JP2009276560A - 撮像装置および撮像方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】日中、夜間を問わず、輝度差がある撮影シーンでも、適正露光の画像を得ることができる撮像装置および撮像方法を得る。
【解決手段】予備発光と本発光が可能な発光器16と、撮影画面内の複数領域の被写体輝度を測定する測光手段14と、予備発光前の測光手段による撮影画面内の複数領域の被写体輝度の測定結果から複数領域について輝度分布を作成する輝度分布作成手段と、輝度分布作成手段で作成された輝度分布とこの輝度分布に対して予め定められた重み付け係数とを用いて輝度差検知指数を算出する輝度差検知指数算出手段と、予め定められた輝度差検知指数と発光補正量との対応付けに基づいて輝度差検知指数に対応する発光補正量を取得する発光補正量取得手段と、を備え、取得された発光補正量により発光器16の本発光量を補正して本発光する。
【選択図】図1
【解決手段】予備発光と本発光が可能な発光器16と、撮影画面内の複数領域の被写体輝度を測定する測光手段14と、予備発光前の測光手段による撮影画面内の複数領域の被写体輝度の測定結果から複数領域について輝度分布を作成する輝度分布作成手段と、輝度分布作成手段で作成された輝度分布とこの輝度分布に対して予め定められた重み付け係数とを用いて輝度差検知指数を算出する輝度差検知指数算出手段と、予め定められた輝度差検知指数と発光補正量との対応付けに基づいて輝度差検知指数に対応する発光補正量を取得する発光補正量取得手段と、を備え、取得された発光補正量により発光器16の本発光量を補正して本発光する。
【選択図】図1
Description
本発明は、デジタルスチルカメラのような、電子的な撮像装置および撮像方法に関するもので、特に、ストロボ発光器による照明を利用する場合に、予備発光前の例えばモニタリング時点で被写界の輝度差を算出して、本発光により適正露光で撮影することができるようにしたものである。
写真撮影時の被写体照明手段として各種の手段が考えられてきたが、今日ではカメラなどの撮像装置に内蔵したストロボ発光器による照明が一般的である。撮像装置に内蔵したストロボ発光器を使用して撮影する場合、被写体までの距離に応じて、発光量、あるいは開口絞りなどを制御するなどして、被写体に対して適正な露光量になるように制御する必要がある。ストロボ発光器を使用する場合の露光量制御方式として、今日では、以下の方式が主流となっている。
1.被写体までの距離とレンズのF値(絞り値)からガイドナンバー光量を決定するフラッシュマチック方式(以下「FM方式」という)
2.FM方式の応用で、本撮影前にストロボ発光器によるプリ発光(予備発光)を行い、プリ発光時の被写体からの反射光を測定してこれを本発光に反映させストロボ撮影するプリ発光方式
3.ストロボ発光時の被写体からの反射光を受光センサにより受光し、受光量が適正値に達した時点でストロボ発光器の発光を停止させる自動調光方式(以下「オートストロボ方式」という)
1.被写体までの距離とレンズのF値(絞り値)からガイドナンバー光量を決定するフラッシュマチック方式(以下「FM方式」という)
2.FM方式の応用で、本撮影前にストロボ発光器によるプリ発光(予備発光)を行い、プリ発光時の被写体からの反射光を測定してこれを本発光に反映させストロボ撮影するプリ発光方式
3.ストロボ発光時の被写体からの反射光を受光センサにより受光し、受光量が適正値に達した時点でストロボ発光器の発光を停止させる自動調光方式(以下「オートストロボ方式」という)
コンパクトデジタルカメラでは、低コストであることが求められることと、限られたスペースに組み込む必要があることから、一般にはFM方式またはプリ発光方式が主流となっている。プリ発光方式は、本発光の前に予め予備発光を行い、予備発光後の反射光を受光し、受光量の積分量を基に本発光量を定める方式が一般的である。プリ発光制御方式によれば、画面の中央部にある主要被写体およびその近傍にある被写体に対する最適露光量は得ることができる。しかし、自動露光(以下「AE」という)モードにおいて被写界内に高輝度に発光する物、例えば自動販売機や照明灯が点灯している看板などが主要被写体の近傍にあると、AE制御部がその明るい光源に引っ張られて絞りを大きく絞り込んで露光量を制限し、人物の顔が見えないぐらい暗い画像になってしまう。この絞った状態でストロボを強制発光したとしても、人物は適正露出にはならない。また、今日では、被写界における人の顔に認識精度が上がっており、人物を認識していれば、スポット的に人物の顔に調光することが可能である。しかし、顔認識モード(または顔優先モード)へのモード切り替えをしなければならない煩雑さがある。また、顔認識モードでの顔認識動作は被写体のLV値(輝度)に依存しているため、人の顔を認識できないケースがある。人物以外を主要被写体などにしている場合も同様のことが言える。
特許文献1記載の発明は、測光領域を多数に分割して、プレ発光前と後とで測光領域ごとのストロボ光だけの寄与率を割り出し、その上で被写界を適正露出にすることを目的としたものである。
その技術的な特徴は、プリ発光が行われる直前の各測光エリアにおける輝度値P(i)と、プリ発光が行われているときの各測光エリアにおける輝度値H(i)との比R(i)を、各測光エリアのそれぞれについて演算し、これら各測光エリアにおける比R(i)の値の中で最も大きな比の値を、基準値baseRとして抽出し、抽出した基準値baseRの値と、前記演算した各測光エリアにおける比R(i)の値とを比較して各測光エリアにおける重み付け係数W(i)を求め、求めた重み付け係数W(i)を用いて被写体の反射光の重み付け平均を演算し、演算した重み付け平均の結果を用いて適正な露光を得るための発光量を演算するように構成したことにある。
その技術的な特徴は、プリ発光が行われる直前の各測光エリアにおける輝度値P(i)と、プリ発光が行われているときの各測光エリアにおける輝度値H(i)との比R(i)を、各測光エリアのそれぞれについて演算し、これら各測光エリアにおける比R(i)の値の中で最も大きな比の値を、基準値baseRとして抽出し、抽出した基準値baseRの値と、前記演算した各測光エリアにおける比R(i)の値とを比較して各測光エリアにおける重み付け係数W(i)を求め、求めた重み付け係数W(i)を用いて被写体の反射光の重み付け平均を演算し、演算した重み付け平均の結果を用いて適正な露光を得るための発光量を演算するように構成したことにある。
しかし、上記特許文献1に記載されている技術によれば、モニタリング画像とプリ発光が行われているタイミングの両方の測光結果からでなければ上記重み付け係数を求めることができず、重み付け係数の演算処理を撮影するたびに行う必要がある。しかし、上記演算処理を撮影するたびに行うというのは、撮影ごとの演算処理データ量が膨大になる難点があり、データ処理のために撮影タイミングが遅れがちになる難点もある。
本発明は、従来のストロボ制御方式に加えて、モニタリング時の測光エリアにおける被写界の輝度差検知を可能にし、この輝度差の検知結果に応じた一定のガイドナンバー増光補正処理を行うことで、日中、夜間を問わず、輝度差がある撮影シーンでも、適正露光の画像を得ることができる撮像装置および撮像方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる撮像装置は、予備発光と本発光が可能な発光器と、撮影画面内の複数領域の被写体輝度を測定する測光手段と、上記予備発光前の上記測光手段による撮影画面内の複数領域の被写体輝度の測定結果から上記複数領域について輝度分布を作成する輝度分布作成手段と、上記輝度分布作成手段で作成された輝度分布とこの輝度分布に対して予め定められた重み付け係数とを用いて輝度差検知指数を算出する輝度差検知指数算出手段と、予め定められた輝度差検知指数と発光補正量との対応付けに基づいて上記輝度差検知指数に対応する発光補正量を取得する発光補正量取得手段と、を備え、上記取得された発光補正量により上記発光器の本発光量を補正して本発光することを最も主要な特徴とする。
本発明にかかる撮像方法は、発光器の予備発光による被写体からの反射光を測光手段で受光する工程と、上記測光手段の測光により画面内の被写体ごとの輝度分布を作成する工程と、上記予備発光前の上記測光手段による撮影画面内の複数領域の被写体輝度の測定結果から上記複数領域について輝度分布を作成する輝度分布作成工程と、上記輝度分布作成工程で作成された輝度分布とこの輝度分布に対して予め定められた重み付け係数とを用いて輝度差検知指数を算出する輝度差検知指数算出工程と、予め定められた輝度差検知指数と発光補正量との対応付けに基づいて上記輝度差検知指数に対応する発光補正量を取得する発光補正量取得工程と、上記取得された発光補正量により上記発光器の本発光量を補正して本発光する工程と、を備えていることを特徴とする。
例えば、半逆光や逆光などのように、輝度差があるような日中に人物を撮影しようとすると、人物の顔のモニタリング画像および撮影画像が黒潰れし、人物の顔を判断することができなくなる。本発明によれば、上記のような条件のもとでの撮影であっても、輝度差に左右されることがなく、適切なストロボ本発光量により適正露光のもとで撮影することができ、良好な撮影画像を得ることができる。
また、例えば輝度差があるような夜間での撮影、例えば、照明灯で照明されている看板近傍での人物撮影や、かなり明るい光を放つ自動販売機の前での撮影などのように、強逆光の撮影条件であっても、輝度差に左右されることがなく、適切なストロボ本発光量により適正露光のもとで撮影することができ、良好な撮影画像を得ることができる。
以下、本発明にかかる撮像装置および撮像方法の実施例について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明にかかる撮像装置のハードウェア構成例について図1を参照しながら説明する。図1において、符号1は撮影レンズを、2はメカニカルシャッタを、3は撮像素子としてのCCDをそれぞれ示している。撮影レンズ1によって被写体像がCCD3に結像されることにより、被写体像に対応した画像信号がCCD3から出力される。この出力信号は、CDS・A/D部4によって相関二重サンプリングとアナログ・デジタル変換が行われ、デジタル信号処理部(以下「DSP」という)5に入力されるようになっている。DSP5は、デジタル信号からなる画像信号を、輝度Y、色差U,V信号に変換し、このYUVデータをJPEG圧縮する。
まず、本発明にかかる撮像装置のハードウェア構成例について図1を参照しながら説明する。図1において、符号1は撮影レンズを、2はメカニカルシャッタを、3は撮像素子としてのCCDをそれぞれ示している。撮影レンズ1によって被写体像がCCD3に結像されることにより、被写体像に対応した画像信号がCCD3から出力される。この出力信号は、CDS・A/D部4によって相関二重サンプリングとアナログ・デジタル変換が行われ、デジタル信号処理部(以下「DSP」という)5に入力されるようになっている。DSP5は、デジタル信号からなる画像信号を、輝度Y、色差U,V信号に変換し、このYUVデータをJPEG圧縮する。
符号6はメカニカル部を駆動するメカ駆動部(ドライバ部)を、7はCCD駆動回路部を、8はカメラ全体を制御するCPUを示す。メカ駆動部6は、撮影レンズ1を駆動するフォーカス駆動部の駆動と、メカニカルシャッタ2の開閉を行う。なお、フォーカス駆動部にはレンズ位置検出部も含む。メカ駆動部6およびCCD駆動回路部7の動作はCPU8によって制御される。符号9は、撮像した画像データおよびデータファイルからのリードデータを一時的に保持するメモリを示しており、DSP部5、およびCPU部8のワークメモリとして使われる。
符号10はカメラ外部との通信部を、11はカメラに着脱可能なメモリカードを示す。符号12は、DSP部5からの映像出力信号を液晶ディスプレイ(以下「LCD」という)に表示可能な信号に変換する表示コントローラと、実際にそれを表示するLCDからなる表示部を示す。符号13はカメラユーザが操作可能なスイッチ部、14は、例えば三角測距方式によるオートフォーカス(以下「AF」という)部をそれぞれ示している。符号15は、制御部としてのCPU8によって発光開始・停止が制御されるストロボ発光部を示している。ストロボ発光部15は、予備発光と本発光が可能な「発光器」である。符号16は、ストロボ発光用のメインコンデンサを示しており、その充電電圧は、CPU8で検出することができるようになっている。DSP部5、CPU8、メモリ9、メモリカード11、通信ドライバ10はバスラインによってつながれている。
CPU8は、その機能として「輝度分布作成手段」「輝度差検知指数算出手段」「発光補正量取得手段」を備え、メモリ9には、輝度分布に対して予め重み付け係数が定められた重み付け表が保存されている。
CPU8は、その機能として「輝度分布作成手段」「輝度差検知指数算出手段」「発光補正量取得手段」を備え、メモリ9には、輝度分布に対して予め重み付け係数が定められた重み付け表が保存されている。
図2は、上記ハードウェアとともに実行される機能ブロック図で、(a)に示すメイン処理と、メイン処理と併行で処理される(b)に示す併行処理がある。図2(a)に示すメイン処理には、上記スイッチ部13による各種操作を判定して対応する処理を行なうスイッチ判定処理部21、測光手段を含むAE(自動露出のこと。以下同じ)処理部22、AF処理部23、プリ発光処理部24、発光量比較部25、本発光シフト処理部26、静止画記録処理部27が含まれる。図2(b)に示す併行処理は、定期タイマ割り込み処理部28、モニタリング処理部29を含む。定期タイマ割り込み処理部28は、定期的なタイマ割り込み信号で起動され、スイッチ部13の状態の読み込みなどを行う。
図3,図4は上記のとおり構成された撮像装置の処理動作を示す。図5はそのタイミングチャートである。図3は記録時のメイン処理フローを示す。以下、処理ステップごとにS1,S2,・・・のような符号を付して処理動作を説明する。記録モードでカメラ電源スイッチがONされると、図示されないカメラ内部のハードウェア初期化や、カード内のファイル情報をメモリ9内に作成するなどの初期処理を行う。その後、図3に示すメイン処理が開始される。
メイン処理では、モニタリング状態をチェックし(S1)、モニタリング停止状態であれば、モニタリング開始処理を行う(S7)。モニタリング開始処理とは、撮像部の駆動を開始し、また併行処理のモニタリング処理を起動するものである。メイン処理に最初に入った場合にもモニタリング開始処理は実行されることになる。また、CPU8でメインコンデンサ16の充電電圧Vmをチェックし(S8)、電圧が所定の電圧以上あれば次のステップS2に進み、充電電圧が所定の電圧より低い場合は、充電をして(S9)次のステップS2に進む。
図2に示す併行処理のモニタリング処理は、カメラのスルー画像を表示しているときのAE、AWB(オートホワイトバランスのこと。以下同じ)追尾処理を実行するものである。これにより、カメラの表示部12に表示している画像を、いつも適正な明るさにし、自然な色合いに保つことができる。具体的には、撮像部のCCD3から出力される画像データを、DSP部5に入力し、DSP部5で、AE、AWBを評価し、この評価値をCPU8で取得し、CPU8は評価値が所定値になるように、駆動回路7に露光時間をセットし、CCD3における撮像信号の増幅率を設定し、あるいはDSP部5で画像処理するときの色パラメータを調節する、というようなフィードバック制御を行う。以上のモニタリング処理や、先に述べたスイッチ部の状態の読み込み処理の併行処理は、例えば20msごとに出力される定期タイマ割り込み信号で実行される。
図3に示すメイン処理のスイッチ判定処理(S2)は、上述の20msごとの定期タイマ割り込み信号で入力されるスイッチ情報を確定して、操作されたスイッチに対応する処理を行う。有効なスイッチ情報がなければ、なにもすることなく、再びスイッチ判定処理に戻るループを繰り返す。
本発明は、ストロボ発光による撮影に技術的な特徴があるので、以下、ストロボ発光による静止画撮影が必要な場合について説明する。メイン処理動作を図1、図3をもとに説明する。図1に示すスイッチ部13には、シャッタ釦の押し下げに連動するスイッチも含まれている。静止画撮影時は、シャッタ釦を途中まで押し下げることに連動して動作する第一スイッチ(以下、スイッチは「SW」と略す)がONされると、まずモニタリングを停止し(S3)、AE処理、すなわち撮像データをDSP部5で評価する。この評価に基づき、撮影露出時においてCCD駆動回路部7に設定するCCD3の露光時間値、CCD3の増幅率を決める(S4)。また、このAE処理で低輝度と判定されると、ストロボ発光が必要と判定される。次にAF処理を行い(S5)、AF処理によって求められた合焦位置にフォーカスレンズを移動させるフォーカス駆動処理を行なう(S6)。
図6に示すように、測距は2つの異なった光学系で結像した被写体像の位相差による三角測距などが一般的である。測距処理によって得られる測距データ(Lデータ)に従って駆動部6でフォーカスレンズを動かし、焦点を合わせる。ただこの測距データ(Lデータ)は三角測距でなくてもよく、例えば、CCD3によって得られる画像信号の空間周波数から求めることもできるので、いわゆる山登り法でフォーカスポジションを求めるものであってもよい。
図3に示すSW判定処理(S2)において、シャッタボタンが終端まで押し下げられて第二SWがオンされたことがわかると、ストロボ発光による撮影であるかどうかの判断を行う(S10)。ストロボ発光による撮影でなければ、モニタリング停止(S11)、静止画記録処理(S12)という通常の撮影ステップを経て静止画が記録される。ステップS10でストロボ発光による撮影であると判断した場合は、プリ発光(予備発光)から得られたAE評価値をもとに本発光を行う。図3のAで示す部分の動作がそれで、その詳細を図4に示す。図4において、まず輝度差検知演算を行い(S21)、その後プリ発光を行う(S22)。プリ発光によって上記のようにAE評価値を求め、このAE評価値に上記輝度差検知演算で求めた輝度差検知指数を加味してGno(「ガイドナンバー」のこと。以下同じ)増光補正を行い(S23)、増光補正されたGnoで本発光処理を行なう(S24)。本発光に同期して撮影し、静止画記録処理(S25)を行なって一連のストロボ発光による撮影を終了し、図3に示すメイン処理のステップS1に戻る。
従来の発光方式では、前述のように、失敗画像も少なくなく、被写体面に輝度差がある条件の下で撮影する場合は、撮影者が意図したとおりの調光はできなかった。その理由は以下のとおりである。ストロボを発光させて撮影する必要があるとカメラが判断すると、ストロボの本発光前にプリ発光し、プリ発光時に測光してその結果によって露出量を決定するようになっている。しかしながら、主要被写体の近傍に例えば明るい看板や自動販売機などが存在する場合は、このような明るい被写体の輝度に引きずられて、プリ発光時の測光の結果、被写体は十分に明るいものと判断し、AEによって適正露出になるように絞りを絞り込み、あるいはシャッタ秒時を早める。その結果、撮影された被写体の画像は暗い画像になってしまうからである。
本発明の実施例では、モニタリング画像、すなわち予備発光前の撮影画面による測光で、被写体からの反射光の積分量を基に画面の中央部分の測光結果を出力し、このモニタリング時の調光エリアにおける複数領域における被写体の輝度差を判断することによって、最終的に得られる画像がアンダー画像になることを回避する。そのために、被写界内の複数領域における輝度差の程度を求めて、一定のGno増光補正処理(図4のステップS23)を行う。前記輝度差の程度を以下「輝度差検知指数」と呼ぶ。本発明の特徴である輝度差の検知判断の方法と、輝度差検知指数からどれだけガイドナンバーを増光補正すればよいかについて以下に言及する。
モニタリング画像から被写界の輝度差検知指数を算出する方法は、画面の中央部分に設定した四角形の測光エリアを、縦横ともに複数個に分割して複数のブロックとし、この複数ブロックの輝度平均値を算出してブロック毎に平均値からの偏差ΔEvを求めるものである。図7は画面の中央部分に設定した測光エリアの例で、この例では横方向に8分割、縦方向に6分割した合計48ブロックに分けられている。
次に、上記ブロック毎のΔEvをヒストグラム分割し、図8、図9に示すような、ブロック毎のΔEvがどの値に該当するかによって度数分布を作成しメモリに保存する。図8、図9に示す例では、ヒストグラムの区画を0.3EV刻みで14区画設けている。図8、図9の上段のヒストグラムは、ブロック毎のΔEvが14区画のうちのどの区画に該当するかを示している。縦軸のブロック数は最大で48(=8×6)である。さらに、各区画におけるブロック数の総和を「輝度差検知指数」と呼ぶこととし、この「輝度差検知指数」を演算する際に、重み付け係数を持たせる。
上記重み付け係数の決め方のポイントについて説明する。従来技術では、輝度差があるような夜間での看板近傍での人物撮影や、夜間に明るい光を放つ自動販売機などの前での撮影の場合、プレ発光時の測光段階で被写界は明るいと判定してしまい、ストロボの発光量を減光してしまい、主要被写体が黒く潰れた画像になっていた。
被写界に、輝度差があるような撮影をする場合に発生しやすい上記の問題を回避するためには、プレ発光前のモニタリング段階での複数領域における測光値を分析し、測光地の高い被写体ブロックと低い被写体ブロックに対して重み付け係数を極力高く設定する方がよい。例えば、実施例にかかる撮像装置のDレンジ幅を±3.0Evとすると、±2.3Ev、±2.7Ev、±3.0Evなどのブロックを重み付け対象とする。平均区画に対して輝度差があるような被写体のヒストグラム特性から、±0.3Evなどのブロックの重み付けは1倍、±2.7Ev、±3.0Evなどのブロックの重み付けはブロック数×50倍というように設定する。極力輝度差のある被写界と輝度差のない被写界の輝度差検知指数が明確に棲み分けされるように重み付け係数を決定できるとよい。
図8、図9の中段に示す表は重み付け表であって、あらかじめ、高輝度域に分布する被写体に対してその分布数に対する重み付けを定めておく。この重み付け表において、「区画番号」とは、図8、図9の上段に示すヒストグラムの区画番号、「倍率」とは、区画番号に対応した重み付けを示している。
図8、図9の中段に示す表は重み付け表であって、あらかじめ、高輝度域に分布する被写体に対してその分布数に対する重み付けを定めておく。この重み付け表において、「区画番号」とは、図8、図9の上段に示すヒストグラムの区画番号、「倍率」とは、区画番号に対応した重み付けを示している。
図9に示す例は、重み付け係数を大きくする必要のない被写体、例えば、モニタリング時点において被写界に輝度差がない場合の、各ブロックのΔEv分布の例を示す。この例によれば、測光エリアの48個の区画のうち大半の46個が±0Evのブロック(区画番号6)に集中し、その前後(区画番号5,7)のブロックに1個ずつの測光エリア区画があるのみである。換言すれば、測光値が平均値に略集中している。このような被写体条件の場合は、予備発光で得られる測光データに基づき、データを補正することなく本発光による撮影を行えばよい。すなわち、区画番号5,6,7の重み付け係数は「1」であるから、予備発光による測光データそのものを用いて本発光の光量を決めればよい。したがって、「輝度差検知指数」はブロック数と同じ「48」である。
図9の例に対して、図8の例では、上段に示すヒストグラムのように、区画番号2と3でブロック数がそれぞれ20個と最も多く、倍率は「10」である。高輝度域と低輝度域の倍率をかけていくと、全てのブロック数の合計は、すなわち「輝度差検知指数」は「691」で、図9に示すような補正の必要のない場合の「輝度差検知指数」よりも「643」多くなっている。図8に示すヒストグラムにおいて、区画番号13,14の実線で示すブロック数がオリジナルの度数分布であって、点線で示す度数分布は、上記のように倍率を掛けることによって仮想的に補正した、すなわち「輝度差検知指数」を「643」だけ増やした度数分布である。
このように、重み付け係数が決定したら、次に輝度差検知指数だけを撮影画像から確認できるように、色々なシチュエーションでストロボ撮影を実施する。これにより、図10に示されるヒストグラムの区画番号に対応した倍数とストロボ発光の補正量を決定した。つまり、実験により、本来補正したい量を図10に示すグラフの縦軸にプロットした(図10の「■、△」の点を参照)。そのプロット結果より相関特性を割り出して、実際の増光補正量を求めた。
相関特性の導出方法としては、実験的に以下の式Aで求めることができる。図10には対数近似のグラフ結果も表記しているが、純粋に対数計算をソフトウェアで実施するのは、処理時間やROM効率のことを考えるとあまり効果的ではないので、直線近似のグラフを用いて簡易的に実施している。このグラフは、輝度分布作成手段で作成された図8の下段に示すような輝度分布に、図8の中段に示すような重み付け表を適用して、本発光量の補正量を定める対応表ということができる。輝度差検知指数をxとして図10に示すグラフを数式化すると、補正量yは、
y=0.005x−2.5 ・・・式A
となる。ただし、補正量yの単位はプラス補正したいΔEvとする。
式Aにおける「0.005」および「2.5」という数値は、図10における直線近似したグラフの傾きと切片である。浮動小数点をCPUで扱わないように式Aを改良するのもよい。
y=0.005x−2.5 ・・・式A
となる。ただし、補正量yの単位はプラス補正したいΔEvとする。
式Aにおける「0.005」および「2.5」という数値は、図10における直線近似したグラフの傾きと切片である。浮動小数点をCPUで扱わないように式Aを改良するのもよい。
図8に示す例の場合、上記式Aにプレ発光時の測光結果による輝度差検知指数「691」を適用し、従来方式で求められる本発光時Gno光量値よりも、0.955(≒1.0)Ev程度プラス補正をかけることで、輝度差がある被写体の場合でも適正な発光量によって適正路光量の画像を撮影することができる。
通常、均一性のある被写体(例えば18%グレーチャートのような標準反射板)などを撮影した場合のヒストグラムの総和は、ほとんどのブロックが平均Y値と等価になるため、ヒストグラムとしては図9のような平均Y値に集中するような度数分布になり、輝度差検知指数も48のまま変わらない。よって本発光時のGno光量も従来方式と変化はない。
しかし、輝度差があるような被写界においては、輝度差が高ければ高いほど、輝度差検知指数が高くなるので、式Aから求められるGno増光補正処理(図4のステップS23)を、撮影者が意識することなく自動的に実施することになる。
しかし、輝度差があるような被写界においては、輝度差が高ければ高いほど、輝度差検知指数が高くなるので、式Aから求められるGno増光補正処理(図4のステップS23)を、撮影者が意識することなく自動的に実施することになる。
以上のようなGno減光補正処理を行なった後は、通常の撮影シーケンスにしたがって動作する。すなわち、モニタリングを停止して本発光処理(図4のS24)を行ない、これに同期して撮影し、静止画記録処理(S25)を行ない、処理を終了させる。
1 撮影レンズ
2 メカニカルシャッタ
3 撮像素子としてのCCD
4 CDS・A/D部
5 DSP
6 メカ駆動部
7 CCD駆動回路部
8 信号処理部としてのCPU
9 メモリ
12 表示部
13 スイッチ部
14 AF部
15 ストロボ発光部
16 メインコンデンサ
2 メカニカルシャッタ
3 撮像素子としてのCCD
4 CDS・A/D部
5 DSP
6 メカ駆動部
7 CCD駆動回路部
8 信号処理部としてのCPU
9 メモリ
12 表示部
13 スイッチ部
14 AF部
15 ストロボ発光部
16 メインコンデンサ
Claims (14)
- 予備発光と本発光が可能な発光器と、
撮影画面内の複数領域の被写体輝度を測定する測光手段と、
上記予備発光前の上記測光手段による撮影画面内の複数領域の被写体輝度の測定結果から上記複数領域について輝度分布を作成する輝度分布作成手段と、
上記輝度分布作成手段で作成された輝度分布とこの輝度分布に対して予め定められた重み付け係数とを用いて輝度差検知指数を算出する輝度差検知指数算出手段と、
予め定められた輝度差検知指数と発光補正量との対応付けに基づいて上記輝度差検知指数に対応する発光補正量を取得する発光補正量取得手段と、を備え、
上記取得された発光補正量により上記発光器の本発光量を補正して本発光することを特徴とする撮像装置。 - 重み付け係数は、輝度分布に対して平均輝度を含む中輝度域に対応する重み付けより、平均輝度を含まない低輝度域および高輝度域に対応する重み付けが高く設定されている請求項1記載の撮像装置。
- 輝度分布に対する重み付け係数は予め重み付け表に定められていて、輝度分布作成手段で作成された輝度分布に上記重み付け表を適用して本発光量の補正量を定めた対応表を備え、この対応表に基づき本発光量を決定する請求項1記載の撮像装置。
- 輝度分布作成手段は、画面の中央部分に設定された測光エリアにおける被写体ごとの輝度分布を作成する請求項1記載の撮像装置。
- 測光エリアは縦方向と横方向にそれぞれ複数に分割してなる複数のブロックに分けられていて、輝度分布作成手段は、各ブロックに対応する被写体部分単位で輝度分布を作成する請求項4記載の撮像装置。
- 予備発光直前の被写界測光域における被写体距離によることなく画面内に輝度差があることを判断可能な信号処理部を有する特許請求の範囲1記載の撮像装置。
- 輝度差検知指数算出手段を含む信号処理部を備え、画面内に輝度差があり、予備発光させる前から被写体が明るく発光器の発光による明るさではない、と上記信号処理部が判断した場合、発光器の本発光時の発光量を増光側に補正するガイドナンバー増光補正手段を有している請求項6記載の撮像装置。
- 発光器の予備発光による被写体からの反射光を測光手段で受光する工程と、
上記測光手段の測光により画面内の被写体ごとの輝度分布を作成する工程と、
上記予備発光前の上記測光手段による撮影画面内の複数領域の被写体輝度の測定結果から上記複数領域について輝度分布を作成する輝度分布作成工程と、
上記輝度分布作成工程で作成された輝度分布とこの輝度分布に対して予め定められた重み付け係数とを用いて輝度差検知指数を算出する輝度差検知指数算出工程と、
予め定められた輝度差検知指数と発光補正量との対応付けに基づいて上記輝度差検知指数に対応する発光補正量を取得する発光補正量取得工程と、
上記取得された発光補正量により上記発光器の本発光量を補正して本発光する工程と、を備えていることを特徴とする撮像方法。 - 重み付け係数は、輝度分布に対して平均輝度を含む中輝度域に対応する重み付けより、平均輝度を含まない低輝度域および高輝度域に対応する重み付けを高く設定する請求項8記載の撮像方法。
- 輝度分布に対する重み付け係数を予め重み付け表に定め、輝度分布作成手段で作成した輝度分布に上記重み付け表を適用して本発光量の補正量を定めた対応表を用意し、この対応表に基づき本発光量を決定する請求項8記載の撮像方法。
- 輝度分布を作成する工程では、画面の中央部分に設定された測光エリアにおける被写体ごとの輝度分布を作成する請求項8記載の撮像方法。
- 測光エリアは縦方向と横方向にそれぞれ複数に分割してなる複数のブロックに分けられていて、輝度分布を作成する工程では、各ブロックに対応する被写体部分単位で輝度分布を作成する請求項11記載の撮像方法。
- 予備発光直前の被写界測光域における被写体距離によることなく画面内に輝度差があることを判断する工程を有する特許請求の範囲8記載の撮像方法。
- 輝度差検知指数算出手段を含む信号処理部が、画面内に輝度差があり、予備発光させる前から被写体が明るく発光器の発光による明るさではない、と判断した場合、発光器の本発光時の発光量を増光側に補正するガイドナンバー増光補正工程を有している請求項8記載の撮像方法。
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JP2008127568A JP2009276560A (ja) | 2008-05-14 | 2008-05-14 | 撮像装置および撮像方法 |
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- 2008-05-14 JP JP2008127568A patent/JP2009276560A/ja active Pending
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