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JP2009282281A - 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法 Download PDF

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JP2009282281A JP2008134053A JP2008134053A JP2009282281A JP 2009282281 A JP2009282281 A JP 2009282281A JP 2008134053 A JP2008134053 A JP 2008134053A JP 2008134053 A JP2008134053 A JP 2008134053A JP 2009282281 A JP2009282281 A JP 2009282281A
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Hirofumi Hayata
裕文 早田
Masahiko Kurachi
雅彦 倉地
Toshiyuki Fujita
俊行 藤田
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Abstract

【課題】本発明の課題は、感光体膜削れ及び傷に対して優れた耐久性を持つと同時に、表面への不要物の付着を抑制し、長期間に渡り安定且つ高品質の画像を形成できる電子写真感光体を提供することである。
【解決手段】導電性支持体上に、感光層、保護層をこの順に有する電子写真感光体において、該保護層が架橋構造よりなる架橋樹脂と酸化チタン微粒子を含有し、且つ該保護層の膜密度が1.20g/cm以上、2.00g/cm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法に関するものである。
従来、電子写真感光体に用いられていた熱可塑性樹脂は、高温高湿環境において十分な転写性が得られなかったり、電子写真感光体に傷が入りハーフトーンなど中間調画像にムラが生じたりすることが多かった。この課題に対する解決策として電子写真感光体に保護層を設置する改善が試みられ、電子写真感光体の表面硬度を上げるために架橋反応による高強度化の検討が行われていた(例えば、特許文献1参照)。
さらに、保護層に表面抵抗を制御するために金属酸化物を含有させることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
架橋膜を形成する際にモノマーの官能基数調整で膜強度を制御できるが、官能基数を多くすると未反応の官能基が残存し、高温高湿での画像流れの原因となっていた。
さらに、表面抵抗制御のために酸化チタンを含有させると、架橋膜を形成する際に紫外線を吸収し、架橋反応を阻害するといった問題があった。一方、保護層中の酸化チタン量を少なくすると電気特性が悪化してしまい、電気特性と保護層の機械的強度の両立は極めて困難であった。
特開平11−288121号公報 特開2002−333733号公報
本発明の課題は、感光体膜削れ及び傷に対して優れた耐久性を持つと同時に、表面への不要物の付着を抑制し、長期間に渡り安定且つ高品質の画像を形成できる電子写真感光体を提供することである。
即ち本発明の目的は下記のような構成を取ることにより達成される。
1.
導電性支持体上に、感光層、保護層をこの順に有する電子写真感光体において、該保護層が架橋構造よりなる架橋樹脂と酸化チタン微粒子を含有し、且つ該保護層の膜密度が1.20g/cm以上、2.00g/cm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
2.
前記架橋樹脂が、硬化性化合物と重合開始剤とを反応してなる樹脂であり、該硬化性化合物成分の質量をM1、該重合開始剤成分の質量をM2とした時、下記式(1)を満足することを特徴とする前記1に記載の電子写真感光体。
式(1) 0.05<M2/M1<0.25
3.
前記硬化性化合物がアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する化合物であることを特徴とする前記1または2のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
4.
前記1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成方法。
本発明により、感光体膜削れ及び傷に対して優れた耐久性を持つと同時に、表面への不要物の付着を抑制し、長期間に渡り安定且つ高品質の画像を形成できる電子写真感光体を提供することができた。
以下本発明について詳細に説明する。
〔感光体の層構成〕
本発明の感光体は、導電性支持体上に、少なくとも感光層及び保護層を順次積層したもので、その層構成は、特に制限されるものではなく、具体的には、以下に示すような層構成を挙げることができる。
1)導電性支持体上に、感光層として電荷発生層と電荷輸送層、及び保護層を順次積層した層構成、
2)導電性支持体上に、感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層、及び保護層を順次積層した層構成、
3)導電性支持体上に、中間層、感光層として電荷発生層と電荷輸送層、及び保護層を順次積層した層構成、
4)導電性支持体上に、中間層、感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層、及び保護層を順次積層した層構成。
本発明の感光体は、上記いずれの層構成でもよいが、これらの中では、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を設けて作製されるものが好ましい。
〔保護層〕
感光体の保護層は、感光体が空気界面と接触する層である。
本発明の感光体は保護層に、架橋構造よりなる架橋樹脂と酸化チタン微粒子を用いている。
(架橋構造よりなる架橋樹脂)
本発明における架橋構造とは、重合体鎖が共有結合により化学的に結合された構造でも良いし、重合体鎖が物理的相互作用により架橋構造を形成するものでも良く、このような結合によって、三次元ポリマーもしくは網目ポリマーが形成された構造を意味する。このような構造よりなる樹脂を本発明の架橋樹脂という。
架橋構造よりなる架橋樹脂としては、少なくとも3官能以上のラジカル重合性モノマーを用いることが好ましい。これにより3次元の網目構造が発達し、架橋密度が非常に高い高硬度架橋保護層が得られ、高い耐摩耗性が達成される。これに対し、ラジカル重合性官能基の少ないモノマーのみを用いた場合は、架橋保護層中の架橋密度が希薄となり飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。架橋保護層に他の高分子材料が含有されている場合、3次元網目構造の発達が阻害され架橋度の低下が起こり、本発明に比べ充分な耐摩耗性が得られない。更に、含有される他の高分子材料と本発明の架橋構造よりなる架橋樹脂との相溶性が悪く、相分離から局部的な摩耗が生じ、表面の傷となって現れる。
また、本発明の架橋した保護層の形成においては、架橋構造よりなる架橋樹脂に加え、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有してもよく、これらが同時に短時間(典型的には24時間以内)で重合、硬化し、高硬度の架橋結合を構成し、耐久性の向上が達成された。さらに高硬度で変形量の少ない保護層の形成が実現可能となり、良好なクリーニング性を長期に亘って維持することが可能となった。つまり感光体の耐摩耗性、クリーニング性、電気特性といった諸特性が感光体の場所依存性を有さず、長期的な使用(画像形成)に対して安定した耐摩耗性と高画質形成の両立を実現した。また架橋層中に酸化チタン粒子を含有し、場合によっては電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が組み込まれているために安定な電気特性を長期にわたって示す。
また、本発明の保護層に使用できる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、架橋保護層の電荷輸送性能を調整するために使用する。この成分は架橋保護層全量に対し0〜80質量%、好ましくは0〜70質量%になるように塗工液成分の含有量を調整する。また、80質量%を超えると電荷輸送構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの含有量が低下し、架橋結合密度の低下を招き高い耐摩耗性が発揮されない。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると0〜70質量%の範囲が最も好ましい。
(酸化チタン粒子)
本発明で用いられる酸化チタン粒子の一次粒子または凝集粒子の個数平均粒径は5nm以上、200nm以下であることが好ましく、より好ましくは5nm以上、100nm以下である。粒径が5nm未満であると、酸化チタンが凝集しやすく液の保存安定性が低下し保護層膜の均一性が低下する。また、200nmよりも大きいと架橋樹脂との接着性が低下し磨耗量が多くなり、また表面が粗くなりクリーニング不良の原因となる。
ここで、個数平均粒径とは、粒子を透過型電子顕微鏡観察によって100000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を観察し、画像解析により求めた値である。
透過型電子顕微鏡装置(TEM)としては、「H−9000NAR」(日立製作所社製)、「JEM−200FX」(日本電子社製)が挙げられる。
透過型電子顕微鏡による観察方法は、粒子の粒径を測定する際に行われる通常の方法で行われる。例えば、以下のような手順にて行われる。まず、観察用の試料を作製する。常温硬化性のエポキシ樹脂中に粒子を十分分散させた後、包埋し、硬化させてブロックを作製する。作製したブロックをダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い、厚さ80〜200nmの薄片状に切り出して測定用試料を作製する。次に、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて100000倍に拡大し、粒子の写真撮影をする。次に、画像処理装置「ルーゼックスF」(ニコレ社製)で撮影された100個の無機粒子の画像情報を演算処理して、個数平均粒径を求める。
(膜密度)
本発明の保護層は、膜密度が1.20g/cm以上、2.00g/cm以下であり、好ましくは膜密度が1.35g/cm以上、1.80g/cm以下である。これにより、酸化チタン粒子と架橋樹脂を最適な割合で均一な膜とすることで高硬度、高弾性率を有し、耐摩耗性が飛躍的に高い架橋保護層を実現することができると同時に、高い膜密度によりオゾン、窒素酸化物、水蒸気等の電子写真特性に影響を与えるガスの透過性を低下でき、環境安定性を向上した信頼性の高い電子写真感光体を実現できた。
本発明においては、架橋層を構成させる樹脂成分として反応性の官能基を有する化合物、より具体的には3官能以上のラジカル重合性モノマーを重合させることにより形成された樹脂と酸化チタン粒子を含有し、該保護層の膜密度を1.20g/cm以上、2.00g/cm以下とすることで、耐摩耗性の長期間維持、電気特性の長期にわたる安定性を達成し、さらに環境安定性を向上した信頼性の高い高画質画像形成を長期間実現することができる。
本発明の膜密度は架橋保護層の質量を保護層の膜厚から算出した体積で割ることで得ている。本発明では塗膜形成前後の質量変化をMettler製電子天秤(AE163)で測定し、架橋保護層の質量を得た。体積については架橋保護層の膜厚をフィッシャーインストルメンツ製膜厚計(フィッシャースコープMMS)で測定することで算出した。それぞれの測定は、温度22℃、相対湿度55%の環境条件下で行った。本発明では上記方法において密度を算出しているがこれと同等の方法であればいかなる方法で得られた値でもよい。
(硬化性化合物)
本発明の架橋構造よりなる架橋樹脂は、硬化性化合物を反応硬化してなる樹脂であることが好ましい。
本発明の硬化性化合物とは、硬化性官能基を有する化合物を意味する。
本発明の硬化性化合物は、紫外線や電子線等の活性線照射により重合(硬化)して、ポリスチレン、ポリアクリレート等、一般に感光体のバインダー樹脂として用いられる樹脂となるモノマーが好適であり、特に、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタアクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーが好ましい。
中でも、少ない光量あるいは短い時間での硬化が可能であることからアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する化合物が特に好ましい。
本発明においては、これらのモノマーを単独で用いても、混合して用いてもよい。
代表的な化合物例として、下記構造のものを挙げることができる。
Figure 2009282281
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〔重合開始剤〕
本発明の硬化性化合物は、重合開始剤の存在下で反応硬化することが好ましい。重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの重合開始剤は1種または2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100質量部に対し0.5〜40質量部、好ましくは1〜20質量部である。
〔硬化性化合物の硬化反応〕
本発明では、重合開始剤の存在下で硬化性化合物に活性線を照射してラジカルを発生して重合し、かつ分子間及び分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化し、硬化樹脂を生成する。活性線としては紫外線や電子線が好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm、好ましくは5〜100mJ/cmである。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましく、吸収線量としては、0.5〜10Mradであることが好ましい。
硬化性化合物は、塗布乾燥中または後に活性線を照射するのがよい。必要な活性線の照射量を得るための照射時間としては、0.1秒〜3分程度がよく、硬化性官能基を有する化合物の硬化効率または作業効率の観点から1〜60秒がより好ましい。これら活性線照射部の照度は50〜1000mW/mであることが好ましい。
活性線としては電子線より紫外線が使用しやすく好ましい。
更に、硬化性化合物と重合開始剤とを反応してなる架橋樹脂は、硬化性化合物成分の質量をM1、重合開始剤成分の質量をM2とした時、下記式(1)を満足することが好ましい。
式(1) 0.05<M2/M1<0.25
本願の硬化性化合物成分の質量M1とは、硬化性化合物と重合開始剤とを反応してなる架橋樹脂の質量をMb、硬化性化合物と結合した重合開始剤由来の成分の質量をMcとした時、下記式(a)で求められる質量である。
式(a) M1=Mb−Mc
また、本願の重合開始剤成分の質量M2とは、架橋樹脂中に残存する未反応の重合開始剤の質量Mcrとした時、下記式(b)で求められる質量である。
式(b) M2=Mc+Mcr
Mb、Mc、Mcrは、保護層の薄片状切片からの抽出物や熱的または化学的分解物等から、公知の重量分析方法によって定量される。
保護層は、上記硬化性化合物及び酸化チタン、重合開始剤の他に、必要に応じてフィラー、滑剤粒子等の粒子状添加剤及び酸化防止剤等を含有することができる。
(粒子状添加剤)
本発明の保護層には、酸化チタンと併用して他の粒子状添加剤を含有させても良い。
本発明に用いられる粒子状添加剤は、数平均一次粒径が3〜300nmのものが好ましい。特にで、好ましくは10〜200nmのものである。
数平均一次粒径が、上記範囲の粒子は、塗布液中に均一に分散ができるので、凝集粒子の形成や表面に大きな凹凸の発生を防止でき、該凝集粒子が電荷トラップとなって黒ポチや転写メモリーの発生、該大きな凹凸による黒ポチの発生がない良好なトナー画像を形成することができる。また、塗布液中で粒子が沈降しにくく、液の分散安定性にも優れる。
本発明では、添加される粒子として、無機粒子や有機粒子とを含むことができる。
無機粒子と有機粒子の割合は、無機粒子20〜80質量%が好ましく、30〜70質量がより好ましい。
無機粒子としては、チタニア粒子に加えシリカ粒子、アルミナ粒子、チタン酸ストロンチウム粒子から選択されてなるものを挙げることができる。これらの中ではシリカ粒子、アルミナ粒子が好ましい。
無機粒子は、分散性向上と電子写真特性の安定性から表面処理したものが好ましい。例えば、有機溶剤や水に対して反応性有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させた液に無機粒子を添加し、この液を数分から1時間程度撹拌する。そして場合によっては該液に加熱処理を施した後に、濾過等の工程を経た後乾燥し、表面を有機ケイ素化合物で被覆した無機粒子を得る。なお、有機溶剤や水に対して無機粒子を分散させた懸濁液に反応性有機ケイ素化合物を添加しても構わない。
保護層を形成するには、その構成成分である上記重合開始剤、酸化防止剤及び硬化性化合物等を溶解する溶媒の選択も重要である。即ち、これらの保護層塗布組成物に良溶媒(よく溶解する溶媒)を選択し、保護層の塗布溶媒に用いることが好ましい。例えば、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、各種ケトン類、エタノール、イソプロパノール、1−プロパノール等のアルコール類を用いることが好ましい。
保護層の膜厚は、0.2〜10μmが好ましく、1.0〜7.0μmがより好ましい。
次に、本発明の保護層以外の感光体を構成する部材、各層について説明する。
(導電性支持体)
導電性支持体は、円筒状で、比抵抗が10Ωcm以下のものが好ましい。具体例として、切削加工後表面洗浄した円筒状アルミニウムを挙げることができる。
(中間層)
中間層は、例えば、バインダー、無機粒子及び分散溶媒等から構成される中間層用塗布液を塗布、乾燥して形成される。
中間層のバインダーとしては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位の内の2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら樹脂の中ではポリアミド樹脂が、繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくでき好ましい。
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化スズ等から選択されてなるものを挙げることができる。
中間層塗布液を作製する溶媒としては、無機粒子を良好に分散し、ポリアミド樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が、ポリアミド樹脂の溶解性と塗布性能に優れ好ましい。これらの溶媒は全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%である。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
中間層の膜厚は、0.2〜40μmが好ましく、0.3〜20μmがより好ましい。
(感光層)
感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造でもよいが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した層構成をとるのがより好ましい。機能を分離した構成をとることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成をとる。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆の構成をとる。好ましい感光層の層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体である。
以下に機能分離負帯電感光体の感光層の各層について説明する。
〈電荷発生層〉
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有してもよい。
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料等を用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4°に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加を小さくすることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコン樹脂、シリコン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01〜2μmが好ましい。
〈電荷輸送層〉
電荷輸送層には、電荷輸送物質(CTM)とバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有してもよい。
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物等を用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位の内の2つ以上を含む共重合体樹脂。またこれらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
これらCTLのバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にすることにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し電荷輸送物質10〜200質量部が好ましい。また、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
〔酸化防止剤〕
感光体の構成層には、酸化防止剤を適用すると、NOx等活性ガスの攻撃による影響を低減できるため、高温高湿環境での画像流れの発生を抑制できる。
本発明に用いられる酸化防止剤とは、その代表的なものは電子写真感光体(以下、感光体ともいう)中ないしは感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。詳しくは下記の化合物群が挙げられる。
(1)ラジカル連鎖禁止剤
フェノール系酸化防止剤
ヒンダードフェノール系酸化防止剤
アミン系酸化防止剤
ヒンダードアミン系酸化防止剤
ジアリルジアミン系酸化防止剤
ジアリルアミン系酸化防止剤
ハイドロキノン系酸化防止剤
(2)過酸化物分解剤
硫黄系酸化防止剤
チオエーテル類
燐酸系酸化防止剤
亜燐酸エステル類
なお、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール構造を有する酸化防止剤)とは、フェノール性OH基ないしはフェノール性OHのアルコキシ化基のオルト位にかさ高い有機基を有する化合物であり、ヒンダードアミン系酸化防止剤(ヒンダードアミン構造を有する酸化防止剤)とはN原子近傍にかさ高い有機基を有する化合物である。かさ高い有機基としては分岐状アルキル基があり、例えばt−ブチル基が好ましい。
上記酸化防止剤のうちでは、(1)のラジカル連鎖禁止剤がよく、中でも、ヒンダードフェノール構造やヒンダードアミン構造を有する酸化防止剤は、重合開始剤からの発生ラジカル活性種と酸素との反応を防ぐため、発生ラジカル活性種を効果的に反応に寄与させることができ、好ましい。
また、2種以上のものを併用してもよく、例えば(1)のヒンダードフェノール系酸化防止剤と(2)のチオエーテル類の酸化防止剤との併用もよい。
本発明において、さらに好ましいものとしては、分子中に上記ヒンダードアミン構造を有するものが画像ボケ防止や黒ポチ対策等の画質改善によく、別の態様として、ヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位を分子内に含んでいるものも同様に好ましい。
〔感光体の作製〕
本発明の感光体は、浸漬塗布、円形量規制型塗布、あるいは浸漬塗布と円形量規制型塗布を組み合わせて塗膜を設けて作製することができるが、これに限定されるものではない。なお、円形量規制型塗布については、例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
〔画像形成装置〕
次に、本発明の感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図1は、本発明の感光体を用いた画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読み取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読み取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルター処理等の処理が施された後、画像データは一旦メモリーに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26及び光除電手段(光徐電工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明に係わる感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリーから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段30としての露光光学系は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、半導体レーザまたは発光ダイオードを像露光光源として用いることができる。これらの像露光光源を用いて、書き込みの主査方向の露光ドット径を10〜80μmに絞り込み、感光体上にデジタル露光を行うことにより、400dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2500dpiの高解像度の電子写真画像を得ることができる。
前記露光ドット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e2以上の領域の主走査
方向にそった露光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)をいう。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2以上の領域を本発明に係わる露光ドット径とする。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。本発明に係る画像形成方法では、該現像手段に用いられる現像剤には重合トナーを用いることが好ましい。形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明の感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送されながら転写紙Pに転写され、該転写紙Pは感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
さらに、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pを再給紙し、転写紙Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写紙Pを搬送し、転写紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。また、帯電器、像露光器、現像器、転写または分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレール等の案内手段を用いて着脱自在の構成としてもよい。
図2は、本発明の感光体を用いたカラー画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
図2のカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系等が用いられる。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体という。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
本発明の画像形成装置は電子写真複写機、レーザープリンター、LEDプリンターおよび液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版およびファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
〔感光体の作製〕
(酸化チタン粒子の調製)
メチルハイドロジェンポリシロキサン0.2部をエタノール/n−プロピルアルコール/THF(45:20:35容量比)10部中に溶解分散し、該混合溶媒中にルチル型酸化チタン粒子(数平均一次粒径35nm:アルミナによる5%一次表面処理がされている)3.5部を添加したのち、1時間撹拌し、表面処理(二次処理)を行い溶媒から分離後、加熱乾燥して表面処理済の酸化チタン粒子1を得た。この酸化チタン粒子は、中間層及び保護層に使用する。
(感光体1の作製)
下記の様に感光体1を作製した。
まず、外径φ60mmの円筒状アルミニウム基体(切削加工によりJISB0601規定の十点平均表面粗さRz=0.81μmに加工済み)を準備した。
〈中間層の形成〉
バインダー樹脂(下記化合物N−1) 1部
エタノール/n−プロピルアルコール/THF(45:20:35体積比) 20部
を混合し攪拌溶解後、
酸化チタン粒子1 4.2部
混合し、該混合液をビーズミルで分散し中間層塗布液を作製した。この塗布液を濾過した後、前記円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚およそ2μmの中間層を形成した。
Figure 2009282281
〈電荷発生層の形成〉
チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくともブラッグ角2θ=27.3±0.2°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料) 20部
ポリビニルブチラール(BX−1、積水化学(株)製) 10部
メチルエチルケトン 700部
シクロヘキサノン 300部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層の形成〉
下記成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、120℃で70分乾燥後して乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
電荷輸送物質(下記化合物A) 50部
ポリカーボネート樹脂「ユーピロン−Z300」(三菱ガス化学社製) 100部
酸化防止剤 2,6−ジターシャリブチル4−メチルフェノール 8部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比8/2) 750部
Figure 2009282281
〈保護層の形成〉
硬化性材料:例示化合物(7) 100部
1−プロパノール 500部
メチルイソブチルケトン 250部
上記材料を混合溶解した。さらに、
酸化チタン粒子1 100部
加え、超音波ホモジナイザーで15分間分散して硬化性材料と酸化チタン粒子を含有する分散液を得た。同分散液に、
ラジカル硬化開始剤(化合物B) 5部
を加え保護層塗布液を調製した。
Figure 2009282281
上記保護層塗布液を前記の感光層上に浸漬塗布した。塗布後10分間室温乾燥した後、2kWの高圧水銀灯から100mm離れた位置に感光ドラムを位置し回転させながら1分間光照射し保護層を反応させて硬化し約2μmの保護層を設置した電子写真感光体を作製し、感光体1とした。
(感光体2〜6の作製)
硬化性材料に対する酸化チタンの質量、開始剤質量を表1記載の量とした以外は感光体1と同様にして感光体2〜6を作製した。
(感光体7〜11の作製)
硬化性材料を、例示化合物(30)に代え、酸化チタンの量、開始剤質量を表1記載の量とした以外は感光体1と同様にして感光体7〜11を作製した。
(感光体12〜15の作製)
硬化性材料を、例示化合物(31)に代え、酸化チタンの量、開始剤質量を表1記載の量とした以外は感光体1と同様にして感光体12〜15を作製した。
(感光体16の作製)
硬化性化合物として、
下記化合物C 10部
メチルトリメトキシシラン 60部
テトラメトキシシラン 30部
を用い、これに
酸化チタン粒子1 80部
イソプロピルアルコール 125部
テトラヒドロフラン 75部
蒸留水 10部
上記材料を混合、溶解させ、さらに
イオン交換樹脂(アンバーリスト15E) 10部
を加え、室温で攪拌することにより24時間加水分解を行った。
Figure 2009282281
次に、加水分解後の反応混合物からイオン交換樹脂を濾過分離し、その濾液に、
アルミニウムトリスアセチルアセトナート 3部
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT) 5部
を加えて保護層用塗布液を調製した。この塗布液を電荷輸送層の上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、170℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚約3μmの保護層を形成して感光体16を得た。
(比較感光体1、2の作製)
硬化性材料に対する酸化チタンの質量、開始剤質量を表1記載の量とした以外は感光体1と同様にして比較感光体1、2を作製した。
(比較感光体3の作製)
感光体1の作製において、酸化チタン粒子1の代わりにアルミナ粒子(AKP−50、住友化学工業社製)を用いた以外は同様にして感光体を作製し、この感光体を比較感光体3とした。
(比較感光体4の作製)
感光体1の作製において、酸化チタン粒子1の代わりにシリカ粒子(RX50、日本アエロジル社製)を用いた以外は同様にして感光体を作製し、この感光体を比較感光体4とした。
(比較感光体5の作製)
感光体1の作製において、酸化チタン粒子を添加しない以外は同様にして感光体を作製し、この感光体を比較感光体5とした。
〔性能評価〕
常温常湿環境下(20℃、50%RH)において、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhub PRO C6500を用いて評価した。
(感光体膜削れ)
常温常湿環境下(20℃、50%RH)において、各色印字率2.5%画像で10万プリントの実写を行い、1万プリントあたりの感光体膜削れ量(μm/1万プリント)を求め、これを感光体膜削れの指標とした。
結果を表1に示す。
(感光体表面の傷)
上記感光体削れと同様の実写試験後に感光体表面の状態を目視にて観察し、さらにA3全面ハーフトーン画像を出力した。傷の評価は以下の条件で○、△、×で評価した。○、△が合格、×が不合格である。
○:感光体表面に目視で認められる目立った傷なし、
ハーフトーン画像に感光体傷に対応する画像不良は認められない。
△:感光体表面に目視で軽微な傷が認められる。
ハーフトーン画像に感光体傷に対応する画像不良は認められない。
×:感光体表面に目視で明確な傷が認められる。
ハーフトーン画像に感光体傷に対応する画像不良が認められる。
結果を表1に示す。
(感光体表面の付着物)
上記感光体膜削れと同様の実写試験後に感光体表面の状態を目視にて観察し、さらにA3全面ハーフトーン画像を出力した。傷の評価は以下の条件で○、△、×で評価した。○、△が合格、×が不合格である。
○:感光体表面に目視で認められる付着物、
ハーフトーン画像に感光体付着物に対応する画像不良は認められない。
△:感光体表面に目視で軽微な付着物が認められる。
ハーフトーン画像に感光体付着物に対応する画像不良は認められない。
×:感光体表面に目視で明確な付着物が認められる。
ハーフトーン画像に感光体付着物に対応する画像不良が認められる。
結果を表1に示す。
(画像濃度)
実写開始時点でのベタ画像の反射濃度=1.2以上を○、1.2未満を×とした。○が合格、×が不合格である。
Figure 2009282281
表1から、本発明の感光体および画像形成方法は、感光体膜削れ、傷が少なく、また感光体表面への異物付着が発生しにくく長期間にわたって画像品質に優れ、感光体の耐久性に優れることが分かる。
画像形成装置の機能が組み込まれた概略図である。 カラー画像形成装置の断面構成図である。
符号の説明
1 画像形成装置
21 感光体
22 帯電手段
23 現像手段
24 転写極
25 分離極
26 クリーニング装置
30 露光光学系
45 転写搬送ベルト装置
50 定着手段
250 分離爪ユニット

Claims (4)

  1. 導電性支持体上に、感光層、保護層をこの順に有する電子写真感光体において、該保護層が架橋構造よりなる架橋樹脂と酸化チタン微粒子を含有し、且つ該保護層の膜密度が1.20g/cm以上、2.00g/cm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記架橋樹脂が、硬化性化合物と重合開始剤とを反応してなる樹脂であり、該硬化性化合物成分の質量をM1、該重合開始剤成分の質量をM2とした時、下記式(1)を満足することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
    式(1) 0.05<M2/M1<0.25
  3. 前記硬化性化合物がアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成方法。
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