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JP2009273077A - 送信装置および方法、受信装置および方法、並びにプログラム - Google Patents

送信装置および方法、受信装置および方法、並びにプログラム Download PDF

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JP2009273077A JP2008124268A JP2008124268A JP2009273077A JP 2009273077 A JP2009273077 A JP 2009273077A JP 2008124268 A JP2008124268 A JP 2008124268A JP 2008124268 A JP2008124268 A JP 2008124268A JP 2009273077 A JP2009273077 A JP 2009273077A
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Abstract

【課題】ロバストな通信を行うことができるようにする。
【解決手段】搬送波決定部22は、送信処理部21においてベースバンド信号を復調するときに用いる搬送波のパターン(prtn0,prtn1)を、特定のシンボルの前後に送信されたシンボルの値に応じて特定のシンボルの信号値が表す波形に定常的な歪みが生じる伝送路の特性に応じて決定し、アンテナ23は、決定された搬送波のパターンを用いた変調により得られた変調信号を、伝送路を介して送信する。受信側においては、伝送路を介して送信されてくる変調信号が、伝送路の特性に応じたサンプリング位置でビット判定され、ベースバンド信号に復調される。本発明は、定常的な劣化特性を持つ伝送路環境下において、通信を行う送信器と受信器に適用することができる。
【選択図】図11

Description

本発明は、送信装置および方法、受信装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、ロバストな通信を行うことができるようにした送信装置および方法、受信装置および方法、並びにプログラムに関する。
一般的な無線通信では、図1に示すように、無線通信の送信器側において、入力されたベースバンド信号は、任意の搬送波との乗算が行われ、それにより得られた無線信号(変調信号)により受信側に伝送される。
ここで、搬送波(キャリアともいう)とは、通信において、情報を乗せて伝送線路(有線通信)あるいは電波(無線通信)、一般的には、波動(光や音波等)で送るための信号のことで、変調が行われていない基準信号のことである。通常、搬送波の振幅、周波数、または位相を変化させることによって、様々な情報を伝送することが可能となる。
図2には、変調方式の代表的なものとして、図中左側には、ASK(Amplitude Shift Keying)変調の例が図示されており、ASK変調は振幅に情報を乗せる、すなわち振幅変調する方式である。また、図中中央のFSK(Frequency Shift Keying)変調は、周波数に情報を乗せる周波数変調方式を表し、図中右側のPSK(Phase Shift Keying)変調は、位相に情報を乗せる位相変調方式を表している。
なお、これらの変調方式以外にも、例えばQAM(Quadrature Amplitude Modulation)等のように、位相変調と振幅変調とを複合させた変調方式なども一般的によく使われている。
これらの変調方式により変調された無線信号は、受信側に伝送される。
図3に示すように、無線通信の受信器側においては、受信した無線信号(変調信号)に対して任意の搬送波との乗算が再度行われ、LPF(Low Pass Filter)によって低域成分が取り出されることで、送信された信号が再生される。ここで、かかる搬送波は、変調時に使用した搬送波に対して、周波数と位相が同期したものとなる。
近年では、周波数選択性歪みを受ける伝送路環境では、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重方式)などのマルチキャリア方式が一般によく用いられている。OFDMは、送るべき情報を複数の搬送波に分割して送信するマルチキャリア伝送方式の特別な方式である。なお、以下、それぞれのキャリアによる情報伝達チャネルを副搬送波と称して説明する。
ここで、OFDMの長所と短所を挙げると次のようになる。
[OFDMの長所]
(1)多数の副搬送波を使うため、マルチパス伝搬路における周波数選択性フェージングに強い。
(2)時間インターリーブに加えて周波数インターリーブも可能であり、誤り訂正の効果を有効に使用できる。
(3)シンボル周期が長く、さらに、ガードインターバル(GI)を設けることにより反射波による妨害を軽減できる。
(4)OFDMの各搬送波は、低ビットレート、狭帯域のディジタル変調波であるため、各サブチャネルのスペクトルが密に配置でき、周波数利用効率が高い。
(5)干渉が予想されるチャネルは、使用しないなど柔軟な情報伝達が可能である。
(6)各副搬送波の変調方式を変えるなどによって、情報の階層化が容易である。
[OFDMの短所]
(1)マルチキャリアのため、伝送路に非線形特性があると、相互変調による特性劣化が生ずる。
(2)多くのキャリアの直交性を保つために、送受信器が複雑になる。特に、伝搬路特性が変化しても信号再生が正確に行われるように、受信部に工夫を要する。
(3)シンボル同期が困難である。
(4)周波数オフセットによりキャリア間の特性が崩れ、特性が劣化する。
(5)多くのキャリアを使用することによって利点が発揮されるため、たとえ音声伝送でも多くのチャネルを多重した広い帯域幅を必要とする。
(6)高速なA/D(Analog/Digital)変換器を必要とする。
また、OFDMに関する技術としては、例えば、特許文献1が知られている。
特公昭60−13344号公報
しかしながら、周波数選択性の歪みを持つ伝送路環境の場合には、送信された無線信号が歪むため、特許文献1を含む従来の通信手法であると、通信ができないことがある。
具体的には、図4において、横軸の周波数と縦軸の透過特性(S21)との関係で表すように、伝送路歪みの少ない環境では、周波数選択性歪みの影響を受けていないため、送信された無線信号はほとんど歪んでいない。一方、図5に示すように、伝送路歪みの多い環境では、周波数選択性歪みの影響を受けるため、任意の周波数において、常に大きなノッチが顕著に現れている。
すなわち、図5に示すような周波数選択性の歪みを持つ伝送路環境の場合には、送信された無線信号が歪むため、従来の通信手法では、場合によっては通信ができなくなる恐れがある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、伝送路歪みの多い環境であっても、ロバストな通信を行うことができるようにするものである。
本発明の第1の側面の送信装置は、ベースバンド信号を変調する変調手段と、前記変調手段で前記ベースバンド信号を変調するときに用いる搬送波のパターンを、特定のシンボルの前後に送信されたシンボルの値に応じて前記特定のシンボルの信号値が表す波形に定常的な歪みが生じる伝送路の特性に応じて決定する決定手段と、決定された前記搬送波のパターンを用いた変調により得られた変調信号を、前記伝送路を介して送信する送信手段とを備える。
前記伝送路の特性は、既知信号を前記歪みの特性の学習の生徒となる生徒データとし、前記伝送路により劣化された前記既知信号を前記歪みの学習の教師となる教師データとして、最小自乗法を用いた学習により求められる。
前記搬送波のパターンは、前記学習により得られた伝送路の特性を用いて、全てのシンボルのパターンと搬送波のパターンにより受信波形を予測したときの符号間距離が最大となる符号0と符号1との組み合わせである。
前記搬送波のパターンは、特定のシンボルに対する、前記特定のシンボルの前に送信されたシンボルの影響の大きさに応じて決定される搬送波の信号数の範囲内で求められる。
本発明の第1の側面の送信方法は、ベースバンド信号を変調し、前記ベースバンド信号を変調するときに用いる搬送波のパターンを、特定のシンボルの前後に送信されたシンボルの値に応じて前記特定のシンボルの信号値が表す波形に定常的な歪みが生じる伝送路の特性に応じて決定し、決定された前記搬送波のパターンを用いた変調により得られた変調信号の、前記伝送路を介しての送信を制御するステップを含む。
本発明の第1の側面のプログラムは、上述した本発明の第1の側面の送信方法に対応するプログラムである。
本発明の第1の側面の送信装置および方法、並びにプログラムにおいては、ベースバンド信号が変調され、ベースバンド信号を変調するときに用いる搬送波のパターンが、特定のシンボルの前後に送信されたシンボルの値に応じて特定のシンボルの信号値が表す波形に定常的な歪みが生じる伝送路の特性に応じて決定され、決定された搬送波のパターンを用いた変調により得られた変調信号の、伝送路を介しての送信が制御される。
本発明の第2の側面の受信装置は、特定のシンボルの前後に送信されたシンボルの値に応じて前記特定のシンボルの信号値が表す波形に定常的な歪みが生じる伝送路を介して送信されてくる変調信号を受信する受信手段と、受信された前記変調信号を、前記伝送路の特性に応じたサンプリング位置でビット判定し、ベースバンド信号に復調する復調手段とを備える。
前記伝送路の特性は、既知信号を前記歪みの特性の学習の生徒となる生徒データとし、前記伝送路により劣化された前記既知信号を前記歪みの学習の教師となる教師データとして、最小自乗法を用いた学習により求められる。
前記サンプリング位置は、前記学習により得られた伝送路の特性を用いて、全てのシンボルのパターンと搬送波のパターンにより受信波形を予測したときの符号0と符号1との符号間距離が最大となる位置である。
本発明の第2の側面の受信方法は、特定のシンボルの前後に送信されたシンボルの値に応じて前記特定のシンボルの信号値が表す波形に定常的な歪みが生じる伝送路を介して送信されてくる変調信号の受信を制御し、受信された前記変調信号を、前記伝送路の特性に応じたサンプリング位置でビット判定し、ベースバンド信号に復調するステップを含む。
本発明の第2の側面のプログラムは、上述した本発明の第2の側面の受信方法に対応するプログラムである。
本発明の第2の側面の受信装置および方法、並びにプログラムにおいては、特定のシンボルの前後に送信されたシンボルの値に応じて特定のシンボルの信号値が表す波形に定常的な歪みが生じる伝送路を介して送信されてくる変調信号の受信が制御され、受信された変調信号が、伝送路の特性に応じたサンプリング位置でビット判定され、ベースバンド信号に復調される。
以上のように、本発明の第1の側面によれば、ロバストな通信を行うことができる。
本発明の第2の側面によれば、受信側の復調回路を簡易化することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
まず、図6ないし図10を参照して、本発明における通信品質のロバスト性を向上させる原理について説明する。
本発明は、無線を用いて信号伝送した場合に発生するマルチパスの特性が比較的定常性を持っている、例えば、筐体内の基板間/LSI(Large Scale Integration)間通信や、あるいは、固定端末間通信の通信、ビル間の通信、さらには家の中に設置されたデスクトップPC(Personal Computer)と無線LAN(Local Area Network)のAP(Access Point)間の通信などで使用できる。そこで、本実施の形態においては、ある装置の筐体内で行われる基板間/LSI間通信を一例にして説明する。
図6は、受信器側で受信される受信波形の伝送ビットパターンによる変化の様子を示す図である。
図6において、横軸は時間軸を表しており、時間の方向は図中左から右に向かう方向とされている。また、縦軸は受信波形の振幅値を表しており、図中上方向または下方向にいくほど、振幅が大きくなることを意味する。
図6に示している受信波形は、着目している現在のビットよりも以前に伝送されたビットのパターンによって大きく変化する受信波形(1ビット分の時間)について重ねて表示したものである。
また、図6においては、現在ビットが0である場合において、現在ビットよりも時間的に前のビットとして、1ビット前のビットが0、2ビット前のビットが0、3ビット前のビットが0、4ビット前のビットが1となる場合の受信波形の形状を表している。
なお、本実施の形態においては、現在ビットないし4ビット前のパターンは、[4ビット前、3ビット前、2ビット前、1ビット前、現在ビット]のように表わす。例えば、図6の受信波形であれば、[1,0,0,0,0]のように表される。
一方、図7は、図6と同様に、受信波形の伝送ビットパターンによる変化の様子を表しているが、図7においては、現在ビットが0である場合において、現在ビットよりも時間的に前のビットとして、1ビット前のビットが1、2ビット前のビットが1、3ビット前のビットが1、4ビット前のビットが1となる場合の受信波形の形状が表されている。すなわち、図7の受信波形は、[1,1,1,1,0]となる。
このように、図6および図7の受信波形は、ともに符号0のビット区間について示したものであるが、着目している現在ビットよりも時間的に前のnビット分(図6および図7の例では4ビット)の反射波の影響によって、DCオフセット位置と波形形状などが大きく異なっていることが分かる。
これは、図8および図9に示すように、着目している現在ビットよりも前に伝送されたデータが、例えば筐体内の壁面や筐体内の他の基板等で反射され、遅れて現在ビットのデータに重畳することに起因している。
図8は、図6の受信波形で示した[1,0,0,0,0]の場合における、以前に伝送されたビットの現在ビットへの影響について示した図である。この場合、図中の矢印で示すように、ハッチングされた四角で表わす現在ビットに対し、時間的に前のビットである1ビット前ないし4ビット前のビットのデータが重畳している。
なお、図8においては、符号0は時間軸よりも下側の“−1”で表わされ、符号1は時間軸よりも上側の“1”により表わされている。従って、図8に示すような、[1,0,0,0,0]となる場合においては、現在ビット、1ビット前、2ビット前、3ビット前は、“−1”となり、4ビット前は“1”となる。
一方、図9は、図7の受信波形で示した[1,1,1,1,0]の場合における、以前に伝送されたビットの現在ビットへの影響について示した図である。この場合においても、図8に示した場合と同様に、ハッチングされた“−1”で表わす現在ビットに対し、“1”で表わす1ビット前ないし4ビット前のデータが重畳されている。
このように、着目している現在ビットよりも前に伝送されたビットが筐体内の壁面等で反射され、かかる現在ビットに重畳することで、受信波形が大きく異なっている。つまり、前のビットのパターンによって、受信波形が大きく異なることになる。
そこで、本発明においては、前後のビットパターンによる影響を少なくするために、劣悪な周波数選択性歪み環境下で無線通信を行う場合において、受信時に信号を再生したときに最もエラーの数が小さくなるような搬送波のパターンを選択する変調方式について提案する。なお、後のビットの影響についても考慮する理由については、後述する図21ないし図23で説明する。
かかる搬送波パターンは、図10に示すように、ベースバンド信号(BB信号)の符号1または符号0の信号を置き換えるためのパターンであって、符号1を表わす搬送波信号としてのptrn1と、符号0を表わす搬送波信号としてのptrn0とからなる。そして、本発明においては、受信器側の受信時において、符号1と符号0との符号間距離が最大となるような、ptrn1とptrn0の組み合わせを選択し、搬送波信号として送信するとともに、シンボル内の符号間距離が最大となるサンプリング位置でビット判定を行うことで、受信時に信号を再生したときのエラーの数を小さくしている。
そこで、本発明が適用される通信システムにおいては、かかる機能を実現するために、図11の送信器11と、図12の受信器12が設けられているのである。
すなわち、送信器11とは、本発明が適用される送信装置の一実施の形態である。かかる送信器11の構成例が、図11に示されている。
送信器11は、図11に示すように、送信処理部21、搬送波決定部22、およびアンテナ23を含むようにして構成される。
図11に示すように、送信器11において、入力されたベースバンド信号は、乗算器21Aによって搬送波(キャリア)と乗算され、アンテナ23によって無線信号(変調信号)として伝送される。ここで、かかる搬送波は、最適化された搬送波となる。
すなわち、搬送波決定部22は、受信器12により受信される無線信号の符号1と符号0との符号間距離が最大となるような、ptrn1とptrn0の組み合わせを決定し、最適化された搬送波として送信処理部21に供給する。すると、送信処理部21においては、乗算器21Aによって、入力されたベースバンド信号と、最適化された搬送波とが乗算され、変調される。そして、アンテナ23によって、最適な搬送波による変調により得られた無線信号が、受信器12に送信される。
なお、符号1と符号0との符号間距離が最大となるptrn1とptrn0の組み合わせは、後述する学習によって求められる。
一方、受信器12は、本発明が適用される受信装置の一実施の形態である。かかる受信器12の構成の構成例が、図12に示されている。
受信器12は、図12に示すように、アンテナ24および受信処理部25を含むようにして構成される。
図12に示すように、受信器12においては、アンテナ24によって受信される送信器11からの無線信号(変調信号)からベースバンド信号を抽出するとき、データサンプリング部25Aによって、サンプリングが行われるが、かかるサンプリングの位置は、最適化されたサンプリング位置となる。
すなわち、データサンプリング部25Aは、最適サンプリング位置保持部25Bからの最適サンプリング位置によって指定される、シンボル中の符号間距離が最大となる箇所でビット判定を行う。そして、ビット判定を行うことで得られたベースバンド信号は、図示せぬ後段の回路に出力される。
なお、最適なサンプリング位置は、後述する学習によって求められる。
以上のようにして、送信器11と受信器12は構成される。
このように、本発明は、送信器11と受信器12からなる通信システムであると捉えると、送信器11における搬送波と、受信器12における復調回路の構成が、従来と比べて大きく変わることになる。
そして、送信側の送信器11に設定される最適な搬送波と、受信側の受信器12に設定される最適なサンプリング位置は、例えば、最小自乗法を利用した学習により得られる伝送路の特性を示す伝送路プロファイルを用いることで決定される。そこで、次に、かかる伝送路プロファイルの学習について説明する。
図13は、伝送路プロファイルの学習を行う学習装置の概略図である。
図13に示すように、学習装置31は、送信側としての、PRBSデータ保持部41およびアンテナ42、並びに、受信側としての、アンテナ43、伝送路学習部44、およびPRBSデータ保持部45を含むようにして構成される。なお、アンテナ42とアンテナ43との間は、無線による通信が行われる。
送信側においては、アンテナ42によって、PRBSデータ保持部41に保持されている受信側と同期したPRBS(Pseudo Random Bit Sequence:疑似乱数ビットシーケンス)データが、搬送波と同じ周波数で伝送される。すると、受信側では、アンテナ特性および伝送路歪みを受けたPRBSデータが、アンテナ43によって受信される。受信されたデータは、受信側のPRBSデータ保持部45からの生徒データと同期して、教師データとして、伝送路学習部44に入力される。
なお、この同期に関しては、教師データと生徒データのシンボル位置の大まかな同期がとれていればよいので、例えば、比較的連続して同じ信号が続く信号変化の低速な信号と、最低周波数となる搬送波のパターンが用いられる。
伝送路学習部44に入力され、伝送路特性の学習に利用されるデータは、例えば、図14に示すようになる。
図14において、横軸は時間軸を表しており、時間の方向は図中左から右に向かう方向とされている。また、縦軸は生徒データと教師データの振幅値を表しており、図中上方向または下方向にいくほど、振幅が大きくなることを意味する。
図14に示すように、教師データとしての受信データの波形と、生徒データとしての送信データの波形とを比べると、教師データは、伝送路の影響を受けて劣化し、生徒データよりも振幅が小さくなっている。
なお、図14においては、0,5,10,・・・,50であるサンプリング時間上に下向きの矢印が付されているが、これは、通常のビットタイミングを意味し、本実施の形態では、通常の1回で行われるサンプリングを、5回のサンプリングで行って、オーバーサンプリングしている。
図13に戻り、伝送路学習部44は、図14に示すような、生徒データと教師データとを用いて、例えば最小自乗法を利用した学習を行い、伝送路プロファイルを求める。
図15に示すように、伝送路学習部44は、行列足し込み部51、逆行列演算部52、伝送路プロファイル保持部53、および影響ビット数計算部54を含むようにして構成される。
伝送路学習部44においては、行列足し込み部51および逆行列演算部52によって、伝送路プロファイルが演算されるが、はじめに、図16を参照して、伝送路学習部44が学習に利用する最小自乗法の概念について説明する。
図16において、横軸は生徒データを表し、縦軸は教師データを表す。また、図16においては、対応付けられた生徒データと教師データにより表される7個の点が示されているとともに、この7個の点に対して、最も良く当てはまる直線が示されている。この直線は、予測値y'、生徒データx、係数a、および係数bを用いて、次の線形1次予測式で表される。
Figure 2009273077
式(1)により求められる予測値y'と、教師データyとの予測誤差eを、e=y−y'とすると、予測誤差の自乗誤差和Eは、式(2)で表される。
Figure 2009273077
但し、式(2)において、samplesとは、サンプル数を意味し、例えば、図16に示す例においては、サンプル数は7個である。
ここで、式(2)の自乗誤差和Eが最小になるように、係数aおよび係数bを求めるのが最小自乗法である。具体的には、式(2)に対して、次式に示すように、係数aおよび係数bそれぞれの偏微分値が0になるような演算を行う。
Figure 2009273077
Figure 2009273077
そして、式(3)および式(4)は1次式であるので、式(3)および式(4)より係数aおよび係数bを求めることができる。
伝送路学習部44は、このような最小自乗法を利用して、伝送路プロファイルを求める。
すなわち、学習装置31においては、例えば、[1,0,0,0,0]や[1,1,1,1,0]などのように、あらかじめ設定された値をとるビットの組み合わせからなる信号(以下、適宜、テストパターン信号という)を複数回送受信し、その結果得られた現在のビットの波形に統計的な処理を施すことで、現在のビットの前に送信された複数のビットの値に応じて、現在ビットの信号値が表す波形に生じる歪みの特性(伝送路プロファイル)を取得することができる。
次に、図17および図18を参照して、伝送路学習部44が学習に用いる教師データと生徒データについて説明する。
図17には、テストパターン信号[1,0,0,0,0]から得られる現在のビットの波形が示されており、図18には、テストパターン信号[1,1,1,1,0]から得られる現在のビットの波形が示されている。
図17および図18に示されているように、現在のビットの前に送信されたビットが遅延して伝送される影響がなければ、現在のビットの波形は直線(理想的な波形)となるが、例えば筐体内における無線通信を行って実際に受信した波形には歪みが生じている。
生徒データとしては、テストパターン信号[x0,x1,x2,x3,x4]の各ビットの値が用いられる。また、教師データとしては、テストパターン信号[x0,x1,x2,x3,x4]を、筐体内における無線通信を行って実際に受信して得られた現在の波形を、例えば、n点でサンプリングした値、[y0,y1,y2,・・・,yn]が用いられる。
そして、生徒データx0ないしx4から予測値y'を求めるための予測係数を、C0,0,C0,1,・・・,C0,4,C1,0,C1,1,・・・,Cn,4とすると、予測値y'を求める予測式は、式(5)で表される。
Figure 2009273077
ここで、予測係数Cの添字であって、カンマの左側の添字(0からn)は、予測係数が現在のビットの波形の位相位置(n点のサンプリング点)に対応していることを示しており、カンマの右側の添字(0から4)は、予測係数が生徒データx0ないしx4に対応していることを示している。
そして、式(5)により求められる位相位置nでの予測値yn'と、教師データynとの予測誤差enは、式(6)で表される。
Figure 2009273077
式(6)で求められた予測誤差enを、生徒データx0ないしx4に対して教師データynがサンプリングされた数だけ足し合わせた自乗誤差Enは、式(7)で表される。
Figure 2009273077
ここで、式(7)において、samplesとは、伝送路学習部44に入力された生徒データと教師データとの組数であり、例えば、図17および図18に示したように、テストパターン信号が5ビットの信号であって、現在のビットの波形がn点でサンプリングされたとすると、samplesは、5×nとなる。
そして、伝送路学習部44は、式(7)の自乗誤差和Enの予測係数Cn,iでの偏微分値が全て0になるような演算、すなわち、次式が成り立つように、予測係数Cn,iを解く演算を行う。
Figure 2009273077
また、式(8)を展開すると、次式が得られる。
Figure 2009273077
伝送路学習部44は、式(9)について、n=0ないしn、および、i=0ないし4の計5×n個の式が成り立つように、予測係数Cn,iを解く演算を行う。ここで、samplesをsとして、式(9)のn=0ないしnと、i=0ないし4との全てが表されるように、式(9)を行列式で表すと、式(9)は、次式のようになる。
Figure 2009273077
ここで、式(10)を、A・W=Bと表すとすると、行列Aおよび行列Bには、生徒データと教師データが代入されるので既知であり、予測係数Cn,iで表される行列Wが未知である。
伝送路学習部44は、入力される生徒データと教師データ(例えば、図14に示した生徒データと教師データ)を式(10)に代入し(足し込み)、例えば、掃き出し法などの一般的な行列解法を用いて行列Wを求めることで、予測係数Cn,i、すなわち、伝送路の特性を示す伝送路プロファイルを得ることができる。
以上のように、伝送路学習部44においては、生徒データと教師データを用いた学習が行われることで、伝送路プロファイルが求められるが、具体的には、例えば、次のようにして伝送路プロファイルが求められる。
すなわち、図15に示すように、伝送路学習部44において、行列足し込み部51は、教師データおよび生徒データを用いて、式(10)の行列式を求め、逆行列演算部52は、行列足し込み部51によって求められた式(10)の行列式を解いて、伝送路プロファイルを求める。そして、逆行列演算部52によって求められた伝送路プロファイルは、伝送路プロファイル保持部53に供給されて保持されるとともに、影響ビット数計算部54に供給される。
影響ビット数計算部54は、逆行列演算部52から供給される伝送路プロファイルにより示される伝送路の特性から、最適な搬送波パターンを選択する際に有効範囲として考慮する有効搬送波信号数NCを計算する。影響ビット数計算部54によって行われる、有効搬送波信号数NCを決定する処理の詳細については後述する。
なお、図示はしていないが、テストパターン信号を所定のクラスに分類するクラス分類を行う場合には、図示せぬクラス分類部によって、分類したクラスを表すクラスコードが生成され、そのクラスコードが伝送路学習部44に供給される。伝送路学習部44においては、式(10)は、ある1つのクラスについての式であるので、例えば、クラスがm個に分類されていれば、それぞれのクラスに応じてm個の行列式が用意されることになる。
また、学習装置31は、予測係数Cn,iの個数を満たし、なおかつ、十分なサンプル数の学習対(対応する教師データと生徒データ)を用いて演算することにより、予測係数Cn,iを効果的に求めることができるが、学習対のデータが少なくても、行列Wを求めるにあたり、何かしらの拘束条件を用いることにより、予測係数Cn,iを求めることができる。
以上のようにして求めた伝送路プロファイルの例を図示すると、図19に示すようになる。
図19において、横軸はサンプリング時間を表し、縦軸は影響度を表しており、図中上にいくほど、値が大きくなることを意味する。また、図19においては、現在ビットに対する各相対位置ビットを各線種で表しており、図中右上の線種に示すように、1ビット後、現在ビット、1ビット前、2ビット前、3ビット前、4ビット前、および5ビット前の影響度を示す7つのグラフが示されている(1ビット後についても考慮する理由については後述する)。ここで、相対位置ビットとは、現在ビットに対し、何ビット前のデータであるか、あるいは何ビット後のデータであるかを示すものである。
図19においては、サンプリング時間は0ないし4を示しているので、各ビットごとに、5回ずつのサンプリングが行われていることを意味する。すなわち、例えば、図17の現在ビットと、図19の現在ビットとは対応しており、図19のサンプリング時間は、図17の現在のビットの波形が5点でサンプリングされたことを意味する。また、その他のビットについても、現在ビットと同様に5点でサンプリングされている。
そして、現在ビットの相対位置ごとの影響度の絶対値を図示すると、図20に示すようになる。すなわち、図20において、横軸は現在ビットの相対位置ビットを表しており、図中右から左に向かうほど、現在ビットから離れた位置のビットを表す。また、縦軸は影響度の絶対値を表しており、図中上にいくほど、値が大きくなることを意味する。
ここで、影響度の絶対値は、図19に示した影響度iに対して、式(11)を適用することで求められる。
Figure 2009273077
但し、式(11)において、iはサンプリング時間を意味し、例えば、図19のサンプリング時間が0ないし4である場合には、i=0ないし4が設定される。
図20において、各相対位置ビットごとの影響度の絶対値の大きさを比べると、受信データに対しては、3ビット前に伝送したデータの影響度が最も大きく、次いで、6ビット前に伝送したデータの影響度が大きいことがわかる。さらに、80ビット程度前のデータまで、受信データに対し、比較的大きな影響があることもわかる。この場合、図15の影響ビット数計算部54は、例えば、有効搬送波信号数NCとして、80ビットを設定する。
すなわち、影響ビット数計算部54は、逆行列演算部52から供給される伝送路プロファイルにより示される伝送路の特性対し、上記の式(11)を用いて影響度の絶対値を計算し、有効搬送波信号数NCを決定する。詳細は後述するが、有効搬送波信号数NCとしては、例えば、影響度の絶対値が所定の閾値を超える範囲までを有効範囲としたり、影響度の累積和が所定の閾値を超える範囲までを有効範囲としたりすることが可能である。
ところで、図19において、現在ビットより前のビットの他に、1ビット後のビットについて考慮する理由は次の通りである。
図21および図22は、送信データが(1,-1)の場合と、送信データが(1,1)の場合について、それぞれ、理想的なLPFを通したときの波形出力を示した図である。
図21および図22において、横軸は時間軸を表しており、時間の方向は図中左から右に向かう方向とされている。また、縦軸は各信号の振幅値を表しており、図中上方向または下方向にいくほど、振幅が大きくなることを意味する。なお、これらの軸の関係は、後述する図23においても同様とされている。
図21に示すように、送信データが(1,-1)である場合において、図中破線で示す受信信号は理想的なLPF(図中点線)を通っているため、その出力波形は、図中実線で示すように、振幅値として、まず、“1”をとり、その1ビット時間後に、“−1”をとる。
一方、図22に示すように、送信データが(1,1)である場合において、図中破線で示す受信信号の出力波形は、図中実線で示すように、振幅値として、まず、“1”をとり、その1ビット時間後に、“1”をとる。
これらの受信信号を比較すると、送信データの2ビットのうち、前のビットに着目した場合、後のビットのパターンによって、着目している前のビットの中の波形が大きく変化している。具体的には、図21において、着目しているビットが“1”である場合であって、その後のビットが“−1”であるときの受信信号の波形と、図22において、着目しているビットが“1”である場合であって、その後のビットが“1”であるときの受信信号の波形とを比べると、後のビットのパターンによって、着目している“1”であるビットの波形が変化している。
図23は、図21および図22で説明した2つの理想的なLPF出力だけにフォーカスして、波形の比較を行ったものである。すなわち、図23において、破線は、送信データが(1,-1)である場合の出力波形を示し、実線は、送信データが(1,1)である場合の出力波形を示している。
このように、本実施の形態においては、LPFによる影響を考慮して、着目しているビットの次のビットまでも学習に取り入れることで、より効果的に最適な搬送波パターン、および、サンプリング位置を算出することが可能となる。その場合、学習時には、伝送歪が付加された受信データ(教師データ)と、受信側で発生させたPRBSデータ(生徒データ)を、シフトレジスタに一度入れて遅延させ、それにより得られた1ビット後のデータを使って、かかる学習を行うようにすればよい。
次に、最適な搬送波パターンとサンプリング位置の選択方法について説明する。
本実施の形態においては、1シンボル(ベースバンドのデータ1ビット)の中に、8ビット分の搬送波パターンが入っている場合を一例にして説明する。つまり、この場合、例えば、ベースバンドの信号が250Mbpsである場合、搬送波の最高周波数は1GHzとなり、ベースバンドの信号が500Mbpsである場合、搬送波の最高周波数は2GHzとなり、ベースバンドの信号が1000Mbpsである場合、搬送波の最高周波数は4GHzという関係になる。最高周波数は、[1,0,1,0,1,0,1,0]または[0,1,0,1,0,1,0,1]のように、全てのビットで1と0とが切り替わる場合である。また、最低周波数は、[1,1,1,1,1,1,1,1]または[0,0,0,0,0,0,0,0]のように、全てのビットで直流表現になる場合である。
また、図20の例で説明したように、影響ビット数計算部54によって、例えば、有効搬送波信号数NCとして、80ビットが設定されている場合、これは、ベースバンド信号の速度に換算すると、10シンボルに相当する。
図24は、最適な搬送波パターンの組み合わせとサンプリング位置を抽出するための信号処理を行うパターン選択装置の構成の例を示した図である。
図24に示すように、パターン選択装置61は、符号パターン置き換え部71、畳み込み演算部72、伝送路プロファイル保持部73、符号間距離計算部74、および最適符号パターン選択部75を含むようにして構成される。なお、本実施の形態においては、パターン選択装置61は、図13の学習装置31の一部であると捉えることもできる。その場合、パターン選択装置61に対応する一処理部としてのパターン選択部は、学習装置31の内部に設けられ、伝送路プロファイル保持部73は、図15の伝送路プロファイル保持部53に相当することになる。
符号パターン置き換え部71は、入力されたベースバンド信号10シンボル分に対して、符号を、符号0に相当する搬送波パターンであるptrn0と、符号1に相当する搬送波パターンであるptrn1に置き換える。
具体的には、図25に示すように、符号パターン置き換え部71によって、“1”,“0”,“1”,“1”,“0”,“1”,・・・などの入力されるベースバンド信号1シンボルは、8ビットのptrn0またはptrn1に置き換えられ、搬送波信号として出力される。
このとき、ベースバンド信号1シンボルに対して、搬送波信号がNビットとなる関係である場合、2N×2Nのパターンを考慮する必要がある。なお、実際の計算時には、例えば、(ptrn0,ptrn1)=(00001111,11110000)と、(ptrn0,ptrn1)=(11110000,00001111)は、同じ結果になるので、計算を省略したり、ptrn0=ptrn1となるような同じパターンに関して計算を省くことで、演算量を減らすことが可能となる。
図24に戻り、入力されたベースバンド信号から、ptrn0,ptrn1に変換された信号は、畳み込み演算部72に入力される。畳み込み演算部72は、先に学習して求められた伝送路プロファイルを伝送路プロファイル保持部73から読み出し、伝送路プロファイルとptrn0,ptrn1に変換された信号を用いて、受信信号の波形予測を行う。
かかる演算時に使用するビットの範囲を模式化すると、図26に示すようになる。
図26において、図中の1つの四角は1キャリアビット(carrier bit)を表し、1シンボル(symbol)は、8キャリアビット(carrier#1ないしcarrier#8)からなる。すなわち、図26においては、シンボルはデータを意味し、キャリアは搬送波を意味している。
図26の例では、有効搬送波信号数NCは、搬送波の速度で80ビットに設定されている。すなわち、図26においては、演算時に使用されるビットの範囲である着目範囲は、現在シンボルにおける着目箇所を基準としたときに80ビット前から1ビット後までの範囲となる。
例えば、図26の最上段のビット列で示すように、現在シンボルにおいて、キャリア#1が着目箇所(図中のハッチングを施した四角)であるとき、着目範囲は、10シンボル前のキャリア#1から現在シンボルのキャリア#2までの範囲となる。なお、着目範囲に1ビット後までを含める理由は、上述した通りである。
続いて、図26の上から2番目の段のビット列で示すように、現在シンボルにおいて、キャリア#1からキャリア#2に着目箇所が1キャリアビット分だけ右側に移ったとき、それに伴って、着目範囲も1キャリアビット分だけ右側に移動し、着目範囲は、10シンボル前のキャリア#2から現在シンボルのキャリア#3までの範囲となる。
その後、現在シンボルにおいて、着目箇所が順次1キャリアビット分ずつ右側に移ると、着目範囲は、それに応じて1キャリアビット分ずつ順次右側に移動する。そして、図26の最下段のビット列で示すように、現在シンボルにおいて、着目箇所がキャリア#8まで移ったとき、それに伴い、着目範囲は、9シンボルのキャリア#1から1シンボル後のキャリア#1までの範囲となる。
すなわち、畳み込み演算部72によって、式(12)が演算されることで、受信信号iが求められる。
Figure 2009273077
但し、式(12)において、iは求める搬送波信号の位置、jは有効搬送波信号数NCをそれぞれ意味している。例えば、図26においては、iは、0ないし7となり、jは、-80ビットから+1ビットとなる。
図27および図28は、式(12)により求められた受信信号の一例を示す図である。
図27および図28において、横軸は時間軸を表しており、時間の方向は図中左から右に向かう方向とされている。また、縦軸は信号値を表しており、図中上方向にいくほど、その値が大きくなることを意味する。
図27は、前10シンボルが全て0である場合の現在シンボルの受信波形を表しており、図中の実線がptrn0についての受信波形を示し、図中の破線がptrn1についての受信波形を示している。すなわち、図27は、前10シンボルが全て0である場合における、現在シンボルの符号0(ptrn0)と符号1(ptrn1)の波形を表している。
図27においては、1シンボル中に8ビット分の搬送波信号パターンが入っているので、1シンボル時間は8搬送波時間に相当する。また、1搬送波時間ごとに5回サンプリングを行っているので、図27においては、1シンボル時間あたり、40(5×8)個のサンプル位置で得られるデータが取得される。つまり、現在シンボルには40個のサンプルがあると言える。
一方、図28は、2シンボル前が1でそれ以外の前のシンボルが全て0だった場合の現在シンボルの受信波形を表しており、図27と同様に、図中の実線がptrn0についての受信波形を示し、図中の破線がptrn1についての受信波形を示している。すなわち、図28は、2シンボル前が1でそれ以外の前のシンボルが全て0である場合における、現在シンボルの符号0(ptrn0)と符号1(ptrn1)の波形を表している。
図24に戻り、畳み込み演算部72により求められた受信信号は、符号間距離計算部74に入力される。符号間距離計算部74は、畳み込み演算部72からの受信信号を用いて、各符号間の距離を計算する。かかる符号間距離は、例えば、式(13)または式(14)などにより求められる。
Figure 2009273077
Figure 2009273077
但し、式(13)および式(14)において、添字のiは、シンボル内のサンプリング位置を意味する。
符号間距離計算部74による、式(13)または式(14)の演算結果は、図27および図28の同一サンプリング時間におけるptrn0とptrn1との間の矢印で示すように、ptrn0とptrn1との差分となる。そして、符号間距離計算部74は、全サンプルについて、ptrn0とptrn1との差分を演算し、取得する。
なお、図27の波形と、図28の波形とを比べた場合、図28の波形のほうが、ptrn0とptrn1とが逆位相になっているため、符号間距離が大きくなる。
そして、符号間距離計算部74は、全ベースバンド信号パターンにおける符号間距離を取得し、例えば、式(15)または式(16)を演算することで、符号間距離を足し込んだものを評価値として求める。
Figure 2009273077
Figure 2009273077
図29および図30は、評価値の一例を示す図である。
図29および図30において、横軸は時間軸を表しており、時間の方向は図中左から右に向かう方向とされている。また、縦軸は評価値、すなわち、全ベースバンド信号パターンにおける符号間距離を足し込んだ値を表しており、図中上方向にいくほど、その値が大きくなることを意味する。
図29は、(ptrn0,ptrn1)=(01010101,10101010)を、全てのシンボルパターンに対して試して得られる符号間距離を足し込んだ評価値の例を示している。一方、図30は、(ptrn0,ptrn1)=(01010101,10100101)を、全てのシンボルパターンに対して試して得られる符号間距離を足し込んだ評価値の例を示している。
図24に戻り、符号間距離計算部74によって、演算された評価値(例えば図29および図30の評価値)は、最適符号パターン選択部75に入力される。
最適符号パターン選択部75は、符号間距離計算部74からの評価値に対し、例えば、シンボル中の全位相の符号間距離を足し合わせたものや、シンボル中の符号間距離のうちの距離最大となるものなどの規範において、最適なptrn0とptrn1との組み合わせを選択し、出力する。
例えば、図29または図30において、シンボル中の全位相の符号間距離を足し合わせる場合、最適符号パターン選択部75は、時間方向に積分をとればよい。また、シンボル中の符号間距離のうちの距離最大となるものを選択する場合、例えば、図29においては、1シンボル時間、40サンプルのうち、38サンプル目で評価値が最大となり、図30においては、40サンプルのうち、22サンプル目で評価値が最大となるが、この場合、図29の38サンプル目の評価値は、図30の22サンプル目の評価値よりも大きくなるので、最適符号パターン選択部75は、図29の組み合わせを選択する。
そして、最適符号パターン選択部75によって選択された最適なptrn0とptrn1との組み合わせ(例えば、図29の(ptrn0,ptrn1)=(01010101,10101010))は、搬送波パターンとして、送信側の送信器11にセットされる。
一方、受信側の受信器12においては、シンボル中の符号間距離のうち、距離最大となる箇所でビット判定を行うことで、同期回路やLPFなどを用意しなくても、無線周波数帯から直接ベースバンド信号を取得することができる。すなわち、受信器12には、符号間距離が最大となる位置を示す、例えば、図29に示すような、40サンプルのうちの38サンプル目などの最適なサンプル位置がセットされる。
例えば、図29では、0ないし39の40サンプルのうち、38サンプル目が評価値最大となるので、受信器12においては、この38サンプル目でビット判定を行うことによって、符号1と符号0の判定をロバストに行うことができる。
因みに、従来の手法であると、40サンプルのうちの真ん中である、20サンプル目を常にサンプル位置としているため、この位置でサンプリングを行っても、ロバストなビット判定を行うことは期待できない。
以上のように、本発明によれば、全てのビットパターンで伝送路特性を学習するので、最適な搬送波パターンを選択することができる。
そして、最適な搬送波パターンを選択することで、周波数選択性のある歪みなどの影響を低減することが可能になるとともに、最適な搬送波パターンを選択する際に使用する評価値からシンボルを決定するタイミングも同時に最適化される。
なお、送信側に、最適な搬送波パターンをセットし、受信側に、最適なサンプル位置をセットするための学習を実行するタイミングであるが、例えば、送信器11および受信器12の電源オン時や、それらの機器の工場出荷時などに行われる。また、例えば筐体内の基板間の通信においては、各基板毎に、最適な搬送波パターンとサンプリング位置が求められる。
次に、上述した、送信器11、受信器12、学習装置31、および、パターン選択装置61のそれぞれにおいて行われる処理について説明する。
はじめに、図31のフローチャートを参照して、図11の送信器11による送信処理について説明する。
なお、図31においては、送信器11には、パターン選択装置61によって、あらかじめ最適な搬送波パターンがセットされている(後述する図33のステップS43の処理)ものとして説明する。
ステップS11において、搬送波決定部22は、パターン選択装置61によってセットされた搬送波パターンから最適な搬送波を決定し、送信処理部21に供給する。
ステップS12において、送信処理部21は、送信処理として、入力されるベースバンド信号を、搬送波決定部22からの最適化された搬送波と乗算して変調する。送信処理部21は、変調により得られた無線信号をアンテナ23に供給する。そして、アンテナ23は、ステップS13において、送信処理部21からの無線信号を、受信器12に伝送する。
以上のようにして、送信器11によって、ベースバンド信号を変調した無線信号を、受信器12に送信する送信処理が行われる。
次に、図32のフローチャートを参照して、図12の受信器12による受信処理について説明する。
なお、図32においては、受信器12には、パターン選択装置61によって、あらかじめ最適なサンプル位置が、最適サンプリング位置保持部25Bに設定されている(後述する図33のステップS44の処理)ものとして説明する。
ステップS21において、アンテナ24は、送信器11から送信されてくる無線信号を受信し、受信処理部25に供給する。
ステップS22において、受信処理部25は、受信処理として、アンテナ24から供給される無線信号に対し、最適サンプリング位置によって指定される符号間距離が最大となる箇所でビット判定を行って、ベースバンド信号に復調する。
ステップS23において、受信処理部25は、復調により得られたベースバンド信号を、後段の回路(図示せず)に出力する。
以上のようにして、受信器12によって、受信器11から受信した無線信号を、ベースバンド信号に復調する受信処理が行われる。
次に、図33のフローチャートを参照して、図13の学習装置と、図24のパターン選択装置61によって行われる最適搬送波パターン決定処理について説明する。
学習装置31において、伝送路学習部44は、ステップS31において、搬送波の速度でPRBSによる学習を行い、ステップS32において、伝送路プロファイルを生成する。生成された伝送路プロファイルは、伝送路プロファイル保持部53および伝送路プロファイル保持部73に保持される。
そして、影響ビット数計算部54は、ステップS33において、伝送路プロファイルにより示される伝送路の特性から、反射波の影響範囲を確認し、有効搬送波信号数NCを決定する。
ここで、ステップS33において決定される有効搬送波信号数NCの決定方法の詳細について、図34のフローチャートを参照して説明する。
影響ビット数計算部54は、ステップS51において、図20の現在ビットの相対位置の影響度の絶対値を制限するための閾値を設定し、ステップS52において、その閾値と、1ビット前の影響度の絶対値とを比較し、影響度が閾値を超えるか否かを判定する。
ステップS52において、影響度が閾値を超えると判定された場合、ステップS53において、影響ビット数計算部54は、搬送波信号数NCとして、閾値を超える影響度を有する現在ビットの相対位置を保持する。例えば、この場合には、搬送波信号数NCは1ビット前となる。
ステップS53において、影響ビット数計算部54は、最大ビット数まで終了したか否かを判定する。例えば、図20においては、最大ビット数は、-90(90ビット前)となるので、ステップS54において、最大ビット数まで終了していないと判定され、処理は、ステップS52に戻り、ステップS52ないしステップS54の処理が繰り返される。
すなわち、ステップS52ないしステップS54の処理が繰り返されることで、1ビット前から90ビット前までのそれぞれについて、影響度の絶対値が閾値を超えるか否かが判定され、閾値を超える現在ビットの相対位置が搬送波信号数NCとして保持される。そして、90ビット前まで影響度と閾値との判定処理が終了すると、処理は、ステップS55に進む。
ステップS55において、影響ビット数計算部54は、保持している搬送波信号数NCのなかから、例えば80ビットなど、現在ビットから最も離れた相対位置を、有効搬送波信号数NCとして決定し、有効搬送波信号数NC決定処理は終了する。
このように、有効搬送波信号数NCの決定方法としては、影響度の絶対値が所定の閾値を超える範囲までを有効範囲とする方法の他、例えば、影響度の累積和が所定の閾値を超える範囲までを有効範囲としたりすることもできる。そこで、次に、図35のフローチャートを参照して、影響度の累積和が所定の閾値を超える範囲までを有効範囲とする方法について説明する。
影響ビット数計算部54は、ステップS61において、図20の90ビット前などの最大ビット数までの全影響度のΣ(累積和)を取得し、ステップS62において、影響度の絶対値の累積和を制限するための閾値を設定する。
続いて、影響ビット数計算部54は、ステップS63において、影響度の累積和iの初期値として、現在ビットを設定し、ステップS64において、現在ビットの影響度の累積和(Σ)を取得する。そして、ステップS65において、影響ビット数計算部54は、現在ビットの影響度の累積和が閾値を超えるか否かを判定する。
ステップS65において、影響度の累積和が閾値を超えていないと判定された場合、影響ビット数計算部54は、ステップS66において、影響度の累積和iを1インクリメントして、ステップS64において、2ビット前の影響度の累積和を取得する。そして、再度、ステップS65において、2ビット前の影響度の累積和が閾値を超えるか判定する。
そして、ステップS65において、2ビット前の影響度の累積和が閾値を超えていないと判定された場合、影響度の累積和iが閾値を超えると判定されるまで、ステップS64ないしステップS66の処理が繰り返される。
すなわち、ステップS64ないしステップS66の処理が繰り返されることで、3ビット前、4ビット前、・・・の影響度の累積和が順次閾値と比較され、例えば、80ビット前の影響度の累積和が閾値を超えると判定された場合、ステップS67において、影響ビット数計算部54は、その80ビットを、有効搬送波信号数NCとして決定し、有効搬送波信号数NC決定処理は終了する。
以上のようにして、有効搬送波信号数NCは決定される。
図33のフローチャートに戻り、パターン選択装置61においては、符号パターン置き換え部71は、ステップS34において、符号0のパターン(ptrn0)と、符号1のパターン(ptrn1)を初期化する。
ステップS35において、畳み込み演算部72は、ベースバンドシンボルの初期化をし、例えば、式(12)を演算することで、図27または図28に示すような、特定のシンボルにおけるptrn0とptrn1の波形を求め、符号間距離計算部74に供給する。
ステップS36において、符号間距離計算部74は、畳み込み演算部72により求められた受信信号を用いて、例えば、式(13)または式(14)を演算することで、図27または図28に示すような、符号0(ptrn0)と符号1(ptrn1)との符号間距離を求める。
ステップS37において、畳み込み演算部72は、符号間距離の演算が全ベースバンドシンボルパターン終了したか否かを判定する。
ステップS37において、全ベースバンドシンボルパターン終了していないと判定された場合、ステップS38において、畳み込み演算部72は、ベースバンドシンボルパターンを変更し、処理は、ステップS36に戻る。そして、ステップS37において、全ベースバンドシンボルパターン終了したと判定されるまで、ステップS36ないしステップS38の処理が繰り返され、符号間距離計算部74によって、全ベースバンドシンボルパターン分の符号間距離が求められる。
ステップS39において、符号間距離計算部74は、例えば、式(15)または式(16)を演算することで、符号間距離を足し込んだものを求める。符号間距離計算部74は、例えば、図29または図30に示すような、全ベースバンドシンボル分から求められた符号0と符号1の符号間距離を足し込んだ距離和を保持する。
ステップS40において、符号パターン置き換え部71は、符号0(ptrn0)と符号1(ptrn1)の組み合わせが全パターン終了したか否かを判定する。
ステップS40において、符号0と符号1の組み合わせが全てのパターン終了していないと判定された場合、ステップS41において、符号パターン置き換え部71は、符号0と符号1の搬送波パターン(キャリアパターン)を変更する。
その後、処理は、ステップS35に戻り、上述した、ステップS35ないしステップS41の処理が繰り返される。すなわち、ステップS35ないしステップS41の処理が繰り返されることで、ptrn0とptrn1との組み合わせが順次変更され、全搬送波パターンに対する、全ベースバンドシンボルから求められた符号0と符号1の距離和が求められる。そして、符号間距離計算部74は、符号間距離を足し込んで求めた距離和を、評価値として最適符号パターン選択部75に供給する。
ステップS42において、最適符号パターン選択部75は、符号間距離計算部74から供給される評価値を用いて、所定の規範に従って、例えば、図29または図30に示すように、シンボル中の符号間距離のうちの距離最大となるptrn0とptrn1との組み合わせを、最適な符号0/符号1のパターンとして選択するとともに、評価値が最大となる位置を、最適なサンプル位置として選択して出力する。
そして、最適符号パターン選択部75によって、出力された最適な符号0/符号1のパターンは、ステップS43において、送信側の送信器11に、最適な搬送波パターンとしてセットされる。また、最適符号パターン選択部75によって、出力された最適なサンプル位置は、ステップS44において、受信側の受信器12にセットされ、最適搬送波パターン決定処理は終了する。
以上のようにして、学習装置31およびパターン選択装置61によって求められた最適な搬送波パターンとサンプリング位置が、送信器11および受信器12にそれぞれ設定される。
以上のように、本発明によれば、全てのビットパターンで伝送路特性の学習をするので、送信側において、伝送路の劣化に応じて適応的に最適な搬送波パターンを選択できる。その結果、伝送路歪みの多い環境であっても、周波数選択性のある歪みなどの影響を低減し、ロバストな無線通信を行うことが可能となる。
また、本発明によれば、最適な搬送波パターンを選択する際に使用する評価値からシンボルを決定するタイミングも同時に最適化することができる。さらに、無線周波数帯からベースバンド帯への変換回路が必要なくなるため、受信側の復調回路を簡易化することが可能となる。
さらに、本発明によれば、搬送波パターンによって多重化も可能となる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等に、プログラム記録媒体からインストールされる。
図36は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータの構成の例を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)111は、ROM(Read Only Memory)112、または記録部118に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)113には、CPU111が実行するプログラムやデータ等が適宜記憶される。これらのCPU111、ROM112、およびRAM113は、バス114により相互に接続されている。
CPU111にはまた、バス114を介して入出力インターフェース115が接続されている。入出力インターフェース115には、マイクロホン等よりなる入力部116、ディスプレイ、スピーカ等よりなる出力部117が接続されている。CPU111は、入力部116から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU111は、処理の結果を出力部117に出力する。
入出力インターフェース115に接続されている記録部118は、例えばハードディスクからなり、CPU111が実行するプログラムや各種のデータを記録する。通信部119は、インターネットやローカルエリアネットワーク等のネットワークを介して外部の装置と通信する。
また、通信部119を介してプログラムを取得し、記録部118に記録してもよい。
入出力インターフェース115に接続されているドライブ120は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等のリムーバブルメディア121が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータ等を取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記録部118に転送され、記録される。
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム記録媒体は、図36に示すように、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等よりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア121、または、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるROM112や、記録部118を構成するハードディスク等により構成される。プログラム記録媒体へのプログラムの格納は、必要に応じてルータ、モデム等のインターフェースである通信部119を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、ディジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
なお、本明細書において、記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
一般的な無線変調の構成を簡略化した図である。 一般的な無線変調の例を示した図である。 一般的な無線復調の構成を簡略化した図である。 伝送路歪みの少ない環境における伝送路特性の例を示す図である。 伝送路歪みの多い環境における伝送路特性の例を示す図である。 ビットパターンによって受信波形の形状が変化することを説明するための図である。 ビットパターンによって受信波形の形状が変化することを説明するための図である。 図6に対応するビットパターンによって受信波形の形状が変化するメカニズムを説明するための図である。 図7に対応するビットパターンによって受信波形の形状が変化するメカニズムを説明するための図である。 本発明におけるにおける通信品質のロバスト性を向上させる原理を説明するための図である。 本発明が適用される送信器の構成の概略図である。 本発明が適用される受信器の構成の概略図である。 学習装置の概略図である。 伝送路特性の学習に利用するデータの一例を示す図である。 伝送路学習部の詳細な構成例を示す図である。 学習に利用する最小自乗法の概念について説明するための図である。 学習に用いる教師データと生徒データを説明するための図である。 学習に用いる教師データと生徒データを説明するための図である。 伝送路プロファイルの例を示す図である。 影響するビット数の範囲の例を示す図である。 1ビット後のデータを使用する理由を説明するための図である。 1ビット後のデータを使用する理由を説明するための図である。 1ビット後のデータを使用する理由を説明するための図である。 パターン選択装置の構成例を示す図である。 符号パターン置き換え部で行われる処理の詳細について説明する図である。 搬送波信号とベースバンド信号との関係を示す図である。 符号0と符号1との距離(差分)の例を示す図である。 符号0と符号1との距離(差分)の例を示す図である。 符号間距離の例を示す図である。 符号間距離の例を示す図である。 送信処理を説明するフローチャートである。 受信処理を説明するフローチャートである。 最適搬送波パターン決定処理を説明するフローチャートである。 有効搬送波信号数NC決定処理を説明するフローチャートである。 有効搬送波信号数NC決定処理を説明するフローチャートである。 コンピュータの構成例を示すブロック図である。
符号の説明
11 送信器, 12 受信器,21 送信処理部,21A 乗算器,23 アンテナ,24 アンテナ,25 受信処理部,25A データサンプリング部,25B 最適サンプリング位置保持部, 31 学習装置, 41 PRBSデータ保持部, 42 アンテナ, 43 アンテナ, 44 伝送路学習部, 45 PRBSデータ保持部, 51 行列足し込み部, 52 逆行列演算部, 53 伝送路プロファイル保持部, 54 影響ビット数計算部, 61 パターン選択装置, 71 符号パターン置き換え部, 72 畳み込み演算部, 73 伝送路プロファイル保持部, 74 符号間距離計算部, 75 最適符号パターン選択部

Claims (11)

  1. ベースバンド信号を変調する変調手段と、
    前記変調手段で前記ベースバンド信号を変調するときに用いる搬送波のパターンを、特定のシンボルの前後に送信されたシンボルの値に応じて前記特定のシンボルの信号値が表す波形に定常的な歪みが生じる伝送路の特性に応じて決定する決定手段と、
    決定された前記搬送波のパターンを用いた変調により得られた変調信号を、前記伝送路を介して送信する送信手段と
    を備える送信装置。
  2. 前記伝送路の特性は、既知信号を前記歪みの特性の学習の生徒となる生徒データとし、前記伝送路により劣化された前記既知信号を前記歪みの学習の教師となる教師データとして、最小自乗法を用いた学習により求められる
    請求項1に記載の送信装置。
  3. 前記搬送波のパターンは、前記学習により得られた伝送路の特性を用いて、全てのシンボルのパターンと搬送波のパターンにより受信波形を予測したときの符号間距離が最大となる符号0と符号1との組み合わせである
    請求項2に記載の送信装置。
  4. 前記搬送波のパターンは、特定のシンボルに対する、前記特定のシンボルの前に送信されたシンボルの影響の大きさに応じて決定される搬送波の信号数の範囲内で求められる
    請求項3に記載の送信装置。
  5. ベースバンド信号を変調し、
    前記ベースバンド信号を変調するときに用いる搬送波のパターンを、特定のシンボルの前後に送信されたシンボルの値に応じて前記特定のシンボルの信号値が表す波形に定常的な歪みが生じる伝送路の特性に応じて決定し、
    決定された前記搬送波のパターンを用いた変調により得られた変調信号の、前記伝送路を介しての送信を制御する
    ステップを含む送信方法。
  6. ベースバンド信号を変調し、
    前記ベースバンド信号を変調するときに用いる搬送波のパターンを、特定のシンボルの前後に送信されたシンボルの値に応じて前記特定のシンボルの信号値が表す波形に定常的な歪みが生じる伝送路の特性に応じて決定し、
    決定された前記搬送波のパターンを用いた変調により得られた変調信号の、前記伝送路を介しての送信を制御する
    ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
  7. 特定のシンボルの前後に送信されたシンボルの値に応じて前記特定のシンボルの信号値が表す波形に定常的な歪みが生じる伝送路を介して送信されてくる変調信号を受信する受信手段と、
    受信された前記変調信号を、前記伝送路の特性に応じたサンプリング位置でビット判定し、ベースバンド信号に復調する復調手段と
    を備える受信装置。
  8. 前記伝送路の特性は、既知信号を前記歪みの特性の学習の生徒となる生徒データとし、前記伝送路により劣化された前記既知信号を前記歪みの学習の教師となる教師データとして、最小自乗法を用いた学習により求められる
    請求項7に記載の受信装置。
  9. 前記サンプリング位置は、前記学習により得られた伝送路の特性を用いて、全てのシンボルのパターンと搬送波のパターンにより受信波形を予測したときの符号0と符号1との符号間距離が最大となる位置である
    請求項8に記載の受信装置。
  10. 特定のシンボルの前後に送信されたシンボルの値に応じて前記特定のシンボルの信号値が表す波形に定常的な歪みが生じる伝送路を介して送信されてくる変調信号の受信を制御し、
    受信された前記変調信号を、前記伝送路の特性に応じたサンプリング位置でビット判定し、ベースバンド信号に復調する
    ステップを含む受信方法。
  11. 特定のシンボルの前後に送信されたシンボルの値に応じて前記特定のシンボルの信号値が表す波形に定常的な歪みが生じる伝送路を介して送信されてくる変調信号の受信を制御し、
    受信された前記変調信号を、前記伝送路の特性に応じたサンプリング位置でビット判定し、ベースバンド信号に復調する
    ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
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