JP2009125862A - 振動式研磨処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大型の部品や複雑な流体通路などを持つ部品のバリ取りなどの研磨処理を能率良く行う。
【解決手段】研磨処理用のメディア46を収容する研磨槽42を加振することによって、メディア46に入れた被加工物48を研磨処理する振動式研磨処理装置であって、研磨槽42の内底面を下方に向かって凸な略半円状とし、研磨槽42を水平方向および上下方向に弾性支持する一方、研磨槽42を加振機34によって円周方向に加振することによってメディア46を研磨槽内で振動させながら一定方向に回転流動させ、メディア46中に固定保持した被加工物48にメディア46を打ちつける。この時に被加工物48をメディア46の上部流動線Aにほぼ沿わせることにより研磨処理を均一化する。
【選択図】図7
【解決手段】研磨処理用のメディア46を収容する研磨槽42を加振することによって、メディア46に入れた被加工物48を研磨処理する振動式研磨処理装置であって、研磨槽42の内底面を下方に向かって凸な略半円状とし、研磨槽42を水平方向および上下方向に弾性支持する一方、研磨槽42を加振機34によって円周方向に加振することによってメディア46を研磨槽内で振動させながら一定方向に回転流動させ、メディア46中に固定保持した被加工物48にメディア46を打ちつける。この時に被加工物48をメディア46の上部流動線Aにほぼ沿わせることにより研磨処理を均一化する。
【選択図】図7
Description
この発明は、粒子状などの研磨材を含むバリ取り用や表面研磨用などのメディアを収容する研磨槽を加振することによって、メディアの中に入れた被加工物のバリを除去したり表面研磨などの処理を行う振動式研磨処理装置に関するものである。
従来より、主として砥粒からなるメディア(研磨砥粒)や細かい鋼球、ガラス球などを含むメディア(以下バリ取り用、表面研磨用などのメディアまたは単にメディアという)に被加工物を混合して全体を振動させ、相互の擦れ合いによって被加工物のバリを除去したり表面を研磨する研磨処理装置が知られている。また多数の被加工物のバリ取りを連続的に行うために筒状の研磨槽内にスパイラル状の搬出路を形成し、研磨槽を加振することによって搬送路上で被加工物を搬送すると共に、研磨砥粒によって被加工物のバリを除去することが提案されている。
特許文献1、2のバリ取りや研磨を行う方法は、小部品のバリ取りや表面研磨を行うことを想定したものであり、多数の部品をメディアの中に混入し、部品とメディアを一緒に加振して相互に擦り合わせるものであった。このため部品とメディアとの相対速度差が小さく、処理速度が遅くなり、処理時間も数10分かける必要がある。また処理後にメディアと部品(被加工物)とを分離する必要があり、生産性が悪いという問題があった。
また自動車や産業機械などに用いられる自動変速機などの油圧機器で、複雑な迷路状の流体通路を有するものでは、10数キログラムの軽合金部品が使われ、このような大型かつ大重量の部品では従来のバリ取り方法を使えないという問題があった。さらに複雑な流体通路や、細かい溝や孔部を持つ部品では、これらの通路、溝、孔部にメディアが詰まるため、バリ取りが不可能であったり、詰まったメディアの除去に手間がかかる、という問題もあった。また鋳造時に砂型を用いる場合には、細かい孔や溝に入った砂を除去するのに手間がかかるという問題があった。さらに細かい孔の内面が研磨できないという問題もあった。
そこで本願の出願人は特許文献3を提案した。これはメディアを収容した研磨槽を水平方向および上下方向に弾性支持し、この研磨槽を加振機によって円周方向に加振し、研磨槽内のメディアを一定方向へ回転流動させ、このメディアの中に被加工物を固定保持することによりメディアを被加工物に打ちつけるものである。この装置によれば、大型の部品や複雑な流体通路などを持つ部品のバリ取りや、表面研磨や、鋳造時に用いた砂型の砂の除去や、細かい孔の内面の研磨などを能率良く行うことができるものである。
しかしこの特許文献3の装置では、被加工物の研磨処理面を均質に研磨することが難しく、処理面の位置によっては研磨が進み過ぎ、また別の位置では研磨の進行が遅くなるという問題があることが解った。このため研磨処理面の面積が広いものでは全体を均一に研磨するのが困難であり、研磨処理が不均一になり易いという問題があった。
この発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、流動するメディアの中に入れて保持した被加工物の研磨処理を均質に行うことでき、特に研磨処理面積が広い場合に仕上がりを向上させることができる振動式研磨処理装置を提供することを目的とするものである。
この発明によればこの目的は、研磨処理用のメディアを収容する研磨槽を加振することによって、前記メディアに入れた被加工物を研磨処理する振動式研磨処理装置において、
前記研磨槽の内底面を下方に向かって凸な略半円状とし、前記研磨槽を水平方向および上下方向に弾性支持する一方、前記研磨槽を加振機によって円周方向に加振することによって前記メディアを研磨槽内で振動させながら一定方向に回転流動させ、前記被加工物をその研磨処理面がメディア上部の流動線と略平行になるように保持したことを特徴とする振動式研磨処理装置、により達成される。
前記研磨槽の内底面を下方に向かって凸な略半円状とし、前記研磨槽を水平方向および上下方向に弾性支持する一方、前記研磨槽を加振機によって円周方向に加振することによって前記メディアを研磨槽内で振動させながら一定方向に回転流動させ、前記被加工物をその研磨処理面がメディア上部の流動線と略平行になるように保持したことを特徴とする振動式研磨処理装置、により達成される。
この発明によれば、研磨槽の内底面を下方に向かって凸な略半円状とし、研磨槽を円周方向に細かく振動させながら回転(回転振動)させることにより研磨槽に入れたメディアを振動させながら一方向に回転流動させる。一方、被加工物はこのメディア中に固定保持されているので、被加工物にメディアが激しく当たり、被加工物のバリが能率良く除去される。また表面研磨や鋳型の砂落としや、細かい孔の内面研磨などを能率良く行うことができる。
被加工物はメディアの中に混合してメディアと共に振動および流動するのでなく、メディアの振動および一方向の回転流動に対して固定されているので、両者の相対速度差が大きくなり、メディアは被加工物に激しく当たることになる。このためバリ取りや表面などの研磨や鋳型の砂落としの能率が高くなり、処理時間を短縮できる。またメディアの材質、サイズ(粒径)、形状などを適切に設定することにより、被加工物の複雑な形状をした細溝や、貫通孔、交叉孔などの周囲に発生したバリの除去や表面や孔の内面などの研磨や砂落としをすることが可能になる。
また被加工物は、その研磨処理面が研磨槽内のメディアの上部における流動線に対して略平行となるように保持しているから、研磨処理面にメディアが均等に接触しながら流動することになり、メディアの接触圧力が研磨処理面の全面に亘ってほぼ均等になる。このため研磨処理面の研磨が均等に進み、特に処理面積が広い場合に仕上がりを向上させる効果が大きい。
ここにメディアの流動線はメディアの流れ方向を示す線であり、研磨槽内のメディアの表面(上面)は、その流動方向に向かって低くなるように傾く。すなわち研磨槽は水平軸の回りに一定方向に回るように加振されているので、メディアの上面は反回転方向側でメディアが上昇し回転方向側でメディアは沈み込むことになるからである。このためメディアの上部ではメディア上面の傾きとほぼ平行にメディアは流動する。すなわちメディアの上面の傾きから、メディア上部の流動線の傾きは予測できる。従って被加工物は研磨処理面がこのメディア上面の傾きにほぼ平行となるように保持すれば、結果的にメディアの流動線にほぼ平行になる。
研磨槽の内底面は下方に向かって略半球状に凸となったものであってもよいが、略半円筒状としてもよい(請求項3)。すなわち加振機の振動中心軸線方向に直交する垂直面での断面を略半円状とした略半円筒形にするものである。研磨槽の回転振動方向に対して半円筒面の中心線が略直交する方向になるので、研磨槽の内底面によってメディアが円弧状に送られて一側面に沿って上昇し、他側面側に落下することになり、回転流動し循環する。この場合はメディアの収容量を増やすことができ、バリ取り処理を能率良く行うことができる。
研磨槽は、固定フレームに弾性支持された加振板に複数のばねを介して弾性支持された振動板に固定し、加振板を加振機によって回転方向(円周方向)に加振すると共に、被加工物は保持部に保持し固定する構成とすることができる(請求項2)。
この場合加振板の振動(振幅、周波数)を制御することによって研磨槽の振動を制御でき、特に振動系を共振周波数付近の周波数で振動させることにより研磨槽の振動を著しく増幅させてメディアの回転流動を一層強くすることができる。このためには加振板に取付ける加振機の加振周波数を可変としておくのがよい。
加振板を固定フレームに対して弾性支持するためには、金属細線を編んだ編組体からなるワイヤをコイル状に巻いた複数の編組体コイルばねを、それらの中心軸線を加振機の振動中心線に略直交させかつ水平にして加振板と固定フレームとの間に介在させるのがよい。水平にした編組体コイルばねは、その下縁と上縁とが中心軸線方向に極めて柔らかく、中心軸線に直交する方向には十分に硬いという特性を持つ。このため前記のように複数の編組体コイルばねを加振板と固定フレームとの間に介在させた場合には、加振板はこの編組体コイルばねの中心軸線方向に極めて柔らかく振動し易くなる一方、他の方向には十分大きな荷重に耐えることになる。従って研磨槽や加振機などを含む振動系の上下方向の荷重を支えることができる。
加振機は加振板に取付けた不平衡型振動モータで形成することができる。この場合、振動モータの振動中心軸線を編組体コイルばねの中心軸線に直交方向にするのがよい。振動板を弾性支持するばねは、縦置きのコイルばねとするのがよい。
被加工物を保持固定する保持部は、被加工物を研磨槽に固定するものであってもよいが(請求項4)、固定フレームに固定するものであってもよい(請求項5)。いずれにしても被加工物をメディアに対して固定すればよい。後者の固定フレームに固定する場合には被加工物とメディアとの相対速度差が大きくなり、バリ取りなどの処理能率は一層向上する。
被加工物を保持する保持部は、被加工物の研磨処理面がメディアの流動線に対して略平行でかつ僅かな迎え角を持って保持することが望ましい(請求項6)。研磨処理面に沿って流動するメディアには、研磨槽内の回動によって上昇するメディアが加わるから、研磨処理面に沿うメディア流量は上流寄りより下流よりで多くなると考えられる。そこで前記の迎え角を大きくすることにより、研磨処理面の上流寄りに加わるメディアの上昇流の流動圧が減ることを利用して、後記するように研磨処理面に加わるメディアの圧力を均一化することができる。
保持部は、迎え角を調整可能にするのがよい(請求項7)。例えば被加工物を研磨槽の振動中心軸と平行な支軸回りの傾きを調節可能かつ固定可能にする。この場合には被加工物で実際に研磨した結果を見ながら、最適な迎え角を求めることができる。
保持部は、被加工物の迎え角を自動調整できるように被加工物を揺動自在に保持することも可能である(請求項8)。すなわち研磨処理面の上流寄りと下流寄りとでメディアの圧力に差があれば、被加工物には回転力が発生するから、この回転力を利用して迎え角を自動調整するものである。
保持部はコンピュータで制御されるロボットで形成してもよい。この発明はバリ取り装置に最適であるが、表面研磨、鋳型の砂落とし、孔などの内面研磨などを行う研磨処理装置に適用することもできる。
図1は本発明の一実施例であるバリ取り装置の分解斜視図、図2はその平面図、図3は正面図、図4は側面図、図5は編組体コイルをその中心軸線方向から見た図、図6は同じく斜視図である。図7は被加工物を研磨槽に固定する保持部を示す図、図8は同じく被加工物を研磨槽に固定する保持部を示す分解斜視図である。図9は本発明の原理を説明する図であり、(A)は被加工物を入れない時のメディアの流動を、Bは被加工物の入れた時のメディアの流動を示す。
図1〜4において符号10は固定フレームであり、4本の縦の支柱12をそれらの下端を4本の枠材14で連結すると共に、それらの上端を4本の枠材16で連結したものである。ここに上端の枠材16は支柱12よりも細い断面形状(四角形)をもつ(図1、2参照)。支柱12は、正面側の2本および背面側の2本がそれぞれ左右方向の梁18で結合されると共に、2本の梁18、18の両端が前後方向の2本の梁20、20によって結合されている。4本の支柱12の下端には設置場所への据え付けを安定されるため高さ調整用のスクリューブロック12aが取付けられている(図3、4)。
22は加振板であり、梁20、20に弾性支持され、前後方向に柔らかく振動可能であり、上下方向に硬く振動系の荷重を支持するように保持されている。すなわち加振板22は4本の支柱12の間でこれらの支柱12との間に適切な間隔を持つ寸法であり、4つの編組体コイルばね24に支持されている。ここに編組体コイルばね24はステンレスなどの金属細線を編んだ編組体からなるワイヤをコイル状に巻いたものである。
編組体コイルばね24は図5、6に示すように、中心軸線26を水平にしてコイル状に巻いて、このコイルの上下をそれぞれ2本の固定バー28、30に挟み複数のビス32でワイヤと固定バー28、30とを一体に固定したものである。このコイルばね24は下の固定バー28、30に対して上の固定バー28、30が中心軸線26方向に柔らかく、中心軸線26に交叉する方向に硬くなる特性を持つ。なおコイルばね24はその長手方向中央でワイヤの巻き方向を逆にして、下の固定バー28、30に対する上の固定バー28、30の復帰力を対称にしている。
この編組体コイルばね24は、その中心軸線26を平行かつ前後方向に一致させて、加振板22の四隅と前後方向の梁20、20との間に取付けられる。すなわち4個の編組体コイルばね24の下の固定バー28、30が梁20に固定され、上の固定バー28、30が加振板22に固定される。この結果加振板22は、コイル24の中心軸線26方向(前後方向)に柔らかく(振動し易く)、他の方向に硬く(振動しにくく)なる状態で固定フレーム10に保持される。
加振板22の中央下面には、加振機34が取付けられている。この加振機34は不平衡振動モータで形成され、その不平衡重りを持つ回転軸は編組体コイルばね24の中心軸線26に直交しかつ水平となるように配置される。なおこの加振機34の振動数(回転速度)は制御可能である。
36は振動板である。この振動板36は加振板22の上面に6個のコイルばね38によって取付けられている。ここに振動板36には左右方向に長い長方形の開口部40が形成され、6個のコイルばね38はこの開口部40を挟んで前側と後側に3個ずつ配列されている。各コイルばね38は縦に置いて、下端を加振板22に固定し、上端を振動板36の下面に固定したものである。
42は研磨槽である。この研磨槽42は上方が開いた略半円筒形である。すなわちその内底面は編組体コイルばね24の中心軸線26方向に平行な垂直面(振動モータ24の振動中心軸線に直交する垂直面)による断面が略半円状であり、上方に開く開口は振動板36の開口部40より僅かに小さい長方形である。研磨槽42の外周には水平なフランジ44が一体に固着されている。研磨槽42はその底を振動板36の開口部40に上方から挿入し、フランジ44をこの開口部40の周縁に上方から重ねて、ビス止めされる。
研磨槽42の中には研磨砥粒などからなるメディア46が入れられる。48は被加工物であり、図7に示すように研磨槽42内のメディア46の上部に僅かに埋没する状態に保持される。すなわち研磨槽42の蓋板50の下面に左右一対の保持板52が下方へ突出し、これらの保持腕52の下端に被加工物48が固定される。ここに被加工物48はその下面(研磨処理面)がメディア46の上部の流動線Aにほぼ平行になるように傾けた状態で固定される。
なお保持板52,52はメディア46の流動の邪魔にならないように左右方向(振動中心軸と平行方向)に薄くした板状である。被加工物48はこの保持板52に対して容易に着脱できるように固定する。例えばビス54で保持板52に着脱可能とし、処理済みの被加工物48を簡単に未処理の被加工物48と交換できるようにする。
次に被加工物48の固定角度について、図9を用いて説明する。図9(A)は被加工物48を入れずに研磨槽42を加振している状態を示す。この状態ではメディア46は研磨槽42の回転振動方向に定常流となって流動する。図中の矢印はこの定常流の流れ方向と速度とを示す流動線Aである。すなわちメディア46は研磨槽42の内面に接する領域の流速が大きく、中心領域で流速は小さくなって安定して回動する。
このメディア46の上部の中に被加工物48を図9(B)のように入れて保持するものとする。ここに被加工物48の下面が研磨処理面である。この研磨処理面に沿って流動するメディア46の流動線Aと研磨処理面とが挟む角度θは、研磨処理面がメディア46の流動線Aに対する迎え角である。この図9(B)では僅かな迎え角θが付くように被加工物48を保持する。
この場合、メディア46が研磨処理面に加える圧力(ここではメディア圧力ともいう)Fは、メディア流動の上流寄りでF1、中央付近でF2、下流寄りでF3となり、これらはほぼ等しくなる。すなわち上流寄りでは研磨槽42の底面により押し上げられたメディア46の圧力が主として加わり、このメディア圧力F1は被加工物48の傾きが一定の範囲内にある時には迎え角θの増大に伴って減少する。一方下流寄りのメディア圧F3は研磨処理面に沿った流動による圧力と、研磨槽42の底から上昇するメディア46の上昇流の圧力とが加算された圧力になる。従って迎え角θの変化によってメディア圧F1、F2、F3は変化する。例えば迎え角θが増加するとF1/F3は小さくなり、迎え角θが減少するとF1/F3が大きくなる。
固定フレーム10の前後面には上下に2分割された外板56、58(図3に前面のみ示す。)が固定され、左右側面には上下に2分割された外板60、62(図4に一側面のみ示す。)が固定されている。固定フレーム10の上面には上板64が固定されている。この上板64には研磨槽42の開口の上方に臨む開口66が形成されている(図2)、被加工物48やメディア46はこの開口66を通して研磨槽42に出し入れされる。
次にこの実施例の動作を説明する。加振機34の円周方向の回転振動力により、加振板22は編組体コイルばね24の中心軸線26方向および上下方向の偏位により回転振動する。この加振板22の回転振動は、コイルばね38を介して振動板36に伝えられる。加振機34、加振板22および振動板36の重さ、編組体コイルばね24およびコイルばね38のばね定数、研磨槽42に収容したメディア46の量(重さ)などで決まる振動系の共振周波数と、加振機34の加振周波数が一定の関係になると、振動系は共振状態に近い状態となって激しく回転振動する。この時にはメディア46は図7、9に示すように研磨槽42内で内底面に案内されて円を描きながらかつ激しく振動しながら循環する。
被加工物48は研磨槽42側に固定されているので、振動しながら回転流動するメディア46はこの被加工物48に激しく衝突する。このため、被加工物48のバリは能率よく除去される。また被加工物48は保持腕52と共に研磨槽42から出し入れすればよいので処理能率を向上させることができる。また被加工物48はメディア46の流動線Aにほぼ沿うように保持されているので、研磨処理面に作用するメディア圧力Fが均一化し、研磨処理を均一化させ研磨仕上がりを向上させることができる。
図10は保持部の他の実施例を示す図、図11は同じく分解斜視図である。この実施例は被加工物48のメディア46に対する迎え角θを可変にしたものである。この保持部は図示しない工業用ロボットのアーム68と、このアーム56の下端に設けたチャック70とを備える。
なお研磨槽42の内底面には、メディアの送り方向に対して直交方向(振動中心軸線方向)に長い凸条72を設けておくのがよい(図10)。これら1または複数の凸条72によって、メディアが研磨槽42の内面を滑るのを防ぎ、メディアの流動および振動を強くできるからである。
チャック70は、アーム68の下端に振動中心軸線方向に平行な支軸74によって回動自在かつ任意の角度に固定可能に保持された保持板76と、この回動板76から下方へのびる揺動自在な4個の係合爪78とを備える。係合爪78は被加工物48の側縁に係脱し被加工物を保持板76に固定可能である。なお保持板76の下面には、被加工物48との間隔を保持するための適宜数のスペーサ80が固定されている。
この実施例によれば、保持板76の角度、すなわち被加工物48のメディア流動線Aに対する迎え角θ、を調整することにより、研磨の仕上がり状態を確認し、被加工物48に対する最適な迎え角θを求めるのに都合がよい。
図12は保持部の他の実施例を示す図である。この実施例は、被加工物48を研磨槽42の外に位置する支軸82を中心に回動自在に保持し、迎え角θを自動的に最適状態に調整できるようにしたものである。すなわち被加工物48が固定された保持板84は、支軸86によって回動可能かつ固定可能に保持腕88に保持される。保持腕88はこの支軸86から研磨槽42の外側から側方にのび、前記支軸82に回動自在に連結されている。支軸82には、被加工物48の重量とバランスするばね力を有するばねが装着されている。ばねに代えて保持腕88に平衡重りを取付けてもよい。
ここに被加工物48の下面である研磨処理面はメディア46の上部流動線にほぼ沿うように傾けておく。加振によりメディア46が流動すると、研磨処理面にメディア圧力F1、F2、F3が加わる。下流寄りのメディア圧力F3が増加すると被加工物48は支軸82を中心に上方へ回動する。このため迎え角θ(図9参照)が減少しF1/F3が大きくなる。すなわちF3がF1に比べて小さくなり、被加工物48は下方へ回動し、迎え角θが増加する。このためF1/F3が小さくなり、F3が相対的に大きくなる。このように迎え角θは自動的に調整される。
図13は保持部の他の実施例を示す側面図、図14は同じく正面図である。この実施例は被加工物48を左右一対の保持板84と、両保持板84の上端を連結し研磨槽48の両外側を通って下方へのびる保持腕90と、この保持腕90の下端を研磨槽42の底面に軸支する支軸92とを備える。なお支軸92は側面視で、被加工物48の研磨処理面の垂直二等分線B(図B)上付近にある。
この実施例によれば前記実施例3(図12)と同様に自動的に最適な迎え角θの位置に安定する。すなわち、メディア46の下流寄りのメディア圧力F3が増加すると保持腕90が図13で左側へ(迎え角θが減る方向へ)回動するので、F1/F3が大きくなる。このため被加工物48は右側へ(迎え角θが増加する方向)へ揺動する。このようにして最適な迎え角θ付近で安定する。なお保持腕90には適切な回動復帰習性を付与しておくのがよい。
10 固定フレーム
22 加振板
24 編組体コイルばね
26 中心軸線
34 加振機(不平衡振動モータ)
36 振動板
38 コイルばね
40 開口部
42 研磨槽
46 メディア
48 被加工物
52 保持板(保持部)
68 アーム(工業用ロボットからなる保持部の一部)
70 チャック(保持部の一部)
82 支軸
84 保持板(保持部の一部)
88 保持腕(保持部の一部)
90 保持腕(保持部の一部)
92 支軸
A メディアの流動線
θ 迎え角
22 加振板
24 編組体コイルばね
26 中心軸線
34 加振機(不平衡振動モータ)
36 振動板
38 コイルばね
40 開口部
42 研磨槽
46 メディア
48 被加工物
52 保持板(保持部)
68 アーム(工業用ロボットからなる保持部の一部)
70 チャック(保持部の一部)
82 支軸
84 保持板(保持部の一部)
88 保持腕(保持部の一部)
90 保持腕(保持部の一部)
92 支軸
A メディアの流動線
θ 迎え角
Claims (8)
- 研磨処理用のメディアを収容する研磨槽を加振することによって、前記メディアに入れた被加工物を研磨処理する振動式研磨処理装置において、
前記研磨槽の内底面を下方に向かって凸な略半円状とし、前記研磨槽を水平方向および上下方向に弾性支持する一方、前記研磨槽を加振機によって円周方向に加振することによって前記メディアを研磨槽内で振動させながら一定方向に回転流動させ、前記被加工物をその研磨処理面がメディア上部の流動線と略平行になるように保持したことを特徴とする振動式研磨処理装置。 - 請求項1の振動式研磨処理装置であって、
固定フレームに弾性支持された加振板と、この加振板に取付けられ略水平な振動中心軸線回りに回転振動を発生する加振機と、前記加振板に複数のばねを介して弾性支持されかつ研磨槽が固定された振動板と、被加工物をその研磨処理面が前記研磨槽内のメディアの流動線と略平行になるように保持する保持部と、を備える振動式研磨処理装置。 - 研磨槽の内底面は、加振機の加振方向に直交する方向に長い略半円筒形である請求項1または2の振動式研磨処理装置。
- 保持部は、被加工物を研磨槽に固定している請求項2の振動式研磨処理装置。
- 保持部は、被加工物を固定フレームに保持している請求項2の振動式研磨処理装置。
- 保持部は、被加工物をその研磨処理面がメディアの流動線に対して略平行かつ僅かな迎え角を持つ状態に保持している請求項2の振動式研磨処理装置。
- 保持部は、研磨処理面がメディアの流動線に対して作る迎え角を調整可能である請求項2の振動式研磨処理装置。
- 保持部は、一端で被加工物を保持し他端が研磨槽の外側に延出する保持腕と、この保持腕の他端を回動自在に保持する振動中心軸線と平行な支軸とを備え、被加工物の研磨処理面がメディア上部の流動線と略平行になるように前記保持腕の傾きが自動調整される請求項2の振動式研磨処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007303377A JP2009125862A (ja) | 2007-11-22 | 2007-11-22 | 振動式研磨処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007303377A JP2009125862A (ja) | 2007-11-22 | 2007-11-22 | 振動式研磨処理装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2009125862A true JP2009125862A (ja) | 2009-06-11 |
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ID=40817288
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009125862A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI394636B (zh) * | 2009-10-09 | 2013-05-01 | Univ Chienkuo Technology | Microporous burr removal device |
US10166651B2 (en) | 2015-05-29 | 2019-01-01 | Rolls-Royce Plc | Vibratory finishing apparatus, fixtures and method |
CN110039433A (zh) * | 2019-03-27 | 2019-07-23 | 海宁市金识水晶有限公司 | 一种水晶原石倒角装置 |
CN114800238A (zh) * | 2022-05-11 | 2022-07-29 | 北京博海康源医疗器械有限公司 | 一种剪切增稠去除微型手术刀毛刺的方法及去除装置 |
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2007
- 2007-11-22 JP JP2007303377A patent/JP2009125862A/ja active Pending
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