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JP2009274830A - プリンタ - Google Patents

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JP2009274830A JP2008128613A JP2008128613A JP2009274830A JP 2009274830 A JP2009274830 A JP 2009274830A JP 2008128613 A JP2008128613 A JP 2008128613A JP 2008128613 A JP2008128613 A JP 2008128613A JP 2009274830 A JP2009274830 A JP 2009274830A
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Eiji Motooka
栄二 本岡
Seiji Minamiyama
誠司 南山
Shigehiko Masuda
成彦 桝田
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Noritsu Koki Co Ltd
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Abstract

【課題】ロール状のペーパをペーパ収容部1に収容するようにしたプリンタにおいて、簡単な構成で且つ低コストでペーパの種類を自動で設定できるようにするとともに、ペーパ収容部1内を適切な湿度に維持できるようにする。
【解決手段】ロール状のペーパとして、該ペーパの種類に応じて、ペーパ巻芯部14の端部に磁石20が設置されたものと、磁石20が設置されていないものとが存在し、ペーパ収容部1に収容されたペーパのペーパ巻芯部14の端部に対応する位置に、ペーパ巻芯部14における磁石20の磁力を検出する磁力検出器98を配設し、この磁力検出器98による検出結果に応じてペーパの種類を判断する。
【選択図】図10

Description

本発明は、ペーパ収容部に収容されたロール状のペーパをペーパ収容部から引き出してプリント部へ搬送し、このプリント部でペーパに対し印刷を行うようにしたプリンタに関する技術分野に属する。
一般に、写真プリントシステム等に用いられるプリンタでは、ロール状のペーパが収容されるペーパ収容部と、このペーパ収容部に収容されたペーパを該ペーパ収容部から引き出して搬送する搬送機構と、この搬送機構によりペーパ収容部から引き出されて搬送されてきたペーパに対し印刷を行うプリント部とを備えている。このプリント部では、例えばインクジェットプリンタの場合には、ペーパに対して相対移動するプリントヘッドからペーパに対しインクが吐出されて印刷が行われるようになっている。そして、プリント部で印刷されたペーパは、所定長さに切断されて、排出トレイ上に排出される。
前記ペーパには、幅寸法や面質(光沢、半光沢、マット等)等が異なる複数種類のものが存在し、プリンタを操作するオペレータが、ペーパ収容部に収容しようとするペーパの種類を判断し、操作部の操作によりペーパ種類を設定するようにしている。
また、オペレータがペーパ種類を設定するのではなく、プリンタが自動で設定するものもある(例えば特許文献1及び2参照)。特許文献1では、ロール状ペーパを保持するマガジンに、ペーパの種類を識別するための識別コード部を設けておき、この識別コードを透過型の光センサにより読み取ってペーパの種類を検出するようにしている。なお、特許文献1では、ペーパ収容部から引き出されて搬送経路上に位置するペーパの実際の種類も検出して、ペーパ種類検出の精度を高めるようにしている。また、特許文献2では、マガジン内にセットされるロール状のペーパにおけるペーパ巻芯部(紙管)の端部に識別コードを設けて、ロール状ペーパの回転時に、反射型の光センサによりその識別コードを読み取るようにしている。
特開2005−305700号公報 特開2001−253608号公報
ところで、前記ロール状ペーパをマガジンを介してペーパ収容部に収容する場合には、そのペーパ種類毎に外見が異なるマガジンを使用するようにしておくことで、オペレータは、どの種類のものかをマガジンの種類により容易に判断できるようになる。しかし、マガジンを使用しないで、ロール状ペーパを直接ペーパ収容部に収容する場合には、オペレータがペーパから直接判断することとなる。この場合、特に面質の判断は難しく、熟練を要する。
そこで、マガジンを使用しない場合には、前記特許文献2のように、ロール状ペーパにおけるペーパ巻芯部(紙管)の端部に識別コードを設けて、センサによりその識別コードを読み取るようにすることが考えられる。このような識別コードを読み取るためのセンサとしては、通常、特許文献1に示されているような透過型の光センサや、特許文献2に示されているような反射型の光センサが用いられる。
ここで、前記ペーパ収容部は、通常、プリンタの筐体内において室として区画形成されており、ロール状ペーパをペーパ収容部に収容する際に、他の構成部品が見えたり触れられたりしないようになされている。このような観点から、前記光センサもペーパ収容部の外側に配設することが好ましい。
しかしながら、前記光センサの場合には、ペーパ収容部の外側に配設すると、ペーパ収容部を区画形成する壁部等に、光センサから投光される光を通すための孔を開けなければならず、以下のような問題が生じる。すなわち、ロール状ペーパは、一旦ペーパ収容部に収容されると、そのペーパを使い切るまでペーパ収容部に収容されたままとなることが多い。このとき、プリンタが低湿度の環境下に設置されている場合、ペーパが長時間低湿度下に晒されて、ペーパの幅方向中央部が幅方向両端部に対してプリント面側へ突出するようにカールし易くなる。このようなカールが生じると、画質の低下を招くとともに、特にインクジェットプリンタの場合には、インクを吐出するプリントヘッドとペーパを支持するプラテンとの間の隙間がかなり小さいために、ペーパがプリントヘッドに当接する可能性が高くなる。これを解消するためには、ペーパ収容部を密閉状にして、ペーパ収容部内を適切な湿度になるようにする必要があるが、前記のようにペーパ収容部を区画形成する壁部等に孔を開けると、ペーパ収容部内を適切な湿度に維持することが困難になる。
一方、ロール状ペーパのペーパ巻芯部に非接触ICタグを設けておき、このICタグと無線通信を行ってペーパ種類を判断する読取装置を用いれば、ペーパ収容部を区画形成する壁部等に孔を開けずに読取装置をペーパ収容部の外側に配設することが可能になる。
しかしながら、前記ICタグを用いる方法では、多大なコストアップを招くとともに、ペーパ種類を判断するための解析ソフトが複雑であり、オペレータがペーパ種類を設定していた構成のものからは容易に変更できないという問題がある。
本発明は、斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、前記のようにロール状のペーパをペーパ収容部に収容するようにしたプリンタにおいて、オペレータがペーパ種類を設定していた構成のものに小変更を加えるだけで、低コストでペーパの種類を自動で設定できるようにするとともに、ペーパ収容部内を適切な湿度に維持できるようにすることにある。
前記の目的を達成するために、この発明では、ロール状のペーパとして、該ペーパの種類に応じて、ペーパ巻芯部の端部に磁石が設置されたものと、磁石が設置されていないものとが存在し、ペーパ収容部に収容されたペーパのペーパ巻芯部の端部に対応する位置に、ペーパ巻芯部における磁石の磁力を検出する磁力検出器を配設し、この磁力検出器による検出結果に応じてペーパの種類を判断するようにした。
具体的には、請求項1の発明では、ペーパ巻芯部を有するロール状のペーパが収容されるペーパ収容部と、該ペーパ収容部に収容されたペーパを該ペーパ収容部から引き出して搬送する搬送機構と、該搬送機構によりペーパ収容部から引き出されて搬送されてきたペーパに対し印刷を行うプリント部とを備えたプリンタを対象とする。
そして、前記ペーパ収容部に収容されるペーパには、該ペーパの種類に応じて、前記ペーパ巻芯部の端部に磁石が設置されたものと、磁石が設置されていないものとが存在し、前記ペーパ収容部に収容されたペーパのペーパ巻芯部の端部に対応する位置に配設され、該ペーパ巻芯部における磁石の磁力を検出する磁力検出器と、前記磁力検出器による検出結果に応じて前記ペーパの種類を判断する種類判断部とを備えているものとする。
前記の構成により、従来のペーパ巻芯部の端部にペーパの種類に応じて磁石を貼り付け、プリンタには磁力検出器を設け、この磁力検出器からの出力を受けてペーパの種類を判断する種類判断部を、プリンタの動作を制御する、コンピュータを含む制御ユニット等で構成するだけで、ペーパの種類を自動で設定できるようになる。また、ペーパ収容部を区画形成する壁部等を、磁石の磁力を遮断しない非磁性材料で構成しておけば、磁力検出器をペーパ収容部の外側に配設しても、ペーパ収容部を区画形成する壁部等に磁力検出用の孔を開けずに磁石の磁力を検出することができ、この結果、ペーパ収容部内を密閉状にして適切な湿度に維持することができる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記ペーパ収容部は、前記ペーパ巻芯部を保持するペーパ巻芯保持部を有し、前記磁力検出器は、前記ペーパ巻芯保持部の近傍におけるペーパ収容部外側に設置されているものとする。
このことにより、磁力検出器をペーパ収容部外側に設置しつつ、ペーパ巻芯部における磁石の磁力を確実に検出することができる。
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、前記搬送機構によるペーパの搬送経路上に配設され、該搬送機構により該ペーパ収容部から引き出されたペーパの先端を検出するペーパ先端検出手段を更に備え、前記種類判断部は、前記ペーパ先端検出手段により前記ペーパの先端が検出された場合に、前記磁力検出器による検出結果に応じて前記ペーパの種類を判断するように構成されているものとする。
すなわち、ロール状のペーパがペーパ収容部に実際に収容されていない場合には、ペーパ巻芯部に磁石が設置されていないロール状のペーパがペーパ収容部に収容された場合と同様に、磁石が無いと判断することが考えられるが、ペーパの先端が検出された場合には、ロール状のペーパがペーパ収容部に収容されていることになり、磁石が無いことを正確に判断することができるようになる。
請求項4の発明では、請求項1〜3のいずれか1つの発明において、前記ペーパのペーパ巻芯部の端部に設置される磁石の数が、該ペーパの種類に応じて異なっており、前記ペーパ巻芯部は、前記搬送機構によるペーパの搬送に連動して回転するように構成され、前記磁石及び前記磁力検出器は、前記ペーパ巻芯部の回転に伴って該磁石が該磁力検出器に対して接近及び離間を繰り返すように配設され、前記磁力検出器は、前記磁石の接近及び離間に応じて信号を出力するものであり、前記種類判断部は、前記搬送機構によるペーパの搬送中に、前記磁力検出器より出力される信号の波形形状に基づいて、前記ペーパの種類を判断するように構成されているものとする。
このことで、ペーパ巻芯部が1回転する間に磁力検出器より出力される信号の波形形状が、磁石の数によって異なることになり、その波形形状に基づいてペーパの種類を判断することが可能になる。この結果、ペーパ収容部に収容されるペーパの種類が3種類以上であっても、その種類を容易に判断することができるようになる。
以上説明したように、本発明のプリンタによると、ロール状のペーパのペーパ巻芯部における磁石の磁力を検出する磁力検出器を備え、この検出結果に応じてペーパの種類を判断するようにしたので、低コストで且つ簡単な構成でペーパの種類を自動で設定できるようになるとともに、ペーパ収容部内を適切な湿度に維持できるようになる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタAの外観を示し、図2〜図7は、インクジェットプリンタAの内部構成を示す。このインクジェットプリンタAは、写真プリントシステムに用いられるものであって、例えば、画像データを取得して必要な補正処理等を行う受付ブロック100(図13参照)から通信ケーブルを介して伝送される画像データに基づいてプリントペーパP1,P2に印刷を行うものであって、ロール状に巻かれた長尺のプリントペーパP2の一端を引き出して当該プリントペーパP2(以下、ロールペーパP2と呼ぶ)のプリント面に印刷を行う自動印刷と、予め所定のサイズに切断されたシート状のプリントペーパP1(以下、シートペーパP1と呼ぶ)のプリント面に印刷を行う手差印刷とを実行可能に構成されている。
なお、以下の説明において特にロールペーパP2とシートペーパP1を区別する必要がないときは、該ロールペーパP2及びシートペーパP1のことをプリントペーパP1,P2と言う。また、プリント面とは、印刷が行われる面を意味し、シートペーパP1のプリント面は、該シートペーパP1を手差トレイ81(図1及び図7参照)にセットしたときに決まるものである。具体的には、シートペーパP1を手差トレイ81にセットしたときに、上側を向く面がプリント面とされている。また、ロールペーパP2のプリント面は、該ロールペーパP2がロール状に巻かれた状態にあるときに、径方向外側を向く面がプリント面とされている。
−全体構成−
図7に示すように、前記インクジェットプリンタAは、プリンタ本体部90と、前記シートペーパP1を手差しによりセットしてプリンタ本体部90内に供給するための手差トレイ81とを備えており、前記プリンタ本体部90は、筐体6と、この筐体6内の下部に設けられ、プリント面を外側にしてロール状に巻かれたロールペーパP2がマガジンを介さずにセットされて収容されるロールペーパ収容部1と、筐体6内の上部(ロールペーパ収容部1の上側)に設けられ、前記手差トレイ81から供給されたシートペーパP1のプリント面又は該ロールペーパ収容部1から引き出されたロールペーパP2のプリント面に対して、画像データに基づいて印刷を行うプリント部2(図2及び図7参照)と、筐体6内の下部においてロールペーパ収容部1の両側側方に位置し、前記プリント部2に供給されるインクを貯留しておくためのインク貯留部3と、筐体6に開閉自在に取り付けられた扉部材95の上部に設けられ、該扉部材95が閉状態にあるときに前記手差トレイ81にセットされたシートペーパP1をプリント部2に向かって搬送供給するローラユニット200とを備えている。
前記筐体6内の上部で、前記プリント部2のペーパ搬送方向下流側には、印刷後のプリントペーパP1,P2の不要な部分を切断するためのローラカッター41と、該プリントペーパP1,P2の裏面に整理番号を印字するための裏面印字ユニット4と、プリント部2で印刷されたプリントペーパP1,P2に付着しているインクを乾燥させる乾燥ユニットU6と、プリント部2で印刷されたプリントペーパP1,P2をさらに下流側に搬送して排出するための排出ローラ46とが配設されている。この排出ローラ46のペーパ搬送方向下流側には、筐体6の排出口47(図8参照)から外側へ突出するように設けられ且つ排出ローラ46により排出されるプリントペーパP1,P2を受け止めるための排出トレイ5が配設されている。
本実施形態では、筐体6において排出トレイ5の側(図3に記載した排出側)を筐体前側といい、排出トレイ5と反対側(図3に記載した供給側)を筐体後側といい、筐体前側から見て左側を筐体左側といい、右側を筐体右側と言う。従って、図7の左右方向が筐体前後方向となり、図7の紙面と垂直な方向が筐体左右方向となる。この筐体左右方向は、前記手差トレイ81にセットされ且つ搬送されるシートペーパP1の幅方向、及びロールペーパ収容部1に収容され且つ搬送されるロールペーパP2の幅方向と一致する。
前記プリント部2は、プリントペーパP1,P2に対してインクを吐出して画像(文字等を含む)を形成するプリントヘッドH(図2〜図4及び図7参照)を備えている。このプリントヘッドHは、プリントペーパP1,P2の幅方向(筐体左右方向)と一致する主走査方向X(図3参照)に延びるレール30に沿って移動可能に構成されている。具体的には、駆動モータ32の回転力がプーリを介して駆動ベルト31に伝達され、駆動ベルト31の回転量に応じてプリントヘッドHが主走査方向Xに移動するようになっている。
また、プリントヘッドHは、主走査方向Xと垂直であってプリントペーパP1,P2の移動方向(筐体前後方向)と一致する副走査方向Y(図3参照)に並ぶ2つのヘッドユニット38(図7参照)を有しており、これら2つのヘッドユニット38に設けられているインク吐出ノズル(図示省略)からインクを吐出することで、プリントペーパP1,P2に対して所定の画像を印刷できるようになっている。
前記インク貯留部3は、それぞれ、インクジェットプリンタAの左右両側に配置された箱状のケース61(図4参照)を備えており、該ケース61内には、互いに色相の異なるインクが封入された7つのインクカートリッジ62(図6参照)が着脱可能に収容されている(図4では、左側に3つ右側に4つのカートリッジ62が収容されている)。従って、これらのインクカートリッジ62をケース61から着脱することにより、使用中又は使用済みのものを新しいものに交換できるようになっている。なお、これらのインクカートリッジ62にはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、レッド(R)、バイオレット(V)及びクリア(CL:透明)の各インクが封入されている。
また、前記インクジェットプリンタAの排出側から見て左側(筐体左側)で、前記インク貯留部3とプリント部2との間の高さ位置には、インクカートリッジ62から供給されるインクを一時的に貯留するためのサブタンク52(図4及び図5参照)が設けられている。そして、これらのサブタンク52は、前記プリント部2のプリントヘッドHに繋がっていて、該プリントヘッドHのノズルからインクを吐出する際の負圧によってサブタンク52内のインクがプリントヘッドHへ供給されるようになっている。
−ペーパ搬送機構−
図7に示すように、インクジェットプリンタAには、前記ロールペーパ収容部1からロールペーパP2を引き出して所定のペーパ搬送経路に沿って搬送するペーパ搬送機構が設けられている。このペーパ搬送機構は、前記ペーパ搬送経路を構成すべく、ロールペーパP2を供給する供給ユニットU1から順に、供給ユニットU1、プリントユニットU2、カッターユニットU3、乾燥ユニットU6及び排出ユニットU4を備えており、プリント部2に配設されたプリントユニットU2のペーパ搬送経路上に位置するプリントペーパP1,P2のプリント面に対して画像データの印刷が行われるようになっている。
なお、本実施形態では、プリントユニットU2に対して、供給ユニットU1からロールペーパP2を供給する以外にも、手差トレイ81からシートペーパP1を引き込んでプリント部2へと搬送供給できるように構成された手差し供給ユニットU5も備えている。
前記ペーパ搬送機構は、ロールペーパP2への印刷時には、ロールペーパ収容部1にセットされて収容されたロールペーパP2を、供給ユニットU1によってプリントユニットU2に搬送供給し、それから、その供給されたロールペーパP2をプリントユニットU2によって搬送しながらプリントヘッドHにより画像データの印刷を行う。そして、印刷されたロールペーパP2をカッターユニットU3に搬送して該カッターユニットU3で所定のプリントサイズに切断した後、乾燥ユニットU6でロールペーパP2を乾燥させ、排出ユニットU4で排出トレイ5へ送り出す。
また、前記ペーパ搬送機構は、シートペーパP1への印刷時には、手差トレイ81にセットされたシートペーパP1を、手差し供給ユニットU5によってプリントユニットU2に搬送供給し、その後は、前記ロールペーパP2と同様である。但し、シートペーパP1の場合には、通常、カッターユニットU3で切断しない。
前記手差し供給ユニットU5は、シートペーパP1をプリント部2に導くためのローラユニット200を備えている。このローラユニット200は、駆動ローラ202と従動ローラ201とを備えている。そして、手差し供給ユニットU5は、前記駆動ローラ202を回転駆動させることにより、シートペーパP1を手差トレイ81からプリンタ本体部90内へと導く。
ここで、前記ロールペーパ収容部1は、筐体6内において区画壁11によって密閉状に区画形成されており、該区画壁11の一部には、ロールペーパP2を筐体6内部におけるロールペーパ収容部1外側(つまりプリント部2側)へ導出するためのペーパ導出開口部9が形成されている。なお、ロールペーパ収容部1の筐体後側は、前記扉部材95で構成されており、この扉部材95を開けた状態でロールペーパP2をロールペーパ収容部1にセットして収容し、該収容が完了すれば、扉部材95を閉状態にする。
前記ロールペーパ収容部1に収容されるロールペーパP2は、図9に示すように、ペーパ巻芯部14を有していて、このペーパ巻芯部14の両端部を除く部分に密着状態で巻かれている。
前記供給ユニットU1は、前記ペーパ巻芯部14に巻かれたロールペーパP2をロールペーパ収容部1内に収容するべく、前記区画壁11の筐体左側部11a及び筐体右側部11b(図6、図10及び図11参照)にそれぞれ形成された、ロールペーパP2のペーパ巻芯部14を回転可能に保持するペーパ巻芯保持部11d(図11参照)と、該ペーパ巻芯部14の保持状態で引き出されたロールペーパP2の幅方向の位置決めを行うための幅規制ローラ22と、後述する閉塞ローラ23と、図示しない電動モータによって、ロールペーパP2を搬送するように回転駆動される搬送駆動ローラ24と、該搬送駆動ローラ24に対向配置され、搬送駆動ローラ24との間にロールペーパP2を挟持するように搬送駆動ローラ24に圧着される2つの圧着ローラ25とを備えている。
そして、供給ユニットU1は、搬送駆動ローラ24の回転駆動によって、ロールペーパP2をロールペーパ収容部1から引き出してプリント部2側へ搬送するように構成されている。なお、本実施形態では、幅規制ローラ22を設けているが、この代わりに幅規制用のガイドを設けるようにしてもよい。
前記閉塞ローラ23は、ロールペーパ収容部1の気密性を確保してロールペーパ収容部1内が低湿度状態にならないようにするために設けられたものである。すなわち、前記ペーパ導出開口部9が開放されたままでは、ロールペーパ収容部1の気密性を確保することができないので、ペーパ導出開口部9に、該ペーパ導出開口部9をロールペーパP2が通過可能に閉塞する閉塞ローラ23を設けている。
そして、前記閉塞ローラ23は、少なくとも外周部がスポンジ材等の発泡材料やゴム材等のような弾性変形可能な材料で構成されたものであって、ペーパ導出開口部9を通過するロールペーパP2に対して、径方向内側に弾性変形した状態で接触して従動回転するようになっている。このとき、ロールペーパP2は、閉塞ローラ23と反対側に設けた案内部材10に押し付けられる(この押付力はかなり小さい)。このことで、ロールペーパ収容部1の気密性を確保しつつ、ロールペーパP2が閉塞ローラ23から抵抗をほとんど受けることなくペーパ導出開口部9を通過することができる。
一方、ロールペーパP2がペーパ導出開口部9に存在しない状態では、閉塞ローラ23が前記案内部材10と接触しており、このときも、ロールペーパ収容部1の気密性が確保される。このように気密性が確保されたロールペーパ収容部1内には、内部に水を収容し且つ上部が開口した容器13が設置され、この容器13内の水が水蒸気に気化することによってロールペーパ収容部1内が効率良く加湿される。
これにより、インクジェットプリンタA自体が長時間低湿度下に置かれた状態であっても、扉部材95が閉状態にあれば、ロールペーパ収容部1内は適度の湿度(相対湿度30〜75%の範囲で使用可能。好ましくは40〜60%)に維持されて、ロールペーパP2の幅方向中央部が幅方向両端部に対してプリント面側へ突出するようなカールの発生を防止することができる。
前記ペーパ搬送経路上において前記2つの圧着ローラ25のうちペーパ搬送方向下流側の圧着ローラ25の更に下流側には、ロールペーパ収容部1から引き出されたロールペーパP2の先端を検出するペーパ先端検出手段としてのペーパ先端検出センサ97が配設されている。なお、このペーパ先端検出センサ97は、ロールペーパ収容部1から引き出されたロールペーパP2の先端を検出することができるのであれば、ペーパ搬送経路上のどこに配設してもよい。
ここで、前記ロールペーパP2は、前述の如くペーパ巻芯部14に密着状態で巻かれていることから、前記搬送駆動ローラ24の回転駆動によってロールペーパP2がロールペーパ収容部1から引き出されると、該引出し(ロールペーパP2の搬送)に連動して、ペーパ巻芯部14が、ペーパ巻芯保持部11dに保持された状態で、その軸心回りに回転するようになっている。
前記ペーパ巻芯部14は、図9に示すように、ロールペーパP2が巻かれる部分の両側にそれぞれ設けられ且つ該巻かれたロールペーパP2の幅方向の移動を規制するペーパ規制部15と、該ペーパ規制部15よりも軸方向外側にそれぞれ設けられ、前記ペーパ巻芯保持部11dに回転可能に保持される被保持部16と、ペーパ巻芯部14の両端にそれぞれ設けられ、該被保持部16の保持状態でペーパ巻芯部14の軸方向の移動を規制するためのスラスト移動規制部17とを有している。このスラスト移動規制部17は、中心部17aと、外周部17bと、該中心部17a及び外周部17bを連結する複数のスポーク部17cとで構成されている。
前記ペーパ巻芯保持部11dは、図10及び図11に示すように(図10では、ペーパ巻芯部14に巻かれたロールペーパP2を省略している)、区画壁11の筐体右側部11b(筐体左側部11aも同様であるので、ここでは、筐体右側部11bで説明する)の筐体後側端(図10及び図11の左側)から筐体前側に延びる長孔11cの筐体前側端部で構成されている。この長孔11cの下側縁におけるペーパ巻芯保持部11dよりも筐体後側の部分には、前記被保持部16を摺動又は転動させてペーパ巻芯保持部11dへ導くための導入部11eが形成されている。そして、ロールペーパP2がロールペーパ収容部1に収容される際には、被保持部16が導入部11e上を摺動又は転動した後にペーパ巻芯保持部11dに嵌り込んで保持されるようになっている。被保持部16がペーパ巻芯保持部11dに保持されることで、ロールペーパP2がロールペーパ収容部1にセット完了した状態となる。
前記スラスト移動規制部17は、前記被保持部16が導入部11e上を転がっているとき、及び、ペーパ巻芯保持部11dに保持されているときにおいて、筐体右側部11bのロールペーパ収容部1外側に位置していて、被保持部16よりも大径であることで、ペーパ巻芯部14が軸方向内側に移動しようとしても、筐体右側部11bに当接してその移動が規制される(筐体左側も同様)。
本実施形態のインクジェットプリンタAでは、ロールペーパP2として、そのプリント面の面質が光沢であるものと半光沢であるものとの2種類を使用する。また、光沢及び半光沢それぞれについて、ロールペーパP2の幅寸法が異なる4種類がある。ロールペーパ収容部1に収容されたロールペーパP2の幅寸法に関しては、オペレータ自らが操作して設定する一方、オペレータが区別するのが難しい面質については、後述の如く自動で設定される。
前記面質の自動設定のために、図9及び図10に示すように、プリント面の面質が半光沢であるロールペーパP2のペーパ巻芯部14の端部に位置するスラスト移動規制部17の外周部17bの内周面に、1つの磁石20(永久磁石)が設置されている。一方、プリント面の面質が光沢であるロールペーパP2におけるペーパ巻芯部14のスラスト移動規制部17には、磁石20は1つも設置されていない。前記磁石20の磁力を検出する後述の磁力検出器98による検出結果に応じて、面質が自動設定されることになる。前記磁石20の設置は、従来より用いているペーパ巻芯部14(磁石20が設置されないペーパ巻芯部14と同じもの)に磁石20を貼り付けることで行う。なお、本実施形態では、ペーパ巻芯部14を軸心方向中央に対して対称形状にするために、磁石20を設置する場合には、両側のスラスト移動規制部17に設置するが、後述の磁力検出器98に対応する側(本実施形態では、筐体右側)のみに磁石20を設置するようにしてもよい。
前記長孔11cは、図10及び図11に示すように、閉塞部材91によって閉塞されている。この閉塞部材91は、区画壁11の筐体右側部11bにおけるロールペーパ収容部1とは反対側の面に、6つのねじ取付部91aに挿通されたねじ(図示せず)により取付固定されている(筐体左側も同様)。これにより、区画壁11の筐体左側部11a及び筐体右側部11bに長孔11cがそれぞれ形成されていても、扉部材95が閉状態であるときにロールペーパ収容部1内は密閉状となる。なお、ペーパ巻芯保持部11dに保持されたペーパ巻芯部14のスラスト移動規制部17は、閉塞部材91と筐体右側部11bとの間に位置している(筐体左側も同様)。
前記閉塞部材91のロールペーパ収容部1とは反対側には、前記磁石20の磁力を検出する磁力検出器98を支持固定するための検出器支持部材92が配設されており、この検出器支持部材92は、前記閉塞部材91の6つのねじ取付部91aのうちの3つのねじ取付部91aに挿通されたねじにより、閉塞部材91と共に区画壁11の筐体右側部11bに共締めされている。なお、検出器支持部材92及び磁力検出器98は筐体右側にしか設けられていない。
前記磁力検出器98は、ペーパ巻芯保持部11dに保持されたペーパ巻芯部14のスラスト移動規制部17に対応する位置、つまり該ペーパ巻芯保持部11dの近傍におけるロールペーパ収容部1の外側であってスラスト移動規制部17に対して閉塞部材91を挟んだ対向位置に配設されている。本実施形態では、磁力検出器98は、スラスト移動規制部17の中心部17aから外れた、外周部17bの一部と対向する位置に配設されている。そして、ペーパ巻芯部14の回転に伴って前記磁石20が磁力検出器98に対して接近及び離間を繰り返すようになっており、磁力検出器98は、この磁石20の接近及び離間に応じて信号を出力する。すなわち、磁力検出器98は、例えば図12に示すように、ペーパ巻芯部14が1回転する間に、出力信号としての出力電圧が上昇して下降する三角状の波形が1回だけ現れる。出力電圧がピークとなるのは、磁石20が磁力検出器98に対して丁度対向したときである。ペーパ巻芯部14のスラスト移動規制部17に磁石20が設置されていない場合には、前記三角状波形は出現せず、一定の電圧(磁石20が設置されている場合の最低電圧と同じ電圧)が継続することになる。なお、閉塞部材91は、ステンレスや樹脂等のような、前記磁石20の磁力を通す非磁性材料で構成されている。
前記プリントユニットU2は、プリントペーパP1,P2を前記プリントヘッドHにより印刷を行うことが可能な位置に吸着保持するペーパ保持部D(図3及び図7参照)と、このペーパ保持部Dのペーパ搬送方向下流側に配設された圧着型のプリント搬送ローラ33とを備えている。なお、供給ユニットU1の搬送駆動ローラ24及び圧着ローラ25は、プリントユニットU2にも兼用されており、プリントペーパP1,P2をプリントユニットU2において搬送する役割を果たす。
前記ペーパ保持部Dは、プリントペーパP1,P2を支持する支持面34c(図3参照)と該支持面34cに開口する吸引用孔34a(図3参照)とを有するプラテン34と、前記プリントヘッドHによる印刷時に該支持面34c上のプリントペーパP1,P2を、前記吸引用孔34aを介して吸引することで支持面34c上に吸着保持させる、ファンで構成された吸引装置35とを備えている。前記プリントヘッドHの2つのヘッドユニット38は、プラテン34の支持面34cの上側において、該支持面34cに対して僅かな隙間をあけて対向していて、その隙間を維持した状態で主走査方向Xに移動するようになっている。
前記プラテン34は、板状の部材からなり、該プラテン34の裏面(下面)側には、該プラテン34と共に空間を形成するケース体36が配設され、このケース体36の下側に前記吸引装置35が配設されている。そして、前記吸引用孔34aは、プラテン34の厚み方向に貫通してケース体36内の空間と連通し、この空間は、ケース体36の下部に設けた開口を介して吸引装置35の吸込み口と連通しており、吸引装置35の作動により吸引用孔34aを介してプラテン34の支持面34c側に負圧が生じ、このことでプリントペーパP1,P2がプラテン34の支持面34c上に吸着保持されることになる。これにより、印刷時のプリントペーパP1,P2の平面性を確保してプリント品質を向上させることが可能になる。
また、図3に示すように、プラテン34の支持面34cには、印刷時にインクの増粘を防止するためにプリントヘッドHにおけるヘッドユニット38のインク吐出ノズルから吐出される少量のインクを受け止めるフラッシング部37と、非印刷時のプリントヘッドHの待機位置に設けられて、インクの増粘防止のために該プリントヘッドHにおけるヘッドユニット38のインク吐出ノズルを覆うように構成されたキャップ部(図示省略)と、凹部34bとが設けられている。
前記フラッシング部37は、プラテン34に形成された開口部37a(図3参照)と、該プラテン34におけるフラッシング部37の下側に設けられ、該開口部37aに連通するような空間を形成するケース体(図示省略)とを備えており、該ケース体はインクジェットプリンタAの筐体前側下部に設けられた廃液タンク7(図2及び図7参照)に連通している。また、前記開口部37aには、インクを吸収可能なスポンジ状のインク吸収材37bが配設されていて、このインク吸収材37bに染み込んだインクも、フラッシング部37の下側に位置する前記ケース体内部の空間内に溜まるようになっている。これにより、フラッシング部37の開口部37aに向かって吐出されたインクは、前記ケース体内部の空間内に溜まった後に廃液タンク7へと導かれることになる。
なお、前記キャップ部については、特に図示しないが、キャップ部がプリントヘッドHの下面を覆っているときに、内部が負圧にされる空間が形成され、この空間内に前記インク吐出ノズルから微量のインクを吸い出すように構成されている。これにより、該インク吐出ノズルでインクが増粘することで吐出し難くなるのを防止することができる。
前記凹部34bは、プリントペーパP1,P2の幅方向の端縁まで画像を印刷した縁なし印刷を行う際に、プリントヘッドH(ヘッドユニット38)より吐出したインクの一部が前記支持面34c上のプリントペーパP1,P2の幅方向の端縁から外側に外れてはみ出したとしても、その外側に外れたインクによりプラテン34の支持面34cが汚れるのを防止するために設けられたものである。このため、凹部34bは、支持面34cにおいて該支持面34c上のプリントペーパP1,P2の幅方向の端縁に対応する位置で且つ副走査方向Yにおける各ヘッドユニット38に対応する位置において、該端縁に沿って延びる(つまり副走査方向Yに延びる)ように形成されている。プリントペーパP1,P2の幅方向の端縁は、左右両側にあり、本実施形態では、4種類の幅寸法のプリントペーパP1,P2に対応可能になっているため、1つのヘッドユニット38について、片側4つずつの合計8つの凹部34bが設けられている。
前記各凹部34b内には、前記プリントヘッドH(ヘッドユニット38)から吐出されるインクのうち支持面34c上のプリントペーパP1,P2の幅方向の端縁から外側に外れたインクを吸収するスポンジ状のインク吸収材(図示せず)が、該端縁に沿って延びるように嵌め込まれており、このインク吸収材に吸収されたインクは、廃液タンク7に回収されるようになっている。
前記プリントヘッドHは、前述の如く、その下面(プラテン34と対向する面)に、多数のインク吐出ノズルが設けられたヘッドユニット38が副走査方向Yに2段に並んで配設されているが、ヘッドユニット38は2段である必要はなく、1段や3段以上であってもよい。
前記両ヘッドユニット38は同一構成であり、各々、主走査方向Xに配設された前記各色のインクを吐出するための7つのノズルアレイから構成されている。各ノズルアレイにおいて、前記インク吐出ノズルが副走査方向Yに列状に配設されている。これにより、各ヘッドユニット38は、単体でカラー画像を形成可能な構成とされている。そして、プリントペーパP1,P2は、前記搬送駆動ローラ24により一定の単位搬送量で間欠的に(ステップ状に)副走査方向Yに搬送され、この間欠搬送時におけるプリントペーパP1,P2の各停止時に、プリントヘッドHが主走査方向Xに一走査(一往動作又は一復動作)されて、この走査時に、主走査方向Xの各位置で、各ヘッドユニット38の各色のインク吐出ノズルからインクがプリントペーパP1,P2のプリント面に対して同時に吐出される。つまり、プリントヘッドHの一走査後に、プリントペーパP1,P2が単位搬送量だけ搬送され、その後、再びプリントヘッドHが一走査され、この動作が繰り返し行われて、所望の画像が印刷されることになる。なお、ロールペーパP2の場合、プリント面が光沢か半光沢により色の見え方が異なるので、後述の種類判断部108により判断された種類(光沢又は半光沢)に応じて、ヘッドユニット38より吐出するインクの配色を異ならせるようにしている。
ここで、本実施形態におけるプリントヘッドHのインク吐出のための構成としては、インクが充填された圧力室内の容積がピエゾ素子によって変化することで、圧力室に連通するインク吐出ノズルからインクを吐出する一般的なピエゾ方式のものを採用している。
前記カッターユニットU3は、ローラカッター41を備えていて、該ローラカッター41を回転させながらプリントペーパP1,P2の長さ方向の所定位置で幅方向に移動させることで、該プリントペーパP1,P2を所定のサイズ(長さ)に切断するように構成されている。前記ローラカッター41の下方には、切断によるプリントペーパP1,P2の切り屑を回収するためのカッター屑回収箱65が配設されている。このカッター屑回収箱65は、作業者が取っ手66を持って筐体前側へスライドさせて筐体6の外部へ取り出すことができるようになっており、カッター屑回収箱65内に収容された切り屑を廃棄できるようになっている。なお、カッター屑回収箱65の筐体前側面は、透明なプラスチック材料で形成され、切り屑の収容状態が目視確認できるようになっている。
また、カッターユニットU3は、圧着型の搬送ローラ43により、プリントペーパP1,P2を排出ユニットU4へと搬送するようになっている。なお、カッターユニットU3と排出ユニットU4との間には、裏面印字ユニット4が配設されており、この裏面印字ユニット4において、この部分を通過するプリントペーパP1,P2の裏面(下面)に整理番号等が印字される。
前記排出ユニットU4は、プリントペーパP1,P2を搬送して排出トレイ5へ排出するための2組の圧着型の排出ローラ46,46を有している。
前記乾燥ユニットU6は、図8に示すように、前記排出ユニットU4の2組の圧着型の排出ローラ46,46の間に設けられていて、プリントヘッドHによる印刷後のプリントペーパP1,P2に乾燥風Wを吹き付けて、該プリントペーパP1,P2に付着しているインク(プリントヘッドHから吐出されたインク)を乾燥させるものである。この乾燥ユニットU6は、筐体6の排出口47の上方近傍に形成された吸入口48から筐体6内に空気を吸入し、該吸入した空気を加熱して乾燥風Wとして送風するものである。この吸入口48には集塵フィルタ49が取り付けられ、空気中の塵埃が乾燥ユニットU6内に吸入されるのを阻止している。
そして、前記乾燥ユニットU6は、プリントペーパP1,P2の搬送経路上に設けられた乾燥室71と、この乾燥室71に乾燥風Wを送風する乾燥装置72とを備えている。この乾燥室71は、プリントペーパP1,P2を挟んで対向する上側区画壁71aと下側区画壁71bとで区画され、乾燥装置72からプリントペーパP1,P2に吹き付けられた乾燥風Wを滞留させる滞留空間を構成している。
前記乾燥装置72は、筐体6の吸入口48を介して外部から乾燥装置72内に空気を取り込むために筐体6の左右方向に間隔をあけて複数配置された吸入ファン73と、吸入ファン73で取り込んだ空気を加熱する加熱ヒータ74と、乾燥装置72の下端部に設けられペーパ搬送方向下流側に向かって開口して加熱ヒータ74で加熱された乾燥風Wをペーパ搬送方向下流側に吹き付ける排気ノズル部75と、乾燥装置72内の温度を検出して加熱ヒータ74を緊急停止させる安全サーモ76とを備えている。このように乾燥風Wがペーパ搬送方向下流側に向かって吹き付ける構成とすることで、プリントペーパP1,P2に乾燥風Wが当たっている時間を長くすることができる。すなわち、乾燥風WをプリントペーパP1,P2に対して垂直に吹き付けた場合には、乾燥装置72の排気ノズル部75の吹き出し口に対向する面にしか乾燥風Wが直接当たらないが、ペーパ搬送方向下流側に向かって乾燥風Wを吹き付けるようにすれば、ペーパ搬送方向下流側に移動中のプリントペーパP1,P2に対しても乾燥風Wを直接吹き付けることができ、プリントペーパP1,P2の乾燥時間を長く確保することができて効率的に乾燥することができる。
−インク供給系−
図5に示すように、前記インクジェットプリンタAのインク供給系は、インクジェットプリンタAの左右両側に位置するインク貯留部3のインクカートリッジ62内のインクを電磁弁50及び供給管路51を介してサブタンク52に供給し、このサブタンク52のインクをフレキシブル管路53を介してプリントヘッドHに送り出すように構成されている。
そして、前記インクカートリッジ62からサブタンク52までは、加圧ポンプ(図示省略)によってインクカートリッジ62内に供給される加圧空気によってインクが送り出される一方、該サブタンク52からプリントヘッドHまでは、プリントヘッドHのノズルからインクを吐出した際に圧力室内に生じる負圧によって、インクが流れることになる。
前記サブタンク52は、樹脂シート等の柔軟な素材を用いて袋状に形成されていて、色相が互いに異なる7種類のインクに対応して7つ備えられている。その7つのサブタンク52は、前記プリントヘッドHに対して適切な圧力でインクが供給されるように、該プリントヘッドHに対して所定の高さ位置に取り付けられている。
前述したように、インクカートリッジ62のインクは一旦サブタンク52内に貯留され、その後、サブタンク52からプリントヘッドHに供給されることになる。このため、印刷を中断することなくインクカートリッジ62を交換することができる。しかも、前記サブタンク52は、圧力ダンパとしての役割も果たすため、前記インクカートリッジ62で生じた圧力変動が直接、前記プリントヘッドHに伝わることを防止することができ、該プリントヘッドHに過大な圧力が作用してインク漏れ等が生じるのを防止することができる。
−制御系の構成−
前記インクジェットプリンタAは、制御系として、図13に示すように、マイクロプロセッサ101(以下、CPUという)と、このCPU101とデータバスを介して接続された搬送制御部102、ヘッド制御部103、切断制御部104、プリント制御部105、半導体メモリRAM/ROM106、通信インタフェース107及び種類判断部108とを備えている。これらは制御ユニット内に構成されている。また、前記ペーパ先端検出センサ97及び磁力検出器98は前記制御ユニットの入力端子に接続され、これらの検出情報が制御ユニット内においてデータバスを介して種類判断部108に入力され、種類判断部108にて、これら検出情報に基づいてロールペーパP2の種類(光沢又は半光沢)が判断される。
前記搬送制御部102は、前記ペーパ搬送機構の動作制御を行う。ヘッド制御部103は、プリントヘッドHを主走査方向に往復移動させるための駆動ベルト31を駆動させるとともに、各圧電素子に所定波形の電圧を供給することによってプリントヘッドHの制御を行うものである。また、切断制御部104は、ローラカッター41をペーパ幅方向に回転移動させるべく図示しない駆動モータの動作制御を行う。
前記通信インタフェース107は、受付ブロック100との間で情報の送受信を行うためのものである。
前記プリント制御部105は、受付ブロック100から通信インタフェース107を介して印刷用の画像データ及びオーダ情報を受信するとともに、該受信した画像データ及びオーダ情報に基づき、ペーパPに対して画像データの印刷を実現するための制御を行う。ここで、オーダ情報には、印刷を行うペーパPの大きさ等を特定するためのプリントチャンネル情報や、プリント枚数等を特定するためのプリントフォーム情報、印刷する画像データの順序を決める印刷順序情報等が含まれている。
−種類判断部における判断処理−
前記種類判断部108における判断処理は、図14に示すフローチャートの如く行われる。なお、この判断処理は、ロールペーパP2がロールペーパ収容部1にセットされて収容された後で且つ当該ロールペーパP2への最初の印刷前に行われるが、次の新たなロールペーパP2が収容されるまでは、該判断処理は行われない。
最初のステップS1で、ペーパ先端検出センサ97によりロールペーパP2の先端が検出されたか否かを判定する。このステップS1の判定がNOであるときには、ステップS1の動作を繰り返す一方、判定がYESになると、ステップS2に進んで、磁力検出器98により、ペーパ巻芯部14のスラスト移動規制部17に磁石20が有るか否かを判定する。つまり、ペーパ巻芯部14の1回転に相当する時間内に、磁力検出器98の出力電圧波形において前記三角状波形を検出したか否かを判定する。
前記ステップS2の判定がYESである場合、つまり磁石20が有る場合には、ステップS3に進んで、ロールペーパ収容部1に収容されたロールペーパP2のプリント面の面質が半光沢であると判断し、しかる後に当該判断処理を終了する。
一方、前記ステップS2の判定がNOである場合、つまり磁石20が無い場合には、ステップS4に進んで、ロールペーパ収容部1に収容されたロールペーパP2のプリント面の面質が光沢であると判断し、しかる後に当該判断処理を終了する。
前記判断処理の終了後に、ヘッド制御部103によりプリントヘッドHが制御されて印刷が行われる。このとき、オペレータにより設定された幅寸法に対応してプリントヘッドHが制御されるとともに、画像データと、種類判断部108により判断された種類(光沢又は半光沢)とに応じて、プリントヘッドHのヘッドユニット38よりインクが吐出される。
ここで、磁力検出器98によりロールペーパP2のプリント面の面質を判断するに先だって、ペーパ先端検出センサ97によりロールペーパP2の先端を検出して、該先端を検出した場合に面質を判断するようにしているのは、ロールペーパP2がロールペーパ収容部1に実際に収容されていない場合、磁石20が無いと判断する可能性があり、このような誤判断を防止して磁石20が無いことを正確に判断するためである。すなわち、ペーパ先端検出センサ97によりロールペーパP2の先端が検出された場合には、ロールペーパP2がロールペーパ収容部1に収容されているはずであり、その先端検出からペーパ巻芯部14の1回転に相当する時間が経過しても、前記三角状波形を検出できない場合には、磁石20が無いと判断することができる。
したがって、本実施形態では、磁力検出器98の検出結果に応じてロールペーパP2の種類(光沢又は半光沢)を判断するようにしたので、プリント面の面質が半光沢であるロールペーパP2のペーパ巻芯部14のスラスト移動規制部17に磁石20を貼り付けるとともに、そのスラスト移動規制部17に対応する、ロールペーパ収容部1の外側の位置に磁力検出器98を配設するという簡単な構成で且つ低コストで、オペレータが判断することが困難な面質を自動で設定できるようになる。しかも、区画壁11に、磁力検出用の孔を開けずに磁石20の磁力を検出することができるので、磁力検出器98をロールペーパ収容部1の外側に配設しても、ロールペーパ収容部1内を密閉状にして適切な湿度に維持することができる。
本発明の構成は、前記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。
例えば、前記実施形態では、ロールペーパP2として、そのプリント面の面質が光沢であるものと半光沢であるものとの2種類を使用することとして、その種類を、ロールペーパP2のペーパ巻芯部14における磁石20の有無で区別するようにしたが、プリント面の面質が3種類以上(例えば光沢、半光沢、マット等)である場合には、その種類を磁石20の有無と、設置する磁石20の数とで区別するようにすればよい。
具体的には、3以上の種類のうちの1種類については、前記実施形態と同様に、磁石20を1つも設置しないが、残りの複数の種類については、設置する磁石20の数を互いに異ならせる。この場合、磁石20を前記実施形態と同様にスラスト移動規制部17の外周部17bに貼り付けるとともに、複数の磁石20を貼り付ける場合には、外周部17bにおいて例えば周方向に等間隔になるように貼り付ける(間隔が不均一であってもよい)。そして、前記実施形態と同様に、ペーパ巻芯部14がロールペーパP2の搬送に連動して回転するように、ロールペーパP2をペーパ巻芯部14に密着状態で巻いておくとともに、磁石20及び磁力検出器98を、ペーパ巻芯部14の回転に伴って該磁石20が該磁力検出器98に対して接近及び離間を繰り返すように配設し、種類判断部108が、前記搬送機構によるロールペーパP2の搬送中に、磁力検出器98の出力電圧の波形形状に基づいて、ロールペーパP2の種類を判断するようにする(ロールペーパP2の搬送中において、前記実施形態の如く、ペーパ先端検出センサ97によりロールペーパP2の先端が検出された場合に、ロールペーパP2の種類を判断するようにしてもよい)。すなわち、設置する磁石20の数が例えば1である場合には、磁力検出器98の出力電圧の波形形状は、前記実施形態と同様に、ペーパ巻芯部14が1回転する間に三角状波形が1回出現するような波形形状(図12参照)になるが、磁石20の数が例えば2である場合には、図15に示すように、ペーパ巻芯部14が1回転する間に三角状波形が2回出現するような波形形状になり、このような波形形状の相違により、ロールペーパP2の面質を判断することができるようになる。
また、前記実施形態のように磁石20を設置する種類のものが1種類しかない場合(つまり、ロールペーパP2の種類が全部で2種類であり、その種類を、ロールペーパP2のペーパ巻芯部14における磁石20の有無で区別する場合)には、その磁石20を、スラスト移動規制部17の中心部17aに設置したり、中心部17aの周囲に沿ってリング状に設置したりするようにしてもよい。そして、磁力検出器98を中心部17aに対向するように配置する。この磁力検出器98からは、ペーパ巻芯部14が回転するかしないかに拘わらず、一定電圧が出力されるが、磁石20が設置されたロールペーパP2が収容されたときには、磁石20が設置されていないロールペーパP2が収容されたときよりも出力電圧が大きくなり、このことで、ロールペーパP2の面質を判断することができるようになる。
また、前記実施形態では、オペレータが区別するのが難しい面質を自動で設定するようにしたが、幅寸法を自動で設定するようにしてもよく、幅寸法及び面質の両方を自動で設定するようにしてもよい。或いは、幅寸法及び面質以外のロールペーパP2の種類(例えば、ロールペーパP2を製造するメーカの相違による種類)を自動で設定するようにしてもよい。
さらに、前記実施形態では、ペーパ先端検出センサ97によりロールペーパP2の先端が検出された場合に、磁力検出器98による検出結果に応じてロールペーパP2の種類を判断するようにしたが、これに限らず、例えば、ロールペーパ収容部1に収容されているロールペーパP2を検知するセンサを設けて、このセンサによりロールペーパP2を検知した場合に、ロールペーパP2の種類を判断するようにしてもよい。或いは、オペレータが、ロールペーパP2をロールペーパ収容部1に収容した後に操作するようにしたスイッチ等が操作された場合に、ロールペーパP2の種類を判断するようにしてもよい。
また、本発明は、前記実施形態で説明したインクジェットプリンタに限らず、ペーパ収容部に収容されたロール状のペーパを該ペーパ収容部から引き出してプリント部へ搬送するようにしたプリンタであれば、どのようなものにも適用することができる。
本発明は、写真プリントシステム等に用いられるプリンタのように、幅寸法や面質等が異なる複数種類のロール状のペーパをペーパ収容部に収容可能にしたプリンタ(特にインクジェットプリンタ)に有用である。
本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタの外観を示す斜視図である。 インクジェットプリンタの筐体内部の構成を示す斜視図である。 インクジェットプリンタの筐体内部の構成を示す平面図である。 インクジェットプリンタの筐体内部の構成を示す正面図である。 インクジェットプリンタの筐体内部の構成を示す左側面図である。 インクジェットプリンタの筐体内部の構成を示す背面図である。 プリントペーパの搬送経路を示す、筐体左側から見た概略図である。 乾燥ユニットの構成を示す、筐体左側から見た断面図である。 ロールペーパ収容部に収容されるロールペーパを示す斜視図である。 区画壁の筐体右側部の要部を示す斜視図である。 区画壁の筐体右側部の要部を示す、筐体右側から見た側面図である。 磁力検出器からの出力波形の例を示す波形図である。 インクジェットプリンタの制御系を示すブロック図である。 種類判断部における判断処理の動作を示すフローチャートである。 ロールペーパのペーパ巻芯部に設置された磁石の数が2である場合の、磁力検出器からの出力波形を示す図である。
符号の説明
A インクジェットプリンタ
H プリントヘッド
P1 シートペーパ
P2 ロールペーパ
1 ロールペーパ収容部
2 プリント部
11d ペーパ巻芯保持部
14 ペーパ巻芯部
20 磁石
97 ペーパ先端検出センサ(ペーパ先端検出手段)
98 磁力検出器
108 種類判断部

Claims (4)

  1. ペーパ巻芯部を有するロール状のペーパが収容されるペーパ収容部と、該ペーパ収容部に収容されたペーパを該ペーパ収容部から引き出して搬送する搬送機構と、該搬送機構によりペーパ収容部から引き出されて搬送されてきたペーパに対し印刷を行うプリント部とを備えたプリンタであって、
    前記ペーパ収容部に収容されるペーパには、該ペーパの種類に応じて、前記ペーパ巻芯部の端部に磁石が設置されたものと、磁石が設置されていないものとが存在し、
    前記ペーパ収容部に収容されたペーパのペーパ巻芯部の端部に対応する位置に配設され、該ペーパ巻芯部における磁石の磁力を検出する磁力検出器と、
    前記磁力検出器による検出結果に応じて前記ペーパの種類を判断する種類判断部とを備えていることを特徴とするプリンタ。
  2. 請求項1記載のプリンタにおいて、
    前記ペーパ収容部は、前記ペーパ巻芯部を保持するペーパ巻芯保持部を有し、
    前記磁力検出器は、前記ペーパ巻芯保持部の近傍におけるペーパ収容部外側に設置されていることを特徴とするプリンタ。
  3. 請求項1又は2記載のプリンタにおいて、
    前記搬送機構によるペーパの搬送経路上に配設され、該搬送機構により該ペーパ収容部から引き出されたペーパの先端を検出するペーパ先端検出手段を更に備え、
    前記種類判断部は、前記ペーパ先端検出手段により前記ペーパの先端が検出された場合に、前記磁力検出器による検出結果に応じて前記ペーパの種類を判断するように構成されていることを特徴とするプリンタ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のプリンタにおいて、
    前記ペーパのペーパ巻芯部の端部に設置される磁石の数が、該ペーパの種類に応じて異なっており、
    前記ペーパ巻芯部は、前記搬送機構によるペーパの搬送に連動して回転するように構成され、
    前記磁石及び前記磁力検出器は、前記ペーパ巻芯部の回転に伴って該磁石が該磁力検出器に対して接近及び離間を繰り返すように配設され、
    前記磁力検出器は、前記磁石の接近及び離間に応じて信号を出力するものであり、
    前記種類判断部は、前記搬送機構によるペーパの搬送中に、前記磁力検出器より出力される信号の波形形状に基づいて、前記ペーパの種類を判断するように構成されていることを特徴とするプリンタ。
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