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JP2009121149A - 建具 - Google Patents

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JP2009121149A JP2007297080A JP2007297080A JP2009121149A JP 2009121149 A JP2009121149 A JP 2009121149A JP 2007297080 A JP2007297080 A JP 2007297080A JP 2007297080 A JP2007297080 A JP 2007297080A JP 2009121149 A JP2009121149 A JP 2009121149A
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哲也 荒川
Masaru Himeno
賢 姫野
Mayu Kitagawa
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Abstract

【課題】窓枠の見込み寸法の拡大を防止するとともに外観意匠性が良好にでき、かつ取り付け作業の効率化を図ることができる建具を提供すること。
【解決手段】固定面材ユニット40において、上部通気面材46および下部通気面材47と、固定ガラスパネル48とが、上部中間框44または下部中間框45を介して上下に隣接して同一面内に配置され、この固定面材ユニット40が窓枠10内部に取り付けられているので、通気面材が窓枠10から室外側に突出せず、窓枠10の見込み寸法の拡大を防止することができる。そして、固定面材ユニット40の室外面および室内面がいずれも凹凸のないフラットに形成されているので、上げ下げ窓1の外観意匠性を良好にできる。固定面材ユニット40がユニット化された状態で窓枠10に建て込まれることで、取付施工性を向上させることができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、建具に関し、詳しくは、窓枠と、この窓枠内に支持された可動障子とを備えた上げ下げ窓等の建具に関する。
住宅等の外壁開口部に設けられる建具として、上下一対の障子を備えた上げ下げ窓が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1、2には、窓枠と、この窓枠の上半分に固定された固定障子(外障子)やガラスパネルと、この固定障子の室内側に沿って上下にスライド開閉自在に設けられた可動障子(内障子、下部障子)とを備えたシングルハングの上げ下げ窓が開示されている。一方、特許文献3には、内障子のみならず外障子も上下にスライド開閉自在に設けられたダブルハングの上げ下げ窓が開示されている。そして、特許文献2、3に記載の上げ下げ窓は、外障子よりも室外側において窓枠に支持された網戸を有して構成され、特許文献2における網戸は、外障子の下側開口を覆う位置と外障子の室外側に重なる位置との間を上下開閉移動自在に設けられ、特許文献3における網戸は、窓枠全体の開口を覆うように窓枠に固定されている。このような網戸を有した上げ下げ窓では、通気可能な通気部材として網戸が機能するため、可動障子を開放することで虫等の侵入を防止しつつ外気を取り入れる(あるいは内気を室外に排気する)ことができるようになっている。
ところで、特許文献2、3に記載されたような網戸では、雨の降り込みを防止する機能(防雨性)や防犯機能(防犯性)がないため、可動障子を開放した状態でも防雨性や防犯性が確保できるように、上げ下げ窓の室外側に外部ブラインドを設けた建具が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特許文献4に記載された外部ブラインドは、上げ下げ窓の窓枠よりも室外側に突出して設けられた上部ケースおよび縦レールと、上部ケースに格納可能かつ縦レールに沿って開閉移動可能な複数のスラットとを有して構成されている。このような外部ブラインドでは、上げ下げ窓の室外面を覆う位置に複数のスラットを下降させることで防犯性が確保され、室外側に向かって下り勾配としつつ上下のスラット同士が重なるようにスラットを傾斜させることで、上窓開口部への雨の降り込みも防止できるようになっている。
特開2003−176667号公報 特開平6−313384号公報 特開2003−64966号公報 特開2006−241740号公報
しかしながら、前記特許文献2、3に記載された上げ下げ窓では、網戸を支持するための網戸レールや取付片を外障子よりも室外側の窓枠に設ける必要があり、特許文献4に記載された上げ下げ窓では、外部ブラインドの縦レール等を設ける必要があり、窓枠の見込み寸法が大きくなってしまう。そして、網戸や外部ブラインドが窓枠や外壁面よりも室外側に突出して設けられているため、上げ下げ窓の外観に凹凸が目立ち、意匠性が劣ってしまうという問題もある。さらに、特許文献4の外部ブラインドでは、窓枠や外壁の室外側に外部ブラインドの上部ケースや縦レールを取り付けることから、外障子の建て込みおよび外部ブラインドの取り付けの両作業を並行して実施することができず、上げ下げ窓の取り付け施工に手間を要するという不都合もある。
本発明の目的は、窓枠の見込み寸法の拡大を防止するとともに外観意匠性が良好にでき、かつ取り付け作業の効率化を図ることができる建具を提供することにある。
本発明の建具は、建物開口部に固定される窓枠と、この窓枠に上下スライド自在に支持される少なくとも1枚の可動障子と、この可動障子の室外側に沿って前記窓枠に固定される室外側面状体とを備えた建具であって、前記室外側面状体は、上下左右の框材を四周框組みした面状体枠と、この面状体枠内部を上下に仕切る少なくとも1本の中間框材と、前記面状体枠の框材および前記中間框材に保持される室外面材と、この面材の上側および下側の少なくとも一方に隣接して設けられる通気可能な通気面材とを有するとともに、当該面状体枠内部に中間框材、室外面材および通気面材を組み込んだ状態で前記窓枠に建て込まれ、前記可動障子は、前記通気面材の室内側に位置するとともに当該可動障子の召合せ框が前記中間框材の室内側に重なる閉鎖位置と、前記室外面材の室内側に重なる開放位置との間を開閉移動自在に前記窓枠に支持されていることを特徴とする。
ここで、少なくとも1枚の可動障子としては、1枚で構成されてもよく、上下一対の2枚の障子(上部障子および下部障子)から構成されていてもよく、3枚以上の障子から構成されていてもよい。そして、このような可動障子と同数の通気面材が室外側面状体に設けられていればよく、1枚または複数枚の通気面材の上下に隣接して室外面材が設けられていればよい。
以上の本発明によれば、室外側面状体において中間框材を介して室外面材と通気面材とを上下に隣接して配置し、中間框材と可動障子の召合せ框とが重なって可動障子が閉じるように構成したことで、可動障子と室外側面状体とが重なる程度の見込み寸法を窓枠が有していればよくなり、通気面材を設けた場合でも窓枠の見込み寸法の拡大を防止することができる。そして、室外面材と通気面材とが同一面内に配置されることで、通気面材が室外側に突出することがないとともに、室外側面状体の外観を凹凸のないフラットなものとすることができ、建具の外観意匠性を向上させることができる。さらに、面状体枠に中間框材、室外面材および通気面材を組み込んだ状態で室外側面状体が窓枠に建て込まれる、つまり室外側面状体がユニット化された状態で窓枠に取り付けられることで、予め工場等で室外側面状体を組み立てておくことも可能になり、建物外壁等への建具の取付作業を効率化して作業性を向上させることができる。
以上の建具では、可動障子を開放することで、通気面材を介した室内外の通気が可能になり、このような通気状態においても、可動障子を開放してできた開口が通気面材で覆われるため、通気面材を所定強度を有した部材から構成しておくことで防犯性を確保することができる。さらに、水返し等を有した部材を適宜組み合わせて通気面材を構成しておくことで、雨の降り込みを防止する機能を通気面材に付与することができ、雨天であっても可動障子を開放して通気することが可能になる。
この際、本発明の建具では、前記室外側面状体の前記通気面材は、上部通気面材および下部通気面材の上下一対で前記面状体枠内部に設けられ、前記室外面材は、前記上部通気面材と下部通気面材との間に設けられ、前記中間框材は、前記上部通気面材と前記室外面材とを仕切る上部中間框材、および前記下部通気面材と前記室外面材とを仕切る下部中間框材の2本で構成され、前記可動障子は、互いに略同一見込み位置かつ上下に離隔した位置にて前記窓枠に支持される上部可動障子および下部可動障子の上下一対で構成され、前記上部可動障子は、前記上部通気面材の室内側に位置するとともに当該上部可動障子の召合せ框が前記上部中間框材の室内側に重なる閉鎖位置と、前記室外面材の室内側に重なる開放位置との間を開閉移動自在に構成され、前記下部可動障子は、前記下部通気面材の室内側に位置するとともに当該下部可動障子の召合せ框が前記下部中間框材の室内側に重なる閉鎖位置と、前記室外面材の室内側に重なる開放位置との間を開閉移動自在に構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、窓枠の上下端部に上下の可動障子と上下の通気面材とを配置したことで、上下の可動障子を開放した際の通気効率を高め、快適な室内環境を得ることができる。すなわち、上下に離隔した位置で外気の導入と内気の排出とを行うことで、内気および外気の温度差を利用した重力換気が実施でき、換気扇などを用いなくても換気効率を高めることができる。そして、窓枠の中間部に配置した室外面材を透明または半透明のガラスパネル等で構成することで、効率よく外光を室内に取り込むとともに、視界の開けた開放的な窓を構成することができる。
さらに、本発明の建具では、前記通気面材は、前記面状体枠の左右の框材間に渡って設けられる複数の通気部材を有して構成され、これらの通気部材間には、下方に向いた室外側開口を有しかつ当該通気面材の室内外に渡る通気経路が形成され、前記中間框材には、前記室外面材の端縁を保持する面材保持部と、前記通気面材の通気部材に所定の隙間を介して対向する中間突片部とを有して構成され、前記中間突片部と前記通気部材との間には、下方に向いた室外側開口を有しかつ室内外に渡る中間部通気経路が形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、複数の通気部材間に下方に向いた室外側開口を有しかつ室内外に渡る通気経路が形成されることで、通気面材によって雨の降り込みを防止することができる。そして、中間框材に形成した中間突片部と通気部材との間にも中間部通気経路が形成される、つまり中間框材に通気部材と同様の機能や形態を付与したことで、中間框材と通気面材とが連続する部分からの雨の降り込みを防止しつつ、中間框材および通気面材のデザインを共通化することができ、外観意匠性をさらに向上させることができる。
また、本発明の建具では、前記面状体枠における上下の框材のうち、前記通気面材と隣接する框材には、前記通気部材に所定の隙間を介して対向する突片部が形成され、前記突片部と前記通気部材との間には、下方に向いた室外側開口を有しかつ室内外に渡る端部通気経路が形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、面状体枠における上下の框材に通気部材と同様の機能や形態を付与したことで、上下の框材と通気面材とが連続する部分からの雨の降り込みを防止しつつ、框材および通気面材のデザインを共通化することができ、外観意匠性を一層向上させることができる。
さらに、本発明の建具では、前記室外側面状体は、前記窓枠に対して室外側から上下けんどん式で建て込まれ、前記面状体枠の上下の框材が前記窓枠の上枠および下枠にそれぞれ係止されるとともに、前記面状体枠の左右の框材が前記窓枠の縦枠に室内側からの固着具で固定されることが好ましい。
このような構成によれば、窓枠に対して室外側からけんどん式に室外側面状体を建て込み、上下の框材を上枠および下枠に係止させてから、室内側から固着具で縦枠と縦框とを固定することで、室外側面状体の取付作業の作業性を向上させることができる。すなわち、けんどん式に建て込んだ際に上下の框材を上枠および下枠に係止させることで、作業者が手を離しても室外側面状体が脱落することがなく、固着具による固着作業を同一の作業者が実施することができる。
この際、本発明の建具では、前記固着具は、前記可動障子の開閉移動範囲を外れた位置に設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、縦枠と縦框とを固定する固着具が可動障子の開閉移動範囲を外れて設けられていることで、窓枠に可動障子を建て込んでからでも室外側面状体の取付作業を実施することができ、建具の取付手順における選択の幅を拡大することができ、取り付け作業の効率化を一層促進させることができる。
さらに、本発明の建具では、前記室外側面状体の上部には、当該室外側面状体が前記上枠に係止された状態から上方への移動した際に当該上枠に当接して移動を規制する規制部材が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、規制部材によって室外側面状体の上方への移動を規制することで、上下けんどん式で建て込んだ室外側面状体が窓枠から外れることが防止できる。
また、本発明の建具では、前記室外側面状体における通気面材の室内側には、防虫ネットが取り付けられており、この防虫ネットは、前記可動障子を開放した状態で室内側から脱着可能に構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、通気面材を通気ガラリ等で構成して通気性と防犯性とを確保するとともに、その室内側に防虫ネットを取り付けることで、通気状態における虫等の侵入も防止することができる。そして可動障子を開放した状態で室内側から防虫ネットが脱着可能になっていれば、通気面材を取り外さなくても室内側から防虫ネットを取り外すことで清掃が可能になり、建具の美観を維持することができるとともに、通気面材を強固に固定して防犯性を高めることができる。
この際、本発明の建具では、前記室外側面状体における上側の通気面材の室内側に取り付けられる防虫ネットは、当該室外側面状体の上框の室内面に固定される係止部材に係止され、前記係止部材は、前記室外側面状体が前記上枠に係止された状態から上方への移動した際に当該上枠に当接して当該室外側面状体の移動を規制可能に構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、防虫ネットを係止する係止部材が上枠に当接して室外側面状体の上方への移動を規制することで、室外側面状体を上下けんどん式で建て込むように構成した場合において、前記規制部材と同様に係止部材が機能し、室外側面状体が窓枠から外れることが防止できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る建具である上げ下げ窓1を室外側から見た正面図である。図2は、上げ下げ窓1を示す縦断面図である。図3および図4は、それぞれ上げ下げ窓1を示す横断面図であって、図3は、図1に矢視III−III線で示す断面図であり、図4は、図1に矢視IV−IV線で示す断面図である。
図1〜図4において、上げ下げ窓1は、戸建て住宅等の建物の外壁2における開口部に設けられて建物の室内空間と室外空間とを仕切るもので、下端位置が床面3と略同一高さ位置に設けられ、上端位置が天井面4と略同一高さ位置に設けられた窓である。
上げ下げ窓1は、上枠11、下枠12、および左右の縦枠13を四周枠組みした窓枠10と、この窓枠10の内側に上下スライド開閉自在に支持された上部可動障子20および下部可動障子30とを備えて構成されている。窓枠10は、外壁2開口部周辺の壁パネル等の建物躯体5に固定されている。上部可動障子20および下部可動障子30は、それぞれ上框21,31、下框22,32、および左右の縦框23,33を四周框組みした内部に、ガラスパネル(複層ガラス)24,34を嵌め込んで構成されている。
また、上部可動障子20および下部可動障子30の室外側における窓枠10内部には、室外側面状体としての固定面材ユニット40が取り付けられており、この固定面材ユニット40は、上下左右の框材としての上框41、下框42、および左右の縦框43を四周框組みした面状体枠としてのユニット枠40Aと、ユニット枠40Aの内部を上下に仕切る2本の中間框材としての上部中間框44および下部中間框45と、上下一対の通気面材としての上部通気面材46および下部通気面材47と、上部中間框44および下部中間框45の間に保持される室外面材としての固定ガラスパネル(複層ガラス)48とを有して構成されている。また、固定面材ユニット40における上部通気面材46および下部通気面材47の室内側には、それぞれ網戸49が取り付けられている。
窓枠10の縦枠13は、図3および図4に示すように、アルミ形材製の縦枠本体131と、この縦枠本体131の室内寄りに固定される樹脂製の縦枠レール部材132とを有して構成されている。縦枠本体131は、見込み方向に延びる見込み面部133と、この見込み面部133の見込み方向略中央から見付け方向内側に突出する突出片部134と、この突出片部134の室外側と見込み面部133とに渡る縦枠中空部135とを有して形成されている。縦枠レール部材132は、見付け方向内側に向かって開口した断面略C字形に形成され、見込み面部133室内側端部および突出片部134先端部に係合されて縦枠本体131に取り付けられており、上部可動障子20および下部可動障子30を上下に案内可能に構成されている。
また、図3に示すように、上部可動障子20および下部可動障子30の開閉移動範囲を外れた高さ位置における縦枠レール部材132には、その開口部を覆う縦枠カバー部材136が取り付けられている。さらに、縦枠レール部材132には、図2に示すように、開放した上部可動障子20および下部可動障子30の各々に当接し、当該障子を開放位置に停止させる障子ストッパー137が固定されている。これらの障子ストッパー137は、図3に示すストッパー固定金物137Aを介して縦枠レール部材132に固定されており、これら上下の障子ストッパー137間に渡って縦枠カバー部材136が取り付けられている。
上部可動障子20および下部可動障子30は、それぞれ縦枠レール部材132に案内されて上下にスライド可能に支持されるとともに、上部可動障子20および下部可動障子30が同一面内で連動して開閉可能に設けられている。すなわち、上部可動障子20および下部可動障子30は、図4に示すように、それぞれの縦框23,33下端部位置にスライドシュー(スライド部材)25,35が連結されるとともに、図3に示すように、縦框23,33上端部位置にラッチ装置26,36が取り付けられている。そして、スライドシュー25,35が縦枠レール部材132の開口内部に支持されるとともに、ラッチ装置26,36の係止部(不図示)が縦枠レール部材132に係止されることで、上部可動障子20および下部可動障子30が上下スライド開閉可能になっている。そして、上部可動障子20および下部可動障子30は、図示しない滑車とワイヤを介して互いに連結されるとともに吊り下げ支持されており、例えば下部可動障子30を開放操作することで上部可動障子20も開放され、下部可動障子30を閉鎖操作することで上部可動障子20も閉鎖されるように構成されている。
以上の上部可動障子20は、図2に示すように、その上框21が上枠11に当接するとともに、下框(召合せ框)22と固定面材ユニット40の上部中間框44とが見込み方向に重なって閉じられる(閉鎖位置)。また、上部可動障子20は、下方にスライドされて上框21が上部中間框44の室内側に略重なるとともに、縦框23の下端部(スライドシュー25)が障子ストッパー137に当接する開放位置まで開放されるように構成されている。一方、下部可動障子30は、その下框32が下枠12に当接するとともに、上框(召合せ框)31と固定面材ユニット40の下部中間框45とが見込み方向に重なって閉じられる(閉鎖位置)。この閉鎖位置において、下部可動障子30の上框31に設けたクレセント錠37を操作して下部中間框45の錠受けに37Aに係合させることで、下部可動障子30と、これに連動する上部可動障子20とが施錠できるようになっている。また、下部可動障子30は、上方にスライドされて下框32が下部中間框45の室内側に略重なるとともに、縦框33の上端部(ラッチ装置36)が障子ストッパー137に当接する開放位置まで開放されるように構成されている。
次に、図5および図6も参照して上げ下げ窓1の上部および下部の詳細について説明する。
図5は、上げ下げ窓1の上部を拡大して示す縦断面図である。図6は、上げ下げ窓1の下部を拡大して示す横断面図である。
上枠11は、図5に示すように、アルミ形材製の上枠本体111と、この上枠本体111の室内寄りに固定される樹脂製の上枠カバー部材112とを有して構成されている。上枠本体111は、見込み方向に延びる上枠上面部113と、この上枠上面部113の室外側端部から下方に延びる先端見付け面部114と、この先端見付け面部114と対向して上枠上面部113から下方に突出する第1突出片部115と、上枠上面部113の見込み方向略中央から下方に突出する第2突出片部116とを有して形成されている。そして、第2突出片部116の先端部には、室内側に向かって延びるモヘヤが取り付けられており、このモヘヤが閉鎖位置にある上部可動障子20の上框21に当接するようになっている。また、第1突出片部115の先端部には、室外側に向かって延びるモヘヤが取り付けられており、このモヘヤが固定面材ユニット40の上框41に当接するとともに、第1突出片部115によって上框41が係止されて室外側への移動が規制されるようになっている。
固定面材ユニット40の上框41は、アルミ形材製の一体成形部材であって、上方に開口した断面コ字形の被係止部411と、この被係止部411の室外側端部から下方に延びる上框前面部412と、被係止部411の室内側端部から下方に延びる上框背面部413とを有している。さらに、上框41は、上框前面部412と上框背面部413とを結んで室内側に下がり勾配を有した上框底面部414と、この上框底面部414と上框背面部413との交差位置から室外側に下がり勾配を有して傾斜した上框傾斜面部415と、この上框傾斜面部415の室外側端部から下方に延びる突片部としての上框垂下面部416と、この上框垂下面部416の下端部から室内側に突出した上框突出片部417とを有して形成されている。そして、上框垂下面部416は、後述する通気部材462の通気前面部463と略同様の断面形態を有して形成されるとともに、通気部材462の通気背面部464の室外側に対向して位置するようになっており、上框41と通気部材462との間に端部通気経路である上端部通気経路418が形成されている。さらに、上框前面部412および上框垂下面部416には、通気前面部463と同様の凹凸形状が形成されている。
下枠12は、図6に示すように、アルミ形材製の下枠室外部材121および下枠室内部材122と、これらを連結する樹脂製の断熱部材123と、下枠室内部材122の室内側端部に固定される樹脂製の下枠カバー部材124とを有して構成されている。下枠室外部材121は、それぞれ見込み方向に延びる下枠上面部125および下枠底面部126と、下枠上面部125から上方に延びる立上り片部127と、この立上り片部127よりも室外側の下枠上面部125から上方に突出する突起部128とを有して形成されている。そして、立上り片部127の上端部および下枠カバー部材124には、それぞれ気密部材が取り付けられており、これらの気密部材と閉鎖位置にある下部可動障子30の下框32とが当接するようになっている。また、固定面材ユニット40は、下枠上面部125に載置されるとともに、下框42が突起部128に係止されて室外側への移動が規制されるようになっている。
固定面材ユニット40の下框42は、アルミ形材製の一体成形部材であって、下枠12の下枠上面部125に載置される室外側載置片部421および室内側載置片部422と、これらを結んで室外側に下がり勾配を有した下框上面部423と、この下框上面部423から上方に立ち上がる突片部としての下框背面部424と、この下框背面部424の上端部から室外側に突出した下框突出片部425とを有して形成されている。そして、下框背面部424および下框突出片部425は、後述する通気部材472の通気背面部474および上部突出片部477と略同様の断面形態を有して形成されるとともに、通気部材472の通気前面部473の室内側に対向して位置するようになっており、下框42と通気部材472との間に端部通気経路である下端部通気経路428が形成されている。そして、下框突出片部425は、下端部通気経路428に入った雨水等を阻止する水返し片として機能するように構成されている。
次に、固定面材ユニット40の上部通気面材46および下部通気面材47は、図4〜図6に示すように、左右の縦框43に固定された樹脂製の端部取付部品461,471と、これらの端部取付部品461,471間に渡って設けられる複数の通気部材462,472とを有して構成されている。通気部材462,472は、アルミ形材製の一体成形部材であって、室外側にて上下に延びる通気前面部463,473と、室内側にて上下に延びる通気背面部464,474と、これらを結んで室外側に下がり勾配を有した通気傾斜面部465,475とを有して全体クランク状に形成されている。さらに、通気部材462,472は、通気前面部463,473の下端部から室内側に突出した下部突出片部466,476と、通気背面部464,474の上端部から室外側に突出した上部突出片部467,477とを有して形成されている。
そして、上下に隣接する通気部材462,472は、互いの通気前面部463,473と通気背面部464,474とが見込み方向に対向し、上下の通気部材462,472同士の間に通気経路468,478が形成されている。この通気経路468,478は、上下の通気部材462,472における通気前面部463,473間に室外側開口を有し、この室外側開口からクランク状に室内側および上方に折れ曲がって延び、通気背面部464,474間に室内側開口を有して形成されている。そして、室外側開口から通気経路468,478に入った雨水等は、通気背面部464,474で阻止されるとともに、水返し片として機能する上部突出片部467,477で阻止され下方に落下し、通気傾斜面部465,475の傾斜に沿って室外側に排出されるようになっている。さらに、風を伴って側方から吹き付ける雨水等が室外側開口から通気経路468,478に入った場合でも、この雨水等は、下部突出片部466,476に当たって下方に向きを変え、通気背面部464,474に当たって落下し、通気傾斜面部465,475に沿って排出されるようになっている。
以上の固定面材ユニット40は、ユニット枠40Aの内部に上部中間框44および下部中間框45と、上部通気面材46および下部通気面材47と、固定ガラスパネル48とを組み込んでユニット化されている。以下、固定面材ユニット40の構造および取付方法について、図7〜図11に基づいて説明する。
図7は、上げ下げ窓1から固定面材ユニット40を取り外した状態を示す分解斜視図である。図8および図9は、それぞれ固定面材ユニット40の要部を拡大して示す縦断面図である。図10は、固定面材ユニット40の固定構造を示す横断面図である。図11(A)〜(C)は、固定面材ユニット40の取付手順を示す縦断面図である。
固定面材ユニット40の上部中間框44は、図8に示すように、アルミ形材製の上部中間框室外部材441および上部中間框室内部材442と、これらを連結する樹脂製の断熱部材443とを有して構成されている。上部中間框室外部材441は、室外側にて上下に延びる上部中間框前面部444と、上部中間框前面部444の上端部から室内側に延び室外側に下がり勾配を有した上部中間框傾斜面部445と、この上部中間框傾斜面部445の室内側端部から上方に延びる中間突片部としての上部中間框背面部446と、上部中間框背面部446の上端部から室外側に突出した上部突出片部447とを有して形成されている。この上部中間框44において、上部中間框前面部444と上部中間框室内部材442とは、互いに見込み方向に対向して配置されており、これらの間に下方に開口した面材保持部44Aが形成されている。この面材保持部44Aには、ガスケット481を介して固定ガラスパネル48の上端縁が保持されるようになっている。
以上のような上部中間框44における上部中間框背面部446および上部突出片部447は、通気部材462の通気背面部464および上部突出片部467と略同様の断面形態を有して形成されるとともに、通気部材462の通気前面部463の室内側に対向して位置するようになっており、上部中間框44と通気部材462との間に中間部通気経路448が形成されている。そして、上部突出片部447は、中間部通気経路448に入った雨水等を阻止する水返し片として機能するように構成されている。さらに、上部中間框前面部444には、通気前面部463と同様の凹凸形状が形成されている。また、上部中間框44の上部中間框室外部材441室内側端部には、上部可動障子20の下框22と係合可能な煙返し449が形成されており、閉鎖位置にある上部可動障子20の下框22が煙返し449に係合することで、上部可動障子20が固定面材ユニット40側(室外側)に引き寄せられるようになっている。
次に、固定面材ユニット40の下部中間框45は、図9に示すように、アルミ形材製の一体成形部材であって、室外側上端部にて上下に延びる下部中間框前面部451と、この下部中間框前面部451の室内側に対向する下部中間框背面部452とを有して形成されている。そして、下部中間框前面部451と下部中間框背面部452との間には、上方に開口した面材保持部45Aが形成されており、この面材保持部45Aには、ガスケット481を介して固定ガラスパネル48の下端縁が保持されるようになっている。さらに、下部中間框45は、下部中間框前面部451よりも下方に位置する第2前面部453および第3前面部(中間突片部)454と、これらを結んで室内側に凹んだ凹面部455と、下部中間框背面部452に連続して下方に延び第2前面部453の室内側に対向する第2背面部456と、第3前面部454の下端部から室内側に突出した下部突出片部457とを有して形成されている。
以上のような下部中間框45における第3前面部454および下部突出片部457は、通気部材472の通気前面部473および下部突出片部476と略同様の断面形態を有して形成されるとともに、通気部材472の通気背面部474の室外側に対向して位置するようになっており、下部中間框45と通気部材472との間に中間部通気経路458が形成されている。そして、下部中間框45の下部中間框前面部451、第2前面部453および第3前面部454には、通気前面部473と同様の凹凸形状が形成されている。また、下部中間框45の下部中間框背面部452には、下部可動障子30の上框31と係合可能な煙返し459が形成されており、閉鎖位置にある下部可動障子30の上框31が煙返し459に係合することで、下部可動障子30が固定面材ユニット40側(室外側)に引き寄せられるようになっている。
また、固定面材ユニット40の縦框43は、図10に示すように、アルミ形材製の一体成形部材であって、見込み方向に延びる一対の見込み面部431,432と、これらの見込み面部431,432に連続して見付け方向内側に延びる室内側見付け面部433および室外側見付け面部434と、室外側見付け面部434に連続して見付け方向外側に延びる突出片部435とを有して形成されている。そして、見込み面部431,432の室内側端部および突出片部435の先端部には、それぞれ室内側に突出した気密部材436,437が取り付けられており、気密部材436が縦枠13の突出片部134に当接し、気密部材437が縦枠中空部135に当接に当接するようになっている。また、室内側見付け面部433と室外側見付け面部434とは、互いに見込み方向に対向して設けられ、これらの間には、見付け方向内側に開口した面材保持部43Aが形成されており、この面材保持部43Aには、ガスケット481を介して固定ガラスパネル48の側端縁が保持されるようになっている。以上のような縦框43は、室内側から縦枠13の突出片部134を貫通する固着具としてのビス438が室内側見付け面部433に螺合することによって、縦枠13に固定されるようになっている。これらのビス438は、前記縦枠カバー部材136で覆われる位置、すなわち上部可動障子20および下部可動障子30の開閉移動範囲を外れた位置に設けられている。
一方、固定面材ユニット40における上部通気面材46および下部通気面材47の室内側に取り付けられる網戸49は、図4〜図6、図8および図9に示すように、それぞれアルミ形材製の上框491、下框492、および左右の縦框493を四周框組みするとともに、これらの室外側に防虫ネット494を取り付けて構成されている。この網戸49は、下框492に固定した係止部材495を上部中間框44または下框42に係止させるとともに、上框491に取り付けたラッチ496を上框41または下部中間框45に係止させることで、固定面材ユニット40に取り付けられるようになっている。ここで、固定面材ユニット40の上框41および下部中間框45には、ラッチ496を係止する係止部材497が固定されている。そして、網戸49は、ラッチ496を係止部材497から外すことで固定面材ユニット40から室内側に取り外し可能になっており、上部可動障子20および下部可動障子30を開放した状態で室内側から脱着できるように構成されている。
以上の固定面材ユニット40は、図11(A)〜(C)に示す手順によって、上下けんどん式に窓枠10に取り付けられる。
先ず、図11(A)および図7に示すように、上部中間框44、下部中間框45、上部通気面材46、下部通気面材47、および固定ガラスパネル48を上框41、下框42および左右の縦框43で囲んでユニット枠40Aを框組みすることで、固定面材ユニット40をユニット化しておく。この固定面材ユニット40の左右の縦框43上端部には、窓枠10の上枠11に係止される被係止部材439が固定されている。そして、図11(A)に示すように、室外側から固定面材ユニット40の上端部(上框41および縦框43上端部)を、建物に固定された窓枠10の上枠11における先端見付け面部114と第2突出片部116との間に挿入する。この際、被係止部材439が上枠11の第1突出片部115よりも室内側に位置するように固定面材ユニット40全体を上方に持ち上げる。
次に、図11(B)に示すように、固定面材ユニット40の下端部(下框42および縦框43下端部)を室内側に押し込んで、下框42が下枠12の上方に位置するように固定面材ユニット40全体を略垂直に支持する。
そして、図11(C)に示すように、固定面材ユニット40全体を下方に降ろし、下框42の室外側載置片部421および室内側載置片部422を下枠上面部125に載置する。この際、室内側載置片部422が下枠12の突起部128よりも室内側に位置するように固定面材ユニット40を下降させ、室内側載置片部422が突起部128に係止されるようにする。さらに、固定面材ユニット40を下降させた状態において、縦框43上端部の被係止部材439が上枠11の第1突出片部115に係止されるようになっている。このように固定面材ユニット40の上端部および下端部を上枠11および下枠12に係止させた状態において、室内側から縦枠13の突出片部134を貫通してビス438を縦框43に螺合して固定面材ユニット40を窓枠10に固定する。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)すなわち、固定面材ユニット40において、上部通気面材46および下部通気面材47と、固定ガラスパネル48とが、上部中間框44または下部中間框45を介して上下に隣接して同一面内に配置され、この固定面材ユニット40が窓枠10内部に取り付けられているので、通気面材が窓枠10から室外側に突出せず、窓枠10の見込み寸法の拡大を防止することができる。そして、固定面材ユニット40の室外面および室内面がいずれも凹凸のないフラットに形成されているので、上げ下げ窓1の外観意匠性を良好にできる。
(2)また、固定面材ユニット40がユニット化された状態で窓枠10に建て込まれることで、取付施工性を向上させることができる。さらに、上下けんどん式で固定面材ユニット40が窓枠10に建て込まれるとともに、その上下端部が上枠11および下枠12に係止された状態で、室内側からのビス438で縦框43が縦枠13に固定されるので、固定面材ユニット40の固定作業を室内側から容易に実施することができ、施工性をさらに向上させることができる。
(3)また、上部通気面材46および下部通気面材47として、複数の通気部材462,472を有したガラリ形状のものを利用したことで、防犯性を向上させることができる。さらに、通気部材462,472同士の間に形成される通気経路468,478の室外側開口が室内側開口よりも下方に設けられる、つまり室内外に渡る通気経路468,478が下方に向いた室外側開口を有して形成されることで、雨の降り込みが防止でき、雨天であっても上下の可動障子20,30を開放して通気することができ、室内の快適性を向上させることができる。
(4)さらに、固定面材ユニット40の上框41、下框42、上部中間框44および下部中間框45が、通気部材462,472と略同様な形態を有して形成され、通気部材462,472との間に、上端部通気経路418、下端部通気経路428、中間部通気経路448,458が形成されているので、通気性能を向上させることができる。また、上框41、下框42、上部中間框44および下部中間框45と、通気部材462,472との外観デザインが共通化されることで、上げ下げ窓1の外観意匠性をさらに良好にできる。
(5)また、固定面材ユニット40の上部中間框44および下部中間框45が通気部材462,472と略同様な形態を有するとともに、固定ガラスパネル48を保持する面材保持部44A,45Aを有して形成されているので、固定ガラスパネル48を保持するための框材を別途設ける必要がなく、固定面材ユニット40の構造を簡単化することができるとともに、外観デザインの連続性による良好な意匠が確保できる。
(6)また、上部可動障子20および下部可動障子30と、上部通気面材46および下部通気面材47とを設けたことで、上下に離れた位置に通気開口が形成されるので、内気および外気の温度差を利用した重力換気が実施でき、通気効率を高めて快適な室内環境を得ることができる。さらに、上部通気面材46および下部通気面材47の間である中間的な高さ位置に固定ガラスパネル48が設けられているので、効率よく外光を室内に取り込むとともに、視界の開けた開放的な上げ下げ窓1を構成することができる。
(7)さらに、固定面材ユニット40の上部通気面材46および下部通気面材47の室内側に網戸49が取り付けられているので、通気状態における虫等の侵入も防止することができるとともに、網戸49が室外側から見えないため上げ下げ窓1の外観意匠性が確保できる。そして、上下の可動障子20,30を開放した状態で室内側から網戸49が脱着可能になっているので、上部通気面材46および下部通気面材47を取り外さなくても室内側から網戸49を取り外して清掃することが可能になり、上げ下げ窓1の美観を維持することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態においては、上げ下げ窓1が上下一対の2枚の障子(上部可動障子20および下部可動障子30)を有して構成されていたが、これに限らず、可動障子が1枚であってもよく、また3枚以上の可動障子を有して構成されていてもよい。可動障子が1枚の場合には、固定面材ユニット40のユニット枠内部が中間框材によって上下二段に仕切られ、上下二段のうちの一方に通気面材が支持され、他方に室外面材が支持されるとともに、通気面材の室内側に閉鎖位置の可動障子が設けられるような構成であればよい。また、3枚以上の可動障子を有する建具を構成する場合には、閉鎖位置にある可動障子の室外側に重なるように、可動障子と同数の通気面材が配置されるとともに、これらの通気面材と同一面内の上下に隣接して1枚または複数枚の室外面材が配置され、これらの通気面材と室外面材との間に複数の中間框材が設けられていればよい。
また、前記実施形態では、固定面材ユニット40をユニット化して上下けんどん式に窓枠10に取り付ける構成を採用したが、上部可動障子20および下部可動障子30を適宜な枠体に支持させて室内側面状体としてユニット化し、この室内側面状体を窓枠10に取り付ける構成を採用してもよい。
また、前記実施形態では、通気面材として、複数の通気部材462,472が全体クランク状に形成され、室外側開口が室内側開口よりも下方に位置する通気経路468,478を構成するものを採用したが、このような形態に限定されない。すなわち、通気部材としては、見込み方向の中央部が高い断面略山形状に形成され、通気経路の室外側および室内側の開口がそれぞれ通気部材の中央部よりも低い位置に形成されたものでもよい。また、通気面材として、複数の通気部材462,472を有した上部通気面材46および下部通気面材47のように、ガラリ形状に形成されて防犯性や防雨性を有したものを採用したが、通気面材の形態はガラリ形状のものに限定されない。すなわち、通気面材としては、例えば、複数の横材または縦材を有した格子形状のものでもよく、また金網状のものやネット状のものでもよい。
さらに、前記実施形態では、通気面材の室内側に防虫ネット494を有した網戸49を取り付けたが、この網戸は必須ではなく、省略されてもよい。さらに、網戸の形態としては、上下左右の框を有したものに限らず、防虫ネット単体を面ファスナー等で通気面材の室内側に貼り付けたものでもよい。
また、前記実施形態では、固定面材ユニット40の上下端部を上枠11および下枠12に係止させるとともに縦框43をビス438で縦枠13に固定し、窓枠10に対して固定面材ユニット40を移動不能に取り付けたが、以下の図12に示すように、固定面材ユニット40を窓枠10に対して開閉可能に取り付けてもよい。なお、図12に示すように固定面材ユニット40全体が開閉可能に支持されたものに限らず、固定ガラスパネル48や上部通気面材46、下部通気面材47が、それぞれ独立して開閉可能に支持されていてもよい。
図12に示す上げ下げ窓1Aにおいて、固定面材ユニット40は、複数のリンク部材から構成され、上枠11と上框41とを連結する支持装置50と、図示を省略するが下枠12と下框42とを連結する同様の支持装置によって、外開きの縦辷出し形式で開閉可能に支持されている。この固定面材ユニット40は、通常使用状態においては、前記ビス438と同様の固定構造で縦框43が縦枠13に固定されて開閉不能になっているが、清掃時には固定を解除することで開放できるように構成されている。従って、固定面材ユニット40を開放することで、縦枠13との隙間を介して室内側から固定ガラスパネル48の室外面が清掃でき、例えば2階などの室外側から手が届きにくい場所に当該上げ下げ窓1Aを設置した場合でも、比較的容易に室外面の清掃を実施することができる。
また、本発明の建具では、以下の図13に示すように、窓枠10に対して固定面材ユニット40の上方への移動を規制する規制部材が設けられていてもよい。
すなわち、図13において、固定面材ユニット40の上框41に固定されるとともに網戸49の上框491を係止する係止部材497Aは、上枠11の第2突出片部116の下方位置まで室内側に延びて設けられている。この係止部材497Aと第2突出片部116との隙間寸法は、下枠12の突起部128の突出寸法よりも小さく設定されているとともに、係止部材497Aは、固定面材ユニット40を窓枠10にけんどん式に建て込んでから上框41に固定されるようになっている。このため、窓枠10に係止された固定面材ユニット40を上方へ移動させようとしても、係止部材497Aが第2突出片部116に当接して固定面材ユニット40の移動を規制できるように構成されている。すなわち、係止部材497Aによって規制部材が構成されている。従って、上下けんどん式で建て込んだ固定面材ユニット40が窓枠10から外れて脱落することが防止できるとともに、網戸49を係止する係止部材497Aを規制部材と兼用できることから、部品点数を削減することができる。また、図13において、係止部材497Aの内部には、網戸49の上框491を下方に付勢するばね(付勢手段)496Aが設けられており、このばね496Aに上框491を押し付けるようにして網戸49を持ち上げることで、図8に示す下框492の係止部材495の係止が外れ、網戸49が固定面材ユニット40から取り外し可能になっている。一方、上框491を係止部材497Aの内部に挿入してばね496Aを押し上げた状態で下框492の係止部材495を上部中間框44(または下框42)に係止させることで、網戸49が上下けんどん式で取り付けられるようになっている。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の実施形態に係る建具を室外側から見た正面図である。 前記建具を示す縦断面図である。 前記建具を示す横断面図である。 前記建具を示す横断面図である。 前記建具の上部を拡大して示す縦断面図である。 前記建具の下部を拡大して示す縦断面図である。 前記建具から室外側面状体を外した状態を示す分解斜視図である。 前記室外側面状体の要部を拡大して示す縦断面図である。 前記室外側面状体の要部を拡大して示す縦断面図である。 前記室外側面状体の固定構造を示す横断面図である。 前記室外側面状体の取付手順を示す縦断面図である。 本発明の変形例に係る建具を示す斜視図である。 本発明の他の変形例に係る建具の上部を拡大して示す縦断面図である。
符号の説明
1,1A…上げ下げ窓(建具)、10…窓枠、20…上部可動障子、22…下框(召合せ框)、30…下部可動障子、31…上框(召合せ框)、40…固定面材ユニット(室外側面状体)、40A…ユニット枠(面状体枠)、41…上框、42…下框、43…縦框、44…上部中間框(中間框材)、45…下部中間框(中間框材)、46…上部通気面材、47…下部通気面材、48…固定ガラスパネル(室外面材)、49…網戸、416…上框垂下面部(突片部)、418…上端部通気経路、424…下框背面部(突片部)、428…下端部通気経路、438…ビス(固着具)、446…上部中間框背面部(中間突片部)、448,458…中間部通気経路、454…第3前面部(中間突片部)、462,472…通気部材、468,478…通気経路、494…防虫ネット、497A…係止部材(規制部材)。

Claims (9)

  1. 建物開口部に固定される窓枠と、この窓枠に上下スライド自在に支持される少なくとも1枚の可動障子と、この可動障子の室外側に沿って前記窓枠に固定される室外側面状体とを備えた建具であって、
    前記室外側面状体は、上下左右の框材を四周框組みした面状体枠と、この面状体枠内部を上下に仕切る少なくとも1本の中間框材と、前記面状体枠の框材および前記中間框材に保持される室外面材と、この面材の上側および下側の少なくとも一方に隣接して設けられる通気可能な通気面材とを有するとともに、当該面状体枠内部に中間框材、室外面材および通気面材を組み込んだ状態で前記窓枠に建て込まれ、
    前記可動障子は、前記通気面材の室内側に位置するとともに当該可動障子の召合せ框が前記中間框材の室内側に重なる閉鎖位置と、前記室外面材の室内側に重なる開放位置との間を開閉移動自在に前記窓枠に支持されている建具。
  2. 前記室外側面状体の前記通気面材は、上部通気面材および下部通気面材の上下一対で前記面状体枠内部に設けられ、前記室外面材は、前記上部通気面材と下部通気面材との間に設けられ、前記中間框材は、前記上部通気面材と前記室外面材とを仕切る上部中間框材、および前記下部通気面材と前記室外面材とを仕切る下部中間框材の2本で構成され、
    前記可動障子は、互いに略同一見込み位置かつ上下に離隔した位置にて前記窓枠に支持される上部可動障子および下部可動障子の上下一対で構成され、
    前記上部可動障子は、前記上部通気面材の室内側に位置するとともに当該上部可動障子の召合せ框が前記上部中間框材の室内側に重なる閉鎖位置と、前記室外面材の室内側に重なる開放位置との間を開閉移動自在に構成され、
    前記下部可動障子は、前記下部通気面材の室内側に位置するとともに当該下部可動障子の召合せ框が前記下部中間框材の室内側に重なる閉鎖位置と、前記室外面材の室内側に重なる開放位置との間を開閉移動自在に構成されている請求項1に記載の建具。
  3. 前記通気面材は、前記面状体枠の左右の框材間に渡って設けられる複数の通気部材を有して構成され、これらの通気部材間には、下方に向いた室外側開口を有しかつ当該通気面材の室内外に渡る通気経路が形成され、
    前記中間框材には、前記室外面材の端縁を保持する面材保持部と、前記通気面材の通気部材に所定の隙間を介して対向する中間突片部とを有して構成され、前記中間突片部と前記通気部材との間には、下方に向いた室外側開口を有しかつ室内外に渡る中間部通気経路が形成されている請求項1または請求項2に記載の建具。
  4. 前記面状体枠における上下の框材のうち、前記通気面材と隣接する框材には、前記通気部材に所定の隙間を介して対向する突片部が形成され、前記突片部と前記通気部材との間には、下方に向いた室外側開口を有しかつ室内外に渡る端部通気経路が形成されている請求項3に記載の建具。
  5. 前記室外側面状体は、前記窓枠に対して室外側から上下けんどん式で建て込まれ、前記面状体枠の上下の框材が前記窓枠の上枠および下枠にそれぞれ係止されるとともに、前記面状体枠の左右の框材が前記窓枠の縦枠に室内側からの固着具で固定される請求項1から請求項4のいずれかに記載の建具。
  6. 前記固着具は、前記可動障子の開閉移動範囲を外れた位置に設けられている請求項5に記載の建具。
  7. 前記室外側面状体の上部には、当該室外側面状体が前記上枠に係止された状態から上方への移動した際に当該上枠に当接して移動を規制する規制部材が設けられている請求項5または請求項6に記載の建具。
  8. 前記室外側面状体における通気面材の室内側には、防虫ネットが取り付けられており、この防虫ネットは、前記可動障子を開放した状態で室内側から脱着可能に構成されている請求項1から請求項7のいずれかに記載の建具。
  9. 前記室外側面状体における上側の通気面材の室内側に取り付けられる防虫ネットは、当該室外側面状体の上框の室内面に固定される係止部材に係止され、
    前記係止部材は、前記室外側面状体が前記上枠に係止された状態から上方への移動した際に当該上枠に当接して当該室外側面状体の移動を規制可能に構成されている請求項8に記載の建具。
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