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JP2009291852A - 連続紙のスリット耳屑回収設備 - Google Patents

連続紙のスリット耳屑回収設備 Download PDF

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JP2009291852A JP2008145205A JP2008145205A JP2009291852A JP 2009291852 A JP2009291852 A JP 2009291852A JP 2008145205 A JP2008145205 A JP 2008145205A JP 2008145205 A JP2008145205 A JP 2008145205A JP 2009291852 A JP2009291852 A JP 2009291852A
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Abstract

【課題】エネルギ消費を抑えつつ、作業室内を低湿度に維持することなどのできる連続紙のスリット耳屑回収設備及びその方法を提供する。
【解決手段】この設備1は、作業室10内に配置されたスリッタ11で、例えば分包紙の原反を多条にスリットするときに、その原反の左右両端に発生する耳屑13x,13yをブロア15から空気が供給される風送ライン31で搬送して、作業室10外に配置された回収室20で空気と分離して回収するものであって、前記回収室20で耳屑13x,13yを分離した空気の全部を、前記作業室10内の例えばスリッタ11から離間した位置に戻すリターンライン32を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、連続紙のスリット耳屑回収設備に関し、詳しくは作業室内に配置されたスリッタで連続紙を多条にスリットするときに、該連続紙の左右両端の少なくとも一方に発生する耳屑を空気で搬送する風送ラインを備え、前記風送ラインで搬送された耳屑を前記作業室外に配置された回収室で空気と分離して回収する設備に係るものである。
図7は空気給排ラインの接続状態を示す模式図であって、(a)は従来の一例、(b)は従来の他の例を示すものである。
従来、作業室内に配置されたスリッタで連続紙を多条にスリットするときに、該連続紙の左右両端に発生する耳屑を空気で搬送して、前記作業室外に配置された回収室に回収する設備が知られている。
ここでは、図7(a)に示すように、作業室10内に配置されたスリッタ横のブロア15で風送ライン31に送風し、この風送ライン31から分岐した2つの枝ライン31x,31yで前記耳屑をそれぞれ吸引するようになっている。そして、この枝ライン31x,31yで吸引した耳屑を風送ライン31で作業室10外に配置された図示しない回収室に回収し、そこで分離した空気を回収室外に放出している。
また、類似技術として、例えば特許文献1では、図7(b)に示すように、枝ライン31x,31yで吸引した耳屑を風送ライン31で作業室10外に配置された図示しない回収室に回収し、そこで分離した空気の一部をリターンライン32aで前記ブロア15の空気吸引側に戻し、残部を放出ライン32cで前記回収室外に放出することにより、前記耳屑を吸引するときの風速調整を行っている。
特開2003−291091号公報
ところで、作業室10内は、図示しないエアコンによって、温度及び湿度が管理されている。その温度は20℃程度、湿度は50%以下(通常40〜30%程度)である。特に、この湿度は重要であり、この湿度が高くなると、連続紙が反り返ってしまう。
しかしながら、図7(a)に示した従来の一例では、耳屑を風送するにあたって、作業室10内の空気が図示しない回収室に送られ、この回収室から外部にそのまま放出されるので、作業室10内が負圧になる。すると、湿気を含む外気が、隙間などから作業室10内に流れ込む。その結果、作業室10内の湿度が高くなってしまうといった不具合があった。そこで、作業室10内を低湿度に維持するために、前記エアコンの出力を上げる必要があり、これでは、エネルギ消費量が増大してしまう。なお、作業室10内に流れ込む外気には、ゴミ、埃等も含まれており、その付着によって該連続紙から作られる製品の品質を低下させるおそれもあった。
また、図7(b)に示した従来の他の例では、吸湿性の連続紙ではなく、非吸湿性のフィルムを対象としているので、そもそも作業室10内の温度や湿度を問題としていない。したがって、これを連続紙に適用したとすると、枝ライン31x,31bで吸引した耳屑を風送ライン31で作業室10外に配置された図示しない回収室に回収し、そこで分離した空気の一部をリターンライン32aで前記ブロア15の空気吸引側に戻し、残部を放出ライン32cで前記回収室外に放出することにより、前記耳屑を吸引するときの風速調整を行っているので、その風速如何によっては、上記と同様の不具合が発生してしまうことは明らかである。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、エネルギ消費を抑えつつ、作業室内を低湿度に維持することなどのできる連続紙のスリット耳屑回収設備を提供することを目的とする。
本発明は、作業室内に配置されたスリッタで連続紙を多条にスリットするときに、該連続紙の左右両端の少なくとも一方に発生する耳屑を空気源から供給された空気で搬送して、前記作業室外に配置された回収室で空気と分離して回収する設備であって、前記回収室で耳屑を分離した空気の全部を、前記作業室内に戻すリターンラインを備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、連続紙をスリットするときに発生する耳屑を風送するにあたって、作業室内の空気が回収室に送られ、その空気の全部が回収室から作業室内に戻されるので、作業室内が負圧にならない。したがって、湿気、ゴミ、埃等を含む外気が、隙間などから作業室内に流れ込むことがなくなり、その結果、作業室内の湿度が高くなって連続紙が反り返ってしまうといった不具合や、作業室内にゴミ、埃等が混入して連続紙などに付着するといった不具合が解消される。これによって、作業室内を低湿度に維持するために、エアコンの出力を上げる必要がなくなり、エネルギ消費量を抑えることができるとともに、連続紙から作られる製品の品質の向上を図ることができるようになる。
請求項2記載の発明のように、前記リターンラインは、前記回収室で耳屑を分離した空気の全部を、前記作業室内のスリッタから離間した位置に戻すものであることが好ましい。
請求項2記載の発明によれば、前記リターンラインで、前記回収室で耳屑を分離した空気の全部が、前記作業室内のスリッタから離間した位置に戻されるので、スリッタにおける連続紙に直接空気が吹き付けられことがまったくなくなる。その結果、連続紙の反り返りなどが確実になくなるとともに、そのスリッタで連続紙をスリットしたときの各紙片を紙管に自動で巻きつける作業などへの悪影響をもなくすことができる。
或いは、請求項3記載の発明のように、前記リターンラインは、前記回収室で耳屑を分離した空気の一部を、前記風送ラインの空気源に戻すとともに、残部を前記作業室内のスリッタから離間した位置に戻すものであることが好ましい。
請求項3記載の発明によれば、前記リターンラインで、前記回収室で耳屑を分離した空気の一部が、前記風送ラインの空気源に戻されるとともに、残部が前記作業室内のスリッタから離間した位置に戻されるので、スリッタにおける連続紙に直接空気が吹き付けられことがまったくなくなる。その結果、連続紙の反り返りなどが確実になくなるとともに、そのスリッタで連続紙をスリットしたときの各紙片を紙管に自動で巻きつける作業などへの悪影響をもなくすことができる。また、この場合には、空気のリターンラインを多分割化しているので、各リターンラインの径を小さくしてその配置の容易化を図ることもできる。
ところで、作業室内にスリッタを複数台設置した場合には、耳屑の逆流がこれら複数台のスリッタの運転・停止のサイクルの狭間で発生しやすくなる。そこで、請求項4記載の発明のように、前記風送ラインは、前記回収室の入口において空気の逆流を防止する逆止弁を設けることが好ましい。
請求項4記載の発明によれば、前記風送ラインでは、前記回収室の入口に設けられた逆止弁で空気の逆流が防止されるので、サイクル運転中のスリッタがある場合に、サイクル停止中の他のスリッタに耳屑が逆流するのを防止できるようになる。
請求項5記載の発明のように、前記リターンラインは、前記回収室の出口において該回収室内側に凸設した半球面状のフィルタを設けることが好ましい。
請求項5記載の発明によれば、前記リターンラインでは、回収室の出口に設けられたフィルタが、該回収室内側に凸設した半球面状であるので、スリッタのサイクル停止時に、フィルタ表面から耳屑が剥離しやすくなる。すなわち、半球面状のフィルタ表面と耳屑とが点接触となり、そのフィルタ表面に耳屑が貼り付きにくくなる。そして、半球面状のフィルタ表面に沿って、耳屑が自然落下しやすくなる。また、フィルタ表面の開口面積が広くなっているので、スリッタのサイクル運転中に、回収室の出口における空気の流速が遅くなり、この空気に随伴して耳屑がフィルタ表面に運ばれにくくなる。その結果、フィルタに耳屑がつまることが少なくなる。万一、耳屑以外のゴミ等が混入した場合も同様である。これにより、フィルタの交換或いはメンテナンスの手間が減り、かつ、より確実に作業室内が負圧となるのを防止できるようになる。
請求項6記載の発明のように、前記リターンラインは、前記作業室の入口において空気の流れ方向を規制するルーバを設けることが好ましい。
請求項6記載の発明によれば、前記リターンラインでは、前記作業室の入口に設けられたルーバで、該入口において空気の流れ方向が規制されるので、作業室内の所望の位置、例えばスリッタから離間した位置に空気を確実に導くことができる。
請求項7記載の発明のように、前記リターンラインに加えて、さらに前記作業室の入口において前記回収室内の圧力を目視で検出可能なエアフローメータを備えたバイパスラインを設けることが好ましい。
請求項7記載の発明によれば、前記バイパスラインのエアフローメータにより、前記作業室の入口において前記回収室内の圧力が目視で検出されるので、例えば電気エネルギの必要なセンサなどを一切用いることなく、設備が正常に作動(機能)しているか否かを省エネルギで監視することができる。
例えば請求項8記載の発明のように、前記連続紙は、基層にヒートシール層を積層した分包紙の原反である。
かかる場合、分包紙の基層とヒートシール層との吸湿性の相違から、従来例では、その原反の反り返りが非常に大きくなるが、請求項8記載の発明によれば、上述したように、作業室内の湿度が高くならないので、原反の反り返りが大きくならない。
本発明によれば、連続紙をスリットするときに発生する耳屑を風送するにあたって、作業室内の空気が回収室に送られ、その空気の全量が回収室から作業室内に戻されるので、作業室内が負圧にならない。したがって、湿気、ゴミ、埃等を含む外気が、隙間などから作業室内に流れ込むことがなくなり、その結果、作業室内の湿度が高くなって連続紙が反り返ってしまうといった不具合や、作業室内にゴミ、埃等が混入して連続紙などに付着するといった不具合が解消される。これによって、作業室内を低湿度に維持するために、エアコンの出力を上げる必要がなくなり、エネルギ消費量を抑えることができるとともに、連続紙から作られる製品の品質の向上を図ることができるようになる。
図1は本発明の一実施形態に係る連続紙のスリッタ耳屑回収設備1の配置図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。図2はスリッタ11の詳細構成を示す斜視図、図5(a)は本実施形態に係る空気給排ライン30の接続状態を示す模式図である。
図1(a)(b)に示すように、本実施形態に係る連続紙のスリッタ耳屑回収設備1は、主として、作業室10と、回収室20と、両室10,20を互いに接続する空気給排ライン30及びバイパスライン35とからなっている。空気給排ライン30及びバイパスライン35の断面形状は概ね円形であるが、楕円形や矩形など他の断面形状であってもよい。
作業室10内には、例えば3台のスリッタ11が互いに離間して配置されているとともに、作業室10内の左壁に沿って、例えば2台のエアコン12が互いに離間して配置されている。
スリッタ11は、図2に示すように、連続紙の一例としての分包紙をロール状に巻いた原反13を装填可能であって、この原反13と平行に置かれた回転軸に等ピッチに固定された回転刃14と、空気源としてのブロア15とを備えている。
そして、回転刃14で、原反13を複数条の紙片13a,13b,・・・に分割するように、その原反13に切れ目を入れるようになっている。このときに、原反13の左右両端に発生する耳屑13x,13yを、ブロア15から供給された空気で吸引するための吸引口15x,15yが空気給排ライン30の風送ライン31に斜め接続された枝ライン31x,31yの先端にそれぞれ設けられている。
なお、図2では、枝ライン31x,31yが1本の風送ライン31から直接分岐しているようにしているが、例えばブロア15からの風送ラインを別個に設けて、それぞれに枝ライン31x,31yを斜め接続することで、風送ライン中の空気がよりスムーズに流れるようにしてもよい。
ここで、被スリット物である連続紙の一例としての分包紙は、基層にヒートシール層を積層したもので、厚みは30〜70μm程度のものである。基層は、グラシン又はセロハンであって、ヒートシール層は、ポリエチレンである。この分包紙の前記原反13は、幅が500〜1000mm程度のものである。この原反13を、スリッタ11に装填した上で、図2に示すようにスリットして、図示しない紙管に巻きつけることで、製品を作るようになっている。
作業室10は、エアコン12によって、温度及び湿度が管理されている。その温度は20℃程度、湿度は50%以下(通常40〜30%程度)である。特に、この湿度は重要であり、この湿度が高くなると、分包紙が反り返ってしまう。なお、湿度が低くなりすぎると、分包紙に静電気が発生しやすくなるという不具合もある。
しかしながら、耳屑13x,13yを風送するにあたって、作業室10内の空気が、回収室20に送られ、回収室20から外部にそのまま放出されたのでは、作業室10内が負圧になる。すると、湿気を含む外気が、隙間などから作業室10内に流れ込む。その結果、作業室10内の湿度が高くなってしまうといった不具合がある。また、前記作業室10内に流れ込む外気にはゴミ、埃等も含まれており、これが原反13等に付着するおそれもある。これらの点は、従来例で述べたとおりである。
そこで、本実施形態では、従来例とは異なり、前記回収室20で耳屑13x,13yを分離した後の空気の全部を、前記作業室10内のスリッタ11から離間した位置に戻すリターンライン32を備えた。スリッタ11で原反13をスリットするに際して、風が直接原反13に当たると、その紙片を紙管に巻きつけたときに紙片の耳がずれることがある。前記リターンライン32がスリッタ11を回避するようにした理由でもある。
本実施形態では、前記リターンライン32に加えて、さらに前記作業室10内において前記回収室20内の圧力を視認で検出可能なエアフローメータ(後述。)34を備えたバイパスライン35をも備えた。
図3は回収室20の入口に設置される逆止弁21の構造を示す図、図4は回収室20の出口に設置されるフィルタ22の構造を示す図であって、それぞれの(a)は側面図、(b)は正面図である。また、図5は作業室10の入口に設置されるエアフローメータ34の構造を示す縦断面図である。
ところで、本実施形態のように、作業室10内にスリッタ11を複数台(ここでは、3台である。)設置した場合には、耳屑13x,13yの逆流がこれら3台のスリッタ11の運転・停止のサイクルの狭間で発生しやすくなる。そこで、前記風送ライン31は、回収室20の入口に逆止弁21を設置しており、これにより作業室10内からの空気の逆流を防止している。この逆止弁21は、図3(a)(b)に示すように、円板状の本体21aと、その本体21aの上部に設けられた回転部21b及び回転ストッパ部21cと、本体21aの下部に設けられたウエイト部21dとから構成されている。
回転部21bは、風送ライン31の先端のフランジ21gの上部に前記本体21aが回転自在に軸支されるようにしたものである。回転ストッパ部21cは、前記本体21aが回収室20の壁に衝突しないように、その回転角度を規制するものである。ウエイト部21dは、風送ライン31から流入する空気がないときに、本体21aが完全に閉まるように、その本体21aから支持部21eを突出させている。この支持部21eに、例えば3個のウエイト21fが積載されており、このウエイト21fを適宜増減して、本体21aの開閉状態を調整できるようになっている。
前記リターンライン32は、回収室20の出口にフィルタ22を設置しており、これにより耳屑13x,13yが出口側に吐き出されないようにしている。このフィルタ22は、回収室20の出口に取り付けるためのスリーブ22aと、メッシュ部材22bとからなっている。メッシュ部材22bは、回収室20の内方に向けて凸になっており、このメッシュ部材22bの表面形状は半球面状になっている。
これにより、スリッタ11のサイクル停止時に、メッシュ部材22bから耳屑13x,13yが剥離しやすくなる。すなわち、半球面状のメッシュ部材22bと耳屑13x,13yとが点接触となり、そのメッシュ部材22bに耳屑13x,13yが貼り付きにくくなる。そして、メッシュ部材22bの半球形状の表面に沿って、耳屑13x,13yが自然落下しやすくなる。また、メッシュ部材22bの開口面積が広くなっているので、スリッタ11のサイクル運転中に、回収室20の出口における空気の流速が遅くなり、この空気に随伴して耳屑13x,13yがメッシュ部材22bに運ばれにくくなる。その結果、回収室20の出口に、耳屑13x,13yがつまりにくくなる。万一、耳屑13x,13y以外のゴミ等が混入した場合についても同様である。したがって、フィルタ22の交換やメンテナンス頻度が少なくてすむようになっている。
また、前記バイパスライン35に備えられたエアフローメータ34は、透明円筒状の本体34aと、本体34a内に入れた軽量かつ球状のフロート34bと、フロート34bの上下方向の移動量を規制する上下ストッパ34c,34dとからなっている。その本体34aは、作業室10内の床面G上に突設されたバイパスライン35の先端に設けられたフランジ35aから、支持部材34eを介して直立するように支持されている。フロート34bは、本体34aの下端のベルマウス34fから流れ込む空気の圧力と重力とのバランスにより、上下ストッパ34c,34d間で浮沈するようになっている。
すなわち、スリッタ耳屑回収設備1が正常であれば、回収室20内の圧力が作業室10内の圧力よりも高くなり、その圧力差により本体34a内でフロート34bが浮き上がる。一方、同設備1に異常があるとき(例えば回収室20の図示しないドアが閉め忘れられたときなど)には、回収室20内の圧力が作業室10の圧力よりも低くなり、その圧力差により本体34a内でフロート34bが沈み込む。
このようにして、作業室10の入口において回収室20内の圧力が目視で検出されるので、例えば電気エネルギの必要なセンサなどを一切用いることなく、本実施形態のスリッタ耳屑回収設備1が正常に作動(機能)しているか否かを省エネルギで監視することができる。なお、バイパスライン35にも、前記リターンライン32と同様のフィルタ22が設けられ、耳屑13x,13y等の混入によるエアフローメータ34の誤動作等が発生しないようになっている。
空気給排ライン30は、図6(a)に示すように、前記風送ライン31と、前記リターンライン32とからなっている。すなわち、ブロア15から風送ライン31に空気が供給される。すると、この風送ライン31の枝ライン31x,31yから、スリッタ11でスリットした原反13の耳屑13x,13yが、図2に示したような吸引口15x,15yを介して効率よく吸引される。
この吸引された耳屑13x,13yは、風送ライン31中を空気で搬送されて、作業室10外の回収室20に流入する。このとき、回収室20の入口に設置された逆止弁21が、空気圧で開いて、その隙間から耳屑13x,13yがその回収室20内に流入する。このようにして、空気の逆流が防止されるので、サイクル運転中のスリッタ11がある場合に、サイクル停止中の他のスリッタ11に耳屑13x,13yが逆流するのを防止できるようになる。
そして、逆止弁21を介して耳屑13x,13yがその回収室20内に流入すると、耳屑13x,13yは自重で落下する。このとき、耳屑13x,13yは、風送ライン31内で風送される間に、適当な長さに切断されており、その断片が回収室20内の床上に徐々に堆積するようになる。なお、逆止弁21の開き角度は、ウエイト21dの調整を行っておくことで調整される。その開き角度の最大値はストッパ部材21cで規制される。
そして、耳屑13x,13yが分離された空気のみが、回収室20の出口に設置されたフィルタ22を介してリターンライン32に吐き出される。このとき、フィルタ22のメッシュ部材22bで耳屑13x,13yが空気に随伴して吐き出されることがなくなる。
リターンライン32の作業室10内の入口には、作業室10の右壁の上部付近に、ルーバ33が設置されている。このルーバ33の働きにより、リターンライン32から作業室10内に流れ込む空気の方向が規制される。
すなわち、図1(a)(b)に示すように、リターンライン32から作業室10内に流れ込む空気の方向は、図中の各矢印で示すように、いずれも作業室10の天井や前後壁に向かっており、直接スリッタ11に向かわないようにしている。
そして、空気は、作業室10の天井や前後壁に沿って、流れていき、左壁に沿って下向きの流れとなり、スリッタ11横のブロア15で吸引されることとなる。このようにして、作業室10内の空気は回収室20を介して全量が元の作業室10内に戻されるようになる。したがって、作業室10内の温度と湿度は略一定に維持されることとなり、エアコン12は、ほとんど動作させる必要がなくなる。
この実施形態によれば、分包紙の原反13をスリッタ11でスリットするときに発生する耳屑13x,13yを風送するにあたって、作業室10内の空気が回収室20に送られ、その空気が回収室20から作業室10内に戻されるので、作業室10内が負圧にならない。したがって、湿気、ゴミ、埃等を含む外気が、隙間などから作業室10内に流れ込むことがなくなり、その結果、作業室10内の湿度が高くなって分包紙が反り返ってしまうといった不具合や、作業室10内にゴミ、埃等が混入して原反13などに付着するといった不具合が解消される。これによって、作業室10内を低湿度に維持するために、エアコン12の出力を上げる必要がなくなり、エネルギ消費量を抑えることができるようになるとともに、スリッタ11で原反13をスリットしたときの各紙片13a,13b,・・・を紙管に巻きつけてなる製品の品質の向上を図ることができる。
また回収室20からの空気が作業室10内のスリッタ11から離間した位置に戻されるので、スリッタ11における分包紙の原反13やその紙片に直接空気が吹き付けられことがなくなる。その結果、分包紙の原反13の反り返りなどが確実になくなるとともに、そのスリッタ11で原反13をスリットしたときの各紙片13a,13b,・・・を紙管に自動で巻きつける作業などへの悪影響をもなくすことができる。
なお、上記実施形態では、前記回収室20で耳屑13x,13yを分離した空気の全量を、前記作業室10内のスリッタ11から離間した位置に戻すリターンライン32を備えたが、図6(b)に示すように、前記回収室20で耳屑13x,13yを分離した空気の一部を、ブロア15の入口側に戻すリターンライン32aを備えるとともに、残部を前記作業室10内のスリッタ11から離間した位置に戻すリターンライン32bを備えることとしてもよい。この場合も、スリッタ11における原反13やその紙片13a,13b,・・・に直接空気が吹き付けられことがなくなる。その結果、分包紙の原反13の反り返りなどが確実になくなるとともに、そのスリッタ11で分包紙をスリットしたときの各紙片13a,13b,・・・を紙管に自動で巻きつける作業などへの悪影響をもなくすことができる。また、この場合には、空気のリターンラインを多分割化しているので、各リターンライン32a,32bの径を小さくしてその配置の容易化を図ることもできる。
また、上記実施形態では、連続紙の一例として分包紙の原反13を示したが、本発明の適用範囲は、これに限られるものではなく、連続紙として特に吸湿性の異なる多層構造のものであれば、その反り返りを防止するために本発明は非常に有効であることが明らかである。
また、上記実施形態では、作業室10内に、エアコン12を2台、スリッタ11を3台備えているが、エアコン12、スリッタ11ともに1台以上であればよい。その場合には、リターンライン32を、スリッタ11の台数だけ用意しておけばよい。ただし、スリッタ11が1台であれば、リターンライン32への空気の逆流がなくなるから、該リターンライン32の逆止弁21を省略することができる。
また、上記実施形態では、作業室10外に回収室20を設置しているが、両室10,20を別個の建物に設置する必要はない。例えば同一の建物の一部を作業室10として区画し、他部を回収室20として区画してもよい。
連続紙として熱膨張率の異なる多層構造のものが用いられる場合、作業室10内の温度が高くなると、連続紙が反り返ってしまう。このような場合でも、上記実施形態では、作業室10内が負圧にならないので、作業室10内の温度よりも高温の外気が、隙間などから作業室10内に流れ込むことがなく、その結果、作業室10内の温度が高くなって連続紙が反り返ってしまうといった不具合が解消される。したがって作業室10内の温度を低温に維持するために、エアコン12の出力を上げる必要がなくなり、エネルギ消費量を抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る連続紙のスリッタ耳屑回収設備の配置図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。 スリッタの詳細構成を示す斜視図である。 回収室の入口に設置される逆止弁の構造を示す図であって、(a)は側面図、(b)は正面図である。 回収室の出口に設置されるフィルタの構造を示す図であって、(a)は側面図、(b)は正面図である。 作業室の入口に設置されるエアフローメータの構造を示す縦断面図である。 空気給排ラインの接続状態を示す模式図であって、(a)は実施形態、(b)はその変形例を示すものである。 空気給排ラインの接続状態を示す模式図であって、(a)は従来の一例、(b)は従来の他の例を示すものである。
符号の説明
1 設備
10 作業室
11 スリッタ
12 エアコン
13 分包紙の原反(連続紙の一例である。)
13x,13y 耳屑
14 回転刃
15 ブロア(空気源に相当する。)
20 回収室
21 逆止弁
22 フィルタ
30 空気給排ライン
31 風送ライン
31x,31y 枝ライン
32,32a,32b リターンライン
33 ルーバ
34 エアフローメータ
35 バイパスライン

Claims (8)

  1. 作業室内に配置されたスリッタで連続紙を多条にスリットするときに、該連続紙の左右両端の少なくとも一方に発生する耳屑を空気で搬送する風送ラインを備え、前記風送ラインで搬送された耳屑を前記作業室外に配置された回収室で空気と分離して回収する設備であって、
    前記回収室で耳屑を分離した空気の全部を、前記作業室内に戻すリターンラインを備えたことを特徴とする連続紙のスリット耳屑回収設備。
  2. 前記リターンラインは、前記回収室で耳屑を分離した空気の全部を、前記作業室内のスリッタから離間した位置に戻すものであることを特徴とする請求項1記載の連続紙のスリット耳屑回収設備。
  3. 前記リターンラインは、前記回収室で耳屑を分離した空気の一部を、前記風送ラインの空気源に戻すとともに、残部を前記作業室内のスリッタから離間した位置に戻すものであることを特徴とする請求項1記載の連続紙のスリット耳屑回収設備。
  4. 前記風送ラインは、前記回収室の入口において空気の逆流を防止する逆止弁を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の連続紙のスリット耳屑回収設備。
  5. 前記リターンラインは、前記回収室の出口において該回収室内側に凸設した半球面状のフィルタを設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の連続紙のスリット耳屑回収設備。
  6. 前記リターンラインは、前記作業室の入口において空気の流れ方向を規制するルーバを設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の連続紙のスリット耳屑回収設備。
  7. 前記リターンラインに加えて、さらに前記作業室の入口において前記回収室内の圧力を目視で検出可能なエアフローメータを備えたバイパスラインを設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の連続紙のスリット耳屑回収設備。
  8. 前記連続紙は、基層にヒートシール層を積層した分包紙の原反であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の連続紙のスリット耳屑回収設備。
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