JP2009194999A - ステータコイルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スロットに収容されるコイル導体部分であるスロット収容導体部103の先端面105を密着させた状態で圧接などにより接合し、絶縁被覆して周方向展開コイルを作製する。これにより、コイルエンドの軸方向突出長が短い複雑な形状のコイルエンドをもつ周方向展開コイルを容易に製造することができる。
【選択図】図5
Description
まず、各導体のコイルエンド導体部が階段状に形成されたこの実施形態のステータコイル(以下、クランク型ステータコイルと称する)について図1〜図4を参照して説明する。図1は、クランク型ステータコイルの一本の導体をなす絶縁被覆平角線30を示す部分斜視図であり、図2は、階段状のコイルエンド部42の集合体であるクランク型コイルエンドを示す部分斜視図である。
絶縁被覆平角線30のコイルエンド部42、すなわち本発明で言うコイルエンド導体部を、その周方向模式展開図である図3を参照して更に詳しく説明する。
圧接法を用いた第1製造方法を図5、図6を参照して説明する。図5は、圧接工程を説明する模式部分斜視図、図6は挟持付勢部材によりコイルエンド導体部を挟持した状態を示す模式部分断面図である。
まず、それぞれ分布巻状に周方向へ展開されたコイル導体のそれぞれ半ターン分(半コイル導体とも言う)をなす第1コイル101及び第2コイル102を多数製造する。第1コイル101及び第2コイル102は同一形状に形成され、それぞれ平角線を絶縁被覆してなる絶縁被覆導体線のコイルエンド予定部分を曲げることにより、略半分の長さの直線状のスロット収容導体部103、103と、階段状に曲げられたコイルエンド導体部104とにより構成されている。2本のスロット収容導体部103は、コイルエンド導体部104の両端から電気角π離れて平行に延在している。階段状のコイルエンドの製造自体はこの発明の要旨ではなく、この実施形態のコイルエンド導体部104は、階段状であることが必須ではないため、コイルエンド導体部104の曲げ工程の説明は省略する。
次に、第1コイル101のスロット収容導体部103の先端面105と、第2コイル102のスロット収容導体部103の先端面105とをその全面にわたって密着させる。この実施形態では、この密着は、図6に示す挟持付勢部材201、202を用いて行う。挟持付勢部材201は、垂直方向かつスロット収容導体部103の長手方向に延在する縦端面203と、水平方向かつスロット収容導体部103の長手方向に延在する横平面204とをもち、縦端面203と横平面204とは、直角に接している。挟持付勢部材202は、垂直方向かつスロット収容導体部103の長手方向に延在する縦端面205をもち、挟持付勢部材201の横平面204上を左右方向(周方向展開方向)に進退可能に配置されている。挟持付勢部材202は、図略のアクチエータにより左右方向に進退される。
次に、図略のアクチエータにより、第2クランプペアを第1クランプペアに向けてスロット収容導体部103の長手方向へ所定の押圧力で押圧する。この押圧力は、第1コイル101のスロット収容導体部103の先端面105と、第2コイル102のスロット収容導体部103の先端面105とが圧接されるに十分な大きさとされ、上記した挟持付勢部材201、202の挟持力は、この圧接時に挟持付勢部材201、202とスロット収容導体部103との間で滑りが生じない大きさとされる。これにより、互いに密着する先端面105、105は圧接される。
次に、スロット収容導体部103、103の先端面105近傍に樹脂液が塗布され、固化されて先端面105の周囲が電気絶縁される。
挟持付勢部材201、202の異なる形状を図7、図8を参照して説明する。第1コイル101のスロット収容導体部103を挟持するための第1のクランプペア301と、第2コイル102のスロット収容導体部103を挟持するための第2のクランプペア302を用いる点、それぞれスロット収容導体部103を挟持するクランプペア301、302を圧接方向に付勢する点は、上記実施形態と同じである。
上記説明では、2本のスロット収容導体部103、103を圧接して1本のスロット収容導体部103とする状態を説明したが、周方向へ展開された複数ペアのスロット収容導体部103、103を同時に圧接することができること、及び、この一斉圧接において、一部の挟持付勢部材を共通化できることは当業者であれば容易に理解できることであり、説明を省略する。4ペアのスロット収容導体部103、103を縦クランプ方式で同時に圧接する態様を図9に模式図示する。
超音波接合法を用いた第2製造方法を図10を参照して説明する。第1のクランプペア301を構成する挟持付勢部材201、202は、第1コイル101のスロット収容導体部103を挟持し、第2のクランプペア302を構成する挟持付勢部材201、202は、第2コイル102のスロット収容導体部103を挟持する点、並びに、互いに対面する2つのスロット収容導体部103の先端面105を当接させる点は、既述した第2製造方法と同じである。
圧接法の変形態様である第3製造方法を図11を参照して説明する。この製造方法は、既述した圧接法を採用するに際して、一方のスロット収容導体部103の先端部にV溝を設け、他方のスロット収容導体部103の先端部を先細形状とした点にその特徴がある。他方のスロット収容導体部103の先細先端部111は平坦斜面112、113を有しており、一方のスロット収容導体部103のV溝114は、平坦斜面112、113が形成する鋭角θ度よりも僅かに小さい角度を有している。第2のクランプペア302を構成する挟持付勢部材201、202を第1のクランプペア301を構成する。挟持付勢部材201、202に向けてスロット収容導体部103の長手方向に押しつけると、平坦斜面112、113とV溝114の表面との間に塑性変形が生じ、両者は少ない押圧力で圧接されることができる。
圧接法の変形態様である第4製造方法を図12を参照して説明する。この製造方法は、既述した圧接法を採用するに際して、一方のスロット収容導体部103の先端部に斜面121を設け、他方のスロット収容導体部103の先端部に斜面122を設けた点にその特徴がある。ただし、この製造方法では、装置の簡素化のために、第1コイル101のスロット収容導体部103と第2コイル102のスロット収容導体部103とは共通の挟持付勢部材401、402により挟持、位置合わせされる。
なお、上記実施形態では、スロット収容導体部103の長手方向中央部にて接合を行ったが、同一スロットの径方向又は周方向に隣接する2つのスロット収容導体部103の接合部分を、軸方向にずらすことが好適である。これにより、接合によるスロット収容導体部の長手方向と直角方向への膨らみやその絶縁被覆によるスロット収容導体部の膨らみが径方向又は周方向に重なることにより、スロットへのスロット収容導体部の挿入作業が困難化するのを防止することができる。
12 ステータコア
14 スロット
15 スロット
20 ステータコイル
30 絶縁被覆平角線
40 スロット収容部
42 コイルエンド部
42 各コイルエンド部
101、102 コイル
103 スロット収容導体部
104 コイルエンド導体部
105 先端面
111 先細先端部
112、113 平坦斜面
114 V溝
121 斜面
122 斜面
201 挟持付勢部材
202 挟持付勢部材
203 縦端面
204 横平面
205 縦端面
206 浅溝
207 底面
301、302 クランプペア
401、402 挟持付勢部材
Claims (9)
- 平角線を絶縁被覆してなる絶縁被覆導体線をのコイルエンド予定部分を曲げることにより、直線状のスロット収容導体部とコイルエンド導体部とを交互に形成してなる相コイルを必要相数分だけ組み合わせて構成された多相ステータコイルを周方向に展開した形状をもつ分布巻き構造の多相の周方向展開コイルを作製し、この周方向展開コイルをステータコアのスロットに順次挿入してステータコイルを製造するステータコイル製造方法において、
前記スロット収容導体部の一部と一端側の前記コイルエンド導体部とからなり、前記周方向展開コイルの一部をなす第1コイルと、前記スロット収容導体部の残部と他端側の前記コイルエンド導体部とからなり、前記周方向展開コイルの残部をなす第2コイルとを予め作製した後、前記第1コイルの前記スロット収容導体部の先端と、前記第2コイルの前記スロット収容導体部の先端とを突き合わせて接合することにより前記周方向展開コイルを作製することを特徴とするステータコイル製造方法。 - 前記接合は、互いに平行に隣接する複数のスロット収容導体部に対して同時に実施される請求項1記載のステータコイルの製造方法。
- 前記第1、第2コイルのスロット収容導体部の先端を接触させ、長手方向と直角方向への変位を抑止しつつそれぞれ保持しつつ前記第1、第2コイルのスロット収容導体部の先端を圧接することにより、前記第1、第2コイルのスロット収容導体部の先端を圧接する請求項1記載のステータコイルの製造方法。
- 前記第1、第2コイルのスロット収容導体部の先端を接触させ、前記第1、第2コイルのスロット収容導体部の先端に超音波エネルギーを与えて接合することにより、前記第1、第2コイルのスロット収容導体部の先端を接合する請求項1記載のステータコイルの製造方法。
- 前記第1コイルのスロット収容導体部の先端に溝を設け、前記第2コイルのスロット収容導体部の先端を細幅に形成し、前記第2コイルのスロット収容導体部の先端を前記第1コイルのスロット収容導体部の先端に圧入することにより、前記第1、第2コイルのスロット収容導体部の先端を接合する請求項1記載のステータコイルの製造方法。
- 細幅に形成された前記第1、第2コイルのスロット収容導体部の先端部をかしめることにより、前記第1、第2コイルのスロット収容導体部の先端を接合する請求項1記載のステータコイルの製造方法。
- 前記第1、第2コイルのスロット収容導体部の先端を接合した後、前記接合した部分を絶縁被覆する請求項1記載のステータコイルの製造方法。
- ステータコアの同一スロット内にて径方向に又は周方向に隣接する2つの前記スロット収容導体部の接合部分は、軸方向にずれている請求項1記載のステータコイルの製造方法。
- 前記コイルエンド導体部は、前記スロット収容導体部の略長手方向へ突出する部分と、展開方向へ延在する部分とを交互に有して階段状に折り曲げられているステータコイルの製造方法。
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