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JP2009188198A - 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法及び基板処理装置 Download PDF

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JP2009188198A JP2008026671A JP2008026671A JP2009188198A JP 2009188198 A JP2009188198 A JP 2009188198A JP 2008026671 A JP2008026671 A JP 2008026671A JP 2008026671 A JP2008026671 A JP 2008026671A JP 2009188198 A JP2009188198 A JP 2009188198A
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Abstract

【課題】処理室の内面等に付着したHfO、HfSiO,ZrO等の高誘電体膜をエッチングガスによりクリーニングできる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基板30を処理室4内に搬入する工程と、前記処理室4内で基板30上に高誘電体膜を成膜する工程と、成膜後の基板を前記処理室4より搬出する工程と、前記処理室4内に塩素を含むガスと酸素を含むガスとを導入するかもしくは塩素および酸素を含むガスを導入して前記処理室4内をクリーニングする工程と、前記処理室4内に酸素を含むガスを導入して前記クリーニング後に前記処理室4に残留する物質を除去する工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は半導体装置の製造方法及び基板処理装置に関するものであり、特に、半導体装置の製造工程の一工程である高誘電体膜形成工程で用いられる基板処理装置のクリーニングに関るものである。
一般に、CVD法やALD法により基板上に薄膜を形成する基板処理装置では、所定の許容範囲に膜厚とその面内均一性を維持するため、また、パーティクルの発生量をある一定水準以下に抑制するため、処理室の内壁等、基板以外の部分に付着した付着物の膜厚が一定の累積厚さに到達する度に処理室内のクリーニングを実施している。処理室内のクリーニングには、エッチングガスを用いるドライクリーニング法とエッチング液を用いるウエットクリーニング法がある。
ウエットクリーニング法は、クリーニングする部品を、予め、クリーニング済みの部品と交換することが可能であり、交換作業に要する時間はそれ程大きな問題とはならない。
しかし、クリーニングのために処理室を大気に開放し、機体から反応容器等、クリーニングを必要とする部品を取り外してクリーニングするため、ヒータ降温工程、部品交換工程、ヒータ昇温工程、温度安定待ち工程、プリコート工程といった一連の工程が必要となる。
これらの一連の工程のうちプリコート工程は、製品ウェハの着工前に、クリーニング前後での成膜時の膜厚の変動が引き起こされないように、また、クリーニング後の残留ガスが残らないようにするために必要な工程であり、通常のCVD成膜時と同様の条件で成膜を行い、通常のCVD成膜時と同じ処理室雰囲気となるようにするものである。また製品ウェハの着工前には基板(ウェハ)の温度がクリーニング前後で同じになるように、ヒータ温度だけでなく処理室内壁やシャワーヘッドの温度といったウェハを取り巻く環境温度も同一になるまで温度を安定させる温度安定時間が必要になる。従って、ウエットクリーニング法で処理室内をクリーニングするには、部品交換時間の何倍もの時間が必要となり、生産能力が著しく低下する。
つまり、処理室クリーニングの際に製品着工ができないダウンタイムは、クリーニング時間の長短そのものではなく、ヒータ降温+部品交換+ヒータ昇温+温度安定待ち+プリコートといった一連の処理を行うための時間となり、クリーニング時間の何倍もの時間となる。従って、この時間を短縮することにより、装置の生産能力は著しく向上する。
一方、ドライクリーニング法は、エッチングガスを処理室内に導入し、エッチングガスと付着物との化学反応により、付着物をガス状の反応物質(生成物)として付着面から脱離させ、反応生成物をガス状の物質として排出させることによりクリーニングする方法なので、処理室を大気に開放する必要がなく、処理室の大気開放に起因するヒータ降温工程、ヒータ昇温工程、温度安定待ち工程といった工程を省略できるので、ウエットクリーニングに比べて成膜を短時間のうちに再開できる利点がある。
従って、処理室内のクリーニングにはウエットクリーニング法を用いるよりもドライクリーニング法を用いる方が望ましい。
ドライクリーニング法により処理室内をクリーニングする一例としては、例えば、SiやWが付着した場合に、クリーニングガスとしてClFやNFを使用したサーマルもしくはリモートプラズマによるエッチングが実施されている。ClFやNFは、Si
やWと反応してガス状の反応生成物、例えば、SiFやWFとなって外部に排出される。SiFやWF等の反応生成物は蒸気圧が極めて高いという性質を有することから、このClFやNFを用いるクリーニング技術は、技術導入も比較的容易であり、量産装置にも適用されている。エッチングガスには、このように、付着物をガス状の反応生成物として処理室から脱離させるために比較的蒸気圧の高いガス状の反応生成物を生成できるガスであることが大前提となる。
しかし、処理室の内面等に付着したHigh−k膜、たとえば、HfやZrを含む高誘電体膜(HfO、HfSiO(ハフニウムシリケート)又はZrO等)のクリーニングにおいては、前記した反応条件を満たすような蒸気圧の高い物質(反応生成物)は見つかっておらず従って、未だに有望なエッチングガスは探索し切れていない。
そこで、本発明は、処理室の内面等に付着したHfO、HfSiO、ZrO等の高誘電体膜をエッチングガスによりクリーニングすることが可能な半導体装置の製造方法及び基板処理装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、基板を処理室内に搬入する工程と、前記処理室内で基板上に高誘電体膜を成膜する工程と、成膜後の基板を前記処理室より搬出する工程と、前記処理室内に塩素を含むガスと酸素を含むガスとを導入するかもしくは塩素および酸素を含むガスを導入して前記処理室内をクリーニングする工程と、前記処理室内に酸素を含むガスを導入して前記クリーニング後に前記処理室に残留する物質を除去する工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、基板を処理する処理室と、前記処理室内に高誘電体膜を成膜するための成膜ガスを導入する成膜ガス導入管と、前記処理室内に塩素を含むガス、酸素を含むガスもしくは塩素及び酸素を含むガスを導入するガス導入管と、前記処理室内を排気する排気管と、前記処理室内に塩素を含むガスと酸素を含むガスとを導入するかもしくは塩素および酸素を含むガスを導入して前記処理室内をクリーニングし、その後、前記処理室内に酸素を含むガスを導入して前記クリーニング後に前記処理室内に残留する物質を除去するように制御するコントローラと、を有する基板処理装置が提供される。
本発明によれば、HfO、HfSiO、ZrO等の高誘電体膜をエッチングガスによりクリーニングすることができると共に、汚染の原因となる固形の生成物の生成を防止することができるという優れた効果が発揮される。
以下、図1を参照して本発明に係る基板処理装置の一例を説明する。
この実施の形態では、CVD法、より具体的にはMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法やALD法により、HfO、HfSiO、ZrO等の高誘電率膜(High−k膜)を形成する場合について説明する。
図1は本実施の形態に係る基板処理装置であるコールドウオール型の枚葉式基板処理装置の一例を示す概略図である。
まず、基板処理装置の構成について説明する。
図1に示すように、シリコンウエハ等の基板30を処理する処理室4の側壁には、基板
30を搬入・搬出するための基板搬入搬出口60が設けられ、ゲートバルブ46により開閉される。また、処理室4には、基板30を支持するための基板支持板としてサセプタ42が設けられ、サセプタ42は支持台42aにより支持されている。支持台42a内部のサセプタ42の下方には基板30を加熱するためのヒータ43が備えられる。
処理室4の上部には、サセプタ42と対向するように且つサセプタ42と並行にシャワーヘッド47が設けられる。シャワーヘッド47のシャワープレート47aには、ガス噴出口として多数、たとえば、数百〜数万個の孔48がシャワープレート47aの面内に均等に配置される。
各孔48は、極めて小さなコンダクタンスに絞られており、ほぼ均一の流量、流速で基板30上に、後述する原料ガスやクリーニングのためのエッチングガスを供給することができる。
また、サセプタ42上には、シャワーヘッド47から供給されたガスの流れを調整する整流板として、リング状のプレート49が設けられている。プレート49は基板30と同心円に設けられる。
シャワーヘッド47の各孔48より基板30に向けて供給されたガスは、基板30と衝突した後、基板30の径方向外方に向かって流れ、プレート49上及びプレート49と処理容器202の側壁(内壁)との間を通って排気口61から排気管14に排気される。
なお、基板30の外周部等、基板30に膜を形成したくない箇所がある場合は、プレート49の内径を基板30の外形より小さくして、基板30の外周部を覆うようにしてもよい。この場合、基板30の搬送を可能とするため、プレート49を処理室4内の基板処理位置に固定したり、プレート49を昇降させる機構を設けるようにしたりしてもよい。
処理室4には、金属原子例えばハフニウム原子を含む第1原料としてのHf原料を気化したガスを供給するHf原料ガス供給配管17a、シリコン原子を含む第2原料としてのSi原料を気化したガスを供給するSi原料ガス供給配管17b、N,Ar等の不活性ガスを供給する不活性ガス供給配管12、リモートプラズマユニット20により活性化した酸素(酸化ガス)等の酸化剤を供給する酸素ガス供給配管16が接続される。
Hf原料ガス供給配管17a、Si原料ガス供給配管17bには、それぞれベント配管11a,11bが接続される。また、Hf原料ガス供給配管17a、Si原料ガス供給配管17bには、それぞれHf原料、Si原料を気化するための気化器3a、3bが接続される。これらの気化器3a、3bには、Hf原料、Si原料の液体流量を調節するための液体流量制御装置(液体流量制御手段)18a,18bを介してそれぞれHf液体原料供給配管13a,Si液体原料供給配管13bによりHf液体原料容器1、Si液体原料容器2が接続される。
Hf液体原料容器1、Si液体原料容器2には、Hf液体原料容器1、Si液体原料容器2内のそれぞれの原料を、Hf液体原料供給配管13a、Si液体原料供給配管13bに押し出すための圧送ガスを供給する圧送ガス供給配管15a、15bがそれぞれ接続されている。
このような構成において、Hf液体原料容器1、Si液体原料容器2にN等の圧送ガスを供給すると、それぞれの液体原料が液体原料供給配管13a、13bに押し出され、押し出された液体原料は気化器3a、3bで気化され、原料ガス供給配管17a、17bを介して原料ガスとしてそれぞれ処理室4に供給される。酸化ガス(改質ガス)は、リモートプラズマユニット20を経由して活性化した後、処理室4へ供給することが可能となっている。
なお、リモートプラズマユニット20にてプラズマを発生させるためのプラズマ着火用ガスとしては、例えばアルゴン(Ar)ガスが用いられる。
また、処理容器202の下部側壁には排気口61が設けられ、排気口61に排気管14が接続される。排気管14には、上流側から下流側に向かって、減圧排気装置(減圧排気手段)としての真空ポンプ5、原料を回収するための原料回収トラップ(図示せず)、除害装置(図示せず)が順に接続され、真空ポンプ5の上流側には、処理室4内の圧力を制御する圧力制御部(圧力制御手段)として圧力コントローラ(APC:Auto Pressure Controller)51が設けられる。なお図中の各種配管には、付着物の付着を防止するため必要に応じて加熱装置が取り付けられている。
次に、エッチングガスによるクリーニングのための構成について説明すると、シャワーヘッド47に、塩素含有ガスとしてのBClを導入するBCl含有ガス導入管52と、酸素含有ガスとしてのO含有ガスを導入するO含有ガス導入管53が接続され、リモートプラズマユニット54がBCl含有ガス導入管52に介設される。
BCl含有ガス導入管52とO含有ガス導入管53とは互いに独立しており、シャワーヘッド47の各孔48を通じて処理室4内に連通している。
含有ガス導入管53は、流量を調節するための気体流量制御装置(気体流量コントローラ(気体マスフローコントローラ))56を介して図示しない酸素含有ガス供給源に接続され、BCl含有ガス導入管52は、流量を制御するための気体流量制御装置(気体流量コントローラ(気体マスフローコントローラ))55を介して図示しないBCl含有ガス供給源に接続される。
なお、リモートプラズマユニット54は、図2(a)に示されるように、BCl含有ガス導入管52に設けてもよいし、図2(b)に示されるようにO含有ガス導入管53に設けてもよいし、図2(c)に示されるように、BCl含有ガス導入管52とO含有ガス導入管53の両方に設けてもよい。すなわち、リモートプラズマユニット54は、BCl含有ガス導入管52、O含有ガス導入管53の少なくともいずれか一方に介設するようにしてもよい。また、図2(d)に示されるように、BCl含有ガス導入管52にリモートプラズマユニット54を介設し、O含有ガス導入管53にオゾナイザ57を介設する構成としてもよい。なお、図2(b)のように、O含有ガス導入管53にリモートプラズマユニット54を設けた場合、クリーニング用のO含有ガス導入管53、リモートプラズマユニット54を、成膜用の酸素ガス供給配管16,リモートプラズマユニット20と共用することができ(酸素ガス供給配管16,リモートプラズマユニット20が不要となり)好ましい。
制御装置であるコントローラ50は、液体流量制御装置18a、18b、気体流量制御装置55,56、気化器3a、3b、リモートプラズマユニット20、リモートプラズマユニット54、オゾナイザ57、真空ポンプ5、圧力コントローラ51、基板30加熱用のヒータ43等の枚葉式CVD装置を構成する各部の動作を制御するように構成されている。
次に、半導体装置の製造工程の一工程として上記基板処理装置を用いて基板30に高誘電体膜として、例えば、HfSiO膜(ハフニウムシリケート膜)を成膜する方法と、上記基板処理装置をクリーニングする方法について説明する。まず、基板30が基板搬送装置により処理室4に隣接する搬送室(図示せず)から処理室4内に搬入される。
次に、基板30をヒータ43により加熱することで、基板30の温度を基板処理温度に昇温し、圧力コントローラ51により処理室4内の圧力を所定の成膜圧力に保持する。
この後、MOCVD法または、ALD法による成膜ステップが開始される。
成膜ステップでは、原料ガス、すなわちHf原料としての有機金属液体原料、例えば、Hf[OC(CHCHOCH(以下、Hf−MMPと略す)を気化したHf原料ガスおよびSi原料としての有機金属液体原料、例えば、Si[OC(CHCHOCH(以下、Si−MMPと略す)を気化したSi原料ガスと、リモートプラズマユニット20により活性化された酸素等の酸化ガスが交互に複数回供給される。
すなわち、液体流量制御装置18a、18bにより所定の流量に制御され気化器3a,3bにより気化されたHf原料ガス及びSi原料ガスが、シャワーヘッド47内部に導入され、シャワーヘッド47からほぼ均一の流速・流量で基板30上に供給される。活性化された酸素は、酸素ガス供給配管16から供給される。
このとき、サセプタ42に載置された基板30は、ヒータ43によって所定の温度、すなわち、成膜温度に昇温されているため、基板30上に所望の膜厚でHfSiO膜が形成される。
なお、原料ガス(Hf原料ガス、Si原料ガス)の供給と、酸化ガスの供給との間に、不活性ガスとしてのNによるパージ(以下、単にNパージという)が行われる。Nは不活性ガス供給配管12から供給される。
このようにMOCVD法またはALD法による成膜ステップでは、Hf原料ガスとSi原料ガスの供給→Nパージ→酸化ガスの供給→Nパージ、という手順を1単位(1サイクル)とする成膜処理が任意の回数繰り返され、所望の膜厚のHfSiO膜が形成される。
この場合、任意の回数とは、所望の膜厚を1単位の手順で得られる膜厚で割った回数である。
成膜ステップにおいて、Hf原料ガスとSi原料ガスは同時に供給してもよいし、基板30に対して間欠的に供給してもよい。すなわち、Hf原料ガスの供給→Nパージ→Si原料ガスの供給→Nパージ→酸化ガスの供給→Nパージ→、という手順を1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返すようにしてもよい。
その後、所望膜厚のHfSiO膜が形成された後の基板30が基板搬送装置により処理室4から搬送室に搬出される。
なお、CVD法により、基板30を処理する際の処理条件としては、例えば、HfSiO膜を成膜する場合、処理温度:350〜450℃、処理圧力:50〜400Pa、第1原料(Hf−MMP)供給流量:0.01〜0.2g/min、第2原料(Si−MMP)供給流量:0.01〜0.2g/min、酸化ガス(O)供給流量:100〜3000sccmが例示される。
また、ALD法により基板30を処理する際の処理条件としては、例えば、HfSiO膜を成膜する場合、処理温度:200〜300℃、処理圧力:50〜400Pa、第1原料(Hf−MMP)供給流量:0.01〜0.2g/min、第2原料(Si−MMP)供給流量:0.01〜0.2g/min、酸化ガス(O)供給流量:100〜3000sccmが例示される。
このような成膜処理が連続あるいは断続的に繰り返され、処理室4の内壁やサセプタ42、プレート49、ヒータ43の表面等、処理室4内部品の表面に付着するHfO、HfSiO,ZrO等の高誘電体膜(High―k膜)の累積膜厚が所定の厚さ以上になると、膜厚均一性やパーティクルが許容範囲を超えてしまう。このため、膜厚が所定膜厚に到達する度に、エッチングガスによる処理室4内のクリーニングを実施する。
以下、前記基板処理装置における処理室内に付着したHfO、HfSiO、ZrO等の高誘電体膜のエッチングガスによるクリーニング方法について説明する。
まず、HfO、HfSiO、ZrO等の高誘電体膜のドライエッチングに使用できるエッチングガスを特定するため、Cl、ClにOを添加したガス、BCl、BClにOを添加したガスをそれぞれECRプラズマ放電雰囲気中に導入し、エッチングの可否について試験を実施した。
供試装置には、ECRプラズマ発生源を有する基板処理装置を用い、供試材には、予め、膜厚が分かっているHfO、HfSiO膜が成膜された基板を用いた。
エッチングレートは、エッチング前後の膜厚差から求めた。その結果、次のことが判明した。
(1)Clのみでは高誘電体膜はエッチングされない。
(2)ClにOを添加した場合も高誘電体膜のエッチングはされない。
(3)BClにOを添加した場合のみ高誘電体膜はエッチングされる。
(4)BClのみでは高誘電体膜のエッチングレートが小さい。
(5)前記(1)〜(4)により、Cl原子あるいはラジカルと反応させ、単に、HfClx(x=l〜3)やZrCly(y=1〜3)といった比較的蒸気圧の高い生成物(一般には、HfCl、ZrClといった化学量論的に安定な物質に比べてサブクロライドの方が、蒸気圧が高いとされている)にすることで、高誘電体膜のエッチングができるわけではなく、B(ボロン)の還元作用を働かせないとエッチングが進まない。
(6)BClに添加するOの量を0〜100%の間で変化させると、エッチング速度が変化し、Oの添加量が10〜30%の範囲で最大となったが、この結果は高誘電体膜の膜質によって変化する。これは、高誘電体膜中にC(カーボン)が含まれており、CがECRプラズマで生成されたOラジカルと反応することによりエッチングが促進されるためと考えられる。このため、Cの含有量によってはO添加量の最適値が変化するものと考えられる。
(7)エッチング速度はBCl+Oガスの圧力によっても変化し、O添加量の最適値が変化する。処理室の圧力を高くし過ぎると、プラズマ中で発生したB単独あるいはBを含むラジカルが高誘電体膜のエッチングに作用するより、むしろOあるいはOとの反応によりB(固体)を生成する反応が優先する。このため、適度にBの還元作用が高誘電体のエッチングに作用してもBが生成されないように上手くバランスの取れた圧力でエッチングを行うことが重要になる。
このように、HfO、HfSiO、ZrO等の高誘電体膜をエッチングガスによってクリーニングするには、エッチングガスとして処理室に供給するBClガス、Oガスを、ECRプラズマ発生源や、平行平板型の電極を用いるプラズマ発生源により処理室内でプラズマ化するか、又は、プラズマ化した後に処理室に導入する方法が想定される。
しかし、ECRプラズマ発生源や、平行平板型の電極を用いるプラズマ発生源は、CVD成膜、ALD成膜とは直接には関係なく、クリーニングのためだけに基板処理装置に設置するには過剰な設備となる。
このため、本実施の形態では、マイクロ波やRF等を使ったリモートプラズマユニット54を用い、リモートプラズマユニット54でBCl含有ガスやOガスを活性化して処理室4に導入する。この方法は極めて簡便であり、装置運用上でも大きなメリットがある。
処理室4にBCl含有ガスとO含有ガスを供給してクリーニングする場合、BClとOとを適正な比率で混合した混合ガスをリモートプラズマユニット54に供給し、プラズマ化して供給する方法と、処理室4に供給する前に、BCl含有ガスと、O含有ガスとのうち少なくとも何れか一方を、予め、リモートプラズマユニット54でプラズマ化し、それぞれ別々に処理室4に供給し合流させる方法とがある。
前者の方法では、リモートプラズマユニット54に混合ガスを流し、リモートプラズマユニット54内で放電させるが、このときにBの固体が発生し、発生したBの固体が処理室4内に供給されてしまうことがある。
この点、後者の方法のように、処理室4に供給する前に、BCl含有ガス、O含有ガスのうち少なくともいずれか一方をそれぞれマイクロ波やRFを用いてプラズマ励起し、それぞれ別々の配管を通じて処理室4に供給すると、このようなBの固体を発生させずにHfO、HfSiO、ZrO等の高誘電体膜をエッチングすることができる。
これは、BCl、Oのうちいずか一方がプラズマにより活性化されていれば、ラジカル−分子間のエネルギ輸送によって、結局、両方のガスの分解や活性化が生じるためである。
従って、本実施の形態では、BCl含有ガス、O含有ガスのうち少なくとも一方を、リモートプラズマを用いてプラズマ励起し活性化させてそれぞれ別々に処理室4に供給する。
図2はこのような方法を実現するクリーニングガス供給方式のパターン例を示す概略図であり、図2中、4は基板処理装置の処理室、52はBCl含有ガス供給配管、53はO含有ガス供給配管、54は活性化のためのリモートプラズマユニットを示す。
図2(a)に示す例では前記基板処理装置において、BCl含有ガス導入管52と、O含有ガス導入管53とを処理室4に接続し、BCl含有ガス導入管52にのみリモートプラズマユニット54を介設している。
高誘電体膜のクリーニングの際は、プラズマ化したBCl含有ガスとO含有ガスをそれぞれBCl含有ガス導入管52と、O含有ガス導入管53から別々に処理室4に導入させ、処理室4内で初めて合流させる。
図2(b)に示す例では、BCl含有ガス導入管52と、O含有ガス導入管53とを処理室4に接続し、O含有ガス導入管53のみにリモートプラズマユニット54を介設している。
高誘電体膜のクリーニングの際は、BCl含有ガス、リモートプラズマユニット54により活性化したOラジカルとをBCl含有ガス導入管52と、O含有ガス導入管53から別々に処理室4に導入し、処理室4内で合流させる。
図2(c)に示す例では、BCl含有ガス導入管52と、O含有ガス導入管53とを処理室4に接続し、O含有ガス導入管53と、BCl含有ガス導入管52との両方にリモートプラズマユニット54を介設している。
高誘電体膜のクリーニングの際は、BCl含有ガス及びO含有ガスとをそれぞれリモートプラズマユニット54によりプラズマ化して別々に処理室4に導入させ、処理室4内で合流させる。
図2(d)に示す例では、BCl含有ガス導入管52と、O含有ガス導入管53とを処理室4に接続し、BCl含有ガス導入管52のみにリモートプラズマユニット54を介設し、O含有ガス導入管53のみにオゾナイザ57を介設している。
高誘電体膜のクリーニングの際は、リモートプラズマユニット54によりBCl含有ガスをプラズマ化すると共に、O含有ガスの一部をオゾナイザ57によりオゾン化し、OとOの混合ガスとして処理室4に導入させ、処理室4内で合流させる。
(オゾン)は、350℃以上の基板30の表面で熱分解することにより、Oラジカルを生成する。この場合、オゾン化するOの量は全体の1%以上とするのが好ましい。
図3は図2(a)〜(d)に示したガス供給方式のパターンをエッチングレートで比較した図である。図中、(a)〜(d)はそれぞれ図2の(a)〜(d)のガス供給方式のパターンに該当する。図3中、縦軸はエッチングレート(任意単位:a.u.)を示す。
通常、クリーニングでは、サセプタ等の処理室(チャンバ)内の部材がクリーニングダメージにより金属汚染やパーティクルを発生させないよう、ヒータ上に、ダミーウェハを置いてクリーニングを行うが、ここでは、クリーニングの効果を検証する目的と合わせ、予め膜厚が分かっているHfOおよびHfSiO膜のついたウェハをヒータ上に設置し、クリーニング条件を、ウェハ温度を通常の成膜時と同様の温度(250℃:=ヒータ温度約300℃)、圧力10〜50Pa、BCl流量約300sccm、O流量約700sccmとして、クリーニング前後の膜厚差からエッチングレートを求めた。
この結果、いずれのガス供給方式のパターンにおいても大小の差はあっても十分なエッチング速度(エッチングレート)が得られ、クリーニングできることが分かった。
なお、エッチングレートが高い方がよいとも考えられるが、どのガス供給方式が最適かは、装置コストや部品の寿命が使用条件で変化するため判断は難しい。
図3に示すように、図2のガス供給方式のパターン(a)〜(d)をエッチングレートの点で比較すると、BCl含有ガス、O含有ガスの両方をプラズマ励起により活性化して別々に供給する場合(図2(c))やBClをプラズマ化すると共に、Oをオゾン化して別々に供給する方法がより大きな効果が得られるが、コストダウンの点では、図2(a),(b)に示すように、BCl、Oのいずか一方をプラズマ化する方法が好ましい。
図4は図2(a)のガス供給方式において、BCl単独、BClにOを添加したガス及びClにOを添加したガスの各エッチングガスのエッチングレートを示す。図中、縦軸はエッチングレート(任意単位:a.u.)を示す。エッチングの対象は、前記した高誘電体膜であり、クリーニング条件は図3の場合と同じである。
図4に示すように、BCl単独ではエッチングレートは小さく、BClにOを添加した場合にエッチングレートが最大となり、ClにOを添加した場合には、高誘電体膜はエッチングされないことが分かる。
図5は、図2(a)のガス供給方式において、BClに対するO依存性、すなわち、BClに対するOの割合が変化した場合のエッチングレートの変化を示す。エッチングの対象は、前記の高誘電体膜であり、クリーニング条件は図3の場合と同じである。
図中、横軸はO濃度、縦軸はエッチングレート(任意単位:a.u.)を示す。
図5に示すように、BClに添加するOの量を0〜100%の間で変化させると、エッチングレートは、Oの添加量が30%で最大となり、30%を越えると低下する傾向が見られる。
従って、BCl+Oをクリーニングガスとしてリモートプラズマにより高誘電体膜をクリーニングする場合、Oの添加量は30%前後とするのが好ましい。
図6は図2(a)のガス供給方式において、エッチングガスをBCl+Oとし、処理室の圧力を変化させた場合の圧力依存性、すなわち、圧力に対するエッチングレートの変化を示す。図中、横軸は圧力、縦軸はエッチングレート(任意単位:a.u.)を示す。
エッチングの対象は、前記の高誘電体膜であり、クリーニング条件は図3の場合と同じである。
図6に示すように、処理室の圧力が変化するとエッチングレートも変化する。エッチングガスがBCl+Oの場合、エッチングレートは、処理室の圧力が10Paのときに最大となり、10Paを越えると低下する。
従って、BCl+Oをエッチングガスとしてリモートプラズマにより高誘電体膜をクリーニングする場合、圧力は、10Pa前後とするのが好ましい。
以上、HfO、HfSiO、ZrO等の高誘電体膜をドライエッチングによりクリーニングするための方法を例示したが、これらの方法は基板処理装置の反応容器の構造や基板処理装置の運用方法などに基づいてこれらの中から選択するとよい。
なお、本実施の形態では、塩素を含むガスの一例としてBClを例示したが、BClに代えてClFを用いてもよい。ClFを用いた場合もBClと同様の作用、効果が得られる。また、BCl含有ガス、ClF含有ガス等の塩素含有ガス及びO含有ガス、O含有ガス等の酸素含有ガスは、図1に示すように、クリーニングの際の圧力バランス、反応速度に基づいてAr、He等の不活性ガス(稀ガスを含む)からなる希釈ガスで希釈するようにしてもよい。希釈ガスで希釈すると、処理室4内でのガスの攪拌性を向上でき、また、エッチングレートを調節することも可能となる。また、本実施形態では、塩素含有ガスと、酸素含有ガスとを用いてクリーニングする例について説明したが、
COCl(ホスゲン)等、塩素及び酸素を含むガスを用いてクリーニングすることもでき、この場合、ガス分子内に酸素を含んでいることから、酸素含有ガスを添加しなくてもクリーニングを行うことができる。すなわち、COCl等の塩素及び酸素を含むガスであれば、そのガス単独でクリーニングすることができる。
次に半導体装置の製造工程の中でのクリーニング方法について具体的に説明する。
まず、処理室4から所望膜厚の高誘電体膜が形成された基板30が搬出された後、サセプタ42等の反応容器内の部品のクリーニングダメージにより金属汚染やパーティクルを発生させないようにするため、サセプタ42上にサセプタ保護用ダミーウェハを置く(ダミーウェハ載置工程)。
その後、処理室4内の温度、圧力を所定の温度、圧力に調節し(温度・圧力調節工程)、リモートプラズマユニット(RPU)54の放電が安定するまで待機する(放電安定工程)。
処理室4内の温度、圧力がクリーニングに適した温度、圧力に安定し、リモートプラズマユニット54の放電が安定すると、例えば、図2(b)で説明したように、リモートプラズマユニット54によりO含有ガスをプラズマ化し、プラズマ化したO含有ガスと、BCl含有ガスとをそれぞれO含有ガス導入管53、BCl含有ガス導入管52を通じてそれぞれ別々に処理室4内に導入しつつ排気管14より排気する。
また、例えば、図2(d)で説明したようにリモートプラズマユニット54によりBCl含有ガスをプラズマ化すると共に、O含有ガスの一部をオゾナイザ57によりオゾン化してOとOの混合ガスとして処理室4に導入しつつ排気管14より排気する。
これにより、処理室4内に付着した高誘電体膜が除去(エッチング)され、処理室4内のクリーニングが行われる(クリーニング工程)。
BCl含有ガス、O含有ガスからなるエッチングガスによるクリーニングが終了した後は処理室4内に酸素含有ガスを導入しつつ排気することで処理室4内に残留しているCl含有生成物を除去する。
この場合、図2(b)に示すリモートプラズマユニット54を利用してプラズマ化したO又は図2(d)に示すオゾナイザ57を利用して生成したOを少なくとも1パーセント以上含有するOとOとの混合ガスをパージガスとして処理室4内に導入し、処理室4内に残留したCl含有生成物と反応させ、これを除去するように処理室4内をパージする。パージガスは排気管14から排気される(Cl含有生成物除去工程)。
その後、クリーニング前後での成膜時の膜厚変動を引き起こさないよう通常のCVD成膜又はALD成膜と同様の成膜条件でプリコート(プリデポ(コンディショニング))を実施し、処理室4内雰囲気をクリーニング前と同じ状態に回復させる(プリコート工程)。この処理が完了すると、未処理の基板30に対する成膜処理が再開される。
なお、図2(a)〜(c)に示したガス供給方式のパターンにおいて、処理室4内をクリーニングするときの処理条件としては、例えば、処理温度:200〜500℃、処理圧力:10〜1000Pa、BCl流量:10〜1000sccm、O流量:10〜500sccmが例示される。
また、クリーニング後に処理室4内のCl含有生成物を除去するときの処理条件、すなわち、パージ条件としては、例えば、処理温度:200〜500℃、処理圧力:10〜1000Pa、
流量:100〜2000sccmが例示される。
また、図2(d)に示したガス供給方式のパターンにおいて、処理室4内をクリーニングするときの処理条件としては、例えば、処理温度:200〜500℃、処理圧力:10〜1000Pa、BCl流量:10〜1000sccm、O流量:10〜500sccm、O流量:1〜100sccm、O濃度:1〜20%が例示される。
また、クリーニング後に、処理室4内のCl含有生成物を除去するときの処理条件、すなわち、パージ条件としては、例えば、処理温度:200〜500℃、処理圧力:10〜1000Pa、O流量:100〜2000sccm、O流量:10〜500sccm、O濃度:1〜20%が例示される。
(実施形態の効果)
本発明の実施の形態によれば、次の効果がある。
従来のウエットエッチングのように、処理室を大気に開放することなく、HfO、HfSiO、ZrO等の高誘電体膜をエッチングによりクリーニングすることができる。
また、クリーニング前後の膜厚および面内均―性の特性を維持した上で、処理室のクリーニングに要するダウンタイムを著しく短縮することができる。この結果、装置の生産能力が大幅に向上し、装置稼働率の向上、ひいては生産性が向上する。
実際に、長期にわたって使用してきた基板処理装置の処理室4内を本実施の形態に係るクリーニング方法によりクリーニングし、その後、基板30に高誘電体膜を成膜した場合の基板の性状について検証した。
クリーニングの際には、サセプタ42上にダメージ抑制用のダミーウェハを載置して保護した。
図7はクリーニングに使用したクリーニングレシピである。
このクリーニングレシピにあるように、まず、処理室4内の圧力が調節される。また、リモートプラズマユニット(RPU)54の放電が安定するまで待機する。この例では、待機時間は、約15分である。
待機時間が経過すると、図2(b)で説明したように、リモートプラズマユニット54によってOガスがプラズマ化され、プラズマ化されたOガスがO含有ガス導入管53から処理室4に導入される。同時に、BCl含有ガス導入管52から処理室4内にBClガスが導入される。
クリーニングの条件は、上述のクリーニング方法で例示したクリーニングの条件と同じ条件とした。
クリーニングの所要時間は約1時間である。
クリーニング後は、リモートプラズマユニット54によりプラズマ化したOガス又はオゾナイザ57によりオゾン化したOとOとの混合ガス(Oを少なくとも1パーセント以上含有するOとOの混合ガス)を処理室4内に導入して処理室4内をパージすることで、処理室4内に残留しているCl含有生成物を除去した。
パージの条件は、上述のクリーニング方法で例示したパージの条件と同じ条件とした。
パージ時間は約45分である。
その後、通常の成膜条件でプリコートを実施し、約1時間実施し、プリコート後に、基板30を処理室4に搬入してHfO膜の成膜を実施した。全体の所要時間は約3.5時間である。
成膜後、処理室4から基板30を搬出し、基板30の膜厚、面内膜厚均一性を測定し、クリーニング前の成膜において測定した膜厚、面内膜厚均一性を比較すると、クリーニング前後での膜厚、面内膜厚均一性のばらつきがともに±2%以内となり、良好な結果が得られた。
[比較例1]
実施例と同じクリーニングの周期で、BClとOとを予め混合した状態でリモートプラズマユニット54を経由し活性化した後に、処理室4に導入した。なお、ガス供給法以外は、実施例と同様の方法でクリーニングを行った。しかし、処理室4内の高誘電体膜は全くエッチングされず、逆に、何らかの反応生成物と思われる薄膜がサセプタ保護用のダミーウェハ上に形成されていた。
このダミーウェハの表面をAuger分光により元素分析したところ、Bが生成され、ダミーウェハ上に輸送されたことが判明した。
さらに、この後、リモートプラズマユニット54を解体し、内部を確認したところ、放電管内壁に白い微粒子が薄膜状に付着していることが観測された。
すなわち、比較例のように最初からBClとOとを混合した状態にしてリモートプラズマユニット54内で放電させると、処理室4に到達する前に反応が進み過ぎて、肝心の活性化したラジカルなどが処理室4まで輸送されず、副作用であるBの固体形成のみが進行してこのBが処理室4内に輸送されたことになる。このことから、本発明で示したBClとOとを別系統で導入することは極めて重要であると言える。
[付記]
以下、本実施の形態に係る好ましい態様を付記する。
本発明の一態様によれば、基板を処理室内に搬入する工程と、前記処理室内で基板上に高誘電体膜を成膜する工程と、成膜後の基板を前記処理室より搬出する工程と、前記処理室内に塩素を含むガスと酸素を含むガスとを導入するかもしくは塩素および酸素を含むガスを導入して前記処理室内をクリーニングする工程と、前記処理室内に酸素を含むガスを導入して前記クリーニング後に前記処理室に残留する物質を除去する工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
この場合、処理室内をクリーニングする工程では前記処理室内に塩素を含むガスと酸素を含むガスとを、それぞれ別々の導入管から導入することが好ましい。
本発明の他の態様によれば、基板を処理する処理室と、前記処理室内に高誘電体膜を成膜するための成膜ガスを導入する成膜ガス導入管と、前記処理室内に塩素を含むガス、酸素を含むガスもしくは塩素及び酸素を含むガスを導入するガス導入管と、前記処理室内を排気する排気管と、前記処理室内に塩素を含むガスと酸素を含むガスとを導入するかもしくは塩素および酸素を含むガスを導入して前記処理室内をクリーニングし、その後、前記処理室内に酸素を含むガスを導入して前記クリーニング後に前記処理室内に残留する物質を除去するように制御するコントローラと、を有する基板処理装置が提供される。
この場合、前記ガス導入管は、塩素を含むガスを導入する塩素ガス導入管と、酸素を含むガスを導入する酸素含有ガス導入管とを有し、前記塩素含有ガス導入管と前記酸素含有ガス導入管とは、それぞれ別個に設けられているのが好ましい。
また、塩素を含むガスはBCl又はClFを含むガスとするのが好ましい。
また、塩素および酸素を含むガスはCOClとするのが好ましい。
また、前記BCl又はClFを含むガスと前記酸素を含むガスの少なくとも何れか一方を前記処理室内に導入する前に活性化することが好ましい。
さらに、塩素を含むガスが、Ar、He等の稀ガスのうちの少なくとも1つで希釈された混合ガスで構成するのが好ましい。
また、前記酸素を含むガスは、酸素単独あるいはAr、He等の希ガスのうちの少なくとも1つで希釈された混合ガスで構成するのが好ましい。
また、前記酸素を含むガスは、予め、オゾナイザにより生成したOを1%以上含有するOとOとの混合ガスで構成するのが好ましい。
さらに、前記塩素を含むガスを処理室に導入する前に予めマイクロ波やRF等を用いてプラズマ励起し、活性なラジカル等を含むガスにして前記処理室に導入するのが好ましい。
前記酸素を含むガスは、前記処理室内に導入する前に、予め、マイクロ波やRF等を用いてプラズマ励起し、活性な酸素原子や励起状態のO、オゾン等を含むガスにして前記処理室内に導入するのが好ましい。
塩素を含むガスおよび酸素を含むガスもしくは塩素および酸素を含むガスを用いて処理室内をクリーニングした後は、酸素ガス単独あるいは酸素ガスを含むガスを導入し、クリーニング後に前記処理室に残留する塩素含有生成物を除去することが好ましい。
塩素を含むガスおよび酸素を含むガスもしくは塩素および酸素を含むガスを用いて処理室内をクリーニングした後は、酸素ガス単独あるいは酸素ガスを含むガスを処理室に導入する前に、予め、マイクロ波やRF(ラジオ周波数)等を用いてプラズマ励起し、活性な酸素原子や励起状態のO、オゾン等を含むガスにして前記処理室に導入し、クリーニング後に前記処理室に残留する塩素含有生成物を除去することが好ましい。
また、塩素を含むガスおよび酸素を含むガスもしくは塩素および酸素を含むガスを用いて処理室内をクリーニングした後は、予めオゾナイザにより生成したOを1%以上含有するOとOとの混合ガスを導入し、クリーニング後に前記処理室に残留するCl含有生成物を除去するようにしてもよい。
高誘電体膜はHfあるいはZrを含む膜である。
本実施の形態に係る基板処理装置であるコールドウオール型の枚葉式基板処理装置の一例を示す概略図である。 本発明の一実施の形態に係るクリーニング方法のパターン例を示す概略図である。 図2(a)〜(d)に示したパターンをエッチレートで比較するための図である。 本実施の形態において、ドライエッチングに使用したガス種とそのエッチングレートを示す図である。 プラズマ雰囲気中で、BClに添加するOの量を0〜100%の間で変化させ、エッチング速度に対するOの添加量について検討した検討結果を示す図である。 本発明の一実施の形態で使用したエッチングガスのエッチングレートと圧力との関係図である。 本発明の一実施の形態に係り、ドライエッチングに使用するクリーニングレシピの一例を示す図である。
符号の説明
4 処理室
5 真空ポンプ
12 酸素供給配管
14 排気管
16 酸素ガス導入配管
17a Hf原料ガス供給配管(成膜ガス導入管)
17b Si原料ガス供給配管(成膜ガス導入管)
20 リモートプラズマユニット
30 基板
42 サセプタ
43 ヒータ
52 BCl含有ガス導入管(塩素含有ガス導入管)
53 O含有ガス導入管(酸素含有ガス導入管)
54 リモートプラズマユニット
61 排気口
57 オゾナイザ
60 基板搬入搬出口
202 処理容器

Claims (2)

  1. 基板を処理室内に搬入する工程と、
    前記処理室内で基板上に高誘電体膜を成膜する工程と、
    成膜後の基板を前記処理室より搬出する工程と、
    前記処理室内に塩素を含むガスと酸素を含むガスとを導入するかもしくは塩素および酸素を含むガスを導入して前記処理室内をクリーニングする工程と、
    前記処理室内に酸素を含むガスを導入して前記クリーニング後に前記処理室に残留する物質を除去する工程と、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 基板を処理する処理室と、
    前記処理室内に高誘電体膜を成膜するための成膜ガスを導入する成膜ガス導入管と、
    前記処理室内に塩素を含むガス、酸素を含むガスもしくは塩素及び酸素を含むガスを導入するガス導入管と、
    前記処理室内を排気する排気管と、
    前記処理室内に塩素を含むガスと酸素を含むガスとを導入するか
    もしくは塩素および酸素を含むガスを導入して前記処理室内をクリーニングし、
    その後、前記処理室内に酸素を含むガスを導入して前記クリーニング後に前記処理室内に残留する物質を除去するように制御するコントローラと、
    を有することを特徴とする基板処理装置。
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