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JP2009138136A - インクセット、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、インクジェット記録装置、及び画像形成方法 - Google Patents

インクセット、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、インクジェット記録装置、及び画像形成方法 Download PDF

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JP2009138136A
JP2009138136A JP2007317267A JP2007317267A JP2009138136A JP 2009138136 A JP2009138136 A JP 2009138136A JP 2007317267 A JP2007317267 A JP 2007317267A JP 2007317267 A JP2007317267 A JP 2007317267A JP 2009138136 A JP2009138136 A JP 2009138136A
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智 工藤
Daiji Okamura
大二 岡村
Mikio Sanada
幹雄 真田
Kumiko Mafune
久実子 真船
Kenji Moribe
鎌志 森部
Tomonari Watanabe
智成 渡邉
Bunichi Nakamura
文一 中村
Sadayuki Sugama
定之 須釜
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Abstract

【課題】 複数のインクにより互いに異なる色の領域が隣接している画像の記録を行う場合に、フェザリングを生じることがなく、ブリーディングが抑制された画像を得ることができ、より信頼性に優れたインクセットを提供する。
【解決手段】 ブラックインクとカラーインクとを含む2種以上のインクを用いて記録媒体に画像を記録するインクセットにおいて、前記ブラックインクが、少なくともひとつの親水性基が直接又は他の原子団を介して結合しているカーボンブラックを含有してなり、前記カラーインクが、0.05mol/Lの色材水溶液の導電率が7mS/cm以上である色材を含有することを特徴とするインクセットとする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、2種以上のインクで構成されるインクセットに関し、より詳しくは、インクジェット記録方式によるインクジェット記録方法やインクジェット記録装置、さらには、画像形成方法に好適なインクセットに関する。
近年、インクジェット記録方式による高速記録に対するニーズが高まっている。記録を高速化するために、1走査で1ライン分の画像を形成する記録方法がある。しかし、この方法では2走査以上で1ラインを形成する方法に比べて、互いに異なる色、特に色材として顔料を含有するブラックインクとカラーインクとで形成する画像の境界における混色(ブリーディング)が目立つという問題がある。これは、1走査で1ライン分の画像を形成する場合における、隣接する互いに異なる色を形成するインク滴が記録媒体に付与される時間の差が、2走査以上で1ライン分の画像を形成する場合の時間の差以下となるためである。すなわち、1走査で1ラインを形成する場合の方が、記録媒体上において、互いに異なる色のインク滴同士がより混ざりやくなるためである。
従来より、各色の領域の境界部におけるブリーディングをより有効に抑制することを目的として、種々の技術が提案されている。例えば、自己分散型カーボンブラックと特定の塩を含有するブラックインクを用いることにより、ブラック及びカラーの各インクで形成する画像の境界におけるブリーディングを抑制することについての提案がある(特許文献1参照)。また、自己分散型カーボンブラックと、自己分散型カーボンブラックに対する貧溶媒を含有するブラックインクを用いることにより、ブリーディングを抑制することについての提案がある(特許文献2参照)。この特許文献2には、ブラックインク中の自己分散型顔料の分散安定性を不安定化する、自己分散型顔料に対する貧溶媒をカラーインク中に含有させることにより、ブラックインクとカラーインク間のブリーディングを抑制することについても記載されている。また、自己分散型カーボンブラックを含有するブラックインクと、前記カーボンブラックに対して逆極性の色材を含有するカラーインクとを組み合わせることで、ブリーディングを抑制することについての提案がある(特許文献3参照)。
このように、ブリーディングが抑制された高品位な画像を形成するためには、従来は、ブッラクインクに顔料の凝集を促進する塩や貧溶媒を含有させるという手段が主に取られていた。しかし、多価金属塩などをインクに添加するだけでは、1走査で1ライン分の画像を形成するインクジェット記録方法においては、まだなおブリーディングが目立つという問題がある。
一方で、カラーインク中に多価金属塩を添加することによりブリーディングを抑制する手段や、自己分散型カーボンブラックの官能基の電荷とカラーインク中の染料の官能基の電荷を逆にすることによって、ブリーディングを抑制させる手段が提案されている。しかし、このようなインクをインクジェット用インクとすると、記録ヘッドのノズル内でインクが固まってしまい、目詰まりが起こることによって、記録ができなくなる場合がある、つまり耐固着性が十分でないという問題もある。
特開2000−198955号公報 特開2005−206615号公報 特開平10−140064号公報
したがって、本発明の目的は、複数のインクにより互いに異なる色の領域が隣接している画像の記録を行う場合に、フェザリングを生じることがなく、ブリーディングが抑制された画像を得ることができ、より信頼性に優れたインクセットを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記の優れたインクセットを用いることで、ブリーディングが抑制された高品位な画像を形成することのできるインクジェット記録方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記記録方法に好適に用いることのできるインクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、記録媒体に互いに異なる色の領域が隣接している画像記録を行った場合に、フェザリングを生じることなく、ブリーディングを有効に抑制することができる画像形成方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明のインクセットは、ブラックインクとカラーインクとを含む2種以上のインクを用いて記録媒体に画像を記録するインクセットにおいて、前記ブラックインクが、少なくともひとつの親水性基が直接又は他の原子団を介して結合しているカーボンブラックを含有してなり、前記カラーインクが、0.05mol/Lの色材水溶液の導電率が7mS/cm以上である色材を含有することを特徴とする。
また、本発明の別の実施態様にかかるインクジェット記録方法は、インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法において、前記インクが、上記のインクセットを構成するインクであることを特徴とする。
また、本発明の別の実施態様にかかるインクカートリッジは、インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インク収容部に収容されたインクが、上記のインクセットを構成するインクであることを特徴とする。
また、本発明の別の実施態様にかかる記録ユニットは、インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた記録ユニットにおいて、前記インク収容部に収容されたインクが、上記のインクセットを構成するインクであることを特徴とする。
また、本発明の別の実施態様にかかるインクジェット記録装置は、インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置において、前記インク収容部に収容されたインクが、上記のインクセットを構成するインクであることを特徴とする。
また、本発明の別の実施態様にかかる画像形成方法は、ブラックインクと少なくとも1種のカラーインクとを用いて記録媒体にインクジェット記録方式で記録を行う画像形成方法において、前記ブラックインク及び前記カラーインクとして上記のインクセットを構成するインクを用い、且つ、前記ブラックインクによって形成される画像と、前記カラーインクによって形成される画像とが隣接してなる画像を形成する際に、前記ブラックインクを付与する走査を行った後に、前記画像が形成された領域に、前記カラーインクを付与する走査を行うことを特徴とする。
本発明によれば、複数のインクにより互いに異なる色の領域が隣接している画像の記録を行う場合に、フェザリングを生じることがなく、ブリーディングが抑制された画像を得ることができ、より信頼性に優れたインクセットを提供することができる。
また、本発明の他の実施態様によれば、上記の優れたインクセットを用いることで、ブリーディングが抑制された高品位な画像を形成することのできるインクジェット記録方法を提供することができる。
また、本発明の他の実施態様によれば、上記記録方法に好適に用いることのできるインクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置を提供することができる。
さらに、本発明の他の実施態様によれば、記録媒体に互いに異なる色の領域が隣接している画像記録を行った場合に、フェザリングを生じることなく、ブリーディングを有効に抑制することができる画像形成方法を提供することができる。
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
本発明のインクセットを用いて画像を形成することで、従来のインクでは種々の課題があった普通紙に対しても、各色の境界部における色材の拡散を抑制することができ、フェザリングやブリーディングの軽減された高品位の画像が得られる。また、本発明のインクセットを用いることで、高速記録が達成され、さらにインクジェット記録装置の小型化を図ることが可能となり、フェザリングやブリーディングが特に効果的に抑制されるという顕著な効果が得られることを見いだし、本発明に至った。
[ブリーディングが制御されるメカニズム]
本発明によって上記のような効果が得られる理由は明らかでないが、本発明者らはその理由を以下のように推測している。一般的に、普通紙等の記録媒体上にインクで画像を形成し、互いに異なる色の領域が隣接している画像記録を行った場合に、フェザリングを生じることなく、各色の領域の境界におけるブリーディングが抑制された画像を得るためには、境界部における色材の隣接領域への流出が抑制されることが必要である。そのためには、記録媒体上にインクが着弾した後に、できるだけ早く色材が凝集を起こすことが重要な条件となる。
本発明におけるブリーディング抑制効果は主に、カラーインク中の色材に起因していると考えられる。前記色材が水溶液中において高い導電率をもつことは、色材自体が有するイオン性基と、そのイオン性基のカウンターイオンがカラーインク中で豊富に存在していることを示している。少なくともひとつの親水性基が直接又は他の原子団を介して結合しているカーボンブラック(以下、自己分散型カーボンブラックと呼ぶことがある)は、電解質濃度が高いと凝集しやすくなる。そして、本発明のインクセットでは、カラーインク中の色材が自己分散型カーボンブラックの凝集トリガーになると考えられる。本発明者らの検討の結果、自己分散型カーボンブラックと、水溶液中において高い導電率を有する色材を混合すると、自己分散カーボンブラックが凝集し、さらに色材が不溶化する傾向にあることがわかった。これらのことにより耐ブリーディング性が飛躍的に向上していると考えられる。
また、上記色材の水溶液の吸光度に比べて、前記水溶液に自己分散型カーボンブラックを少量加え、ろ過することによって得られたろ液の吸光度が大きく減少していた。この結果も、前記色材の水溶液は、自己分散型カーボンブラックと混合することにより不溶化し、会合することを示唆していると言える。
以上のことから、記録媒体上において、自己分散型カーボンブラックを含有するブラックインクと、水溶液中において高い導電率を示す色材を含有するカラーインクとでそれぞれ形成した画像の境界部では、以下のようなことが起こっていると考えられる。すなわち、記録媒体上において、ブラックインクとカラーインクとが記録媒体に着弾した直後の画像の境界部では、カラーインク中の色材のカウンターイオンが、ブラックインク中のイオン性官能基を有する自己分散型カーボンブラックに引き寄せられることで、カラーインク中のカウンターイオンの濃度が局所的に減少し、その結果、画像の境界部付近に存在していた色材がH型となり、会合することによってブリーディングが抑制されると考えている。
<インクセット>
本発明のインクセットは、ブラックインクとカラーインクとを含む2種以上のインクを用いて記録媒体に画像を記録するためのインクセットである。
インクセットは、2種以上のインクをそれぞれ収容する複数のインクカートリッジが一体となっているインクカートリッジは勿論のこと、1種のインクを収容する単独のインクカートリッジを複数組み合わせて用いる場合も含む。さらに、このようなインクカートリッジと記録ヘッドとが一体となっているものも含む。
また、本発明のインクセットの一例としては、前記インクカートリッジを、以下のように組み合わせて用いる場合も挙げられる。例えば、前記インクカートリッジを、更に別のブラックインクを収容するインクカートリッジと組み合わせて用いる場合が挙げられる。また、前記インクカートリッジを、更にブラックインク、淡シアンインク、及び淡マゼンタインクをそれぞれ収容するインクカートリッジを一体にしたインクカートリッジと組み合わせて用いる場合が挙げられる。
更に、インクセットにおいて、単独のインクカートリッジを複数組み合わせて用いる場合の具体例には、以下の形態のものが挙げられる。シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクをそれぞれ収容する独立したインクカートリッジと、更に別のブラックインクを収容するインクカートリッジとを組み合わせて用いる場合が挙げられる。また、ブラックインク、淡シアンインク、及び淡マゼンタインクをそれぞれ収容するインクカートリッジを組み合わせて用いる場合が挙げられる。また、レッドインク、グリーンインク、及びブルーインクをそれぞれ収容する単独のインクカートリッジを追加して用いる場合が挙げられる。本発明においては特に、単独のインクカートリッジと、更に別のブラックインクを収容するインクカートリッジとを組み合わせて用いるインクセットの形態であることが好ましい。
以下、本発明のインクセットを構成するブラックインクとカラーインクとについて、各インクを構成する成分や各インクの特性などについて説明する。なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。
(ブラックインクの色材:カーボンブラック)
本発明で用いるブラックインクの色材は、少なくともひとつの親水性基がカーボンブラック粒子の表面に直接又は他の原子団(−R−)を介して結合しているカーボンブラック(所謂、自己分散型カーボンブラック)である。前記親水性基としては、例えば、−(COOM、−SO(M)、−POH(M)、−POH(M等のアニオン性基が挙げられる。尚、式中「M」は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムであり、nは1以上である。また、前記他の原子団(−R−)としては、アルキレン基又は芳香環が挙げられる。本発明におけるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。また、前記芳香環とは、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。勿論、本発明はこれに限られるものではない。
本発明においては、カーボンブラック粒子の表面に−R−(COOM基が結合しているカーボンブラックを用いることが特に好ましい。前記式中、Rはアルキレン基又は芳香環であり、Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムであり、nは2以上の整数である。カーボンブラック粒子の表面に−R−(COOM基が結合しているカーボンブラックは、ジアゾカップリング法により得られたものを用いることが好ましい。
また、より好ましい形態として、前記カーボンブラック粒子の表面に結合している−R−において、−(COOM)が結合している炭素原子に隣接する炭素原子が、−(COOM)を結合している場合や、上記nが2の場合や、上記RがCである場合等において、本発明の効果がより顕著に発揮される。尚、前記カーボンブラック粒子の表面に結合している−R−において、−(COOM)が結合している炭素原子に隣接する炭素原子が、−(COOM)を結合していることとは、下記構造式(3)のように、R中の隣り合う2つ以上の炭素原子が共に−(COOM)基を有することである。本発明においては、カーボンブラック粒子の表面に、下記構造式(3)で示される基が結合しているカーボンブラックを用いることが特に好ましい。勿論、本発明はこれに限られるものではない。
構造式(3)
Figure 2009138136
また、本発明で用いるブラックインクにおいては、上記−R−(COOM基がより高密度にカーボンブラック粒子の表面に結合している場合、例えば、カーボンブラック粒子の表面におけるイオン性基密度が、2.00μmol/m以上であることが好ましい。これは、ブラックインクが記録媒体に付与された後のカーボンブラックの凝集がより促進され、本発明の効果がより顕著に得られるためである。なお、本発明においては、カーボンブラック粒子の表面におけるイオン性基密度は、カーボンブラックの比表面積や、カーボンブラック粒子の表面に結合している官能基の構造等により大きく影響を受けるため、上記範囲に限られるものではない。
さらに、本発明で用いるブラックインクにおいては、前記Mがアンモニウムである場合、より優れた画像の耐水性が得られるために、特に好ましい。これは、ブラックインクが記録媒体に付与された後に、アンモニウムが分解し、アンモニアが蒸発してカーボンブラック表面に結合しているイオン性基がH型(酸型)となり、親水性が低下することによるものと考えられる。ここで、Mがアンモニウムであるカーボンブラックは、以下の方法で得ることができる。例えば、Mがアルカリ金属であるカーボンブラックを用い、イオン交換法を行うことでMをアンモニウムに置換する方法や、酸を加えてH型とした後に、水酸化アンモニウムを添加してMをアンモニウムにする方法などが挙げられる。
上述のカーボンブラックとして、本発明で用いるブラックインクには、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラックを用いることが好ましい。具体的には、例えば、以下の市販品などを用いることができる。カーボンブラックは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
レイヴァン:1170、1190ULTRA−II、1200、1250、1255、1500、2000、3500、5000ULTRA、5250、5750、7000(以上、コロンビア製)。ブラックパールズL、リーガル:330R、400R、660R、モウグルL、モナク:700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、2000、ヴァルカンXC−72R(以上、キャボット製)。カラーブラック:FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリンテックス:35、U、V、140U、140V、スペシャルブラック:6、5、4A、4(以上、デグッサ製)。No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学製)。
また、新たに調製したカーボンブラックを用いることもできる。勿論、本発明はこれらに限定されるものではなく、従来のカーボンブラックをいずれも用いることができる。
本発明で用いるブラックインク中におけるカーボンブラックの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下で、さらには1.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
(カラーインクの色材)
本発明で用いるカラーインクの色材は、0.05mol/L水溶液中において7mS/cm以上の導電率を有する色材であることが必須である。この条件を満足する限り、カラーインクに用いることができる色材は、例えば、下記の構造式(1)で表される化合物や構造式(2)で表される化合物が挙げられる。勿論、本発明はこれらの色材に限られるものではない。
構造式(1)
Figure 2009138136
(構造式(1)中、Rは水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、シクロヘキシル基、モノ若しくはジアルキルアミノアルキル基、又はシアノアルキル基であり、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1乃至8のアルキル基、又はカルボキシル基(但し、R、R10、R11、R12、及びR13のすべてが水素原子である場合を除く)であり、Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
構造式(2)
Figure 2009138136
(構造式(2)中、Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
構造式(1)及び構造式(2)におけるMはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。前記アルカリ金属は、例えば、リチウム、ナトリウム、及びカリウムなどが挙げられる。前記有機アンモニウムは、例えば、アセトアミド、ベンズアミド、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、及びフェニルアミノなどが挙げられる。
カラーインク中の色材の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。色材の含有量が0.1質量%未満であると、十分な画像濃度が得られない場合がある。また、色材の含有量が10.0質量%を超えると、固着回復性(インクジェット記録装置を長期間使用せず、記録ヘッド中でインクが固まった場合に吸引等の回復動作で回復する性能)十分に得られない等、良好なインクジェット特性が得られない場合がある。さらに、本発明においては、より高い画像濃度を得るなどのためには、色材の含有量が3.0質量%以上であることが好ましく、さらに特に高い画像濃度を得るなどのためには、色材の含有量が4.5%質量%以上であることが好ましい。
本発明で用いるカラーインクの色材としては、構造式(1)又は構造式(2)で表される化合物を単独で用いてもよく、また色調などの調整のために他の色材と併用してもよい。ただし、上記導電率の条件を満足する化合物以外の色材を併用する場合には、本発明の効果が損なわれない範囲内において併用することができる。
(色材の検証)
本発明において用いられる色材の検証には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた下記(1)〜(3)の検証方法が適用できる。
(1)ピークの保持時間
(2)(1)のピークにおける最大吸収波長
(3)(1)のピークにおけるマススペクトルのM/Z(posi、nega)
高速液体クロマトグラフィーの分析条件は以下に示す通りである。純水で約1,000倍に希釈したインクに対して、下記の条件で高速液体クロマトグラフィーでの分析を行い、ピークの保持時間(retention time)、及び、ピークの極大吸収波長を測定する。
・カラム:Symmetry C18 2.1mm×150mm
・カラム温度:40℃
・流速:0.2ml/min
・PDA:210nm〜700nm
・移動相及びグラジエント条件:表1
Figure 2009138136
又、マススペクトルの分析条件は以下に示す通りである。得られたピークに対して、下記の条件でマススペクトルを測定し、最も強く検出されたM/Zをposi、negaそれぞれに対して測定する。
・イオン化法
・ESI キャピラリ電圧 3.5kV
脱溶媒ガス 300℃
イオン源温度 120℃
・検出器 posi 40V 200−1500amu/0.9sec
nega 40V 200−1500amu/0.9sec
上記の化合物A及び化合物Bに対しての保持時間、極大吸収波長、M/Z(posi)、M/Z(nega)の値を下記表2に示す。表2に示された値に該当する場合、本発明において用いる化合物に該当すると判断できる。
Figure 2009138136
(ブラックインクに用いる塩)
本発明で用いるブラックインクは塩を含有することが好ましい。ブラックインク中における塩の形態は、その一部が解離した状態、又は全部が解離した状態のいずれの形態であってもよい。
ブラックインクに用いることができる塩の具体例は、例えば、(M)NO、CHCOO(M)、CCOO(M)、C(COO(M))、C6H(COO(M))、(MSO(式中、Mはアルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムである)等が挙げられる。勿論、本発明の要件を満たす限り、これらに限定されるものではない。
ブラックインク中における塩の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.05質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。含有量が0.05質量%を下回ると、本発明の効果が十分に得られない場合があり、10.0質量%を上回ると、インクの保存安定性等が得られない場合がある。
また、ブラックインクにおいては、上記Mがアンモニウムである場合、より優れた画像の耐水性が得られるために、特に好ましい。中でも、NHNO、C(COONH、(NHSO等は比較的短い時間で画像の耐水性が発現するため好ましく、特にはC(COONHが好ましい。
また、ブラックインクにおいては、塩が、C(COO(M))、C(COO(M2))、(MSOである場合、ブラックインク中の水分などが蒸発した場合におけるカーボンブラックの分散安定性がとりわけ優れているため、より好ましい。
また、カーボンブラック粒子の表面における官能基の価数と塩の価数とが同じである場合、本発明の効果がより顕著に得られるため、特に好ましい。すなわち、カーボンブラック粒子の表面に−R−(COOM基が結合しているカーボンブラックにおいて、例えば、nが2の場合には、前記カーボンブラックと組み合わせて用いる塩として2価の塩を使用することが特に好ましい。具体的には、カーボンブラック粒子の表面に−R−(COOM基が結合しているカーボンブラックと、C(COO(M))、C(COO(M))、(MSOという塩の組み合わせ等が挙げられる。勿論、本発明はこれに限られるものではない。
(各インクの水性媒体)
本発明のインクセットを構成するブラックインク及びカラーインクの各インクには、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。尚、本発明においては、水溶性有機溶剤を選択する際には、後述する方法で、カーボンブラックに対する貧溶媒を判別した後に、水溶性有機溶剤を選択して適宜に配合し、各インクを調製することが好ましい。
各インク中における水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、後述する貧溶媒としての挙動を示す水溶性有機溶剤を含めて、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下、さらには3.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等の炭素原子数1乃至6のアルカノール。N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド。アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン。ケトアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル。グリセリン。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール等のグリコール類。1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価アルコール類。エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類。2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルモルホリン等の複素環類。ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物類。
又、水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。又、各インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下、さらには30.0質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。水の含有量をこのような範囲とすることで、インクを安定して吐出するために適切な粘度を有し、且つ、ノズル先端における目詰まりが抑制されたインクとすることが容易となる。
(カーボンブラックに対する貧溶媒)
本発明における貧溶媒とは、水溶性有機溶剤に対してカーボンブラックの分散状態を安定に保つことができないもののことをいう。本発明においては、インクセットを構成するブラックインク及びカラーインク中の水溶性有機溶剤に着目して、ブラックインク中のカーボンブラックに対して、上記した貧溶媒としての挙動を示すものを特に選択する。そして、ブラックインク及び/又はカラーインク中の貧溶媒をカーボンブラックの凝集促進剤として利用する。
ブラックインク中の貧溶媒は、未蒸発のインク中ではカーボンブラックの分散状態が安定に保たれるような含有量とすることが好ましい。加えて、ブラックインクが記録媒体に付与され、インクが蒸発する際や、貧溶媒を含有するカラーインクと接触することにより貧溶媒の量が増えた際に、カーボンブラックが凝集を開始させることができるような含有量とすることが好ましい。また、カラーインク中の貧溶媒は、記録媒体上でブラックインクと接触した際に、カーボンブラックが凝集を開始させることができるような含有量とすることが好ましい。ブラックインクやカラーインク中の貧溶媒の含有量を上記のように決定することで、本発明の効果をより高いレベルで得ることができる。
本発明においては、カーボンブラックに対して貧溶媒として作用する水溶性有機溶剤は、下記のようにして、対象となるカーボンブラックに対する分散安定性を判定して用いる。尚、本発明においては、貧溶媒ではない水溶性有機溶剤を良溶媒と呼ぶ。
より具体的には、下記の方法で、あるカーボンブラックに対して用いる水溶性有機溶剤が、良溶媒となっているか、又は貧溶媒となっているかの判定を行うことができる。先ず、下記に挙げる、判定対象の水溶性有機溶剤を含有する、あるカーボンブラックの分散液A、及び前記カーボンブラックの水分散液B、の2種類の分散液を調製する。
A:判定対象の水溶性有機溶剤の含有量が50質量%、カーボンブラックの含有量が5質量%、水の含有量が45質量%である組成のカーボンブラックの分散液。
B:カーボンブラックの含有量が5質量%、水の含有量が95質量%である組成のカーボンブラックの水分散液。
次に、前記分散液Aを60℃で48時間保存した後に常温に冷ました分散液A中のカーボンブラックの平均粒径を、濃厚系粒径アナライザー(商品名:FPAR(登録商標)−1000;大塚電子製)等を用いて測定する。又、前記水分散液Bも、上記と同様に60℃で48時間保存した後に常温に冷ました水分散液B中のカーボンブラックの平均粒径を、濃厚系粒径アナライザー等を用いて測定する。そして、前記分散液A中及び水分散液B中における各カーボンブラックの平均粒径の値を、粒径(A)及び粒径(B)とする。このときに、粒径(A)が粒径(B)よりも大きい場合、前記水溶性有機溶剤を貧溶媒、粒径(A)が粒径(B)と同等又はそれ以下の場合、前記水溶性有機溶剤を良溶媒、と判定する。
各インク中の貧溶媒の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%未満、更には10.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。含有量が3.0質量%を下回ると、貧溶媒によるカーボンブラックを凝集する効果が得られず、記録媒体の表面により多くのカーボンブラックを存在させることができない場合がある。又、含有量が50.0質量%以上であると、インクの保存安定性が得られない場合がある。尚、前記インクの保存安定性とは、一般に水の蒸発の伴わない状態での保存安定性のことである。
貧溶媒として用いることができる水溶性有機溶剤の具体例は、イソプロパノール、2−ピロリドン、平均分子量が200以上のポリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオールなどの少なくとも主鎖の両末端に水酸基を有するジオール類等が挙げられる。中でも特に、イソプロパノール、2−ピロリドン、1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール200(平均分子量200)、ポリエチレングリコール600(平均分子量600)等を用いることが好ましい。勿論、本発明で用いることができる貧溶媒はこれらに限られるものではない。
[その他の成分]
本発明のインクセットに用いるブラックインク及びカラーインクの各インクは、保湿性などを向上するために、上記成分の他に、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の保湿性成分を含有してもよい。各インク中の保湿性成分の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上20.0質量%以下、さらには3.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
さらに、本発明のインクセットに用いるブラックインク及びカラーインクの各インクは、上記成分以外にも必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤等の添加剤を含有してもよい。
(各インクの特性)
本発明のインクセットに用いるブラックインク及びカラーインクの各インクは、記録ヘッドから良好に吐出されるような特性を有することが好ましい。このため、ブラックインク及びカラーインクの各インクの粘度は、1mPa・s以上15mPa・s以下、さらには1mPa・s以上5mPa・s以下であることが好ましい。また、ブラックインク及びカラーインクの各インクの表面張力は、25mN/m以上、さらには25mN/m以上50mN/m以下とすることが好ましい。また、ブラックインクの表面張力よりもカラーインクの表面張力が低いことがより好ましい。具体的には、ブラックインクの表面張力が35mN/m以上50mN/m以下であり、カラーインクの表面張力が25mN/m以上35mN/mであることが特に好ましい。
<画像形成方法>
以下、本発明の画像形成方法について説明する。本発明の画像形成方法は、上記で説明した構成の、少なくともブラックインクとカラーインクを含む2種以上のインクを用いて画像を記録媒体に記録を行うものであるが、互いに異なる色の領域が隣接してなる画像を形成する際に、カーボンブラックを含有するインクを付与する走査を行って画像を形成した後、前記画像が形成された領域に、前記カーボンブラックに対して貧溶媒となる水溶性有機溶剤を含み、他のインクを付与する走査を行うことを特徴とする。
以下、ブラックインクにカーボンブラックを含有するインクを用い、カラーインクに、前記カーボンブラックに対して貧溶媒となる水溶性有機溶剤を含有するインクを用いて記録媒体に画像を形成する場合を例にとって、説明する。図8は、上記した本発明の画像形成方法を実施することができる記録ヘッドの一例である。前記記録ヘッドは、図8に示したように、ブラックインクを吐出するための吐出口列(Bk)と、カラーインクであるシアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)の3色のインクをそれぞれ吐出するための吐出口列とを備えている。
本発明の画像形成方法では、画像を形成する場合には、ブラックインクを吐出させるためのブラックインク用吐出口列と、カラーインク用吐出口列が副走査方向にずれて配置した記録ヘッドを用いることが好ましい。このため、例えば、図8に示した記録ヘッドを用いてブラックとカラーが混在した画像の形成を行う場合には、ブラックインクについては図中のaの部分を使用し、C、M及びYのインクについては図中のbの部分を使用して画像を形成することが好ましい。以下、図8を用いて、ブラック部位とカラー部位が混在した画像の形成を行う場合について、さらに詳細に説明する。
図8において、先ず、ブラックインク用吐出口列のa部分を用いてプリントヘッドを図の横方向(主走査方向)に走査することで、ブラックの画像データを1パス記録で普通紙等の記録媒体に形成する。次に、図の縦方向(副走査方向)に距離aだけ記録媒体の搬送を行い、次のプリントヘッドの主走査の往方向の過程で、カラーインクの吐出口列bの部分を用いて、先程のブラックインクのa列で画像形成された領域に画像の形成を1パス記録で行う。このときブラックインクの吐出口列aは次の領域に画像形成を同時に行っている。この繰り返しにより、ブラック及びカラー混在の画像形成を行っていく。
図9に、本発明の画像形成方法を実施することができる記録ヘッドの別の一例を示した。図9においても図8の場合と同様に、ブラックインクについては吐出口列の図中aの部分を使用し、C、M及びYのインクについては、吐出口列の全領域にあたる図中のbの部分を使用し、上記の図8の説明で行ったと同様にして、ブラック及びカラー混在の画像形成を行う。
図10に、本発明の画像形成方法を実施することができる記録ヘッドの別の一例を示した。図10においても図8の場合と同様に、ブラックインクについては吐出口列の図中aの部分を使用し、C、M及びYのインクについては、カラーインク用吐出口列の全領域にあたる図中のbの部分を使用し、ブラック及びカラー混在の画像形成を行っていく。図10に例示した記録ヘッドでは、図示したように、ブラックインク用吐出口列のaの部分とカラーインク用のb部分との間に、1回分の紙送り量a′分だけ距離が置かれている。このため、かかる構成の記録ヘッドでは、ブラックの画像が形成されてからカラーの画像が形成されるまでの間に、往復で1回のプリント走査分の時間差を余分に生じることになる。したがって、図10に例示した記録ヘッドは、図9に示した構成よりも、ブラック及びカラー間のブリーディング防止に対してより有利な構成となる。
図11に本発明の画像形成方法を実施することができる記録ヘッドの別の一例を示した。このような、紙送り方向に順に、ブラックインク及びカラーインク用の吐出口列が一列に配置された記録ヘッドを用いた場合も、紙送りに応じてブラックの画像が形成されてから画像が形成されることになる。
図12に、本発明の画像形成方法を実施することができる記録ヘッドの別の一例を示した。図12に示した記録ヘッドでは、往方向の走査と復方向の走査とでカラーインクの打ち込み順序が等しくなるように、カラーインク用吐出口列が、シアンインク(C1、C2)、マゼンタインク(M1、M2)、イエローインク(Y1、Y2)と、それぞれ2列、主走査方向に対称に設けられ構成されている。この結果、ブラック及びカラー混在画像の形成においても、双方向記録が可能となる。この場合には、ブラックインク用のa部分で先ずブラックの画像が形成され、次に、距離aだけ記録媒体の搬送が行われ、次のプリントヘッドの主走査の復方向の過程で、カラーインク用の吐出口列bの部分を用いて、上述したブラックインク用のa列で画像形成された領域に画像の形成が1パス記録で行なわれることになる。
図12のような双方向記録対応ヘッドにおいても勿論、先に説明したと同様に、ブラックインクとカラーインクのノズル配置とし、ブラックとカラーの画像形成の間に1走査分の間隔を設け、ブリーディング防止に対してより有利な構成としてもよい(図13参照)。以上、本発明の画像形成方法について説明したが、本発明方法に使用できる記録ヘッドの形態は、図8〜13に限定されるものではない。
<記録方法、記録ユニット、カートリッジ及び記録装置>
次に、本発明のインクジェット記録装置の一例について説明するが、前記装置は、先に説明した本発明のインクセットが収容されていることを特徴とする。先ず、熱エネルギーを利用したインクジェット記録装置の主要部であるヘッド構成の一例を、図1及び図2に示す。図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面図である。ヘッド13はインクを通す流路(ノズル)14を有するガラス、セラミック、シリコン又はプラスチック板等と発熱素子基板15とを接着して得られる。
発熱素子基板15は、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン等で形成される保護層16、アルミニウム、金、アルミニウム−銅合金等で形成される電極17−1及び17−2、HfB、TaN、TaAl等の高融点材料から形成される発熱抵抗体層18、熱酸化シリコン、酸化アルミニウム等で形成される蓄熱層19、シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウム等の放熱性のよい材料で形成される基板20よりなっている。
上記ヘッド13の電極17−1及び17−2にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板15のnで示される領域が急速に発熱し、この表面に接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21がヘッドのノズル14を通して吐出し、吐出オリフィス22よりインク小滴24となり、記録媒体25に向かって飛翔する。図3には、図1に示したヘッドを多数並べたマルチヘッドの一例の外観図を示す。このマルチヘッドは、マルチノズル26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同じような発熱ヘッド28を接着して作られている。
図4に、このヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持固定されており、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置され、また、図示した例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
62は記録ヘッド65の突出口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配置され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。さらに、63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62及びインク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及びインク吸収体63によって吐出口面に水分、塵埃等の除去が行われる。
65は、吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
51は記録媒体を挿入するための給紙部、52は不図示のモーターにより駆動される紙送りローラーである。これらの構成により記録ヘッド65の吐出口面と対向する位置へ記録媒体が給紙され、記録の進行につれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙される。以上の構成において記録ヘッド65が記録終了してホームポジションへ戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。その結果、記録ヘッド65の吐出口がワイピングされる。
なお、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上記したワイピングのときの位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
図5は、記録ヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を示す図である。ここで40は供給用インクを収納したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能にする。44は廃インクを受容するインク吸収体である。インク収容部としてはインクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが好ましい。
本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上述のようにヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図6に示すようなそれらが一体になったものにも好適に用いられる。図6において、70は記録ユニットであり、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数オリフィスを有するヘッド部71カラーインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としてはポリウレタンを用いることが本発明にとって好ましい。また、インク吸収体を用いず、インク収容部が内部にバネ等を仕込んだインク袋であるような構造でもよい。72はカートリッジ内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は図4に示す記録ヘッド65に換えて用いられるものであって、キャリッジ66に対して着脱自在になっている。
次に、力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置の好ましい一例について説明する。力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置としては、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出させるオンデマンド型の記録ヘッドを挙げることができる。その記録装置の主要部である記録ヘッドの構成の一例を図7に示す。
ヘッドは、インク室(不図示)に連通したインク流路80と、所望の体積のインク滴を吐出するためのオリフィスプレート81と、インクに直接圧力を作用させる振動板82と、この振動板82に接合され、電気信号により変位する圧電素子83と、オリフィスプレート81、振動板82等を指示固定するための基板84とから構成されている。
図7において、インク流路80は、感光性樹脂等で形成され、オリフィスプレート81は、ステンレス、ニッケル等の金属を電鋳やプレス加工による穴あけ等により吐出口85が形成され、振動板82はステンレス、ニッケル、チタン等の金属フィルム及び高弾性樹脂フィルム等で形成され、圧電素子83は、チタン酸バリウム、PZT等の誘電体材料で形成される。以上のような構成の記録ヘッドは、圧電素子83にパルス状の電圧を与え、歪み応力を発生させ、そのエネルギーが圧電素子83に接合された振動板を変形させ、インク流路80内のインクを垂直に加圧しインク滴(不図示)をオリフィスプレート81の吐出口85より吐出して記録を行うように動作する。このような記録ヘッドは、図4に示したものと同様なインクジェット記録装置に組み込んで使用される。インクジェット記録装置の細部の動作は、先述と同様に行うもので差しつかえない。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例によって限定されるものではない。尚、文中「部」、及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
5.5gの水に5gの濃塩酸を溶かした溶液に、5℃に冷却した状態で4−アミノ−1,2−ベンゼンジカルボン酸1.5gを加えた。次に、この溶液の入った容器をアイスバスに入れて液を撹拌することにより溶液を常に10℃以下に保った状態とし、これに5℃の水9gに亜硝酸ナトリウム1.8gを溶かした溶液を加えた。この溶液をさらに15分間撹拌後、比表面積が220m/gでDBP吸油量が105ml/100gであるカーボンブラック6gを撹拌下で加えた。その後、さらに15分間撹拌した。得られたスラリーをろ紙(商品名:標準用濾紙No.2;アドバンテック製)でろ過した後、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させ、自己分散型カーボンブラックを調製した。さらに、上記で得られた自己分散型カーボンブラックに水を加えて顔料の含有量が10質量%となるように分散させ、分散液を調製した。上記の方法により、カーボンブラック粒子の表面に−C−(COONa)基が導入されてなる自己分散型カーボンブラックが水中に分散された状態の顔料分散液を得た。
尚、上記で調製した自己分散型カーボンブラックのイオン性基密度を測定したところ、3.1μmol/mであった。この際に用いたイオン性基密度の測定方法は、上記で調製した顔料分散液中のナトリウムイオン濃度をイオンメーター(東亜DKK製)を用いて測定し、その値から自己分散型カーボンブラックのイオン性基密度に換算した。
<各水溶性有機溶剤の貧溶媒及び良溶媒の判定>
上記で得られた顔料分散液中のカーボンブラックに対して貧溶媒又は良溶媒として作用する水溶性有機溶剤を選択するために、以下の実験を行った。先ず、上記で得られた顔料分散液(顔料の含有量:10質量%)を用いて、以下の配合比にて貧溶媒及び良溶媒の判定用の、分散液A及び水分散液Bを調製した。
(分散液の配合比)
〔分散液A〕
・顔料分散液(顔料の含有量:10質量%) 50部
・表3に記載の各水溶性有機溶剤 50部
〔水分散液B〕
・顔料分散液(顔料の含有量:10質量%) 50部
・純水 50部
(判定方法及び判定結果)
次に、上記のようにして調製した分散液A及び水分散液B各10gを、それぞれ透明なガラス製フタつきサンプルビンに入れ、蓋をした後、充分撹拌し、これを60℃で48時間静置した。その後、常温に冷ました分散液Aを測定用サンプルとして、分散液A中のカーボンブラックの平均粒径を、濃厚系粒径アナライザー(商品名:FPAR−1000;大塚電子製)を用いて測定した。又、常温に冷ました水分散液B中のカーボンブラックの平均粒径も、上記と同様にして測定した。60℃、48時間保存後の分散液A及び水分散液B中のカーボンブラックの平均粒径が、分散液Aの方が水分散液Bより大きくなる水溶性有機溶剤を貧溶媒と判定した。又、60℃、48時間保存後の分散液Aの平均粒径が、水分散液Bと同等又はそれ以下になる水溶性有機溶剤を貧溶媒でない、即ち良溶媒と判定した。
表3に、上記のようにしてカーボンブラックの平均粒径を測定することで、各水溶性有機溶剤について、貧溶媒又は良溶媒のいずれか該当するかについての判定した結果を示した。表3中の結果は、カーボンブラックの平均粒径の増大が認められ、貧溶媒と判定された場合を○とし、カーボンブラックの平均粒径の増大が認められず、良溶媒と判定された場合を×として示した。
Figure 2009138136
<ブラックインクの調製>
下記表4に示す各成分を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ3.0μmの富士フイルムミクロフィルタ−(登録商標、富士フィルム製)にて加圧ろ過を行い、各ブラックインクを調製した。
Figure 2009138136
<色材の合成>
(化合物Aの合成)
キシレン中で、下記化合物(1)で表される化合物、炭酸ナトリウム、ベンゾイル酢酸エチルエステルとを反応させ、反応物を濾過、洗浄した。これを、N,N−ジメチルホルムアミド中で、メタアミノアセトアニリド、酢酸銅、炭酸ナトリウムを順次添加して反応を行い、反応物を濾過、洗浄した。更にこれを、発煙硫酸中でスルホン化を行った後、濾過、洗浄し、これを、水酸化ナトリウムの存在下で、シアヌルクロライドと縮合反応を行った。この反応液中に、アンスラニル酸を添加し、水酸化ナトリウムの存在下で縮合反応を行った。これを濾過、洗浄を行うことにより、構造式(1)で表される化合物に該当する色材として下記の化合物Aを得た。
化合物(1)
Figure 2009138136
化合物A
Figure 2009138136
(化合物Bの合成)
ジアゾ化した4−ニトロ−4’−アミノスチルベン−2,2−ジスルホン酸と3−アミノナフタレン−1−スルホン酸とをカップリングさせ、これをトリアゾール化し、ニトロ基をアミノ基に還元する公知の方法で製造したアミノスチルベン−トリアゾールを水に溶解し、亜硝酸ナトリウム、塩酸を滴下し、ジアゾ化を行った。これを、下記化合物(2)で表される化合物の水溶液に滴下して、カップリングした後、塩化ナトリウムで塩析した。この化合物を、亜硝酸ナトリウム水溶液でジアゾ化を行い、この混濁液に、6−アミノナフタレン−2−スルホン酸水溶液を添加し、これをトリアゾール化したものを塩化ナトリウムで塩析することにより、構造式(2)で表される化合物に該当する色材として下記の化合物Bを得た。
化合物(2)
Figure 2009138136
化合物B
Figure 2009138136
<色材水溶液の導電率測定方法>
上記化合物A、化合物B、及び比較例で用いたPRO−JET(登録商標) Yellow746(アビシア製)の0.05mol/L水溶液の導電率を25℃において測定した。得られた結果を表5に示す。
Figure 2009138136
<カラーインクの調製>
下記表6に示す各成分を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ0.2μmの富士フイルムミクロフィルタ−(富士フィルム製)にて加圧ろ過を行い、各カラーインクを調製した。
Figure 2009138136
<評価>
上記で得られた各ブラックインクと各カラーインクとを表7のように組み合わせてインクセットとして用いた。インクセットを構成する各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置iP3100(キヤノン(株)製)を改造したものに搭載した。なお、前記インクジェット記録装置は、記録ヘッドを図9又は図10に示す構成となるように改造した。そして、ブラックインクで形成したベタ画像と、カラーインクで形成したベタ画像とが隣接した画像を記録媒体(商品名:オフィスプランナー(登録商標);キヤノンマーケティングジャパン(株)製)に形成した。得られた記録物における、ブラックインクで形成した画像の領域とカラーインクを用いて上記の各記録デューティでそれぞれ形成した画像の領域との境界部におけるブリーディングの程度を目視で確認して、耐ブリーディング性の評価を行った。耐ブリーディング性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表7に示す。
AAA:ブリーディングがない
AA:注意深く見るとブリーディングしているがほとんど気にならない程度である
A:ブリーディングがあるが、ほとんど目立たない
B:ブリーディングがあるが、問題のない程度である
C:ブリーディングが目立つ
D:色の境界線がはっきりしないほどブリーディングしている
Figure 2009138136
表7より、0.05mol/Lの水溶液中において、導電率が7mS/cm以上である色材を含有するカラーインクを用いることにより、ブリーディングが効果的に抑制されていることが確認された。また、ブラックインクに塩や貧溶媒を、カラーインクに貧溶媒を加えることにより、さらにブリーディングが抑制されていることが確認された。
記録ヘッドの縦断面図である。 記録ヘッドの縦横面図である。 図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図である。 インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。 インクカートリッジの縦断面図である。 記録ユニットの一例を示す斜視図である。 記録ヘッドの構成の一例を示す図である。 記録ヘッドの構成の一例を示す図である。 記録ヘッドの構成の一例を示す図である。 記録ヘッドの構成の一例を示す図である。 記録ヘッドの構成の一例を示す図である。 記録ヘッドの構成の一例を示す図である。 記録ヘッドの構成の一例を示す図である。
符号の説明
13 ヘッド
14 インクノズル
15 発熱素子基板
16 保護層
17−1、17−2 電極
18 発熱抵抗体層
19 蓄熱層
20 基板
21 インク
22 吐出オリフィス(微細孔)
23 メニスカス
24 インク滴
25 記録媒体
26 マルチノズル
27 ガラス板
28 発熱ヘッド
40 インク袋
42 栓
44 インク吸収体
45 インクカートリッジ
51 給紙部
52 紙送りローラー
53 排紙ローラー
61 ブレード
62 キャップ
63 インク吸収体
64 吐出回復部
65 記録ヘッド
66 キャリッジ
67 ガイド軸
68 モーター
69 ベルト
70 記録ユニット
71 ヘッド部
72 大気連通口
80 インク流路
81 オリフィスプレート
82 振動板
83 圧電素子
84 基板
85 吐出口

Claims (15)

  1. ブラックインクとカラーインクとを含む2種以上のインクを用いて記録媒体に画像を記録するインクセットにおいて、
    前記ブラックインクが、少なくともひとつの親水性基が直接又は他の原子団を介して結合しているカーボンブラックを含有してなり、
    前記カラーインクが、0.05mol/Lの色材水溶液の導電率が7mS/cm以上である色材を含有することを特徴とするインクセット。
  2. 前記カーボンブラックの表面に結合している基が、−R−(COOM基であることを特徴とする請求項1に記載のインクセット。
    (上記式中、Rはアルキレン基又は芳香環であり、Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムであり、nは2以上の整数である。)
  3. 前記ブラックインクが、前記カーボンブラックに対する貧溶媒を含有してなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクセット。
  4. 前記カラーインクが、塩を含有してなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のインクセット。
  5. 前記カラーインクに含有される色材が、下記構造式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のインクセット。
    構造式(1)
    Figure 2009138136
    (構造式(1)中、Rは水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、シクロヘキシル基、モノ若しくはジアルキルアミノアルキル基、又はシアノアルキル基であり、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1乃至8のアルキル基、又はカルボキシル基(但し、R、R10、R11、R12、及びR13のすべてが水素原子である場合を除く)であり、Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
  6. 前記カラーインクに含有される色材が、下記構造式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のインクセット。
    構造式(2)
    Figure 2009138136
    (構造式(2)中、Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
  7. 前記カラーインクが、前記カーボンブラックに対する貧溶媒を含有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のインクセット。
  8. 前記貧溶媒が、2−ピロリドンであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のインクセット。
  9. インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法において、
    前記インクが、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のインクセットを構成するインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  10. インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、
    前記インク収容部に収容されたインクが、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のインクセットを構成するインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  11. インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた記録ユニットにおいて、
    前記インク収容部に収容されたインクが、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のインクセットを構成するインクであることを特徴とする記録ユニット。
  12. インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置において、
    前記インク収容部に収容されたインクが、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のインクセットを構成するインクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  13. ブラックインクと少なくとも1種のカラーインクとを用いて記録媒体にインクジェット記録方式で記録を行う画像形成方法において、
    前記ブラックインク及び前記カラーインクとして請求項1〜請求項8のいずれかに記載のインクセットを構成するインクを用い、且つ、前記ブラックインクによって形成される画像と、前記カラーインクによって形成される画像とが隣接してなる画像を形成する際に、前記ブラックインクを付与する走査を行った後に、前記画像が形成された領域に、前記カラーインクを付与する走査を行うことを特徴とする画像形成方法。
  14. 前記ブラックインクを付与する走査を行った後に、少なくとも1走査分の間をあけた後に、前記カラーインクを付与する走査を行うことを特徴とする請求項13に記載の画像形成方法。
  15. 前記ブラックインクを吐出するための吐出口列と、前記カラーインクを吐出するための吐出口列とが副走査方向にずれて配置されている記録ヘッドを用いてインクの付与を行うことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の画像形成方法。
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