JP2009256475A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、成形時に低粘度かつガラス転移温度の高い硬化物を成形することのできる特殊なエポキシ樹脂および特定のフェノール樹脂を使用することにより、成形後のパッケージの反りやワイヤ変形の発生を抑制することのできる半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置に関するものである。
近年、半導体装置は薄型化され、それに伴い封止時に用いられる樹脂材料の流動部分の厚みが薄くなってきている。例えば、ボールグリッドアレイ(BGA)と呼ばれる金属ワイヤにより半導体素子と基板とを接続する手法を用いた片面封止構造の半導体装置の場合、基板の収縮量と、成形後の封止樹脂層(硬化体)の収縮量の違いにより両者の間で応力が発生し、結果、パッケージに反りが発生するという問題が生じる(例えば特許文献1参照)。また、実装基板内の金属ワイヤの細線化、狭ピッチ化が飛躍的に進んでいることから、このような半導体装置の製造に際して、従来の半導体封止用熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂封止し成形すると、成形過程において流動封止材料による金線ワイヤの変形(ワイヤ変形)が発生し、これが大きな問題となっている。
特開2006−286829号公報
このように、パッケージに反りが発生すると、基板および基板上に搭載された半導体素子と封止樹脂層との間で剥離が生起する等、信頼性の低下を招き、また、樹脂封止工程に続く、ダイシング工程にて作業性が悪化する等の問題が発生することとなる。したがって、パッケージの反りの発生を効果的に抑制することが可能な封止材料が要望されている。
しかしながら、反りの発生を抑制するために、エポキシ樹脂組成物硬化体のガラス転移温度を高めると、封止材料の成形時の粘度が高くなり、例えば、金属ワイヤが変形するという問題が生じる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、封止材料であるエポキシ樹脂組成物の成形時の粘度を低く保持することを可能とし、しかも、エポキシ樹脂組成物硬化体のガラス転移温度を高めてパッケージの反りの発生を抑制させることを可能にする、半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、下記の(A)〜(C)成分を含有してなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物を第1の要旨とする。
(A)下記の一般式(1)で表されるエポキシ化合物。
(B)下記の一般式(2)で表されるフェノール樹脂。
(C)無機質充填剤。
(A)下記の一般式(1)で表されるエポキシ化合物。
また、本発明は、上記半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、半導体素子を封止してなる半導体装置を第2の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、成形時の粘度の低下による金属ワイヤの変形等の抑制を可能とし、しかもパッケージの反りの発生をも抑制することのできる封止材料を得るために一連の研究を重ねた。その結果、封止材料となるエポキシ樹脂組成物の構成成分であるエポキシ樹脂として、上記一般式(1)で表されるエポキシ化合物を用いるとともに、上記一般式(2)で表されるフェノール樹脂を用いると、低分子量であり、官能基間の距離が短いことから、成形時には低粘度でありながら、得られるエポキシ樹脂硬化体が上記特殊なエポキシ化合物とフェノール樹脂との使用により高いガラス転移温度を示すようになり、基板と封止樹脂部分との収縮量の差を小さくすることが可能となって、結果、金属ワイヤの変形が少なく、パッケージの反りの発生が抑制されることを見出し本発明に到達した。
このように、本発明は、前記一般式(1)で表されるエポキシ化合物〔(A)成分〕と、前記一般式(2)で表されるフェノール樹脂〔(B)成分〕を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。このため、成形時の粘度が低い状態で、エポキシ樹脂組成物硬化体のガラス転移温度が上昇し、結果、これを用いて樹脂封止された封止樹脂部分の収縮量が低減され、封止時の金属ワイヤの変形、および、パッケージの反りの発生を抑制することが可能となる。
したがって、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば、ボールグリッドアレイ(BGA)と呼ばれる片面封止構造の半導体装置の封止の際に特に好適に用いられる。そして、上記半導体封止用樹脂組成物により樹脂封止された半導体装置としては、信頼性の高いものが得られる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、特殊なエポキシ化合物(A成分)と、特殊なフェノール樹脂(B成分)と、無機質充填剤(C成分)とを用いて得られるものであり、通常、粉末状もしくは打錠して用いられる。
上記特殊なエポキシ化合物(A成分)は、下記の一般式(1)で表されるエポキシ化合物である。
上記一般式(1)で表されるエポキシ化合物(A成分)の物性は、エポキシ当量165〜185、融点130〜150℃、ICI粘度(150℃)0.01Pa・s以下である。この場合のICI粘度(150℃)の下限は、通常、0.001Pa・sである。なお、本発明において、ICI粘度とは、ICI(英国インペリアルケミカル社)によって開発されたコーンプレート型回転粘度計により測定される値である。そして、上記範囲内の粘度を有することにより、流動性に優れ、無機質充填剤をより多く配合することができるという効果を奏する。
上記一般式(1)で表されるエポキシ化合物(A成分)としては、例えば、東都化成社製のYDC−1312等があげられる。
そして、本発明においては、エポキシ樹脂成分が、上記一般式(1)で表されるエポキシ化合物(A成分)のみで構成されていてもよいが、この一般式(1)で表されるエポキシ化合物(A成分)とともに、他のエポキシ樹脂を併用してなる併用系で構成されていてもよい。上記他のエポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等の各種のエポキシ樹脂を用いることができる。これらエポキシ樹脂は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。そして、併用系の場合、これらエポキシ樹脂の中でも、低粘度化を目的として、低分子量のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。具体的には、重量平均分子量(Mw)160〜600の結晶もしくは液状型のエポキシ樹脂が好適に用いられる。このように、エポキシ樹脂成分として、上記一般式(1)で表されるエポキシ化合物(A成分)とともに他のエポキシ樹脂を併用する場合、本発明の効果を阻害しない範囲で他のエポキシ樹脂を用いることが好ましく、具体的には、上記一般式(1)で表されるエポキシ化合物(A成分)をエポキシ樹脂成分全体の50重量%以上に設定することが好ましい。
なかでも、本発明においては、ガラス転移温度の上昇および低粘度化という観点から、エポキシ樹脂成分を、上記一般式(1)で表されるエポキシ化合物(A成分)単独で構成することが特に好ましい。
上記特定のエポキシ化合物(A成分)とともに用いられる特定のフェノール樹脂(B成分)は、上記特定のエポキシ化合物(A成分)の硬化剤として作用するものであり、エポキシ樹脂組成物のガラス転移温度を高くするという観点から、下記の一般式(2)で表されるフェノール樹脂である。
上記一般式(2)で表されるフェノール樹脂(B成分)の物性は、水酸基当量90〜110、軟化点100〜120℃、ICI粘度(150℃)9〜11Pa・sである。上記範囲内の粘度を有することにより、流動性に優れ、無機質充填剤をより多く配合することができるという効果を奏する。
上記一般式(2)で表されるフェノール樹脂(B成分)としては、例えば、明和化成社製のMEH−7500等があげられる。
このように、上記一般式(2)で表されるフェノール樹脂(B成分)を用いることにより、その硬化物中の三次元架橋構造において架橋点密度が高くなるため、ガラス転移温度の高いエポキシ樹脂組成物を得ることが可能となる。
そして、本発明においては、上記特定のフェノール樹脂(B成分)とともに従来公知の他の硬化剤を併用してもよい。上記他の硬化剤としては、特に限定するものではないが、エポキシ樹脂との反応性の高さからフェノール樹脂を用いることが好ましい。上記フェノール樹脂としては、例えば、ビフェニルノボラック型、クレゾールノボラック型、フェノールノボラック型、ビスフェノール型、ナフタレン型等の各種フェノール樹脂系硬化剤があげられる。これらフェノール樹脂は単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これら他の硬化剤を併用する場合は、上記特定のフェノール樹脂(B成分)の使用による効果を阻害しない範囲で用いる必要があり、例えば、特定のフェノール樹脂(B成分)を硬化剤成分(フェノール樹脂成分)全体の50重量%以上占める割合に設定することが好ましい。
なかでも、本発明においては、ガラス転移温度の上昇という観点から、フェノール樹脂成分(硬化剤成分)を、上記一般式(2)で表されるフェノール樹脂(B成分)単独で構成することが特に好ましい。
そして、上記特定のエポキシ化合物(A成分)と特定のフェノール樹脂(B成分)の配合割合は、エポキシ樹脂を硬化させるに充分な量に設定することが好ましい。すなわち、エポキシ化合物中のエポキシ基1当量に対して、フェノール樹脂中の水酸基が0.6〜1.5当量となるように配合することが好ましい。より好ましくは0.9〜1.2当量である。
上記A成分およびB成分とともに用いられる無機質充填剤(C成分)としては、特に限定するものではなく従来公知の各種充填剤があげられ、例えば、石英ガラス粉末,タルク,シリカ粉末(溶融シリカ粉末や結晶性シリカ粉末等),アルミナ粉末,窒化アルミニウム粉末,窒化ケイ素粉末等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、得られる硬化物の線膨張係数を低減できるという点から上記シリカ粉末を用いることが好ましく、さらに上記シリカ粉末のなかでも、高充填性,高流動性という点から溶融シリカ粉末を用いることが特に好ましい。上記溶融シリカ粉末としては、流動性という観点から、球状溶融シリカ粉末を用いることが好ましい。特に平均粒径が1〜15μmの範囲、さらには2〜14μmの範囲のものを用いることが好ましい。さらに、上記平均粒径のものに加えて、平均粒径が0.5〜2μmの範囲のものを単独でもしくは2種以上併用すると、流動性の向上という観点から特に好ましい。このような平均粒径が1〜15μm(さらには2〜14μm)の範囲の無機質充填剤(x)と、平均粒径が0.5〜2μmの範囲のものを単独もしくは2種以上用いてなる無機質充填剤(y)を併用する場合、これらの併用比率〔(x)/(y)〕は、重量比で、(x)/(y)=99/1〜92/8の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは99/1〜95/5の範囲である。
また、上記平均粒径に加えて最大粒径が10〜45μmの範囲のものを用いることが好ましい。なお、上記平均粒径および最大粒径は、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。さらに、上記平均粒径および最大粒径に加えて、比表面積が3.1〜6.1m2 /gのものを用いることが好ましい。上記比表面積は、例えば、レーザー散乱式粒度分布計(Accu SizerTM 780 Optical Particle Sizer ,PSS-NICOMP)により測定される。
上記無機質充填剤(C成分)の配合量は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物全体の50〜95重量%の範囲内に設定することが好ましく、特に好ましくは70〜90重量%である。すなわち、下限値未満のように少な過ぎると、エポキシ樹脂組成物中の有機成分の占める割合が多くなり、線膨張係数の増大による反りの発生、および、硬化物の難燃効果が乏しくなり、上限値を超えて多くなると、エポキシ樹脂組成物の流動性が著しく低下する傾向がみられるからである。
なお、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、上記A〜C成分以外に、必要に応じて、硬化促進剤、離型剤、低応力化剤、難燃剤、カーボンブラックをはじめとする顔料等の他の添加剤を適宜配合することができる。
上記硬化促進剤としては、硬化促進剤として作用する各種化合物、例えば、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレートやトリフェニルホスフィン等の有機リン系化合物、2−メチルイミダゾール、フェニルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5等のジアザビシクロアルケン系化合物、トリエチレンジアミン等の三級アミン類等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記硬化促進剤の配合割合は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物全体中の0.05〜0.5重量%の範囲に設定することが好ましい。
上記離型剤としては、高級脂肪酸,高級脂肪酸エステル,高級脂肪酸カルシウム等の化合物があげられ、例えば、カルナバワックスやポリエチレン系ワックスが用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記低応力化剤としては、アクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体,メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体等のブタジエン系ゴムや、各種シランカップリング剤等のシリコーン化合物があげられる。
そして、上記難燃剤としては、有機リン系化合物、酸化アンチモン、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の水酸化金属化合物、さらには二種以上の金属元素の固溶体である複合化金属水酸化物等があげられる。
さらに、耐湿信頼性テストにおける信頼性向上を目的としてハイドロタルサイト類化合物,水酸化ビスマス等のイオントラップ剤を配合してもよい。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、前記A〜C成分および必要に応じて他の添加剤を常法に準じて適宜配合し、ミキシングロール機等の混練機を用いて加熱状態で溶融混練した後、これを室温下で冷却固化させる。その後、公知の手段により粉砕し、必要に応じて打錠するという一連の工程により目的とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物を製造することができる。
このようにして得られた半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いての半導体素子の封止は、特に限定するものではなく、通常のトランスファー成形(トランスファーアンダーフィルを含む)等の公知のモールド方法により行うことができる。このようにして得られる半導体装置としては、BGAのような片面封止型半導体装置やフリップチップ型半導体装置等があげられる。
このようにして得られる半導体装置は、封止材料として前記一般式(1)で表されるエポキシ化合物(A成分)、および、前記一般式(2)で表されるフェノール樹脂(B成分)を含有するため、成形時の粘度が低く、金属ワイヤの変形が抑制されるとともに、封止樹脂部分(硬化体)のガラス転移温度が高くなっており、パッケージの反りの発生が抑制され、信頼性の高いものが得られる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物では、その硬化物のガラス転移温度が、従来よりも高く、例えば、ガラス転移温度が160℃以上、より好ましくは175℃以上である。なお、ガラス転移温度の上限は、通常、210℃である。
このように、前記一般式(1)で表されるエポキシ化合物(A成分)、および、前記一般式(2)で表されるフェノール樹脂(B成分)を含有してなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、その硬化後のガラス転移温度が高いことが特徴であるが、上記ガラス転移温度は、例えば、つぎのようにして測定することができる。
〔ガラス転移温度の測定〕
得られたエポキシ樹脂組成物を用い、175℃に加熱した専用金型にて成形することにより大きさ1.0mm×5.0mm×34.0mmの硬化物試験片を作製する。この硬化物試験片を175℃で5時間以上加熱して、完全に硬化を終了させる。ついで、この硬化を完全に終了させた試験片を用い、SOLIDS ANALYZER RSA−II〔レオメトリックス サイエンティフィック(Rheometric Scientific)〕によって、弾性率の温度変化を測定する。この場合、30〜260℃の温度範囲での昇温測定を行う。なお、昇温速度、測定周波数は、それぞれ、例えば、5℃/分、1Hzとする。その際、弾性率はガラス転移温度を境に大きく低下するため、そのとき同時に測定することのできるTanδのピーク値をガラス転移温度とする。
得られたエポキシ樹脂組成物を用い、175℃に加熱した専用金型にて成形することにより大きさ1.0mm×5.0mm×34.0mmの硬化物試験片を作製する。この硬化物試験片を175℃で5時間以上加熱して、完全に硬化を終了させる。ついで、この硬化を完全に終了させた試験片を用い、SOLIDS ANALYZER RSA−II〔レオメトリックス サイエンティフィック(Rheometric Scientific)〕によって、弾性率の温度変化を測定する。この場合、30〜260℃の温度範囲での昇温測定を行う。なお、昇温速度、測定周波数は、それぞれ、例えば、5℃/分、1Hzとする。その際、弾性率はガラス転移温度を境に大きく低下するため、そのとき同時に測定することのできるTanδのピーク値をガラス転移温度とする。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、下記に示す各成分を準備した。
〔硬化促進剤〕
2−メチルイミダゾール
2−メチルイミダゾール
〔離型剤〕
酸化ポリエチレンワックス(酸価16)
酸化ポリエチレンワックス(酸価16)
〔シランカップリング剤〕
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
〔シリカ粉末1〕
平均粒径13.2μmの球状溶融シリカ粉末(最大粒径45μm、比表面積3.1m2 /g)
平均粒径13.2μmの球状溶融シリカ粉末(最大粒径45μm、比表面積3.1m2 /g)
〔シリカ粉末2〕
平均粒径0.6μmの球状溶融シリカ粉末(最大粒径20μm、比表面積3.8m2 /g)
平均粒径0.6μmの球状溶融シリカ粉末(最大粒径20μm、比表面積3.8m2 /g)
〔シリカ粉末3〕
平均粒径1.6μmの球状溶融シリカ粉末(最大粒径10μm、比表面積6.1m2 /g)
平均粒径1.6μmの球状溶融シリカ粉末(最大粒径10μm、比表面積6.1m2 /g)
〔カーボンブラック〕
粒子径50μm、窒素吸着比表面積35m2 /g、ジブチルフタレート吸収量140cm2 /100g、pH6.4
粒子径50μm、窒素吸着比表面積35m2 /g、ジブチルフタレート吸収量140cm2 /100g、pH6.4
〔難燃剤〕
水酸化マグネシウム・亜鉛の固溶体(Mg:Zn=7:3)(平均粒子径1.0μm、窒素吸着比表面積1.0m2 /g)(タテホ化学工業社製、Z−10)
水酸化マグネシウム・亜鉛の固溶体(Mg:Zn=7:3)(平均粒子径1.0μm、窒素吸着比表面積1.0m2 /g)(タテホ化学工業社製、Z−10)
〔実施例1〜4、比較例1〜4〕
後記の表1〜表2に示す各成分を、同表に示す割合で配合し、100℃に加熱したロール混練機(5分間)にて溶融混練した。つぎに、この溶融物を冷却した後粉砕し、さらにタブレット状に打錠することによりエポキシ樹脂組成物を作製した。
後記の表1〜表2に示す各成分を、同表に示す割合で配合し、100℃に加熱したロール混練機(5分間)にて溶融混練した。つぎに、この溶融物を冷却した後粉砕し、さらにタブレット状に打錠することによりエポキシ樹脂組成物を作製した。
このようにして得られた各エポキシ樹脂組成物を用い、下記の方法にしたがって、反り量を測定した。また、各エポキシ樹脂組成物を用い、前述の方法にしたがってガラス転移温度を測定した。さらに、各エポキシ樹脂組成物を用い、下記の方法にしたがって、物性(スパイラルフロー値,ゲルタイム)を測定した。また、これらの結果を後記の表1〜表2に併せて示す。
〔反り量の測定〕
図1に示すように、縦10mm×横10mm×厚み0.325mmの大きさの複数のシリコンチップ1を、ガラスエポキシ基板2上における、各領域A,B,C,D(破線で囲まれた部分)内において、等間隔となるよう配置し、銀(Ag)ペーストを用いて実装した。ついで、これらの実装面+各領域A,B,C,Dを、各エポキシ樹脂組成物を用い、プレス機(TOWA社製)にて樹脂封止した。封止樹脂層の寸法は、51mm×51mm×厚み0.7mmである。なお、プレス機の金型温度は175℃とし、封止条件は、トランスファースピード1.5mm/秒、クランプ圧1960N、トランスファー圧49N、キュア時間90秒とした。また、上記ガラスエポキシ基板上の封止樹脂層の厚みは450μmである。そして、樹脂封止後のパッケージを175℃で5時間加熱し、加熱後のパッケージを、温度可変レーザー3次元装置(ティーテック社製)にて観察することにより、パッケージの反り量〔封止樹脂層がアーチ状に反ったときのアーチ部分と、元の状態(初期)の封止樹脂層との最大距離の間隔〕を測定した。
図1に示すように、縦10mm×横10mm×厚み0.325mmの大きさの複数のシリコンチップ1を、ガラスエポキシ基板2上における、各領域A,B,C,D(破線で囲まれた部分)内において、等間隔となるよう配置し、銀(Ag)ペーストを用いて実装した。ついで、これらの実装面+各領域A,B,C,Dを、各エポキシ樹脂組成物を用い、プレス機(TOWA社製)にて樹脂封止した。封止樹脂層の寸法は、51mm×51mm×厚み0.7mmである。なお、プレス機の金型温度は175℃とし、封止条件は、トランスファースピード1.5mm/秒、クランプ圧1960N、トランスファー圧49N、キュア時間90秒とした。また、上記ガラスエポキシ基板上の封止樹脂層の厚みは450μmである。そして、樹脂封止後のパッケージを175℃で5時間加熱し、加熱後のパッケージを、温度可変レーザー3次元装置(ティーテック社製)にて観察することにより、パッケージの反り量〔封止樹脂層がアーチ状に反ったときのアーチ部分と、元の状態(初期)の封止樹脂層との最大距離の間隔〕を測定した。
〔スパイラルフロー値〕
スパイラルフロー測定金型を用い、175±5℃にてEMMI 1−66に準じて測定した。
スパイラルフロー測定金型を用い、175±5℃にてEMMI 1−66に準じて測定した。
〔ゲルタイム〕
規定温度(175℃)の熱平板上に試料(200〜500mg)を載せ、攪拌しながら熱平板上に薄く伸ばし、試料が熱平板上に溶融した点から硬化するまでの時間を読み取りゲル化時間(ゲルタイム)とした。
規定温度(175℃)の熱平板上に試料(200〜500mg)を載せ、攪拌しながら熱平板上に薄く伸ばし、試料が熱平板上に溶融した点から硬化するまでの時間を読み取りゲル化時間(ゲルタイム)とした。
上記結果から、前記一般式(1)で表されるエポキシ化合物および一般式(2)で表されるフェノール樹脂を配合した実施例品は、ガラス転移温度が高いために、パッケージの反り量も非常に小さく、反り発生の抑制において優れた効果を奏するものである。しかも、溶融粘度が低いことから、スパイラルフロー値もある程度高い値を有しており、成形温度での粘度も低いことがわかる。
これに対して、前記一般式(1)で表されるエポキシ化合物および一般式(2)で表されるフェノール樹脂をいずれも配合しなかった比較例1品は、ガラス転移温度が低く、反り量が非常に大きくなり、スパイラルフロー値も満足のいくほど高くなく、充分な低粘度化効果は得られなかった。また、前記一般式(1)で表されるエポキシ化合物を用いず、一般式(2)で表されるフェノール樹脂を配合した比較例2,3品は、ある程度ガラス転移温度は高かったが、それでもパッケージの反り量は実施例品と比べて大きく、かつスパイラルフロー値が低く、成形温度での粘度が高いことがわかる。さらに、前記一般式(1)で表されるエポキシ化合物を配合し、一般式(2)で表されるフェノール樹脂を用いなかった比較例4品は、ガラス転移温度が低く、反り量が非常に大きいものであった。
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