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JP2009275673A - Egrシステム及びegrシステムの制御方法 - Google Patents

Egrシステム及びegrシステムの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関のEGR通路に導かれた排気ガス中の水分がEGRクーラで冷却されて発生する凝結水を、過給圧を利用して効率よく排気ガスの熱により蒸発処理できるEGRシステム及びEGRシステムの制御方法を提供する。
【解決手段】EGRクーラ20を備えたターボチャージャ付き内燃機関10のEGRシステム1において、EGR通路19のEGRクーラ20の下流側とEGR弁21の間に設けた凝結水貯留部22と排気通路15との間を凝結水排出通路23で接続し、排気通路15のターボチャージャ13のタービン13bの上流側と、前記EGR通路19のEGRクーラ20の下流側と前記凝結水貯留部22との間を連結して設けた高圧ガスバイパス通路26にバイパス開閉弁27を設け、このバイパス開閉弁27を、過給圧P5が増加して、前記ターボチャージャのウエストゲートバルブ13cを開弁する制御を行う前に、一時的に開弁する制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関のEGR通路に導かれた排気ガス中の水分がEGRクーラで冷却されて発生する凝結水を排気ガスの熱により蒸発処理するEGRシステム及びEGRシステムの制御方法に関する。
最近の排気ガス規制をクリアするために、内燃機関において排気ガスを吸入空気に再循環させて、シリンダに吸入空気と排気ガスとの混合ガスを吸入させることが重要な手段となっている。この排気再循環用のEGRシステムでは、吸入空気の温度上昇を抑制し、かつ、シリンダ内の着火制御を行なうために、再循環させるEGRガスを冷却する。このEGRガスはシリンダから排出された高温状態からEGRクーラによって冷却され、EGRクーラの冷却媒体にもよるが、エンジン冷却水を使用した通常の場合には、EGRクーラの出口で70℃〜80℃程度になるまで冷却される。
このEGRガスの冷却に際しては、EGRガス中に存在していた水分が冷却により凝結水となり、EGRクーラの出口側の配管に溜まる。この凝結水は、配管の配置によってはEGR弁の部分に溜まって排気ガス中のすす等によりスラッジ等になって、EGR弁を固着させる。また、凝結水が吸気系に入り込んで、腐食等を発生させる。そのため、このEGRガスの冷却後に発生する凝結水を適切に処理することが重要となる。
この凝結水の対策の一つとして、ターボチャージャと、低圧EGR通路と、低圧EGRクーラと、排気絞り弁と、低圧EGRクーラよりも下流の低圧EGR通路と排気絞り弁よりも下流の排気通路とを連通する連通路と、排気絞り弁を閉作動させて低圧EGR通路の圧力を上昇させて、連通路のEGR通路側と排気通路側との間に差圧を発生させることにより、連通路を用いて低圧EGR通路の凝縮水を排気通路に排出させる凝縮水排出手段とを備えた内燃機関の排気還流装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この内燃機関の排気還流装置では、低圧EGR通路の凝縮水を噴射するタイミングは、車両減速時、内燃機関のアイドリング運転時、及び機関停止直前等の比較的排気温度の低い状態であり、排気通路内に噴射した凝縮水が必ずしも蒸発しないので、排気通路出口近傍やその部分の装置を汚染する可能性があるという問題がある。
また、排気絞りで連通路の両端の差圧を発生させて凝縮水を排出するが、低圧EGRを必要とする状態では、排気絞り弁は基本的には全開の状態である。一方、低圧EGRクーラを配置した場合には、連通路の低圧EGR通路側の圧力が排気通路側の圧力よりも高くなる可能性が生じる。また、低圧EGRクーラが使用によって汚損した場合に、更に低圧EGR通路部分の圧力が上昇するため、低圧EGRクーラを通過せずに、連通路を通って冷却されないままのEGRガスが低圧EGR弁に供給される可能性が高くなる。このような場合には内燃機関の性能に重大な不都合が生じる。
また、凝結水の他の対策として、エンジンの燃焼室へ混合気を供給させる吸気通路と、燃焼後の排気を外部へ排出させる排気通路と、排気通路と吸気通路とを連通させる排気ガス還流通路を備えた排気ガス還流装置において、排気ガス還流通路の途中に冷却用の熱交換手段を設け、かつ、熱交換手段の後流に水分分離手段を設けて、熱交換手段の下流で発生する凝縮水を分離させる排気ガス還流装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
この排気ガス還流装置では、水分分離手段の一つとして、排気絞りにより排気バイパス通路に排気を流して、この排気バイパス通路に設けた絞り部の圧力低下により凝結水を吸引して、強制的に排気通路に排出している例を記載している。
この排気ガス還流装置では、排気絞りを行っているので、この排気絞りにより排気抵抗が増すのでエンジンのポンピングロスが増加することになり、エンジンの性能上好ましくないという問題がある。また、最近のディーゼルエンジンは排気後処理装置を装着しており、排気絞り弁等を取り付ける場所によっては、これらの排気後処理装置の性能が変化するという問題がある。また、後処理装置の装着により、排気絞り弁等の絞り部による負圧の圧力差は発生し難くなり、負圧作用による凝結水の吸引は著しく難しくなるという問題がある。
また、凝結水の他の対策として、排気マニホールド(エキゾーストマニホールド)と吸気マニホールド(インテークマニホールド)とをEGRパイプで結び、そのEGRパイプにおける熱交換器の下流側に、凝縮水排出口を設けて、その凝縮水排出口に連結したドレンパイプを排気管に接続し、EGRクーラ下流に発生した凝縮水を排気管に排出し蒸発させる過給機付きディーゼルエンジンのEGR装置が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
このEGR装置の場合には、排気マニホールド内の圧力、又は吸気マニホールド内の圧力と排気管との圧力差で凝結水を噴射するので、この場合にはターボチャージャが作動している場合でも凝結水を噴射することになるため、通常のターボチャージャ付きエンジンにおいてウエストゲートバルブが開弁している状態と同様な状態となるので、エンジン性能の面から不適当な状態となるという問題がある。
特開2008−002351号公報 実開昭61−110859号公報 特開2000−027715号公報
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関のEGR通路に導かれた排気ガス中の水分がEGRクーラで冷却されて発生する凝結水を、過給圧を利用して効率よく排気ガスの熱により蒸発処理できるEGRシステム及びEGRシステムの制御方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明のEGRシステムは、EGRクーラを備えたターボチャージャ付き内燃機関のEGRシステムにおいて、EGR通路のEGRクーラの下流側とEGR弁の間に凝結水貯留部を設け、該凝結水貯留部と排気通路との間を凝結水排出通路で接続し、排気通路のターボチャージャのタービンの上流側と、前記EGR通路のEGRクーラの下流側と前記凝結水貯留部との間を連結する高圧ガスバイパス通路を設けると共に、該高圧ガスバイパス通路にバイパス開閉弁を設け、過給圧が増加して、前記ターボチャージャのウエストゲートバルブを開弁する制御を行う前に、前記バイパス開閉弁を一時的に開弁する制御を行うバイパス開閉弁制御手段を設けて構成する。
つまり、EGRクーラ通過後に発生する凝結水をEGRガスと分離してEGR通路の配管部に設けられた凝結水貯留部に一時的に溜め込んで、エンジンの運転条件、及び過給圧(ブースト圧)、排気通路内圧力等をセンシングして、所定のタイミングにおける排気通路内圧力を利用して排気通路内に凝結水を噴射することにより、凝結水を蒸発処理させるものである。この所定のタイミングとして、過給圧の超過、ターボチャージャの過回転防止等のため、ウエストゲートバルブを開く直前の排気圧力が高いときを選択し、このタイミングで、バイパス開閉弁を一時的に開弁して、凝結水貯留部に溜まっている凝結水を排気通路内に噴射して排気ガスの熱により蒸発させる。なお、このウエストゲートバルブは、過給圧が高くなりすぎて、ノッキングを起こしたり、シリンダの破壊につながる恐れを防ぐために、過給圧が一定のレベル(判定値)に達したときに排気ガスの一部をタービンをバイパスさせるバルブであり、タービンハウジング又はエキゾーストマニホールド(排気マニホールド)に取り付けられている。
この構成によれば、EGRクーラによって排気ガスが冷却されて発生する凝結水がEGR通路に溜まることを防止でき、更に、過給圧の増加により排気通路側に排出され不要となる排気ガスの一部を利用して、この凝結水を排気通路に噴射して、過給圧が高くなるような比較的温度が高い排気ガスの熱で蒸発処理することができる。
つまり、ターボチャージャ付き内燃機関において不要となる排気圧力を、ウエストゲートバルブ等で排気マニホールド内の圧力を逃がしているが、このウエストゲートバルブ等を開く直前の不要となる排気マニホールド内の圧力を利用して、EGRクーラの下流に発生した凝結水をDPF等の下流側の排気通路内に噴射するので、これにより内燃機関の性能を阻害することなく、凝結水を処理できる。
凝結水の排出タイミングを、比較的高速高負荷時でターボチャージャのウエストゲートバルブ等が作動する状態を感知して、作動する直前の時点での排気ガスの圧力を利用して、EGR通路で発生した凝結水を排気通路内に噴射する。この時の排気ガスの圧力を利用するために、内燃機関側のドライバビリティや性能には悪影響を与えない。また、凝結水を排出するタイミングでは、排出される排気通路内の排気ガスの温度は高速高負荷時で十分に高温となっているため、この排気ガスの熱により、排気通路内に噴射して排出された凝結水を十分に蒸発させることができる。なお、ウエストゲートバルブが開いて、排気ガスの一部をタービンをバイパスさせている間は、バイパス開閉弁は閉弁状態に戻っている。
上記のEGRシステムにおいて、前記凝結水排出通路に前記凝結水貯留部から前記排気通路側のみに流体の流れを許容する逆止弁を設けて構成する。この構成によれば、凝結水貯留部に貯留した凝結水がEGR通路のEGRクーラとEGR弁側に入り込むことを回避できる。
そして、上記の目的を達成するためのEGRシステムの制御方法は、EGR通路のEGRクーラの下流側とEGR弁の間に凝結水貯留部を設け、該凝結水貯留部と排気通路との間を凝結水排出通路で接続し、排気通路のターボチャージャのタービンの上流側と、前記EGR通路の前記EGRクーラの下流側と前記凝結水貯留部との間を連結する高圧ガスバイパス通路を設けると共に、該高圧ガスバイパス通路にバイパス開閉弁を設けたターボチャージャ付き内燃機関のEGRシステムにおいて、過給圧が増加して、前記ターボチャージャのウエストゲートバルブを開弁する前に、前記バイパス開閉弁を一時的に開弁して前記凝結水貯留部に貯留した凝結水を前記排気通路に排出することを特徴とする。
この方法によれば、EGRクーラによって排気ガスが冷却されて発生する凝結水がEGR通路に溜まることを防止でき、更に、過給圧の増加により排気通路側に排出され不要となる排気ガスの一部を利用して、この凝結水を排気通路に噴射して、過給圧が高くなり比較的温度が高い排気ガスの熱で蒸発処理することができる。
上記のEGRシステムの制御方法において、前記バイパス開閉弁を開弁状態にする時にはEGR弁を閉弁制御する。この方法により、EGR弁側に凝結水が流入するのを防止することができる。
本発明に係るEGRシステム及びEGRシステムの制御方法によれば、EGRクーラの下流側にEGRガスのEGRクーラ通過後に発生する凝結水を捕集するための凝結水捕集部を設置することにより、凝結水の捕集を容易に行うことができる。また、捕集された凝結水の処理のために、ターボチャージャのウエストゲートバルブを開弁する直前の状態をセンサで監視して、この愛弁直前の状態の排気マニホールド内の高い圧力を利用して凝結水を排気通路に排出することにより、エンジンの運転状態の急激な変更を回避して、運転のフィーリングの悪化を招くこと無く、十分に温度の高い排気ガスにより凝結水を十分に蒸発させて処理することができる。
以下、本発明に係る実施の形態のEGRシステム及びEGRシステムの制御方法について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、このEGRシステム1を用いるエンジン10(内燃機関:E)は、新気Aを吸入してエンジン10のシリンダ内に供給するための吸気通路11と、シリンダ内で発生した燃焼ガスを排気ガスGとして大気中に排出するための排気通路15と、EGR(排気再循環)を行うためのEGR通路19と、エンジン10の運転を制御するための制御装置30を有して構成される。
エンジン10の吸気系においては、吸気マニホールド11aに接続する吸気通路11に、上流側から順に、エアクリーナ12、ターボチャージャ13のコンプレッサ13a、インタークーラ14が設けられている。また、排気系においては、排気マニホールド15aに接続する排気通路15に、上流側から順に、ターボチャージャ13のタービン13bと、排気ガス浄化システムを構成する酸化触媒(DOC)16、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)17、選択還元型触媒(SCR)18が設けられている。なお、この排気ガス浄化システムは例示に過ぎず、他の構成の排気ガス浄化システムであってもよい。
この排気系のディーゼルパティキュレートフィルタ17と選択還元型触媒18との間の排気通路15と、エアクリーナ12とコンプレッサ13aとの間の吸気通路11とをEGR通路19で接続する。このEGR通路19は、エンジン10の排気系から分岐したEGRガスGeを吸気系に導入するための通路であり、このEGR通路19には、導入したEGRガスGeを冷却する冷却装置であるEGRクーラ20と、EGRガスGeの流量をエンジン1の運転状態に応じて調整制御するためのEGR弁21を備える。
本発明においては、このEGRクーラ20とEGR弁21との間を、EGRクーラ20の出口側で発生する凝結水がEGR弁21に行き難いように、曲がり配管19aで形成すると共に、この曲がり配管19aの部分に、凝結水Wcを捕集する凝結水捕集タンク(凝結水貯留部)22を設ける。この凝結水捕集タンク22の下部に凝結水排出通路23の一端側を接続し、他端側をディーゼルパティキュレートフィルタ17と選択還元型触媒18の間の排気通路15に接続する。
この凝結水捕集タンク22は、EGR通路19内で凝結する凝結水Wcの水滴をEGRガスGeと分離して一時的に貯留するためのものであり、EGRクーラ20の出口からEGR弁21との間に設置する。これにより、EGR通路19内で凝結する凝結水WcがEGRクーラ20の下流側のEGR通路19の配管内に付着するのを防止する。この凝結水捕集タンク22の設置場所は、凝結水Wcを捕集し易いように、EGRクーラ20とEGR弁21の間を下向きの曲がり配管19aとし、この曲がり配管19の外側(下側)の曲がり部分に凝結水捕集タンク22を接続して設けることが好ましい。外側の曲がり部に凝結水捕集タンク22を設けることで、排気ガスの遠心力を利用して凝結水Wcを凝結水捕集タンク22に導くことができるようになる。
この凝結水排出通路23には、凝結水Wcの流れを凝結水捕集タンク22から排気通路15側への一方通行とする逆止弁(一方向弁)24を設けて、凝結水Wcが排気通路15側からEGR通路19側に逆流しないようにする。また、排気通路15内に突出する先端側に噴射口25を設けて凝結水Wcを排気通路15内に噴射できるように構成する。
この逆止弁24は排気通路15内のガス圧力P4がEGRクーラ20とEGR弁21の間のEGR通路19内のガス圧力P3より高いときは、その圧力差(P4−P3)により閉弁しており、EGR通路19側の圧力P3が圧力P4より高くなったときのみ開弁して、EGR通路19側から排気通路15側の一方向のみに凝結水Wcを導くものである。この逆止弁24により、凝結水捕集タンク22に貯留した凝結水WcがEGR通路19のEGRクーラ20とEGR弁21側に入り込むことを回避できる。
更に、排気通路15のターボチャージャ13のタービン13bの上流側と、EGR通路19のEGRクーラ20の下流側と凝結水捕集タンク22との間のEGR通路19とを連結する高圧ガスバイパス通路26を設ける。また、この高圧ガスバイパス通路26にバイパス開閉弁27を設ける。
また、第1圧力センサ31を排気マニホールド11aに、第2圧力センサ32をEGRクーラ20の上流側のEGR通路19に、第3圧力センサ33をEGRクーラ20の下流側のEGR通路19aに、第4圧力センサ34をディーゼルパティキュレートフィルタ17と選択還元型触媒18の間の排気通路15に、第5圧力センサ35をインタークーラ15の上流側の吸気通路11に設ける。
これらのセンサ31〜35の出力は、エンジンコントロールユニット(ECU)と呼ばれる制御装置30に入力される。この制御装置30はエンジン10の運転全般の制御を行なうと共に、エンジン10の運転状態を示すデータをエンジン10に設けたセンサや制御装置30の演算値等から入手し、ディーゼルパティキュレートフィルタ17と選択還元型触媒18における排気ガスGの浄化やこれらの装置17、18の再生のための制御も行なう。
次に、上記のエンジン10のEGRシステム1におけるEGR制御及びバイパス開閉弁27の制御について説明する。先ず、エンジン10の運転時において、NOx等の発生の抑制を必要するエンジン運転状態のときには、制御装置30からの指示により、EGR弁21を開いて排気ガスGの一部であるEGRガスGeの流量を調整しながら、EGRガスGeを排気通路15に設けられたEGR通路19の分岐部分よりEGRクーラ20側のEGR通路19に導く。
このEGRを実施している状態では、EGRガスGeは排気ガスGの温度状態から、エンジン冷却水Wが循環するEGRクーラ20により、急速に冷却され、このエンジン冷却水Wに準じた温度(例えば、70℃〜80℃)となり、EGR通路19a、EGR弁21等を経由して、エアクリーナ12の下流側の吸気通路11内に供給される。このEGRクーラ20を通過したEGRガスGeにおいては、急速な冷却によりこのEGRガスGe中に存在していた水分が凝結して水滴若しくは水となり、EGR通路15aの配管内に付着する。この水滴及び水となった凝結水Wcを一時的に凝結水捕集タンク22に溜めて、凝結水WcがEGR弁21側に流出するのを防止する。
この一時的に凝結水捕集タンク22に捕集した凝結水Wcを次のようなタイミングで、排気通路15への噴射する。この凝結水Wcの噴射のタイミングに関しては、エンジン運転時において、吸気通路15のインタークーラ14の上流側に設置された第5圧力センサ35の検出した圧力(過給圧)P5を用いて過給圧(ブースト圧)を監視して、この過給圧P5がターボチャージャ13のタービン13bのウエストゲートバルブ13c(又は排気バイパスバルブ)を開弁するときの圧力値Pc1に達する直前の所定の圧力Pc2になったときを選択し、このときに、エンジン10の制御装置30により高圧排ガスバイパス通路26に設置したバイパス開閉弁27を開弁するように制御する。このバイパス開閉弁27の開度指示時間は開度指示1回につき1秒以下とする。
あるいは、ウエストゲートバルブ13cの開弁操作の前に一時的にバイパス開閉弁27を開弁し、その後、1秒以内という極わずかな時間経過後にバイパス開閉弁27を閉じる。それからウエストゲートバルブ13cを開弁するように制御する。
このバイパス開閉弁27の開弁により、排気マニホールド15a内の高圧の排気ガスGpを高圧排気ガスバイパス通路26を通してEGRクーラ20の出口からEGR弁21の間のEGR通路19に導入する。この導入により、この部分のガス圧を一時的に高めて、このガス圧で凝結水捕集タンク22内の凝結水Wcを排気通路15に噴射する。つまり、過給圧P5の超過によるターボチャージャ13の過回転防止等のため、ウエストゲートバルブ13cを開く直前の排気圧力P5が高い状態のときに、バイパス開閉弁27を一時的に開弁して凝結水捕集タンク22に貯留した凝結水Wcを排気通路15に排出する。
このバイパス開閉弁27の開弁操作は、EGRクーラ20側に凝結水Wcが流出しないように、EGRクーラ20の上流側の第2圧力センサ32の検出値P2よりEGRクーラ20の下流側の第3圧力センサ33の検出値P3の方が低い状態のときのみとする。
本発明においては、各圧力センサ31〜35の検出値である各配管の圧力値を制御装置30に取り込み、これらのデータを基に制御装置30に組み込まれたバイパス開閉弁制御手段30aにより、過給圧P5が増加して、ウエストゲートバルブ13cを開弁する制御を行う前に、バイパス開閉弁27を一時的に開放して排気ガスGpによりEGR通路19内の圧力P3を一時的に高めて、凝結水捕集タンク22に溜まった凝結水Wcを噴射口25からの噴射により排気通路15内に排出する。なお、ウエストゲートバルブ13cを開弁するときには、バイパス開閉弁27は閉弁状態に戻される。つまり、ウエストゲートバルブ13cを開弁時及び開弁中は、バイパス開閉弁27は閉弁状態にある。
上記のEGRシステム1及びEGRシステムの制御方法によれば、EGRクーラ20によってEGRガスGeが冷却されて発生する凝結水WcがEGR通路19に溜まることを防止でき、更に、過給圧P5の増加により排気通路15側に排出され不要となる排気ガスGの一部を利用して、この凝結水Wcを排気通路15に噴射して、比較的温度が高い排気ガスGの熱で蒸発処理することができる。
本発明の実施の形態のEGRシステムの構成を示す図である。
符号の説明
1 EGRシステム
10 エンジン(内燃機関)
11 吸気通路
13 ターボチャージャ
13b タービン
13c ウエストゲートバルブ
14 インタークーラ
15 排気通路
15a 排気マニホールド
19 EGR通路
19a 曲がり配管
20 EGRクーラ
21 EGR弁
22 凝結水捕集タンク(凝結水貯留部)
23 凝結水排出通路
24 逆止弁(一方向弁)
25 噴射口
26 高圧ガスバイパス通路
27 バイパス開閉弁
30 制御装置(ECU)
30a バイパス開閉弁制御手段
31〜35 圧力センサ
A 新気
G 排気ガス
Ge EGRガス
Gp 排気マニホールド内の排気ガス
P1〜P5 ガス圧力
W エンジン冷却水
Wc 凝結水

Claims (4)

  1. EGRクーラを備えたターボチャージャ付き内燃機関のEGRシステムにおいて、EGR通路のEGRクーラの下流側とEGR弁の間に凝結水貯留部を設け、該凝結水貯留部と排気通路との間を凝結水排出通路で接続し、排気通路のターボチャージャのタービンの上流側と、前記EGR通路のEGRクーラの下流側と前記凝結水貯留部との間を連結する高圧ガスバイパス通路を設けると共に、該高圧ガスバイパス通路にバイパス開閉弁を設け、過給圧が増加して、前記ターボチャージャのウエストゲートバルブを開弁する制御を行う前に、前記バイパス開閉弁を一時的に開弁する制御を行うバイパス開閉弁制御手段を設けたことを特徴とするEGRシステム。
  2. 前記凝結水排出通路に前記凝結水貯留部から前記排気通路側のみに流体の流れを許容する逆止弁を設けたことを特徴とする請求項1記載のEGRシステム。
  3. EGR通路のEGRクーラの下流側とEGR弁の間に凝結水貯留部を設け、該凝結水貯留部と排気通路との間を凝結水排出通路で接続し、排気通路のターボチャージャのタービンの上流側と、前記EGR通路の前記EGRクーラの下流側と前記凝結水貯留部との間を連結する高圧ガスバイパス通路を設けると共に、該高圧ガスバイパス通路にバイパス開閉弁を設けたターボチャージャ付き内燃機関のEGRシステムにおいて、過給圧が増加して、前記ターボチャージャのウエストゲートバルブを開弁する前に、前記バイパス開閉弁を一時的に開弁して前記凝結水貯留部に貯留した凝結水を前記排気通路に排出することを特徴とするEGRシステムの制御方法。
  4. 前記バイパス開閉弁を開弁状態にする時にはEGR弁を閉弁制御することを特徴とする請求項3に記載のEGRシステムの制御方法。
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