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JP2009113002A - 微粒化装置 - Google Patents

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JP2009113002A
JP2009113002A JP2007291998A JP2007291998A JP2009113002A JP 2009113002 A JP2009113002 A JP 2009113002A JP 2007291998 A JP2007291998 A JP 2007291998A JP 2007291998 A JP2007291998 A JP 2007291998A JP 2009113002 A JP2009113002 A JP 2009113002A
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nozzle body
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JP2007291998A
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Masao Nakatani
正雄 中谷
Atsushi Takagi
淳 高木
Kota Ogura
孝太 小倉
Sumie Tarumoto
純枝 樽本
Yasumasa Matsumoto
泰正 松本
Hidetaka Iwai
秀隆 岩井
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Kao Corp
Sugino Machine Ltd
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Kao Corp
Sugino Machine Ltd
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Abstract


【課題】原料導入時の圧力損失と速度損失を抑え、部材内部に引張り応力による割れが生じないノズル手段を備えた微粒化装置の提供。
【解決手段】高圧流体同士を衝突させるノズル手段に備えられた高硬質材料からなるノズル本体に、該外周面から軸心に向かって形成された複数の貫通孔からなる高圧流体の衝突用流路とこれら衝突用流路同士の合流点から軸心方向に沿って形成された導出流路とを設け、前記衝突用流路が、導出流路に連通する下流側の大口径流路と、この大口径流路の上流側に設けられて前記外周側端部開口から導入された高圧流体を該大口径流路内に噴出する小口径の噴射流路と、を備えたものとした微粒化装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高圧流体同士を衝突させる微粒化装置に関し、詳しくは、衝突部を構成するノズル手段に関するものである。
従来から、様々な分野の製品製造において、原料液の分散、乳化等を含む微粒化処理には、処理対象である原料液を高圧で噴射させ、その噴流同士をノズル手段を介して衝突させることによる衝撃を利用した微粒化装置が用いられている。
このような微粒化装置のなかでも、微粒化に効果的な剪断力を得るために、ノズル手段として狭くて長い流路を備えたものを用い、高圧原料液をその狭くて長い流路内を通過させて衝突させる方式のものがある。
この方式では、軸方向に二つ設けられた貫通孔からなる原料液導入流路同士が端部で軸方向と直交する方向に形成された溝により互いに連通された焼結ダイヤ製のディスクプレートに対して、溝なしディスクプレートを当接させることによって前記溝を塞いで、二つの導入流路から導入される高圧流体が直角に屈曲して中央で衝突するための衝突用流路となるノズル構成を備えたものがあった(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。この場合、溝なしディスクプレートにはその中心軸に沿って貫通孔が形成されており、衝突用流路となった溝部の中央の衝突位置から衝突後の流体を導出するものである。
また、対面配置された溝のないプレート間の間隙を導入流路として外周方向から中心部で衝突させ、一方のプレートの中心軸に沿って形成された導出流路から衝突後原料液を導出するノズル構成を備えたものもある(例えば、特許文献3参照。)。
特開平9−201522号公報 特開平2−261525号公報 特開2005−144329号公報
しかしながら、焼結ダイヤは圧縮応力に対しては強いものの引っ張り応力には弱い性質があり、このような焼結ダイヤからなるディスクプレートに貫通孔や溝を形成して導入流路や衝突用流路を構成するものの場合、導入流路の内圧で引張り応力が生じると破断が生じる危険がある。そこで強度を向上させるための単結晶ダイヤモンドをプレート素材として用いることが考えられるが、上記のような屈曲した流路を形成するプレートは外形サイズが大きくならざるを得ず、高価な単結晶ダイヤモンドを利用するのはコストがかかりすぎるだけでなく加工が困難で実用的ではなかった。
また、上記のような導入流路および屈曲部は、原料液は直交方向に曲げられてから圧力を流速に変えるために微小断面積の溝からなる衝突用流路内を進んでから衝突する構成となっているため、圧力損失が生じてしまっている。従ってまずは導入流路の口径を大きくすることにより圧力損失を無くすことが考えられるが、この場合、導入流路内に係る圧力はディスクプレートに大きな引っ張り応力を与えて破断を生じせしめる恐れがあり、単に導入流路口径を大きくすることはできなかった。
さらに、ディスクプレート同士の当接は、溝(衝突用流路)から原料液が外部に漏れないように接触面同士を強く押し付けてシールする必要がある。しかし従来はこのシールをネジの締め付けによって行っていたため、確実なシール力を得るために強く締め付けるとプレートに割れが生じ、これを避けるために締め付けが緩く不充分となると導入流路に発生する圧力よりもプレート接触面の面圧が低くなるため原料液が漏れてしまうことになる。このように、ネジ締め付けの加減は難しく、熟練を要するものであった。
また、溝なしプレート同士を互いに対面配置して形成された間隙を導入流路とする構成のものでは、原料液の導入までの圧力損失はなく外周全体に圧力がかかるのでプレートには引っ張り応力がかからないが、高圧原料液は狭い隙間面を通るため、その壁面での速度損失が大きいという問題がある。
一方、微粒化装置を商用ベースで利用とする場合、処理量の増大が望まれるが、衝突用流路等を備えたノズル本体への原料液の流量を大きくしていけばその寿命は短く、そのためダイヤモンド等の高硬質材料からなるノズル本体を単に大型化するのでは、良好な微粒化性能の維持も、大粒ダイヤモンドの入手も困難で全く現実的ではないため、大流量化が可能となる実用的なノズル設計も切望されている。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、簡便な構成でありながら、従来よりも原料液の導入における圧力損失および速度損失を抑えて高速なジェットを形成できると共に部材内部に引張り応力による割れが生じることがなく、高価な硬質材料を不必要に用いることのない大流量化が可能なノズル手段を備えた微粒化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る微粒化装置は、高圧流体同士を衝突させるためのノズル手段と、該ノズル手段へ前記高圧流体を導入するための導入流路とを備えた微粒化装置において、
前記ノズル手段は、高硬質材料からなるノズル本体を有し、該ノズル本体に、ノズル本体外周面から軸心に向かって形成された複数の貫通孔からなる高圧流体の衝突用流路と、これら衝突用流路同士の合流点から軸心方向に沿って形成された衝突後の流体を導出するための導出流路とを備え、前記導入流路に導かれた高圧流体が、前記ノズル本体の外周から前記衝突用流路の各外周側端部開口へ導入されるものであり、
前記衝突用流路は、前記導出流路に連通する下流側の大口径流路と、この大口径流路の上流側に設けられて前記外周側端部開口から導入された高圧流体を該大口径流路内に噴出する小口径の噴射流路と、を備えていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明に係る微粒化装置は、請求項1に記載の微粒化装置において、前記噴射流路の外周側端部開口から前記大口径流路に達するまでの長さLが、0.15mm以上、0.6mm以下の範囲内であると共に、前記大口径流路の長さLが1.5mm≦L≦4mm、前記噴射流路1個の断面積Aと前記大口径流路1個の断面積Aの比が2≦A/A≦7であると共に、前記噴射流路の断面積の流路個数分の合計nAと前記導出流路の断面積Aの比が2≦A/nA≦80、を満たすものである。
請求項3に記載の発明に係る微粒化装置は、請求項1又は2に記載の微粒化装置において、 前記ノズル本体は、前記噴射流路の方向の外周側端部からそれぞれ外側に向かって拡径するテーパ形状開口部分を有するものである。
請求項4に記載の発明に係る微粒化装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載する微粒化装置において、前記大口径流路と導出流路の噴出方向との開き角度が95度以上、150度以下であることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明に係る微粒化装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の微粒化装置において、前記噴射流路および前記大口径流路の断面がそれぞれ矩形であることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明に係る微粒化装置は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の微粒化装置において、前記ノズル本体は、前記大口径流路と前記導出流路が形成されている第1部材と、前記噴射流路が形成されている第2部材とを有し、前記第2部材が第1部材に形成された凹部に嵌合した状態にて前記噴射流路が前記大口径流路に連通するものである。
請求項7に記載の発明に係る微粒化装置は、請求項6に記載の微粒化装置において、前記第2部材がダイヤモンドであることを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明に係る微粒化装置は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の微粒化装置において、 前記ノズル本体を、バネの付勢力によってノズル本体の導出流路が装置ハウジング部材に設けられた導出流路に同軸上に位置決めされた状態で前記ハウジング部材に押圧するシール手段を備えたものである。
請求項9に記載の発明に係る微粒化装置は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の微粒化装置において、 前記高圧流体がエマルジョンであることを特徴とするものである。
本発明の微粒化装置においては、ノズル本体に、該本体外周面から軸心に向かって形成された複数の貫通孔からなる衝突用流路と、これら衝突用流路同士の合流点から軸心方向に沿って形成された衝突後の流体を導出するための導出流路とが設けられ、前記衝突用流路が、導出流路に連通する下流側の大口径流路と、この大口径流路の上流側に設けられて衝突用流路の外周側端部開口から導入された高圧流体を該大口径流路内に噴出する小口径の噴射流路とを備えているものであるため、高圧流体が部材内で屈曲して形成された流路を進むことがなく、圧力損失なく良好に流速が増大されて噴射流路から大口径流路へ向かって噴射された高速ジェットは、その噴射力により高速を維持し且つ液−液間でのせん断力を得ることができ、さらに大口径流路内を出たジェットは高速を維持して衝突するため、良好な微粒化処理を行うことができるという効果がある。さらにノズル本体について噴射流路、大口径流路、導出流路の長さや径及び大口径流路と導出流路の開き角度等の設計寸法を特定の条件範囲内に規定することによって、微粒化用ノズル手段として高硬質材料の使用量を少なく抑えつつもより耐久性に優れ、高性能、高効率さらに大流量での高圧微粒化処理が可能なものが得られる。
また、本発明のノズル手段においては、衝突用流路が下流側の大口径流路と上流側の小口径の噴射流路とを備えたものであるため、大口径流路と噴射流路とを別部材に形成して互いに連通状態に組み合わせた構成が可能であり、ノズル本体を大口径流路と導出流路が形成されている第1部材と噴射流路が形成されている第2部材の二種の部材で構成することもでき、高い耐久性が必要な噴射流路が形成される第2部材のみにダイヤモンド等の高硬質材料を用い、他の流路が形成される第1部材には安価な高硬質材料を用いることで、高い強度を持ち、且つノズル本体のコストを下げて製作することが可能であり、また高圧流体の導入時にはノズル本体の外周全体に圧力がかかって部材内部に引っ張り応力が生じることがないため、ノズル本体の割れを防止することができるだけでなく、ノズル本体の大型化が可能となり、良好な微粒化性能を維持した大流量処理も実現可能となる。
本発明は、高圧流体同士を衝突させるためのノズル手段として、高硬質材料からなるノズル本体に、該本体外周面から軸心に向かって形成された複数の貫通孔からなる高圧流体の衝突用流路と、これら衝突用流路同士の合流点から軸心方向に沿って形成された衝突後の流体を導出するための導出流路とが設けられ、前記導入流路に導かれた高圧流体が、ノズル本体の外周から前記衝突用流路の各外周側端部開口へ導入されるものを備えた微粒化装置であり、衝突用流路が、導出流路に連通する下流側の大口径流路と、この大口径流路の上流側に設けられて外周側端部開口から導入された高圧流体を該大口径流路内に噴出する小口径の噴射流路とを備えているものである。
即ち、本発明のノズル手段においては、噴射流路とこれに続く大口径流路とが設けられて衝突用流路を構成し、該衝突用流路がノズル本体軸心と直交する面上あるいはそれ以上の角度をもって導出流路と連通するものであるため、各衝突用流路の各外周側端部開口から導入される高圧流体は、各噴射流路から大口径流路を経由してノズル本体軸心上の合流点へ向かって進み、該合流点で衝突し、衝突後には該合流点から軸心方向に沿って形成された導出流路からノズル本体外へ導出される。
本発明で云う噴射流路とは、ノズル手段において高圧流体が流れる最も断面積の狭い流路であり、高圧流体がここを流れる際に圧力エネルギーが速度エネルギーに変換される流路である。これに連通する大口径流路内では、噴射流路から噴射される高圧流体はその噴射力により高速ジェットを形成し、この高速ジェットが周囲の流体と強い液−液間でのせん断力を生じる。この液−液間でのせん断及び大口径流路を通った後のジェットが衝突空間で衝突することによって微粒化はより促進される。
従って、本発明のノズル手段においては、まず高圧流体が部材内で屈曲して形成された流路を進むことなく噴射流路に導入できるため、圧力損失がほとんど発生することなく良好に流速が増大されて噴射流路から大口径流路へ向かって高速ジェットが噴射され、さらに大口径流路内では良好な液−液間でのせん断力を発生させることができ、それと共に大口径流路から噴射したジェットは高速を維持した状態で、別の大口径流路から同様に噴射されたジェットと導出流路内で衝突するため、その際大きな衝突エネルギーが得られ、優れた微粒化性能を実現することができる。
またさらに、本発明においては、ノズル本体について噴射流路や大口径流路、導出流路の長さや径等の設計寸法を特定の条件範囲内に規定することによって、高硬質材料の使用量を少なく抑えつつもより耐久性に優れ、高性能、高効率さらに大流量での高圧微粒化処理が可能なものが得られる。
流量は、噴射流路の個数nと口径dによって大略決定する。例えば、噴射流路断面形状が真円でn=2のとき、圧力245MPaにおいて、d=0.1mmで流量0.5L/min、d=0.25mmで流量4L/min、d=0.35mmで流量7.5L/min、d=0.5mmで流量12L/minとなる。
一方、高速ジェットの速度を最大限高めるためには、噴射流路の長さLを短くして流路内壁面と流体との摩擦による速度損失を極力低下させることが望ましい。しかし、短すぎるとノズル本体の強度が悪く破損を招く要因となるため、最低限の長さは必要である。具体的には噴射流路の長さLを、0.15mm以上0.6mm以下、より好ましくは0.25mm以上0.4mm以下の範囲内とすることが好適である。
噴射流路からの高速ジェットは大口径流路に噴射され、大口径流路内で周囲の流体との液−液間でのせん断及び大口径流路を通った後のジェットが衝突空間で衝突することによって原料液の微粒化を実現する。即ち、1個の大口径流路の断面積Aと1個の噴射流路断面積Aとの比が2≦A/A≦7、より好ましくは2.5≦A/A≦6となるようにすることにより、液−液間でのせん断力及び衝突エネルギーを最大限に高める事ができる。なお、噴射流路と大口径流路とは同軸上に設けることが好ましい。
また、液−液間でのせん断力及び衝突エネルギーは大口径流路の長さLを好適な範囲にすることによってさらに高めることができる。即ち、大口径流路Lを1.5mm以上4mm以下、より好ましくは2mm以上3mm以下の範囲内とする事によって十分な液−液間でのせん断力を得て、且つエネルギーを高いレベルに維持したままジェットを導出流路内で衝突させることができる。
さらに、衝突後の流体は導出流路を通ってノズル本体から排出されるが、導出流路の径が小さすぎると導出流路での圧力損失が支配的となり噴射流路出口での高速ジェットの速度が充分に大きくならないため、導出流路径は適切な大きさにしなければならない。即ち、噴射流路の断面積の流路個数分の合計nA、導出流路の断面積をAとすると、Aを2≦A/nA≦80、より好ましくは2.5≦A/nA≦65とすることにより、ジェット同士の衝突速度を上げることができ、衝突エネルギーを高め、衝突時の微粒化性能をより向上させることができる。
なお、本発明のノズル本体の高硬質材料としては、超硬合金、SUS440C等金属材料の耐磨耗性を向上させた材料や、窒化珪素、ジルコニア、アルミナ等のセラミックスおよびダイヤモンド、サファイア、ルビーなどが挙げられる。噴射流路には特に高硬質材料として耐摩耗性に優れるダイヤモンドを用いることが望ましい。ダイヤモンドを用いる場合、最も硬度の高い天然ダイヤモンドの他、人工単結晶ダイヤモンド、人工多結晶ダイヤモンド、焼結ダイヤモンドがあり、いずれも用いることができるが、十分な硬度を持ち揃った大きさの粒が得られ、入手のし易さから人工単結晶ダイヤモンドを用いることが最も望ましい。
また、本発明におけるノズル本体の衝突用流路は、主に下流側の大口径流路と上流側の噴射流路とで構成されるものであるため、これらの流路をそれぞれ別体の部材に形成し、互いに連通するように組み合わせて構成することが可能である。この場合、高い耐久性が必要な噴射流路のみをダイヤモンド等の高硬質材料に形成し、他の流路を安価で加工性の優れた別の高硬質材料に形成することができる。
即ち、第1部材に導出流路とこれに連通する全ての大口径流路とを形成し、各噴射流路を衝突用流路の個数分の第2部材にそれぞれ形成し、第1部材の各大口径流路端部に形成された凹部にそれぞれ第2部材を嵌合した状態において各噴射流路がそれぞれ対応する大口径流路に連通するようにノズル本体を構成すれば、ノズル本体の全体寸法を決定するのは第1部材でありこれに対し各第2部材は格段に小さくてすむため、第2部材のみを高価なダイヤモンドとし、第1部材は大口径流路と導出流路に充分な強度をもつ安価な高硬質材料とすれば、微粒化処理の大流量化のためのノズル本体の大型化も低コストで容易に実現可能となる。
なお、軸心方向に沿って設けられた導出流路の噴出方向と衝突用流路、即ち大口径流路とがなす角度を開き角度とすると、軸心に対して90度の角度をもって大口径流路が導出流路と連通する場合、衝突用流路と導出流路は側面視でT字形状を形成することとなる。また、前記開き角度が軸心に対して90度を超える角度であればこれら衝突用流路と導出流路とが側面視で略Y字形状を形成することとなる。
大口径流路より流出したジェットは導出流路内で衝突するが、導出流路の噴出方向と大口径流路の開き角度が90度で大口径流路が対向して設けられている場合、ジェットは点で合流するため、確実に衝突させるには高精度な芯出しが要求され、また使用開始時はジェット同士が確実に衝突した場合も、長時間の使用によって軸が変化し互いを損傷する可能性がある。しかし、90度を上回る開き角度とするとジェットは線で合流するため、軸心と直交する面上でジェット同士が対向していれば開き角度が加工や使用経過によって変化した場合でもジェット同士は衝突する。即ち、開き角度が95度以上150度以下とすることにより、ジェットの衝突確率が向上し微粒化性能も向上させることができる。
また、本発明のノズル手段では、高圧流体の圧力をノズル本体の外周全体にかかるようにしたため、内圧を相殺することができるので各衝突用流路の方向の外周側端部からそれぞれ外側に向かって拡径するテーパ形状開口部分を設けることができ、このテーパ形状開口部分によって高圧流体の導入をよりスムーズにすることができると共に、実質的に微小口径領域である噴射流路が短くなって壁面抵抗による速度損失をさらに低減することができる。
このようなテーパ形状開口部分を形成した場合、図3(a)に示すように実質的な噴射流路の長さLは、ノズル本体表面に露呈する開口端から大口径流路に達する領域のうち、テーパ形状部分を除く長さであり、これは即ち噴射流路方向の外周側開口部にテーパ形状部分を形成することによって、より流体抵抗を減少せしめ、より高速で大口径流路内に噴射し、大口径流路内における高速ジェット周囲の強い液−液間でのせん断及び導出流路内での高速な流体同士の衝突を実現できるものである。なお、前述の用に噴射流路が大口径流路が形成されている第1部材とは別の第2部材に形成される場合、このテーパ形状開口部分も噴射流路と連続して同じ第2部材に形成すれば良い。
また噴射流路、大口径流路、導出流路の断面形状は、円形状が流体と流路内壁面との摩擦損失の低減、加工の容易さ、機械的強度といった点から望ましいが、断面が円形である噴射流路から噴射される高速ジェットの断面も円であるため精度よく衝突させることは困難である。しかし、断面を矩形とし、矩形の長辺が軸心に直交する面と平行する方向に衝突用流路を設ければ、衝突空間におけるジェットの衝突確率は向上し、さらに高速ジェットの表面積が増大するため液−液間でのせん断も向上させることができる。即ち、噴射流路および大口径流路の断面が矩形であれば、さらに耐久性および微粒化性能を向上させることができる。
さらに、導出流路は下流出口側開口に向かって拡径するテーパ形状としても良い。この場合、導出流路断面積Aはテーパ部の無い衝突空間14Xの断面積で代表できる。
なお、本発明のノズル手段において、ノズル本体の導出流路から導出される衝突済み流体は、ノズル本体が設置される微粒化装置のハウジング部材に設けられた導出流路を経て装置外へ送られるため、流体の漏れのない導出のためには、このノズル本体側の導出流路と装置ハウジング部材側の導出流路とが良好なシール状態で連通される必要がある。
そこで、ノズル本体の導出流路がハウジング部材側の導出流路に対して同軸上に位置決めされた状態でノズル本体をハウジング部材へ押圧するシール手段を設ければ良い。このシール手段としては、ノズル本体が高圧流体の導入時に発生する圧力を利用できることから、ネジ等の強固で加減が困難な締め付け手段は必要なく、バネの付勢力を利用した簡便なもので充分である。
また、噴射流路、大口径流路及び導出流路内でキャビテーションを発生する場合、従来のプレート同士を強固にネジ止め固定していたノズル手段ではネジ穴部分等にキャビテーションによる圧力変動に伴う振動の影響を受けたネジの緩みやネジ自身の振動によるネジ穴部分での損傷が発生する恐れがあったが、本発明においては一つの部材からなるノズル本体自身はもちろん、バネを利用したシール手段により押圧された装置ハウジング部材側との間にもネジ穴部などを設ける必要がないため、振動による悪影響を受ける恐れもなくなる。むしろ、バネのみによる押圧固定状態であってもそのバネによる振動の吸収緩和作用により、ノズル手段のハウジング側の導出流路との軸ズレ防止効果が期待できる。
以上、本発明について詳述したノズル本体は特に処理原料を特定することなく微粒化に用いることができるが、流体と固体壁との摩擦による損失を極力抑えつつ、高速な流体を連通する大口径流路に噴射することで高速ジェット周囲に強い液−液間でのせん断力や衝撃力を発生させることができ、その後さらにジェット同士を効率的に衝突させる事ができる。このため、連続相と分散相とが共に液体である分散系すなわちエマルジョンの微粒化に特に優れた性能を発揮する。
本発明の実施例による微粒化装置として、原料液の高圧流体同士を衝突させるためのノズル手段に、同軸上に配置された噴射流路と大口径流路とで2本の衝突用流路が構成され、下流側の大口径流路と軸心とが同一面上で軸心に対して角度をもって設けられ、大口径流路と軸心方向に沿った導出流路とが側面視で略Y字状に設けられてなるノズル本体を備えた装置を図1に示す。図1(a)は本微粒化装置の概略構成を示す側断面図であり、(b)はノズル本体部分の拡大図である。本実施例の微粒化装置1は、略カップ状のハウジング2にプラグ部材6を嵌合して内部に形成されるチャンバ9内に、プラグ部材6側の押さえ部材7とハウジング2側からバネ5により付勢されるノズル押さえ3との間でノズル本体10が保持されるものである。
ノズル本体10は、例えば超硬合金などの高硬質材料からなる第1部材11に互いに軸心方向へ向かい合うように軸心に対して角度をもって形成された大口径流路13とこの大口径流路13同士の合流点から軸心方向に沿って形成された衝突後の流体を導出するための導出流路14とが略Y字状に設けられ、第1部材11の各大口径流路開口端部に形成された凹部11xに、噴射流路12Yが形成された単結晶ダイヤモンド等の高硬質材料からなる第2部材16がそれぞれ嵌合されて構成されたものである。なお、第1部材11と第2部材16との接合固定は、ろう付、例えば銀ろうによって行える。
各第2部材16には、それぞれ外側に向かって拡径するテーパ形状開口部分12Xを備えた噴射流路12Yが形成されており、前記凹部11xへの嵌合状態にて各噴射流路12Yが大口径流路13に同軸上に連通し、噴射用流路が構成される。なお本実施例において、ノズル本体10へ高圧流体を導入するための導入流路15は、ノズル押さえ3とプラグ側の押さえ部材7との間でノズル本体10の外側空間に形成される。
従って、衝突処理対象原料である高圧流体は、ハウジング2の端部からチャンバ9およびノズル押さえ3に形成された供給流路4を経て導入流路15へ送られ、この導入流路15からノズル本体10の外周面全体に圧をかける状態で供給され、ノズル本体外周面に開口する各第2部材16のテーパ形状開口部分12Xからそれぞれ噴射流路12Yへ導かれ、各大口径流路13に噴射され、その後ジェットはそれぞれ衝突空間14Xへ送られ、軸心上の合流点にて衝突する。
従って、以上のような構成のノズル本体10を備えた本実施例における微粒化装置1では、高圧流体がノズル本体10内で屈曲する衝突用流路を進むことが無いため、圧力損失をほとんど発生することなく衝突空間14Xへ導入される。
また、本実施例では、ノズル本体10を二種の部材で構成し、噴射流路12Yはダイヤモンド等の高硬質材料を用い、他の大口径流路13、導出流路14等は安価な高硬質材料を用いた。これによって、安価で自由な流路設計を行うことができる。
なお、各噴射流路12Yの外周側端部からそれぞれ外側に向かって拡径するテーパ形状開口部分12Xを設けたことにより、高圧流体の導入、加速がよりスムーズになる。このテーパ形状開口部分12Xでは、高圧流体導入時に引っ張り応力が生じるが、前述のように本ノズル本体10ではその外周面全体に高圧流体の圧力がかかることにより相殺されるため問題ない。
このようなテーパ形状開口部分12Xを設けた場合、高圧流体の縮流等によって高圧流体が噴射流路に導入される際の抵抗をなくすことができ、良好な高速ジェットを形成させることができる。
また、噴射流路と大口径流路とからなる衝突用流路を、軸心方向と直交する面上ではなく軸心に対して角度をもって設けた場合、衝突空間14Xにおいてジェットがより確実に衝突し、高い衝突エネルギーを得ることができ、ジェットによって対向する大口径流路等を損傷する可能性も低減することができる。さらに、噴射流路、大口径流路を矩形のスリットとし高速ジェットの形状を扁平とすることで、大口径流路13における液−液間でのせん断力を高め、衝突空間14Xにおけるジェット同士が正確に衝突し、微粒化性能を高めることができる。
さらに本実施例では、ノズル本体10を装置ハウジング側、ここでは押さえ部材7に対して押圧固定し当接面を良好にシールしてノズル本体10の導出流路14とハウジング側の導出流路8との間の流体漏れを防止するためのシール手段として、バネ5によるノズル押さえ3を設けた。
本実施例におけるノズル本体10は、第1部材11と第2部材16との二種類の部材で構成し、大口径流路13、導出流路14を設けた安価な高硬質材料に、噴射流路12Yが形成されたダイヤモンド等の高硬質材料を用いた第2部材16を組み込んだ構成となっており、また、高圧流体が導入流路15に満たされることによりノズル本体10の外周全体に高圧流体の圧力がかかることから、従来の二つのプレートの重なりによって構成された場合のようにネジ止め等の部材破損が生じる危険のある強固で調整加減が困難な締め付け手段は必要なく、上記のようなバネ5の付勢力を利用した簡便なものでノズル本体10とハウジング間は良好なシール状態が得られ、流体漏れは充分に防止できる。
なお、上記実施例では、導出流路14が断面円形で出口側がテーパ状に拡径したものの場合を示したが、本発明においては、導出流路の形状をこれに限定するものではなく、実際の微粒化工程における原料液や各条件に応じて、良好な衝突条件が得られる衝突空間が形成されると共に衝突後の流体の導出がよりスムーズに行えるものであればよい。なお、導出流路断面積Aはテーパ部の無い衝突空間14Xの断面積で定義される。
例えば、図2((a)はノズル本体の側断面図、(b)は(a)のA−A断面矢視図、
(c)は(a)のB−B断面矢視図)に示すノズル本体20のように、第1部材21に断面略長方形状で衝突空間から出口側に亘って同じ断面積で形成された導出流路24が挙げられる。この導出流路24を断面略長方形状としたことによって、横方向の面積を拡げることとなり、衝突距離を変更せずに、衝突後の原料液がスムーズに流れる。
本発明のより具体的な実施様態として、図3、図4に示す各タイプのノズル本体(30,40)を組み込んで図1に示すように構成した微粒化装置においてそれぞれ繰り返し衝突処理テストを行い、ノズル本体に形成された噴射流路の口径d、大口径流路の口径dおよび導出流路の口径dの各口径の比率と、噴射流路、大口径流路の長さによる微粒化性能への影響を検討した結果を以下に示す。
図3のタイプのノズル本体30は、(a)の側断面図に示すように、噴射流路32Yの外周側端部から外側に向かうテーパ形状開口部分32Xが形成され、噴射流路32Y、大口径流路33とも断面形状は円形である。図3(b)は(a)のA−A断面矢視図、(c)は(b)のB−B断面矢視図である。
また、図4のタイプのノズル本体40は(a)の側断面図に示すように、噴射流路42Yの外周側端部から外側に向かうテーパ形状開口部分42Xが形成され、噴射流路42Y、大口径流路43とも断面形状は矩形である。図4(b)は(a)のA−A断面矢視図、(c)は(b)のB−B断面矢視図である。
いずれのタイプのノズル本体(30,40)とも、噴射流路(32Y,42Y)がダイヤモンドからなる第2部材(36,46)に形成され、超硬合金等の第1部材(31,41)に形成された大口径流路(33,43)の端部の凹部に第2部材(36,46)が嵌合されることにより噴射流路と大口径流路とが同軸上に連通されて衝突用流路が構成されるものである。いずれも衝突用流路の個数n=2とした。
本実施例における衝突処理テストは、流動パラフィン250g、セチルトリメチルアンモニウムクロリド20g、精製水730gを混合し、80℃に加熱混合し、ホモジナイザーで撹拌して得た粗乳化液1000gを原料として用いた。即ち、この粗乳化液を収容した原料タンクから高圧ポンプを介して操作圧力175MPaまたは225MPaで微粒化装置へ送り、微粒化装置の導出流路から排出される衝突済み処理液を背圧調整バルブ(背圧0〜15MPa)を介して冷却機(冷却水入口温度15℃)へ送り、冷却後に再び原料タンクへ回収し、次の衝突処理工程を繰り返す。
本テストでは、衝突処理を5回繰り返し、回収した液体を室温まで冷却して水中油型乳化組成物を得た。該組成物を水で5倍に稀釈して、粒径測定試料とし、微粒化性能を評価した。微粒化性能は外観透明性により評価できるため、本テストにおける評価方法としては、各試料を透過率測定セルに2mL入れ、紫外線可視吸光光度計(UV−160,株式会社島津製作所製)にて波長550nmの光の透過率を測定し、純水の透過率を100%とした時の比透過率(%)で示した。比透過率の値が大きいほど乳化組成物の透明性が高く、油滴がより微細に分散されていることを示す。本実施例においては、比透過率60%以上を微粒化性能の良好なものとした。これは、比透過率60%未満となる粒径の乳化組成物では、比透過率が60%以上の乳化組成物と比べて大粒径の油滴が多いため、合一等が起こりやすく、経時的な安定性が低くなるためである。
まず図3に示したタイプのノズル本体30を用い、操作圧力175MPaで衝突処理テストを実施した場合を表1に示す。全体としてNo.1〜11は微粒化性能に優れ、No.13〜21では微粒化性能が劣るという結果である。なおNo.12の例は20時間運転後の流量測定の結果、流量が大幅に増加し、ノズル本体に損傷が確認された。
Figure 2009113002
噴射流路32Yの長さLについて、0.1mm〜0.7mmの範囲で検討したところ、表1のNo.1、6、10の結果から、L=0.2〜0.5mmにおいて良好な微粒化性能が確認されたが、No.12の結果からL=0.1mmと流路長さが短すぎると噴射流路部の強度が低く、微粒化性能は高いが連続運転にて流量が増大するなど耐久性が低く、また逆にNo.21の結果からL=0.7mmと流路長さが長すぎるとその低い透過率から明らかなように流路内壁面と流体との摩擦によって速度が損失し、微粒化性能は不良であった。
大口径流路33の断面積Aと噴射流路32Yの断面積Aの関係について検討したところ表1のNo.5、6、9の結果から、A/A=2.0〜5.2の場合は良好な微粒化性能が確認されたが、これに対しNo.16の結果から、A/A=1.3と各断面積の差が小さい場合は噴射流路から出た高速ジェットが大口径流路の壁面との摩擦によって速度が低下し、またNo.19、20の結果からA/A=6.6や8.2と大きすぎる場合は噴射流路から大口径流路に向かって噴射された高速ジェットは大口径流路内に滞留する液体との摩擦によって減衰するため、それぞれ大口径流路内で周囲流体との液−液間でのせん断力が減少し、十分なエネルギーを得られず微粒化性能が低くなってしまった。
大口径流路33の長さLについて検討したところ、表1のNo.2、6、7の結果からL=1.5〜3mmにおいて良好な微粒化性能が確認できたが、No.13、14、17の結果から、A/Aが好ましい範囲であってもNo.13、14のようにL=0.5mm、1mmと短すぎる場合は高速ジェットと周囲流体との液−液間でのせん断力が十分に得られないまま導出流路にて衝突してしまい、No.17のようにL=5mmと長すぎる場合は、大口径流路内で高速ジェットが広がるとともに速度の減衰が大きくなり大口径流路内における液−液間でのせん断力が低下するため、微粒化性能が低下してしまう。
導出流路34の断面積Aと噴射流路32Yの断面積の流路個数分の合計nAの関係について検討したところ、表1のNo.3、4、6、8の結果からA/nA=4.1〜65.3においては良好な微粒化性能が確認されたが、これに対しNo.15、18の結果から、No.15のA/nA=1.5のように導出流路の径が小さいと導出流路での圧力損失が支配的となって噴射流路出口での高速ジェットの速度が十分に大きくならず、またNo.18のA/nA=102のように導出流路径が大きすぎると衝突エネルギーが大幅に減少するため微粒化性能は大きく低下してしまう。
以上の結果として、噴射流路、大口径流路及び導出流路の各寸法を適切な値とすることによって良好な微粒化性能が得られ、具体的には、噴射流路長さを0.25mm≦L≦0.4mm、大口径流路長さを2mm≦L≦3mmとし、1個の大口径流路の断面積Aを噴射流路の断面積Aに対して2.5≦A/A≦6の範囲内とすると共に、噴射流路の断面積の流路個数分の合計nAと導出流路の断面積Aを2.5≦A/nA≦65を満たす形状とするとき、微粒化性能は良好なものとなる。
次に、図4に示したタイプのノズル本体40を用い、操作圧力175MPaで衝突処理テストを実施した場合を表2に示す。
Figure 2009113002
本テストは、ノズル本体40の設計を、噴射流路長さ、大口径流路長さ、A/A、A/Aは表1に結果を示した流路断面が円形の場合の衝突処理テストにおいてに好ましいとされた範囲内となるような条件とし、噴射流路および大口径流路の断面形状を矩形として行ったものである。表2に示したNo.22〜24の結果から、流路断面形状を矩形にすることで微粒化性能をさらに向上することができた。
次に、ノズル本体30を用いて操作圧力175MPaで衝突処理テストを行って良好な結果が得られたNo.1、2、3、6、8と同じ各流路設計で操作圧力を225MPaに変更して同様の衝突処理テストを行った場合の結果を表3に、またノスル本体40を用いて操作圧力175MPaで衝突処理テストを行ったNo.22、23、24と同じ各流路設計で操作圧力を225MPaに変更して同様の衝突処理テストを行った場合の結果を表4にそれぞれ示す。
Figure 2009113002
Figure 2009113002
表3に示したNo.25〜29及び表4に示したNo.30〜32の結果から、表1及び表2の結果からノズル本体の流路設計として好ましい条件においては、操作圧力を上げることによりさらに微粒化性能を向上することができた。
上記実施例では、ノズル本体に外周面から軸心に向かい合う二つの貫通孔からなる衝突用流路が軸心に対して角度をもって設けられ導出流路と略Y字形状を成すものの場合を示したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、図5に示すような互いに等角度間隔で放射状に形成された3本以上の貫通孔からなる衝突用流路(噴射流路52Y及び大口径流路53)を備えたノズル本体50のように、衝突用流路の数や配置は、実際の原料液や処理条件に応じてより高い衝突処理効率が望めるものを適宜選択すればよい。
また、本発明における噴射流路を構成する高硬質材料としては、上記実施例で用いたダイヤモンドの他に、例えばサファイヤ等、加工が可能でありながら充分な高硬度を備えたものであれば種々の材質が採用可能である。
本発明の一実施例による微粒化装置略構成図であり、(a)は本微粒化装置の概略構成を示す側断面図であり、(b)はノズル本体部分の拡大図である。 本発明によるノズル本体の別の例を示す概略構成図であり、(a)は側断面図、(b)は(a)のA−A断面矢視図、(c)は(a)のB−B断面矢視図である 。 本発明の実施例における微粒化処理テストに用いた噴射流路および大口径流路が円柱の場合のノズル手段の概略構成図であり、(a)は噴射流路の外周側端部から外側に向かうテーパ形状開口部分が形成され、噴射流路、大口径流路とも断面形状が円形であるノズル本体、(b)は(a)のA−A断面矢視図(拡大図)、(c)は(b)のB−B断面矢視図(拡大図)である。 本発明の実施例における微粒化処理テストに用いた噴射流路および大口径流路が矩形の場合のノズル手段の概略構成図であり、(a)は噴射流路の外周側端部から外側に向かうテーパ形状開口部分が形成され、噴射流路、大口径流路とも断面形状が矩形であるノズル本体、(b)は(a)のA−A断面矢視図(拡大図)、(c)は(b)のB−B断面矢視図(拡大図)である。 本発明の他のノズル本体の構成を示す側断面図である。
符号の説明
1:微粒化装置
2:ハウジング
3:ノズル押さえ
4:高圧流体供給流路
5:バネ
6:プラグ部材
7:押さえ部材
8:導出流路
9:チャンバ
10,20,30,40,50:ノズル本体手段
11,21,31,41,51:第1部材
11X:凹部
12X,22X,32X,42X,52X:テーパ形状開口部分
12Y,22Y,32Y,42Y,52Y:噴射流路
13,23,33,43,53:大口径流路
14,24,34,44,54:(ノズル本体の)導出流路
14X:衝突空間
14Y:テーパ状出口
14L:衝突距離
15:導入流路
16,26,36,46,56:第2部材

Claims (9)

  1. 高圧流体同士を衝突させるためのノズル手段と、該ノズル手段へ前記高圧流体を導入するための導入流路とを備えた微粒化装置において、
    前記ノズル手段は、高硬質材料からなるノズル本体を有し、該ノズル本体に、ノズル本体外周面から軸心に向かって形成された複数の貫通孔からなる高圧流体の衝突用流路と、これら衝突用流路同士の合流点から軸心方向に沿って形成された衝突後の流体を導出するための導出流路とを備え、前記導入流路に導かれた高圧流体が、前記ノズル本体の外周から前記衝突用流路の各外周側端部開口へ導入されるものであり、
    前記衝突用流路は、前記導出流路に連通する下流側の大口径流路と、この大口径流路の上流側に設けられて前記外周側端部開口から導入された高圧流体を該大口径流路内に噴出する小口径の噴射流路と、を備えていることを特徴とする微粒化装置。
  2. 前記噴射流路の外周側端部開口から前記大口径流路に達するまでの長さLが、0.15mm以上、0.6mm以下の範囲内であると共に、前記大口径流路の長さLが1.5mm≦L≦4mm、前記噴射流路1個の断面積Aと前記大口径流路1個の断面積Aの比が2≦A/A≦7であると共に、前記噴射流路の断面積の流路個数分の合計nAと前記導出流路の断面積Aの比が2≦A/nA≦80、を満たすことを特徴とする請求項1に記載の微粒化装置。
  3. 前記ノズル本体は、前記噴射流路の方向の外周側端部からそれぞれ外側に向かって拡径するテーパ形状開口部分を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の微粒化装置。
  4. 前記大口径流路と導出流路の噴出方向との開き角度が95度以上、150度以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の微粒化装置。
  5. 前記噴射流路および前記大口径流路の断面がそれぞれ矩形であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の微粒化装置。
  6. 前記ノズル本体は、前記大口径流路と前記導出流路が形成されている第1部材と、前記噴射流路が形成されている第2部材とを有し、前記第2部材が第1部材に形成された凹部に嵌合した状態にて前記噴射流路が前記大口径流路に連通することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の微粒化装置。
  7. 前記第2部材がダイヤモンドであることを特徴とする請求項6に記載の微粒化装置。
  8. 前記ノズル本体を、バネの付勢力によってノズル本体の導出流路が装置ハウジング部材に設けられた導出流路に同軸上に位置決めされた状態で前記ハウジング部材に押圧するシール手段を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の微粒化装置。
  9. 前記高圧流体がエマルジョンであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の微粒化装置。
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