JP2009121503A - 手動変速機の変速操作機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シフトフォークが反転機構を介して取り付けられているシフトロッドを有する変速操作機構において、良好なシフトフィーリングを得る。
【解決手段】 チェンジレバーのシフト方向の操作に連動して軸方向に摺動することによりそれぞれ対応するシフトフォークを移動させる2つのシフトロッド64、66と、シフトロッド66とそれに対応するシフトフォークとの間に介設された反転機構と、シフトロッド66に固定され、シフトロッド64を軸方向に摺動可能に把持してシフトロッド66の回動を規制する回動規制部材100とを有する手動変速機の変速操作機構であって、回動規制部材100は、シフトロッド66に固定され、かつシフトロッド64に向けて軸直交方向に延びる2つの軸部104aを有する本体104と、2つの軸部104aにそれぞれ回転可能に支持されるとともに、外周面でシフトロッド64を挟持する2つの円筒体110とを有する。
【選択図】 図5
【解決手段】 チェンジレバーのシフト方向の操作に連動して軸方向に摺動することによりそれぞれ対応するシフトフォークを移動させる2つのシフトロッド64、66と、シフトロッド66とそれに対応するシフトフォークとの間に介設された反転機構と、シフトロッド66に固定され、シフトロッド64を軸方向に摺動可能に把持してシフトロッド66の回動を規制する回動規制部材100とを有する手動変速機の変速操作機構であって、回動規制部材100は、シフトロッド66に固定され、かつシフトロッド64に向けて軸直交方向に延びる2つの軸部104aを有する本体104と、2つの軸部104aにそれぞれ回転可能に支持されるとともに、外周面でシフトロッド64を挟持する2つの円筒体110とを有する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、自動車に搭載される手動変速機の変速操作機構に関し、自動車用変速機の技術分野に属する。
一般に、自動車の手動変速機は、エンジンにクラッチを介して接続された入力軸と、駆動輪に連結された出力軸との間に設けられたギヤ比の異なる複数組のギヤ列のうちの一つを選択的に動力伝達状態とすることにより、上記両軸間の変速比の切り替えを行なうものであり、その場合におけるいずれかのギヤ列を動力伝達状態とする操作は、運転者のチェンジレバー操作に連動するシフトフォークの移動により、当該ギヤ列に隣接する同期噛合装置のスリーブをそのギヤ列側にスライドさせることにより行われる。
具体的には、上記シフトフォークは同期噛合装置ごとに備えられて、平行に配置された複数のシフトロッドにそれぞれ連結されており、チェンジレバーのセレクト操作によってゲート機構を介して選択されたシフトロッドを、該チェンジレバーのシフト操作によって軸方向に移動させることにより、そのシフトロッドに取り付けられたシフトフォークが前記同期噛合装置のスリーブをスライドさせて、そのスライド方向に位置するギヤ列を動力伝達状態とするように構成される。
ところで、変速段の多段化に伴って同期噛合装置の個数が増加すると、そのレイアウト上、該同期噛合装置のスリーブをスライドさせるシフトフォークをシフトロッドに直接取り付けることが困難となり、そこで、例えば特許文献1に記載されているように、一部のシフトフォークをシフトロッドから分離し、該シフトロッドの移動をレバーを介してシフトフォークに伝達するように構成されることがある。
その場合に、シフトロッドは、円柱体であって変速機ケースの軸受孔などに摺動可能に嵌合されているため、シフトフォークが直接取り付けられているシフトロッドは、該シフトフォークと同期噛合装置のスリーブとの係合により回動が阻止されるが、反転レバーを介してシフトフォークを操作するシフトロッドは、その軸心を中心として回動する。そして、シフト操作時に、シフトロッドが回動しつつ軸方向に移動した場合、反転レバーはスムーズに揺動することができなくなり、シフトフォークによる同期噛合装置のスリーブの操作に支障を来たすことになる。
この対処として、前記特許文献1に記載された変速機では、シフトロッドの回動を規制するための回動規制部材が該シフトロッドに設けられている。即ち、図7に示すように、特許文献1に記載の回動規制部材500は、反転レバー502に一端が係合されたシフトロッド504に固定されているとともに、隣接するシフトロッド506側に延びる2つの爪508,508を有し、これらの爪の間に隣接するシフトロッド506を軸方向(シフト方向、図面垂直方向)に摺動可能に把持することにより、当該シフトロッド504の回動を規制している。
これにより、シフトロッド504が軸方向に移動したときに、反転レバー502は無理なくスムーズに揺動することができ、該反転レバー502の反シフトロッド側の端部に係合されたシフトフォーク510が確実に移動する。
ところが、特許文献1に記載の構成の場合、いずれか一方のシフトロッドの移動時に、回動規制部材500の爪508、508と、これらの爪の間に把持されたロッド506との間の摩擦抵抗のため、シフト操作が重くなる(シフト操作時に大きな操作力が必要となる)。
また、図8(b)に示すように、シフト操作により軸方向に移動するシフトロッド504(または506)が、操作力の伝達により多少たわむことがある(図8(a)は、いずれのシフトロッドも撓んでいない状態を示す。)。それにより、回動規制部材500と、その爪508、508の間に把持されたロッド506とがこじれ、その間の摩擦抵抗がさらに増大し、一層大きな操作力が必要となる。
このように摩擦抵抗が増大してチェンジレバーのシフト操作に大きな操作力が必要となることにより、シフトフィーリングが悪化する。
そこで、本発明は、隣接する2つのシフトロッドの一方に固定されて、他方のシフトロッドを軸方向に摺動可能に把持することにより、該一方のシフトロッドの回動を規制する回動規制部材が備えられた変速機において、該回動規制部材と前記他方のシフトロッドとの間の摩擦抵抗を小さく抑制することにより、大きい操作力が必要になることによるシフトフィーリングの悪化を抑制することができる手動変速機の変速操作機構を提供することを課題とする。
上述の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、チェンジレバーのシフト方向の操作に連動して軸方向に摺動することによりそれぞれ対応するシフトフォークを移動させる2つのシフトロッドと、一方のシフトロッドとそれに対応するシフトフォークとの間に介設された反転機構と、前記一方のシフトロッドに固定され、他方のシフトロッドを軸方向に摺動可能に把持して前記一方のシフトロッドの回動を規制する回動規制部材とを有する手動変速機の変速操作機構であって、
前記回動規制部材は、前記一方のシフトロッドに固定され、かつ他方のシフトロッドに向けて軸直交方向に延びる2つの軸部を有する本体と、
該本体の2つの軸部にそれぞれ回転可能に支持されるとともに、外周面で前記他方のシフトロッドを挟持する2つの円筒体とを有することを特徴とする。
前記回動規制部材は、前記一方のシフトロッドに固定され、かつ他方のシフトロッドに向けて軸直交方向に延びる2つの軸部を有する本体と、
該本体の2つの軸部にそれぞれ回転可能に支持されるとともに、外周面で前記他方のシフトロッドを挟持する2つの円筒体とを有することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の手動変速機の変速操作機構において、
前記回動規制部材の本体は、前記一方のシフトロッドに固定された基部と、
該基部に、前記2つの軸部の中間位置で軸直交方向に延びる中心線回りに回動可能に支持された把持部とから構成され、
前記2つの軸部は、前記把持部に設けられていることを特徴とする。
前記回動規制部材の本体は、前記一方のシフトロッドに固定された基部と、
該基部に、前記2つの軸部の中間位置で軸直交方向に延びる中心線回りに回動可能に支持された把持部とから構成され、
前記2つの軸部は、前記把持部に設けられていることを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の手動変速機の変速操作機構において、
前記他方のシフトロッドとそれに対応するシフトフォークとの間に介設された反転機構と、
前記他方のシフトロッドに固定され、前記一方のシフトロッドを軸方向に摺動可能に把持して前記他方のシフトロッドの回動を規制する回動規制部材とを有し、かつ、
前記回動規制部材は、前記他方のシフトロッドに固定され、かつ一方のシフトロッドに向けて軸直交方向に延びる2つの軸部を有する本体と、
該本体の2つの軸部にそれぞれ回転可能に支持されるとともに、外周面で前記一方のシフトロッドを挟持する2つの円筒体とを有することを特徴とする。
前記他方のシフトロッドとそれに対応するシフトフォークとの間に介設された反転機構と、
前記他方のシフトロッドに固定され、前記一方のシフトロッドを軸方向に摺動可能に把持して前記他方のシフトロッドの回動を規制する回動規制部材とを有し、かつ、
前記回動規制部材は、前記他方のシフトロッドに固定され、かつ一方のシフトロッドに向けて軸直交方向に延びる2つの軸部を有する本体と、
該本体の2つの軸部にそれぞれ回転可能に支持されるとともに、外周面で前記一方のシフトロッドを挟持する2つの円筒体とを有することを特徴とする。
さらにまた、請求項4に記載の発明は、チェンジレバーのシフト方向の操作に連動して軸方向に摺動することによりそれぞれ対応するシフトフォークを移動させる2つのシフトロッドと、一方のシフトロッドとそれに対応するシフトフォークとの間に介設された反転機構と、前記一方のシフトロッドに固定され、他方のシフトロッドを軸方向に摺動可能に把持して前記一方のシフトロッドの回動を規制する回動規制部材とを有する手動変速機の変速操作機構であって、
前記回動規制部材は、前記一方のシフトロッドに固定された基部と、前記他方のシフトロッドを挟持する2つの突出部を有する把持部とから構成され、
前記把持部は、前記基部に、前記2つの突出部の中間位置で軸直交方向に延びる中心線回りに回動可能に支持されていることを特徴とする。
前記回動規制部材は、前記一方のシフトロッドに固定された基部と、前記他方のシフトロッドを挟持する2つの突出部を有する把持部とから構成され、
前記把持部は、前記基部に、前記2つの突出部の中間位置で軸直交方向に延びる中心線回りに回動可能に支持されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、いずれか一方のシフトロッドが軸方向に移動するとき、回動規制部材の円筒体が転動するため、該回動規制部材のロッド把持部における摩擦抵抗は小さくなる。これにより、いずれか一方のシフトロッドを軸方向に移動させるチェンジレバーのシフト操作を小さい操作力で実行でき、シフトフィーリングは良好なものになる。
また、請求項2に記載の発明によれば、いずれか一方のシフトロッドが撓んでも、回動規制部材の把持部が遥動することにより、回動規制部材のロッド把持部とシフトロッドとの間のこじれが解消される、すなわち回動規制部材のロッド把持部における摩擦抵抗が小さく抑制される。これにより、いずれか一方のシフトロッドを軸方向に移動させるチェンジレバーのシフト操作を小さい操作力で実行でき、シフトフィーリングは良好なものになる。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、他方のシフトロッドとそれに対応するシフトフォークとの間にも反転機構が介設される場合、他方のシフトロッドにも、一方のシフトロッドと同様の回動規制部材が設けられる。これにより、どちらのシフトロッドを移動させるにしろ、そのためのチェンジレバーのシフト操作に要する操作力は、ほぼ同等の小さい操作力となる。すなわち、シフトフィーリングは、移動させるシフトロッドが異なってもほぼ同じになる。
さらにまた、請求項4に記載の発明によれば、いずれか一方のシフトロッドが撓んでも、回動規制部材の把持部が遥動することにより、回動規制部材のロッド把持部とシフトロッドとの間のこじれが解消される、すなわち回動規制部材のロッド把持部における摩擦抵抗が小さく抑制される。これにより、いずれか一方のシフトロッドを軸方向に移動させるチェンジレバーのシフト操作を小さい操作力で実行でき、シフトフィーリングは良好なものになる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1に示すように、本発明を実施するための最良の形態に係る変速機1は、エンジン2の駆動軸2aからダンパクラッチ3を介して駆動力が入力される入力軸4と、該入力軸4と同一軸線上に配置された出力軸5と、入力軸4及び出力軸5に平行に配置されたカウンタ軸6とを有する。これらの軸4,5,6は、変速機ケースに軸受等を介して回動可能に支持されている。
これらの軸間には、エンジン2側(図面右側)から順に、入力ギヤ列GN,6速ギヤ列G6,2速ギヤ列G2,1速ギヤ列G1,3速ギヤ列G3,4速ギヤ列G4,後退速ギヤ列GRが設けられている。入力ギヤ列GNは、入力軸4に固設されたギヤ10と、カウンタ軸6に固設されたギヤ20とで構成されている。1速ギヤ列G1は、出力軸5に回動可能に遊嵌合されたギヤ11と、カウンタ軸6に固設されたギヤ21とで構成されている。2速ギヤ列G2は、出力軸5に回動可能に遊嵌合されたギヤ12と、カウンタ軸6に固設されたギヤ22とで構成されている。3速ギヤ列G3は、出力軸5に固設されたギヤ13と、カウンタ軸6に回動可能に遊嵌合されたギヤ23とで構成されている。4速ギヤ列G4は、出力軸5に固設されたギヤ14と、カウンタ軸6に回動可能に遊嵌合されたギヤ24とで構成されている。6速ギヤ列G6は、出力軸5に回動可能に遊嵌合されたギヤ16と、カウンタ軸6に固設されたギヤ26とで構成されている。後退速ギヤ列GRは、出力軸5に回動可能に遊嵌合されたギヤ17と、カウンタ軸6に固設されたギヤ27と、ギヤ17,27間に設けられたギヤ37とで構成されている。なお、本実施の形態に係る変速機1は、5速直結タイプの変速機であり、5速ギヤ列を有しない。
また、出力軸5上における1速ギヤ列G1と2速ギヤ列G2との間、カウンタ軸6上における3速ギヤ列G3と4速ギヤ列G4との間、出力軸5上における入力ギヤ列GNと6速ギヤ列G6との間、及び出力軸5上における後退速ギヤ列GRの反エンジン側(図面左側)には、運転者の変速段選択操作によって選択された変速段のギヤ列を選択的に動力伝達状態とする第1、第2、第3、第4同期噛合装置41,42,43,44が設けられている。
第1同期噛合装置41は、そのスリーブ41aが1速ギヤG1側に移動してギヤ11と出力軸5とを連結する、またはスリーブ41aが2速ギヤG2側に移動してギヤ12と出力軸5とを連結するように構成されている。これにより、入力軸4の回転が、カウンタ軸6と、スリーブ41aと、ギヤ11またはギヤ12のいずれかを介して出力軸5に伝達される。
第2同期噛合装置42は、そのスリーブ42aが3速ギヤ列G3側に移動してギヤ23とカウンタ軸6とを連結する、またはスリーブ42aが4速ギヤG4側に移動してギヤ24とカウンタ軸6とを連結するように構成されている。これにより、入力軸4の回転が、カウンタ軸6と、スリーブ42aと、ギヤ23またはギヤ24のいずれかを介して出力軸5に伝達される。
第3同期噛合装置43は、そのスリーブ43aが入力ギヤ列GN側に移動してギヤ10を介して入力軸4と出力軸5とを連結する、またはスリーブ43aが6速ギヤ列G6側に移動してギヤ16と出力軸5とを連結するように構成されている。これにより、入力軸4の回転が、スリーブ43aとギヤ10を介して直接視出力軸4に伝達される、またはカウンタ軸6と、ギヤ16と、スリーブ43aを介して出力軸4に伝達される。
第4同期噛合装置44は、そのスリーブ44aが後退速ギヤ列GR側に移動してギヤ17と出力軸5とを連結するように構成されている。これにより、入力軸4の回転が、カウンタ軸6と、ギヤ17を介して出力軸5に伝達される。
ここからは、第1〜4同期噛合化見合い装置41〜44のスリーブ41a、42a、43a、44aを選択的に移動させる変速操作機構について説明する。
変速操作機構50は、部分的断面図である図2や部分的斜視図である図3に示すように、変速機ケース52の上面カバー54の下面に固設されたホルダ56により軸方向に移動可能に支持された4本のシフトロッド60,62,64,66を、変速機1の後部側(図1においては左側)に配設されたチェンジレバー68のセレクト操作及びシフト操作によって軸方向に選択的にスライドさせるように構成されている。その場合に、上記シフトロッド60,62,64,66は変速機1の軸方向に沿って平行に、かつ、図2上で手前側から、後退速用のシフトロッド60、1−2速用のシフトロッド62、3−4速用のシフトロッド64、5−6速用のシフトロッド66の順に配置されている。
図3に示すように、シフトロッド60には、第4同期噛合装置44のスリーブ44aと係合するシフトフォーク70が取り付けられている。このシフトロッド60が軸方向に移動することにより、シフトフォーク70を介して第4同期噛合装置44のスリーブ44aがシフトロッド60の移動方向と同一方向に移動される。
シフトロッド62には、第1同期噛合装置41のスリーブ41aと係合するシフトフォーク72が取り付けられている。このシフトロッド62が軸方向に移動することにより、シフトフォーク72を介して第1同期噛合装置41のスリーブ41aがシフトロッド60の移動方向と同一方向に移動される。
シフトロッド64には、第2同期噛合装置42のスリーブ42aと係合するシフトフォーク74が反転機構76を介して取り付けられている。このシフトロッド62が軸方向に移動することにより、反転機構76とシフトフォーク74とを介して第2同期噛合装置42のスリーブ42aが、シフトロッド64の移動方向と反対方向に移動される。
シフトロッド66には、第3同期噛合装置43のスリーブ43aと係合するシフトフォーク76が反転機構80を介して取り付けられている。このシフトロッド66が軸方向に移動することにより、反転機構80とシフトフォーク78とを介して第3同期噛合装置43のスリーブ43aが、シフトロッド66の移動方向と反対方向に移動される。
これらの4本のシフトロッド60〜66とチェンジレバー68との間には、図2に示すように、チェンジレバー68の下端部に係合機構82を介して連結され、かつ変速機1の軸方向に沿って設けられて変速機ケース52により軸方向に移動可能に支持されたコントロールロッド84と、該コントロールロッド84の前側端部(図2においては右側の端部)と4本のシフトロッド60〜66それぞれの後側瑞部との間に設けられ、コントロールロッド84といずれかのシフトロッド60〜66を選択的に係合させるゲート機構86とが設けられている。
チェンジレバー68は、その中間部の球面軸受部68aが変速機ケース52の上方に配設されたコントロールケース88に回動可能に支持されている。チェンジレバー68が図2の垂直方向(手前奥方向)に球面軸受部68aを支点として傾くと(チェンジレバー68のセレクト操作が実行されると)、係合機構82を介してコントロールロッド84が回動される。
また、チェンジレバー68が図2の左右方向A、Bに球面軸受部68aを支点として傾くと(チェンジレバー68のシフト操作が実行されると)、係合部82を介してコントロールロッド84が前後動される(図左右方向A’、B’に移動する。)。
ゲート機構86は、図2や図3に示すように、4本のシフトロッド60〜66それぞれの後側端に設けられた係合部材86a、86b、86c、86dと、これらの係合部材と選択的に係合する、コントロールロッド84の前側端に設けられたセレクト部材86eとから構成される。
セレクト部材86eは軸方向と直交する方向に延びるセレクトアーム86e1を備えており、このセレクトアーム86e1と係合するために、係合部材86aにはセレクトゲート86a1、係合部材86bにはセレクトゲート86b1、係合部材86cにはセレクトゲート86c1、係合部材86dにはセレクトゲート86d1が形成されている。4つのセレクトゲート86a1、86b1、86c1、86d1は、コントロールロッド84の回動により移動するセレクトアーム86e1の軌道上に位置するようにそれぞれの係合部材に形成されている。図3においては、セレクトアーム86e1は、セレクトゲート86b1と係合している。図2や図3に示すX方向から見た断面を示す図4においては、セレクトアーム86e1は、セレクトゲート86c1と係合している。
このような構成によれば、チェンジレバー68のセレクト操作により、コントロールロッド84が回動する。コントロールロッド84の回動により、セレクト部材86eのセレクトアーム86e1が、係合部材86a、86b、86c、86dのいずれかのセレクトゲート86a1、86b1、86c1、86d1に選択的に係合する。
いずれかの係合部材のセレクトゲートにセレクトアーム86e1が係合した状態で、チェンジレバー68のシフト操作が実行されると、セレクトアーム86e1が係合している係合部材が設けられているシフトロッドが軸方向に移動される。セレクトアーム86e1がセレクトゲート86b1に係合している図3の状態では、シフトロッド62が軸方向に移動されことによりシフトフォーク72が軸方向に移動され、その結果、第1同期噛合装置41のスリーブ41aが軸方向移動される。
ここからは、本発明の特徴部分を説明する。
図3に示すように、4本のシフトロッド60〜66中、反転機構76を介してシフトフォーク74を移動させるシフトロッド64と、反転機構80を介してシフトフォーク78を移動させるシフトロッド66とには、回動を規制するための回動規制部材100、100が取り付けられている。
シフトロッド60、62のように、同期噛合装置のスリーブと係合するシフトフォークが反転機構を介さずに直接設けられているシフトロッドは、そのスリーブが回動規制されていることから回動しない。一方、これとは異なり、シフトロッド64、66のように、反転機構を介してシフトフォークが取り付けられているシフトロッドは回動する。
理由を説明すると、図3に示すように、例えば反転機構76は、軸方向と直交する方向に延びる回転中心線76cを中心として揺動する反転レバー76aを有し、反転レバー76aの一端がシフトロッド64によって押されるまたは引かれることにより、回転中心線76cを挟んで対向する反転レバー76aの他端がシフトフォーク74を引くまたは押すように構成されている。すなわち、反転機構76は、シフトロッド64の直線運動を、反転レバー76aの遥動運動に変換し、さらにその遥動運動をシフトフォーク74の直線運動に変換している。
したがって、この運動の変換をスムーズに実行するために、シフトロッド64は、反転機構76の反転レバー76aに完全に固定されているわけでなく、遊びを設けた状態で反転レバー76aと係合している。そのために、シフトロッド64は回動する。
このようにシフトロッド64が回動すると、無理なくスムーズに反転機構76の反転レバー76aを回転中心線76cを中心にして遥動させることができなくなる。その対処として、回動規制部材100、100が、反転機構76、80を介してシフトフォーク74、78が設けられているシフトロッド64,66に取り付けられている。
この回動規制部材100について具体的に説明する。
図5は回動規制部材100の斜視図であり、図6はシフトロッド64、66の軸方向と直交する、回動規制部材100の断面図である。図5、図6に示す回動規制部材100は、シフトロッド66の回動を規制するためのものである。
図5や図6に示すように、回動規制部材100は、回動を規制するシフトロッド66に固定される基部102と、この基部102に2つのシフトロッド64、66の並列方向(軸方向と直交する、シフトロッド66からシフトロッド64に向かう方向)に延びる回転中心線cを中心として回動可能に支持されて、シフトロッド64を軸方向に摺動可能に把持する把持部104とを有する。
把持部104の回転中心線c方向に延びるように形成された貫通穴には、基部102に形成された中心線c方向に延びる軸部102aが回転可能に挿入されている。また、軸部102aの先端には、把持部104を抜け止めする抜け止めリング106が取り付けられている。さらに、基部102はシフトロッド66が挿入される穴を備え、基部102とシフトロッド66とを貫通する固定ピン108によってシフトロッド66に固定されている。
また、把持部104には、回転中心線c方向に延びる2つの軸部104a、104aが形成されている。この軸部104a、104aはそれぞれ、円筒体110、110を回転可能に支持しており、その先端には円筒体110、110を抜け止めする抜け止めリング112、112が取り付けられている。また、この軸部104a、104aは、円筒体110、110の回転中心線c1、c1が把持部104の回転中心線cと平行であって該中心線cから等距離の位置に配置されるように、且つ3つの回転中心線c、c1、c1がシフトロッド64の軸方向と直交する平面上に配置されるように、さらに円筒体110、110がその外周面でシフトロッド64を挟持するように構成されている。
このような回動規制部材100によれば、シフトロッド64が軸方向に移動するとき、またはシフトロッド66とともに回動規制部材100が軸方向に移動するとき、円筒体110、110が転動することにより、円筒体110、110とシフトロッド66との間の摩擦抵抗は小さくなる。これにより、シフトロッド64、66のいずれかを軸方向に移動させるチェンジレバー68のシフト操作を小さい操作力で実行でき、シフトフィーリングは良好なものになる。
また、シフトロッド64、66のいずれか一方が撓んでも、回動規制部材100の把持部104が遥動することにより、2つの円筒体110、110とシフトロッド64との間のこじれが解消される、言い換えると、シフト64またはシフト66のいずれか一方の軸方向の移動中に、こじれが解消するように把持部104が遥動する。これにより、シフトロッド64、66のいずれか一方を軸方向に移動させるチェンジレバー68のシフト操作を小さい操作力で実行でき、シフトフィーリングは良好なものになる。
さらに、回動部材100が、2つのシフトロッド64、66それぞれに設けられているため、どちらのシフトロッドを移動させるにしろ、そのためのチェンジレバー68のシフト操作に要する操作力は、ほぼ同等の小さい操作力となる。すなわち、シフトフィーリングは、移動させるシフトロッド64と66とに異なってもほぼ同じになる。
以上、上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、上述の実施形態の場合、シフトロッドが撓むことを考慮して、回動規制部材の本体は、回動を規制するシフトロッドに固定される基部と、基部に揺動可能に支持されて隣接するシフトロッドを摺動可能に把持する把持部の2つの別部材から構成されているが、シフトロッドの撓み量が極めて小さい場合(シフトロッドの剛性が高いなどの場合)、基部と把持部が一体の部材で構成してもよい。すなわち、把持部が遥動しない本体を有する回動規制部材であってもよい。すなわち、回動規制部材は、回動を規制するシフトロッドに取り付けられ、他方のシフトロッドに向けて軸直交方向に延びる2つの軸部を有する本体と、この2つの軸部それぞれに回転可能に支持され、外周面で他方のシフトロッドを挟持する円筒体とで構成される。この場合、上述の実施形態に比べて、回動規制部材の構造はシンプルなものになる。
また、上述の実施形態の場合、回動規制部材のロッド把持部(上述では円筒体)とこれに把持されるシフトロッドの間の摩擦抵抗を小さくするためにロッドの把持部は転動可能な円筒体で構成されている。これに対して、回動規制部材のロッド把持部とこれに把持されるシフトロッドのいずれか一方が他方に対して摺動した場合の間の摩擦抵抗がシフトフィーリングに悪影響を与えないほど小さい場合は、ロッド把持部を転動可能な円筒体で構成する必要はない。すなわち、回動規制部材は、一方のシフトロッドに固定される基部と、他方のシフトロッドを軸方向に摺動可能に挟持する2つの突出部を有する把持部とから構成され、把持部が、基部に、2つの突出部の中間位置で軸直交方向に延びる中心線回りに回動可能に支持される。この場合、上述の実施形態に比べて、回動規制部材の構造はシンプルなものになる。
以上のように、本発明に係る手動変速機の変速操作機構は、反転機構を介してシフトフォークを移動させるシフトロッドの軸方向の移動に関するチェンジレバーのシフト操作を小さい操作力で実行することが可能になり、良好なシフトフィーリングが得られる。したがって、自動車産業もしくは自動車用変速機の製造産業の分野において好適に利用される可能性がある。
64 シフトロッド
66 シフトロッド
100 回動規制部材
104 本体(把持部)
104a 軸部
110 円筒体
66 シフトロッド
100 回動規制部材
104 本体(把持部)
104a 軸部
110 円筒体
Claims (4)
- チェンジレバーのシフト方向の操作に連動して軸方向に摺動することによりそれぞれ対応するシフトフォークを移動させる2つのシフトロッドと、一方のシフトロッドとそれに対応するシフトフォークとの間に介設された反転機構と、前記一方のシフトロッドに固定され、他方のシフトロッドを軸方向に摺動可能に把持して前記一方のシフトロッドの回動を規制する回動規制部材とを有する手動変速機の変速操作機構であって、
前記回動規制部材は、前記一方のシフトロッドに固定され、かつ他方のシフトロッドに向けて軸直交方向に延びる2つの軸部を有する本体と、
該本体の2つの軸部にそれぞれ回転可能に支持されるとともに、外周面で前記他方のシフトロッドを挟持する2つの円筒体とを有することを特徴とする手動変速機の変速操作機構。 - 請求項1に記載の手動変速機の変速操作機構において、
前記回動規制部材の本体は、前記一方のシフトロッドに固定された基部と、
該基部に、前記2つの軸部の中間位置で軸直交方向に延びる中心線回りに回動可能に支持された把持部とから構成され、
前記2つの軸部は、前記把持部に設けられていることを特徴とする手動変速機の変速操作機構。 - 請求項1または2に記載の手動変速機の変速操作機構において、
前記他方のシフトロッドとそれに対応するシフトフォークとの間に介設された反転機構と、
前記他方のシフトロッドに固定され、前記一方のシフトロッドを軸方向に摺動可能に把持して前記他方のシフトロッドの回動を規制する回動規制部材とを有し、かつ、
前記回動規制部材は、前記他方のシフトロッドに固定され、かつ一方のシフトロッドに向けて軸直交方向に延びる2つの軸部を有する本体と、
該本体の2つの軸部にそれぞれ回転可能に支持されるとともに、外周面で前記一方のシフトロッドを挟持する2つの円筒体とを有することを特徴とする手動変速機の変速操作機構。 - チェンジレバーのシフト方向の操作に連動して軸方向に摺動することによりそれぞれ対応するシフトフォークを移動させる2つのシフトロッドと、一方のシフトロッドとそれに対応するシフトフォークとの間に介設された反転機構と、前記一方のシフトロッドに固定され、他方のシフトロッドを軸方向に摺動可能に把持して前記一方のシフトロッドの回動を規制する回動規制部材とを有する手動変速機の変速操作機構であって、
前記回動規制部材は、前記一方のシフトロッドに固定された基部と、前記他方のシフトロッドを挟持する2つの突出部を有する把持部とから構成され、
前記把持部は、前記基部に、前記2つの突出部の中間位置で軸直交方向に延びる中心線回りに回動可能に支持されていることを特徴とする手動変速機の変速操作機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007292815A JP2009121503A (ja) | 2007-11-12 | 2007-11-12 | 手動変速機の変速操作機構 |
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ID=40813864
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JP2007292815A Pending JP2009121503A (ja) | 2007-11-12 | 2007-11-12 | 手動変速機の変速操作機構 |
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JP (1) | JP2009121503A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011256962A (ja) * | 2010-06-10 | 2011-12-22 | Toyota Motor Corp | 変速機 |
CN111520467A (zh) * | 2020-05-06 | 2020-08-11 | 东风德纳车桥有限公司 | 减速器换挡拨叉系统和汽车 |
-
2007
- 2007-11-12 JP JP2007292815A patent/JP2009121503A/ja active Pending
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