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JP2009264445A - 軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機 - Google Patents

軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機 Download PDF

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JP2009264445A
JP2009264445A JP2008112622A JP2008112622A JP2009264445A JP 2009264445 A JP2009264445 A JP 2009264445A JP 2008112622 A JP2008112622 A JP 2008112622A JP 2008112622 A JP2008112622 A JP 2008112622A JP 2009264445 A JP2009264445 A JP 2009264445A
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Abstract

【課題】簡単な構成で低コストに入力軸と駆動モータの出力軸とを接合することができる軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機を提供すること。
【解決手段】入力軸15と一体の太陽ローラ15bと、ケーシング11に回転方向を固定された内ローラ13と、出力軸21と一体のキャリア16aに固設されたキャリアピン17に回転自在に支承された複数の遊星ローラ18とにより構成され、それぞれのローラ15b、13、18が予圧状態で外接及び内接されてなる遊星ローラ減速機10において、前記太陽ローラ15bの入力軸15に熱可塑性樹脂製軸継手22が一体成形してある軸継手付太陽ローラを備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽ローラと、ケーシングに回転方向を拘束された内ローラと、複数の遊星ローラと、それぞれのローラが予圧状態で外接及び内接されてなる遊星ローラ減速機に関し、特にモータの出力軸と遊星ローラ減速機の太陽ローラを兼ねた入力軸とをつなぐ軽量な軸継手を有する軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機に関する。
特許文献1に提案された従来の遊星ローラ減速機の入力軸とモータを結合する軸継手は、太陽ローラと一体に継手筒を形成し、該継手筒内においてモータ出力軸を外テーパーリングと内テーパーリングをそれぞれのテーパーとテーパーにおいて組み合わせ、両方のテーパーリングの端面を継手筒内で挟んで締め付けることによりモータ出力軸を太陽ローラに固定するようにした構成である。部品点数は少ないが高精度加工が要求される。
特許文献2に提案された従来の軸継手は、動力伝動軸に外嵌する円筒ボスに軸方向に対して直角な面に円筒を形成し、同円筒部に同じ巾の凹部と凸部を形成したプラスチック製軸継手であり、動力伝動軸には回り止め用の平面部、また、軸中心にねじ孔を設け、この軸に嵌め込んだ軸継手を伝動軸の軸中心に設けたねじ孔とボルトを用いて止めるようになっており、2つの動力伝動軸に上記の軸継手が向かい合わせに取付けられ、各円筒部の周面の凹部と凸部が噛み合わされて軸継手が構成されている。
特許文献3に提案された従来の軸継手は、携帯型の真空ポンプとモータを直結するものであり、被駆動側軸は角型であり、駆動軸は円筒形であり、円筒形ブロックを形成する軸継手は樹脂製とし、軸が入る孔はそれぞれの駆動軸、被駆動軸の形状に合わせてあり、また、モータ側の円筒形孔の内周に軸方向に延びる複数の突起が形成されモータ軸を圧入することにより回転方向、軸方向とも拘束される構成である。
特開平6−307512号公報(図1、図2) 特開平10−331860号公報(図3) 特開2006−220099号公報(図4、図6)
特許文献1に提示された従来の軸継手は、簡易な構成であるが、太陽ローラと一体の継手筒、モータ出力軸を固定する一対のテーパーリングともに、高精度の加工が必要であるのでコスト高となり、また、太陽ローラの組立て芯合わせをモータ取付け時に行うようにしているが、僅かでも芯がずれるようなことがあると、遊星ローラ機構の機能を損じる虞がある。
また、特許文献2に提案された従来の軸継手は、継手の円筒部に設けられた凹部と凸部を形成した一対のプラスチック製軸継手であり、2つの動力伝動軸に一対の軸継手が向かい合わせに取付けられ、周面の凹部と凸部が噛み合ってトルクが伝えられる軸継手であるので太陽ローラと結合したとき、太陽ローラは遊星ローラを構成する他のローラとの平行を保つため、ハウジングに固定した軸受で支えられることが必要であり、部品コストも組立てコストも高くなる。
また、特許文献3に提案された従来の樹脂製軸継手は、被駆動側軸は角型穴を、駆動側軸は円筒形の孔を形成しているが、角型の穴は寸法精度を高くすることは難しく,被駆動側の軸も特殊な形状となり一般的でない。特に太陽ローラ軸と一体の軸継手用としては不適と考えざるを得ない。
本発明は、簡単な構成で低コストに入力軸と駆動モータの出力軸とを接合することができる軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機を提供することを狙いとする。
上記の課題に対し、本発明は以下の各手段により解決を図る。
(1)第1の手段の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機は、入力軸と一体の太陽ローラと、ケーシングに回転方向を固定された内ローラと、出力軸と一体のキャリアに固設されたキャリアピンに回転自在に支承された複数の遊星ローラとにより構成され、それぞれのローラが予圧状態で外接及び内接されてなる遊星ローラ減速機において、前記太陽ローラの入力軸に駆動モータの出力軸と接合する熱可塑性樹脂製軸継手が一体成形してあることを特徴とする。
(2)第2の手段の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機は、上記(1)の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記軸継手付太陽ローラは、前記太陽ローラの入力軸を成形用金型に挿入装填して、前記入力軸のインサート成形軸部を駆動モータの出力軸と接合する熱可塑性樹脂製軸継手にインサート成形した構成であることを特徴とする。
(3)第3の手段の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機は、上記(2)の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸のインサート成形側を軸継手の内側端部から適宜寸法突き出して成形型閉時に金型に挿入し、太陽ローラと一体の軸継手成形時の正確な芯出しを可能にした構成であることを特徴とする。
(4)第4の手段の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機は、上記(2)又は(3)の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸のインサート成形軸部の表面を、サンドブラスト、銅メッキとサンドブラスト、銅模様メッキ、ケミカルミリング、金属材料のプラズマ蒸着のいずれかの粗面処理により摩擦係数を大きくしてインサート成形した構成であることを特徴とする。
(5)第5の手段の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機は、上記(2)又は(3)の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸のインサート成形軸部の表面に熱硬化性接着剤を塗布し、該接着剤が硬化後、サンドブラスト、条削り、溶解のいずれかにより粗面に加工した後、インサート成形した構成であることを特徴とする。
(6)第6の手段の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機は、上記(2)又は(3)の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸のインサート成形軸部の表面に成形温度に耐える耐熱性の粒子を混入した熱硬化性接着剤を塗布し、該接着剤が硬化後、インサート成形した構成であることを特徴とする。
(7)第7の手段の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機は、上記(1)の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸と一体成形する継手は筒形状とし、駆動モータの出力軸と接合する内筒面を等辺の多角形とし該多角形の角を含む円筒径は前記出力軸より大きく多角形の辺に接する円筒径は前記出力軸径より小さくして軸継手内に前記出力軸が圧入可能な寸法であることを特徴とする。
(8)第8の手段の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機は、上記(7)の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸と一体成形する筒形状継手の軸筒に該軸筒と同心の大径の筒と、該大径の筒と軸筒をつなぐ複数の放射状のリブとを一体に設けたことを特徴とする。
(9)第9の手段の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機は、上記(7)又は(8)の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、駆動モータの出力軸と接合時に、前記軸継手のモータ側の軸筒に加熱した弾性限度が締まり嵌に耐える材料製のリングを外嵌し、該リングが常温に冷却することにより前記軸継手をモータの出力軸に対し締まり嵌めとなる構成であることを特徴とする。
(10)第10の手段の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機は、上記(9)の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、駆動モータの出力軸と接合する側の軸継手の軸筒に複数の軸芯に平行な切れ目を設け、前記加熱した弾性限度が締まり嵌に耐える材料製のリングによるモータの出力軸の締まり嵌めを行なう構成であることを特徴とする。
(11)第11の手段の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機は、上記(7)の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸と一体成形する軸継手は前記入力軸とモータ出力軸を外嵌する薄肉筒と同心大径で同じ長さの薄肉筒と、この2つの薄肉筒をつなぐ軸心に直角に設けられたリング板形状のリブと、放射状に設けられた複数のリブとからなる肉抜き形状の筒体であることを特徴とする。
(12)第12の手段の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機は、上記(7)の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸と一体成形する軸継手は前記入力軸とモータ出力軸を外嵌する薄肉筒と同心大径でモータ出力軸側を短くした薄肉筒と、この2つの薄肉筒をつなぐ軸心に直角に設けられたリング板形状のリブと、放射状に設けられた複数のリブとからなる肉抜き形状の筒体としてモータ出力軸を外嵌する薄肉筒にモータ出力軸が圧入し易くしたことを特徴とする。
(13)第13の手段の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機は、上記(11)又は(12)の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸と一体成形する軸継手の薄肉筒をつなぐ軸心に直角に設けられたリング板形状のリブを2個設けて外の大径の筒を2分割した一対のリブ付筒を所定間隔に離し薄肉小径の筒でつないで柔軟性を持たせた軸継手としたことを特徴とする。
(14)第14の手段の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機は、上記(1)〜(13)のいずれか一の軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸と一体成形する軸継手の熱可塑性樹脂材料は、PET、PPS、LCP、PA、PC、POM、又はこれらの樹脂に硝子繊維と炭素繊維の少なくともいずれかを添加した強化樹脂であることを特徴とする。
請求項1に係わる軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機によれば、太陽ローラの入力軸に熱可塑性樹脂製軸継手を一体成形した軸継手付太陽ローラを備えているので、簡単な構成により入力軸と駆動モータの出力軸とを接合することができ、その結果、入力軸と駆動モータの出力軸との接合を低コストで行なうことができる。
また、請求項2に係わる軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機によれば、一体成形(インサート成形)方法により一体成形軸継手付の太陽ローラに成形されるので、部品数少なく、低コストである。
また、請求項3に係わる軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機によれば、太陽ローラと一体の軸継手とを正確に同心とすることができる。
また、請求項4〜6に係わる軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機によれば、太陽ローラの入力軸と樹脂製軸継手とを強固に接合することができる。
また、請求項7〜13に係わる軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機によれば、簡単な構成により充分なトルクを伝達することができる。
また、請求項14に係わる軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機によれば、太陽ローラ軸と一体成形する軸継手の熱可塑性樹脂材料は、強靭で耐熱性が高いエンジニアリングプラスチック、及び、強度増加用の添加物入りのエンジニアリングプラスチックを使用しているので信頼性、耐久性が充分である。
<第1の実施の形態>
この実施の形態の構成を図に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態に係わる遊星ローラ減速装置の側面断面図、図2は本発明の第1の実施の形態に係わる軸継手の側面断面図である。
図1において、遊星ローラ減速機10は、入力軸15と一体の太陽ローラ15bと、ケーシング11とケーシング蓋12によりリング板14、14を介して両側面を挟まれ複数のボルト19により締め付けて固定された内ローラ13と、出力軸16と一体のキャリア16aに固設されたキャリアピン17に回転自在に支承された複数の遊星ローラ18とにより構成され、それぞれのローラ15b、18,13が予圧状態で外接及び内接されている。遊星ローラ減速機10が小型の場合は、入力軸15に市販のニードルベアリング等に用いられるニードルを使用することができる。
遊星ローラ減速機10の作用を説明する。内ローラ13が固定され、遊星ローラ18が内ローラ13と太陽ローラ15bとに予圧状態で外接及び内接されて入力軸15が回転駆動すると、遊星ローラ18を支えているキャリア16aが回され、出力軸16が減速して駆動され、減速比=太陽ローラ15bの径÷(太陽ローラ15bの径 +内ローラ13の内径)となることは公知である。
遊星ローラ減速機10はケーシング11において,モータ20と直結し、モータ20の出力軸21は入力軸15に一体成形された熱可塑性樹脂製の軸継手24(22,23、25,26,28,29)に接合して入力軸15を回転し、遊星ローラ減速機10を駆動する。図1には入力軸15に一体成形された軸継手24(後述の第5の実施の形態の軸継手)を例として示している。
第1の実施の形態の軸継手は、図2に示す入力軸15と一体成形する筒形状の軸継手24である。入力軸15は図示しない熱可塑性樹脂成形用金型内にインサート・装填され、軸継手24が入力軸15と一体成形(インサート成形)される。この際、入力軸15のインサート成形側端部15cがインサート成形後に軸継手24の内側端部から適宜寸法突き出して成形されるが、金型型閉時に金型に挿入・装填し、入力軸15と軸継手24の正確な芯出しができるようにしている。なお、軸継手24の熱可塑性樹脂材料としては、エンジニアリングプラスチック、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、LCP(液晶ポリマー)、PA(ポリアミド)、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)、及び、これらの樹脂材料に硝子繊維、炭素繊維、又は硝子繊維と炭素繊維とからなる補強材を添加した強化樹脂を採用できる。
入力軸15と軸継手24をインサート成形する前に、入力ラ軸15の軸継手24がインサート接合されるインサート成形軸部15aの表面を、サンドブラスト、銅めっき後サンドブラスト、銅模様めっき(縦、横、縞模様等)、ケミカルミリング(縦、横、縞模様等)、金属材料のプラズマ蒸着、等により摩擦係数が大きくなる粗面処理をし、一体成形(インサート成形)することにより軸継手24と入力軸15のインサート成形軸部15aとの強固な接着が得られる。
または、入力軸15のインサート成形軸部15aの表面に熱硬化性接着剤を塗布し、該接着剤が硬化後、サンドブラスト、条削り(縦、横、縞模様等)、接着剤の部分的溶解等により粗面に加工して一体成形(インサート成形)する。或いは、インサート成形軸部15aの表面に成形温度に耐える耐熱性の粒子を混入した熱硬化性接着剤を塗布し、その接着剤が硬化後、一体成形(インサート成形)することによっても、軸継手24と入力軸部15aとの強固な接着が得られる。
図8に示した軸継手22は、後述する第5の実施の形態の軸継手22のモータ20の出力軸21と接合する内筒面22eの形状を正面図により示したものであるが、この形状は軸継手24にも適用できるものであるので、この図8を参考にして説明する。内筒面24eは多角形の形状であり(図8では八角形の場合を示す。)、その多角形の角の径は出力軸21の径より少し大きく、8個の内筒面24eのなす多角形の内接円は出力軸21の径より小さくして軸継手24内に出力軸21が圧入可能とし、この圧入による摩擦力により、出力軸21から軸継手24へモータ20の駆動トルクを伝えることができる。
また、上記の内筒面24eに代えて、軸継手24のモータ側内筒面に前記出力軸21が容易に挿入できる内径に複数の軸芯に平行な凸条を設け、該凸条の先端に接する円筒径は出力軸21の径より小さくして上記と同様に軸継手24内に圧入して、出力軸21から軸継手24へ駆動トルクを伝えるようにしても良い。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態を図に基づいて説明する。図3は第2の実施の形態に係わる軸継手の側面断面図である。この実施の形態において、軸継手25以外の部分は第1の実施の形態と同じ構成であり、軸継手25の作用も同じであるので軸継手以外の構成・作用については説明を省略する。
図3において、入力軸15が一体のインサート成形される軸継手25は、その軸筒25cに同心に設けた大径の筒25aと、大径の筒25aと軸筒25cをつなぐ複数の放射状のリブ25bとが一体となって成形される。入力軸15のインサート成形側端部15cは、金型型閉時に金型に挿入し、入力軸15が軸継手25に対して正確な芯出しができるようにしている。
入力軸15と軸継手25をインサート成形する前に、第1の実施の形態の軸継手24と同じように、入力軸15のインサート成形軸部15aの表面を摩擦係数が大きくなる粗面処理をして一体成形(インサート成形)することにより軸継手25とインサート成形軸部15aとの強固な接着を得ることができる。
軸継手25は、第1の実施の形態の軸継手24と同じように、モータ20の出力軸21と接合する内筒面25eの形状を多角形の形状として軸継手24内に出力軸21が圧入可能とし、この圧入による摩擦力により、出力軸21から軸継手25へモータ20の駆動トルクを伝えることができる。
軸継手25は、入力軸15のインサート成形軸部15aとインサート成形で一体となる軸筒25cを薄く軽量にすると同時に、剛性を大にして強固な接着を得ることを狙いとしている。また、モータ20の出力軸21側の継手筒部25dは単筒状で内筒面25eの形状を軸継手24と同様に多角形の形状として軸継手25内に出力軸21が圧入し易くしてある。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態を図に基づいて説明する。図4は第3の実施の形態に係わる軸継手の側面断面図である。この実施の形態において、軸継手26は第2の実施の形態と同じものを用いており、モータの出力軸側の継手筒部締め付け方法以外の部分は第2の実施の形態と同じ構成であるので、第2の実施の形態と同じ構成部分、同じ作用については説明を省略する。
モータ20の出力軸21と接合する継手筒部25dを出力軸21と接合するとき、加熱した弾性限度が大きく締まり嵌に耐える材料(例えばアルミニューム、エポキシ樹脂等)製のリング27を外嵌し、リング27が常温に冷却すれば、継手筒部25dはリング27により締め付けられて、モータ20の出力軸21に対し、第2の実施の形態の軸継手25の圧入固定より更に強固な焼き嵌めとなる、これ以外は第2の実施の形態の軸継手25と同じである。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態を図に基づいて説明する。図5は第4の実施の形態に係わる軸継手の側面断面図、図6は図5をB方向から見た正面図である。図5に示した軸継手28は大部分が第3の実施の形態の軸継手26と同じ形状を有している。即ち、軸継手28のモータ20の出力軸21と接合する継手筒部25dに、多角形の内筒面25eに代えて複数の軸芯に平行な切れ目25fが設けられた構造だけが異なっている。第3の実施の形態と同じ構成部分、同じ作用については説明を省略する。
図5に示すように、モータ20の出力軸21と接合する軸継手28の継手筒部25dの内径は出力軸21が容易に挿入できる径とし、継手筒部25dに等角度に複数の軸芯に平行な切れ目25fを設けてある。継手筒部25dを出力軸21と接合するとき、継手筒部25dに出力軸21を挿入し、継手筒部25dに加熱した弾性限度が大きく締まり嵌に耐える材料製のリング27を外嵌する。
リング27を常温に冷却すれば、継手筒部25dはリング27により締め付けられて、モータ20の出力軸21のトルクを軸継手28に伝えることができる。出力軸21の挿入が容易でリング27によるモータ20の出力軸21の締め付けが確実である。
<第5の実施の形態>
第5の実施の形態を図に基づいて説明する。図7は第5の実施の形態に係わる軸継手の側面断面図、図8は図7の軸継手をA方向から見た正面図である。第1の実施の形態と同じ構成部分、同じ作用については説明を省略する。
入力軸15と一体成形する軸継手22は、入力軸15を外嵌する薄肉の軸筒22fと、出力軸21を外嵌する薄肉の継手筒部22dと、軸筒22f及び継手筒部22dと同心大径で同じ長さの薄肉の筒22aと、この筒22aと継手筒部22dをつなぐ軸心に直角に設けられたリング板形状のリブ22gと、放射状に設けられた複数のリブ22b、22cとからなる肉抜き形状の軸継手22である(図1にはこの軸継手22が示してある)。
インサート成形側端部15cは、インサート成形の金型型閉時に金型に挿入し、入力軸15が軸継手22に対して正確な芯出しができるようにしている。インサート成形前に、第1の実施の形態の軸継手24と同じように、入力軸15のインサート成形軸部15aの表面を摩擦係数が大きくなる粗面処理をして一体成形(インサート成形)することにより軸継手22とインサート成形軸部15aとの強固な接着が得ることができる。
軸継手22は、第1の実施の形態の軸継手22と同じように、モータ20の出力軸21と接合する内筒面22eの形状を多角形の形状として軸継手22内に出力軸21が圧入可能とし、この圧入による摩擦力により、出力軸21から軸継手22へモータ20の駆動トルクを伝えることができる。
軸継手22は、入力軸15のインサート成形部分を薄く軽量にすると同時に、剛性を大にして強固な接着を得ることを狙いとしている。また、モータ20の出力軸21側は単筒状で内筒面25eの形状を多角形の形状として軸継手22内に出力軸21を圧入して固定するようにしている。
<第6の実施の形態>
第6の実施の形態を図に基づいて説明する。図9は第6の実施の形態に係わる軸継手23の側面断面図である。第6の実施の形態の軸継手23は第5の実施の形態の軸継手22の大径薄肉筒の長さをモータ側を縮めて短くしたものである。それ以外は第5の実施の形態の軸継手22全く同じ形状であるので、同じ構成部分、同じ作用については説明を省略する。
入力軸15とインサート成形により一体成形する軸継手23は、入力軸15を外嵌する薄肉の軸筒23aと出力軸21を外嵌する薄肉の継手筒部23eと、軸筒23aと継手筒部23eとを加えた長さよりモータ20側が短い大径の薄肉の筒23dと、この筒23dと継手筒部23eをつなぐ軸心に直角に設けられたリング板形状のリブ23gと、放射状に設けられた複数のリブ23b、23cとからなる肉抜き形状の軸継手23である。
大径薄肉の筒23dはモータ20の出力軸21側を短くし放射状のリブ23cも同様に短くして薄肉の継手筒部23eの端部の剛性を減少させているので、内筒面23fに出力軸21が圧入し易くなっている。
<第7の実施の形態>
第7の実施の形態を図に基づいて説明する。図10は第7の実施の形態に係わる軸継手の側面断面図である。第7の実施の形態の軸継手29は、第5の実施の形態の軸継手22を軸心に直角のリング形状のリブ22gの軸直角面において分割し小径の薄肉筒でつないだものであり、第5の実施の形態と同じ構成部分、同じ作用については説明を省略する。
入力軸15とインサート成形により一体成形する軸継手29は、入力軸15を外嵌する薄肉の軸筒28cと、大径薄肉の筒28aと軸筒28cをつなぐリング板形状のリブ28dと、放射状の複数のリブ28bと、出力軸21を外嵌する薄肉の継手筒部28fと、大径薄肉の筒28eと、継手筒部28fと筒28eをつなぐ軸心に直角のリング板形状のリブ28iと、放射状の複数のリブ28jと、軸筒28cと継手筒部28fとをつなぐ薄肉小径の筒28hと、内筒面28gとからなる肉抜き形状の軸継手29である。
軸継手29の薄肉の筒部28cと薄肉の継手筒部28fを一定間隔aに離し、薄肉小径の筒28hでつないで軸継手29に柔軟性を持たせ、出力軸21回りの軸受〔図示略〕や入力軸15の芯出しに余裕を持たせて周辺の機能部品に無理がかからないようにしたものである。
本発明の実施の形態に係わる遊星ローラ減速装置の側面断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係わる軸継手の側面断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係わる軸継手の側面断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係わる軸継手の側面断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係わる軸継手の側面断面図である。 図5の軸継手をB方向から見た正面図である。 本発明の第5の実施の形態に係わる軸継手の側面断面図である。 図7の軸継手をA方向から見た正面図である。 本発明の第6の実施の形態に係わる軸継手の側面断面図である。 本発明の第7の実施の形態に係わる軸継手の側面断面図である。
符号の説明
10 遊星ローラ減速機
11 ケーシング
12 ケーシング蓋
13 内ローラ
15 入力軸
15a インサート成形軸部
15b 太陽ローラ
15c インサート成形側端部
16 出力軸
16a キャリア
18 遊星ローラ
20 モータ
21 出力軸
22,23,24,25,26,28,29 軸継手
22b,22c,23b,23c,25b,28b,28j リブ(放射状)
22e,23f,24e,25e,28f 内筒面
22g,23g,28d,28i リブ(リング板形状)
23d,28a,28e 筒
25 切れ目
27 リング

Claims (14)

  1. 入力軸と一体の太陽ローラと、ケーシングに回転方向を固定された内ローラと、出力軸と一体のキャリアに固設されたキャリアピンに回転自在に支承された複数の遊星ローラとにより構成され、それぞれのローラが予圧状態で外接及び内接されてなる遊星ローラ減速機において、前記太陽ローラの入力軸に駆動モータの出力軸と接合する熱可塑性樹脂製軸継手が一体成形してあることを特徴とする軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機。
  2. 請求項1に記載する軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記軸継手付太陽ローラは、前記太陽ローラの入力軸を成形用金型に挿入装填して、前記入力軸のインサート成形軸部を熱可塑性樹脂製軸継手にインサート成形した構成であることを特徴とする軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機。
  3. 請求項2に記載する軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸のインサート成形側軸部を軸継手の内側端部から適宜寸法突き出して成形型閉時に金型に挿入し、太陽ローラと一体の軸継手成形時の正確な芯出しを可能にした構成であることを特徴とする軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機。
  4. 請求項2又は請求項3に記載する軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸のインサート成形軸部の表面を、サンドブラスト、銅メッキとサンドブラスト、銅模様メッキ、ケミカルミリング、金属材料のプラズマ蒸着のいずれかの粗面処理により摩擦係数を大きくしてインサート成形した構成であることを特徴とする軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機。
  5. 請求項2又は請求項3に記載する軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸のインサート成形軸部の表面に熱硬化性接着剤を塗布し、該接着剤が硬化後、サンドブラスト、条削り、溶解のいずれかにより粗面に加工した後、インサート成形した構成であることを特徴とする軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機。
  6. 請求項2又は請求項3に記載する軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸のインサート成形軸部の表面に成形温度に耐える耐熱性の粒子を混入した熱硬化性接着剤を塗布し、該接着剤が硬化後、インサート成形した構成であることを特徴とする軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機。
  7. 請求項1に記載する軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸と一体成形する継手は筒形状とし、駆動モータの出力軸と接合する内筒面を等辺の多角形とし該多角形の角を含む円筒径は前記出力軸より大きく多角形の辺に接する円筒径は前記出力軸径より小さくして軸継手内に前記出力軸が圧入可能な寸法であることを特徴とする軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機。
  8. 請求項7に記載する軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸と一体成形する筒形状継手の軸筒に該軸筒と同心の大径の筒と、該大径の筒と軸筒をつなぐ複数の放射状のリブとを一体に設けたことを特徴とする軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機。
  9. 請求項7又は請求項8に記載する軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、駆動モータの出力軸と接合時に、前記軸継手のモータ側の軸筒に加熱した弾性限度が締まり嵌に耐える材料製のリングを外嵌し、該リングが常温に冷却することにより前記軸継手をモータの出力軸に対し締まり嵌めとなる構成であることを特徴とする軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機。
  10. 請求項9に記載する軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、駆動モータの出力軸と接合する側の軸継手の軸筒に複数の軸芯に平行な切れ目を設け、前記加熱した弾性限度が締まり嵌に耐える材料製のリングによるモータの出力軸の締まり嵌めを行なう構成であることを特徴とする軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機。
  11. 請求項7に記載する軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸と一体成形する軸継手は前記入力軸とモータ出力軸を外嵌する薄肉筒と同心大径で同じ長さの薄肉筒と、この2つの薄肉筒をつなぐ軸心に直角に設けられたリング板形状のリブと、放射状に設けられた複数のリブとからなる肉抜き形状の筒体であることを特徴とする軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機。
  12. 請求項7に記載する軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸と一体成形する軸継手は前記入力軸とモータ出力軸を外嵌する薄肉筒と同心大径でモータ出力軸側を短くした薄肉筒と、この2つの薄肉筒をつなぐ軸心に直角に設けられたリング板形状のリブと、放射状に設けられた複数のリブとからなる肉抜き形状の筒体としてモータ出力軸を外嵌する薄肉筒にモータ出力軸が圧入し易くしたことを特徴とする軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機。
  13. 請求項11又は請求項12に記載する軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸と一体成形する軸継手の薄肉筒をつなぐ軸心に直角に設けられたリング板形状のリブを2個設けて外の大径の筒を2分割した一対のリブ付筒を所定間隔に離し薄肉小径の筒でつないで柔軟性を持たせた軸継手としたことを特徴とする軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載する軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機において、前記入力軸と一体成形する軸継手の熱可塑性樹脂材料は、PET、PPS、LCP、PA、PC、POM、又はこれらの樹脂に硝子繊維と炭素繊維の少なくともいずれかを添加した強化樹脂であることを特徴とする軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機。
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