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JP2009100261A - 車両周囲画像提供装置及び広角画像の補正方法 - Google Patents

車両周囲画像提供装置及び広角画像の補正方法 Download PDF

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JP2009100261A JP2007269882A JP2007269882A JP2009100261A JP 2009100261 A JP2009100261 A JP 2009100261A JP 2007269882 A JP2007269882 A JP 2007269882A JP 2007269882 A JP2007269882 A JP 2007269882A JP 2009100261 A JP2009100261 A JP 2009100261A
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Kiyoyuki Kawai
清幸 川井
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Alpine Electronics Inc
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Abstract

【課題】車両の周囲を撮影した広角画像を違和感なく表示することができる「車両周囲画像提供装置及び広角画像の補正方法」を提供すること。
【解決手段】車両周囲画像取得装置10は、画面を通して情報を提供する表示手段16と、自車両の一部を含めて車両周囲の画像を取得する撮像手段11と、自車両の標準画像のデータを予め格納すると共に、撮像手段により取得された画像のデータを格納する記憶手段17と、記憶手段に格納されている自車両の標準画像データ及び撮像手段により撮像された自車両の画像データから画像データ変換規則を生成する制御手段14とを備える。制御手段14は、撮像手段11により撮像された自車両及び自車両周囲の広角画像を画像データ変換規則に基づいて標準画像に変換してフレームデータを生成し、表示手段16の画面に表示させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両周囲画像提供装置及び広角画像補正方法に関し、特に広角カメラによって撮像された車両周辺の画像を人間の感覚に合った画像に変換して違和感のない画像提供に好適な車両周囲画像提供装置及び広角画像補正方法に関する。
車両周囲画像提供装置は、多くの場合、ナビゲーション装置を搭載した車両に搭載されている。典型的な車載用ナビゲーション装置には、ナビゲーションに係る一切の処理を制御するCPU、地図データを格納したDVD−ROMやHDD等の記憶装置、画面を通して案内情報を提供するディスプレイ装置、自車の現在位置を検出するためのGPS(Global Positioning System)受信機、自車の進行方位や走行速度等を検出するためのジャイロや車速センサ等が設けられている。そして、CPUにより、自車の現在位置を含む地図データを記憶装置から読み出し、この地図データに基づいて自車位置の周囲の地図画像をディスプレイ画面に描画すると共に、自車の現在位置を指示する自車位置マークをディスプレイ画面に重ね合わせて表示し、自車の移動に応じて地図画像をスクロール表示したり、あるいは地図画像を画面に固定して自車位置マークを移動させたりして、自車が現在何処を走行しているのかを一目で判るようにしている。さらにナビゲーション装置には、ユーザが設定した目的地に向けて道路を間違うことなく容易に走行できるように案内する機能(経路誘導機能)が搭載されている。
通常走行の場合にはナビゲーション装置の指示に従って走行していれば目標地点まで目標時間で到着することが可能である。しかし、走行途中には一時的に駐車が必要になり、バック走行をする場合や、車両の死角領域での他の車両や人の存在が認識できずに右左折時等に危険が伴う場合がある。これらの危険を回避するために、車両の周辺を監視する技術が実用化されている。車両の周辺を監視する技術として、車両のドアミラーやナンバープレート近傍にカメラを設置し、カメラにより撮像された画像をモニタ画面に表示する装置が実用化されている。
車両の周囲の状況として、例えば、他車の位置や障害物の状況、さらに、左折時における車両後方からの車両の状況等がある。これらの周囲の状況を広範囲に取得するために、使用されるカメラは広範囲な視野角の画像を撮像可能な広角レンズが使用されている。
これに関連する技術として、特許文献1には、広角カメラを車両後部に設置し、レンズ歪みを除去して車両後方を広範囲に撮像する手法が記載されている。
特開2004−147210号公報
上記したように、広角レンズの撮像装置を利用することにより、視野角が確保されて広範囲の画像を得ることが可能となる。この撮像装置を車両に設置することにより、少ない数の撮像装置で車両の全周囲を撮像することが可能になり、運転者からの死角領域の状況を把握することができる。
しかし、広角レンズの撮像装置を利用した場合には、視野角は確保されて広範囲の画像が得られるものの、遠近感が強調されており、ユーザにとって画像を認識しづらいという問題がある。そのため、例えば、後方の他車が実際には自車の近くに接近しているにもかかわらず、運転者はその他車がまだ距離的に離れていると錯覚してしまい、車線変更等を行うときに接近しすぎる等、安全走行に支障をきたすおそれがある。
なお、特許文献1では、地面上に描かれた格子模様のライン間の距離の比を1:0.91程度とするように広角画像を補正しているが、車両の後方に他の車両等、地面上に物体が存在する場合は考慮されていない。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたものであり、車両の周囲を撮影した広角画像を違和感なく表示することができる車両周囲画像提供装置及び広角画像の補正方法を提供することを目的とする。
周知のように被写体の距離に応じて被写体の倍率を変換する事で遠近感(パースペクティブ)を変えることができる。このためには各被写体との距離を知る必要がある。本発明は広角カメラで自車の一部も含めて撮像し、その自車の一部はカメラからの距離が既知であることを利用し、被写体の倍率変換の設定に利用するものである。35mm換算の焦点距離50mmの撮像画像(以下、標準画像と記す)が人間の感覚に近い遠近感と考えられており、変換後の遠近感はこれを目安とする。
上述した従来技術の課題を解決するため、本発明の一形態によれば、画面を通して情報を提供する表示手段と、自車両の一部を含めて車両周囲の広角画像を取得する撮像手段と、前記自車両の標準画像のデータを予め格納すると共に、前記撮像手段により取得された画像のデータを格納する記憶手段と、前記記憶手段に格納されている前記自車両の標準画像データ及び前記撮像手段により撮像された自車両の画像データから画像データ変換規則を生成する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記撮像手段により撮像された自車両及び自車両周囲の広角画像を前記画像データ変換規則に基づいて標準画像に変換してフレームデータを生成し、前記表示手段の画面に表示させることを特徴とする車両周囲画像提供装置が提供される。
この形態に係る車両周囲画像提供装置において、前記制御手段は、前記画像データ変換規則を画素毎に生成してマッピングテーブルを作成し、前記広角画像を標準画像に変換するようにしてもよく、前記マッピングテーブルの画像データ変換規則は、各画素毎に前記広角画像の各画素の位置と前記標準画像の各画素の位置との対応関係が記述されるようにしてもよい。
また、前記自車両の一部の広角画像は、前記撮像手段からの距離に応じて自車両の広角画像をそれぞれ含む複数の領域に分割され、各領域毎に広角画像から標準画像へ変換する拡大又は縮小倍率が定義されるようにしてもよく、前記各領域内の自車両の近傍の各画素に対する画像データ変換規則は、自車両の画像データ変換規則による変換後の位置と、各画素の位置に前記拡大又は縮小倍率を乗じた距離により算出されるようにしてもよく、前記各領域内の自車両の近傍の各画素に対する拡大又は縮小倍率は、当該領域内で連続的に変化するようにしてもよい。
この形態に係る車両周囲画像提供装置では、自車の一部を撮像した広角画像とそれに対応する標準画像から、画素単位の変換規則を求めてマッピングテーブルを生成している。
このマッピングテーブルを使用し、広角カメラで撮像された車両周囲の画像を標準画像に変換している。これにより、広角画像で強調された遠近感を人間の間隔に近い遠近感になるようにでき、違和感のない画像を提供することが可能になる。
また、マッピングテーブルは、広角画像画素データと標準画像の画素データとの対応関係を示すものであり、自車を被写体として撮像している。また、自車の近傍の画像はその自車の部分と同じように画素データが変換されるものとしている。これにより、自車以外の撮像画像について被写体までの距離を測定することなく、自車の撮像画像に基づいて容易に変換規則を生成することが可能になる。
また、広角画像を撮像装置から所要の距離毎に複数の領域に分割し、領域毎に広角画像から標準画像への変換倍率を規定するとともに、領域内で変換倍率を変化させるようにしている。これにより、領域間で画像が不連続になることを防止でき、ユーザにとって違和感のない標準画像を提供することが可能となる。
また、本発明の他の形態によれば、上述した車両周囲画像提供装置において実施される広角画像の補正方法が提供される。その一形態に係る広角画像の補正方法は、車両に設置された広角撮像手段によって車両の一部を撮像した広角画像と、当該広角撮像手段の位置から同じ車両の一部の標準画像を取得するステップと、前記広角画像と前記標準画像との対応する画素データから、画素毎に画像データ変換規則を生成し、各画素に対して当該変換規則を記述したマッピングテーブルを生成するステップと、車両に設置された広角撮像装置によって車両の一部を含んだ車両外部を撮像して広角画像を取得するステップと、 前記マッピングテーブルに基づいて新たな画像フレームデータを生成するステップと、を有する。
また、この形態に係る広角画像の補正方法において、前記標準画像を取得するステップの後に、前記広角画像を前記撮像手段からの距離に応じて自車両の広角画像をそれぞれ含む複数の領域に分割するステップと、前記複数の領域の各領域毎に広角画像から標準画像へ変換する拡大又は縮小倍率を算出するステップと、を含んでもよく、前記マッピングテーブルを生成するステップは、自車両の広角画像と標準画像とが対応する画素データから座標変換値を算出して前記マッピングテーブルのマッピングデータとして記述するステップと、前記各領域内の自車両の近傍の各画素に対する画像データ変換規則を、自車両の画像データ変換規則による変換後の位置と、各画素の位置に前記拡大又は縮小倍率を乗じた距離とから算出して前記マッピングテーブルのマッピングデータとして記述するステップとを含んでもよい。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両周囲画像提供装置10の構成を概略的に示したものである。本実施形態では、本発明に係る車両周囲画像提供装置10を車載用ナビゲーション装置の一部として組み込んだ場合の構成例を示している。
本実施形態に係る車両周囲画像提供装置10は、図1に示すように、基本的に、車載カメラ11a、11b、11c及び11dと、画像処理部12と、マッピングテーブル13と、制御部14と、操作部15と、ディスプレイ装置16とを備えている。
各車載カメラ11a、11b、11c及び11dは、それぞれ自車両の前方、後方、左方及び右方の画像を継続的に取得するためのものであり、自車両外部の適当な箇所に設置されている。図2はその設置例を模式的に示したものであり、前方カメラ11aは車両の前部に、後方カメラ11bは車両の後部に、左方カメラ11c及び右方カメラ11dはそれぞれ車両の左側部及び右側部(図示の例では、ドアミラーの下部)に設置されている。
また、各車載カメラ11a〜11dは、各々のレンズが若干下方を向くように位置決めされ、図中破線で示すように広角範囲(理想的には180°の撮像範囲)で画像を取得できるように設置されている。つまり、各車載カメラ11a〜11dが協働して自車両の全周囲(車両周囲)を撮影できるように配置されている。また、これらの車載カメラ11a〜11dのうち、左方カメラ11c及び右方カメラ11dは、自車両の一部(車体)の画像を取得できるように設置されており、自車両の側部の後方の一部を含んだ側方の状況から自車両の側部の前方の一部を含んだ側方の状況までを撮像することが可能である。
各車載カメラ11a〜11dは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサを内蔵している。特に図示はしないが、このCCDセンサは、受光部として機能するフォトダイオード(光電変換素子)と、その光電変換された信号(電荷)を転送するためのCCDを有しており、フォトダイオードは2次元に配列され、各フォトダイオード上にマイクロレンズが設けられている。
画像処理部12は、撮影画像メモリ17、画像変換部18、及び表示画像メモリ19を備えている。
撮影画像メモリ17には、制御部14からの制御に基づき、各車載カメラ11a、11b、11c及び11dで継続的に撮影して得られた画像(自車両の前方、後方、左方及び右方の周囲の画像と、自車両の一部の画像)のデータが一画面分(1フレーム)毎に逐次格納されるようになっている。その際、撮影画像データを順次上書きしながら格納する。
画像変換部18は、車載カメラで撮影された広角画像を、人間にとって違和感のない標準の画像に変換するものである。画像変換は、マッピングテーブル13を参照して行われ、標準画像に変換された画像データは、表示画像メモリ19に格納される。
マッピングテーブル13は、撮影画像の画素データと表示画像の画素データとの対応関係が記述されたテーブルであり、1フレームメモリの各画素毎に、マッピングデータとして、座標の変換規則が記述されている。また、マッピングテーブル13は、左方カメラ11c及び右方カメラ11dの設置角度に応じて複数用意される。
ディスプレイ装置16は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)等からなり、運転席から表示画面を見ることができるように車室内のセンターコンソールのほぼ中間位置に設置されている。このディスプレイ装置の表示画面には、本発明に関連する情報として、左方カメラまたは右方カメラで撮影された広角画像を変換した標準画像が表示される。さらにこの表示画面には、ナビゲーションに係る案内情報(自車の現在位置の周囲の地図、出発地から目的地までの誘導経路、自車の現在位置を示すマーク等)も表示される。
制御部14は、例えば、マイクロコンピュータ等により構成され、後述するように車載カメラによる画像の取得及びそれに基づいて変換された画像の表示に係る処理を制御する機能を有している。さらに制御部14は、ナビゲーションに係る種々の処理(GPS受信機の出力から自車の現在位置を検出したり、自立航法センサの出力から自車の方位や走行速度を検出したり、地図データベースを参照して設定された探索条件で出発地(自車の現在位置)から目的地までの誘導経路を探索するなど)を制御する機能も有している。
操作部15は、ユーザが指示した情報を入力するためのものであり、本発明に関連する入力指示として「標準画像表示」の指示を与えるものである。この操作部15は、例えば、リモコン送信機の形態を有しており、特に図示はしないが、ディスプレイ装置の画面上の各種メニュー、各種項目等を選択したり、選択したメニュー等を実行させるための各種操作ボタン、ジョイスティックなどが適宜設けられている。
このように構成された車両周囲画像提供装置10において、運転者が操作部を操作して「標準画像表示」を選択すると、左方又は右方カメラで撮像された広角画像信号は1フレーム毎に撮影画像メモリ17に記憶される。画像変換部18は、撮影画像メモリ17に記憶された撮像画像を読み出し、マッピングテーブル13を参照しながら画像変換部18で標準画像に変換し、変換後の標準画像を表示画像メモリ19へ格納する。この標準画像は、人間にとって違和感のない歪みが補正された画像である。表示画像メモリ19に格納された画像データに従って、ディスプレイ装置16に出力され、標準画像が表示される。この一連の処理が制御部14によって制御される。なお、運転者が「標準画像表示」を選択しない場合であっても、標準機能として広角画像が標準画像に変換されるようにしてもよい。
このようにして、遠近感が強調された広角画像を、マッピングテーブルを用いて標準画像に変換した後、表示画面に表示するようにしている。これにより、人間の遠近感に合った画像が表示されることになり、車両周辺の状況を正しく把握することが可能になる。
以下、本実施形態に係る車両周囲画像提供装置10において行う車載カメラにより取得した広角画像から標準画像への変換に係る処理について、図3〜図7を参照しながら説明する。
図3(a)は、広角(180度以上)車載カメラで撮影された画像の一部を切り出して自車両の一部を模式化して示したものである。この図3(a)では、左方のドアミラーに設置された車載カメラで車両の前方の側面が撮像されている例を示している。図3(a)に示すように、広角カメラで撮像した自車両の一部の広角画像31は、カメラから遠い位置ほど小さく、カメラに近い位置ほど大きく撮像され、遠近感が強調されている。なお、図3(a)は、広角カメラで撮像した画像に対して歪曲歪を補正した後の画像を示している。また、図3(b)は、標準のカメラで撮影された自車両の一部を模式化してしめしたものである。図3(b)の自車両の一部の標準画像32は、図3(a)の広角画像31に対応している。この標準画像としては、例えば、35mmフィルム換算で焦点距離が50mmのレンズを使用して撮影した画像を想定している。
本実施形態の車両周囲画像提供装置では、図3(a)に示すような広角カメラで撮像された広角画像を、補正用のマッピングテーブル13を使用して、図3(b)に示すような標準画像に変換して表示部に表示させている。そこで、まず補正用のマッピングテーブル13について説明する。
マッピングテーブル13は、広角画像の画素データと標準画像の画素データとの対応関係が記述されたものである。この対応関係を求めるために、本実施形態では、基準となる被写体として「自車の一部」を利用している。
広角カメラと、標準カメラとを用いて、それぞれ自車の一部を共通の被写体として撮影する。例えば、ドアミラーに所要の角度で広角カメラを設置して、自車の一部を含むように撮影し、一フレーム分の撮像画像をメモリに記憶する。同様に、標準カメラをドアミラーに設置して、同じ自車の一部の画像を撮像する。
標準カメラで撮影された標準画像データと、広角カメラで撮影された広角画像データとを比較して、対応する画素を求め、広角画像から標準画像への変換規則を生成する。すなわち、広角画像の各画素の座標位置が、変換後には標準画像のどの座標位置に対応するかを示す座標変換値を各画素毎に求め、マッピングテーブル13のマッピングデータとして記述する。
図4(a)は、撮影画像の画素の座標系を示している。1フレームの左上の座標を原点(0,0)とし、X座標値は図面の右方向、Y座標値は図面の下方向に大きくなるものとする。図4(b)は、標準画像の座標系を示しており、図4(a)と同様に1フレームの左上の座標を原点としている。
例えば、広角画像の画素P1(100,50)が、標準画像の画素Q1(150,70)に変換されるものとする。この場合、図4(c)に示すように、マッピングテーブルのP1(100,50)の位置に変換後の座標位置(150,70)が記述される。
このように、自車が撮影された部分について対応する画素を検出し、画素毎に座標変換値を求め、マッピングテーブル13のマッピングデータとして記述する。これにより、自車の画像部分については、広角画像から標準画像への変換が可能となる。
次に、自車画像の座標変換値データから、自車の近傍の画像の座標変換規則の算出について説明する。
本実施形態では、自車の近傍の画像も、その自車の部分とほぼ同じように座標変換がされるものと仮定している。従って、自車の座標変換値を基準値とし、基準値からの変位量を考慮して自車の近傍の画素に対する座標変換規則を算出する。変換後の変位量は、広角画像に対する標準画像の倍率を変位量に乗じた値となる。ただし、この倍率は一定ではなく、図3(a)に示すような画像に対して、図3(b)の標準画像に近づけるためには、カメラから遠い位置ほどその画像を拡大し、カメラから近い位置は遠い位置ほど画像の拡大率を大きくしない。このように、部分的に倍率が異なる。そこで、広角画像を所要の単位で複数の領域に分割し、各領域毎に倍率を規定する。
図5(a)は、広角画像の領域分割を説明する図である。図5(a)に示すように、広角カメラで撮像した自車の一部の画像データに対して、カメラ設置位置からの所要の距離毎に複数の領域AR1〜AR4に分割する。
各領域AR1〜AR4には自車の一部が含まれるようにし、かつ、遠方に設定した領域はそれよりもカメラに近い側の領域に含まれるように領域を設定する。最もカメラに近い領域AR4は一フレーム全体と一致している。例えば、図5(a)では、領域AR1は領域AR2に、領域AR2は領域AR3に、領域AR3は領域AR4にそれぞれ含まれている。
標準カメラで撮像した標準画像に対しても同様に(図5(b)参照)、カメラからの距離に応じて複数の領域に分割する。この距離は、広角画像を分割する際に規定した距離と同じである。ただし、領域のサイズは、図5(a)の領域AR1が図5(b)の領域TAR1に変化するように、広角画像から標準画像へ変換する際の倍率に応じて変化する。
図5(a)において、領域AR1に着目する。この領域の中心に自車の一部であるラインL1が位置するようにする。このラインL1を標準画像(図5(b))と比較すると、倍率がTL1/L1となる。この倍率を領域AR1のy方向の中心倍率とする。また、領域AR1内に含まれる自車の一部のx方向成分については、標準画像と比較すると倍率がTH1/H1となる。この倍率を領域AR1のx方向の中心倍率とする。
図6は、自車の近傍の画像の画素に対する座標変換規則の生成を説明する図である。図6に示す領域AR1全体としてのx方向、y方向の倍率がそれぞれAx,Ayと求められたとする。
座標(x1、y1)の画素を基準点gとし、この基準点gが座標(X1,Y1)に変換されるものとする。この変換される点を変換基準点Gとする。
広角画像の基準点gからx方向に「−1」の点h(x1−1、y1)に着目すると、y座標は基準点gと同じであり、x座標は基準点よりも「−1」の位置に存在する。従って、座標変換後の座標は、変換基準点Gからx方向に「−Ax」だけ移動した位置になる。すなわち、点hは座標(X1,Y1)+((x1−x1−1)Ax、(y1−y1)Ay)の位置に変換されることとなる。なお、変換後の座標値が小数を含む場合は、小数点以下の四捨五入により整数値に変換する。
このようにして、自車画像の近傍の画素について変換規則を算出し、算出された座標位置の変換規則をマッピングテーブルの各画素にデータとして記述する。また、自車両の画像がx方向、y方向に変化する場合は、その比率に応じて座標変換位置をマッピングテーブルに記述する。上記説明では、領域AR1について説明したが、他の領域についても同様に各画素に対する変換規則を算出する。
以上のような座標変換において、領域内で倍率を一定にすると、領域間で画像が不連続になってしまう場合が発生する。例えば、図5で説明した例では、領域AR1に対してy方向の倍率をTL1/L1として算出していた。この場合、領域AR2の近傍では中心部と倍率が異なるにもかかわらずTL1/L1としたため、理想値よりも−y方向にずれ、また、領域AR2に対して領域AR1の近傍の画素の位置を変換するとき、倍率をTL2/L2とすると、+y方向にずれて座標変換される場合がある。このように、領域の境界付近で画像が不連続になってしまう。
これに対処するため、図7に示すように、領域AR1内において、y方向の倍率を中心付近の倍率(TL1/L1)と領域AR2付近の倍率(TL2/L2)の両倍率を考慮し、中心から隣接領域まで、倍率を変化させるようにする。
すなわち、中心から±y方向の隣接領域までの画素数をd1とし、中心におけるy方向の倍率をA1,領域境界付近のy方向の倍率をA2としたとき、中心からc1番目の画素に対するy方向の倍率は次式で算出される。
A1+((A2−A1)/d1)×c1
図7の例では、倍率A1はTL1/L1に対応し、倍率A2はTL2/L2に対応している。
また、x方向についても同様な現象が発生する場合があるため、x方向についても領域内で倍率を変化させるようにする。
例えば、図7において、中心から±x方向の隣接領域までの画素数をd2とし、中心におけるx方向の倍率をA3,領域境界付近のx方向の倍率をA4としたとき、中心からc2番目の画素に対するx方向の倍率は次式で算出される。
A3+((A4−A3)/d2)×c2
図7の例では、倍率A3はTL4/L4に対応し、倍率A4はTL5/L5に対応している。
このようにして算出した拡大・縮小倍率を用い、近傍の自車の画素を基準点として、各画素毎の座標変換規則を生成する。
以上説明したマッピングテーブル13を、左方カメラ11c又は右方カメラ11dの設置角度毎に用意する。
次に、広角画像を標準画像に補正する方法について図8及び図9のフローチャートを用いて説明する。
図8は、広角画像の補正処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS11において、マッピングテーブル13を作成する。マッピングテーブル13は広角画像の画素データと標準画像の画素データとの対応関係を示すものであり、その生成については図9を用いて後述する。
次のステップS12において、車両に設置された広角撮像装置によって車両の一部を含んだ車両外部の広角画像を取得する。
次のステップS13において、広角画像の1フレーム毎に画素単位に座標変換規則が記述されたマッピングテーブル13を参照して、ステップS12で取得した広角画像を標準画像に変換する。
次のステップS14では、表示画像メモリ19にステップS13で変換した1フレーム分の標準画像データを格納する。
次のステップS15では、表示画像メモリ19に格納された標準画像データに従って、ディスプレイ装置16の表示画面に変換された標準画像を表示する。
上記のステップS12からステップS15までを繰り返し行い、標準画像を表示画面に表示する。
次に、図9を参照しながらマッピングテーブル13の生成処理について説明する。
まず、ステップS21において、車両に設置された広角撮像装置によって、車両の一部を含む広角画像を取得する。
次のステップS22において、広角画像に対応する標準画像を生成する。例えば、撮像画面内の自車の中心部を基準とし、自車手前部および自車後端部の倍率が標準画像となるように、画像処理を行う。基準は任意に選択してよい。
次のステップS23において、広角画像及び標準画像のそれぞれを所要の距離で区切った複数の領域に分割する。この領域は、撮像装置から遠いほど、領域の面積が小さく、撮像装置に近い領域が遠い領域を含むように設定される。
次のステップS24において、ステップS23で設定した領域毎に広角画像から標準画像への変換倍率を算出する。この倍率は、x方向、y方向のそれぞれに対して算出する。例えば、領域の境界部分の倍率を求めて、その領域の中心倍率とする。また、各画素毎に領域内で倍率を変えて、隣り合う領域と連続性が保てるように倍率を算出する。
次のステップS25において、広角画像と標準画像との対応する画素データから、各画素に対する座標変換値を生成し、画素データの変換値をマッピングテーブル13に画像データの各画素毎に記述する。
次のステップS26において、ステップS25で生成した画素データの変換値及びステップS24で算出した倍率を基に、自車の画像の近傍の画素に対する変換規則を生成し、自車の画像以外の画素データの変換規則を、マッピングテーブル13に画素データの各画素毎に記述する。
以上説明したように、本実施形態の車両周囲画像提供装置では、自車の一部を撮像した広角画像とそれに対応する標準画像から、画素単位の変換規則を求めてマッピングテーブルを生成している。
このマッピングテーブルを使用し、広角カメラで撮像された車両周囲の画像を標準画像に変換している。これにより、広角画像で強調された遠近感を人間の感覚に近い遠近感になるようにでき、違和感のない画像を提供することが可能になる。
また、本実施形態のマッピングテーブルは、広角画像画素データと標準画像の画素データとの対応関係を示すものであり、自車を被写体として撮像している。また、自車の近傍の画像はその自車の部分と同じように画素データが変換されるものとしている。
なお、図5に示すように、広角画像から標準画像に変換する際に、例えば、ライン1の長さが長くなるように変換されている。この場合、対応する画素の数が異なるため、標準画像にしたときに画素値が定義されない画素が存在することになり、画質が多少粗くなってしまう。これに対して、表示画面の画素数を多くすることにより、粗さが感じられないようにすることが可能である。
また、画素値が定義されない画素が存在することのないように、画素を補間するようにしてもよい。たとえば、y方向に2倍の倍率で標準画像に変換される場合、広角画像の画素をy方向に連続して2画素分変換するようにする。このような変換を可能にするために、広角画像の位置Pの画素に対して、x方向及びy方向の画素の倍率をm(P,x、y)と定義し、m(P、0,2)のとき、標準画像に変換する際、変換先の座標位置(X,Y)および(X,Y−1)にPの画素を記述するようにする。これにより、補間処理を行わない場合よりも画質を向上させることができる。
また、自車の一部については上記したように座標変換データを取得している。従って、広角画像を取得した後、自車の部分についてはマッピングテーブルを用いて変換することなく、既知データとして標準画像に表示するようにしてもよい。ただし、その場合、車体に映る周辺の画像や太陽の光に応じた色を反映することはできないが、画像表示の処理速度の向上を図ることが可能となる。
また、上記説明では、実際に標準のカメラを用いて撮像した標準画像を基にして変換テーブルを作成する一例を示したが、これに限らず、自車両が撮像された広角画像を基に標準画像を算出して変換テーブルを作成するようにしてもよい。
また、上記説明では、広角画像に対して歪曲歪を補正した後の遠近感の補正について対象としたが、上記のマッピングテーブルを用いた補正の方法において、歪曲歪が含まれた状態の画像に対して補正を行うようにしてもよい。
本発明の一実施形態に係る車両周囲画像提供装置の構成を概略的に示すブロック図である。 図1の装置における各車載カメラの設置例を模式的に示す図である。 車両の一部を撮像した一例を示す模式図である。 マッピングテーブルを説明する図である。 画像の領域分割を説明する図である。 自車の近傍の画像の画素に対する座標変換規則の生成を説明する図である。 領域内でx方向、y方向の倍率を変化させる方法を説明する図である。 広角画像の補正処理の一例を示すフローチャートである。 マッピングテーブルの生成処理の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
10…車両周囲画像提供装置、
11a、11b、11c、11d…車載カメラ(撮像手段)、
12…画像処理部、
13…マッピングテーブル、
14…制御部(制御手段)、
15…操作部、
16…ディスプレイ装置(表示手段)、
17…撮影画像メモリ(記憶手段)、
18…画像変換部、
19…表示画像メモリ(記憶手段)。

Claims (19)

  1. 画面を通して情報を提供する表示手段と、
    自車両の一部を含めて車両周囲の広角画像を取得する撮像手段と、
    前記自車両の標準画像のデータを予め格納すると共に、前記撮像手段により取得された画像のデータを格納する記憶手段と、
    前記記憶手段に格納されている前記自車両の標準画像データ及び前記撮像手段により撮像された自車両の画像データから画像データ変換規則を生成する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記撮像手段により撮像された自車両及び自車両周囲の広角画像を前記画像データ変換規則に基づいて標準画像に変換してフレームデータを生成し、前記表示手段の画面に表示させることを特徴とする車両周囲画像提供装置。
  2. 前記撮像手段は、自車両の左方及び右方をそれぞれ撮影する車載カメラであり、各車載カメラは、それぞれ広角範囲で画像を取得可能に、かつ、少なくとも一方の車載カメラにより前記自車両の一部の画像を取得することを特徴とする請求項1に記載の車両周囲画像提供装置。
  3. 前記制御手段は、前記画像データ変換規則を画素毎に生成してマッピングテーブルを作成し、前記広角画像を標準画像に変換することを特徴とする請求項1に記載の車両周囲画像提供装置。
  4. 前記マッピングテーブルの画像データ変換規則は、各画素毎に前記広角画像の各画素の位置と前記標準画像の各画素の位置との対応関係が記述されてなることを特徴とする請求項3に記載の車両周囲画像提供装置。
  5. 前記自車両の一部の広角画像は、前記撮像手段からの距離に応じて自車両の広角画像をそれぞれ含む複数の領域に分割され、各領域毎に広角画像から標準画像へ変換する拡大又は縮小倍率が定義されていることを特徴とする請求項3に記載の車両周囲画像提供装置。
  6. 前記各領域内の自車両の近傍の各画素に対する画像データ変換規則は、自車両の画像データ変換規則による変換後の位置と、各画素の位置に前記拡大又は縮小倍率を乗じた距離により算出されることを特徴とする請求項5に記載の車両周囲画像提供装置。
  7. 前記各領域内の自車両の近傍の各画素に対する拡大又は縮小倍率は、当該領域内で連続的に変化していることを特徴とする請求項5に記載の車両周囲画像提供装置。
  8. 前記マッピングテーブルは、前記撮像手段の設置角度に応じて複数定義されていることを特徴とする請求項3に記載の車両周囲画像提供装置。
  9. 前記標準画像は、35mmフィルム換算で焦点距離が50mmのレンズを使用して撮影した場合の画像であることを特徴とする請求項1に記載の車両周囲画像提供装置。
  10. 前記マッピングテーブルの各画像データ変換規則は、広角画像の歪曲歪に対する補正データが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の車両周囲画像提供装置。
  11. 車両に設置された広角撮像手段によって車両の一部を撮像した広角画像と、当該広角撮像手段の位置から同じ車両の一部の標準画像を取得するステップと、
    前記広角画像と前記標準画像との対応する画素データから、画素毎に画像データ変換規則を生成し、各画素に対して当該変換規則を記述したマッピングテーブルを生成するステップと、
    車両に設置された広角撮像装置によって車両の一部を含んだ車両外部を撮像して広角画像を取得するステップと、
    前記マッピングテーブルに基づいて新たな画像フレームデータを生成するステップと、
    を有することを特徴とする広角画像の補正方法。
  12. 前記撮像手段は、自車両の左方及び右方をそれぞれ撮影する車載カメラであり、各車載カメラは、それぞれ広角範囲で画像を取得可能に、かつ、少なくとも一方の車載カメラにより前記自車両の一部の画像を取得することを特徴とする請求項11に記載の広角画像の補正方法。
  13. 前記マッピングテーブルの画像データ変換規則は、各画素毎に前記広角画像の各画素の位置と前記標準画像の各画素の位置との対応関係が記述されてなることを特徴とする請求項11に記載の広角画像の補正方法。
  14. 前記標準画像を取得するステップの後に、
    前記広角画像を前記撮像手段からの距離に応じて自車両の広角画像をそれぞれ含む複数の領域に分割するステップと、
    前記複数の領域の各領域毎に広角画像から標準画像へ変換する拡大又は縮小倍率を算出するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項11に記載の広角画像の補正方法。
  15. 前記マッピングテーブルを生成するステップは、
    自車両の広角画像と標準画像とが対応する画素データから座標変換値を算出して前記マッピングテーブルのマッピングデータとして記述するステップと、
    前記各領域内の自車両の近傍の各画素に対する画像データ変換規則を、自車両の画像データ変換規則による変換後の位置と、各画素の位置に前記拡大又は縮小倍率を乗じた距離とから算出して前記マッピングテーブルのマッピングデータとして記述するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項14に記載の広角画像の補正方法。
  16. 前記マッピングテーブルを生成するステップは、
    自車両の広角画像と標準画像とが対応する画素データから座標変換値を算出して前記マッピングテーブルのマッピングデータとして記述するステップと、
    前記各領域内の自車両の近傍の各画素に対して当該領域内で連続的に変化する拡大又は縮小倍率を算出するステップと、
    前記各領域内の自車両の近傍の各画素に対する画像データ変換規則を、自車両の画像データ変換規則による変換後の位置と、各画素の位置に当該拡大又は縮小倍率を乗じた距離とから算出して前記マッピングテーブルのマッピングデータとして記述するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項14に記載の広角画像の補正方法。
  17. 前記マッピングテーブルは、前記撮像手段の設置角度に応じて複数定義されることを特徴とする請求項11に記載の広角画像の補正方法。
  18. 前記標準画像は、35mmフィルム換算で焦点距離が50mmのレンズを使用して撮影した場合の画像であることを特徴とする請求項11に記載の広角画像の補正方法。
  19. 前記マッピングテーブルの各画像データ変換規則には、広角画像の歪曲歪に対する補正データが含まれることを特徴とする請求項11に記載の広角画像の補正方法。
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