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JP2009122487A - 画像形成装置およびその制御方法 - Google Patents

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JP2009122487A JP2007297683A JP2007297683A JP2009122487A JP 2009122487 A JP2009122487 A JP 2009122487A JP 2007297683 A JP2007297683 A JP 2007297683A JP 2007297683 A JP2007297683 A JP 2007297683A JP 2009122487 A JP2009122487 A JP 2009122487A
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Abstract

【課題】ユーザの利便性を向上するとともに、イメージングユニット(消耗部材)の寿命を延ばす。
【解決手段】画像形成装置1に、画像安定化処理を行って、温湿度センサ23によって検出されるそのときの環境値KTに対応する画像形成条件KJを決定する画像安定化処理部52と、決定された画像形成条件KJを環境値KTに対応して記憶するメモリ29と、実施要因YNが生じたときに、そのときの環境値KTに対応する画像形成条件KJがメモリ29に記憶されているか否かを検索する検索部53と、上記画像形成条件KJが検索された場合に、画像安定化処理部52による画像安定化処理を実施することなく、検索された画像形成条件KJを用いて画像形成部55が画像形成を行うように制御するとともに、上記画像形成条件KJが検索されなかった場合に、画像安定化処理部52による画像安定化処理を実施させるように制御する、安定化処理制御部54と、を設ける。
【選択図】図4

Description

本発明は、MFP等の画像形成装置およびその制御方法に関する。
電子写真方式によって画像形成を行う画像形成装置、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機またはMFP(Multi Function Peripherals)と呼称される多機能機等では、ドラム形状の感光体上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルトに一次転写し、それをさらに記録紙に二次転写し、これを定着することにより画像形成を行う。
このような画像形成装置において、Y、M、C、Kの各色についてのトナー像を形成する部分をイメージングユニットとしてユニット化し、その交換やメンテナンスを容易としたものがある。この場合に、各色のイメージングユニットは、それぞれ独立した消耗部材(消耗品)として位置付けられ、使用によって寿命がくればそれぞれ交換される。イメージングユニットには、各色に対応した感光体および現像機等が含まれる。
このような画像形成装置においては、各色の現像剤、例えばトナーの付着量等が各イメージングユニットにおける使用頻度または使用環境によってばらつく。そこで、高品質の画像を得るために、画像形成装置内の環境変化や各イメージングユニットの使用頻度に応じて画像調整(以下、「画像安定化処理」と称する)を行い、画像形成プロセスを最適な状態に補正している(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の方法においては、画像調整で決定した色材濃度情報を出力特性情報として記録し、当該出力特性情報を次回実施する画像調整のターゲットを決定する際の基準としている。
従来においては、画像安定化処理は、画像形成装置の電源オン時、省エネルギーモードからの復帰時、前回の画像安定化処理を実施してからの装置内の温度変化や湿度変化が各閾値を超えたとき、または、累計印刷枚数が閾値を超えたときに行われている。
また、近年、画像形成装置にはFAX機能やネットワーク機能が標準搭載されるようになったため、各種ジョブを常に受信できるよう当該画像形成装置の電源を常にオンさせた状態で長時間放置する使い方が一般的となっている。
一般に、画像形成装置においては電源がオンされた状態で未使用状態が所定時間以上継続すると、当該画像形成装置の動作モードは省電力モードへ移行する。また、FAXジョブやプリントジョブを受信した後、印刷処理(画像形成処理)を実行する際には、省電力モードからの復帰動作(画像安定化処理)を行う必要がある。その結果、上記各種ジョブを多量に実施する必要がある場合、多くの復帰動作を行わなければならない。
このように、印刷処理の前に画像安定化処理が行われるので、ユーザは当該画像安定化処理の間待機しなければならない。また、近年では、画像形成装置を短時間で立ち上げ可能な定着器が普及してきてはいるが、画像安定化処理の処理時間(処理回数)は低減されない。その結果、ユーザの待機時間は低減されない。
また、累積印刷枚数が閾値を超えた場合に行われる画像安定化処理は、画像形成ユニットの劣化や環境変動による特性変化を抑制するために、過剰に実施される場合もあり、ユーザの利便性は向上されない。
そこで、このような問題点を解決するために、現在時刻情報、前回の画像安定化処理の実施時の時刻情報、および前回の印刷処理終了時の時刻情報に基づいて画像安定化処理を実施するか否かを判断することによって、当該画像安定化処理を無駄に実施することを防止することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−297408号公報 特開2003−167394号公報
しかし、特許文献1に記載の方法は、画質向上を目的とするものであり、画像安定化処理を低減するものではない。したがって、ユーザの利便性は向上されない。
また、特許文献2に記載の方法においては、現在時刻情報、前回の画像安定化処理の実施時の時刻情報および前回の印刷処理終了時の時刻情報に基づいて画像安定化処理が実施されるので、ユーザが例えば前回の印刷処理終了時から画像形成装置を全く使用していない場合でも、印刷処理終了時から所定時間が経過すると、画像安定化処理を実施することとなる。したがって、ユーザの待機時間が低減されない場合が多く、ユーザの利便性は向上されない。
このように、従来においては、画像安定化処理を不要に実施する場合が多いので、ユーザの利便性が向上されないとともに、画像安定化処理の実施によって上述のイメージングユニット(感光体等)の消耗時期も早くなる。
本発明は、このような問題点に鑑み、ユーザの利便性を向上するとともに、イメージングユニット(消耗部材)の寿命を延ばすことを目的とする。
本発明の一形態に係る画像形成装置は、電子写真プロセスによって画像形成を行うとともに、予め設定された起動要因が生じたときに画像安定化処理を行うように構成された画像形成装置であって、前記画像安定化処理を行ってそのときの環境値に対応する画像形成条件を決定する画像安定化処理手段と、前記画像安定化処理手段により決定された前記画像形成条件を前記環境値に対応して記憶する記憶手段と、前記起動要因が生じたときに、そのときの環境値に対応する画像形成条件が前記記憶手段に記憶されているか否かを検索する検索手段と、前記検索手段によって環境値に対応する画像形成条件が検索された場合に、前記画像安定化処理手段による画像安定化処理を実施することなく、検索された画像形成条件を用いて画像形成を行うように制御するとともに、前記検索手段によって環境値に対応する画像形成条件が検索されなかった場合に、前記画像安定化処理手段による画像安定化処理を実施させるように制御する、安定化処理制御手段と、を有する。
好ましくは、画像形成装置は、感光体と、前記感光体を帯電させる帯電手段と、前記感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記感光体にトナーを付着させ前記静電潜像を現像する現像手段と、を有し、前記画像安定化処理手段は、少なくとも、前記露光手段の光量、前記現像手段に印加する電圧値、および前記帯電手段に印加する電圧値を前記画像形成条件として決定する。
本発明によると、ユーザの利便性を向上することができ、イメージングユニットの寿命を延ばすことが可能となる。
図1は本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の概略の内部構成を示す図、図2は画像形成装置1の一部である現像周りのイメージングユニットUを示す図、図3は画像形成装置1の主要な制御系を示すブロック図、図4は画像形成装置1の機能的構成を示すブロック図である。
まず、画像形成装置1の機能の概要について説明する。図4に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、電子写真プロセスによって画像形成を行うとともに、予め設定された起動要因が生じたときに画像安定化処理を行うように構成された画像形成装置であって、画像安定化処理を行って、温湿度センサ(環境センサ)23によって検出されるそのときの環境値(装置内の温度および湿度)KTに対応する画像形成条件KJを決定する画像安定化処理部52と、画像安定化処理部52により決定された画像形成条件KJを環境値KTに対応して記憶するメモリ29と、起動要因が生じたか否かを判別する起動要因判別部56と、起動要因YN1,YN3が生じたときに、それをトリガーとして、そのときの環境値KTに対応する画像形成条件KJがメモリ29に記憶されているか否かを検索する検索部53と、検索部53によって環境値KTに対応する画像形成条件KJが検索された場合に、画像安定化処理部52による画像安定化処理を実施することなく、検索された画像形成条件KJを用いて画像形成部55が画像形成を行うように制御するとともに、検索部53によって環境値KTに対応する画像形成条件KJが検索されなかった場合に、画像安定化処理部52による画像安定化処理を実施させるように制御する、安定化処理制御部54と、を有する。なお、安定化処理制御部54は後述する初期化部54aを有する。
画像安定化処理部52、検索部53、安定化処理制御部54、初期化部54a、画像形成部55、および起動要因判別部56の機能は、エンジン制御部30のCPUが適当なプログラムを実行することによってソフト的に、または適当なハードウェア回路との組み合わせによって、実現される。以下、画像形成装置1について詳しく説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は主として、原稿を読み取って画像データを生成するスキャナ部2および記録紙S上に印刷(画像形成)を行うプリント部3を備える。この画像形成装置1は、タンデム方式の画像形成部(図4における画像形成部55)を持ち、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーを順次重ね合わせることによってカラー画像を形成するものである。
画像形成装置1は、露光によりドラム型の感光体11上に形成される静電潜像を、現像装置13によって現像し、得られたトナー像を一次転写ローラ18によって像担持体である中間転写ベルト14に転写し、さらに記録紙Sに転写するように構成されている。なお、図1に示すように、使用頻度の高いブラック用の感光体11Kは、カラー画像用の感光体11Y、11M、11Cとの相対的な寿命を調整するために一回り大きくなっている。
画像形成装置1には、Y、M、C、Kの4色のイメージングユニットUY、UM、UC、UKが、タンデム配列で配置されており、これらのイメージングユニットUで形成された各色のトナー像(トナー画像)が、中間転写ベルト14上に重ねられて転写され合成される。なお、「イメージングユニットU」は、「イメージングユニットUY、UM、UC、UK」の全部または一部を示す。他の要素についても同様である。
また、画像形成装置1には、プリントヘッド(露光ユニット)PHが設けられている。プリントヘッドPHは、感光体11上に静電潜像を形成するために、画像データによって変調されたレーザ光をレーザダイオード16から射出して感光体11を照射するものである。このプリントヘッドPH内には当該プリントヘッドPH内の温度を計測するPH温度センサ17が設けられている。
ここで、図2に示すように、各イメージングユニットUは、感光体11の近傍に、帯電装置12、現像装置13、およびクリーナ15等が配置されて構成されている。感光体11の表面は、帯電装置12によって所定の電圧(帯電電位)V0に帯電され、プリントヘッドPHによる露光によって静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像バイアス電圧Vdcが印加された現像ローラにより、静電潜像の電位と現像バイアス電圧Vdcとの電位ギャップΔVに現像ローラから帯電したトナーが供給されることによって、トナー像が形成され、顕像化される。
感光体11の表面に顕像化されたトナー像は、一次転写ローラ18によって中間転写ベルト14に1次転写される。感光体11上に残ったトナーは、クリーナ15によって掻き落とされる。中間転写ベルト14上のトナー像は、二次転写ローラ19によって記録紙Sに2次転写される。この記録紙Sは定着ユニット20で定着され、電子写真画像として排紙トレー21上に排出される。
また、画像形成装置1には、中間転写ベルト14上のトナー像の濃度(記録紙Sへの転写時の画像濃度)を検出する光学式のIDCセンサ(濃度検出センサ)22が設けられている。つまり、IDCセンサ22は、中間転写ベルト14の表面に光を照射し、反射して返ってきた光の量を検出する反射型フォトセンサである。
中間転写ベルト14上のトナー像の濃度が低いときつまり載っているトナーが少ないときは、中間転写ベルト14で反射した光が多く返ってきて光量が多くなり、トナー像の濃度が高いときつまりトナーが多く載っているときは、光がトナーに遮られて反射光量が低下する。
このようにして、IDCセンサ22は中間転写ベルト14の表面の状態を確認する。IDCセンサ22によって検出されたトナー像の濃度によって、レーザダイオード16の光量KRの制御、現像装置13における現像条件の制御等を行って画像調整を行う。実際には、画像調整用に作成したY,M,C,Kの各パターン(トナーパッチ)についての濃度を検出する。
また、画像形成装置1には、装置内の温度および相対湿度(湿度)を計測する温湿度センサ23、および現像装置13の現像ローラに印加する現像バイアス電圧Vdcと帯電装置12に印加する帯電バイアス電圧Vgとを発生する高圧発生部24が設けられている。
図3に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、制御系の主体としてエンジン制御部30とプリンタ制御部40とを有する。エンジン制御部30とプリンタ制御部40とは相互に通信(シリアル通信)を行う。また、プリンタ制御部40は、画像データを画像バスを介してエンジン制御部30へ与えるとともに、通信回線TCを介して1または複数の端末装置50と通信を行う。なお、通信回線TCとしてLAN、インターネット、公衆回線または専用線等を用いることができる。
エンジン制御部30はCPU(中央演算処理装置)および周辺回路素子からなり、IDCセンサ22、温湿度センサ23およびPH温度センサ17からの検出結果(計測結果)に基づいて、帯電装置12に帯電バイアス電圧Vgを印加する帯電グリッド高圧電源24a、現像ローラに現像バイアス電圧Vdcを印加する現像バイアス高圧電源24b、二次転写ローラ19に電圧を印加する二次転写高圧電源24c、およびレーザーダイオード16等を制御する。
また、エンジン制御部30は、RAM(読み書き可能なメモリ)からなるメモリ29に対して各種データの読み書きを行う。メモリ29は後で詳述する各テーブルからなるデータベースを記憶する。
一方、プリンタ制御部40はCPUおよび周辺回路素子からなり、RAM(ランダムアクセスメモリ)41、ハードディスク42、FAXインタフェース43、操作パネル44、およびスキャナ部2の図示しない構成部を制御する。なお、RAM41は転送速度面で優れ、ハードディスク42は転送速度面ではRAM41より劣るものの記憶容量面で優れている。
FAXインタフェース43は画像データのファクシミリ送受信を実行する。操作パネル48はタッチパネルおよび押しボタンキーから構成され、各種表示を行うとともにユーザによる入力操作を受け付ける。
続いて、本実施形態において実施する画像安定化処理の起動要因と当該画像安定化処理の処理内容とについて説明する。
図5は画像安定化処理の起動要因YNと当該画像安定化処理の実施内容NAとを説明するための図である。図5(A)に示すように、画像安定化処理を実施する起動要因YNとして優先度の高い順に、装置内の温度、相対湿度が所定範囲を超えて変化したこと(第1要因YN1)、累積印刷枚数または感光体11の回転時間が閾値を超えたこと(第2要因YN2)、およびプリントヘッドPH内の温度が所定範囲を超えて変化したこと(第3要因YN3)が挙げられる。
装置内の温度または相対湿度が変化することを第1要因YN1としたのは、画像形成プロセスの条件が装置内の温度または相対湿度等の環境の影響を大きく受けるためである。累積印刷枚数が閾値(例えば1000枚)を超えることを第2要因YN2としたのは、当該閾値を超える印刷処理により感光体11の感度特性が変化することによって階調変化が生じるためである。プリントヘッドPH内の温度が変化することを第3要因YN3としたのは、当該温度の変化によりプリントヘッドPH内のレーザダイオード16に反り等が生じレジストレーションが変化するためである。このように、画像に与える影響度の高い順に起動要因YNの優先度が設定されている。
本実施形態では、第1要因YN1が生じた際には画像安定化処理としてロング安定化処理を実施する場合があり、第2要因YN2が生じた際には画像安定化処理としてショート安定化処理を実施する場合があり、第3要因YN3が生じた際には画像安定化処理としてレジスト補正処理を実施する場合がある。
なお、所定の起動要因YNが生じた際に画像安定化処理を実施する場合があるとしたのは、メモリ29に保存された、画像形成に必要な画像形成条件KJを用いて画像形成を行うことによって、本実施形態では、画像安定化処理を必ずしも実施する必要がない場合があるからである。また、所定の起動要因YNが生じた際に実施する画像安定化処理の種類は必ずしも上記に限定されるものではなく、後にも説明するが、例えば第2要因YN2が生じた場合にロング安定化処理を実施してもよい。
図5(B)に示すように、ロング安定化処理では、処理順にIDCセンサ光量補正、Dmax補正(最大濃度補正)、LD光量補正、レジスト補正、および階調補正が行われる。
IDCセンサ光量補正とは、IDCセンサ22が計測する、中間転写ベルト14の表面上のトナーが存在しない領域(裸面)における反射光強度が所定値になるように調整する処理をいう。
Dmax補正とは、プリントヘッドPHのレーザダイオード16の光量KRおよびドット密度(1ドット当たりの濃度)を変化させることによって多段階の階調を再現するために、その基準となる、上記光量KR等に基づく画像の最大濃度Dmaxを決定する処理をいう。
LD光量補正とは、あるドット比率の画像データに対して、その濃度の検出度合いを調整するために、レーザダイオード16の光量KRを補正する処理をいう。
レジスト補正とは、主走査の検出パターンと副走査の検出パターンとをそれぞれ中間転写ベルト14に印字し、IDCセンサ22で読み取ったパターン画像から、Y、M、C、Kの各色の位置ずれ量を検出し補正することをいう。
階調補正とは、所定のグラデーション画像(トナーパッチ)を中間転写ベルト14に印字し、印字されたグラデーション画像の濃度をIDCセンサ22で読み込んで、読み込んだ濃度に基づいてメモリ29に記憶された階調補正テーブル(γテーブル)を補正することをいう。なお、階調補正テーブルは、印字したい画像データの濃度(例えば、256階調で表現できる画像データの濃度)に対応して、レーザダイオード16の所望の光量KRおよびドット密度を選択し印字するに際して、入力された画像データと出力されるレーザダイオード16の光量KRおよびドット密度との関係を示すものである。
また、ショート安定化処理では、処理順に簡易レジスト補正および簡易階調補正が行われる。簡易レジスト補正とは、装置内の温度変化に起因したレーザダイオード16の反り等で変化する微小なレジストレーションを補正することをいう。
簡易階調補正とは、累積印刷枚数が閾値を超えると、感光体11の感度特性の変化に起因した階調変化が生じるために、印字処理中の中断時間を抑制することをいう。さらに、レジスト補正処理では、上述の簡易レジスト補正が行われる。
このように、所定の起動要因YNに基づいて実施する画像安定化処理の制御シーケンスは、当該所定の起動要因YNよりも優先度の低い起動要因YNに基づいて実施する制御シーケンスを含むよう設定されている。
続いて、本実施形態に係る画像形成装置1による画像形成の流れについて説明する。
図6は画像形成装置1による画像形成の流れを示すフローチャート、図7は画像安定化処理の流れを示すフローチャート、図8は保存処理の流れを示すフローチャート、図9は各種変換テーブルを示す図、図10は環境値KTに対応する画像形成条件KJを格納した画像形成テーブルを示す図である。
本実施形態では、現在の装置内の環境(環境値KT)に対応する画像形成条件(プロセスパラメータ)KJがデータベースの中に存在する場合には、画像安定化処理は行わずに当該画像形成条件KJを用いて画像形成を行い、存在しない場合には、画像安定化処理を行うとともにこれにより得た画像形成条件KJを用いて画像形成を行う。得られた画像形成条件KJはデータベースに保存する。それにより、画像安定化処理の実施回数を低減することができる。
図6に示すように、最初に、使用頻度パラメータが予め定められた閾値Tn以下であるか否かが判別される(#1)。なお、使用頻度パラメータの例として、感光体11の回転時間または累積印刷枚数が挙げられる。つまり、本実施形態では、#1において、上に述べた第2要因YN2の存在の有無が判断される。例では、ここの使用頻度パラメータとして累積印刷枚数が用いられ、当該累積印刷枚数の閾値Tn(nは任意の整数)は例えば1000枚に設定される。
使用頻度パラメータが閾値Tn以下である場合(#1でYes)、温湿度センサ23およびPH温度センサ17により検出される現在の装置内の温度および相対湿度(環境値KT)に対応する画像形成条件KJが画像形成テーブルGTから検索される(#2)。
ここで、#2の処理について具体例を挙げて詳細に説明する。図9(A)〜(C)にそれぞれ示される温度ステップ変換テーブルTT、相対湿度ステップ変換テーブルST、および絶対湿度ステップ変換テーブルHTは、メモリ29に記憶されている。これらのテーブルは、環境値KTである温度および相対湿度を別の表現に変換するためのものである。
すなわち、温度ステップ変換テーブルTTは、装置内の現在の温度を温度ステップに変換するためのテーブルである。例えば、現在の温度が25℃の場合、温度ステップは「8」となる。
相対湿度ステップ変換テーブルSTは、装置内の現在の相対湿度を相対湿度ステップに変換するためのテーブルである。例えば、現在の相対湿度が55%の場合、相対湿度ステップは「13」となる。
絶対湿度ステップ変換テーブルHTは、温度ステップと相対湿度ステップとを絶対湿度ステップに変換するためのテーブルである。例えば、温度ステップが「8」であり、相対湿度ステップが「13」である場合、絶対湿度ステップは「9」となる。
また、図10(A)および(B)にそれぞれ示される第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2はメモリ29に記憶されている。
第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2は、絶対湿度ステップ変換テーブルHTにより得られた絶対湿度ステップに対応する画像形成条件KJを格納する。本実施形態では、第1画像形成テーブルGT1の画像形成条件KJとして、現像バイアス電圧Vdcおよび帯電バイアス電圧Vgが用いられ、第2画像形成テーブルGT2の画像形成条件KJとして、レーザダイオード16の光量KRが用いられる。
#2の処理では、例えば、環境値KTとしての絶対湿度ステップが「9」である場合の画像形成条件KJが、図10(A)の第1画像形成テーブルGT1、図10(B)の第2画像形成テーブルGT2にあるか否かが判別される。
本例で言えば、絶対湿度ステップが「9」である場合の画像形成条件KJは、第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2にあると、判別される。つまり、この場合の画像形成条件KJとしては、現像バイアス電圧Vdcが−280Vとなり、帯電バイアス電圧Vgが−400Vとなり、レーザダイオード16の光量がKR5mJ/mとなる。
#2での検索の結果、画像形成条件KJがあった場合は(#3でYes)、その画像形成条件KJ(既存形成条件)、つまり、現像バイアス電圧Vdc、帯電バイアス電圧Vgおよびレーザダイオード16の光量KRがメモリ29から読み出され(#4)、読み出された画像形成条件KJを用いて画像形成が行われる(#5)。
一方、使用頻度パラメータが閾値Tnを超えている場合(#1でNo)には、データベース更新要求を出力し(#6)、画像安定化処理を実施する(#7)。また、#2での検索の結果、現在の装置内の温度および相対湿度に対応する画像形成条件KJが第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2に無かった場合(#3でNo)、画像安定化処理を実施する(#7)。
ここで、#7の画像安定化処理としては、まず、エンジン制御部30は、プリンタ制御部40に対して、画像安定化処理の要求を送信し、これに対応して、画像安定化処理に必要なパッチパターンの画像データを受け取る(#31)。
次に、上述のロング安定化処理として、IDCセンサ光量補正(#32)、Dmax補正(#33)、LD光量補正(#34)、レジスト補正(#35)、および階調補正(#36)が順に行われる。
#7の画像安定化処理が終了すると、当該画像安定化処理が正常に行われた否かが判別される(#8)。画像安定化処理が正常に行われた場合(#8でYes)、後述する保存処理が行われる(#9)。そして、#7の画像安定化処理で得られた画像形成条件KJ(新規形成条件)を用いて画像形成が行われる(#10)。
一方、画像安定化処理が正常に行われなかった場合(#8でNo)、予めメモリ29に記憶されている所定値(デフォルト値)を用いて画像形成が行われる(#11)。なお、デフォルト値としては、現像バイアス電圧Vdc、帯電バイアス電圧Vg、またはレーザダイオード16の光量KRの平均値または中央値を用いることができる。
ここで、#9の保存処理について説明する。
まず、データベース更新要求が無かった場合、つまり、使用頻度パラメータが閾値Tn以下である場合(#41でNo)、#7の画像安定化処理で得られた画像形成条件KJが第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2の該当領域に格納される(#44)。
具体例を挙げて説明すると、例えば、装置内の温度が17℃であり、相対湿度が22%である場合、温度ステップ変換テーブルTTおよび相対湿度ステップ変換テーブルSTから温度ステップおよび相対湿度ステップは共に「5」となる。これにより、絶対湿度ステップ変換テーブルHTから、絶対湿度ステップは「4」となる。
図10に示すように、第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2には、絶対湿度ステップが「4」である場合の画像形成条件KJが未だ格納されていない(図10では「−」で示しているが、実際には「0」または「0xFFFF」等の特定のデータが格納されている)。そこで、#7の画像安定化処理で得られた、絶対湿度ステップが「4」である場合の画像形成条件KJが第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2に格納される。
このように、データベース更新要求が無かった場合、つまり、使用頻度パラメータが閾値Tn以下であった場合(#41でNo)で、画像形成条件KJが第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2に無かった場合(#3でNo)、画像安定化処理で得られた画像形成条件KJが第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2の該当領域に格納される。
一方、データベース更新要求があった場合、つまり、使用頻度パラメータが閾値Tnを超えている場合(#41でYes)、第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2に格納されている画像形成条件KJが初期化部54a(図4)によって初期化される(#42)。この場合、第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2の数値が全て「0」または「0xFFFF」等の特定のデータとなる。なお、第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2の画像形成条件KJはイメージングユニットUの交換時にも初期化部54aによって初期化される。
そして、現在の閾値Tnが閾値Tn+1に更新される(#43)。上述のように、現在の閾値Tnは1000枚に設定されているので、更新後の閾値Tn+1は例えば2000枚に設定される。
次いで、#7の画像安定化処理で得られた、絶対湿度ステップが「4」である場合の画像形成条件KJが、初期化された第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2に格納される(#44)。
このように、使用頻度パラメータが閾値Tnを超えている場合(#1でNo)、画像安定化処理で得られた画像形成条件KJ(新規形成条件)が、初期化された第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2の該当領域に格納される。
(本実施形態における効果)
本実施形態では、装置内の温度および相対湿度に対応した画像形成条件KJを第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2としてデータベース化しておく。そして、現在の装置内の温度および相対湿度(環境値KT)で画像形成を行う際に、当該環境値KTに対応した画像形成条件KJが第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2にある場合には、画像安定化処理を実施することなく当該画像形成条件KJを既存形成条件として用いて画像形成を行う。
一方、上記環境値KTに対応した画像形成条件KJが第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2にない場合には、画像安定化処理を実際に行い、当該画像安定化処理で得られた画像形成条件KJを新規形成条件として用いて画像形成を行う。
このような方法により、画像安定化処理を不要に実施することを防止することができる。それにより、画像安定化処理の実施回数を低減することができる。したがって、イメージングユニットUの寿命を延ばすことができる。
特に、画像形成装置1の電源が長時間オフの状態から復帰した際、またはユーザからの印刷要求があり画像形成装置1が長時間の省電力モードから復帰した際の画像安定化処理の実施回数も低減できるので、ユーザの待機時間を低減することができる。これにより、ユーザの利便性を向上することができる。
また、本実施形態では、使用頻度パラメータが閾値Tnを超えるごとに第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2の画像形成条件KJが初期化部54aによって初期化される。そして、画像安定化処理の実施により得られた画像形成条件KJが新規形成条件として第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2に格納される。それにより、現在の使用頻度パラメータに応じて、画像形成を行う際に用いる画像形成条件KJを最適なものに更新することが可能となる。これにより、最適な画像形成条件KJを用いた画像形成を行うことができる。
さらに、本実施形態では、画像安定化処理の実施回数を低減しているが、画質が実質的に劣ることはない。従来においては、画像安定化処理を必要以上に行っていた側面があり、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、画質を維持しつつ、画像安定化処理の実施回数を低減することによって、イメージングユニットUの寿命を延ばすことが可能となる。
(他の実施形態)
上記実施形態で説明した保存処理を以下のように行ってもよい。すなわち、現在の累積印刷枚数が閾値Tnを超えている場合でも、当該現在の累積印刷枚数と第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2に画像形成条件KJを格納した時点での累積印刷枚数との差が閾値Tnを超えていない場合には、当該画像形成条件KJを初期化することなく画像形成に用いてもよい。つまり、第1画像形成テーブルGT1および第2画像形成テーブルGT2において、各ステップごとに、画像形成条件KJを格納したときの累積印刷枚数を記録しておき、画像形成条件KJを初期化するか否かは各ステップごとに判断することとしてもよい。
具体的に説明すると、ある絶対湿度ステップのデータについて、例えば現在の累積印刷枚数が2200枚であり、閾値Tnが1000枚であり、格納時点での累積印刷枚数が1400枚である場合、上記差は800枚となる。したがって、この差は閾値Tnよりも小さいので、上記画像形成条件KJを初期化することなく画像形成に用いることができる。
本実施形態においては、使用頻度パラメータとして累積印刷枚数を用いたが、これに代えて、現像装置13の累積動作時間を用いてもよい。また、画像安定化処理の起動要因YN1,YN3は上に述べた通りであるが、これ以外の要因を起動要因YNとしてもよい。なお、起動要因YNが発生しない間は、同じ画像形成条件KJを用いて画像形成を行うようにすればよい。
その他、画像形成装置1の全体または各部の構成、処理内容、処理順序等は、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが可能であり、この場合にも上記の特有かつ格別の効果が奏される。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略の内部構成を示す図である。 画像形成装置の一部である現像周りのイメージングユニットを示す図である。 画像形成装置の主要な制御系を示すブロック図である。 画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。 画像安定化処理の起動要因と画像安定化処理の実施内容とを説明するための図である。 画像形成装置による画像形成の流れを示すフローチャートである。 画像安定化処理の流れを示すフローチャートである。 保存処理の流れを示すフローチャートである。 各種変換テーブルを示す図である。 環境値に対応する画像形成条件を格納した画像形成テーブルを示す図である。
符号の説明
1 画像形成装置
11 感光体
12 帯電装置(帯電手段)
13 現像装置(現像手段)
16 レーザダイオード(露光手段)
17 PH温度センサ
22 IDCセンサ
23 温湿度センサ
29 メモリ(記憶手段)
30 エンジン制御部
40 プリンタ制御部
52 画像安定化処理部(画像安定化処理手段)
53 検索部(検索手段)
54 安定化処理制御部(安定化処理制御手段)
54a 初期化部
55 画像形成部
GT1 第1画像形成テーブル
GT2 第2画像形成テーブル
HT 絶対湿度ステップ変換テーブル
KJ 画像形成条件
KR 光量
KT 環境値
NA 実施内容
PH プリントヘッド
ST 相対湿度ステップ変換テーブル
TT 温度ステップ変換テーブル
U イメージングユニット
YN 起動要因

Claims (6)

  1. 電子写真プロセスによって画像形成を行うとともに、予め設定された起動要因が生じたときに画像安定化処理を行うように構成された画像形成装置であって、
    前記画像安定化処理を行ってそのときの環境値に対応する画像形成条件を決定する画像安定化処理手段と、
    前記画像安定化処理手段により決定された前記画像形成条件を前記環境値に対応して記憶する記憶手段と、
    前記起動要因が生じたときに、そのときの環境値に対応する画像形成条件が前記記憶手段に記憶されているか否かを検索する検索手段と、
    前記検索手段によって環境値に対応する画像形成条件が検索された場合に、前記画像安定化処理手段による画像安定化処理を実施することなく、検索された画像形成条件を用いて画像形成を行うように制御するとともに、前記検索手段によって環境値に対応する画像形成条件が検索されなかった場合に、前記画像安定化処理手段による画像安定化処理を実施させるように制御する、安定化処理制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 感光体と、
    前記感光体を帯電させる帯電手段と、
    前記感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、
    前記感光体にトナーを付着させ前記静電潜像を現像する現像手段と、を有し、
    前記画像安定化処理手段は、少なくとも、前記露光手段の光量、前記現像手段に印加する電圧値、および前記帯電手段に印加する電圧値を前記画像形成条件として決定する、
    請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記環境値は、装置内の温度および相対湿度を含む、
    請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 前記安定化処理制御手段は、前記感光体の回転時間または累積印刷枚数が予め設定された閾値を超えた場合に、前記記憶手段に記憶された前記画像形成条件を初期化する、
    請求項2または3記載の画像形成装置。
  5. 前記感光体と前記現像手段とはイメージングユニットとして一体化されており、
    前記安定化処理制御手段は、前記イメージングユニットが交換されたときに、前記記憶手段に記憶された前記画像形成条件を初期化する、
    請求項2ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 電子写真プロセスによって画像形成を行うとともに、予め設定された起動要因が生じたときに画像安定化処理を行うように構成された画像形成装置の制御方法であって、
    前記画像安定化処理を行ってそのときの環境値に対応する画像形成条件を決定するステップと、
    決定された前記画像形成条件を前記環境値に対応して記憶するステップと、
    前記起動要因が生じたときに、そのときの環境値に対応する画像形成条件が記憶されているか否かを検索するステップと、
    前記環境値に対応する画像形成条件が検索された場合に、画像安定化処理を実施することなく、検索された画像形成条件を用いて画像形成を行うステップと、
    前記環境値に対応する画像形成条件が検索されなかった場合に、画像安定化処理を実施するステップと、
    を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
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