L01は隣接するA及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R61、R62はそれぞれ独立に水素原子又は1価の非金属原子団を表し、R61、R62は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。)
以下に、一般式(XIV)で表される化合物の好ましい具体例〔(F−1)〜(F−5)〕を示す。
(一般式(XV)中、Ar及びArはそれぞれ独立にアリール基を表し、−L02−による結合を介して連結している。ここで−L02−は−O−又は−S−を表す。また、Wは一般式(XIV)に示したものと同義である。)
一般式(XV)で表される化合物の好ましい例としては、以下のもの〔(F−6)〜(F−8)〕が挙げられる。
(一般式(XVI)中、Aは硫黄原子又は−NR69−を表し、L03は隣接するA及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R63、R64、R65、R66、R67及びR68はそれぞれ独立に1価の非金属原子団の基を表し、R69はアルキル基又はアリール基を表す。)
一般式(XVI)で表される化合物の好ましい例としては、以下のもの〔(F−9)〜(F−11)〕が挙げられる。
(一般式(XVII)中、A、Aはそれぞれ独立に−S−、又は−NR73−を表し、R73は置換若しくは非置換のアルキル基、又は置換若しくは非置換のアリール基を表し、L04、L05はそれぞれ独立に、隣接するA、A及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R71、R72はそれぞれ独立に1価の非金属原子団であり、互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成することもできる。)
一般式(XVII)で表される化合物の好ましい例としては、以下のもの〔(F−12)〜(F−15)〕が挙げられる。
また、そのほかに、本発明に用いられる好適な増感色素として、下記式(XVIII)で表されるものが挙げられる。
(一般式(XVIII)中、Aは置換基を有してもよい、芳香族環又はヘテロ環を表し、Xは酸素原子、硫黄原子、又は−N(R74)−を表し、Yは酸素原子、硫黄原子、又は=N(R74)を表す。R74、R75、R76は、それぞれ独立に、水素原子、又は1価の非金属原子団を表し、AとR74、R75、R76とは、それぞれ互いに結合して、脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。)
ここで、R74、R75、R76が1価の非金属原子団を表すとき、好ましくは、置換若しくは無置換の、アルキル基又はアリール基を表す。
次に、R74、R75、R76の好ましい例について具体的に述べる。好ましいアルキル基の例としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、及び環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
置換アルキル基の置換基としては、水素を除く1価の非金属原子団の基が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルオキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N−アルキルウレイド基、N,N−ジアルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N,N−ジアリールウレイド基、N−アルキル−N−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N−アルキル−N−アルキルウレイド基、N−アルキル−N−アリールウレイド基、N,N−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N,N−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N−アリール−N−アルキルウレイド基、N−アリール−N−アリールウレイド基、N,N−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N,N−ジアリール−N−アリールウレイド基、N−アルキル−N−アリール−N−アルキルウレイド基、N−アルキル−N−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SOH)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基(−PO)及びその共役塩基基(以下、ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))、ジアリールホスホノ基(−PO(aryl))、アルキルアリールホスホノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−POH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(以後、ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO(alkyl))、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO(aryl))、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基が挙げられる。
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、これらは更に置換基を有していてもよい。
また、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基等を挙げることができる。
ヘテロアリール基としては、窒素、酸素、硫黄原子の少なくとも一つを含有する単環、又は多環芳香族環から誘導される基が用いられ、特に好ましいヘテロアリール基中のヘテロアリール環の例としては、例えば、チオフェン、チアスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサジン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドイール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フェノキサジン、フラザン、フェノキサジン等が挙げられ、これらは、更にベンゾ縮環してもよく、また置換基を有していてもよい。
また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。アシル基(GCO−)におけるGとしては、水素、並びに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。これら置換基のうち、更により好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスホナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスホナト基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基、アリール基、アルケニル基、アルキリデン基(メチレン基等)が挙げられる。
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。
上記置換基とアルキレン基を組み合わせることにより得られるR74、R75、又はR76として好ましい置換アルキル基の具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトプロピル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナトブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナトヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げることができる。
74、R75、又はR76として好ましいアリール基の具体例としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
74、R75、又はR76として好ましい置換アリール基の具体例としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、(水素原子以外の)1価の非金属原子団の基を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、並びに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。このような、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基、ジエチルホスホノフェニル基、ジフェニルホスホノフェニル基、メチルホスホノフェニル基、メチルホスホナトフェニル基、トリルホスホノフェニル基、トリルホスホナトフェニル基、アリルフェニル基、1−プロペニルメチルフェニル基、2−ブテニルフェニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基、等を挙げることができる。
なお、R75、及びR76の更に好ましい例としては、置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられる。また、R74の更に好ましい例としては、置換若しくは無置換のアリール基が挙げられる。その理由は定かではないが、このような置換基を有することで、光吸収により生じる電子励起状態と開始剤化合物との相互作用が特に大きくなり、開始剤化合物のラジカル、酸又は塩基を発生させる効率が向上するためと推定される。
次に、一般式(XVIII)におけるAについて説明する。Aは置換基を有してもよい、芳香族環又はヘテロ環を表し、置換基を有してもよい、芳香族環又はヘテロ環の具体例としては、一般式(XVIII)におけるR74、R75、又はR76についての前述の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
中でも、好ましいAとしては、アルコキシ基、チオアルキル基、アミノ基を有するアリール基が挙げられ、特に好ましいAとしてはアミノ基を有するアリール基が挙げられる。
次に、本発明に用いられる一般式(XVIII)で表される化合物の好ましい態様である、一般式(XVIII−1)で表される化合物について説明する。
上記一般式(XVIII−1)中、Aは置換基を有してもよい、芳香族環又はヘテロ環を表し、Xは酸素原子、硫黄原子、又は−N(R74)−を表す。R74、R77、R78は、それぞれ独立に、水素原子又は、1価の非金属原子団であり、AとR74、R77、R78は、それぞれ互いに、脂肪族性又は芳香族性の環を形成するために結合することができる。Arは、置換基を有する、芳香族環又はヘテロ環を表す。但し、Ar骨格上の置換基は、そのハメット値の総和が0より大きいことを要する。ここでハメット値の総和が0より大きいとは、1つの置換基を有し、その置換基のハメット値が0より大きいものであってもよく、複数の置換基を有し、それらの置換基におけるハメット値の総和が0より大きいものであってもよい。
一般式(XVIII−1)中、A及びR74は一般式(XVIII)におけるものと同義であり、R77は一般式(XVIII)におけるR75と、R78は一般式(XVIII)におけるR76と同義である。また、Arは、置換基を有する、芳香族環又はヘテロ環を表し、一般式(XVIII)におけるAと同義である。
ただし、一般式(XVIII−1)におけるArに導入可能な置換基としては、ハメット値の総和が0以上であることが必須であり、そのような置換基の例としては、トリフルオロメチル基、カルボニル基、エステル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホキシド基、アミド基、カルボキシル基等を挙げることができる。これら置換基のハメット値を以下に示す。トリフルオロメチル基(−CF、m:0.43、p:0.54)、カルボニル基(例えば−COHm:0.36、p:0.43)、エステル基(−COOCH、m:0.37、p:0.45)、ハロゲン原子(例えばCl、m:0.37、p:0.23)、シアノ基(−CN、m:0.56、p:0.66)、スルホキシド基(例えば−SOCH、m:0.52、p:0.45)、アミド基(例えば−NHCOCH、m:0.21、p:0.00)、カルボキシル基(−COOH、m:0.37、p:0.45)等が挙げられる。かっこ内は、その置換基のアリール骨格における導入位置と、そのハメット値を表し、(m:0.50)とは、当該置換基がメタ位に導入された時のハメット値が0.50であることを示す。このうち、Arの好ましい例としては置換基を有するフェニル基を挙げることができ、Ar骨格上の好ましい置換基としてはエステル基、シアノ基が挙げられる。置換の位置としてはAr骨格上のオルト位に位置していることが特に好ましい。
以下に、本発明に係る一般式(XVIII)で表される増感色素の好ましい具体例〔例示化合物(F1)〜例示化合物(F56)〕を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。











本発明に適用可能な前記増感色素の中でも、前記一般式(XVIII)で表される化合物が、深部硬化性の観点から好ましい。
上記の増感色素に関しては、本発明の着色感光性組成物の特性を改良する目的で、以下のような種々の化学修飾を行うことが可能である。例えば、増感色素と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させることで、架橋硬化膜の高強度化や、架橋硬化膜からの色素の不要な析出抑制効果向上を得ることができる。
増感色素の含有量は、着色感光性組成物の全固形分に対し、0.01〜20質量%が好ましく、より好ましくは、0.01〜10質量%であり、更に好ましくは0.1〜5質量%である。
増感色素の含有量がこの範囲であることで、超高圧水銀灯の露光波長に対して高感度であり、膜深部硬化性が得られると共に、現像マージン、パターン形成性の点で好ましい。
(エポキシ樹脂)
本発明の着色感光性組成物は、形成された塗膜の強度を上げるために、熱重合成分として、エポキシ樹脂を用いることができる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などのエポキシ環を分子中に2個以上有する化合物である。
例えば、ビスフェノールA型としては、エポトートYD−115、YD−118T、YD−127、YD−128、YD−134、YD−8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上東都化成製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上ナガセ化成製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上ダイセル化学製)の他に、これらの類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型も挙げることができる。また、Ebecryl 3700、3701、600(以上ダイセルユーシービー製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。
クレゾールノボラック型としては、エポトートYDPN−638、YDPN−701、YDPN−702、YDPN−703、YDPN−704など(以上東都化成製)、デナコールEM−125など(以上ナガセ化成製)、ビフェニル型としては、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’−ジグリシジルビフェニルなど、脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上ダイセル化学製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上東都化成製)、Epiclon430、同673、同695、同850S、同4032(以上大日本インキ製)などを挙げることができる。
また、1,1,2,2−テトラキス(p−グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(p−グリシジルオキシフェニル)メタン、トリグリシジルトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、o−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
この中で好ましいのは「分子量/エポキシ環の数」が100以上であり、より好ましいものは130〜500である。「分子量/エポキシ環の数」が小さいと硬化性が高く、硬化時の収縮が大きく、また、大きすぎると硬化性が不足し、信頼性に欠けたり、平坦性が悪くなる。
具体的な好ましい化合物としては、エポトートYD−115、118T、127、YDF−170、YDPN−638、YDPN−701、プラクセルGL−61、GL−62、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニル、セロキサイド2021、2081、エポリードGT−302、GT−403、EHPE−3150などが挙げられる。
(フッ素系有機化合物)
本発明の着色感光性組成物は、フッ素系有機化合物を含有することで、塗布液としたときの液特性(特に、流動性)を向上させ、塗布厚の均一性や省液性を改善することができる。
すなわち、フッ素系有機化合物を含有する着色感光性組成物は、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させて被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上するため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成が可能である点で有効である。
フッ素系有機化合物中のフッ素含有率は3〜40質量%が好適であり、より好ましくは5〜30質量%であり、特に好ましくは7〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であると、塗布厚均一性や省液性の点で効果的であり、組成物中への溶解性も良好である。
フッ素系有機化合物としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)等が挙げられる。
フッ素系有機化合物は、特に、本発明の着色感光性組成物を用い、薄い塗膜を形成する際、塗布ムラや厚みムラの防止に効果的である。また、更には、液切れを起こしやすいスリット塗布に本発明の着色感光性組成物を適用する際も効果的である。
フッ素系有機化合物の添加量は、着色感光性組成物の全質量に対して、0.001〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜1.0質量%である。
(熱重合開始剤)
本発明の着色感光性組成物には、熱重合開始剤を含有させることも有効である。
熱重合開始剤としては、例えば、各種のアゾ系化合物、過酸化物系化合物が挙げられる。
前記アゾ系化合物としては、アゾビス系化合物を挙げることができ、前記過酸化物系化合物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどを挙げることができる。
(界面活性剤)
本発明の着色感光性組成物には、塗布性を改良する観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、前述のフッ素系界面活性剤の他に、ノニオン系、カチオン系、アニオン系の各種界面活性剤を使用できる。
中でも、前記のノニオン系界面活性剤でパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤や、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤の具体例としては、大日本インキ化学工業(株)製のメガファック(登録商標)シリーズ、3M社製のフロラード(登録商標)シリーズなどが挙げられる。
また、カチオン系界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(森下産業社製))、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業社製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業社製)、W001(裕商社製)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1等が挙げられる。
更に、アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商社製)等が挙げられる。
(その他の添加剤)
上記以外に、本発明の着色感光性組成物には各種の添加物を添加することができる。
添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの、アルコール可溶性ナイロン、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから形成されたフェノキシ樹脂などのアルカリ可溶の樹脂;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上森下産業社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(ゼネカ社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化社製)及びイソネットS−20(三洋化成社製);2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;及びポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤等がある。
また、未硬化部のアルカリ溶解性を促進し、着色感光性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、本発明の着色感光性組成物に、有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸を添加することが好ましい。
具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
更に、本発明の着色感光性組成物には、熱重合防止剤を添加してもよい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
本発明の着色感光性組成物は、既述の本発明の顔料分散組成物に対し、重合性化合物、及び光重合開始剤、更には、必要に応じて、アルカリ可溶性樹脂や溶剤、界面活性剤等の添加剤を加えることで、調製することができる。
本発明の着色感光性組成物は、例えば、カラーフィルタの着色領域を形成するために用いられる等、種々の目的で用いられる。
<カラーフィルタ>
本発明のカラーフィルタは、基板上に、前述の本発明の着色感光性組成物を用いてなる着色領域を有することを特徴とする。ここで、着色領域とは、2色、3色或いは4色の着色パターン(画素部)と、ブラックマトリクスと、の両方を含むものである。
本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。
まず、本発明の着色感光性組成物を、直接又は他の層を介して基板上に、回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布、バー塗布等の塗布方法により塗布して、着色感光性組成物からなる塗膜を形成する(塗布工程)。その後、塗膜に対し、所定のマスクパターンを介して露光を行う(露光工程)。露光後、塗膜の未硬化部を現像液で現像除去する(現像工程)。これらの工程を経ることで、各色(3色或いは4色)の画素からなる着色パターンが形成され、カラーフィルタを得ることができる。
このような方法により、液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタをプロセス上の困難性が少なく、高品質で、かつ、低コストに作製することができる。
以下、各工程について詳細に説明する。
〔塗布工程〕
まず、塗布工程で用いられる基板について説明する。
本発明のカラーフィルタに用いられる基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えば、シリコーン基板や、プラスチック基板が挙げられる。
これらの基板上には、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていたり、密着促進等のために透明樹脂層が設けられたりしていてもよい。
また、プラスチック基板は、その表面に、ガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。
この他に、薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板(以下、「TFT方式液晶駆動用基板」という。)を用い、この駆動用基板上にも、本発明の着色感光性組成物を用いてなる着色パターンを形成し、カラーフィルタを作製することができる。
TFT方式液晶駆動用基板における基板としては、例えば、ガラス、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。例えば、TFT方式液晶駆動用基板の表面に、窒化ケイ素膜等のパッシベーション膜を形成した基板を用いることができる。
塗布工程において、本発明の着色感光性組成物を基板に塗布する方法としては、特に限定されるものではないが、スリット・アンド・スピン法、スピンレス塗布法等のスリットノズルを用いる方法(以下、スリットノズル塗布法という)が好ましい。
スリットノズル塗布法において、スリット・アンド・スピン塗布法とスピンレス塗布法は、塗布基板の大きさによって条件は異なるが、例えば、スピンレス塗布法により第五世代のガラス基板(1100mm×1250mm)を塗布する場合、スリットノズルからの着色感光性組成物の吐出量は、通常、500〜2000マイクロリットル/秒、好ましくは800〜1500マイクロリットル/秒であり、また、塗工速度は、通常、50〜300mm/秒、好ましくは100〜200mm/秒である。
また、塗布工程で用いられる着色感光性組成物の固形分としては、通常、10〜20%、好ましくは13〜18%である。
基板上に本発明の着色感光性組成物による塗膜を形成する場合、該塗膜の厚み(プリベーク処理後)としては、一般に0.3〜5.0μmであり、望ましくは0.5〜4.0μm、最も望ましくは0.5〜3.0μmである。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタの場合であれば、塗膜の厚み(プリベーク処理後)は、0.5〜5.0μmの範囲が好ましい。
塗布工程において、通常は、塗布後にプリベーク処理を施す。必要によっては、プリベーク前に真空処理を施すこともできる。
真空乾燥の条件は、真空度が、通常、0.1〜1.0torr、好ましくは0.2〜0.5torr程度である。
また、プリベーク処理は、ホットプレート、オーブン等を用いて50〜140℃の温度範囲で、好ましくは70〜110℃程度であり、10〜300秒の条件にて行なうことができる。なお、プリベーク処理には、高周波処理などを併用してもよい。高周波処理は単独でも使用可能である。
〔露光工程〕
露光工程では、前述のようにして形成された着色感光性組成物からなる塗膜に対し、所定のマスクパターンを介して露光を行う。
露光の際に使用される放射線としては、特に、g線、h線、i線、j線等の紫外線が好ましい。
なお、液晶表示装置用のカラーフィルタを製造する際には、プロキシミテイ露光機、ミラープロジェクション露光機により、主として、h線、i線を使用した露光が好ましく用いられる。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する際には、ステッパー露光機にて、主として、i線を使用することが好ましい。
なお、TFT方式液晶駆動用基板を用いてカラーフィルタを製造する際には、用いられるフォトマスクは、画素(着色パターン)を形成するためのパターンの他、スルーホール或いはコの字型の窪みを形成するためのパターンが設けられているものが使用される。
〔現像工程〕
現像工程では、露光後の塗膜の未硬化部を現像液に溶出させ、硬化分のみを基板上に残存させる。
現像温度としては、通常20〜30℃であり、現像時間としては20〜90秒である。
現像液としては、未硬化部における着色感光性組成物の塗膜を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。
具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
現像に用いられる有機溶剤としては、本発明の着色感光性組成物を調製する際に使用できる既述の溶剤が挙げられる。
また、アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。
アルカリ性水溶液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
現像方式は、デイップ方式、シャワー方式、スプレー方式などいずれでもよく、これにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせてもよい。現像液に触れる前に、被現像面を予め水等で湿しておいて、現像むらを防ぐこともできる。また、基板を傾斜させて現像することもできる。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する場合にはパドル現像も用いられる。
現像処理後は、余剰の現像液を洗浄除去するリンス処理を経て、乾燥を施した後、硬化を完全なものとするために、加熱処理(ポストベーク)が施される。
リンス工処理は通常は純水で行うが、省液のために、最終洗浄で純水を用い、洗浄初期は使用済の純水を使用したり、また、基板を傾斜させて洗浄したり、超音波照射を併用したりする方法を用いてもよい。
リンス処理後、水切り、乾燥をした後に、通常、約200℃〜250℃の加熱処理を行なう。
この加熱処理(ポストベーク)は、現像後の塗膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式或いはバッチ式で行なうことができる。
以上の各工程を、所望の色相数に合わせて各色毎に順次繰り返し行なうことにより、複数色の着色された硬化膜(着色パターン)が形成されてなるカラーフィルタを作製することができる。
本発明の着色感光性組成物の用途としては、主に、カラーフィルタの着色パターンへの用途を中心に説明したが、カラーフィルタを構成する着色パターン(画素)を隔離するブラックマトリックスの形成にも適用することができる。
基板上のブラックマトリックスは、カーボンブラック、チタンブラックなどの黒色顔料の加工顔料を含有する着色硬化性組成物を用い、塗布、露光、及び現像の各工程を経て、その後、必要に応じて、ポストベークすることにより形成することができる。
<液晶表示素子、固体撮像素子>
本発明の液晶表示素子及び固体撮像素子は、本発明のカラーフィルタを備えてなるものである。より具体的には、例えば、カラーフィルタの内面側に配向膜を形成し、電極基板と対向させ、間隙部に液晶を満たして密封することにより、本発明の液晶表示素子であるパネルが得られる。また、例えば、受光素子上にカラーフィルタを形成することにより、本発明の固体撮像素子が得られる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
なお、以下の実施例中で用いる化合物について下記に示す。
D−1:M−1/A−1/MAA=20/65/15 質量%、重量平均分子量 2.3万、酸価 100mgKOH/gの重合体
D−2:M−2/A−1/BzMA/MAA=10/58/20/12 質量%、重量平均分子量 2.3万、酸価 100mgKOH/gの重合体
D−3:ルーブリゾール社製「ソルスパース 24000」
D−4:St/MAA=75/15 質量%、重量平均分子量 2.0万、酸価 100mgKOH/gの重合体
D−5:M−1/BzMA/MAA=20/65/15 質量%、重量平均分子量 2.0万、酸価 100mgKOH/gの重合体
D−6:St/A−1/MAA=30/55/15 質量%、重量平均分子量 2.5万、酸価 100mgKOH/gの重合体
A−1:末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート(数平均分子量6,000)
MAA:メタクリル酸
BzMA:ベンジルメタクリレート
St:スチレン
[実施例1、比較例1]
(特定高分子化合物P−1の合成)
M-1 27.0g、MMA 126.0g、MAA 27.0g、及び1-メトキシ-2-プロパノール 420.0gを

N-1(後述)5.0g、MMA37.5g、MAA7.5g、及び1-メトキシ-2-プロパノール166.7gを、窒素置換した三口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して90℃まで昇温する。これに2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬(株)製V−65)を1.69g加え、90℃にて2時間加熱攪拌を行った。2時間後、さらにV−65を1.69g加え、3時加熱攪拌の後、特定高分子化合物P−1の30%溶液を得た。
得られた重合体の重量平均分子量を、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、18000であった。
また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、特定高分子化合物の固形分あたりの酸価は、98mgKOH/gであった。
(特定高分子化合物P−2〜P−12の合成)
表1に従った組成で、上記特定高分子化合物P−1と同様にして特定高分子化合物P−3〜P−12を合成した。
なお、上記N−1、及び表1中のN−1〜N−4は、各々、下記具体例(N−1)〜(N−4)で表される構造単位を形成しうるモノマーを示している。

各単量体の略称は以下の通りである。
MAA:メタクリル酸
MMA:メチルメタクリレート
BzMA:ベンジルメタクリレート
(顔料加工の作製)
表2〜表7に従って、顔料 50g、塩化ナトリウム 500g、高分子化合物の溶液 25g、及びジエチレングリコール100gをステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、9時間混練した。次に、この混合物を約3リットルの水中に投入し、ハイスピードミキサーで約1時間撹拌した後に、ろ過、水洗して塩化ナトリウム及び溶剤を除き、乾燥して高分子化合物で被覆された加工顔料を得た。
(加工顔料の平均1次粒子径の測定)
得られた加工顔料の平均1次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察し、粒子が凝集していない部分で粒子サイズを100個計測し、平均値を算出することによって求めた。
(顔料の被覆度の評価)
得られた加工顔料10gを1−メトキシ−2−プロパノール 100mL中に投入し、振とう機にて室温で3時間、振とうさせた。その後、遠心分離機にて、80,000rpm、8時間かけて顔料を沈降させた。上澄み液部分の固形分を乾燥法から求めた。顔料から遊離した高分子化合物の量を求め、処理に使用した高分子化合物との比から、遊離率(%)を算出した。遊離率は小さいほど顔料への被覆度が高い。










なお、表2〜表7に記載の顔料、及び高分子化合物の詳細は、以下の通りである。
−顔料−
PR254;C.I.ピグメント・レッド254
PR177;C.I.ピグメント・レッド177
PG36;C.I.ピグメント・グリーン36
PY150;C.I.ピグメント・エロー150
PB15:6;C.I.ピグメント・ブルー15:6
PV23;C.I.ピグメント・バイオレット23
−高分子化合物−
Q−1;メチルメタクリレート/メタクリル酸=85/15質量%の共重合体で重量平均分子量 2万、酸価98mgKOH/g
Q−2;水素添加ロジンエステル(荒川化学社製「エステルガムHP」)
Q−3;トリメチロールプロパントリアクリレート
Q−4;シクロヘキシルメタクリレート/メタクリル酸=85/15質量%の共重合体で重量平均分子量 2万、酸価98mgKOH/g
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、遊離率が低い加工顔料であることがわかる。
[実施例2、比較例2]
<顔料分散組成物の調製>
表8の組成に従って、下記組成(1)の成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液を調製した。
〔組成(1)〕
・加工顔料(表8記載の加工顔料) 95部
・誘導体A(下記構造[化35]) 5部
・分散剤(表8記載の分散剤の30%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液)
(表8記載の量)
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 750部
続いて、上記より得られた混合溶液を、さらに0.3mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ディスパーマット(GETZMANN社製)にて6時間分散処理を行ない、その後さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2,000kg/cmの圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、表8の顔料分散組成物を得た。
なお、表8中、加工顔料の欄に示されるR−1〜R−9は、表2に示される加工顔料R−1〜R−9に各々対応する。
(顔料分散組成物の評価)
得られた顔料分散組成物について下記の評価を行った。結果を表8に示す。
(1)粘度の測定、評価
得られた顔料分散組成物について、E型粘度計(20rpm、30℃、東京計器社製社製)を用いて、分散直後の顔料分散組成物の粘度(初期粘度)η1、及び分散後(室温にて)1週間経過した後の顔料分散組成物の粘度η2を測定し、増粘の程度を評価した。ここで、粘度が低いことは、分散剤に起因する粘度の上昇が抑制されており、顔料の分散性及び分散安定性が良好であることを示す。
(2)コントラストの測定、評価
得られた顔料分散組成物をガラス基板上に塗布し、乾燥後の塗布膜の厚さが1μmになるようにサンプルを作製した。2枚の偏光板の間に、塗布した基板を置き、偏光板が平行時の輝度と直行時の輝度を(BM−5 トプコン社製)にて測定し、コントラスト=平行時の輝度/直行時の輝度で求めた。コントラストが高いことは、顔料が高度に微細化された状態で均一に分散されているため、透過率すなわち着色力が高いことを示す。
(3)析出性の評価
100mm×100mmのガラス基板(商品名:1737 コーニング社製)上に得られた顔料分散組成物を膜厚2.0μmとなるように塗布し、90℃のオーブンで60秒乾燥した。その後、塗布膜を230℃のオーブンで30分間加熱処理(ポストベーク)を施し、光学顕微鏡(オリンパス社製)にて、倍率100で硬化膜上の析出物の有無を確認した。ポストベーク処理を繰り返して、その都度観察した。点数が高いほど、析出しにくく、着色パターンの透明性が良好なことを示す。
4:ポストベーク4回目で析出物の発生
3:ポストベーク3回目で析出物の発生
2:ポストベーク2回目で析出物の発生
1:ポストベーク1回目で析出物の発生

上記結果より、本実施例は、比較例に比べ、コントラストが高く、ポストベークで析出しにくく、また経時での増粘が小さい顔料分散組成物であることがわかる。
<顔料分散組成物の調製>
表9の組成に従って、下記組成(2)の成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液を調製した。
〔組成(2)〕
・加工顔料(表9記載の加工顔料) 100部
・分散剤(表9記載の分散剤の30% 1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液)
(表9記載の量)
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 750部
続いて、上記より得られた混合溶液を、さらに0.3mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ディスパーマット(GETZMANN社製)にて6時間分散処理を行ない、その後さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2,000kg/cmの圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、表9の顔料分散組成物を得た。
なお、表9中、加工顔料の欄に示されるG−1〜G−5、及びB−1〜B−6は、各々表4に示されるG−1〜G−5、及び表6に示される加工顔料B−1〜R−6に各々対応する。
<顔料分散組成物の評価>
得られた顔料分散組成物について下記の評価を行った。実験方法、評価方法は、組成(1)と同じである。結果を表9に示す。
(1)粘度の測定、評価
(2)コントラストの測定、評価
(3)析出性の評価


色相によってコントラストの絶対値は異なるので、グリーン同志、ブルー同志で比較する。上記結果より、本実施例では、比較例に比べ、感光性組成物は経時での増粘が抑えられ、コントラストが高く、またポストベークで析出しにくいことがわかる。
[実施例3、比較例3]
<顔料分散組成物の調製>
下記組成(3)の成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液を調製した。
〔組成(3)〕
・加工顔料(表10記載の加工顔料) 120部
・分散剤(表10に記載の分散剤の30% 1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液) 250部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 750部
なお、表10中、加工顔料の欄に示されるB−1〜B−8は、表6に示される加工顔料B−1〜B−7に各々対応する。また、表10中、加工顔料の欄に示されるG−2〜G−6は、表4に示される加工顔料G−2〜G−6に各々対応する。また、表10中、加工顔料の欄に示されるR−1〜R−8は、表2に示される加工顔料R−1〜R−8に各々対応する。
続いて、上記より得られた混合溶液を、さらに0.3mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ディスパーマット(GETZMANN社製)にて6時間分散処理を行ない、その後さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2,000kg/cmの圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、表10の顔料分散組成物を得た。

<着色感光性組成物の調製>
得られた顔料分散組成物を用いて、下記の着色感光性組成物を作製した。
・顔料分散液(表11記載の顔料分散液) 2000部
・ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート 80部
(光重合性化合物)
・4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン 30部
(光重合開始剤)
・メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸(=75/25[質量比])共重合体
(重量平均分子量:12,000)のプロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート溶液(固形分30%) 300部
(アルカリ可溶性樹脂)
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート(溶剤) 390部
<着色感光性組成物を用いたカラーフィルタの調製>
得られた着色感光性組成物(カラーレジスト液)を、100mm×100mmのガラス基板(1737、コーニング社製)上に、実施例3−1から3−10及び比較例3−1および3−2は色濃度の指標となるx値が0.650となるように塗布し、実施例3−11、12及び比較例3−3および3−4は色濃度の指標となるy値が0.600となるように塗布し、また実施例3−13,14及び比較例3−5および3−6は色濃度の指標となるy値が0.100となるように塗布し、90℃のオーブンで60秒間乾燥させた(プリベーク)。その後、塗膜の全面に200mJ/cmにて(照度20mW/cm)露光し、露光後の塗膜をアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液にて覆い、60秒間静止した。静止後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した。そして、上記のように露光及び現像が施された塗膜を220℃のオーブンで1時間加熱処理し(ポストベーク)、ガラス基板上にカラーフィルタ用の着色パターン(着色樹脂被膜)を形成し、着色フィルタ基板(カラーフィルタ)を作製した。
<カラーフィルタの評価>
作製した着色フィルタ基板(カラーフィルタ)について、以下のようにして評価を行なった。結果を表11に示す。
(1)コントラスト
上記で得られた着色フィルタ基板の着色樹脂被膜の上に偏光板を置いて着色樹脂被膜を挟み込み、偏光板が平行時の輝度と直交時の輝度とをトプコン社製のBM−5を用いて測定し、平行時の輝度を直交時の輝度で除して得られる値(=平行時の輝度/直交時の輝度)を、コントラストを評価するための指標とした。値が大きいほど高コントラストであることを示す。
(2)アルカリ現像液可溶性
アルカリ現像液(商品名:CDK−1、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の10%水溶液100gを150mlビーカーに計りとる。この溶液に100mm×100mmのガラス基板(商品名:1737 コーニング社製)上に前記光硬化性組成物を膜厚2.5μmとなるように塗布し、90℃のオーブンで60秒乾燥(プリベーク)したガラス基板を、25mm×100mmとなるようにガラスを切断し、うち2枚を塗布面が外側となるよう重ね合わせ、あらかじめ準備した現像液中に浸しては、抜き上げする上下動作を20回繰り返し、未硬化膜の溶解性とアルカリ現像液中の懸濁物の有無を目視判断した。点数が高いほど、アルカリ溶解性は良好である。
*判定法
5:上下動1〜10回で未硬化膜が完溶、かつ、アルカリ現像液中の懸濁物なし
4:上下動11〜20回で未硬化膜が完溶、かつ、アルカリ現像液中の懸濁物なし
3:上下動1〜10回で未硬化膜が完溶するが、アルカリ現像液中に懸濁物あり
2:上下動11〜20回で未硬化膜が完溶するが、アルカリ現像液中に懸濁物あり
1:上下動20回でも未硬化膜が不溶
(3)析出性評価
100mm×100mmのガラス基板(商品名:1737 コーニング社製)上に光硬化性組成物を膜厚2.0μmとなるように塗布し、90℃のオーブンで60秒乾燥(プリベーク)した。その後、20μmの線幅をもつマスクで100mJ/cmの露光(照度は20mW/cm)をし、アルカリ現像液(商品名:CDK−1、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液を用いて25℃で現像した。
以上のように、光硬化処理及び現像処理を施した塗布膜を230℃のオーブンで30分間加熱処理(ポストベーク)を施し、光学顕微鏡にてパターン上の析出の有無を確認した。これをさらに3回繰り返し同様の評価をした。点数が高いほど、析出しにくいことを示す。
ポストベーク4回目で析出:4
ポストベーク3回目で析出:3
ポストベーク2回目で析出:2
ポストベーク1回目で析出:1

テスト水準によってカラーフィルタの色相が異なっている。特にコントラストは異なる色相間では比較できない。このため同一色相間で、即ちDR同志、DG同志、DB同志で比較することになる。上結果から、本実施例では、比較例に比べ、コントラストが高く、アルカリ現像液可溶性が良好で、またポストベークで析出しにくいカラーフィルターであることがわかる。
[実施例4、比較例4]
<顔料分散組成物の調製>
下記組成(4)の成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液を調製した。
〔組成(4)〕
・加工顔料(表12記載の加工顔料) 110部
・分散剤D−3(30% 1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液) 250部
・顔料誘導体B(下記構造の〔化36〕) 20部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 750部
続いて、上記より得られた混合溶液を、さらに0.3mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ディスパーマット(GETZMANN社製)にて6時間分散処理を行ない、その後さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cmの圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、表12の顔料分散組成物を得た。


<着色感光性組成物の調製>
得られた顔料分散組成物を用いて、下記の着色感光性組成物を作製した。
・顔料分散液(表13記載の顔料分散液) 2100部
・ジペンタエリスリトールペンタヘキサアクリレート 90部
(光重合性化合物)
・4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン 30部
(光重合開始剤)
・メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸(=75/25[質量比])共重合体
(重量平均分子量:10,000)のプロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート溶液(固形分30%) 300部
(アルカリ可溶性樹脂)
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート(溶剤) 390部
<着色感光性組成物を用いたカラーフィルタの調製>
得られた着色感光性組成物(カラーレジスト液)を、100mm×100mmのガラス基板(1737、コーニング社製)上に、実施例4−1から4−3及び比較例4−1および4−2は色濃度の指標となるx値が0.650となるように塗布し、実施例4−4から4−6及び比較例4−3および4−4は色濃度の指標となるy値が0.600となるように塗布し、また実施例4−7から4−9および比較例4−5および4−6は色濃度の指標となるy値が0.100となるように塗布し、90℃のオーブンで60秒間乾燥させた(プリベーク)。その後、塗膜の全面に200mJ/cmにて(照度20mW/cm)露光し、露光後の塗膜をアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液にて覆い、60秒間静止した。静止後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した。そして、上記のように露光及び現像が施された塗膜を220℃のオーブンで1時間加熱処理し(ポストベーク)、ガラス基板上にカラーフィルタ用の着色パターン(着色樹脂被膜)を形成し、着色フィルタ基板(カラーフィルタ)を作製した。
<カラーフィルタの評価>
作製した着色フィルタ基板(カラーフィルタ)について、コントラストとアルカリ現像液可溶性は前述と同様にして評価を行なった。結果を表13に示す。
(1)コントラスト
(2)アルカリ現像液可溶性
(3)電圧保持率
ITO電極付きのガラス基板(商品名:1737 コーニング社製)上に光硬化性組成物を膜厚2.0μmとなるように塗布し、90℃のオーブンで60秒乾燥(プリベーク)した。その後、マスクを介さずに100mJ/cmの露光(照度は20mW/cm)をし、アルカリ現像液(商品名:CDK−1、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液を用いて25℃で現像し、塗布膜を230℃のオーブンで30分間加熱処理(ポストベーク)を施した。次いで、この画素を形成した基板とITO電極を所定形状に蒸着しただけの基板とを、5μmのガラスビーズを混合したシール剤で貼り合わせたのち、メルク(株)社製液晶MJ971189(商品名)を注入して、液晶セルを作製した。
次いで、液晶セルを70℃の恒温層に48時間入れた後、液晶セルの電圧保持率を、東陽テクニカ(株)製液晶電圧保持率測定システムVHR−1A型(商品名)により測定した。点数が高いほど、電圧保持率が高く良好な電気特性を示す。
測定条件
・電極間距離 :約5μm
・印加電圧パルス振幅 :5V
・印加電圧パルス周波数:60Hz
・印加電圧パルス幅 :16.67msec
*電圧保持率:16.7ミリ秒後の液晶セル電位差/0ミリ秒で印加した電圧の値
*判定法
90%以上 :5
85〜90%未満 :4
80〜85%未満 :3
75〜80%未満 :2
75%未満 :1


テスト水準によってカラーフィルタの色相が異なっている。特にコントラストは異なる色相間では比較できない。このため同一色間で、即ちDL同志、DY同志、DV同志で比較することになる。上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、コントラストが高く、アルカリ現像液可溶性が良好で、また電圧保持率が高いカラーフィルターであることがわかる。
[実施例5、比較例5]
<着色感光性組成物の調製>
先に得られた顔料分散組成物を用いて、下記の着色感光性組成物を作製した。
・顔料分散液A(表14A欄に記載の顔料分散組成物) 2000部
・顔料分散液B(表14B欄に記載の顔料分散組成物) 1000部
・ジペンタエリスリトールペンタヘキサアクリレート 120部
(光重合性化合物)
・4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン 50部
(光重合開始剤)
・メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸(=75/25[質量比])共重合体
(重量平均分子量:10,000)のプロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート溶液(固形分30%) 300部
(アルカリ可溶性樹脂)
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート(溶剤) 390部
<着色感光性組成物を用いたカラーフィルタの調製>
得られた着色感光性組成物(カラーレジスト液)を、100mm×100mmのガラス基板(1737、コーニング社製)上に、実施例5−1、5−2及び比較例5−1は色濃度の指標となるx値が0.650となるように塗布し、実施例5−3、5−4及び比較例5−2は色濃度の指標となるy値が0.600となるように塗布し、また実施例5−5、5−6及び比較例5−3は色濃度の指標となるy値が0.100となるように塗布し、90℃のオーブンで60秒間乾燥させた(プリベーク)。その後、塗膜の全面に200mJ/cmにて(照度20mW/cm)露光し、露光後の塗膜をアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液にて覆い、60秒間静止した。静止後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した。そして、上記のように露光及び現像が施された塗膜を220℃のオーブンで1時間加熱処理し(ポストベーク)、ガラス基板上にカラーフィルタ用の着色パターン(着色樹脂被膜)を形成し、着色フィルタ基板(カラーフィルタ)を作製した。
<カラーフィルタの評価>
作製した着色フィルタ基板(カラーフィルタ)について、以下のようにして評価を行なった。結果を第14表に示す。
(1)コントラスト
(2)アルカリ現像液可溶性
(3)結晶析出性
ITO電極つきのガラス基板(商品名:1737 コーニング社製)上に光硬化性組成物を膜厚2.0μmとなるように塗布し、90℃のオーブンで60秒乾燥(プリベーク)した。その後、マスクを介さずに100mJ/cmの露光(照度は20mW/cm)をし、アルカリ現像液(商品名:CDK−1、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液を用いて25℃で現像し、塗布膜を230℃のオーブンで30分間加熱処理(ポストベーク)を施した。次いで、この画素を形成した基板とITO電極を所定形状に蒸着した基板を、70℃、湿度80%の高温層に72時間入れた後、基板上の結晶析出性を目視で評価し、表14にまとめた。点数が高いほど、結晶析出がしにくく、着色パターンの透明性があることを示す。
3:結晶析出がみられない
2:わずかに結晶析出がみられる
1:基板面全体に結晶析出がみられる


テスト水準によってカラーフィルタの色相が異なっている。特にコントラストは異なる色相間では比較できない。このため同一色間で、即ちDR同志、DG同志、DB同志で比較する。上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、コントラストが高く、アルカリ現像液可溶性が良好で、またポストベークでの結晶析出がしにくいカラーフィルターであることがわかる。

Claims (15)

  1. 側鎖に少なくとも1つのオニウム塩基を有する重量平均分子量1,000以上100,000以下の高分子化合物で顔料を被覆してなる加工顔料。
  2. 前記顔料が、アゾ顔料、及び多環式顔料の群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の加工顔料。
  3. 前記顔料が、不溶性アゾ系、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、及びペリレン系顔料の群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の加工顔料。
  4. 前記高分子化合物が、下記一般式(1)または下記一般式(2)で表される構造単位から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の加工顔料。


    (一般式(1)中、Rは、水素原子、又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。Rは、単結合、又は2価の有機連結基を表す。Yは、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、または−OC(=O)−を表す。Z11はオニウム塩基を表す。一般式(2)中、Rは、水素原子、又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。Rは、単結合、又は2価の有機連結基を表す。Arは2価の芳香族基を表し、Z22はオニウム塩基を表す。)
  5. 前記高分子化合物が、カルボキシル基を50〜300mgKOH/gの範囲で有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の加工顔料。
  6. 平均1次粒子径が、5〜25nmであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の加工顔料。
  7. 前記加工顔料を1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄したときの被覆樹脂の遊離量が、30質量%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の加工顔料。
  8. 前記高分子化合物を、顔料の微細化工程で添加して製造したことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の加工顔料。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の加工顔料を、有機溶剤中に分散してなる顔料分散組成物。
  10. さらに顔料分散剤を含む請求項9に記載の顔料分散組成物。
  11. カラーフィルタにおける着色領域の形成に用いられることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の顔料分散組成物。
  12. 請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の顔料分散組成物と、光重合性化合物、及び光重合開始剤を含有する着色感光性組成物。
  13. 基板上に、請求項12に記載の着色感光性組成物により形成された着色領域を有するカラーフィルタ。
  14. 請求項13に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示素子。
  15. 請求項13に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
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