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JP2009251110A - 表示装置およびその製造方法、並びに電子機器 - Google Patents

表示装置およびその製造方法、並びに電子機器 Download PDF

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JP2009251110A JP2008096256A JP2008096256A JP2009251110A JP 2009251110 A JP2009251110 A JP 2009251110A JP 2008096256 A JP2008096256 A JP 2008096256A JP 2008096256 A JP2008096256 A JP 2008096256A JP 2009251110 A JP2009251110 A JP 2009251110A
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Abstract

【課題】位置検出の不安定性を抑えることが可能な表示装置およびその製造方法、並びに電子機器を提供する。
【解決手段】液晶表示パネル1内に、画素電極14と対向センサ電極22とにより抵抗型タッチセンサを構成する。画素電極14を複数のエッジ14Bを含む断面形状とする。エッジ14Bでは配向膜15が薄くなる傾向があり、エッジ14Bが配向膜15から露出している。エッジ14Bに対向して対向センサ電極22を配置する。第2基板20がたわむと、対向センサ電極22は画素電極14の露出したエッジ14Bに接触し、直接導通がとれるので、位置検出の不安定性が抑えられる。特に、FFS方式の液晶表示パネル1の場合には、画素電極14がもともと複数のスリット14Aを含む平面形状を有することから、開口率を低下させることなく位置検出性能を高めることが可能となる。
【選択図】図7

Description

本発明は、位置検出のためのセンサ機能を有する表示装置およびその製造方法、並びにこの表示装置を備えた電子機器に関する。
従来より、表示装置の表示面を用いて選択された位置の座標成分(位置座標)を入力する技術が知られている。その中でも代表的なものとして、タッチパネル機能を備えた表示装置が挙げられる。これは、主に表示パネル上にタッチパネルシートが取り付けられた構成であり、このタッチパネルシートを用いることにより、接触する物体(接触体)の位置座標の特定および入力を行うようになっている。
一方、近年では、表示パネル自体にセンサ機能を持たせるようにしたものが提案されている。例えば特許文献1には、画像表示のための表示電極と、タッチ箇所検出のためのタッチ電極とを、液晶層に隣接して形成することが記載されている。
特開2001−75074号公報
しかしながら、現在一般に使用されている液晶表示装置では、表示電極と液晶層との間には、液晶分子を配向させるため、配向膜と呼ばれるポリイミド膜が設けられている。この膜はおおよそ絶縁性を有しているので、タッチ電極間の接触を妨げてしまい、位置検出動作が不安定になるという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、位置検出の不安定性を抑えることが可能な表示装置およびその製造方法、並びに電子機器を提供することにある。
本発明の表示装置は、第1基板および第2基板の間に液晶層を有する表示パネルと、表示パネル内に形成され、第2基板のたわみにより接触可能な第1センサ電極および第2センサ電極を有すると共に第1センサ電極および第2センサ電極の接触による電位の変化を読み取ることにより第2基板のたわみ位置を検出する位置検出手段とを備え、第1センサ電極は、第1基板に形成されると共に複数のエッジを含む断面形状を有し、第2センサ電極は、第2基板に形成されると共に第1センサ電極の複数のエッジに対向して配置されているものである。
本発明の第1の表示装置の製造方法は、第1基板および第2基板の間に液晶層を有する表示パネルと、表示パネル内に形成され、第2基板のたわみにより接触可能な第1センサ電極および第2センサ電極を有すると共に第1センサ電極および第2センサ電極の接触による電位の変化を読み取ることにより第2基板のたわみ位置を検出する位置検出手段とを備えた表示装置を製造するものであって、以下の(A)〜(D)の工程を含むものである。
(A)第1基板に、複数のエッジを含む断面形状を有する第1センサ電極を形成する工程
(B)第1センサ電極を形成した第1基板に、液晶層の液晶分子を配向させる配向膜を形成する工程
(C)配向膜をラビング処理することにより、第1センサ電極の複数のエッジを配向膜から露出させる工程
(D)第2基板に、第1センサ電極の複数のエッジに対向して第2センサ電極を配置する工程
本発明の第2の表示装置の製造方法は、第1基板および第2基板の間に液晶層を有する表示パネルと、表示パネル内に形成され、第2基板のたわみにより接触可能な第1センサ電極および第2センサ電極を有すると共に第1センサ電極および第2センサ電極の接触による電位の変化を読み取ることにより第2基板のたわみ位置を検出する位置検出手段とを備えた表示装置を製造するものであって、以下の(A)〜(C)の工程を含むものである。
(A)第1基板に、複数のエッジを含む断面形状を有する第1センサ電極を形成する工程
(B)第1センサ電極を形成した第1基板に、液晶層の液晶分子を配向させる配向膜を斜方蒸着により形成し、第1センサ電極の上面および一方の側面を配向膜で覆うと共に、第1センサ電極の他方の側面および他方の側面と上面との間のエッジを配向膜から露出させる工程
(C)第2基板に、第1センサ電極の露出したエッジに対向して第2センサ電極を配置する工程
本発明の電子機器は、表示装置を備えたものであって、表示装置が、上記本発明の表示装置により構成されているものである。
本発明の表示装置では、第1センサ電極が複数のエッジを含む断面形状を有しているので、これらのエッジでは配向膜が薄くなる傾向があり、エッジが配向膜から露出している。また、第2センサ電極は、第1センサ電極の複数のエッジに対向して配置されているので、第2基板がたわむと、第2センサ電極は第1センサ電極の露出したエッジに接触し、直接導通がとれる。このときの第1センサ電極および第2センサ電極の接触による電位の変化が読み取られ、第2基板のたわみ位置が検出される。
本発明の表示装置によれば、第1センサ電極を複数のエッジを含む断面形状とすると共に、第1センサ電極の複数のエッジに対向して第2センサ電極を配置するようにしたので、第1センサ電極および第2センサ電極を直接接触させ、位置検出の不安定性を抑えることが可能となる。よって、この表示装置を用いて電子機器を構成すれば、入力動作を安定させて、利便性の向上を図ることができる。また、入力に必要な荷重圧を小さくすることができる。特に、画素電極が複数のスリットを含む平面形状を有する、いわゆるFFS(Fringe Field Switching)方式の液晶表示パネルを採用した場合に極めて好適である。
本発明の第1の表示装置の製造方法によれば、配向膜をラビング処理することにより、第1センサ電極の複数のエッジを配向膜から露出させるようにしたので、また、本発明の第2の表示装置の製造方法によれば、配向膜を斜方蒸着により形成し、第1センサ電極の上面および一方の側面を配向膜で覆うと共に、第1センサ電極の他方の側面および他方の側面と上面との間のエッジを配向膜から露出させるようにしたので、新たな工程を付加することなく、簡素な工程により上記本発明の表示装置を容易に製造することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る表示装置の平面構成を表したものである。この表示装置は、液晶テレビなどの中型ないし大型の表示装置、または携帯電話機あるいはゲーム機などのモバイル用途に用いられるものであり、液晶表示パネル1に、抵抗膜方式のタッチセンサ機能を持たせたものである。液晶表示パネル1は、例えばFFS方式のものであり、列方向にはシグナルラインSLが複数配置され、行方向にはゲートラインGLが複数配置されている。各シグナルラインSLと各ゲートラインGLとの交差点近傍には、画素トランジスタ11および画素電極14が設けられ、これらが一つのサブピクセルに対応している。更に、隣り合う三つのサブピクセルが一つの画素Pxを構成している。
また、この液晶表示パネル1内には、第1空間制御柱1Aおよび第2空間制御柱1Bが、所定間隔(例えば、1行おき、4画素おき)で交互に設けられている。第1空間制御柱1Aは、後述する液晶層30のギャップを形成するためのスペーサとしての機能を有しており、その高さは液晶層30の厚みと同じ、例えば約3μm程度である。第2空間制御柱1Bは、後述する第2センサ電極22を配置するためのものであり、その高さは液晶層30の厚みよりも低く、例えば約2.5μmである。第1空間制御柱1Aおよび第2空間制御柱1Bは、例えば、有機膜により構成されている。
図2は、図1に示した画素Pxの一部を拡大したものであり、図3は図2における折れ線III−IIIに沿った断面構成を表したものである。この液晶表示パネル1は、第1基板10と第2基板20との間に液晶層30を有している。
第1基板10は、ガラス基板10Aに、画素トランジスタ11、第1層間絶縁膜12A、シグナルラインSL、第2層間絶縁膜12B、コモン電極13、第3層間絶縁膜12Cおよび画素電極14を順に形成したものである。
画素トランジスタ11は、ガラス基板10A上に、ゲートラインGL、ゲート絶縁膜11Aおよび半導体層11Bを順に積層した構成を有し、半導体層11Bは、シグナルラインSLと同層のコンタクト部11Cを介して、画素電極14に電気的に接続されている。第1層間絶縁膜12Aは、例えば無機膜により構成されていることが望ましい。
画素電極14およびコモン電極13は、液晶層30に電界を印加するための表示電極であり、例えば、厚みが50nmないし100nm程度であり、ITO(Indium Tin Oxide)またはZnO等の透明導電膜により構成されている。画素電極14は、複数のスリット14Aを含む平面形状を有し、コモン電極13は、画素電極14の下に、無機絶縁膜よりなる第3層間絶縁膜12Cを間にして形成されている。画素電極14に与えられた電位は、スリット14Aを通ってコモン電極13へ電界Eを生じる。これにより、液晶層30の液晶分子31A,31Bの方向は、無電界時には、図2および図3において点線で示したように、スリット14Aの長手方向に対して平行になっているが、電界印加時には、図2および図3において実線で示したように、スリット14Aの長手方向に対して交差するようになっている。なお、コモン電極13は、高コントラストな表示を可能とするため、有機膜よりなる平坦化膜である第2層間絶縁膜12B上に形成されていることが望ましい。
第2基板20は、ガラス基板20Aに、有機膜よりなるカラーフィルタ21と、上述した第1空間制御柱1Aおよび第2空間制御柱1Bとを形成したものである。第2空間制御柱1B上には、対向センサ電極22が形成されている。この対向センサ電極22は、接触体(例えば、指先など)により第2基板20がたわむと画素電極14に接触可能となっており、これら画素電極14および対向センサ電極22により、液晶表示パネル1内に、位置検出手段としての抵抗膜方式タッチセンサが構成されている。ここで、画素電極14が、本発明における「第1センサ電極」の一具体例に対応し、対向センサ電極22が、本発明における「第2センサ電極」の一具体例に対応している。
図4は、画素電極14と対向センサ電極22との位置関係を説明するためのものであり、図5は、対向センサ電極22を有する画素Pxを含む三つの画素Pxの断面構造を表したものである。画素電極14は、上述したように複数のスリット14Aを有しているので、画素電極14の断面形状は、複数のエッジ14Bを含んでいる。一方、対向センサ電極22は、画素電極14の複数のエッジ14Bに対向して配置されている。これにより、この表示装置では、位置検出の不安定性を抑えることができるようになっている。
具体的には、対向センサ電極22は、第2基板20の表面から第2空間制御柱1Bの上面に延在して形成されている。また、対向センサ電極22は、複数のスリット22Aを含む櫛歯状の平面形状を有しており、スリット22Aで分離されたパターン22Bのそれぞれが、画素電極14のエッジ14Bに対向して配置されていることが好ましい。対向センサ電極22に複数のスリット22Aを設けることにより、更に接触時の信頼性を高めることができるからである。なお、パターン22Bは細いほうが望ましく、また、パターン22Bの本数が多いほど安定性が増す。
更に、図6に示したように、対向センサ電極22のスリット22Aが伸長する方向は、画素電極14のスリット14Aが伸長する方向とは異なっていることが好ましい。画素電極14のエッジ14Bでの接触部を大きくすることができると共に、接触部で画素電極14と対向センサ電極22とが交差するので接触抵抗の不安定性を小さくすることができるからである。なお、画素電極14および対向センサ電極22の形状は、格子状などの他の形状であってもよい。
図7は、対向センサ電極22を有する画素Pxを拡大して表したものである。第1基板10および第2基板20と液晶層30との間には、それぞれ、配向膜15,23が設けられている。この配向膜15,23は、液晶層30の液晶分子31を配向させるためのものであり、例えば、厚みが50nm程度であり、ポリイミド等の有機膜により構成されている。
第2基板20上の配向膜23は、第2空間制御柱1Bの約2.5μmという高さに追従しきれないので、第2空間制御柱1Bの先端部にはほとんど形成されていない。すなわち、第2空間制御柱1Bの上面では、対向センサ電極22が露出している。対向センサ電極22の露出を確実にするためには、第2空間制御柱1Bのアスペクト比(高さ/幅)は大きいほうが好ましく、また、第2空間制御柱1Bの先端部を尖らせるようにすれば更に効果的である。
一方、第1基板10には第2空間制御柱1Bが形成されていないので、画素電極14はおおよそ平坦面に形成されている。画素電極14は複数のスリット14Aおよびエッジ14Bを有しているので、配向膜15はエッジ14B付近で薄くなっており、エッジ14Bが配向膜15から露出している。すなわち、画素電極14の上面および側面は、複数のエッジ14Bを除いて、配向膜15で覆われており、対向センサ電極22は、画素電極14の露出したエッジ14Bに対向して配置されている。
特に、画素電極14の側面の平坦面に対する傾斜角αは60度より大きいことが好ましい。エッジ14Bが露出しやすくなり、位置検出の不安定性を更に改善することができるからである。
この表示装置は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、ガラス基板10Aを用意し、このガラス基板10Aに、一般的な製造方法により、ゲートラインGL、ゲート絶縁膜11Aおよび半導体層11Bを順に積層し、画素トランジスタ11を形成する。次いで、画素トランジスタ11上に、上述した材料よりなる第1層間絶縁膜12Aを形成し、第1層間絶縁膜12A上に、シグナルラインSLおよびコンタクト部11Cを形成し、コンタクト部11Cを半導体層11Bに接続する。
続いて、上述した材料よりなる第2層間絶縁膜12B、および上述した厚みおよび材料よりなるコモン電極13を順に形成し、第3層間絶縁膜12Cで覆う。
そののち、第3層間絶縁膜12C上に、上述した厚みおよび材料よりなる画素電極14を形成し、複数のスリット14Aを含む平面形状にパターニングする。これにより、画素電極14の断面形状には、複数のエッジ14Bが形成される。
画素電極14を形成したのち、上述した厚みおよび材料よりなる配向膜15を形成し、この配向膜15をラビング処理することにより、画素電極14の複数のエッジ14Bを露出させる。これにより、第1基板10が形成される。
ラビング処理は、図8に示したように、ローラRに巻きつけたラビング用バフ材(コットン等)を配向膜15表面に擦り付けることにより行う。ラビングにより、密着性の悪い配向膜15の一部は擦り取られる。このとき、エッジ14B近傍では、一般的な条件でももともと配向膜15の厚みが薄くなっており、配向膜15が擦り取られてエッジ14Bが露出することが可能となる。ラビング圧は、液晶に必要なプレチルト角が得られる範囲で、強めに設定されることが望ましい。
また、配向膜15のラビング処理方向A1を、画素電極14の複数のスリット14Aが伸長する方向A2とは異ならせるようにすることが好ましい。エッジ14Bを更に確実に露出させることができるからである。
更に、配向膜15を形成したのちラビング処理する前に、図9(A)および図9(B)に示したように、例えば酸素プラズマを用いてアッシング処理を行い、配向膜15の厚みを減らしておくことが好ましい。電荷を持ったプラズマの性質から、導電性のエッジ14Bにはプラズマが集中することが可能となるので、より効果的にエッジ14Bを露出させることができるからである。
また、ガラス基板20Aを用意し、このガラス基板20Aに、上述した材料よりなるカラーフィルタ21、第1空間制御柱1Aおよび第2空間制御柱1Bを形成する。続いて、第2空間制御柱1B上に対向センサ電極22を形成したのち、配向膜23を形成する。これにより、第2基板20が形成される。
第1基板10および第2基板20を形成したのち、これらを対向配置して周囲を封止し、内部に液晶を注入して液晶層30を形成する。以上により、図1ないし図3に示した表示装置が完成する。
次に、図10および図11を参照して、この表示装置の回路系および駆動シーケンスについて説明する。図10および図11は、画素Pxの電位読み出しと書き込みとを共通の配線で行うようにした場合を表している。
各画素Pxは、図10に示したように、画素トランジスタ11と、液晶素子LCと、センサSensorとを有している。画素トランジスタ11のゲートはゲートラインGLに接続されている。画素トランジスタ11のソースはシグナルラインSLに接続され、ドレインは、液晶素子LCの一端およびセンサSensorの一端に接続されている。シグナルラインSLは、Readスイッチを介してRead回路に接続されると共に、Writeスイッチを介してWrite回路に接続されている。液晶素子LCの他端およびセンサSの他端はCSラインに接続されている。
次に、図11を参照して、この回路系の駆動シーケンスについて説明する。ここで、図11(A)はn段目のゲートラインGLの電位Vgnを、図11(B)はシグナルラインSLの電位Vsigを、図11(C)はCSラインの電位Vcomを、図11(D)はWriteスイッチの状態(オン状態またはオフ状態)を、図11(E)はReadスイッチの状態(オン状態またはオフ状態)を、それぞれ表している。
まず、タイミングT1において、Writeスイッチがオン状態になる(図11(D)参照)。これにより、図11(B)に示したように、画素Pxへ表示電位を書き込む前に、Write回路からシグナルラインSLの配線部へ、一旦、CSラインの電位Vcomと逆位相の電位がプリチャージされる。
次いで、Writeスイッチがオフ状態となったのち、タイミングT2において、図11(A)に示したように、ゲートラインGLを介して画素トランジスタ11のゲートへ電位Vgnが印加され、画素トランジスタ11がオン状態となる
このとき、画素電極14が対向センサ電極22に接触している場合(第2基板20が押されてたわんでいる状態)には、瞬間的にシグナルラインSLの電位Vsigが、CSラインの電位Vcomと等しくなる(図11(B)中の実線部分参照)。一方、画素電極14が対向センサ電極22に接触していない場合(第2基板20が押されていない状態)には、シグナルラインSLでは、プリチャージ電位が保持される(図11(B)中の点線部分参照)。
続いて、タイミングT3において、Readスイッチがオン状態となる(図11(E)参照)。これにより、図10中に示した経路P1を介して、シグナルラインSLの電位Vsigが、Read回路へ読み込まれる。そしてこの読み込んだデータに基づいて、画素電極14が対向センサ電極22に接触している場合には接触位置がマトリクス状にセンシングされ、位置検出が行われる。
次いで、Readスイッチがオフ状態となったのち、タイミングT4において、Writeスイッチが再びオン状態となる(図11(D)参照)。これにより、図10中の経路P2で示したように、Write回路からシグナルラインSLおよび画素トランジスタ11を介して、画素Pxへの表示電位が液晶素子LCへ書き込まれる(図11(B)参照)。そしてタイミングT5において、画素トランジスタ11がオフ状態となる(図11(A)参照)と共に、Writeスイッチがオフ状態となる(図11(D)参照)ことにより、画素Pxでの表示電位が確定する。なお、その後はタイミングT6において、CSラインの電位Vcomが反転されることとなる。
ここでは、画素電極14が複数のエッジ14Bを含む断面形状を有しているので、これらのエッジ14Bでは配向膜15が薄くなる傾向があり、エッジ14Bが配向膜15から露出している。また、対向センサ電極22は、画素電極14の複数のエッジ14Bに対向して配置されているので、第2基板20がたわむと、対向センサ電極22は画素電極14の露出したエッジ14Bに接触し、直接導通がとれる。よって、接触抵抗の低減や安定化が可能となり、位置検出の誤認識のおそれが小さくなる。
これに対して、従来では、図12に示したように、画素電極114がエッジを有していないので、画素電極114の上面を、おおよそ絶縁性である配向膜115が覆ってしまっていた。そのため、接触抵抗が安定せず、位置検出のエラーが生じてしまっていた。なお、図12に示した各構成要素には、図7の対応する構成要素の100番台の符号を付して示している。
このように本実施の形態では、画素電極14を複数のエッジ14Bを含む断面形状とすると共に、画素電極14の複数のエッジ14Bに対向して対向センサ電極22を配置するようにしたので、画素電極14および対向センサ電極22をエッジ14Bで直接接触させ、位置検出の不安定性を抑えることが可能となる。よって、この表示装置を用いて電子機器を構成すれば、入力動作を安定させて、利便性の向上を図ることができる。また、入力に必要な荷重圧を小さくすることができる。特に、FFS方式の液晶表示パネル1を採用した場合には、画素電極14がもともと複数のスリット14Aを含む平面形状を有することから、開口率を低下させることなく位置検出性能を高めることが可能となる。
また、本実施の形態では、配向膜15をラビング処理することにより、画素電極14の複数のエッジ14Bを配向膜15から露出させるようにしたので、新たな工程を付加する必要がない加工条件の変更、または1工程程度の追加だけで、簡素な工程により本実施の形態の表示装置を容易に製造することが可能となる。また、コストアップや歩留まりの低下を招くおそれもない。
(第2の実施の形態)
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る表示装置の構成を表したものである。この表示装置は、画素電極14の側面の断面形状を、上が広く下が狭い逆テーパ形状とし、エッジ14Bの露出を更に確実にするようにしたものである。このことを除いては、本実施の形態の表示装置は、第1の実施の形態と同様の構成を有し、その動作、作用および効果も第1の実施の形態と同様である。
この表示装置は、画素電極14をパターニングする際に、側面の断面形状が逆テーパ状になるようにすることを除いては、第1の実施の形態と同様にして製造することができる。このような逆テーパ形状の構造は、画素電極14の材料の形成条件を変えることで下地との密着性を弱めることにより、または、画素電極14のパターニング時のレジストマスクと画素電極14との密着性を高めておくことにより形成可能である。
(第3の実施の形態)
図14は、本発明の第3の実施の形態に係る表示装置の構成を表したものである。この表示装置は、配向膜15を、基板法線方向から角度を持った(斜め方向)からの蒸着(斜方蒸着)により画素電極14の片側のみに形成するようにしたことを除いては、第1の実施の形態と同様の構成を有し、その動作、作用および効果も第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態では、画素電極14の上面および一方(例えば、図14では右側)の側面は配向膜15で覆われているので、そちら側(例えば、図14では右側)のエッジ14Bは配向膜15から露出していない。しかし、画素電極14の他方(例えば、図14では左側)の側面には配向膜15は形成されておらず、この側面と上面との間のエッジ14Bは配向膜から露出している。この露出したエッジ14Bに対向して、対向センサ電極22が配置されている。これにより、この表示装置では、第1の実施の形態と同様に、位置検出の不安定性を抑えることができるようになっている。
配向膜15の構成材料としては、例えば、SiO,SiO2 ,ダイヤモンドライクカーボン,ポーラスアルミナ,ポーラスTiOなどが挙げられる。
この表示装置は、画素電極14を形成した第1基板10に、配向膜15を斜方蒸着により形成することを除いては、第1の実施の形態と同様にして製造することができる。これにより、上述したように、画素電極14の上面および一方の側面を配向膜15で覆うと共に、画素電極14の他方の側面およびこの側面と上面との間のエッジ14Bを配向膜15から露出させることができる。
(第4の実施の形態)
図15は、本発明の第4の実施の形態に係る表示装置の構成を表したものである。この表示装置は、第1空間制御柱1A(図15には図示せず、図1参照。)および第2空間制御柱1Bを第1基板10に設け、画素電極14を第2空間制御柱1Bの上面に延在させるようにしたものである。このことを除いては、本実施の形態の表示装置は、第1の実施の形態と同様の構成を有し、その動作、作用および効果も第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態では、第2基板20が平坦面となるので、対向センサ電極22には、図4または図6に示したような複数のスリット22Aを形成し、接触時の信頼性を高めるようにすることが好ましい。
この表示装置は、第3層間絶縁膜12C上に、第1空間制御柱1Aおよび第2空間制御柱1Bを形成したのち、画素電極14を形成することを除いては、第1の実施の形態と同様にして製造することができる。
なお、第1空間制御柱1Aおよび第2空間制御柱1Bは、第1基板10および第2基板20の両方に形成するようにしてもよい。
(適用例)
以下、上述した各実施の形態で説明した表示装置の適用例である電子機器について説明する。上記各実施の形態の表示装置は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
(適用例1)
図16は、上記各実施の形態の表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
(適用例2)
図17は、上記各実施の形態の表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、その表示部420は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
(適用例3)
図18は、上記各実施の形態の表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、その表示部530は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
(適用例4)
図19は、上記各実施の形態の表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有しており、その表示部640は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
(適用例5)
図20は、上記各実施の形態の表示装置が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、視野角の良いフリンジフィールド電界を用いた液晶を例として説明しているが、このほかに、TNモード、STNモード、ECBモード、OCBモード、VAモード液晶など、電極を用いた液晶駆動モードであれば応用が可能であることは言うまでもない。
また、例えば、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。例えば、電極材料は、上記実施の形態で説明したITO,ZnOなどの透明導電膜のほか、反射電極(Al,Agなど)またはブラックを形成するための材料(Cr,Moなど)であってもよい。
更に、上記実施の形態では、液晶表示パネル1の構成を具体的に挙げて説明したが、全ての構成要素または全ての層を備える必要はなく、また、他の構成要素または他の層を備えていてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る表示装置の構成を表す平面図である。 図1に示した画素を拡大して表す平面図である。 図2における折れ線III−III線に沿った断面図である。 図3に示した画素電極と対向センサ電極との位置関係を表す分解斜視図である。 対向センサ電極を有する画素を含む三つの画素を表す断面図である。 画素電極と対向センサ電極との位置関係を表す平面図である。 図5に示した対向センサ電極を有する画素を拡大して表す断面図である。 図3に示した表示装置の製造方法を説明するための斜視図である。 図3に示した表示装置の製造方法を説明するための斜視図である。 図3に示した表示装置の回路図である。 図3に示した表示装置の駆動シーケンスを表す図である。 従来の表示装置における問題点を説明するための断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る表示装置の構成を表す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る表示装置の構成を表す断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る表示装置の構成を表す断面図である。 上記実施の形態の表示装置の適用例1の外観を表す斜視図である。 (A)は適用例2の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。 適用例3の外観を表す斜視図である。 適用例4の外観を表す斜視図である。 (A)は適用例5の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
符号の説明
1…液晶表示パネル、1A…第1空間制御柱、1B…第2空間制御柱、10…第1基板、10A,20A…ガラス基板、11…画素トランジスタ、12A…第1層間絶縁膜、12B…第2層間絶縁膜、12C…第3層間絶縁膜、13…コモン電極、14…画素電極、14A,22A…スリット、14B…エッジ、15,23…配向膜、20…第2基板、21…カラーフィルタ、22…対向センサ電極、30…液晶層、31…液晶分子、GL…ゲートライン、LC…液晶素子、Sensor…センサ、SL…シグナルライン

Claims (12)

  1. 第1基板および第2基板の間に液晶層を有する表示パネルと、
    前記表示パネル内に形成され、前記第2基板のたわみにより接触可能な第1センサ電極および第2センサ電極を有すると共に前記第1センサ電極および前記第2センサ電極の接触による電位の変化を読み取ることにより前記第2基板のたわみ位置を検出する位置検出手段とを備え、
    前記第1センサ電極は、前記第1基板に形成されると共に複数のエッジを含む断面形状を有し、
    前記第2センサ電極は、前記第2基板に形成されると共に前記第1センサ電極の複数のエッジに対向して配置されている
    表示装置。
  2. 前記第1基板および第2基板と前記液晶層との間に、前記液晶層の液晶分子を配向させる配向膜が設けられ、
    前記第1センサ電極の複数のエッジの少なくとも一つが、前記配向膜から露出しており、
    前記第2センサ電極は、前記第1センサ電極の露出したエッジに対向して配置されている
    請求項1記載の表示装置。
  3. 前記表示パネルは、前記液晶層に電界を印加するための画素電極およびコモン電極を有し、
    前記画素電極は、複数のスリットを含む平面形状を有すると共に前記第1センサ電極を兼ねており、
    前記コモン電極は、前記画素電極の下に、層間絶縁膜を間にして形成されている
    請求項1または2記載の表示装置。
  4. 前記第2センサ電極は複数のスリットを含む平面形状を有し、
    前記第2センサ電極の複数のスリットが伸長する方向は、前記画素電極の複数のスリットが伸長する方向とは異なる
    請求項3記載の表示装置。
  5. 前記第1センサ電極の側面の断面形状は逆テーパ形状をなしている
    請求項2記載の表示装置。
  6. 前記第1センサ電極の上面および一方の側面は前記配向膜で覆われ、前記第1センサ電極の他方の側面および前記他方の側面と前記上面との間のエッジは前記配向膜から露出している
    請求項2記載の表示装置。
  7. 前記第1基板または前記第2基板の少なくとも一方に、前記液晶層の厚みと同じ高さの第1空間制御柱と、前記液晶層の厚みよりも低い第2空間制御柱とが、それぞれ所定間隔で設けられており、
    前記第1センサ電極または前記第2センサ電極は、それぞれ、前記第1基板または前記第2基板の表面から前記第2空間制御柱の上面に延在して形成されている
    請求項1記載の表示装置。
  8. 第1基板および第2基板の間に液晶層を有する表示パネルと、前記表示パネル内に形成され、前記第2基板のたわみにより接触可能な第1センサ電極および第2センサ電極を有すると共に前記第1センサ電極および前記第2センサ電極の接触による電位の変化を読み取ることにより前記第2基板のたわみ位置を検出する位置検出手段とを備えた表示装置の製造方法であって、
    前記第1基板に、複数のエッジを含む断面形状を有する第1センサ電極を形成する工程と、
    前記第1センサ電極を形成した前記第1基板に、前記液晶層の液晶分子を配向させる配向膜を形成する工程と、
    前記配向膜をラビング処理することにより、前記第1センサ電極の複数のエッジを前記配向膜から露出させる工程と、
    前記第2基板に、前記第1センサ電極の複数のエッジに対向して第2センサ電極を配置する工程と
    を含む表示装置の製造方法。
  9. 前記配向膜のラビング処理方向を、前記第1センサ電極の複数のスリットが伸長する方向とは異ならせる
    請求項8記載の表示装置の製造方法。
  10. 前記配向膜を形成したのちラビング処理する前に、アッシング処理を行う
    請求項8または9記載の表示装置の製造方法。
  11. 第1基板および第2基板の間に液晶層を有する表示パネルと、前記表示パネル内に形成され、前記第2基板のたわみにより接触可能な第1センサ電極および第2センサ電極を有すると共に前記第1センサ電極および前記第2センサ電極の接触による電位の変化を読み取ることにより前記第2基板のたわみ位置を検出する位置検出手段とを備えた表示装置の製造方法であって、
    前記第1基板に、複数のエッジを含む断面形状を有する第1センサ電極を形成する工程と、
    前記第1センサ電極を形成した前記第1基板に、前記液晶層の液晶分子を配向させる配向膜を斜方蒸着により形成し、前記第1センサ電極の上面および一方の側面を前記配向膜で覆うと共に、前記第1センサ電極の他方の側面および前記他方の側面と前記上面との間のエッジを前記配向膜から露出させる工程と、
    前記第2基板に、前記第1センサ電極の露出したエッジに対向して第2センサ電極を配置する工程と
    を含む表示装置の製造方法。
  12. 表示装置を備えた電子機器であって、
    前記表示装置は、
    第1基板および第2基板の間に液晶層を有する表示パネルと、
    前記表示パネル内に形成され、前記第2基板のたわみにより接触可能な第1センサ電極および第2センサ電極を有すると共に前記第1センサ電極および前記第2センサ電極の接触による電位の変化を読み取ることにより前記第2基板のたわみ位置を検出する位置検出手段とを備え、
    前記第1センサ電極は、前記第1基板に形成されると共に複数のエッジを含む断面形状を有し、
    前記第2センサ電極は、前記第2基板に形成されると共に前記第1センサ電極の複数のエッジに対向して配置されている
    電子機器。
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