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JP2009103121A - 酸素センサの監視装置 - Google Patents

酸素センサの監視装置 Download PDF

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JP2009103121A
JP2009103121A JP2008179403A JP2008179403A JP2009103121A JP 2009103121 A JP2009103121 A JP 2009103121A JP 2008179403 A JP2008179403 A JP 2008179403A JP 2008179403 A JP2008179403 A JP 2008179403A JP 2009103121 A JP2009103121 A JP 2009103121A
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Abstract

【課題】酸素センサ故障の可能性を誤って報知する可能性を低減することにある。
【解決手段】酸素センサ故障を示すものとして酸素センサの低応答性を検出するための、自動車の内燃機関の酸素センサの動作の監視が、誤った結果が得られる可能性を避けるために、自動車のブレーキシステムのブレーキ動作変化に応じて一時的に停止される。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動車の内燃機関のための、排ガス酸素センサ故障監視装置に関する。
エミッションに関する要求がより厳しくなるにつれて、内燃機関の制御に用いられるセンサが、正しく動作していることを確認することがより重要となっている。酸素センサ、例えば、内燃機関の排気システムに使用されるような自在加熱排ガス酸素(universal heated exhaust gas oxygen:UHEGO)センサのケースでは、通常、診断用の監視装置が設けられ、センサ故障を示すものとして酸素センサの低応答性の可能性がチェックされる。そのような診断用の監視装置の一例は、設定時間における、平均的な空燃比(AFR)制御フィードバックの大きさに対する平均的なセンサ出力をモニタすること、及び酸素センサの低応答性をチェックするために、正常なAFR制御に強制的な燃料ディザを適用することで作動する。
しかしながら、例えば、センサが実際には正しく動作しているにも係らず、明らかなセンサ故障との誤った報知を、可能ならどんな場合でも避けるために、上述した監視が、酸素センサの真の性能を反映していることを確かめることも重要である。
本発明の目的は、センサ故障の可能性を誤って報知する可能性を低減することにある。
本発明の一態様によれば、酸素センサ故障を示すものとして酸素センサの低応答性を検出すべく、自動車の内燃機関の酸素センサの応答性を監視するように動作可能なセンサ故障監視装置が提供される。センサ故障監視装置は、車両のブレーキシステムのブレーキ動作の変化に応答して、酸素センサの応答性の監視を一時的に停止するように動作可能な入力条件ロジックを含む。
ブレーキ動作の変化、つまり過渡状態が生じたときに、酸素センサの応答性の監視を停止することにより、監視結果の誤り及び可能性としての酸素センサの故障を間違って知らせるケースが起こるリスクを低減することができる。
入力条件ロジックは、例えば、ブレーキの起動とブレーキの停止の、過渡的なブレーキ動作を示すブレーキ信号における変化に反応するブレーキ信号変化検出器ロジックを含む。また、入力条件ロジックは、ブレーキ信号変化検出器ロジックに反応し、自動車のブレーキシステムのブレーキ動作変化の検出に応じて、酸素センサの応答性の監視を所定時間だけ停止させるように動作するタイミングロジックを含む。
本発明の種々の形態は、上述のセンサ故障監視装置が備えられた、自動車の内燃機関のためのエンジンマネジメントシステムを含む。内燃機関には、そのようなエンジンマネジメントシステムが装備される。内燃機関、排気システム、その排気システムにおける酸素センサ、及びブレーキシステムを備えた車両は、上述したセンサ故障監視装置を有することができ、そのセンサ故障監視装置は、車両のためのエンジンマネジメントシステムの一部を形成する。
本発明の一態様によれば、酸素センサ故障を示すものとして酸素センサの低応答性を検出すべく、自動車の内燃機関の酸素センサの動作を監視する方法も提供され、その方法は、車両のブレーキシステムのブレーキ動作の変化に応じて酸素センサの応答性の監視を一時的に停止させる。
本発明の種々の形態が、付随する請求の範囲の独立形式の請求項において示されているが、本発明の他の形態は、独立形式の請求項の特徴と、以下に説明される実施形態及び/又は従属形式の請求項の特徴とのどのような組み合わせ(その組み合わせは、請求項に明示されないが)をも含むものである。
本発明の特定の実施形態が、添付図を参照しつつ、例として、以下に説明される。本発明は、種々の変形や代替の態様が可能であるが、図面には、特定の実施形態が例として示されており、以下に詳細に説明される。ただし、図面及び詳細な説明は、開示された特定の形態に発明を制限することを意図するものではなく、それどころか、発明は、請求の範囲によって定義される本発明の主旨及び範囲に属するすべての変形、均等物、及び代替物をその範囲に含むことを意図するものである。
本発明の実施形態は、酸素センサ故障を示すものとして酸素センサの低応答性を検出するために、自動車の内燃機関の酸素センサの応答性を監視するように動作することができるが、ただし、自動車のブレーキシステムのブレーキ動作の変化に応じて酸素センサの応答性の監視を一時的に停止するように動作することができる。これにより、正常なセンサ作動を誤作動として報知する可能性のリスクを低減することができる。
図1は、内燃機関20を含むエンジンシステム10の(部分的に断面が示されている)概略全体図である。図1において断面で概略的に表されている内燃機関20は、V型ガソリンエンジンである。一例において、エンジンは、それぞれ4個のシリンダーからなる2個のバンクを備えている。しかしながら、他の例では、内燃機関は、異なる数のシリンダーを備えていても良いし、及び/又は、例えば例として直列型やボクサー型のように異なるエンジン型式を有していても良い。
エンジンシステム10は、種々のセンサ及びエンジンシステム10の制御サブシステムに接続されたエンジン制御ユニット(ECU)40によって制御される。ECU40は、エンジンの吸気側に設けられたスロットル22の動作を制御する。空気取入口の質量空気流量センサ24はECU40に検出信号を与える。各々のシリンダーの燃料インジェクタ28は燃料供給管(図示せず)に接続されている。時間調整された燃料噴射を制御するために、個々のインジェクタ28は、ECU40から制御信号を受ける。スパークプラグ34は、ECU40から点火タイミング(IGT)信号を受ける。
吸気及び排気カムシャフト36,42は、それぞれ、吸気弁及び排気弁を調節する。ECU40は、当該ECU40がエンジン回転速度、エンジン負荷などの動作パラメータをモニタすることができるように、従来と同様に、種々のセンサ(具体的には特定しない)から信号を受け入れる。ECU40は、自在加熱排ガス酸素(UHEGO)センサ48及び加熱排ガス酸素(HEGO)センサ52からの検出信号も受け入れる。図示された例では、UHEGOセンサ48及びHEGOセンサ52は、排気マニホールドの下流であって、触媒コンバータ50の両側に配置されている。ただし、他の例では、UHEGOセンサ48及び/又はHEGOセンサ52の位置は、異なっていても良い。本例では、ECU40は、図2から図8を用いて詳細に説明される、酸素センサ監視ロジック54を有している。
図1は、車両のブレーキシステム60の要素も、概略的に示している。図1に示されているものは、ブレーキペダル62であり、それには、ブレーキペダル62が踏まれたか(起動)あるいは踏まれていないか(停止)を示す信号をECU40に与えるブレーキスイッチ64が設けられている。ブレーキペダル62は、ブレーキブースター66に作用し、次いで、ブレーキペダル62の踏み込みに応じて車両のブレーキを起動させるための油圧システム60に作用する。ECU40は、ブレーキ圧力センサ69によってブレーキ圧力をモニタすることができる。ブレーキブースター66は、内燃機関20の吸気マニホールドに生じる低圧と大気圧との差圧を用いて、運転者によってブレーキペダル62に与えられたブレーキ圧力(踏力)を高めるように動作する。(バキュームブレーキブースターとしていくらか知られている)、そのようなブレーキブースター66の例において、ブレーキブースター66のダイヤフラムの一方のサイドは大気圧にさらされ、ダイヤフラムの他方のサイドの中空部は、接続パイプ70を介して吸気マニホールドに接続されている。ブレーキペダル62は、ダイヤフラムの、大気圧にさらされるサイドと同じサイドに配設されている。
図2は、一例としての、酸素センサ監視ロジック54の概略全体図である。酸素センサ監視ロジック54の狙いは、空燃比(AFR)フィードバック制御に与えられる強制的なディザに対して、低応答性として表れる、酸素センサの故障を検出することである。
一例としての酸素センサ監視ロジック54は、図1に示されるように、ECU40の一部をなす。しかしながら、酸素センサ監視ロジックはECU40とは別個のユニットとして設けられても良い。
図2に示されるように、一例としての酸素センサ監視ロジック54は、入力条件ロジック(ECL)72、ディザ制御ロジック(DCL)74、及び判定ロジック76を含む。入力条件ロジック72は、ブレーキ信号94及び他の入力条件信号88を含む種々の信号を受け入れる。他の入力条件信号88は、例えば、エンジン回転速度値90及び空気流量値92を含み、その両方ともディザ制御ロジック74に与えられる。入力条件ロジック72は、監視イネーブル信号82をディザ制御ロジック74に与える。ディザ制御ロジック74は、AFR制御信号126を判定ロジック76に与える。判定ロジック76は、モニタされるべき酸素センサからラムダ信号96を受け入れ、酸素センサの動作の判定結果を示す制御信号78を出力する。これらの種々の構成ロジックユニット72,74,76の機能が以下に詳細に説明される。
一例としての酸素センサ監視ロジック54は、設定時間における、平均的な空燃比(AFR)制御フィードバックの大きさに対する平均的な酸素センサ出力(例えば、平均UHEGOセンサ出力)をモニタし、及び酸素センサの故障の可能性を示すものとして、正常なAFR制御に強制的な燃料ディザを適用した際の、低応答性をチェックするように動作する。これは、図3に表されている。図3の上段の波形は、AFRフィードバック制御信号を表しており、下段の波形は、酸素センサの出力を表している。
図3の左側の波形は、酸素センサの正常な動作を表しており、それにより、所定時間における、フィードバックの大きさの変化によって、酸素センサからのラムダ値の変化を除算した一連の結果の合計が、閾値以上である場合、すなわち、以下の数式1が満足される場合、正常動作の判定がなされる。
Figure 2009103121
図3の右側の波形は、酸素センサの劣化した(つまり、低)応答性を表しており、それにより、所定時間における、フィードバックの大きさの変化によって、酸素センサからのラムダ値出力の変化を除算した一連の結果の合計が、閾値未満となる場合、すなわち、以下の数式2が満足される場合、劣化動作の判定がなされる。
Figure 2009103121
エンジン動作の過渡状態が生じた場合、不正確な判定がなされる可能性があるので、図3を参照して説明された判定は、ある時間にわたって決定される。
上述されたように、ブレーキブースター66は吸気マニホールドの低圧を利用することによって、ブレーキブースター66内部のダイヤフラムの一方のサイドに低圧を印加するように機能する。ダイヤフラムの一方のサイドの低圧は、ダイヤフラムの他方のサイドの大気圧が、車両の運転者によってブレーキペダル62に付与された力を高めることを可能にする。
従来は、ブレーキ操作の過渡状態が生じると、酸素センサは正しくない可能性があるとの判定がなされたと決定されていた。つまり、上述したブレーキブースターの機能の結果として、ブレーキの過渡状態は、吸気マニホールド圧の変動を引き起こし、ひいては、過渡的な燃料の変化を引き起こす。そのような燃料の過渡状態は、酸素センサによって検出されるラムダ値の変化に影響を与え、その結果、そのような期間における酸素センサの応答性の監視は、信頼性の低いものとなっていた。
従って、本発明の一例としての実施形態によれば、ブレーキの過渡状態期間に、可能性として、誤った判定がなされることを避けるために、酸素センサの応答性監視が、ブレーキ操作の過渡状態に応じて停止される。本発明の実施形態は、酸素センサの応答性監視の一時的な停止を引き起こすように動作する入力条件ロジックを有している。
この点に関して、図4は、図2に示される入力条件ロジック72の一例としての実施形態を概略的に描写している。
図4には、ある入力条件が満たされたときに監視イネーブル信号82を与えるように動作するAND機能80が表されている。本発明の一例としての実施形態において、1つの入力条件は、ブレーキ信号変化ロジック84が、酸素センサの応答性監視が可能であることを示す監視許可信号86を与えていることである。
図4に示されるように、1つ以上の他の入力条件88が規定されており、例えば1つ以上の条件は、エンジン回転速度が所定範囲内であること、車両速度が所定範囲内であること、エンジンへの空気流入速度が所定範囲内であること、エンジンにおけるエンジン負荷が所定範囲内であること、冷却水温度が所定範囲内であること、大気圧が所定範囲内であること、触媒の動作が正常であること、及びエンジンのパージバルブが動作していないことである。
動作時、ブレーキ信号変化ロジック84は、ブレーキ信号94に応答する。ブレーキ信号94は、車両のブレーキシステムが起動したときの第1状態(ON)と、車両のブレーキシステムが停止しているときの第2状態(OFF)とからなる。本例では、ブレーキ信号94は、例えば、図1に示されるブレーキスイッチ64の状態に応じて発生される。他の例として、ブレーキ信号は、ブレーキ圧力センサ69からのブレーキフルード圧力信号に依存するものであっても良い、すなわち、ブレーキフルード圧力信号に応じて発生されても良い。また、本例では、ブレーキ信号94は2つの状態(ONとOFF)を有する信号であるが、他の例として、ブレーキ信号は、ブレーキ圧力に従って変化するアナログ又はデジタル信号であっても良い。
ブレーキ信号変化ロジック84は、ブレーキ信号変化の検出に応じてセットされ、許可信号86が無力化されるべき期間を計時するタイマ(例えば、カウンタ)を含んでいる。ブレーキ信号の変化によってトリガされる期間の経過後は、許可信号86が再度有効化される。
図5は、ブレーキ信号変化ロジック84の一例としての形態をさらに詳細に示すものである。示された例では、ブレーキ信号変化検出器102が、ブレーキ信号94の現在値と、遅延ロジック106で遅延されたブレーキ信号の値とを比較する比較器104を備え、その2つの信号値のレベルの差が、出来事としてのブレーキの変化(ブレーキペダルの踏み込み又は解放)を示すブレーキ信号94の状態の変化のきざしとなるに十分である(例えば、所定の閾値を超えた)かどうかを決定する。
比較器104がその差を検出した場合には、ブレーキ信号変化検出器102から、センサの応答性監視が停止されるべき期間を計時するためのタイマ110をセットするように作用する信号108が出力される。本実施形態では、タイマ110は、信号108によってスタート値にセットされ、その後、クロック信号112に応じて0までカウントダウンするカウントダウンカウンタである。本例では、特定の形態のカウンタが示されたが、他の例として、いずれの適当なカウンタ又はタイマであっても、期間を計測するために使用可能であることが理解されるべきである。示された例では、タイマ110が、114から、カウント値が0になったとき第1の値(例えば、1)を出力し、カウントダウンしている間は第2の値(例えば、0)を出力する。114から出力される値は、タイマ110が停止(すなわち、カウントしていない)しているときに酸素センサの応答性監視が可能であり、出来事としてのブレーキ変化に続く期間において酸素センサの応答性監視が停止されるべきであることを示す監視許可信号86を形成する。
ここで、上述されたブレーキ信号変化ロジック84は、酸素センサの応答性監視が停止されるべき、出来事としてのブレーキ変化に続く所定期間を計時するように構成されたが、他の例では、ブレーキ信号変化ロジック84は、所定期間を与えることよりも、あるいはそれに加えて、酸素センサの応答性監視を停止すべきとき(たとえば、ブレーキ圧力の急速な変化があったとき)を決定するために、ブレーキ圧力の変化に反応するように構成しても良いことに注意すべきである。
図4を参照して説明されたように、AND機能80は、入力条件が満足されたときに監視イネーブル信号82を出力し、入力条件が満足されないときに監視イネーブル信号82を出力しないように動作する。従って、本発明の一例としての実施形態では、ブレーキ信号変化ロジック84が酸素センサの応答性監視が可能であることを示す監視許可信号86を出力しない場合には、監視イネーブル信号82は、入力条件が満足されず、酸素センサの応答性監視が停止されることを示す状態となる。また、本発明の一例としての実施形態では、ブレーキ信号変化ロジック84が酸素センサの応答性監視が可能であることを示す監視許可信号86を出力し、かつ他のいずれの(適用可能な)入力条件も満足された場合には、監視イネーブル信号82は、入力条件が満足され、酸素センサの応答性監視が実行されることを示す状態となる。
図6は、一例としてのディザ制御ロジック74を示している。ディザ制御ロジック74は、図2を参照して説明されたように、酸素センサ出力のテストを行なうことを可能とするために、リッチとリーン間で変動する燃料ディザを適用するように動作する。
図6に示されたディザ制御ロジック74の一例は、監視イネーブル信号82に反応するディザ遅延ロジック120を含む。つまり、ディザ遅延ロジック120は、ディザタイミングロジック122にディザイネーブル信号121を出力するために、酸素センサの応答性監視が実行されることを示す、監視イネーブル信号82の変化する状態に反応する。ディザ遅延ロジック120は、監視イネーブル信号82が酸素センサの応答性監視を停止すべきことを示す状態に変化したときには、即座にディザイネーブル信号121を停止するように動作する。
ディザタイミングロジック122は、図3に示されるAFRフィードバック制御信号に付加されるディザのタイミングを制御するように動作する。ディザタイミングロジック122は、ディザイネーブル信号121がディザ遅延ロジック120から与えられているとき、タイミング制御を行なうために、1以上の所定値まで又は1以上の所定値からカウントするカウンタ222を含む。図示された例では、カウント値は、現在のエンジン回転速度90及び空気流量92の値を入力し、それらに応じた値を出力するマップ224を用いて、エンジン回転速度90及び空気流量速度92のようなエンジンパラメータに応じて決定される。例えば、ディザタイミングロジック122がカウントアップタイマを有する場合、マップ224から出力される値は、比較器226に与えられる閾値としてのカウント値となり、比較器226は、カウンタ222がそのカウント値に達した時点を判定する。そして、比較器226は、タイミング信号123を出力するとともに、カウンタ222が次のディザタイミングを計時する動作を行うように、カウンタ222をリセットする動作を行う。
その結果、ディザタイミングロジック122は、AFRフィードバック信号の変化のためのタイミングを決定するために、ディザ振幅ロジック124に一連のタイミング信号123を出力するように動作する。
ディザ振幅ロジック124は、図3に示される目標AFRフィードバック制御信号における各々の変化に対する、ディザフィードバックの振幅(ΔFB)を決定するように動作する。
図6に示される例では、ディザ振幅ロジック124は、それぞれ、交互に現れるリーン及びリッチディザフィードバック振幅の値を発生させるための第1及び第2マップ232,234を有する。スイッチ236は、タイミング信号123に応答して、第1及び第2のマップ232,234から出力されるリーン及びリッチディザフィードバック振幅(ΔFB)の値間で交互に変える、すなわち、切り替える。換言すれば、ディザタイミングロジック122の比較器226が、カウンタ222がマップ224によって示されるカウント値に達したことを示す信号を出力する度に、スイッチ236は、第1及び第2のマップ232,234の出力値の間で切り替えを行なう。第1及び第2のマップ232,234によって出力される、リーン及びリッチディザ振幅値は、本実施形態では、現在のエンジン回転速度90及び空気流量92の値に依存する。しかしながら、他の例として、マップ232,234を省き、その代わりに固定値が用いられても良い。ディザ振幅ロジック124の出力は、ディザフィードバック振幅(ΔFB)126である。
図7は、一例としての判定ロジック76を示している。判定ロジック76は、図3を参照して説明したように、デルタラムダ値とディザフィードバック値との判定を行なうように動作する。
判定ロジック76は、酸素センサからラムダ信号96を受けるとともに、その信号96を平滑化する平滑化ロジック127を有している。測定タイミングロジック128は、時間経過におけるラムダ値の変化を測定するための測定タイミングを決定するように動作する。ラムダデルタロジック130は、測定タイミングロジック128によって決定された継続的なタイミング期間にわたって、連続的なデルタラムダ値を決定すべく、平滑化されたラムダ信号をサンプリングするように動作する。デルタFB演算ロジック132は、ディザ振幅値126をサンプリングし、測定タイミングロジック128によって決定された継続的なタイミングにおいて、連続的なデルタフィードバック値を発生するように動作する。
判定決定ロジック134は、ラムダデルタロジック130から連続的なデルタラムダ値(Δλ)を受け取り、デルタFB演算ロジック132からデルタフィードバック(ΔFB)値を受け取る。そして、以下の式に従って演算を行なう。
Figure 2009103121
判定決定ロジック134は、図3を参照して説明したように、上記の式を閾値と比較するように動作する。酸素センサは、所定時間における、フィードバックの大きさ(振幅)の変化によって、酸素センサからのラムダ値の変化を除算した一連の結果の合計が、閾値以上である場合、すなわち、以下の数式が満足される場合、正常に動作していると判定される。
Figure 2009103121
一方、酸素センサは、所定時間における、フィードバックの大きさ(振幅)の変化によって、酸素センサからのラムダ値の変化を除算した一連の結果の合計が、閾値未満となる場合、すなわち、以下の数式が満足される場合、低応答性を有すると判定される。
Figure 2009103121
酸素センサが低応答性を有すると判定された場合には、ECU40に故障表示ランプ(MIL)を点灯させるようにする制御信号(故障信号)78が出力される。
図8は一例としての判定決定ロジック134を示している。判定決定ロジック134は、ラムダデルタロジック130によって出力された連続的なデルタラムダ値を保存するための記憶部240、及びデルタFBロジック132によって出力された連続的なデルタフィードバック値を保存するための記憶部242を含む。閾値のためにも、記憶部244が設けられている。判定タイミングロジック246は、クロック248に応じて、以下の式を演算するため、及びその結果を閾値と比較するための継続的な判定時間を計時する。
Figure 2009103121
閾値比較ロジック250は、それぞれ、記憶部240,242に保存されたデルタラムダ値及び保存されたデルタフィードバック値から上記数式を演算し、判定タイミングロジック246からのタイミング信号に応じて、その結果を記憶部244の閾値と比較するように動作する。
閾値比較ロジック250は、所定時間における、フィードバックの大きさ(振幅)の変化によって、酸素センサからのラムダ値の変化を除算した一連の結果の合計が、閾値以上である場合、すなわち、以下の数式が満足される場合、酸素センサが正常に動作していると判定されたことを示す第1の信号値を78から出力するように動作する。
Figure 2009103121
閾値比較ロジック250は、所定時間における、フィードバックの大きさ(振幅)の変化によって、酸素センサからのラムダ値の変化を除算した一連の結果の合計が、閾値未満である場合、すなわち、以下の数式が満足される場合、酸素センサが低応答性を有していると判定されたことを示す第2の信号値を78から出力するように動作する。
Figure 2009103121
酸素センサが低応答性を有していると判定された場合、78から出力される第2の信号値は、ECU40に故障表示ランプ(MIL)を点灯させるようにする故障信号であると考えられる。
図9は、上述されたエンジンシステム10を含む車両150を概略的に描写するものである。
以上のように、酸素センサの故障を示すものとして酸素センサの低応答性を検出するために、自動車の内燃機関の酸素センサの動作を監視する監視装置及び監視方法が説明され、そこにおいて、監視は車両のブレーキシステムのブレーキ動作変化に応答して一時的に停止される。
上記の実施形態はかなり詳細に説明されたが、上記の説明が十分に理解されたならば、当業者にとって多くの変形や変更が明白となるであろう。請求の範囲は、そのような変形や変更のすべて、さらにそれらの均等物をも含むように解釈されることが意図されている。
本発明の実施形態における、内燃機関を含むエンジンシステムの概略全体図である。 酸素センサ監視ロジックのブロック図である。 UHEGOセンサの監視を行なうためのAFRフィードバック制御の利用法を説明する図である。 入力条件ロジックのブロック図である。 図4の入力条件ロジックの一部のブロック図である。 ディザ制御ロジックのブロック図である。 判定ロジックのブロック図である。 判定決定ロジックのブロック図である。 車両を概略的に描写する図である。
符号の説明
10…エンジンシステム、20…内燃機関、40…エンジン制御ユニット(ECU)、48…自在加熱排ガス酸素(UHEGO)センサ、50…触媒コンバータ、52…加熱排ガス酸素(HEGO)センサ、54…酸素センサ監視ロジック、60…油圧システム、62…ブレーキペダル、64…ブレーキスイッチ、66…ブレーキブースター、69…ブレーキ圧力センサ、72…入力条件ロジック、74…ディザ制御ロジック、76…判定ロジック、84…ブレーキ信号変化ロジック

Claims (16)

  1. 酸素センサの故障を示すものとして、酸素センサの低応答性を検出するために、自動車の内燃機関の酸素センサの応答性を監視するように動作する酸素センサ監視装置であって、
    自動車のブレーキシステムのブレーキ動作の変化に応答して、酸素センサの応答性の監視を一時的に停止するように動作する入力条件ロジックを備えることを特徴とする酸素センサ監視装置。
  2. ブレーキ動作の変化は、ブレーキの起動とブレーキの停止の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の酸素センサ監視装置。
  3. 前記入力条件ロジックは、自動車のブレーキシステムが起動したとき第1の状態となり、自動車のブレーキシステムが停止したとき第2の状態となるブレーキ信号の変化に応答するブレーキ信号変化検出器ロジックを有し、
    前記入力条件ロジックは、それらの状態間でブレーキ信号の変化を検出するブレーキ信号変化検出器ロジックに応じて、酸素センサの応答性監視を一時的に停止するように動作することを特徴とする請求項1に記載の酸素センサ監視装置。
  4. ブレーキ信号は、ブレーキペダルの位置信号とブレーキフルード圧力信号との少なくとも一方に応じて発生されることを特徴とする請求項3に記載の酸素センサ監視装置。
  5. 前記入力条件ロジックは、前記ブレーキ信号変化検出器ロジックに応答するタイミングロジックを備え、当該タイミングロジックは、自動車のブレーキシステムのブレーキ動作の変化を検出したことに応じて、所定時間の間、酸素センサの応答性監視を停止させるように動作することを特徴とする請求項3に記載の酸素センサ監視装置。
  6. 前記タイミングロジックは、前記酸素センサの応答性監視が所定時間の間停止されるようにするために、所定時間、許可信号を停止するように動作することを特徴とする請求項5に記載の酸素センサ監視装置。
  7. 前記酸素センサは、自在加熱排ガス酸素(UHEGO)センサであることを特徴とする請求項1に記載の酸素センサ監視装置。
  8. 自動車の内燃機関のためのエンジンマネジメントシステムであって、当該エンジンマネジメントシステムは、酸素センサの故障を示すものとして、酸素センサの低応答性を検出するために、内燃機関の酸素センサの応答性を監視するように動作する酸素センサ監視装置を備え、
    前記酸素センサ監視装置は、自動車のブレーキシステムのブレーキ動作の変化に応答して、酸素センサの応答性の監視を一時的に停止するように動作する入力条件ロジックを備えることを特徴とするエンジンマネジメントシステム。
  9. 内燃機関、排気システム、その排気システムの酸素センサ、ブレーキシステム、及び酸素センサ監視装置を備えた車両であって、
    前記酸素センサ監視装置は、酸素センサの故障を示すものとして、酸素センサの低応答性を検出するために、内燃機関の酸素センサの応答性を監視するように動作するものであって、
    前記酸素センサ監視装置は、ブレーキシステムのブレーキ動作の変化に応答して、酸素センサの応答性の監視を一時的に停止するように動作する入力条件ロジックを備えることを特徴とする車両。
  10. 酸素センサの故障を示すものとして、酸素センサの低応答性を検出するために、自動車の内燃機関の酸素センサの動作を監視する監視方法であって、
    自動車のブレーキシステムのブレーキ動作の変化に応答して、酸素センサの応答性の監視を一時的に停止することを特徴とする監視方法。
  11. ブレーキ動作の変化は、ブレーキの起動とブレーキの停止の少なくとも一方であることを特徴とする請求項10に記載の監視方法。
  12. ブレーキ信号が、自動車のブレーキシステムが起動したとき第1の状態となり、自動車のブレーキシステムが停止したとき第2の状態となり、
    それらの状態間でブレーキ信号の変化を検出することに応じて、酸素センサの応答性監視を一時的に停止することを特徴とする請求項11に記載の監視方法。
  13. ブレーキペダルの位置信号とブレーキフルード圧力信号との少なくとも一方に応じて、前記ブレーキ信号を発生することを特徴とする請求項12に記載の監視方法。
  14. 自動車のブレーキシステムのブレーキ動作の変化を検出したことに応じて、所定時間の間、酸素センサの応答性監視を停止することを特徴とする請求項12に記載の監視方法。
  15. 前記酸素センサの応答性監視が所定時間の間停止されるようにするために、その所定時間、許可信号を停止することを特徴とする請求項14に記載の監視方法。
  16. 前記酸素センサは、自在加熱排ガス酸素(UHEGO)センサであることを特徴とする請求項10に記載の監視方法。
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