以下に添付図面を参照して、この光通信装置および光通信システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる光通信システムの機能的構成を示すブロック図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる光通信システム100は、二芯光伝送路110と、OLT120と、光通信装置130と、分岐部140と、ONU141〜143と、光通信装置150と、を備えている。光通信装置130および光通信装置150のそれぞれは、二芯光伝送路110の2カ所に設けられた中継装置である。
たとえば、二芯光伝送路110は、SONET方式の光通信システムの伝送路である。そして、光通信装置130および光通信装置150のそれぞれは、SONET方式の光通信システムにおいて光信号の挿入および分岐を行う挿入分岐ノードである。また、二芯光伝送路110は、たとえばリング状に接続された二芯光伝送路の一部である。
二芯光伝送路110は、第1芯111および第2芯112を備えている。第1芯111および第2芯112は、それぞれ一方向に、かつ互いに逆方向に光信号を通過させる。第1芯111は、光通信装置130から光通信装置150へ送信される光信号を通過させる。第2芯112は、光通信装置150から光通信装置130へ送信される光信号を通過させる。二芯光伝送路110は、たとえば二芯の光ファイバである。
OLT120は、光通信装置130に接続された光送受信機(収容局)である。OLT120は、ONU141〜143との間でPON方式の通信(一芯双方向の通信)を行う。具体的には、OLT120は、ONU141〜143のいずれかを宛先とする各光信号を時分割多重して光通信装置130へ送信する。また、OLT120は、ONU141〜143から時分割多重によって送信された各光信号を光通信装置130から受信する。
実線矢印は、OLT120からONU141〜143へ送信される光信号の流れを示している。点線矢印は、ONU141〜143からOLT120へ送信される光信号の流れを示している(図2〜図7,図9においても同様)。また、OLT120からONU141〜143へ送信される光信号の波長λ1(第1波長)と、ONU141〜143からOLT120へ送信される光信号の波長λ2(第2波長)と、は互いに異なる波長である。
光通信装置130は、一芯光伝送路131と、挿入分岐部132と、挿入分岐部133と、を備えている。一芯光伝送路131は、一端がOLT120に接続され、他端が挿入分岐部132に接続された一芯双方向の伝送路である。一芯光伝送路131は、OLT120から送信された光信号を挿入分岐部132へ通過させる。また、一芯光伝送路131は、挿入分岐部132から出力された光信号をOLT120へ通過させる。
挿入分岐部132(第1挿入分岐手段)は、二芯光伝送路110の第2芯112(他方の芯)に対して光信号の挿入および分岐を行う。挿入分岐部132は、第2芯112を介して光通信装置150からOLT120へ送信された光信号を受信する受信手段である。挿入分岐部132は、受信した光信号を第2芯112から分岐して一芯光伝送路131に通過させる。また、挿入分岐部132は、OLT120から送信されて一芯光伝送路131を通過した光信号を分岐して、分岐した光信号を挿入分岐部133へ出力する。
挿入分岐部133(第2挿入分岐手段)は、二芯光伝送路110の第1芯111(一方の芯)に対して光信号の挿入および分岐を行う。挿入分岐部133は、挿入分岐部132から出力された光信号を第1芯111に挿入して光通信装置150へ送信する送信手段である。挿入分岐部132および挿入分岐部133のそれぞれはたとえば光カプラである。
分岐部140(分岐合流手段)は、光通信装置150に接続されている。分岐部140は、光通信装置150から送信された光信号を分岐して、分岐した各光信号をそれぞれONU141〜143へ送信する。また、分岐部140は、ONU141〜143から送信された各光信号を合流して光通信装置150へ送信する。
ONU141〜143のそれぞれは、分岐部140によって光通信装置150と分岐接続された光送受信機(加入者端末)である。ONU141〜143は、OLT120との間でPON方式の通信(一芯双方向の通信)を行う。具体的には、ONU141〜143は、互いに異なるタイミングで光信号を分岐部140へ送信する。また、ONU141〜143は、分岐部140から送信された各光信号のうちの、自機宛の光信号を受信する。
光通信装置150は、一芯光伝送路151と、挿入分岐部152と、挿入分岐部153と、を備えている。一芯光伝送路151は、一端が分岐部140に接続され、他端が挿入分岐部153に接続された一芯双方向の伝送路である。一芯光伝送路151は、分岐部140から送信された光信号を挿入分岐部153へ通過させる。また、一芯光伝送路151は、挿入分岐部153から出力された光信号を分岐部140へ通過させる。
挿入分岐部152(第1挿入分岐手段)は、二芯光伝送路110の第1芯111に対する光信号の挿入および分岐を行う。挿入分岐部152は、二芯光伝送路110の第1芯111を介して光通信装置130からONU141〜143へ送信された光信号を受信する受信手段である。挿入分岐部152は、受信した光信号を第1芯111から分岐する。挿入分岐部152は、分岐した光信号を挿入分岐部153へ出力する。
挿入分岐部153(第2挿入分岐手段)は、二芯光伝送路110の第2芯112に対する光信号の挿入および分岐を行う。挿入分岐部153は、一芯光伝送路151から出力された光信号を第2芯112に挿入して光通信装置130へ送信する送信手段である。また、挿入分岐部153は、挿入分岐部152から出力された光信号を分岐する。挿入分岐部153は、分岐した光信号を一芯光伝送路151に通過させる。
挿入分岐部152および挿入分岐部153のそれぞれは、たとえば、1×2の光カプラ、2×1の光カプラまたは2×2の光カプラである。分岐部140は、たとえば1×N(Nは3以上)のスターカプラである。一芯光伝送路131および一芯光伝送路151のそれぞれは、たとえば、一芯の光ファイバである。
図2は、図1に示した光通信システムの具体的な構成を示すブロック図である。図2において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。ここでは、第1芯111および第2芯112によって伝送される各光信号が、波長多重されたWDM光信号である場合について説明する。OLT120とONU141〜143は、光信号に含まれる波長λ1および波長λ2の各光信号によって互いに通信を行う。
図2に示す光通信装置130は、受信した光信号を波長多重分離する。光通信装置130は、分離した光信号ごとに光信号の挿入および分岐を行う。具体的には、光通信装置130は、図1に示した光通信装置130の構成に加えて、増幅器211〜216と、多重分離部221,222と、多重化部231,232と、を備えている。
増幅器211は、光通信装置130の前段(図の左側)の光通信装置(不図示)から送信された光信号を受信して増幅する。増幅器211は、増幅した光信号を多重分離部221へ出力する。多重分離部221は、増幅器211から出力された光信号を波長多重分離する。ここでは、多重分離部221によって波長多重分離される各光信号のうちの一つの光信号のみについて説明し、他の光信号についての図示および説明を省略する。
多重分離部221は、波長多重分離した各光信号のうちの一つの光信号を挿入分岐部133へ出力する。挿入分岐部133は、多重分離部221から出力された光信号と、挿入分岐部132から出力された光信号と、を合流させて増幅器212へ出力する。挿入分岐部133は、挿入分岐部132から出力された光信号を増幅器212へ出力する。
増幅器212は、挿入分岐部133から出力された光信号を増幅して多重化部231へ出力する。多重化部231は、増幅器212から出力された光信号と、多重分離部221によって波長多重分離された図示しない他の波長の各光信号と、を波長多重する。多重化部231は、波長多重した光信号を増幅器213へ出力する。増幅器213は、多重化部231から出力された光信号を増幅して光通信装置150へ送信する。
増幅器214は、光通信装置130の後段(図の右側)の光通信装置150から送信された光信号を受信して増幅する。増幅器214は、増幅した光信号を多重分離部222へ出力する。多重分離部222は、増幅器214から出力された光信号を波長多重分離する。ここでは、多重分離部222によって波長多重分離される各光信号のうちの一つの光信号のみについて説明し、他の光信号についての図示および説明を省略する。
多重分離部222は、波長多重分離した各光信号のうちの一つを増幅器215へ出力する。増幅器215は、多重分離部222から出力された光信号を増幅して挿入分岐部132へ出力する。挿入分岐部132は、増幅器215から出力された光信号を分岐して、分岐した各光信号をそれぞれ一芯光伝送路131および多重化部232へ出力する。
多重化部232は、挿入分岐部132から出力された光信号と、多重分離部222によって波長多重分離された図示しない他の波長の各光信号と、を波長多重する。多重化部232は、波長多重した光信号を増幅器216へ出力する。増幅器216は、多重化部232から出力された光信号を増幅して、光通信装置130の前段の光通信装置へ送信する。
図2に示す光通信装置150は、受信した光信号を波長多重分離する。光通信装置150は、分離した光信号ごとに光信号の挿入および分岐を行う。具体的には、光通信装置150は、図1に示した光通信装置150の構成に加えて、増幅器241〜246と、多重分離部251,252と、多重化部261,262と、を備えている。
増幅器241は、光通信装置150の後段(図の右側)の光通信装置(不図示)から送信された光信号を受信して増幅する。増幅器241は、増幅した光信号を多重分離部251へ出力する。多重分離部251は、増幅器241から出力された光信号を波長多重分離する。ここでは、多重分離部251によって波長多重分離される各光信号のうちの一つの光信号のみについて説明し、他の光信号についての図示および説明を省略する。
多重分離部251は、波長多重分離した各光信号のうちの一つを挿入分岐部153へ出力する。挿入分岐部153は、多重分離部251から出力された光信号と、一芯光伝送路151から出力された光信号と、を合流させて増幅器242へ出力する。増幅器242は、挿入分岐部153から出力された光信号を増幅して多重化部261へ出力する。
多重化部261は、増幅器242から出力された光信号と、多重分離部251によって波長多重分離された図示しない他の波長の各光信号と、を波長多重する。多重化部261は、波長多重した光信号を増幅器243へ出力する。増幅器243は、多重化部261から出力された光信号を増幅して光通信装置130へ送信する。
増幅器244は、光通信装置150の前段(図の左側)の光通信装置130から送信された光信号を受信して増幅する。増幅器244は、増幅した光信号を多重分離部252へ出力する。多重分離部252は、増幅器244から出力された光信号を波長多重分離する。ここでは、多重分離部252によって波長多重分離される各光信号のうちの一つの光信号のみについて説明し、他の光信号についての図示および説明を省略する。
多重分離部252は、波長多重分離した各光信号のうちの一つの光信号を増幅器245へ出力する。増幅器245は、多重分離部252から出力された光信号を増幅して挿入分岐部152へ出力する。挿入分岐部152は、増幅器245から出力された光信号を分岐して、分岐した各光信号をそれぞれ挿入分岐部153および多重化部262へ出力する。
多重化部262は、挿入分岐部152から出力された光信号と、多重分離部252によって波長多重分離された図示しない他の波長の各光信号と、を波長多重する。多重化部262は、波長多重した光信号を増幅器246へ出力する。増幅器246は、多重化部262から出力された光信号を増幅して、光通信装置150の後段の光通信装置へ送信する。
増幅器211〜216および増幅器241〜246のそれぞれは、たとえばSOA(Semiconductor Optical Amplifier:半導体光増幅器)やEDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier:エルビウム添加ファイバ増幅器)である。また、多重分離部221,222,251,252および多重化部231,232,261,262のそれぞれは、たとえばAWG(Arrayed Waveguide Grating:アレイ導波路格子)である。
ここでは増幅器212,215,245,242を設ける構成について説明したが、OLT120とONU141〜143の間で送受信される光信号のOSNR(Optical Signal Noise Ratio:光信号雑音比)が十分に確保できる場合は、増幅器212,215,245,242の全部または一部を省いた構成にしてもよい。
図3は、図2に示した前段の光通信装置の具体例を示すブロック図である。図3において、図2に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図3は、図2に示した光通信装置130の多重分離部221および多重化部231の間の構成と、多重分離部222および多重化部232の間の構成と、の具体例を示している。
多重分離部221および多重化部231の間には、光カプラ311〜315と、SOAアレイ320と、光カプラ331〜335と、が設けられている。多重分離部221は、波長多重分離した各光信号を、それぞれ光カプラ311〜315へ出力する。光カプラ311〜314のそれぞれは、1×2の光カプラである。
光カプラ311〜314のそれぞれは、多重分離部221から出力された光信号を分岐する。光カプラ311〜314のそれぞれは、分岐した各光の一方をSOAアレイ320へ出力する(Through)。また、光カプラ311〜314のそれぞれは、分岐した各光の他方を外部へ出力する(Drop)。
光カプラ315は、図2に示した挿入分岐部133である。光カプラ315は、2×2の光カプラである。光カプラ315には、多重分離部221から出力された光信号と、光カプラ361から出力された光信号と、が入力される。光カプラ315は、入力された光信号を分岐する。光カプラ315は、分岐した各光信号の一方をSOAアレイ320へ出力し(Add/Through)、分岐した各光の他方を外部へ出力する(Drop)。
SOAアレイ320の各SOAは、それぞれ光カプラ311〜315および光カプラ331〜335に対応している。SOAアレイ320の各SOAは、光カプラ311〜315のうちの対応する光カプラから出力された光信号を増幅し、増幅した光信号を光カプラ331〜335のうちの対応する光カプラへ出力する。SOAアレイ320の各SOAのうちの、光カプラ315に対応するSOA321は、図2に示した増幅器212である。
光カプラ331〜334のそれぞれは、2×1の光カプラである。光カプラ331〜335のそれぞれには、SOAアレイ320のうちの対応するSOAから出力された光信号と、外部からの光信号と、が入力される。光カプラ331〜335のそれぞれは、入力された光信号を多重化部231へ出力する。多重化部231は、光カプラ331〜335から出力された各光信号を波長多重する。
多重分離部222および多重化部232の間には、光カプラ341〜345と、SOAアレイ350と、光カプラ361〜365と、が設けられている。多重分離部222は、波長多重分離した各光信号を、それぞれ光カプラ341〜345へ出力する。光カプラ341〜344のそれぞれは、1×2の光カプラである。
光カプラ341〜345のそれぞれは、多重分離部222から出力された光信号を分岐する。光カプラ341〜345のそれぞれは、分岐した各光の一方をSOAアレイ350へ出力する(Through)。また、光カプラ341〜345のそれぞれは、分岐した各光の他方を外部へ出力する(Drop)。
SOAアレイ350の各SOAは、それぞれ光カプラ341〜345および光カプラ361〜365に対応している。SOAアレイ350の各SOAは、光カプラ341〜345のうちの対応する光カプラから出力された光信号を増幅し、増幅した光信号を光カプラ361〜365のうちの対応する光カプラへ出力する。SOAアレイ350の各SOAのうちの、光カプラ361に対応するSOA351は、図2に示した増幅器215である。
光カプラ362〜364のそれぞれは、2×1の光カプラである。光カプラ362〜364のそれぞれには、SOAアレイ350のうちの対応するSOAから出力された光信号と、外部からの光信号と、が入力される。光カプラ362〜364のそれぞれは、入力された光信号を合流させて多重化部232へ出力する。
光カプラ361は、図2に示した挿入分岐部132である。光カプラ361は、2×2の光カプラである。光カプラ361には、SOA351から出力された光信号と、多重分離部222から出力された光信号と、が入力される。光カプラ361は、入力された光信号を分岐して、分岐した各光信号の一方を一芯光伝送路131へ出力する。光カプラ361によって分岐された各光信号の他方は、多重化部232へ出力される。
また、光カプラ361には、一芯光伝送路131から出力された光信号が入力される。光カプラ361は、入力された光信号を分岐して、分岐した各光信号の一方を光カプラ315へ出力する。光カプラ341によって分岐された各光信号の他方は、SOA351に出力される。光カプラ341からSOA351へ出力される光は、たとえば、SOA351に内蔵されるアイソレータによって遮断するとよい。
多重化部232は、光カプラ361〜365から出力された各光信号を波長多重する。ここで、光カプラ361から多重化部232へ出力される光信号は、多重化部232によって遮断するとよい。たとえば多重化部232がAWGである場合は、AWGの特性設計により、光カプラ361から出力される光信号の波長成分を出力しないようにする。
図4は、図2に示した後段の光通信装置の具体例を示すブロック図である。図4において、図2に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図4は、図2に示した光通信装置150の多重分離部251および多重化部261の間の構成と、多重分離部252および多重化部262の間の構成と、の具体例を示している。
多重分離部251および多重化部261の間には、光カプラ411〜415と、SOAアレイ420と、光カプラ431〜435と、が設けられている。多重分離部251は、波長多重分離した各光信号を、それぞれ光カプラ411〜415へ出力する。光カプラ412〜415のそれぞれは、1×2の光カプラである。
光カプラ412〜415のそれぞれは、多重分離部251から出力された光信号を分岐する。光カプラ412〜415のそれぞれは、分岐した各光の一方をSOAアレイ420へ出力する(Through)。また、光カプラ412〜415のそれぞれは、分岐した各光の他方を外部へ出力する(Drop)。
光カプラ411は、図2に示した挿入分岐部153である。光カプラ411は、2×2の光カプラである。光カプラ411には、多重分離部251から出力された光信号と、一芯光伝送路151から出力された光信号と、が入力される。光カプラ411は、入力された多重分離部251からの光信号と、一芯光伝送路151からの光信号と、を分岐する。
光カプラ411は、分岐した各光の一方をSOAアレイ420へ出力する(Through)。また、光カプラ411によって分岐された各光信号の他方は、光カプラ465を経由してSOA451へ出力される。光カプラ411からSOA451へ出力される光信号は、たとえば、SOA451が内蔵する光アイソレータによって遮断するとよい。
SOAアレイ420の各SOAは、それぞれ光カプラ411〜415および光カプラ431〜435に対応している。SOAアレイ420の各SOAは、光カプラ411〜415のうちの対応する光カプラから出力された光信号を増幅し、増幅した光信号を光カプラ431〜435のうちの対応する光カプラへ出力する。SOAアレイ420の各SOAのうちの、光カプラ411に対応するSOA421は、図2に示した増幅器242である。
光カプラ431〜434のそれぞれは、2×1の光カプラである。光カプラ431〜435のそれぞれには、SOAアレイ420のうちの対応するSOAから出力された光信号と、外部からの光信号と、が入力される。光カプラ431〜435のそれぞれは、入力された光信号を多重化部261へ出力する。多重化部261は、光カプラ431〜435から出力された各光信号を波長多重して増幅器243へ出力する。
多重分離部252および多重化部262の間には、光カプラ441〜445と、SOAアレイ450と、光カプラ461〜465と、が設けられている。多重分離部252は、波長多重分離した各光信号を、それぞれ光カプラ441〜445へ出力する。光カプラ441〜444のそれぞれは、1×2の光カプラである。
光カプラ441〜445のそれぞれは、多重分離部252から出力された光信号を分岐する。光カプラ441〜445のそれぞれは、分岐した各光の一方をSOAアレイ450へ出力する(Through)。また、光カプラ441〜445のそれぞれは、分岐した各光の他方を外部へ出力する(Drop)。
SOAアレイ450の各SOAは、それぞれ光カプラ441〜445および光カプラ461〜465に対応している。SOAアレイ450の各SOAは、光カプラ441〜445のうちの対応する光カプラから出力された光信号を増幅し、増幅した光信号を光カプラ461〜465のうちの対応する光カプラへ出力する。SOAアレイ450の各SOAのうちの、光カプラ461に対応するSOA451は、図2に示した増幅器245である。
光カプラ461〜464のそれぞれは、2×1の光カプラである。光カプラ461〜464のそれぞれには、SOAアレイ450のうちの対応するSOAから出力された光信号と、外部からの光信号と、が入力される。光カプラ461〜464のそれぞれは、入力された光信号を合流させて多重化部262へ出力する。
光カプラ465は、図2に示した挿入分岐部152である。光カプラ465は、2×2の光カプラである。光カプラ465には、SOA451から出力された光信号と、外部からの光信号と、が入力される。光カプラ465は、入力された光信号を分岐して、分岐した各光信号の一方を光カプラ411へ出力する。光カプラ461によって分岐された各光信号の他方は、多重化部262へ出力される。
多重化部262は、光カプラ461〜465から出力された各光信号を波長多重する。ここで、光カプラ461から多重化部262へ出力される光信号は、多重化部262によって遮断するとよい。たとえば多重化部262がAWGである場合は、AWGの特性設計により、光カプラ461から出力される光信号の波長成分を出力しないようにする。
図5は、図3に示した光通信装置の変形例を示すブロック図である。図5において、図3に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。OLT120とONU141〜143の間で送受信される光信号のOSNRが十分に確保できる場合は、OLT120とONU141〜143の間で送受信される光信号がSOAアレイ320およびSOAアレイ350を経由しない構成にしてもよい。
この場合は、光カプラ335が、図2に示した挿入分岐部133となる。光カプラ335には、SOA321から出力された光信号と、光カプラ341から出力された光信号と、が入力される。光カプラ335は、入力された各光信号を合流させて多重化部231へ出力する(Add/Through)。
また、この場合は、光カプラ341が、図2に示した挿入分岐部132となる。光カプラ341には、多重分離部222から出力された光信号が入力される。光カプラ341は、入力された光信号を分岐して、分岐した各光信号の一方を一芯光伝送路131へ出力する。光カプラ361によって分岐された各光信号の他方は多重化部232へ出力される。
また、光カプラ341には、一芯光伝送路131から出力された光信号が入力される。光カプラ341は、入力された光信号を分岐して、分岐した各光信号の一方を光カプラ335へ出力する。光カプラ341によって分岐された各光信号の他方は、多重分離部222に出力される。光カプラ341から多重分離部222へ出力される光は、多重分離部222によって遮断するとよい。たとえば多重分離部222がAWGである場合は、AWGの特性設計により、光カプラ341からの光信号の波長成分を出力しないようにする。
また、光カプラ341からSOA351へ出力される光信号は、多重化部232によって遮断するとよい。たとえば多重化部232がAWGである場合は、AWGの特性設計により、光カプラ341から出力される光信号の波長成分を出力しないようにする。図5に示した構成においては、光カプラ315は1×2の光カプラにしてもよい。また、光カプラ361は2×1の光カプラにしてもよい。
図6は、図4に示した光通信装置の変形例を示すブロック図である。図6において、図4に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。OLT120とONU141〜143の間で送受信される光信号のOSNRが十分に確保できる場合は、OLT120とONU141〜143の間で送受信される光信号がSOAアレイ420およびSOAアレイ450を経由しない構成にしてもよい。
この場合は、光カプラ431が、図2に示した挿入分岐部153となる。光カプラ431は、2×2の光カプラとする。光カプラ431には、SOAアレイ420のSOA421から出力された光信号と、一芯光伝送路151から出力された光信号と、が入力される。光カプラ431は、入力された光信号を分岐する。
光カプラ431は、分岐した各光の一方を多重化部261へ出力する(Add/Through)。また、光カプラ431によって分岐された各光信号の他方は、光カプラ445を経由して多重分離部252へ出力される。光カプラ431から多重分離部252へ出力される光信号は、多重分離部252によって遮断するとよい。
また、光カプラ431には、光カプラ445から出力された光信号が入力される。光カプラ431は、入力された光信号を分岐して、分岐した各光信号の一方を一芯光伝送路151へ出力する。光カプラ431によって分岐された各光信号の他方は、SOAアレイ420のSOA421へ出力される。光カプラ431からSOA421へ出力される光信号は、たとえばSOA421に内蔵される光アイソレータによって遮断するとよい。
また、この場合は、光カプラ445が、図2に示した挿入分岐部152となる。光カプラ445には、多重分離部252から出力された光信号が入力される。光カプラ445は、入力された光信号を分岐して、分岐した各光信号の一方を光カプラ431へ出力する。光カプラ445によって分岐された各光信号の他方は、SOA451へ出力される。
光カプラ445からSOA451へ出力される光信号は、多重化部262によって遮断するとよい。たとえば多重化部262がAWGである場合は、AWGの特性設計により、光カプラ465から出力される光信号の波長成分を出力しないようにする。図6に示した構成においては、光カプラ411は1×2の光カプラにしてもよい。また、光カプラ465は2×1の光カプラにしてもよい。
図7は、図1に示した光通信システムの変形例を示すブロック図である。図7において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。ここでは、一芯光伝送路131は、一端がOLT120に接続され、他端が挿入分岐部133に接続されている。一芯光伝送路131は、OLT120から送信された光信号を挿入分岐部133へ通過させる。また、一芯光伝送路131は、挿入分岐部133から出力された光信号をOLT120へ通過させる。
挿入分岐部132は、受信した光信号を第2芯112から分岐して挿入分岐部133へ出力する。挿入分岐部133は、挿入分岐部132から出力された光信号を分岐して一芯光伝送路131に通過させる。また、挿入分岐部133は、OLT120から送信されて一芯光伝送路131を通過した光信号を第1芯111に挿入して送信する。
一芯光伝送路151は、一端が分岐部140に接続され、他端が挿入分岐部152に接続されている。一芯光伝送路151は、分岐部140から送信された光信号を挿入分岐部152に通過させる。また、一芯光伝送路151は、挿入分岐部152から出力された光信号を分岐部140に通過させる。
挿入分岐部152は、第1芯111から分岐した光信号を一芯光伝送路151に通過させる。また、挿入分岐部152は、一芯光伝送路151から出力された光信号を分岐して挿入分岐部153へ出力する。挿入分岐部153は、挿入分岐部152から出力された光信号を第2芯112に挿入して送信する。
また、図示しないが、図7に示した光通信システム100の構成において、光通信装置130を図1に示した光通信装置130に置き換えた構成にしてもよい。また、図7に示した光通信システム100の構成において、光通信装置150を図1に示した光通信装置150に置き換えた構成にしてもよい。
図1に示した光通信装置130においては、OLT120からONU141〜143へ送信される光信号(DownLinkの光信号)は、挿入分岐部132および挿入分岐部133の両方を通過する。また、ONU141〜143からOLT120へ送信される光信号(UpLinkの光信号)は、挿入分岐部132を通過し、挿入分岐部133を通過しない。したがって、DownLinkの方がUpLinkより光信号のロスが大きい。
一方、図7に示した光通信装置130においては、DownLinkの光信号は、挿入分岐部133を通過し、挿入分岐部132を通過しない。また、UpLinkの光信号は、挿入分岐部132および挿入分岐部133の両方を通過する。したがって、DownLinkの方がUpLinkより光信号のロスが小さい。
これを利用して、DownLinkの光信号と、UpLinkの光信号と、のパワーバランスを調節してもよい。一般的に、異なる波長の各光信号は、伝送路で発生するロスが互いに異なる。たとえば、DownLinkの波長λ1が、UpLinkの波長λ2よりもロスが小さい波長である場合は、図1に示した光通信装置130を用いる。
反対に、DownLinkの波長λ1が、UpLinkの波長λ2よりもロスが大きい波長である場合は、図7に示した光通信装置130を用いる。これにより、DownLinkとUpLinkの各光信号のパワーを均一化することができる。同様に、図1に示した光通信装置150と、図7に示した光通信装置150と、の選択によっても、DownLinkとUpLinkの各光信号のパワーバランスを調節することができる。
図8は、実施の形態1にかかる光通信システムの実施例を示すブロック図である。図8に示す光通信システム800は、SONETネットワークである。光通信システム800においては、挿入分岐ノード810,820,830,840,850,860が二芯光伝送路801によってリング状に接続されている。二芯光伝送路801は、たとえば図2に示した二芯光伝送路110である。
挿入分岐ノード810には、OLT811およびSONET送受信機812が接続されている。挿入分岐ノード840には、OLT841およびSONET送受信機842が接続されている。SONET送受信機812と、SONET送受信機842と、は二芯光伝送路801によってSONET方式の通信を行う。
また、挿入分岐ノード810は、上位のSONETネットワーク870に接続されている。SONET送受信機812は、SONETネットワーク870との間でSONET方式の通信を行う。挿入分岐ノード810は、たとえば図2に示した光通信装置130である。この場合は、OLT811は、図2に示したOLT120である。
挿入分岐ノード820には、分岐部824を介してONU821〜823が接続されている。挿入分岐ノード830には、分岐部834を介してONU831〜833が接続されている。挿入分岐ノード820および挿入分岐ノード830のそれぞれは、たとえば図2に示した光通信装置150である。この場合は、ONU821〜823およびONU831〜833のそれぞれは、図2に示したONU141〜143である。
両矢印802に示すように、挿入分岐ノード810は、挿入分岐ノード820との間で双方向の光通信システム100(たとえば図2を参照)を実現している。また、両矢印803に示すように、挿入分岐ノード810は、挿入分岐ノード830との間で双方向の光通信システム100(たとえば図2を参照)を実現している。
挿入分岐ノード840は、たとえば図2に示した光通信装置130である。この場合は、OLT841は、図2に示したOLT120である。挿入分岐ノード850には、分岐部854を介してONU851〜853が接続されている。挿入分岐ノード860には、分岐部864を介してONU861〜863が接続されている。
挿入分岐ノード850および挿入分岐ノード860のそれぞれは、たとえば図2に示した光通信装置150である。この場合は、ONU851〜853およびONU861〜863のそれぞれは、図2に示したONU141〜143である。
両矢印804に示すように、挿入分岐ノード840は、挿入分岐ノード850との間で双方向の光通信システム100(たとえば図2を参照)を実現している。また、両矢印805に示すように、挿入分岐ノード840は、挿入分岐ノード860との間で双方向の光通信システム100(たとえば図2を参照)を実現している。
また、OLT841とSONET送受信機842の間で通信を行い、SONET方式の光通信システムと、PON方式の光通信システムと、を接続してもよい。たとえば、SONET送受信機842は、SONET送受信機812からSONET方式で受信した光信号に基づく信号(電気信号でも光信号でもよい)をOLT841へ送信する。
OLT841は、SONET送受信機842から送信された信号をPON方式の光信号に変換して、ONU851〜853またはONU861〜863へPON方式で送信する。また、OLT841は、ONU851〜853またはONU861〜863からPON方式で受信した光信号に基づく信号をSONET送受信機842へ送信する。
SONET送受信機842は、OLT841から受信した信号をSONET方式の光信号に変換してSONET方式でSONET送受信機812へ送信する。これにより、二芯光伝送路801において、SONET方式の光通信システムと、PON方式の光通信システムと、を混在させることができる。さらに、混在させたSONET方式の光通信システムと、PON方式の光通信システムと、をシームレスに接続することができる。
図9は、図8に示した光通信システムの一部の詳細を示すブロック図である。図9において、図2または図8に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図9は、図8に示した光通信システム800のうちの、挿入分岐ノード840,850,860を示している。挿入分岐ノード840は、図2に示した光通信装置130であるとする。ここでは、挿入分岐ノード840の構成を簡略化して図示している。
また、OLT841およびSONET送受信機842が挿入分岐ノード840の内部に設けられている構成を図示している。OLT841は、図2に示したOLT120である。SONET送受信機842は、挿入分岐ノード840および挿入分岐ノード860を経由してSONET送受信機812(図8参照)とSONET方式の通信を行う。
SONET送受信機842とSONET送受信機812の間で送受信される光信号は、挿入分岐ノード840および挿入分岐ノード860でTroughされる。OLT841は、ONU851〜853およびONU861〜863との間でPON方式の通信を行う。OLT841からONU851〜853のいずれかへ送信される光信号は、挿入分岐ノード850でDropされて分岐部854へ出力される。
また、ONU851〜853からOLT841へ送信される光信号は、挿入分岐ノード850でAddされてOLT841へ送信される。また、OLT841からONU861〜863のいずれかへ送信される光信号は、挿入分岐ノード860でDropされて、分岐部864へ出力される。また、ONU861〜863からOLT841へ送信される光信号は、挿入分岐ノード860でAddされてOLT841へ送信される。
ここでは、ONU851〜853および分岐部854が挿入分岐ノード850の外部に設けられている構成について説明したが、ONU851〜853および分岐部854が挿入分岐ノード850の内部に設けられている構成にしてもよい。同様に、ONU861〜863および分岐部864が挿入分岐ノード860の内部に設けられていてもよい。
図10は、OLTとONUの間で送受信する各光信号の波長割当を示す図である。図10において、横軸は波長を示している。符号1001は、ONU141〜143(たとえば図1参照)からOLT120へ送信される光信号(UpLink)の波長帯域を示している。符号1002は、OLT120(たとえば図1参照)からONU141〜143へ送信される光信号(DownLink)の波長帯域を示している。
ONU141〜143からOLT120へ送信される光信号の波長λ2は、波長帯域1001に含まれるようにする。OLT120からONU141〜143へ送信される光信号の波長λ1は、波長帯域1002に含まれるようにする。また、波長帯域1001と波長帯域1002の間には未使用帯域が設けられている。
OLT120およびONU141〜143は、未使用帯域に含まれる未使用波長1003を境界として光信号を合分波する波長分離カプラを内蔵している。OLT120は、一芯光伝送路131を逆方向に通過する各光信号を、内蔵する波長分離カプラによって合分波することで送受信する。ONU141〜143は、一芯光伝送路151を逆方向に通過する各光信号を、内蔵する波長分離カプラによって合分波することで送受信する。
図11は、図10に示した波長割当の具体例1を示す図である。図11の符号1101〜1104に示すように、たとえば、各光信号の各波長をC−Band内で設定する。符号1101は、ONU141〜143からOLT120へ送信される光信号(PONのUpLink)の波長割当を示している。符号1102は、OLT120からONU141〜143へ送信される光信号(PONのDownLink)の波長割当を示している。
符号1103および符号1104は、SONET送受信機812とSONET送受信機842の間でSONET方式で送受信される光信号の波長割当を示している。ここでは、符号1101、符号1103、符号1102、符号1104の順に短波長側となる波長割当となっている(符号1101が最も短い波長)。符号1101〜1104に示す各波長割当は、各波長を高密度に使用するDWDM(Dense WDM)となっている。
図12は、図10に示した波長割当の具体例2を示す図である。図12において、図11に示した部分と同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。図12の符号1103(1104)に示すように、SONET送受信機812とSONET送受信機842の間でSONET方式で送受信される光信号の波長割当をC−Band内で設定する。
また、符号1101および符号1102に示すように、PONのUpLinkと、PONのDownLinkと、の波長割当をL−Band内で設定する。ここでは、符号1103、符号1101、符号1102の順に短波長側となる波長割当である(符号1103が最も短い波長)。符号1101,1102,1103に示す各波長割当は、各波長を高密度に使用するDWDMとなっている。
図13は、図10に示した波長割当の具体例3を示す図である。図13において、図11に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図13の符号1101,1103に示すように、PONのUpLinkと、SONET送受信機812とSONET送受信機842の間でSONET方式で送受信される光信号と、の波長割当をC−Band内で設定する。
また、符号1104および符号1102に示すように、PONのDownLinkと、SONET送受信機812とSONET送受信機842の間でSONET方式で送受信される光信号と、の波長割当をL−Band内で設定する。ここでは、符号1103、符号1101、符号1104、符号1102の順に短波長側となる波長割当である(符号1103が最も短い波長)。符号1101,1102,1103,1104に示す各波長割当は、各波長を高密度に使用するDWDMとなっている。
図14は、図10に示した波長割当の具体例4を示す図である。図14において、図11に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図14の符号1101,1102に示すように、PONのUpLinkと、PONのDownLinkと、をDWDMによって設定する。
また、符号1103(1104)に示すように、SONET送受信機812とSONET送受信機842の間でSONET方式で送受信される光信号の波長割当を、各波長を低密度に使用するCWDM(Coarse WDM)によって設定する。ここでは、符号1101、符号1102、符号1103の順に短波長側となる波長割当となっている(符号1101が最も短い波長)。
このように、実施の形態1にかかる光通信システム100および光通信装置130,150によれば、光通信装置130は、二芯光伝送路110の第2芯112から光信号を分岐して一芯光伝送路131に通過させるとともに、OLT120から送信されて一芯光伝送路131を通過した光信号を分岐して、第1芯111を介して送信することができる。
また、光通信装置150は、二芯光伝送路110の第1芯111を介して送信された光信号を分岐し、分岐した光信号を一芯光伝送路151に通過させるとともに、ONU141〜143から送信されて一芯光伝送路151を通過した光信号を第2芯を介して送信することができる。これにより、二芯光伝送路110を用いて、一芯双方向の通信を行うOLT120およびONU141〜143の間で通信を行うことができる。
このため、ネットワーク設計の柔軟性を向上させることができる。たとえば、SONET方式の光通信システムに対して、PON方式の光通信装置をオーバーレイすることが可能になる。このため、既存のSONET方式の光通信システムのハードウェア資源を利用して、安価で伝送効率のよいPON方式の通信を行うことができる。
また、図8および図9に示したように、既存のSONET方式の光通信システムにおいて実現したPON方式の光通信システムを、SONET方式の光通信システムと混在させることも可能である。さらに、SONET方式の光通信システムにおいて実現したPON方式の光通信システムを、SONET方式の光通信システムとシームレスに接続することも可能である。このため、ネットワーク設計の柔軟性をさらに向上させることができる。
また、光通信装置130,150は、既存の挿入分岐ノードの構成をほとんど変更することなく実現することができる。たとえば、図2に示した光通信装置130は、既存の挿入分岐部132に、一芯光伝送路131および挿入分岐部133を接続し、増幅器212および増幅器215を設けるだけで実現することができる。また、上述したように、増幅器212および増幅器215は省略することも可能である。
さらに具体的には、たとえば図3に示した光通信装置130は、従来は1×2カプラであった光カプラ315を2×2カプラとし、従来は2×1カプラであった光カプラ361を2×2カプラとし、光カプラ361を一芯光伝送路131および光カプラ315に接続するだけで実現することができる。このため、安価かつ簡単な構成により、ネットワーク設計の柔軟性をさらに向上させることができる。
(実施の形態2)
図15は、実施の形態2にかかる光通信システムの機能的構成を示すブロック図である。図15において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。実施の形態2にかかる光通信システム100の光通信装置130は、図1に示した光通信装置130の構成に加えて波長合分波部1511を備えている。また、実施の形態2にかかる光通信システム100の光通信装置150は、図1に示した光通信装置150の構成に加えて波長合分波部1521を備えている。
挿入分岐部132は、第2芯112から分岐した光信号を波長合分波部1511へ出力する。一芯光伝送路131は、OLT120から送信された光信号を通過させて波長合分波部1511へ出力する。また、一芯光伝送路131は、波長合分波部1511から出力された光信号をOLT120へ送信する。
波長合分波部1511は、一芯光伝送路131から出力された波長λ1の光信号を分波して挿入分岐部133(送信手段)へ出力する。また、波長合分波部1511は、挿入分岐部132(受信手段)から出力された波長λ2の光信号を合波して一芯光伝送路131へ出力する。挿入分岐部133は、波長合分波部1511から出力された光信号を第1芯111に挿入して光通信装置150へ送信する。
挿入分岐部152は、第1芯111から分岐した光信号を波長合分波部1521へ出力する。一芯光伝送路151は、分岐部140から送信された光信号を通過させて波長合分波部1521へ出力する。また、一芯光伝送路151は、波長合分波部1521から出力された光信号を通過させて分岐部140へ送信する。
波長合分波部1521は、一芯光伝送路151から出力された波長λ2の光信号を分波して挿入分岐部153(送信手段)へ出力する。また、波長合分波部1521は、挿入分岐部152(受信手段)から出力された波長λ1の光信号を合波して一芯光伝送路151へ出力する。挿入分岐部153は、波長合分波部1521から出力された光信号を第2芯112に挿入して光通信装置130へ送信する。
図16は、図15に示した光通信システムの具体的な構成を示すブロック図である。図16において、図2または図15に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図16に示すように、光通信装置130は、図15に示した光通信装置130の構成に加えて、増幅器211〜216と、多重分離部221,222と、多重化部231,232と、を備えている(図2の説明参照)。
また、図16に示す光通信装置150は、図15に示した光通信装置150の構成に加えて、増幅器241〜246と、多重分離部251,252と、多重化部261,262と、を備えている(図2の説明参照)。
図17は、図16に示した前段の光通信装置の具体例を示すブロック図である。図17において、図3または図16に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図17は、図16に示した光通信装置130の多重分離部221および多重化部231の間の構成と、多重分離部222および多重化部232の間の構成と、の具体例を示している。ここでは、光通信装置130は、図16に示した波長合分波部1511として、波長分離カプラ1711を備えている。
一芯光伝送路131は、OLT120から送信された光信号を通過させて波長分離カプラ1711へ出力するとともに、波長分離カプラ1711から出力された光信号をOLT120へ送信する。波長分離カプラ1711は、一芯光伝送路131から出力された波長λ1の光信号を分波して光カプラ315へ出力するとともに、光カプラ361から出力された波長λ2の光信号を合波して一芯光伝送路131へ出力する。
多重分離部221および多重化部231の間には、光カプラ311〜315と、SOAアレイ320と、光カプラ331〜335と、が設けられている(図3の説明参照)。光カプラ315には、多重分離部221から出力された光信号と、波長分離カプラ1711から出力された光信号と、が入力される。
多重分離部222および多重化部232の間には、光カプラ341〜345と、SOAアレイ350と、光カプラ361〜365と、が設けられている(図3の説明参照)。光カプラ361は、分岐した各光信号の一方を波長分離カプラ1711へ出力する。ここでは、一芯光伝送路131から出力された光信号は、波長分離カプラ1711によって分波されて光カプラ315へ出力されるため、光カプラ361には入力されない。
図18は、図16に示した後段の光通信装置の具体例を示すブロック図である。図18において、図4または図16に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図18は、図16に示した光通信装置150の多重分離部251および多重化部261の間の構成と、多重分離部252および多重化部262の間の構成と、の具体例を示している。光通信装置130は、図16に示した波長合分波部1521として、波長分離カプラ1811を備えている。
一芯光伝送路151は、分岐部140から送信された光信号を通過させて波長分離カプラ1811へ出力するとともに、波長分離カプラ1811から出力された光信号を通過させて分岐部140へ送信する。波長分離カプラ1811は、一芯光伝送路151から出力された波長λ2の光信号を分波して光カプラ411へ出力するとともに、光カプラ465から出力された波長λ1の光信号を合波して一芯光伝送路151へ出力する。
多重分離部251および多重化部261の間には、光カプラ411〜415と、SOAアレイ420と、光カプラ431〜435と、が設けられている(図4の説明参照)。光カプラ411には、多重分離部251から出力された光信号と、波長分離カプラ1811から出力された光信号と、が入力される。
多重分離部252および多重化部262の間には、光カプラ441〜445と、SOAアレイ450と、光カプラ461〜465と、が設けられている(図4の説明参照)。光カプラ465は、分岐した各光信号の一方を波長分離カプラ1811へ出力する。ここでは、一芯光伝送路151から出力された光信号は、波長分離カプラ1811によって取り出されて光カプラ411へ出力されるため、光カプラ465には入力されない。
図19は、図17に示した光通信装置の変形例を示すブロック図である。図19において、図17に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。OLT120とONU141〜143の間で送受信される光信号のOSNRが十分に確保できる場合は、OLT120とONU141〜143の間で送受信される光信号がSOAアレイ320およびSOAアレイ350を経由しない構成にしてもよい。
この場合は、光カプラ335が、図16に示した挿入分岐部133となる。光カプラ335には、多重分離部221から出力された光信号と、波長分離カプラ1711から出力された光信号と、が入力される。光カプラ335は、入力された光信号を分岐して、分岐した各光の一方を多重化部231へ出力する(Add/Through)。
また、この場合は、光カプラ341が、図16に示した挿入分岐部132となる。光カプラ341には、多重分離部222から出力された光信号が入力される。光カプラ341は、分岐した各光信号の一方を波長分離カプラ1711へ出力する。光カプラ361によって分岐された各光信号の他方は多重化部232へ出力される。
ここでは、一芯光伝送路131から出力された光信号は、波長分離カプラ1711によって分波されて光カプラ335へ出力されるため、一芯光伝送路131から出力された光信号は光カプラ341には入力されない。図19に示した構成では、光カプラ315は1×2の光カプラにしてもよい。また、光カプラ361は2×1の光カプラにしてもよい。
図20は、図18に示した光通信装置の変形例を示すブロック図である。図20において、図18に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。OLT120とONU141〜143の間で送受信される光信号のOSNRが十分に確保できる場合は、OLT120とONU141〜143の間で送受信される光信号がSOAアレイ420およびSOAアレイ450を経由しない構成にしてもよい。
この場合は、光カプラ431が、図16に示した挿入分岐部153となる。光カプラ431には、SOAアレイ420のSOA421から出力された光信号と、波長分離カプラ1811から出力された光信号と、が入力される。光カプラ431は、入力された光信号を多重化部261へ出力する(Add/Through)。
ここでは、光カプラ445から出力された光信号は、波長分離カプラ1811によって分波されて一芯光伝送路151へ出力される。このため、光カプラ445から出力された光信号は光カプラ431には入力されない。
また、この場合は、光カプラ445が、図16に示した挿入分岐部152となる。光カプラ445は、入力された光信号を分岐して、分岐した各光信号の一方を波長分離カプラ1811へ出力し、分岐した各光信号の他方をSOA451へ出力する。光カプラ445からSOA451へ出力される光信号は、多重化部262によって遮断するとよい。
たとえば多重化部262がAWGである場合は、AWGの特性設計により、光カプラ465から出力される光信号の波長成分を出力しないようにする。図20に示す構成においては、光カプラ411は1×2の光カプラにしてもよい。また、図20に示す構成においては、光カプラ465は2×1の光カプラにしてもよい。
図21は、図15に示した前段の光通信装置をROADMに適用した例を示すブロック図である。図15に示した前段の光通信装置130は、図21に示すように、第1ROADM部2110と、第2ROADM部2120と、OLT2131と、波長分離カプラ2132と、SONET送受信機2133と、を備えている。
第1ROADM部2110は、第1芯111に対する光信号の挿入および分岐を行う。第1ROADM部2110は、図15に示した挿入分岐部133である。第1ROADM部2110は、増幅器2111と、光カプラ2112と、多重分離部2113と、多重化部2114と、波長選択スイッチ2115と、増幅器2116と、を備えている。
増幅器2111は、光通信装置130の前段(図の左側)の光通信装置(不図示)から第1芯111を介して送信された光信号を受信して増幅する。増幅器2111は、増幅した光信号を光カプラ2112へ出力する。光カプラ2112および多重分離部2113は、二芯光伝送路110の第1芯111からの光信号の分岐(Drop)を行う。
光カプラ2112は、増幅器2111から出力された光信号を複数の光信号に分岐する。光カプラ2112は、分岐した複数の光信号のうちの他の一つを多重分離部2113へ出力する。また、光カプラ2112は、分岐した複数の光信号のうちの一つを波長選択スイッチ2115へ出力する。多重分離部2113(Demux)は、光カプラ2112から出力された光信号を波長多重分離して外部へ出力する(Drop)。
多重化部2114(Mux)は、SONET送受信機2133、波長分離カプラ2132および外部から出力された各光信号を波長多重して波長選択スイッチ2115へ出力する。波長選択スイッチ2115(WSS:Wavelength Selective Switch)は、光カプラ2112から出力された光信号と、外部から入力される各光信号と、多重化部2114から出力された光信号と、を波長ごとに選択する。
波長選択スイッチ2115は、選択した各波長の各光信号を波長多重して増幅器2116へ出力する。増幅器2116は、波長選択スイッチ2115から出力された光信号を増幅して、後段の光通信装置150(不図示)へ第1芯111を介して送信する。
第2ROADM部2120は、第2芯112に対する光信号の挿入および分岐を行う。第2ROADM部2120は、図15に示した挿入分岐部132である。第2ROADM部2120は、増幅器2121と、光カプラ2122と、多重分離部2123と、多重化部2124と、波長選択スイッチ2125と、増幅器2126と、を備えている。
増幅器2121は、光通信装置130の後段(図の右側)の光通信装置150から第2芯112を介して送信された光信号を受信して増幅する。増幅器2121は、増幅した光信号を光カプラ2122へ出力する。光カプラ2122および多重分離部2123は、二芯光伝送路110の第2芯112からの光信号の分岐(Drop)を行う。
光カプラ2122は、増幅器2121から出力された光信号を複数の光信号に分岐する。光カプラ2122は、分岐した複数の光信号のうちの一つを多重分離部2123へ出力し、分岐した複数の光信号のうちの他の一つを波長選択スイッチ2125へ出力する。多重分離部2123は、光カプラ2122から出力された光信号を波長多重分離する。
多重分離部2123は、波長多重分離した各光信号のうちの、波長λ2(PONのUpLink)の光信号を波長分離カプラ2132へ出力する。また、多重分離部2123は、波長多重分離した各光信号のうちの、SONET送受信機2133が用いる波長の光信号をSONET送受信機2133へ出力する。また、多重分離部2123は、波長多重分離した各光信号のうちの、波長分離カプラ2132またはSONET送受信機2133へ出力しない光信号を外部へ出力する(Drop)。
多重化部2124は、外部から出力された各光信号を波長多重して波長選択スイッチ2125へ出力する。波長選択スイッチ2125は、光カプラ2122から出力された光信号と、外部から入力される各光信号と、多重化部2124から出力された光信号と、を波長ごとに選択し、選択した各波長の各光信号を波長多重して増幅器2126へ出力する。増幅器2126は、波長選択スイッチ2125から出力された光信号を増幅して光通信装置130の前段(図の左側)の光通信装置(不図示)へ送信する。
OLT2131は、図15に示したOLT120である。OLT2131は、光通信装置130の後段(図の右側)の光通信装置150に設けられたONUへ送信する光信号を、波長分離カプラ2132へ出力する。また、OLT2131は、光通信装置150に設けられたONUから送信された光信号を波長分離カプラ2132から取得する。
また、OLT2131は、SONET送受信機2133と電気配線によって接続されている。OLT2131は、SONET送受信機2133から出力された信号を、PON方式の光信号に変換し、光通信装置150に設けられたONUへ送信する光信号として波長分離カプラ2132へ出力してもよい。また、OLT2131は、波長分離カプラ2132から取得した光信号に基づく信号をSONET送受信機2133へ出力してもよい。
波長分離カプラ2132は、多重分離部2123から出力された波長λ2の光信号をOLT2131へ出力する。また、波長分離カプラ2132は、OLT2131から出力された波長λ1の光信号を多重化部2114へ出力する。SONET送受信機2133は、多重分離部2123から出力されたSONET方式の光信号を受信する。また、SONET送受信機2133は、SONET方式の光信号を多重化部2114へ出力する。
また、SONET送受信機2133は、受信した光信号に基づく信号をOLT2131へ出力してもよい。また、SONET送受信機2133は、OLT2131から出力された信号をSONET方式の光信号に変換して多重化部2114へ出力してもよい。OLT2131とSONET送受信機2133の間の通信には各種方式を用いることができる。
図22は、図15に示した後段の光通信装置をROADMに適用した例を示すブロック図である。図15に示した後段の光通信装置150は、図22に示すように、第1ROADM部2210と、第2ROADM部2220と、ONU2232と、波長分離カプラ2231と、を備えている。
第1ROADM部2210は、第1芯111に対する光信号の挿入および分岐を行う。第1ROADM部2210は、図15に示した挿入分岐部152である。第1ROADM部2210は、増幅器2211と、光カプラ2212と、多重分離部2213と、多重化部2214と、波長選択スイッチ2215と、増幅器2216と、を備えている。
増幅器2211は、光通信装置130の前段(図の左側)の光通信装置(不図示)から送信された光信号を受信して増幅する。増幅器2211は、増幅した光信号を光カプラ2212へ出力する。光カプラ2212および多重分離部2213は、二芯光伝送路110の第1芯111からの光信号の分岐(Drop)を行う。
光カプラ2212は、増幅器2211から出力された光信号を複数の光信号に分岐する。光カプラ2212は、分岐した複数の光信号のうちの一つを多重分離部2213へ出力し、分岐した複数の光信号のうちの他の一つを波長選択スイッチ2215へ出力する。多重分離部2213は、光カプラ2212から出力された光信号を波長多重分離する。
多重分離部2213は、波長多重分離した各光信号のうちの、波長λ1(PONのDownLink)の光信号を波長分離カプラ2231へ出力する。また、多重分離部2213は、波長多重分離した各光信号のうちの、波長分離カプラ2231へ出力しない光信号を外部へ出力する(Drop)。
多重化部2214は、外部から出力された各光信号を波長多重して波長選択スイッチ2215へ出力する。波長選択スイッチ2215は、光カプラ2212から出力された光信号と、外部から入力される各光信号と、多重化部2214から出力された光信号と、を波長ごとに選択し、選択した各波長の各光信号を波長多重して増幅器2216へ出力する。増幅器2216は、波長選択スイッチ2215から出力された光信号を増幅して光通信装置150の後段(図の右側)の光通信装置(不図示)へ送信する。
第2ROADM部2220は、第2芯112に対する光信号の挿入および分岐を行う。第2ROADM部2220は、図15に示した挿入分岐部153である。第2ROADM部2220は、増幅器2221と、光カプラ2222と、多重分離部2223と、多重化部2224と、波長選択スイッチ2225と、増幅器2226と、を備えている。
増幅器2221は、光通信装置130の後段(図の右側)の光通信装置(不図示)から送信された光信号を受信して増幅する。増幅器2221は、増幅した光信号を光カプラ2222へ出力する。光カプラ2222および多重分離部2223は、二芯光伝送路110の第2芯112からの光信号の分岐(Drop)を行う。
光カプラ2222は、増幅器2221から出力された光信号を複数の光信号に分岐する。光カプラ2222は、分岐した複数の光信号のうちの一つを多重分離部2223へ出力する。また、光カプラ2222は、分岐した複数の光信号のうちの他の一つを波長選択スイッチ2225へ出力する。多重分離部2223は、光カプラ2222から出力された光信号を波長多重分離して外部へ出力する(Drop)。
多重化部2224は、波長分離カプラ2231および外部から出力された各光信号を波長多重して波長選択スイッチ2225へ出力する。波長選択スイッチ2225は、光カプラ2222から出力された光信号と、外部から入力される各光信号と、多重化部2224から出力された光信号と、を波長ごとに選択する。多重化部2224は、選択した各波長の各光信号を波長多重して増幅器2226へ出力する。
増幅器2226は、波長選択スイッチ2225から出力された光信号を増幅して光通信装置130へ送信する。波長分離カプラ2231は、多重分離部2213から出力された波長λ1の光信号をONU2232へ出力する。また、波長分離カプラ2231は、ONU2232から出力された波長λ2の光信号を多重化部2224へ出力する。
ONU2232は、図15に示したONU141〜143のうちのいずれかである。ONU2232は、光通信装置150の前段(図の左側)の光通信装置130に設けられたOLT2131(図21参照)へ送信する光信号を、波長分離カプラ2231へ出力する。また、ONU2232は、光通信装置130に設けられたOLT2131から送信された光信号を波長分離カプラ2231から取得する。
図23は、図15に示した前段の光通信装置をminiROADMに適用した例を示すブロック図である。図23において、図21に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図23に示すように、光通信装置130は、第1ROADM部2110と、第2ROADM部2120と、OLT2131と、波長分離カプラ2132と、SONET送受信機2133と、を備えている。
第1ROADM部2110は、増幅器2111と、光カプラ2112と、多重分離部2113と、高密度多重分離部2311と、高密度多重化部2312と、多重分離部2313と、光スイッチ2314〜2316と、多重化部2317と、増幅器2116と、を備えている。増幅器2111は、増幅した光信号を光カプラ2112へ出力する。
光カプラ2112、多重分離部2113および高密度多重分離部2311は、第1芯111からの光信号の分岐(Drop)を行う。光カプラ2112は、増幅器2111から出力された光信号を分岐する。光カプラ2112は、分岐した各光信号のうちの一方を多重分離部2113へ出力し、各光信号のうちの他方を多重分離部2313へ出力する。
多重分離部2113は、光カプラ2112から出力された低密度の波長間隔の各光信号を波長多重分離する。多重分離部2113は、波長多重分離した各光信号のうちの一つを高密度多重分離部2311へ出力し、各光信号の他の光信号を外部へ出力する(Drop)。高密度多重分離部2311は、多重分離部2113から出力された光信号を高密度の波長間隔で波長多重分離し、波長多重分離した各光信号を外部へ出力する(Drop)。
高密度多重化部2312は、SONET送受信機2133および外部から出力された高密度の波長間隔の各光信号を波長多重して光スイッチ2314へ出力する。多重分離部2313は、光カプラ2112から出力された光信号を低密度の波長間隔で波長多重分離する。多重分離部2313は、波長多重分離した各光信号を多重化部2317へ出力する。
多重分離部2313から出力される各光信号の各経路には、光スイッチ2314〜2316がそれぞれ設けられている。光スイッチ2314〜2316は、多重分離部2313から出力された光信号を多重化部2317へ出力し(Through)、または、光スイッチ2314〜2316へ入力された光信号を多重化部2317へ出力する(Add)。
光スイッチ2314は、多重分離部2313から出力された光信号と、高密度多重化部2312から出力された光信号と、のいずれかを選択して多重化部2317へ出力する。光スイッチ2316は、多重分離部2313から出力された光信号と、波長分離カプラ2132から出力された光信号と、のいずれかを選択して多重化部2317へ出力する。
多重化部2317は、多重分離部2313または光スイッチ2314〜2316から出力された各光信号を低密度の波長間隔で波長多重する。多重化部2317は、波長多重した光信号を増幅器2116へ出力する。増幅器2116は、多重化部2317から出力された光信号を光通信装置130の後段の光通信装置150へ送信する。
第2ROADM部2120は、増幅器2121と、光カプラ2122と、多重分離部2123と、高密度多重分離部2321と、高密度多重化部2322と、多重分離部2323と、光スイッチ2324〜2326と、多重化部2327と、増幅器2126と、を備えている。増幅器2121は、増幅した光信号を光カプラ2122へ出力する。
光カプラ2122、多重分離部2123および高密度多重分離部2321は、第2芯112からの光信号の分岐(Drop)を行う。光カプラ2122は、増幅器2121から出力された光信号を分岐する。光カプラ2122は、分岐した各光信号のうちの一方を多重分離部2123へ出力して、各光信号のうちの他方を多重分離部2323へ出力する。
多重分離部2123は、光カプラ2122から出力された光信号を低密度の波長間隔で波長多重分離する。多重分離部2123は、波長多重分離した各光信号のうちの、SONET送受信機2133が用いる波長を含む帯域の光信号を高密度多重分離部2321へ出力する。また、多重分離部2123は、波長多重分離した各光信号のうちの、PONのUpLinkの波長λ2の光信号を波長分離カプラ2132へ出力する。また、多重分離部2123は、波長多重分離した各光信号のうちの、高密度多重分離部2321または波長分離カプラ2132へ出力しない光信号を外部へ出力する(Drop)。
高密度多重分離部2321は、多重分離部2123から出力された光信号を高密度の波長間隔で波長多重分離する。高密度多重分離部2321は、波長多重分離した各光信号のうちの、SONET送受信機2133が用いる波長の光信号をSONET送受信機2133へ出力する。また、高密度多重分離部2321は、波長多重分離した各光信号のうちの、SONET送受信機2133へ出力しない光信号を外部へ出力する(Drop)。
高密度多重化部2322は、外部から出力された高密度の波長間隔の各光信号を波長多重して、波長多重した光信号を光スイッチ2324へ出力する。多重分離部2323は、光カプラ2122から出力された光信号を低密度の波長間隔で波長多重分離する。多重分離部2323は、波長多重分離した各光信号を多重化部2327へ出力する。
多重分離部2323から出力される各光信号の各経路には、光スイッチ2324〜2326がそれぞれ設けられている。光スイッチ2324〜2326は、多重分離部2323から出力された光信号を多重化部2327へ出力し(Through)、または、光スイッチ2324〜2326へ入力された光信号を多重化部2327へ出力する(Add)。
光スイッチ2324は、多重分離部2323から出力された光信号と、高密度多重化部2322から出力された光信号と、のいずれかを選択して多重化部2327へ出力する。多重化部2327は、多重分離部2323または光スイッチ2324〜2326から出力された各光信号を低密度の波長間隔で波長多重して増幅器2126へ出力する。
波長分離カプラ2132は、OLT2131から出力された波長λ1の光信号を光スイッチ2316へ出力する。SONET送受信機2133は、高密度多重分離部2321から出力されたSONET方式の光信号を受信する。また、SONET送受信機2133は、SONET方式の光信号を高密度多重化部2312へ出力する。
図24は、図15に示した後段の光通信装置をminiROADMに適用した例を示すブロック図である。図24において、図22に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図15に示した後段の光通信装置150は、図24に示すように、第2ROADM部2120と、第2ROADM部2120と、波長分離カプラ2231と、ONU2232と、を備えている。
第1ROADM部2110は、増幅器2211と、光カプラ2212と、多重分離部2213と、高密度多重分離部2411と、高密度多重化部2412と、多重分離部2413と、光スイッチ2414〜2416と、多重化部2417と、増幅器2216と、を備えている。増幅器2211は、増幅した光信号を光カプラ2212へ出力する。
光カプラ2212、多重分離部2213および高密度多重分離部2411は、第1芯111からの光信号の分岐(Drop)を行う。光カプラ2212は、増幅器2211から出力された光信号を分岐する。光カプラ2212は、分岐した各光信号のうちの一方を多重分離部2213へ出力して、各光信号のうちの他方を多重分離部2413へ出力する。
多重分離部2213は、光カプラ2212から出力された光信号を低密度の波長間隔で波長多重分離する。多重分離部2213は、波長多重分離した各光信号のうちの、PONのDownLinkの波長λ1の光信号を波長分離カプラ2231へ出力する。また、多重分離部2213は、波長多重分離した各光信号のうちの、波長分離カプラ2231へ出力しない光信号を外部へ出力する(Drop)。
高密度多重分離部2411は、多重分離部2213から出力された光信号を高密度の波長間隔で波長多重分離して、波長多重分離した各光信号を外部へ出力する(Drop)。高密度多重化部2412は、外部から出力された高密度の波長間隔の各光信号を波長多重して光スイッチ2414へ出力する。多重分離部2413は、光カプラ2212から出力された光信号を低密度の波長間隔で波長多重分離する。
多重分離部2413は、波長多重分離した各光信号を多重化部2417へ出力する。多重分離部2413から出力される各光信号の各経路には、光スイッチ2414〜2416がそれぞれ設けられている。光スイッチ2414〜2416は、多重分離部2413から出力された光信号を多重化部2417へ出力し(Through)、または、光スイッチ2414〜2416へ入力された光信号を多重化部2417へ出力する(Add)。
光スイッチ2414は、多重分離部2413から出力された光信号と、高密度多重化部2412から出力された光信号と、のいずれかを選択して多重化部2417へ出力する。多重化部2417は、多重分離部2413または光スイッチ2414〜2416から出力された各光信号を低密度の波長間隔で波長多重して増幅器2216へ出力する。
第2ROADM部2220は、増幅器2221と、光カプラ2222と、多重分離部2223と、高密度多重分離部2421と、高密度多重化部2422と、多重分離部2423と、光スイッチ2424〜2426と、多重化部2427と、増幅器2226と、を備えている。増幅器2221は、増幅した光信号を光カプラ2222へ出力する。
光カプラ2222、多重分離部2223および高密度多重分離部2421は、第2芯112からの光信号の分岐(Drop)を行う。光カプラ2222は、増幅器2221から出力された光信号を分岐する。光カプラ2222は、分岐した各光信号のうちの一方を多重分離部2223へ出力して、各光信号のうちの他方を多重分離部2423へ出力する。
多重分離部2223は、光カプラ2222から出力された光信号を低密度の波長間隔で波長多重分離する。多重分離部2223は、波長多重分離した各光信号のうちの一つを高密度多重分離部2421へ出力して、各光信号の他の光信号を外部へ出力する(Drop)。高密度多重分離部2421は、多重分離部2223から出力された光信号を高密度の波長間隔で波長多重分離し、波長多重分離した各光信号を外部へ出力する(Drop)。
高密度多重化部2422は、外部から出力された高密度の波長間隔の各光信号を波長多重して光スイッチ2424へ出力する。多重分離部2423は、光カプラ2222から出力された光信号を低密度の波長間隔で波長多重分離する。多重分離部2423は、波長多重分離した各光信号を多重化部2427へ出力する。
多重分離部2423から出力される各光信号の各経路には、光スイッチ2424〜2426がそれぞれ設けられている。光スイッチ2424〜2426は、多重分離部2423から出力された光信号を多重化部2427へ出力し(Through)、または、光スイッチ2424〜2426へ入力された光信号を多重化部2427へ出力する(Add)。
光スイッチ2424は、多重分離部2423から出力された光信号と、高密度多重化部2422から出力された光信号と、のいずれかを選択して多重化部2427へ出力する。光スイッチ2426は、多重分離部2423から出力された光信号と、波長分離カプラ2231から出力された光信号と、のいずれかを選択して多重化部2427へ出力する。
多重化部2427は、多重分離部2423または光スイッチ2424〜2426から出力された各光信号を低密度の波長間隔で波長多重して、波長多重した光信号を増幅器2226へ出力する。波長分離カプラ2231は、多重分離部2213から出力された波長λ1の光信号をONU2232へ出力する。また、波長分離カプラ2231は、ONU2232から出力された波長λ2の光信号を光スイッチ2426へ出力する。
図25は、図21に示した光通信装置の変形例を示すブロック図である。図25において、図21に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。光通信装置130は、図21に示した光通信装置130の構成に加えて、OLT2511と、波長分離カプラ2512と、SONET送受信機2513と、を備えている。
多重分離部2113は、波長多重分離した各光信号のうちの、波長λ2(PONのUpLink)の光信号を波長分離カプラ2512へ出力する。また、多重分離部2113は、波長多重分離した各光信号のうちの、SONET送受信機2513が用いる波長の光信号をSONET送受信機2513へ出力する。
また、多重分離部2113は、波長多重分離した各光信号のうちの、波長分離カプラ2512またはSONET送受信機2513へ出力しない光信号を外部へ出力する(Drop)。多重化部2124は、SONET送受信機2513、波長分離カプラ2512および外部から出力された各光信号を波長多重して波長選択スイッチ2125へ出力する。
OLT2511は、光通信装置130の前段(図の左側)の光通信装置(不図示)に設けられたONUへ送信する波長λ1の光信号を、波長分離カプラ2512へ出力する。また、OLT2511は、光通信装置130の前段の光通信装置に設けられたONUへ送信された波長λ2の光信号を、波長分離カプラ2512から取得する。
また、OLT2511は、SONET送受信機2513と電気配線によって接続されている。OLT2511は、SONET送受信機2513から出力された信号を、PON方式の光信号に変換して、光通信装置150に設けられたONUへ送信する光信号として波長分離カプラ2512へ出力してもよい。また、OLT2511は、波長分離カプラ2512から取得した光信号に基づく信号をSONET送受信機2513へ出力してもよい。
波長分離カプラ2512は、多重分離部2113から出力された波長λ2の光信号をOLT2511へ出力する。また、波長分離カプラ2512は、OLT2511から出力された波長λ1の光信号を多重化部2124へ出力する。SONET送受信機2513は、多重分離部2113から出力されたSONET方式の光信号を受信する。また、SONET送受信機2513は、SONET方式の光信号を多重化部2124へ出力する。
また、SONET送受信機2513は、受信した光信号に基づく信号をOLT2511へ出力してもよい。また、SONET送受信機2513は、OLT2511から出力された信号をSONET方式の光信号に変換して多重化部2124へ出力してもよい。また、SONET送受信機2513は、SONET送受信機2133と通信を行ってもよい。
図26は、図22に示した光通信装置の変形例を示すブロック図である。図26において、図22に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図26に示す光通信装置150は、図22に示した光通信装置130の構成に加えて、波長分離カプラ2611と、ONU2612と、を備えている。
多重化部2214は、外部から出力された各光信号と、波長分離カプラ2611から出力された光信号と、を波長多重して波長選択スイッチ2215へ出力する。多重分離部2223は、波長多重分離した各光信号のうちの波長λ1(PONのDownLink)の光信号を波長分離カプラ2611へ出力し、他の光信号を外部へ出力する(Drop)。
波長分離カプラ2611は、多重分離部2223から出力された波長λ1の光信号をONU2612へ出力する。また、波長分離カプラ2611は、ONU2612から出力された波長λ2の光信号を多重化部2214へ出力する。
ONU2612は、光通信装置150の後段(図の右側)の光通信装置(不図示)に設けられたOLTへ送信する波長λ2の光信号を、波長分離カプラ2611へ出力する。また、ONU2612は、光通信装置150の後段の光通信装置に設けられたOLTから送信された波長λ1の光信号を波長分離カプラ2611から取得する。
図27は、図23に示した光通信装置の変形例を示すブロック図である。図27において、図23または図25に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図27に示すように、光通信装置130は、図23に示した光通信装置130の構成に加えて、OLT2511と、波長分離カプラ2512と、SONET送受信機2513と、を備えている。
高密度多重化部2322は、SONET送受信機2513および外部から出力された高密度の波長間隔の各光信号を波長多重して光スイッチ2324へ出力する。光スイッチ2326は、多重分離部2323から出力された光信号と、波長分離カプラ2512から出力された光信号と、のいずれかを選択して多重化部2327へ出力する。
多重分離部2113は、波長多重分離した各光信号のうちの、SONET送受信機2513が用いる波長を含む帯域の光信号を高密度多重分離部2311へ出力する。また、多重分離部2113は、波長多重分離した各光信号のうちの、PONのUpLinkの波長λ2の光信号を波長分離カプラ2512へ出力する。また、多重分離部2113は、波長多重分離した各光信号のうちの、高密度多重分離部2311または波長分離カプラ2512へ出力しない光信号を外部へ出力する(Drop)。
波長分離カプラ2512は、OLT2511から出力された波長λ1の光信号を光スイッチ2326へ出力する。SONET送受信機2513は、高密度多重分離部2311から出力されたSONET方式の光信号を受信する。また、SONET送受信機2513は、SONET方式の光信号を高密度多重化部2322へ出力する。
図28は、図24に示した光通信装置の変形例を示すブロック図である。図28において、図24または図26に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図28に示すように、光通信装置150は、図24に示した光通信装置150の構成に加えて、波長分離カプラ2611と、ONU2612と、を備えている。
光スイッチ2416は、多重分離部2413から出力された光信号と、波長分離カプラ2611から出力された光信号と、のいずれかを選択して多重化部2417へ出力する。多重分離部2223は、波長多重分離した各光信号のうちの、PONのDownLinkの波長λ1の光信号を波長分離カプラ2611へ出力する。
また、多重分離部2223は、波長多重分離した各光信号のうちの、波長分離カプラ2611へ出力しない光信号を外部へ出力する(Drop)。波長分離カプラ2611は、ONU2612から出力された波長λ2の光信号を光スイッチ2416へ出力する。
図29は、図27に示した光通信装置の変形例を示すブロック図である。図29において、図27に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図29に示す光通信装置2900は、図27に示した光通信装置130を2つと、波長分離カプラ2911〜2914と、を備えている。
光通信装置2900が備える2つの光通信装置130のうちの一方を光通信装置130Aとし、他方を光通信装置130Bとする。波長分離カプラ2911は、光通信装置2900の前段(図の左側)の光通信装置(不図示)から第1芯111を介して受信した光信号を、C−Bandの光信号と、L−Bandの光信号と、に分離する。
波長分離カプラ2911は、分離したC−Bandの光信号を光通信装置130Aへ出力する。また、波長分離カプラ2911は、分離したL−Bandの光信号を光通信装置130Bへ出力する。光通信装置130Aの増幅器2111および光通信装置130Bの増幅器2111は、それぞれ波長分離カプラ2911から出力された光信号を増幅する。
光通信装置130Aの増幅器2116および光通信装置130Bの増幅器2116は、それぞれ増幅した光信号を波長分離カプラ2912へ出力する。波長分離カプラ2912は、光通信装置130Aの増幅器2116および光通信装置130Bの増幅器2116から出力された各光信号を合波する。波長分離カプラ2912は、合波した光信号を、光通信装置2900の後段(図の右側)の光通信装置150へ送信する。
波長分離カプラ2913は、光通信装置2900の後段(図の右側)の光通信装置150から第2芯112を介して受信した光信号を、C−Bandの光信号と、L−Bandの光信号と、に分離する。波長分離カプラ2913は、分離したC−Bandの光信号を光通信装置130Aへ出力するとともに、分離したL−Bandの光信号を光通信装置130Bへ出力する。光通信装置130Aの増幅器2121および光通信装置130Bの増幅器2121は、それぞれ波長分離カプラ2913から出力された光信号を増幅する。
光通信装置130Aの増幅器2126および光通信装置130Bの増幅器2126は、それぞれ増幅した光信号を波長分離カプラ2914へ出力する。波長分離カプラ2914は、光通信装置130Aの増幅器2126および光通信装置130Bの増幅器2126から出力された各光信号を合波する。波長分離カプラ2914は、合波した光信号を、光通信装置2900の前段(図の左側)の光通信装置(不図示)へ送信する。
図29に示した構成によれば、光信号をC−BandとL−Bandに分離し、それぞれ光通信装置130Aおよび光通信装置130Bによって処理することができる。このため、光通信装置130Aおよび光通信装置130Bのそれぞれにおいて、各種増幅器や多重分離部、多重化部などの部品において必要な帯域を狭くすることができる。このため、各種増幅器や多重分離部、多重化部などの部品を安価に設けることができる。
ここでは、光通信装置2900が、図27に示した光通信装置130を2つ備える構成について説明したが、図27に示した光通信装置130に代えて、上述した各種の光通信装置130を設けてもよい。また、図27に示した光通信装置130に代えて、上述した各種の光通信装置150を設けてもよい。
このように、実施の形態2にかかる光通信システム100および光通信装置130,150によれば、光通信装置130は、一芯光伝送路131を通過した波長λ1の光信号を分波して二芯光伝送路110の第1芯111から送信するとともに、第2芯112から受信した波長λ2の光信号を一芯光伝送路131に通過させることができる。
また、光通信装置150は、一芯光伝送路151を通過した波長λ2の光信号を分波して二芯光伝送路110の第2芯112から送信するとともに、第1芯111から受信した波長λ1の光信号を一芯光伝送路151に通過させることができる。これにより、二芯光伝送路110を用いて、一芯双方向の通信を行うOLT120およびONU141〜143の間で通信を行うことができる。
このため、実施の形態1にかかる光通信システム100および光通信装置130,150の効果を奏するとともに、一芯光伝送路131および二芯光伝送路110の接続を波長合分波部1511によって行うことで、一芯光伝送路131および二芯光伝送路110の接続を光カプラなどで行う構成と比べて、光信号のロスを少なくすることができる。
また、一芯光伝送路151および二芯光伝送路110の接続を波長合分波部1521によって行うことで、一芯光伝送路151および二芯光伝送路110の接続を光カプラなどで行う構成と比べて、光信号のロスを少なくすることができる。このため、OLT120およびONU141〜143の間の通信品質を向上させることができる。
(実施の形態3)
図30は、実施の形態3にかかる光通信システムの機能的構成を示すブロック図である。図30において、図5に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。実施の形態3にかかる光通信システム100の光通信装置130は、図15に示した光通信装置130の波長合分波部1511に代えて光サーキュレータ3011を備えている。また、光通信装置150は、図15に示した光通信装置150の波長合分波部1521に代えて光サーキュレータ3021を備えている。
挿入分岐部132は、第2芯112から分岐した光信号を光サーキュレータ3011へ出力する。一芯光伝送路131は、OLT120から送信された光信号を通過させて光サーキュレータ3011へ出力する。また、一芯光伝送路131は、光サーキュレータ3011から出力された光信号をOLT120へ送信する。
光サーキュレータ3011は、一芯光伝送路131から出力された光信号を挿入分岐部133へ出力する。また、光サーキュレータ3011は、挿入分岐部132から出力された光信号を一芯光伝送路131へ出力する。挿入分岐部133は、光サーキュレータ3011から出力された光信号を第1芯111に挿入して光通信装置150へ送信する。
挿入分岐部152は、第1芯111から分岐した光信号を光サーキュレータ3021へ出力する。一芯光伝送路151は、分岐部140から送信された光信号を通過させて光サーキュレータ3021へ出力する。また、一芯光伝送路151は、光サーキュレータ3021から出力された光信号を通過させて分岐部140へ送信する。
光サーキュレータ3021は、一芯光伝送路151から出力された光信号を挿入分岐部153へ出力する。また、光サーキュレータ3021は、挿入分岐部152から出力された光信号を一芯光伝送路151へ出力する。挿入分岐部153は、光サーキュレータ3021から出力された光信号を第2芯112に挿入して光通信装置130へ送信する。
図31は、図30に示した光通信システムの具体的な構成を示すブロック図である。図31において、図2または図30に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図31に示すように、光通信装置130は、図30に示した光通信装置130の構成に加えて、増幅器211〜216と、多重分離部221,222と、多重化部231,232と、を備えている(図2の説明参照)。
図32は、図31に示した前段の光通信装置の具体例を示すブロック図である。図32において、図3または図31に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図32は、図31に示した光通信装置130の多重分離部221および多重化部231の間の構成と、多重分離部222および多重化部232の間の構成と、の具体例を示している。
光サーキュレータ3011は、一芯光伝送路131から出力された光信号を光カプラ315へ出力する。また、光サーキュレータ3011は、光カプラ361から出力された光信号を一芯光伝送路131へ出力する。
多重分離部221および多重化部231の間には、光カプラ311〜315と、SOAアレイ320と、光カプラ331〜335と、が設けられている(図3の説明参照)。光カプラ315には、多重分離部221から出力された光信号と、光サーキュレータ3011から出力された光信号と、が入力される。
多重分離部222および多重化部232の間には、光カプラ341〜345と、SOAアレイ350と、光カプラ361〜365と、が設けられている(図3の説明参照)。光カプラ361は、分岐した各光信号の一方を光サーキュレータ3011へ出力する。ここでは、一芯光伝送路131から出力された光信号は、光サーキュレータ3011によって分離されて光カプラ315へ出力されるため、光カプラ361には入力されない。
図33は、図31に示した後段の光通信装置の具体例を示すブロック図である。図33において、図4または図31に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図33は、図31に示した光通信装置150の多重分離部251および多重化部261の間の構成と、多重分離部252および多重化部262の間の構成と、の具体例を示している。
光サーキュレータ3021は、一芯光伝送路151から出力された光信号を分波して光カプラ411へ出力する。また、光サーキュレータ3021は、光カプラ465から出力された光信号を一芯光伝送路151へ出力する。
多重分離部251および多重化部261の間には、光カプラ411〜415と、SOAアレイ420と、光カプラ431〜435と、が設けられている(図4の説明参照)。光カプラ411には、多重分離部251から出力された光信号と、光サーキュレータ3021から出力された光信号と、が入力される。
多重分離部252および多重化部262の間には、光カプラ441〜445と、SOAアレイ450と、光カプラ461〜465と、が設けられている(図4の説明参照)。光カプラ465は、分岐した各光信号の一方を光サーキュレータ3021へ出力する。ここでは、一芯光伝送路151から出力された光信号は、光サーキュレータ3021によって分離されて光カプラ411へ出力されるため、光カプラ465には入力されない。
図34は、図32に示した光通信装置の変形例を示すブロック図である。図34において、図32に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。OLT120とONU141〜143の間で送受信される光信号のOSNRが十分に確保できる場合は、OLT120とONU141〜143の間で送受信される光信号がSOAアレイ320およびSOAアレイ350を経由しない構成にしてもよい。
この場合は、光カプラ335が、図31に示した挿入分岐部133となる。光カプラ335には、多重分離部221から出力された光信号と、光サーキュレータ3011から出力された光信号と、が入力される。光カプラ335は、入力された光信号を分岐して、分岐した各光の一方を多重化部231へ出力する(Add/Through)。
また、この場合は、光カプラ341が、図31に示した挿入分岐部132となる。光カプラ341には、多重分離部222から出力された光信号が入力される。光カプラ341は、分岐した各光信号の一方を光サーキュレータ3011へ出力する。光カプラ341によって分岐された各光信号の他方はSOA351へ出力される。
ここでは、一芯光伝送路131から出力された光信号は、光サーキュレータ3011によって光カプラ335へ出力されるため、一芯光伝送路131から出力された光信号は光カプラ341には入力されない。図34に示す構成においては、光カプラ315は1×2の光カプラにしてもよい。また、光カプラ361は2×1の光カプラにしてもよい。
図35は、図33に示した光通信装置の変形例を示すブロック図である。図35において、図33に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。OLT120とONU141〜143の間で送受信される光信号のOSNRが十分に確保できる場合は、OLT120とONU141〜143の間で送受信される光信号がSOAアレイ420およびSOAアレイ450を経由しない構成にしてもよい。
この場合は、光カプラ431が、図31に示した挿入分岐部153となる。光カプラ431には、SOAアレイ420のSOA421から出力された光信号と、光サーキュレータ3021から出力された光信号と、が入力される。光カプラ431は、入力された光信号を多重化部261へ出力する(Add/Through)。
ここでは、光カプラ445から出力された光信号は、光サーキュレータ3021によって分離されて一芯光伝送路151へ出力されるため、光カプラ445から出力された光信号は光カプラ431には入力されない。
また、この場合は、光カプラ445が、図31に示した挿入分岐部152となる。光カプラ445は、入力された光信号を分岐して、分岐した各光信号の一方を光サーキュレータ3021へ出力する。図35に示す構成においては、光カプラ411は1×2の光カプラにしてもよい。また、光カプラ465は2×1の光カプラにしてもよい。
このように、実施の形態3にかかる光通信システム100および光通信装置130,150によれば、光通信装置130は、光サーキュレータ3011によって、一芯光伝送路131を通過した光信号を分離して第1芯111から送信するとともに、第2芯112から受信した波長λ2の光信号を一芯光伝送路131に通過させることができる。
また、光通信装置150は、光サーキュレータ3021によって、一芯光伝送路151を通過した光信号を分離して第2芯112から送信するとともに、第1芯111から受信した光信号を一芯光伝送路151に通過させることができる。これにより、二芯光伝送路110を用いて、一芯双方向の通信を行うOLT120およびONU141〜143の間で通信を行うことができる。
このため、実施の形態1にかかる光通信システム100および光通信装置130,150の効果を奏するとともに、一芯光伝送路131および二芯光伝送路110の接続を光サーキュレータ3011によって行うことで、一芯光伝送路131および二芯光伝送路110の接続を光カプラなどで行う構成と比べて、光信号のロスを少なくすることができる。
また、一芯光伝送路151および二芯光伝送路110の接続を光サーキュレータ3021によって行うことで、一芯光伝送路151および二芯光伝送路110の接続を光カプラなどで行う構成と比べて、光信号のロスを少なくすることができる。このため、OLT120およびONU141〜143の間の通信品質を向上させることができる。
以上説明したように、開示の光通信装置および光通信システムによれば、ネットワーク設計の柔軟性を向上させることができる。
なお、上述した各実施の形態においては、SONET方式の光通信システムにおいて、PON方式の光通信システムを実現する場合について説明したが、通信方式についてはこれらに限られない。上述した各実施の形態にかかる光通信システム100および光通信装置130,150は、二芯光伝送路を用いた光通信システムに対して、一芯双方向の方式の光通信システムをオーバーレイする場合の全般に応用することができる。上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)二芯光伝送路によって他の光通信装置と接続された光通信装置において、
一芯双方向の通信を行う光送受信機から送信された光信号と、前記光送受信機へ送信された光信号と、をそれぞれ逆方向に通過させる一芯光伝送路と、
前記光送受信機から送信されて前記一芯光伝送路を通過した光信号を、前記二芯光伝送路の一方の芯を介して前記他の光通信装置へ送信する送信手段と、
前記二芯光伝送路の他方の芯を介して前記他の光通信装置から前記光送受信機へ送信された光信号を受信し、受信した光信号を前記一芯光伝送路に通過させる受信手段と、
を備えることを特徴とする光通信装置。
(付記2)前記受信手段は、前記二芯光伝送路の他方の芯を介して送信された光信号を分岐して前記一芯光伝送路に通過させるとともに、前記光送受信機から送信されて前記一芯光伝送路を通過した光信号を分岐する第1挿入分岐手段であり、
前記送信手段は、前記第1挿入分岐手段によって分岐された光信号を前記一方の芯へ挿入する第2挿入分岐手段であることを特徴とする付記1に記載の光通信装置。
(付記3)前記受信手段は、前記二芯光伝送路の他方の芯を介して送信された光信号を分岐する第1挿入分岐手段であり、
前記送信手段は、前記第1挿入分岐手段によって分岐された光信号を分岐して前記一芯光伝送路に通過させるとともに、前記光送受信機から送信されて前記一芯光伝送路を通過した光信号を前記一方の芯へ挿入する第2挿入分岐手段であることを特徴とする付記1に記載の光通信装置。
(付記4)前記光送受信機から送信された光信号の第1波長と、前記光送受信機へ送信された光信号の第2波長と、は互いに異なる波長であり、
前記一芯光伝送路を通過した第1波長の光信号を分波して前記送信手段に送信させるとともに、前記受信手段によって受信された第2波長の光信号を前記一芯光伝送路に通過させる波長合分波手段を備えることを特徴とする付記1に記載の光通信装置。
(付記5)前記一芯光伝送路を通過した光信号を前記送信手段に送信させるとともに、前記受信手段によって受信された光信号を前記一芯光伝送路に通過させる光サーキュレータを備えることを特徴とする付記1に記載の光通信装置。
(付記6)前記光送受信機は、前記他の光通信装置に接続された複数の加入者端末と通信を行う収容局であることを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の光通信装置。
(付記7)前記光送受信機は、前記他の光通信装置に接続された収容局と通信を行う複数の加入者端末であり、
前記一芯光伝送路は、前記複数の加入者端末と分岐接続されていることを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の光通信装置。
(付記8)前記他の通信装置から送信されて前記一芯光伝送路を通過した光信号を分岐させて前記複数の加入者端末へ送信するとともに、前記複数の加入者端末から送信された各光信号を合流させて前記一芯光伝送路に通過させる分岐合流手段を備えることを特徴とする付記7に記載の光通信装置。
(付記9)付記6に記載の光通信装置と、
付記7または8に記載の光通信装置と、を備え、
前記収容局と前記加入者端末との間で通信を行うことを特徴とする光通信システム。
(付記10)前記収容局と前記加入者端末との間でPON(Passive Optical Network)方式の通信を行うことを特徴とする付記9に記載の光通信システム。
(付記11)前記二芯光伝送路は、SONET/SDH(Synchronous Optical NETwork/Synchronous Digital Hierarchy)方式のネットワークの光伝送路であることを特徴とする付記9または10に記載の光通信システム。