JP2009197962A - Bearing unit - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、自動車の懸架装置やその他の機械装置に取り付けられて、回転軸を回転自在に支持する軸受ユニットに関する。 The present invention relates to a bearing unit that is attached to a suspension system of an automobile and other mechanical devices and rotatably supports a rotating shaft.
例えば自動車の懸架装置に取り付けられて、車輪を回転自在に支持する軸受ユニットは、図11に示すように構成されている。図11に示す軸受ユニット10は、主に外輪1と、内輪2と、複数個の転動体3、3、3……とから成る。このうち内輪2は、内輪本体4と内輪素子5とを組み合わせて成る。また、外輪1の内周面には2列の外輪軌道6、6が形成され、他方内輪2の外周面には、外輪軌道6、6に対向するように2列の内輪軌道7、7が形成されている。各転動体3は、外輪軌道6、6と内輪軌道7、7からなる2本の環状の軌道内に、図示しない保持具に複数個ずつ保持された状態で、転動自在に設けられている。
For example, a bearing unit that is attached to a suspension device of an automobile and rotatably supports a wheel is configured as shown in FIG. A
軸受ユニット10において、各転動体3を設置した内部空間13には、グリースを封入して、各転動体3の転動面と、外輪軌道6、6と内輪軌道7、7との転がり接触部を潤滑させている。
また、外輪1の内周面と、これと対向する内輪素子5の外周面との間にはシール14、シール18が設けられている。これらシール14、18により、内部空間13の両端開口が塞がれ、グリースが外部に漏れることを防止すると共に、外部からの雨水、泥、塵等の各種異物が内部に入り込むことを防止している。
In the
Further, a
このうち、シール14として、シール材を備えたシールリングと、シール材が摺接するスリンガを備えて断面が箱型のタイプ(組合せシールリング)が、車両のホイール部分などの厳しい泥水条件に耐える高性能シールとして普及している。このようなシール14の例を、図12(a)、(b)に示す。便宜的に、図12(a)のものをシール14a、図12(b)のものをシール14bとする。
シール14aは、全体が環状に形成され、シール芯金15と、スリンガ16と、シール材17とを組み合わせてなる。なお、ここで、シール芯金15と、当該シール芯金15に固定されるシール材17とを合わせてシールリング称し、シールリングのシール材17が摺接するスリンガ16と、シールリングとを合わせて組合せシールリングと称する。
このうち、シール芯金15は、外輪1の内周面に固定される筒型の円筒部15aと、この円筒部15aの環状の一方の端から径方向に沿って内側に折れ曲がるようにして形成された環状の円環部15bとを有し、断面がL字状に形成されている。
また、スリンガ16は、内輪素子5の外周面に固定される筒型の円筒部16aと、この円筒部16aの環状の一方の端から径方向に沿って外側に折れ曲がるようにして形成された環状の円環部16bとを有し、断面がL字状に形成されている。
シール材17は、例えばゴムなどの弾性材からなり、シール芯金15に対してその基端部が固定され、該基端部から延出するように3つのシールリップ17a、17b、17cが形成されている。シールリップ17aは、スリンガ16に向かって突出するように形成されており、その先端がスリンガ16の円環部16bの側面に全周にわたって摺接している。残りのシールリップ17b、17cの先端は、スリンガ16の円筒部16aの外周面に全周にわたって摺接している。
Among these, as the
The entire seal 14 a is formed in an annular shape, and is formed by combining a
Among these, the
The
The sealing
シール14bは、シール14a同様に、全体が環状に形成され、シール芯金23と、スリンガ22と、シール材25、26とを組み合わせてなる。なお、基本的にはシール14aに対してシール14bは、シール材25,26の構成が異なるが、その他はシール14aと同様の構成となっている。
シール芯金23は円筒部23aと円環部23bとを有し、スリンガ22は円筒部22aと円環部22bとを有し、いずれも断面がL字状に形成されている。
シール材25、26は、ゴムなどの弾性材からなり、シール材25は、シール芯金23に対してその基端部が固定され、該基端部から延出するようにシールリップ25aが形成されている。シールリップ25aの先端はスリンガ22の円筒部22aの側面に全周にわたって摺接している。シール材26は、スリンガ22に対してその基端部が固定され、該基端部から延出するようにシールリップ26a、26bが形成されている。シールリップ26aの先端はシール芯金23の円筒部23aの外周面に摺接し、シールリップ26bの先端はシール芯金23の円環部23bの側面に摺接している。したがって、シール14bにおいては、シール芯金23とスリンガ22とが互いにシール材25,26が取り付けられるシール芯金としての機能と、シール材が摺接されるスリンガとしての機能を兼ね備えた状態となっている。
The
The
The
以上のようなシールにおいては、加えて、スリンガやシール芯金は、加工のしやすさや低コストなどの理由により、SPCCなどの冷間圧延鋼板やステンレス鋼板などからプレス成形されて、製造されることが多い。スリンガの円筒部の直径方向の寸法の公差幅は、概ね0.1mm程度である。この値にハブなどのハウジングに生じる公差をあわせると、シールリングを内輪素子に圧入する際、全ての加工公差の合計である嵌合代のばらつきは大きくなる。
嵌合代が大き過ぎる場合、スリンガやシール芯金は薄肉であることから、変形することがある。例えば図12(c)に示すように、スリンガ16の円環部16bがテーパー状に変形する。このとき、シールリップ17aの締め代も変化し、弾性変形量も変化することから、シールリングの防水性能に悪影響を与えることがある。
そこで、シールリップの締め代限界から、スリンガやシール芯金の最大の嵌合代を設定し、その値から加工公差を差し引き、最小の嵌合代が決まることが多い。しかし、実際の嵌合代が、この最小嵌合代に近い値のとき、スリンガやシール芯金の弾性変形量があまり多くないため、嵌合力はあまり大きくない。そうなると、シールリングに大きな力が加わった場合に、スリンガやシール芯金が動いたり、それによりシールリップの締め代が変化したり、シールリップが変形することがある。
また、転動体の通過によって内輪や外輪がわずかずつ変形すると、前述の最小嵌合代に近い値のとき、クリープ変形が生じ、それが原因となってスリンガやシール芯金が移動してしまう。
以上のような、スリンガ・シール芯金のクリープ変形や移動、それによるシールリップの変形・締め代の変化が生じると、隙間が発生し防水性能が低下し、浸水などが生じる。
In addition to the above-described seals, slinger and seal metal are manufactured by being press-formed from cold-rolled steel plates such as SPCC or stainless steel plates for reasons such as ease of processing and low cost. There are many cases. The tolerance width of the diameter direction of the cylindrical portion of the slinger is about 0.1 mm. If the tolerance generated in the housing such as the hub is adjusted to this value, the variation in fitting allowance, which is the sum of all the processing tolerances, is increased when the seal ring is press-fitted into the inner ring element.
If the fitting allowance is too large, the slinger and the seal core are thin and may be deformed. For example, as shown in FIG. 12C, the
Therefore, in many cases, the maximum fitting allowance of the slinger and the seal metal core is set from the tightening margin limit of the seal lip, and the minimum fitting allowance is determined by subtracting the machining tolerance from the value. However, when the actual fitting allowance is close to the minimum fitting allowance, the amount of elastic deformation of the slinger and the seal core is not so large, and the fitting force is not so large. In this case, when a large force is applied to the seal ring, the slinger and the seal metal core may move, thereby changing the tightening margin of the seal lip or deforming the seal lip.
Further, when the inner ring and the outer ring are slightly deformed by passing the rolling element, creep deformation occurs when the value is close to the above-described minimum fitting allowance, and the slinger and the seal metal core move due to this.
When the creeping deformation or movement of the slinger / seal core as described above, and the deformation / tightening change of the seal lip as a result, a gap is generated, the waterproof performance is deteriorated, and water is flooded.
ところで、シールのスリンガの移動を防止する構造として、次のような技術が提案されている。
特許文献1では、内輪に溝を設け、一方スリンガにはこの溝に係止する係止部を形成し、スリンガの移動を防ぐとしている。
By the way, the following techniques have been proposed as a structure for preventing the movement of the slinger of the seal.
In
しかしながら、特許文献1の移動防止構造を採用したとしても、実際には加工公差から生じる嵌合代の大きさによっては十分な効果は期待できない。つまり、加工公差による嵌合代のばらつきの問題がある以上、それを原因とするスリンガやシール芯金の移動やそれによる水の浸入のおそれがある。
However, even if the movement prevention structure disclosed in
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、加工公差を要因とする嵌合代のばらつきの問題を考慮して、スリンガやシール芯金の移動とクリープ変形を防止し、ひいては水の浸入を防止できるシールリングを有する軸受ユニットを提供することを目的とする。 The present invention has been made in view of the above circumstances, and in consideration of the problem of variation in fitting allowance due to processing tolerances, prevents the movement and creep deformation of slinger and seal core metal, and consequently water. An object of the present invention is to provide a bearing unit having a seal ring that can prevent intrusion.
前記目的を達成するために、請求項1に記載の軸受ユニットは、内周面に軌道面を有する外輪と、外周面に軌道面を有し、その内側において回転軸を支持可能に形成された内輪と、前記外輪の軌道面と前記内輪の軌道面との間に転動自在に配された複数の転動体と、前記外輪の前記内周面と、前記内輪の前記外周面とによって形成される空間の開口を塞ぐように設けられたシールとを備え、前記シールには、筒状の円筒部と、この円筒部の一方の端から径方向に沿って内側もしくは外側に折れ曲がるように環状に形成された円環部とを有し、断面ほぼL字状に形成され、前記円筒部を前記外輪の内周面もしくは前記内輪の外周面に嵌め合わせて取り付けられたL型部材が設けられている軸受ユニットにおいて、前記外周面もしくは内周面の前記円筒部の取付位置には、前記円筒部に覆われる凹部が設けられ、前記円筒部には、前記凹部に重なる位置に貫通穴が設けられ、前記貫通穴から前記凹部にかけて、当該貫通孔および前記凹部に注入されて固化した固化部材が設けられていることを特徴とする。
In order to achieve the object, the bearing unit according to
この請求項1に記載された発明においては、L型部材の貫通穴から、内輪または外輪の嵌合面(内輪の外周面もしくは外輪の内周面)に形成された凹部にかけて、一体に固化した固化部材が設けられているため、嵌合面の凹部内の固化部材が、L型部材の貫通穴にも係合し、凹部とL型部材は固化部材を介して一体に結合されている。したがって、L型部材がプレス成形されたものであっても加工公差の大小に関係なく、嵌合面の所定の位置から移動することはできないし、クリープ変形も生じにくい。すなわち、固化部材は、内輪もしくは外輪にL型部材が取り付けられた後に、上述の貫通孔および凹部に注入されて固化されるので、加工公差を吸収した状態で貫通孔および凹部を一体の形としてモールド成形された状態となる。 In the first aspect of the invention, the L-shaped member is solidified integrally from the through hole of the L-shaped member to the recess formed on the inner ring or outer ring fitting surface (the outer peripheral surface of the inner ring or the inner peripheral surface of the outer ring). Since the solidifying member is provided, the solidifying member in the concave portion of the fitting surface is also engaged with the through hole of the L-shaped member, and the concave portion and the L-shaped member are integrally coupled via the solidifying member. Therefore, even if the L-shaped member is press-molded, it cannot move from a predetermined position on the fitting surface regardless of the processing tolerance, and creep deformation hardly occurs. That is, after the L-shaped member is attached to the inner ring or the outer ring, the solidified member is injected and solidified into the above-described through-holes and recesses, so that the through-holes and the recesses are integrated into a single shape while absorbing processing tolerances. It is in a molded state.
この請求項1において、L型部材としては、具体的には、前述のスリンガやシール芯金が挙げられる。例えば、スリンガであれば、スリンガの円筒部が嵌合する嵌合面は内輪の外周面であるし、シール芯金であれば、シール芯金の円筒部が嵌合する嵌合面は外輪の内周面である。また、スリンガは、シール芯金に固定されたシール材のシールリップが摺説するもの以外に、例えば、ラビリンスシールのラビリンスを形成するためのシールドとしてのスリンガであってもよい。また、スリンガが速度検出などに用いられるエンコーダのトーンリング(トーンホイール)を兼ねていたり、これらを支持していてもよい。また、シール芯金は、シール材が固定されるものだけではなく、エンコーダのトーンリング(トーンホイール)が固定されるものであったりしてもよい。
また、シールとしての機能を持たずに、シールにおいてL型部材が独立したトーンリングやトーンホイールとして機能するものであってもよく、この際に、トーンリングが多極に着磁されて磁気により回転角度を測定するものであっても良いし、スリットや孔により光の反射で光学的に回転角度を測定するものであってもよい。
また、凹部の形状や個数は特に限定されない。凹部は、環状の嵌合面の周面において、円周に沿って断続的に複数個形成されていてもよいし、1つだけ設けてもよい。また、1周つながっていてもよい。1周つながっている場合にも円環状に形成されていてもよいし、嵌合面の周面に沿って、波線状であってもよい。縦断面形状も、矩形でもよいし、円形や楕円形、さらには三角形や五角形などでもよい。
貫通穴は、その形状は限定されず、1つでもよいが、スリンガの移動防止効果が高いことから、複数設けられることが好ましい。その場合、L型部材の円筒部に周方向に沿って断続的に設けられていてもよいし、周方向に沿わず、ランダムに配置されていてもよい。L型部材を嵌合面に嵌合させるとき、貫通穴を凹部に対して位置を合わせる必要があるが、貫通穴の中心と凹部の中心を合わせる必要はなく、モールド成形時に樹脂が通ればよく、多少ずれていてもよい。
また、モールド成形に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂、ゴム、接着剤、シーリング材が挙げられる。
In the first aspect of the present invention, as the L-shaped member, specifically, the above-mentioned slinger or seal metal core can be used. For example, in the case of a slinger, the fitting surface to which the cylindrical portion of the slinger is fitted is the outer peripheral surface of the inner ring, and in the case of a seal core, the fitting surface to which the cylindrical portion of the seal core is fitted is the outer ring. This is the inner surface. Further, the slinger may be a slinger as a shield for forming the labyrinth of the labyrinth seal, for example, other than the one described by the seal lip of the sealing material fixed to the seal core. The slinger may also serve as or support a tone ring (tone wheel) of an encoder used for speed detection or the like. Further, the seal metal core is not limited to the one to which the seal material is fixed, but may be the one to which the tone ring (tone wheel) of the encoder is fixed.
In addition, the L-shaped member may function as an independent tone ring or tone wheel in the seal without having a function as a seal. The rotation angle may be measured, or the rotation angle may be measured optically by reflection of light through a slit or a hole.
Further, the shape and number of the recesses are not particularly limited. A plurality of recesses may be formed intermittently along the circumference on the peripheral surface of the annular fitting surface, or only one recess may be provided. Moreover, you may be connected 1 round. Even when they are connected one round, they may be formed in an annular shape, or may be wavy along the peripheral surface of the fitting surface. The longitudinal sectional shape may also be a rectangle, a circle or an ellipse, or a triangle or a pentagon.
The shape of the through hole is not limited and may be one. However, it is preferable to provide a plurality of through holes because the effect of preventing the movement of the slinger is high. In that case, the cylindrical portion of the L-shaped member may be provided intermittently along the circumferential direction, or may be randomly arranged without being along the circumferential direction. When fitting the L-shaped member to the fitting surface, it is necessary to align the position of the through hole with respect to the recess, but it is not necessary to align the center of the through hole with the center of the recess, as long as the resin passes through during molding , It may be slightly off.
Examples of the resin used for molding include thermoplastic resins, rubber, adhesives, and sealing materials.
請求項2に記載された軸受ユニットは、請求項1に記載された発明において、前記凹部は前記外周面もしくは内周面上に略周方向に沿って円環状に形成され、前記固化部材は前記凹部に沿って円環状に形成されていることを特徴とする。
この請求項2に記載された発明においては、凹部は円環状に形成され、固化部材は凹部に沿って環状につながって形成されているため、固化部材が凹部内で軸方向に動くことができない。したがって、固化部材によって、スリンガの移動は止められるので、移動を確実に防止することができる。また、L型部材を嵌合面に嵌合させる際に、周方向において貫通穴を凹部に対して位置あわせする必要はない。
また、固化部材がL型部材と内輪の外周面もしくは外輪の内周面との間に切れることなく連続して存在することになるので、これら固化部材と外輪もしくは内輪との間の防水性を高めることができる。
なお、請求項2の発明では、L型部材の円筒部の貫通穴は、環状の凹部に合わせて、円筒部の周方向に沿って、複数個設けられることが好ましい。
The bearing unit described in
In the invention described in
Further, since the solidified member is continuously present without being cut between the L-shaped member and the outer peripheral surface of the inner ring or the inner peripheral surface of the outer ring, the waterproof property between the solidified member and the outer ring or the inner ring is improved. Can be increased.
In the invention of
請求項3に記載された軸受ユニットは、請求項2に記載された発明において、前記凹部の円環状の底面の中心軸が、当該凹部が形成される外輪の内周面もしくは内輪の外周面の中心軸に対して偏心した状態とされていることを特徴とする。
この請求項3に記載された発明においては、凹部の底面によって形成される円の中心が、軸受ユニットの軸方向の中心線に対して偏心している。つまり、凹部の深さが一定ではなく、最も浅い位置を0度とすると徐々に深くなり、180度の位置で最も深くなり、180度を超えると再び0度の位置に向かって徐々に浅くなっていくように、凹部の深さが変わる。したがって、凹部内にモールド成形された固化部材もそれに合せた形状であるため、深さが一定であるよりも、固化部材は凹部に対して動きにくくなり、固化部材を介してL型部材の移動やクリープ変形をより一層防止できる。すなわち、環状の凹部内に設けられる環状の固化部材が凹部に対して周方向に回転移動してしまうのを防止することができる。
According to a third aspect of the present invention, there is provided the bearing unit according to the second aspect, wherein the center axis of the annular bottom surface of the concave portion is the inner peripheral surface of the outer ring or the outer peripheral surface of the inner ring where the concave portion is formed. It is characterized by being eccentric with respect to the central axis.
In the invention described in
請求項4に記載された軸受ユニットは、請求項2に記載された発明において、前記円環状の凹部の中心軸方向が、当該凹部が形成される外輪もしくは内輪の中心軸方向に対して傾いていることを特徴とする。
この請求項4に記載された発明においては、凹部の円中心を通る中心線が、軸受ユニットの軸方向の中心線に対して、傾いているため、中心線が一致している場合よりも、固化部材は凹部に対して動きにくくなり、その結果、固化部材を介してL型部材の軸方向の移動やクリープ変形をより一層防止できる。
この場合にも、環状の凹部に対して環状の固化部材が周方向に沿って回転移動してしまうのを防止することができる。
According to a fourth aspect of the present invention, in the bearing unit according to the second aspect, the center axis direction of the annular recess is inclined with respect to the center axis direction of the outer ring or the inner ring where the recess is formed. It is characterized by being.
In the invention described in
Also in this case, it is possible to prevent the annular solidified member from rotating and moving along the circumferential direction with respect to the annular recess.
請求項5に記載された軸受ユニットは、請求項2に記載された発明において、前記円環状の凹部の幅が当該凹部が形成される外輪もしくは内輪の位相位置によって変化していることを特徴とする。
この請求項5に記載された発明においては、凹部は、位相位置によって幅が変化するように形成されているため、凹部の幅が一定ではない。したがって、凹部内にモールド成形された固化部材もそれに合せた形状であるため、固化部材は凹部に対して動きにくい。その結果、固化部材を介してL型部材の移動やクリープ変形をより一層防止できる。
この場合にも、環状の凹部に対して環状の固化部材が周方向に沿って回転移動してしまうのを防止することができる。
The bearing unit described in
In the invention described in
Also in this case, it is possible to prevent the annular solidified member from rotating and moving along the circumferential direction with respect to the annular recess.
前記目的を達成するために、請求項6に記載の軸受ユニットは、内周面に軌道面を有する外輪と、外周面に軌道面を有し、その内側において回転軸を支持可能に形成された内輪と、前記外輪の軌道面と前記内輪の軌道面との間に転動自在に配された複数の転動体と、前記外輪の前記内周面と、前記内輪の前記外周面とによって形成される空間の開口を塞ぐように設けられたシールとを備え、前記シールには、筒状の円筒部と、この円筒部の一方の端から径方向に沿って外側に折れ曲がるように環状に形成された円環部とを有し、断面がほぼL字状に形成され、前記円筒部の内周面を前記内輪の外周面に嵌め合わせて取り付けられたスリンガが設けられている軸受ユニットにおいて、前記内輪の外周面の前記スリンガが設けられる位置には、凹部が設けられ、前記スリンガは、断面がL字状に形成された環状のスリンガ型と前記凹部が設けられた前記内輪の外周面とを一体の型として、樹脂をモールド成形することで形成された樹脂製であって、前記円筒部の内周面には前記凹部を型として形成された凸部が設けられていることを特徴とする。
In order to achieve the object, the bearing unit according to
この請求項6に記載された発明においては、スリンガが、円筒部および円環部さらに凸部まで一体にモールド成形された樹脂製であるため、プレス成形よりも加工公差のばらつきを抑えることができるうえに、スリンガの円筒部の凸部が、成形後にそのまま内輪の凹部に係合した状態であるため、スリンガは移動できない。したがって、スリンガは、加工公差を要因とする嵌合代の大小に関係なく、内輪に対して、移動することはないし、クリープ変形も起きにくい。
ここで、モールド成形に用いられる樹脂としては、融点が軸受ユニットの使用温度以上であって、内輪の焼戻し温度以下の融点を有する、親水性でない熱可塑性樹脂、例えば、ポリカーボネートやポリアセタール、ポリフェニレンサルファイドなどが好適である。樹脂は硬化すると体積が減少するため、モールド成形後の樹脂により内輪が締め付けられ、すなわちスリンガの円筒部が嵌合面である内輪の外周面を締め付けることになるので、嵌合面からの浸水を防止できる。
また、熱可塑性樹脂は加熱矯正可能であることから、スリンガに「振れ」などの問題が生じても、手直しが可能である。
凹部の形状や個数は特に限定されない。凹部は、内輪の外周面において、円周に沿って断続的に複数個形成されていてもよいし、1つだけ設けてもよい。また、1周つながっていてもよい。1周つながっている場合にも円環状に形成されていてもよいし、嵌合面の周面に沿って、波線状であってもよい。縦断面形状も、矩形でもよいし、円形や楕円形、さらには三角形や五角形などでもよい。
In the invention described in
Here, as the resin used for molding, a non-hydrophilic thermoplastic resin having a melting point not lower than the operating temperature of the bearing unit and not higher than the tempering temperature of the inner ring, such as polycarbonate, polyacetal, polyphenylene sulfide, etc. Is preferred. Since the volume of the resin decreases when the resin is cured, the inner ring is tightened by the resin after molding, that is, the cylindrical portion of the slinger tightens the outer peripheral surface of the inner ring, which is the mating surface. Can be prevented.
In addition, since the thermoplastic resin can be heated and corrected, it can be corrected even if a problem such as “runout” occurs in the slinger.
The shape and number of the recesses are not particularly limited. A plurality of recesses may be formed intermittently along the circumference on the outer peripheral surface of the inner ring, or only one recess may be provided. Moreover, you may be connected 1 round. Even when they are connected one round, they may be formed in an annular shape, or may be wavy along the peripheral surface of the fitting surface. The longitudinal sectional shape may also be a rectangle, a circle or an ellipse, or a triangle or a pentagon.
請求項7に記載された軸受ユニットは、請求項6に記載された発明において、前記凹部は前記内輪の外周面の周方向に沿って円環状に形成され、前記凸部は前記凹部に沿って円環状に形成されていることを特徴とする。
この請求項7に記載された発明においては、凹部は円環状に形成され、凸部は凹部に沿って環状につながって成形されるため、凸部が凹部内で軸方向に動くことができない。したがって、凸部によって、スリンガの移動は止められるので、移動を確実に防止することができる。
The bearing unit described in
In the invention described in
請求項8に記載された軸受ユニットは、請求項7に記載された発明において、前記凹部の円環状の底面の中心軸が、当該凹部が形成される内輪の外周面の中心軸に対して偏心した状態とされていることを特徴とする。
この請求項8に記載された発明においては、凹部の底面によって形成される円の中心軸が、内輪の外周面の軸受ユニットの中心軸に対して偏心している。つまり、凹部の深さが一定ではなく、たとえば、最も浅い位置を0度とすると徐々に深くなり、180度の位置で最も深くなり、180度を超えると再び0度の位置に向かって徐々に浅くなっていくように、凹部の深さが変わる。したがって、凹部内にモールド成形された凸部もそれに合せた形状であるため、深さが一定であるよりも凹部に対して動きにくくなり、スリンガの移動やクリープ変形をより一層防止できる。
すなわち、内輪に対するスリンガの周方向の移動を確実に防止できる。
The bearing unit described in
In the invention described in
In other words, the circumferential movement of the slinger with respect to the inner ring can be reliably prevented.
請求項9に記載された軸受ユニットは、請求項7に記載された発明において、前記円環状の凹部の中心軸方向方向が、当該凹部が形成される内輪の中心軸方向に対して傾いていることを特徴とする。
この請求項9に記載された発明においては、凹部の円中心を通る中心軸が、軸受ユニットの中心軸に対して傾いているため、中心軸が一致している場合よりも、凸部は凹部に対して動きにくくなり、その結果、スリンガの移動やクリープ変形をより一層防止できる。
すなわち、内輪に対するスリンガの周方向の移動を確実に防止できる。
In the bearing unit described in
In the invention described in
In other words, the circumferential movement of the slinger with respect to the inner ring can be reliably prevented.
請求項10に記載された軸受ユニットは、請求項7に記載された発明において、前記円環状の凹部の幅が当該凹部が形成される内輪の位相位置によって変化していることを特徴とする。
この請求項10に記載された発明においては、凹部は、位置によって幅が変化するように形成されているため、凹部の幅が一定ではない。したがって、凹部内にモールド成形された凸部もそれに合せた形状であるため、幅が一定であるよりも、凸部は凹部に対して動きにくくなっている。その結果、スリンガの移動やクリープ変形をより一層防止できる。
すなわち、内輪に対するスリンガの周方向の移動を確実に防止できる。
The bearing unit described in
In the invention described in
In other words, the circumferential movement of the slinger with respect to the inner ring can be reliably prevented.
請求項11に記載された軸受ユニットは、請求項6ないし請求項10のいずれかに記載された発明において、筒状の円筒部と、この円筒部の一方の端から径方向に沿って外側に折れ曲がるように環状に形成された円環部とを有し、断面がL字状に形成された金属製スリンガを備え、当該金属製スリンガの円筒部内に前記樹脂製のスリンガの円筒部が挿入された状態とされるとともに、前記樹脂製のスリンガの円環部と前記金属製スリンガの円環部どうしが密着した状態で前記樹脂製のスリンガの円筒部の外周に、前記金属製スリンガの円筒部が嵌合されていることを特徴とする。 A bearing unit according to an eleventh aspect is the invention according to any one of the sixth to tenth aspects, in which the cylindrical cylindrical portion and the one end of the cylindrical portion are radially outward from one end. A metal slinger having an annular part formed in an annular shape so as to be bent, and having a cross section formed in an L shape, and the cylindrical part of the resin slinger is inserted into the cylindrical part of the metal slinger. A cylindrical portion of the metal slinger on the outer periphery of the cylindrical portion of the resin slinger in a state where the annular portion of the resin slinger and the annular portion of the metal slinger are in close contact with each other. Is fitted.
この請求項11に記載された発明においては、樹脂製のスリンガに密着するように金属製スリンガが取り付けられるため、弾性の点から樹脂製スリンガよりも好適な金属製スリンガを、シール材のシールリップの摺動面として利用できる。
In the invention described in
請求項12に記載された軸受ユニットは、請求項11に記載された発明において、前記金属製スリンガは、前記樹脂製のスリンガに接着剤で固定されていることを特徴とする。
この請求項12に記載された発明においては、金属製スリンガは樹脂製のスリンガに接着剤で固定されているため、金属製スリンガと樹脂製のスリンガはお互いに対して回転することはない。
According to a twelfth aspect of the present invention, in the invention described in the eleventh aspect, the metal slinger is fixed to the resin slinger with an adhesive.
In the invention described in
請求項13に記載された軸受ユニットは、請求項11または請求項12に記載された発明において、前記金属製スリンガと前記樹脂製のスリンガとには、当該金属製スリンガと樹脂製のスリンガとの間での相対的な周方向への移動を規制するように互いに噛み合う凹凸構造が設けられていることを特徴とする。
この請求項13に記載された発明においては、金属製スリンガと樹脂製のスリンガはお互いに対して回転することはない。
The bearing unit according to
In the invention described in
請求項14に記載された軸受ユニットは、請求項11ないし請求項13のいずれかに記載された発明において、前記金属製スリンガは磁性体であり、前記樹脂製のスリンガには、磁性材料が含まれ、多極に磁化されていることを特徴とする。
この請求項14に記載された発明においては、金属製スリンガは磁性体であり、樹脂製のスリンガは多極に磁化されているため、速度検出などに用いられるエンコーダとして利用できる。
According to a fourteenth aspect of the present invention, in the invention described in any one of the eleventh to thirteenth aspects, the metal slinger is a magnetic body, and the resin slinger includes a magnetic material. It is characterized by being magnetized in multiple poles.
In the invention described in
なお、請求項1〜14のいずれにおいても、外輪および内輪はそれぞれ、一つの部材であってもよいし、複数の部材から構成されていてもよい。また、これら両部材が対向することで形成される軌道は一つでも複数でもよい。また、転動体は、球でもよいし、円錐ころであってもよい。例えば、複列アンギュラ玉軸受や複列円すいころ軸受などを本発明の軸受ユニットとして挙げられる。
In any one of
本発明の第1の発明の軸受ユニットによれば、内輪または外輪の嵌合面に形成された凹部内の固化部材が、L型部材の貫通穴にも係合し、凹部とL型部材は固化部材を介して一体に結合されている。したがって、L型部材がプレス成形されたものであっても、凹部と固化部材において嵌合面に確実に係止されるため、加工公差を要因とする嵌合代の大小に関係なく、嵌合している外輪または内輪に対して、嵌合面の所定の位置から移動することはできないし、クリープ変形も生じにくい。その結果、L型部材の移動や変形を要因とする水の浸入を防止できる。
本発明の第2の発明の軸受ユニットによれば、スリンガが、円筒部および円環部さらに凸部まで一体にモールド成形された樹脂製であるため、プレス成形よりも加工公差のばらつきを抑えることができるうえに、スリンガの円筒部の凸部が、成形後もそのまま内輪の凹部に係合した状態であるため、スリンガは移動できない。したがって、スリンガは、加工公差を要因とする嵌合代の大小に関係なく、内輪に対して、移動することはないし、クリープ変形も起きにくい。その結果、L型部材の移動や変形を要因とする水の浸入を防止できる。
According to the bearing unit of the first invention of the present invention, the solidified member in the recess formed on the fitting surface of the inner ring or the outer ring engages with the through hole of the L-shaped member, and the recess and the L-shaped member are They are coupled together via a solidifying member. Therefore, even if the L-shaped member is press-molded, it is securely locked to the fitting surface in the recess and the solidified member, so that the fitting is possible regardless of the size of the fitting allowance due to processing tolerances. It cannot move from a predetermined position on the fitting surface with respect to the outer ring or inner ring, and creep deformation hardly occurs. As a result, it is possible to prevent water from entering due to movement or deformation of the L-shaped member.
According to the bearing unit of the second invention of the present invention, the slinger is made of resin that is integrally molded up to the cylindrical portion, the annular portion, and the convex portion, so that variation in processing tolerance is suppressed more than press molding. In addition, since the convex part of the cylindrical part of the slinger is in a state of being engaged with the concave part of the inner ring as it is after molding, the slinger cannot move. Therefore, the slinger does not move relative to the inner ring regardless of the size of the fitting allowance caused by the machining tolerance, and creep deformation hardly occurs. As a result, it is possible to prevent water from entering due to movement or deformation of the L-shaped member.
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、シールにあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分について主に言及する。図11および図12と全く共通する部材については同一の符号を付して説明する。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. The feature of the present invention resides in the seal, and other configurations and operations are the same as those of the conventional configuration and operations described above. Therefore, the following will mainly refer to the characteristic portions of the present invention. Members that are completely the same as those in FIGS. 11 and 12 will be described using the same reference numerals.
図1は、本発明の第1の発明の第1の実施形態を示している。
図示のように、軸受ユニット20は、主に外輪1と、内輪2と、複数個の転動体3、3、3……とから成る。このうち内輪2は、内輪本体4と内輪素子5とを組み合わせて成る。また、外輪1の内周面には外輪軌道6、6が形成され、他方内輪2の外周面には内輪軌道7、7が形成され、各転動体3は、外輪軌道6、6と内輪軌道7、7からなる2本の環状の軌道内に、図示しない保持具に複数個ずつ保持された状態で、転動自在に設けられている。
軸受ユニット20を車両の懸架装置に取り付ける際には、懸架装置を構成するナックル8に外輪1をボルト等で固定すると共に、内輪本体4に設けられた取付フランジ9を車輪にボルト等で固定する。また、内輪本体4の中心部に設けたスプライン孔10に、等速ジョイント11に付属のスプライン軸12を係合させる。これにより、軸受ユニット20は、懸架装置に固定されつつ、車輪を回転自在に支持する。
FIG. 1 shows a first embodiment of the first invention of the present invention.
As illustrated, the bearing unit 20 mainly includes an
When the bearing unit 20 is attached to the suspension device of the vehicle, the
軸受ユニット20において、各転動体3を設置した内部空間13には、グリースを封入して、各転動体3の転動面と、外輪軌道6、6と内輪軌道7、7との転がり接触部を潤滑させている。
また、外輪1の車両側の端部の内周面と、これと対向する内輪素子5の外周面との間にはシール30が設けられている。他方、外輪1の車輪側の端部の内周面と、これと対向する内輪本体4の外周面との間には、シール18が設けられている。これらシール30、18により、内部空間13の両端開口が塞がれ、グリースが外部に漏れることを防止すると共に、外部からの雨水、泥、塵等の各種異物が内部に入り込むことを防止している。
In the bearing unit 20, grease is sealed in the
Further, a
シール30を、図2(a)に示した。なお、本実施形態では、シールとして図2(b)のシール30bも適用できる。シール30、30bのシール芯金、シール材については、図12(a)、(b)に示した従来のシール芯金15、23およびシール材17、25、26と同様であるので、同符号を付してある。以下の実施の形態は、図2(a)のスリンガ36、同(b)のスリンガ32のいずれにも適用できるが、以降スリンガ36を例に説明する。
The
本実施の形態において、図3に示すように、内輪2の内輪素子5の外周面に設けられているシール30との嵌合面5bの中央部分には、凹部5aが形成されている。凹部5aは断面半円形状を有し、嵌合面5bに沿って円環状につながった溝である。図3(a)に示すように、凹部5aの円中心を通る中心線(中心軸)n1は、軸受ユニット20の軸方向の中心線(中心軸)mに対して、わずかに傾くように形成されている。言い換えると、凹部5aが描く円の軌跡は、内輪素子5(の外周面)の軸方向の中心線に対して直交する面よりも、わずかに斜めに傾いた面にある。その傾き角度は、以下のような条件に収まる必要がある。すなわち、凹部5aに連通する貫通穴36cが形成されるスリンガ36の円筒部36aの中心線が内輪素子5の中心線と一致するように配置されるので、貫通穴36cと凹部5aが重なるように、凹部5aがスリンガ36の円筒部36aの軸方向に沿った範囲内に収まる必要があり、さらに、円筒部36aの軸方向に沿った範囲で、かつ、円筒部36aのシールリップ17b、17cが摺接する部分を除く範囲に収まる必要がある。
なお、シールリップ17b、17cは、貫通穴36cや、その内部に固化する固化部材40に接触せずに、スリンガ36の円筒部36aの外周面に当接している必要がある。
したがって、円筒部36aのシールリップ17b、17cが摺接する部分を除く範囲内に凹部5aが収まる範囲で凹部5aの中心線を内輪素子5の中心線に対して傾けることが可能となる。
In the present embodiment, as shown in FIG. 3, a
The
Accordingly, it is possible to incline the center line of the
スリンガ36は、従来と同様に、筒状の円筒部36aと、円筒部36aの一方の端から径方向に沿って外側に折れ曲がるように環状に形成された円環部36bとを有し、断面ほぼL字状に形成され、円筒部36aを内輪素子5の嵌合面5b(外周面)に嵌め合わせて取り付けられる。
円筒部36aには、凹部5aに重なる位置に貫通穴36cが複数個形成されている。円筒部36aは嵌合面5bに対して凹部5aを軸方向にまたいで、貫通穴36cが凹部5aに重なるように取り付けられる。すなわち、円筒部36aは、凹部5aを覆っており、円筒部36aの凹部5aを覆って凹部5aと重なっている部分に貫通穴36cが設けられている。なお、図2(a)に示すように、スリンガ36の円筒部36aにはシール材17のシールリップ17b、17cが摺接することから、貫通穴36cはこれら摺接位置とは異なる位置に設けられる。また、スリンガ36を金属板からプレス成形で作製する際、スリンガ用のブランクを抜くと同時に貫通穴36c用の穴を打ち抜き、その後バーリング加工でL字状に形成すればよい。
スリンガ36を嵌合面5bに固定した後、貫通穴36cから樹脂を凹部5aに流しこみ(注入し)、貫通穴36cと凹部5aとを一体の型としてモールド成形して固化させることで、固化部材40が形成される。複数の貫通穴36cから流された樹脂が凹部5a内で一体となることで、固化部材40は、凹部5aに沿って環状につながるように形成される。貫通穴36cにおいては、図2および図3に示すように、貫通穴36cの上面に樹脂が盛り上がるように固化部材40を形成する。
ここで用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂やゴム、接着剤が挙げられるが、特に常温で硬化するタイプのゴムやシーリング材用の樹脂が好ましい。これらは、硬化後の体積の減少があまりなく、貫通穴36cの周囲やスリンガ36の円筒部36aの内周面と樹脂との間の隙間発生が少ないからである。
The
A plurality of through
After fixing the
Examples of the resin used here include thermoplastic resins, rubbers, and adhesives, but rubbers that cure at room temperature and resins for sealing materials are particularly preferable. This is because there is not much decrease in volume after curing, and there is little generation of a gap between the periphery of the through
以上のように本実施形態においては、スリンガ36の貫通穴36cから樹脂を注入し、貫通穴36cと内輪素子5の凹部5aを一体の型としてモールド成形された固化部材40が設けられているため、凹部5aとスリンガ36は固化部材40を介して一体に結合されている。したがって、スリンガ36がプレス成形されたものであっても、固化部材40により嵌合面5bに確実に係合しているため、加工公差を要因とする嵌合代の大小に無関係に、内輪素子5に対して、移動することはない。また、円筒部36aが固化部材によって固定されているため、クリープ変形なども生じにくい。
また、凹部5aは円環状に形成され、しかも、凹部の円中心を通る中心線が、軸受ユニットの軸方向の中心線に対して傾き、固化部材40は凹部5aに沿って環状につながって形成されているため、固化部材40は周方向においても、軸方向においても凹部5a内で容易に動くことはできない。したがって、スリンガの移動を確実に防止することができる。
また、凹部5aが円環状の溝であるため、スリンガ36を嵌合面5bに嵌合させる際に、周方向において貫通穴36cを凹部5aに対して位置あわせする必要はない。なお、この場合に上述のように傾いた凹部5aの範囲内に貫通穴36cが収まる状態となっている必要がある。すなわち、貫通穴36cは、凹部5aの幅方向(軸方向)の中心ある必要はなく、凹部5aの位置によって貫通穴36cと凹部5aの幅方向の中心との距離が変化してもかまわないが、凹部5aに対するスリンガ36の角度が変化しても、凹部5aの範囲内に貫通穴36cがあり、凹部5aと貫通穴36cが必ず重な状態となる必要がある。
As described above, in the present embodiment, since the resin is injected from the through
The
Moreover, since the recessed
図4には、第1の発明の第2の実施形態を示した。
なお、第1の発明の第2の実施形態は、その固化部材40の形状以外の構成は、第1の発明の第1の実施形態と同様である。
モールド成形時、固化部材40のように貫通穴36cの上面に樹脂が盛り上がるように形成しなくてもよく、図4に示す固化部材41のように、円筒部36aの外周面側がほぼ平らになるように形成してもよい。
図5には、第1の発明の第3の実施形態を示した。なお、第1の発明の第3の実施形態は、その凹部5cと固化部材42の形状以外の構成は、第1の発明の第1の実施形態と同様である。
内輪素子5の凹部は、図5の凹部5cに示すように、断面矩形状に形成してもよい。凹部5cは、凹部5a同様に、円環状に形成され、その円中心を通る中心線n2が、軸受ユニット20の軸方向の中心線mに対して傾くように形成されている。樹脂をモールド成形する際に、スリンガ36の円筒部36aの貫通穴36cを覆うように、矩形状の断面を有する成形用の型をあてがって成形すれば、図5に示す断面矩形状の固化部材42が形成される。
さらに、図6には、第1の発明の第4の実施形態を示した。なお、第1の発明の第3の実施形態は、その凹部5dと固化部材43の形状以外の構成は、第1の発明の第1の実施形態と同様である。
内輪素子5の凹部は、図6の凹部5dに示すように、傾斜面を有する断面三角形状に形成してもよい。凹部5dは、凹部5a同様に、円環状に形成され、その円中心を通る中心線n3が、軸受ユニット20の軸方向の中心線に対して傾くように形成されている。モールド成形する際には、図3の固化部材40の成形時と同様に、貫通穴36cの円筒部36aの外周面側は自然に盛り上がるように樹脂を注入し、固化させて、固化部材43が形成される。
FIG. 4 shows a second embodiment of the first invention.
The second embodiment of the first invention is the same as the first embodiment of the first invention except for the shape of the solidified
At the time of molding, it is not necessary to form the resin so that it rises on the upper surface of the through
FIG. 5 shows a third embodiment of the first invention. Note that the third embodiment of the first invention is the same as the first embodiment of the first invention except for the shape of the
The concave portion of the
Further, FIG. 6 shows a fourth embodiment of the first invention. The third embodiment of the first invention is the same as the first embodiment of the first invention except for the shape of the
The recess of the
図7には本発明の第2の発明の第1の実施形態を示している。なお、第2の発明は、第1の発明同様に内輪素子に凹部が形成されることに加えて、樹脂製のスリンガを用いる点に特徴があり、その他の点は第1の発明とは同様であるので、以下ではその特徴部分について説明する。
図7に示すように、内輪素子5の外周面に設けられているスリンガとの嵌合面5bの中央部分には、凹部5cが形成されている。凹部5cは断面矩形状を有し、嵌合面5bの周面に沿って円環状につながった溝であり、その円中心を通る中心線n4は、軸受ユニットの軸方向の中心線mに対して、わずかに傾くように形成されている。言い換えると、凹部5cが描く円の軌跡は、内輪素子5の軸方向の中心線mに対して直交する面よりも、わずかに斜めに傾いた面にある。その傾き角度は上述の第1の発明の場合と基本的に同様であるが、スリンガ38の円筒部38aには、第1の発明のように貫通穴がなく、貫通穴から突出する固化部材もないので、シールリップが摺接する範囲がこれらにより制限されない。したがって、第2の発明においては、スリンガ38の円筒部38a全体に凹部5cが収まる範囲で凹部5cを傾けることができる。
本実施形態のシールには、筒状の円筒部38aと、この円筒部38aの外側の周縁部から折れ曲がるように円環状に形成された円環部38bとを有し、断面がほぼL字状に形成され、円筒部38aを内輪素子5の嵌合面5bに嵌め合わせた状態であるスリンガ38が設けられている。
このスリンガ38は、断面がL字状に形成されたスリンガ型(図示略)を凹部5cをまたぐように配置し、このスリンガ型と凹部5cとを一体の型として、樹脂をモールド成形することで形成されたものである。そのため、スリンガ38の円筒部38aの内周面には凹部5cを型として円環状に凸部38cが形成される。
FIG. 7 shows a first embodiment of the second invention of the present invention. The second invention is characterized in that a resin slinger is used in addition to the formation of a recess in the inner ring element as in the first invention, and the other points are the same as in the first invention. Therefore, the characteristic part will be described below.
As shown in FIG. 7, a
The seal of the present embodiment has a cylindrical
The
以上のように本実施形態においては、スリンガ38が、円筒部38a、円環部38bおよび凸部38cまで一体にモールド成形されて形成された樹脂製であるため、プレス成形よりも加工公差のばらつきを抑えることができるうえに、内輪素子5の凹部5cを型として形成された凸部38cが、成形後にそのまま凹部5cに係合した状態であるため、スリンガ38は動くことができない。したがって、スリンガの移動を防止でき、クリープ変形も生じにくい。
また、凹部5cは円環状に形成され、しかも、凹部5cの円中心を通る中心線n4が、軸受ユニットの軸方向の中心線mに対して傾き、凸部38cは凹部5aに沿って環状につながって形成されているため、凸部38cは周方向においても、軸方向においてに凹部5c内で容易に動くことはできない。したがって、スリンガ38の移動やクリープ変形を確実に防止することができる。
なお、モールド成形される樹脂としては、各種熱可塑性樹脂、ゴム、接着剤を用いることができるが、凹部5cが環状であることから、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、モールド成形時に凝固により、体積が減少し凹部5cの底面を締め付けるため、スリンガ36の移動防止効果や変形防止により効果的である。
As described above, in the present embodiment, the
The
In addition, although various thermoplastic resins, rubber | gum, and an adhesive agent can be used as resin molded, since the recessed
図8には、第2の発明の第2の実施形態を示した。
なお、第2の発明の第2の実施形態は、凹部5aと凸部37cの形状が異なる以外は、第2の発明の第1の実施形態と同様の構成を有するものである。
図8では、内輪素子5の凹部5aは、断面半円形状であって、円環状に形成され、その円中心を通る中心線n5が、軸受ユニット20の軸方向の中心線mに対して傾くように形成されている。このような凹部5aと前述のスリンガ型を型として樹脂をモールド成形することで、円筒部37aと円環部37bと凸部37cとを有するスリンガ37が、凸部37cを内輪素子5の凹部5aに係合させた状態で形成される。
図9には、第2の発明の第3の実施形態を示した。
なお、第2の発明の第3の実施形態は、凹部5eと凸部39cの形状が異なる以外は、第2の発明の第1の実施形態と同様の構成を有するものである。
図9の凹部5eは、傾斜面を有する断面三角形状に形成されている。凹部5eは、凹部5c同様に、円環状に形成され、その円中心を通る中心線n6が、軸受ユニット20の軸方向の中心線mに対して傾くように形成されている。樹脂をモールド成形することで、円筒部39aと円環部39bと凸部39cとを有するスリンガ39が、凸部39cを凹部5eに係合させた状態で形成される。
FIG. 8 shows a second embodiment of the second invention.
In addition, 2nd Embodiment of 2nd invention has the structure similar to 1st Embodiment of 2nd invention except the shapes of the recessed
In FIG. 8, the
FIG. 9 shows a third embodiment of the second invention.
In addition, 3rd Embodiment of 2nd invention has the structure similar to 1st Embodiment of 2nd invention except the shapes of the recessed
The
さらに、図10には本発明の第2の発明の第4の実施形態を示した。
なお、第2の発明の第4の実施形態は、金属製スリンガ52を樹脂製のスリンガ51に取り付けた点以外は、第2の発明の第1の実施形態と同様の構成を有するものである。
図10に示す二重スリンガ50は、樹脂からなるスリンガ51と、金属製スリンガ52とを組み合わせてなる。
スリンガ51は、図7のスリンガ38同様に、凹部5cが形成された内輪素子5の嵌合面5b上でモールド成形により形成され、円筒部51aと円環部51bと凸部51cとを有する。円環部51bの縁部は周方向に沿って、円筒部51a側に張り出すように段部51dが設けられている。この段部51dには、1つまたは複数個の爪部51eが設けられている。これら段部51dと爪部51eは、モールド成形時に共に形成される。
FIG. 10 shows a fourth embodiment of the second invention of the present invention.
In addition, 4th Embodiment of 2nd invention has the structure similar to 1st Embodiment of 2nd invention except the point which attached
The
Like the
スリンガ51用に使用される樹脂には、フェライト粉などの磁性粉を混合しておく。モールド成形の際に、円環部51bのアキシャル側のモールド型の磁性を相異なるものとして、合わせて内輪素子5との間を真鍮などの非磁性体の材料で磁気絶縁しながら、成形する。このように成形すれば、磁性粉の充填量が少なくてもフェライト粉が連続し、より強力な磁性が得られる上に、マトリックス部における樹脂結合がフェライト粉に阻害されることを防ぐことができるので、樹脂の強度を保つことができる。
The resin used for the
金属製スリンガ52は、円筒部52aと円環部52bとからなり、断面がL字状を有し、金属からプレス成形により形成される。金属としては、例えば、低炭素鋼板やマルテンサイト系ステンレス鋼板などの磁性体である。円環部52bには、爪部51eが係止可能な切欠き52cが設けられている。
金属製スリンガ52は、モールド成形されたスリンガ51の円筒部51aに対して、円筒部52aを嵌合させて取り付けられる。この場合、爪部51eに切欠き52cの位置を合わせながら、円環部52bの周縁部を円環部51bの段部51dに突き当て、円環部51bの内側面と円環部52bの外側面とが密着するように、取り付ける。このとき、両スリンガの密着面を接着剤で固定してもよい。
このように二重スリンガ50を組み付けた後、スリンガ51の円環部51bを円周方向に交互にN極、S極が配置されるように多極に着磁する。
The
The
After the
以上の本実施形態においては、樹脂製のスリンガ51の凸部51cにより移動や変形が防止されることに加えて、樹脂製のスリンガ51に密着するように金属製スリンガ52が取り付けられるため、金属製スリンガ52によって樹脂製のスリンガ51が補強されて強度が増し、より一層クリープ変形を防止できる。
In the above-described embodiment, the
また、金属製スリンガ52の方が樹脂製のスリンガ51よりも、図2で示したシール材17のシールリップ17a、17b、17cなどのシールリップの摺動面として、シール性能の点からより好ましい。
加えて、金属製スリンガ52の切欠き52cに、樹脂製のスリンガ51の爪部51eが係止するため、金属製スリンガ52が樹脂製のスリンガ51に対して回転することはない。すなわち、前記金属製スリンガと前記樹脂製のスリンガとには、当該金属製スリンガと樹脂製のスリンガとの間での相対的な周方向への移動を規制するように互いに噛み合う凹凸構造が設けられていることになる。
Also, the
In addition, since the
しかも、金属製スリンガ52は磁性体であり、樹脂製のスリンガ51は多極に磁化されているため、速度検出などに用いられるエンコーダとして利用できる。
なお、以上の説明では、内輪に固定されるスリンガについて説明したが、外輪に固定されるシール芯金等の部材にも本発明は適用可能であり、この場合に、上述の説明では、凹部が円筒状の内輪の外周に設けられた状態となるが、円筒状の外輪においては、その内周面側に凹部が形成される。したがって、固化部材や樹脂製のスリンガの凸部は、円筒部の外周側に突出して凹部内に充填された状態となっている。
Moreover, since the
In the above description, the slinger fixed to the inner ring has been described. However, the present invention can also be applied to a member such as a seal core fixed to the outer ring. In this case, in the above description, the recess is not provided. Although it will be in the state provided in the outer periphery of the cylindrical inner ring | wheel, in a cylindrical outer ring | wheel, a recessed part is formed in the inner peripheral surface side. Therefore, the convex part of the solidified member or the resin slinger is in a state of protruding to the outer peripheral side of the cylindrical part and filling the concave part.
なお、上記第1発明および第2発明において、凹部の中心軸を内輪の中心軸に対して傾けた状態とすることで、より確実にスリンガ(L型部材)の移動を防止しいている。この際には、凹部の軸方向に沿った位置が内輪もしくは外輪の位相位置(回転角度)によって変化することになるが、凹部の中心軸を傾ける構造に変えて以下のような構造としてもよい。 In the first and second inventions described above, the slinger (L-shaped member) is more reliably prevented from moving by tilting the central axis of the recess with respect to the central axis of the inner ring. In this case, the position along the axial direction of the recess changes depending on the phase position (rotation angle) of the inner ring or the outer ring, but the following structure may be used instead of the structure in which the central axis of the recess is inclined. .
すなわち、凹部の円環状の底面の中心軸が、当該凹部が形成される外輪の内周面もしくは内輪の外周面の中心軸に対して偏心した状態としてもよい。この場合に、凹部の円環状の底面の中心軸が、当該凹部が形成される外輪の内周面もしくは内輪の外周面の中心軸の位置に対してずれることで、凹部の深さが外輪もしくは内輪の位相位置によって異なることになる。
この場合も、外輪や内輪に対するL型部材の移動をより確実に防止することができる。
That is, the center axis of the annular bottom surface of the recess may be eccentric with respect to the center axis of the inner peripheral surface of the outer ring or the outer peripheral surface of the inner ring where the recess is formed. In this case, the central axis of the annular bottom surface of the concave portion is displaced with respect to the position of the central axis of the outer peripheral surface of the outer ring or the outer peripheral surface of the inner ring where the concave portion is formed. It depends on the phase position of the inner ring.
Also in this case, the movement of the L-shaped member relative to the outer ring or the inner ring can be prevented more reliably.
また、凹部の中心軸を傾ける構造に変えて、環状の凹部の幅が当該凹部が形成される外輪もしくは内輪の位相位置によって変化している構造としてもよい。この場合も、外輪や内輪に対するL型部材の移動をより確実に防止することができる。
なお、凹部の深さ、軸方向に沿った位置および幅が凹部が形成される外輪や内輪の位相位置によって、変化していればよく、必ずしも上述のように中心軸が偏心した状態や傾いた状態となっていなくてもよい。
Further, instead of the structure in which the central axis of the recess is inclined, the width of the annular recess may be changed according to the phase position of the outer ring or the inner ring where the recess is formed. Also in this case, the movement of the L-shaped member relative to the outer ring or the inner ring can be prevented more reliably.
Note that the depth, the position along the axial direction, and the width of the recess need only change depending on the phase position of the outer ring and the inner ring where the recess is formed, and the center axis is not always in an eccentric state or inclined as described above. It does not have to be in a state.
1 外輪
2 ハブ
3 転動体
4 ハブ本体
5 内輪素子
5a、5c、5d、5e 凹部
5b 嵌合面
6 外輪軌道
7 内輪軌道
13 内部空間
30、30b シールリング
15、23 シール芯金
32、36、37、38、39、51 スリンガ
36c、 貫通穴
37c、38c、39c、51c 凸部
17、25、26 シール材
20 軸受ユニット
40、41、42、43 固化部材
50 二重スリンガ
51d 段部
51e 爪部
52 金属製スリンガ
52c 切欠き
DESCRIPTION OF
Claims (14)
前記シールには、筒状の円筒部と、この円筒部の一方の端から径方向に沿って内側もしくは外側に折れ曲がるように環状に形成された円環部とを有し、断面ほぼL字状に形成され、前記円筒部を前記外輪の内周面もしくは前記内輪の外周面に嵌め合わせて取り付けられたL型部材が設けられている軸受ユニットにおいて、
前記外周面もしくは内周面の前記円筒部の取付位置には、前記円筒部に覆われる凹部が設けられ、
前記円筒部には、前記凹部に重なる位置に貫通穴が設けられ、前記貫通穴から前記凹部にかけて、当該貫通孔および前記凹部に注入されて固化した固化部材が設けられていることを特徴とする軸受ユニット。 An outer ring having a raceway surface on the inner peripheral surface, an inner ring having a raceway surface on the outer peripheral surface and configured to support the rotation shaft inside thereof, and between the raceway surface of the outer ring and the raceway surface of the inner ring A plurality of rolling elements arranged to be freely rollable, a seal provided so as to close an opening of a space formed by the inner peripheral surface of the outer ring and the outer peripheral surface of the inner ring,
The seal has a cylindrical cylindrical portion and an annular portion formed in an annular shape so as to bend inward or outward along the radial direction from one end of the cylindrical portion, and has a substantially L-shaped cross section. In the bearing unit provided with an L-shaped member attached to the cylindrical portion fitted to the inner peripheral surface of the outer ring or the outer peripheral surface of the inner ring,
At the mounting position of the cylindrical portion on the outer peripheral surface or the inner peripheral surface, a concave portion covered with the cylindrical portion is provided,
The cylindrical portion is provided with a through hole at a position overlapping the concave portion, and is provided with a solidified member that is injected into the through hole and the concave portion and solidified from the through hole to the concave portion. Bearing unit.
前記固化部材は前記凹部に沿って円環状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の軸受ユニット。 The recess is formed in an annular shape along the substantially circumferential direction on the outer peripheral surface or the inner peripheral surface,
The bearing unit according to claim 1, wherein the solidifying member is formed in an annular shape along the concave portion.
前記シールには、筒状の円筒部と、この円筒部の一方の端から径方向に沿って外側に折れ曲がるように環状に形成された円環部とを有し、断面がほぼL字状に形成され、前記円筒部の内周面を前記内輪の外周面に嵌め合わせて取り付けられたスリンガが設けられている軸受ユニットにおいて、
前記内輪の外周面の前記スリンガが設けられる位置には、凹部が設けられ、
前記スリンガは、断面がL字状に形成された環状のスリンガ型と前記凹部が設けられた前記内輪の外周面とを一体の型として、樹脂をモールド成形することで形成された樹脂製であって、前記円筒部の内周面には前記凹部を型として形成された凸部が設けられていることを特徴とする軸受ユニット。 An outer ring having a raceway surface on the inner peripheral surface, an inner ring having a raceway surface on the outer peripheral surface and configured to support the rotation shaft inside thereof, and between the raceway surface of the outer ring and the raceway surface of the inner ring A plurality of rolling elements arranged to be freely rollable, a seal provided so as to close an opening of a space formed by the inner peripheral surface of the outer ring and the outer peripheral surface of the inner ring,
The seal has a cylindrical cylindrical portion, and an annular portion formed in an annular shape so as to be bent outward from one end of the cylindrical portion in the radial direction, and the cross section is substantially L-shaped. In the bearing unit provided with a slinger that is formed and fitted by fitting the inner peripheral surface of the cylindrical portion to the outer peripheral surface of the inner ring,
A recess is provided at a position where the slinger is provided on the outer peripheral surface of the inner ring,
The slinger is made of a resin formed by molding a resin with an annular slinger mold having an L-shaped cross section and an outer peripheral surface of the inner ring provided with the recess as an integral mold. The bearing unit is characterized in that a convex portion formed by using the concave portion as a mold is provided on an inner peripheral surface of the cylindrical portion.
前記凸部は前記凹部に沿って円環状に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の軸受ユニット。 The recess is formed in an annular shape along the circumferential direction of the outer peripheral surface of the inner ring,
The bearing unit according to claim 6, wherein the convex portion is formed in an annular shape along the concave portion.
当該金属製スリンガの円筒部内に前記樹脂製のスリンガの円筒部が挿入された状態とされるとともに、前記樹脂製のスリンガの円環部と前記金属製スリンガの円環部どうしが密着した状態で前記樹脂製のスリンガの円筒部の外周に、前記金属製スリンガの円筒部が嵌合されていることを特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれかに記載の軸受ユニット。 A metal slinger having a cylindrical cylindrical portion and an annular portion formed in an annular shape so as to bend outward from one end of the cylindrical portion in the radial direction, and having an L-shaped cross section With
In the state where the cylindrical part of the resin slinger is inserted into the cylindrical part of the metal slinger, the annular part of the resin slinger and the annular part of the metal slinger are in close contact with each other. The bearing unit according to any one of claims 6 to 10, wherein a cylindrical portion of the metal slinger is fitted on an outer periphery of a cylindrical portion of the resin slinger.
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2008042622A JP2009197962A (en) | 2008-02-25 | 2008-02-25 | Bearing unit |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014178006A (en) * | 2013-03-15 | 2014-09-25 | Ntn Corp | Bearing device with sealing device |
DE102021112953A1 (en) | 2021-05-19 | 2022-11-24 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Ring-shaped sensor arrangement |
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2008
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