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JP2009289540A - 燃料電池システム及びその運転方法 - Google Patents

燃料電池システム及びその運転方法 Download PDF

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JP2009289540A JP2008139640A JP2008139640A JP2009289540A JP 2009289540 A JP2009289540 A JP 2009289540A JP 2008139640 A JP2008139640 A JP 2008139640A JP 2008139640 A JP2008139640 A JP 2008139640A JP 2009289540 A JP2009289540 A JP 2009289540A
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Yoshinao Otake
義直 大竹
Ryoichi Shimoi
亮一 下井
Kotaro Akashi
耕太郎 明石
Kenji Yonekura
健二 米倉
Yosuke Tomita
要介 冨田
Yohei Kaneko
庸平 金子
Takashi Iimori
崇 飯森
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Abstract

【課題】燃料電池の停止中にスタックケースからセル内へ空気中の酸素が浸入し、次回起動時に燃料電池スタックが劣化することを防止する。
【解決手段】燃料電池システム停止時に、燃料電池スタック2の発電を継続した状態でカソード4から排出される酸素濃度が低下した酸化剤極排気を生成する。酸化剤極排気は、排気導入管19,ケース導入弁20,ケース導入配管21を介して、スタックケース5の内部空間へ導入される。スタックケース5中の空気は、ケース排出配管22、ケース排出弁23を介して外気へ押し出される。スタックケース中のガス置換が終わると、ケース導入弁20及びケース排出弁23を閉じる。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子型の燃料電池システム及びその運転方法に係り、特に、燃料電池の劣化を抑制することができる燃料電池システム及びその運転方法に関する。
車載用の燃料電池システムにおいて、燃料電池本体である燃料電池スタックは、通常スタックケースに収納されている。これは、飛び石等の外力による機械的な損傷から燃料電池スタックを保護するためである。
従来の燃料電池システムは、主要負荷の遮断によってシャットダウンしたときに、空気供給を遮断し、燃料供給制御し(燃料供給の遮断も含む)、ガス排気制御し、セル中の全酸素を水素との反応で消費する。少なくとも0.0001%(体積比)の水素、望ましくは1.0%〜4.0%(体積比)未満の間の水素とし、残りのガスが窒素や不活性で燃料電池に悪影響を与えないガスの気体組成で全セルが平衡状態になるようにする。シャットダウンしている間にセルの中へ空気が浸入し反応して消費された分だけ水素を加えて補うことで、そのガス組成はシャットダウン中もセル内で維持される。このシャットダウン手順により、燃料電池スタックの劣化を防止している(例えば、特許文献1)。
米国特許6635370
しかしながら上記従来技術においては、燃料電池スタック内の酸素を消費してセル内のガス組成を水素を含有する還元性としても、停止中には徐々にスタックケースからセル内へ空気中の酸素が浸入する。このため、次回起動時に燃料電池スタック内の酸化剤ガスが多い状態でアノードに燃料ガスを供給すると、アノード内部における局部電池反応により燃料電池スタックの劣化を招く虞があるという問題点があった。
上記問題点を解決するために本発明は、燃料ガスと空気との電気化学反応により発電する燃料電池スタックと、燃料電池スタックを覆うスタックケースと、スタックケース内に酸素濃度が低い低酸素濃度ガスを導入する低酸素濃度ガス導入手段と、制御装置とを備えている。そして、燃料電池システムの停止時に、低酸素濃度ガス導入手段により低酸素濃度ガスをスタックケース内へ導入するように制御し、燃料電池システム停止中にスタックケース内の酸素分圧を大気中よりも低くすることを要旨としている。
上記構成の本発明によれば、燃料電池システムの停止時にスタックケース内に低酸素濃度ガスを導入しているので、システム停止後に、スタックケースから燃料電池スタック内へガス漏れが生じても燃料電池スタック内の酸素分圧の上昇を抑制することができる。従って、燃料電池システム起動時に、アノードへ燃料ガス供給したときの燃料電池の劣化を防止することができるという効果がある。
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。尚、以下に説明する各実施例は、特に限定されないが、起動停止が比較的頻繁に行われる燃料電池車両に好適な燃料電池システムである。
図1は、本発明に係る燃料電池システムの実施例1を示すシステム構成図である。図1において、燃料電池システム1は、固体高分子型の燃料電池本体である燃料電池スタック2を備えている。燃料電池スタック2は、燃料ガスとして水素が供給されるアノード(燃料極)3と、酸化剤ガスとして空気が供給されるカソード(酸化剤極)4を備える。アノード3、カソード4では、次に示す電気化学反応により発電する。
[アノード]:H2 → 2H+ + 2e- (化1)
[カソード]:2H+ + 2e- + (1/2)O2 → H2O (化2)
燃料電池スタック2は、燃料電池スタック2を機械的な外力から保護するためにスタックケース5へ納められている。
水素供給装置6は、燃料ガスとして水素を供給するものである。水素供給装置6は、例えば、各種の水素貯蔵装置や原燃料を改質して水素を発生する燃料改質装置等が利用可能である。水素供給弁7は、水素供給装置6から供給される水素の圧力・流量を調整する。水素供給弁7で圧力・流量が調整された水素は、水素供給路8を介してアノード3へ供給される。アノード3で消費されなかった水素は、水素循環路9及び水素循環ポンプ10を介してアノード3へ戻される。また、水素循環路9に接続する水素排出路12と水素排出路12を開閉するパージ弁11が設けられている。
水素循環路9,水素循環ポンプ10及びアノード3からなる水素循環系に、液水や窒素等の不純物ガスが蓄積すると、水素循環を妨げたり、水素分圧が低下して発電効率する。このような場合に、パージ弁11が開かれ、液水や不純物ガスを水素循環系から放出可能となっている。
空気供給装置13は、酸化剤ガスとして空気を供給するものである。空気供給装置13は、必要なカソード圧力に応じてブロアや空気コンプレッサを利用する。空気供給装置13は、開閉弁を用いた空気供給弁14、空気供給路15を介して、カソード4へ空気を供給する。カソード4は、供給された空気中の酸素を発電のために消費する。酸素の一部が発電により消費された酸化剤極排気(カソードオフガス)は、空気排出路16、空気圧力調整弁17及び排気管18を介して外気へ排出される。空気圧力調整弁17は、カソード背圧を調整することにより、カソード4における空気圧力を調整する弁である。
排気管18には、排気導入管19の一端が接続されている。排気導入管19の他端はケース導入弁20を介してケース導入配管21の一端に接続されている。ケース導入配管21の他端は、スタックケース5の内部に開口している。また、スタックケース5には、スタックケース5から排気するためのケース排出管22が設けられている。ケース排出管22には、開閉弁を用いたケース排出弁23が設けられている。
ここで、排気導入管19、ケース導入弁20、ケース導入配管21、ケース排出管22、及びケース排出弁23は、スタックケース5の内部へ低酸素濃度ガスを導入する低酸素濃度ガス導入手段を構成している。
制御装置40は、燃料電池システム1の全体を制御して、燃料電池システムの起動、運転、停止を制御する装置である。また制御装置40は、ケース導入弁20及びケース排出弁23を制御して、燃料電池システムの停止時または停止予測時に、スタックケース5の内部へ、燃料電池システムが曝される大気の酸素分圧より酸素分圧が低い低酸素濃度ガスを導入して、燃料電池システムを停止する。より好ましくは、燃料電池システム起動時においても大気中の酸素分圧より低くなるように燃料電池システムを停止する。又は、燃料電池システム停止中は大気中の酸素分圧より低くなるように維持する制御を行うこととしてもよい。
燃料電池システムを搭載した車両の場合、この車両の停止シーケンス中に、低酸素濃度ガスをスタックケース5内へ導入してもよい。
制御装置40は、燃料電池システムの停止あるいは燃料電池車両の停止を予測する停止予測手段41を備えている。また、制御装置40には、車速センサ42,ナビゲーション装置43,パーキングブレーキセンサ44,及びセレクトレバーポジションセンサ45が接続されている。
制御装置40は、特に限定されないが、本実施例では、CPUとプログラムROMと作業用RAMと入出力インタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして制御装置40の制御機能は、プログラムROMに格納された制御プログラムをCPUが実行することにより実現される。
停止予測手段41は、例えば次の(1)〜(3)のいずれかの条件が成立したときに燃料電池システムあるいは燃料電池車両の停止を予測する。(1)車速センサ42が検出した車速が0km/hの状態が一定時間以上継続したとき、(2)ナビゲーション装置43による経路誘導中に目的地へ車両が到達したとき、(3)燃料電池車両のアイドルストップ条件が成立したとき。
さらに停止予測手段41は、制御装置40が車両が走行できないモードを検出したとき、例えば、(4)パーキングブレーキセンサ44がパーキングブレーキが掛けられたことを検出した場合、(5)セレクトレバーポジションセンサ45がパーキングポジションあるいはバックポジションを検出した場合にも停止を予測する。
制御装置40は、燃料電池システムの停止時あるいは停止予測時に、低酸素濃度ガス導入手段によりスタックケース5の内部へ低酸素濃度ガスを導入する制御を行う。
燃料電池システムが停止することを予測して、スタックケース内へ低酸素濃度ガスの導入を開始すると、燃料電池システムを停止させるまでの所要時間を増加させることなく、燃料電池スタックの耐久性を向上することができるという効果がある。
尚、燃料電池システム1には、燃料電池スタック2を発電に適した温度に維持するために冷却液を循環させる冷却系が設けられている。また燃料電池スタック2から発電電力を取り出すための電力系が設けられている。これら冷却系及び電力系は、通常の燃料電池システムと特に変わりがないので図示を省略する。
次に、図12のフローチャート例を参照して、本実施例における燃料電池システム停止時の制御装置による処理を詳細に説明する。この処理は、燃料電池システムの停止時、あるいは停止予測手段41により燃料電池システムまたは燃料電池車両の停止が予測されたときに呼び出されて、制御装置40により実行される処理である。
図12のフローチャートに記載した処理は、通常の燃料電池システム停止処理の前に、低酸素濃度ガスを生成する生成過程、低酸素濃度ガスをスタックケースへ導入する導入過程、及び導入した低酸素濃度ガスをスタックケース内に密閉する密閉過程を実行することに特徴がある。
まず最初に、ステップ(以下ステップをSと略す)10において、制御装置40は燃料電池スタック2の発電を継続して低酸素濃度ガスである酸化剤極排気を生成する。燃料電池スタック2の発電を継続した状態とは、アノード3に水素を供給し、カソード4に空気を供給し、燃料電池スタック2から出力を取り出し、冷却液を燃料電池スタック2へ循環させる状態である。このとき、冷却系を制御して燃料電池スタック2の温度を上昇させることにより、酸化剤極排気の温度を上昇させてもよい。酸化剤極排気の温度を上昇させると、この酸化剤極排気をスタックケース内へ密封した後に温度が下がり、スタックケース内の圧力が下がる効果がある。
S10における燃料電池スタック2の負荷は、発電停止前の低負荷運転状態であるとすれば、酸化剤極排気は、例えば、7〜14%の酸素濃度となっている。これは空気中の酸素濃度約21%より十分低い酸素濃度の低酸素濃度ガスである。S10が低酸素濃度ガス生成過程である。
次いでS12で、制御装置40は、ケース導入弁20及びケース排出弁23を開く。次いでS14で、低酸素濃度ガスである酸化剤極排気が空気圧力調整弁17、排気導入管19、ケース導入弁20、及びケース導入配管21を介してスタックケース5の内部へ導入される。同時に、スタックケース5内部の空気は、酸化剤極排気によりケース排出配管22、ケース排出弁23を介して外気へ押し出される。こうして、スタックケース5内が酸化剤極排気に置換される。このとき、スタックケース5へ導入されない酸化剤極排気は排気管18より外気へ排出される。
次いでS16で、スタックケース5内への低酸素濃度ガスの導入が完了したか否かを判定する。S16の判定で、低酸素濃度ガス導入完了条件が成立していなければ、S14へ戻る。この判定には、酸化剤極排気を導入し始めてからの経過時間や、スタックケース5内に設けた酸素濃度センサによる検出値を用いる。この経過時間や酸素濃度の判定値は、燃料電池の発電状態やスタックケース5内の空間容量、配管の断面積、長さ、弁の開口面積等により異なる。従って、実機による実験やシミュレーションにより求める。
この実験は、例えば、通常の空気をスタックケース5に満たした状態から始める。そして燃料電池スタック2を発電停止前の低負荷状態に設定する。この低負荷状態とは、例えば燃料電池車両では、アイドルストップ直前の負荷状態である。より具体的には、燃料電池スタックから車両用駆動電力を取り出すことなく、燃料電池の補機消費電力を燃料電池スタックの発電電流で賄っている状態である。この低負荷状態に応じた反応ガス供給、冷却液供給を継続した状態で、ケース導入弁20及びケース排出弁23を開く。そして、一定時間毎にスタックケース5内の酸素濃度を計測する。この酸素濃度の計測値は、計測を開始してから時間経過とともに酸素濃度が低下する。そして酸素濃度の低下速度は、時間経過とともに遅くなり、最終的には酸化剤極排気の酸素濃度に収束する。しかし、スタックケース内の低酸素濃度ガス置換に十分時間をかけることは燃費と時間の無駄である。従って、最終的な酸素濃度低下幅の例えば9割程度、酸素濃度が低下したときまでの経過時間をS16で用いる終了判定用の経過時間値に設定する。酸素濃度センサをスタックケース内に設置する場合も同様の考え方とする。最終的な酸素濃度低下幅の例えば9割程度、酸素濃度が低下したときの酸素濃度を終了判定値とする。S12からS16までが低酸素濃度ガス導入過程である。
S16の判定で、低酸素濃度ガス導入完了条件が成立していれば、S18へ進み、ケース排出弁23を閉じる。次いでS20でケース導入弁20を閉じる。S18〜S20がスタックケースを密閉する密閉過程である。
このように、本実施例では、外気よりも高温多湿な酸化剤極排気を低酸素濃度ガスとして、スタックケース5へ密閉する。酸化剤極排気をスタックケース5に密閉して放置すると、スタックケース5を介して放熱して、温度が低下する。この温度低下により、酸化剤極排気に含まれる水蒸気は、一部が凝縮して液水となる。また酸化剤極排気中のガス成分の温度も低下するので、スタックケース5の内部圧力は、密閉直後よりも時間の経過ととも低下する。これにより、スタックケース5の内部空間から燃料電池スタック2の内部へ漏洩する酸素量をより一層低下させることができるという効果がある。
次いで、S22からS26までの通常の発電停止処理が行われる。S22では、水素供給弁7を閉じ、水素循環ポンプ11を停止させる。同時に、空気供給装置13を停止させ、空気供給弁14及び空気圧力調整弁17を閉じる。次いで、S24で、燃料電池スタック2からの電流取り出しを停止し、S26で冷却水循環ポンプを停止させる。
以上説明した実施例1によれば、燃料電池システム停止時に、酸素濃度が低くなった酸化剤極排気を低酸素濃度ガスとしてスタックケース内へ導入しているので、特別な低酸素濃度ガス供給手段を設けることなく、燃料電池スタックの劣化を防止することができるという効果がある。
尚、本実施例の変形例1として、空気圧力調整弁17の上流から酸化剤極排気をケース導入弁20へ供給することもできる。この場合、排気導入管は、図1の破線で示した19aの接続となる。この変形例1によれば、空気圧力調整弁17の上流の圧力の高い酸化剤極排気をスタックケース5へ導入することができるので、短時間でスタックケース5内の空気を酸化剤極排気に置換することができるという効果がある。変形例1の密閉過程では、図12のS20のケース導入弁を閉じてから、S18のケース排出弁を閉じる動作を行うことにより、大気圧で酸化剤極排気をスタックケース5内へ封入することができる。
また本実施例の変形例2として、ケース導入弁20及びケース排出弁23を用いることなく、ケース導入配管21及びケース排出配管22を流れるガスの流量を規制することも考えられる。例えば、ケース導入配管21及びケース排出配管22にそれぞれオリフィスを設ける。これらのオリフィスにより、ケース導入弁20及びケース排出弁23がなくても、スタックケース5へ導入した低酸素濃度ガス(酸化剤極排気)と外気とが入れ替わる時間を遅くすることができる。この変形例2は、燃料電池システムを停止してから、次の起動までの間隔が短い場合に有効である。
更に本実施例の変形例3として、ケース導入弁20及びケース排出弁23もオリフィスを用いないことが考えられる。この場合、ケース導入配管21及びケース排出配管22の一部の配管径を絞ることにより、変形例2と同等の効果を期待できる。
更に本実施例の変形例4として、スタックケース5の内部に燃焼触媒を配置することが可能である。運転停止時にスタックケース5へ酸化剤極排気を導入した後、燃料電池スタック2からスタックケース5の空間に漏れ出た水素は、燃焼触媒で酸化剤極排気中の酸素と燃焼する。この燃焼により、スタックケース5中に封入された酸化剤極排気中の酸素はさらに減少させることができるという効果がある。
図2は、本発明に係る燃料電池システムの実施例2を示すシステム構成図である。本実施例は、実施例1に対して、排気管18に触媒燃焼器24を追加している点が異なる。その他の構成は、実施例1と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付与して重複する説明を省略する。
本実施例では、パージ弁11及び水素排出路12を介して排出される水素は、触媒燃焼器24へ導入される。触媒燃焼器24は、酸化剤極排気と水素とを触媒燃焼させて燃焼ガスを生成する。これにより、酸化剤極排気中の酸素濃度を更に低下させた燃焼ガスを得ることができる。
排気管18は、この燃焼ガスを触媒燃焼器24から外気へ排出する。実施例1と同様に、排気管18には、排気導入管19の一端が接続されている。排気導入管19の他端はケース導入弁20を介してケース導入配管21の一端に接続されている。ケース導入配管21の他端は、スタックケース5の内部に開口している。従って、触媒燃焼器24で燃焼させた燃焼ガスを低酸素濃度ガスとしてスタックケース5へ導入することができる。
図3は、本発明に係る燃料電池システムの実施例2の変形例を示すシステム構成図である。本変形例は、実施例2に対して、触媒燃焼器24の後段に冷却器25を追加している点が異なる。冷却器25は、図示しない冷却系により冷却液が流通して冷却されるようになっている。その他の構成は、実施例2と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付与して重複する説明を省略する。
本変形例では、触媒燃焼器24で生成した低酸素濃度ガスである燃焼ガスを冷却器25で冷却して温度を下げてからスタックケース5へ導入する。これにより、排気導入管19、ケース導入弁20、ケース導入管21、スタックケース5等の耐熱性が高くなくても酸化剤極排気より更に酸素濃度を低減した燃焼ガスをスタックケース内へ導入することができる。
以上説明した実施例2及びその変形例によれば、実施例1の効果に加えて、さらに酸素濃度を低減した低酸素濃度ガスをスタックケースに導入することができ、燃料電池スタックの劣化を更に防止することができるという効果がある。
図4は、本発明に係る燃料電池システムの実施例3を示すシステム構成図である。本実施例は、実施例1に対して、空気排出路16から空気供給路15へ空気を圧送する空気循環ポンプ26が追加され、排気導入管19の一端が空気圧力調整弁17の上流に接続されていることである。その他の構成は、実施例1と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付与して重複する説明を省略する。
本実施例において低酸素濃度ガスを生成する場合、空気循環ポンプ26は、空気排出路16から酸化剤極排気を吸い込み、空気供給路15へ排出する。このとき、空気供給装置13は停止し、空気供給弁14、空気圧力調整弁17、及びケース導入弁20は閉止しておく。これにより、同じ空気が繰り返しカソード4に再循環して発電反応に利用される。
この結果、空気中の酸素をカソード4が十分消費し、酸素濃度が例えば10%以下に低下した酸化剤極排気である低酸素濃度ガスを生成することができる。その後、ケース導入弁20及びケース排出弁23を開いて、低酸素濃度ガスをスタックケース5の内部へ導入する。導入後、ケース導入弁20及びケース排出弁23を閉じる。
空気循環ポンプ26により酸化剤極排気をカソード4へ再循環させる時間は、予め実機による実験やシミュレーションにより、酸化剤極排気を再循環させて目標酸素濃度(例えば10%)まで低下する時間を求める。求めた時間を制御装置40に終了判定時間として記憶しておく。そして、空気循環ポンプ26による酸化剤極排気の再循環開始からの経過時間を計測し、経過時間が終了判定時間に達したら、再循環を停止する。その後低酸素濃度となった酸化剤極排気をスタックケース5へ導入する。
図5は、実施例3の変形例1を示すシステム構成図である。変形例1では、酸化剤極排気を再循環させる空気循環ポンプ26、及び遮断弁27がスタックケース5の内部に配置されている。そして酸化剤極排気が再循環する経路に、スタックケース5の内部空間が含まれていることに特徴がある。その他の構成は実施例3と同様である。
空気循環ポンプ26は、空気排出路16から酸化剤極排気を吸い込み、スタックケース5の内部空間へ酸化剤極排気を放出する。遮断弁27は、スタックケース5の内部空間と、酸化剤極排気戻り配管28との間を開閉する。酸化剤極排気戻り配管28は、空気供給路15に接続されている。この構成により、酸化剤極排気が再循環する経路に、スタックケース5の内部空間が含まれることになる。
この変形例1において、酸化剤極排気を再循環させる場合、空気供給装置13は停止し、空気供給弁14及び空気圧力調整弁17は閉止しておく。そして遮断弁27を開き、空気循環ポンプ26を作動させる。これにより、カソード4、空気循環ポンプ26、ケース導入配管21、スタックケース5の内部空間、遮断弁27、酸化剤極排気戻り配管28、空気供給路15、カソード4という酸化剤極排気循環路が形成される。発電時間が経過するとともに、カソード4で酸素が消費され、スタックケース5の内部空間の酸素濃度が低下する。空気循環ポンプ26による再循環継続時間は、実施例3と同様に設定すればよい。再循環が終了すると、遮断弁27を閉止してスタックケース5の内部空間を密閉する。この変形例1によれば、低酸素濃度ガスの生成過程と、低酸素濃度ガスのスタックケースへの導入過程とが同時進行する。このためスタックケース5内の酸素濃度を均一に維持しながら酸素濃度を低下させることができるという効果がある。尚、図5において、空気循環ポンプ26と、遮断弁27の配置を互いに入れ替えても同様の動作を実現できる。
図6は、実施例3の変形例2を示すシステム構成図である。変形例2では、酸化剤極排気を再循環させる空気循環ポンプ26と直列に遮断弁27が配置されている。そして空気循環ポンプ26と遮断弁27との間に、排気導入管19が接続されている。その他の構成は、実施例3と同様である。
変形例2において、酸化剤極排気を再循環させる場合、空気供給装置13は停止し、空気供給弁14、ケース導入弁20及び空気圧力調整弁17は閉止しておく。そして遮断弁27を開き、空気循環ポンプ26を作動させる。これにより、カソード4、空気循環ポンプ26、遮断弁27が酸化剤極排気循環路となり、発電時間が経過するとともに、酸化剤極排気循環路内の酸素濃度が低下する。空気循環ポンプ26による再循環継続時間は、実施例3と同様に設定すればよい。再循環が終了すると、遮断弁27を閉止して、ケース導入弁20、ケース排出弁23を開いて、酸化剤極排気をスタックケース5の内部空間へ導入する。
実施例3では、空気循環ポンプ26により空気排出路16から空気供給路15へ酸化剤極排気を圧送する。このため、通常発電中は停止している空気循環ポンプ26の漏れが多いと、空気供給装置13の効率が低下し、燃料電池システムの燃費効率が低下する。
しかし、変形例2によれば、空気循環ポンプ26の停止中の漏れが多くても、遮断弁27により遮断されているので、通常発電中の空気供給装置13の効率低下を防止することができるという効果がある。
図7は、実施例3の変形例3を示すシステム構成図である。変形例3では、酸化剤極排気を再循環させる空気循環ポンプ26の配置及び接続が実施例3と異なる。そして酸化剤極排気が再循環する経路に、スタックケース5の内部空間が含まれていることに特徴がある。空気循環ポンプ26は、空気排出路16から酸化剤極排気を吸い込み、ケース導入配管21を介してスタックケース5の内部空間へ酸化剤極排気を圧送するように配置される。ケース導入管21にはケース導入弁を設けない。また、酸化剤極排気戻り配管28は、ケース排出配管22のケース排出弁23の上流に一端が接続され、他端が空気供給路15に接続されている。その他の構成は、実施例3と同様である。
この変形例3において、酸化剤極排気を再循環させる場合、空気供給装置13は停止し、空気供給弁14、空気圧力調整弁17及びケース排出弁23は閉止しておく。そして空気循環ポンプ26を作動させる。これにより、カソード4、空気排出路16、空気循環ポンプ26、ケース導入配管21、スタックケース5の内部空間、酸化剤極排気戻り配管28、空気供給路15、カソード4という酸化剤極排気循環路が形成される。発電時間が経過するとともに、カソード4で酸素が消費され、スタックケース5の内部空間の酸素濃度が低下する。空気循環ポンプ26による再循環継続時間は、実施例3と同様に設定すればよい。再循環が終了すると、ケース排出弁23を短時間開いて、スタックケース5の内部圧力を大気圧まで低下させてからケース排出弁23を閉じて、スタックケース5の内部空間を密閉する。この変形例3によれば、低酸素濃度ガスの生成過程と、低酸素濃度ガスのスタックケースへの導入過程とが同時進行する。このためスタックケース内の酸素濃度を均一に維持しながら酸素濃度を低下させることができるという効果がある。また、変形例3によれば、ケース導入弁20が不要となるので、使用する弁の数を減らすことができるという効果がある。またスタックケース5に封入する酸化剤極排気の圧力を大気圧まで減じ、スタックケース5内の酸素分圧を低下させることができる。
図8は、実施例3の変形例4を示すシステム構成図である。変形例4では、酸化剤極排気を再循環させる空気循環ポンプ26の配置及び接続が実施例3と異なる。そして酸化剤極排気が再循環する経路に、スタックケース5の内部空間が含まれていることに特徴がある。スタックケース5の内部空間と空気排出路16とを接続するケース導入配管21には、ケース導入弁に代えてオリフィス30が設けられている。また、酸化剤極排気戻り配管28は、ケース排出配管22のケース排出弁23の上流に一端が接続され、他端が空気供給路15に接続されている。この酸化剤極排気戻り配管28上に、遮断弁29と空気循環ポンプ26とが直列に配置されている。その他の構成は、実施例3の変形例3と同様である。
この変形例4において、酸化剤極排気を再循環させる場合、空気供給装置13は停止し、空気供給弁14、空気圧力調整弁17及びケース排出弁23は閉止しておく。そして遮断弁29を開き、空気循環ポンプ26を作動させる。これにより、カソード4、空気排出路16、オリフィス30,ケース導入配管21、スタックケース5の内部空間、酸化剤極排気戻り配管28、遮断弁29、空気循環ポンプ26、空気供給路15、カソード4という酸化剤極排気循環路が形成される。発電時間が経過するとともに、カソード4で酸素が消費され、スタックケース5の内部空間の酸素濃度が低下する。空気循環ポンプ26による再循環継続時間は、実施例3と同様に設定すればよい。再循環が終了すると、ケース排出弁23を短時間開いて、スタックケース5の内部圧力を大気圧まで低下させてからケース排出弁23を閉じて、スタックケース5の内部空間を密閉する。
この変形例4によれば、低酸素濃度ガスの生成過程と、低酸素濃度ガスのスタックケースへの導入過程とが同時進行する。このためスタックケース内の酸素濃度を均一に維持しながら酸素濃度を低下させることができるという効果がある。また、変形例4によれば、スタックケース5に封入する酸化剤極排気の圧力を大気圧まで減じ、スタックケース5内の酸素分圧を低下させることができる。また変形例4によれば、空気循環ポンプ26の停止中の漏れが多くても、遮断弁29により遮断されているので、通常発電中の空気供給装置13の効率低下を防止することができるという効果がある。
以上説明した実施例3及びそ3の変形例1〜4によれば、燃料電池スタックのカソードを通過した低酸素濃度の酸化剤極排気を空気循環ポンプによりカソードへ再循環させる。これにより酸素濃度を更に低下させた酸化剤極排気をスタックケース内へ導入することができるという効果がある。
図9(a)は、本発明に係る燃料電池システムの実施例4を示すシステム構成図である。本実施例は、実施例1に対して、酸化剤極排気が排出される経路及び酸化剤極排気のスタックケース5内への導入経路が異なっている。本実施例は、実施例1の排気導入管19、ケース導入配管20,ケース導入弁21は備えていない。その代わりに以下の構成要素を備えている。
空気排出路16上の空気圧力調整弁17は、スタックケース5の内部へ配置される。空気圧力調整弁17の下流の排気管18には、遮断弁29が設けられる。さらに、空気圧力調整弁17の直前の空気排出路16には、ベンチュリ31とノズル32が設けられる。その他の構成は、実施例1と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付与して重複する説明を省略する。
図9(b)は、空気圧力調整弁17における酸化剤極排気が高流量(実験にて求められる第1所定流量)時の様子を示す模式断面図、図9(b)は、空気圧力調整弁17における酸化剤極排気が低流量(実験にて求められる第1所定流量より少ない第2所定流量)時の様子を示す模式断面図である。図9(b)に示すように、ベンチュリ31は、空気圧調整弁17が高流量時に、空気排出路16の断面積を絞って、流速を高め負圧を生じさせる。ノズル31は、空気排出路16の負圧が生じる箇所に開口してスタックケース5の内部空間と連通させるものである。高流量時にはベンチュリ31に生じた負圧により、スタックケース5の内部空間のガスは吸い出される。
これとは逆に、図9(c)に示すように、空気圧調整弁17が絞られて低流量の時には、空気圧力調整弁17に圧力損失により、ベンチュリ31に圧力が高くなる。このため、
酸化剤極排気は、ノズル31からスタックケース5の内部空間へ導入される。
燃料電池システムの運転停止の直前に、低負荷の発電を行うと、図9(c)の状態となり、低酸素濃度ガスである酸化剤極排気がスタックケース5の内部空間へ導入される。この後、遮断弁29及びケース排出弁23を閉じて、低酸素濃度ガスをスタックケース内へ封入することができる。
以上説明した実施例4によれば、空気圧力調整弁をスタックケース内に配置し、空気圧力調整弁の直前にベンチュリとノズルを設けるという簡素な構成により低酸素濃度ガスである酸化剤極排気をスタックケース内へ導入することができる。従って、部品点数の低減、レイアウト性の向上を図ることができるという効果がある。
図10は、本発明に係る燃料電池システムの実施例5を示すシステム構成図である。本実施例は、実施例1に対して、スタックケース5から排気する排気ポンプ33が追加されている。その他の構成は、実施例1と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付与して重複する説明を省略する。
排気ポンプ33は、ケース排出配管22のケース排出弁23の下流に配置されている。実施例1と同様に、低酸素濃度ガスとして酸化剤極排気をスタックケース5へ導入した後、ケース導入弁20を閉じる。次いで、ケース排出弁23を開いて、排気ポンプ33を駆動する。これにより、スタックケース5の内部空間から酸化剤極排気が排出され、スタックケース5内の圧力が低下する。所定時間が経過するか、あるいはスタックケース5内に設けた圧力センサの検出値が所定圧力まで低下したときに、ケース排出弁23を閉じる。同時に、排気ポンプ33を停止させる。所定時間または所定圧力は、実機による実験あるいはシミュレーションにより求める。
以上説明した実施例5によれば、排気ポンプ33によりスタックケース5から低酸素濃度ガスを排出することができ、スタックケース5内の酸素分圧をさらに低減することができるという効果がある。
図11は、本発明に係る燃料電池システムの実施例6を示すシステム構成図である。本実施例は、実施例1に対して、スタックケース5の底面5aを水平から傾いた傾斜面としている。そして、スタックケース5から排気するケース排出配管22をスタックケース底面5aの最も低い位置に配置している。またケース排出配管22を鉛直下向きに設けている。その他の構成及び動作は、実施例1と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付与して重複する説明を省略する。
実施例6によれば、ケース排出配管22をスタックケース5の底面の最も低い位置に配置しているので、酸化剤極排気から凝縮した水分をスタックケース内からケース排出配管22を介して外部へ排水することができるという効果がある。また、スタックケースの底面を水平から傾いた傾斜面としたので、ケース排出配管へ効率的に凝縮水を集めて排水することが可能となるという効果がある。
本発明に係る燃料電池システムの実施例1の構成を示すシステム構成図である。 本発明に係る燃料電池システムの実施例2の構成を示すシステム構成図である。 実施例2の変形例の構成を示すシステム構成図である。 本発明に係る燃料電池システムの実施例3の構成を示すシステム構成図である。 実施例3の変形例1の構成を示すシステム構成図である。 実施例3の変形例2の構成を示すシステム構成図である。 実施例3の変形例3の構成を示すシステム構成図である。 実施例3の変形例4の構成を示すシステム構成図である。 本発明に係る燃料電池システムの実施例4の構成を示すシステム構成図である。 本発明に係る燃料電池システムの実施例5の構成を示すシステム構成図である。 本発明に係る燃料電池システムの実施例6の構成を示すシステム構成図である。 実施例1の動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
1…燃料電池システム、2…燃料電池スタック、3…アノード、4…カソード、5…スタックケース、6…水素供給装置、7…水素供給弁、8…水素供給路、9…水素循環路、10…水素循環ポンプ、11…パージ弁、12…水素排出路、13…空気供給装置、14…空気供給弁、15…空気供給路、16…空気排出路、17…空気圧力調整弁、18…排気管、19…排気導入管(低酸素濃度ガス導入手段)、20…ケース導入弁(低酸素濃度ガス導入手段)、21…ケース導入配管(低酸素濃度ガス導入手段)、22…ケース排出弁(低酸素濃度ガス導入手段)、23…ケース排出弁(低酸素濃度ガス導入手段)、24…触媒燃焼器、25…冷却器、26…空気循環ポンプ、27…遮断弁、28…酸化剤極排気戻り配管、29…遮断弁、30…オリフィス、31…ベンチュリ、32…ノズル、33…排気ポンプ、40…制御装置、41…停止予測手段、42…車速センサ、43…ナビゲーション装置、44…パーキングブレーキセンサ、45…セレクトレバーポジションセンサ。

Claims (17)

  1. 燃料ガスと空気との電気化学反応により発電する燃料電池スタックと、
    該燃料電池スタックを覆うスタックケースと、
    前記スタックケース内に酸素濃度が低い低酸素濃度ガスを導入する低酸素濃度ガス導入手段と、
    燃料電池システム停止時に、前記低酸素濃度ガス導入手段により前記低酸素濃度ガスを前記スタックケース内へ導入するように制御する制御装置と、
    を備え、燃料電池システム停止中に前記スタックケース内の酸素分圧を大気中よりも低くすることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記低酸素濃度ガスは、前記燃料電池スタックの酸化剤極から排出される酸化剤極排気であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池スタックの酸化剤極から排出される酸化剤極排気に燃料ガスを加えて燃焼させる燃焼手段を更に備え、
    該燃焼手段により前記酸化剤極排気中の酸素濃度を更に低下させた燃焼ガスを前記低酸素濃度ガスとして前記スタックケースへ導入することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃焼手段で燃焼させた燃焼ガスを冷却する冷却器を更に備え、
    前記燃焼ガスを冷却してから前記スタックケース内へ導入することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記酸化剤極排気を酸化剤極へ再循環させる空気循環ポンプを更に備え、 再循環させた酸化剤極排気を前記スタックケース内へ導入することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  6. 前記酸化剤極排気が再循環する経路は、前記スタックケース内を経由することを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記スタックケースから排気する排気ポンプを備え、
    前記スタックケースに低酸素濃度ガスを導入した後に、前記排気ポンプによりスタックケースから排気することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 酸化剤極排気経路の圧損を制御することにより酸化剤極の空気圧力を調整する空気圧力調整弁と、
    該空気圧力調整弁の上流の空気流路の断面積を小さくするベンチュリと、
    該ベンチュリに開口するノズルと、を備え、
    スタックケースの内部空間とノズルとが連通し、
    前記空気圧力調整弁の第1所定流量以上の時には、ベンチュリの負圧によりスタックケース内部のガスが吸い出され、
    前記空気圧力調整弁の前記第1所定流量より少ない第2所定流量以下の時には、前記空気圧調整弁の圧損により酸化剤極排気が前記スタックケース内へ導入されることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  9. 前記低酸素濃度ガス導入手段は、
    前記スタックケースへ低酸素濃度ガスを導入するケース導入配管と、
    該ケース導入配管を開閉するケース導入弁と、
    前記スタックケースからガスを排出するケース排出配管と、
    該ケース排出配管を開閉するケース排出弁と、を備え、
    前記ケース導入弁及び前記ケース排出弁を開いて前記スタックケース内へ低酸素濃度ガスを導入した後に、前記ケース導入弁及び前記ケース排出弁を閉止することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  10. 前記低酸素濃度ガス導入手段は、
    前記スタックケースへ低酸素濃度ガスを導入するケース導入配管と、
    前記スタックケースからガスを排出するケース排出配管と、
    を備え、
    前記ケース導入配管及び前記ケース排出配管を流れるガスの流量を規制することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  11. 前記ケース導入配管及び前記ケース排出配管には、それぞれオリフィスを備えたことを特徴とする請求項10に記載の燃料電池システム。
  12. 前記ケース導入配管及び前記ケース排出配管の一部の配管径を絞ることを特徴とする請求項10に記載の燃料電池システム。
  13. 前記ケース導入管及び前記ケース排出管の向きを鉛直下向きに配置したことを特徴とする請求項9乃至請求項12の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  14. 前記スタックケース底面を水平から傾いた傾斜面とし、
    前記ケース排出管を前記傾斜面の最も低い位置に配置したことを特徴とする請求項13に記載の燃料電池システム。
  15. 燃料電池システムを搭載した車両の停止シーケンス中に、前記低酸素濃度ガスを前記スタックケース内へ導入することを特徴とする請求項1乃至請求項14の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  16. 前記制御装置は、燃料電池システム又はこれを搭載した車両の停止を予測する停止予測手段を備え、
    該停止予測手段が停止を予測した場合に、前記低酸素濃度ガスを前記スタックケース内へ導入することを特徴とする請求項1乃至請求項14の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  17. 燃料ガスと空気との電気化学反応により発電する燃料電池スタックと、該燃料電池スタックを覆うスタックケースと、該スタックケース内へ空気より酸素濃度が低い低酸素濃度ガスを導入する低酸素濃度ガス導入手段と、備えた燃料電池システムの運転方法であって、
    燃料電池システムの運転停止時に、酸化剤極で酸素が消費され酸素濃度が低下した低酸素濃度ガスを生成する低酸素濃度ガス生成過程と、
    該低酸素濃度ガス生成過程で生成された低酸素濃度ガスを前記スタックケース内へ導入する低酸素濃度ガス導入過程と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
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